(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-22
(54)【発明の名称】匂い検出動物のブレインマシンインターフェース支援型連合訓練のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01N 33/497 20060101AFI20240815BHJP
A61B 5/381 20210101ALI20240815BHJP
G01N 33/00 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
G01N33/497 D
A61B5/381
G01N33/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501162
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 US2022036578
(87)【国際公開番号】W WO2023283459
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】303014874
【氏名又は名称】ニュー・ヨーク・ユニヴァーシティー
(71)【出願人】
【識別番号】524010103
【氏名又は名称】キャネリー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】リンバーグ ドミトリー
(72)【発明者】
【氏名】ラヴェラ ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】レドホヴィッチュ ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ハーヴィー ジョシュア
【テーマコード(参考)】
2G045
4C127
【Fターム(参考)】
2G045AA29
2G045AA40
2G045CB17
2G045FB20
2G045JA01
4C127AA03
4C127DD00
(57)【要約】
臭気訓練および検出システムは、複数の介助動物を含み得る。各介助動物は、神経作用が嗅覚系から読み出されることが可能になる手段が提供され得る。各介助動物は、更新可能ローカルデータベースを含み、かつワイヤレス通信対応のエッジコンピューティングデバイスと関連付けられ得る。各介助動物は、1つまたは複数のクラウドベースのサーバおよびデータベースが装備され得る。アンカー臭気セット群および計算方法は、個別の動物にわたる嗅覚マップを共通座標フレームワークに整列することを可能にし得る。エッジ上のローカルデータベースとクラウドデータベースとの間での嗅覚デコーディングモデルの連合更新を(必要に応じてプライバシーが保護されたやり方で)計算および伝送する手段がさらに開示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮発性化学化合物を検出するための匂い検出システムであって、
嗅覚系またはその一部分からの神経作用を記録する手段と、
ローカルデータベースおよびワイヤレス通信を装備したエッジコンピューティングデバイスと、
クラウドにおける1つまたは複数のサーバ側データベースと
を装備した複数の動物を含む、匂い検出システム。
【請求項2】
神経作用を記録する前記手段が、神経インターフェースを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記エッジコンピューティングデバイスが、嗅覚神経作用のローカル表現を共通座標フレームワークに変換するように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記エッジコンピューティングデバイスが、グローバルデコーディングモデルのローカルコピーを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記エッジコンピューティングデバイスが、グローバルデコーディングモデルのローカルコピーを備え、前記エッジコンピューティングデバイスが、前記グローバルデコーディングモデルの前記ローカルコピーの更新を計算するように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記エッジコンピューティングデバイスが、グローバルデコーディングモデルのローカルコピーを備え、前記エッジコンピューティングデバイスが、
前記グローバルデコーディングモデルの前記ローカルコピーの更新を計算し、
更新済みの前記モデルを前記クラウドにアップロードする
ように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記エッジコンピューティングデバイスが、グローバルデコーディングモデルのローカルコピーを備え、前記エッジコンピューティングデバイスが、
前記グローバルデコーディングモデルの更新を計算し、
更新済みの前記モデルを前記クラウドにアップロードし、
更新済みの前記モデルを前記クラウド上の前記グローバルデコーディングモデルに組み込む
ように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の動物が、前記クラウド上のグローバルデコーディングモデルにアクセスするように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
