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特表2024-530571検出ベースの近接警報システムをリトリガするためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】検出ベースの近接警報システムをリトリガするためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/00 20060101AFI20240816BHJP
   G08B 23/00 20060101ALI20240816BHJP
   E02F 9/24 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
G08B21/00 U
G08B23/00 520B
E02F9/24 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579218
(86)(22)【出願日】2022-05-20
(85)【翻訳文提出日】2023-12-22
(86)【国際出願番号】 US2022030218
(87)【国際公開番号】W WO2023278061
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】17/364,543
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FIREWIRE
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メイリー、ジェイコブ シー.
【テーマコード(参考)】
2D015
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
2D015GA03
2D015GB06
5C086AA22
5C086AA54
5C086BA19
5C086CA25
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA33
5C086EA41
5C086EA45
5C086FA01
5C086FA11
5C087AA07
5C087AA31
5C087AA51
5C087DD41
5C087EE18
5C087FF04
5C087FF19
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG17
5C087GG35
5C087GG66
(57)【要約】
機械(10)上に位置付けられたカメラ(104)と、プロセッサ(1210)と、プロセッサによって実行するための命令を含む一つ以上のメモリデバイス(1250)とを含む、近接警報システム(100)。システムは、カメラ(104)から、カメラ(104)の視野(FOV)内の物体(20)を描写する画像データを受信する(202)ための命令を含む。システムは、画像データに基づいて、物体(20)と機械(10)との間の第一の距離を導出する(204)ための命令を含み、第一の距離が第一の閾値距離D1よりも小さいときに、警報(108)がトリガされる(206)。システムは、警報(108)をスヌーズして警報(108)を停止するよう要求を受信する(208)ための命令を含み得る。カメラ(104)から、追加の画像データを受信(210)してもよく、物体(20)と機械(10)との間の第二の距離は、追加の画像データに基づいて導出される(212)。システムは、第二の距離が第二の閾値距離(D2)よりも小さいときに、スヌーズを解除して警報(108)をリトリガする(214)するための命令を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近接警報システム(100)であって、
機械(10)上に位置付けられた一つ以上のカメラ(104)と、
一つ以上のプロセッサ(1210)と、
前記一つ以上のプロセッサ(1210)によって実行されたときに、前記一つ以上のプロセッサ(1210)に、
前記一つ以上のカメラ(104)から、前記一つ以上のカメラ(104)の視野(FOV)内に配置される物体(20)を描写する画像データを受信する(202)ことと、
前記画像データに基づいて、前記物体(20)と前記機械(10)との間の第一の距離を導出する(204)ことと、
前記第一の距離が第一の閾値距離(D1)よりも小さいときに、警報(108)をトリガする(206)ことと、
前記警報(108)をスヌーズして前記警報(108)を停止するよう要求を受信する(208)ことと、
前記一つ以上のカメラ(104)から、前記物体(20)を描写する追加の画像データを受信する(210)ことと、
前記追加の画像データに基づいて、前記物体(20)と前記機械(10)との間の第二の距離を導出する(212)ことと、
前記第二の距離が第二の閾値距離(D2)よりも小さいときに、前記スヌーズを解除して前記警報(108)をリトリガする(214)ことと、を行わせる、格納された命令を有する一つ以上のメモリデバイス(1250)と、を備える、近接警報システム(100)。
【請求項2】
前記警報(108)をスヌーズするよう第二の要求を受信し、
前記一つ以上のカメラ(104)から、前記物体(20)を描写するさらなる画像データを受信し、
前記さらなる画像データに基づいて、前記物体(20)と前記機械(10)との間の第三の距離を導出し、
前記第三の距離が第三の閾値距離(D3)よりも小さいときに、第二のスヌーズを解除して前記警報(108)をリトリガするための命令をさらに含む、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記第一の閾値距離(D1)が、視覚的警報(108)に対応し、前記第二の閾値距離(D2)および第三の閾値距離(D3)が、可聴および触覚警報(108)にそれぞれ対応する、請求項2に記載のシステム(100)。
【請求項4】
近接警報システム(100)であって、
機械(10)上に位置付けられた一つ以上のカメラ(104)と、
一つ以上のプロセッサ(1210)と、
