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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】血流測定システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/06 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
A61B8/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563933
(86)(22)【出願日】2023-01-16
(85)【翻訳文提出日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 KR2023000746
(87)【国際公開番号】W WO2024029676
(87)【国際公開日】2024-02-08
(31)【優先権主張番号】10-2022-0096511
(32)【優先日】2022-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523390471
【氏名又は名称】エッジケア・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】EDGECARE INC.
【住所又は居所原語表記】403HO, 35 BAEKBEOM‐RO, MAPO‐GU, SEOUL 04107, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】チョン,マン・シク
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DD03
4C601DE03
4C601EE06
4C601EE09
4C601EE10
4C601GA03
4C601GB04
4C601HH13
4C601HH16
4C601JB34
(57)【要約】
本発明の実施形態による血流測定システムは、ガイド映像プローブ、第1ドップラープローブ、第2ドップラープローブおよび制御部を含むことができる。ガイド映像プローブは、複数の映像超音波エレメントを含み、第1方向に沿って配置されることができる。第1ドップラープローブは、複数の第1ドップラー超音波エレメントを含み、第1方向と垂直な方向に該当する第2方向に沿ってガイド映像プローブの一側に配置されることができる。第2ドップラープローブは、複数の第2ドップラー超音波エレメントを含み、第1方向と垂直な方向に該当する第3方向に沿って、ガイド映像プローブの他側に配置されることができる。制御部は、ガイド映像プローブ、第1ドップラープローブおよび第2ドップラープローブを制御する制御信号を提供することができる。
本発明による血流測定システムは、ガイド映像プローブから対象体に送信超音波信号を提供し、ガイド映像プローブ、第1ドップラープローブおよび第2ドップラープローブを介して同時に受信される受信超音波信号に基づいて、血管の位置を把握し、血流速度BVを測定することにより超音波装置を駆動するためのパルス繰り返し周波数(Pulse Repetition Frequency;PRF)を著しく高めることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の映像超音波エレメントを含み、第1方向に沿って配置されるガイド映像プローブと、
複数の第1ドップラー超音波エレメントを含み、前記第1方向と垂直な方向に該当する第2方向に沿って、前記ガイド映像プローブの一側に配置される第1ドップラープローブと、
複数の第2ドップラー超音波エレメントを含み、前記第1方向と垂直な方向に該当する第3方向に沿って、前記ガイド映像プローブの他側に配置される第2ドップラープローブと、
前記ガイド映像プローブ、前記第1ドップラープローブおよび前記第2ドップラープローブを制御する制御信号を提供する制御部とを含む、血流測定システム。
【請求項2】
前記制御部が提供する前記制御信号のうち第1制御信号に基づいて、前記ガイド映像プローブが対象体に送信超音波信号を提供した後、前記ガイド映像プローブは、前記対象体から反射する映像超音波受信信号を受信し、前記制御信号のうち第2制御信号に基づいて、前記ガイド映像プローブが前記対象体に前記送信超音波信号を提供した後、前記第1ドップラープローブおよび前記第2ドップラープローブは、前記対象体から反射するドップラー超音波受信信号を受信することを特徴とする、請求項1に記載の血流測定システム。
