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特表2024-530580内部ファセット間の平行性の光学に基づく検証
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】内部ファセット間の平行性の光学に基づく検証
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20240816BHJP
   G01M 11/00 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G01M11/00 T
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502227
(86)(22)【出願日】2022-07-26
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 IL2022050807
(87)【国際公開番号】W WO2023007491
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】63/225,584
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518105275
【氏名又は名称】ルーマス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Lumus Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・ゲルベルグ
(72)【発明者】
【氏名】エラド・シャーリン
(72)【発明者】
【氏名】エイタン・ロネン
【テーマコード(参考)】
2G086
2H199
【Fターム(参考)】
2G086EE12
2H199CA50
2H199CA54
2H199CA82
(57)【要約】
本明細書に開示されるのは、サンプルの内部ファセットの並列性を検証するための方法である。方法は、(i)光透過性基板と、内部ファセットと、を含むサンプルを提供することであって、内部ファセットが、公称上平行であり、サンプルの平坦な表面に対して角度μnomに公称上傾斜している、提供することと、(ii)基板と実質的に同じ屈折率を有し、平坦な第1の表面と、第1の表面に対して対向しており、かつ第1の表面に対して実質的に角度μnomに傾斜している、平坦な第2の表面と、を含む、プリズムを提供することと、(iii)サンプルの表面が、プリズムの第2の表面に平行であり、かつ隣接するように、サンプル及びプリズムを位置決めすることと、(iv)プリズムの第1の表面上に、第1の表面に対して実質的に法線方向に入射光ビームを投射することと、(v)内部ファセットから反射した後にプリズムから戻された光を感知することと、(vi)内部ファセット間の平行性からの偏差を計算することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈折率nsを有する基板と、2つ以上の内部ファセットとを有するサンプルの計測のための光学に基づくシステムであって、前記2つ以上の内部ファセットが、前記基板に埋め込まれ、前記サンプルの外側の、かつ平坦な表面に対して鋭角の公称角度μnomに公称上配向されており、前記システムが、光透過性光学要素と、光源及び光感知コンポーネントを含む光学セットアップと、を備え、前記光学要素が、nsにほぼ等しい屈折率を有し、外側の、かつ平坦な第1の表面と、外側の、かつ平坦な第2の表面と、を備え、前記第1の表面及び前記第2の表面が、互いに対向しており、かつ前記公称角度μnomにほぼ等しい角度を前記第1の表面と前記第2の表面との間に画定しており、
(i)前記光学要素の前記第2の表面が、前記サンプルの前記表面に平行であり、かつ隣接しており、(ii)そのように位置決めされたときに、前記光源によって生成された光ビームが、前記光学要素の前記第1の表面にほぼ法線方向に入射するように、前記サンプル及び/又は前記光学要素を位置決めすることを可能にするように、前記光学セットアップが構成されており、
前記光学セットアップが、前記戻された光ビーム間の角度偏差を決定することを可能にするように、戻された光ビームを前記光感知コンポーネント上に集束させるように更に構成されており、
前記入射光ビームが、前記光学要素を通過し、前記サンプル内に透過して前記内部ファセットから反射し、前記光学要素を再通過し、及び前記光学要素の前記第1の表面を介して前記光学要素から出た後に、前記戻された光ビームが取得され、したがって、前記角度偏差が、前記内部ファセット間の平行性からの偏差を示す、システム。
【請求項2】
前記光学機器が、前記光源によって生成された光ビームをコリメートし、それによって、前記入射光ビームを準備するように構成されたコリメートレンズ、又はコリメートレンズアセンブリを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記光源が、レーザ源である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記光学機器が、出射光ビームを前記光感知コンポーネント上に集束させるように構成された、集束レンズ、又は集束レンズアセンブリを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記光学要素の前記第2の表面が、前記光学要素の前記第1の表面に対してμnom+Δに等しい角度に傾斜しており、|Δ|が、約0.1°よりも大きく、約1°よりも小さい、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記光学要素の前記第2の表面が、前記光学要素の前記第1の表面に対して前記公称角度μnomに傾斜している、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記光学要素の前記第1の表面が、反射防止コーティングによってコーティングされている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記光学セットアップが、前記サンプルを配向するように構成された配向インフラストラクチャを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記サンプルが、一次元反射導波路又は二次元反射導波路である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記光源、及び、任意選択的に、前記光感知コンポーネントを備える、オートコリメータを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記光感知コンポーネントが、前記戻された光ビームを感知するように構成された画像センサを備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記光感知コンポーネントが、カメラであるか、又はカメラを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記光感知コンポーネントが、目盛り付きレチクルを備える接眼レンズアセンブリを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記光学セットアップが、前記内部ファセットを一度に1つずつ検査することを可能にするように構成された、並進可能なスリット式光学マスク若しくは開口式光学マスク、及び/又は複数のシャッターを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記画像センサによって取得された前記戻された光ビームの感知されたデータに基づいて、前記内部ファセット間の前記平行性からの偏差を計算するように構成された計算モジュールを更に備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
各戻された光ビームに関係する前記感知されたデータが、前記画像センサ上の前記戻された光ビームによって形成されたそれぞれのスポットを構成する画素の測定された強度を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記計算モジュールが、前記内部ファセット間の前記平行性からの偏差を計算することの一部として、前記戻された光ビーム間の角度偏差を計算するように構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記平行性からの偏差を前記計算することが、εavg及び/又はεmaxを計算することを含み、εavgが、
【数1】
に等しく、εmaxが、
【数2】
又は
【数3】
に等しく、
【数4】
であり、
【数5】
が、前記画像センサ上の第i及び第jのスポットの位置を指定する二次元ベクトルのセットであり、Nが、前記内部ファセットの数であり、M=N・(N-1)/2であり、fが、前記戻された光ビームを前記画像センサ上に集束させるように構成された集束レンズ又は集束レンズアセンブリの焦点距離である、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記光学セットアップが、前記内部ファセットを一度に1つずつ検査することを可能にするように構成された、並進可能なスリット式光学マスク若しくは開口式光学マスク、及び/又は複数のシャッターを更に備え、前記計算モジュールが、前記複数の内部ファセットからの内部ファセットの対の間の平行性からの偏差を計算するように構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記内部ファセットの対の間の平行性からの前記偏差の前記計算が、前記内部ファセットの各対内の前記内部ファセット間のピッチ{εij,pi,j及び/又はロール{εij,ri,jの偏差を計算することを含み、前記インデックスi及びjが、異なる内部ファセットの対にわたる範囲であり、εij,p及びεij,rがそれぞれ、前記内部ファセットのうちの第iの内部ファセットと第jの内部ファセットとの間のピッチ及びロールの偏差である、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記εij,p及び前記εij,rがそれぞれ、εij,p=δij,p/(2ns)=(xi-xj)/(2ns・f)及びεij,r=δij,r/(2ns)=(yi-yj)/(2ns・f)を介して計算され、δij,pが、前記第iの内部ファセットからの反射によって誘起される、前記戻された光ビームのうちの第iの光ビームと、前記第jの内部ファセットからの反射によって誘起される、前記戻された光ビームのうちの第jの光ビームとの間のピッチの偏差であり、δij,rが、前記戻された光ビームのうちの前記第iの光ビームと前記戻された光ビームのうちの前記第jの光ビームとの間のロールの偏差であり、
【数6】
が、前記戻された光ビームによって誘起される、画像センサ上のスポットの位置を指定する二次元ベクトルのセットであり、前記インデックスが、前記光ビームを並べあげており、Nが、前記内部ファセットの数であり、fが、前記戻された光ビームを前記画像センサ上に集束させるように構成された集束レンズ又は集束レンズアセンブリの焦点距離である、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
サンプルの内部ファセットの平行性を検証するための光学に基づく方法であって、
屈折率nsを有する光透過性基板と、前記基板内に埋め込まれ、前記サンプルの外側の、かつ平坦な表面に対して鋭角の公称角度μnomに公称上配向された、2つ以上の内部ファセットと、を備えるサンプルを提供する段階と、
sにほぼ等しい屈折率を有する光学要素を提供する段階であって、前記光学要素が、外側の、かつ平坦な第1の表面と、前記光学要素の前記第1の表面に対向しており、かつ前記第1の表面に対してほぼ公称角度μnomに傾斜している、外側の、かつ平坦な第2の表面と、を備える、提供する段階と、
前記光学要素の前記第2の表面が前記サンプルの前記表面に並行であり、かつ隣接するように、前記サンプル及び前記光学要素を位置決めする段階と、
複数の入射光ビームを、前記光学要素の前記第1の表面上に、前記第1の表面に対してほぼ法線方向に投影する段階と、
前記入射光ビームが、前記光学要素を通過し、前記サンプル内に透過して前記内部ファセットから反射し、前記光学要素を再通過し、前記光学要素の前記第1の表面を介して前記光学要素から出た後に、複数の戻された光ビームを取得する段階と、
前記戻された光ビームを感知する段階と、
前記感知されたデータに基づいて、前記内部ファセットのうちの少なくともいくつかの間の平行性からの少なくとも1つの偏差を計算する段階と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、内部ファセットを含むサンプルの計測のための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの光導波路は、公称上平行である反射性の内部ファセットを含む。そのような内部ファセットの平行性を高精度で検証するには、現在の最先端技術では、ハイエンド光学コンポーネントが必要である。ハイエンド光学コンポーネントの使用を回避し、それによって大量生産の需要に応える、単純で、容易に実装可能な計測技術への満たされていないニーズが当技術分野には存在する。
【発明の概要】
【0003】
本開示の態様は、そのいくつかの実施形態によれば、内部ファセットを含むサンプルの計測のための方法及びシステムに関する。より具体的には、限定的ではないが、本開示のいくつかの実施形態によれば、本開示の態様は、複数の公称上平行な内部ファセットを含むサンプルの計測のための光学に基づく方法及びシステムに関する。
【0004】
反射導波路は、ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、スマートフォン、コンパクトディスプレイ、3Dディスプレイ(ステレオディスプレイ)、コンパクトビームエキスパンダなどの様々なディスプレイに採用されている。反射導波路は、導波路の出力セクションにわたる複数の公称上平行な内部ファセットを含む。導波路のカップリングインセクションから出力セクションの方向に(全内部反射によって)伝播する光は、内部ファセットの各々での部分反射及び透過を介して徐々に導波路からカップリングされる。内部ファセット間、特に隣接する内部ファセット間の高い平行性は、(二重にならず、又はぼやけてもいない)シャープでクリアな画像がディスプレイ上に形成されることを確実にするのに役立つ。