前記一つ以上のプロセッサ(1210)によって実行されたときに、前記一つ以上のプロセッサ(1210)に、
前記一つ以上のカメラ(104)から、前記一つ以上のカメラ(104)の視野(FOV)内に配置される物体(20)を描写する画像データを受信する(402)ことと、
前記画像データに基づいて、前記物体(20)と前記機械(10)との間の第一の距離を導出する(404)ことと、
前記第一の距離が第一の閾値距離(D1)よりも小さいときに、警報(108)をトリガする(406)ことと、
前記警報(108)をスヌーズして前記警報(108)を停止するよう要求を受信する(408)ことと、
前記警報(108)をスヌーズするよう前記要求を受信すると、バッファゾーン距離(Db)を定義する(410)ことと、
前記一つ以上のカメラ(104)から、前記物体(20)を描写する追加の画像データを受信する(412)ことと、
前記追加の画像データに基づいて、前記物体(20)と前記機械(10)との間の第二の距離を導出する(414)ことと、
前記第二の距離が第二の閾値距離(D2)よりも小さく、かつ、
前記第一の距離と前記第二の距離との間の差が、前記バッファゾーン距離(Db)よりも大きいときに、前記スヌーズを解除して前記警報(108)をリトリガする(416)ことと、を行わせる、格納された命令を有する一つ以上のメモリデバイス(1250)と、を備える、近接警報システム(100)。
【請求項5】
前記バッファゾーン距離(Db)が、前記第一の距離に比例する、請求項4に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記バッファゾーン距離(Db)が、前記物体(20)の速度に反比例する、請求項5に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記警報(108)をスヌーズするよう第二の要求を受信し、
前記一つ以上のカメラ(104)から、前記物体(20)を描写するさらなる画像データを受信し、
前記さらなる画像データに基づいて、前記物体(20)と前記機械(10)との間の第三の距離を導出し、
前記第三の距離が、第三の閾値距離(D3)よりも小さく、かつ、
前記第二の距離と前記第三の距離との間の差が、前記バッファゾーン距離(Db)よりも大きいときに、前記第二のスヌーズを解除して前記警報(108)をリトリガするための命令をさらに含む、請求項4に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記第一の閾値距離(D1)が、視覚的警報(108)に対応し、前記第二の距離(D2)および第三の閾値距離(D3)が、可聴および触覚警報(108)にそれぞれ対応する、請求項7に記載のシステム(100)。
【請求項9】
近接警報システム(100)であって、
機械(10)上に位置付けられた一つ以上のカメラ(104)と、
一つ以上のプロセッサ(1210)と、
前記一つ以上のプロセッサ(1210)によって実行されたときに、前記一つ以上のプロセッサ(1210)に、
前記一つ以上のカメラ(104)から、前記一つ以上のカメラ(104)の視野(FOV)内に配置された物体(20)を描写する画像データを受信する(602)ことと、
前記画像データに基づいて、前記物体(20)と前記機械(10)との間の第一の距離を導出する(604)ことと、
前記第一の距離が第一の閾値距離(D1)よりも小さいときに、警報(108)をトリガする(606)ことと、
前記警報(108)をスヌーズして前記警報(108)を停止するよう要求を受信する(608)ことと、
前記警報(108)をスヌーズするよう前記要求を受信すると、前記画像データに基づいて、前記機械(10)と前記物体(20)との間の接近速度(S)を導出する(610)ことと、
前記物体(20)が第二の閾値距離(D2)未満の距離に位置する期間(T)を計算する(612)ことと、
前記期間(T)が時間閾値(t)よりも小さいときに、前記スヌーズを解除して前記警報(108)をトリガする(614)ことと、を行わせる、格納された命令を有する一つ以上のメモリデバイス(1250)と、を備える、近接警報システム(100)。
【請求項10】
前記時間閾値(t)が2秒である、請求項9に記載のシステム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、近接警報システム、より具体的には、近接ベースの近接警報システムのリトリガを対象とする。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルなどの機械で使用される近接警報システムは、典型的には、物体が機械の近くにある、および/または機械に近づいているという可聴アラートを認識する、またはスヌーズ(一時停止)するための方法を有する。可聴警報をスヌーズできない、および十分な時間にわたってスヌーズできないことは、安全システムが無視される、またはオペレータによって作動停止されることにさえつながりかねない。
【0003】
警報システムがスヌーズされている間にさらなる懸念が生じる可能性を考慮して、スヌーズされた警報をリトリガするための基準を確立しようとする努力がなされてきた。例えば、Lewisの米国特許第8,275,847号(以下、「Lewis」)は、現在の、または差し迫った機器の故障を示す警報を取り扱うための警報処理システムを含む、対話型保守管理システム(IMMS)を記載する。IMMSは、機器のダウンタイムを低減し、機器の故障を低減または防止するために、露天掘りなどの産業状況で使用され得る。LewisのIMMSは、フレキシブルな応答システムを使用して、警報処理システムの性能を追跡、分析、および改善する。Lewisは機器の故障に関連する警報を対象としているため、Lewisが定義する警報をリトリガするための基準は、近接警報システムには適切ではない。例えば、Lewisは、保守施設が利用可能となった後に、必要な保守/修理のためにスヌーズされた警報をリトリガする。
【0004】
