(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】TFT-LCDフロート法ガラス基板加工ライン
(51)【国際特許分類】
C03B 33/033 20060101AFI20240816BHJP
C03C 23/00 20060101ALI20240816BHJP
C03C 19/00 20060101ALI20240816BHJP
B28D 5/00 20060101ALI20240816BHJP
B28D 7/00 20060101ALI20240816BHJP
B24B 9/10 20060101ALI20240816BHJP
B24B 37/10 20120101ALI20240816BHJP
B24B 49/02 20060101ALI20240816BHJP
B24B 49/12 20060101ALI20240816BHJP
B24B 7/00 20060101ALI20240816BHJP
B24B 9/00 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
C03B33/033
C03C23/00 A
C03C19/00 Z
B28D5/00 Z
B28D7/00
B24B9/10 D
B24B37/10
B24B49/02 Z
B24B49/12
B24B7/00 A
B24B9/00 601B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533284
(86)(22)【出願日】2023-05-19
(85)【翻訳文提出日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 CN2023095269
(87)【国際公開番号】W WO2024012048
(87)【国際公開日】2024-01-18
(31)【優先権主張番号】202210827254.5
(32)【優先日】2022-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522027518
【氏名又は名称】蚌埠中光▲電▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BENGBU CHINA OPTOELECTRONIC TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.199,Shiwu Rd.,Bengbu,Anhui 233000,China
(71)【出願人】
【識別番号】519375963
【氏名又は名称】中建材玻璃新材料研究院集▲団▼有限公司
【住所又は居所原語表記】No. 1047 Tushan Road Bengbu, Anhui 233010 China
(71)【出願人】
【識別番号】523177001
【氏名又は名称】中国建材集団有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】彭 寿
(72)【発明者】
【氏名】張 沖
(72)【発明者】
【氏名】曹 志強
(72)【発明者】
【氏名】▲占▼ 楠
(72)【発明者】
【氏名】江 龍躍
(72)【発明者】
【氏名】呉 傀
(72)【発明者】
【氏名】金 良茂
(72)【発明者】
【氏名】王 昌振
【テーマコード(参考)】
3C034
3C043
3C049
3C069
3C158
4G015
4G059
【Fターム(参考)】
3C034AA08
3C034AA13
3C034AA19
3C034BB83
3C034BB93
3C034CA03
3C034CA04
3C034CA05
3C034CA22
3C034CA26
3C034CB13
3C034DD08
3C034DD18
3C034DD20
3C043BA04
3C043BA07
3C043CC04
3C043CC12
3C043DD12
3C049AB03
3C049AC02
3C049CA01
3C049CB01
3C049CB03
3C069AA01
3C069BA01
3C069BB04
3C069CA11
3C069CB03
3C069DA00
3C069EA01
3C158AB03
3C158AC02
3C158CA01
3C158CB01
3C158CB03
3C158EA11
4G015FA03
4G015FA04
