(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-21
(54)【発明の名称】歩行パラメータを操作するため、または下肢病変を改善するためのアウトソールを有する履物
(51)【国際特許分類】
A43B 13/14 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
A43B13/14 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024530073
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(85)【翻訳文提出日】2024-03-27
(86)【国際出願番号】 IL2022050825
(87)【国際公開番号】W WO2023007501
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524043112
【氏名又は名称】アポス メディカル アセッツ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】リブネ,オーレン
(72)【発明者】
【氏名】ブルースタイン,クリフォード
(72)【発明者】
【氏名】シーガル,ガニット
(72)【発明者】
【氏名】シェマ,シャーリー
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050BA05
4F050HA43
4F050HA53
4F050HA60
4F050HA63
4F050HA71
4F050JA27
(57)【要約】
本発明は、アウトソールの接地面または外面に位置し、(a)アウトソールの最大厚さの10%~95%の深さ、および(b)アウトソールの接地面または外面全体の10%~95%を覆う面積を有する少なくとも1つの凹部を備えるアウトソールを提供する。
【選択図】
図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アウトソールを備える、歩行パラメータを操作するための履物であって、
前記アウトソールは、
前記アウトソールの接地面または外面に位置する少なくとも1つの凹部であって、
(a)前記アウトソールの最大厚さの10%~95%の深さ、および
(b)前記アウトソールの前記接地面または外面全体の10%~95%を覆う面積
を有する少なくとも1つの凹部と、
前記アウトソールの前記接地面または外面から突出し、前記少なくとも1つの凹部に取外し可能に取り付けられるように適合され、各々が異なる湾曲した外輪郭を有する2つの湾曲突起と
を備える、履物。
【請求項2】
前記2つの湾曲突起が非対称である、請求項1に記載の履物。
【請求項3】
前記2つの湾曲突起は、互いに接する異なる半径の様々なアーチによって画定される、請求項1または請求項2に記載の履物。
【請求項4】
前記2つの湾曲突起の少なくとも一方の外輪郭と前記アウトソールの外輪郭とが連続的な湾曲部を形成する、請求項1~3のいずれか1項に記載の履物。
【請求項5】
各湾曲突起は、前記凹部に連結可能な部分と接地部とを備え、前記凹部に連結可能な部分は前記接地部よりも硬い、請求項1~4のいずれか1項に記載の履物。
【請求項6】
各突起は、頂部の位置、突出度、ショア硬度、またはそれらの任意の組み合わせに関して異なる、請求項1~5のいずれか1項に記載の履物。
【請求項7】
単一の突起の基部が、単一の凹部の面積の少なくとも60%を占め、前記単一の突起の前記基部の第1の周囲は、前記単一の凹部の第2の周囲に一致するように適合される、請求項1~6のいずれか1項に記載の履物。
【請求項8】
各突起について、少なくとも頂部の位置は、被験者グループに関して測定された被験者の少なくとも1つの歩行パラメータおよび/またはバランスに基づいて決定される、請求項1~7のいずれか1項に記載の履物。
【請求項9】
前記歩行パラメータは、足のアライメント、膝のアライメント、速度、遊脚期および立脚期、両脚支持時間、地面反力、衝撃、習慣的歩行中の推進力、膝部のアライメント、圧力中心、対称性、歩行速度、ステップ時間、ステップ長、ストライド長、ステップ幅、足角度、歩行と走行との境界から選択される、請求項8に記載の履物。
【請求項10】
前記被験者グループは、年齢、性別、足のサイズ、歩行挙動、および病変から選択された少なくとも2つの共通特徴を有する被験者として決定される、請求項8~9のいずれか1項に記載の履物。
【請求項11】
前記共通の歩行挙動を有する被験者は、少なくとも2つの同様の歩行パラメータを有する被験者である、請求項10に記載の履物。
【請求項12】
各突起について、前記突起の曲率は、前記被験者グループに関して測定された前記被験者の前記少なくとも1つの歩行パラメータおよび/または前記バランスパラメータに基づいて決定される、請求項8~9のいずれか1項に記載の履物。
【請求項13】
各突起について、前記突起の基部の輪郭は、前記被験者グループに関して測定された前記被験者の前記少なくとも1つの歩行パラメータおよび/または前記バランスパラメータに基づいて決定される、請求項8~9のいずれか1項に記載の履物。
【請求項14】
歩行パラメータを操作するための履物キットであって、
前記履物はアウトソールを備え、前記アウトソールは、
前記アウトソールの接地面または外面に位置する少なくとも1つの凹部であって、
(a)前記アウトソールの最大厚さの10%~95%の深さ、および
(b)前記アウトソールの前記接地面または外面全体の10%~95%を覆う面積
を有する少なくとも1つの凹部と、
前記アウトソールの前記接地面または外面から突出し、前記少なくとも1つの凹部に取外し可能に取り付けられるように適合され、各々が異なる湾曲した外輪郭を有する2つの湾曲突起と
を備える、履物キット。
【請求項15】
前記2つの湾曲突起は、頂部において、前記少なくとも1つの凹部の最大深さよりも少なくとも10%高い、請求項14に記載の履物キット。
【請求項16】
前記突起の各々は頂部を備え、前記頂部の位置は、少なくとも1つの歩行関連病変を改善するように適合される、請求項14または請求項15に記載の履物キット。
【請求項17】
各突起の頂部における高さは、少なくとも1つの歩行関連病変を改善するように適合される、請求項14~16のいずれか1項に記載の履物キット。
【請求項18】
前記2つの湾曲突起が非対称である、請求項14~17のいずれか1項に記載の履物キット。
【請求項19】
前記2つの湾曲突起は、互いに接する異なる半径の様々なアーチによって画定される、請求項14~18のいずれか1項に記載の履物キット。
【請求項20】
前記2つの湾曲突起の少なくとも一方の外輪郭と前記アウトソールの外輪郭とが連続的な湾曲部を形成する、請求項14~19のいずれか1項に記載の履物キット。
【請求項21】
各湾曲突起は、前記凹部に連結可能な部分と接地部とを備え、前記凹部に連結可能な部分は前記接地部よりも硬い、請求項14~20のいずれか1項に記載の履物キット。
【請求項22】
各突起は、少なくとも頂部の位置、突出度、ショア硬度、またはそれらの任意の組み合わせに関して異なる、請求項14~21のいずれか1項に記載の履物キット。
【請求項23】
単一の突起の基部が、単一の凹部の面積の少なくとも60%を占め、前記単一の突起の前記基部の第1の周囲は、前記単一の凹部の第2の周囲に一致するように適合される、請求項14~22のいずれか1項に記載の履物キット。
【請求項24】
各突起について、少なくとも頂部の位置は、被験者グループに関して測定された被験者の少なくとも1つの歩行パラメータおよび/またはバランスパラメータに基づいて決定される、請求項14~22のいずれか1項に記載の履物キット。
【請求項25】
前記歩行パラメータは、速度、遊脚期および立脚期、両脚支持時間、地面反力、衝撃、習慣的歩行中の推進力、膝部のアライメント、足のアライメント、圧力中心、対称性、歩行速度、ステップ時間、ステップ長、ストライド長、ステップ幅、足角度、歩行と走行との境界から選択される、請求項24に記載の履物キット。
【請求項26】
前記被験者グループは、年齢、性別、足のサイズ、歩行挙動、および病変から選択された少なくとも2つの共通特徴を有する被験者として決定される、請求項24~25のいずれか1項に記載の履物キット。
【請求項27】
前記共通の歩行挙動を有する被験者は、少なくとも2つの同様の歩行パラメータを有する被験者である、請求項26に記載の履物キット。
【請求項28】
各突起について、前記突起の曲率は、前記被験者グループに関して測定された前記被験者の前記少なくとも1つの歩行パラメータおよび/または前記バランスパラメータに基づいて決定される、請求項24~27のいずれか1項に記載の履物キット。
【請求項29】
各突起について、前記突起の基部の輪郭は、前記被験者グループに関して測定された前記被験者の前記少なくとも1つの歩行パラメータおよび/または前記バランスパラメータに基づいて決定される、請求項24~28のいずれか1項に記載の履物キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によってその内容の全てが全体的に本明細書に組み込まれる、2021年7月29日に出願された“FOOTWEAR HAVING AN OUTSOLE FOR MANIPULATING A GAIT PARAMETER OR AMELIORATE A LOWER LIMB PATHOLOGY”と題された米国仮特許出願第63/226,790号の優先権の利益を主張する2022年1月27日に出願された米国特許出願第17/585,997号の利益を主張する国際特許出願である。
【0002】
本発明は、特に、少なくとも1つの突起を含む履物であって、少なくとも1つの突起の位置および構造が少なくとも1つの歩行パラメータに影響を及ぼす履物に向けられる。
【背景技術】
【0003】
人間の歩行は、神経系、筋骨格系、および心肺系の主要部分の複雑な相互作用に依存する。個人の歩行パターンは、筋骨格系構造、姿勢、筋骨格系構造に影響を及ぼす疾患、筋骨格系構造および姿勢に影響を及ぼす神経学的要因、年齢、性格、気分、および社会文化的要因によって影響を受ける。
【0004】
高齢者において好ましい歩行速度は、一般的な健康および生存の高精度の指標である。安全な歩行には、完全な認知能力および実行制御が必要である。歩行障害は、怪我、転倒、身体障害、個人の自由の喪失、および負傷を招き、その結果、生活の質を顕著に低下させる(Pirker W,Katzenschlager R.Gait disorders in adults and the elderly.Wiener Klinische Wochenschrift.2017 Feb 1;129(3-4):81-95)。
【0005】
歩行の3段階の各構成要素の歩行分析は、様々な神経疾患、様々な整形外科的疾患の診断、および、神経疾患、筋骨格系損傷、または疾患過程、または下肢切断からのリハビリテーションおよび回復中の患者の進歩の評価に不可欠な部分である。
【0006】
歩行と走行との境界は、歩行周期の立脚期における両脚支持期間(両方の足が同時に地面に接している期間)が、歩行の遊脚期の始まりと終わりにおける2回の両脚浮遊期間(どちらの足も地面に接していない期間)に移行する場合に生じる(Novacheck TF.The biomechanics of running.Gait and Posture 7(1998)77-95)。
【0007】
発生する歩行シーケンスは、以下のようにまとめられ得る(Vaughan CL.Theories of bipedal walking:an odyssey.J Biomech 2001;36(2003):513-523)。中枢神経系における歩行命令の登録および活性化、末梢神経系への歩行システムの伝達、筋肉の収縮、いくつかの力の発生、滑膜関節および骨格セグメントにわたる関節力およびモーメントの調整、地面反力の発生。
【0008】
通常の前への歩みは、立脚期、遊脚期の2段階で構成される。立脚期は、歩行周期の60%を占め、この間、片方の脚および足が体重の大半または全てを支える。遊脚期は、歩行周期の40%だけを占め、この間、片方の足は歩行面に接しておらず、他方の脚および足に体重がかかっている(Loudon J他、The clinical orthopedic assessment guide.2nd ed.Kansas:Human Kinetics,2008.p.395-408)。
【0009】
2段階周期全体において、両足が同時に地上に接しているのは約25パーセントの時間である。周期のこの部分は、両脚支持期間と呼ばれる。歩行周期は、立脚期および遊脚期を段階的に行い、開鎖活動および閉鎖活動の組み合わせを含む(Shultz SJ他、Examination of musculoskeletal injuries.2nd ed,North Carolina;Human Kinetics,2005.p55-60)。
【0010】
スポーツ負傷は、スポーツの不可避な部分である。負傷の予防における課題を理解することは、各スポーツにおける特定の負傷に関する全ての危険因子および筋骨格系パターンを認識し、より良い予防戦略を作成することである。負傷の予防および負傷後のリハビリテーションにおける重要な要素の1つは、固有受容感覚および神経筋の制御である。そのような制御は、歩行操作によって達成され得る。
【0011】
歩行を操作し、下肢筋肉を特異的に誘導し、神経疾患を治療し、下肢に由来する痛みを治療および軽減し、整形外科的疾患を治療し、神経学的制御および筋肉制御を改善し、および/または、それらの結果、および感覚系、運動系、および/または全体的な運動、歩行、および/または走行に関連する結果を改善/軽減することができる装置および方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0012】
1つの実施形態において、本発明は、アウトソールの接地面または外面に位置し、(a)アウトソールの最大厚さの10%~95%の深さ、および(b)アウトソールの接地面または外面全体の10%~95%を覆う面積を有する少なくとも1つの凹部を備えるアウトソールを提供する。
【0013】
1つの実施形態において、少なくとも1つの凹部の周囲は、1または複数の突起内に包囲されるように適合された基部を画定する。1つの実施形態において、1または複数の突起の外輪郭と、アウトソールの外輪郭とは、連続的な湾曲部を形成する。1つの実施形態において、1または複数の突起の底面積である基部の少なくとも50%が少なくとも1つの凹部によって画定される。1つの実施形態において、単一の突起の基部は、単一の凹部の面積の少なくとも60%を占め、上記単一の突起の上記基部の第1の周囲は、上記単一の凹部の第2の周囲に一致するように適合される。
【0014】
1つの実施形態において、上記1または複数の突起の各々は、頂部および基部を備え、上記頂部は、上記少なくとも1つの凹部の最大深さよりも少なくとも10%高く、上記1または複数の突起は、上記少なくとも1つの凹部/くぼみ/空洞に取外し可能に取り付けられるように適合される。1つの実施形態において、上記1または複数の突起は、2つの突起である。
【0015】
1つの実施形態において、上記1または複数の突起の接地面は、上記1または複数の突起が上記少なくとも1つの凹部に配置された場合、上記少なくとも1つの凹部から延びる。
【0016】
1つの実施形態において、少なくとも1つの凹部の後方部分は、後方突起と一致するように適合され、少なくとも1つの凹部の前方部分は、前方突起と一致するように適合される。1つの実施形態において、アウトソールは、後方突起と一致するように適合された後方凹部と、前方突起と一致するように適合された前方凹部とを有する。
【0017】
1つの実施形態において、アウトソールは、20Sh-00~80Sh-Dのショア硬度である。1つの実施形態において、アウトソールは、少なくとも1つの凹部の少なくとも一部に接する層をさらに備える。1つの実施形態において、層は、20Sh-A~90Sh-Dのショア硬度を有する。
【0018】
1つの実施形態において、上記層は、上記アウトソールのショア硬度よりも少なくとも5%高いショア硬度を有する。
【0019】
本発明のいくつかの態様は、本明細書に開示される実施形態のいずれか1つに係るアウトソールを備える、歩行パラメータを操作するための履物または履物キットに関連する。履物または履物キットは、上記アウトソールの上記接地面または外面から突出し、上記少なくとも1つの凹部に取外し可能に取り付けられるように適合された2つの湾曲突起をさらに含み、各突起は、異なる湾曲した外輪郭を有する。
【0020】
