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特表2024-530515サージカルアレイスタビライザ、並びに関連するシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-21
(54)【発明の名称】サージカルアレイスタビライザ、並びに関連するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20240814BHJP
   A61B 17/16 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
A61B34/20
A61B17/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509071
(86)(22)【出願日】2022-08-16
(85)【翻訳文提出日】2024-03-26
(86)【国際出願番号】 EP2022072827
(87)【国際公開番号】W WO2023021019
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/233,350
(32)【優先日】2021-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514046806
【氏名又は名称】メドス・インターナショナル・エスエイアールエル
【氏名又は名称原語表記】Medos International SARL
【住所又は居所原語表記】Chemin-Blanc 38, CH-2400 Le Locle, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】エルサワー・ラミス
(72)【発明者】
【氏名】ミラー・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ソレンティ・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】クローマー・クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ビースター・エリック
(72)【発明者】
【氏名】ホーウェル・バネッサ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL09
4C160LL24
(57)【要約】
サージカルシステムのためのアレイスタビライザは、アレイアダプタの一部分の両側に沿って延在するように構成された一対のアームを含み、アレイアダプタは、回転器具がアレイアダプタに対して中心軸を中心として回転可能であるように回転器具に取付け可能である。アレイアダプタは、サージカルシステムの別の構成要素から延在するように構成され、アレイアダプタのアームのうちの少なくとも1つは、回転器具が回転するにつれて、そのような構成要素に対する中心軸を中心としたアレイアダプタの回転に抵抗するように構成されている。アレイスタビライザは、そのような構成要素と堅固に合体されるか、又は連結装置を介してそのような構成要素に連結される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サージカルシステムであって、
長手方向に沿って配向された中心軸に沿って延在する回転器具と、
前記回転器具に取付け可能なアレイアダプタであって、前記アレイアダプタは、前記回転器具に取り付けられたときに、前記回転器具が前記アレイアダプタに対して前記中心軸を中心として回転可能であるように構成されており、前記アレイアダプタは、アレイを支えるように構成されている、アレイアダプタと、
前記回転器具の一部分を受容するように構成されたカニューレ挿入部を画定するガイド部材と、を備え、前記ガイド部材は、そこから近位に、かつ前記アレイアダプタの一部分の両側に沿って延在する、一対の合体スタビライザアームを含み、前記スタビライザアームのうちの少なくとも1つは、前記中心軸を中心とした前記ガイド部材に対する前記アレイアダプタの回転に抵抗するように構成されている、サージカルシステム。
【請求項2】
前記ガイド部材は、前記カニューレ挿入部を画定するスリーブを含む、請求項1に記載のサージカルシステム。
【請求項3】
前記ガイド部材は、前記スリーブから外向きに延在するハンドル部材を更に含む、請求項1に記載のサージカルシステム。
【請求項4】
前記一対のスタビライザアームは、前記ガイド部材と一体である、請求項1に記載のサージカルシステム。
【請求項5】
前記一対のスタビライザアームは、前記ガイド部材に堅固に接合されている、請求項1に記載のサージカルシステム。
【請求項6】
前記一対のスタビライザアームは、前記ガイド部材に溶接されている延長部材から延在する、請求項5に記載のサージカルシステム。
【請求項7】
前記アレイアダプタの前記一部分は、前記アレイアダプタを前記アレイに接続するための支柱を含み、第2の方向における前記支柱の幅は、前記支柱が前記アームの間にぴったりと受容されるように、前記第2の方向における前記一対のアームの間の距離に実質的に等しく、前記第2の方向は、前記長手方向に実質的に垂直である、請求項1に記載のサージカルシステム。
【請求項8】
前記支柱は、前記第2の方向に実質的に垂直であり、かつ前記長手方向からオフセットされている第3の方向に沿って前記アレイアダプタから延在する、請求項7に記載のサージカルシステム。
【請求項9】
前記アレイは、複数の基準マーカを備え、前記複数の基準マーカは、前記複数の基準マーカが互いに同一平面上にあるようなパターンで配置されている、請求項8に記載のサージカルシステム。
【請求項10】
前記アームは、それぞれの取付け端部から、前記長手方向に沿って配向されている近位方向に前記取付け端部から離隔されたそれぞれの自由端部まで延在し、前記アームは、それぞれの第1の部分及びそれぞれの第2の部分を画定しており、前記第1の部分は、前記取付け端部と前記第2の部分との間に位置し、前記距離は、前記第1の部分に沿って実質的に一定である第1の距離であり、前記アームは、前記第2の方向に沿って前記第2の部分の間で測定された第2の距離を画定しており、前記第2の距離は、前記第1の距離よりも小さく、これにより、
前記支柱が前記アームの間に挿入されると、前記支柱は、前記アームの前記第2の部分を互いから離れるように屈曲させ、
前記支柱が前記アームの前記第1の部分に沿って移動した後に、前記アームの前記第2の部分が互いに向かって内向きに屈曲し、それによって、前記支柱が前記アームの間から後退することに抵抗する、請求項7に記載のサージカルシステム。
【請求項11】
前記アームの自由端部は、互いから離れて広がる、請求項1に記載のサージカルシステム。
【請求項12】
前記スタビライザアームの少なくともそれぞれの部分は、前記中心軸に対して傾斜した角度で延在する、請求項1に記載のサージカルシステム。
【請求項13】
前記回転器具が、骨の標的領域に穴を開けるように構成されたドリルビットである、請求項1に記載のサージカルシステム。
【請求項14】
前記回転器具が、タップ、錐、錐タップ、リーマ、及びねじ回しのうちの1つである、請求項1に記載のサージカルシステム。
【請求項15】
サージカルシステムであって、
中心軸に沿って延在する回転器具であって、電動工具によって前記中心軸を中心として回転駆動されるように構成された近位端部を有する、回転器具と、
前記回転器具に取付け可能なアレイアダプタであって、前記アレイアダプタは、前記回転器具に取り付けられたときに、前記回転器具が前記アレイアダプタに対して前記中心軸を中心として回転可能であるように構成されており、前記アレイアダプタは、アレイを支えるように構成されている、アレイアダプタと、
前記回転器具の一部分を受容するように構成されたカニューレ挿入部を画定するガイド部材と、
前記工具の一部分及び前記ガイド部材の一部分のうちの少なくとも一方に取付け可能なスタビライザと、を備え、前記スタビライザは、前記アレイアダプタの一部分の両側に沿って延在するように構成された一対のアームを有し、前記スタビライザアームのうちの少なくとも1つは、前記スタビライザが取り付けられた前記ガイド部材又は前記工具に対する前記中心軸を中心とした前記アレイアダプタの回転に抵抗するように構成されている、サージカルシステム。