4G015FB01
4G015FC04
4G015FC14
4G059AA01
4G059AB03
4G059AB13
4G059AB19
4G059AC03
(57)【要約】
仕上げ切り・エッジ研磨作業区域と、面研削作業区域と、検査梱包作業区域とを順に有するTFT-LCDフロート法ガラス基板加工ラインであって、仕上げ切り・エッジ研磨作業区域内には、冷端裁断装置と、仕上げ切り・ブレイク装置と、多軸エッジ研磨装置と、エッジ研磨後洗浄装置と、第1エッジ検査機装置と、第1サイズ測定装置と、研削幅測定装置と、跳ね上げコンベアと、積載ラックとが順に取り付けられており、面研削作業区域内には、貼付機入り口コンベアと、第1真空移載吸盤と、貼付機装置と、面研削装置と、剥離機装置と、第2真空移載吸盤と、面研削後洗浄機と、第1面検査機装置と、最終洗浄機と、第3面検査機装置と、第2エッジ検査機装置と、第2サイズ測定装置と、厚さ測定装置とが順に取り付けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工程の特徴と区域によって、仕上げ切り・エッジ研磨作業区域(1)と、面研削作業区域(2)と、検査梱包作業区域(3)とを順に有するTFT-LCDフロート法ガラス基板加工ラインであって、
前記仕上げ切り・エッジ研磨作業区域(1)でガラス基板のエッジに対して仕上げ加工および洗浄を行い、面研削作業区域(2)でガラス基板の表面に対して仕上げ加工および洗浄を行い、検査梱包作業区域(3)で仕上げ加工されたガラス基板に対して検定および梱包を行う、TFT-LCDフロート法ガラス基板加工ライン。
【請求項2】
前記仕上げ切り・エッジ研磨作業区域(1)内には、冷端裁断装置(11)と、仕上げ切り・ブレイク装置(12)と、多軸エッジ研磨装置(13)と、エッジ研磨後洗浄装置(14)と、第1エッジ検査機装置(15)と、第1サイズ測定装置(16)と、研削幅測定装置(17)と、跳ね上げコンベアと、積載ラックとが順に取り付けられており、
前記面研削作業区域(2)内には、貼付機入り口コンベア(21)と、第1真空移載吸盤(22)と、貼付機装置(23)と、面研削装置と、剥離機装置(27)と、第2真空移載吸盤(28)と、面研削後洗浄機(29)と、第1面検査機装置(210)と、最終洗浄機(211)と、第3面検査機装置と、第2エッジ検査機装置と、第2サイズ測定装置と、厚さ測定装置とが順に取り付けられており、前記検査梱包作業区域(3)内には、仮置き検査台装置と、製品検査装置と、自動転送装置と、人工抜き取り検査台と、アンロード手段と、製品梱包手段とが順に取り付けられている、請求項1に記載のTFT-LCDフロート法ガラス基板加工ライン。
【請求項3】
前記冷端裁断装置(11)は、第2面検査機装置(111)と、厚さ検査機装置(112)と、縦裁断機装置(113)と、機械アーム(114)と、自動重量計量装置(115)と、廃品区域(116)とを含む、請求項2に記載のTFT-LCDフロート法ガラス基板加工ライン。
【請求項4】
第2面検査機装置(111)、厚さ検査機装置(112)には全自動検査システムが配置されており、ガラス基板が冷却された後に、第2面検査機装置(111)、厚さ検査機装置(112)によって、ガラス基板に厚さ不良があるかどうかを検査選別し、検査基準に適合した領域や検査基準に適合しない領域を標識する、請求項3に記載のTFT-LCDフロート法ガラス基板加工ライン。
【請求項5】
ガラス基板は、自動転送装置で縦裁断機装置(113)に流れ込み、縦裁断機装置(113)は、ガラス基板における検査基準に適合した領域と検査基準に適合しない領域を部分裁断し、縦裁断機装置(113)によって、ガラス基板の検査基準に適合した領域が、所望の8.5世代/10.5世代/11世代基準のガラス基板半製品に裁断される、請求項3に記載のTFT-LCDフロート法ガラス基板加工ライン。
【請求項6】
自動重量計量装置(115)は、自動転送装置で縦裁断機装置(113)から流れ込んだガラス基板半製品の重量を計量し、合格したガラス基板半製品が自動的に仕上げ切り・ブレイク装置(12)に流れ込む、請求項3に記載のTFT-LCDフロート法ガラス基板加工ライン。
【請求項7】
仕上げ切り・ブレイク装置(12)、多軸エッジ研磨装置(13)は、前工程から渡されたガラス基板情報に基づいてサイズを識別し、仕上げ切り・ブレイク装置(12)、多軸エッジ研磨装置(13)が自動的に8.5世代/10.5世代/11世代等の複数の種類のサイズに対応する加工位置に切り替えられる、請求項3に記載のTFT-LCDフロート法ガラス基板加工ライン。