いくつかの実施形態において、2つの湾曲突起は非対称である。いくつかの実施形態において、2つの湾曲突起は、互いに接する異なる半径の様々なアーチによって画定される。いくつかの実施形態において、上記2つの湾曲突起の少なくとも一方の外輪郭と、上記アウトソールの外輪郭とは、連続的な湾曲部を形成する。いくつかの実施形態において、各湾曲突起は、凹部に連結可能な部分と接地部とを備え、凹部に連結可能な部分は接地部よりも硬い。
【0021】
いくつかの実施形態において、各突起は、少なくとも頂部の位置、突出度、ショア硬度、またはそれらの任意の組み合わせに関して異なる。いくつかの実施形態において、単一の突起の基部は、単一の凹部の面積の少なくとも60%を占め、上記単一の突起の上記基部の第1の周囲は、上記単一の凹部の第2の周囲に一致するように適合される。
【0022】
いくつかの実施形態において、各突起について、少なくとも頂部の位置は、被験者グループに関して測定された被験者の少なくとも1つの歩行パラメータおよび/またはバランスパラメータに基づいて決定される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの歩行パラメータは、足のアライメント、膝のアライメント、速度、遊脚期および立脚期、両脚支持時間、地面反力、衝撃、習慣的歩行中の推進力、膝部のアライメント、圧力中心、対称性、歩行速度、ステップ時間、ステップ長、ストライド長、ステップ幅、足角度、歩行と走行との境界から選択される。いくつかの実施形態において、被験者グループは、年齢、性別、足のサイズ、歩行挙動、および病変から選択された少なくとも2つの共通特徴を有する被験者として決定される。いくつかの実施形態において、被験者グループは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれらの間の任意の範囲の数の共通歩行パラメータにおける欠陥を有する被験者として定義される。いくつかの実施形態において、共通の歩行挙動を有する被験者は、少なくとも2つの同様の歩行パラメータを有する被験者である。いくつかの実施形態において、各突起について、突起の曲率は、被験者グループに関して測定された被験者の少なくとも1つの歩行パラメータおよび/またはバランスパラメータに基づいて決定される。いくつかの実施形態において、各突起について、突起の基部の輪郭は、被験者グループに関して測定された被験者の少なくとも1つの歩行パラメータおよび/またはバランスパラメータに基づいて決定される。
【0023】
本発明は、添付図面に関連して示される以下の詳細な説明から理解され、より完全に認識される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1A-1D】本発明のいくつかの実施形態に係る、履物、組立て履物、および2つのキットの図である。
【
図2A-2C】それぞれ、本発明のいくつかの実施形態に係る、アウトソールおよび複数のアウトソールおよび突起の下面図である。
【
図3A-3B】本発明のいくつかの実施形態に係る、アウトソールに組み付けられた突起の下面図である。
【
図4A-4B】それぞれ、単一の突起を含むキットおよび組立て履物の下面図である。
【
図5A-5B】それぞれ、本発明のいくつかの実施形態に係る、アウトソールおよび突起を受け入れるアウトソールの正面図および挿入図である。
【
図6A-6D】それぞれ、本発明のいくつかの実施形態に係る、歩行パラメータに基づいて設計された突起を受け入れるアウトソールの下面図および側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明のいくつかの態様は、履物のアウトソールに向けられる。アウトソールは、特別に設計された1または複数の突起を受容するように構成される。いくつかの実施形態において、アウトソールは、1または複数の突起を受け入れ、そこに固定するように適合される。1つの実施形態において、「受け入れるように適合される」ことは、アウトソールにおける少なくとも1つの凹部による。1つの実施形態において、アウトソールは、アウトソールの接地面または外面に位置し、(a)アウトソールの最大厚さの10%~95%の深さ、および(b)アウトソールの接地面または外面全体の10%~95%を覆う面積を有する少なくとも1つの凹部を含んでよい。
【0026】
本明細書で使用される場合、凹部とは、アウトソールの接地面または外面に位置する任意の開口空洞、くぼみなどとして定義される。
【0027】
本発明のいくつかの態様は、アウトソールを備える履物に向けられる。履物は、たとえばアッパー、ミッドソール、インソール、取付け可能および/または取外し可能な突起などの追加の構成要素を含んでよい。
【0028】
本発明のいくつかの態様は、履物と、少なくとも1セットの別個の1または複数の突起とを含む「キット」に向けられる。突起は、少なくとも1つの凹部内に組み付けられ、「組立て履物」が形成される。そのような場合、組立て履物は、本明細書で説明されるアウトソールの外面に固定された1または複数の突起を備える。本発明のいくつかの態様は、履物のアウトソールとアッパーシュー部とを含む「キット」に向けられる。本発明のいくつかの態様は、履物のアウトソールおよびアッパーシュー部と、少なくとも1セットの別個の1または複数の突起とを含む「キット」に向けられる。
【0029】
別の実施形態において、組立て履物に組み付けられた1または複数の突起は、被験者の少なくとも1つの歩行パラメータを操作するように構成される。本明細書に記載される実施形態において、本明細書で説明されるアウトソールの外面に固定された突起を備える組立て履物は、被験者のバランスを操作するように構成される。1つの実施形態において、組立て履物は、組立て履物を必要とする被験者の固有受容感覚、運動感覚またはその両方を操作するように構成される。本明細書に記載される実施形態において、本明細書で説明されるアウトソールの外面に固定された突起を備える組立て履物は、限定はされないがたとえば退行性関節疾患および下肢の筋骨格系外傷などの下肢関節病変を患った被験者を治療するように構成される。本明細書に記載される実施形態において、本明細書で説明されるアウトソールの外面に固定された突起を備える組立て履物は、本明細書で述べられる他の病変を治療するように構成される。
【0030】
1つの実施形態において、組立て式の1または複数の突起は、履物に固定され、および/または取り付けられる。1つの実施形態において、組立て式の1または複数の突起は、アウトソールに固定され、および/または取り付けられる。1つの実施形態において、組立て式の1または複数の突起は、凹部内のアウトソールに固定され、および/または取り付けられる。1つの実施形態において、組み付けられた1または複数の突起は、履物、アウトソール、および/または凹部から取外し可能である。1つの実施形態において、組み付けられた1または複数の突起は、交換可能である。
【0031】
別の実施形態において、少なくとも1つの凹部に組み付けられる1または複数の突起は、本明細書で説明される治療効果を有し得る。
履物、組立て履物、およびキット
【0032】
本発明のいくつかの実施形態に係る、履物、組立て履物、および2つのキットの図である
図1A、
図1B、
図1C、および
図1Dを参照する。
【0033】
たとえば
図1Aに示す履物10などの履物は、本発明の実施形態に従って、少なくともアッパー15およびアウトソール50を含んでよい。いくつかの実施形態において、アウトソール50は、たとえば突起20および/または30または
図1Dに示す突起25など、1または複数の突起に一致する、または包囲されるように適合された少なくとも1つの凹部60を含む。
【0034】
別の実施形態において、
図1Bに示す組立て履物100は、履物10および1または複数の突起20および/または30を含む。
【0035】
別の実施形態において、分解された履物を備えるキット200が
図1Cに示される。キット200は、履物10と、1または複数の突起20および/または30のセットとを備える。別の実施形態において、キットは、突起と履物とを別々に備える。別の実施形態において、分解された履物またはキットは、アウトソールとアッパーシュー部とを別々に備え、アッパーシュー部は、アウトソールに組み付けられるように適合される。別の実施形態において、分解された履物またはキットは、アウトソール、アッパーシュー部、および突起を別々に備える。
【0036】
別の実施形態において、単一の突起を有する分解された履物を備えるキット200が
図1Dに示される。キット200は、履物10と、別個の単一の突起25とを備える。単一の突起25は、図示および後述するように、略平坦な突起であってよい。あるいは、単一の突起25は、球状突起(たとえば突起20または30)である。単一の球状突起は、凹部60の前方部分、凹部60の中間部分、および/または凹部60の後方部分に組み付けられ得る。
【0037】
別の実施形態において、キット200は、2つ以上の別個の凹部または単一の凹部に組み付けられる2つの略平坦な突起を含んでよい。
【0038】
別の実施形態において、キットまたは履物は、平坦な1または複数の突起のみを備える。
【0039】
別の実施形態において、キット200は、被験者によって容易に交換される2セット以上の代替突起を含んでよい。別の実施形態において、キット200は、履物10と、たとえば突起20および30などの機能突起のセットと、少なくとも1つの追加の突起25とを含んでよい。本明細書で使用される場合、機能突起とは、被験者の少なくとも1つの歩行パラメータおよび/またはバランスパラメータを操作するように構成された突起として定義される。
【0040】
別の実施形態において、少なくとも1つの追加の突起25は、通常の歩行、立位、または走行のために、少なくとも1つの凹部60に組み付けられる。
アウトソール
【0041】
ここで、それぞれ本発明のいくつかの実施形態に係るアウトソールおよび複数のアウトソールおよび突起の下面図である
図2A、
図2B、および
図2Cを参照する。
【0042】
別の実施形態において、アウトソール50は、アウトソール50の接地面、底部、または外面55に位置する少なくとも1つの凹部60を含む。アウトソール50は、アウトソールを形成するために適した、当技術分野で知られている任意の材料から作られてよい。実施形態において、アウトソール50は、20Sh-00~80Sh-Dのショア硬度を特徴とするポリマまたは同様の材料を含む。
【0043】
実施形態において、アウトソール50は、均一な硬度を有する単一片から作られる。たとえば、アウトソール50は、単一のポリマからの射出、押出し、成型、プレス加工などで得られ得る。別の実施形態において、アウトソール50は、各々が成形プロセス中または成形プロセス後に接合/接着/溶接された異なる材料または同様の材料から作られた複数片から作られる。そのような場合、アウトソール50は、異なる硬度を有する異なる部分を含んでよい。たとえば、アウトソール50の前方部分は、第1のショア硬度を有する第1のポリマから作られ、第1のショア硬度とは異なる第2のショア硬度を有する第2の材料から作られたアウトソール50の後方部分に溶接される。たとえば、第1の部分は第2の部分よりも硬い。
【0044】
実施形態において、アウトソールまたはアウトソールの一部は、20Sh-00~20Sh-0のショア硬度を有する。実施形態において、アウトソールまたはアウトソールの一部は、20Sh-0~20Sh-Aのショア硬度を有する。実施形態において、アウトソールまたはアウトソールの一部は、20Sh-A~20Sh-Bのショア硬度を有する。実施形態において、アウトソールまたはアウトソールの一部は、20Sh-B~20Sh-Cのショア硬度を有する。実施形態において、アウトソールまたはアウトソールの一部は、20Sh-C~20Sh-Dのショア硬度を有する。実施形態において、アウトソールまたはアウトソールの一部は、20Sh-C~30Sh-Dのショア硬度を有する。実施形態において、アウトソールまたはアウトソールの一部は、20Sh-C~40Sh-Dのショア硬度を有する。実施形態において、アウトソールまたはアウトソールの一部は、20Sh-C~50Sh-Dのショア硬度を有する。実施形態において、アウトソールまたはアウトソールの一部は、20Sh-C~60Sh-Dのショア硬度を有する。
【0045】
実施形態において、アウトソールまたはアウトソールの一部は、40~55Sh Aのショア硬度を有する。別の実施形態において、アウトソールまたはアウトソールの一部は、50~70Sh Aのショア硬度を有する。別の実施形態において、アウトソールまたはアウトソールの一部は、65~90Sh Aのショア硬度を有する。別の実施形態において、アウトソールまたはアウトソールの一部は、55~60Sh Aのショア硬度を有する。別の実施形態において、アウトソールまたはアウトソールの一部は、65~70Sh Aのショア硬度を有する。
【0046】
別の実施形態において、アウトソール50は、少なくとも1つの凹部60の少なくとも一部に接する層70を含む。別の実施形態において、アウトソール50は、少なくとも1つの凹部60の外面の少なくとも一部に接する層70を含む。層70は、アウトソール50および1または複数の突起20および/または30の両方と接するように適合され得る。層70は、より硬い材料、たとえばアウトソール50のショア硬度よりも少なくとも5%硬いショア硬度を有するポリマから作られ得る。より硬い層70は、アウトソール50の下面55または接地面に追加の耐久性をもたらし得る。したがって、たとえば突起20および/または30などの突起が少なくとも1つの凹部60に連結または固定された場合、アウトソール50のより軟質の材料は、たとえば突起20および/または30に被験者の体重がかかった場合に突起20および/または30によって付加される力により変形しない場合がある。実施形態において、層70は、20Sh-A~90Sh-Dのショア硬度を特徴とするポリマまたは同様の材料を含んでよい。
【0047】
実施形態において、層は、20Sh-0~20Sh-Aのショア硬度を有する。実施形態において、層は、20Sh-A~20Sh-Bのショア硬度を有する。実施形態において、層は、20Sh-B~20Sh-Cのショア硬度を有する。実施形態において、層は、20Sh-C~20Sh-Dのショア硬度を有する。実施形態において、層は、20Sh-C~30Sh-Dのショア硬度を有する。実施形態において、層は、20Sh-C~40Sh-Dのショア硬度を有する。実施形態において、層は、20Sh-C~50Sh-Dのショア硬度を有する。実施形態において、層は、20Sh-C~60Sh-Dのショア硬度を有する。実施形態において、層は、20Sh-C~80Sh-Dのショア硬度を有する。
【0048】
実施形態において、層は、40~55Sh Aのショア硬度を有する。別の実施形態において、層は、50~70Sh Aのショア硬度を有する。別の実施形態において、層は、65~90Sh Aのショア硬度を有する。別の実施形態において、層は、55~60Sh Aのショア硬度を有する。別の実施形態において、層は、65~70Sh Aのショア硬度を有する。別の実施形態において、層は、50~90Sh Aのショア硬度を有する。別の実施形態において、層は、40~80Sh Aのショア硬度を有する。
【0049】
別の実施形態において、
図2Aおよび
図2Bに示すように、アウトソール50は1つの凹部60を含み、または、複数、たとえば
図2Cに示す前方凹部62および後方凹部64の2つの凹部を含む。
図2Bに示す凹部60は、前方突起20の基部と一致するように適合された前方部分61と、後方突起30の基部と一致するように適合された後方部分63とを含んでよい。いくつかの実施形態において、
図2Cに示す前方凹部62は、前方突起20と一致するように採用され、後方凹部64は、後方突起30と一致するように採用される。当業者が理解すべき点として、凹部60、前方凹部62、後方凹部64、前方突起20、および後方突起30の特定の形状は単なる例として与えられたものであり、本発明は全体としてこれらの特定の設計に限定されるものではない。
【0050】
別の実施形態において、アウトソール50は、1または複数の突起を連結するための1または複数のコネクタ58を含んでよい。コネクタ58は、凹部60、前方凹部62、および/または後方凹部64内の1または複数の箇所に位置してよい。たとえば、コネクタ58は、図示するようにプレススタッド(たとえばスナップ)であってよく、あるいは、1または複数の突起を少なくとも1つの凹部に着脱可能/取外し可能に取り付けることを可能にし得る任意の要素であってよい。アウトソール50に組み付けられ、取外し可能に取り付けられた突起20および30は、
図3Aおよび
図3Bに示される。
アウトソールの幾何学的特性