アンカー臭気パネル群を用意することと、
個別の動物の嗅覚神経信号を共通座標フレームワークに整列させることと
を含む方法。
【請求項10】
前記アンカー臭気パネル群が、複数のアンカーを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記共通座標フレームワークが、アンカーのリストを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
種の第1の動物に対して、臭気と、前記臭気の第1の対応糸球体とを識別することと、
前記種の第2の動物に対して、前記臭気と、前記臭気の第2の対応糸球体とを識別することと
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
第1の種の第1の動物に対して、臭気と、前記臭気の第1の対応糸球体とを識別することと、
第2の種の第2の動物に対して、前記臭気と、前記臭気の第2の対応糸球体とを識別することであって、前記第2の種は前記第1の種とは異なる、識別することと
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
複数のアンカーが張る基底において嗅覚神経作用パターンを分解することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
クラウドベースの匂いデコーディング機械学習モデルの連合改善の方法であって、
共通座標フレームワーク座標におけるエッジデバイスに対する匂いモデル重み更新を計算することと、
暗号化された匂いモデル更新をクラウドに伝送することと、
匂いモデル更新を暗号空間におけるクラウドベースのモデルに組み込むことと
を含む方法。
【請求項16】
グローバルモデルを取得することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
共通座標フレームワークが、前記共通座標フレームワーク座標を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
共通座標フレームワークが、前記共通座標フレームワーク座標を含み、
前記共通座標フレームワークが、アンカーのリストを含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項19】
種の第1の動物に対して、臭気と、前記臭気の第1の対応糸球体とを識別することと、
前記種の第2の動物に対して、前記臭気と、前記臭気の第2の対応糸球体とを識別することと
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
第1の種の第1の動物に対して、臭気と、前記臭気の第1の対応糸球体とを識別することと、
第2の種の第2の動物に対して、前記臭気と、前記臭気の第2の対応糸球体とを識別することであって、前記第2の種は前記第1の種とは異なる、識別することと
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月9日に出願された米国仮特許出願第63/220,361号の利益および優先権を主張するものであり、その内容は、全体が参照により組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、匂い検出(scent detection)、臭気検出、および化学的検出の分野に関する。より詳細には、本開示は、神経インターフェースを装備した介助動物を含み得る複数のエージェントの効率的な連合訓練に関する。
【背景技術】
【0003】
介助動物は、多種多様な分野および産業にわたる匂い検出および匂い追跡のために使用され得る。例として世界各国の国境警備機関、麻薬取締機関、または捜索救難チームによって使用される警察犬(K9)部隊、埋められた地雷を嗅ぎ当てるように訓練されたガンビアンラット、もしくはトリュフを探す豚が挙げられる。これらの例における動物は、以下の2つの事柄を共通して有し得る:(1)そのような動物の研ぎ澄まされた嗅覚が現在までに開発されたどのような可搬性の人工化学センサよりも優れ、応用性が高いため、21世紀でも使用が続き、さらに(2)そのような動物は、挙動報告を通して高度に特殊化した臭気の僅かな一部分の存在を報告するようにするために、長時間で高額な個別訓練を必要とする。匂い検出訓練は、現在のところ、個別の介助動物の実用寿命の間のみ有効な、高費用で根気のいる投資とみなされている。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施形態の態様および利点は、以下の説明に部分的に記載され、または実施形態の実践を通して知り得る。
【0005】
本開示のシステムおよび方法は、いくつかの実施形態では、臭気訓練および検出システムに関する。この臭気訓練および検出システムは、複数の介助動物を含むことができ、各々は神経作用が嗅覚系から読み出されることが可能になる手段が提供され、各々は更新可能ローカルデータベースを含み、かつワイヤレス通信対応のエッジコンピューティングデバイスと関連付けられる。臭気訓練および検出システムは、1つまたは複数のクラウドベースのサーバおよびデータベースを含み得る。さらに、本開示のシステムおよび方法は、いくつかの実施形態では、個別の動物にわたる嗅覚マップを共通座標フレームワークに整列することを可能にするアンカー臭気セット群および計算方法に関する。加えて、本開示のシステムおよび方法は、いくつかの実施形態では、「エッジ」上のローカルデータベースとクラウドデータベースとの間での嗅覚デコーディング(decoding)モデルの連合更新を(必要に応じてプライバシーが保護されたやり方で)計算および伝送する手段に関する。