【0005】
反射導波路を個々のユニットにダイシングする前に、プレートのスタック内の内部ファセットの平行性を監視するためのいくつかの方法が、当技術分野で既知である。しかしながら、製造のこれらの初期段階から完成品まで(すなわち、反射導波路の製造が完了するまで)、内部ファセットの平行性の変化が生じる場合がある。
【0006】
当技術分野では、(完成した)反射導波路内の、並びにその製造の後期段階における、内部ファセットの平行性を検証する改善された方法に対する満たされていないニーズが存在する。有利なことに、本出願は、反射導波路の内部ファセット間の平行性を検証するための、高速、単純、かつ正確な方法を開示する。本出願は、有利にはハイエンド及び/又は複雑なコンポーネントの使用を回避する、開示された方法を実装することができるシステムを更に開示する。
【0007】
したがって、いくつかの実施形態の態様によれば、サンプルの内部ファセットの平行性を検証するための光学に基づく方法が提供される。この方法は、以下の段階を含む。
-光透過性基板と、2つ以上の内部ファセットと、を含むサンプルを提供すること。基板は、屈折率nsを有する。内部ファセットは、基板内に埋め込まれる。内部ファセットの各々は、鋭角の公称角度μnomでサンプルの外側の、かつ平坦な表面に対して公称上傾斜している。
-nsにほぼ等しい屈折率を有する光学要素を提供する。光学要素は、外側の、かつ平坦な第1の表面と、外側の、かつ平坦な第2の表面と、を含む。光学要素の第2の表面は、光学要素の第1の表面に対向しており、かつほぼ公称角度μnomで光学要素の第1の表面に対して傾斜している。
-光学要素の第2の表面がサンプルの表面に並行であり、かつ隣接するように、サンプル及び光学要素を位置決めする。
-複数の入射光ビームを光学要素の第1の表面に、第1の表面に対してほぼ法線方向に投影する。
-入射光ビームが、光学要素を通過し、サンプル内に透過して内部ファセットから反射し、光学要素を再通過し、光学要素の第1の表面を介して光学要素から出た(例えば、光学要素から屈折させられた)後に、複数の戻された光ビームを取得する。
-戻された光ビームを感知する。
感知されたデータに基づいて、内部ファセットのうちの少なくともいくつかの間の平行性からの少なくとも1つの偏差を計算する。
【0008】
方法のいくつかの実施形態によれば、光学要素は、nsに等しい屈折率を有する。
【0009】
方法のいくつかの実施形態によれば、入射光ビームは、光学要素の第1の表面に対して法線方向に投影される。
【0010】
方法のいくつかの実施形態によれば、内部ファセット間の平行性からの偏差を計算する段階は、戻された光ビーム間の角度偏差を計算することを含む。
【0011】
方法のいくつかの実施形態によれば、入射光ビームは、コリメートされる拡大光ビームの相補部分を構成する。
【0012】
方法のいくつかの実施形態によれば、拡大光ビームは、単色である。
【0013】
方法のいくつかの実施形態によれば、拡大光ビームは、拡大レーザビームである。
【0014】
方法のいくつかの実施形態によれば、光学要素は、プリズムである。
【0015】
方法のいくつかの実施形態によれば、サンプルは、薄いスラブ又は細長いボックスとして成形される。
【0016】
方法のいくつかの実施形態によれば、サンプルは、一次元反射導波路又は二次元反射導波路である。
【0017】
方法のいくつかの実施形態によれば、光学要素の第2の表面は、角度μnom+Δで光学要素の第1の表面に対して傾斜している。|Δ|は、約0.1°よりも大きく、約1°よりも小さい。
【0018】
方法のいくつかの実施形態によれば、光学要素の第2の表面は、公称角度μnomで光学要素の第1の表面に対して傾斜している。
【0019】
方法のいくつかの実施形態によれば、光学要素の第1の表面は、反射防止コーティングによってコーティングされている。
【0020】
方法のいくつかの実施形態によれば、方法は、サンプル、液体、及びプリズムが連続媒体を形成するように、基板と同じ屈折率を有する液体を塗布することを更に含む。
【0021】
方法のいくつかの実施形態によれば、戻された光ビームは、画像センサを使用して感知される。
【0022】
方法のいくつかの実施形態によれば、各戻された光ビームに対応する感知されたデータは、画像センサ上の戻された光ビームによって形成されたスポットを構成する画素の測定された強度を含む。
【0023】
方法のいくつかの実施形態によれば、オートコリメータは、入射光ビームを生成し、戻された光ビームを集束させるために使用される。
【0024】
方法のいくつかの実施形態によれば、戻された光ビームを感知する段階は、戻された光ビームを、接眼レンズを通して見ることを含む。戻された光ビームは、接眼レンズの目盛り付きレチクルに対するスポットとして現れる。
【0025】
方法のいくつかの実施形態によれば、平行性からの偏差を計算する段階は、εavg及び/又はεmaxを計算することを含む。εavgは、
【数1】
に等しい。εmaxは、
【数2】
又は
【数3】
に等しい。
【数4】

【数5】
は、画像センサ上の第i及び第jのスポットの位置を指定する二次元ベクトルのセット、又は接眼レンズの目盛り付きレチクルに対する第i及び第jのスポットの位置を指定する二次元ベクトルのセットである。Nは、内部ファセットの数である。Mは、異なる内部ファセット対の数(すなわち、M=N(N-1)/2)である。fは、戻された光ビームを画像センサ上又は接眼レンズ上に集束させるように構成された集束レンズ又は集束レンズアセンブリの焦点距離である。
【0026】
方法のいくつかの実施形態によれば、入射光ビームは、それぞれ、内部ファセットの各々に連続的に投影される。
【0027】
方法のいくつかの実施形態によれば、連続投影は、並進可能なスリット式光学マスク若しくは開口式光学マスク又は複数のシャッターを使用して実施される。
【0028】
方法のいくつかの実施形態によれば、平行性からの偏差の計算において、内部ファセットの対の間の、複数の内部ファセットからの平行性からの偏差が計算される。
【0029】
方法のいくつかの実施形態によれば、内部ファセットの対は、隣接する内部ファセットの対を含む。
【0030】
方法のいくつかの実施形態によれば、内部ファセットの対の間の平行性からの偏差の計算は、内部ファセットの対の各々における内部ファセット間のピッチ{εij,pi,j及び/又はロール{εij,ri,jの偏差を計算することを含む。インデックスi及びjは、異なる内部ファセット対を表す。εij,p及びεij,rは、それぞれ、第iの内部ファセットと第jの内部ファセットの間のピッチ及びロールの偏差である。いくつかのそのような実施形態によれば、εij,p及びεij,rは、それぞれ、εij,p=δij,p/(2ns)=(xi-xj)/(2ns・f)及びεij,r=δij,r/(2ns)=(yi-yj)/(2ns・f)を介して計算される。δij,pは、第iの内部ファセットからの反射によって誘起される戻された光ビームのうちの第iの光ビームと、第jの内部ファセットからの反射によって誘起される戻された光ビームのうちの第jの光ビームとの間のピッチの偏差である。δij,rは、戻された光ビームのうちの第iの光ビームと、戻された光ビームのうちの第jの光ビームとの間のロールの偏差である。
【数6】
は、戻された光ビームによって誘起される、画像センサ上のスポットの位置を指定する二次元ベクトルのセット、又は接眼レンズの目盛り付きレチクルに対するスポットの位置を指定する二次元ベクトルのセットである。インデックスkは、光ビームを標記する。Nは、内部ファセットの数である。fは、画像センサ上又は接眼レンズ上に戻された光ビームを集束させるように構成された、集束レンズ又は集束レンズアセンブリの焦点距離である。
【0031】
方法のいくつかの実施形態によれば、平行性からの偏差を計算する段階は、内部ファセット間のピッチの最大偏差(すなわち、ピッチの偏差の範囲)εmax,p=(max{xii-min{xii)/(2ns・f)及び/又は内部ファセット間のロールの最大偏差(すなわち、ロールの偏差の範囲)εmax,r=(max{yii-min{yii)/(2ns・f)を計算することを含む。
【数7】
は、戻された光ビームによって誘発される画像センサ上のスポットの位置(例えば、中心点)を指定する二次元ベクトルのセット、又は接眼レンズの目盛り付きレチクルに対するスポットの位置を指定する二次元ベクトルのセットである。インデックスiはスポットを標記する。Nは、内部ファセットの数である。fは、画像センサ上又は接眼レンズ上に戻された光ビームを集束させるように構成された、集束レンズ又は集束レンズアセンブリの焦点距離である。
【0032】
サンプルが反射導波路である方法のいくつかの実施形態によれば、サンプルの第1の表面及びサンプルの第2の表面は、導波路の主表面に対応する。いくつかのそのような実施形態によれば、公称角度μnomは、45°未満である。
【0033】
いくつかの実施形態の態様によれば、サンプルの計測のための光学に基づくシステムが提供され、屈折率nsを有する基板と、2つ以上の内部ファセットと、を有し、内部ファセットは、基板に埋め込まれ、サンプルの外側の、かつ平坦な表面に対して、公称上、鋭角の公称角度μnomに配向されている。システムは、光透過性光学要素と、光源及び光感知コンポーネントを含む光学セットアップと、を含む。光学要素は、nsにほぼ等しい屈折率を有し、外側の、かつ平坦な第1の表面と、外側の、かつ平坦な第2の表面と、を含む。光学要素の第1の表面及び光学要素の第2の表面は、互いに対向しており、公称角度μnomにほぼ等しい傾斜角を第1の表面と第2の表面との間に画定する。光学セットアップは、(i)光学要素の第2の表面がサンプルの表面に平行で、かつ隣接しており、(ii)そのように位置決めされたときに、光源によって生成された光ビームが、光学要素の第1の表面にほぼ法線方向に入射するように、サンプル及び/又は光学要素を位置決めすることを可能にするように構成されている。光学セットアップは、戻された光ビーム間の角度偏差を決定することを可能にするように、戻された光ビームを光感知コンポーネント上に集束させるように更に構成されている。戻された光ビームは、入射光ビームが、光学要素を通過し、サンプル内に透過して内部ファセットから反射し、光学要素を再通過し、光学要素の第1の表面を介して光学要素から出た(例えば、光学要素から屈折させられた)後に取得される。したがって、角度偏差は、内部ファセット間の平行性からの偏差を示す。
【0034】
システムのいくつかの実施形態によれば、光学要素はnsに等しい屈折率を有する。
【0035】
システムのいくつかの実施形態によれば、第1の複数の光ビームは、光学要素の第1の表面に対して法線方向に投影される。
【0036】
システムのいくつかの実施形態によれば、光学機器は、光源によって生成された光ビームをコリメートし、それによって入射光ビームを準備するように構成されたコリメートレンズ又はコリメートレンズアセンブリを含む。
【0037】
システムのいくつかの実施形態によれば、光源は単色性光源である。
【0038】
システムのいくつかの実施形態によれば、光源はレーザ源である。
【0039】
システムのいくつかの実施形態によれば、光学機器は、集束レンズ、又は集束レンズアセンブリを含み、集束レンズ、又は集束レンズアセンブリは、出射光ビームを光感知コンポーネント上に集束するように構成されている。いくつかの実施形態、例えば、光学セットアップがオートコリメータを含む実施形態によれば、集束レンズ、又は集束レンズアセンブリは、コリメートレンズ、又はコリメートレンズアセンブリであり、オートコリメータに含まれ得る。
【0040】
システムのいくつかの実施形態によれば、光学要素の第2の表面は、光学要素の第1の表面に対してμnom+Δに等しい角度に傾斜している。|Δ|は、約0.1°よりも大きく、約1°よりも小さい。
【0041】
システムのいくつかの実施形態によれば、光学要素の第2の表面は、光学要素の第1の表面に対して公称角度μnomに傾斜している。
【0042】
システムのいくつかの実施形態によれば、光学要素の第1の表面は、反射防止コーティングによってコーティングされている。
【0043】
システムのいくつかの実施形態によれば、光学セットアップは、サンプルを配向するように構成された配向インフラストラクチャを含む。
【0044】
システムのいくつかの実施形態によれば、配向インフラストラクチャは、ピッチゴニオメータ及びロールゴニオメータを含む。
【0045】
システムのいくつかの実施形態によれば、配向インフラストラクチャは、傾斜したプラットフォームを更に含み、傾斜したプラットフォームは、公称角度μnomに等しい傾斜角に傾斜している。傾斜したプラットフォームは、ゴニオメータ上に取り付けられ、傾斜したプラットフォーム上にサンプルが配置されるように構成されている。
【0046】
システムのいくつかの実施形態によれば、サンプルは、薄いスラブ又は細長いボックスとして成形される。
【0047】
システムのいくつかの実施形態によれば、サンプルは、一次元反射導波路又は二次元反射導波路である。
【0048】
システムのいくつかの実施形態によれば、光学セットアップは、光源及び任意選択的に光感知コンポーネントを含むオートコリメータを更に含む。
【0049】
システムのいくつかの実施形態によれば、光感知コンポーネントは、戻された光ビームを感知するように構成された画像センサを含む。
【0050】
システムのいくつかの実施形態によれば、光感知コンポーネントは、カメラであるか、又はカメラを含む。
【0051】
システムのいくつかの実施形態によれば、光感知コンポーネントは、目盛り付きレチクルを含む接眼レンズアセンブリを含む。
【0052】
システムのいくつかの実施形態によれば、光学セットアップは、内部ファセットを一度に1つずつ検査することを可能にするように構成された、並進可能なスリット式スクリーン又は開口式スクリーン、及び/又は複数のシャッターを更に含む。
【0053】
