(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】ジッパーストラップ構造体、ジッパーストラップ構造体が含まれた包装用バッグ、およびジッパーストラップ構造体の製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 33/25 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
B65D33/25 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022531626
(86)(22)【出願日】2021-10-26
(85)【翻訳文提出日】2022-05-27
(86)【国際出願番号】 KR2021015100
(87)【国際公開番号】W WO2023033234
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0117232
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509035369
【氏名又は名称】ジッピアン カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ZIPPIAN CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100115200
【氏名又は名称】山口 修之
(72)【発明者】
【氏名】鄭 尚吉
(72)【発明者】
【氏名】趙 元祥
(72)【発明者】
【氏名】沈 文錫
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AA01
3E064BA21
3E064HN13
(57)【要約】
ジッパーストラップ構造体、ジッパーストラップ構造体を含む包装用バッグ、およびジッパーストラップ構造体の製造方法が提供される。ジッパーストラップ構造体は、第1ストラップ、第1ストラップと並んだ第2ストラップ、第1ストラップから第2ストラップに向かって突出し第1ストラップの長さ方向に延びた柱部、および柱部の末端で第1ストラップの幅方向に拡張されて互いに反対方向に延び第1ストラップの長手方向に延びて形成された一対の係止突起と、係止突起の間の末端外面が柱部に向かって凹形に湾入して第1ストラップの長手方向に延びた中央分離溝が形成されたヘッド部を含む雄結合部、および第2ストラップから第1ストラップに向かって突出して第2ストラップの長手方向に延び、ヘッド部を収容する収容空間を間に置いて離隔配置された一対の壁体部および壁体部の末端で収容空間側に屈折し第2ストラップの長手方向に延びて係止突起に係止される一対のフック部を含む雌結合部を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ストラップと、
前記第1ストラップと対向して並んで配置される第2ストラップと、
前記第1ストラップから前記第2ストラップに向かって突出し前記第1ストラップの長手方向に延びた柱部、および前記柱部の末端で前記第1ストラップの幅方向に拡張されて互いに反対方向に延び前記第1ストラップの長手方向に延びて形成された一対の係止突起と、前記係止突起の間の末端外面が前記柱部に向かって凹形に湾入して前記第1ストラップの長手方向に延びた中央分離溝が形成されたヘッド部を含む雄結合部と、
前記第2ストラップから前記第1ストラップに向かって突出して前記第2ストラップの長手方向に延び、前記ヘッド部を収容する収容空間を間に置いて離隔配置された一対の壁体部、および前記壁体部の末端で前記収容空間側に屈折し前記第2ストラップの長手方向に延びて前記係止突起に係止される一対のフック部を含む雌結合部を備える、ジッパーストラップ構造体。
【請求項2】
前記雄結合部は、前記第1ストラップに対する前記ヘッド部の高さと幅が前記第1ストラップの長手方向に沿って周期的に変わる、請求項1に記載のジッパーストラップ構造体。
【請求項3】
前記ヘッド部は、前記第1ストラップに対して第1高さに配置された第1ヘッド部、および前記中央分離溝に加えられた圧力により前記ヘッド部の一部が押されて形成された、前記第1ストラップに対して前記第1高さより低い第2高さに配置された第2ヘッド部が前記第1ストラップの長手方向に沿って交互に配置された、請求項2に記載のジッパーストラップ構造体。
【請求項4】
前記雄結合部と前記雌結合部の結合時、前記第2ヘッド部の係止突起と前記雌結合部のフック部の間の間隔が前記第1ヘッド部の係止突起と前記雌結合部のフック部の間の間隔より小さい、請求項3に記載のジッパーストラップ構造体。
【請求項5】
前記第1高さと前記第2高さの差より、前記雄結合部と前記雌結合部の結合時、前記第1ヘッド部の係止突起と前記雌結合部のフック部の間の間隔と、前記第2ヘッド部の係止突起と前記雌結合部のフック部の間の間隔の差がより小さく形成された、請求項3に記載のジッパーストラップ構造体。
【請求項6】
前記第2ヘッド部の幅が前記第1ヘッド部の幅より大きく形成された、請求項3に記載のジッパーストラップ構造体。
【請求項7】
前記第2ヘッド部を支持する柱部の幅が、前記第1ヘッド部を支持する柱部の幅より大きい、請求項3に記載のジッパーストラップ構造体。
【請求項8】
前記中央分離溝の深さは、前記ヘッド部の高さから前記柱部の高さを除いた、前記ヘッド部のみの高さを超えない、請求項3に記載のジッパーストラップ構造体。
【請求項9】
前記ヘッド部は、一対の前記係止突起のうち一つが他の一つよりさらに大きい非対称構造で形成された、請求項1に記載のジッパーストラップ構造体。
【請求項10】
第1ストラップと、
前記第1ストラップと対向して並んで配置される第2ストラップと、
前記第1ストラップから前記第2ストラップに向かって突出し前記第1ストラップの長手方向に延びた柱部、および前記柱部の末端で前記第1ストラップの幅方向に拡張されて互いに反対方向に延び前記第1ストラップの長手方向に延びて形成された一対の係止突起と、前記係止突起の間の末端外面が前記柱部に向かって凹形に湾入して前記第1ストラップの長手方向に延びた中央分離溝が形成されたヘッド部を含む雄結合部と、
前記第2ストラップから前記第1ストラップに向かって突出して前記第2ストラップの長手方向に延び、前記ヘッド部を収容する収容空間を間に置いて離隔配置された一対の壁体部、および前記壁体部の末端で前記収容空間側に屈折し前記第2ストラップの長手方向に延びて前記係止突起に係止される一対のフック部を含む雌結合部を備えるジッパーストラップ構造体が開口部に付着して形成された、ジッパーストラップ構造体が含まれた包装用バッグ。
【請求項11】
前記雄結合部は、前記第1ストラップに対する前記ヘッド部の高さと幅が前記第1ストラップの長手方向に沿って周期的に変わる、請求項10に記載のジッパーストラップ構造体が含まれた包装用バッグ。
【請求項12】