【請求項8】
面研削装置は研削機台を含み、研削機台は上部研削盤と、下部パレット固定プラットフォームと、自動移載転送装置とを含み、前記研削機台は、3組に設置されており、それぞれ粗研削機(24)、細研削機(25)、精密研削機(26)である、請求項2に記載のTFT-LCDフロート法ガラス基板加工ライン。
【請求項9】
粗研削機(24)はガラス表面に1次研削を行い、ガラス基板表面の大きな粒子欠陥を除去し、細研削機(25)はガラス表面に2次研削を行い、ガラス基板表面の小さな粒子欠陥を除去し、精密研削機(26)はガラス表面に3次研削を行い、ガラス基板表面を修復する、請求項8に記載のTFT-LCDフロート法ガラス基板加工ライン。
【請求項10】
第1面検査機装置(210)は、ガラス基板表面に対して自動検査判断を行い、3つのレベルに分けて、それぞれ重度不良品、軽微不良品、良品であり、重度不良品は自動転送装置で廃品区域(116)に転送され廃棄され、軽微不良品は自動転送装置で貼付機入り口コンベア(21)に戻り、再び貼付され研削される、請求項3に記載のTFT-LCDフロート法ガラス基板加工ライン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本発明は、2022年7月13日に中国国家知的財産権局へ出願された、発明の名称が「高世代TFT-LCDフロート法ガラス基板加工ライン」であり、出願番号202210827254.5の中国特許出願に基づく優先権を主張する。その全ての内容は、援用により本発明に組み込まれる。
本発明は、TFT-LCDフロート法ガラス基板加工分野に関し、具体的には、TFT-LCDフロート法ガラス基板加工ラインに関する。
【背景技術】
【0002】
TFT-LCDガラス基板は電子情報表示産業の重要な戦略材料であり、現在、TFT-LCDガラス基板の生産における核心技術は長期にわたり他人に制約されており、特に、8.5世代、10.5世代およびそれ以上の大型ガラス基板は、製品市場がコーニング、旭硝子など少数の企業に完全に独占されている。現在、TFT-LCDガラス基板の生産はオーバーフローダウンドロー法とフロート法の2種類に分けられている。
【0003】
フロート法TFT-LCDガラス基板の完成に伴い、ガラス基板による仕上げ加工技術も生まれた。オーバーフローダウンドローで生産される成形プロセスと異なり、フロート法で生産される成形プロセスは、主にガラス液が金属スズ液槽の表面を流れ、その後、関連するプロセスで制御してから、冷却成形を行ってガラス基板が形成される。スズ液面に接するガラス表面は下流の液晶メーカーの加工面であり、そのガラス製造プロセスの特性により、加工面にスズの点や傷などの微視的に欠陥が発生する可能性がある。しかし、下流の液晶パネルメーカーは、加工された製品ガラス基板の表面にスズの点や傷などの欠陥がなく、微視的には表面が極度な平坦化であることが要求されている。そのため、フロートガラス基板の加工ラインは、オーバーフローダウンドロー法の加工ラインと異なり、顧客のニーズを満たすガラス基板を加工するように、独自の加工生産プロセスの組み合わせを持つことが要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明実施例の目的は、高効率、高精度、高生産量のTFT-LCDフロートガラス基板加工ラインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明実施例に提案されたTFT-LCDフロート法ガラス基板加工ラインは、工程の特徴と区域によって、仕上げ切り・エッジ研磨作業区域と、面研削作業区域と、検査梱包作業区域とを順に有するTFT-LCDフロート法ガラス基板加工ラインであって、前記仕上げ切り・エッジ研磨作業区域でガラス基板のエッジの仕上げおよび洗浄を行い、面研削作業区域でガラス基板の表面の仕上げおよび洗浄を行い、検査梱包作業区域で仕上げされたガラス基板の検定および梱包を行う。
【0006】