システムのいくつかの実施形態によれば、システムは、画像センサによって取得された戻された光ビームの感知されたデータに基づいて内部ファセット間の平行性からの偏差を計算するように構成された計算モジュールを更に含む。
【0054】
システムのいくつかの実施形態によれば、各戻された光ビームに関する感知されたデータは、画像センサ上の戻された光ビームによって形成されたそれぞれのスポットを構成する画素の測定された強度を含む。
【0055】
システムのいくつかの実施形態によれば、計算モジュール、内部ファセット間の平行性からの偏差を計算することの一部として、εavg及び/又はεmaxを計算するように構成されている。εavgは、
【数8】
に等しい。εmaxは、
【数9】
又は
【数10】
に等しい。ここで、
【数11】
である。
【数12】
は、画像センサ上の第i及び第jのスポットの位置を指定する2次元ベクトルのセットである。Nは、内部ファセットの数である。Mは、異なる内部ファセット対の数(すなわち、M=N(N-1)/2)である。fは、戻された光ビームを画像センサ上に集束させるように構成された集束レンズ又は集束レンズアセンブリの焦点距離である。
【0056】
システムのいくつかの実施形態によれば、光学セットアップは、並進可能なスリット式光学マスク若しくは開口式光学マスク、及び/又は複数のシャッターを更に含み、計算モジュールは、複数の内部ファセットからの内部ファセットの対の間の平行性からの偏差を計算するように構成されている。
【0057】
システムのいくつかの実施形態によれば、内部ファセットの対は、隣接する内部ファセットの対を含む。
【0058】
システムのいくつかの実施形態によれば、計算モジュールは、内部ファセットの対の間の平行性からの偏差を計算することの一部として、内部ファセットの対の間のピッチ及び/又はロールにおける偏差を計算するように構成されている。
【0059】
システムのいくつかの実施形態によれば、内部ファセットの対の間の平行性からの偏差を計算することは、内部ファセットの対の各々における内部ファセット間のピッチ{εij,pi,j及び/又はロール{εij,ri,jにおける偏差を計算することを含む。インデックスi及びjは、異なる内部ファセット対を表す。εij,p及びεij,rは、それぞれ、第iの内部ファセットと第jの内部ファセットの間のピッチ及びロールの偏差である。いくつかのそのような実施形態によれば、εij,p及びthe εij,rは、それぞれ、εij,p=δij,p/(2ns)=(xi-xj)/(2ns・f)及びεij,r=δij,r/(2ns)=(yi-yj)/(2ns・f)を介して計算される。δij,pは、第iの内部ファセットからの反射によって誘起される戻された光ビームのうちの第iの光ビームと、第jの内部ファセットからの反射によって誘起される戻された光ビームのうちの第jの光ビームとの間のピッチの偏差である。δij,rは、戻された光ビームのうちの第iの光ビームと、戻された光ビームのうちの第jの光ビームとの間のロールの偏差である。
【数13】
は、戻された光ビームによって誘起される画像センサ上のスポットの位置を指定する二次元ベクトルのセットである。インデックスkは、光ビームを標記する。Nは、内部ファセットの数である。fは、戻された光ビームを画像センサ上に集束させるように構成された、集束レンズ又は集束レンズアセンブリの焦点距離である。
【0060】
システムのいくつかの実施形態によれば、計算モジュールは、内部ファセット間の平行性からの偏差を計算する一部として、内部ファセットεmax,p=(max{xii-min{xii)/(2ns・f)間のピッチの最大偏差(すなわち、ピッチの偏差の範囲)及び/又は内部ファセットεmax,r=(max{yii-min{yii)/(2ns・f)間のロールの最大偏差(すなわち、ロールの偏差の範囲)を計算するように構成されている。
【数14】
は、戻された光ビームによって誘起された画像センサ上のスポットの位置(例えば、中心点)を指定する二次元ベクトルのセットである。インデックスiはスポットを標記する。Nは、内部ファセットの数である。fは、戻された光ビームを画像センサ上に集束させるように構成された、集束レンズ又は集束レンズアセンブリの焦点距離である。
【0061】
サンプルが反射性導波路であるシステムのいくつかの実施形態によれば、サンプルの第1の表面及びサンプルの第2の表面は、導波路の主表面に対応する。いくつかのそのような実施形態によれば、公称角度μnomは、45°未満である。
【0062】
本開示の特定の実施形態は、上記利点の一部若しくは全てを含み得るか、又はいずれも含まない場合がある。本出願に含まれる図面、明細書、及び特許請求の範囲から、1つ以上の他の技術的利点が当業者に容易に明らかになり得る。更に、具体的な利点が上記に列挙されているが、様々な実施形態が、列挙された利点の全て若しくは一部を含み得るか、又はいずれも含まない場合がある。
【0063】
特に明記されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示に関する技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。矛盾する場合は、定義を含め、本特許明細書が優先される。本明細書で使用される不定冠詞「a」及び「an」は、文脈上、そうではないことが明らかな場合を除き、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味する。
【0064】
特に明記されない限り、本開示から明らかなように、いくつかの実施形態によれば、「処理する」、「計算する」、「演算する」、「決定する」、「推定する」、「評価」、又は「測る」などの用語は、計算システムのレジスタ及び/又はメモリ内の物理的な(例えば、電子的な)量として表されるデータを、計算システムのメモリ、レジスタ、又は他のそのような情報記憶、送信、若しくは表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータへと操作及び/又は変換する、コンピュータ若しくは計算システム、又は同様の電子計算デバイスの行為及び/又はプロセスを指し得ることが理解されよう。
【0065】
本開示の実施形態は、本明細書における動作を実行するための装置を含み得る。装置は、所望の目的のために特別に構築され得るか、又はコンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に作動又は再構成される汎用コンピュータを含み得る。そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体、例えば、限定はされないが、フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、磁気光ディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的にプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能及びプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード、又は電子命令を記憶するのために好適な、かつコンピュータシステムバスに結合可能な任意の他のタイプの媒体などに記憶され得る。
【0066】
本明細書に提示されるプロセス及びディスプレイは、いかなる特定のコンピュータ又は他の装置にも本来的に関連付けられていない。本明細書の教示によるプログラムとともに様々な汎用システムを使用することができ、又は、所望の方法を実行するために、より特化した装置を構築することが好都合であり得る。様々なこれらのシステムのための所望の構造が以下の説明から理解されよう。加えて、本開示の実施形態は、いかなる特定のプログラミング言語も参照して説明されていない。様々なプログラミング言語が、本明細書に記載されるように、本開示の教示を実装するために使用され得ることが理解されよう。
【0067】
本開示の態様は、コンピュータによって実行される、プログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令の一般的なコンテキストで記述され得る。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する、又は特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、及びデータ構造などを含む。開示される実施形態はまた、通信ネットワークを介してリンクされたリモート処理デバイスによってタスクが実行される分散コンピューティング環境で実施され得る。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、メモリストレージデバイスを含むローカル及びリモートコンピュータストレージ媒体の両方に配置され得る。
【図面の簡単な説明】
【0068】
本開示のいくつかの実施形態を、添付の図面を参照しながら説明する。説明は、図とともに、いくつかの実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。図は、例解的な説明を目的としたものであり、本開示の根本的な理解のために必要とされる以上に詳細に、実施形態の構造の詳細を示そうとはしていない。明瞭さのために、図に描写されているいくつかの物体は、縮尺通りに描画されていない。更に、同じ図における2つの異なる物体が、異なる縮尺で描画されている場合がある。特に、いくつかの物体の縮尺が、同じ図の他の物体と比較して大幅に誇張されている場合がある。
【0069】
図中、
図1A】いくつかの実施形態による、サンプルの内部ファセットの計測のための光学に基づくシステム及びシステム上に取り付けられたサンプルを概略的に描写する。
図1B】いくつかの実施形態による、図1Aのサンプルのセクションの断面図である。
図1C】いくつかの実施形態による、図1Aのサンプルの端部の斜視図である。
図1D】いくつかの実施形態による、サンプルの検査中の、動作中の図1Aのシステムを概略的に描写する。
図1E図1Dの一部の拡大図である。
図2A】いくつかの実施形態による、サンプルの検査の一部として取得された、図1Aの画像センサの感光面上のスポットを概略的に示す。
図2B】いくつかの実施形態による、サンプルの検査の一部として取得された、図1Aの画像センサの感光面上のスポットを概略的に示す。
図3図1Aのシステムの具体的実施形態に対応する、サンプルの内部ファセットの計測のための光学に基づくシステムを概略的に描写する。
図4】いくつかの実施形態による、サンプルの検査の一部として取得された、図3のシステムのオートコリメータに関連付けられたデジタルディスプレイ上のスポットを概略的に描写する。
図5図1Aのシステム、及びシステムを使用して検査されるサンプルの具体的実施形態に対応する、サンプルの内部ファセットの計測のための光学に基づくシステムのいくつかのコンポーネントを概略的に示す。
図6】いくつかの実施形態による、サンプルの内部ファセットの計測のための光学に基づく方法のフローチャートを提示する。
図7A】いくつかの実施形態による、開示された方法及びシステムを使用して取得された検査結果を提示する。
図7B】いくつかの実施形態による、開示された方法及びシステムを使用して取得された検査結果を提示する。
【発明を実施するための形態】
【0070】
本出願に開示される教示の原理、使用、及び実装は、添付の明細書及び図面を参照することにより、より良く理解され得る。本出願の明細書及び図面を精査した当業者は、過度の努力又は実験を行うことなく、本明細書の教示を実施することができるであろう。図中、同じ参照番号は、全体を通して同じ部分を指す。
【0071】
本出願の明細書及び特許請求の範囲では、「含む」及び「有する」という語、並びにこれらの語形は、それらの単語が関連付けられ得るリスト内の構成要素に限定されない。
【0072】
本出願で使用される場合、「約」という用語は、量又はパラメータ(例えば、要素の長さ)の値を、所与の(記載されている)値の近傍(及びその値を含む)の連続した値の範囲内に指定するために使用され得る。いくつかの実施形態によれば、「約」は、パラメータの値を、所与の値の80%~120%に指定し得る。例えば、「要素の長さは約1mに等しい」という記述は、「要素の長さは0.8m~1.2mである」という記述に等しい。いくつかの実施形態によれば、「約」は、パラメータの値を、所与の値の90%~110%に指定し得る。いくつかの実施形態によれば、「約」は、パラメータの値を、所与の値の95%~105%に指定し得る。特に、「ほぼ等しい」及び「ほぼ等しい」という用語もまた、正確な等価性を包含することを理解されたい。
【0073】
本明細書で使用される場合、いくつかの実施形態によれば、「実質的に」及び「約」という用語は同義であり得る。
【0074】
説明を簡単にするために、図面のうちのいくつかでは、三次元デカルト座標系が導入されている。描写されている物体に対する座標系の配向は、図によって異なり得ることに留意されたい。また、記号
【数15】
は、「ページから外」を指す軸を表すために使用され得、一方、記号
【数16】
は、「ページ内へ」を指す軸を表すために使用され得る。
【0075】
図中、任意選択的な要素及び(フローチャートにおける)任意選択的な段階は、破線で描かれている。
【0076】
明細書全体を通して、ベクトルは、小文字、太字のアップライト文字(例えば
【数17】
)で表される。
【0077】
説明は、方程式の形態のパラメータ間の定量的関係を含む。したがって、説明をより明確にするために、説明全体を通して、特定の記号は、特定のタイプのパラメータ及び/又は数量を標記するために排他的に使用される。ベクトル「
【数18】

(上付き文字及び/又は下付き文字を含む)は、スポット(例えば、コンポーネント上)の座標を指定する二次元ベクトルを表す。ギリシャ文字の「ε」(上付き文字及び/又は下付き文字を含む)は、平面間の角度又は角度の大きさを表す。より具体的には、ギリシャ文字「ε」は、サンプルの内部ファセットの対の間の平行性からの偏差、又は平行性からの偏差の大きさを表すために使用される。ギリシャ文字「δ」(上付き文字及び/又は下付き文字を含む)は、2つのベクトル間の角度又は2つのベクトル間の角度の大きさを表す。より具体的には、ギリシャ文字「δ」は、2つの光ビームの伝播方向間の角度偏差を表すために使用される。「ns」は、開示されたシステム及び/又は方法を使用して検査されたサンプルの屈折率を示す。「f」は、サンプルを検査するために使用され、かつ/又はサンプルを検査するために使用される開示された方法の一部として使用される、開示されたシステムに含まれる光感知コンポーネント上に戻された光ビームを集束させるために使用される集束レンズ又はレンズアセンブリの焦点距離を表す。したがって、記号
