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特表2024-530579キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ関連システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ関連システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/447 20060101AFI20240816BHJP
   G01N 21/01 20060101ALI20240816BHJP
   G01N 21/17 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
G01N27/447 315K
G01N27/447 325A
G01N21/01 B
G01N21/17 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502106
(86)(22)【出願日】2021-08-05
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 US2021044806
(87)【国際公開番号】W WO2023014367
(87)【国際公開日】2023-02-09
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】399117121
【氏名又は名称】アジレント・テクノロジーズ・インク
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】グリーズ,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ステブニスキー,マイケル
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB04
2G059DD12
2G059DD13
2G059EE01
2G059EE07
2G059FF03
2G059FF11
2G059LL04
(57)【要約】
キャピラリー・アレイ・アセンブリ(100)は、複数のキャピラリー・チャネルを提供するキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ(104)を含む。各キャピラリー・チャネルの部分は、キャピラリー・アレイ・アセンブリ(100)の少なくとも一方の側で励起光に曝露される開放チャネル(678)である。隣接する開放チャネル(678)は、ウィンドウ・バー(156)により互いから隔てられる。複数のキャピラリー(108)は、キャピラリー(108)のウィンドウ(148)が開放チャネル(678)に位置するように、個々のキャピラリー・チャネルに配置される。ウィンドウ・バー(156)は、試料の光学的測定を行う際に、隣接するキャピラリー(108)間のクロストークを低減または除去するために隣接するキャピラリー・ウィンドウ(148)間で見通し線を阻止する。キャピラリー・アレイ・アセンブリ(100)は、例えば試料にキャピラリー電気泳動を実施するように構成され得る試料分析システム(1800)に取付けられ得る。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部部分と、
第2の端部部分と、
長手軸に沿って、前記第1の端部部分と前記第2の端部部分との間に配置されたウィンドウ部分とを含み、前記ウィンドウ部分は、前記長手軸に沿って延び且つ前記長手軸に直交する横軸に沿って互いから間隔を置いて配置された複数のウィンドウ・バーを含み、
前記ウィンドウ・バーは、複数のキャピラリーをそれぞれ収容するように構成された複数の平行な開放チャネルを画定し、前記ウィンドウ・バーが隣接する開放チャネル間で前記横軸に沿って見通し線を阻止するように、不透明材料からなり、
前記開放チャネルは、前記ウィンドウ部分の上側において前記開放チャネルへ及び前記開放チャネルからの光の透過を可能にするために、前記上側で露出されている、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【請求項2】
前記第1の端部部分または前記第2の端部部分の少なくとも一方は、前記キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダを構造体に取付けるために前記構造体に係合するように構成された取付け機構を含むこと、
前記第1の端部部分または前記第2の端部部分の少なくとも一方は、前記キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダを前記構造体に取付けるために前記構造体に係合するように構成された取付け機構を含み、前記ウィンドウ部分はキャピラリー平面に位置し、前記取付け機構は、前記長手軸に直交し且つ前記横軸に直交する高さ軸に沿って前記キャピラリー平面から隔置された取付け平面に位置するプレートを含むこと、の一方を含む、請求項1に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【請求項3】
前記第1の端部部分は、前記長手軸に沿って前記開放チャネルと整列された複数の第1の端部チャネルを画定する複数の第1の端部バーを含み、前記第2の端部部分は、前記長手軸に沿って前記開放チャネルと整列された複数の第2の端部チャネルを画定する複数の第2の端部バーを含む、請求項1に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【請求項4】
前記第1の端部部分は、前記上側で前記第1の端部チャネルを覆う第1の上部壁を含み、前記第2の端部部分は、前記上側で前記第2の端部チャネルを覆う第2の上部壁を含む、請求項3に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【請求項5】
中央部分は、前記上側と対向する、前記キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダの底部側に位置する底部壁を含み、前記底部壁は、前記底部側で前記開放チャネルを覆う、請求項1に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【請求項6】
前記開放チャネルは、中央部分が前記上側から前記開放チャネルを介して前記底部側までの光の透過を可能にするように、前記上側と対向する、前記キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダの底部側に露出されている、請求項1に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【請求項7】
各ウィンドウ・バーは、前記長手軸に直交する正面において横断面を有し、前記横断面は、バー幅とバー高さにより画定され、前記横断面は、1~10の範囲内のバー高さ対バー幅の比を有する、請求項1に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【請求項8】
各ウィンドウ・バーは、前記長手軸に直交する正面において横断面を有し、前記横断面は、バー幅とバー高さにより画定され、前記バー幅は、20μm~200μmの範囲内であり、前記バー高さは、100μm~400μmの範囲内である、請求項1に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【請求項9】
各開放チャネルは、前記長手軸に直交する正面において横断面を有し、前記横断面は、直線で構成されている、請求項1に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【請求項10】
前記不透明材料は、190nm~800nmの範囲内の波長において伝播する光を通さない、請求項1に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【請求項11】
前記ウィンドウ・バーは、金属;アルミニウム;ニッケル;銅;金属合金;シリコン;セラミック;ガラス;ポリマー;プラスチック;ポリオキシメチレン(POM);液晶ポリマー(LCP);ポリアクリルアミド(PA);ポリカーボネート(PC);ポリメチル・メタクリレート(PMMA);ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK);及びポリエチレン(PE)からなるグループから選択された材料からなる、請求項1に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【請求項12】
キャピラリー・アレイ・アセンブリであって、
請求項1に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダと、
複数のキャピラリーとを含み、各キャピラリーは、各キャピラリーのウィンドウがそれぞれ前記開放チャネルに配置されるように、キャピラリー・チャネルのそれぞれの1つに配置される、キャピラリー・アレイ・アセンブリ。
【請求項13】
前記ウィンドウ・バーはそれぞれ、前記長手軸に直交する正面においてバー高さを有し、前記バー高さは、前記ウィンドウ部分において、前記キャピラリーの外径に等しい又は当該外径より大きい、請求項12に記載のキャピラリー・アレイ・アセンブリ。
【請求項14】
前記上側で前記キャピラリー上に又は前記キャピラリーの上に配置された上部プレートを含み、前記ウィンドウ部分を覆う前記上部プレートの少なくとも一部は、透明である、請求項12に記載のキャピラリー・アレイ・アセンブリ。
【請求項15】
キャピラリー・アレイ・アセンブリであって、
前記横軸に沿って並んで配列された、請求項1に記載の複数のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダと、
複数のキャピラリーとを含み、各キャピラリーは、各キャピラリーのウィンドウがそれぞれ前記開放チャネルに配置されるように、各キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ内のキャピラリー・チャネルのそれぞれの1つに配置される、キャピラリー・アレイ・アセンブリ。
【請求項16】
試料分析システムであって、
請求項12に記載のキャピラリー・アレイ・アセンブリと、
前記開放チャネルと光学的位置関係に配置された光検出器とを含む、試料分析システム。
【請求項17】
前記開放チャネルと光学的位置関係に配置された光源、
試料が前記キャピラリーへ導入され得る試料源、
前記キャピラリーと電気的に連絡し、前記キャピラリー内の試料にキャピラリー電気泳動を実施するのに有効な電位差を前記キャピラリーの両端に印加するように構成された電圧源、
分析分離媒体が前記キャピラリーへ導入され得る分析分離媒体源、
分析分離媒体が前記キャピラリーへ導入され得る分析分離媒体源であって、前記分析分離媒体が電気泳動分離媒体からなる、分析分離媒体源、の少なくとも1つを含む、請求項16に記載の試料分析システム。
【請求項18】
試料を分析するための方法であって、
キャピラリー・アレイ・アセンブリを準備し、そのキャピラリー・アレイ・アセンブリは、
前記キャピラリー・アレイ・アセンブリの少なくとも上側で光に対して露出されている複数の開放チャネルであって、隣接する開放チャネルが不透明材料からなるウィンドウ・バーにより互いから隔てられている、複数の開放チャネルと、
前記開放チャネル内に配置された個々のウィンドウを含む複数のキャピラリーとを含み、前記ウィンドウ・バーが隣接するウィンドウ間の見通し線を阻止し、
試料の1つ又は複数の被検物質から光学データを取得するために前記ウィンドウにおいてそれぞれ検出可能な試料の光学測定を行うことを含む、方法。
【請求項19】
前記光学測定を行うことは、
前記ウィンドウから放出される放出光を検出し、その検出が前記上側で行われること、
前記ウィンドウから放出される放出光を検出し、その検出が、前記上側とは反対側の、前記キャピラリー・アレイ・アセンブリの底部側で行われること、
試料に励起光を照射し、前記ウィンドウから放出される放出光を検出し、前記照射および前記検出の双方が前記上側で行われること、
試料に励起光を照射し、前記ウィンドウから放出される放出光を検出し、前記照射が前記上側で行われ、前記検出が、前記上側とは反対側の、前記キャピラリー・アレイ・アセンブリの底部側で行われること、の1つを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
試料をキャピラリーに流入させること、
前記光学測定を行う前および/またはその間に、各キャピラリーにおいて試料を分析的に分離すること、
前記光学測定を行う前および/またはその間に、各キャピラリーにおいて試料を分析的に分離し、試料を分析的に分離することが、試料にキャピラリー電気泳動を行うことを含むこと、
分析分離媒体をキャピラリーに流入させること、
分析分離媒体をキャピラリーに流入させ、その分析分離媒体が電気泳動分離媒体からなること、の少なくとも1つを含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、キャピラリーの並列構成、特に係るキャピラリーのウィンドウ部分を保持するように構成されたキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダに関する。また、本発明は、係るホルダを含む装置、アセンブリ及びシステム、並びに係るホルダを利用する方法に関する。キャピラリーは、光学系ベースの機器(例えば、蛍光または吸光度を測定する機器)により測定されることになる試料を収容するために利用され得る。キャピラリーは、例えばキャピラリー電気泳動(capillary electrophoresis:CE)に利用され得る。
【0002】
背景