本発明のいくつかの実施例では、前記仕上げ切り・エッジ研磨作業区域内には、冷端裁断装置と、仕上げ切り・ブレイク装置と、多軸エッジ研磨装置と、エッジ研磨後洗浄装置と、第1エッジ検査機装置と、第1サイズ測定装置と、研削幅測定装置と、跳ね上げコンベアと、積載ラックとが順に取り付けられており、前記面研削作業区域内には、貼付機入り口コンベアと、第1真空移載吸盤と、貼付機装置と、面研削装置と、剥離機装置と、第2真空移載吸盤と、面研削後洗浄機と、第1面検査機装置と、最終洗浄機と、第3面検査機装置と、第2エッジ検査機装置と、第2サイズ測定装置と、厚さ測定装置とが順に取り付けられており、前記検査梱包作業区域内には、仮置き検査台装置と、製品検査装置と、自動転送装置と、人工抜き取り検査台と、アンロード手段と、製品梱包手段とが順に取り付けられている。
【0007】
本発明のいくつかの実施例では、前記冷端裁断装置は、第2面検査機装置と、厚さ検査機装置と、縦裁断機装置と、機械アームと、自動重量計量装置と、廃品区域とが含まれている。
【0008】
本発明のいくつかの実施例では、前記第2面検査機装置、前記厚さ検査機装置には全自動検査システムが配置されており、ガラス基板が冷却された後に、前記第2面検査機装置、前記厚さ検査機装置によって、ガラス基板に厚さ不良があるかどうかを検査選別し、検査基準に適合した領域や検査基準に適合しない領域を標識する。
【0009】
本発明のいくつかの実施例では、ガラス基板は、自動転送装置で前記縦裁断機装置に流れ込み、前記縦裁断機装置は、ガラス基板における検査基準に適合した領域や検査基準に適合しない領域を部分裁断し、前記縦裁断機装置によって、ガラス基板における検査基準に適合した領域が、所望の8.5世代/10.5世代/11世代基準のガラス基板半製品に裁断される。
【0010】
本発明のいくつかの実施例では、前記自動重量計量装置は、自動転送装置で前記縦裁断機装置から流れ込んだガラス基板半製品の重量を計量し、合格したガラス基板半製品が自動的に前記仕上げ切り・ブレイク装置に流れ込む。
【0011】
本発明のいくつかの実施例では、前記仕上げ切り・ブレイク装置、前記多軸エッジ研磨装置は、前工程から渡されたガラス基板情報に基づいてサイズを識別し、前記仕上げ切り・ブレイク装置、前記多軸エッジ研磨装置が自動的に8.5世代/10.5世代/11世代等の複数の種類のサイズに対応する加工位置に切り替えられる。
【0012】
本発明のいくつかの実施例では、前記面研削装置は研削機台を含み、前記研削機台は上部研削盤と、下部パレット固定プラットフォームと、自動移載転送装置とを含み、前記研削機台は、3組に設置されており、それぞれ粗研削機、細研削機、精密研削機である。
【0013】
本発明のいくつかの実施例では、前記粗研削機はガラス表面に1次研削を行い、ガラス基板表面の大きな粒子欠陥を除去し、前記細研削機はガラス表面に2次研削を行い、ガラス基板表面の小さな粒子欠陥を除去し、前記精密研削機はガラス表面に3次研削を行い、ガラス基板表面を修復する。
【0014】
本発明のいくつかの実施例では、前記第1面検査機装置は、ガラス基板表面に対して自動検査判断を行い、3つのレベルに分けて、それぞれ重度不良品、軽微不良品、良品であり、重度不良品は自動転送装置で前記廃品区域に転送され廃棄され、軽微不良品は自動転送装置で前記貼付機入り口コンベアに戻り、再び貼付され研削される。
【発明の効果】
【0015】
本発明はTFT-LCDフロート法ガラス基板加工ラインであり、サイズが2200mm×2500mmである8.5世代、およびサイズが3370mm×2940mmである10.5世代/11世代等の大きいサイズのTFT-LCDフロート法ガラス基板を加工することができ、冷端裁断装置が改良され、装置が自動的に異なるサイズに対応する作業位置に切り替えることができ、生産効率が高く、製品サイズが大きく、製品精度が高く、製品性能が優れ、生産能力が大きいなどの利点がある。
【0016】
ここで説明される図面は本発明のさらなる理解を提供するために、本発明の一部を構成し、本願の模式的な実施例およびその説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明に不当な限定を加えるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は本発明にかかる実施例の後加工ラインの全体構造の模式図である。
【
図2】
図2は本発明にかかる実施例の仕上げ切り・エッジ研磨作業区域の構造の模式図。
【
図3】
図3は本発明にかかる実施例の面研削作業区域の構造の模式図。
【
図4】