【数19】
ε、δ、ns、及びf(並びに角度を示す記号「μ」、「σ」、「Δ」)は、それらの記号が最初にテキストに導入される具体的実施形態に関連付けられているとみなされるべきではない。特に、一実施形態の文脈における値、値の範囲、並びに/又は
【数20】
並びにパラメータε、δ、ns、及びf(並びにパラメータμ、σ、及びΔ)の(成分の)値に対する制約の指定は、必ずしも別の実施形態に引き継がれるものではない。
【0078】
明細書全体を通して、三次元要素の内部の平坦な表面(三次元要素の2つの部分間の平坦な境界又は三次元要素内に組み込まれた材料の内部平坦層など)は、「内部ファセット」と称される。
【0079】
本明細書では、物体が、設計及び製作上、サンプルの平坦な表面間の傾斜角などの特性を呈する(すなわち、それによって特徴付けられる)ことが意図されているとき、その物体はその特性を「公称上」呈すると言われ得るが、製造許容誤差のために、その特性は、事実上不完全にしか呈されない場合がある。
【0080】
システム
いくつかの実施形態の態様によれば、サンプルにおける内部ファセットの計測のための光学に基づくシステムが提供される。図1Aは、いくつかの実施形態によるそのようなシステムである、光学に基づくシステム100を概略的に描写する。光学に基づくシステム100は、サンプルの内部ファセット間の平行性を検証するように構成されている。より具体的には、図1Aは、いくつかの実施形態による、システム100及びサンプル10の断面側面図を提示する。(サンプル10は、システム100の一部を構成しないと理解されたい。)
【0081】
サンプル10は、光透過性である基板12と、基板の内部の(すなわち、基板に埋め込まれた)2つ以上の内部ファセット14と、を含む。サンプル10は、外側の第1の表面16a(「サンプルの第1の表面」とも称される)を含む。サンプルの第1の表面16aは平坦であり得る。いくつかの実施形態によれば、内部ファセット14の各々は、基板12内に埋め込まれた薄い半反射層又は反射層であり得る。いくつかの実施形態によれば、内部ファセット14のうちの1つ以上は、薄膜又は部分ミラーであり得る。いくつかの実施形態によれば、内部ファセットのうちの1つ以上は、ガラス層及び/又は誘電体コーティングであり得るか、又はそれらを含み得る。いくつかの実施形態によれば、基板12は、一次元又は二次元の反射導波路(「幾何学的導波路」とも称される)であり得、その場合、サンプル10は、サンプルの第1の表面16aに対向しており、かつ平行な、外側の、かつ平坦な第2の表面16b(「サンプルの第2の表面」とも称される)を含み得る。サンプル10が反射導波路であるいくつかの実施形態によれば、サンプルの第1の表面16a及びサンプルの第2の表面16bは、導波路の主表面に対応し得る。いくつかの実施形態によれば、サンプル12は、ガラス、結晶、又は透明ポリマーで作製され得る。
【0082】
サンプル10の出力セクション18は、内部ファセット14が配置されている基板12の部分(例えば、セグメント)に対応する(一方、出力セクションに相補的な基板のセクションは、内部ファセット14のいずれかを欠き得る)。また、図1Bを参照すると、図1Bは、いくつかの実施形態による、出力セクション18の拡大図を提供している。説明を容易にすることを意図した非限定的な例として、図1A及び図1Bでは、内部ファセット14は、第1の内部ファセット14a、第2の内部ファセット14b、及び第3の内部ファセット14cの3つの内部ファセットを含むものとして示されている。第2の内部ファセット14bは、第1の内部ファセット14aと第3の内部ファセット14cとの間に配置されている。当業者は、3内部ファセットケースが任意の数の内部ファセット(例えば、4個、5個、10個、又は11個以上)の要件を包含することを容易に認識するであろう。
【0083】
図1Cを参照すると、図1Cは、いくつかの実施形態による、第2の内部ファセット14b及び第3の内部ファセット14cを含むサンプル10の端部15の斜視図を提供する。第2の内部ファセット14b及び第3の内部ファセット14cの公称配向は、それぞれ、平面B及び平面C(破線によって輪郭が描かれている)によって例解されている。(平面B及びCは、各々、xy平面に平行である。)
【0084】
内部ファセット14は、公称上平行である。すなわち、サンプル10の意図された設計によれば、内部ファセット14は、平行である。実際には、製作の不完全性に起因して、内部ファセット14は、典型的には、完璧な平行性を呈しない場合がある。いくつかの実施形態によれば、内部ファセット14の各々は、サンプルの第1の表面16aに対して公称角度μnomに公称上傾斜している。しかし、実際には、内部ファセット14の各々は、公称角度μnomとはわずかに異なる、それぞれの実際の角度に配向され得る。第1の内部ファセット14a、第2の内部ファセット14b、及び第3の内部ファセット14cは、それぞれ、サンプルの第1の表面16aに対して、第1の実際の角度μ1、第2の実際の角度μ2、及び第3の実際の角度μ3に配向されている。製作の不完全性のために、実際の角度μi(i=1、2、3)は、大きさだけでなく、それぞれの角度形成平面によっても、互いに異なる場合があり、かつ/又は公称角度μnomと異なる場合があることに留意されたい。例えば、公称角度がzx平面に平行な第1の平面上に形成される場合、μ1は、第1の平面に対して傾いている第2の平面上に形成され得る。同様に、μ2は、第1の平面及び/又は第2の平面に対して傾いている第3の平面上に形成され得る。別の言い方をすれば、
【数21】
によって、それぞれ、第1の内部ファセット14a、第2の内部ファセット14b、及び第3の内部ファセット14cに対して法線方向の単位ベクトルを示すと、最も一般的には、
【数22】
であり、ここでは、製作の不完全性がない場合、
【数23】
であると仮定される。ここで、
【数24】
は、z軸方向の単位ベクトルを示す。
【0085】
「内部ファセットのピッチ」は、本明細書で使用される場合、内部ファセットがその公称配向に対してy軸を中心に回転する角度を指す。「内部ファセットのロール」は、内部ファセットがその公称配向に対してx軸を中心に回転する角度を指す。
【0086】
平面B上に示されているのは、bx及びbyであり、それぞれ、
【数25】
のx及びy成分である。第2の内部ファセット14bは、それぞれ消失していないbx及びbyによって明示されるように、ピッチ及びロールの両方において平面Bに対して傾いているとして示されている。平面C上に示されているのは、cx及びcyであり、それぞれ、
【数26】
のx及びy成分である。第3の内部ファセット14cは、それぞれ消失していないcx及びcyによって明示されるように、ピッチ及びロールの両方において平面Cに対して傾いているとして示されている。加えて、第2の内部ファセット14b及び第3の内部ファセット14cは、ピッチ及びロールの両方において互いに異なることが示されている(すなわち、図1Cでは、cx>bx及びcy>byである)。
【0087】
サンプルの第1の表面16a及びサンプルの第2の表面16bの各々は、サンプル10の第1の端部11aから第2の端部11bまで延在する。出力セクション18は、サンプルの第1の表面16a上の出力領域13を画定する。いくつかの実施形態によれば、サンプル10は、第2の端部11bの方向に伝播する光が、内部ファセット14によって反射された後にサンプル10から出力領域13を通って出るように構成され得る。
【0088】
いくつかの実施形態によれば、システム100は、光透過性である光学要素102、及び光学セットアップ104を含む。システム100は更に、光学セットアップ104に機能的に関連付けられ、光学セットアップ104の動作を制御するように構成されたコントローラ108を含み得る。いくつかの実施形態によれば、図1Aに描写されるように、光学セットアップ104は、照明及び収集アセンブリ(ICA)112と、保持インフラストラクチャ114自体の上にサンプル10を取り付けるための保持インフラストラクチャ114と、を含む。いくつかの実施形態によれば、以下に詳述するように、保持インフラストラクチャ114は、サンプル10の配向を制御可能に設定することを可能にするように構成された配向インフラストラクチャを含むか又は構成し得る。ICA112は、光源122(又は複数の光源)と、光感知コンポーネント124と、を含む。いくつかの実施形態によれば、光感知コンポーネント124は、画像センサを含み得る。いくつかの実施形態によれば、画像センサは、CCDセンサ又はCMOSセンサであり得る。いくつかの実施形態によれば、光感知コンポーネント124はカメラであり得る。代替的に、いくつかの実施形態によれば、光感知コンポーネント124は、接眼レンズアセンブリに集束された光線間の偏差の視覚的決定(すなわち、目による決定)のために構成された接眼レンズアセンブリであり得るか、又は接眼レンズアセンブリを含み得る。いくつかの実施形態によれば、ICA112は、機能が以下に説明される光学機器128を更に含み得る。
【0089】
光学要素102は、基板132を含み、基板132は、光学要素102の大部分を構成し、基板12とほぼ同じ屈折率(例えば、屈折率の値の±0.02の範囲内)を有する材料で作製される。光学要素102は、外側の第1の表面134a(例えば、外側である、基板132の第1の表面、「光学要素の第1の表面」とも称される)及び外部の第2の表面134b(例えば、外側である、基板132の第2の表面、「光学要素第2の表面」とも称される)を更に含む。いくつかの実施形態によれば、図1Aに描写されているように、光学要素の第1の表面134a及び光学要素の第2の表面134bは平坦である。いくつかの実施形態によれば、光学要素102は、プリズムである。いくつかのそのような実施形態によれば、プリズムは、三角形のプリズムであり得る。
【0090】
図1C及び図1Dに示され、以下に詳細に説明されるように、光学要素102は、光学要素の第1の表面134a上において、光学要素の第1の表面134a上の中心に十分に近い位置に、0°に十分に近い入射角で入射する光(その少なくとも一部)が、光学要素の第2の表面134bを介して(すなわち、貫通して)光学要素102を出るように構成される。より具体的には、光学要素102は、光学要素134aに法線方向に入射し、それによって光学要素102内に透過した光(のうちの少なくとも一部)が、光学要素102を通って移動し、公称傾斜角μnomにほぼ等しい入射角で光学要素の第2の表面134bに衝突するように構成される。
【0091】
いくつかの実施形態によれば、光学要素の第2の表面134bは、光学要素の第1の表面134aに対して公称傾斜角μnom(すなわち、σ=μnom)に傾斜し得る。代替的に、いくつかの実施形態によれば、及び以下に詳述されるように、σ=μnom+Δであって、0.3°≦|Δ|≦0.5°、0.2°≦|Δ|≦ 0.7°、又は0.1°≦|Δ|≦1°であり得る。各選択肢が別個の実施形態に対応する。
【0092】
ICA112は、光源122によって生成され、任意選択的に、(光学機器128を含む実施形態における)光学機器128によって操作される(例えば、コリメートされる)、(図1C及び1Dに示されるように)コリメートされた光ビームを出力するように構成される。いくつかの実施形態によれば、光学機器128は、コリメートレンズ又はコリメートレンズアセンブリ(図示せず)を含み得る。光学要素102及びICA112(より正確には、ICA112の照明成分)の相対的配向は、ICA112によって出力された光ビームが、光学要素の第1の表面134aに法線方向に(又は少なくとも実質的に法線方向に光学要素の第1の表面134aに衝突するように設定され得る。いくつかの実施形態によれば、光源122は、単色光ビームを生成するように構成され得る(かつICA112によって出力される光ビームは単色である)。いくつかの実施形態によれば、光源122は、レーザ源であり得る(かつICA112によって出力される光ビームは、レーザビームである)。光源122がレーザ源であるいくつかの実施形態によれば、ICA112は、コリメートされた拡大レーザビームを出力するように構成され得る。いくつかのそのような実施形態によれば、光学機器128は、レーザビームの直径を増加させるように構成されたビームエキスパンダ(図示せず)を含み得る。例えば、サンプル10が一次元反射導波路である実施形態などのいくつかの実施形態によれば、拡大レーザビームの直径(例えば、拡大レーザビームの断面が楕円を画定するときの最大直径)は、出力領域13の長手方向寸法にほぼ等しくあり得る。サンプル10が二次元反射導波路である実施形態などのいくつかの実施形態によれば、拡大レーザビームの断面積は、出力領域13の断面積にほぼ等しいサイズであり得る。
【0093】
いくつかの実施形態によれば、光源122、光感知コンポーネント124、及び光学機器128の少なくとも一部は、オートコリメータを含み得るか、又はオートコリメータのコンポーネントを含む。いくつかの実施形態によれば、オートコリメータは、デジタルオートコリメータ又は電子オートコリメータである。いくつかの実施形態によれば、オートコリメータは、レーザオートコリメータである。いくつかの実施形態によれば、オートコリメータは、視覚的オートコリメータである。いくつかの実施形態によれば、光源122、及び光学機器128の少なくとも一部は、オートコリメータを構成するか、又はオートコリメータのコンポーネントを構成し得、オートコリメータは、光感知コンポーネント124によって構成されたカメラに取り付けられている。
【0094】
いくつかの実施形態によれば、光学機器128は、光学要素の第1の表面134a上の光ビーム(例えば、レーザビーム)の入射(すなわち、衝突)位置を制御し、それによって内部ファセット14の各々を別個に検査することを可能にするように構成された、並進可能なスリット式光学マスク又は開口式光学マスク(図示せず、図2の並進可能な光学マスクなど)を更に含み得る。代替的に、いくつかの実施形態によれば、光学機器128は、内部ファセット14の各々を別個に検査することを可能にするように構成された複数のシャッターを更に含み得る。