分析機器は、様々な目的のために試料含有流体(液相または気相の何れかにおいて)を収容して輸送するためにキャピラリー(即ち、マイクロメートルのスケールでボアを備える管)を利用することが多い。幾つかの分析機器において、キャピラリー(又はキャピラリー・ウィンドウと呼ばれる、キャピラリーの少なくとも光学的に透明な部分)は、試料検出セルとして利用され得る。この場合、分析機器は、試料から放出される電磁エネルギーを読み取ることにより、キャピラリーに収容されている試料の被検物質(即ち、化合物または生体化合物のような、関心のある試料成分)の光学的測定(例えば、蛍光、吸光度、イメージングなど)を行うために構成される。係る放出(放射)は、分析機器の光源によってキャピラリー・ウィンドウに送られた電磁エネルギーのビームにより照射されている試料に応答(反応)している場合がある。幾つかの分析機器において、キャピラリーは、分子サイズ、分子構成、電荷などのような、異なる特性または属性に基づいて試料の異なる被検物質を分離するように調製された分離媒体を含む場合がある。幾つかの分析技術において、分離媒体は、キャピラリー・ウィンドウ内で静止している(即ち、固定相)場合がある。この場合、試料は、キャピラリーを通じて流体(即ち、移動相)により保持され、分離媒体と接触する。試料が分離媒体を介して泳動する際、試料の異なる被検物質が互いから分離され、それにより分析機器による被検物質の検出/測定が容易にされる。分析分離技術の例は、キャピラリー電気泳動(CE、特にキャピラリーゲル電気泳動(capillary gel electrophoresis)又はCGE)、液体クロマトグラフィー(liquid chromatography:LC)、及びガス・クロマトグラフィー(gas chromatography:GC)を含む。
【0003】
試料分析は、各キャピラリー・ウィンドウが個々の試料を収容している状態で、複数のキャピラリー・ウィンドウを並行して操作することにより向上する場合がある。この場合、分析機器は、複数のキャピラリー・ウィンドウを同時に読み取る、又は更に複数のキャピラリー・ウィンドウに放射線を当てるように構成され得る。この場合、キャピラリーのコンパクトなパッケージングは、分析機器に設けられたカメラでのキャピラリーの高倍率を可能にするために好都合である。CEのような分析分離が実施されている場合、コンパクトなパッケージングは、検出される分離のより高い分解能および感度を可能にする。しかしながら、ひとたびキャピラリー間の間隔が、1.5mm以下のような、或る程度のコンパクトさに到達するならば、隣接するキャピラリー間のクロストーク効果が生じ、分析機器により取得される検出/イメージング信号のバックグラウンドに悪影響を与える。これは、ターゲット試料の不一致および/または試料濃度の不正確な表示につながる可能性がある。キャピラリー・ウィンドウの並列アレイ(例えば、96個のキャピラリー)を利用する市販の分析機器の大部分は、クロストーク関連の問題により悪影響を及ぼされており、その理由は、当該分析機器が妥当な倍率でキャピラリーの全てをマッピングできるように、キャピラリー・ウィンドウを非常に小さい間隔(例えば、0.025mm)で配置するからである。より少ない数の並列キャピラリー(例えば、約1.5mmだけ隔置された12個)を用いる場合、クロストークの影響を取るに足りないものにするために、人工的に大きな視野が必要とされていた。これは、分析機器により利用されるカメラ又は検出器でのキャピラリーの倍率への人工的な限界、及び結果として、取得されたデータの分解能および感度への限界を招いていた。応用形態が高い励起強度を必要とする場合、キャピラリーは十分に高い照度を保証するために密に間隔を置いて配置されなければならず、これは、検出信号においてバックグラウンド・ノイズを大幅に増加させる顕著なクロストークの原因となる。
【0004】
クロストーク効果に関連した問題を克服するキャピラリー・アレイを提供する必要が継続的にある。
【0005】
概要
上記の問題、及び/又は当業者により認められている場合がある他の問題に全体的に又は部分的に対処するために、本開示は、以下に記述される具現化形態において一例として説明されるような、方法、プロセス、システム、装置、機器、及び/又はデバイスを提供する。
【0006】
例えば、本開示は、複数のキャピラリー・チャネルを含むキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダを提供する。本開示は更に、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ、及び個々のキャピラリー・チャネルに配置された複数のキャピラリーを含むキャピラリー・アレイ・アセンブリを提供する。各キャピラリー・チャネルの少なくとも一部は、開放(open:オープン)チャネルである。キャピラリー(複数)は、個々のウィンドウを含み、即ち、キャピラリーの一部は、外側コーティングにより覆われておらず、ひいては当該ウィンドウ内へ及び当該ウィンドウから外への電磁放射線の透過を可能にする。キャピラリーは、当該ウィンドウが開放チャネルに位置するように、キャピラリー・チャネルに搭載される。開放チャネル、ひいてはウィンドウは、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダの少なくとも一方の側で電磁放射線(例えば、本明細書で説明されるような励起光)に曝露される。また、曝露される側は、ウィンドウから放出される又はウィンドウにおいて検出可能な電磁放射線(例えば、本明細書で説明されるような放出光)を検出するためにも利用され得る。代案として、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダの2つの対向する側(例えば、上側と底部側)、少なくとも開放チャネルひいてはウィンドウが位置する場所は、電磁放射線に曝露され得る。この後者の構成は、例えば、一方の側で開放チャネル(ひいてはウィンドウ)に放射線を当て、反対側からウィンドウから放出される又はウィンドウで検出可能な電磁放射線を検出するのに有用である場合がある。隣接する開放チャネルは、ウィンドウ・バーにより互いから離される。ウィンドウ・バーは、試料の光学的測定を行う際に、隣接するキャピラリー間のクロストークを低減または除去するために、隣接するウィンドウ間の見通し線を阻止する。本明細書で説明されるようなキャピラリー・アレイ・アセンブリは、キャピラリー内の試料に光学的測定を行うように構成された試料分析システムに搭載(又は装着、ドッキング、結合など)され得る。1つの非排他的な例において、試料分析システムは、試料にキャピラリー電気泳動を行うように構成され得る。
【0007】
一例に従って、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダは、第1の端部部分と;第2の端部部分と;長手軸に沿って、前記第1の端部部分と前記第2の端部部分との間に配置されたウィンドウ部分とを含み、前記ウィンドウ部分は、前記長手軸に沿って延び且つ前記長手軸に直交する横軸に沿って互いから間隔を置いて配置された複数のウィンドウ・バーを含み:前記ウィンドウ・バーは、複数のキャピラリーをそれぞれ収容するように構成された複数の平行な開放チャネルを画定し、前記ウィンドウ・バーが隣接する開放チャネル間で前記横軸に沿って見通し線を阻止するように、不透明材料からなり、前記開放チャネルは、前記ウィンドウ部分の上側において前記開放チャネルへ及び前記開放チャネルからの光の透過を可能にするために、前記上側で露出されている。
【0008】
別の例に従って、キャピラリー・アレイ・アセンブリは、本明細書で開示された例の何れかに従うキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダと;複数のキャピラリーとを含み、各キャピラリーは、各キャピラリーのウィンドウがそれぞれ開放チャネルに配置されるように、キャピラリー・チャネルのそれぞれの1つに配置される。
【0009】
別の例に従って、キャピラリー・アレイ・アセンブリは、本明細書で開示された例の何れかに従う複数のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダと;複数のキャピラリーとを含み、各キャピラリーは、各キャピラリーのウィンドウがそれぞれ開放チャネルに配置されるように、各キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ内のキャピラリー・チャネルのそれぞれの1つに配置される。
【0010】
別の例に従って、試料分析システムは、本明細書で開示された例の何れかに従うキャピラリー・アレイ・アセンブリと;前記開放チャネルと光学的に整列して配置された光検出器とを含む。
【0011】
別の例に従って、試料を分析するための方法は、本明細書で開示された例の何れかに従うキャピラリー・アレイ・アセンブリを準備し;試料の1つ又は複数の被検物質から光学データを取得するために前記ウィンドウにおいてそれぞれ検出可能な試料の光学測定を行うことを含む。
【0012】
本発明の他のデバイス、装置、システム、方法、特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を検討する際に、当業者に明らかである又は明らかになるであろう。全ての係る追加のシステム、方法、特徴および利点は、本説明内に含まれること、本発明の範囲内であること、及び添付の特許請求の範囲により保護されることが意図されている。
【0013】
本発明は、以下の図面を参照することによって、いっそう良く理解され得る。図面内の構成要素は、必ずしも一律の縮尺に従っておらず、むしろ本発明の原理を示すことに重点が置かれている。図面において、同様の参照符号は、異なる図面の全体にわたって対応する部品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示による、キャピラリー・アレイ・アセンブリの非排他的な一例の上面斜視図である。
【0015】
図2図1に示されたキャピラリー・アレイ・アセンブリの底面斜視図である。
【0016】
図3図1に示されたキャピラリー・アレイ・アセンブリの平面図である。
【0017】
図4図1に示されたキャピラリー・アレイ・アセンブリの第1の端部に関する立面図である。
【0018】
図5図1に示されたキャピラリー・アレイ・アセンブリの第2の端部に関する立面図である。
【0019】
図6図1に示されたキャピラリー・アレイ・アセンブリの中央部分の一部に関する横断立面図である。
【0020】
図7】本開示による、キャピラリー・アレイ・アセンブリの別の例に関する上面斜視図である。
【0021】
図8】本開示による、キャピラリー・アレイ・アセンブリの中央部分の一部に関する別の例の横断立面図である。
【0022】
図9】本開示による、キャピラリー・アレイ・アセンブリの別の例に関する平面図である。
【0023】
図10図9に示されたキャピラリー・アレイ・アセンブリのキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダの斜視図である。
【0024】
図11】本開示による、キャピラリー・アレイ・アセンブリの別の例に関する上面斜視図である。
【0025】
図12図11に示されたキャピラリー・アレイ・アセンブリの上面組立分解斜視図である。
【0026】
図13】本開示による、キャピラリー・ウィンドウ・ホルダの別の例に関する上面斜視図である。
【0027】
図14図13に示されたキャピラリー・ウィンドウ・ホルダの平面図である。
【0028】
図15図13及び図14に示されたキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダを含む、本開示によるキャピラリー・アレイ・アセンブリの別の例に関する縦側面図である。
【0029】
図16】本明細書で説明される例の何れかによる、キャピラリー・アレイ・アセンブリを含む資料分析システム(又は装置、分析機器など)の一例の概略図である。
【0030】
詳細な説明
図1図6は、本開示による、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100の非排他的な一例を示す。図1及び図2は、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100の上面および底面斜視図である。参照および説明のために、図1は、任意に配置されたデカルト座標(x-y-z)フレームを含む。また、本明細書において、x軸、y軸、及びz軸はそれぞれ、長手(縦)軸(又はキャピラリー軸)、横軸、及び高さ軸とも呼ばれる。x軸、y軸、及びz軸に沿った寸法はそれぞれ、長さ、幅、及び高さであると解釈される。また、本明細書において、y-z平面は、正面(横断面)とも呼ばれる。この例において、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100は、長手軸(x軸)に沿って伸長している。また、この例において、図3の平面図は、x-y平面である。また、図4及び図5の端面図(立面図)、及び図6の断面図は、y-z平面(正面)である。
【0031】
キャピラリー・アレイ・アセンブリ100は、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104、及び複数のキャピラリー108を含む。キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104は、キャピラリー108が横軸に沿って互いから間隔をおいて配置され且つ定位置および互いから固定距離に保持されるように、並列構成でキャピラリー108を堅固に保持するように構成される。この目的のために、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104は、後述される複数のキャピラリー・チャネルを含む。各キャピラリー108は、当該キャピラリー・チャネルのそれぞれの1つに配置される。図示された例において、12個のキャピラリー108が12個のキャピラリー・チャネルに設けられるが、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100は、任意の数のキャピラリー・チャネル及び対応する数のキャピラリー108を含む場合がある。