図4は本発明にかかる実施例の冷端裁断装置の構造の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の目的、技術案、および利点をより明確にするために、以下、図面を参照しつつ実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。明らかに、記載された実施例は本願の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が得られる他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲に属する。
【0019】
図1に示すように、本発明実施例は、TFT-LCDフロート法ガラス基板加工ラインが提案され、工程の特徴と区域によって、順に3つの作業区域に分けて設置されており、順番に仕上げ切り・エッジ研磨作業区域1、面研削作業区域2、検査梱包作業区域3である。3つの作業区域は順次つながり、対応に設置された電気制御システムによって統一的な協調動作が実現され、仕上げ切り・エッジ研磨作業区域1でガラス基板のエッジの仕上げおよび洗浄を行い、面研削作業区域2でガラス基板の表面の仕上げおよび洗浄を行い、検査梱包作業区域3で仕上げされたガラス基板の検定および梱包を行う。
【0020】
本発明は、TFT-LCDフロート法ガラス基板加工ラインを提供し、サイズが2200mm×2500mmである8.5世代、およびサイズが3370mm×2940mmである10.5世代/11世代等の大きいサイズのTFT-LCDフロート法ガラス基板を加工することができ、冷端裁断装置が改良され、装置が自動的に異なるサイズに対応する作業位置に切り替えることができ、生産効率が高く、製品サイズが大きく、製品精度が高く、製品性能が優れ、生産能力が大きいなどの利点がある。
【0021】
オーバーフローダウンドロー法による加工ラインに比べて、本発明技術案では、仕上げ切り・エッジ研磨作業区域と検査梱包作業区域との間には、面研削作業区域が設置されている。即ち、検査梱包作業を行う前に、生産されたガラス基板の表面が下流の加工に必要される、微視的に極度な平坦化の要求を満たすことができるように、ガラス基板表面の研削等の仕上げおよび洗浄を行う。
【0022】
図1に示すように、仕上げ切り・エッジ研磨作業区域1と面研削作業区域2は自動転送装置100で転送がつながり、面研削作業区域2と検査梱包作業区域3は自動転送装置で転送がつながる。自動転送装置100は、ガラス基板生産ラインで一般的に使用される転送装置であり、
図1には自動転送装置100の一部のコンベアのみが示されており、自動転送装置100の電気制御部品およびコンベア駆動等の部品が示されていない。
【0023】
図1に示すように、仕上げ切り・エッジ研磨作業区域1は、コンベアの転送方向に沿って、冷端裁断装置11とエッジ研磨区域120とが順に設置されており、ガラス基板は、成形・アニール・冷却された後、まず、冷端裁断装置11によって横方向に及び両側が裁断され、その後、エッジ研磨区域120によって切断面と両側の断面が研削される。エッジ研磨されたガラス基板は、コンベアによって面研削作業区域2に転送される。面研削作業区域2には、コンベアの転送の方向に沿って、研削区域200と洗浄区域220とが順に設置されており、研削区域200にガラス基板の表面を複数回の研削を行い、研削されたガラス基板が洗浄区域220に洗浄される。洗浄されたガラス基板は、コンベアによって検査梱包作業区域3に転送される。検査梱包作業区域3は、コンベアの転送の方向に沿って、検査区域31と梱包区域32とが順に設置されており、検査区域31において、検査に合格したガラス基板が梱包区域32に入り、梱包され、検査に合格しないガラス基板は機械アーム114によってつかみ取られ、廃品区域116に置かれて廃棄される。
【0024】
図2に示すように、本発明にかかる一実施例において、ガラス基板は、成形・アニール・冷却された後、仕上げ切り・エッジ研磨作業区域1内には、冷端裁断装置11と、仕上げ切り・ブレイク装置12と、多軸エッジ研磨装置13と、エッジ研磨後洗浄装置14と、第1エッジ検査機装置15と、第1サイズ測定装置16と、研削幅測定装置17と、跳ね上げコンベアと、積載ラックとが順に取り付けられている。
【0025】