【0095】
いくつかの実施形態によれば、保持インフラストラクチャ114は、サンプル10と光学要素102との間の配向を制御可能に設定することを可能にするように構成され得る。特に、保持インフラストラクチャ114は、サンプルの第1の表面16aが(光学要素102の)光学要素の第2の表面134bに隣接し、かつ平行であるように、サンプル10及び/又は光学要素102を配向することを可能にするように構成され得る。いくつかの実施形態によれば、保持インフラストラクチャ114は、ICA112によって出力された入射光ビームが光学要素の第1の表面134aに垂直に衝突するように、サンプル10を配向させるように更に構成され得る。非限定的な例として、いくつかの実施形態によれば、保持インフラストラクチャ114は、配向可能なステージアセンブリ138(例えば、二軸ステージ)の形の配向インフラストラクチャを含み得る。
【0096】
ステージアセンブリ138は、サンプル10などのサンプルをその上に取り付け、(例えば、ICA112に対して)サンプルのピッチ角度及び/又はロール角度を調整することを可能にするように構成される。いくつかの実施形態によれば、ステージアセンブリ138は、6つの自由度の各々においてステージアセンブリ138上に取り付けられたサンプルを操作することを可能にするように構成され得る。いくつかの実施形態によれば、ステージアセンブリ138は、2つのゴニオメータ(図5に描写されたゴニオメータなど、図1Aには図示せず)、すなわち、一方が他方の上に配設されたピッチゴニオメータ及びロールゴニオメータを含み得る。いくつかのそのような実施形態によれば、ステージアセンブリ138は、(i)2つのゴニオメータの一方の上部に位置決めされ、(ii)ステージアセンブリ138上にサンプル10が配置されるように構成された傾斜したプラットフォーム(図5に描写された傾斜したプラットフォームなど、図1Aには示されていない)を含み得る。プラットフォームの傾斜角は、公称角度μnomに等しくあり得るか、又はほぼ等しくあり得る。いくつかのそのような実施形態では、光学要素102は、サンプル10上に位置決めされ、サンプル10によって支持され得る。代替的に、いくつかの実施形態によれば、保持インフラストラクチャ114は、光学要素102を保持し、制御可能に配向するように構成された配向可能な保持ギア(図示せず)を含み得る。いくつかの実施形態によれば、保持インフラストラクチャ114は、コントローラ108と機能的に関連付けられ得、それによって制御されるように構成されている。
【0097】
図1D及び図1Eも参照すると、図1Dは、いくつかの実施形態による、システム100及びサンプル10の断面側面図を提示し、サンプル10は、システム100による検査を受けている。図1Eは、破線Lによって描かれた図1Dの一部の拡大図を提供する。動作中、いくつかの実施形態によれば、矢印105によって示される、拡大入射光ビーム(全てが番号付けされているわけではない)が、光学要素の第1の表面134a上に投影される。入射光ビームはコリメートされる。入射光ビームが多色である実施形態では、入射光ビームは、光学要素の第1の表面134aに法線方向に投影されるが、入射光ビームが単色である実施形態では、入射光ビームは、光学要素の第1の表面134aに法線方向に投影されるか、又は少なくともほぼ法線方向に(例えば、法線入射から1°、1.5°、又は2°の範囲に)投影され得る。
【0098】
入射光ビーム(又は少なくともその一部)は、光学要素の第1の表面134aを介して(すなわち、貫通して)光学要素102に透過され、それによって、透過光ビームが取得される。透過光ビームは、矢印115によって示されている(その全てが番号付けされているわけではない)。透過光ビームは、光学要素102を横切って移動し、光学要素の第2の表面134b及びサンプルの第1の表面16aを介してサンプル10に交差し(すなわち、透過され)、サンプルの第1の表面16aから内部ファセット14に向かって伝播する。透過光ビームは、内部ファセット14からサンプルの第1の表面16aに向かって反射される。
【0099】
より具体的には、内部ファセット14は、それぞれの配向において互いにわずかに異なる可能性があるため、透過光ビームは、それぞれ、内部ファセット14のそれぞれからわずかに異なる角度で反射され得る。したがって、それぞれの伝播方向がわずかに異なる複数の反射光ビームが取得され得る。第1の内部ファセット14aから反射された透過光ビームの部分に対応する第1の反射光ビームは、矢印125aによって示されている。第2の内部ファセット14bから反射された透過光ビームの部分に対応する第2の反射光ビームは、矢印125bによって示されている。第3の内部ファセット14cから反射された透過光ビームの部分に対応する第3の反射光ビームは、矢印125cによって示されている。
【0100】
反射光ビームは、サンプルの第1の表面16a及び光学要素の第2の表面134bを介して、サンプル10を出て光学要素102内に入る。反射光ビームは、光学要素の第2の表面134bから光学要素の第1の表面134aに移動し、光学要素102を出ることにより、複数の戻された光ビームを取得する。第1の透過光ビームが光学要素102から屈折することによって生じる第1の戻された光ビームは、矢印135aによって示されている。第2の透過光ビームが光学要素102から屈折することによって生じる第2の戻された光ビームは、矢印135bによって示されている。第3の透過光ビームが光学要素102から屈折することによって生じる第3の戻された光ビームは、矢印135cによって示されている。第iの(i=1、2、3)戻された光ビームの伝播方向は、正のz軸によって画定された方向に対して戻り角ζiだけ傾いている。例えば、第1の戻された光ビームの伝播方向(矢印135aによって示される)は、第1の内部ファセット14aに対して戻り角ζ1だけ傾いている。戻された光ビームは、ICA112に向かって伝播し、光感知コンポーネント124上の光学機器128によって集束される。
【0101】
光感知コンポーネント124は、その上に集束された戻された光ビームの対の間の角度偏差を、光感知コンポーネント124の感知されたデータから取得することを可能にするように構成されている。角度偏差から、例えば、以下の図2A及び図2Bの説明において説明されているように、内部ファセット14間の平行性からの偏差、又は少なくとも平行性からの偏差の大きさを推測することができる。
【0102】
σ=μnomであるいくつかの実施形態によれば、光学要素の第1の表面134aは、反射防止コーティングによってコーティングされ得、その結果、入射光ビームの無視できる部分が光学要素の第1の表面134aから反射される。
【0103】
σ=μnom+Δであり、例えば、
【数27】
又は場合によっては
【数28】
であり、かつ光学要素の第1の表面134aが反射防止コーティングによってコーティングされていない、いくつかの実施形態によれば、入射光ビームの一部は、矢印145によって示されるように、光学要素の第1の表面134aから反射される。矢印145は、反射部分(すなわち、光学要素の第1の表面134aから反射された入射光ビームの部分)がいくつかの実施形態にのみ存在し、特に、光学要素の第1の表面134aが反射防止コーティングによってコーティングされている実施形態には存在しない(又は少なくとも無視できるほどに存在する)ことを強調するために、破線として描かれている。Δの値は、戻された光ビーム(矢印135a、135b、及び135cによって示される)が反射部分(矢印145によって示される)から区別可能であることを確実にするように選択され得る。したがって、図2Bに描写され、以下に詳細に説明されるように、光感知コンポーネント124が画像センサである実施形態では、戻された光ビームによって形成されるスポットが典型的にはクラスタリングされる(すなわち、集中される)一方で、入射光ビームの反射される部分によって形成されるスポットは、クラスタから著しく外れる。
【0104】
いくつかの実施形態によれば、また図1A図1D、及び図1Eに描写されているように、光学要素102は、光学要素の第2の表面134bが、サンプルの第1の表面16aの全て、又は少なくとも出力領域13の全てに接触するように、サンプル10上に位置決めされ得る(また、任意選択的に、サンプル10によって支持され得る)。かかる実施形態では、透過光ビームは、光学要素102からサンプル10に直接通過し、反射光ビームは、サンプル10から光学要素102内に直接通過する。
【0105】
いくつかの実施形態によれば、光学要素の第2の表面134bは、サンプルの第1の表面16aに接触していない。光学要素102とサンプル10との間の空間(以下に説明するように充填されていない限り、及び/又は入射光ビームが十分に単色ではない限り)は、透過光ビームが光学要素の第2の表面134bを介して光学要素102を出るときに分散をもたらし得る。光学要素の第2の表面134b及びサンプルの第1の表面16aが平行であり、かつ十分に研磨されている(かつ光学要素102の屈折率が基板12の屈折率と等しい)実施形態では、異なる周波数の光ビームは、サンプル10に入るとき再整列される。それ以外の場合、分散を回避又は少なくとも軽減するために、いくつかの実施形態によれば、光源122は、単色光ビーム(例えば、レーザビーム)を生成するように構成され得る。
【0106】
追加的に、又は代替的に、図示されないいくつかの実施形態によれば、分散を回避又は軽減するために、屈折率整合形状適合界面(図示せず)が、(サンプルの第1の表面16aと光学要素の第2の表面134bとの間に密閉されるように)サンプル10と光学要素102との間に挿入され得る。形状適合界面は、基板12(及び光学要素102)とほぼ同じ(例えば、±0.02の範囲内)の屈折率を有し得る。形状適合界面は、狭い空間内に封入されたときにその完全性及び配置を維持するなど、表面張力及び/又は接着特性によって特徴付けられる液体、ゲル、又はペーストであり得る。いくつかの実施形態によれば、形状適合界面は可鍛性材料であり得る。したがって、光学要素102、形状適合界面、及びサンプル10を通って伝播する光ビームは、光学要素102から形状適合界面内へ進み、形状適合界面からサンプル10内へ進む際に、その伝播方向を実質的に維持する。
【0107】
図1B及び図1Cを再び参照すると、「媒介する」(屈折率整合)光学要素、そのような光学要素102を使用せずに内部ファセット14を直接検査する試みでは、サンプルの第1の表面16a上(すなわち、光学要素102が存在しないときに形成される空気-サンプル界面上)に十分に大きな入射角で入射光ビームを投影して、内部ファセット14のうちの1つ(例えば、第2の内部ファセット14b)から反射された光(又は少なくとも光の大部分)が、内部ファセットのうちの別の上方の内部ファセット(例えば、第1の内部ファセット14a)から反射されずにサンプルの第1の表面16aを介して再出現することを確実にする必要があることが理解される。入射角が大きいと、(分散にも起因して)信号が弱くなり、信号対雑音比が低くなる可能性がある。
【0108】
開示されたシステム及び方法は、有利には、入射光ビームが投影される光学要素102などの屈折率整合光学要素を使用することにより、入射角を制御する(例えば、入射角をゼロに等しく設定するか又はゼロに近い値に設定する)ことによって、この問題に対処する。光学要素の傾斜角は、透過光ビームが内部ファセットにほぼ垂直に衝突し、衝突光の実質的に全てが他のいずれの内部ファセットからも反射されることなくサンプルから透過されることを確実にするように選択され得る。
【0109】
また、図2Aを参照すると、図2Aは、(i)σ=μnomであり、(ii)光学要素の第1の表面134aが反射防止コーティングによってコーティングされており、(iii)ICA112が、画像センサを含むオートコリメータ(例えば、デジタル若しくは電子コリメータ)を含む、システム100のいくつかの実施形態による、画像センサ224の感光面244上のスポット201を概略的に描写する。オートコリメータは、光感知コンポーネント124の具体的実施形態に対応する画像センサ224を含む。スポット201は、いくつかの実施形態による、第1のスポット201’、第2のスポット201’’、及び第3のスポット201’’’を含む。スポット201は、戻された光ビームによって形成される(矢印135によって図1D及び図1Eに示されている)。いくつかの実施形態によれば、スポットを特定の戻された光ビームに帰属させることは不可能である場合がある。(内部ファセットの各々が、例えば、以下に図3及び図4の説明において記載されるように、別個に検査されない限り、又は、任意選択的に、内部ファセットの各々を一意に特徴付ける追加情報が利用可能である場合、例えば、内部ファセットが反射率の設計によって互いに異なる場合)。特に、第1のスポット201’は、(第1の内部ファセット14aからの反射によって誘起される)第1の戻された光ビーム、(第2の内部ファセット14bからの反射によって誘起される)第2の戻された光ビーム、又は(第3の内部ファセット14cからの反射によって誘起される)第3の戻された光ビームによって形成され得ることを理解されたい。同様に、第2のスポット201’’は、戻された光ビームのいずれか1つ(しかし、第1のスポット201’を形成する戻された光ビームとは異なる戻された光ビーム)によって形成され得、第3のスポット201’’’は、戻された光ビームのいずれか1つ(しかし、第1のスポット201’を形成する戻された光ビーム及び第2のスポット201’’を形成する戻された光ビームの各々とは異なる戻された光ビーム)によって形成され得る。しかしながら、以下の例として説明されるように、平行性からの偏差の平均的な大きさ(平均「半径方向偏差」とも称される)及び平行性からの偏差の最大大きさ(最大「半径方向偏差」とも称される)などの情報は、スポット201の座標から抽出され得る。
【0110】
内部ファセット間の「平行性からの半径方向の偏差」が、本明細書において使用される場合、概して、ピッチ及びロールの両方の偏差を考慮に入れる、平行性からの偏差の数量子偏差を指す。
【0111】
二次元ベクトル
【数29】

【数30】
及び
【数31】