したがって、依然として、近くにある、および/または近づいている物体に対してオペレータに警告するために機械で使用される近接警報システムを改善する余地がある。本明細書に記載の例示的なシステムおよび方法は、上述の欠陥および/または従来技術における他の問題のうちの一つ以上を克服することを対象とする。
【発明の概要】
【0005】
一部の実施形態では、近接警報システムは、機械上に位置付けられた一つ以上のカメラ、一つ以上のプロセッサ、および一つ以上のメモリデバイスを含み得る。メモリデバイスは、一つ以上のプロセッサによって実行するための命令を含み得る。システムは、一つ以上のカメラから、一つ以上のカメラの視野内に配置された物体を描写する画像データを受信するための命令を含み得る。システムは、画像データに基づいて、物体と機械との間の第一の距離を導出するための命令を含んでもよく、第一の距離が第一の閾値距離よりも小さいときに、警報がトリガされる。システムはまた、警報をスヌーズして警報を停止するよう要求を受信するための命令を含み得る。一つ以上のカメラから、物体を描写する追加の画像データを受信してもよく、物体と機械との間の第二の距離は、追加の画像データに基づいて導出される。システムは、第二の距離が第二の閾値距離よりも小さいときに、スヌーズを解除して警報をリトリガするための命令を含み得る。
【0006】
一部の態様では、システムは、警報をスヌーズするよう第二の要求を受信する、一つ以上のカメラから、物体を描写するさらなる画像データを受信する、さらなる画像データに基づいて、物体と機械との間の第三の距離を導出する、および、第三の距離が第三の閾値距離よりも小さいときに、第二のスヌーズを解除して警報をリトリガするための命令をさらに含む。一部の態様によれば、第一の閾値距離は、視覚的警報に対応し、第二および第三の閾値距離は、可聴および/または触覚警報にそれぞれ対応する。一部の態様では、第一の閾値距離は、機械から9メートルであり、第二の閾値距離は、機械から6メートルであり、第三の閾値距離は、機械から3メートルである。さらなる態様では、一つ以上のカメラは、機械の後方に位置付けられたカメラと、機械の左側および右側にそれぞれ位置付けられたカメラとを含む。一部の態様では、一つ以上のカメラは、物体が人であるかどうかを識別し、それによって警報が物体を人として区別することができる、物体識別システムを含む。
【0007】
一部の実施形態では、近接警報システムは、機械上に位置付けられた一つ以上のカメラ、一つ以上のプロセッサ、および一つ以上のメモリデバイスを含み得る。メモリデバイスは、一つ以上のプロセッサによって実行するための命令を含み得る。システムは、一つ以上のカメラから、一つ以上のカメラの視野内に配置された物体を描写する画像データを受信するための命令を含み得る。システムは、画像データに基づいて、物体と機械との間の第一の距離を導出するための命令を含んでもよく、第一の距離が第一の閾値距離よりも小さいときに、警報がトリガされる。システムはまた、警報をスヌーズして警報を停止するよう要求を受信するための命令を含み得る。警報をスヌーズするよう要求を受信すると、バッファゾーン距離が定義され得る。一つ以上のカメラから、物体を描写する追加の画像データを受信してもよく、物体と機械との間の第二の距離は、追加の画像データに基づいて導出される。システムは、第二の距離が第二の閾値距離よりも小さく、かつ第一の距離と第二の距離との間の差がバッファゾーン距離よりも大きいときに、スヌーズを解除して警報をリトリガするための命令を含み得る。
【0008】
一部の態様では、バッファゾーン距離は、第一の距離に比例する。一部の態様によれば、バッファゾーン距離は、物体の速度に反比例する。一部の態様では、システムは、警報をスヌーズするよう第二の要求を受信する、一つ以上のカメラから、物体を描写するさらなる画像データを受信する、さらなる画像データに基づいて、物体と機械との間の第三の距離を導出する、および、第三の距離が第三の閾値距離よりも小さく、かつ、第二の距離と第三の距離との間の差がバッファゾーン距離よりも大きいときに、第二のスヌーズを解除して警報をリトリガするための命令をさらに含む。
【0009】
一部の実施形態では、近接警報システムは、機械上に位置付けられた一つ以上のカメラ、一つ以上のプロセッサ、および一つ以上のメモリデバイスを含み得る。メモリデバイスは、一つ以上のプロセッサによって実行するための命令を含み得る。システムは、一つ以上のカメラから、一つ以上のカメラの視野内に配置された物体を描写する画像データを受信するための命令を含み得る。システムは、画像データに基づいて、物体と機械との間の第一の距離を導出するための命令を含んでもよく、第一の距離が第一の閾値距離よりも小さいときに、警報がトリガされる。システムはまた、警報をスヌーズして警報を停止するよう要求を受信するための命令を含み得る。警報をスヌーズするよう要求を受信すると、画像データに基づいて、機械と物体との間の接近速度が導出される。システムはまた、物体が第二の閾値距離よりも小さい距離に位置する期間を計算し、期間が時間閾値(例えば、2秒)よりも短いときに、スヌーズを解除して警報をリトリガするための命令を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書に記載のシステムおよび方法は、添付図面と併せて以下の発明を実施するための形態を参照することによってより良く理解することができ、類似の参照番号は、同一または機能的に類似した要素を示す。
図1図1は、開示された技術の実施形態による、検出ベースの近接警報システムをリトリガするための方法を示す図である。
図2図2は、図1に示す方法を示すフロー図である。
図3図3は、開示された技術のさらなる実施形態による、検出ベースの近接警報システムをリトリガするための方法を示す図である。
図4図4は、図3に示す方法を示すフロー図である。
図5図5は、開示された技術のさらなる実施形態による、検出ベースの近接警報システムをリトリガするための方法を示す図である。
図6図6は、図5に示す方法を示すフロー図である。
図7図7は、いくつかの実装が動作し得る装置の概要を示すブロック図である。
図8図8は、いくつかの実装が動作し得る環境の概要を示すブロック図である。