具体的には、仕上げ切り・エッジ研磨作業区域1には、コンベアの転送の方向に沿って、冷端裁断装置11と、仕上げ切り・ブレイク装置12と、多軸エッジ研磨装置13と、エッジ研磨後洗浄装置14と、第1エッジ検査機装置15と、第1サイズ測定装置16と、研削幅測定装置17とが順に設置されてよい。これにより、ガラス基板は、成形・アニール・冷却された後、仕上げ切り・エッジ研磨作業区域1に入り、まず、冷端裁断装置11によって横方向及び両側が裁断され、その後、仕上げ切り・ブレイク装置12によってガラス基板が横及び両側が裁断された箇所でブレイクされ、裁断されたガラス基板が残る。裁断されたガラス基板は、多軸エッジ研磨装置13における第1エッジ研磨装置131によって横のエッジが研削され、その後第2エッジ研磨装置132によって両側のエッジが研削される。エッジ研磨されたガラス基板は、エッジ研磨後洗浄装置14に入り、洗浄を行う。洗浄されたガラス基板は、第1エッジ検査機装置15に入り、エッジ検査され、エッジ検査に合格した後に、第1サイズ測定装置16に入り、サイズ検査され、サイズ検査に合格した後に、研削幅測定装置17に入り、検査に合格したガラス基板は、面研削作業区域2まで転送され、面研削されることができる。
【0026】
上記のエッジ研削および洗浄の過程において、自動転送装置100における跳ね上げコンベアおよび積載ラックによって、ガラス基板は、研削しようとする横又は側のエッジが第1エッジ研磨装置131又は第2エッジ研磨装置132の研削軸の位置に対応して研削されるように、位置が調整されることができ、または、エッジ研磨後洗浄装置14の中に移動されることができる。
【0027】
図4に示すように、冷端裁断装置11は、第2面検査機装置111と、厚さ検査機装置112と、縦裁断機装置113と、機械アーム114と、自動重量計量装置115と廃品区域116とを含む。
【0028】
第2面検査機装置111は、成形・アニールされたガラス基板の表面を検査し、欠陥があるかどうかを標識する。第2面検査機装置111、厚さ検査機装置112には全自動検査システムが配置されており、ガラス基板が冷却された後に、第2面検査機装置111、厚さ検査機装置112によって、ガラス基板に厚さ不良があるかどうかを検査選別し、検査基準に適合した領域や検査基準に適合しない領域を標識する。
【0029】
ガラス基板は、初歩検査された後に、自動転送装置で縦裁断機装置113に流れ込み、縦裁断機装置113は、ガラス基板における検査基準に適合した領域や検査基準に適合しない領域を部分裁断し、縦裁断機装置113によって、ガラス基板における検査基準に適合した領域が、所望の基準の8.5世代/10.5世代/11世代のガラス基板半製品に裁断され、ガラス基板の浪費が減少される。
【0030】
機械アーム114によって、合格しないガラス基板がつかまれ、廃品区域116に置かれて廃棄される。
【0031】
自動重量計量装置115は、自動転送装置で縦裁断機装置113から流れ込んだガラス基板半製品の重量を計量し、合格したガラス基板半製品が自動的に仕上げ切り・ブレイク装置12に流れ込み、仕上げ切り・エッジ研磨工程を行い、合格しないガラス基板半製品が自動的に廃品区域116に流れ込み、廃棄処理を行う。ガラス基板の重量は製品の合否検査の1つの参考基準であり、最終製品の品質を保証するために、本実施例では重量を計量した。
【0032】
図2に示すように、仕上げ切り・ブレイク装置12は、8.5世代/10.5世代/11世代等の大きいサイズのガラス基板の仕上げ切りを行う。ガラス基板は、冷端裁断装置11によって初歩裁断された後に、自動転送装置100のコンベアによって位置決めされ、仕上げ切り・ブレイク装置12の作業位置に転送される。
【0033】
多軸エッジ研磨装置13は、仕上げ切りが完成されたガラス基板のエッジに対して研削および面取りを行い、かつ、8.5世代/10.5世代/11世代等の大きいサイズに自動切り替えの機能を有する。
【0034】
仕上げ切り・ブレイク装置12、多軸エッジ研磨装置13は、前工程から渡されたガラス基板情報に基づいてサイズを識別し、仕上げ切り・ブレイク装置12、多軸エッジ研磨装置13が自動的に8.5世代/10.5世代/11世代等の複数の種類のサイズに対応する加工位置に切り替えられる。
【0035】
エッジ研磨後洗浄装置14は、エッジ研磨による残ったガラス粉およびガラス基板表面を洗浄する。
【0036】
第1エッジ検査機装置15は、ガラス基板の4つのエッジおよび面取りの合否を自動的に検査判断する。
【0037】
第1サイズ測定装置16は、ガラス基板に対してサイズ測定検査判断を行う。
【0038】
