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特表2024-530522バイオベースのポリアミドエラストマー及びそのための調製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-21
(54)【発明の名称】バイオベースのポリアミドエラストマー及びそのための調製方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 69/44 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
C08G69/44
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513098
(86)(22)【出願日】2022-08-26
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 CN2022115128
(87)【国際公開番号】W WO2023025284
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】202110992871.6
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517272909
【氏名又は名称】上海凱賽生物技術股分有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】519322820
【氏名又は名称】シーアイビーティー アメリカ インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】520198823
【氏名又は名称】▲凱▼▲賽▼(金▲郷▼)生物材料有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】周 ▲曉▼▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 修▲才▼
【テーマコード(参考)】
4J001
【Fターム(参考)】
4J001DA04
4J001DB05
4J001DC03
4J001DC05
4J001DC12
4J001DD05
4J001DD07
4J001EB08
4J001EB09
4J001EB10
4J001EC04
4J001ED63
4J001EE16D
4J001EE24D
4J001EE75D
4J001EE76D
4J001EE87D
4J001FA01
4J001FB03
4J001FB06
4J001FC03
4J001FD03
4J001GA12
4J001GA13
4J001GB02
4J001GB03
4J001GB05
4J001GB06
4J001GB13
4J001GC04
4J001JA01
4J001JA02
4J001JA04
4J001JA05
4J001JA20
4J001JB01
4J001JB02
4J001JB22
4J001JB23
4J001JB50
4J001JC01
(57)【要約】
開示されているのは、バイオベースのポリアミドエラストマー及びそのための調製方法である。バイオベースのポリアミドエラストマーは、生物学的方法によって調製される特定の脂肪族二酸及びペンタンジアミンをモノマーとして使用して調製される。本発明のポリアミドエラストマーは、優れた性能及び安定な重合モノマー供給源を有し、ポリアミドエラストマーの過剰に高いコストの問題を解決し、エラストマーのための使用法シナリオを広げ、高い商業的価値を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エステル基によって結合されている、式Cによって表される構造単位及び式Dによって表される構造単位を含むバイオベースのポリアミドエラストマーであって、式Cによって表される構造単位が、アミド結合によって結合されている、式Aによって表される構造単位及び式Bによって表される構造単位を含み、
【化1】
(式中、xは、8から16を範囲とする整数である)
バイオベースのポリアミドエラストマーが、1.0から2.0、好ましくは1.1から1.7の相対粘度を有し、及び/若しくは式Cによって表される構造単位によって形成されるセグメントが、800から12,000の数平均分子量を有し;並びに/又は
バイオベースのポリアミドエラストマーが、10,000から70,000の数平均分子量を有し;並びに/又は
式Dによって表される構造単位によって形成されるセグメントが、500から5,000の数平均分子量を有する、
バイオベースのポリアミドエラストマー。
【請求項2】
式Cによって表される構造単位が、式Eによって表される構造単位も含み、式A、B及びEによって表される構造単位が、アミド結合によって結合されている、請求項1に記載のバイオベースのポリアミドエラストマー。
【化2】
【請求項3】
式Aによって表される構造単位が、10mol%から40mol%のモル含有量を有し、式Bによって表される構造単位が、15mol%から40mol%のモル含有量を有し、式Dによって表される構造単位が、35mol%から65mol%のモル含有量を有し、式A、B及びDによって表される構造単位の和が、100mol%であり;
好ましくは、式Aによって表される構造単位の式Bによって表される構造単位に対するモル比が、1:1.0から1:1.5である、
請求項1に記載のバイオベースのポリアミドエラストマー。
【請求項4】
バイオベースのポリアミドエラストマーが、ペンタンジアミン、二酸及びポリテトラメチレンエーテルグリコールを原料として含み、二酸が、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸又はオクタデカン二酸から選択される任意の1種又は複数であり;
好ましくは、プレポリマーのポリテトラメチレンエーテルグリコールに対するモル比が、0.7:1から2:1である、
請求項1に記載のバイオベースのポリアミドエラストマー。
【請求項5】
1.01g/mLから1.2g/mLの密度を有し;及び/又は
25Dから80D範囲のショア硬さを有し;及び/又は
200%以上の破断点伸びを有し;及び/又は
15MPaから60MPa、好ましくは17MPaから50MPa若しくは20MPaから60MPaの引張強さを有し;及び/又は
8kJ/m2以上のノッチ付アイゾット衝撃強さを有し、好ましくはNBである(破断しない)、
請求項1に記載のバイオベースのポリアミドエラストマー。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のバイオベースのポリアミドエラストマーを調製するための方法であって、以下の工程:
工程S1、プレポリマーの調製:ペンタンジアミン、二酸及び第1の触媒を、水と混合することで、ポリアミド塩水溶液を調製し;ポリアミド塩水溶液を、200℃から250℃の温度に加熱し、圧力を、1.5MPaから3.0MPaに増加し、水を、脱ガスすることによって除去し;温度が240℃から270℃に達した時に、-0.01MPaから-0.3MPaの真空を適用し、5分から60分の間保持することで、カルボキシル末端プレポリマーを得る、工程と、
工程S2、エラストマーの調製:工程S1において得られたカルボキシル末端プレポリマーを、第2の触媒の存在下でポリテトラメチレンエーテルグリコールと重合させることで、ポリアミドエラストマーを得る、工程と
を含み、
二酸が、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸若しくはオクタデカン二酸から選択される任意の1種若しくは複数であり;並びに/又は