は、それぞれ、第1のスポット201’、第2のスポット201”、及び第3のスポット201’’’の(測定された)座標を指定する。より正確には、スポット201の各々が空間的に拡張される(すなわち、一次元ではない)ので、ベクトル
【数32】
は、それぞれ、第1のスポット201’、第2のスポット201”、及び第3のスポット201’’’の中心点を指定し得る。いくつかの実施形態によれば、中心点は、画素の感知された(すなわち、測定された)強度によって重み付けされるスポットを構成する各画素の座標にわたって平均化することによって計算され得る。
【0112】
ベクトル
【数33】
は、第1のスポット201’を生じさせる戻された光ビームの伝播方向に対応する。ベクトル
【数34】
は、第2のスポット201’’を生じさせる戻された光ビームの伝播方向に対応する。ベクトル
【数35】
は、第3のスポット201’‘‘を生じさせる戻された光ビームの伝播方向に対応する。角度偏差δγβは、
【数36】
の間に形成される角度の大きさに対応する。角度偏差δαγは、
【数37】
の間に形成される角度の大きさに対応する。角度偏差δβαは、
【数38】
の間に形成される角度の大きさに対応する。角度偏差δγβ、δαγ、及びδβαは、ベクトル
【数39】
から推測され得る。次に、角度の偏差から、内部ファセット間の平行性からの偏差(の大きさ)が推測され得る。
【0113】
図2Aに描写される座標系は、可能性のある原点の並進まで、図1Dに描写される座標系と一致すると仮定される。焦点距離fの集束レンズ(図示せず、例えば、オートコリメータの集束レンズ)を使用して、戻された光ビームを画像センサ(例えば、オートコリメータの画像センサ)上に集束させるいくつかの実施形態によれば、戻された光ビーム間の角度偏差の大きさは、関係
【数40】

【数41】

及び
【数42】
を使用して計算され得る。
【0114】
単位ベクトル
【数43】
は、第1のスポット201’を生じさせる光ビームが反射される内部ファセットの法線に対応する。単位ベクトル
【数44】
は、第2のスポット201’’を生じさせる光ビームが反射される内部ファセットの法線に対応する。単位ベクトル
【数45】
は、第3のスポット201’’’を生じさせる光ビームが反射される内部ファセットの法線に対応する。偏差εγβは、
【数46】
の間に形成される角度の大きさに対応する。偏差εαγは、
【数47】
の間に形成される角度の大きさに対応する。偏差εβαは、
【数48】
の間に形成される角度の大きさに対応する。(スネルの法則から)当業者に明らかになるように、ns・sin(2εα)=sin(δα),ns・sin(2εβ)=sin(δβ)及びns・sin(2εγ)=sin(δγ)である。
【0115】
式max{εγβ,εαγ,εβα}は、平行性からの最大半径方向偏差を定量化するために使用され得る。式(εγβ+εαγ+εβα)/3を使用して、内部ファセット間の平行性の平均半径方向偏差を定量化し得る。スポット201のいずれも典型的には、特定の内部ファセットからの反射に個別に起因するものではないので、上記の式は、角度偏差の符号とは無関係である。
【0116】
同様に(描写されたように座標系を選択することによって)、内部ファセット間のピッチの偏差の大きさεγβ,p、εαγ,p、εβα,p)は、それぞれ、関係tan(δγβ,p)=|uβ,x-uγ,x|/f1及びns・sin(2εγβ,p)=sin(δγβ,p)、tan(δαγ,p)=|uγ,x-uα,x|/f1及びns・sin(2εαγ,p)=sin(δαγ,p)、並びにtan(δβα,p)=|uα,x-uβ,x|/f1及びns・sin(2εβα,p)=sin(δβα,p)から計算され得る。内部ファセット(すなわち、εγβ,r、εαγ,r、εβα,r)間のロールの偏差の大きさは、それぞれ、関係tan(δγβ,r)=|uβ,y-uγ,y|/f1及びns・sin(2εγβ,r)=sin(δγβ,r)、tan(δαγ,r)=|uγ,y-uα,y|/f1及びns・sin(2εαγ,r)=sin(δαγ,r)、並びにtan(δβα,r)=|uα,y-uβ,y|/f1及びns・sin(2εβα,r)=sin(δβα,r)を通じて計算され得る。δγβ,p及びδγβ,rは、それぞれ、
【数49】
の間のピッチ及びロールの大きさに対応する。δαγ,p及びδαγ,rは、それぞれ、
【数50】
の間のピッチ及びロールの大きさに対応する。δβα,p及びδβα,rは、それぞれ、
【数51】
の間のピッチ及びロールの大きさに対応する。式max{εγβ,p,εαγ,p,εβα,p}及びmax{εγβ,r,εαγ,r,εβα,r}は、それぞれ、内部面14間のピッチ及びロールにおける最大偏差(の大きさ)を定量化するために使用され得る。式(εγβ,p+εαγ,p+εβα,p)/3及び(εγβ,r+εαγ,r+εβα,r)/3は、それぞれ、内部ファセット14間のピッチ及びロールの平均偏差(の大きさ)を定量化するために使用され得る。
【0117】
代替的に、いくつかの実施形態によれば、内部ファセット14間の平行性εmaxからの最大偏差は、関係
【数52】
及びns・sin(2εmax)=sin(δmax)を使用して定量化され得る。
【0118】
平行性からの偏差が十分に小さいいくつかの実施形態によれば、小角近似が使用され得る。小角近似の下では(ラジアン単位で計算するとき)、
【数53】

【数54】

及び
【数55】
である。同様に、εγβ,p=|uβ,x-uγ,x|/(2ns・f1)、εαγ,p=|uγ,x-uα,x|/(2ns・f1)、及びβα,p=|uα,x-uβ,x|/(2ns・f1)、並びにεγβ,r=|uβ,y-uγ,y|/(2ns・f1)、εαγ,r=|uγ,y-uα,y|/(2ns・f1)、及びεβα,r=|uα,y-uβ,y|/(2ns・f1)である。
【0119】
また、図2Bを参照すると、図2Bは、システム100のいくつかの実施形態による、感光面244上のスポット221及びスポット231を概略的に描写しており、ここで、σ=μnom+Δであり、光学要素の第1の表面134aは、反射防止コーティングによってコーティングされていない(ICA112は、画像センサを含むオートコリメータを含む)。スポット231は、光学要素の第1の表面134aから反射された入射光ビームの部分(図1C及び1Dにおいて矢印145によって示される)によって形成される。
【0120】
スポット221は、第1のスポット221’、第2のスポット221’’、及び第3のスポット221’’’を含む。二次元ベクトル
【数56】
【数57】

及び
【数58】
は、それぞれ、第1のスポット221’、第2のスポット221”、及び第3のスポット221’’’の座標(例えば、中心点)を指定する。二次元ベクトル
【数59】
は、スポット231の座標を指定する。第1のスポット221’は、スポット231に最も近いスポット221である。dは、第1のスポット221’とスポット231との間の距離を示す(すなわち、
【数60】
)。いくつかの実施形態によれば、光学要素の傾斜角σ(又はより正確には、Δの大きさ)は、dが、
【数61】

【数62】

及び
【数63】
の各々よりもはるかに大きいことを確実にし、それによって、スポット231の識別(すなわち、光学要素の第1の表面134aから反射された入射光ビームの部分へのスポット231の帰属)を確実にするように選択される。
【0121】
計算モジュール146は、1つ以上のプロセッサ、並びに揮発性及び/又は不揮発性メモリコンポーネントを含み得る。1つ以上のプロセッサは、光感知コンポーネント124からの未処理の又は処理済みの感知されたデータ(すなわち、測定データ)に基づいて、平行性からの集合的な(例えば、最大又は平均的な)偏差、及び/又は内部ファセットのうちの1つ以上の対の間の平行性からの偏差を計算するように構成され得る。未処理の感知されたデータは、光感知コンポーネント124に集束された戻された光ビームによって形成されるスポットを構成する画素の強度を含み得る。光感知コンポーネント124の処理済みの感知されたデータは、戻された光ビーム又は戻された光ビームによって形成されたスポットの中心点(例えば、ベクトル
【数64】

又はベクトル
【数65】
の座標)の(対の)間の角度偏差を含み得る。いくつかのそのような実施形態によれば、計算モジュール146は、光感知コンポーネント124の未処理の感知されたデータを処理して、戻された光ビーム(の対)の間の角度偏差を感知されたデータから取得するように構成され得る。
【0122】
いくつかの実施形態によれば、1つ以上のプロセッサは、スポット201を識別するために画像認識ソフトウェアを実行するように構成されたグラフィックス処理ユニット(GPU)を含み得る。光学要素の第1の表面134aが反射コーティング材によってコーティングされていないいくつかの実施形態によれば、画像認識ソフトウェアは、スポット231をスポット221から区別するように更に構成され得る。いくつかの実施形態によれば、1つ以上のプロセッサは、各スポットに座標を割り当てる(すなわち、各スポットの中心点を計算する)ように追加的に構成され得る。
【0123】
いくつかの実施形態によれば、図に描写されるように、計算モジュール146は、コントローラ108と通信可能に関連付けられ得、光感知コンポーネント124によって感知されたデータ(すなわち、測定データ)は、コントローラ108を介して計算モジュール146に中継され得る。代替的に、いくつかの実施形態によれば、光感知コンポーネント124は、感知されたデータを計算モジュール146に直接送信するように構成され得る。いくつかの実施形態によれば、計算モジュール146はシステム100に含まれ得る。
【0124】
図3は、いくつかの実施形態による、サンプルの内部ファセット間の平行性を検証するための光学に基づく方法300のフローチャートを概略的に描写している。より具体的には、図3は、いくつかの実施形態による、システム300及びサンプル10の断面側面図を提示する。(サンプル10は、システム300の一部を構成しないと理解されたい。)システム300は、システム100の具体的実施形態に対応する。
【0125】
システム300は、光学要素102、光学セットアップ104、及びコントローラ108の具体的実施形態に対応する、光透過性光学要素302と、光学セットアップ304と、任意選択的に、コントローラ308と、を含む。光学要素302は、基板132、光学要素の第1の表面134a、及び光学要素の第2の表面134bの具体的実施形態に対応する、基板332と、光学要素の第1の表面334aと、及び光学要素の第2の表面334bと、を含む。
【0126】
光学セットアップ304は、それぞれ、ICA112及び保持インフラストラクチャ114の具体的実施形態に対応する、ICA312と、配向可能な保持インフラストラクチャ314と、を含む。ICA312は、画像センサ(図示せず)を含むオートコリメータ352を含む。いくつかの実施形態によれば、オートコリメータ352は、デジタルオートコリメータ又は電子オートコリメータである。いくつかの実施形態によれば、オートコリメータ352は、レーザオートコリメータである。いくつかの実施形態によれば、ICA312は、スリット(細長い穴)358を含む光学マスク356を更に含み得る。いくつかの実施形態によれば、光学マスク356は、内部ファセット14のいずれかの上方にスリット358を制御可能に位置決めすることを可能にし、それによって内部ファセット14の各々を一度に1つずつ検査することを可能にするように並進可能であり得る。いくつかのそのような実施形態によれば、光学セットアップ304は、モータ360を更に含み得、モータ360は、光学マスク356を並進させることを可能にするように、光学マスク356と機械的に関連付けられ得る。いくつかの実施形態によれば、モータ360は、スクリュー362を介して光学マスク356に機械的に結合され得るリニアステッピングモータであり得る。
【0127】
また、計算モジュール146の具体的実施形態に対応する計算モジュール346が示されている。いくつかの実施形態によれば、計算モジュール346はシステム300に含まれ得る。
【0128】
図3に描写されていないいくつかの代替的な実施形態によれば、ICA312は、光学マスク356(及びモータ360)の代わりに、複数の個別に開閉可能なシャッターを含むシャッターアセンブリを含み得る。各シャッターは、それぞれの内部ファセットの上方に位置決めされ得、それによって、内部ファセット14の各々を一度に1つずつ検査することを可能にする。
【0129】
動作中、いくつかの実施形態によれば、光学マスク356は、内部ファセット14の各々の上方にスリット358を次々に位置決めするように横方向に並進され得る。矢印305によって示されるコリメートされた光ビームは、光学マスク356上に光学要素の第1の表面334aに対して垂直な方向に投射される。第1の内部ファセット14aの上方にスリット358が位置決めされているとき、コリメートされた光ビームの(第1の)入射部分は、スリット358を通過し、光学要素の第1の表面334aに法線方向に衝突し、光学要素302内に透過され、それによって、透過光ビームが取得される。第1の入射部分は、矢印355aによって示されており、透過光ビームは、矢印315aによって示されている。透過光ビームは、光学要素302を横切って移動し、光学要素の第2の表面334b及びサンプルの第1の表面16aを介してサンプル10を交差し(サンプル10内に透過され)、第1の表面16aから第1の内部ファセット14aに向かって伝播する。透過光ビームは、第1の内部ファセット14aからサンプルの第1の表面16aに向かって反射される。
【0130】
第1の内部ファセット14aで反射された、透過した光ビームの部分に対応する第1の反射光ビームは、矢印325aによって示されている。第1の反射光ビームは、サンプル10を出て、サンプルの第1の表面16a及び光学要素の第2の表面334bを介して光学要素302内に透過される。第1の反射光ビームは、光学要素の第2の表面334bから光学要素の第1の表面334aに移動し、光学要素302を出て(例えば、光学要素302から屈折させられて)、それによって第1の戻された光ビームが取得される。第1の戻された光ビームは、矢印335aによって示されている。第1の戻された光ビームは、スリット358を通過した後、オートコリメータ352に移動し、オートコリメータ352の画像センサによって感知される。