【0006】
本開示の様々な実施形態の上記および他の特徴、態様、および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照してより深く理解されるようになる。本明細書に組み込まれ、かつ本明細書の一部をなす添付図面は、本開示の例示的な実施形態を示し、その説明とともに、関連する原理を解説する役割を果たす。
【0007】
本明細書に記載の主題の1つまたは複数の実施態様の詳細は、添付図面および以下の説明に記載されている。本主題の他の特徴、態様、および利点は、説明、図面、特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態による、匂い検出システムの概略を示す図である。
【
図2】一実施形態による、神経信号を整列させる方法を示す図である。
【
図3】一実施形態による、クラウドベースの匂いデコーディング機械学習モデルの連合改善の方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
様々な図面における同様の参照符号および名称は同様の要素を示す。
【0010】
本開示は、概して、動物を用いた臭気検出システムおよびその連合訓練のための方法に関する。連合訓練(例えば、連合学習、共同学習など)は、データを交換することなく、ローカルデータを保持する複数の分散化エッジデバイスにわたってアルゴリズムを訓練する機械学習技術を含み得る。
【0011】
嗅覚系への神経インターフェースは、嗅がれた臭気を記録された神経作用からデコーディングするために使用され得る。米国特許出願第16/312,973号は、ブレインマシンインターフェース(例えば、生体電子鼻)を論じており、本明細書に参照によって組み込まれる。しかしながら、同じ臭気に対する神経信号は、個別の動物間で異なる場合があり、それぞれの動物が対象の臭気ごとに校正される必要がある場合があり、これは、長く、根気が必要で、費用がかかり得る。
【0012】
したがって、この分野において、介助動物の実用寿命を越えての訓練経験の保全を可能にできる訓練方法が必要である。さらに、臭気に関する情報が個別の動物間で高速に共有可能になる方法が必要である。さらに、動物の生涯を通じて変化する場合に、個別の動物の神経反応の周期的または一度の再校正を可能にすることが必要である。また、機密情報であり得るそのような情報を、その情報源の場所および時間を必ずしも開示せずに収集する必要がある。
【0013】
図1は、匂い検出システム(例えば、動作スキーム)の概略を示す図である。1頭の介助動物は、一般性を失わず介助動物Aとすると、神経インターフェースおよびエッジコンピューティングデバイスによって増補され得る。介助動物Aは、新規の(例えば、新しい)臭気に曝露され得る。グローバルデコーディングモデルのローカルコピー(local copy)を所有し得るローカルエッジデバイスは、嗅覚神経作用のローカル表現(local representation)を共通座標フレームワークに変換でき、モデルの更新を計算できる。この更新済みモデルは、暗号化され得る。更新済みモデルは、クラウドサーバにアップロード可能であり、クラウドサーバにおいてグローバルモデルに組み込まれ得る。グローバルモデルは、
図1において示されたネットワークにおける任意の数の増補された介助動物、一般性を失わず動物Bに対して分散され得る。
【0014】
複数の介助動物(例えば、犬、豚、フェレット、ラット、マウスなど)は、それぞれの嗅覚系からの神経作用を記録可能にする手段を装備し得る。介助動物は、研ぎ澄まされた(例えば、強力な)嗅覚を有し得る。いくつかの実施形態では、介助動物の嗅覚系からの神経作用を記録可能にする手段は、嗅球の表面上に埋め込まれた微小電極アレイを含み得る。電極中心間距離は、糸球体活動の最適な空間サンプリングを可能にするように最適化されることが可能であり、これは、いくつかの実施形態では、それぞれの種において糸球体の平均半径を整合することによって実現され得る。電極グリッドは、それらの平均サイズを有する糸球体を空間的にオーバーサンプリングするように設計可能である。電極中心間距離とともに電極部位サイズは、嗅覚系のいくつかの部分を他の部分に対して優先的にサンプリングするためにデバイスの空間的範囲にわたって様々に異なり得る。介助動物は、神経シグナルの増幅、多重化、デジタル化、および/またはワイヤレス伝送(例えば、無線機およびアンテナ)のためのシステムを装備し得る。介助動物は、神経データに対して逆多重化および計算(例えば、テンソル乗算)実行が可能であり、さらにクラウド内のサーバと通信可能であるエッジコンピューティングデバイスを装備し得る。このシステムは、市販の部品の連結、または単数もしくは複数のカスタムの特定用途向け集積回路(ASIC)、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0015】