第1の触媒が、リン酸、亜リン酸、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリフェニル、リン酸トリメチル、リン酸トリフェニル、亜リン酸ナトリウム、次リン酸ナトリウム、亜リン酸亜鉛、亜リン酸カルシウム及びリン酸カリウムから選択される1種若しくは複数、好ましくはリン酸ナトリウム及び/若しくは次リン酸ナトリウムであり;並びに/又は
第2の触媒が、チタン系触媒、ジルコニウム系触媒、アンチモン系触媒及びゲルマニウム系触媒から選択される1種若しくは複数である、
方法。
【請求項7】
第1の触媒が、ペンタンジアミン、二酸及び第1の触媒の和に対して0.001mol%から5mol%の量で添加され;並びに/又は、第2の触媒が、プレポリマー、ポリテトラメチレンエーテルグリコール及び第2の触媒の和に対して0.001mol%から3mol%の量で添加される、請求項6に記載のバイオベースのポリアミドエラストマーを調製するための方法。
【請求項8】
プレポリマーのポリテトラメチレンエーテルグリコールに対するモル比が、0.7:1から1.3:1である、請求項6に記載のバイオベースのポリアミドエラストマーを調製するための方法。
【請求項9】
ペンタンジアミンの二酸に対するモル比が、1:1.0から1:1.5、好ましくは1:1.0から1:1.2である、請求項6に記載のバイオベースのポリアミドエラストマーを調製するための方法。
【請求項10】
工程S2において、プレポリマー及びポリテトラメチレンエーテルグリコールが、最初に、220℃から260℃で10分から120分の間混合され、次いで、第2の触媒が添加され;並びに/又は
工程S2における重合反応が、-0.01MPaから-0.09MPaの真空条件下で1時間から5時間の間撹拌し、次いで、0.5時間から2時間以内に絶対圧力を500Pa以下に低減することで反応物を高真空にし、次いで、反応を1時間から10時間の間続けることによって、実施される、
請求項6に記載のバイオベースのポリアミドエラストマーを調製するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バイオベースのポリアミドエラストマー及びそのための調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性エラストマーは、様々な樹脂組成物、例えばポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリエステル、及びポリアミド等の形態で市場に出ている。熱可塑性ポリアミドエラストマー(TPAE)は、熱可塑性エラストマーのファミリーのメンバーであり、それの開発及び適用は、広く使用される熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、スチレン熱可塑性エラストマー(SBC)、熱可塑性ポリ塩化ビニルエラストマー(TPVC)、及び熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマー(TPEE)等と比較して、比較的遅く開始した。ポリアミドエラストマーは、それらの良好な特性、例えば高い弾力性、低い比重、高い弾性、及び良好な低温性能等により、例えば自動車、スポーツ器具、医療機器、印章、機械部品等の分野において広く使用される。
【0003】
熱可塑性ポリアミドエラストマー(TPAE)は、ポリアミド硬質セグメント及びポリエーテル又はポリエステル軟質セグメントで主に構成されたコポリマーであり、ここで、硬質セグメントとして、該ポリアミドは、PA6、PA66、PA11、及びPA12等を主に含み、密度、硬さ、融点、引張強さ、様々な有機化学品に対する抵抗性等を含めた、熱可塑性ポリアミドエラストマーの特性を主に決定し;軟質セグメントは、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)(PPG)、及びポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)等を主に含み、低温性能、吸湿性、静電防止特性、染色特性、及びある特定の化学物質に対する安定性等を含めた、熱可塑性ポリアミドエラストマーの特性を決定する。
【0004】
ポリアミドエラストマーの製造は、近年において大きな注目を受けており、多くの会社及び研究所が、硬質セグメントとしてPA6、PA11、及びPA12を使用することによる様々な合成技法に関与する特許出願を出願している。現在、最も共通して市販されているポリアミドエラストマーは、Ube Industries, Ltd.社、日本からのXPAシリーズ製品、Arkema、フランスからのPEBAXシリーズ製品、及びGermany Evonik Industrial Co., Ltd.社からのVESTAMID Eシリーズ製品等のPA12シリーズである。PA12硬質セグメントは、一般に、ドデシルアミノドデカン酸又はラウロラクタムを使用して製造され、これは、石油化学プロセスから誘導され、比較的高価であり、数社によって独占されている。モノマーを安定して得ることにおける難しさは、エラストマーの大規模な製造にとっての課題をもたらす。PA6ベースのエラストマーを構成するモノマーカプロラクタムの炭素鎖は、より短く、同じ硬さを有するエラストマーの過度の性能は、長鎖ナイロンベースのエラストマーのものほど良好でない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バイオベースの原料を使用して、既存のグレードに匹敵する性能を有するグリーンエラストマーを生成し、それによって化石エネルギー消費の問題を解決し、低炭素社会を構築できることが、長い間望まれてきた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、生物学的方法によって調製されるペンタンジアミン及び長鎖(C10からC18)脂肪族二酸、並びに特定の割合のポリテトラメチレンエーテルグリコールを原料として使用して調製されるポリアミドエラストマー、並びにその調製方法及び使用を提供する。該エラストマーは、優れた性能及び安定な重合モノマー供給を有し、ポリアミドエラストマーの過剰に高いコストの問題を解決し、エラストマーの用途シナリオを拡大し、非常に高い商業的価値を有する。
【0007】
本開示は、エステル基によって結合されている、式Cによって表される構造単位及び式Dによって表される構造単位を含むバイオベースのポリアミドエラストマーであって、式Cによって表される構造単位が、アミド結合によって結合されている、式Aによって表される構造単位及び式Bによって表される構造単位を含み、
【0008】
【化1】
【0009】
(式中、xは、8から16を範囲とする整数である)
バイオベースのポリアミドエラストマーが、1.0から2.0、好ましくは1.1から1.7、及びより好ましくは1.3から1.7の相対粘度を有する、
バイオベースのポリアミドエラストマーを提供する。
【0010】
本開示の特定の実施形態において、バイオベースのポリアミドエラストマーは、ブロックコポリマーである。
【0011】
本開示の特定の実施形態において、式Cによって表される構造単位によって形成されるセグメントは、800から12,000、好ましくは850から7,000、より好ましくは1,400から7,000、例えば1,406、2,140、2,935、4,948、2,554、3,763、852、1,494、4,973、3,162、及び4,778の数平均分子量を有する。
【0012】
