(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】リニアモータシステム、対応する成形アセンブリ及び方法
(51)【国際特許分類】
H02P 25/064 20160101AFI20240816BHJP
B60L 13/03 20060101ALI20240816BHJP
B65G 54/02 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
H02P25/064
B60L13/03 Q
B65G54/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502436
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 EP2022069229
(87)【国際公開番号】W WO2023011859
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】カルタビアーノ、ダニエーレ
(72)【発明者】
【氏名】フローレ、ステファノ
【テーマコード(参考)】
3F021
5H113
5H540
【Fターム(参考)】
3F021AA01
3F021BA02
3F021CA06
3F021DA01
3F021DA02
3F021DA03
3F021DA04
3F021DA06
5H113CC04
5H113CD11
5H113DC01
5H113EE01
5H540AA01
5H540BA03
5H540FA13
5H540FA14
5H540FB02
5H540FB03
(57)【要約】
軌道(1)と、前記軌道(1)に結合され、前記軌道(1)に沿って移動するように構成された少なくとも1つの可動部材(2)と、前記少なくとも1つの可動部材(2)は、第1の要素(20)と、前記第1の要素(20)に対して相対的に移動可能な第2の要素(21)と、動作信号(M)を送信するように構成され、前記第1の要素(20)又は前記第2の要素(21)の一方に配置された少なくとも1つの磁石(226)と、前記第1の要素(20)又は前記第2の要素(21)の他方に配置された少なくとも1つの磁力計(224)と、を備える、少なくとも1つの動作検出器(22)と、を備え、前記動作検出器(22)から受信した前記動作信号(M)の関数として、前記第2の要素(21)の移動を計算するように構成された処理ユニット(5、23)と、を備える、リニアモータシステムが記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道(1)と、
前記軌道(1)に結合され、前記軌道(1)に沿って移動するように構成された少なくとも1つの可動部材(2)と、前記少なくとも1つの可動部材(2)は、
第1の要素(20)と、
前記第1の要素(20)に対して相対的に移動可能な第2の要素(21)と、
動作信号(M)を送信するように構成され、前記第1の要素(20)又は前記第2の要素(21)の一方に配置された少なくとも1つの磁石(226)と、前記第1の要素(20)又は前記第2の要素(21)の他方に配置された少なくとも1つの磁力計(224)と、を備える、少なくとも1つの動作検出器(22)と、
を備え、
前記動作検出器(22)から受信した前記動作信号(M)の関数として、前記第1の要素(20)に対する前記第2の要素(21)の移動を計算するように構成された処理ユニット(5、23)と、
を備える、リニアモータシステム。
【請求項2】
前記移動信号(M)は、前記少なくとも1つの磁力計(224)における磁場を示すものであり、前記検出された磁場は、前記第1要素(20)及び/又は前記第2要素(21)の移動の関数として変化する、
請求項1に記載のリニアモータシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの磁力計(224)が前記第1の要素(20)に配置され、前記少なくとも1つの磁石(226)が前記第2の要素(21)に配置される、
請求項1又は請求項2に記載のリニアモータシステム。
【請求項4】
前記動作検出器(22)は、複数の磁力計(224)を備える、
請求項1~3のいずれか一項に記載のリニアモータシステム。
【請求項5】
前記複数の磁力計(224)は、十字形状に配置され、好ましくは、十字の中心においても前記磁力計(224)を備える、
請求項4に記載のリニアモータシステム。
【請求項6】
前記十字の中心にある前記磁力計(224a)は、前記動作検出器(22)内の他の磁力計(224b)に対してより高い感度を有する、
請求項5に記載のリニアモータシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの磁石(224)は、前記第1の要素(20)に対する前記第2の要素(21)の相対移動の方向(X)に平行な軸(X1)に関して、十字の中心で前記磁力計(224)と整列している、