【0032】
キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104は、材料の本体により画定される。当該本体は、一体成形(モノリシック)である場合がある、又は互いに付着された又は固着された2つ以上の部品を含む場合がある。実施形態に応じて、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104の全体、又は後述される当該本体の少なくとも特定の部分は、光を通さない(光に不透明である)。本開示の文脈の中で、「不透明」な材料(又は「黒色」材料)は、例えば電磁エネルギーを吸収および/または反射することにより、特定の範囲内の波長において伝播する係る電磁エネルギーを阻止するために有効である材料である。本開示の文脈において、用語「光」は、一般的な意味では電磁エネルギー(即ち、光子)を意味し、ひいては電磁エネルギーを可視範囲だけに制限しない。実施形態に応じて、阻止されるべき所望の波長範囲は、紫外線領域内、可視領域内、赤外領域内、又は2つ以上のこれら領域の組み合わせ又は部分的な重なり内にある場合がある。本開示の文脈において、紫外線領域は、10nmから400nmまでにわたると解釈され、可視領域は、400ナノメートル(nm)から700nmまでにわたると解釈され、赤外領域は、700nmから1000nm(1ミリメートル(mm))にわたると解釈され、この場合、上記の領域は、依存する技術的根拠に応じて、僅かに異なる場合がある及び/又は僅かに部分的に重なる場合があることが認識される。非排他的な一例において、当該不透明な材料は、190nmから800nmまでの範囲内の波長において伝播する光を通さない。
【0033】
キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104の本体の不透明な(又は黒色)材料の例は、以下に限定されないが、様々な金属(例えば、アルミニウム、ニッケル、銅など)、様々な金属合金、及びシリコン、セラミック、ガラス、及びポリマー(エンジニアリング・プラスチック(例えば、ポリオキシメチレン(POM)、液晶ポリマー(LCP)、ポリアクリルアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチル・メタクリレート(PMMA)、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)、ポリエチレン(PE)など))を含む。その組成に依存する材料は、当業者により認識されるように、製造プロセスの一部としてそれを不透明(黒色)にするように処理される必要がある場合がある。金属または金属合金の場合、例えば、材料(又は少なくともその外面)は、適切な陽極酸化技術、めっき技術、又は酸化技術により不透明にされる場合がある。
【0034】
一般に、利用される材料(例えば、有機ポリマー、金属、半金属など)に適切な何らかの技術は、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104を製作/製造するために利用され得る。実施される特定の製作技術は、高精度の寸法および幾何学的形状(形状)でもって、本明細書で説明される高アスペクト比のウィンドウ・バーを形成するのに非常に適しているものであるべきであり、この場合、寸法(高さ及び/又は幅)の少なくとも1つは、マイクロメートルのスケールである。ポリマーの場合、製造技術の例は、以下に限定されないが、マイクロ射出成形法および3D印刷を含む。金属または半金属の場合、様々な付加製造技術、サブトラクティブ製造技術、及びフォーマティブ製造技術が利用され得る。付加技術の例は、以下に限定されないが、3D印刷(例えば、リソグラフィーベースの金属製造(Lithography-based MetalManufacturing:LMM))、電解めっき、電鋳法または電気めっき、化学的蒸着(CVD)、及び物理的気相成長法(PVD)を含む。サブトラクティブ技術の例は、以下に限定されないが、ドライエッチング(例えば、反応性イオン・エッチング(RIE)及び深堀り反応性イオン・エッチング(DRIE)を含むプラズマベース・エッチングなど)、ウェットエッチング(即ち、例えばフッ化水素酸または他の酸を用いることによる化学エッチング)及びその後の拡散接合、マイクロマシニング、マイクロフライス、マイクロレーザ加工、及びマイクロ放電加工(EDM)を含む。フォーマティブ技術の例は、以下に限定されないが、マイクロスタンピング、マイクロエンボス加工、及びLIGA(ドイツ語:フォトリソグラフィ(Lithographie)、電解めっき(Galvanoformung)、形成(Abformung))を含む。
【0035】
図示された例において、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104(即ち、その本体)は一般に、x-y平面における上側112及び底部側116、第1の端部120、及び長手軸(x軸)に沿って当該第1の端部120に軸方向に対向する第2の端部124を含む。本開示の文脈において、用語「上」及び「底部」は、それらを互いから区別するために互いに関連しているだけであり、地面または任意の他の基準データムに対して任意の特定の位置関係にキャピラリー・アレイ・アセンブリ100を制限することは意図されていない。また、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104(即ち、その本体)は、第1の端部120で末端をなす第1の端部部分128、第2の端部124で末端をなす第2の端部部分132、及びウィンドウ部分136も含む。この例において、ウィンドウ部分136は、第1の端部部分112と第2の端部部分116との間に、長手軸に沿って配置され、ひいては中央部分とも呼ばれ得る。この例において、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104の最も大きい寸法は、その長手方向寸法(その長さ)である。しかしながら、他の例において、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダの最も大きい寸法は、必ずしもその長手方向寸法ではない。
【0036】
第1の端部部分128は、上側112に第1の上部壁140を含み、第2の端部部分132は、上側112に第2の上部壁144を含む。第1の上部壁140は、第1の端部部分128を通過するキャピラリー108の一部を覆い、第2の上部壁144は、第2の端部部分132を通過するキャピラリー108の一部を覆う。第1の上部壁140及び第2の上部壁144は、上述されたような不透明材料から成る場合がある。従って、第1の上部壁140及び第2の上部壁144により、光が上側112を介して、第1の端部部分128及び第2の端部部分132におけるキャピラリー108へ又はキャピラリー108から伝えられることが防止される。言い換えれば、第1の上部壁140及第2の上部壁144は、上側112への又は上側112からの方向において、キャピラリー108への又はキャピラリー108からの何らかの見通し線を阻止する。
【0037】
別の実施形態において、第1の上部壁140及び第2の上部壁144は、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104自体の本体の一部でない場合がある。代わりに、第1の上部壁140及び第2の上部壁144は、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100が動作のためにドッキングされることになる機器コンソールの一部である、又はキャピラリー・アレイ・アセンブリ100が搭載される(取付けられる)ことになるカートリッジの一部である場合があり、そのカートリッジは次に、機器コンソールへドッキングされ得る。
【0038】
本例において、各キャピラリー108は、光学的に透明な材料から成る管を含む。本開示の文脈において、「透明」な材料は、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100の用途において利用される励起光EX及び放出光EM(更に後述される)の波長(単数または複数)を(少なくとも)含む範囲(レンジ)内の波長で伝播する光の透過を可能にする材料である。実施形態に応じて、励起光EX及び/又は放出光EMは、紫外線光、可視光、又は赤外光である場合がある。当該管の材料の例は、以下に限定されないが、シリカ、石英ガラス、溶融水晶、ドープト(合成)溶融石英、及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなポリマー(例えば、UV検出用)を含む。各キャピラリー108の一部(例えば、各キャピラリー108の長さの大部分)は、被覆されている、即ちコーティングにより周方向に取り囲まれている。当該コーティングは、当該管を損傷または破壊から保護する働きをし、及び当該管への及び当該管からの光の透過を阻止する働きもする。当該コーティングの材料の例は、以下に限定されないが、ポリイミド(PI)、アクリレート、シリコーン、及びフッ素重合体を含む。その一方で、各キャピラリー108の少なくとも一部は、透明な管が周囲光ひいては光にさらされるように、むき出しである(即ち、被覆されていない)。従って、各キャピラリー108は、本明細書でキャピラリー・ウィンドウ148と呼ばれるむき出し(又は露出された、又は被覆されていない)部分、及びキャピラリー・ウィンドウ148の(長手軸に沿った)両側の被覆された部分(以降、被覆部分と称する)152を含む。一例として、キャピラリー108は、最初に管を形成し、次いで管の全長を被覆し、キャピラリー・ウィンドウ148を形成するためにキャピラリー108の一部からコーティング(被膜)を剥がすことにより製作される場合があり、それらの全ては、現在知られている又は後に開発される任意の適切な技術により行われ得る。
【0039】
第1の端部部分128及び第2の端部部分132とは対照的に、ウィンドウ部分136は、上側112に上部壁を含まない。即ち、ウィンドウ部分136は、上側112において開いており(又は開口を有し)、それによりキャピラリー108(特に、ウィンドウ部分136、即ちキャピラリー・ウィンドウ148を通過するキャピラリー108の部分)を上側112の周囲空間にさらす。キャピラリー108は、キャピラリー・ウィンドウ148が(正面(横断面)において)互いと平行に位置合わせされ且つウィンドウ部分136に配置されるように、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104に取付けられる。かくして、キャピラリー・ウィンドウ148は、ウィンドウ部分136の開口を通じて、上側112で光にさらされる。この構成により、ウィンドウ部分136は、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100の励起(又は励起/検出を組み合わせた)領域を画定する。一例において、ウィンドウ部分136の開口の長さは、500μmから4mmの範囲内である。
【0040】
幾つかの例において、ウィンドウ部分136は、透明な壁または透明なカバーにより覆われる場合があり(図示されないが、図11及び図12を参照)、それは、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104においてキャピラリーを保護する及び/又は当該キャピラリーの位置を固定する際に支援するように構成され得る。即ち、キャピラリー・ウィンドウ148の直上に配置される上部壁またはカバーの少なくとも一部は、透明である。実施形態に応じて、係る透明壁は、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100の一部、又はキャピラリー・アレイ・アセンブリ100が動作のためにドッキングされることになる機器コンソールの一部、又はキャピラリー・アレイ・アセンブリ100が上述されたように取付けられることになるカートリッジの一部であるとみなされ得る。
【0041】
一例において、キャピラリー・ウィンドウ148の長さは、ウィンドウ部分136の開口の長さより大きい。この場合、第1の端部部分128の第1の上部壁140、及び第2の端部部分132の第2の上部壁144は、第1の上部壁140及び第2の上部壁144の下で延びるキャピラリー・ウィンドウ148の部分、並びにキャピラリー・ウィンドウ148/ウィンドウ部分136に直接隣接した被覆部分152を覆う。従って、第1の上部壁140及び第2の上部壁144は、キャピラリー108への及びキャピラリー108からの光の透過を阻止するための追加の手段を提供する。特に、キャピラリー108内の被検物質から放出された蛍光を測定するように構成された分析機器において、第1の上部壁140及び第2の上部壁144は、被覆部分152が励起光EXのような光にさらされるのを防止し、ひいては被覆部分152からの蛍光の放射を防止または阻止する。これは特に、コーティング材料自体が励起光EXに応じて自ら蛍光を発する又は蛍光を発する場合に、有利である。コーティング材料により生じた蛍光信号は、分析機器により検出されることができ、結果として、取得される光学的測定値における望ましくないノイズ(又はバックグラウンド信号)の一因となる。しかしながら、本例において、第1の上部壁140及び第2の上部壁144は、係る不必要な蛍光が分析機器の検出器(又はカメラ)に到達することを防止する。
【0042】
本開示の文脈において、励起光EXは、個々のキャピラリー108に存在する試料に放射線を当てるために、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100の外部にある光源からウィンドウ部分136(即ち、キャピラリー・ウィンドウ148)におけるキャピラリー108に送られる光のビーム(又は光線)を意味する場合がある。励起光EXのビームは、実施形態に応じて、コヒーレントである場合がある又はコヒーレントでない場合がある。係る光源は、特性または属性(例えば、1つ又は複数の被検物質の濃度)を求めるために及び/又は顕微鏡画像などを取得するために、試料において被検物質に対して光学的測定を行うように構成された分析機器の一部である場合がある。放出光EMは、入射する励起光EXに応答して、各キャピラリー108(即ち、各キャピラリー・ウィンドウ148)から放出される光を意味する場合があり、当該光は、分析機器の検出器(又はカメラ)により受け取られ得る。