本開示の特定の実施形態において、バイオベースのポリアミドエラストマーは、10,000から70,000、好ましくは10,000から40,000、より好ましくは30,000から40,000、例えば39,596、34,507、35,880、39,022、38,158、31,860、22,739、19,659又は18,749、33,711、18,159の数平均分子量を有する。
【0013】
本開示の特定の実施形態において、式Dによって表される構造単位によって形成されるセグメントは、500から5,000、例えば1,000、1,500、2,000、2,500、3,000、3,500、4,000、及び4,500の数平均分子量を有する。
【0014】
本開示の特定の実施形態において、式Cによって表される構造単位は、式Eによって表される構造単位を更に含み、式A、B及びEによって表される構造単位は、アミド結合によって結合されている。
【0015】
【化2】
【0016】
好ましくは、バイオベースのポリアミドエラストマーは、式Aによって表される構造単位を10mol%から40mol%のモル含有量で、式Bによって表される構造単位を15mol%から40mol%のモル含有量で、及び式Dによって表される構造単位を35mol%から65mol%のモル含有量で含有し、式A、B及びDによって表される構造単位の和は、100mol%である。
【0017】
一部の特定の実施形態において、バイオベースのポリアミドエラストマーは、式Aによって表される構造単位を15mol%から30mol%のモル含有量で、式Bによって表される構造単位を20mol%から35mol%のモル含有量で、及び式Dによって表される構造単位を40mol%から65mol%のモル含有量で含有し、式A、B及びDによって表される構造単位の和は、100mol%である。
【0018】
一部の特定の実施形態において、式A、B、E及びDによって表される構造単位のモル比は、18~25:18~30:1~10:40~65である。
【0019】
好ましくは、式Aによって表される構造単位の式Bによって表される構造単位に対するモル比は、1:1.0から1:1.5の範囲にある。
【0020】
好ましくは、式Cによって表される構造単位及び式Dによって表される構造単位は、バイオベースのポリアミドエラストマー中に、95wt.%以上、より好ましくは97wt.%以上の質量含有量で含有される。
【0021】
本開示の特定の実施形態において、バイオベースのポリアミドエラストマーの原料は、ペンタンジアミン、二酸及びポリテトラメチレンエーテルグリコールを含み、ここで、二酸は、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、及びオクタデカン二酸から選択される任意の1種又は複数である。
【0022】
本開示の特定の実施形態において、二酸は、ヘキサン二酸を更に含む。
【0023】
本開示の特定の実施形態において、バイオベースのポリアミドエラストマーは、ペンタンジアミン及び二酸を重合させることでプレポリマーを得る工程、並びに次いで、プレポリマー及びポリテトラメチレンエーテルグリコールを重合させることでバイオベースのポリアミドエラストマーを得る工程を含む方法によって調製される。
【0024】
本開示の特定の実施形態において、プレポリマーのポリテトラメチレンエーテルグリコールに対するモル比は、0.7:1から2:1、好ましくは0.8:1から1.5:1、より好ましくは0.7:1から1.3:1、いっそう好ましくは0.8:1から1.2:1、例えば0.94:1、0.92:1、1.12:1、0.84:1、1.10:1、0.87:1、0.93:1、1.14:1、1.48:1、0.86:1、1.45:1の範囲にある。
【0025】
本開示の特定の実施形態において、ポリテトラメチレンエーテルグリコールは、500から5,000の数平均分子量を有し、例えば、PTMEG1000は、1,000の分子量を有し、PTMEG2000は、2,000の分子量を有する。
【0026】
本開示の特定の実施形態において、原料として使用されるペンタンジアミン及び長鎖脂肪族二酸の一方又は両方は、生物学的方法によって得られる。例えば、ペンタンジアミンは、リジンに対するリジンデカルボキシラーゼの作用によって生物学的に得られる。
【0027】
本開示の特定の実施形態において、バイオベースのポリアミドエラストマーを調製するための原料は、任意選択により、滑沢剤、核形成剤及び抗酸化剤等から選択される添加剤を含むことができる。滑沢剤としては、脂肪族アミド、脂肪族アルコール、脂肪族ビスアミド及びポリエチレンワックス等が挙げられる。核形成剤としては、シリカ、タルク粉末、カオリン、及び粘土等が挙げられる。抗酸化剤としては、ヒンダードフェノール化合物、ハイドロキノン化合物、ヒドロキノール化合物、ホスファイト化合物並びにその置換誘導体、そのヨウ化物、及びその銅塩等が挙げられる。
【0028】
本開示の特定の実施形態において、添加剤は、バイオベースのポリアミドエラストマー中に、5wt.%以下、より好ましくは3wt.%以下、例えば0.1wt.%から3wt.%で存在する。
【0029】
本開示の特定の実施形態において、バイオベースのポリアミドエラストマーは、1.01g/mlから1.2g/ml、好ましくは1.01g/mlから1.07g/mlの密度を有する。
【0030】
本開示の特定の実施形態において、バイオベースのポリアミドエラストマーは、25Dから80D、例えば33D、45D、52D、63D、35D、42D、67D、50D、及び71Dのショア硬さを有する。
【0031】
本開示の特定の実施形態において、バイオベースのポリアミドエラストマーは、200%以上、好ましくは300%から1200%、例えば382%、539%、680%、730%、426%、566%、及び387%の破断点伸びを有する。
【0032】
本開示の特定の実施形態において、バイオベースのポリアミドエラストマーは、15~60MPa、好ましくは17~50MPa又は20~60MPaの引張強さを有する。
【0033】
本開示の特定の実施形態において、バイオベースのポリアミドエラストマーは、8kJ/m2以上のノッチ付アイゾット衝撃強さを有し、好ましくはNBである(破断しない)。
【0034】
本開示は、以下の工程を含む、上に記載されている通りのバイオベースのポリアミドエラストマーを調製するための方法であって、
工程S1、プレポリマーの調製:ペンタンジアミン、二酸、及び第1の触媒を、水と混合することで、ポリアミド塩水溶液を調製し;ポリアミド塩水溶液を、200~250℃、例えば220℃の温度に加熱し;圧力を、1.5~3.0MPa、例えば1.7MPaに増加し;水を、脱ガスすることによって除去し;温度が240~270℃、例えば250℃に達した時に、-0.01MPaから-0.3MPa、例えば-0.06MPaの真空を適用し、5~60分、例えば20分の間保持することで、カルボキシル末端プレポリマーを得る、工程と、
工程S2、エラストマーの調製:工程S1において得られたプレポリマーを、第2の触媒の存在下でポリテトラメチレンエーテルグリコールと重合させることで、ポリアミドエラストマーを得る工程と
を含む、方法も提供する。
【0035】
ここで、二酸は、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、又はオクタデカン二酸から選択される任意の1種又は複数である。
【0036】
第1の触媒は、リン酸、亜リン酸、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリフェニル、リン酸トリメチル、リン酸トリフェニル、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、亜リン酸亜鉛、亜リン酸カルシウム、及びリン酸カリウム、好ましくは亜リン酸ナトリウム及び/又は次亜リン酸ナトリウムから選択される1種又は複数である。