請求項5又は請求項6に記載のリニアモータシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの磁力計(204)は、ホールセンサ及び/又は異方性磁気抵抗センサを備える、
請求項1~7のいずれか一項に記載のリニアモータシステム。
【請求項9】
同期信号(S)を送信するように構成された同期装置(3)をさらに備え、
前記少なくとも1つの可動部材(2)は、前記同期信号(S)を検出するように構成された同期センサ(25)を備え、
前記処理ユニット(5、23)は、前記同期信号(S)の関数として、前記第1の要素(20)に対する前記第2の要素(21)の移動を計算するように構成される、
請求項1~8のいずれか一項に記載のリニアモータシステム。
【請求項10】
前記同期装置(3)は、光同期信号(S)を送信するように構成された光送信器、好ましくはIR送信器を備え、前記同期センサ(25)は、前記光同期信号(S)を検出するように構成された光センサ、好ましくはIR受信器を備え、又は、
前記同期装置(3)は、前記少なくとも1つの可動部材(2)に電力を供給するように構成された給電装置(4)を備え、前記少なくとも1つの可動部材(2)は、前記給電装置(4)から電力を受け取るように構成された給電モジュール(24)を備え、前記同期センサ(25)は、前記給電装置(4)と前記給電モジュール(24)との間の電力伝達を示す同期信号(S)を検出するように構成されている、
請求項9に記載のリニアモータシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの動作検出器(22)がエポキシ樹脂で埋め込まれ、前記可動部材(2)に固定されている、
請求項1~10のいずれか一項に記載のリニアモータシステム。
【請求項12】
複数のパッケージ(80)を形成するように構成された成形アセンブリ(7)であって、前記成形アセンブリ(7)は、
一対の無限軌道(1)と、
一対の可動部材(2)と、を備え、それぞれの可動部材(2)は、対応する1つの軌道(1)に可動に結合され、前記1つの軌道(1)に沿って周期的に可動であり、
前記一対の可動部材(2)の各可動部材(2)は、
第1の要素(20)と、
前記第1の要素(20)に対して相対的に移動可能な第2の要素(21)と、
周期的に移動可能で、前記パッケージ(80)を形成するように構成された形成ユニット(202)と、
を備え、
前記一対のうちの少なくとも1つの可動部材(2)は、動作信号(M)を送信するように構成された少なくとも1つの動作検出器(22)を備え、前記動作検出器(22)が、前記第1の要素(20)又は前記第2の要素(21)の一方に配置された少なくとも1つの磁石(226)と、前記第1の要素(20)又は前記第2の要素(21)の他方に配置されたた少なくとも1つの磁力計(224)と、を備え、
前記成形アセンブリ(7)は、前記動作検出器(22)から受信した前記動作信号(M)の関数として、前記第1の要素(20)に対する前記第2の要素(21)の移動を計算するように構成された処理ユニット(5、23)を備える、
成形アセンブリ(7)。
【請求項13】
包装材料のチューブ(8)から出発して、注ぎ込み可能な製品を含む複数のパック(80)を成形し、密封するように構成された包装アセンブリを備え、前記包装アセンブリは、前記チューブ(8)が直線的な前進方向(X)に沿って供給される一対の無限軌道(1)を備え、
前記一対の可動部材(2)の各可動部材(2)が、それぞれのパック(80)の少なくとも対応するパック部分をそれぞれ形成し密封するため、連続するチューブ部分(82)と接触して周期的に協働するように、前記前進方向(X)に対して横方向に、前記チューブ(8)に向かって直線的に移動可能なそれぞれの形成ユニット(202)及びそれぞれの密封ユニット(204)を備える、
請求項12に記載の成形アセンブリ(7)。
【請求項14】
前記第1の要素(20)及び/又は前記第2の要素(21)は、前記可動部材(2)の本体(200)、形成ユニット(202)の1つ以上の構成要素(206、207、208、210)及び/又は封止ユニット(204)の1つ以上の構成要素(204、212)を備える、
請求項12又は13に記載の成形アセンブリ(7)。
【請求項15】
リニアモータシステムにおける可動部材(2)及び/又は前記可動部材の第1要素(20)及び/又は第2要素(21)の移動を計算する方法であって、前記方法は、
請求項1~11のいずれか一項に記載のリニアモータシステムを提供する、
少なくとも1つの動作検出器(22)によって動作信号(M)を送信する、
前記動作検出器(22)から受信した前記動作信号(M)の関数として、前記可動部材(2)、前記第2の要素(21)及び/又は前記第2の要素(20)の移動を計算する、
ことを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つ以上の軌道とそれに結合された可動部材とを含むリニアモータシステムに関する。本発明によるリニアモータシステムは、産業用途、例えば、注ぎ込み可能な製品、特に注ぎ込み可能な食品を含む複数のパックを形成し密封するように構成された包装アセンブリのような複数の物体を形成するための形成アセンブリにおいて使用することができる。