【0043】
幾つかの例において、励起光EXは、吸光度(又は透過率)を測定するために及び/又は顕微鏡画像を取得するために、キャピラリー108内の試料を照射するために利用され得る。他の例において、選択された波長の励起光EXが、(例えば、固有の蛍光被検物質から、又は被検物質に追加または結合されたフルオロフォアからなど)蛍光発光を誘起することにより、キャピラリー108内の試料中のターゲット被検物質を「励起」するために利用され得る。便宜上、用語「励起」は本明細書において、蛍光発光を含まない照射を含む係る事例の全てを意味するように使用される。画像を取得する例において、放出光EMは、カメラの視野内でキャピラリー108から放出された光であり、それは、励起光EXにより照射されたキャピラリー内の試料の画像を構築する必要に応じて処理される。吸光度(又は透過率)を測定する例において、キャピラリー108から放出される放出光EMは、キャピラリー108内の試料による励起光EXの部分的な吸光度に起因して減衰する。このような場合、放出光EMは、励起光EXと同じ波長からなる場合がある。蛍光を測定する例において、放出光EMは、励起光EXの波長に応じて、被検物質から放出された光である。このような場合、放出光EMは、励起光EXとは異なる波長からなる。別の例は蛍光顕微鏡法であり、この場合、キャプチャされた画像は、蛍光発光に部分的に基づく。便宜上、用語「放出」は本明細書において、非蛍光の透過を含む係る事例の全てを意味するように使用される。
【0044】
ウィンドウ部分136は更に、平行に且つ横軸に沿って互いから間隔を置いて配置された複数のウィンドウ・バー(又は中央バー)156を含む。この例において、ウィンドウ・バー156は、長手軸に沿って細長く、ウィンドウ部分136の長さに沿って第1の端部部分128から第2の端部部分132まで概して延びている。各キャピラリー108が横軸に沿って個々のウィンドウ・バー156により両側で側面を接するように、ウィンドウ・バー156は、キャピラリー108と平行に配列され且つキャピラリー108と噛み合わされる。従って、各キャピラリー108(特に、ウィンドウ部分136におけるキャピラリー・ウィンドウ148)は、ウィンドウ・バー156を介在させることにより、どちらの側にも隣接するキャピラリー108から物理的に隔てられる。ウィンドウ・バー156は、上述されたような不透明材料からなり、ひいては更に後述されるような光学的シールドとして機能する。
【0045】
図2を参照すると、本例において、ウィンドウ部分136は、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104の底部側116に位置する底部壁260を更に含む。底部壁260は、ウィンドウ部分136(即ち、キャピラリー・ウィンドウ148)を通過するキャピラリー108の部分を覆うようにウィンドウ部分136の全域に及ぶ場合がある。ウィンドウ・バー156は底部壁260から上方へ延びており、底部壁260と接触している又は一体化され得る。特に、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104がモノリシック本体として形成される場合、底部壁260は、本明細書で説明されるキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104の他の構成要素と同じ不透明材料からなる場合がある。実施形態に応じて、不透明材料は、光が底部側116を介してウィンドウ部分136におけるキャピラリー108内へ又はキャピラリー108から外へ伝達されるのを防止することが望まれる又は必要とされ得る。
【0046】
底部壁260は、キャピラリー・アセンブリ100の同じ側(例えば、図1においてEXビーム及びEMビームにより模式的に示されるように上側112)で励起と検出の双方を実施する応用形態において設けられ得る。分析機器の実施形態およびそれにより実施される光学的測定技術のタイプに応じて、EXビームとEMビームとの間の角度は例えば、0度~65度の範囲にわたる場合がある。他の実施形態において、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100は、キャピラリー108を介して上側112から底部側116まで光を伝達するように構成される場合があり、この場合、底部壁260は、他の実施形態に関連して更に後述されるように、設けられない。
【0047】
図2に示された例において、第1の端部部分128及び第2の端部部分132は、底部壁を含まない。代わりに、第1の上部壁140及び第2の上部壁144が、第1の端部部分128及び第2の端部部分132の主要構造部材として機能する場合がある。特にキャピラリー・アレイ・アセンブリ100が底部側116を光学的にシールドする筐体(例えば、分析機器の内側部分)に実装される場合、第1の端部部分128及び第2の端部部分132におけるキャピラリー108のコーティングは、底部側116に適切な光学的シールドを提供する場合がある。しかしながら、他の例において、第1の端部部分128及び/又は第2の端部部分132は、底部壁を含む場合がある。
【0048】
図4は、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100の第1の端部120の立面図であり、特に第1の端部部分128を示す。本例において、第1の端部部分128は、長手軸に沿って延び且つ横軸に沿って互いから間隔をおいて配置された複数の第1の端部チャネル464を含む。第1の端部チャネル464は、個々のキャピラリー108を保持または収容するように構成される。第1の端部チャネル464は、第1の上部壁140及び複数の第1の内面により、協調的に画定される。特に、各第1の端部チャネル464は、第1の上部壁140の下側面(内面)及び複数の第1の内面の1つにより、協調的に画定される(第1の端部チャネル464の断面の形状または輪郭に従って)。第1の端部チャネル464は、それらが第1の端部部分128の構造体により(構造体の内側に)完全に閉じ込められている、特に第1の上部壁140により覆われているという意味で、「閉じた」チャネルである。図示された例において、第1の端部チャネル464は、正面(横断面)において直線で構成された(例えば、長方形または正方形)横断面を有する。この場合、各第1の端部チャネル464は、第1の上部壁140の下側面および3つの第1の内面により画定され、即ち、(x-z平面における)2つの側方の内面468A及び468Bは、(x-y平面における)底部内面472により接合される。
【0049】
第1の端部部分128は更に、長手軸に沿って細長い複数の第1の端部バー(又は仕切り)466を含む。第1の端部バー466は、ウィンドウ部分136の対応するウィンドウ・バー156と位置合わせされ、且つ当該ウィンドウ・バー156と一体化され得る又はそれらの延長部分である場合がある。本例において、各第1の端部バー466は、第1の端部チャネル464の1つの側方内面468A、及び隣接する第1の端部チャネル464の隣接する側方内面468Bを含む。ウィンドウ部分136のウィンドウ・バー156と同様に、第1の端部バー466は、各キャピラリー108が第1の端部バー466を介在させることにより、どちらの側にも隣接するキャピラリー108から物理的に隔てられるように、キャピラリー108と平行に配列され且つ当該キャピラリー108と噛み合わされる。
【0050】
図5は、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100の第2の端部124の立面図であり、特に第2の端部部分132を示す。第2の端部部分132の構成は、第1の端部部分128の構成と同じ又は類似する場合がある。従って、第2の端部部分132は、個々のキャピラリー108を保持または収容するように構成された、複数の軸方向に細長い第2の端部チャネル570を含む。本例において、第2の端部チャネル570は、第2の上部壁144及び複数の第1の内面、特に底部内面572により接合されている2つの側方内面568A及び568Bにより、協調的に画定される。第2の端部部分132は更に、複数の軸方向に細長い第2の端部バー(又は仕切り)574を含み、第2の端部バー574のそれぞれは、第2の端部チャネル570の1つの側方内面568A、及び隣接する第2の端部チャネル570の隣接する側方内面568Bを含む。第2の端部バー574は、ウィンドウ部分136の対応するウィンドウ・バー156と位置合わせされ、且つ当該ウィンドウ・バー156と一体化され得る又はそれらの延長部分である場合がある。ウィンドウ・バー156及び第1の端部バー466と同様に、第2の端部バー574は、各キャピラリー108が第2の端部バー574を介在させることにより、どちらの側にも隣接するキャピラリー108から物理的に隔てられるように、キャピラリー108と平行に配列され且つキャピラリー108と噛み合わされる。
【0051】
キャピラリー108は、任意の適切な手段により、第1の端部チャネル464及び/又は第2の端部チャネル570内に所定位置に固定され得る。例えば、樹脂または他の接着剤が利用され得る。
【0052】
図6は、ウィンドウ部分136の一部の横断立面図である。ウィンドウ・バー156は、第1の端部部分128の対応する第1の端部バー466と第2の端部部分132の第2の端部バー574との間で、長手軸に沿って延びている。ウィンドウ部分136は、長手軸に沿って延び且つ横軸に沿って互いから間隔を置いて配置される複数の開放チャネル678を含む。各開放チャネル678は、キャピラリー108の個々の1つ、特にキャピラリー・ウィンドウ148を保持または収容する。開放チャネル678は、ウィンドウ・バー156により画定される。各ウィンドウ・バー156は、2つの隣接する開放チャネル678間に置かれ、ひいてはこれら開放チャネル678に存在するキャピラリー・ウィンドウ148も物理的に隔てる。本例において、また、開放チャネル678は、中央部分136の下に横たわる底部壁260(特に、底部壁260の露出された上面)により、画定される。開放チャネル678は、それらがキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104の少なくとも1つの側(本例において、上側112)に対して露出され、それにより光がその側(上側112)を介してキャピラリー・ウィンドウ148へ及びキャピラリー・ウィンドウ148から伝えられることを可能にするという意味で、「開放的(開いている)」である。
【0053】
従って、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104のキャピラリー・チャネルは、少なくともウィンドウ部分136により、特にウィンドウ部分136の開放チャネル678により、画定される。本例において、キャピラリー・チャネルは、第1の端部部分128、第2の端部部分132、及びウィンドウ部分136により、協調的に画定される。特に、各キャピラリー・チャネルは、長手軸に沿って、第1の端部チャネル464の対応する1つと及び第2の端部チャネル570の対応する1つと位置合わせされた開放チャネル678の1つを含む。本開示の一態様に従って、キャピラリー・チャネルは、横軸に沿った方向において、隣接するキャピラリー108間で見通し線を阻止するように構成される(例えば、阻止するような大きさになっていて位置決めされている)。特に、ウィンドウ・バー156は、隣接するキャピラリー・ウィンドウ148間で横軸に沿って見通し線を阻止するように構成される。この構成により、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104は、隣接するキャピラリー・ウィンドウ148間のクロストーク(キャピラリー間クロストーク)を大幅に低減する(又は除去さえもする)場合がある。
【0054】
図6に示された例において、各ウィンドウ・バー156は、1つの開放チャネル678を少なくとも部分的に画定する側方内面668A、隣接する開放チャネル678を少なくとも部分的に画定する側方内面668B、及び2つの側方内面668A及び668Bを接合する上面676(x-y平面における)を含む(又はそれらにより境界を形成される)。各ウィンドウ・バー156は、上面676に対応する横軸に沿ったバー幅W、及び側方内面668A及び668Bに対応する高さ軸に沿ったバー高さHを有する。従って、各ウィンドウ・バー156は、バー幅Wとバー高さHにより画定された正面において、横断面を有する。キャピラリー・ウィンドウ148間の見通し線の阻止(ひいてはクロストークの低減または除去)を容易にするために、バー高さHは、キャピラリー・ウィンドウ148のキャピラリー外径Dに少なくとも等しい、及び一般に当該キャピラリー外径Dより(少なくとも僅かに)大きい。一般に、キャピラリー外径Dは、マイクロメートル(μm)のスケールであり、即ち1ミリメートル(mm)未満である。一例において、キャピラリー外径Dは、25μm~250μm、又は90μm~200μmの範囲内であり(1つの特定例は192μmである)、この場合、バー高さHは、少なくとも25μm~250μm、又は90μm~200μmの範囲内であり、又は250μmより大きい。一例において、バー高さHは、5μm~25μmの範囲内の量だけキャピラリー外径Dより大きい。一般に、バー幅Wは、マイクロメートルのスケールである。一例において、バー幅Wは、25μm~1500μm、又は25μm~100μmの範囲内である。
【0055】