【請求項16】
前記スタビライザは、前記工具の前記一部分及び前記ガイド部材の前記一部分のうちの前記少なくとも一方に前記スタビライザを取り付けるための連結装置を備え、前記連結装置は、
前記工具の前記一部分及び前記一部分のガイド部材の周りに選択的に延在するように構成された一対の対向するクランプアームと、
前記クランプアームのそれぞれの端部に取り付けられた締め付け部材と、を備え、前記締め付け部材は、前記クランプアームの前記端部を互いに向かって押圧して、前記クランプアームを前記工具の選択的部分又は前記ガイドの前記一部分に堅固にクランプ止めするように構成されている、請求項15に記載のサージカルシステム。
【請求項17】
前記クランプアームは、半円形カラー部材であり、前記クランプアームの前記端部は、それぞれのタブを備え、前記締め付け部材は、前記タブ内のそれぞれのねじ山付き孔内に受容されるねじであり、前記ねじは、前記タブを互いに向かって押圧するように回転可能である、請求項16に記載のサージカルシステム。
【請求項18】
前記スタビライザは、前記ガイド部材の前記一部分に取付け可能であり、前記カラー部材の内面は、前記ガイド部材の前記一部分の外面に実質的に適合する、請求項17に記載のサージカルシステム。
【請求項19】
前記スタビライザは、前記工具の前記一部分に取付け可能であり、前記工具の前記一部分は、前記回転器具の近位部分を取り囲む電源アダプタであり、前記工具のハウジングに接続されており、これにより、前記回転器具が前記ハウジングに対して前記中心軸を中心として回転する間に前記電源アダプタが前記ハウジングに対する回転位置を維持し、前記カラー部材の内面は、前記電源アダプタの外面に実質的に適合する、請求項17に記載のサージカルシステム。
【請求項20】
前記回転器具が、骨の標的領域に穴を開けるように構成されたドリルビットである、請求項15に記載のサージカルシステム。
【請求項21】
前記回転器具が、タップ、錐、錐タップ、リーマ、及びねじ回しのうちの1つである、請求項15に記載のサージカルシステム。
【請求項22】
サージカルシステムのためのアレイスタビライザであって、前記アレイスタビライザは、
アレイアダプタの一部分の両側に沿って延在するように構成された一対のアームであって、前記アレイアダプタは、回転器具が前記アレイアダプタに対して中心軸を中心として回転可能であるように前記回転器具に取付け可能であり、前記アームのうちの少なくとも1つは、前記アレイスタビライザがサージカルシステムの少なくとも1つの他の構成要素に取り付けられたときに、前記少なくとも1つの他の構成要素に対する前記中心軸を中心とした前記アレイアダプタの回転に抵抗するように構成されている、一対のアームと、
前記アレイスタビライザを前記少なくとも1つの他の構成要素に取り付けるための連結装置と、を備える、アレイスタビライザ。
【請求項23】
前記連結装置は、
前記少なくとも1つの他の構成要素の一部分の周りに延在するように構成された一対の対向するクランプアームと、
前記クランプアームのそれぞれの端部に取り付けられた締め付け部材と、を備え、前記締め付け部材は、前記クランプアームの前記端部を互いに向かって押圧して、前記クランプアームを前記少なくとも1つの他の構成要素の前記一部分に堅固にクランプ止めするように構成されている、請求項22に記載のアレイスタビライザ。
【請求項24】
前記クランプアームは、半円形カラー部材であり、前記クランプアームの前記端部は、それぞれのタブを備え、前記締め付け部材は、前記タブ内のそれぞれのねじ山付き孔内に受容されるねじであり、前記ねじは、前記タブを互いに向かって押圧するように回転可能である、請求項23に記載のアレイスタビライザ。
【請求項25】
前記回転器具が、骨の標的領域に穴を開けるように構成されたドリルビットである、請求項22に記載のアレイスタビライザ。
【請求項26】
前記回転器具が、タップ、錐、錐タップ、リーマ、及びねじ回しのうちの1つである、請求項22に記載のアレイスタビライザ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サージカル器具及びシステムに関し、より詳細には、手術中にサージカルシステムの1つの構成要素とサージカルシステムの少なくとも1つの他の被駆動構成要素との間の所望の相対位置を維持するためのスタビライザに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ支援画像誘導サージカルナビゲーションシステムが知られており、外科処置中に外科医を支援するために画像を生成するために使用されている。一般に、これらの画像誘導システムは、モニタ画面などのディスプレイ上に画像を生成するために、手術前に撮影された解剖学的構造のCTスキャンなどの患者の解剖学的構造の画像を使用する。これらの画像は、解剖学的構造に対するサージカル器具の位置を示すために手術中に使用される。このシステムは、典型的には、サージカル器具に搭載された追跡アレイなどの追跡装置と、手術中に追跡アレイ(及びそれに取り付けられた器具)と患者の解剖学的構造との相対位置をリアルタイムで追跡するデジタイザと、手術中に患者の解剖学的構造に対する器具及びその位置を表す画像を表示するモニタ画面とを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の一実施形態によれば、サージカルシステムは、長手方向に沿って配向された中心軸に沿って延在する回転器具を含み、また、基準アレイを支えるように構成され、かつ回転器具がアレイアダプタに対して中心軸を中心として回転可能であるように回転器具に取付け可能である、アレイアダプタも含む。サージカルシステムは、回転器具の一部分を受容するように構成されたカニューレ挿入部を画定するガイド部材を含む。ガイド部材は、そこから近位に、かつアレイアダプタの一部分の両側に沿って延在する、一対の合体スタビライザアームを含む。スタビライザアームのうちの少なくとも1つは、中心軸を中心としたガイド部材に対するアレイアダプタの回転に抵抗するように構成されている。
【0004】
本開示の別の実施形態によれば、サージカルシステムは、回転器具と、回転器具に取付け可能なアレイアダプタとを含む。回転器具は、中心軸に沿って延在し、電動工具によって中心軸を中心として回転駆動されるように構成された近位端部を有する。アレイアダプタは、基準アレイを支えるように構成され、かつ回転器具がアレイアダプタに対して中心軸を中心として回転可能であるように回転器具に取付け可能である。システムは、回転器具の一部分を受容するように構成されたカニューレ挿入部を画定するガイド部材を含み、また工具の一部及びガイド部材の一部分のうちの少なくとも一方に取付け可能なスタビライザも含む。スタビライザは、アレイアダプタの一部分の両側に沿って延びるように構成された一対のアームを有する。一対のアームのうちの少なくとも1つは、スタビライザが取り付けられたガイド部材又は工具に対する中心軸を中心としたアレイアダプタの回転に抵抗するように構成されている。
【0005】
本開示の追加の一実施形態によれば、サージカルシステムのためのアレイスタビライザは、アレイアダプタの一部分の両側に沿って延在するように構成された一対のアームを含み、アレイアダプタは、回転器具がアレイアダプタに対して中心軸を中心として回転可能であるように回転器具に取付け可能である。アレイアダプタは、サージカルシステムの別の構成要素から延在するように構成され、それにより、アレイアダプタのアームのうちの少なくとも1つは、アレイスタビライザが少なくとも1つの他の構成要素に取付けられたときに、サージカルシステムの少なくとも1つの他の構成要素に対する中心軸を中心としたアレイアダプタの回転に抵抗するように構成されている。アレイスタビライザは、アレイスタビライザを少なくとも1つの他の構成要素に取り付けるための連結装置を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