【請求項3】
前記血流測定システムは、
受信超音波信号のうち前記ガイド映像プローブに受信される映像超音波受信信号に基づいて、対象体に含まれる血管の位置情報を検出する検出部をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の血流測定システム。
【請求項4】
前記検出部は、前記血管の位置情報および超音波映像の深さ方向に形成される横断面ガイドラインに沿って、前記血管の横断面の面積に該当する横断面積を測定する測定部をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の血流測定システム。
【請求項5】
前記血流測定システムは、
前記受信超音波信号のうち前記第1ドップラープローブに受信される第1ドップラー超音波受信信号および前記受信超音波信号のうち前記第2ドップラープローブに受信される第2ドップラー超音波受信信号に基づいて、血流速度を算出する算出部をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の血流測定システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記制御信号のうち選択信号に基づいて、前記第1ドップラープローブおよび前記第2ドップラープローブを選択的に駆動する選択部をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の血流測定システム。
【請求項7】
前記選択部は、予め定められた所定の時間間隔に該当する駆動間隔ごとに前記第1ドップラープローブおよび前記第2ドップラープローブを交互に駆動することを特徴とする、請求項6に記載の血流測定システム。
【請求項8】
前記血流測定システムは、複数の動作モードで動作し、
前記検出部が前記血管の位置情報を検出する場合、
前記複数の動作モードのうち第1動作モードでは、前記制御部は、前記送信超音波信号を送信する間隔に該当する送信間隔を順に増加させることを特徴とする、請求項7に記載の血流測定システム。
【請求項9】
前記検出部が前記血管の位置情報を検出する場合、
前記複数の動作モードのうち第2動作モードでは、前記制御部は、前記第1ドップラープローブおよび前記第2ドップラープローブを駆動して、第1ドップラー超音波送信信号および第2ドップラー超音波送信信号を前記対象体に含まれる前記血管に交互に送信することを特徴とする、請求項8に記載の血流測定システム。
【請求項10】
前記血流測定システムは、
前記第1ドップラー超音波送信信号が前記血管から反射して第1ドップラープローブに受信される第1ドップラー超音波受信信号および前記第2ドップラー超音波送信信号が前記血管から反射して第2ドップラープローブに受信される第2ドップラー超音波受信信号に基づいて、前記血流速度を算出することを特徴とする、請求項9に記載の血流測定システム。
【請求項11】
前記制御信号のうち第2制御信号に基づいて、前記ガイド映像プローブが前記対象体に送信超音波信号を提供した後、前記第1ドップラープローブおよび前記第2ドップラープローブは、前記対象体から反射するドップラー超音波受信信号を受信することを特徴とする、請求項1に記載の血流測定システム。
【請求項12】
前記制御信号のうち第3制御信号に基づいて、前記第1ドップラープローブおよび前記第2ドップラープローブが前記対象体に送信超音波信号を提供した後、前記第1ドップラープローブおよび前記第2ドップラープローブは、前記対象体から反射するドップラー超音波受信信号を受信することを特徴とする、請求項1に記載の血流測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血流測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
既存の肺動脈カテーテルは、非常に侵襲的な方法で肺動脈破裂などの合併症の危険が存在し、食道ドップラーは、最小侵襲的であり、持続的な血流測定が可能であるが、断層面の面積とドップラー入射角の情報が不在で信頼性が劣るという欠点がある。