各ウィンドウ・バー156の横断面のサイズ(即ち、断面積)は、バー高さH対バー幅Wの比として本明細書で定義される、バー156のバーアスペクト比A(A=H:W)により、特徴付けられ得る。上述されたように、隣接するキャピラリー・ウィンドウ148間の見通し線を阻止するためのウィンドウ・バー156の能力に影響を及ぼすことに加えて、バーアスペクト比Aは、開放チャネル678ひいてはキャピラリー・ウィンドウ148のピッチ(又はそれらの間の横方向の間隔)を決定する。次いで、当該ピッチは、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104(のウィンドウ部分136)におけるキャピラリー108の実装の密度を決定し、ひいては関連する分析機器の検出光学系または結像光学系により読み出され得るキャピラリー・ウィンドウ148の数を決定する。一例において、バーアスペクト比Aは、1~10の範囲内である。
【0056】
高アスペクト比のウィンドウ・バー156がクロストークを低減するので、それらにより、キャピラリー・ウィンドウ148が、信号対雑音比に感知できるほどに影響を及ぼさずに、高度の小型化でもって配列されることが可能になる。従って、ウィンドウ・バー156は、バックグラウンド・ノイズを小さくし且つ分析機器によるより高い倍率とより良い分解能、感度、及び試料定量化を可能にする場合がある。更に、ウィンドウ・バー156により画定された開放チャネル678は、キャピラリー・ウィンドウ148を高精密に且つ明確に定義された方法で位置決めし、分析機器の光学構成要素との高精密で再現性のあるドッキングとアライメントを可能にする。更に、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104は、壊れやすいキャピラリー108の非常に効果的な機械的保護を提供する。
【0057】
上述された例において、キャピラリー・チャネルの横断面は、直線で構成されている。しかしながら、横断面は、他のタイプの多角形、又は部分的に丸みを帯びた形状のような、他のタイプの形状を有する場合がある。別の例において、横断面の一部、特にキャピラリー・チャネルの底部面は、キャピラリー・チャネルにおいてキャピラリー108の適切な位置決めを容易にする場合がある(部分的に)V字形状である場合がある。V字形状溝として(又はV字形状溝を含むように)底部面を構成する場合、係るV字形状の幾何学的形状は、本明細書で開示されるように、キャピラリー108間に光シールド(遮蔽)のバーを維持しながら、キャピラリー108の高い実装密度を実現するために、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104の能力を損なうべきではない。
【0058】
キャピラリー・アレイ・アセンブリ100は、キャピラリー108に収容される被検物質に光学的測定を行うように構成された任意の適切な分析機器に搭載され得る。実施形態に応じて、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100は、分析機器のコンソールに直接的に装填されて、分析機器の光学システムと整列するように配置され得る、又はコンソールに装填されるカセットの一部として構成され得る。図1に示された例において、キャピラリー・チャネル(キャピラリー108の対応するアレイ)は、キャピラリー平面内に位置し、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104は、高さ軸に沿ってキャピラリー平面からオフセットしている取付け平面に位置する1つ又は複数の取付け機構を含む。図示された例において、取付け機構は、第1の端部部分128及び第2の端部部分132それぞれの一部である又はそれらに取付けられ得る、第1の取付け部材180及び第2の取付け部材182を含む。第1の取付け部材180及び第2の取付け部材182は、任意の適切な方法で機器のコンソールに固定され得る(又はカートリッジに固定され、次いでカートリッジが機器のコンソールに固定される)。第1の取付け部材180及び第2の取付け部材182、又はキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ104の別の部分は、図示されていない他の取付け機構、並びにキャピラリー108を精密な位置へ位置決めして固定するための機構、キャピラリー108をキャピラリー・チャネルへ突き通すことを容易にするための基準機構、分析機器の光学システムとの光学的アライメントを容易にするための機構などを含む場合がある。
【0059】
図7は、本開示による、キャピラリー・アレイ・アセンブリ700の別の例に関する上面斜視図である。キャピラリー・アレイ・アセンブリ700は、図1に示されたキャピラリー・アレイ・アセンブリ100と同じ又は類似した多くの特徴要素を有する場合がある。従って、係る特徴要素は、図7において同じ参照符号により示される。キャピラリー・アレイ・アセンブリ700は、より大きい数のキャピラリー108(本例において96本のキャピラリー108)を有するという点で主として異なる。一例において及び図7に示されるように、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100は、幾つかの個々のキャピラリー・アレイ・アセンブリ100(上述されたように構成された)が平行に配列されて、それにより要望通りに、より多くの数のキャピラリー108を提供することを可能にするモジュラー構成を有する。言い換えれば、図7のキャピラリー・アレイ・アセンブリ700は、図示された例において8個のキャピラリー・アレイ・アセンブリ100のような、幾つかのキャピラリー・アレイ・アセンブリ100から構築され得る。このような場合、より小さいキャピラリー・アレイ・アセンブリ100は、より大きなキャピラリー・アレイ・アセンブリ700のモジュール又は一部(セグメント)であるとみなされ得る。
【0060】
図8は、本開示による、キャピラリー・アレイ・アセンブリ800の別の例に関する横断立面図である。特に、図8は、ウィンドウ・バー856、及びキャピラリー・ウィンドウ148を含む開放チャネル878を備える、キャピラリー・アレイ・アセンブリ800のウィンドウ部分836の一部に関する断面図である。図8に示されたウィンドウ部分836は、図6に示されたキャピラリー・アレイ・アセンブリ100のウィンドウ部分136と比較され得る。本例において、ウィンドウ部分836は、底部壁を備えておらず、代わりに開放チャネル878は、底部側116において並びに上側112において開いている。この通過-照射構成により、キャピラリー・アレイ・アセンブリ800は、図8においてEXビーム及びEMビームにより示されるように、ウィンドウ部分836を通り抜ける光の透過を可能にする。即ち、通過-照明構成において、光は、キャピラリー・アレイ・アセンブリ800のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダの上側および底部側にウィンドウ部分836を透過することができる。この場合、ウィンドウ・バー856は、キャピラリー・アレイ・アセンブリ800のウィンドウ・ホルダ本体の軸方向端部部分のような、キャピラリー・アレイ・アセンブリ800の他の部分により構造的に支持され得る。一例において、係る軸方向端部部分は、図1図5に関連して上述された第1の端部部分128及び第2の端部部分132に類似する。
【0061】
図9は、本開示による、キャピラリー・アレイ・アセンブリ1100の別の例に関する平面図である。他の実施形態にあるように、キャピラリー・アレイ・アセンブリ1100は、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ1104、及びキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ1104のキャピラリー・チャネルに並列構成でそれぞれ搭載された複数のキャピラリー108を含む。図10は、キャピラリー108を備えていない、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ1104の斜視図である。図示された例において、12本のキャピラリー108が12個のキャピラリー・チャネルに設けられるが、キャピラリー・アレイ・アセンブリ1100は、任意の数のキャピラリー・チャネル及び対応する数のキャピラリー108を含む場合がある。
【0062】
他の実施形態にあるように、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ1104(即ち、その本体)は一般に、x-y平面における上側1112及び底部側1116、第1の端部1120、及び長手軸(x軸)に沿って当該第1の端部1120に軸方向に対向する第2の端部1124を含む。また、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ1104(即ち、その本体)は、第1の端部1120で末端をなす第1の端部部分1128、第2の端部1124で末端をなす第2の端部部分1132、及び第1の端部部分1128と第2の端部部分1132との間に長手軸に沿って配置されたウィンドウ部分1136も含む。
【0063】
キャピラリー・チャネルは、ウィンドウ部分1136における個々の開放チャネル1178により、画定される。開放チャネル1178は、上述されたような軸方向に細長い不透明なウィンドウ・バー1156により、分割される。この例において、キャピラリー・チャネルは、第1の端部チャネル1164及び第2の端部チャネル1170により更に画定され、この場合、各開放チャネル1178は、対応する第1の端部チャネル1164と第2の端部チャネル1170との間に軸方向に配置されている。第1の端部チャネル1164及び第2の端部チャネル1170はそれぞれ、上述されたように、第1の端部バー1166及び第2の端部バー1174により、分割される。キャピラリー・チャネルは、各開放チャネル1178が一方の側の対応する第1の端部チャネル1164から及び他方の側の対応する第2の端部チャネル1170から軸方向に間隔を置いて配置されるという点で、軸方向に不連続である。
【0064】
この例において、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ1104(即ち、その本体)は更に、ウィンドウ部分1136の下にある(それにより底部側1116において、覆う)底部側1116において1つ又は複数の底部壁1160、又は更に第1の端部部分1128及び/又は第2の端部部分1132を含む。底部壁(単数または複数)は、不透明である、即ち上述されたような不透明材料からなる場合がある。従って、この例のキャピラリー・アレイ・アセンブリ1100は、同じ側の励起/検出構成を有し、図1に関連して上述されたように、励起光EXが上側1112におけるウィンドウ部分1136へ送られることができ、放出光EMが当該ウィンドウ部分1136から送られ得ることを意味する。このために、ウィンドウ部分1136の上側、又はキャピラリー・アレイ・アセンブリ1100の上側全体は、図示されたように開いている。一例において、キャピラリー108の全て又は一部は、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ1104においてキャピラリーを保護する及び/又はキャピラリーの位置を固定するのを支援するように構成され得る上部壁またはカバー(図示せず)により覆われ得る。キャピラリー・ウィンドウ148(の真上)を覆う係る上部壁の少なくとも一部は、透明である。
【0065】
また、図9及び図10に示されるように、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ1104は、取付け機構1180を含む。本例において、取付け機構1180は、キャピラリー・チャネル及びキャピラリー108の下に位置する。本例において、取付け機構1180は、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ1104の本体(例えば、底部壁1160)に形成された半円形状の凹部(リセス)である。これら取付け機構1180は、下にあるプレート又は他の支持構造体(図示せず)の相補的な形状の取付け機構(例えば、ポスト)と接触させられ得る。他の実施形態において、取付け機構1180は、他の丸みを帯びた形状または多角形の形状を有する場合がある。
【0066】
図11は、本開示による、キャピラリー・アレイ・アセンブリ1300の別の例に関する上面斜視図である。図12は、キャピラリー・アレイ・アセンブリ1300の上面組立分解斜視図である。キャピラリー・アレイ・アセンブリ1300は、図9及び図10に示されたキャピラリー・アレイ・アセンブリ1100と同じ又は類似する多くの特徴要素を有する場合がある。従って、係る特徴要素は、図11及び図12において、同じ参照符号により示される。一態様において、キャピラリー・アレイ・アセンブリ1300は、より大きい数のキャピラリー108(本例において、96本のキャピラリー108)を有する点で異なる。一例において、及び図11及び図12に示されるように、キャピラリー・アレイ・アセンブリ1300は、平行に配列された複数の個々のキャピラリー・アレイ・アセンブリ1100から組み立てられるモジュラー構成を有する。従って、キャピラリー・アレイ・アセンブリ1300のキャピラリー・ウィンドウ・ホルダは、上述された且つ図9及び図10に示されたように構成され得る複数のキャピラリー・ウィンドウ・ホルダ1104から構築され得る。
【0067】
個々のキャピラリー・アレイ・アセンブリ1100の組み立てとアライメントを容易にするために、キャピラリー・アレイ・アセンブリ1300は、底部プレート(又はベースプレート、又は底部カバー)1302及び上部プレート(又は上部壁、又は覆うための)1306を含む場合がある。個々のキャピラリー・アレイ・アセンブリ1100は、底部プレート1302と上部プレート1306との間に置かれる(の間に挟まれる)。底部プレート1302は、個々のキャピラリー・アレイ・アセンブリ1100の対応する(第1の)取付け機構1180に係合するように構成された複数の(第2の)取付け機構1410を含む。本例において及び図10に最も良く示されるように、取付け機構1180は、半円形凹部であり、この場合、底部プレート1302の取付け機構1410が、キャピラリー・アレイ・アセンブリ1100の半円形取付け機構1180に相補的に係合する(例えば、嵌合する)ように構成された(例えば、そのような大きさになっており且つ形作られている)円柱状ポストである場合がある。図10から明らかなように、2つのキャピラリー・アレイ・アセンブリ1100が互いに隣接して(並んで)配置される際、半円形取付け機構1180の対応する隣接する対は、底部プレート1302のポスト形状取付け機構1410が嵌合する円形穴を形成する。