【0131】
第2の入射部分、第2の透過光ビーム、第2の反射光ビーム、及び第2の戻された光ビームの軌跡は、それぞれ、点線矢印355b、315b、325b、及び335bによって示されている。この軌跡は、スリット358が第2の内部ファセット14b上に位置決めされるように光学マスク356が並進させられるときに実現される。矢印355b、315b、325b、及び335bは、スリット358が第1の内部ファセット14a上に位置決めされている場合、この軌跡が実現されない(すなわち、スリット358が第1の内部ファセット14a上に位置決めされている場合、対応する光ビームは存在しない)ことを示す点線によって表されている。第3の入射部分、第3の透過光ビーム、第3の反射光ビーム、及び第3の戻された光ビームの軌跡は、それぞれ、点線の矢印355c、315c、325c、及び335cによって示されている。この軌跡は、スリット358が第3の内部ファセット14cの上に位置付けられるように、光学マスク356が並進させられるときに実現される。矢印355c、315c、325c、及び335cは、スリット358が第1の内部ファセット14a上に位置決めされている場合、この軌跡が実現されない(すなわち、スリット358が第1の内部ファセット14a上に位置決めされている場合、対応する光ビームは存在しない)ことを示す点線によって表されている。
【0132】
いくつかの実施形態によれば、光学マスク356は連続的に並進させられ得る。透過光が内部ファセットに沿って走査されると、オートコリメータ352の画像センサ上に形成されたそれぞれのスポットは、(内部ファセットが屈曲しており、湾曲しており、かつ/又はそうでなければ変形している場合を除き)本質的に固定されたままである。透過光ビームが隣接する内部ファセット上に遷移すると、(2つの内部ファセットが十分にずれているときに)画像センサ上に新しいスポットが形成される。遷移が完了すると、新しいスポットのみが画像センサ上に残る。
【0133】
いくつかの代替的な実施形態によれば、光学マスク356は、複数の位置における異なる位置の間でシフトされ得る。位置の各々において、スリット358は、内部ファセット14のそれぞれの上方に位置決めされている。任意選択的に、いくつかの実施形態によれば、コリメートされた光ビーム305は、光学マスク356が(別個の)位置のうちの1つにあるときにのみ投影される。
【0134】
また、図4を参照すると、図4は、システム100のいくつかの実施形態による、オートコリメータ352に関連付けられたデジタルディスプレイ464上のスポット401を概略的に描写し、ここで、σ=μnomであり、光学要素の第1の表面334aは、反射防止コーティングによってコーティングされている。スポット401は、いくつかの実施形態による、第1のスポット401aと、第2のスポット401bと、第3のスポット401cと、を含む。内部ファセット14は一度に1つずつ検査されるため、どの戻された光ビームがスポット401の各々を生じさせたかが知られている。したがって、内部ファセット14の各対の間の平行性からの偏差は、以下に説明するように計算され得る。第1のスポット401aは、第1の戻された光ビームによって形成される(矢印335aによって図3に示されている)。第2のスポット401bは、第2の戻された光ビームによって形成される(図3に矢印335bによって示されている)。第3のスポット401cは、第3の戻された光ビームによって形成される(図3に矢印335cによって示されている)。
【0135】
二次元ベクトル
【数66】

【数67】

及び
【数68】
は、それぞれ、第1のスポット401a、第2のスポット401b、及び第3のスポット401cの座標(例えば、中心点)を指定する。内部ファセット14の対の各々の間のピッチにおける偏差、並びにロールにおける偏差は、
【数69】
から計算され得る。
【0136】
焦点距離f2の集束レンズ(図示せず、例えば、オートコリメータの集束レンズ)を使用して、戻された光ビームを画像センサ(例えば、オートコリメータの画像センサ)に集束させるいくつかの実施形態によれば、好適な座標系を選択することによって、第1の戻された光ビームに対する第2の戻された光ビームのピッチδ21,p及びロールδ21,rの偏差を、それぞれ、tan(δ21,p)=(u2,x-u1,x)/f2及びtan(δ21,r)=(u2,y-u1,y)/f2を介して計算され得る。同様に、第1の戻された光ビームに対する第3の戻された光ビームのピッチδ31,p及びロールδ31,rの偏差は、それぞれ、tan(δ31,p)=(u3,x-u1,x)/f2及びtan(δ31,r)=(u3,y-u1,y)/f2を介して計算され得、第2の戻された光ビームに対する第3の戻された光ビームのピッチδ32,p及びロールδ32,rは、それぞれ、tan(δ32,p)=(u3,x-u2,x)/f2及びtan(δ32,r)=(u3,y-u2,y)/f2を介して計算され得る。したがって、第1の内部ファセット14aに対する第2の内部ファセット14bのピッチε21,p及びロールε21,rにおける偏差は、それぞれ、関係ns・sin(2ε21,p)=sin(δ21,p)及びns・sin(2ε21,r)=sin(δ21,r)を使用して計算され得る。第1の内部ファセット14aに対する第3の内部ファセット14cのピッチε31,p及びロールε31,rにおける偏差は、それぞれ、ns・sin(2ε31,p)=sin(δ31,p)及びns・sin(2ε31,r)=sin(δ31,r)を使用して計算され得る。第2の内部ファセット14bに対する第3の内部ファセット14cのピッチε32,p及びロールε32,rにおける偏差は、それぞれ、ns・sin(2ε32,p)=sin(δ32,p)及びns・sin(2ε32,r)=sin(δ32,r)を使用して計算され得る。
【0137】
第1の内部ファセット14aに対する第2の内部ファセット14b、第1の内部ファセット14aに対する第3の内部ファセット14c、及び第2の内部ファセット14bに対する第3の内部ファセット14cの平行性からの偏差の大きさ(すなわち、半径方向の偏差)は、それぞれ、関係
【数70】
及びns・sin(2ε21)=sin(δ21),
【数71】
及びns・sin(2ε31)=sin(δ31)、並びに
【数72】
及びns・sin(2ε32)=sin(δ32)を使用して計算することができる。
【0138】
平行性からの偏差が十分に小さいいくつかの実施形態によれば、小角近似が使用され得る。当業者に明らかなように、小角近似の下では(ラジアン単位で計算するとき)、ε21,p=(u2,x-u1,x)/(2ns・f2)及びε21,r=(u2,y-u1,y)/(2ns・f2)、ε31,p=(u3,x-u1,x)/(2ns・f2)及びε31,r=(u3,y-u1,y)/(2ns・f2)、並びにε32,p=(u3,x-u2,x)/(2ns・f2)及びε32,r=(u3,y-u2,y)/(2ns・f2)である。
【0139】
いくつかの実施形態によれば、計算モジュール346は、検査されたサンプル中の内部ファセットの一部又は全ての対の間の平行性からの偏差を計算するように構成され得る。いくつかの実施形態、特に内部ファセットの数が多い実施形態によれば、計算モジュール346は、検査されたサンプル中の隣接する内部ファセットの全ての対の間の平行性からの偏差を計算するように構成され得る。いくつかのそのような実施形態によれば、計算モジュール346は、内部ファセットのうちの1つ(例えば、最側ファセット)と他の全てのファセットの各々との間の平行性からの偏差を計算するように構成され得る。いくつかの実施形態によれば、計算モジュール346は、平行性からの計算された偏差における不確実性を追加的に計算するように更に構成され得る。
【0140】
図に描写されていないいくつかの代替的な実施形態によれば、システム300は、光学セットアップ304の代わりに、干渉セットアップを含み得、内部ファセット34の対の間の平行性からの半径方向の偏差を含む情報は、戻された光ビームによって形成された干渉パターンから抽出され得る。いくつかのそのような実施形態によれば、干渉セットアップは、ビームスプリッタのアレイと、内部ファセットの対を一度に一つずつ検査することを可能にするように構成された制御可能に開放可能及び閉鎖可能な遮光フィルタの関連するアレイと、を含み得る。より具体的には、ビームスプリッタ及び遮光フィルタアレイは、(i)入射ビームを、光学要素302に法線方向に入射する入射サブビームの選択可能な対に分割し、(ii)入射光ビームの対によってそれぞれ誘起された2つの戻されたサブビームを、単一の結合された戻された光ビームに再結合し、次いで、単一の結合された戻された光ビームが、光センサによって感知されるように構成され得る。ビームスプリッタ及びブロッキングフィルタアレイは、入射サブビームの各選択可能な対が、内部ファセットのそれぞれの対からの反射を誘起され、それによって、第1の入射サブビームが、内部ファセットのうちの1つをプローブし、第2の入射サブビームが、別の内部ファセットをプローブするように構成されている。例えば、第1の入射サブビームは、(光学要素302内に透過し、光学要素302を通過し、サンプル10内に透過した後の)第iの内部ファセットからの反射を誘起され、第2の入射サブビームは、(光学要素102内に透過し、光学要素102を通過し、サンプル10内に透過した後の)第jの内部ファセットからの反射を誘起され、ここで、i及びjは制御可能に選択可能である。当業者が容易に認識するように、第iの内部ファセットと第jの内部ファセットとの間の平行性からの半径方向の偏差は、偏差によって光センサ上に形成される干渉パターンから抽出され得る。
【0141】
図5は、いくつかの実施形態による、サンプル10が上に配設されたステージアセンブリ538を概略的に描写する。また、サンプル10上に配設された光学要素502が示されている。ステージアセンブリ538及び光学要素502は、システム100のステージアセンブリ138及び光学要素102の具体的実施形態に対応する。ステージアセンブリ538は、ピッチゴニオメータ572、ロールゴニオメータ574、及び傾斜したプラットフォーム576を含む。いくつかの実施形態によれば、図5に描写されるように、傾斜したプラットフォーム576は、ロールゴニオメータ574上に取り付けられており、ロールゴニオメータ574は、ピッチゴニオメータ572上に取り付けられている。傾斜したプラットフォーム576は、外側の、かつ平坦な上面578aと、上面578aに対向する、外側の、かつ平坦なベース表面578bと、を含む。いくつかの実施形態によれば、上面578aは、ベース表面578bに対してプラットフォーム傾斜角ιに傾斜することができ、プラットフォーム傾斜角ιは、公称角度μnomにほぼ等しくあり得る。
【0142】
光学要素502の配向は、ピッチゴニオメータ572及びロールゴニオメータ574を配向することによって調整され得、それによって、例えば、ICA(図示せず)によって、光学要素502上に投影された光ビームの入射角を制御可能に設定することが可能になる。いくつかの実施形態によれば、ピッチゴニオメータ572及びロールゴニオメータ574の各々は、プログラム可能なマイクロメータ(図示せず)を使用して配向され得る。追加的に、又は代替的に、いくつかの実施形態によれば、ピッチゴニオメータ572及びロールゴニオメータ574の各々は、手動で配向可能であり得る。
【0143】
また、光学要素502の傾斜角σ’が示されており、傾斜角σ’は、公称角度μnomにほぼ等しくあり得る。
【0144】
方法
いくつかの実施形態の態様によれば、サンプルの内部ファセットの計測のための光学に基づく方法が提供される。方法は、サンプルの内部ファセット間の平行性を検証するために使用され得る。図6は、いくつかの実施形態による、そのような方法、すなわち、光学式方法600のフローチャートを提示している。方法600は以下の段階を含み得る。
-検査されるサンプル(例えば、サンプル10)が提供される段階610。サンプルは、屈折率ns’を有する光透過性基板と、2つ以上の公称上平行な内部ファセット(例えば、内部ファセット14)と、を含む。内部ファセットの各々は、サンプルの外側の、かつ平坦な表面に対して角度μnom(例えば、公称角度μnom)に公称上傾斜している。
-nsにほぼ等しい(例えば、ns-0.02よりも大きく、ns+0.02よりも小さい)屈折率を有する光学要素(例えば、光学要素102又は光学要素302)が提供される段階620。光学要素は、外側の、かつ平坦な第1の表面と、光学要素の第1の表面に対向しており、かつ第1の表面に対して、公称角度μnomにほぼ等しい角度σに傾斜している、外側の、かつ平坦な第2の表面と、を含む。
-サンプル及び光学要素が、光学要素の第2の表面が基板の表面に平行であり、かつ隣接するように位置決めされる段階630。
-複数の入射光ビームが、光学要素の第1の表面上に、ほぼ法線方向に(例えば、法線入射から1°、1.5°、又は場合によっては2°の範囲内に)投影される段階640。
-入射光ビームが光学要素を通過し、サンプル内に透過して内部ファセットから反射し、光学要素を再通過し、光学要素の第1の表面を介して光学要素から出た(例えば、光学要素から屈折させられた)後に、複数の戻された光ビームが取得される段階650。
-複数の戻された光ビームが感知される(例えば、光感知コンポーネント124を使用して測定される)段階660。
-感知されたデータ(測定されたデータ)に基づいて、内部ファセットのうちの少なくともいくつかの間の平行性からの少なくとも1つの偏差が計算される段階670。
【0145】
本明細書で使用される「取得」という用語は、能動的及び受動的な意味の両方で用いられ得る。したがって、例えば、段階650では、戻された光ビームは、段階650において実施される任意の動作の結果としてではなく、むしろ段階640において入射光ビームが生成されたことに起因して取得され得る。一般に、段階は、ユーザによって、若しくは方法を実装するために使用されるシステムによって実行される能動的動作、及び/又は1つ以上の前の段階で実行される1つ以上の動作の結果若しくは効果を表し得る。
【0146】
方法600は、サンプル10(上述のサンプル10の実施形態のうちのいずれかを含む)などのサンプルの内部ファセットの平行性を検証するために使用され得る。特に、方法600は、一次元反射導波路の内部ファセット、並びに二次元反射導波路の内部ファセットの平行性を検証するために使用され得る。