研削幅測定装置17は、4つのエッジおよび面取りの研削幅に対して自動検査判断を行う。
【0039】
ガラス基板は、位置決め、仕上げ切り、ブレイク、エッジ研磨、面取り、洗浄、エッジ検査、研削幅検査、サイズ検査等の工程を経て、合格しないガラス基板が自動的に廃品区域116に流れ込み、廃棄処理され、合格したガラス基板がコンベアによって、面研削作業区域2に搬入され、さらに加工生産される。
【0040】
本発明の技術方案には、仕上げ切り・エッジ研磨作業区域1における仕上げ切り・ブレイク装置12、多軸エッジ研磨装置13、エッジ研磨後洗浄装置14、第1エッジ検査機装置15、第1サイズ測定装置16および研削幅測定装置17に対して、これらの装置をプロセスの順に従って適当に組み合わせ、ガラス基板の各エッジの研削精度を高めることができる。
【0041】
図3に示すように、ガラス基板は、仕上げ切り・エッジ研磨作業区域1を通ってから、後加工生産が行われ、合格したガラス基板がコンベアによって面研削作業区域2に搬入され、搬入されたガラス基板サイズに応じて、面研削作業区域2の装置は自動的に対応する作業位置に切り替える。
【0042】
具体的には、
図3に示した実施例では、面研削作業区域2において、貼付機入り口コンベア21と、第1真空移載吸盤22と、貼付機装置23と、面研削装置と、剥離機装置27と、第2真空移載吸盤28と、面研削後洗浄機29と、第1面検査機装置210と、最終洗浄機211と、第3面検査機装置と、第2エッジ検査機装置と、第2サイズ測定装置と、厚さ測定装置とが順に取り付けられており、
ガラス基板は、自動転送装置100によって貼付機入り口コンベア21の上に転送され、貼付機入り口コンベア21は、ガラス基板を位置決めする。
【0043】
第1真空移載吸盤22は、位置決めされたガラス基板の表面を真空吸着し、貼付機装置23に移動させる。
【0044】
貼付機装置23は、ガラス基板とパレット231とを貼付させる。
【0045】
面研削装置は通常に研削機台を含み、研削機台は、上部研削盤と、下部パレット固定プラットフォームと、自動移載転送装置とを含む。研削機台は、プロセスの要求に応じて、異なる種類の研削盤や異なる研削プロセスを使用し、パレットは、自動移載転送装置によって転送される。ここで、自動移載転送装置は、パレットにガラス基板を載って面研削装置の内部に転送する機構であり、貼付機装置に接続され、ガラス基板を載せたパレットを異なる種類の研削盤の間で転送する。
【0046】
本実施例では、
図3に示すように、研削機台は3組に設置されており、それぞれ粗研削機24、細研削機25、精密研削機26であってよい。本実施例では、粗研削機24と、細研削機25と、精密研削機26とがコンベアの方向に沿って、順に配列されている。ほかの実施例では、
図1に示すように、粗研削機24と、細研削機25と、精密研削機26とが並列に配列されており、ガラス基板は、自動移載転送装置によって、粗研削機24、細研削機25又は精密研削機26に移動されることができる。
【0047】
ここで、
粗研削機24は、ガラス表面の1次研削を行い、ガラス基板表面の大きな粒子欠陥を除去し、
細研削機25は、ガラス表面の2次研削を行い、ガラス基板表面の小さな粒子欠陥を除去し、
精密研削機26は、ガラス表面の3次研削を行い、ガラス基板表面を修復し、
剥離機装置27は、ガラス基板とパレットとを分離させる。
【0048】
図3に示すように、第2真空移載吸盤28は分離されたガラス基板を真空吸着し、面研削後洗浄機29に移動させる。
【0049】
面研削後洗浄機29は、ガラス基板表面の粒子、残った研削液を洗浄する。
【0050】
第1面検査機装置210は、ガラス基板表面に対して自動検査判断を行い、重度不良品、軽微不良品、良品の3つのレベルに分ける。重度不良品は自動転送装置で廃品区域116に転送され廃棄され、軽微不良品は自動転送装置で貼付機入り口コンベア21に戻り、再び貼付され研削される。たとえば、
図3に示すように、軽微不良品は、追加コンベア212によって貼付機入り口コンベア21に戻り、再び貼付され研削されることができる。
【0051】
図3に示す実施例では、最終洗浄機211内には、ガラス基板を洗浄するためのいくつかのディスクロールブラシおよび若干種類の薬液洗浄剤が設置されている。
【0052】