個別の動物の嗅覚神経信号を共通座標フレームワーク(「CCF」)に整列させるための本明細書で開示される方法は、特定の濃度における選択されたアンカー臭気(「アンカー」)のパネルを使用できる。これらのアンカーは独自のものでなくてもよいが、以下の特性を有する臭気群を含み得る。(1)嗅覚受容体ごとに、アンカーパネル(例えば、アンカー臭気パネル)にその受容体を活性化するアンカーが少なくとも1つ存在し、(2)アンカーごとに、そのアンカーによって活性化されない少なくとも1つのタイプの嗅覚受容体が存在する。アンカーの数は、その種についての嗅覚受容体タイプの数(例えば、500~1200)以下、または同時に記録される糸球体の最大数の、どちらか少ない方であり得る。最も単純かつ最も端的な場合において、アンカーは、各臭気が単一の糸球体のみを活性化する特定の濃度における臭気のセットであり得る。この場合、共通座標フレームワークは、アンカーの(例えば、任意であるが固定順の)リストを含み得、CCFと各動物との間の変換は、アンカーリストと、それぞれの動物に対するそれぞれのアンカーの提示に反応した極大糸球体活性化の重心座標との間のルックアップテーブル(例えば、1対1(全単射)マップ)を含み得る。これは、アンカーマップとして知られている場合がある。嗅覚受容体は、種内および種間で保存される。それによって、異なる介助動物は、僅かに異なる空間的配列の同じセットの嗅覚受容体を所有できる。そのため、アンカーマップは、動物間(例えば、種内、アサイメント精度の僅かな損失を伴う種間など)で対応糸球体の識別を可能にし得る。それによって、アンカーが張る基底(basis spanned by anchor)において任意の動物からの任意の嗅覚神経作用パターンが分解され得る。動物間の臭気曝露経験の高速伝達を可能にするために、推測され得るのは、一般性を失わず動物Aには、(動物A固有の)神経作用パターンXAを導出する新規臭気Xが提示される。動物AのためのアンカーマップMAを使用して、そのパターンがまず動物に依存しないアンカー表現X’=MA(XA)に変換され得る。次いで、動物B(MB
-1)のためのアンカーマップの逆数を使用して、動物B固有の神経作用パターンXBがXB=MB
-1(X’)=MB
-1MA(XA)として予想され得る。たとえ動物Bがまだ臭気Xを直接経験していなくても、上記で説明した手順とほぼ同様の手順をたどると、その存在を動物Bの嗅覚神経作用から検出することが可能になり得る。
【0016】
単一糸球体空間解像度は、上記で説明した方法が機能するための十分条件の場合があるが、厳密に必須ではない。本方法は、単一糸球体解像度が達成されていない実施形態に対しても、さらにインテロゲートされている糸球体の数よりも少ない数のアンカーが使用されている場合でも、空間および/または時間にわたる糸球体間作用相関によって判断可能な程度に、機能できる。インテロゲートされている個別の糸球体の数は、信号の空間的次元について、さらに必要な数のアンカー臭気に関して上限が設定可能である。その上限を超える追加のアンカー臭気は含まれなくてもよく、方法の性能をあまり高めない場合がある。
【0017】
クラウドベースの臭気デコーディングの連合改善のための本明細書で開示される方法は、中央デコーディングモデルが、任意の所与の時間または場所における任意の所与の臭気の存否を中央サーバに対して明らかにすることなく、常に更新され、改善されることを可能にし得る。強化された介助動物およびそれらの関連付けられたエッジデバイスによって検出可能な化合物の多くがプライバシー事項または分類(例えば、診断医療情報、警察活動など)に関与するため、中央クラウドデータベースに記憶されている臭気デコーディングモデルは、高機密情報を伝送することなく、エッジデバイスの個別の経験によって増補され得る。これを実現するために、各エッジデバイスは、最初に、CCFのグローバルモデル(例えば、グローバルデコーディングモデル)の最新バージョンをダウンロードできる。中央サーバおよびグローバルモデルは、エッジデバイスに制限され得るアンカーマップMを知る必要がない。次いで、ローカル臭気曝露経験は、エッジデバイス上でローカルにCCFに変換可能であり、モデル更新(例えば、勾配)は、ローカルで計算され、暗号化され、クラウドに伝送され得る。クラウドにおいて、勾配は、グローバルモデルを更新するために使用可能であり、結果として、更新済みグローバルモデルは、次いで、ネットワーク上の全てのアクティブなエッジデバイスにダウンロードされ得る。
【0018】
揮発性化学化合物を検出するための匂い検出システムは、嗅覚系またはその一部分からの神経作用を記録する手段と、ローカルデータベースおよびワイヤレス通信を装備したエッジコンピューティングデバイスと、クラウドにおける1つまたは複数のサーバ側データベースとを装備した複数の動物(例えば、介助動物)を含み得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、神経作用を記録する手段は神経インターフェースを含む。この神経インターフェースは、脳の電気的活動と外部デバイス(例えば、コンピュータ)との間の通信経路を含み得る。いくつかの実施形態では、複数の動物が、クラウド上のグローバルデコーディングモデルにアクセスするように構成され得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、エッジコンピューティングデバイスが、嗅覚神経作用のローカル表現を共通座標フレームワークに変換するように構成されている。エッジコンピューティングデバイスは、グローバルデコーディングモデルのローカルコピーを含み得る。エッジコンピューティングデバイスは、グローバルデコーディングモデルのローカルコピーの更新を計算するように構成され得る。エッジコンピューティングデバイスは、更新済みのモデルをクラウドにアップロードするように構成され得る。エッジコンピューティングデバイスは、更新済みのモデルをクラウド上のグローバルデコーディングモデルに組み込むように構成され得る。