図9図9は、一部の実装における、開示された技術を用いるシステムで使用され得る構成要素を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に提供される見出しは、単に便宜上のものであり、実施形態の範囲に必ずしも影響を及ばさない。さらに、図面は必ずしも正確な縮尺ではない。例えば、図中の要素の一部の寸法は、実施形態の理解を高めるのに役立つよう、拡大または縮小されている場合がある。さらに、開示された技術は、様々な修正および代替的な形態に適しているが、特定の実施形態が図面に例示され、以下に詳細に説明される。しかしながら、説明される実施形態を不必要に制限することを意図するものではに。むしろ、実施形態は、本開示の範囲内に収まるすべての適切な修正、組み合わせ、等価物、および代替物を網羅することを意図する。
【0012】
ここで、上述したシステムおよび方法の様々な実施例をさらに詳細に説明する。以下の説明は、これらの実施例を完全に理解し、説明を可能にするための具体的な詳細を提供する。しかしながら、当業者であれば、本明細書で論じる技法および技術が、これらの詳細の多くがなくても実践され得ることを理解するであろう。同様に、当業者は、当該技術が、本明細書に詳細に説明されていない多くの他の特徴を含み得ることも理解するであろう。さらに、一部の公知の構造または機能は、関連する説明を不必要に不明瞭にすることを回避するために、以下に詳細に示されない、または説明されない場合がある。
【0013】
以下で使用される用語は、実施形態の一部の特定の実施例の詳細な説明と併せて使用されているが、その合理的に最も広義に解釈される。実際に、一部の用語は以下で強調される場合があるが、任意の制限された様式で解釈されることが意図される任意の用語は、本セクションでそのように明白かつ具体的に定義される。
【0014】
油圧ショベルなどの機械で使用される近接警報システムは、典型的には、物体が機械の近くにある、および/または機械に近づいているという可聴アラートを認識する、またはスヌーズ(一時停止)するための方法を有する。スヌーズ期間は、用途に応じて数分から数時間の範囲であり得る。その期間内において、スヌーズを解除して警報をリトリガすることが望ましいような、状況が変化する場合がある。本明細書では、スヌーズされた後にシステムをリトリガするための方法を含む、検出ベースの近接警報システムのためのシステムおよび方法が開示される。これらの方法は、機械の周囲の定義された警告ゾーン間を物体が移動するときに、警報をリトリガすることを含む。これらの方法はまた、物体の予測されるトラックが、選択された閾値期間内に警告ゾーン間で物体を移動させるときに、警報をリトリガすることを含む。画像ベースの検出システムは、画像の複雑さに応じて大きく変動し得る。言い換えれば、検出された物体の距離は、誤差の範囲内で変化し得る。したがって、物体が異なるゾーンを定義する距離閾値に近いときの誤警報を防止するのに役立つようバッファゾーンを使用するための方法も開示される。
【0015】
図1は、開示された技術の実施形態による、検出ベースの近接警報システム100で構成される油圧ショベルなどの機械10を示す。近接警報システム100は、コントローラ102および複数のカメラ104を含み得る。一部の実施形態では、システムは、機械10の後方に位置付けられたカメラ104(R)と、機械10の左側および右側にそれぞれ位置付けられた二つのカメラ104(S)とを含み得る。図示した三つのカメラ構成は、およそ270度の視野(FOV)を提供し、より広いまたはより狭い視野を用いることもできる。一部の実施形態では、異なる数および位置のカメラを使用することができる。コントローラ102は、一つ以上のプロセッサと、スヌーズ後にシステムをリトリガするための方法を含む、警報システムを制御するための命令を格納する一つ以上のメモリデバイスとを含み得る。
【0016】
カメラ104は、任意のタイプのアナログまたはデジタル画像センサ、デジタルカメラ、および/またはデジタルビデオカメラであり得る。例えば、カメラ104は、高ダイナミックレンジ(HDR)カメラ、感光性カメラ、および/または超音速カメラであり得る。一部の実施形態では、カメラは、二次元画像データ、三次元画像データ、画像シーケンス、グレー画像データ、および/またはカラー画像データを提供し得る。一部の実施形態では、システム100は、一つ以上の光検出および範囲(LIDAR)センサ、一つ以上の音声ナビゲーション範囲(SONAR)センサ、一つ以上の無線検出および範囲(RADAR)センサ、または任意の他の適切なセンサタイプなどの任意の公知のタイプのセンサをさらに含み得る。一部の実施形態では、カメラは、物体が人、機械、車両、または他の障害物であるかどうかを識別することができる物体識別システムを備える。一部の実施形態では、警報システムは、機械10の周りの物体の性質についてオペレータにさらに通知するために、物体を人、機械、車両、または他の障害物として区別するように構成される。一部の実施形態では、カメラは、FOV内の各物体に対する、例えば、距離、ベ方位角度、および速度を含む画像データを提供することができる。
【0017】
検出ベースの近接警報システム100は、FOV内に複数の警告ゾーンを含み得る。一部の実施形態では、警告ゾーンは、機械からの閾値距離によって定義され得る。例えば、図1に示すように、第一の閾値距離D1は注意ゾーンを定義し、第二の閾値距離D2は警戒ゾーンを定義し、第三の閾値距離D3は臨界ゾーンを定義してもよく、閾値距離は、機械10を中心とした同心円弧状領域を定義し得る。一部の実施形態では、第一の閾値距離D1は、機械から9メートルであり、第二の閾値距離D2は、機械から6メートルであり、第三の閾値距離D3は、機械から3メートルである。一部の実施形態では、閾値は構成可能であり得る。各警告ゾーンは、物体が対応する閾値距離よりも機械10に近づくと、トリガされる(すなわち、作動される)異なる警報タイプに対応し得る。例えば、注意ゾーンは、視覚的警報(例えば、点滅光)に対応し得、警戒ゾーンは、可聴警報(例えば、スピーカーまたはサイレン)と視覚的警報の組み合わせに対応し得、臨界ゾーンは、可聴警報、視覚的警報、および触覚警報(例えば、振動機構)に対応し得る。一部の実施形態では、警報は、オペレータが機械操作を制御するために使用することができるユーザインターフェースを含み得る、機械10のディスプレイ上に視覚的に出力され得る。