前述の概要及び本出願の例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むと、より良く理解されるであろう。本出願の特徴を例示する目的で、例示的な実施形態を図面に示す。しかしながら、本出願は、図示される正確な配置及び手段に限定されないことを理解すべきである。図面のうち:
図1A】本開示の一実施形態による、合体スタビライザアームがドリルスリーブから延在し、アレイを位置的に安定させるように、ドリルガイドスリーブ内に延在し、基準アレイを支えるドリルビットを含む、安定化ドリルアセンブリを有する、サージカルドリルシステムの斜視図である。
図1B図1Aに示すサージカルドリルシステムのドリルビット、ガイドスリーブ、アレイ、及びスタビライザアームの側面部分断面図である。
図1C図1Bに示す切断線1C-1Cに沿ったドリルアセンブリの領域の上面断面図である。
図1D】本開示の一実施形態による、ドリルビットの挿入深さを示すための指標を更に示す、図1Cに示す領域の別の上面断面図である。
図1E】本開示の一実施形態による、ガイドスリーブに対して基準位置にドリルビットを一時的に保つための保持特徴を示す、図1Cに示す領域の別の上面断面図である。
図2A】本開示の別の実施形態による、安定化ドリルアセンブリを有するサージカルドリルシステムの斜視図である。
図2B図2Aに示す安定化ドリルアセンブリの側面図である。
図2C図2Bに示す安定化ドリルアセンブリの斜視図であり、アセンブリのアレイが視覚化の目的で切断されている。
図3A】本開示の追加の実施形態による、アレイのための取付け可能なスタビライザを含む安定化ドリルアセンブリを有するサージカルドリルシステムの斜視図である。
図3B図3Aに示す取付け可能なスタビライザの正面図である。
図3C図3Aに示すドリルアセンブリの取付け可能なスタビライザ及びドリルガイドの部分分解図である。
図4A】本開示の更なる追加の実施形態による、アレイのための取付け可能なスタビライザを各々含む代替の安定化ドリルアセンブリを有するサージカルドリルシステムの斜視図である。
図4B】本開示の更なる追加の実施形態による、アレイのための取付け可能なスタビライザを各々含む代替の安定化ドリルアセンブリを有するサージカルドリルシステムの斜視図である。
図5】本開示の別の実施形態による、一体の安定化ドリルガイドの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示は、本開示の一部を形成する、添付図面及び実施例に関連する以下の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解することができる。本開示は、本明細書に説明及び/又は示される特定の装置、方法、用途、条件又はパラメータに限定されるものではなく、本明細書で使用される専門用語は実施例を用いて具体的な実施形態を説明する目的のためだけのものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。また、添付の請求項を含む明細書において使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は複数を含み、特定の数値への言及は、文脈により明確に別様に指示されない限り、少なくともこの特定の値を含む。
【0008】
「複数」という用語は、本明細書で使用される場合、1つよりも多いことを意味する。値の範囲が表されている場合、別の実施形態においては、ある特定の値から、及び/又は他の特定の値までが含まれる。同様に、先行する「約」によって値が近似の形式で表現された場合、その特定値により別の実施形態が形成されることが理解されるであろう。範囲はいずれも境界値を含み、組み合わせが可能である。
【0009】
寸法、角度、比率、及びその他の形状に関して本明細書で使用される場合、「略」、「約」、及び「実質的に」という用語は、製造公差を考慮したものである。更に、「略」、「約」、及び「実質的に」という用語は、規定の寸法、比率、又は角度よりも10%大きいもの又は小さいものを含むことができる。更に、「略」、「約」、及び「実質的に」という用語は、規定された特定の値にも等しく適用され得る。
【0010】
第1、第2などの用語は、様々な要素を説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、1つの要素を別の要素と区別するために使用される。例えば、本明細書に開示される実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。
【0011】
本明細書に開示される実施形態は、CTスキャナ又はフルオロスコープなどの医療撮像装置に対する回転器具(例えば、ドリルビット、タップ、錐、リーマ、ねじ回し等)の視覚アレイの相対回転位置を維持するためのスタビライザを含む、サージカルシステムに関する。本明細書に開示されるスタビライザは、アレイコネクタ(アレイを回転器具に接続する支柱など)の両側に沿って延在する一対のアームを含み、それによって、回転器具の中心軸を中心とした望ましくない回転運動からアレイ24を安定させ、医師が、3本の手の代わりに2本の手のみを使用して、回転器具、アレイ、及び関連付けられたガイド部材を操作することを可能にする。本明細書に開示される実施形態のうちのいくつかでは、スタビライザは、回転器具が通って延在するガイド部材と合体され、一体であることができる。本明細書に開示される他の実施形態では、スタビライザは、サージカルシステムの別の構成要素から分離され、それと堅固に取付け可能であり得る。
【0012】
以下に開示される例示的な実施形態は、骨の標的領域に穴を開けるためのドリルビットを含むサージカルドリルシステムを参照して説明されるが、本明細書の実施形態はまた、非限定的な例として、タップ、錐、錐タップ、リーマ、及びねじ回しなどの他のタイプの回転器具と共に使用するように適合され得ることを理解されたい。
【0013】
図1A図1Cを参照すると、安定化回転器具アセンブリ150の例示的実施形態を採用する、サージカルシステム100が示されている。この例では、サージカルシステム100は、安定化ドリルアセンブリ150を採用するドリルシステム100であるが、他の実施形態では、タップ、錐、錐タップ、リーマ、ねじ回し等の他の回転器具を採用することができる。安定化ドリルアセンブリ150は、アレイスタビライザ2(本明細書では単に「スタビライザ」2とも呼ばれる)を含み、アレイスタビライザ2は、この例では、ドリルスリーブ4などのドリルガイド部材から近位方向Pに延在する。したがって、ドリルスリーブ4は、スタビライザ2から、近位方向と反対の遠位方向Dに延在する。近位方向P及び遠位方向Dは、本明細書で言及されるとき、それぞれ、双方向である長手方向Xの一方向成分であることを理解されたい。スタビライザ2は、ドリルスリーブ4に堅固に取り付けられることが好ましい。この例では、スタビライザ2及びドリルスリーブ4は、互いに一体である。しかしながら、他の実施形態では、スタビライザ2及びドリルスリーブ4は、非限定的な例として、互いに溶接されることによって、又は締結具で堅固に連結されることによって、互いに堅固に連結される別個の構成要素であり得る。ドリルシステム100は、ドリルビットなどのドリル部材10を、ドリルスリーブ4を通してその遠位端部5から出し、骨などの患者の解剖学的構造の標的領域内に前進させるための工具8、好ましくは電動工具を含む。標的領域は、非限定的な例として、椎体の椎弓根を含むことができる。図1Aでは、ドリルビット10は、ドリルビット10の遠位端部11がドリルスリーブ4の遠位端部5の遠位に位置付けられるように示されており、これは、ドリルスリーブ4に対するドリルビット10の中間位置又は「深さ」と一致し得る。工具8は、外側ハウジング9を含み、また、ドリルビット10と連結し、ドリルビット10の中心軸X1を中心としたドリルビット10の回転を駆動するためのチャックなどのドリルカプラを含む。中心軸X1は、長手方向Xに沿って配向される。工具8は、ハンドル部分12と、中心軸X1を中心としたドリルビット10の回転速度及び回転方向などの工具8の動作を制御するための制御ボタン14などの1つ又は2つ以上の制御部材とを含むことができる。