【0037】
第2の触媒は、チタン系触媒、ジルコニウム系触媒、アンチモン系触媒、及びゲルマニウム系触媒から選択される1種又は複数である。チタン系触媒は、好ましくは、チタン酸テトラブチル、チタン酸テトラエチル、及びチタン酸テトラプロピルから選択される1種又は複数である。ジルコニウム系触媒は、好ましくは、ジルコン酸テトラブチル及び/又はジルコン酸テトラプロピルである。アンチモン系触媒は、好ましくは、エチレングリコールアンチモンである。ゲルマニウム系触媒は、好ましくは、GeO2である。
【0038】
好ましくは、ペンタンジアミンの二酸に対するモル比は、1:1から1:1.5、より好ましくは1:1から1:1.2の範囲にある。
【0039】
好ましくは、第1の触媒は、ペンタンジアミン、二酸及び第1の触媒の和に対して、0.001mol%から5mol%、好ましくは1mol%から2mol%、例えば1.4mol%又は1.5mol%の量で添加される。
【0040】
好ましくは、第2の触媒は、プレポリマー、ポリテトラメチレンエーテルグリコール及び第2の触媒の和に対して、0.001mol%から3mol%、好ましくは0.01mol%から1.4mol%、例えば1mol%、又は1.15mol%の量で添加される。
【0041】
好ましくは、前述の添加剤は、その上、ポリアミド塩水溶液に、好ましくは、ペンタンジアミン、二酸、及び添加剤の和に対して0.001mol%から5mol%の量で添加される。
【0042】
好ましくは、工程S1及びS2は、真空、窒素、又は不活性ガス雰囲気中で実施される。不活性ガスは、一般に、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガス及びラドンガスの1種又は複数を指す。
【0043】
好ましくは、工程S1において、混合は塩形成ケトル中で実施され、加熱は重合ケトル中で実施され、及び/又は工程S2はポリエステルケトル中で実施される。
【0044】
好ましくは、プレポリマーのポリテトラメチレンエーテルグリコールに対するモル比は、0.7:1から2:1、好ましくは0.8:1から1.5:1、より好ましくは0.7:1から1.3:1、いっそう好ましくは0.8:1から1.2:1の範囲、例えば0.94:1、0.92:1、1.12:1、0.84:1、1.10:1、0.87:1、0.93:1、1.14:1、1.48:1、0.86:1、1.45:1である。
【0045】
好ましくは、ポリテトラメチレンエーテルグリコールは、500から5,000の数平均分子量を有し、例えば、PTMEG1000は、1,000の分子量を有し、PTMEG2000は、1,000の分子量を有する。
【0046】
好ましくは、工程S2において、プレポリマー及びポリテトラメチレンエーテルグリコール、最初に、220~260℃、例えば240℃で、10~120分、例えば90分の間混合され、次いで、第2の触媒が添加される。
【0047】
好ましくは、工程S2における重合反応が、-0.01MPaから-0.09MPa、例えば-0.06MPaの真空条件下で、1~5時間、例えば2時間の間撹拌すること、次いで、0.5~2時間以内に絶対圧力を500Pa又は500Pa未満に低減すること、及び次いで、反応を1~10時間、好ましくは1.5~5時間、より好ましくは1~5時間、例えば1.5時間、2時間、2.5時間及び3.5時間の間続けることによって実施される。
【0048】
好ましくは、工程S2における重合反応は、ポリアミドエラストマーを放出する前に窒素ガスを陽圧で導入することも含む。
【0049】
バイオベースのポリアミドエラストマーは、射出成形、ブロー成形、及びフィルム成形等の成形方法によって任意の所望の形状に形成することができる。
【0050】
本開示によるバイオベースのポリアミドエラストマーは、スキー靴、フットボールシューズ、及びランニングシューズ等の靴材料の分野において普及及び適用され得る。それらの中でも、バイオベースのポリアミドエラストマーは、スキー靴のための靴外皮、フットボールシューズのための靴底及びランニングシューズのための靴インソールにおいて使用される。
【0051】
当技術分野における常識への適合に基づいて、上記の好ましい条件は、本開示の好ましい例を得るために任意に組み合わせることができる。
【0052】
本開示において使用される試薬及び原料は、市販されている。
【0053】
本開示の有利な効果は、ポリアミドエラストマーが、生物学的方法によって調製されるペンタンジアミン及び長鎖(C10からC18)脂肪族二酸、並びに特定の割合のポリテトラメチレンエーテルグリコールを原料として使用して調製されるが、それの特性は、Arkema会社からのPebaxシリーズエラストマーのものに匹敵することである。該ポリアミドエラストマーは、良好な弾力性、高い硬さ、及び広範囲の用途を有し、同時に、それは大きな価格利点を有し、これは、殊に履物用途の分野において、高性能ポリアミドエラストマーの工業化のための巨大な駆動力である。本開示のポリアミドエラストマーを調製する方法は、低いコストであり、ポリアミドエラストマーは、再生可能である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本開示は、実施例によって下記で更に説明されるが、しかしながら、実施例の範疇内に本開示を限定することは意図されない。特定の条件を明示しない以下の実施例における実験方法は、従来の方法及び条件に従って、又は製品の指示に従って選択される。
【0055】
以下の実施例及び比較例において、ショアD硬さは、ISO7619に従って測定される。引張試験(破断断伸び及び引張強さを含める)は、ISO527に従って行われる。ノッチ付アイゾット衝撃強さは、ISO180に従って測定される。相対粘度は、96%濃硫酸の移動相を使用するUbbelohde粘度計を使用して測定される。密度は、ISO1183に従って測定される。
【0056】
実施例及び比較例における原料:
ペンタンジアミン、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、及びヘキサデカン二酸は、Cathay(Jin Xiang)Biomaterial Co., Ltd.社から購入され、生物学的方法によって生成され;ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)は、Changlian Chemical社(Changchun)から購入される。
【実施例1】
【0057】
窒素雰囲気下で、366.94molの純水及び19.41molのペンタンジアミンを撹拌下で塩形成ケトルに添加し、次いで、19.41molのウンデカン二酸、4.35molのヘキサン二酸、及び触媒として0.65molの次亜リン酸ナトリウムを添加することで、ポリアミド塩水溶液を調製した。窒素雰囲気下で、ポリアミド塩水溶液を重合ケトルに移し、220℃に加熱し、ケトル内の圧力を1.7MPaに増加し、水を脱ガスすることによって除去し;ケトル内の温度を250℃に増加した時に、ケトルを-0.06MPaに真空化し、20分間保持することで、85%の収率及び1,406の数平均分子量で3.69molのカルボキシル末端プレポリマーを得て、これを後の使用のために乾燥させた。
【0058】
窒素雰囲気下で、3.48molのカルボキシル末端プレポリマー及び3.69molのPTMEG1000を反応ケトルに注ぎ入れ、240℃で90分間混合し、71.7mmolの触媒チタン酸テトラブチルをそこに添加し、次いで、結果として得られた混合物を-0.06MPaの真空条件下で2時間の間撹拌した。ケトル内の絶対圧力を1時間以内に500Pa未満に低減し、次いで、反応を2時間の間続け、この後、窒素ガスをケトル中に陽圧で導入した。結果として得られた材料を放出し、ペレットに切断することで、60%の収率及び39,596の数平均分子量で0.13molのポリアミドエラストマーを得た。ポリアミドエラストマーに含有された構造単位及びそのモル比は、Table 1(表1)に示されており、ポリアミドエラストマーの性能試験結果は、Table 3(表3)に示されている。