【0051】
別の実施形態において、少なくとも1つの凹部60、62、および/または64の周囲は、
図3Aおよび
図3Bに示すように、内部に一致する、および/または包囲されるように適合された1または複数の突起20および30の基部を画定する。各凹部の周囲は、1または複数の突起の基部を大まかに、またはしっかりと画定してよい。たとえば、0.1~2mmの間隙が、少なくとも1つの凹部の壁と1または複数の突起の基部との間に形成され得る。また別の例において、1または複数の突起20および/または30の(
図5Bに示す)基部24および/または34の少なくとも25%が、少なくとも1つの凹部60、62、および/または64によって画定される。別の実施形態において、少なくとも1つの凹部によって基部の少なくとも30%が画定される。別の実施形態において、少なくとも1つの凹部によって基部の少なくとも40%が画定される。別の実施形態において、少なくとも1つの凹部によって基部の少なくとも50%が画定される。別の実施形態において、少なくとも1つの凹部によって基部の少なくとも60%が画定される。別の実施形態において、少なくとも1つの凹部によって基部の少なくとも70%が画定される。別の実施形態において、少なくとも1つの凹部によって基部の少なくとも80%が画定される。別の実施形態において、少なくとも1つの凹部によって基部の少なくとも90%が画定される。
【0052】
別の実施形態において、突起の基部は、基部の第1の周囲が単一の凹部60の第2の周囲に合うように適合されるように、単一の凹部60の面積の少なくとも50%を占める。たとえば、凹部60の壁と単一の突起の基部との間に0.1~1mmの間隙が形成され得る。別の実施形態において、突起の基部は、単一の凹部60の面積の少なくとも60%を占める。別の実施形態において、突起の基部は、単一の凹部60の面積の少なくとも70%を占める。別の実施形態において、突起の基部は、単一の凹部60の面積の少なくとも80%を占める。別の実施形態において、突起の基部は、単一の凹部60の面積の少なくとも90%を占める。別の実施形態において、突起の基部は、単一の凹部60の面積の少なくとも95%を占める。
【0053】
別の実施形態において、少なくとも1つの凹部60、62、および/または64は、
図2A~2Cに示すように、アウトソール50の接地面または外面55の10%~95%を覆う面積を有する。少なくとも1つの凹部60、62、および/または64の面積は、各凹部の底部で測定され得る。あるいは、少なくとも1つの凹部60、62、および/または64の面積は、接地面または外面55における少なくとも1つの凹部60、62、および/または64の開口部の面積として測定され得る。別の実施形態において、少なくとも1つの凹部は、接地面または外面全体の15%~85%を覆う面積を有する。別の実施形態において、少なくとも1つの凹部は、接地面または外面全体の20%~80%を覆う面積を有する。別の実施形態において、少なくとも1つの凹部は、接地面または外面全体の30%~95%を覆う面積を有する。別の実施形態において、少なくとも1つの凹部は、接地面または外面全体の40%~95%を覆う面積を有する。別の実施形態において、少なくとも1つの凹部は、接地面または外面全体の50%~95%を覆う面積を有する。
【0054】
別の実施形態において、2つの突起20および30の基部24および34は、
図3Aに示すように、単一の凹部60の面積の少なくとも40%を占めてよい。別の実施形態において、2つ以上の突起の基部は、単一の凹部の面積の少なくとも50%を占めてよい。別の実施形態において、2つ以上の突起の基部は、単一の凹部の面積の少なくとも60%を占めてよい。別の実施形態において、2つ以上の突起の基部は、単一の凹部の面積の少なくとも70%を占めてよい。別の実施形態において、2つ以上の突起の基部は、単一の凹部の面積の少なくとも80%を占めてよい。別の実施形態において、2つ以上の突起の基部は、単一の凹部の面積の少なくとも90%を占めてよい。別の実施形態において、2つ以上の突起の基部は、単一の凹部の面積の少なくとも95%を占めてよい。
【0055】
ここで、それぞれ本発明のいくつかの実施形態に係る単一の突起を含むキットおよび組立て履物の下面図である
図4Aおよび
図4Bを参照する。別の実施形態において、アウトソール50の凹部60は、単一の突起25を受け入れるように構成される。別の実施形態において、突起25の基部は、基部の第1の周囲が単一の凹部60の第2の周囲に一致するように適合されるように、単一の凹部60の面積の少なくとも80%を占める。別の実施形態において、突起25の基部は、単一の凹部60の面積の少なくとも90%を占める。別の実施形態において、突起25の基部は、単一の凹部60の面積の少なくとも95%を占める。1つの実施形態において、突起25は、略平坦な突起である。あるいは、突起25は、後述するように非平坦な突起である。
【0056】
別の実施形態において、アウトソール50の2つ以上の凹部62および64は、2つ以上の略平坦な突起25を受け入れるように構成される。
【0057】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係るアウトソール50および突起を受け入れるアウトソールの正面図および挿入図である
図5Aおよび
図5Bを参照する。
【0058】
別の実施形態において、少なくとも1つの凹部60、62、および/または64は、アウトソール50の最大厚さTの10%~95%の深さD1および/またはD2を有してよい。深さは凹部によって変わってよく、たとえば、図示するように、前方部分61または前方凹部62の深さD1は、後方部分63または後方凹部64の深さD2よりも小さい。アウトソール50の最大厚さTは、接地面55における接地点56から、インソールに取り付けられるように採用されたアウトソール50の表面における上点57までで測定され得る。別の実施形態において、少なくとも1つの凹部は、アウトソールの最大厚さTの15%~95%の深さD1および/またはD2を有してよい。別の実施形態において、少なくとも1つの凹部は、アウトソールの最大厚さTの20%~90%の深さD1および/またはD2を有してよい。別の実施形態において、少なくとも1つの凹部は、アウトソールの最大厚さTの10%~90%の深さD1および/またはD2を有してよい。別の実施形態において、少なくとも1つの凹部は、アウトソールの最大厚さTの10%~80%の深さD1および/またはD2を有してよい。別の実施形態において、少なくとも1つの凹部は、アウトソールの最大厚さTの10%~70%の深さD1および/またはD2を有してよい。別の実施形態において、少なくとも1つの凹部は、アウトソールの最大厚さTの10%~60%の深さD1および/またはD2を有してよい。
【0059】
別の実施形態において、凹部は、突起をしっかりと固定するように構成される。別の実施形態において、単一の凹部は、突起をしっかりと固定するように構成される。別の実施形態において、単一の凹部は、2つの突起をしっかりと固定するように構成される。別の実施形態において、2つの別個の凹部の各々が、突起または単一の突起をしっかりと固定するように構成される。別の実施形態において、凹部は、突起固定手段および/または固着手段を備える。別の実施形態において、突起は、凹部固定手段および/または固着手段を備える。
突起
【0060】
別の実施形態において、突起は、基部および頂部を有する。別の実施形態において、基部は突起の底部であり、頂部は突起の上部である。別の実施形態において、頂部または上部部分は、突起体積の5~60%を占める。別の実施形態において、頂部または上部部分は、突起体積の10~40%を占める。別の実施形態において、頂部または上部部分は、突起体積の5~30%を占める。別の実施形態において、基部または底部部分は、突起体積の30~95%を占める。別の実施形態において、基部または底部部分は、突起体積の40~95%を占める。別の実施形態において、基部または底部部分は、突起体積の60~90%を占める。別の実施形態において、基部または底部部分は、突起体積の70~95%を占める。
【0061】
別の実施形態において、突起は、(凹部に連結可能な)より硬質の下部と、頂部を含むより軟質の上部とを有する。いくつかの実施形態において、硬質下部は、軟質下部よりも少なくとも10%硬い。いくつかの実施形態において、硬質下部は、軟質下部よりも少なくとも20%硬い。いくつかの実施形態において、硬質下部は、軟質下部よりも少なくとも30%硬い。いくつかの実施形態において、硬質下部は、軟質下部よりも少なくとも40%硬い。いくつかの実施形態において、硬質下部は、軟質下部よりも少なくとも50%硬い。
【0062】
別の実施形態において、上部軟質部分は、突起体積の30~90%を占める。別の実施形態において、上部軟質部分は、突起体積の40~90%を占める。別の実施形態において、上部軟質部分は、突起体積の30~80%を占める。別の実施形態において、上部軟質部分は、突起体積の50~90%を占める。別の実施形態において、上部軟質部分は、突起体積の40~70%を占める。別の実施形態において、上部軟質部分は、突起体積の60~90%を占める。
【0063】
別の実施形態において、下部硬質部分は、突起体積の10~70%を占める。別の実施形態において、下部硬質部分は、突起体積の20~60%を占める。別の実施形態において、下部硬質部分は、突起体積の10~60%を占める。別の実施形態において、下部硬質部分は、突起体積の20~70%を占める。別の実施形態において、下部硬質部分は、突起体積の10~50%を占める。別の実施形態において、下部硬質部分は、突起体積の10~50%を占める。別の実施形態において、下部硬質部分は、突起体積の10~40%を占める。別の実施形態において、下部硬質部分は、突起体積の30~70%を占める。
【0064】
別の実施形態において、組立て履物100またはキット200は、たとえば突起20および30などの1または複数の(たとえば2つの)突起を含む。別の実施形態において、少なくとも1つの突起20および/または30は、
図5Bに示すように、それぞれ接地頂部22および/または頂部32と基部24および/または基部34とを含む。別の実施形態において、突起は、頂部22および/または頂部34において、少なくとも1つの凹部60、62、および/または64の最大深さよりも少なくとも10%高い。たとえば、突起の頂部32における高さH2は、凹部60の深さD2よりも少なくとも10%高くあってよい。高さH1またはH2は、たとえば、基部34から頂部32までで測定される。別の実施形態において、突起はその頂部において、少なくとも1つの凹部の最大深さよりも少なくとも15%高い。別の実施形態において、突起はその頂部において、少なくとも1つの凹部の最大深さよりも少なくとも20%高い。別の実施形態において、突起はその頂部において、少なくとも1つの凹部の最大深さよりも少なくとも30%高い。別の実施形態において、突起はその頂部において、少なくとも1つの凹部の最大深さよりも少なくとも40%高い。別の実施形態において、突起はその頂部において、少なくとも1つの凹部の最大深さよりも少なくとも50%高い。別の実施形態において、突起はその頂部において、少なくとも1つの凹部の最大深さよりも少なくとも60%高い。別の実施形態において、突起はその頂部において、少なくとも1つの凹部の最大深さよりも少なくとも70%高い。別の実施形態において、突起はその頂部において、少なくとも1つの凹部の最大深さよりも少なくとも80%高い。別の実施形態において、突起はその頂部において、少なくとも1つの凹部の最大深さよりも95%高い。別の実施形態において、突起はその頂部において、少なくとも1つの凹部の最大深さの少なくとも2倍高い。
【0065】
別の実施形態において、
図3A、
図3B、および
図4Bに示すように、1または複数の突起20および30の接地面(たとえば頂部22および頂部32の表面)は、1または複数の突起20および30が少なくとも1つの凹部60、62、および/または64に配置および/または固定された場合、アウトソールから外側に延び、または少なくとも1つの凹部60、62、および/または64から外側に延びる。
【0066】
単一の略平坦な突起25を示す
図4Aおよび
図4Bを再び参照する。1つの実施形態において、追加の突起は、略平坦な突起25である。1つの実施形態において、キットは、少なくとも1つの凹部60または2つの異なる凹部62および64に組み付けられる2つの略平坦な突起のセットを含む。1または複数の略平坦な突起は、平坦な接地面を含む。そのような平坦な接地面は、接地面の係合を良好にするためにパターニングされ得る。別の実施形態において、1または複数の突起は、接地面の係合を向上させ、履物の使用を容易にするために、1または複数の可撓性エリアを有して構成される。別の実施形態において、キットは、湾曲または球状突起のペアおよび平坦な突起のペアを含む。
【0067】
別の実施形態において、少なくとも1つの略平坦な突起の最大厚さは、少なくとも1つの凹部の最大深さと同じか、またはそれより高い。別の実施形態において、少なくとも1つの略平坦な突起25の最大厚さは、少なくとも1つの凹部の最大深さよりも少なくとも5%高い。別の実施形態において、少なくとも1つの略平坦な突起25の最大厚さは、少なくとも1つの凹部の最大深さよりも少なくとも10%高い。別の実施形態において、少なくとも1つの略平坦な突起25の最大厚さは、少なくとも1つの凹部の最大深さよりも少なくとも15%高い。別の実施形態において、少なくとも1つの略平坦な突起25の最大厚さは、少なくとも1つの凹部の最大深さよりも少なくとも20%高い。別の実施形態において、少なくとも1つの略平坦な突起25の最大厚さは、少なくとも1つの凹部の最大深さよりも少なくとも30%高い。別の実施形態において、少なくとも1つの略平坦な突起25の最大厚さは、少なくとも1つの凹部の最大深さよりも少なくとも40%高い。
【0068】
別の実施形態において、組立て履物において、突起の一部は、凹部面積または体積の少なくとも80%を占める。別の実施形態において、組立て履物において、突起の一部は、凹部面積または体積の少なくとも85%を占める。別の実施形態において、組立て履物において、突起の一部は、凹部面積または体積の少なくとも90%を占める。別の実施形態において、組立て履物において、突起の一部は、凹部面積または体積の少なくとも95%を占める。別の実施形態において、組立て履物において、突起の一部は、凹部面積または体積の少なくとも97%を占める。
【0069】
別の実施形態において、組立て履物において、突起の下部または基部は外面を備え、外面は凹部に接し、凹部の面積または体積の少なくとも95%を占める。別の実施形態において、外面は層70に接する。
【0070】
別の実施形態において、組立て履物において、突起の下部または基部は、凹部面積または体積の少なくとも95%を占める。別の実施形態において、組立て履物において、突起体積の2~50%、2~20%、5~40%、20~40%、5~15%、または10~30%が、凹部面積または体積の少なくとも80%、90%、95%、または97%を占める。
【0071】
別の実施形態において、突起20および/または30の少なくとも1つは、球状突起である。別の実施形態において、突起は対称である。別の実施形態において、突起は非対称である。別の実施形態において、突起は、多角形、十角形、二角形、十二角形、九角形、一角形、十一角形、七角形、十六角形、六角形、二十角形、八角形、五角形、三角形、ペンローズタイル、台形、二等辺三角形、台形、十一角形、四辺形、菱形、偏菱形、長方形、正方形、菱形、台形、ポリドラフタ、アルベロス、円、円盤、三日月形、半球、楕円、弓形、長円、球、星形、または三角形の形状を備える。別の実施形態において、突起20および/または30の少なくとも1つは、非晶質曲率を有する。
【0072】
別の実施形態において、各突起20または30は、湾曲した外輪郭26または36を有する。別の実施形態において、各突起20または30は、図示するように、異なる湾曲した外輪郭を有する。別の実施形態において、各突起20または30は、凸面を有する。
【0073】
別の実施形態において、1または複数の突起20および/または30の外輪郭26および/または36と、アウトソール50の外輪郭57とは、
図5Bに示すように、連続的な湾曲部を形成する。別の実施形態において、湾曲部は、アウトソールおよび1または複数の突起の任意の断面にわたって、または1または複数の特定の断面において連続している。たとえば、湾曲部は、(図示するように)長手方向断面にわたり、および/または横方向断面にわたり連続してよい。
【0074】