【0014】
工具8はまた、チャックに隣接する電源アダプタ16及びアレイアダプタ18などの1つ又は2つ以上のアダプタを含むことが好ましく、これについては以下でより詳細に説明する。本例では、電源アダプタ16は、チャックを取り囲み、チャックのためのカウリングを提供し、外側ハウジング9に対して回転可能に固定される。このようにして、電源アダプタ16は、チャック及びドリルビット10が中心軸X1を中心として回転する間、ハウジング9に対して回転方向に静止したままであるように構成される。アレイアダプタ18はまた、ドリルビット10がアレイアダプタ18に対して中心軸X1を中心として回転することを可能にする一方で、アレイアダプタ18が工具8に対して実質的に回転方向に静止したままであるように、ドリルビット10と連結するように構成される。アレイアダプタ18は、ドリルビット10が通って延在する中央孔20を画定する本体部材19を含むことができる。本体部材19は、長手方向Xに沿って細長くてよく、好ましくは、ドリルビット10の搭載フランジ構造22など、ドリルビット10の相補的な搭載構造と連結するように構成された少なくとも1つの搭載形成部を含む。相補的な搭載形成部及び搭載構造は、好ましくは、アレイアダプタ18にドリルビット10のためのスラスト軸受及びジャーナル軸受を提供するように協働的に構成され、それにより、連結されたときに、アレイアダプタ18とドリルビット10との間の相対的な長手方向位置が維持される(すなわち、スラスト軸受機能)一方で、ドリルビット10はアレイアダプタ18に対して回転可能である(すなわち、ジャーナル軸受機能)。
【0015】
システム100は、本明細書では「基準アレイ」24又は単に「アレイ」24とも呼ばれる基準構造24を含み、基準構造24は、患者の解剖学的構造に対するサージカル器具類の可視基準点を外科医に提供するために、x線、蛍光透視法、CT画像等の医療撮像下で可視であるように構成されている。アレイ24は、1つ又は2つ以上の基準マーカ26(本明細書では「アレイマーカ」26又は単に「マーカ」26とも呼ばれる)を含み、基準マーカ26は、医療画像(例えば、蛍光透視法及び/又はCTスキャン)における明確な可視性のためのボールリフレクタ又は他の構造であり得る。マーカ26は、好ましくは、患者の解剖学的構造に対するドリルビット10及び/又は工具8の配向の視覚的指標を提供するように構成されたパターンで配置される。このようにして、アレイ24は、外科医がドリルビット10を骨の標的位置に正確に挿入するのを支援する。いくつかの実施形態では、基準マーカ26は、互いに同一平面上にあり得る。追加的又は代替的に、基準マーカ26は、中心軸X1の配向の視覚的指標を提供するパターンで配置されることができる。基準マーカ26は、所望のパターンでマーカ26を支えるアレイ本体28に連結することができる。アレイアダプタ18は、アレイ24をアダプタ本体19に接続する支柱30などの連結部材を含むことができる。
【0016】
スタビライザ2は、特に、使用中のアレイ24の望ましくない動きに抵抗するようにアレイ24に構造的支持を提供することによって、アレイ24を安定させるように構成されている。例えば、場合によっては、支持されていないアレイアダプタ18、したがってそのアレイ24は、ドリルビット10が軸X1を中心として回転駆動されている間など、重力の影響下などで、使用中に中心軸X1を中心として回転方向にスリップする可能性がある。例えば、アレイ24の重量は、アレイ24が中心軸X1に対して垂直最下点に位置付けられるまで、ドリルビット10を中心としたアレイアダプタ18の回転に影響を及ぼす傾向がある。典型的な使用中、アレイアダプタ18のジャーナル軸受構造は、ドリルビット10が回転している間、工具8に対するアレイアダプタ18(及びアレイ24)の回転位置を維持することができる。しかしながら、ドリルビット10からアレイアダプタ18に与えられる振動などの不安定化力は、場合によっては、アレイアダプタ18を底付き位置に向かって中心軸X1を中心として回転方向に滑らせるのに十分なほど、工具8に対するアレイアダプタ18の回転位置を不安定化させることが知られている。スタビライザ2は、そのような望ましくない回転を防止し、それによって、工具8に対するアレイアダプタ18(したがって、アレイ24)の固定された回転位置を維持するために、アレイアダプタ18に安定支持を提供するように構成されている。
【0017】
図示のように、スタビライザは、ドリルスリーブ4に対するアレイアダプタ18の回転運動に抵抗するようにアレイアダプタ18に接触するように構成された少なくとも1つの支持部材を含む。図示のように、少なくとも1つの支持部材は、支柱30の両側に延在し、中心軸X1を中心としたドリルスリーブ4に対する支柱30(したがって、アレイアダプタ18及びアレイ24)の回転位置を維持するように支柱30に接触する一対のアーム32であり得る。アーム32は、ドリルスリーブ4に隣接する取り付けられた端部34からドリルスリーブ4から離れた自由端部36まで概して全体的に長手方向に延在する。アーム32は、長手方向Xに対して実質的に垂直な横方向Yに沿って互いに離隔されている。アーム32は、その自由端部36においてそれらの間に横方向開口部38を画定し、アレイアダプタ18の支柱30を、開口部38を通してアーム32の間に受容することができるようになっている。本明細書で使用される場合、用語「長手方向」、「長手方向に」、及びその派生語は、長手方向Xを指し、用語「横方向」、「横方向に」、及びそれらの派生語は、横方向Yを指し、用語「垂直」、「垂直に」、及びそれらの派生語は、長手方向X及び横方向Yに実質的に垂直である垂直方向Zを指すことを理解されたい。
【0018】
ここで図1Bを参照すると、スタビライザアーム32、又はその少なくとも一部分は、それらの取り付けられた端部34からそれらの自由端部36まで長手方向に、また垂直に延在することができる。ドリルスリーブ4は、外科処置における使用中に、外科医が、スリーブ4の遠位端部5が骨の標的領域において骨の外面を獲得又はそれに「ドッキング」するまで、軟組織(例えば、皮膚及び筋肉)を通る切開を通してなど、患者の解剖学的構造を通して、手動などでドリルスリーブ4を前進させることができるように構成されている。そのような獲得又はドッキングは、CTスキャン及び/又は蛍光透視法などの医療画像を介して観察及び構成されることができる。スリーブ4の遠位端部5は、好ましくは、骨の外面を獲得する(例えば、骨の外面に「食い込む」)ための歯又は他の係合構造を画定する。工具8は、ビット10の遠位端部が骨の標的領域に接触するまで、ドリルスリーブ4のカニューレ挿入部41を通してドリルビット10を前進させるように構成され、この接触は、医療画像下で観察及び確認することができる。工具8に動力を供給して、ビット10の遠位のドリル領域15を骨の標的領域内に回転駆動及び並進駆動することができる。ビット10のドリル領域15は、ビット10が骨の標的領域内に前進するときに骨材料に係合して骨材料を切断するための溝を含むことができる。ビット10のドリル領域15は、長手方向Xに沿って測定された長さL1を有することができる。ドリルビット10はまた、ドリル領域15に沿ってドリル直径D1を画定し、ドリル領域15の近位に位置するドリルビット10のシャフト領域17に沿ってシャフト直径D2を画定する。長さL1及びドリル直径D1は、骨内の異なる挿入深さ及び穴直径を提供するために必要に応じて適合され得ることを理解されたい。
【0019】
ドリルスリーブ4及び/又はスタビライザ2は、骨の標的領域内のドリルビット10の最大挿入深さを制御するための1つ又は2つ以上の深さ制限特徴を画定することができる。そのような深さ制限特徴の一例は、ドリルスリーブ4の近位面35を含むことができ、近位面35は、ドリルビット10及び/又はアレイスタビライザ18の形成部の遠位対向面37に当接するように構成することができる。図示のように、遠位対向面37は、ドリルビット10の搭載フランジ構造22によって画定することができる。遠位対向面37は、ドリルビット10が標的骨内に最大深さで挿入されたときにドリルスリーブ4の近位面35に当接するように構成することができる。深さ制限特徴のこの例では、長手方向Xに沿って近位面35から遠位端部5まで測定されるドリルスリーブ4の長さL2は、ドリルビット10の骨への最大挿入深さを効果的に決定することができる。