【0018】
人などの物体20が、第一の距離閾値D1を越えて注意ゾーンに入ると、警報(例えば、可聴警報装置108)がトリガされる。警報が最初にトリガされると、オペレータは、例えば、機械の制御ディスプレイによって、または手動ボタン106を介して警報をスヌーズし得る。スヌーズ期間は、用途に応じて数分から数時間の範囲であり得る。その期間内において、スヌーズを解除して警報をリトリガ(すなわち、再作動)することが望ましいような、状況が変化する場合がある。例えば、物体がスヌーズ期間内に機械の近くに移動する場合、スヌーズを解除してオペレータに警告する必要がある場合がある。したがって、物体20が第二の距離閾値D2を越えて警戒ゾーンに入る場合、スヌーズが解除されて警報がリトリガされ、物体が機械の近くに移動したこと、または機械が物体に近づいていることをオペレータに警告する。物体と機械との間の距離は、物体20および/または機械10の移動に起因して変化し得ることに留意されたい。
【0019】
注意ゾーンは視覚的警報のみに対応し得るため、一部の実施形態では、システムは、オペレータが視覚的注意ゾーン警報をスヌーズすることを許容しない。視覚的警報は、可聴警報および/または触覚警報ほど気を散らすものではなく、したがって、作動停止される可能性が低い。したがって、一部の実施形態では、物体20が警戒ゾーンに入るとスヌーズ機構が作動し、物体20が第三の距離閾値D3を越えて臨界ゾーンに入る場合、警報がリトリガされる。
【0020】
図2は、開示された技術の実施形態により警報をリトリガすることを含む、警報システムを制御するための、図1に対応する方法200を示すフロー図である。ステップ202で、システムは、一つ以上のカメラから、一つ以上のカメラの視野内に配置された物体を描写する画像データを受信する。ステップ204で、システムは、画像データに基づいて、物体と機械との間の第一の距離を導出する。ステップ206で、システムは、第一の距離が第一の閾値距離よりも小さいときに、警報をトリガする。ステップ208で、システムは、警報をスヌーズして警報を停止するよう要求を受信する。ステップ210で、システムは、一つ以上のカメラから、物体を描写する追加の画像データを受信する。ステップ212で、システムは、追加の画像データに基づいて、物体と機械との間の第二の距離を導出する。ステップ214で、システムは、第二の距離が第二の閾値距離よりも小さいときに、スヌーズを解除して警報をリトリガする。一部の実施形態では、方法はまた、警報をスヌーズするよう第二の要求を受信することと、物体を描写するさらなる画像データを受信することと、さらなる画像データに基づいて、物体と機械との間の第三の距離を導出することと、第三の距離が第三の閾値距離よりも小さいときに、第二のスヌーズを解除して警報をリトリガすることとを含み得る。
【0021】
図3は、開示された技術のさらなる実施形態による、バッファゾーンを使用して検出ベースの近接警報をリトリガするための別の方法を示す図である。物体20が第一の距離閾値D1を越えて注意ゾーンに入ると、警報がトリガされる。警報が最初にトリガされると、オペレータは警報をスヌーズし得る。警報をスヌーズするよう要求を受信すると、システムは、物体20の表面を反映するバッファゾーン距離Dbを定義する(図3に示すように、バッファゾーンは、物体20とほぼ同じ形状を有するが、代替として、バッファゾーンは、物体の中心をその中心として有する円であってもよい)。一部の実装では、バッファゾーン距離Dbは、第一の距離に正比例し得る。一部の実装では、バッファゾーン距離Dbは、物体の速度に反比例し得る。バッファゾーン距離Dbはまた、例えば人と車両では距離が異なるなど、物体のタイプに基づいて定義することができる。
【0022】
画像ベースの検出システムは、画像の複雑さに応じて精度が大きく変動し得る。言い換えれば、検出された物体の距離は、誤差の範囲内で変化し得る。バッファゾーンは、物体が、異なるゾーンを定義する距離閾値に近いときの誤警報を防止する。したがって、物体20が第二の距離閾値D2を越えて警戒ゾーンに入る場合、スヌーズが解除され、また、物体がバッファゾーン距離Db(こうした距離は、機械10から物体20までの直線で測定され得る)だけ機械10の近くに移動した場合にのみ、警報がリトリガされる。バッファゾーンはまた、互いの閾値距離内にある複数の検出を統合するように作用する。
【0023】
図4は、開示された技術の実施形態により警報をリトリガすることを含む、警報システムを制御するための、図3に対応する方法400を示すフロー図である。ステップ402で、システムは、一つ以上のカメラから、一つ以上のカメラの視野内に配置された物体を描写する画像データを受信する。ステップ404で、システムは、画像データに基づいて、物体と機械との間の第一の距離を導出する。ステップ406で、システムは、第一の距離が第一の閾値距離よりも小さいときに、警報をトリガする。ステップ408で、システムは、警報をスヌーズして警報を停止するよう要求を受信する。ステップ410で、システムは、警報をスヌーズするよう要求を受信すると、バッファゾーン距離を定義する。ステップ412で、システムは、一つ以上のカメラから、物体を描写する追加の画像データを受信する。ステップ414で、システムは、追加の画像データに基づいて、物体と機械との間の第二の距離を導出する。ステップ416で、システムは、第二の距離が第二の閾値距離よりも小さく、かつ第一の距離と第二の距離との間の差がバッファゾーン距離よりも大きいときに、スヌーズを解除して警報をリトリガする。一部の実施形態では、方法はまた、警報をスヌーズするよう第二の要求を受信することと、物体を描写するさらなる画像データを受信することと、物体と機械との間の第三の距離を導出することと、第三の距離が第三の閾値距離より小さく、かつ第二の距離と第三の距離との間の差がバッファゾーン距離よりも大きいときに、第二のスヌーズを解除することとを含み得る。