【0068】
図11及び図12に更に示されるように、上部プレート1306は、ウィンドウ部分(単数または複数)1136(の真上)を覆う透明部分1314、並びに第1の端部部分(単数または複数)1128及び第2の端部部分(単数または複数)1132をそれぞれ覆い、それにより光学的スリットとして機能する不透明部分1318を含む場合がある。透明部分1314の長さは、ウィンドウ部分(単数または複数)1136におけるキャピラリー108のキャピラリー・ウィンドウの長さと同じ広がり(等しい又は実質的に等しい)である場合がある。不透明部分1318は、キャピラリー・ウィンドウに直接隣接するキャピラリー108のコーティングされた部分を覆い、これは、図1図6に示された例に関連して上述されたように、好都合である場合がある。
【0069】
キャピラリー・アレイ・アセンブリ1300を組み立てるために、キャピラリー・アレイ・アセンブリ1100を互いに対して適切に位置決めして配置するために取付け機構1410を利用して、より小さいキャピラリー・アレイ・アセンブリ1100が、底部プレート1302上へ(又は内へ)並んで配置され得る。従って、取付け機構1410の大部分は、取付け機構1180の対応する対により形成された穴へ嵌合するが、底部プレート1302の横方向端部における取付け機構1410は、1つの対応する取付け機構1180の凹部(本例において半円空間)へ嵌合する。次いで、上部プレート1306は、キャピラリー・アレイ・アセンブリ1100の上側に配置される。実施形態に応じて、上部プレート1306は、キャピラリー・アレイ・アセンブリ1100及び/又は底部プレート1302に接触する場合がある又は接触しない場合がある。実施形態に応じて、上部プレート1306は、キャピラリー・アレイ・アセンブリ1100及び/又は底部プレート1302に固定または取付けられ得る、又は固定または取付けられない場合がある。固定または取付けは、機械的に又は任意の適切な方法で接着によって行われ得る。
【0070】
本明細書で開示されたキャピラリー・アレイ・アセンブリの何れかは、今説明した及び図11及び図12に示された底部プレート1302及び/又は上部プレート1306に類似した底部プレート及び/又は上部プレートを含むように構成され得る。
【0071】
図13は、本開示による、キャピラリー・ウィンドウ・ホルダ1504の別の例に関する上部斜視図である。図14は、キャピラリー・ウィンドウ・ホルダ1504の平面図である。他の実施形態にあるように、キャピラリー・ウィンドウ・ホルダ1504は、キャピラリー108の少なくともキャピラリー・ウィンドウ148が隣接するキャピラリー・ウィンドウ148間のクロストークを低減または防止するように、並列構成において所定位置に固定されるように、複数の対応するキャピラリー108(図15を参照)を保持するように構成された複数のキャピラリー・チャネルを含む。図示された例において、12個のキャピラリー・チャネルが12本のキャピラリー108のために設けられるが、キャピラリー・ウィンドウ・ホルダ1504は、対応する数のキャピラリー108のために任意の数のキャピラリー・チャネルを含む場合がある。
【0072】
他の実施形態にあるように、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ1504(即ち、その本体)は一般に、x-y平面における上側1512及び底部側1516、第1の端部1520、及び長手軸(x軸)に沿って当該第1の端部1520に軸方向に対向する第2の端部1524を含む。また、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ1504(即ち、その本体)は、ウィンドウ部分1536も含む。また、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ1504の構造は、第1の端部部分1528と第2の端部部分1532との間に長手軸に沿ってウィンドウ部分1536が配置されている状態で、第1の端部1520で末端をなす第1の端部部分1528、第2の端部1524で末端をなす第2の端部部分1532を含むとみなされ得る。
【0073】
この例において、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ1504の一部は、バー又はリブのグリッド(格子)として構成される。グリッドは、長手軸に沿って平行に配列され且つ横軸に沿って互いから間隔を置いて配置された複数の長手方向バー、及び横軸に沿って延びており且つ長手軸に沿って互いから間隔を置いて配置された少なくとも2つの横方向バー(例えば、第1の横方向バー1522及び第2の横方向バー1526)を含む。横方向バー1522及び1526は、各長手方向バーを、対応する第1の端部バー1566と第2の端部バー1574との間に軸方向に配置された軸方向に細長いウィンドウ・バー1556へ分割する。実施形態に応じて、また、横方向バー1522及び1526は、長手方向バーのための構造的支持を提供することも必要とされる場合があり、及び/又はキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ1504の製造工程を簡略化する場合がある。
【0074】
横方向バー1522及び1526は、ウィンドウ部分1536の軸方向端部を画定する。従って、他の実施形態にあるように、キャピラリー・チャネルは、ウィンドウ部分1536において個々の開放チャネル1578により画定され、開放チャネル1578は、軸方向に細長いウィンドウ・バー1556により分割される。少なくともウィンドウ・バー1556(又はより好都合にキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ1504の全体)は、上述されたようにキャピラリーのクロストークの低減または除去を行うために不透明材料からなる。
【0075】
本例において、キャピラリー・アレイ・アセンブリ1500は、通過-照射構成を有し、それにより光は、上側1504及び底部側1516の双方においてウィンドウ部分1536を透過することができる。このために、上側1504及び底部側1516の双方は、図示されたように(少なくともウィンドウ部分1536において)開いている。即ち、開放チャネル1578は、上部壁または底部壁により覆われない。
【0076】
また、図13及び図14に示されるように、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ1504は、図9及び図10に関連して上述された取付け機構1180に類似した取付け機構1580を含む場合がある。従って、幾つかのキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ1504は、上述された及び図11図12に示されたキャピラリー・アレイ・アセンブリ1300に類似するように、より大きなキャピラリー・アレイ・アセンブリのモジュール又は一部として平行に配列され得る。
【0077】
図15は、本開示による、キャピラリー・アレイ・アセンブリ1700の別の例に関する長手方向側面図であり、キャピラリー・アレイ・アセンブリ1700は、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ1504、及びキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ1504に配置された複数のキャピラリー108を含む。この例において、キャピラリー108は、少なくともそれらのキャピラリー・ウィンドウ148がウィンドウ・バー1556と平行に噛み合う関係で配置されるように、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ1504に配置される。従って、この構成により、キャピラリー・ウィンドウ148は、本明細書で開示された他の実施形態にあるように、横方向(図面の用紙に垂直)においてウィンドウ・バー1556により、光学的に阻止される。図示された例において、この構成は、横方向バー1522及び1526の上または下に曲げられている(又は特に図示された例において、一方の横方向バー1522の上に及び他方の横方向バー1526の下に曲げられている)キャピラリー108により実現され、キャピラリー・ウィンドウ148を含むキャピラリー108の部分は、対応する開放チャネル1578内に完全に収容されている。キャピラリー・アレイ・アセンブリ1700は、図15に示されたように、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ1504内にキャピラリー108を保持する必要に応じて、底部プレート及び/又は上部プレート(図示せず)を含む場合がある。例えば、上述された及び図11図12に示された底部プレート1302及び/又は上部プレート1306は、このために構成(即ち、適合、変更など)され得る。
【0078】
図16は、本明細書で説明された例の何れかによる、1つ又は複数のキャピラリー・アレイ・アセンブリ100(又は700、又は800など)を含む試料分析システム(又は装置、分析機器など)1800の一例に関する略図である。試料分析システム1800は、例えば、化合物、生体化合物、生体細胞またはその成分(単数または複数)などのような、キャピラリー108内の試料に光学的測定を行うように構成されている。本開示の文脈において、用語「光学的測定」は、試料分析システム1800のタイプに応じて、イメージング(例えば、顕微鏡イメージング)を含む。様々な例において、光学的測定は、蛍光発光、吸光度、ルミネッセンス(ケミルミネッセンス又は生物発光を含む)、(UV、可視、又はIR)分光法、ラマン散乱、顕微鏡法などに基づく場合がある。一般に、光学を用いる試料分析機器に設けられる様々な構成要素の構造と動作は、当業者により理解され、ひいては本開示された内容の理解を容易にするために本明細書において単に簡潔に説明される。
【0079】
キャピラリー・アレイ・アセンブリ100は、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100により支持されているキャピラリー・ウィンドウが試料分析システム1800の光学システムと正確な光学的位置関係にあるように、試料分析システム1800内の動作位置へ装填されるように構成される。光学的システムは、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100の露出された(光学的に読み取り可能)部分から放出される放出光EMを受け取って測定するように構成された1つ又は複数の光検出器(又はカメラ)1802を含む。光検出器1802の例は、以下に限定されないが、カメラ、光電子増倍管(PMT)、フォトダイオード(PD)、電荷結合素子(CCD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイスのような能動ピクセルセンサ(APS)などを含み、それらは、検出されることになる放出波長に敏感である。
【0080】
幾つかの例において(試料分析システム1800のタイプに応じて)、光学的システムは更に、選択された波長(単数または複数)で励起光EXを送ることにより、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100の露出された部分においてキャピラリー108内の試料に放射線を当てるように構成された1つ又は複数の光源1806を含む。光源1806の例は、以下に限定されないが、広帯域光源(例えば、フラッシュランプ)、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、レーザなどを含む。ユーザが所望の励起波長を選択することを可能にするために、複数の光源1806が設けられ得る。
【0081】
光学的システムは更に、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100からの放出光EMを光検出器1804に送るように構成された様々なタイプの放出光学系1810、又は光源1806からの励起光EXをキャピラリー・アレイ・アセンブリ100へ送るように構成された追加の励起光学系1814を含む場合がある。放出光学系1810又は励起光学系1814の例は、以下に限定されないが(必要に応じて及び当業者により理解されるように)、レンズ、読取ヘッド、アパーチャ(絞り)、光学フィルタ、ライトガイド、ミラー、ビームスプリッタ、ビーム操向デバイス、単色光分光器、回折格子、プリズム、光路スイッチなどを含む。
【0082】
キャピラリー・アレイ・アセンブリ100及び光学的システムは、迷光がキャピラリー108に到達することを防止するように構成された機器コンソール(又は装置ハウジング、筐体など)1818内に配置される。また、機器コンソール1818は、必要に応じてコンソール内部の環境管理(例えば、温度管理)を可能にするために閉鎖環境も提供する。また、機器コンソール1818は、本明細書で説明される試料分析システム1800の様々な他の構成要素も収容する場合がある。機器コンソール1818は、試料分析システム1800の内部領域および構成要素へのアクセスを提供するように、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100及び他の可搬型/交換可能な構成要素を装填/取り除くために1つ又は複数のパネル、ドア、引き出しなどを含む場合がある。
【0083】