【0020】
ドリルシステム100は、上述のように構成された複数のドリルスリーブ4を有するキットを含むことができ、ドリルスリーブ4は、そこから延在するそれぞれのスタビライザ2を含み、ドリルスリーブ4及び/又はドリルビット10のうちの様々なものは、患者のための様々な治療選択肢を外科医に提供するための異なるパラメータを有することを理解されたい。そのような異なるパラメータは、ドリルビット10の様々な所望の挿入深さに対応することができる長さL1及びL2と、骨内に穿孔される様々な穴直径に対応するドリル直径D1とを含むことができる。追加的又は代替的に、キットは、異なる全長を有する複数のドリルビット10を含むことができ、各ドリルビット10は、任意選択で、異なる長さL1の複数のドリルスリーブのうちの対応する1つと共に排他的に使用するように構成することができる。様々なパラメータの前述の構成要素を提供するそのようなキットは、外科医が、非限定的な例として、挿入深さ及び穴直径などの提供される所望の治療パラメータに基づいて、使用のための構成要素のそれぞれ1つを選択することを可能にすることができることを理解されたい。
【0021】
深さ制限特徴の別の例は、ドリルスリーブ4とドリルスリーブ4の内部のドリルビット10との相補的な当接面を含むことができる。例えば、ドリルスリーブ4は、ドリルビット10が通って延在するカニューレ挿入部41を画定する内面39を画定する。内面39の遠位部分は、好ましくは、ドリルビット10の遠位領域15のドリル直径D1に対応する遠位内側スリーブ直径D3を画定する。内面の近位部分は、好ましくは、ドリルビット10のシャフト領域17のシャフト直径D2に対応する近位内側スリーブ直径D4を画定する。内面39の遠位部分と近位部分との間の肩部分43は、カニューレ挿入部41内に当接面を提供するように近位方向Pに向かって対向することができる。ドリルビット10は、相補的な当接面45を画定することができ、当接面45は、遠位方向Dに向かって対向し、ドリルビット10が標的骨内へ最大深さまで前進したときに遠位拘束様式で肩面43に接触するように構成されている。他のタイプ及び構成の深さ制限特徴が本開示の範囲内であることを理解されたい。
【0022】
いくつかの実施形態では、キットは、異なるサイズのドリルビット10が、対応するサイズのドリルスリーブ4と共にのみ使用され得ることを確実にするための1つ又は2つ以上のサイズ整合特徴を含むことができる。例えば、1つのそのような実施形態では、キットは、小、中、及び大のドリル直径D1として特徴付けられ得る、3つの異なるドリル直径D1を有する複数のドリルビット10を含むことができる。キットは、3つの対応する遠位内側スリーブ直径D3を有する複数のドリルスリーブ4を含み、遠位内側スリーブ直径D3は、小、中、及び大の遠位内側スリーブ直径D3として特徴付けることができる。追加的に、複数のドリルビット10は、3つの異なるシャフト直径D2(小、中、及び大)を有し、複数のドリルスリーブ4は、3つの異なる対応する近位内側スリーブ直径D4(小、中、及び大)を有する。この例示的な実施形態では、対応する直径D1、D2、D3、D4は、「小」ドリルビット10が「小」ドリルスリーブ4内に完全に挿入可能であり、「中」ドリルビット10が「中」ドリルスリーブ4内に完全に挿入可能であり、「大」ドリルビット10が「大」ドリルスリーブ4内に完全に挿入可能であるようなサイズであり、それぞれ図1Bに示される。しかしながら、「小」ドリルビット10のシャフト直径D2は、「中」及び「大」ドリルスリーブ4の近位内側スリーブ直径D4よりも大きい。したがって、ユーザが「小」ドリルビット10を「中」又は「大」ドリルスリーブ4に挿入しようと試みた場合、そのような対では、近位内側スリーブ直径D4がシャフト直径D2よりも小さいので、ドリルビット10のシャフト領域17は、ドリルスリーブ4のカニューレ挿入部41の近位部分に入ることができない。追加的に、「大」ドリルビット10のビット直径D1は、「小」及び「中」ドリルスリーブ4の遠位内側スリーブ直径D3よりも大きい。したがって、ユーザが「大」ドリルビット10を「小」又は「中」ドリルスリーブ4に挿入しようと試みた場合、そのような対では、遠位内側スリーブ直径D3がビット直径D1よりも小さいので、ドリルビット10の遠位領域15は、カニューレ挿入部41の遠位部分に入ることができない。更に、ユーザが「中」ドリルビット10を「小」ドリルスリーブ4に挿入しようと試みた場合、D1がこのような対ではD3よりも大きいので、ドリルビット10の遠位領域15は、カニューレ挿入部41の遠位部分に入ることができず、ユーザが「中」ドリルビット10を「大」ドリルスリーブ4に挿入しようと試みた場合、D2がこのような対ではD4よりも大きいので、ドリルビット10の近位領域17は、カニューレ挿入部41の近位部分に入ることができない。前述のサイズ整合特徴は、ドリルビット10及びドリルスリーブ4のそのような特徴の非限定的な例を表すことを理解されたい。
【0023】
図1Cに示されるように、アーム32は、横方向Yに沿って互いの間にチャネル又はスロット40を画定することができる。アーム32の自由端部36は、アレイスタビライザ18の支柱30が案内されて受容されるための開口部38において漏斗状構造を提供するように、外向きに広がることができる。アーム32は、アーム32の対向する内面42の間に横方向スロット幅W1を画定する。スロット幅W1は、スロット40の少なくとも長手方向主要部分に沿って実質的に一定とすることができ、好ましくは、支柱30の横方向幅(例えば、直径)D5と実質的に同等である。アーム32はまた、支柱30をスロット40内に保持するための、又は支柱30が開口部38を通って後退することに少なくとも抵抗するための保持特徴を画定することができる。例えば、アーム32の自由端部36に近接する対向部分は、スロット40の狭窄部分44を画定することができ、それにより、狭窄部分44は、スロット幅W1よりも小さく、好ましくは支柱30の横方向幅D5よりもわずかに小さいスロット幅W2を有する。アーム32は、支柱30がスロット40の狭窄部分44を通過するときに外向きに屈曲し、その後、支柱30がスロット40から後退することに対する抵抗を提供するように中立位置に戻るように構成され得る。更に、アーム32は、支柱30がスロット40の狭窄部分44を通過した後にアーム32が中立位置まで内向きに屈曲するときに、クリック音などの可聴音を提供するように構成することができ、それによって、支柱30がスロット40の主要部分内に着座したときを示す。ドリルビット10及びアレイアダプタ18は、スタビライザ2及びドリルスリーブ4に対して長手方向に前進するように構成されることを理解されたい。スロット40は、スタビライザ2に対するアレイアダプタ18の長手方向の並進を容易にするように構成することができる。例えば、アーム32の内面42は、支柱30がスロット40内で内面42に沿って並進することができるように、互いに実質的に平行に、かつその主要部分に沿って一定のスロット幅W1で延在することができる。スタビライザ2はまた、開口部38の反対側のスロット40の端面46を画定することができる。端面46は、任意選択で、スタビライザ2に対するアレイアダプタ18の遠位の動きを阻止又は別の方法で妨げるように構成することができ、それによって、ドリルビット10のための追加の及び/又は代替の深さ制限特徴を提供する。
【0024】