前記ヘッド部は、前記第1ストラップに対して第1高さに配置された第1ヘッド部、および前記中央分離溝に加えられた圧力により前記ヘッド部の一部が押されて形成された、前記第1ストラップに対して前記第1高さより低い第2高さに配置された第2ヘッド部が前記第1ストラップの長手方向に沿って交互に配置された、請求項11に記載のジッパーストラップ構造体が含まれた包装用バッグ。
【請求項13】
前記雄結合部と前記雌結合部の結合時、前記第2ヘッド部の係止突起と前記雌結合部のフック部の間の間隔が前記第1ヘッド部の係止突起と前記雌結合部のフック部の間の間隔より小さい、請求項12に記載のジッパーストラップ構造体が含まれた包装用バッグ。
【請求項14】
前記第1高さと前記第2高さの差より、前記雄結合部と前記雌結合部の結合時、前記第1ヘッド部の係止突起と前記雌結合部のフック部の間の間隔と、前記第2ヘッド部の係止突起と前記雌結合部のフック部の間の間隔の差がより小さく形成された、請求項12に記載のジッパーストラップ構造体が含まれた包装用バッグ。
【請求項15】
前記第2ヘッド部の幅が前記第1ヘッド部の幅より大きく形成された、請求項12に記載のジッパーストラップ構造体が含まれた包装用バッグ。
【請求項16】
前記第2ヘッド部を支持する柱部の幅が、前記第1ヘッド部を支持する柱部の幅より大きい、請求項12に記載のジッパーストラップ構造体が含まれた包装用バッグ。
【請求項17】
前記中央分離溝の深さは、前記ヘッド部の高さから前記柱部の高さを除いた、前記ヘッド部のみの高さを超えない、請求項12に記載のジッパーストラップ構造体が含まれた包装用バッグ。
【請求項18】
前記ヘッド部は、一対の前記係止突起のうち一つが他の一つよりさらに大きい非対称構造で形成された、請求項10に記載のジッパーストラップ構造体が含まれた包装用バッグ。
【請求項19】
(a)押出成形により、第1ストラップと、前記第1ストラップから突出し第1ストラップの長手方向に延びた柱部と、前記柱部の末端で第1ストラップの幅方向に拡張され第1ストラップの長手方向に延びて形成された一対の係止突起と、前記柱部の末端外面が前記係止突起の間に凹形に湾入し前記第1ストラップの長手方向に延びて形成された中央分離溝が含まれたヘッド部を含む雄結合部を一定の断面を有するように成形する段階と、
(b)加圧装置で前記ヘッド部の一部分を繰り返し加圧して前記雄結合部の断面を変形し、前記中央分離溝に圧力を加え、前記係止突起を両側に広げながら加圧して、前記第1ストラップに対して第1高さに配置された第1ヘッド部と、前記第1ストラップに対して前記第1高さより低い第2高さに配置された第2ヘッド部を前記第1ストラップの長手方向に沿って交互に配列する段階を含む、ジッパーストラップ構造体の製造方法。
【請求項20】
(c)押出成形により、第2ストラップと、前記第2ストラップから突出して前記第2ストラップの長手方向に延び、前記ヘッド部を収容する収容空間を間に置いて離隔配置された一対の壁体部と、前記壁体部の末端で前記収容空間側に屈折し前記第2ストラップの長手方向に延びた一対のフック部を含む雌結合部を一定の断面を有するように成形する段階をさらに含む、請求項19に記載のジッパーストラップ構造体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はジッパーストラップ構造体、ジッパーストラップ構造体が含まれた包装用バッグ、およびジッパーストラップ構造体の製造方法に関し、より詳細には、ジッパー使用時に触覚および聴覚の両方から感じられる使用感を提供し、また、効果的に密封されるジッパーストラップ構造体、そのようなジッパーストラップ構造体が含まれた包装用バッグ、およびそのようなジッパーストラップ構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ての包装用品は非常に多様に活用される。多くの販売用製品がビニールやプラスチックで作られた使い捨て容器に入れられ、再使用のための製品保管、廃棄物処理などにも使い捨ての包装用品が使用される。家庭で見られるビニールラップやビニールバック等は日常的に有用な使い捨ての包装用品の例である。
【0003】
特にビニールバックは多様な大きさで生産されて材質や形状も多様で目的に応じて多様に活用されている。その中でも入口にジッパーが取り付けられている製品は密封が可能で必要に応じて開閉することもできるので、腐敗しやすい食料品や失くしやすい小物などの保管により有用である。このようなビニールバックの例は韓国登録実用新案第20-0487661号公報等に開示されている。
【0004】
このようなビニールバックに形成されたジッパーは通常雌雄が互いに噛み合って結合する構造であり、柔軟なプラスチック材質で形成されている。したがって、精密に成形されていない場合は、密封がうまくできなかったりまたは開放が難しいといった問題が発生することもある。さらに、ジッパーを強制的に開閉するスライダなどを設けると構造が複雑になり、コストが増加する問題も生じ得る。特にジッパーがうまく開閉されない問題は、追加機能(例えば、突起などでジッパー作動音を発生させる場合など)を付加するためにジッパーを変形したり構造を付加する場合、より現われやすいので製品開発における難点となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録実用新案第20-0487661号公報(2018年10月17日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の技術的課題は、このような問題点を解決するためのものであって、ジッパー使用時に触覚および聴覚の両方から感じられる使用感を提供し、また、効果的に密封されるジッパーストラップ構造体、そのようなジッパーストラップ構造体が含まれた包装用バッグ、およびそのようなジッパーストラップ構造体の製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明の技術的課題は、以上で言及した課題に制限される必要はなく、言及されていないまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるジッパーストラップ構造体は、第1ストラップと、前記第1ストラップと対向して並んで配置される第2ストラップと、前記第1ストラップから前記第2ストラップに向かって突出し前記第1ストラップの長手方向に延びた柱部、および前記柱部の末端で前記第1ストラップの幅方向に拡張されて互いに反対方向に延び前記第1ストラップの長手方向に延びて形成された一対の係止突起と、前記係止突起の間の末端外面が前記柱部に向かって凹形に湾入して前記第1ストラップの長手方向に延びた中央分離溝が形成されたヘッド部を含む雄結合部と、前記第2ストラップから前記第1ストラップに向かって突出して前記第2ストラップの長手方向に延び、前記ヘッド部を収容する収容空間を間に置いて離隔配置された一対の壁体部、および前記壁体部の末端で前記収容空間側に屈折し前記第2ストラップの長手方向に延びて前記係止突起に係止される一対のフック部を含む雌結合部を備える。
【0009】
前記雄結合部は、前記第1ストラップに対する前記ヘッド部の高さと幅が前記第1ストラップの長手方向に沿って周期的に変わり得る。