【0021】
図2は、神経信号を整列させる方法200を示す図である。方法200は、アンカー臭気パネル群を用意すること(ブロック205)を含み得る。このアンカー臭気パネル群は、複数のアンカーを含み得る。方法200は、個別の動物の嗅覚神経信号を共通座標フレームワーク(「CCF」)に整列させること(ブロック210)を含み得る。共通座標フレームワークが、アンカーのリストを含み得る。
【0022】
方法200は、種の第1の動物に対して、臭気と、臭気の第1の対応糸球体とを識別することを含み得る。方法200は、種の第2の動物に対して、臭気と、臭気の第2の対応糸球体とを識別することを含み得る。方法200は、第1の種の第1の動物に対して、臭気と、臭気の第1の対応糸球体とを識別することを含み得る。方法200は、第2の種の第2の動物に対して、臭気と、その臭気の第2の対応糸球体とを識別することを含み得る。第2の種は、第1の種とは異なり得る。
【0023】
図3は、クラウドベースの匂いデコーディング機械学習モデルの連合改善の方法300を示す図である。方法300は、匂いモデル重み更新を計算すること(ブロック305)を含み得る。例えば、方法300は、CCF座標におけるエッジデバイスに対する匂いモデル重み更新を計算することを含み得る。共通座標フレームワークが、共通座標フレームワーク座標を含み得る。共通座標フレームワークが、アンカーのリストを含み得る。方法300は、暗号化された匂いモデル更新を伝送すること(ブロック310)を含み得る。例えば、方法300は、クラウドに対して、暗号化された匂いモデル更新を伝送することを含み得る。方法300は、匂いモデル更新を組み込むこと(ブロック315)を含み得る。例えば、方法300は、暗号空間におけるクラウドベースのモデルに対して、匂いモデル更新を組み込むことを含み得る。
【0024】
方法300は、グローバルモデルを取得することを含み得る。方法300は、種の第1の動物に対して、臭気と、臭気の第1の対応糸球体とを識別することを含み得る。方法300は、種の第2の動物に対して、臭気と、臭気の第2の対応糸球体とを識別することとを含み得る。方法300は、第1の種の第1の動物に対して、臭気と、臭気の第1の対応糸球体とを識別することを含み得る。方法300は、第2の種の第2の動物に対して、臭気と、その臭気の第2の対応糸球体とを識別することを含み得る。第2の種は、第1の種とは異なり得る。
【0025】
本明細書で説明される主題および動作は、デジタル電子回路、または、本明細書で開示される構造およびそれらの構造の同等物を含むコンピュータソフトウェア、ファームウェアもしくはハードウェア、または、それらの1つまたは複数の組み合わせで実施され得る。本明細書で説明される主題は、1つまたは複数のコンピュータプログラム、例えば、データ処理装置によって実行されるか、もしくはデータ処理装置の動作を制御するための、1つまたは複数のコンピュータ記憶媒体で符号化されたコンピュータプログラム命令の1つまたは複数の回路として実施され得る。代替的にまたは追加的に、プログラム命令は、人工的に生成された伝搬信号、例えば、データ処理装置によって実行される適切な受信装置への送信における情報を符号化して生成され得る、機械生成の電気的な、光学的な、または電磁的な信号に符号化されてもよい。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読記憶デバイス、コンピュータ可読記憶基板、ランダムもしくはシリアルアクセスメモリアレイもしくはデバイス、またはそれらのうちの1つまたは複数の組み合わせであってもよく、または、それらに含まれてもよい。さらに、コンピュータ記憶媒体が伝搬信号ではない場合があるが、コンピュータ記憶媒体は、人工的に生成された伝搬信号に符号化されるコンピュータプログラム命令の発信源または宛先であってもよい。コンピュータ記憶媒体はまた、1つまたは複数の個別のコンポーネントもしくは媒体(例えば、複数のCD、ディスク、もしくは他の記憶デバイス)であってもよく、またはそれらに含まれてもよい。
【0026】
本明細書で説明される動作は、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶デバイスに記憶された、または他の発信源から受信したデータに従って、データ処理装置によって実行され得る。「データ処理装置」もしくは「コンピューティングデバイス」なる用語は、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、システムオンチップ、もしくは複数のもの、または上述したそれらの組み合わせを一例として含む、データを処理するための様々な装置、デバイス、および機械を包含する。装置は、特定用途の論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)を含み得る。装置はまた、ハードウェアに加えて、当該コンピュータプログラム用の実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、クロスプラットフォームランタイム環境、仮想マシン、または1つまたは複数のそれらの組み合わせを構成するコードを含み得る。装置および実行環境は、ウェブサービス、配信コンピューティング、およびグリッドコンピューティングインフラストラクチャなどの、様々な異なるコンピューティングモデルインフラストラクチャを実現することができる。