最近、このような問題を解決するために、様々な研究が行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術的課題は、ガイド映像プローブから対象体に送信超音波信号を提供し、ガイド映像プローブ、第1ドップラープローブおよび第2ドップラープローブを介して同時に受信される受信超音波信号に基づいて血管の位置を把握し、血流速度を測定することにより、超音波装置を駆動するためのパルス繰り返し周波数(Pulse Repetition Frequency;PRF)を著しく高めることができる血流測定システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このような課題を解決するために、本発明の実施形態による血流測定システムは、ガイド映像プローブ、第1ドップラープローブ、第2ドップラープローブおよび制御部を含むことができる。ガイド映像プローブは、複数の映像超音波エレメントを含み、第1方向に沿って配置されることができる。第1ドップラープローブは、複数の第1ドップラー超音波エレメントを含み、前記第1方向と垂直な方向に該当する第2方向に沿って前記ガイド映像プローブの一側に配置されることができる。第2ドップラープローブは、複数の第2ドップラー超音波エレメントを含み、前記第1方向と垂直な方向に該当する第3方向に沿って前記ガイド映像プローブの他側に配置されることができる。制御部は、前記ガイド映像プローブ、前記第1ドップラープローブおよび前記第2ドップラープローブを制御する制御信号を提供することができる。
【0005】
一実施形態において、前記制御部が提供する前記制御信号のうち第1制御信号に基づいて、前記ガイド映像プローブは、対象体に送信超音波信号を提供し、前記ガイド映像プローブ、前記第1ドップラープローブおよび前記第2ドップラープローブは、前記対象体から反射する受信超音波信号を受信することができる。
【0006】
一実施形態において、前記血流測定システムは、検出部をさらに含むことができる。検出部は、前記受信超音波信号のうち前記ガイド映像プローブに受信される映像超音波受信信号に基づいて、対象体に含まれる血管の位置情報を検出することができる。
【0007】
一実施形態において、前記検出部は、測定部をさらに含むことができる。測定部は、前記血管の位置情報および超音波映像の深さ方向に形成される横断面ガイドラインに沿って前記血管の横断面の面積に該当する横断面積を測定することができる。
【0008】
一実施形態において、前記血流測定システムは、算出部をさらに含むことができる。算出部は、前記受信超音波信号のうち前記第1ドップラープローブに受信される第1ドップラー超音波受信信号および前記受信超音波信号のうち前記第2ドップラープローブに受信される第2ドップラー超音波受信信号に基づいて血流速度を算出することができる。
【0009】
一実施形態において、前記制御部は、選択部をさらに含むことができる。選択部は、前記制御信号のうち選択信号に基づいて、前記第1ドップラープローブおよび前記第2ドップラープローブを選択的に駆動することができる。
【0010】
一実施形態において、前記選択部は、予め定められた所定の時間間隔に該当する駆動間隔ごとに前記第1ドップラープローブおよび前記第2ドップラープローブを交互に駆動することができる。
【0011】
一実施形態において、前記血流測定システムは、複数の動作モードで動作することができる。前記検出部が前記血管の位置情報を検出する場合、前記複数の動作モードのうち第1動作モードでは、前記制御部は、前記送信超音波信号を送信する間隔に該当する送信間隔を順に増加させることができる。
【0012】
一実施形態において、前記検出部が前記血管の位置情報を検出する場合、前記複数の動作モードのうち第2動作モードでは、前記制御部は、前記第1ドップラープローブおよび前記第2ドップラープローブを駆動して、第1ドップラー超音波送信信号および第2ドップラー超音波送信信号を前記対象体に含まれる前記血管に交互に送信することができる。
【0013】
一実施形態において、前記血流測定システムは、前記第1ドップラー超音波送信信号が前記血管から反射して第1ドップラープローブに受信される第1ドップラー超音波受信信号および前記第2ドップラー超音波送信信号が前記血管から反射して第2ドップラープローブに受信される第2ドップラー超音波受信信号に基づいて、前記血流速度を算出することができる。
【0014】
上記で言及された本発明の技術的課題の他にも、本発明の他の特徴および利点が、以下で記述されるか、そのような技術および説明から本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が明確に理解することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のような本発明によると、以下のような効果がある。
【0016】