【0010】
前記ヘッド部は、前記第1ストラップに対して第1高さに配置された第1ヘッド部、および前記中央分離溝に加えられた圧力により前記ヘッド部の一部が押されて形成された、前記第1ストラップに対して前記第1高さより低い第2高さに配置された第2ヘッド部が前記第1ストラップの長手方向に沿って交互に配列され得る。
【0011】
前記雄結合部と前記雌結合部の結合時、前記第2ヘッド部の係止突起と前記雌結合部のフック部の間の間隔が前記第1ヘッド部の係止突起と前記雌結合部のフック部の間の間隔より小さくてもよい。
【0012】
前記第1高さと前記第2高さの差より、前記雄結合部と前記雌結合部の結合時、前記第1ヘッド部の係止突起と前記雌結合部のフック部の間の間隔と、前記第2ヘッド部の係止突起と前記雌結合部のフック部の間の間隔の差がより小さく形成され得る。
【0013】
前記第2ヘッド部の幅が前記第1ヘッド部の幅より大きく形成され得る。
【0014】
前記第2ヘッド部を支持する柱部の幅が、前記第1ヘッド部を支持する柱部の幅より大きくてもよい。
【0015】
前記中央分離溝の深さは、前記ヘッド部の高さから前記柱部の高さを除いた、前記ヘッド部のみの高さを超えない。
【0016】
前記ヘッド部は、一対の前記係止突起のうち一つが他の一つよりさらに大きい非対称構造で形成され得る。
【0017】
本発明によるジッパーストラップ構造体が含まれた包装用バッグは、前記ジッパーストラップ構造体が開口部に付着して形成される。
【0018】
本発明によるジッパーストラップ構造体の製造方法は、(a)押出成形により、第1ストラップと、前記第1ストラップから突出し第1ストラップの長手方向に延びた柱部と、前記柱部の末端で第1ストラップの幅方向に拡張され第1ストラップの長手方向に延びて形成された一対の係止突起と、前記柱部の末端外面が前記係止突起の間に凹形に湾入し前記第1ストラップの長手方向に延びて形成された中央分離溝が含まれたヘッド部を含む雄結合部を一定の断面を有するように成形する段階と、(b)加圧装置で前記ヘッド部の一部分を繰り返し加圧して前記雄結合部の断面を変形し、前記中央分離溝に圧力を加え、前記第2ヘッド部の係止突起を両側に広げながら加圧して、前記第1ストラップに対して第1高さに配置された第1ヘッド部と、前記第1ストラップに対して前記第1高さより低い第2高さに配置された第2ヘッド部を前記第1ストラップの長手方向に沿って交互に配列する段階を含む。
【0019】
(c)押出成形により、第2ストラップと、前記第2ストラップから突出して前記第2ストラップの長手方向に延び、前記ヘッド部を収容する収容空間を間に置いて離隔配置された一対の壁体部と、前記壁体部の末端で前記収容空間側に屈折し前記第2ストラップの長手方向に延びた一対のフック部を含む雌結合部を一定の断面を有するように成形する段階をさらに含み得る。
【0020】
前記(b)段階の変形により、前記雄結合部と前記雌結合部の結合時、前記第2ヘッド部の係止突起と前記(c)段階の前記雌結合部のフック部の間の間隔が前記第1ヘッド部の係止突起と前記雌結合部のフック部の間の間隔より小さくなり得る。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ジッパーストラップ構造体の雌雄結合が非常に正確かつ精密になされる。また、作動時の触覚および聴覚によりユーザーにジッパーストラップ構造体が開いているか閉まっているかも直観的に認識させることができる。したがって、このようなジッパーストラップ構造体を包装用バッグ等に適用して内容物を密封するのに有用に用いることができる。特にユーザーはジッパーストラップ構造体の雌雄結合によって内容物を効果的に密封でき、触覚および聴覚によりジッパーの作動状態も明確に知ることができるので、従来のようにジッパーが完全に閉じているか否かを繰り返して確認するなどの行為をしなくてもよい。さらに、本発明により、このように改善されたジッパーストラップ構造体を非常に便利かつ効果的に製造することができ、製造過程における不良率も顕著に減らすことができるので改善されたジッパー構造が必要な多様な製品の製作に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態によるジッパーストラップ構造体の斜視図である。
【
図2】
図1のジッパーストラップ構造体の結合状態を示す図である。
【
図3】
図2のジッパーストラップ構造体のA-A’断面図である。
【
図4】
図2のジッパーストラップ構造体のB-B’断面図である。
【
図5】ジッパーストラップ構造体を雄結合部が突出した側から見た図である。
【
図6】ジッパーストラップ構造体を雌結合部が突出した側から見た図である。
【
図7】
図1のジッパーストラップ構造体の雌結合部の側面図である。
【
図8】
図1のジッパーストラップ構造体の雄結合部の側面図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるジッパーストラップ構造体が含まれた包装用バックの斜視図である。
【
図10】本発明の一実施形態によるジッパーストラップ構造体の製造方法を例示的に示す図である。
【
図11】本発明の一実施形態によるジッパーストラップ構造体の製造方法を例示的に示す図である。
【
図12】本発明の一実施形態によるジッパーストラップ構造体の製造方法を例示的に示す図である。
【
図13】ジッパーストラップ構造体の製造方法のうち
図12の加圧装置でヘッド部を加圧する過程をより詳細に示す図である。
【
図14】ジッパーストラップ構造体の製造方法のうち
図12の加圧装置でヘッド部を加圧する過程をより詳細に示す図である。
【
図15】本発明の一実施形態によるジッパーストラップ構造体の断面写真である。
【
図16】本発明の一実施形態によるジッパーストラップ構造体の断面写真である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の利点および特徴そしてそれらを達成するための方法は、添付する図面と共に詳細に後述している実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は、以下で開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現でき、本実施形態は、単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項によってのみ定義される。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を指すものとする。
【0024】
以下、
図1ないし
図20を参照して本発明によるジッパーストラップ構造体、ジッパーストラップ構造体が含まれた包装用バッグ、およびジッパーストラップ構造体の製造方法について詳細に説明する。説明が簡潔かつ明確になるように、先に
図1ないし
図8を参照してジッパーストラップ構造体について詳細に説明し、その後それに基づいて残りの図面を参照してジッパーストラップ構造体が含まれた包装用バッグ、およびジッパーストラップ構造体の製造方法の順に説明する。