図示のように、スロット40の主要部分に沿った一定のスロット幅W1は、支柱30の幅D5と実質的に同等であり得、その結果、アーム32は、支柱30との滑り嵌めを提供し、支柱30をアーム32の間に「保ち」、それによって、支柱30(及びそれによって更にアレイアダプタ18及びアレイ24)がドリルスリーブ4に対して中心軸X1を中心として回転することを防止する。いくつかの実施形態では、スロット幅W1は、支柱の幅D5よりもわずかに小さくすることができ、それによってぴったりとした締まり嵌めを提供する。このようにして、支柱30がスロット40の主要部分に受容されると、中心軸X1を中心とした回転及び/又は中心軸X1に垂直な1つ又は2つ以上の旋回軸を中心とした角形成によるなど、ドリルスリーブ4の位置及び/又は配向の操作は、アレイアダプタ18(したがって更にアレイ24)を、中心軸X1を中心とした回転及び/又はそのような1つ又は2つ以上の旋回軸を中心とした角形成によって対応する様式で同時に操作することもできる。別の言い方をすれば、アーム32の間の支柱30の滑り嵌めは、医師が、ドリルスリーブ4を操作することによってアレイアダプタ18(したがって、アレイ24及びドリルビット10)の配向を制御することを可能にすることができる。支柱30とアーム32との間の滑り嵌めはまた、ドリルスリーブ4に対する、工具8に対する、及び/又は患者の解剖学的構造に対するアレイアダプタ18(したがって、更にアレイ24及びドリルビット10)の振動又はがたつきを排除又は少なくとも低減することができる。アーム32は、好ましくは、支柱30を締まり嵌めで受容するためにアーム32がわずかに外向きに屈曲することを可能にする、ある程度の可撓性も有することを理解されたい。いくつかの実施形態では、アーム32は、使用中にアーム32が振動減衰器として作用することを可能にするために、ある程度の可撓性を有することができる。
【0025】
ここで図1Dを参照すると、スタビライザ2は、ドリルビット10の挿入深さなど、ドリルビット10とドリルスリーブ4との間の相対的な長手方向位置など、サージカルシステム100の状態のための指標を提供するように適合され得る。例えば、アーム32の一方又は両方は、その上に、ドリルビット10の挿入深さを示すために支柱30について参照することができる、長さ増分での一連のマーキング47などの視覚的指標を有することができる。長さ増分は、非限定的な例として、10mmの挿入深さ増分に対応することができる。追加的又は代替的に、スタビライザ2はまた、ドリルビット10の挿入深さを示す触覚フィードバックを提供することができる。例えば、アーム32の内面42は、その上に、長さ増分でのそれぞれ一連の対向するバンプ49を有することができる。対向するバンプ49は、それらの間にそれぞれのスロット幅W2を画定することができ、スロット幅W2は、主スロット幅W1よりも小さく、かつ支柱幅D5よりも小さくすることができ、その結果、支柱30は、ドリルビット10がドリルスリーブ4を通って前進するときに挿入深さの触覚フィードバックを提供するようにバンプ49に係合する。
【0026】
ここで図1Eを参照すると、スタビライザ2は、追加的又は代替的に、ドリルスリーブ4に対する開始位置(例えば、0挿入深さ)などの基準位置においてドリルビット10に保持力を提供するように構成され得る。例えば、アーム32の内面42は、低減されたスロット幅W2を各対が画定するように、2対の対向するバンプ43を画定することができる。対のバンプ43は、ドリルビット10を基準位置から前進させるのに十分な遠位方向の力が加えられるまで、支柱30を対のバンプ43の間に基準位置(例えば、0挿入深さ)で保つように構成することができる。保持力は、例えば、手術中に骨の標的領域に対するドリルアセンブリ150の片手でのドッキングを可能にするように構成され得る。
【0027】
ここで図2Aを参照すると、スタビライザ2の別の例が示されており、スタビライザは、スリーブ部材54とハンドル56とを含むドリルガイド部材50に堅固に連結されており、ハンドル56は、ピストルグリップ式など、中心軸X1に対して斜角などでスリーブ部材54から外向きに延在することができる。本実施形態のスリーブ部材54は、上述のガイドスリーブ4と同様に構成され得る。本実施形態のハンドル56は、スリーブ部材54の配向及び/又は角形成を操作するための有益なモードを外科医に提供することができる。本実施形態のスタビライザ2は、スリーブ部材54に溶接されてもよいし、締結具を介して堅固に取り付けられてもよい。図示のように、スタビライザは、スリーブ部材54から近位方向に延在する延長部材58を含むことができ、延長部材58とアーム32の取付け端部34との間に接合部60を含むこともできる。接合部60において、アーム32は、アーム32の間にスロット40を画定するようにアーム32の主要部分が互いに平行に延在するように、互いから離れるように分岐することができる。アーム32の主要部分は、その自由端部36まで実質的に直線的に延在することができる。図2Bに示されるように、延長部材58及びアーム32の主要部分は、中心軸X1に対して実質的に一定の傾斜角度A1で延在することができ、それにより、アーム32の垂直高さは、接合部60からアーム32の自由端部36まで近位に移動するにつれて増加する。傾斜角度A1は、アーム32が電源アダプタ16をバイパスし、電源アダプタ16と干渉しないように選択され得る。代替的に、傾斜角度A1は、アーム32の長さに沿って変化してもよい。例えば、アーム32の1つ又は2つ以上の部分は、傾斜角度A1で延在することができ、傾斜角度A1は一定であっても変化してもよく、一方、アーム32の1つ又は2つ以上の他の部分は、長手方向Xに沿って延在することができる。追加の及び/又は代替的なアーム32の幾何学的形状を採用することができることを理解されたい。
【0028】
ここで図2Cを参照すると、本実施形態のアーム32は、その自由端部36を含めて、直線的にかつ互いに対して互いに平行に延在することができる。このようにして、スロット幅W1は、アーム32の主要部分に沿ってその自由端部36まで一定とすることができる。代替的に、自由端部36は、上述した方法と同様に、漏斗状に外向きに広がることができる。追加的又は代替的に、本実施形態のアーム32は、上述した方法と同様に、支柱30をスロット内に保持するための保持構造を提供するためなど、狭窄部分を画定することができる。
【0029】
ここで図3A図3Cを参照すると、追加の実施形態では、スタビライザ2は、ドリルガイド50のスリーブ部材54上など、ドリルシステム100の別の接触点に取付け可能な別個の構成要素とすることができる。そのような実施形態のスタビライザ2は、スタビライザ2をドリルガイド50のスリーブ部材54に堅固に連結するための連結装置70を含むことができる。図示のように、連結装置70は、一対の対向する可撓性カラー部材72を有するカラークランプであり得、カラー部材72は、接合端部74から、垂直方向Zなどの方向に沿って接合端部74から離隔されているそれぞれの第2の端部76まで延在し得る。カラー部材72は、対向するクラスプを画定し得、クラスプは、スリーブ部材54の外面の周囲を握り持つための半円形形状を有し得る。カラー部材72の第2の端部76は、それぞれの連結タブ78を画定することができ、連結タブ78は、連結タブ78のそれぞれのねじ山付きレセプタクルを通って延在するつまみねじ80などの締め付け部材を支えることができる。つまみねじ80は、つまみねじ80を作動させて連結タブ78を互いに向かって押圧するように回転させることができるヘッド82を有することができる。このようにして、つまみねじ80を回転させてカラー部材72をスリーブ部材54の外面に対してクランプ止めし、それによってスタビライザ2をドリルガイド50に堅固に取り付けることができる。本実施形態のカラークランプ連結装置70は、有利には、外科医がスリーブ部材54の円周の周りの任意の角度位置でスタビライザ2(したがって、更にアレイアダプタ18及びアレイ24)を取り付けることを可能にすることができ、この角度位置は、非限定的な例として、標的軌道軸X1並びに/又は医療用撮像装置の位置及び配向などの外科的治療ゾーンの特定のパラメータに基づいて選択することができる。カラー部材72は、その内面77がスリーブ部材54の連結位置でスリーブ部材54の外面に全体的に一致するような大きさであることが好ましい。例えば、カラー部材72の内面77の間の幅W3は、少なくとも締め付け部材80が締め付けられたときに、連結位置における電源アダプタ16のスリーブ部材54の外面の幅W4(外径など)と実質的に同等とすることができる。
【0030】
本明細書で説明される連結装置70は、スタビライザ2をドリルシステム100の別の構成要素に取り付けるための取付け装置の1つの非限定的な例として提供されることを理解されたい。様々な他の連結装置、締結具、並びに接合技法及び方法は、本開示の範囲内である。