本発明による血流測定システムは、ガイド映像プローブから対象体に送信超音波信号を提供し、ガイド映像プローブ、第1ドップラープローブおよび第2ドップラープローブを介して同時に受信される受信超音波信号に基づいて血管の位置を把握し、血流速度を測定することで超音波装置を駆動するためのパルス繰り返し周波数(Pulse Repetition Frequency;PRF)を著しく高めることができる。
【0017】
その他にも、本発明の実施形態により、本発明のさらに他の特徴および利点が新たに把握されることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態による血流測定システムを示す図である。
図2図1の血流測定システムの動作モードのうち基本モードを説明するための図である。
図3図1の血流測定システムに含まれるガイド映像プローブ、第1ドップラープローブおよび第2ドップラープローブの動作を説明するための図である。
図4図1の血流測定システムに含まれる検出部の動作を説明するための図である。
図5図1の血流測定システムに含まれる検出部の動作を説明するための図である。
図6図1の血流測定システムに含まれる算出部の動作を説明するための図である。
図7図1の血流測定システムの制御部に含まれる選択部の動作を説明するための図である。
図8図1の血流測定システムの制御部に含まれる選択部の動作を説明するための図である。
図9図1の血流測定システムの動作モードのうち第1動作モードおよび第2動作モードを説明するための図である。
図10図9の第1動作モードを説明するための図である。
図11図1の血流測定システムが心拍出量を計算する方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付けるに際し、同じ構成要素に限っては、仮に異なる図面上に表示されていても、できるだけ同じ番号を有するようにしていることに留意すべきである。
【0020】
一方、本明細書に述べられている用語の意味は、以下のように理解すべきである。
【0021】
単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味で定義しない限り、複数の表現を含むものと理解すべきであり、これらの用語によって権利範囲が限定されてはならない。
【0022】
「含む」または「有する」などの用語は、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性を予め排除しないことを理解すべきである。
【0023】
以下、添付の図面を参照して、上記問題点を解決するために考案された本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態による血流測定システムを示す図であり、図2は、図1の血流測定システムの動作モードのうち基本モードを説明するための図であり、図3は、図1の血流測定システムに含まれるガイド映像プローブ、第1ドップラープローブおよび第2ドップラープローブの動作を説明するための図である。
【0025】
図1図3を参照すると、本発明の実施形態による血流測定システム10は、ガイド映像プローブ100、第1ドップラープローブ200、第2ドップラープローブ300および制御部400を含むことができる。ガイド映像プローブ100は、複数の映像超音波エレメントを含み、第1方向D1に沿って配置されることができる。例えば、第1方向D1は、図1を基準に左右方向を示すことができ、映像超音波エレメントは、第1映像超音波エレメントIE1、第2映像超音波エレメントIE2~第N映像超音波エレメントIENを含むことができる。本発明による血流測定システム10は、ガイド映像プローブ100を介して超音波送信信号UTを対象体OBに送信し、対象体OBから反射して受信される映像超音波受信信号IURを用いて、超音波映像UIを実現することができる。ここで、対象体OBは、人体の一部分であることができる。
【0026】
第1ドップラープローブ200は、複数の第1ドップラー超音波エレメントを含み、第1方向D1と垂直な方向に該当する第2方向D2に沿ってガイド映像プローブ100の一側に配置されることができる。例えば、第1ドップラープローブ200は、ガイド映像プローブ100を基準に、第2方向D2に配置されることができ、第1ドップラー超音波エレメントは、第1_1ドップラー超音波エレメントDE1_1、第1_2ドップラー超音波エレメントDE1_2~第1_Kドップラー超音波エレメントDE1_Kを含むことができる。ここで、Kは、自然数であることができ、Kは、自然数Nと同一であってもよく、相違していてもよい。本発明による血流測定システム10は、第1ドップラープローブ200を介して対象体OBから反射して受信される第1ドップラー超音波受信信号DUR1を用いて、対象体OB内部血管BPの第1血流速度を示すスペクトログラムを算出することができる。