【実施例2】
【0059】
窒素雰囲気下で、360.23molの純水及び19.51molのペンタンジアミンを撹拌下で塩形成ケトルに添加し、次いで、22.87molのテトラデカン二酸、及び触媒として0.63molの次亜リン酸ナトリウムを添加することで、ポリアミド塩水溶液を調製した。窒素雰囲気下で、ポリアミド塩水溶液を重合ケトルに移し、220℃に加熱し、ケトル内の圧力を1.7MPaに増加し、水を脱ガスすることによって除去し;ケトル内の温度を250℃に増加した時に、ケトルを-0.06MPaに真空化し、20分間保持することで、82%の収率及び2,140の数平均分子量で2.75molのカルボキシル末端プレポリマーを得て、これを後の使用のために乾燥させた。
【0060】
窒素雰囲気下で、2.40molのカルボキシル末端プレポリマー及び2.62molのPTMEG1000を反応ケトルに注ぎ入れ、240℃で90分間混合し、50.2mmolの触媒チタン酸テトラブチルをそこに添加し、次いで、結果として得られた混合物を-0.06MPaの真空条件下で2時間の間撹拌した。ケトル内の絶対圧力を1時間以内に500Pa未満に低減し、次いで、反応を2時間の間続け、この後、窒素ガスをケトル中に陽圧で導入した。結果として得られた材料を放出し、ペレットに切断することで、66%の収率及び34,507の数平均分子量で0.15molのポリアミドエラストマーを得た。ポリアミドエラストマーに含有された構造単位及びそのモル比は、Table 1(表1)に示されており、ポリアミドエラストマーの性能試験結果は、Table 3(表3)に示されている。
【実施例3】
【0061】
窒素雰囲気下で、347.39molの純水及び19.22molのペンタンジアミンを撹拌下で塩形成ケトルに添加し、次いで、21.65molのペンタデカン二酸、及び触媒として0.61molの次亜リン酸ナトリウムを添加することで、ポリアミド塩水溶液を調製した。窒素雰囲気下で、ポリアミド塩水溶液を重合ケトルに移し、220℃に加熱し、ケトル内の圧力を1.7MPaに増加し、水を脱ガスすることによって除去し;ケトル内の温度を250℃に増加した時に、ケトルを-0.06MPaに真空化し、20分間保持することで、86%の収率及び2935の数平均分子量で2.10molのカルボキシル末端プレポリマーを得て、これを後の使用のために乾燥させた。
【0062】
窒素雰囲気下で、1.74molのカルボキシル末端プレポリマー及び1.55molのPTMEG2000を反応ケトルに注ぎ入れ、240℃で90分間混合し、32.9mmolの触媒チタン酸テトラブチルをそこに添加し、次いで、結果として得られた混合物を-0.06MPaの真空条件下で2時間の間撹拌した。ケトル内の絶対圧力を2時間以内に500Pa未満に低減し、次いで、反応を1.5時間の間続け、この後、窒素ガスをケトル中に陽圧で導入した。結果として得られた材料を放出し、ペレットに切断することで、68%の収率及び35,880の数平均分子量で0.14molのポリアミドエラストマーを得た。ポリアミドエラストマーに含有された構造単位及びそのモル比は、Table 1(表1)に示されており、ポリアミドエラストマーの性能試験結果は、Table 3(表3)に示されている。
【実施例4】
【0063】
窒素雰囲気下で、332.01molの純水及び18.82molのペンタンジアミンを撹拌下で塩形成ケトルに添加し、次いで、20.24molのヘキサデカン二酸、及び触媒として0.58molの次亜リン酸ナトリウムを添加することで、ポリアミド塩水溶液を調製した。窒素雰囲気下で、ポリアミド塩水溶液を重合ケトルに移し、220℃に加熱し、ケトル内の圧力を1.7MPaに増加し、水を脱ガスすることによって除去し;ケトル内の温度を250℃に増加した時に、ケトルを-0.06MPaに真空化し、20分間保持することで、84%の収率及び4948の数平均分子量で1.19molのカルボキシル末端プレポリマーを得て、これを後の使用のために乾燥させた。
【0064】
窒素雰囲気下で、1.01molのカルボキシル末端プレポリマー及び1.20molのPTMEG2000を反応ケトルに注ぎ入れ、240℃で90分間混合し、22.1mmolの触媒チタン酸テトラブチルをそこに添加し、次いで、結果として得られた混合物を-0.06MPaの真空条件下で2時間の間撹拌した。ケトル内の絶対圧力を1時間以内に500Pa未満に低減し、次いで、反応を2時間の間続け、この後、窒素ガスをケトル中に陽圧で導入した。結果として得られた材料を放出し、ペレットに切断することで、65%の収率及び39,022の数平均分子量で0.19molのポリアミドエラストマーを得た。ポリアミドエラストマーに含有された構造単位及びそのモル比は、Table 1(表1)に示されており、ポリアミドエラストマーの性能試験結果は、Table 3(表3)に示されている。
【実施例5】
【0065】
窒素雰囲気下で、341.02molの純水及び18.92molのペンタンジアミンを撹拌下で塩形成ケトルに添加し、次いで、21.20molのウンデカン二酸、及び触媒として0.60molの次亜リン酸ナトリウムを添加することで、ポリアミド塩水溶液を調製した。窒素雰囲気下で、ポリアミド塩水溶液を重合ケトルに移し、220℃に加熱し、ケトル内の圧力を1.7MPaに増加し、水を脱ガスすることによって除去し;ケトル内の温度を250℃に増加した時に、ケトルを-0.06MPaに真空化し、20分間保持することで、87%の収率及び2,554の数平均分子量で1.99molのカルボキシル末端プレポリマーを得て、これを後の使用のために乾燥させた。
【0066】
窒素雰囲気下で、2.03molのカルボキシル末端プレポリマー及び1.85molのPTMEG1000を反応ケトルに注ぎ入れ、240℃で90分間混合し、15.8mmolの触媒チタン酸テトラブチルをそこに添加し、次いで、結果として得られた混合物を-0.06MPaの真空条件下で2時間の間撹拌した。ケトル内の絶対圧力を1時間以内に500Pa未満に低減し、次いで、反応を2.5時間の間続け、この後、窒素ガスをケトル中に陽圧で導入した。結果として得られた材料を放出し、ペレットに切断することで、65%の収率及び38,160の数平均分子量で0.12molのポリアミドエラストマーを得た。ポリアミドエラストマーに含有された構造単位及びそのモル比はTable 1(表1)に示されており、ポリアミドエラストマーの性能試験結果は、Table 3(表3)に示されている。
【実施例6】
【0067】
窒素雰囲気下で、346.63molの純水及び19.61molのペンタンジアミンを撹拌下で塩形成ケトルに添加し、次いで、21.17molのウンデカン二酸、及び触媒として0.61molの次亜リン酸ナトリウムを添加することで、ポリアミド塩水溶液を調製した。窒素雰囲気下で、ポリアミド塩水溶液を重合ケトルに移し、220℃に加熱し、ケトル内の圧力を1.7MPaに増加し、水を脱ガスすることによって除去し;ケトル内の温度を250℃に増加した時に、ケトルを-0.06MPaに真空化し、20分間保持することで、86%の収率及び3,763の数平均分子量で1.34molのカルボキシル末端プレポリマーを得て、これを後の使用のために乾燥させた。
【0068】