【0027】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、またはコードとしても知られる)は、コンパイルもしくは解釈された言語、宣言型もしくは手続型の言語を含む、プログラミング言語の任意の形態で記述され、スタンドアロンプログラムとして、または、回路、コンポーネント、サブルーチン、オブジェクト、またはコンピュータ環境の使用に適した他のユニットとしての任意の形態で展開され得る。コンピュータプログラムは、ファイルシステムにおいて、必要性はないが、ファイルに対応してもよい。プログラムは、他のプログラムまたはデータ(例えば、マークアップ言語文書に記憶された1つまたは複数のスクリプト)を保持するファイルの一部分において、当該プログラムに専用のファイルにおいて、または、複数の候補ファイルにおいて(例えば、1つまたは複数の回路、サブプログラム、またはコードの一部を記憶するファイルにおいて)記憶され得る。コンピュータプログラムは1台のコンピュータ、または、1つの場所に位置する、または通信ネットワークによって相互接続された複数の場所にわたって分散された、複数台のコンピュータ上で実行されるように展開され得る。
【0028】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、一例として、マイクロプロセッサと、デジタルコンピュータの任意の1つまたは複数のプロセッサとを含む。プロセッサは、読み出し専用メモリまたはランダムアクセスメモリまたはその両方から命令およびデータを受信し得る。コンピュータの要素は、命令に従って動作を実行するためのプロセッサ、ならびに命令およびデータを記憶する1つまたは複数のメモリデバイスである。コンピュータは、データを記憶するための1つまたは複数の大容量記憶デバイス、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスクまたは光学ディスクからデータを受信する、またはそれらの記憶デバイスへデータを転送する、またはその両方を行うように、それらの記憶デバイスを含み得る、またはそのように動作可能に結合され得る。コンピュータはそのようなデバイスを有する必要はない。さらに、コンピュータは、他のデバイス、例えば、数例上げると、携帯情報端末(PDA)、グローバルポジショニングシステム(GPS)受信機、または携帯記憶デバイス(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ)に埋め込まれ得る。コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するのに適したデバイスは、一例として、半導体メモリデバイス、例えばEPROM、EEPROMおよびフラッシュメモリデバイスと、磁気ディスク、例えば内蔵ハードディスクまたはリムーバルディスクと、光磁気ディスクと、CD-ROMおよびDVD-ROMディスクとを含む、全ての形態の不揮発性メモリ、媒体およびメモリデバイスを含む。プロセッサおよびメモリは、特定用途の論理回路によって補完されるか、または、特定用途の論理回路に組み込まれてもよい。
【0029】
ユーザとの対話を提供するために、本明細書で説明される主題の実施態様は、ユーザに情報を提示するために、ディスプレイデバイス、例えばCRT(陰極線管)もしくはLCD(液晶ディスプレイ)モニタと、ユーザがコンピュータに入力を行うキーボードおよびポインティングデバイス、例えばマウスもしくはトラックボールとを有するコンピュータで実施され得る。他の種類のデバイスは、ユーザとの対話を提供するために同様に使用され得、例えば、ユーザに提供されるフィードバックが任意の形態の感覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックであってもよく、ユーザからの入力が音響入力、音声入力または触覚入力を含む任意の形態で受信され得る。
【0030】
本明細書で説明される実施態様は、例えばハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせを使用することを含む、多数のやり方のうちのいずれかで実施され得る。ソフトウェアで実施される場合、単一コンピュータで提供されるか、複数のコンピュータ間に分散されるかにかかわらず、ソフトウェアコードを適した任意のプロセッサまたはプロセッサ群で実行することができる。
【0031】
また、コンピュータは、1つまたは複数の入力デバイスおよび出力デバイスを有することができる。これらのデバイスは、とりわけ、ユーザインターフェースを提示するために使用され得る。ユーザインターフェースを提供するのに使用することができる出力デバイスの例は、出力の視覚的提示のためのプリンタまたは表示画面と、出力の可聴の提示のためのスピーカまたは他のサウンド生成デバイスとを含む。ユーザインターフェースに使用することができる入力デバイスの例は、キーボードと、マウス、タッチパッド、および離散化タブレットなどのポインティングデバイスとを含む。別の例として、コンピュータは、音声認識を通じてまたは他の可聴形式で、入力情報を受信できる。