一例において、試料分析システム1800は、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100の上流に配置された試料源1822を含む。一般に、試料源1822は、試料が個々のキャピラリー108へ導入され得る、又は個々のキャピラリー108へ充填されることになる試料を提供するように構成された任意の構成要素または構成要素のグループである。このために、各キャピラリー108の入口端部1826は、直接的に又は他の流体構成要素(例えば、管(チューブ)、管継手、バルブなど)を介して、試料源1822と流体連絡する(流れの伝達状態にある)場合がある。一例において、試料源1822の1つ又は複数の構成要素は、図16の矢印1830により示されるように、手動で又は(半)自動的に(ドア、引き出しなどを介して)機器コンソール1818内へ及び機器コンソール1818から移動可能である場合がある。一例において、試料源1822は、マルチウェル・プレート(例えば、マイクロタイター・プレート)、管、バイアル、キュベットなどのような、試料を保持するように構成された1つ又は複数の容器である又は当該容器を含む場合がある。各ウェル(又は他のタイプの容器)は、個々の試料を収容し、キャピラリー108の対応する1つと流体連絡する場合がある。各試料は、例えば、組成および/またはコンディショニング又は前処理の状態の観点から、他の試料と同じ又は異なる場合がある。一例において、試料源1822により供給される試料は、場合によっては試料分析システム1800の上流に位置して試料源1822に流体結合され得る別の分析機器(例えば、LC機器またはGC機器など)から生じている場合がある。
【0084】
別の例において、試料は、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100を試料分析システム1800へ装着して分析を実行する前に、キャピラリー108に予め充填され得る。この場合、試料源1822の全て又は一部は、必要とされない場合がある。
【0085】
一例において、試料分析システム1800は更に、流体源1834を含む。流体源1834は、試料分析システム1800のタイプに応じて、1つ又は複数のタイプの流体(例えば、溶媒、緩衝溶液、洗浄液/リンス液、試薬溶液、キャリアガスなど)をキャピラリー108に供給するように構成された1つ又は複数の流体源を意味する場合がある。キャピラリー108の入口端部1826は、試料分析システム1800のタイプに応じて、手動で又は(半)自動的に試料源1822及び流体源1834と選択的に流体連絡するように配置され得る。
【0086】
キャピラリー108を介した流体の流れを含む例において、試料分析システム1800は更に、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100から下流に配置されたレシーバ1838を含む。一般に、レシーバ1838は、分析がキャピラリー・アレイ・アセンブリ100において実施された後の試料、及びキャピラリー108を通って流れる任意の他の物質を受け取るための任意の適切に構成された行先場所である。このために、各キャピラリー108の出口端部1842は、直接的に又は他の流体構成要素(例えば、管(チューブ)、管継手、バルブなど)を介して、レシーバ1838と流体連絡する場合がある。一例において、レシーバ1838は、キャピラリー108からの試料または他の物質を収集するように構成された1つ又は複数の容器(例えば、廃水リザーバ)である又は当該容器を含む場合がある。一例において、レシーバ1838により受け取られた試料は、その後に別の分析機器(例えば、LC機器またはGC機器、質量分析計、イオン移動度分光計など)に導入される場合があり、当該別の分析機器は、場合によっては、試料分析システム1800から下流に位置し、レシーバ1838に流体結合され得る。
【0087】
一例において、試料分析システム1800は更に、システム・コントローラ1846を含む。システム・コントローラ1846は一般に、提供される当該タイプの試料分析システム1800を動作させるのに必要な様々な機能を実行するように構成された、様々なタイプのハードウェア(例えば、電子回路ベースのプロセッサ、メモリ、持続性コンピュータ可読媒体など)、ファームウェア(例えば、集積回路またはIC)、及び/又はソフトウェアを含む1つ又は複数の電子回路ベースの(例えば、コンピューティング)デバイス又はモジュールを意味する。システム・コントローラ1846は、回路基板のような1つ又は複数のタイプのハードウェアとして具現化され得る。システム・コントローラ1846は、光検出器1802から出力された信号を受信して処理するように構成されたデータ収集回路(DAC)を含み、試料分析の結果を表わすユーザ解釈可能なデータをそこから生成する場合がある。また、システム・コントローラ1846は、光検出器1802、放出光学系1810、光源1806、励起光学系1814、試料源1822、流体源1834、及びレシーバ1838のような、試料分析システム1800の様々な構成要素の動作を制御する、監視する、及び同期させるように構成されたデバイスを意味するとみなされ得る。また、システム・コントローラ1846は、キーボード、ディスプレイ・モニタ、プリンタ、グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)などのような、ユーザ入力および出力デバイスを意味するとみなされ得る。システム・コントローラ1846は、システム・コントローラ1846の様々な機能を制御および操作するためのオペレーティング・システム(例えば、マイクロソフト・ウィンドウズ(登録商標)ソフトウェア)を含む場合がある。一例において、システム・コントローラ1846は、本明細書で開示された方法の何れかの全て又は一部を制御または実行するように構成される。全ての係る目的のために、システム・コントローラ1846は、信号の伝送(例えば、制御信号の送信、測定信号またはフィードバック信号の受信など)を可能にする有線通信リンク又は無線通信リンクを介して、上述した構成要素と通信する場合がある。
【0088】
試料を分析するための、特にキャピラリー・アレイ・アセンブリ100の使用を必然的に伴う一般的な方法の一例が、今から説明される。試料を収容するキャピラリー・アレイ・アセンブリ100が準備される。本例において、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100を準備することは、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100を試料分析システム1800の光学システムと正確な光学的位置関係にある状態に配置するために、試料分析システム1800内の動作位置へキャピラリー・アレイ・アセンブリ100を装填することを必然的に伴う。キャピラリー108を介した流体の流れを含む方法において、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100を準備することは、試料源1822(又は必要に応じて、流体源1834)及びレシーバ1838と流体連絡するようにキャピラリー108を配置することも必然的に伴う。当該方法の幾つかの例において、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100を準備することは、試料がキャピラリー・ウィンドウ内に配置され、それ故に光学システムによりアクセス可能になるまで、試料を試料源1822からキャピラリー108へ流すことにより、試料を個々のキャピラリー108へ導入することも必然的に伴う。当業者により理解されるように、実行されている試料分析のタイプに応じて、試料は、キャピラリー・ウィンドウ内に配置される前に、様々なタイプの前処理またはコンディショニング(培養、混合、均質化、遠心分離、バッファリング、試薬添加など)を受ける場合がある。
【0089】
今説明されたように、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100を準備した後、当該方法は、試料の1つ又は複数の被検物質から光学データを取得するために、試料ウィンドウにおいて(例えば、試料ウィンドウに位置する)検出可能な試料の光学測定を行うことを含む。典型的な例において、光学測定を行うことは、試料に励起光EXを照射し、照射に応じて試料から放出される結果としての放出光EMを集光することを必然的に伴う。本例において、上述された試料分析システム1800の光学システムは、光学測定を行うように動作する。幾つかの例において、励起光EXは、試料の1つ又は複数の被検物質において蛍光応答を誘発し、光学測定は、被検物質(単数または複数)を定量化する(例えば、濃度を求める)ために、又は蛍光被検物質(単数または複数)を含む試料のイメージを更に生成するために、蛍光の輝度を測定することに関係する。他の例において、励起光EXは、必ずしも蛍光を誘発せずに試料に照射するために利用され、放出光EMは、被検物質(単数または複数)を定量化するために、又は試料のイメージを更に生成するために、試料の吸光度を測定するために利用される。
【0090】
他の例において、光学測定を行うことは、試料に励起光EXを照射することを必要としない。当業者により理解されるように、例えば、試料源1822又は流体源1834は、フラッシュ発光またはグロー発光のような、発光を誘発する試薬を試料に添加するように構成され得る。更なる例として、試料源1822又は流体源1834は、行われている光学測定のタイプに応じて、安定標識または放射性標識のような標識を試料に添加するように構成され得る。
【0091】
そのような全ての場合に、試料分析システム1800の光学システムの放出光学系1810は、試料からの放出光EMを集光して、当該放出光EMを光検出器1802に送るように動作する場合がある。放出光EMは、励起光EXが入射する(例えば、上側)キャピラリー・アレイ・アセンブリ100の同じ側で、又は反対側で(例えば、励起は上側で行われるが、検出は底部側で行われる)検出され得る。次いで、光検出器1802は、放出光EMを電気信号(検出信号または測定信号)へ変換して、当該電気信号を、上述されたシステム・コントローラ1846のデータ収集回路のような信号処理回路に送る。
【0092】
図16を参照すると、非排他的な一例において、試料分析システム1800は、キャピラリー電気泳動(CE)システムとして構成される。この場合、キャピラリー108は、少なくともキャピラリー・ウィンドウの場所において、電気泳動分離媒体(即ち、CE用に調製された分析分離媒体)を包含する。本例において、電気泳動分離媒体は、CE用に調製されたポリマーである場合がある、電気泳動ポリマーゲルである。本例において、試料分析システム1800は、分析分離媒体が個々のキャピラリー108へ導入され得る分析分離媒体源1850を含む。特定の例において、分析分離媒体源1850は、電気泳動分離媒体源、又はより具体的には電気泳動ゲル源である。電気泳動ゲル源は、1つ又は複数の容器(例えば、リザーバ、ボトルなど)、及びゲルをキャピラリー108を介してレシーバ1838の廃液容器へ流すことにより、キャピラリー・ウィンドウへゲルを供給するように構成された構成要素(例えば、ポンプ、バルブなど)を意味する場合がある。キャピラリー108の入口端部1826は、試料分析システム1800の実施形態に応じて、手動で又は(半)自動的に分析分離媒体源1850と選択的に流体連絡するように配置され得る(及び必要に応じて、分析分離媒体源1850、試料源1822及び流体源1834の間で切り替えられ得る)。他の例において、キャピラリー108は、ゲル(又は他のタイプの分析分離媒体)で予め充填されており、この場合、分析分離媒体源1850は必要とされない。別の例において、例えば、クロマトグラフ分離媒体のような、別のタイプの分析分離媒体が利用され得る。
【0093】
CEシステムの例において、試料分析システム1800は更に、キャピラリー108のそれぞれの長さの両端に(即ち、それらの入力端部1826と出力端部1842との間に)電位差を印加するように構成された高電圧(HV)電源を含む。HV電源は、配線により、1つ又は複数の入力電極1858(例えば、カソード)及び1つ又は複数の出力電極1862(例えば、アノード)に電気結合された電圧源1854を含む。例えば、入力電極(単数または複数)1858は、カソード・リザーバ内の電解液を介して、キャピラリー108(特に、キャピラリー108内の試料および付随する流体)に電気結合されるように、試料源1822のカソード・リザーバ内に沈められ得る。更なる例として、一対のキャピラリー入口端部1826と入力電極1858は、個々の試料が供給されるマルチウェル・プレートの各ウェルに沈められ得る。同様に、出力電極(単数または複数)1862は、アノード・リザーバ内の電解液を介して、キャピラリー108(特に、キャピラリー108内の試料および付随する流体)に電気結合されるように、レシーバ1838のアノード・リザーバ内に沈められ得る。当業者により理解されるように、電圧源1854は、CEを実施するために所望の動作パラメータ(振幅/大きさ、周波数、波形(単数または複数)、パルス繰り返し数など)を有する電位差を印加するのに必要な様々な構成要素(例えば、波形発生器、増幅器など)を意味する。
【0094】
試料を分析するための方法に関する別の例が、特にCEの文脈において今から説明される。方法は一般に、キャピラリー・アレイ・アセンブリ100を準備するステップ、及びその後、試料の1つ又は複数の被検物質から光学データを取得するために試料ウィンドウ内の試料の光学測定を行うステップを含む場合がある。キャピラリー108が電気泳動分離媒体で予め充填されていない場合、当該方法は、上述されたようにキャピラリー108に試料を供給する前に及び光学測定を行う前に、キャピラリー108に電気泳動分離媒体を供給することを含む。本例において、当該方法は更に、光学測定を行う前および/または光学測定を行う間に、キャピラリー108の両端に電位差を(一般に同時に、並行して)印加することを含む。電位差は、当業者により一般に理解されたメカニズムに従って、異なるサイズ及び/又は電荷状態に応じて異なる速度で電気泳動分離媒体の中を通って移動するように、異なる被検物質を誘導する。このように、異なる被検物質は、互いから分離され、それにより試料内の関心のある1つ又は複数のターゲット被検物質の光学測定を容易にする。