窒素雰囲気下で、1.41molのカルボキシル末端プレポリマー及び1.63molのPTMEG1000を反応ケトルに注ぎ入れ、240℃で90分間混合し、35.4mmolの触媒チタン酸テトラブチルをそこに添加し、次いで、結果として得られた混合物を-0.06MPaの真空条件下で2時間の間撹拌した。ケトル内の絶対圧力を1時間以内に500Pa未満に低減し、次いで、反応を2時間の間続け、この後、窒素ガスをケトル中に陽圧で導入した。結果として得られた材料を放出し、ペレットに切断することで、69%の収率及び31,860の数平均分子量で0.15molのポリアミドエラストマーを得た。ポリアミドエラストマーに含有された構造単位及びそのモル比は、Table 1(表1)に示されており、ポリアミドエラストマーの性能試験結果は、Table 3(表3)に示されている。
【実施例7】
【0069】
窒素雰囲気下で、339.76molの純水及び19.57molのペンタンジアミンを撹拌下で塩形成ケトルに添加し、次いで、29.36molのウンデカン二酸、及び触媒として0.10molの次亜リン酸ナトリウムを添加することで、ポリアミド塩水溶液を調製した。窒素雰囲気下で、ポリアミド塩水溶液を重合ケトルに移し、220℃に加熱し、ケトル内の圧力を1.7MPaに増加し、水を脱ガスすることによって除去し;ケトル内の温度を250℃に増加した時に、ケトルを-0.06MPaに真空化し、20分間保持することで、85%の収率及び852の数平均分子量で8.35molのカルボキシル末端プレポリマーを得て、これを後の使用のために乾燥させた。
【0070】
窒素雰囲気下で、1.49molのカルボキシル末端プレポリマー及び1.61molのPTMEG1000を反応ケトルに注ぎ入れ、240℃で90分間混合し、6.21mmolの触媒チタン酸テトラブチルを添加し、ケトル内の結果として得られた混合物を-0.06MPaの真空条件下で2時間の間撹拌した。絶対圧力を1時間以内に500Pa未満に低減し、次いで、反応を3時間の間続け、この後、窒素ガスをケトル中に陽圧で導入した。結果として得られた材料を放出し、ペレットに切断することで、67.2%の収率及び22,739の数平均分子量で0.08molのポリアミドエラストマーを得た。ポリアミドエラストマーに含有された構造単位及びそのモル比は、Table 1(表1)に示されており、ポリアミドエラストマーの性能試験結果は、Table 3(表3)に示されている。
【実施例8】
【0071】
窒素雰囲気下で、431.78molの純水及び15.66molのペンタンジアミンを撹拌下で塩形成ケトルに添加し、次いで、19.48molのテトラデカン二酸、及び触媒として0.07molの次亜リン酸ナトリウムを添加することで、ポリアミド塩水溶液を調製した。窒素雰囲気下で、ポリアミド塩水溶液を重合ケトルに移し、220℃に加熱し、ケトル内の圧力を1.7MPaに増加し、水を脱ガスすることによって除去し;ケトル内の温度を250℃に増加した時に、ケトルを-0.06MPaに真空化し、20分間保持することで、86%の収率及び1,494の数平均分子量で3.30molのカルボキシル末端プレポリマーを得て、これを後の使用のために乾燥させた。
【0072】
窒素雰囲気下で、1.13molのカルボキシル末端プレポリマー及び0.99molのPTMEG1000を反応ケトルに注ぎ入れ、240℃で90分間混合し、8.5mmolの触媒チタン酸テトラブチルをそこに添加し、次いで、結果として得られた混合物を-0.06MPaの真空条件下で2時間の間撹拌した。ケトル内の絶対圧力を1時間以内に500Pa未満に低減し、次いで、反応を2.5時間の間続け、この後、窒素ガスをケトル中に陽圧で導入した;結果として得られた材料を放出し、ペレットに切断することで、72%の収率及び19,659の数平均分子量で0.10molのポリアミドエラストマーを得た。ポリアミドエラストマーに含有された構造単位及びそのモル比は、Table 1(表1)に示されており、ポリアミドエラストマーの性能試験結果は、Table 3(表3)に示されている。
【実施例9】
【0073】
窒素雰囲気下で、328.06molの純水及び17.62molのペンタンジアミンを撹拌下で塩形成ケトルに添加し、次いで、18.92molのヘキサデカン二酸、及び触媒として0.24molの次亜リン酸ナトリウムを添加することで、ポリアミド塩水溶液を調製した。窒素雰囲気下で、ポリアミド塩水溶液を重合ケトルに移し、220℃に加熱し、ケトル内の圧力を1.7MPaに増加し、水を脱ガスすることによって除去し;ケトル内の温度を250℃に増加した時に、ケトルを-0.06MPaに真空化し、20分間保持することで、82%の収率及び4,973の数平均分子量で1.07molのカルボキシル末端プレポリマーを得て、これを後の使用のために乾燥させた。
【0074】
窒素雰囲気下で、0.46molのカルボキシル末端プレポリマー及び0.31molのPTMEG2000を反応ケトルに注ぎ入れ、240℃で90分間混合し、1.54mmolの触媒チタン酸テトラブチルをそこに添加し、次いで、結果として得られた混合物を-0.06MPaの真空条件下で2時間の間撹拌した。ケトル内の絶対圧力を1時間以内に500Pa未満に低減し、次いで、反応を3時間の間続け、この後、窒素ガスをケトル中に陽圧で導入した。結果として得られた材料を放出し、ペレットに切断することで、78%の収率及び18,749の数平均分子量で0.12molのポリアミドエラストマーを得た。ポリアミドエラストマー中の構造単位及びそのモル比は、Table 1(表1)に示されており、ポリアミドエラストマーの性能試験結果は、Table 3(表3)に示されている。
【実施例10】
【0075】
窒素雰囲気下で、258.7molの純水及び17.62molのペンタンジアミンを撹拌下で塩形成ケトルに添加し、次いで、19.23molのデカン二酸、及び触媒として0.061molの次亜リン酸ナトリウムを添加することで、ポリアミド塩水溶液を調製した。窒素雰囲気下で、ポリアミド塩水溶液を重合ケトルに移し、220℃に加熱し、ケトル内の圧力を1.7MPaに増加し、水を脱ガスすることによって除去し;ケトル内の温度を250℃に増加した時に、ケトルを-0.06MPaに真空化し、20分間保持することで、83%の収率及び3,162の数平均分子量で1.35molのカルボキシル末端プレポリマーを得て、これを後の使用のために乾燥させた。
【0076】
窒素雰囲気下で、0.81molのカルボキシル末端プレポリマー及び0.94molのPTMEG2000を反応ケトルに注ぎ入れ、240℃で90分間混合し、5.25mmolの触媒チタン酸テトラブチルをそこに添加し、次いで、結果として得られた混合物を-0.06MPaの真空条件下で2時間の間撹拌した。ケトル内の絶対圧力を1時間以内に500Pa未満に低減し、次いで、反応を3時間の間続け、この後、窒素ガスをケトル中に陽圧で導入した。結果として得られた材料を放出し、ペレットに切断することで、70%の収率及び33,711の数平均分子量で0.09molのポリアミドエラストマーを得た。ポリアミドエラストマーに含有された構造単位及びそのモル比は、Table 2(表2)に示されており、ポリアミドエラストマーの性能試験結果は、Table 3(表3)に示されている。
【実施例11】
【0077】
窒素雰囲気下で、309.16molの純水及び19.57molのペンタンジアミンを撹拌下で塩形成ケトルに添加し、次いで、20.85molのドデカン二酸、及び触媒として0.08molの次亜リン酸ナトリウムを添加することで、ポリアミド塩水溶液を調製した。窒素雰囲気下で、ポリアミド塩水溶液を重合ケトルに移し、220℃に加熱し、ケトル内の圧力を1.7MPaに増加し、水を脱ガスすることによって除去し;ケトル内の温度を250℃に増加した時に、ケトルを-0.06MPaに真空化し、20分間保持することで、81%の収率及び4,778の数平均分子量で1.03molのカルボキシル末端プレポリマーを得て、これを後の使用のために乾燥させた。