【0027】
第2ドップラープローブ300は、複数の第2ドップラー超音波エレメントを含み、第1方向D1と垂直な方向に該当する第3方向D3に沿ってガイド映像プローブ100の他側に配置されることができる。例えば、第2ドップラープローブ300は、ガイド映像プローブ100を基準に、第3方向D3に配置されることができ、第2ドップラー超音波エレメントは、第2_1ドップラー超音波エレメントDE2_1、第2_2ドップラー超音波エレメントDE2_2~第2_Jドップラー超音波エレメントDE2_Jを含むことができる。ここで、Jは、自然数であることができ、Jは、自然数NまたはKと同一であってもよく、相違していてもよい。本発明による血流測定システム10は、第2ドップラープローブ300を介して対象体OBから反射して受信される第2ドップラー超音波受信信号DUR2を用いて、対象体OBの内部血管BPの第2血流速度を示すスペクトログラムを算出することができる。
【0028】
制御部400は、ガイド映像プローブ100、第1ドップラープローブ200および第2ドップラープローブ300を制御する制御信号CSを提供することができる。
【0029】
一実施形態において、制御部400が提供する制御信号CSのうち第1制御信号CS1に基づいて、ガイド映像プローブ100が対象体OBに送信超音波信号UTを提供した後、ガイド映像プローブ100は、対象体OBから反射する映像超音波受信信号IURを受信することができる。次に、ガイド映像プローブ100は、制御信号CSのうち第2制御信号CS2に基づいて、対象体OBに送信超音波信号UTを提供することができ、第1ドップラープローブ200および第2ドップラープローブ300は、対象体OBから反射するドップラー超音波受信信号DURを受信することができる。ここで、第1ドップラープローブ200に受信されるドップラー超音波受信信号DURは、第1ドップラー超音波受信信号DUR1であることができ、第2ドップラープローブ300に受信されるドップラー超音波受信信号DURは、第2ドップラー超音波受信信号DUR2であることができる。本発明による血流測定システム10は、ガイド映像プローブ100に受信される映像超音波受信信号IURに基づいて血管の位置情報PIを判断することができ、第1ドップラープローブ200および第2ドップラープローブ300に受信される第1ドップラー超音波受信信号DUR1および第2ドップラー超音波受信信号DUR2に基づいて血流速度BVを算出することができる。
【0030】
例えば、本発明による血流測定システム10は、複数の動作モードで動作することができる。複数の動作モードのうち基本モードBMでは、第1制御信号CS1に基づいて、ガイド映像プローブ100が対象体OBに送信超音波信号UTを送信した後、ガイド映像プローブ100を介して対象体OBから反射する映像超音波受信信号IURを受信し、次に、制御信号CSのうち第2制御信号CS2に基づいて、ガイド映像プローブ100が対象体OBに送信超音波信号UTを送信し、第1ドップラープローブ200および第2ドップラープローブ300を介して対象体OBから反射するドップラー超音波受信信号DURを受信することができる。ドップラー超音波受信信号DURは、第1ドップラー超音波受信信号DUR1および第2ドップラー超音波受信信号DUR2を含むことができる。
【0031】
本発明による血流測定システム10は、第1制御信号CS1に基づいて、ガイド映像プローブ100を介して送信超音波信号UTを送信し、ガイド映像プローブ100を介して映像超音波受信信号IURを受信した後、第2制御信号CS2に基づいて、ガイド映像プローブ100を介して送信超音波信号UTを送信し、第1ドップラープローブ200および第2ドップラープローブ300を介してドップラー超音波受信信号DURを受信する動作を予め定められた所定の時間間隔で繰り返して行うことができる。
【0032】
一実施形態において、制御信号CSのうち第2制御信号CS2に基づいて、ガイド映像プローブ100が対象体OBに送信超音波信号UTを提供した後、第1ドップラープローブ200および第2ドップラープローブ300は、対象体OBから反射するドップラー超音波受信信号DURを受信することができる。
【0033】
さらに他の実施形態において、制御信号CSのうち第3制御信号CS3に基づいて、第1ドップラープローブ200および第2ドップラープローブ300が対象体OBに送信超音波信号UTを提供した後、第1ドップラープローブ200および第2ドップラープローブ300は、対象体OBから反射するドップラー超音波受信信号DURを受信することができる。