別の実施形態において、たとえば突起20および/または30などの突起は、ドーム形状を備える。別の実施形態において、本明細書で説明される突起は、複数の異なる凸面をさらに備えるドーム形状を備える。別の実施形態において、各突起20または30は、異なる凸面を備える。別の実施形態において、各突起20または30は、異なる凸面のセットを備える。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0075】
別の実施形態において、輪郭26および/または36は、円錐断面形状、すなわち円形、楕円形、放物線、または双曲線の形状を有してよい。突起20または30の輪郭26または36の様々な断面は、同一または異なる形状であってよい。別の実施形態において、突起の形状は、等しいアーチによって画定される。別の実施形態において、突起の形状は、互いに接する異なる半径の様々なアーチによって画定される。別の実施形態において、突起の形状は対称である。別の実施形態において、突起の形状は非対称である。別の実施形態において、突起は球状突起である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0076】
別の実施形態において、本発明は、1または複数の突起が地面に置かれた場合、たとえば組立て履物100などの組立て履物が、1または複数の突起によってのみ被験者の足を支持することを定める。別の実施形態において、本発明は、2つの突起が地面に置かれた場合、たとえば組立て履物100などの装置が、2つの突起20および30によってのみ立脚中の被験者の足を支持することを定める。別の実施形態において、本発明は、立脚時、突起の2つの接地面(たとえば頂部または地上に面する表面)のみが地面と接することを定める。別の実施形態において、本発明は、立脚時、各突起の接地面のみが地面と接することを定める。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0077】
別の実施形態において、組立て履物100の接地部は、突起のみである。別の実施形態において、立脚段階を含む全ての歩行段階において、組立て履物の地面と接する部分は突起のみである。別の実施形態において、立脚段階を含む全ての歩行段階において、組立て履物の地面と直接接する部分は突起20および30のみである。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0078】
別の実施形態において、組立て履物の接地部は、突起20、25、および30を備える。別の実施形態において、組立て履物の接地部は、アウトソール50の接地面55を備える。別の実施形態において、立脚段階を含む全ての歩行段階において、履物キットの地面と接する部分は突起のみである。
【0079】
別の実施形態において、本明細書で説明される突起は、アウトソールの凹部に取付け可能である。別の実施形態において、本明細書で説明される突起は、アウトソールの凹部に固定的に取り付けられる。別の実施形態において、本明細書で説明される突起は、交換可能である。
【0080】
別の実施形態において、突起は比較的硬く、履物を着用している被験者の体重(20~150kg)で圧縮されないので、30~90Sh Aのショア硬度を有する。別の実施形態において、突起は、40~55Sh Aのショア硬度を有する。別の実施形態において、突起は、50~70Sh Aのショア硬度を有する。別の実施形態において、突起は、65~90Sh Aのショア硬度を有する。別の実施形態において、突起は、55~60Sh Aのショア硬度を有する。別の実施形態において、突起は、65~70Sh Aのショア硬度を有する。別の実施形態において、前方突起および後方突起は、同一のショア硬度を備える。別の実施形態において、前方突起および後方突起は、異なるショア硬度を有する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0081】
別の実施形態において、突起は比較的硬く、圧縮性ではないので、被験者の体重(20~150kg)でその輪郭を維持する。別の実施形態において、非圧縮性の突起は、0~150kgの重量下でその輪郭を維持する。別の実施形態において、非圧縮性の突起は、0~150kgの重量下でその輪郭、突出度、高さ、またはそれらの任意の組み合わせを維持する。
【0082】
別の実施形態において、突起は、40~55Sh Aのショア硬度を備える軟質突起である。別の実施形態において、突起は、50~70Sh Aのショア硬度を備える中硬度の突起である。別の実施形態において、突起は、65~90Sh Aのショア硬度を備える硬質突起である。
【0083】
別の実施形態において、突起は、1~60mm3の摩耗性を有する(DIN53516に準拠)。別の実施形態において、突起は、ラバーカップを備える。別の実施形態において、突起は、天然ゴム化合物を備える。別の実施形態において、突起は、たとえばTPUまたはTPRなどの合成ゴム化合物を備える。別の実施形態において、突起は、キャストポリウレタンを備える。別の実施形態において、突起は、エチレンビニルアセテートを備える。別の実施形態において、突起は、シリコンを備える。別の実施形態において、突起は、たとえばPA6(ナイロン)、PA6/6(ナイロン)+ガラスファイバ、ABS、ポリプロピレン、POM(ポリオキシメチレン)などのプラスティック材料を備える。別の実施形態において、突起は、たとえばアルミニウム、鋼、ステンレス鋼、真鍮、金属合金などの金属を備える。別の実施形態において、突起は、たとえばガラスファイバ、カーボンファイバ、ケブラ、またはそれらの任意の組み合わせなどの複合材料を備える。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0084】
別の実施形態において、突起20、30、および/または25の幾何学的形状および/または構造は、圧力印加に対し反応するように採用される。被験者が立っている、歩いている、および/または走っている場合、突起20、30、および/または25の形状および/または構造は変化する。そのような場合、突起20および30の頂部の位置は、脚の位置に応じて変化する。
【0085】
したがって、突起20、30、および/または25は、1または複数の変形可能な材料を含む。変形可能な材料は、(たとえば室温での)使用中、外圧の印加によって元の形状の少なくとも10%の変形を可能にする材料として定義される。たとえば、突起は、液体(たとえば水、油)、粒状材料(たとえば砂)、ゲルなどで満たされた可撓性シェルを含んでよい。
突起の選択
【0086】
1つの実施形態において、キット200には、少なくとも1セットの1または複数の突起が提供される。選択されたセットを受け取ると、被験者は、たとえばコネクタ58を用いて1または複数の突起20、30、および/または25をアウトソールに容易に連結し、組立て履物100を形成し、組立て履物100を着用し得る。
【0087】
別の実施形態において、キットが提供された各セットは、少なくとも1つの歩行パラメータを操作および/または病変を治療するために選択され得る。追加または代替として、少なくとも1セットの突起は、1または複数の略平坦な突起を含む。いくつかの実施形態において、キット200は、1セットの1または複数の略平坦な突起と、1または複数の非平坦な機能突起を含む少なくとも1つの他のセットとを含んでよい。いくつかの実施形態において、歩行パラメータは、足のアライメント、膝のアライメント、速度、遊脚期および立脚期、両脚支持時間、地面反力、衝撃、習慣的歩行中の推進力、膝のアライメント、圧力中心、対称性、歩行速度、ステップ時間、ステップ長、ストライド長、ステップ幅、足角度、歩行と走行との境界などから選択される。
【0088】
当業者が理解すべき点として、非平坦な突起は、以下の開示に従って選択される機能突起である。
【0089】
別の実施形態において、セットは、少なくとも1つの歩行パラメータを操作し、下肢または背部の痛みを治療または軽減し、あるいは、限定はされないがたとえば尿失禁などの下肢病変または骨盤疾患を改善するように適合された突出度、高さ、構造、および/または頂部を有する突起を含むように選択され得る。いくつかの実施形態において、頂部の位置、表面積、および/または突出度は、少なくとも1つの歩行パラメータを操作し、下肢または背部の痛みを治療または軽減し、あるいは、限定はされないがたとえば尿失禁などの下肢病変または骨盤疾患を改善するように適合される。いくつかの実施形態において、頂部の位置とは、アウトソールに沿った位置である。いくつかの実施形態において、頂部の位置とは、突起の基部または基部の外面の中心に対する位置である。
【0090】
いくつかの実施形態において、1または複数の突起は、必要とされる少なくとも1つの歩行パラメータの操作または下肢病変の改善に従って選択され得る。別の実施形態において、頂部における突起の高さ(たとえば高さH)は、少なくとも1つの歩行パラメータを操作し、下肢または背部の痛みを治療または軽減し、あるいは、限定はされないがたとえば尿失禁などの下肢病変または骨盤疾患を改善するように適合される。
【0091】
いくつかの実施形態において、突起のセットは、個人が少なくとも2つの特徴に基づいて履物100および/またはキット200を選択し得るように、被験者と病変との組み合わせに関して製造され得る。たとえば、個人は、自身の年齢、性別、歩行パラメータ、および病変/病状に基づいてキット200の履物100を注文してよい。履物100またはキット200によって治療することができる病変および病状のリストは、以下に挙げられる。
【0092】
別の実施形態において、キット200または組立て履物100には、2セット以上の突起が提供される。1つの実施形態において、キット200または組立て履物における各突起は、少なくとも頂部の位置、頂部における突起の高さ、突出度、ショア硬度、またはそれらの任意の組み合わせに関して異なっている。1つの実施形態において、第1の突起セットは、第1の歩行パラメータを操作するように選択され、第2の突起セットは、第2の歩行パラメータを操作するように選択される。1つの実施形態において、第1の突起セットは、病変または痛みの初期治療のために選択され、第2のセットは、病変または痛みのさらなる治療のために選択される。
【0093】
別の実施形態において、セットは、履物100の各靴に2つずつの突起を備える。別の実施形態において、セットは、履物100の両方の靴(2つの靴)に4つの突起を備える。別の実施形態において、各突起またはセットは、被験者または歩行状態に向けて特別設計される。別の実施形態において、各セットは、同様の病変または同様の歩行パラメータを有する被験者グループのために設計および製造される。別の実施形態において、各セットは、少なくとも1つの同様の歩行パラメータを有する被験者グループのために設計および製造される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0094】
別の実施形態において、突起および/または突起20および30のセットの選択は、以下の疾患および/または症状に関する治療および痛みの緩和に向けられる。内側コンパートメント膝OA、内側半月板の断裂/損傷、内反膝、膝蓋大腿疼痛症候群、膝蓋大腿問題(ミスアライメント)、外側側副靱帯(損傷/断裂)、骨挫傷MTP/MFC(AVN)、股関節OA、股関節唇損傷(TCM)、転子滑液包炎、鵞足炎、足首の不安定性(回外+ext rut)、アキレス腱炎、中足骨痛症、またはそれらの組み合わせ。
【0095】
別の実施形態において、突起および/または突起セットの選択は、以下の疾患および/または症状に関する治療および痛みの緩和に向けられる。脊椎障害、脊椎病変、脊椎損傷、および/または脊椎関連病変。別の実施形態において、突起セットの選択は、神経学的症状を患っている被験者の治療および痛みの緩和に向けられる。
突起の設計
【0096】
別の実施形態において、突起は、様々な症状を治療するために、たとえば3次元(3D)印刷または他の任意のCAD-CAM製造方法を用いて設計および製造される。各突起は、頂部の位置、頂部における突起の高さ、突出度、ショア硬度、またはそれらの任意の組み合わせから選択されたパラメータを有する。
【0097】
いくつかの実施形態において、各突起について、少なくとも頂部の位置は、被験者グループについて測定された被験者の少なくとも1つの歩行パラメータおよび/またはバランスパラメータに基づいて決定される。いくつかの実施形態において、歩行パラメータの選択の測定値は、たとえば年齢、性別、身長、体重、足のサイズ、歩行挙動、病変などから選択された少なくとも2つの共通特徴を全員が有するグループなどの複数の被験者から取得され得る。いくつかの実施形態において、共通の歩行挙動を有する被験者は、少なくとも2つの同様の歩行パラメータを有する被験者である。いくつかの実施形態において、被験者グループは、1、2、3、4、5、5、6、7、8、9、10、またはその間の任意の範囲の数の共通歩行パラメータ(複数も可)(共通の歩行欠陥(複数も可))を有する被験者として定義される。いくつかの実施形態において、共通歩行挙動は、1、2、3、4、5、5、6、7、8、9、10、またはその間の任意の範囲の数の共通歩行パラメータ(複数も可)における共通の欠陥と定義される。
【0098】
本明細書で使用される場合、被験者のバランスパラメータは、被験者の立位/バランス位置および姿勢に関連するパラメータを含む。バランスの取れた位置とは、装置が立脚期に被験者の足に低減されたおよび/または最小の内反、および/または低減されたおよび/または最小の外反をもたらす位置である。いくつかの実施形態において、バランスの取れた位置は、歩行に関与する筋肉の運動に対する緊張または抵抗の大きさを調整する。バランスの取れた位置は、筋緊張の低減、より大きな受動的足関節偏位、歩行能力の向上、またはそれらの任意の組み合わせを提供する。
【0099】
バランスパラメータは、履物が実験対象の被験者の足関節に最小の外反、内反、背面、または足底トルクを及ぼすパラメータである。パラメータは、たとえば両脚間の体重分散、被験者の身体の傾き、直立時の脊椎の構造などである。
【0100】
いくつかの実施形態において、被験者は、年齢層(たとえば20~30歳、30~45歳、45~50歳、50~55歳、55~60歳など)および性別に従ってグループ分けされる。いくつかの実施形態において、被験者は、年齢層および病変に従って、たとえば下肢病変を有する50~55歳の被験者などでグループ分けされる。また別の例では、被験者グループは、限定はされないがたとえば尿失禁などの骨盤障害を有する60~70歳の女性を含んでよい。いくつかの実施形態において、被験者は、年齢、共通の歩行挙動/共通の歩行欠陥(複数も可)、病変(限定はされないがたとえば下肢病変、脊椎病変、および尿失禁など)、またはそれらの任意の組み合わせに従ってグループ分けされる。
【0101】
いくつかの実施形態において、被験者は、年齢層および歩行挙動/共通欠陥(複数も可)に従ってグループ分けされる。たとえば、特定の四肢または背部の病変と診断されていない被験者は、実質的に同じ(たとえば差が10%未満の)少なくとも2つの歩行パラメータ、たとえば実質的に同じ足のアライメント、膝のアライメント、歩行速度、ステップ時間、ステップ長、ストライド長、ステップ幅、足角度、歩行と走行との境界、速度、遊脚期および立脚期、両脚支持時間、地面反力、衝撃、習慣的歩行中の推進力などを有する同じ年齢グループの被験者に従ってグループ分けされる。
【0102】
いくつかの実施形態において、各被験者グループから取得された歩行パラメータ測定値は、本明細書で提供されるグループ(同様の特徴を有する任意の被験者)に適した突起セットを設計するために使用される。いくつかの実施形態において、被験者または専門家は、たとえば歩行挙動/共通の歩行欠陥(複数も可)、病変(限定はされないがたとえば下肢病変、脊椎病変、および尿失禁など)、またはそれらの任意の組み合わせなどの被験者の特徴に合うグループ特徴に基づいて突起セットを選択することができる。
【0103】
いくつかの実施形態において、頂部位置への追加または代替として、各突起の曲率および/または突起の基部の輪郭は、被験者グループに関して測定された被験者の少なくとも1つの歩行パラメータおよび/またはバランスパラメータに基づいて決定され得る。
【0104】
いくつかの実施形態において、各被験者グループからの歩行パラメータ(複数も可)および/またはバランスパラメータ測定値は、頂部の位置、各突起の曲率、および各突起の輪郭に影響を及ぼす複数の幾何学的パラメータを選択するために使用される。いくつかの実施形態において、パラメータは、アウトソールのトポグラフィおよび輪郭(たとえば内側突起および外側突起)に対する頂部の位置、頂部の高さ、各方向における湾曲部の突出度(複数も可)などから選択される。