【0025】
図1は本発明の一実施形態によるジッパーストラップ構造体の斜視図であり、
図2は
図1のジッパーストラップ構造体の結合状態を示す図であり、
図3は
図2のジッパーストラップ構造体のA-A’断面図であり、
図4は
図2のジッパーストラップ構造体のB-B’断面図である。特に、
図3のA-A’断面は第1ヘッド部を切断した断面であり、
図4のB-B’断面は第2ヘッド部を切断した断面である。
【0026】
図1ないし
図4を参照すると、本発明によるジッパーストラップ構造体10は雄結合部110と雌結合部120を含む。それぞれは第1ストラップ11と第2ストラップ12に分けて配置される。雄結合部110と雌結合部120は分離状態では
図1のとおりであり、少なくとも一方に圧力を加えて互いに密着させると
図2のように結合されることができる。
図1および
図2はジッパーストラップ構造体10の一部を示したものであり得るが、全体的にも同一構造が繰り返されるので実質的に同一である。図示された構造を繰り返すと必要なだけジッパーストラップ構造体10を延長させることができる。このようなジッパーストラップ構造体10を包装用バッグ等ジッパー開閉が必要な製品に多様に適用することができる。
【0027】
特に、本発明によるジッパーストラップ構造体10は、雄結合部110に形成された突起(係止突起112a,112b)の間に中央分離溝(
図1、
図3、および
図4の112cを参照)が配置される。中央分離溝112cは
図1に示すように雄結合部110の長さ方向に沿って延び、長手方向に沿って高さと幅が変わる雄結合部110のヘッド(第1ヘッド部112-1および第2ヘッド部112-2)全体を横切って配置される。このような中央分離溝112cは、雄結合部110のヘッド(すなわちヘッド部112)に圧力を加えて高低を形成する際、溝の両側に圧力を均等に分散させる役割をし、それによって本発明は
図3および
図4に示すように正確な形状の雄結合部110の断面が得られる。中央分離溝112cは、雄結合部110に高低が異なる構造(第1ヘッド部112-1および第2ヘッド部112-2)を形成する際、突起の形状を維持し、また圧力の偏りによる座屈などが発生しないように工程を制御する非常に重要な役割をする。
【0028】
そのため、本発明は突起構造を維持しながら、座屈せず真っすぐに整列し、さらに高さと幅は変動する第1ヘッド部112-1と第2ヘッド部112-2の周期的構造を雄結合部110に配置することができる。雌結合部120と雄結合部110はこのような周期的構造によって、互いに着脱される際に繰り返される接触音を発生させ、また、接触部位で作られる周期的触感をユーザーに提供することができる。また、雄結合部110は座屈せず真っすぐ整列しており突起構造も意図されたとおりに正確な形状を維持するので、雌結合部120と密着して雌結合部120と雄結合部110の間を綿密に密封することができる。
【0029】
このような本発明のジッパーストラップ構造体10は、具体的には次のように構成される。ジッパーストラップ構造体10は、第1ストラップ11、第1ストラップ11と対向して並んで配置される第2ストラップ12、第1ストラップ11から第2ストラップ12に向かって突出し第1ストラップ11の長手方向に延びた柱部111、および柱部111の末端で第1ストラップ11の幅方向に拡張されて互いに反対方向に延び第1ストラップ11の長手方向に延びて形成された一対の係止突起112a,112bと、係止突起112a,112bの間の末端外面が柱部111に向かって凹形に湾入して第1ストラップ11の長手方向に延びた中央分離溝112cが形成されたヘッド部112を含む雄結合部110、および第2ストラップ12から第1ストラップ11に向かって突出して第2ストラップ12の長手方向に延び、ヘッド部112を収容する収容空間121aを間に置いて離隔配置された一対の壁体部121、および壁体部121の末端で収容空間121a側に屈折し第2ストラップ12の長手方向に延びて係止突起112a,112bに係止される一対のフック部122を含む雌結合部120を含む。
【0030】
特に本発明の一実施形態で、雄結合部110は第1ストラップ11に対するヘッド部112の高さと幅が第1ストラップ11の長手方向に沿って周期的に変わり得(
図1を参照)、そのため、ヘッド部112は、第1ストラップ11に対して第1高さ(
図3のaを参照)に配置された第1ヘッド部112-1、および中央分離溝112cに加えられた圧力でヘッド部112の一部が押されて形成された、第1ストラップ11に対して第1高さより低い第2高さ(
図4のa’を参照)に配置された第2ヘッド部112-2が第1ストラップ11の長手方向に沿って交互に配列され得る。以下、このような本発明の一実施形態に基づいて本発明の構成および作用効果などをより詳細に説明する。
【0031】
図1を参照すると、第1ストラップ11および第2ストラップ12は互いに対向して並んで配置される。各ストラップは一定の幅を有し長手方向に幅より長く形成される。第1ストラップ11および第2ストラップ12は柔軟なプラスチックを材質として形成でき、不透明または透明であってもよい。それぞれは材質によって色を変えることができ、互いに同一または異なる色を有することができる。第1ストラップ11および第2ストラップ12は必要なだけ長さを延長させることができ、このような方式で多様な製品に合わせた形で設けることができる。例えば、包装用ビニールバック等の入口にジッパーストラップ構造体10を適用しようとする場合、第1ストラップ11および第2ストラップ12の長さはそれぞれ入口周囲の半分に該当する長さを有することができる。例えば、第1ストラップ11および第2ストラップ12の幅は数ミリメートルまたは1センチメートル内外であり得、長さは適用対象に応じて必要なだけ延長することができる。しかし、これに限定される必要はなく、必要に応じて各ストラップの幅もいくらでも広げることができる。第1ストラップ11および第2ストラップ12は幅と長さによって面を形成するため平たい外面により適用製品に付着することができ、付着後に適用製品に固定されて反対側である内面で突出した雄結合部110および雌結合部120を支持することができる。
【0032】
雄結合部110は第1ストラップ11から突出し、雌結合部120は第2ストラップ12から突出する。
図1および
図2に示すように、雄結合部110は第2ストラップ12に向かって突出し、雌結合部120は第1ストラップ11に向かって突出する。すなわち、雄結合部110と雌結合部120は各ストラップの互いに対向する内面で互いに向かって突出する。雄結合部110は第1ストラップ11から第2ストラップ12に向かって突出し第1ストラップ11の長手方向に延びた柱部111、および柱部111の末端に配置されたヘッド部112を含む。ヘッド部112は、柱部111の末端で第1ストラップ11の幅方向に拡張されて互いに反対方向に延び第1ストラップ11の長手方向に延びて形成された一対の係止突起112a,112bと、係止突起112a,112bの間の末端外面が柱部111に向かって凹形に湾入して第1ストラップ11の長手方向に延びた中央分離溝112cが形成された構造からなる。すなわち、前述したようにヘッド部112は一対の係止突起112a,112bと、係止突起112a,112bの間に配置された中央分離溝112cを含む。中央分離溝112cは柱部111の突出方向と逆に柱部111に向かって凹形に湾入した溝構造であり、このような形態で第1ストラップ11の長手方向に長く延びた溝構造でもある。