【0032】
このようなコンピュータを、企業ネットワーク、インテリジェントネットワーク(IN)などのローカルエリアネットワーク、またはインターネットなどのワイドエリアネットワークを含む、適した任意の形態で、1つまたは複数のネットワークによって相互接続できる。このようなネットワークは、適した任意の技術に基づいてもよく、適した任意のプロトコルに従って動作してもよく、無線ネットワーク、有線ネットワークまたは光ファイバーネットワークを含んでもよい。
【0033】
本明細書で説明する機能の少なくとも一部分を実施するために用いられるコンピュータは、メモリ、1つまたは複数の処理ユニット(本明細書では単に「プロセッサ」とも称される)、1つまたは複数の通信インターフェース、1つまたは複数のディスプレイユニット、および1つまたは複数のユーザ入力デバイスを備え得る。このメモリは、任意のコンピュータ可読媒体を含み得、本明細書で説明する様々な機能を実施するためのコンピュータ命令(本明細書では「プロセッサ実行可能命令」とも称される)を記憶し得る。処理ユニットは、命令を実行するために使用され得る。通信インターフェースは、有線もしくは無線ネットワーク、バス、または他の通信手段に結合され得、したがって、コンピュータが、他のデバイスとの通信を送信する、または他のデバイスからの通信を受信することを可能にし得る。ディスプレイユニットは、ユーザが、例えば、命令の実行に関連して様々な情報を閲覧可能にするために提供され得る。ユーザ入力デバイスは、例えば、ユーザが、手作業での調整実行、選択の実行、データもしくは様々な他の情報の入力、または命令の実行中に多種多様なやり方のいずれかでプロセッサと対話することを可能にするために提供され得る。
【0034】
本明細書で概要を述べた様々な方法または処理を、様々なオペレーティングシステムまたはプラットフォームのうちの任意の1つを用いる、1つまたは複数のプロセッサ上で実行可能なソフトウェアとしてコード化できる。さらに、このようなソフトウェアを、いくつかの適したプログラミング言語またはプログラミングまたはスクリプティングツールのいずれかを使用して書き込むことができ、フレームワークまたは仮想マシン上で実行される実行可能なマシン言語コードまたは中間コードとしてコンパイルすることもできる。
【0035】
この点において、様々な発明の概念を、コンピュータ可読記憶媒体(または複数のコンピュータ可読記憶媒体)(例えば、コンピュータメモリ、1つまたは複数のフロッピーディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイもしくは他の半導体デバイスの回路構成、または他の非一時的媒体もしくは有形コンピュータ記憶媒体)として具体化して、1つまたは複数のコンピュータまたは他のプロセッサ上で実行される時、上述した解決策の特徴を実施する方法を行う1つまたは複数のプログラムで符号化できる。コンピュータ可読媒体または複数のコンピュータ可読媒体は、その媒体上で記憶されたプログラムまたは複数のプログラムを、1つまたは複数の異なるコンピュータまたは他のプロセッサ上にロードして、上述した本発明の様々な態様を実施することができるように、可搬型にできる。
【0036】
「プログラム」または「ソフトウェア」なる用語は、本明細書では、上述した様々な態様を実施するコンピュータまたは他のプロセッサをプログラムするのに用いることができる、任意のタイプのコンピュータコードまたはコンピュータ実行可能命令のセットを指すために使用されている。実行時に本発明の方法を行う、1つまたは複数のコンピュータプログラムは、単一コンピュータまたはプロセッサ上で常駐する必要はないが、本発明の様々な態様を実施するいくつかの異なるコンピュータまたはプロセッサに、モジュラー方式で分散されることができる。
【0037】
コンピュータ実行可能命令は、1つまたは複数のコンピュータまたは他のデバイスによって実行される、プログラムモジュールなどの、多くの形態であり得る。プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する、または特定の抽象データ型を実施するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、もしくは他のコンポーネントなどを含み得る。プログラムモジュールの機能性を、様々な実施態様で必要に応じて組み合わせるか、または分散することができる。
【0038】
また、データ構造を、適した任意の形態で、コンピュータ可読媒体に記憶できる。説明を簡略にするために、データ構造が、そのデータ構造の位置を通じて関連しているフィールドを有するように見える場合がある。そのような関係は、フィールド間の関係を伝えるコンピュータ可読媒体内の位置を、フィールドの記憶領域に割り当てることによって同様に達成し得る。しかしながら、ポインタ、タグ、またはデータ要素間の関係を確立する他の機構の使用を含む、適した任意の機構を使用して、データ構造のフィールド内の情報間の関係を確立することができる。
【0039】
本明細書で使用される場合、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に必要としない限り、複数の言及を含む。したがって、例えば、「部材」なる語は、単一の部材もしくは部材の組み合わせを意味することが意図され、「材料」なる語は、1つもしくは複数の材料、またはその組み合わせを意味することが意図される。