【0024】
図5は、開示された技術のさらなる実施形態による、物体の経路軌道またはトラック(例えば、速度)を使用して検出ベースの近接警報をリトリガするための別の方法を示す図である。物体20が第一の距離閾値D1を越えて注意ゾーンに入ると、警報がトリガされる。警報が最初にトリガされると、オペレータは警報をスヌーズし得る。警報をスヌーズするよう要求を受信すると、システムは、機械と物体20との間の接近速度Sを導出する。物体の速度Sおよび距離D1が、物体20が構成可能な閾値期間t内に次の脅威ゾーン(例えば、D2警戒ゾーン)に入ることをもたらす場合、スヌーズが解除されて警報がリトリガされる。物体のトラック情報を使用して、スヌーズを解除して警報をリトリガすることにより、急速に近づいている物体に対してより迅速にリトリガを提供し、オペレータにより多くの反応時間を提供することができる。
【0025】
図6は、開示された技術の実施形態により警報をリトリガすることを含む、警報システムを制御するための、図5に対応する方法600を示すフロー図である。ステップ602で、システムは、一つ以上のカメラから、一つ以上のカメラの視野内に配置された物体を描写する画像データを受信する。ステップ604で、システムは、画像データに基づいて、物体と機械との間の第一の距離を導出する。ステップ606で、システムは、第一の距離が第一の閾値距離よりも小さいときに、警報をトリガする。ステップ608で、システムは、警報をスヌーズして警報を停止するよう要求を受信する。ステップ610で、システムは、警報をスヌーズするよう要求を受信すると、画像データに基づいて、機械と物体との間の接近速度Sを導出する。ステップ612で、システムは、物体が第二の閾値距離よりも小さい距離に位置する期間Tを計算する。ステップ614で、システムは、期間Tが時間閾値tよりも短いときに、スヌーズを解除して警報をリトリガする。一部の実施形態では、時間閾値tは、2秒であり得る。
【0026】
近接警報をリトリガするための上述のシステムおよび方法は、互いに組み合わせて、ならびに様々な警報リトリガイベントと併せて使用することができる。例えば、機械の油圧ロックが作動(ロック)から作動停止(ロック解除)に移行するとき、機械が構成可能な固定距離を走行するとき、および/または機械が構成可能な速度閾値を超えて走行するときに、スヌーズ警報をリトリガすることができる。必要に応じて、上記に概説したシステムは、物体が所定の時間、例えば、10分間検出されなかったときに、物体アラートをリトリガするように構成されてもよい。
【0027】
適切なシステム
本明細書に開示される技術は、専用ハードウェア(例えば、回路)として、ソフトウェアおよび/またはファームウェアで適切にプログラムされたプログラマブル回路として、または専用回路とプログラマブル回路の組み合わせとして具現化され得る。したがって、実施形態は、コンピュータ、マイクロプロセッサ、プロセッサ、および/またはマイクロコントローラ(または他の電子装置)にプロセスを実施させるために使用され得る格納された命令を有する機械可読媒体を含み得る。機械可読媒体は、光ディスク、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM、DVD、ブルーレイディスク)、磁気光学ディスク、ROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、磁気もしくは光学カード、フラッシュメモリ、または電子命令を格納するのに適した他のタイプの媒体/機械可読媒体を含み得るが、これらに限定されない。
【0028】
いくつかの実装について、図を参照して以下でより詳細に論じる。図7は、開示された技術のいくつかの実装が動作し得る装置の概要を示すブロック図である。装置は、装置1200のハードウェア構成要素を含み得る。装置1200は、CPU(プロセッサ)1210に入力を提供してアクションを通知する、一つ以上の入力装置1220を含み得る。アクションは、典型的には、入力装置から受信した信号を解釈し、通信プロトコルを使用して情報をCPU1210に通信する、ハードウェアコントローラによって媒介される。入力装置1220は、例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーン、赤外線センサ、タッチパッド、ウェアラブル入力装置、カメラもしくは画像ベースの入力装置、マイク、または他のユーザ入力装置を含む。
【0029】
CPU1210は、装置内の単一の処理ユニットまたは複数の処理ユニットであってもよく、または複数の装置にわたって分散されてもよい。CPU1210は、例えば、PCIバスまたはSCSIバスなどのバスを使用して、他のハードウェア装置に結合することができる。CPU1210は、ディスプレイ1230などの装置用のハードウェアコントローラと通信し得る。ディスプレイ1230を使用して、テキストおよびグラフィックを表示してもよい。一部の実施例では、ディスプレイ1230は、グラフィカルおよびテキストの視覚的フィードバックをユーザに提供する。一部の実装では、ディスプレイ1230は、入力装置がタッチスクリーンであるか、または視線方向監視システムを装備している場合などに、ディスプレイの一部として入力装置を含む。一部の実装では、ディスプレイは、入力装置とは別個である。表示装置の例は、LCD表示画面、LED表示画面、投影表示、ホログラフィック表示、または拡張現実表示(ヘッドアップ表示装置またはヘッドマウント型装置など)などである。他のI/O装置1240はまた、ネットワークカード、ビデオカード、音声カード、可聴および/または視覚的警報、USB、FireWireまたは他の外部装置、センサ、カメラ、プリンタ、スピーカ、CD-ROMドライブ、DVDドライブ、ディスクドライブ、またはブルーレイデバイスなどのプロセッサに結合され得る。
【0030】