【0105】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、それぞれ歩行パラメータに基づいて設計された突起を受け入れるアウトソールの底面図、正面図、側面図、および背面図である
図6A、
図6B、
図6C、および
図6Dを参照する。いくつかの実施形態において、突起20または30の各々について、少なくとも対応する頂部22または32の位置は、被験者グループに関して測定された被験者の少なくとも1つの歩行パラメータおよび/またはバランスパラメータに基づいて決定される。たとえば、各突起20または30の面積は、横方向中間線および縦方向中間線を備えるグリッド40および45によって分割され得る。たとえば、突起20の面積は、グリッド40によって分割され、横方向中間線41および縦方向中間線42を含んでよい。同様に、突起30の面積は、グリッド45によって分割され、横方向中間線43および縦方向中間線44を含んでよい。
【0106】
図6A、
図6B、
図6C、および
図6Dに示す非限定的な例において、頂部22および32の位置は、尿失禁を有する35~45歳の女性のグループから受け取った歩行パラメータに基づいて決定された。測定値を受け取った後、コントローラは、たとえば事前に収集されたデータに基づいて、このグループの尿失禁を治療するための頂部22および32の最適な位置がどこであるかを決定してよい。この非限定的な例において、頂部22は横方向中間線41上で縦方向中間線42から左へ0.5ステップであり、頂部32は、横方向中間線43上で縦方向中間線44から右へ0.5ステップである。
【0107】
いくつかの実施形態において、突起20または30の輪郭もまた、被験者グループから測定された歩行パラメータに基づいて決定され得る。
図6Aの非限定的な例において、突起20の輪郭46および突起30の輪郭47は、尿失禁を有する35~45歳の女性のグループから受け取った歩行パラメータに基づいて決定され、これらの特定のグループを治療するために設計された。
【0108】
いくつかの実施形態において、突起20または30の曲率もまた、被験者グループから測定された歩行パラメータに基づいて決定され得る。いくつかの実施形態において、各突起20または30は、対応する垂直中間線81および82によって分割され得る。垂直中間線は、曲面26および36を異なる凸面に分割してよい。
図6B、
図6C、および
図6Dの非限定的な例において、曲面26は、4つの異なる凸面26a、26b、26c、および26dに分割され、曲面36は、4つの異なる凸面36a、36b、36c、および36dに分割される。いくつかの実施形態において、凸面の各々は、被験者グループから測定された歩行パラメータに基づいて決定され得る。
図6B、
図6C、および
図6Dの非限定的な例において、凸面26a、26b、26c、および26dおよび凸面36a、36b、36c、および36dは、尿失禁を有する35~45歳の女性のグループから受け取った歩行パラメータに基づいて決定され、この特定のグループを治療するために設計される。
【0109】
いくつかの実施形態において、各突起20または30の硬度もまた、被験者グループから受け取った歩行パラメータに基づいて決定され得る。同様の方法論が、必要な硬度に適用され得る。たとえば、30~90Sh Aのショア硬度を有する比較的硬い(たとえば非圧縮性の)材料が選択され得る。特定の例において、40~45歳の女性における、限定はされないがたとえば尿失禁などの骨盤障害を治療するために、60ShAのショア硬度が選択され、40~60歳の男性における背部の痛みの予防を目的とした突起には、70ShAのショア硬度が選択される。
【0110】
いくつかの実施形態において、異なる被験者グループからの歩行パラメータ測定値が収集され、突起の既知の幾何学的パラメータに基づいて突起の設計が提案され得る訓練段階が行われ得る。これらの幾何学的パラメータは、被験者および病変に既知の効果を有し、被験者グループ内の個人を治療する専門家(たとえば医師、理学療法士、訓練士など)から受け取られ得る。いくつかの実施形態において、幾何学的パラメータは、頂部の位置、頂部の高さ、および様々な曲率を含んでよい。たとえば、コントローラは、特定のグループに関して様々な頂部位置を収集し、任意の数学的モデル、たとえば平均位置、最も多い位置などを用いて、どこが頂部の最適な位置であるかを決定してよい。初期設計を設計した後、初期設計が製造され、この設計は、被験者および/または専門家からのフィードバックを受け取るためにグループ内の被験者で試験され得る。必要に応じて、この設計に改善が行われ得る。
【0111】
別の実施形態において、突起は、膝蓋大腿部の痛みおよび過弛緩を患う被験者を治療するために設計および製造される。前方突起および後方突起のパラメータは、被験者のバランスを改善し、痛みを軽減するために選択される。別の実施形態において、突起は、膝蓋大腿部の痛み、早期ヒールライズ、および過弛緩を患う被験者を治療するために設計および製造される。前方突起および後方突起のパラメータは、被験者のバランスを改善し、痛みを軽減するために選択される。また、早期ヒールライズを軽減するために、後方突起の頂部における高さは、前方突起の頂部における高さよりも高く選択される。
【0112】
別の実施形態において、突起は、膝蓋大腿骨膝OAを患っており、該当年齢と比較して膝のROM(可動域)が比較的高く、上り坂を歩くと痛みが緩和され、ヒールライズが遅れる被験者を治療するために設計および製造される。前方突起および後方突起のパラメータは、被験者のバランスを改善し、痛みを軽減するために選択される。また、被験者の立脚時のヒールライズを調整するために、後方突起の頂部における高さは、前方突起の頂部における高さよりも低く選択される。
【0113】
別の実施形態において、突起は、内側コンパートメント膝OAを患っており、左膝に突然の強い痛みがあり、左膝の近位内側脛骨プラトーにA血管壊死があり、左脚の片脚支持が33%、および右脚の片脚支持が37.5%である被験者を治療するために設計および製造される。前方突起および後方突起のパラメータは、被験者のバランスを改善し、痛みを軽減するために選択される。また、左脚の前方突起および後方突起の頂部における高さは、右脚の突起の高さよりも高く選択される。
【0114】
別の実施形態において、突起は、踵接地時の膝の痛みを患う被験者を治療するために設計および製造される。そのような場合、後方突起の頂部の位置は、中心線に対し側方に後方突起があるように選択される。別の実施形態において、突起は、立脚中期/足趾離地時の膝の痛みを患う被験者を治療するために設計および製造される。そのような場合、前方突起の頂部の位置は、組立て履物の中心線に対し側方にあるように選択される。
【0115】
別の実施形態において、組立て履物の中心線は、踵骨支持部を長手方向に2等分し、趾骨および中足骨支持部に向かって直線状にさらに延びる。別の実施形態において、組立て履物の中心線は、踵骨支持部のアーチを長手方向に2等分し、趾骨および中足骨支持部に向かって直線状にさらに延びる。別の実施形態において、組立て履物の中心線は、踵骨支持部の近位側アーチを長手方向に2等分し、趾骨および中足骨支持部に向かって直線状にさらに延びる。別の実施形態において、組立て履物の中心線は、踵骨支持部を長手方向に2等分し、趾骨および中足骨支持部に向かって直線状にさらに延びる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0116】
別の実施形態において、突起は、踵接地時の鵞足部位の痛みを患う被験者を治療するために設計および製造される。そのような場合、後方突起の頂部の位置は、組立て履物の中心線の中央にあるように選択される。別の実施形態において、突起は、立脚中期/足趾離地時の鵞足部位の痛みを患う被験者を治療するために設計および製造される。そのような場合、前方突起の頂部の位置は、組立て履物の中心線の中央にあるように選択される。
【0117】
別の実施形態において、突起は、踵接地時の膝蓋骨内側面の痛みを患う被験者を治療するために設計および製造される。そのような場合、後方突起の位置は、組立て履物の緯度に向かって前方(前側)にあるように選択される。
【0118】
別の実施形態において、突起は、立脚中期/足趾離地時の膝蓋骨内側面の痛みを患う被験者を治療するために設計および製造される。そのような場合、前方突起の頂部の位置は、組立て履物の踵骨の前端に向かって後方にあるように選択される。
【0119】
別の実施形態において、突起は、踵接地時の膝蓋骨外側面の痛みを患う被験者を治療するために設計および製造される。そのような場合、後方突起の位置は、前方(前側)にあるように選択される。別の実施形態において、突起は、立脚中期/足趾離地時の膝蓋骨外側面の痛みを患う被験者を治療するために設計および製造される。そのような場合、前方突起の頂部の位置は、中心線に対し後方にあるように選択される。
【0120】
別の実施形態において、突起は、踵接地時の膝蓋骨上部位の痛みを患う被験者を治療するために設計および製造される。そのような場合、後方突起の頂部の位置は、少なくとも1つの凹部に対し前方にあるように選択される。別の実施形態において、突起は、立脚中期/足趾離地時の膝蓋骨上部位の痛みを患う被験者を治療するために設計および製造される。そのような場合、前方突起の頂部の位置は、中心線に対し後方にあるように選択される。
【0121】
別の実施形態において、組立て履物100は、大腿骨内側顆部位における痛みを緩和する。別の実施形態において、組立て履物100は、踵接地時の痛みを緩和する。別の実施形態において、組立て履物100は、立脚中期/足趾離地時の痛みを緩和する。別の実施形態において、組立て履物100は、大腿骨内側顆部位における痛みを緩和する。別の実施形態において、組立て履物100は、脛骨近位内側面部位における痛みを緩和する。別の実施形態において、組立て履物100は、脛骨近位外側面部位における痛みを緩和する。別の実施形態において、組立て履物100は、腓腹筋の内側頭の挿入部位における痛みを緩和する。別の実施形態において、組立て履物100は、アキレス腱の挿入部位における痛みを緩和する。別の実施形態において、組立て履物100は、内側ハムストリングの挿入部位における痛みを緩和する。別の実施形態において、組立て履物100は、外側ハムストリングの挿入部位における痛みを緩和する。別の実施形態において、組立て履物100は、腓腹筋の外側頭の挿入部位における痛みを緩和する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0122】
別の実施形態において、たとえば本明細書で説明されるような下肢筋骨格系の痛みや障害は、本明細書で説明される方法に従って治療可能な歩行障害をもたらす。
一般的な症状
【0123】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される組立て履物の使用は、少なくとも1つの歩行パラメータを制御または操作する方法に向けられる。いくつかの実施形態において、歩行パラメータは、足のアライメント、膝のアライメント、速度、ステップ長、遊脚期および立脚期、両脚支持時間、地面反力、衝撃、習慣的歩行中の推進力、膝のアライメント、圧力中心、対称性、歩行速度、ステップ時間、ステップ長、ストライド長、ステップ幅、足角度、歩行と走行との境界などから選択される。1つの実施形態において、本明細書に開示される組立て履物の1または複数の突起は、前の足取りの後方接点(踵)から現在の反対側の足取りの後方接点(踵)までの、身体の進行線に平行に測定された長さであるステップ長を操作するように設計される。1つの実施形態において、本明細書に開示される組立て履物の1または複数の突起は、問題となる足の2つの連続した足跡の後方踵点間の、進行線に平行に測定された距離であるストライド長を操作するように設計される。1つの実施形態において、本明細書に開示される組立て履物の1または複数の突起は、左足の進行線と右足の進行線との間で測定された距離であるステップ幅を操作するように設計される。1つの実施形態において、本明細書に開示される組立て履物の1または複数の突起は、進行線と足軸との間の角度である足角度を操作するように設計される。足角度は足軸が進行線に平行である場合、ゼロである。足角度は、足軸が進行線に対し外側を向く場合、正である。足角度は、足軸が進行線に対し内側を向く場合、負である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0124】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される組立て履物の1または複数の突起は、均衡位置で使用するように形成/構成される。均衡位置とは、組立て履物が、立脚期において被験者の足に低減されたおよび/または最小の内反、または低減されたおよび/または最小の外反をもたらす位置である。
【0125】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される組立て履物の1または複数の突起は、被験者の各足のバランスおよび/または被験者の全体バランスを操作するように設計される。1つの実施形態において、本明細書に開示される組立て履物の1または複数の突起は、立脚時の両足のバランスを操作するように設計される。1つの実施形態において、本明細書に開示される組立て履物の1または複数の突起は、歩行中の両足のバランスを操作するように設計される。1つの実施形態において、本明細書に開示される1または複数の突起は、走行中の両足のバランスを操作するように設計される。1つの実施形態において、本明細書に開示される組立て履物の1または複数の突起は、各足のバランスを別々に操作するように設計される。
退行性関節疾患
【0126】
1つの実施形態において、本明細書に開示される組立て履物の1または複数の突起は、下肢関節疾患、退行性下肢関節疾患、退行性下肢疾患、下肢筋骨格系病変、下肢筋骨格系外傷、下肢筋骨格系疾患、下肢変形性関節症、またはそれらの任意の組み合わせを備える下肢関節病変を治療するために設計される。別の実施形態において、下肢関節病変は、下肢筋骨格痛に関連する。
【0127】
別の実施形態において、下肢関節病変は、股関節、足首、足、または膝の退行性関節疾患である。別の実施形態において、下肢関節病変は、たとえば変形性関節症などの退行性関節疾患を備える。別の実施形態において、変形性関節症は、特発性変形性関節症である。別の実施形態において、退行性関節疾患は、変形性下肢関節症である、別の実施形態において、退行性関節疾患は、変形性膝関節症である。別の実施形態において、股関節、足首、足、または膝の変形性関節症は、一次性変形性関節症である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0128】
別の実施形態において、退行性関節疾患は、変形性足関節症である。別の実施形態において、退行性関節疾患は、変形性股関節症である。別の実施形態において、変形性関節症は、二次性変形性関節症である。別の実施形態において、変形性膝関節症は、二次性変形性膝関節症である。別の実施形態において、一次性か二次性かの分類は、識別可能な基礎的原因があるか否かに依存する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0129】
別の実施形態において、下肢関節病変は、膝蓋骨圧迫である。別の実施形態において、下肢関節病変は、関節線圧痛である。別の実施形態において、下肢関節病変は、関節線滲出液である。別の実施形態において、下肢関節病変は、膝蓋骨腱炎である。別の実施形態において、下肢関節病変は、膝蓋下腱炎である。別の実施形態において、下肢関節病変は、任意の膝蓋骨または膝蓋骨前面の解剖学的構造の痛みおよび/または圧痛である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。別の実施形態において、腱炎は、腱変性である。別の実施形態において、腱炎は、腱鞘炎である。別の実施形態において、腱炎は、腱の変性変化による腱に由来する痛みである。
【0130】