【0031】
本実施形態では、スタビライザアーム32、又は少なくともその主要部分は、実質的に厳密に長手方向Xに沿って延在することができる。そのような実施形態(又は他の実施形態)では、スタビライザ2は、カラー部材72の接合端部74からアーム32の取付け端部34まで垂直に延在するライザー部材75を含むことができる。ライザー部材75は、スタビライザ2がガイド部材50と堅固に連結されたときに、アーム32が工具8(例えば、その電源アダプタ16)と機械的に干渉しないように、アーム32を位置決めするように構成され得る。
【0032】
ここで図4Aを参照すると、更なる実施形態では、スタビライザ2は、ドリルシステム100の更に別の接触点に取付け可能な別個の構成要素であり得、例えば、工具8の構成要素であってよく、例えば、その電源アダプタ16上にあってよい。このような実施形態では、スタビライザアーム32は、連結装置70に近接するその取付け端部34からアーム32の自由端部36まで遠位方向に延在する。連結装置70は、上述したものと同様であってもよい。しかしながら、本実施形態では、カラー部材72は、その内面77が電源アダプタ16の連結位置で電源アダプタ16の外面に全体的に一致するようなサイズであることが好ましいことを理解されたい。他の実施形態では、カラー部材72は、スリーブ部材54及び電源アダプタ16の両方の外面に対して選択的になど、様々なサイズの物体に対してクランプ止めするように構成することができる。そのような実施形態は、使用中に医療用撮像装置に対してスタビライザ2(したがって更にアレイ24)を取り付けて配向するための更なる選択肢を外科医に提供することができる。
【0033】
上述したスタビライザ2は、材料(様々な品質の骨材料に近似する試験材料(例えば、固化した発泡体)など)の標的領域にドリルビット10を穿孔するための試験処置中に著しい利点を提供することが観察されていることを理解されたい。1つのそのような利点は、スタビライザ2が、1人の外科医が両手を使用して標的位置を穿孔することを可能にすることができることである。例えば、ドリルビット10がドリルスリーブ4又はスリーブ部材54内に挿入され、スタビライザ2のアーム32がアレイアダプタ18の支柱30に(したがって更にアレイ24)連結された状態で、外科医は、一方の手でドリルスリーブ4/スリーブ部材54を把持し、他方の手で工具ハンドル12を把持することができる。したがって、最初のパイロット穴を作るとき、そのような両手での把持は、外科医が一方の手で器具アセンブリの遠位端部を安定させ、同時に他方の手で(工具ハンドル12を介して)近位に位置するアレイを能動的に操縦することを可能にする。更に、これらの把持具を使用して、外科医は、中心軸X1が標的軌道軸に対応し、アレイ24が医療画像視野内で所望のように配向され、スリーブ4、54の遠位端部5が骨の標的領域に接触するまで、医療画像(例えば、CTスキャン及び/又は蛍光透視法)の助けを借りて、穿孔中にドリルアセンブリを位置付け、配向し、能動的に操縦することができる。この位置から、外科医は、第1の手でスリーブ4、54を固定し、他方の手で工具8を操作してドリルビット10を駆動することができ、例えば、深さ制限特徴が互いに当接するまで、その時点で、外科医は、スリーブ4、54引き抜く前に又は同時に工具8を引き抜いて、ドリルビット10を治療部位から引き抜くことができる。この両手での操作性は、典型的には、標的位置を穿孔するために少なくとも3つの手を使用する2人の医師、(1)一方の手でスリーブ4、54を把持し、(2)もう一方の手で工具8を操作し、(3)第3の手でアレイ24及び/又はアレイアダプタ18を固定する、を必要とする、先行技術の配列された穿孔動作に対する有意な技術的進歩を表す。
【0034】
次に図4Bを参照すると、別の実施形態では、スタビライザ2はスタビライザアーム32を含むことができ、スタビライザアーム32は、連結装置70に近接するその取付け端部34から、支柱30内のチャネル33を通って、支柱30の遠位に位置するアーム32の自由端部36まで遠位に延在する。このようにして、チャネル33を通って延在するスタビライザアーム32は、アレイアダプタ18を集合的に安定させることができる。
【0035】
ここで図5を参照すると、更なる実施形態では、サージカルドリルシステムは、単一体ドリルガイド部材及びスタビライザ104を含むことができる。そのような実施形態では、単一体ドリルガイド部材及びスタビライザ104は、アレイアダプタ18を受容するように構成された近位部分106と、ドリルビット10のドリル領域15を受容するように構成された遠位部分108とを有する一体型本体105から構築され得る。本体105はまた、近位部分と遠位部分107との間に長手方向に位置する中間部分107を画定することができる。近位部分106及び遠位部分108は、略円筒形であってもよく、中間部分107は、円錐形又は漏斗様形状を有してもよい。
【0036】
近位部分106は、使用中に支柱30を受容してその動きを案内するように構成されたスロット140を画定することができる。スロット140は、ドリルビット10が骨に穿孔する際に支柱30の長手方向の動きを案内するための主要部分144を有することができる。スロット140の主要部分144は、上述した方法と同様に、支柱30にぴったりと係合して、単一体ドリルガイド部材及びスタビライザ104に対するアレイ24の回転を防止することができる内面142を有する。スロット140はまた、支柱30をスロット140内に最初にドッキングするために、主スロット部分144から円周方向にオフセットされた近位入口部分146を有することができる。近位入口部分146は、ドリルビット10が単一体ドリルガイド部材及びスタビライザ104に対して0挿入深さなどの基準位置にあるときに支柱30が入口部分146の遠位端部に到達するように構成された長さを有することができる。そのような位置において、支柱30が主スロット部分144に入るように本体105を回転させることができ、その位置において、遠位対向肩部148は、支柱30が誤って主スロット部分144から近位方向に後退することを防止する当接面を提供することができる。主スロット部分142は、視覚及び/又は触覚フィードバックを提供するために、上述した増分マーキング及び/又はバンプなどの指標を有することができることを理解されたい。
【0037】
本開示を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書において様々な変更、代用、及び改変を行い得る点を理解されたい。更に、本開示の範囲は、本明細書に説明される特定の実施形態に限定されるものではない。特に、前述の実施形態からの特徴のうちの1つ又は2つ以上は、本明細書の他の実施形態において使用されることができる。当業者がそのプロセスから容易に理解するように、本明細書において説明される対応する実施形態と実質的に同じ機能を実施する、又は実質的に同じ結果を達成する、現在存在する又は後に開発される機械、製造法、組成物、手段、方法、又は工程は、本開示に従って利用され得る。
【0038】
〔実施の態様〕
(1) サージカルシステムであって、
長手方向に沿って配向された中心軸に沿って延在する回転器具と、
前記回転器具に取付け可能なアレイアダプタであって、前記アレイアダプタは、前記回転器具に取り付けられたときに、前記回転器具が前記アレイアダプタに対して前記中心軸を中心として回転可能であるように構成されており、前記アレイアダプタは、アレイを支えるように構成されている、アレイアダプタと、
前記回転器具の一部分を受容するように構成されたカニューレ挿入部を画定するガイド部材と、を備え、前記ガイド部材は、そこから近位に、かつ前記アレイアダプタの一部分の両側に沿って延在する、一対の合体スタビライザアームを含み、前記スタビライザアームのうちの少なくとも1つは、前記中心軸を中心とした前記ガイド部材に対する前記アレイアダプタの回転に抵抗するように構成されている、サージカルシステム。
(2) 前記ガイド部材は、前記カニューレ挿入部を画定するスリーブを含む、実施態様1に記載のサージカルシステム。