【0095】
例示的な実施形態
【0096】
本開示された内容に従って提供される例示的な実施形態は、以下に限定されないが、以下のことを含む。
【0097】
1.キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダであって:第1の端部部分と;第2の端部部分と;長手軸に沿って、前記第1の端部部分と前記第2の端部部分との間に配置されたウィンドウ部分とを含み:前記ウィンドウ部分は、前記長手軸に沿って延び且つ前記長手軸に直交する横軸に沿って互いから間隔を置いて配置された複数のウィンドウ・バーを含み:前記ウィンドウ・バーは、複数のキャピラリーをそれぞれ収容するように構成された複数の平行な開放チャネルを画定し、前記ウィンドウ・バーが隣接する開放チャネル間で前記横軸に沿って見通し線を阻止するように、不透明材料からなり;前記開放チャネルは、前記ウィンドウ部分の上側において前記開放チャネルへ及び前記開放チャネルからの光の透過を可能にするために、前記上側で露出されている、キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【0098】
2.前記第1の端部部分または前記第2の端部部分の少なくとも一方は、前記キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダを構造体に取付けるために、前記構造体に係合するように構成された取付け機構を含む、実施形態1に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【0099】
3.前記ウィンドウ部分は、キャピラリー平面に位置し、前記取付け機構は、前記長手軸に直交し且つ前記横軸に直交する高さ軸に沿って前記キャピラリー平面から隔置された取付け平面に位置するプレートを含む、実施形態2に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【0100】
4.前記取付け機構は、ポストに係合するよう構成された凹部を含む、実施形態2又は3に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【0101】
5.前記第1の端部部分は、前記長手軸に沿って前記開放チャネルと整列された複数の第1の端部チャネルを画定する複数の第1の端部バーを含み、前記第2の端部部分は、前記長手軸に沿って前記開放チャネルと整列された複数の第2の端部チャネルを画定する複数の第2の端部バーを含む、実施形態1~4の何れか1項に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【0102】
6.前記第1の端部部分は、前記上側で前記第1の端部チャネルを覆う第1の上部壁を含み、前記第2の端部部分は、前記上側で前記第2の端部チャネルを覆う第2の上部壁を含む、実施形態5に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【0103】
7.中央部分は、前記上側と対向する、前記キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダの底部側に位置する底部壁を含み、前記底部壁は、前記底部側で前記開放チャネルを覆う、実施形態1~6の何れか1項に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【0104】
8.前記開放チャネルは、中央部分が前記上側から前記開放チャネルを介して前記底部側までの光の透過を可能にするように、前記上側と対向する、前記キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダの底部側に露出されている、実施形態1~6の何れか1項に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【0105】
9.各ウィンドウ・バーは、前記長手軸に直交する正面において横断面を有し、前記横断面は、バー幅とバー高さにより画定され、前記横断面は、1~10の範囲内のバー高さ対バー幅の比を有する、実施形態1~8の何れか1項に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【0106】
10.各ウィンドウ・バーは、前記長手軸に直交する正面において横断面を有し、前記横断面は、バー幅とバー高さにより画定され、前記バー幅は、20μm~200μmの範囲内であり、前記バー高さは、100μm~400μmの範囲内である、実施形態1~9の何れか1項に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【0107】
11.各開放チャネルは、前記長手軸に直交する正面において横断面を有し、前記横断面は、直線で構成されている、実施形態1~10の何れか1項に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【0108】
12.各開放チャネルは、前記長手軸に直交する正面において横断面を有し、前記横断面の少なくとも底部部分は、少なくとも部分的にV字形状である、実施形態1~11の何れか1項に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【0109】
13.前記不透明材料は、190nm~800nmの範囲内の波長において伝播する光を通さない、実施形態1~12の何れか1項に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【0110】
14.前記ウィンドウ・バーは、金属;アルミニウム;ニッケル;銅;金属合金;シリコン;セラミック;ガラス;ポリマー;プラスチック;ポリオキシメチレン(POM);液晶ポリマー(LCP);ポリアクリルアミド(PA);ポリカーボネート(PC);ポリメチル・メタクリレート(PMMA);ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK);及びポリエチレン(PE)からなるグループから選択された材料からなる、実施形態1~13の何れか1項に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ。
【0111】
15.キャピラリー・アレイ・アセンブリであって:実施形態1~14の何れか1項に記載のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダと;複数のキャピラリーとを含み、各キャピラリーは、各キャピラリーのウィンドウがそれぞれ前記開放チャネルに配置されるように、キャピラリー・チャネルのそれぞれの1つに配置される、キャピラリー・アレイ・アセンブリ。
【0112】
16.前記ウィンドウ・バーはそれぞれ、前記長手軸に直交する正面においてバー高さを有し、前記バー高さは、前記ウィンドウ部分において、前記キャピラリーの外径に等しい又は当該外径より大きい、実施形態15に記載のキャピラリー・アレイ・アセンブリ。
【0113】
17.前記キャピラリーはそれぞれ、前記ウィンドウ部分において、1mm未満の外径を有する、実施形態15又は16に記載のキャピラリー・アレイ・アセンブリ。
【0114】
18.前記上側で前記キャピラリー上に又は前記キャピラリーの上に配置された上部プレートを含み、前記ウィンドウ部分を覆う前記上部プレートの少なくとも一部は、透明である、実施形態15~17の何れか1項に記載のキャピラリー・アレイ・アセンブリ。
【0115】
19.前記第1の端部部分または前記第2の端部部分の少なくとも一方は、第1の取付け機構を含み、前記底部側において底部プレートを更に含み、その底部プレートは、前記第1の取付け機構に係合する第2の取付け機構を含む、実施形態15~18の何れか1項に記載のキャピラリー・アレイ・アセンブリ。
【0116】
20.キャピラリー・アレイ・アセンブリであって:前記横軸に沿って並んで配列された、実施形態1~14の何れか1項に記載の複数のキャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダと;複数のキャピラリーとを含み、各キャピラリーは、各キャピラリーのウィンドウがそれぞれ前記開放チャネルに配置されるように、各キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダ内のキャピラリー・チャネルのそれぞれの1つに配置される、キャピラリー・アレイ・アセンブリ。
【0117】
21.各キャピラリー・アレイ・ウィンドウ・ホルダの前記第1の端部部分または前記第2の端部部分の少なくとも一方は、第1の取付け機構を含み、前記底部側において底部プレートを更に含み、その底部プレートは、複数の第2の取付け機構を含み、前記第2の取付け機構のそれぞれは、前記第1の取付け機構の1つ又は複数に係合する、実施形態20に記載のキャピラリー・アレイ・アセンブリ。
【0118】
22.試料分析システムであって:実施形態15~21の何れか1項に記載のキャピラリー・アレイ・アセンブリと;前記開放チャネルと光学的位置関係に配置された光検出器とを含む、試料分析システム。
【0119】
23.前記開放チャネルと光学的位置関係に配置された光源を含む、実施形態22に記載の試料分析システム。
【0120】
24.試料が前記キャピラリーへ導入され得る試料源を含む、実施形態22又は23に記載の試料分析システム。
【0121】
25.前記キャピラリーと電気的に連絡し、前記キャピラリー内の試料にキャピラリー電気泳動を実施するのに有効な電位差を前記キャピラリーの両端に印加するように構成された電圧源を含む、実施形態22~24の何れか1項に記載の試料分析システム。
【0122】
26.分析分離媒体が前記キャピラリーへ導入され得る分析分離媒体源を含む、実施形態22~25の何れか1項に記載の試料分析システム。
【0123】
27.前記分析分離媒体が電気泳動分離媒体からなる、実施形態26に記載の試料分析システム。
【0124】
28.試料を分析するための方法であって、その方法は:キャピラリー・アレイ・アセンブリを準備し、そのキャピラリー・アレイ・アセンブリは:前記キャピラリー・アレイ・アセンブリの少なくとも上側で光に対して露出されている複数の開放チャネルであって、隣接する開放チャネルが不透明材料からなるウィンドウ・バーにより互いから隔てられている、複数の開放チャネルと;前記開放チャネル内に配置された個々のウィンドウを含む複数のキャピラリーとを含み、前記ウィンドウ・バーが隣接するウィンドウ間の見通し線を阻止し;試料の1つ又は複数の被検物質から光学データを取得するために前記ウィンドウにおいてそれぞれ検出可能な試料の光学測定を行うことを含む、方法。
【0125】
29.前記光学測定を行うことは、前記ウィンドウから放出される放出光を検出することを含む、実施形態28に記載の方法。
【0126】
30.前記検出が前記上側で行われる、実施形態28又は29に記載の方法。
【0127】
31.前記検出が、前記上側とは反対側の、前記キャピラリー・アレイ・アセンブリの底部側で行われる、実施形態28又は29に記載の方法。
【0128】
32.前記光学測定を行うことは、試料に励起光を照射することを含む、実施形態28~31の何れかに記載の方法。
【0129】
33.前記光学測定を行うことは、試料に励起光を照射し、前記ウィンドウから放出される放出光を検出することを含み、前記照射および前記検出の双方が前記上側で行われる、実施形態28又は29に記載の方法。
【0130】
34.前記光学測定を行うことは、試料に励起光を照射し、前記ウィンドウから放出される放出光を検出することを含み、前記照射が前記上側で行われ、前記検出が、前記上側とは反対側の、前記キャピラリー・アレイ・アセンブリの底部側で行われる、実施形態28又は29に記載の方法。
【0131】
35.試料をキャピラリーに流入させることを含む、実施形態28~34の何れか1項に記載の方法。
【0132】
36.前記光学測定を行う前および/またはその間に、各キャピラリーにおいて試料を分析的に分離することを含む、実施形態28~35の何れか1項に記載の方法。
【0133】
37.試料を分析的に分離することは、試料にキャピラリー電気泳動を行うことを含む、実施形態36に記載の方法。
【0134】
38.分析分離媒体をキャピラリーに流入させることを含む、実施形態28~37の何れか1項に記載の方法。
【0135】
39.分析分離媒体が電気泳動分離媒体からなる、実施形態38に記載の方法。
【0136】
理解されるように、「通信する」及び「・・連絡する」(例えば、第1の構成要素が第2の構成要素と「通信する」又は「連絡する」)というような用語は、2つ以上の構成要素または要素間の構造的関係、機能的関係、機械的関係、電気的関係、信号的関係、光学的関係、磁気的関係、電磁的関係、イオン的関係または流体的関係を示すために本明細書で使用される。そのため、一つの構成要素が第2の構成要素と通信(連絡)すると言われている事実は、追加の構成要素が、第1と第2の構成要素との間に存在する、及び/又は第1と第2の構成要素と動作可能なように関連付けられる又は関わり合う場合がある可能性を排除することは意図されていない。
【0137】
理解されるように、本発明の様々な態様または細部は、本発明の範囲から逸脱せずに変更され得る。更に、上記の説明は、単なる例示のためであり、制限のためではなく、本発明は、特許請求の範囲により定義されている。
図1
図2
図3
図4
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図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
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【国際調査報告】