別の実施形態において、下肢関節病変は、退行性下肢関節病変である。別の実施形態において、下肢関節病変は、内側/外側/膝蓋骨大腿骨変形性関節症(OA)またはそれらの任意の組み合わせ(一次性または二次性)である。別の実施形態において、下肢関節病変は、鵞足滑液包炎である。別の実施形態において、下肢関節病変は、前膝痛および/または膝蓋大腿部痛を特徴とする。別の実施形態において、下肢関節病変は、半月板断裂(退行性および外傷性の両方)である。別の実施形態において、下肢関節病変は、靱帯断裂/部分断裂/緊張/再建後(ACL、PCL、MCL、LCL)、またはそれらの任意の組み合わせである。別の実施形態において、下肢関節病変は、全体、半分、または表面置換関節形成術前/後および本明細書で説明される方法の使用前/後を含む。別の実施形態において、下肢関節病変は、脛骨プラトー骨折である。別の実施形態において、下肢関節病変は、(脛骨および大腿骨の両方における)骨壊死である。別の実施形態において、下肢関節病変は、膝蓋腱炎である。別の実施形態において、下肢関節病変は、オズグッドシュラッター病である。別の実施形態において、下肢関節病変は、下肢手術後を備える。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0131】
別の実施形態において、下肢関節病変は、股関節置換術である。別の実施形態において、下肢関節病変は、股関節表面置換術である。別の実施形態において、下肢関節病変は、膝蓋前滑液包炎である。別の実施形態において、下肢関節病変は、転子滑液包炎である。別の実施形態において、下肢関節病変は、下肢関節内の壊死を備える。別の実施形態において、下肢関節病変は、股関節骨折を備える。別の実施形態において、下肢関節病変は、発育性股関節形成不全を備える。別の実施形態において、下肢関節病変は、股関節の腱炎/腱鞘炎を備える。別の実施形態において、下肢関節病変は、股関節の衝突を備える。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0132】
別の実施形態において、下肢関節病変は、足または足首の離断性骨軟骨症を備える。別の実施形態において、下肢関節病変は、足または足首の急性または慢性的不安定を備える。別の実施形態において、下肢関節病変は、足または足首の関節における靱帯捻挫、断裂、および/または修復を備える。別の実施形態において、下肢関節病変は、足または足首の骨折を備える。別の実施形態において、下肢関節病変は、足裏筋膜炎を備える。別の実施形態において、下肢関節病変は、後脛骨筋不全および/または機能障害を備える。別の実施形態において、下肢関節病変は、回内足を備える。別の実施形態において、下肢関節病変は、回外足を備える。別の実施形態において、下肢関節病変は、扁平足または凹足を備える。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0133】
別の実施形態において、下肢関節病変は、腸脛靱帯(ITB)症候群を備える。別の実施形態において、下肢関節病変は、過弛緩または過度可動性を備える。別の実施形態において、下肢関節病変は、筋萎縮を備える。別の実施形態において、下肢関節病変は、下肢における腫瘍を備える。別の実施形態において、下肢関節病変は、下肢の関節に影響を及ぼす腫瘍を備える。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0134】
別の実施形態において、本発明に係る治療または処置は、痛み、こわばり、腫れ、炎症、軟骨変性、骨棘、関節腔の狭小化、滲出液、筋萎縮、神経筋制御の悪化、固有受容感覚ブレーシングの悪化、病的瞬間、歩行障害、跛行、代償性歩行、有痛性歩行、歩行の非対称性、筋性防衛、靱帯の弛緩、関節包の弛緩、靱帯の伸展、関節包の伸展、ステップ長の減少、片脚支持の減少、片脚支持の増加、歩行速度の低下、またはそれらの任意の組み合わせを軽減、緩和、低減、抑制、好転、食い止め、および/または改善することを備える。別の実施形態において、本発明に係る治療または処置は、骨髄浮腫、病斑、軟骨下骨の変化、軟骨の軟化、軟骨の繊維化および薄層化、骨の象牙質化、またはそれらの任意の組み合わせを軽減、緩和、低減、抑制、好転、食い止め、および/または改善することを備える。
【0135】
別の実施形態において、治療または処置は、足、脚、上脚部、下背部、さらには上半身および他の身体部分や器官に関する固有受容感覚および/または運動感覚のエクササイズ計画において様々な操作を行うことを備える。別の実施形態において、治療または処置は、足、上脚部、下背部、さらには上半身および他の身体部分や器官に関する様々なウォーキングおよび/または歩行エクササイズ計画を行うことを備える。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0136】
別の実施形態において、被験者は、下肢関節病変に由来する痛みに悩まされている。別の実施形態において、被験者は、痛み、関節痛、圧痛、こわばり、ロッキング、滲出液、またはそれらの任意の組み合わせに悩まされている。別の実施形態において、被験者は、軟骨の損失に悩まされている。別の実施形態において、被験者は、痛みに続発する動きの減少に悩まされている。別の実施形態において、被験者は、局所的筋萎縮を患っている。別の実施形態において、被験者は、靱帯の弛緩を患っている。別の実施形態において、被験者は、罹患した関節が動き、または触れられた場合のパチパチという音(「摩擦音」)に悩まされている。別の実施形態において、被験者は、筋肉の痙攣またはブレーシングに悩まされている。別の実施形態において、被験者は、腱収縮に悩まされている。別の実施形態において、説明される方法は、痛みのある関節を緩和する。別の実施形態において、説明される方法は、関節痛の根本的な原因を治療する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
変形性関節症
【0137】
1つの実施形態において、本明細書に開示される組立て履物の1または複数の突起は、変形性関節症を治療するために設計される。別の実施形態において、被験者は、変形性下肢関節症を患っている。別の実施形態において、被験者は、変形性股関節症を患っている。別の実施形態において、被験者は、変形性脊椎症を患っている。別の実施形態において、被験者は、変形性足関節症を患っている。別の実施形態において、被験者は、関節滲出液(分かり易く言うと膝に溜まる水)に悩まされている。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0138】
別の実施形態において、被験者は、変形性関節症に罹患する恐れがある。別の実施形態において、被験者は、関節に対する機械的応力の上昇に晒されている。別の実施形態において、被験者は、先天性または病原性によって生じる骨のミスアライメントを患っている。別の実施形態において、被験者は、太り過ぎまたは肥満である。別の実施形態において、被験者は、関節を支持する筋力の低下、末梢神経障害、関節、靱帯、筋肉、腱、またはそれらの任意の組み合わせに過度の力をかける非協調運動に悩まされている。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0139】
別の実施形態において、被験者は、骨棘を患っている。別の実施形態において、本明細書で説明される方法は、関節腔の狭小化を抑制する。別の実施形態において、本明細書で説明される方法は、関節腔を拡張する。別の実施形態において、本明細書で説明される方法は、軟骨下骨密度の増加を抑制する。別の実施形態において、本明細書で説明される方法は、軟骨下骨密度を減少させる。別の実施形態において、本明細書で説明される方法は、軟骨の含水量を増加させる。別の実施形態において、本明細書で説明される方法は、軟骨のプロテオグリカン含有量を増加させる。別の実施形態において、本明細書で説明される方法は、関節包周囲の炎症を抑制する。別の実施形態において、本明細書で説明される方法は、関節縁に形成される「棘」または骨棘を抑制する。別の実施形態において、本明細書で説明される方法は、変形性関節症に罹患する恐れがある被験者のための予防措置として使用される。別の実施形態において、変形性関節症に罹患する恐れのある被験者は、兄弟姉妹が変形性関節症を患っている被験者である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0140】
別の実施形態において、変形性関節症は、一次性全身性リンパ節変形性関節症である。別の実施形態において、変形性関節症は、びらん性変形性関節症である。別の実施形態において、変形性関節症は、炎症性変形性関節症である。別の実施形態において、変形性関節症は、他の要因によって生じるが結果として生じる病変は一次性変形性関節症と同じである二次性変形性関節症である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0141】
別の実施形態において、変形性下肢関節症(OA)は、痛み、こわばり、腫れ、炎症、軟骨変性、骨棘、関節腔の狭小化、滲出液、筋萎縮、神経筋制御の低下、固有受容感覚の低下、ブレーシング、病的瞬間、歩行障害、跛行、代償性歩行、有痛性歩行、歩行の非対称性、筋性防衛、靱帯の弛緩、関節包の弛緩、靱帯の伸展、関節包の伸展、ステップ長の減少、またはそれらの任意の組み合わせを特徴とする。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
下肢筋骨格痛
【0142】
別の実施形態において、本明細書で使用される「痛み」は、鋭い痛みを備える。別の実施形態において、本明細書で使用される「痛み」は、関連する筋肉および腱の灼熱感を備える。別の実施形態において、本明細書で使用される「痛み」は、継続的な痛みを備える。別の実施形態において、本明細書で使用される「痛み」は、瞬間的な痛みである。別の実施形態において、本明細書で使用される「痛み」は、季節的な(冬季、夏季、または天候の変化による)痛みを備える。別の実施形態において、本明細書で使用される「痛み」は、たとえばスポーツや他の任意の身体活動に関連する痛みなどの活動特異的な痛みを備える。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0143】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、前膝痛を備える。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、膝蓋大腿関節痛を備える。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0144】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、急性外傷および蓄積(酷使)外傷という2種類の外傷から生じる。別の実施形態において、急性外傷は、作業中に身体にかかる負荷が、それを支持する身体構造の耐性を超過した場合に生じる。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、大きな単一の荷重条件に関連する。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、限定はされないがたとえば膝などの関節への激しい横衝撃である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、関節に稀に極端な力がかかることである。別の実施形態において、酷使外傷は、作業中に身体にかかる負荷が、基礎となる身体構造(骨、筋肉、腱、および靱帯)の1つまたはその他の急な故障を引き起こすほど大きくはないが、これらの構造が摩耗し、繰り返し加わる負荷によって耐性が低下する場合、生じる。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、身体構造の「摩耗および断裂」によって生じる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0145】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、疲労骨折およびシンスプリントから生じる。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、足首および中手骨の骨折(急性傷害)から生じる。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、滑液包炎から生じる。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、リウマチから生じる。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、軟骨断裂から生じる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0146】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、変形性下肢関節症の結果である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、梨状筋症候群の結果である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、天子滑液包炎の結果である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、仙腸関節痛である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、大転子の触診可能な圧痛を引き起こす。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、ハムストリング筋の緊張によって生じる。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、ハムストリング損傷によって生じる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0147】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、滑液包炎の直接的な結果である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、ビート膝(過角化症)の直接的な結果である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、半月板障害の直接的な結果である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、半月板損傷の直接的な結果である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、退行性関節疾患の直接的な結果である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、退行性下肢関節疾患の直接的な結果である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0148】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、滑液包炎(偶発性滑液包炎、膝蓋前滑液包炎など)の直接的な結果である。別の実施形態において、滑液包炎は、膝の滑液包に直接加わる摩擦応力に応じて発症する。別の実施形態において、滑液包炎は、化膿性滑液包炎である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、膝蓋骨上の圧痛および腫れに関連する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0149】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、過角化症の直接的な結果である。別の実施形態において、過角化症は、滑液包炎の急性かつ極端な形態である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0150】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、半月板障害および/または損傷の直接的な結果である。別の実施形態において、半月板障害/損傷は、通常、膝に加わる高い率の力、または、たとえば膝が負荷を受けながら曲げられ、または捻られた場合の大きな回転力によって生じる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0151】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、疲労骨折/ストレス反応損傷の直接的な結果である。別の実施形態において、「ストレス反応」という用語は、骨が再形成の証拠を有するが骨折の放射線学的証拠がないことを指す。別の実施形態において、ストレス反応/骨折は、骨の微小損傷の繰返しの結果であり、これは、加えられた力が骨の最大強度を超過し、骨が応力に適応する自然なプロセスが妨げられた場合に生じる。