【0078】
窒素雰囲気下で、0.45molのカルボキシル末端プレポリマー及び0.31molのPTMEG2000を反応ケトルに注ぎ入れ、240℃で90分間混合し、7.6mmolの触媒チタン酸テトラブチルをそこに添加し、次いで、結果として得られた混合物を-0.06MPaの真空条件下で2時間の間撹拌した。絶対圧力を1時間以内に500Pa未満に低減し、次いで、反応を3時間の間続け、この後、窒素ガスをケトル中に陽圧で導入した。結果として得られた材料を放出し、ペレットに切断することで、76%の収率及び18,159の数平均分子量で0.0molのポリアミドエラストマーを得た。ポリアミドエラストマーに含有された構造単位及びそのモル比は、Table 2(表2)に示されており、ポリアミドエラストマーの性能試験結果は、Table 3(表3)に示されている。
【0079】
(比較例1)
窒素雰囲気下で、588.2molの純水及び33.82molのペンタンジアミンを撹拌下で塩形成ケトルに添加し、次いで、35.38molのヘキサン二酸、及び触媒として0.69molの次亜リン酸ナトリウムを添加することで、ポリアミド塩水溶液を調製した。窒素雰囲気下で、ポリアミド塩水溶液を重合ケトルに移し、220℃に加熱し、ケトル内の圧力を1.7MPaに増加し、水を脱ガスすることによって除去し;ケトル内の温度を250℃に増加した時に、ケトルを-0.06MPaに真空化し、20分間保持することで、86%の収率及び4,762の数平均分子量で1.34molのカルボキシル末端プレポリマーを得て、これを後の使用のために乾燥させた。
【0080】
窒素雰囲気下で、1.29molのカルボキシル末端プレポリマー及び1.48molのPTMEG1000を反応ケトルに注ぎ入れ、240℃で90分間混合し、41.6mmolの触媒チタン酸テトラブチルをそこに添加し、次いで、結果として得られた混合物を-0.06MPaの真空条件下で2時間の間撹拌した。ケトル内の絶対圧力を1時間以内に500Pa未満に低減し、次いで、反応を2時間の間続け、この後、窒素ガスをケトル中に陽圧で導入した。結果として得られた材料を放出し、ペレットに切断することで、69%の収率及び39,170の数平均分子量で0.13molのポリアミドエラストマーを得た。ポリアミドエラストマーに含有された構造単位及びそのモル比は、Table 2(表2)に示されており、ポリアミドエラストマーの性能試験結果は、Table 3(表3)に示されている。
【0081】
(比較例2)
窒素雰囲気下で、393.12molの純水及び22.97molのペンタンジアミンを撹拌下で塩形成ケトルに添加し、次いで、23.28molのウンデカン二酸、及び触媒として0.46molの次亜リン酸ナトリウムを添加することで、ポリアミド塩溶液を調製した。窒素雰囲気下で、ポリアミド塩水溶液を重合ケトルに移し、220℃に加熱し、ケトル内の圧力を1.7MPaに増加し、水を脱ガスすることによって除去し;ケトル内の温度を250℃に増加した時に、ケトルを-0.06MPaに真空化し、20分間保持することで、86%の収率及び20,989の数平均分子量で0.27molのカルボキシル末端プレポリマーを得て、これを後の使用のために乾燥させた。
【0082】
窒素雰囲気下で、0.25molのカルボキシル末端プレポリマー、1.16molのPTMEG1000及び0.48molのヘキサン二酸を反応ケトルに注ぎ入れ、240℃で90分間混合し、21.1mmolの触媒チタン酸テトラブチルをそこに添加し、次いで、結果として得られた混合物を-0.06MPaの真空条件下で2時間の間撹拌した。ケトル内の絶対圧力を1時間以内に500Pa未満に低減し、次いで、反応を2時間の間続け、この後、窒素ガスをケトル中に陽圧で導入した。結果として得られた材料を放出し、ペレットに切断することで、68%の収率及び15,112の数平均分子量で0.29molのポリアミドエラストマーを得た。ポリアミドエラストマーに含有された構造単位及びそのモル比は、Table 2(表2)に示されており、ポリアミドエラストマーの性能試験結果は、Table 3(表3)に示されている。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
上記実施例(Ex)及び比較例(CEx)から見ることができる通り、生物学的方法によって調製されるペンタンジアミン及び長鎖(C10からC18)脂肪族二酸、並びに特定の割合のポリテトラメチレンエーテルグリコールを原料として使用して調製された本開示の実施例1から11におけるポリアミドエラストマーは、優れた性能及び重合モノマーの安定な供給を有し、ポリアミドエラストマーの過剰に高いコストの問題を解決し、エラストマーの用途シナリオを拡大し、非常に高い商業的価値を有する。対照的に、比較例1において、長鎖(C10からC18)脂肪族二酸を使用することなく、ヘキサン二酸のみが使用され、ポリアミドエラストマーの高い粘度及び低い破断点伸びをもたらした。比較例2において、過剰のポリテトラメチレンエーテルグリコールが原料として使用され、ポリアミドエラストマーの過剰に高いショア硬さD、過剰に低い破断点伸び及び過剰に高い引張強さをもたらした。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エステル基によって結合されている、式Cによって表される構造単位及び式Dによって表される構造単位を含むバイオベースのポリアミドエラストマーであって、式Cによって表される構造単位が、アミド結合によって結合されている、式Aによって表される構造単位及び式Bによって表される構造単位を含み、
【化1】
(式中、xは、8から16を範囲とする整数である)
バイオベースのポリアミドエラストマーが、1.0から2.0、好ましくは1.1から1.7の相対粘度を有し、及び/若しくは式Cによって表される構造単位によって形成されるセグメントが、800から12,000の数平均分子量を有し;並びに/又は
バイオベースのポリアミドエラストマーが、10,000から70,000の数平均分子量を有し;並びに/又は
式Dによって表される構造単位によって形成されるセグメントが、500から5,000の数平均分子量を有する、
バイオベースのポリアミドエラストマー。
【請求項2】
式Cによって表される構造単位が、式Eによって表される構造単位も含み、式A、B及びEによって表される構造単位が、アミド結合によって結合されている、請求項1に記載のバイオベースのポリアミドエラストマー。
【化2】
【請求項3】
式Aによって表される構造単位が、10mol%から40mol%のモル含有量を有し、式Bによって表される構造単位が、15mol%から40mol%のモル含有量を有し、式Dによって表される構造単位が、35mol%から65mol%のモル含有量を有し、式A、B及びDによって表される構造単位の和が、100mol%であり;
好ましくは、式Aによって表される構造単位の式Bによって表される構造単位に対するモル比が、1:1.0から1:1.5である、
請求項1に記載のバイオベースのポリアミドエラストマー。
【請求項4】
バイオベースのポリアミドエラストマーが、ペンタンジアミン、二酸及びポリテトラメチレンエーテルグリコールを原料として含み、二酸が、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸又はオクタデカン二酸から選択される任意の1種又は複数であり;
好ましくは、ペンタンジアミン及び二酸により形成されるプレポリマーのポリテトラメチレンエーテルグリコールに対するモル比が、0.7:1から2:1である、
請求項1に記載のバイオベースのポリアミドエラストマー。