(3) 前記ガイド部材は、前記スリーブから外向きに延在するハンドル部材を更に含む、実施態様1に記載のサージカルシステム。
(4) 前記一対のスタビライザアームは、前記ガイド部材と一体である、実施態様1に記載のサージカルシステム。
(5) 前記一対のスタビライザアームは、前記ガイド部材に堅固に接合されている、実施態様1に記載のサージカルシステム。
【0039】
(6) 前記一対のスタビライザアームは、前記ガイド部材に溶接されている延長部材から延在する、実施態様5に記載のサージカルシステム。
(7) 前記アレイアダプタの前記一部分は、前記アレイアダプタを前記アレイに接続するための支柱を含み、第2の方向における前記支柱の幅は、前記支柱が前記アームの間にぴったりと受容されるように、前記第2の方向における前記一対のアームの間の距離に実質的に等しく、前記第2の方向は、前記長手方向に実質的に垂直である、実施態様1に記載のサージカルシステム。
(8) 前記支柱は、前記第2の方向に実質的に垂直であり、かつ前記長手方向からオフセットされている第3の方向に沿って前記アレイアダプタから延在する、実施態様7に記載のサージカルシステム。
(9) 前記アレイは、複数の基準マーカを備え、前記複数の基準マーカは、前記複数の基準マーカが互いに同一平面上にあるようなパターンで配置されている、実施態様8に記載のサージカルシステム。
(10) 前記アームは、それぞれの取付け端部から、前記長手方向に沿って配向されている近位方向に前記取付け端部から離隔されたそれぞれの自由端部まで延在し、前記アームは、それぞれの第1の部分及びそれぞれの第2の部分を画定しており、前記第1の部分は、前記取付け端部と前記第2の部分との間に位置し、前記距離は、前記第1の部分に沿って実質的に一定である第1の距離であり、前記アームは、前記第2の方向に沿って前記第2の部分の間で測定された第2の距離を画定しており、前記第2の距離は、前記第1の距離よりも小さく、これにより、
前記支柱が前記アームの間に挿入されると、前記支柱は、前記アームの前記第2の部分を互いから離れるように屈曲させ、
前記支柱が前記アームの前記第1の部分に沿って移動した後に、前記アームの前記第2の部分が互いに向かって内向きに屈曲し、それによって、前記支柱が前記アームの間から後退することに抵抗する、実施態様7に記載のサージカルシステム。
【0040】
(11) 前記アームの自由端部は、互いから離れて広がる、実施態様1に記載のサージカルシステム。
(12) 前記スタビライザアームの少なくともそれぞれの部分は、前記中心軸に対して傾斜した角度で延在する、実施態様1に記載のサージカルシステム。
(13) 前記回転器具が、骨の標的領域に穴を開けるように構成されたドリルビットである、実施態様1に記載のサージカルシステム。
(14) 前記回転器具が、タップ、錐、錐タップ、リーマ、及びねじ回しのうちの1つである、実施態様1に記載のサージカルシステム。
(15) サージカルシステムであって、
中心軸に沿って延在する回転器具であって、電動工具によって前記中心軸を中心として回転駆動されるように構成された近位端部を有する、回転器具と、
前記回転器具に取付け可能なアレイアダプタであって、前記アレイアダプタは、前記回転器具に取り付けられたときに、前記回転器具が前記アレイアダプタに対して前記中心軸を中心として回転可能であるように構成されており、前記アレイアダプタは、アレイを支えるように構成されている、アレイアダプタと、
前記回転器具の一部分を受容するように構成されたカニューレ挿入部を画定するガイド部材と、
前記工具の一部分及び前記ガイド部材の一部分のうちの少なくとも一方に取付け可能なスタビライザと、を備え、前記スタビライザは、前記アレイアダプタの一部分の両側に沿って延在するように構成された一対のアームを有し、前記スタビライザアームのうちの少なくとも1つは、前記スタビライザが取り付けられた前記ガイド部材又は前記工具に対する前記中心軸を中心とした前記アレイアダプタの回転に抵抗するように構成されている、サージカルシステム。
【0041】
(16) 前記スタビライザは、前記工具の前記一部分及び前記ガイド部材の前記一部分のうちの前記少なくとも一方に前記スタビライザを取り付けるための連結装置を備え、前記連結装置は、
前記工具の前記一部分及び前記一部分のガイド部材の周りに選択的に延在するように構成された一対の対向するクランプアームと、
前記クランプアームのそれぞれの端部に取り付けられた締め付け部材と、を備え、前記締め付け部材は、前記クランプアームの前記端部を互いに向かって押圧して、前記クランプアームを前記工具の選択的部分又は前記ガイドの前記一部分に堅固にクランプ止めするように構成されている、実施態様15に記載のサージカルシステム。
(17) 前記クランプアームは、半円形カラー部材であり、前記クランプアームの前記端部は、それぞれのタブを備え、前記締め付け部材は、前記タブ内のそれぞれのねじ山付き孔内に受容されるねじであり、前記ねじは、前記タブを互いに向かって押圧するように回転可能である、実施態様16に記載のサージカルシステム。
(18) 前記スタビライザは、前記ガイド部材の前記一部分に取付け可能であり、前記カラー部材の内面は、前記ガイド部材の前記一部分の外面に実質的に適合する、実施態様17に記載のサージカルシステム。
(19) 前記スタビライザは、前記工具の前記一部分に取付け可能であり、前記工具の前記一部分は、前記回転器具の近位部分を取り囲む電源アダプタであり、前記工具のハウジングに接続されており、これにより、前記回転器具が前記ハウジングに対して前記中心軸を中心として回転する間に前記電源アダプタが前記ハウジングに対する回転位置を維持し、前記カラー部材の内面は、前記電源アダプタの外面に実質的に適合する、実施態様17に記載のサージカルシステム。
(20) 前記回転器具が、骨の標的領域に穴を開けるように構成されたドリルビットである、実施態様15に記載のサージカルシステム。
【0042】
(21) 前記回転器具が、タップ、錐、錐タップ、リーマ、及びねじ回しのうちの1つである、実施態様15に記載のサージカルシステム。
(22) サージカルシステムのためのアレイスタビライザであって、前記アレイスタビライザは、
アレイアダプタの一部分の両側に沿って延在するように構成された一対のアームであって、前記アレイアダプタは、回転器具が前記アレイアダプタに対して中心軸を中心として回転可能であるように前記回転器具に取付け可能であり、前記アームのうちの少なくとも1つは、前記アレイスタビライザがサージカルシステムの少なくとも1つの他の構成要素に取り付けられたときに、前記少なくとも1つの他の構成要素に対する前記中心軸を中心とした前記アレイアダプタの回転に抵抗するように構成されている、一対のアームと、
前記アレイスタビライザを前記少なくとも1つの他の構成要素に取り付けるための連結装置と、を備える、アレイスタビライザ。
(23) 前記連結装置は、
前記少なくとも1つの他の構成要素の一部分の周りに延在するように構成された一対の対向するクランプアームと、
前記クランプアームのそれぞれの端部に取り付けられた締め付け部材と、を備え、前記締め付け部材は、前記クランプアームの前記端部を互いに向かって押圧して、前記クランプアームを前記少なくとも1つの他の構成要素の前記一部分に堅固にクランプ止めするように構成されている、実施態様22に記載のアレイスタビライザ。
(24) 前記クランプアームは、半円形カラー部材であり、前記クランプアームの前記端部は、それぞれのタブを備え、前記締め付け部材は、前記タブ内のそれぞれのねじ山付き孔内に受容されるねじであり、前記ねじは、前記タブを互いに向かって押圧するように回転可能である、実施態様23に記載のアレイスタビライザ。
(25) 前記回転器具が、骨の標的領域に穴を開けるように構成されたドリルビットである、実施態様22に記載のアレイスタビライザ。
【0043】
(26) 前記回転器具が、タップ、錐、錐タップ、リーマ、及びねじ回しのうちの1つである、実施態様22に記載のアレイスタビライザ。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
【国際調査報告】