【0147】
方法600は、システム100及び300のそれぞれの説明において上記に詳しく説明されたような、システム100及び300のうちのいずれか1つなどの光学に基づくシステム、又はそれと同様のシステムを用いて実施され得る。一部によれば、光学要素は、プリズムであり得る。
【0148】
いくつかの実施形態によれば、σ=μnomである。いくつかのそのような実施形態によれば、戻された光ビームと光学要素の第1の表面から直接反射された光とを区別することを不要にするために、光学要素の第1の表面は、反射防止コーティングによってコーティングされ得る。代替的に、いくつかの実施形態によれば、σ=μnom+Δである。いくつかのそのような実施形態によれば、光学要素の第1の表面は、反射防止コーティングによってコーティングされておらず、|Δ|は、図2Bの説明において上記で説明されたように、戻された光ビームが光学要素の第1の表面から直接反射された光と区別可能であることを確実にするのに十分な大きさである。いくつかの実施形態によれば、0.3°≦|Δ|≦0.5°、0.2°≦|Δ|≦0.7°、又は場合によっては0.1°≦|Δ|≦1°である。各選択肢が別個の実施形態に対応する。Δの大きさの上限は、画像センサ上に形成されたスポットがぼやけていないことを確実にするように選択され得る。
【0149】
いくつかの実施形態、特に、(i)サンプルの表面及び/又は光学要素の第1の表面が、十分に研磨されておらず、かつ/又は十分な精度に整列することができず、(ii)使用される光源が、多色であり、十分に単色ではない実施形態によれば、分散を排除するか、又は少なくとも軽減するために、システム100の説明において上記に説明されたように、(サンプルの大部分を構成する)基板とほぼ同じ屈折率(例えば、ns’-0.02よりも大きく、ns’+0.02よりも小さい)を有する形状適合界面が、形状適合界面が、光学要素とサンプルとの間に位置決めされ得る。
【0150】
いくつかの実施形態によれば、段階640において、入射光ビームは、コリメートされる拡大光ビームの相補部分を構成し得る。いくつかの実施形態によれば、入射光ビームは、拡大レーザビームの相補部分を構成し得る。
【0151】
いくつかの実施形態によれば、内部ファセットは、一度に1つずつ検査される(すなわち、プローブされる)。より具体的には、いくつかの実施形態によれば、段階640、650、及び660は、N回実施され得、Nは、内部ファセットの数であり、各実施形態において、システム300の説明及びシステム100のいくつかの実施形態において上記に説明されたように、光は、内部ファセットのうちの1つのみに衝突させられる。内部ファセットの個々の検査は、システム300又はそれに類似するシステムを使用して実行され得る。
【0152】
いくつかの実施形態によれば、オートコリメータは、例えば、基本的にシステム100の説明及びシステム100の様々な実施形態(システム300を含む)において上記に説明されたように、段階640、650、及び660を実施するために使用される。いくつかの実施形態によれば、オートコリメータは、画像センサを含む。いくつかのそのような実施形態では、段階660において、戻された光ビームは、オートコリメータの画像センサを使用して感知され得る。代替的に、いくつかの実施形態によれば、オートコリメータは、視覚的オートコリメータであり、戻された光ビームは、オートコリメータの接眼レンズアセンブリを使用して(接眼レンズを通して目盛り付きレチクルを見ることによって)感知される。
【0153】
画像センサが戻された光ビームを感知するために使用されるいくつかの実施形態によれば、ステージ670は、画像認識ソフトウェアが、画像センサの感光面上に戻された光ビームの各々によって形成されるスポット(例えば、スポット201、スポット221、又はスポット401)を識別するために使用される初期サブステージを含み得る。いくつかの実施形態によれば、初期サブステージは、スポットの各々に座標を割り当てること、例えば、スポットの中心点を決定することを更に含み得る。いくつかの実施形態によれば、中心点は、画素の強度によって重み付けされるスポットを構成する各画素の座標にわたって平均化することによって決定され得る。光学要素の第1の表面が反射コーティングによってコーティングされず、それによって、追加のスポット(例えば、スポット231)が画像センサの感光面上に形成され得る(すなわち、光学要素の第1の表面から直接反射された光によって形成され得る)いくつかの実施形態によれば、画像認識ソフトウェアは、追加のスポットを戻された光ビームによって形成されたスポットから区別するように更に構成され得る。
【0154】
内部ファセットが一度に1つずつ検査されるいくつかの実施形態によれば、段階670において、隣接する内部ファセットの対の間の平行性からの偏差が計算される。追加的に、又は代替的に、いくつかの実施形態によれば、内部ファセットのうちの1つ(例えば、最側内部ファセット)と他の内部ファセットの各々との間の平行性からの偏差が計算される。いくつかの実施形態によれば、内部ファセットの各対の間の平行性からの偏差が計算される。いくつかの実施形態によれば、計算された偏差に基づいて、(例えば、隣接する内部ファセット間及び/又は最側内部ファセットと他の内部ファセットの各々との間の)平行性からの1つ以上の平均偏差及び/又は最大偏差が計算される。いくつかの実施形態によれば、ピッチにおける平均偏差及び/若しくは最大偏差並びに/又はロールにおける平均偏差及び/若しくは最大偏差が計算され得る。
【0155】
いくつかの実施形態によれば、第iの内部ファセットと第jの内部ファセットとの間のピッチε ij,pの偏差は、関係(δij,p)=(xi-xj)/f及びns・sin(2εij,p)=sin(δij,p)を使用して計算され得る。xi及びxjは、第iの戻された光ビーム及び第jの戻された光ビームの決定されたx座標(例えば、画像センサ上のスポットの中心点の水平座標)である(座標系が、スポットのx座標がそれぞれの内部ファセットのピッチによって決定されるような座標系であることが暗黙的に仮定される)。同様に、第iの内部ファセットと第jの内部ファセットとの間のロールの偏差εij,rは、tan(δij,r)=(yi-yj)/f及びns・sin(2εij,r)=sin(δij,r)を介して計算され得る。yi及びyjは、それぞれ、第iの戻された光ビーム及び第jの戻された光ビームの決定されたy座標(例えば、画像センサ上のスポットの中心点の垂直座標)である(座標系が、スポットのy座標がそれぞれの内部ファセットのロールによって決定されるような座標系であることが暗黙的に仮定される)。
【0156】
第jの内部ファセットに対する第iの内部ファセットの平行性εijからの偏差の大きさは、関係
【数73】
及びns・sin(2εij)=sin(δij)を使用して計算することができる。
【0157】
平行性からの偏差が十分に小さいいくつかの実施形態によれば、小角近似が使用され得る。当業者には明らかであろうように、小角近似の下では(ラジアン単位で計算する場合)、εij,p=(xi-xj)/(2ns・f)及びεij,r=(yi-yj)/(2ns・f)である。
【0158】
光学要素の第1の表面が反射防止コーティングによってコーティングされておらず、σ=μnom+Δであるいくつかの実施形態によれば、公称配向からの内部ファセットの各々のピッチにおける偏差εi,p及びロールにおける偏差εi,rは、関係tan(δi,p)=(x’’-xi’)/f及びns・sin(2ε’i,p)=sin(δ’i,p)、並びにtan(δi,r)=(y’’-yi’)/f及びns・sin(2ε’i,r)=sin(δi,r)を使用して計算され得る。各iについて、xi’及びyi’は、光ビームによって誘起されたスポットの決定されたx座標及びy座標であり、このスポットは、第iの内部ファセットからの反射であることが突き止められ得る。x’’及びy’’は、光学要素の第1の表面から直接反射された光ビームによって形成されたスポットの決定されたx及びy座標である。
【0159】
いくつかの実施形態によれば、スポットの座標を決定することは、関連付けられた不確実性を計算すること、及び、それに基づいて、内部ファセットの対の間の平行性からの偏差における不確実性を計算することを含み得る。
【0160】
内部ファセットが一度に1つずつ検査されず(例えば、全ての内部ファセットが同時に検査され)、それによって、(戻された光ビームによって形成された)スポットの各々が、典型的には内部ファセットのうちの1つに帰属しない(少なくとも追加データなしでは帰属しない)いくつかの実施形態によれば、段階670において、平行性からの平均半径方向偏差(すなわち、偏差の平均大きさ)及び/又は平行性からの最大半径方向偏差(すなわち、偏差の大きさ)が計算される。より具体的には、いくつかの実施形態によれば、平行性からの平均半径方向偏差は、関係
【数74】
及びns’・sin(2ε’ij)=sin(δ’ij)を使用して
【数75】
を計算することによって取得することができる。ここで、δlmは、第lのスポットを誘起する光ビームと第mのスポットを誘起する光ビームとの間の角度偏差の大きさである。εlmは、第lのスポットを誘起する光ビームが反射される内部ファセットと、第mのスポットを誘起する光ビームが反射される内部ファセットとの間の偏差の大きさである。(xl’’’,yl’’’)及び(xm’’’,ym’’’)は、それぞれ第lのスポット及び第mのスポットの計算された座標(例えば、中心点)である。Mは、(異なる)内部ファセット対の数である。平行性からの半径方向偏差は、
【数76】
を計算することによって取得され得る。
【0161】
いくつかの実施形態によれば、内部ファセットの各々の公称配向からのピッチ及びロールにおける偏差は、追加的に(又は代替的に)計算され得る。この目的のために、μnom+Δに等しい傾斜角σ(及び反射防止コーティングによってコーティングされていない(光学要素の)第1の表面)を特徴とする光学要素を使用し得る。
【0162】
検査結果
図7A及び図7Bは、いくつかの実施形態による、開示された方法及びシステムを使用して取得された検査結果を提示する。第1の導波路と第2の導波路の2つの反射導波路を検査した。導波路の各々には、6つの内部ファセットが含まれていた。図7Aを参照すると、x軸は、内部ファセットを並べあげており、y軸は、基準内部ファセット(この場合、最側ファセットでもある第1の内部ファセット)と他のファセットの各々との間の角度の大きさを並べあげている。実線曲線710aは、第1の導波路に関係しており、破線曲線720aは、第2の導波路に関係している。曲線の各々は、角度の(計算された)大きさにおける不確実性に基づいてあてはめられた(すなわち、あてはめ技法を使用して取得された)。実線垂直バー730a(その全てが番号付けされているわけではない)は、第1の導波路に関する不確実性を表す。破線垂直バー740a(その全てが番号付けされるわけではない)は、第2の導波路に関する不確実性を表す。
【0163】
図7Bを参照すると、x軸は、内部ファセットを並べあげており、y軸は、連続する内部ファセット間の角度の大きさ(すなわち、第1の内部ファセットと第2の内部ファセットとの間の角度、第2の内部ファセットと第3の内部ファセットとの間の角度など)を並べあげている。実線710b曲線は、第1の導波路に関係しており、破線曲線720bは、第2の導波路に関係している。曲線の各々は、角度の(計算された)大きさにおける不確実性(垂直バーで表される)に基づいてあてはめられた。実線垂直バー730b(その全てが番号付けされているわけではない)は、第1の導波路に関する不確実性を表す。破線垂直バー740b(その全てが番号付けされるわけではない)は、第2の導波路に関する不確実性を表す。
【0164】
「測定する」及び「感知する」という用語が、本明細書で使用される場合、同義的に使用される。同様に、「感知されたデータ」及び「測定データ」(又は「測定されたデータ」)という用語は、互換的に使用される。
【0165】
明瞭さのために、別々の実施形態の文脈で説明されている本開示の特定の複数の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供され得ることを理解されたい。逆に、簡潔さのために、単一の実施形態の文脈で説明されている本開示の様々な特徴は、別々に、又は任意の好適な部分組み合わせにおいて、又は本開示の任意の他の記載された実施形態において好適であるように提供され得る。実施形態の文脈で説明されている特徴は、特に明記されていない限り、その実施形態の本質的な特徴とみなされるべきではない。
【0166】
いくつかの実施形態による方法の段階が特定のシーケンスで記載されている場合があるが、本開示の方法は、異なるシーケンスで実行される及び/又は発生する、記載されている段階の一部又は全てを含み得る。本開示の方法は、記載された段階のうちのいくつか、又は記載された段階の全てを含み得る。開示される方法のいずれの特定の段階も、特に明記されない限り、その方法の本質的な段階とみなされるべきではない。
【0167】
本開示は、その具体的実施形態とともに説明されているが、当業者にとって明らかな多数の代替、修正、及び変形が存在し得ることは明らかである。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲の範囲に含まれる全てのそのような代替、修正、及び変形を包含する。本開示は、本明細書に記載されている構成要素の構造及び配置、並びに/又は方法の詳細への適用に必ずしも限定されないことを理解されたい。他の実施形態が実施され得、また、実施形態が様々な様態で実行され得る。
【0168】
本明細書で用いられる表現及び用語は、説明を目的とするものであり、制限を課すものとみなされるべきではない。本出願におけるいかなる参考文献の引用又は特定も、そのような参考文献が本開示に対する先行技術として利用可能であることを認めるものと解釈されるべきではない。本明細書で使用される項目の見出しは、本明細書の理解を容易にするためのものであり、必ずしも制限を課すものと解釈されるべきではない。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
【国際調査報告】