【0034】
図4および図5は、図1の血流測定システムに含まれる検出部の動作を説明するための図である。
【0035】
図1図5を参照すると、一実施形態において、血流測定システム10は、検出部500をさらに含むことができる。検出部500は、受信超音波信号のうちガイド映像プローブ100に受信される映像超音波受信信号IURに基づいて、対象体OBに含まれる血管BPの位置情報PIを検出することができる。例えば、血流測定システム10は、ガイド映像プローブ100に受信される映像超音波受信信号IURを用いて、対象体OB内部の超音波映像UIを提供することができる。この場合、本発明による血流測定システム10に含まれる検出部500は超音波映像UIに基づいて、血管BPの位置情報PIを確認することができる。
【0036】
一実施形態において、検出部500は、測定部510をさらに含むことができる。測定部510は、血管BPの位置情報PIおよび超音波映像の深さ方向に形成される横断面ガイドラインGLに沿って、血管BPの横断面の面積に該当する横断面積MZを測定することができる。例えば、ガイドラインGLは、超音波映像UIの中央に血管BPの横断面DMが配置されることができるようにガイドする基準線であることができる。本発明による血流測定システム10に含まれる測定部510は、血管BPの位置情報PIに基づいて、ガイドラインGLに血管BPの横断面DMが配置されることができるように制御することができる。その後、測定部510は、血管BPの横断面DMの面積に該当する横断面積MZを測定することができる。
【0037】
図6は、図1の血流測定システムに含まれる算出部の動作を説明するための図であり、図7および図8は、図1の血流測定システムの制御部に含まれる選択部の動作を説明するための図である。
【0038】
図1図8を参照すると、血流測定システム10は、算出部600をさらに含むことができる。算出部600は、受信超音波信号のうち第1ドップラープローブ200に受信される第1ドップラー超音波受信信号DUR1および受信超音波信号のうち第2ドップラープローブ300に受信される第2ドップラー超音波受信信号DUR2に基づいて、血流速度を算出することができる。
【0039】
一実施形態において、制御部400は、選択部410をさらに含むことができる。選択部410は、制御信号CSのうち選択信号SEに基づいて、第1ドップラープローブ200および第2ドップラープローブ300を選択的に駆動することができる。例えば、制御信号CSは、選択信号SEを含むことができる。選択信号SEは、第1選択信号SE1および第2選択信号SE2を含むことができる。第1ドップラープローブ200を駆動するために、選択部410は、第1選択信号SE1をターン-オンすることができ、第2ドップラープローブ300を駆動するために、選択部410は、第2選択信号SE2をターン-オンすることができる。
【0040】
一実施形態において、選択部410は、予め定められた所定の時間間隔に該当する駆動間隔ごとに第1ドップラープローブ200および第2ドップラープローブ300を交互に駆動することができる。例えば、複数の時間は、第1時間T1~第5時間T5を含むことができ、駆動間隔OTIは、第1駆動間隔OTI1~第4駆動間隔OTI4を含むことができる。第1駆動間隔OTI1は、第1時間T1から第2時間T2までの時間間隔であることができ、第2駆動間隔OTI2は、第2時間T2から第3時間T3までの時間間隔であることができる。また、第3駆動間隔OTI3は、第3時間T3から第4時間T4までの時間間隔であることができ、第4駆動間隔OTI4は、第4時間T4から第5時間T5までの時間間隔であることができる。この場合、選択部410は、第1駆動間隔OTI1の間に、第1選択信号SE1をターン-オンして第1ドップラープローブ200を駆動することができ、第2駆動間隔OTI2の間に、第2選択信号SE2をターン-オンして第2ドップラープローブ300を駆動することができる。これと同じ方式で、第3駆動間隔OTI3および第4駆動間隔OTI4でも第1ドップラープローブ200および第2ドップラープローブ300を交互に駆動することができる。
【0041】
図9は、図1の血流測定システムの動作モードのうち第1動作モードおよび第2動作モードを説明するための図であり、図10は、図9の第1動作モードを説明するための図であり、図11は、図1の血流測定システムが心拍出量を計算する方法を説明するための図である。
【0042】