図3に示すように、ガラス基板は、面研削作業区域2に入った後、面研削装置によって粗研削、細研削、精密研削され、自動転送装置で転送され、ウェットゾーン濡れ、トレイ位置決め、剥離、洗浄、表面検査を順に経て、自動転送装置で第1面検査機装置210まで転送され、ガラス基板表面に対して自動検査を行う。面検査の結果に基づいて、研削されたガラス基板の品質を自動的に分類し、ガラス基板品質が重度不良品であるものは自動転送装置で廃品区域116に転送され、廃棄処理され、ガラス基板品質が軽微不良品であるものは自動転送装置で貼付機に転送され、再び貼付され研削され、ガラス基板品質が良品であるものは自動転送装置で最終洗浄機211に転送される。最終洗浄機211によってガラス基板の最終洗浄および風乾を行い、洗浄、風乾が完成されたガラス基板は、自動転送装置で最終検査の位置に転送され、最終検査判断される。
【0053】
ガラス基板は、面研削作業区域2で研削、洗浄された後に、自動転送装置によって検査梱包作業区域3に転送される。
【0054】
検査梱包作業区域3内には、仮置き検査台装置と、製品検査装置と、自動転送装置と、人工抜き取り検査台と、アンロード手段と、製品梱包手段とが順に取り付けられている。
【0055】
たとえば、
図1に示すように、検査梱包作業区域3は、検査区域31と、梱包区域32と、廃品区域116と、機械アーム114とを含む。
【0056】
製品検査装置は、検査区域31における仮置き検査台装置310の上に設置されている。製品検査装置は、最終エッジ検査装置311と、面検査装置312と、
厚さ・サイズ検査装置313と、を含む。
【0057】
梱包区域32には製品梱包手段が設置されており、製品検査に合格したガラス基板が製品梱包手段に転送され、合格しないガラス基板がアンロード手段によって廃品区域116に移動され、たとえば、
図1に示すように、機械アーム114によって廃品区域116につかまれる。
【0058】
本実施例では、面研削作業区域2において、第1面検査機装置210によって検査に合格したガラス基板は、自動転送装置で検査梱包作業区域3に搬入された後に、仮置き検査台装置、製品検査装置、自動転送装置を経る。製品検査装置の後方には、人工抜き取り検査台に接続される抜き取り検査コンベアが設置されている。製品検査装置は、製品ガラス基板に対して最終エッジ検査、面検査、厚さ・サイズ検査を行い、製品検査装置には全自動検査システムが配置されており、検査判断が不良品であるものは自動転送装置でアンロード手段に転送され、アンロード手段にはアンロードロボットが配置されており、アンロードロボットは
図1に示した機械アーム114を有してよい。検査判断が良品であるものは自動転送装置で製品梱包手段に転送され、製品梱包手段には紙提供ロボットと、シート取りロボットと、製品梱包ラックとが配置されている。最後に、製品梱包ラックに対して密封梱包を行う。
【0059】
当該生産ラインは、ガラス基板が成形・アニールされた後から、製品を生産する後加工まで、初歩検査、仕上げ切り、エッジ研磨、エッジ研磨後洗浄、エッジ検査、面研削、面研削後洗浄、最終洗浄、最終検査、梱包を含むものである。
【0060】
以上の記述は、本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を制限するものではない。本発明の精神と原則の範囲内で行われるあらゆる修正、同等置換、改良などは、本発明の保護の範囲内に含まれるものとするべきである。
【符号の説明】
【0061】
1-仕上げ切り・エッジ研磨作業区域;100-自動転送装置;120エッジ研磨区域;11-冷端裁断装置;111-第2面検査機装置;112-厚さ検査機装置;113-縦裁断機装置;114-機械アーム;115-重量計量装置;116-廃品区域;12-仕上げ切り・ブレイク装置;13-多軸エッジ研磨装置;131-第1エッジ研磨装置;132-第2エッジ研磨装置;14-エッジ研磨後洗浄装置;15-第1エッジ検査機装置;16-第1サイズ測定装置;17-研削幅測定装置;2-面研削作業区域;200-研削区域;220-洗浄区域;21-貼付機入り口コンベア;22-第1真空移載吸盤;23-貼付機装置;231-パレット;24-粗研削機;25-細研削機;26-精密研削機;27-剥離機装置;28-第2真空移載吸盤;29-面研削後洗浄機;210-第1面検査機装置;211-最終洗浄機;212-追加コンベア;3-検査梱包作業区域;31-検査区域;310-仮置き検査台装置;311-最終エッジ検査装置;312-面検査装置;313-厚さ・サイズ検査装置;32-梱包区域。
【国際調査報告】