一部の実装では、装置1200はまた、無線または有線ベースでネットワークノードと通信することができる通信装置を含む。通信装置は、例えば、TCP/IPプロトコルを使用して、ネットワークを介して別の装置またはサーバと通信することができる。装置1200は、通信装置を利用して、複数のネットワーク装置にわたって動作を分散させることができる。
【0031】
CPU1210は、メモリ1250へのアクセスを有し得る。メモリは、揮発性および不揮発性記憶装置のための一つ以上の様々なハードウェア装置を含み、読み取り専用および書き込み可能なメモリの両方を含み得る。例えば、メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CPUレジスタ、読み出し専用メモリ(ROM)、およびフラッシュメモリ、ハードドライブ、フロッピーディスク、CD、DVD、ブルーレイディスク、磁気記憶装置、テープドライブ、デバイスバッファなどの書き込み可能な不揮発性メモリを含み得る。メモリは、基本的なハードウェアから切り離された伝搬信号ではなく、したがってメモリは非一時的である。メモリ1250は、オペレーティングシステム1262、近接警報システム1264、および他のアプリケーションプログラム1266などのプログラムおよびソフトウェアを格納するプログラムメモリ1260を含み得る。メモリ1250はまた、プログラムメモリ1260または装置1200の任意の要素に提供され得るデータベース情報などを含み得る、データメモリ1270を含み得る。
【0032】
一部の実装は、多数の他の汎用または専用コンピューティングシステム環境または構成で動作可能であり得る。公知のコンピューティングシステム、環境、および/または本技術での使用に好適であり得る構成の例は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、手持ち式またはラップトップコンピュータ、携帯電話、移動電話、ウェラブル電子機器、ゲームコンソール、タブレット装置、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースシステム、プログラマブルコンシューマエレクトロニクス、ネットワークPC、マイクロコンピュータ、メインフレームコンピュータ、上述のシステムまたは装置などのいずれかを含む分散コンピューティング環境を含むが、これらに限定されない。
【0033】
図8は、開示された技術のいくつかの実装が動作し得る環境1300の概要を示すブロック図である。環境1300は、一つ以上のクライアントコンピューティング装置1305A~Dを含むことができ、その例は装置1200を含み得る。クライアントコンピューティング装置1305は、ネットワーク1330を介した、サーバコンピューティング装置1310などの一つ以上のリモートコンピュータへの論理的接続を使用して、ネットワーク環境で動作することができる。
【0034】
一部の実装では、サーバコンピューティング装置1310は、クライアント要求を受信し、サーバ1320A~Cなどの他のサーバを介してそれらの要求の遂行を調整するエッジサーバであり得る。サーバコンピューティング装置1310および1320は、装置1200などのコンピューティングシステムを含み得る。各サーバコンピューティング装置1310および1320は、単一のサーバとして論理的に表示されているが、サーバコンピューティング装置は各々、同じまたは地理的に異なる物理的位置に位置する複数のコンピューティング装置を包含する分散コンピューティング環境であってもよい。一部の実装では、各サーバコンピューティング装置1320は、サーバ群に対応する。
【0035】
クライアントコンピューティング装置1305およびサーバコンピューティング装置1310および1320はそれぞれ、他のサーバ/クライアント装置に対するサーバまたはクライアントとして作用し得る。サーバ1310は、データベース1315に接続され得る。サーバ1320A~Cはそれぞれ、対応するデータベース1325A~Cに接続され得る。上述のように、各サーバ1320は、サーバ群に対応し得、これらのサーバの各々は、データベースを共有してもよく、あるいは独自のデータベースを有してもよい。データベース1315および1325は、情報を収納(例えば、格納)することができる。データベース1315および1325は、単一のユニットとして論理的に表示されているが、データベース1315および1325はそれぞれ、複数のコンピューティング装置を包含する分散コンピューティング環境であってもよく、それらの対応するサーバ内に位置することができ、または同じもしくは地理的に異なる物理的位置に位置してもよい。
【0036】
ネットワーク1330は、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)であり得るが、他の有線または無線ネットワークであってもよい。ネットワーク1330は、インターネット、または何らかの他の公衆もしくはプライベートネットワークであってもよい。クライアントコンピューティング装置1305は、有線または無線通信によるなど、ネットワークインターフェースを介してネットワーク1330に接続され得る。サーバ1310とサーバ1320との間の接続は、別個の接続として示されているが、これらの接続は、ネットワーク1330または別個の公衆またはプライベートネットワークを含む、任意の種類のローカル、広域、有線、または無線ネットワークであり得る。
【0037】
図9は、一部の実装における、開示された技術を用いるシステムで使用され得る構成要素1400を示すブロック図である。構成要素1400は、ハードウェア1402、汎用ソフトウェア1420、および特殊な構成要素1440を含む。上述のように、開示された技術を実施するシステムは、処理ユニット1404(例えば、CPU、GPU、APUなど)、作業メモリ1406、記憶メモリ1408、ならびに入力および出力装置1410を含む、様々なハードウェアを使用することができる。構成要素1400は、クライアントコンピューティング装置1305などのクライアントコンピューティング装置、またはサーバコンピューティング装置1310または1320などのサーバコンピューティング装置上に実装され得る。