図1のように中央分離溝112cは係止突起112a,112bの間を横切ってヘッド部112の全体に配置される。
【0033】
特に、雄結合部110は
図1、
図3、および
図4に示すように、第1ストラップ11に対するヘッド部112の高さと幅が第1ストラップ11の長手方向に沿って周期的に変わる構造で形成される。
そのため、ヘッド部112は、相対的に高さが高い第1ヘッド部112-1および相対的に高さが低い第2ヘッド部112-2を含み得る。第1ヘッド部112-1と第2ヘッド部112-2は
図1に示すように、第1ストラップ11の長手方向に沿って交互に配列される。すなわち、第1ヘッド部112-1と第2ヘッド部112-2は第1ストラップ11の長手方向に沿って雄結合部110全体に繰り返し配置されることができる。第1ヘッド部112-1と第2ヘッド部112-2の具体的な構造は後述してより詳細に説明する。雄結合部110は第1ストラップ11と一体に成形でき、第1ストラップ11と同じ材質からなる。しかし、これに限定される必要はなく必要な場合、例えば、二つ以上の材質を用いた多重成形(射出成形を含む)等の方式で材質を変更することも可能である。様々な多様な方式で第1ストラップ11で突出した雄結合部110を形成することができる。
【0034】
雌結合部120は第2ストラップ12から第1ストラップ11に向かって突出して第2ストラップ12の長手方向に延び、ヘッド部112を収容する収容空間121aを間に置いて離隔配置された一対の壁体部121、および壁体部121の末端で収容空間121a側に屈折して第2ストラップ12の長手方向に延びて雄結合部110の係止突起112a,112bに係止される一対のフック部122を含む。雌結合部120は断面が一定の形状で形成され、雄結合部110とは異なり高低が変更される構造は含まない。本発明は雌結合部120には追加的な変形を加えないことによって雌結合部120の弾力を損なわず極大化する構造的な特徴も有する。後述するように高低が周期的に変わる変動構造は雄結合部110側に集中し、雌結合部120は断面が一定の形状に維持される。雌結合部120も第2ストラップ12と一体に成形でき、第2ストラップ12と同じ材質からなり、必要な場合には二つ以上の材質を用いた多重成形(射出成形を含む)等の方式で材質を変更することも可能である。雌結合部120も様々な多様な方式で第2ストラップ12で突出させて形成することができる。
【0035】
以下、
図3および
図4と、
図5ないし
図8を共に参照してジッパーストラップ構造体の構造的な特徴についてより詳細に説明する。
【0036】
図5はジッパーストラップ構造体を雄結合部が突出した側から見た図面であり、
図6はジッパーストラップ構造体を雌結合部が突出した側から見た図面であり、
図7は
図1のジッパーストラップ構造体の雌結合部の側面図であり、
図8は
図1のジッパーストラップ構造体の雄結合部の側面図である。
【0037】
ジッパーストラップ構造体10は前述した雌結合部120と雄結合部110が結合する構造であり、特に雄結合部110は高さが異なる第1ヘッド部112-1と第2ヘッド部112-2が周期的に配置されて作動状態を知らせる接触音と触覚的な使用感をユーザーに提供することができる。例えば、本発明のように長手方向に長いプラスチック製品の場合、高低変更のような長手方向の繰り返し的な変形は一次成形後に二次的な加圧によって作られることができるが、それによって圧力が加えられた部分では過度な変形や座屈などによる不良も非常に頻繁に発生し得る。特にミリメートル単位の小さい幅を有する本発明の場合には、個別構造が非常に微細で小さい圧力でも形状が破壊されたり毀損されやすい。本発明は前述したように中央分離溝112cを用いてそのような問題を解消し、中央分離溝112cによる圧力分散により、柱部111、係止突起112a,112b等が意図した正常な形状と方向を維持し、かつ実質的にヘッド部112の高低と幅のみ周期的に変わる構造を実現する。それに関連する製造過程についてはより詳細に後述し、以下ではそのような製造過程により実現される本発明の構造的な特徴についてより詳しく詳察する。
【0038】
ヘッド部112は
図3に示すように、第1ストラップ11に対して第1高さaに配置された第1ヘッド部112-1および
図4に示すように、第1ストラップ11に対して第1高さより低い第2高さa’に配置された第2ヘッド部112-2を含む。
図5および
図8に示すように、第1ヘッド部112-1と第2ヘッド部112-2は第1ストラップ11の長手方向に沿って交互に配列される。例えば、第1ストラップ11の長手方向に第1ヘッド部112-1の長さが第2ヘッド部112-2の長さより長く形成され、それによって実質的に高さが低い第2ヘッド部112-2が第1ヘッド部112-1の間に周期的に配列されたものと見ることも可能である。特に、このような第2ヘッド部112-2は上端の中央分離溝112cに加えられた圧力で、ヘッド部112の一部が押されて形成される。すなわち、第2ヘッド部112-2の形成時に中央分離溝112cが加圧されることによって圧力を適切に分散させることができ、それにより
図4のように、柱部111および係止突起112a,112bの形状が意図した形状を維持し、柱部111が第1ストラップ11で座屈なしに垂直に突出した断面構造を形成することができる。
【0039】
雌結合部120は、対で配置された壁体部121で雄結合部110の両側を把持する。フック部122は壁体部121の間の収容空間(
図6の121aを参照)側に屈折して雄結合部110の係止突起112a,112bに係止されるようになっている。このような構造によって、特に高さが異なる第1ヘッド部112-1と第2ヘッド部112-2の間に結合構造の差異が発生し得るが、具体的には次のような部分を含み得る。まず
図3および
図4を参照すると、雄結合部110と雌結合部120の結合時、第2ヘッド部112-2の係止突起112a,112bと雌結合部120のフック部122の間の間隔(
図4のb1’,b2’)が、第1ヘッド部112-1の係止突起112a,112bと雌結合部120のフック部122の間の間隔(
図3のb1,b2)より小さくてもよい。すなわち、第2ヘッド部112-2の係止突起112a,112bは雌結合部120のフック部122とさらに近接するように結合されることができる。
【0040】
また、第1高aと第2高さa’の差(a-a’であり得る)より、雄結合部110と雌結合部120の結合時、第1ヘッド部112-1の係止突起112a,112bと雌結合部120のフック部122の間の間隔b1,b2と、第2ヘッド部112-2の係止突起112a,112bと雌結合部120のフック部122の間の間隔b1’,b2’の差(それぞれb1-b1’,b2-b2’であり得る)がより小さく形成されることができる。すなわち、圧力によって押された第2ヘッド部112-2は第1ヘッド部112-1に対する高さの差より、係止突起112a,112bがフック部122側により多く移動することができる。これも中央分離溝112cによる適切な圧力分散効果により現れる。さらに、