別の実施形態において、疲労骨折は、脛骨または大腿骨または足に関連する。別の実施形態において、疲労骨折は、腓骨に関連する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0152】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、足首の捻挫の直接的な結果である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、前コンパートメント症候群の直接的な結果である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、外側コンパートメント症候群の直接的な結果である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、足裏筋膜炎の直接的な結果である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、アキレス腱炎の直接的な結果である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、足裏の魚の目の直接的な結果である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、外反母趾の直接的な結果である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、趾間神経腫の直接的な結果である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、足根管症候群の直接的な結果である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、小足指変形の直接的な結果である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、乾癬性関節炎の直接的な結果である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0153】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、踵の痛みである。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、後天性扁平足の直接的な結果である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、足の異常な回内における推定的な発生に関連する。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、欠陥のある歩行パターンに関連する。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、欠陥のある立ち姿勢に関連する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
脊椎関連病変
【0154】
別の実施形態において、組立て履物の1または複数の突起は、脊椎障害、脊椎病変、脊椎損傷、および/または脊椎関連病変を患っている被験者を治療するために設計され得る。
【0155】
別の実施形態において、組立て履物の1または複数の突起は、本明細書で説明される脊椎病変を有する被験者の歩行における固有受容感覚および/または運動感覚の制御を改善するために設計され得る。別の実施形態において、足が地面に接する圧力中心(COP)を変更することにより、脊椎病変および/または痛みや欠陥のある歩行などの脊椎病変に関連する影響を治療し、さらには治癒させることができる。別の実施形態において、足が地面に接する圧力中心(COP)の変更は、本発明の装置(履物)を較正することによって実行される。別の実施形態において、COPは、本明細書に開示される突起によって誘発される摂動を介して変更または修正される。別の実施形態において、本発明の装置は、COPを修正することにより、下肢の運動パターンを変化させる。別の実施形態において、組立て履物の1または複数の突起は、COPを修正することによって下背部筋肉の運動パターンを変化させるように設計される。別の実施形態において、本発明の装置は、COPを修正することによって、脊椎および近隣の筋骨格系組織の運動または荷重パターンを変化させる。別の実施形態において、組立て履物の1または複数の突起は、運動パターンに制御された変化をもたらし、同時に、組立て履物を使用する被験者の損傷、負傷、外傷、またはそれらの組み合わせ(限定はされないがたとえば転倒、損傷を与える歩行、損傷を与える下肢神経筋の制御または活動など)を回避することにより、本明細書で提供される方法の遂行を効率的に可能にするように設計される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
尿失禁
【0156】
別の実施形態において、本明細書で説明される組立て履物は、尿失禁を患っている被験者を治療するために使用される。本明細書で説明される組立て履物は、頻尿を患っている被験者を治療するために使用される。別の実施形態において、本明細書で説明される組立て履物は、膀胱の不快感とともに突然の抑えがたい尿意切迫感である切迫排尿を患っている被験者を治療するために使用される。別の実施形態において、本明細書で説明される組立て履物は、夜間の頻繁な排尿(夜間頻尿)を患っている被験者を治療するために使用される。
【0157】
別の実施形態において、尿失禁または頻尿を患っている被験者は、更年期の女性である。別の実施形態において、尿失禁を患っている被験者は、閉経後の女性である。
【0158】
別の実施形態において、本明細書で説明される組立て履物による治療の利益を得ることができる被験者は、良性前立腺肥大症、うっ血性心不全、膀胱脱、糖尿病、尿崩症、過活動膀胱、前立腺癌、中枢性尿崩症、腎性尿崩症、真性糖尿病(1型または2型)、高溶質負荷の過剰摂取(たとえば病院でのマンニトール療法や、放射線処置のための放射線造影剤の使用など)、塩分消耗腎疾患(バーター症候群)、流体過剰摂取、利尿剤の使用、間質性膀胱炎、多発性硬化症、パーキンソン病、腎臓結石後遺症、尿道狭窄、尿路感染症、解剖学的異常、過活動膀胱(切迫性尿失禁とも呼ばれ、感染症、膀胱炎、膀胱腫瘍、または神経因性膀胱の結果生じ得る)、心理的要因、緊張性尿失禁(妊娠、エストロゲン欠乏、または骨盤手術に関連し得る)、前立腺手術による損傷、神経因性膀胱、萎縮性尿道炎、せん妄、またはそれらの任意の組み合わせにさらに悩まされている。
【0159】
別の実施形態において、本明細書で説明される組立て履物による治療の利益を得ることができる被験者は、筋萎縮を患っている。別の実施形態において、本明細書で説明される組立て履物による治療の利益を得ることができる被験者は、悪液質を患っている。別の実施形態において、本明細書で説明される組立て履物による治療の利益を得ることができる被験者は、うっ血性心疾患を患っている。
【0160】
別の実施形態において、本明細書で説明される組立て履物による治療の利益を得ることができる被験者は、腹腔内圧の上昇時(たとえば咳をした場合、笑った場合など)に膀胱内に尿を保持することができない骨盤底筋の衰えを患っている。別の実施形態において、本明細書で説明される組立て履物による治療の利益を得ることができる被験者は、切迫性尿失禁、または尿意を感じた場合に尿の通過を制御できないことに悩まされている。別の実施形態において、本明細書で説明される組立て履物による治療の利益を得ることができる被験者は、溢流性尿失禁を患っている。別の実施形態において、溢流性尿失禁は、被験者が排尿を終えた後も長い間尿が出続ける場合に生じる。別の実施形態において、本明細書で説明される組立て履物による治療の利益を得ることができる被験者は、混合型尿失禁を患っている。
【0161】
別の実施形態において、本明細書で説明される組立て履物による治療の利益を得ることができる被験者は、緊張性尿失禁、切迫性尿失禁、混合型尿失禁、溢流性尿失禁、またはそれらの組み合わせを患っている女性である。
神経疾患または症状
【0162】
いくつかの実施形態によると、神経疾患またはそれに関連する症状の治療のためのキットおよび/または組立て履物が提供される。1つの実施形態において、組立て履物の1または複数の突起は、筋肉協調の改善、運動学習、歩行パターンの正常化、下肢および下背部における関節の望ましいアライメントを介して神経疾患を患っている被験者のバランスを改善するために設計される。たとえば、組立て履物の1または複数の突起は、脳の可塑性のメカニズム、運動学習、改善された正確な固有受容感覚および固有感覚入力および前庭入力の解釈、ならびに神経疾患を患っている被験者の筋肉協調および/または神経協調の改善を介して、神経疾患を有する被験者の測定障害を改善するために設計される。たとえば、組立て履物の1または複数の突起は、下肢および下背部の関節の望ましいアライメント、神経疾患を患っている被験者の先天的な動揺に応答する筋肉の緊張の低減を介して、神経疾患を有する被験者の筋緊張を低減するように設計される。たとえば、組立て履物の1または複数の突起は、神経疾患を患っている被験者における筋肉協調の改善、運動学習、歩行パターンの正常化、下肢および下背部の関節の望ましいアライメントを介して、神経疾患を患っている被験者の歩行のエネルギコストを下げるように設計される。たとえば、組立て履物の1または複数の突起は、所望の運動パターンの反復的な刺激(中枢神経系)および繰返しの筋肉活性化(末梢神経系)を介して、神経疾患を患っている被験者の神経発芽を増加させるように設計される。たとえば、組立て履物の1または複数の突起は、神経疾患を患っている被験者の神経系の可塑性を高めるように設計される。たとえば、組立て履物の1または複数の突起は、関節における負荷の再分配、筋肉活動の改善、および筋緊張の低減を介して、神経障害を有する被験者の関節痛、変形、および(関節および様々な筋肉の両方における)拘縮を防止するように設計される。たとえば、組立て履物の1または複数の突起は、バランスの改善、筋緊張の低減、測定障害の改善、アライメントおよび姿勢の改善を介して、神経疾患を患っている被験者の転倒を防止するように設計される。
【0163】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるキットおよび/または組立て履物は、歩行機能に対する制御を改善する方法で使用される。いくつかの実施形態において、組立て履物の1または複数の突起の設計は、足が地面に接する圧力中心(COP)の変更によって、神経障害によって生じる様々な歩行関連の症状を治療、改善、および/または完全に治癒することができるという予想外の発見に基づいている。別の実施形態において、足が地面に接する圧力中心(COP)の変更は、本発明の装置(履物)を較正することによって実行される。別の実施形態において、COPは、本明細書に開示される突起によって誘発される摂動を介して変更または修正される。別の実施形態において、組立て履物の1または複数の突起は、COPを修正することによって下肢の運動パターンを変化させるように設計される。別の実施形態において、組立て履物の1または複数の突起は、運動パターンに制御された変化をもたらすと同時に、装置を使用する被験者の損傷、負傷、外傷、またはそれらの組み合わせ(限定はされないがたとえば転倒、損傷を与える歩行、損傷を与える下肢神経筋の制御または活動など)を回避することによって、本明細書で提供される方法の遂行を効率的に可能にするように設計される。
被験者
【0164】
別の実施形態において、被験者はアスリートである。別の実施形態において、被験者は、たとえば下肢の痛み、背中の痛み、または神経障害性の痛みなどの痛みに悩まされている。
【0165】
別の実施形態において、被験者は、関節の先天性障害を患っている。別の実施形態において、被験者は、糖尿病を患っている。別の実施形態において、被験者は、炎症性疾患(たとえばペルテス病、ライム病、慢性関節炎など)を患っている。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0166】
別の実施形態において、被験者は、リウマチ性関節炎を患っている。別の実施形態において、被験者は、アキレス腱損傷および腱炎を患っている。別の実施形態において、被験者は、内転筋緊張を患っている。別の実施形態において、被験者は、足首の捻挫を患っている。別の実施形態において、被験者は、前十字靭帯損傷を患っている。別の実施形態において、被験者は、踵骨滑液包炎を患っている。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、尾骨痛である。別の実施形態において、被験者は、コンパートメント症候群を患っている。別の実施形態において、被験者は、腸脛靱帯症候群を患っている。別の実施形態において、被験者は、内側側副靱帯損傷および外側側副靭帯損傷を患っている。別の実施形態において、被験者は、知覚異常性大腿神経痛を患っている。別の実施形態において、被験者は、モートン神経腫を患っている。別の実施形態において、被験者は、恥骨骨炎を患っている。別の実施形態において、被験者は、膝蓋大腿症候群を患っている。別の実施形態において、被験者は、鷲足滑液包炎または腱炎を患っている。別の実施形態において、被験者は、梨状筋症候群を患っている。別の実施形態において、被験者は、足裏筋膜炎を患っている。別の実施形態において、被験者は、後十字靭帯損傷を患っている。別の実施形態において、被験者は、膝蓋前滑液包炎を患っている。別の実施形態において、被験者は、転子滑液包炎を患っている。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0167】
別の実施形態において、本発明に係る被験者は、歩行障害をさらに患っている。別の実施形態において、本発明に係る被験者は、本明細書で説明される装置によって歩行または走行することができる人間の被験者である。別の実施形態において、本発明に係る被験者は、履物10によって歩行または走行することができる人間の被験者である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。別の実施形態において、歩行障害は、歩行の非対称性、引きずり歩行、ふらついた動作を伴う歩行、またはそれらの任意の組み合わせである。別の実施形態において、歩行障害は、退行性関節疾患によって生じる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0168】
別の実施形態において、被験者は、歩くことができる。別の実施形態において、被験者は、限定はされないがたとえば歩行用の杖などの歩行補助具によって歩くことができる。別の実施形態において、被験者は、自力で歩くことができる。別の実施形態において、歩行とは、特定の方向に進みながら一方の足から他方の足へバランスおよび支持基盤をシフトする行為として定義される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
治療
【0169】
別の実施形態において、本明細書で説明される方法は、本明細書で説明される組立て履物を用いた運動を含む。別の実施形態において、運動は、ウォーキングまたは他の任意の形式の歩行運動である。別の実施形態において、歩行研究室において改善が測定される。別の実施形態において、被験者の身体状態の改善は、本明細書で説明される方法を用いて観察される。別の実施形態において、治療は、被験者の生理的状態の改善である。別の実施形態において、治療は、被験者の精神状態の改善である。別の実施形態において、治療は、被験者の健康の改善である。別の実施形態において、治療は、たとえば関節痛などの痛みを緩和することである。別の実施形態において、治療は、圧痛を緩和することである。別の実施形態において、治療は、こわばりを緩和することである。別の実施形態において、治療は、ロッキングを緩和することである。別の実施形態において、治療は、滲出液を緩和することである。別の実施形態において、治療は、軟骨の損失を抑制することである。別の実施形態において、治療は、新生軟骨形成を誘発することである。別の実施形態において、治療は、動きを増加させることである。別の実施形態において、治療は、痛みに続発する動きを増加させることである。別の実施形態において、治療は、局所筋肉萎縮を抑制することである。別の実施形態において、治療は、局所筋肉萎縮を食い止めることである。別の実施形態において、治療は、筋肉増強を誘発することである。別の実施形態において、治療は、分化筋肉増強を誘発することである。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0170】