【請求項5】
1.01g/mLから1.2g/mLの密度を有し;及び/又は
25Dから80D範囲のショア硬さを有し;及び/又は
200%以上の破断点伸びを有し;及び/又は
15MPaから60MPa、好ましくは17MPaから50MPa若しくは20MPaから60MPaの引張強さを有し;及び/又は
8kJ/m2以上のノッチ付アイゾット衝撃強さを有し、好ましくはNBである(破断しない)、
請求項1に記載のバイオベースのポリアミドエラストマー。
【請求項6】
請求項1に記載のバイオベースのポリアミドエラストマーを調製するための方法であって、以下の工程:
レポリマーの調製:ペンタンジアミン、二酸及び第1の触媒を、水と混合することで、ポリアミド塩水溶液を調製し;ポリアミド塩水溶液を、200℃から250℃の温度に加熱し、圧力を、1.5MPaから3.0MPaに増加し、水を、脱ガスすることによって除去し;温度が240℃から270℃に達した時に、-0.01MPaから-0.3MPaの真空を適用し、5分から60分の間保持することで、プレポリマーを得る、工程と、
ラストマーの重合:プレポリマーを、第2の触媒の存在下でポリテトラメチレンエーテルグリコールと重合させることで、ポリアミドエラストマーを得る、工程と
を含み、
二酸が、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸若しくはオクタデカン二酸から選択される任意の1種若しくは複数であり;並びに/又は
第1の触媒が、リン酸、亜リン酸、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリフェニル、リン酸トリメチル、リン酸トリフェニル、亜リン酸ナトリウム、次リン酸ナトリウム、亜リン酸亜鉛、亜リン酸カルシウム及びリン酸カリウムから選択される1種若しくは複数、好ましくはリン酸ナトリウム及び/若しくは次リン酸ナトリウムであり;並びに/又は
第2の触媒が、チタン系触媒、ジルコニウム系触媒、アンチモン系触媒及びゲルマニウム系触媒から選択される1種若しくは複数である、
方法。
【請求項7】
第1の触媒が、ペンタンジアミン、二酸及び第1の触媒の和に対して0.001mol%から5mol%の量で添加され;並びに/又は、第2の触媒が、プレポリマー、ポリテトラメチレンエーテルグリコール及び第2の触媒の和に対して0.001mol%から3mol%の量で添加される、請求項6に記載のバイオベースのポリアミドエラストマーを調製するための方法。
【請求項8】
プレポリマーのポリテトラメチレンエーテルグリコールに対するモル比が、0.7:1から1.3:1である、請求項6に記載のバイオベースのポリアミドエラストマーを調製するための方法。
【請求項9】
ペンタンジアミンの二酸に対するモル比が、1:1.0から1:1.5、好ましくは1:1.0から1:1.2である、請求項6に記載のバイオベースのポリアミドエラストマーを調製するための方法。
【請求項10】
エラストマーの重合程において、プレポリマー及びポリテトラメチレンエーテルグリコールが、最初に、220℃から260℃で10分から120分の間混合され、次いで、第2の触媒が添加され;並びに/又は
エラストマーの重合程における重合反応が、-0.01MPaから-0.09MPaの真空条件下で1時間から5時間の間撹拌し、次いで、0.5時間から2時間以内に絶対圧力を500Pa以下に低減することで反応物を高真空にし、次いで、反応を1時間から10時間の間続けることによって、実施される、
請求項6に記載のバイオベースのポリアミドエラストマーを調製するための方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
本開示は、以下の工程を含む、上に記載されている通りのバイオベースのポリアミドエラストマーを調製するための方法であって、
工程S1、プレポリマーの調製:ペンタンジアミン、二酸、及び第1の触媒を、水と混合することで、ポリアミド塩水溶液を調製し;ポリアミド塩水溶液を、200~250℃、例えば220℃の温度に加熱し;圧力を、1.5~3.0MPa、例えば1.7MPaに増加し;水を、脱ガスすることによって除去し;温度が240~270℃、例えば250℃に達した時に、-0.01MPaから-0.3MPa、例えば-0.06MPaの真空を適用し、5~60分、例えば20分の間保持することで、カルボキシル末端プレポリマーを得る、工程と、
工程S2、エラストマーの重合:工程S1において得られたプレポリマーを、第2の触媒の存在下でポリテトラメチレンエーテルグリコールと重合させることで、ポリアミドエラストマーを得る工程と
を含む、方法も提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
好ましくは、ポリテトラメチレンエーテルグリコールは、500から5,000の数平均分子量を有し、例えば、PTMEG1000は、1,000の分子量を有し、PTMEG2000は、2,000の分子量を有する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
窒素雰囲気下で、0.46molのカルボキシル末端プレポリマー及び0.31molのPTMEG2000を反応ケトルに注ぎ入れ、240℃で90分間混合し、1.54mmolの触媒チタン酸テトラブチルをそこに添加し、次いで、結果として得られた混合物を-0.06MPaの真空条件下で2時間の間撹拌した。ケトル内の絶対圧力を1時間以内に500Pa未満に低減し、次いで、反応を3時間の間続け、この後、窒素ガスをケトル中に陽圧で導入した。結果として得られた材料を放出し、ペレットに切断することで、78%の収率及び18,749の数平均分子量で0.12molのポリアミドエラストマーを得た。ポリアミドエラストマー中の構造単位及びそのモル比は、Table 2(表2)に示されており、ポリアミドエラストマーの性能試験結果は、Table 3(表3)に示されている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
窒素雰囲気下で、0.45molのカルボキシル末端プレポリマー及び0.31molのPTMEG2000を反応ケトルに注ぎ入れ、240℃で90分間混合し、7.6mmolの触媒チタン酸テトラブチルをそこに添加し、次いで、結果として得られた混合物を-0.06MPaの真空条件下で2時間の間撹拌した。絶対圧力を1時間以内に500Pa未満に低減し、次いで、反応を3時間の間続け、この後、窒素ガスをケトル中に陽圧で導入した。結果として得られた材料を放出し、ペレットに切断することで、76%の収率及び18,159の数平均分子量で0.10molのポリアミドエラストマーを得た。ポリアミドエラストマーに含有された構造単位及びそのモル比は、Table 2(表2)に示されており、ポリアミドエラストマーの性能試験結果は、Table 3(表3)に示されている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】
上記実施例(Ex)及び比較例(CEx)から見ることができる通り、生物学的方法によって調製されるペンタンジアミン及び長鎖(C10からC18)脂肪族二酸、並びに特定の割合のポリテトラメチレンエーテルグリコールを原料として使用して調製された本開示の実施例1から11におけるポリアミドエラストマーは、優れた性能及び重合モノマーの安定な供給を有し、ポリアミドエラストマーの過剰に高いコストの問題を解決し、エラストマーの用途シナリオを拡大し、非常に高い商業的価値を有する。対照的に、比較例1において、長鎖(C10からC18)脂肪族二酸を使用することなく、ヘキサン二酸のみが使用され、ポリアミドエラストマーの高い粘度及び低い破断点伸びをもたらした
【国際調査報告】