図5に示すように、第2ヘッド部112-2の幅F’は第1ヘッド部112-1の幅Fより大きく形成され得、これは圧力による変形効果であり得る。そのため、相対的に幅が広い第2ヘッド部112-2はフック部122により強く結束することができる。
【0041】
また、
図3および
図4に示すように、第2ヘッド部112-2を支持する柱部111の幅c’が第1ヘッド部112-1を支持する柱部111の幅cより大きく形成されることができる。柱部111の幅はヘッド部と連結された地点の幅を基準として図示した。圧力が加えられていない第1ヘッド部112-1を支持する柱部111だけでなく、圧力が加えられた第2ヘッド部112-2を支持する柱部111も実質的に第1ストラップ11に対して垂直な状態を維持し、ただ柱部111の幅が増加する形態のみに変形が制限される。これも中央分離溝112cから両側に圧力が分散することにより現れる効果であって、中央分離溝112cを用いて柱部111の座屈を防ぎ、高さと幅c’のみ増加した形態に変形させることができる。
【0042】
このような第2ヘッド部112-2と第1ヘッド部112-1の間の結合構造の差異は、互いに交互に配置された第2ヘッド部112-2と第1ヘッド部112-1の間で周期的に繰り返されるものであるため、このような差異の相互作用により周期的な効果音を作り出すことができる。例えば、周期的に配列された第2ヘッド部112-2は柱部111の幅c’と幅F’は相対的に大きく、係止突起112a,112bとフック部122の間の間隔b1’,b2’は相対的に小さいため第1ヘッド部112-1より雌結合部120とさらに強く結合されることができる。そのため、雌結合部120と雄結合部110を互いに押して結合したり、または互いに引っぱって分離する時、微妙な外力の差異、結合または分離時間の差異、構造的な差異によって発生する弾性力の差異とそれに伴う振動(または振動音)の差異などが周期的に生成されるので、それによる効果音が雌結合部120と雄結合部110を開閉する際に現れ得る。また、ユーザーは手で圧力を加えて雌結合部120と雄結合部110を共にしごくなどの方式で接触するので、接触時に感触からも雄結合部110の周期的な変化をより強く感じることができる。これによって、ユーザーはジッパーストラップ構造体10の開閉の際に開閉動作を感覚的に認知して明らかに知ることができる。
【0043】
また、上述したような結合構造の差異があっても、
図3および
図4のように柱部111は第1ヘッド部112-1や第2ヘッド部112-2両方で第1ストラップ11に対して垂直な形態を維持し、雌結合部120の壁体部121と密着するため雌結合部120と雄結合部110は非常に堅固に密封される。
図3ないし
図8に示すように、ヘッド部112は一対の係止突起112a,112bのうち一つが他の一つよりさらに大きい非対称構造で形成され得、そのような非対称構造も前述した中央分離溝112cの圧力分散によって第1ヘッド部112-1および第2ヘッド部112-2側でそれぞれ正確に維持されることができる。例えば、係止突起112a,112bのうち相対的に大きな側は包装用バッグ等の内容物が位置する内側に配置されて内容物の圧力などにより結合が解体されないようにすることができ、係止突起112a,112bのうち相対的に小さい側は反対側の入口側に配置されて人が入口を開ける際はより容易に開けることに役立つ。
【0044】
前述したように、このような構造にするためには加圧時に圧力を分散させる中央分離溝112cが非常に重要であり、中央分離溝112cの大きさに応じてより適した上述の構造形成の効果が現れる。好ましくは、中央分離溝112cの深さ(
図3および
図4のd)はヘッド部の高さから柱部111の高さを除いた、ヘッド部のみの高さ(
図3および
図4のE、E’)を超えない。すなわち、中央分離溝112cの深さがヘッド部を超えないように形成することによって雄結合部110全体の剛性をそのまま維持しつつ圧力の分散効果を追加することができる。第1ヘッド部112-1のみの高さEと第2ヘッド部112-2のみの高さE’の間には圧力による変形などによる部分的な差があり得るが、中央分離溝112cはそのようなヘッド部のみの高さは超えない深さに形成されることができる。このような構造により本発明のジッパーストラップ構造体10を形成することができる。
【0045】
以下、
図9を参照して本発明によるジッパーストラップ構造体が含まれた包装用バッグについて詳細に説明する。以下、言及されるジッパーストラップ構造体は前述したジッパーストラップ構造体と実質的に同一であるため、前述したジッパーストラップ構造体の技術的特徴を同様に含む。したがって、それについて重複する説明は省略し、特に言及されないジッパーストラップ構造体に関する説明はすべて前述した説明で代える。
【0046】
図9は本発明の一実施形態によるジッパーストラップ構造体が含まれた包装用バックの斜視図である。
図9の拡大図は拡大した部分の断面を示す図である。
【0047】
上述したようなジッパーストラップ構造体10に係る説明に基づいて、ジッパーストラップ構造体が含まれた包装用バッグ1の一実施形態を説明する。
図9を参照すると、ジッパーストラップ構造体が含まれた包装用バッグ1は、前述したジッパーストラップ構造体10が包装用バッグ1の開口部1aに付着して形成される。包装用バッグ1はビニールなどを材質として形成でき、開口部1aは包装用バッグ1の入口であり得る。包装用バッグ1は開口部1aの反対側が塞がっていて内部に内容物を入れることができ、大きさや容量などはいくらでも変えることができる。それによって開口部1aの大きさが変われば、ジッパーストラップ構造体10の長さや幅などを対応して合わせることができるので、包装用バッグ1の開口部1aをジッパーストラップ構造体10で容易に密封することができる。
【0048】
包装用バッグ1の開口部1aの開閉時、例えばユーザーは手で圧力を加えて開口部1aまたは開口部1aに配置されたジッパーストラップ構造体10をしごいたり引っぱって操作することができる。そのような場合、ジッパーストラップ構造体10は、前述したように第1ヘッド部112-1と第2ヘッド部112-2が交互に配置された雄結合部110が雌結合部120と結合したりまたは分離することにより、周期的な構造による作動音や操作感をユーザーに提供する。ユーザーはそれから包装用バッグ1の開閉の程度を明確に認知できるので、包装用バッグ1をより便利に使用することができる。また、ジッパーストラップ構造体10が結合された状態では前述したような構造の雄結合部110と雌結合部120が開口部1aを綿密に密封するので、包装用バッグ1内の容物が漏れないように保管することができる。このような方式でジッパーストラップ構造体10が含まれた包装用バッグ1を形成することができる。
【0049】