別の実施形態において、治療は、歩行を改善することである。別の実施形態において、治療は、バランスを改善することである。別の実施形態において、治療は、固有受容感覚、バランス、筋力、またはそれらの任意の組み合わせの障害を改善することである。別の実施形態において、治療は、固有受容感覚、バランス、筋力、またはそれらの任意の組み合わせの障害を食い止めることである。別の実施形態において、治療は、特定の退行性関節疾患に関連する固有受容感覚、バランス、筋力、またはそれらの任意の組み合わせの障害を特に改善することである。別の実施形態において、治療は、下肢関節炎に関連する固有受容感覚、バランス、筋力、またはそれらの任意の組み合わせの障害を特に改善することである。別の実施形態において、治療は、股関節、足首、足、または膝の変形性関節症に関連する固有受容感覚、バランス、筋力、またはそれらの任意の組み合わせの障害を特に改善することである。別の実施形態において、治療は、転倒を低減することである。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0171】
別の実施形態において、治療は、ステップ長を操作することである。別の実施形態において、治療は、「ステップ長の差」を低減することである。別の実施形態において、治療は、片脚支持を操作することである。別の実施形態において、治療は、外/内牽引角度を操作することである。別の実施形態において、治療は、歩行周期を較正すること(40:40:20)である。別の実施形態において、治療は、歩調を操作することである。別の実施形態において、治療は、圧力中心(COP)を操作することである。別の実施形態において、治療は、矢状面、前頭面、および横断面における平均股関節運動、膝運動、足首運動、またはそれらの任意の組み合わせを是正することである。別の実施形態において、治療は、歩行ペースまたは速度を改善することである。別の実施形態において、治療は、歩行ペースまたは速度を向上させることである。別の実施形態において、歩行ペースまたは速度の改善は、1.6~4km/時間の歩行速度目標に到達することである。別の実施形態において、歩行ペースまたは速度の改善は、少なくとも2分間にわたり、1.6~4km/時間の歩行速度目標に到達することである。別の実施形態において、歩行ペースまたは速度の改善は、少なくとも5分間にわたり、1.6~4km/時間の歩行速度目標に到達することである。別の実施形態において、歩行ペースまたは速度の改善は、少なくとも10分間にわたり、1.6~4km/時間の歩行速度目標に到達することである。別の実施形態において、歩行ペースまたは速度の改善は、少なくとも15分間にわたり、1.6~4km/時間の歩行速度目標に到達することである。別の実施形態において、歩行ペースまたは速度の改善は、少なくとも2分間にわたり、2~3.5km/時間の歩行速度目標に到達することである。別の実施形態において、歩行ペースまたは速度の改善は、少なくとも5分間にわたり、2~3.5km/時間の歩行速度目標に到達することである。別の実施形態において、歩行ペースまたは速度の改善は、少なくとも10分間にわたり、2~3.5km/時間の歩行速度目標に到達することである。別の実施形態において、歩行ペースまたは速度の改善は、少なくとも15分間にわたり、2~3.5km/時間の歩行速度目標に到達することである。別の実施形態において、歩行ペースまたは速度の改善は、少なくとも2分間にわたり、2.5~3.2km/時間の歩行速度目標に到達することである。別の実施形態において、歩行ペースまたは速度の改善は、少なくとも5分間にわたり、2.5~3.2km/時間の歩行速度目標に到達することである。別の実施形態において、歩行ペースまたは速度の改善は、少なくとも10分間にわたり、2.5~3.2km/時間の歩行速度目標に到達することである。別の実施形態において、歩行ペースまたは速度の改善は、少なくとも15分間にわたり、2.5~3.2km/時間の歩行速度目標に到達することである。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0172】
別の実施形態において、治療は、こわばった膝、股関節、足首、または足を弛緩させることである。別の実施形態において、治療は、立脚期における異常な屈曲または伸展を是正することである。別の実施形態において、治療は、足趾離地時の股関節の伸展の制限を是正することである。別の実施形態において、治療は、下肢の異常な筋活動を是正することである。別の実施形態において、治療は、立位における大腿四頭筋の過活動を是正することである。別の実施形態において、治療は、半腱様筋活動を是正(短く、または長く)することである。別の実施形態において、治療は、遊脚期の下腿三頭筋活動の増大を是正することである。別の実施形態において、治療は、遊脚期の終わりにおける前脛骨筋の無活動を是正することである。別の実施形態において、治療は、任意の下肢筋肉を調整することである。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0173】
別の実施形態において、本明細書で説明される方法は、本明細書で説明される組立て履物の使用と、適切な投薬治療とを備える組み合わせ治療をさらに備える。別の実施形態において、当業者は、たとえば本明細書で説明されるような疾患または症状を患っている被験者を容易に診断し、適切な薬剤を処方することができる。別の実施形態において、薬剤は、たとえばアセトアミノフェンなどの鎮痛剤である。別の実施形態において、薬剤は、たとえばイブプロフェンなどの非ステロイド抗炎症薬(NSAID)である。別の実施形態において、薬剤は、たとえばセレコキシブなどのCOX-2選択的阻害剤である。別の実施形態において、薬剤は、ジクロフェナクなどの局所NSAIDである。別の実施形態において、薬剤は、たとえばモルヒネまたはコデインなどのオピオイド鎮痛剤である。別の実施形態において、薬剤は、たとえば膝に注射されるヒドロコルチゾンなどのグルココルチコイドである。別の実施形態において、薬剤は、局所カプサイシンである。別の実施形態において、薬剤は、ヒアルロン酸の関節注射である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0174】
別の実施形態において、本明細書で提供される治療の成果は、本明細書で説明される組立て履物の初回の使用の直後に現れる。別の実施形態において、本明細書で説明される治療の成果は、本明細書で説明される組立て履物を用いて10~1000000メートル歩いた後に現れる。別の実施形態において、本明細書で提供される治療の成果は、本明細書で説明される組立て履物を用いて50~100000メートル歩いた後に現れる。別の実施形態において、本明細書で提供される治療の成果は、本明細書で説明される組立て履物を用いて500~10000メートル歩いた後に現れる。別の実施形態において、本明細書で提供される治療の成果は、本明細書で説明される組立て履物を用いて500~5000メートル歩いた後に現れる。別の実施形態において、本明細書で提供される治療の成果は、本明細書で説明される組立て履物を用いて500~3000メートル歩いた後に現れる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0175】
別の実施形態において、本明細書で提供される治療の成果は、下肢変形性関節症に関連する病変の是正である。別の実施形態において、本明細書で提供される治療の成果は、股関節、足首、足、または膝の変形性関節症の是正である。別の実施形態において、本明細書で提供される治療の成果は、下肢変形性関節症を改善することである。別の実施形態において、本明細書で提供される治療の成果は、下肢変形性関節症に関連する症状を抑制することである。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0176】
別の実施形態において、本明細書で提供される治療の成果は、被験者が本明細書で説明される組立て履物を着用している間、現れる。別の実施形態において、本明細書で提供される治療の成果は、被験者が裸足で歩いている場合にも現れる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0177】
別の実施形態において、分化筋肉増強は、筋萎縮部位における筋肉増強を誘発することを備える。別の実施形態において、分化筋肉増強は、筋力低下部位における筋肉増強を誘発することである。別の実施形態において、分化筋肉増強は、筋損傷部位における筋肉増強を誘発することである。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0178】
別の実施形態において、本明細書に開示される組立て履物は、本明細書に記載される疾患、病変、および/または痛みの治療または処置に関して即効性を有する。別の実施形態において、組立て履物を用いて1~5分間歩いた後、裸足の被験者に短期的な即時効果が現れる。別の実施形態において、本明細書に開示される組立て履物は、本明細書に記載される疾患、病変、および/または痛みの治療または処置に関して即効性を有する。別の実施形態において、組立て履物を用いて10~60分間歩いた後、裸足の被験者に短期的な即時効果が現れる。別の実施形態において、組立て履物を用いて30~600分間歩いた後、裸足の被験者に短期的な即時効果が現れる。別の実施形態において、組立て履物を用いて1~10時間(hrs)歩いた後、裸足の被験者に短期的な即時効果が現れる。別の実施形態において、組立て履物を用いて5~1000時間(hrs)歩いた後、裸足の被験者に短期的な即時効果が現れる。別の実施形態において、組立て履物を用いて12~96時間(hrs)歩いた後、裸足の被験者に短期的な即時効果が現れる。別の実施形態において、組立て履物を用いて1~10日間歩いた後、裸足の被験者に短期的な即時効果が現れる。別の実施形態において、組立て履物を用いて7~21日間歩いた後、裸足の被験者に短期的な即時効果が現れる。別の実施形態において、組立て履物を用いて5~30日間歩いた後、裸足の被験者に短期的な即時効果が現れる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0179】
別の実施形態において、組立て履物を用いて1~2か月間歩いた後、裸足の被験者に効果が現れる。別の実施形態において、組立て履物を用いて1~24か月間歩いた後、裸足の被験者に効果が現れる。別の実施形態において、組立て履物を用いて2~6か月間歩いた後、裸足の被験者に効果が現れる。別の実施形態において、組立て履物を用いて4~10か月間歩いた後、裸足の被験者に効果が現れる。別の実施形態において、組立て履物を用いて6~48か月間歩いた後、裸足の被験者に効果が現れる。別の実施形態において、組立て履物を用いて12~24か月間歩いた後、裸足の被験者に効果が現れる。別の実施形態において、組立て履物を用いて10~30か月間歩いた後、裸足の被験者に効果が現れる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0180】
別の実施形態において、治療は、被験者の疾患または症状が改善されるプロセスである。別の実施形態において、治療は、経時的な改善である。別の実施形態において、治療は、経時的な継続的改善である。別の実施形態において、進展または改善は、本明細書に記載される任意の尺度の減少である。別の実施形態において、進展または改善は、歩行研究室において測定される。別の実施形態において、進展または改善は、放射線学的方法で測定される。別の実施形態において、進展、治療、および/または改善を測定するための放射線学的方法は、当業者に既知である(限定はされないがたとえばX線、MRIなど)。別の実施形態において、進展または改善は、痛みアンケートによって測定される。別の実施形態において、進展または改善は、限定はされないがたとえば屈曲、伸展、背屈/足底屈(足首)、筋肉周囲、内旋/外旋(股関節)、外転/内転(股関節および膝)、滲出液、熱い/温かい膝、またはそれらの任意の組み合わせなどの可動域の検査を含む身体検査によって測定される。別の実施形態において、進展または改善は、視覚的な臨床歩行評価によって測定される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0181】
別の実施形態において、進展または改善は、歩行研究室において測定され、速度、ステップ長の増加、ステップ長の差(対称性)、片脚支持(40%に到達することが目標)、片脚支持の差(対称性)、両脚支持、内股/外股、屈曲/伸展、可動域(rom)、屈曲/伸展、またはそれらの任意の組み合わせを測定することを含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0182】
別の実施形態において、本明細書で説明される組立て履物は、被験者の身体状態に従って被験者に処方される。別の実施形態において、本明細書で説明される組立て履物は、被験者の医学的状態に従って被験者に処方される。別の実施形態において、本明細書で説明される組立て履物は、被験者の病歴に従って被験者に処方される。別の実施形態において、処方は、組立て履物の使用方法、より正確にはどの突起を組立て履物のアウトソールに組み付けるかの指示を含む。別の実施形態において、処方は、使用の強度、日常使用、または日常距離の指示を含む。別の実施形態において、45cm以下のステップ長を有する被験者への処方は、1日に10~40分間歩くという組立て履物の使用法を備える。別の実施形態において、45cm以下のステップ長を有する被験者への処方は、1日おきに10~40分間歩くという組立て履物の使用法を備える。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0183】
別の実施形態において、45~60cmのステップ長を有する被験者に中程度の処方が適用される。別の実施形態において、50~60cmのステップ長を有する被験者に中程度の処方が適用される。別の実施形態において、60~65のステップ長を有する被験者に中程度の処方が適用される。別の実施形態において、中程度の処方は、1日に5~20分間歩くという組立て履物の使用法を備える。別の実施形態において、中程度の処方は、1日に10~20分間歩くという組立て履物の使用法を備える。別の実施形態において、中程度の処方は、1日に5~15分間歩くという組立て履物の使用法を備える。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0184】
別の実施形態において、65cm以上のステップ長を有する被験者に高処方が適用される。別の実施形態において、60m以上のステップ長を有する被験者に高処方が適用される。別の実施形態において、高処方は、1日に5~20分間歩くという組立て履物の使用法を備える。別の実施形態において、高処方は、1日に10~20分間歩くという組立て履物の使用法を備える。別の実施形態において、高処方は、1日に5~15分間歩くという組立て履物の使用法を備える。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0185】
別の実施形態において、本明細書で説明される任意の処方は、被験者のステップ長の改善に伴って毎日の使用時間を増加させることを備える。別の実施形態において、本明細書で説明される任意の処方は、被験者の機能レベルの改善に伴って毎日の使用時間を増加させることを備える。別の実施形態において、本明細書で説明される任意の処方は、被験者の痛みの減少に伴って毎日の使用時間を増加させることを備える。別の実施形態において、本明細書で説明される任意の処方は、本明細書で説明される被験者の疾患または症状の改善に伴って毎日の使用時間を増加させることを備える。別の実施形態において、本明細書で説明される処方は、被験者の医学的状態に従って被験者に投薬治療することをさらに備える。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0186】
別の実施形態において、本明細書で説明される処方は、被験者の疾患または症状の改善または悪化に伴って新たな突起のセットを選択することをさらに備える。
【0187】
本発明の追加の目的、利点、および新規特徴は、限定的であることが意図されていない以下の例を検討することによって当業者に明らかになる。また、上記で説明され、以下の特許請求の範囲に記載される本発明の様々な実施形態および態様の各々は、以下の例において実験的確証が見出される。
【国際調査報告】