図1図11を参照すると、血流測定システム10は、複数の動作モードで動作することができる。検出部500が血管BPの位置情報PIを検出する場合、複数の動作モードのうち第1動作モードでは、制御部400は、送信超音波信号UTを送信する間隔に該当する送信間隔を順に増加させることができる。例えば、検出部500が血管BPの位置情報PIを正確に検出した後には、対象体OBの内部血管BPの位置を確認するために、検出部500が血管BPの位置情報PIを検出する前より頻繁に送信超音波信号UTを送信する必要をなくすことができる。
【0043】
この場合、制御部400は、送信間隔を順に増加させることができる。例えば、複数の時間は、第6時間T6~第9時間T9を含むことができる。送信間隔は、第1送信間隔TI1~第3送信間隔TI3を含むことができる。第1送信間隔TI1は、第6時間T6から第7時間T7までの時間間隔であることができ、第2送信間隔TI2は、第7時間T7から第8時間T8までの時間間隔であることができる。また、第3送信間隔TI3は、第8時間T8から第9時間T9までの時間間隔であることができる。この場合、第1送信間隔TI1は、第2送信間隔TI2より小さいことができ、第2送信間隔TI2は、第3送信間隔TI3より小さいことができる。このように、検出部500が血管BPの位置情報PIを検出した後には、ガイド映像プローブ100を用いて、超音波映像を実現するための時間間隔を徐々に増加させて、血流測定システム10が他の動作を行うことができるように、システムロードを減少させることができる。
【0044】
第1動作モードで超音波信号を送信するプローブはガイド映像プローブ100であることができ、第2動作モードで超音波信号を送信するプローブは第1ドップラープローブ200および第2ドップラープローブ300であることができる。
【0045】
一実施形態において、検出部500が血管BPの位置情報PIを検出する場合、複数の動作モードのうち第2動作モードでは、制御部400は第1ドップラープローブ200および第2ドップラープローブ300を駆動して第1ドップラー超音波送信信号および第2ドップラー超音波送信信号を対象体OBに含まれる血管BPに交互に送信することができる。また、一実施形態において、血流測定システム10は、第1ドップラー超音波送信信号が血管BPから反射して第1ドップラープローブ200に受信される第1ドップラー超音波受信信号DUR1および第2ドップラー超音波送信信号が血管BPから反射して第2ドップラープローブ300に受信される第2ドップラー超音波受信信号DUR2に基づいて、血流速度を算出することができる。
【0046】
例えば、検出部500が血管BPの位置情報PIを正確に検出した後、本発明による血流測定システム10は、血管BPの血流速度BVを測定するのにリソースを集中することができる。この場合、第1駆動間隔OTI1の間に、第1選択信号SE1によって駆動される第1ドップラープローブ200を用いて、血管BPに含まれる予め定められた地点に集束して第1ドップラー超音波送信信号を送信し、血管BPから反射して第1ドップラープローブ200に受信される第1ドップラー超音波受信信号DUR1を受信することができる。また、第2駆動間隔OTI2の間に、第2選択信号SE2によって駆動される第2ドップラープローブ300を用いて、血管BPに含まれる予め定められた地点に集束して第2ドップラー超音波送信信号を送信し、血管BPから反射して第2ドップラープローブ300に受信される第2ドップラー超音波受信信号DUR2を受信することができる。本発明による血流測定システム10は、第1ドップラー超音波受信信号DUR1および第2ドップラー超音波受信信号DUR2に基づいて、血流速度BVを算出することができる。
【0047】
図11に図示されている数学式から分かるように、第1ドップラープローブ200および第2ドップラープローブ300を用いると、入射角に影響を与えることなく、時間による第1血流速度に該当する第1スペクトログラムおよび第2血流速度に該当する第2スペクトログラムを生成することができ、スペクトログラムから速度時間整数(Velocity time integral、VTI)を生成することができる。一実施形態において、本発明による血流測定システム10は、速度時間整数、横断面積MZおよび心拍数に基づいて、心拍出量を算出することもできる。ここで、心拍出量は、速度時間整数、横断面積MZおよび心拍数を乗じた形態で表現されることができる。
図1
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図11
【国際調査報告】