【0040】
本明細書で使用される場合、「約」および「およそ」なる語は、概して、記載された値のプラスまたはマイナス10%を意味する。例えば、約0.5は0.45および0.55を含み得、約10は9~11を含み得、約1000は900~1100を含み得る。
【0041】
なお、様々な実施形態を説明するために本明細書で使用される場合の「例示的」なる語は、そのような実施形態が、可能な例、表現、および/または可能な実施形態であることを示すことが意図される(さらに、そのような語は、そのような実施形態が必ずしも特別な例または最上の例であることを暗示することが意図されない)ことに留意されたい。
【0042】
本明細書で使用される場合の「結合される」、「接続される」などの語は、2つの部材の相互の直接的もしくは間接的な連結を意味する。そのような連結は、固定(例えば、永久的)または可動(例えば、取り外し可能または解除可能)でもよい。そのような連結は、互いに単体として一体的に形成された2つの部材もしくは2つの部材および任意の追加の中間部材によって、または互いに取り付けられる2つの部材もしくは2つの部材および任意の追加の中間部材によって実現され得る。
【0043】
本明細書において単数形で言及される、システムおよび方法の実施態様または要素または行為に対する任意の参照は、複数のこれらの要素を含む実施態様を含むことができ、本明細書の任意の実施態様または要素または行為に対する複数形での任意の参照は、単一の要素のみを含む実施態様を含むことができる。単数形または複数形での参照は、単数形または複数形の構成に対する本開示のシステムまたは方法、その構成要素、行為、または要素を限定することは意図されない。任意の情報、行為、または要素に基づく任意の行為または要素に対する参照は、行為または要素が少なくとも部分的に任意の情報、行為、または要素に基づく実施態様を含むことができる。
【0044】
本明細書で開示された任意の実施態様は、任意の他の実施態様と組み合わせることが可能であり、「実施態様」、「いくつかの実施態様」、「代替の実施態様」、「様々な実施態様」、「一実施態様」などへの参照は、必ずしも相互に排他的なものではなく、実施態様と関連して説明された特定の機能、構造、または特徴は、少なくとも1つの実施態様に含まれ得るということを示すことが意図される。本明細書で使用されるこうした用語は、必ずしも全て同一の実施態様に言及するものではない。任意の実施態様は、任意の他の実施態様と本明細書で説明した態様および実施態様に一致した任意の方法で、包括的または排他的に組み合わせることができる。
【0045】
「または」に対する言及は、包括的と解釈することができ、したがって、「または」を使用して説明された任意の用語は、説明された用語のうちの、単一、2つ以上、または全てのいずれかを指すことができる。用語の結合的リスト(conjunctive list)の少なくとも1つに対する言及は、説明された用語のうちの単一、2つ以上、および全てのいずれかを指すための包括的論理和として解釈され得る。例えば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」に対する言及は、「A」のみ、「B」のみ、ならびに「A」および「B」の両方を含み得る。「A」および「B」以外の要素も含まれ得る。
【0046】
本明細書で説明したシステムおよび方法は、その特徴から逸脱することなく他の特定の形態で具体化され得る。前述の実施態様は、説明したシステムおよび方法を限定するものではなく説明的なものである。
【0047】
図面、詳細な説明、または任意の特許請求の範囲中の技術的な特徴に続いて参照符号がある場合は、その参照符号は、図面、詳細な説明、および特許請求の範囲の理解度を増大させるために含まれている。したがって、参照符号の有無は任意の特許請求要素の範囲を何ら制限する効果を有しない。
【0048】
本明細書で説明したシステムおよび方法は、その特徴から逸脱することなく他の特定の形態で具体化され得る。前述の実施態様は、説明したシステムおよび方法を限定するものではなく説明的なものである。したがって、本明細書で説明したシステムおよび方法の範囲は、前述の説明よりはむしろ添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の同等物の趣旨および範囲内に入る変更は、その特許請求の範囲に含まれる。
【0049】
本明細書は多くの特定の実施態様の詳細を含むが、それらはいかなる発明の範囲を限定するものとして、あるいは特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、特定の発明の特定の実施態様に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施態様を通じて本明細書で説明された特定の特徴は、単一の実施態様において組み合わせても実施され得る。逆に、単一の実施態様を通じて説明した種々の特徴はまた、複数の実施態様で、別個に、または任意の適切な部分的組み合わせで実施され得る。さらに、特徴が特定の組み合わせで動作するように上記で説明され、当初はそのように特許請求されていても、特許請求された組み合わせからの1つまたは複数の特徴は、場合によっては、その組み合わせから除外することができ、特許請求された組み合わせは、部分的組み合わせもしくは部分的組み合わせの変形を対象とし得る。
【国際調査報告】