しかし、ジッパーストラップ構造体10の適用範囲が包装用バッグなどに制限される必要はないので、ジッパーを用いた開閉が必要なまた他の製品にもジッパーストラップ構造体10をいくらでも適用することができる。
【0050】
以下、
図10ないし
図14を参照して本発明によるジッパーストラップ構造体の製造方法について詳細に説明する。以下に言及されるジッパーストラップ構造体は前述したジッパーストラップ構造体と実質的に同様であるため、特に言及されない具体的な事項に係る説明はすべて前述した説明で代える。
【0051】
図10ないし
図12は本発明の一実施形態によるジッパーストラップ構造体の製造方法を例示的に示す図であり、
図13および
図14はジッパーストラップ構造体の製造方法のうち
図12の加圧装置でヘッド部を加圧する過程をより詳細に示す図である。
【0052】
上述したジッパーストラップ構造体(
図1の10を参照)は具体的には次のような方式で製造することができる。ジッパーストラップ構造体は押出成形と、加圧成形を順次適用して製造することができる。
【0053】
具体的にはジッパーストラップ構造体の製造方法は、次のような段階を含む。先ず、押出成形により、第1ストラップ11と第1ストラップ11から突出し第1ストラップ11の長手方向に延びた柱部111と、柱部111の末端で第1ストラップ11の幅方向に拡張され第1ストラップ11の長手方向に延びて形成された一対の係止突起112a,112bと、柱部111の末端外面が係止突起112a,112bの間に凹形に湾入し第1ストラップ11の長手方向に延びて形成された中央分離溝112cが含まれたヘッド部112を含む雄結合部110を一定の断面を有するように成形する(段階(a)-
図10を参照)。
【0054】
その後、加圧装置30でヘッド部の一部分を繰り返し加圧して雄結合部110の断面を変形し、中央分離溝112cに圧力を加え、第2ヘッド部112-2の係止突起を両側に広げながら加圧して、第1ストラップ11に対して第1高さ(
図3のaを参照)に配置された第1ヘッド部112-1と、第1ストラップ11に対して第1高さより低い第2高さ(
図4のa’を参照)に配置された第2ヘッド部112-2を第1ストラップ11の長手方向に沿って交互に配列する(段階(b)-
図12を参照)。
【0055】
さらに、押出成形により、第2ストラップ12と、第2ストラップ12から突出して第2ストラップ12の長手方向に延び、ヘッド部112を収容する収容空間121aを間に置いて離隔配置された一対の壁体部121と、壁体部121の末端で収容空間121a側に屈折し第2ストラップ12の長手方向に延びた一対のフック部122を含む雌結合部120を一定の断面を有するように成形することができる(段階(c)-
図11を参照)。
【0056】
すなわち、ジッパーストラップ構造体は押出成形方式で第1ストラップ11と雄結合部110を一体に成形し(段階(a))、加圧装置30で加圧して雄結合部110に第1ヘッド部112-1と第2ヘッド部112-2を形成する過程(段階(b))を含み得る。反面、第2ストラップ12と雌結合部120は加圧過程なしに、押出成形方式だけで製造することができる(段階(c))。第2ストラップ12と雌結合部120を形成する段階(段階(c))は、第1ストラップ11と雄結合部110を形成する残りの段階(段階(a)および段階(b))とは独立的であるため、残りの段階のいずれか一つと重複しても構わない。第1ストラップ11と雄結合部110の押出過程と、第2ストラップ12と雌結合部120の押出過程を先に説明すると、次のとおりである。
【0057】
例えば、それぞれは押出装置20から同じ断面を有するように圧力によって押し出されながら成形されることができる。
図10および
図11にはそのような過程が概念的に示されている。それぞれの押出装置20は末端にノズルが形成されることができ、それぞれのノズルは第1ストラップ11と雄結合部110の断面と対応する形状、および第2ストラップ12と雌結合部120の断面と対応する形状に形成されている。このようなノズルを介して溶融した材料を加圧して吐出させると、
図10のように前述した断面形状を有する第1ストラップ11と雄結合部110を成形でき、また、
図11のように前述した断面形状を有する第2ストラップ12と雌結合部120を成形することができる。図示していないが、それぞれの押出物は押出装置20の外側で冷却水などによって冷却され得る。
【0058】
ただし、それぞれは押出成形によって同じ断面を有するように成形されるので、押出された第1ストラップ11と雄結合部110には、再び加圧装置30で圧力を加えてヘッド部112の高さと幅を変形する工程を行う。そのような加圧過程が
図12に例示されている。加圧装置30は例えば、歯車形状の突起31が形成された回転体で形成でき、回転体を回転させながら突起31を繰り返してヘッド部の上端に接触させることができる。加圧時には、熱も共に提供でき、例えば、加圧装置30を適切な温度に加熱させた状態で加圧することによって熱を提供することができる。このような過程(段階(c))は押出成形(段階(a))により同じ断面を有するように成形されたヘッド部(
図10の112を参照)を再び繰り返し加圧して断面を変形する過程であり得る。特に突起31はヘッド部112の中央分離溝112cに圧力を加えて第2ヘッド部112-2の係止突起を両側に広げながら加圧することができる。
【0059】
加圧過程は
図13および
図14によりさらに詳細に示される。
図13は加圧装置30の突起31が中央分離溝112cを押す前の状態であり、そのため、実質的に第1ヘッド部112-1とも同一である。このような状態で加圧装置30の突起31が回転して中央分離溝112cを加圧すると
図14のように高さが低い第2ヘッド部112-2が形成される。すなわち、加圧されていない部分は前述した第1高さを有する第1ヘッド部112-1として形成され、加圧された部分はそれより低い第2高さを有する第2ヘッド部112-2として形成される。特に、突起31を用いて中央分離溝112cに圧力を加えることができ、それにより第2ヘッド部112-2の係止突起112a,112bを両側に広げながら加圧することができる。この際、図示するように中央分離溝112cにより圧力が分散して溝の両側に圧力がバランスよく伝達され、これによって先立って前述したように座屈なしに、柱部111を実質的に垂直に維持しながら、第2ヘッド部112-2の高さを低くすることができる。
【0060】
また、中央分離溝112cの圧力分散効果によって、両側の係止突起112a,112bが互いに反対側に広がりながら加圧されるので、前述したように第2ヘッド部112-2は高さが低くなると同時に幅(
図5のF’を参照)は拡張される。この時にも圧力が中央分離溝112cを介して両側にバランスよく伝達されるので、係止突起112a,112bはつぶれるなどの形状変形なしに非常に正確な形態を維持するようになる。すなわち、圧力を受けなかった第1ヘッド部112-1と実質的に大きな差がなく正確な形態を有する係止突起112a,112bを中央分離溝112cを用いて第2ヘッド部112-2に形成することができる。中央分離溝112cの両側にバランスよく分配された圧力は、図示するように第2ヘッド部112-2を支える柱部111を両側でバランスよく押して座屈なしに幅(