【0038】
汎用ソフトウェア1420は、オペレーティングシステム1422、ローカルプログラム1424、および基本入力出力システム(BIOS)1426を含む、様々なアプリケーションを含み得る。特殊な構成要素1440は、ローカルプログラム1424などの汎用ソフトウェアアプリケーション1420のサブ構成要素であり得る。特殊な構成要素1440は、近接警報モジュール1444、カメラモジュール1446、画像データ計算モジュール1448、スヌーズ制御モジュール1450、および、データを転送し、インターフェース1442などの特殊な構成要素を制御するために使用され得る構成要素を含み得る。一部の実装では、構成要素1400は、複数のコンピューティング装置にわたって分散されるコンピューティングシステム内にあってもよく、または特殊な構成要素1440のうちの一つ以上を実行するサーバベースのアプリケーションへのインターフェースであってもよい。
【0039】
当業者であれば、上述の図7~9に示した構成要素、および上述のフロー図のそれぞれが、様々な方法で変更され得ることを理解するであろう。例えば、ロジックの順序を並べ替えてもよく、サブステップは並列で実施されてもよく、図示されたロジックを省略してもよく、他のロジックが含まれてもよい。一部の実装では、上述の構成要素のうちの一つ以上は、本明細書に記載されるプロセスのうちの一つ以上を実行することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
一部の実施形態では、近接警報システムは、近接警報モジュール1444、カメラモジュール1446、画像データ計算モジュール1448、およびスヌーズ制御モジュール1450を含み得る(図9)。動作中、カメラモジュール1446は、一つ以上のカメラから、一つ以上のカメラの視野内に配置された物体を描写する画像データを受信し得る。画像データ計算モジュール1448は、画像データに基づいて、物体と機械との間の第一の距離を導出し得る。近接警報モジュール1444は、第一の距離が第一の閾値距離よりも小さいときに、警報をトリガし得る。スヌーズ制御モジュール1450は、警報をスヌーズしてアラームを停止するよう要求を受信し得る。
【0041】
一部の実施形態では、カメラモジュール1446は、一つ以上のカメラから、物体を描写する追加の画像データを受信してもよく、画像データ計算モジュール1448は、追加の画像データに基づいて、物体と機械との間の第二の距離を導出し得る。スヌーズ制御モジュール1450は、第二の距離が第二の閾値距離よりも小さいときに、スヌーズを解除して警報をリトリガし得る。
【0042】
一部の実施形態では、スヌーズ制御モジュール1450はまた、警報をスヌーズするよう要求を受信すると、バッファゾーン距離を定義し得る。カメラモジュール1446は、一つ以上のカメラから、物体を描写する追加の画像データを受信してもよく、画像データ計算モジュール1448は、追加の画像データに基づいて、物体と機械との間の第二の距離を導出し得る。スヌーズ制御モジュール1450は、第二の距離が第二の閾値距離よりも小さく、かつ第一の距離と第二の距離との間の差がバッファゾーン距離よりも大きいときに、スヌーズを解除して警報をリトリガし得る。
【0043】
一部の実施形態では、画像データ計算モジュール1448は、警報をスヌーズするよう要求を受信すると、画像データに基づいて、機械と物体との間の接近速度を導出し得る。画像データ計算モジュール1448はまた、物体が第二の閾値距離よりも小さい距離に位置する期間を計算し得る。スヌーズ制御モジュール1450は、期間が時間閾値よりも短いときに、スヌーズを解除して警報をリトリガし得る。
【0044】
備考
上記の説明および図面は例示であり、限定として解釈されるべきではない。本開示の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が説明される。しかしながら、一部の例では、説明を不明瞭にすることを回避するために、既知の詳細については説明しない。さらに、実施形態の範囲から逸脱することなく、様々な修正を行い得る。
【0045】
本明細書における「一実施形態」または「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が本開示の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な箇所における語句「一実施形態では」の出現は、必ずしも全て同じ実施形態を言及するものではなく、他の実施形態を互いに除外する別個または代替的な実施形態でもない。さらに、一部の実施形態では示されるが他の実施形態では示されない、様々な特徴が説明される。同様に、一部の実施形態では必要であり得るが他の実施形態では必要ではない様々な要件が説明される。
【0046】
本明細書で使用される用語は、一般的に、当該技術分野、開示の文脈内、および、各用語が使用される特定の文脈内で、それらの通常の意味を有する。同じことが複数の方法で言えることは理解されよう。したがって、本明細書で論じられる用語の任意の一つ以上について、代替の言い回しおよび同義語を使用することができ、用語が本明細書において詳述または議論されるか否かに、いかなる特別な重要性もない。一部の用語について同義語が提供される。一つ以上の同義語の説明は、他の同義語の使用を除外しない。本明細書で論じる任意の用語の例を含む、本明細書の任意の場所における例の使用は、例示に過ぎず、本開示の範囲および意味、または任意の例示的な用語の範囲および意味をさらに限定することを意図するものではない。同様に、本開示は、本明細書において与えられる種々の実施形態に限定されない。別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が関連する当業者に通常理解されるものと同一の意味を有する。矛盾する場合には、定義を含めて本明細書が優先される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】