図4のc’を参照)のみを増加させることができる。
【0061】
このような加圧過程(段階(b))の変形により、前述したように雄結合部110と雌結合部120の結合時、第2ヘッド部112-2の係止突起112a,112bと雌結合部120のフック部122の間の間隔b1’,b2’が第1ヘッド部112-1の係止突起112a,112bと雌結合部120のフック部122の間の間隔b1,b2より小さくなる。したがって、それによって前述したような第1ヘッド部112-1と第2ヘッド部112-2の間の差異を誘発し得る。すなわち、前述したように、第2ヘッド部112-2は係止突起112a,112bとフック部122の間の間隔b1’,b2’が相対的に小さいので、第1ヘッド部112-1より雌結合部120とさらに強く結合され得、そのため、雌結合部120と雄結合部110を互いに押して結合したり、または、互いに引いて分離する時、微妙な外力の差異、結合または分離時間の差異、構造的な差異によって発生する弾性力の差異とそれによる振動(または振動音)の差異などが周期的に生じ得る。したがって、それによる効果音が雌結合部120と雄結合部110の開閉時に生じ得、ユーザーは手で圧力を加えて雌結合部120と雄結合部110を共にしごくなどの方式で接触するので接触時の感触によっても雄結合部110の周期的な変化を強く感じることができる。
【0062】
このような加圧による変形過程は、本発明の特有かつ効果的なものであって、比較実施形態と比較すると効果はより明らかに確認される。以下、顕微鏡写真による本発明の一実施形態と比較実施形態の比較により本発明の効果についてより具体的に説明する。
【0063】
図15および
図16は本発明の一実施形態によるジッパーストラップ構造体の断面写真であり、
図17ないし
図20は比較実施形態の断面写真である。それぞれは本発明の一実施形態によるジッパーストラップ構造体と比較実施形態の切られた断面を拡大して撮影した顕微鏡写真である。
【0064】
図15および
図16には本発明の一実施形態によるジッパーストラップ構造体の断面写真が示されている。
図15は加圧されていない第1ヘッド部(
図3の112-1を参照)側の断面写真であり、
図16は(熱と共に)加圧されて形成された第2ヘッド部(
図4の112-2を参照)側の断面写真である。それぞれは係止突起(
図3および
図4の112a,112bを参照)の形状が明らかであり、中央分離溝(
図3および
図4の112cを参照)が明確に実現されており、柱部(
図3および
図4の111を参照)が座屈せずに第1ストラップ(
図3および
図4の11を参照)に対して垂直に伸びている状態が確認される。前述した本発明の製造方法により実際このような断面を有するジッパーストラップ構造体を製造することができる。
【0065】
それに対して、比較実施形態(類似形態の雌結合部と雄結合部を含むジッパーストラップ製品であり得る)の断面を
図17~20で確認することができる。
図17には本発明の雄結合部に該当する構造(写真の下から上に突出している構造)が示されているが、中央分離溝112cのような溝構造は全く形成されていないことが確認される。かえって中央に上方に突出した突出部Xが確認される。
図18、
図19、および
図20はこのような
図17に圧力を加えて変形させた例である。すなわち、
図17は本発明の第1ヘッド部(圧力を加える前構造)に対応でき、
図18、
図19、および
図20はいずれも本発明の第2ヘッド部((熱と共に)圧力を加えて変形させた構造)に対応する。しかし、
図18、
図19、
図20はいずれも座屈が発生して横に反っていることが明らかに確認され、そのため雌結合部に該当する上部構造とも綿密な結合構造を全く形成できていないことが確認される。特に、比較実施形態の場合、圧力を加えて変形させた時、
図18、
図19、
図20のように本発明の係止突起に該当する部分がつぶれて係止突起としての役割を果たすことが難しいことがわかる。
【0066】
比較実施形態は
図17のように中央に突出部Xが突出している雄結合部を(熱と共に)直接加圧した時にいかなる結果が現れるのかを示す。突出部Xが形成された場合、加えられた圧力を分散することが難しく雄結合部に該当する構造全体に不規則な変形が発生し、柱部に該当する構造はほとんど座屈する。したがって、本発明の第2ヘッド部のように正常な形態を維持しながら押された構造にすることは難しいということがわかる。また、座屈により、不均一な圧力によって係止突起に該当する構造自体がつぶれるか破壊されるので、ジッパーストラップとして使用することは難しいことがわかる。
【0067】
比較実施形態のように加圧された部分(
図18、
図19、および
図20)が座屈し、つぶれる場合、本発明のように周期的に第1ヘッド部と第2ヘッド部が繰り返される構造にすることは難しい。無理に加圧して変形しても、
図18、
図19、および
図20のように加圧された部分が不規則に座屈してつぶれるので、ジッパーストラップ全体が均一に開閉できず、本来の性能を維持することが難しくなる。ジッパーを閉じても写真のように座屈またはつぶれた部分によって内容物が漏れ得、開閉の際に音もよく出ず、音や触感も均一でないためかえって不安感を与えてしまう。本発明とのこのような差異は中央分離溝112cのような圧力散逸構造の部材によるものであることを突出部Xを有する比較実施形態との比較によっても確認することができる。したがって、このような比較によっても本発明の効果は優れることがわかる。
【0068】
以上、添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明のジッパーストラップ構造体は、雌雄結合が非常に正確かつ精密になされる。また、作動時の触覚および聴覚によりユーザーにジッパーストラップ構造体が開いているか閉まっているかも直観的に認識させることができるので、本発明のジッパーストラップ構造体を包装用バッグなどに適用して内容物を密封するのに有用に使用することができる。また、その他にもジッパーの開閉が可能な多様な製品に本発明を適用することができる。また、本発明の製造方法により、このように改善されたジッパーストラップ構造体を非常に便利かつ効果的に製造できるだけでなく製造過程における不良率も顕著に減らすことができるので、改善されたジッパー構造が必要な多様な製品の製作に本発明の製造方法を適用することができる。したがって、本発明は産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0070】
1 包装用バッグ
1a 開口部
10 ジッパーストラップ構造体
11 第1ストラップ
12 第2ストラップ
20 押出装置
30 加圧装置
31 突起
110 雄結合部
111 柱部
112 ヘッド部
112a,112b 係止突起
112c 中央分離溝
112-1 第1ヘッド部
112-2 第2ヘッド部
120 雌結合部
121 壁体部
121a 収容空間
122 フック部
【国際調査報告】