【背景技術】
【0002】
リニアモータシステムは公知であり、効率と柔軟性を向上させるために産業用途で使用されている。このようなリニアモータシステムは、1つ以上の軌道上を互いに独立して移動可能な複数の可動部材を備える。例えば、リニアモータシステムは、レース軌道に沿って移動可能な独立したカートを備える。
【0003】
例えば、軌道上を互いに独立して移動可能な複数の可動部材を備え、フルーツジュース、UHT(超高温処理)牛乳、ワイン、トマトソース等の注ぎ込み可能な食品を受けるように構成された殺菌された包装材料製のパッケージ等の対象物を形成及び/又は密封するように構成された包装アセンブリ等の成形アセンブリの使用が知られている。
【0004】
これらのパッケージは、通常、全自動包装アセンブリで製造され、このような包装アセンブリに供給される包装材料のウェブから連続チューブが形成される。最終的なパッケージを得るために、ウェブは長手方向に折り畳まれ、密封されてチューブを形成し、このチューブは垂直方向に沿って送られる。その後、チューブは殺菌された食品で上方から充填され、密封された後、等間隔に配置された横断面に沿って切断される。
【0005】
機能的には有効であるが、公知のリニアモータシステムには、更なる改良の余地が残されている。リニアモータシステムの正しい動作を改善し得る、可動部材の一部及び/又は軌道に沿った可動部材の改良された(任意に連続的な)移動(例えば位置)制御の必要性が感じられる。
【0006】
あらゆる機械システムと同様に、すべての構成部品は、全体の剛性を低下させ、したがって、システム全体の再現性を低下させる可能性のある機械的な遊びの影響を受ける。従って、成形アセンブリにおいて、各可動部材及び/又はその可動部の移動制御は、パッケージの正しい取り扱い、すなわち成形及び密封を容易にし、及び/又は性能の早期劣化の検出を容易にする可能性がある。例えば、システムの可動部材内の処理ユニットは、正確な位置制御を有していない場合があり、可動部材上に配置されたセンサから検出される測定値は、したがって不正確である場合がある。
【0007】
可動部材の可動部分、例えば互いに相対的に可動な部分の(連続的な)位置制御の必要性が感じられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上記のニーズの1つ以上を簡単かつ低コストで達成することを容易にできるリニアモータシステムを提供することである。このような目的は、以下の特許請求の範囲に記載された特徴を有するリニアモータシステム及び対応する方法によって達成される。
【0009】
このような目的は、1つ又は複数の対象物を形成するための成形アセンブリ、例えば複数のパックを形成して密封するための包装アセンブリによって達成することができ、成形アセンブリは、1つ又は複数の実施形態によるリニアモータシステムを備える。
【0010】
開示された実施形態は、例えば、以下のような1つ以上の利点を達成することができる:
-可動部材の相対的に可動な部分の動きをリアルタイムで(正確に)監視することができる。
-位置制御により、不良品の取り扱いを減らすことができる。
-可動部材と軌道の正しい結合を監視できる。
-例えば、経年変化による遊びや部品の固着等による機械的な可動部品の欠陥や損傷を早期に検出できる。
-可動部材の相対的な位置決めにおける誤差を検出できる。
-可動部材の主要な動作、例えば包装アセンブリの場合における成形や密封等を、可動部材上で直接測定・監視できる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】1つ又は複数の実施形態によるリニアモータシステムの詳細を示す概略図である。
【
図2】包装アセンブリの可動部材の分解斜視図の非限定的な一例であり、明瞭化のために部品が取り除かれている。
【
図3】1つ又は複数の実施形態による動作検出器の詳細を示す概略図である。
【
図4】1つ又は複数の実施形態による位置を計算する方法のフローチャートを例示する図である。
【
図5】1つ又は複数の実施形態によるリニアモータシステムの詳細を例示する図である。
【
図6】1つ又は複数の実施形態によるリニアモータシステムの詳細を例示する図である。
【
図7】1つ以上の実施形態による磁力計の感度関数を例示する図である。
【
図8】1つ又は複数の実施形態によるリニアモータシステムの詳細を示す概略図である。
【
図9】本発明による複数の密封パックを形成するための包装アセンブリの概略正面図を例示し、明瞭化のために部品が取り除かれている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、1つ又は複数の実施形態によるリニアモータシステムの一例を示している。永久磁石の配置とコイル、すなわち可動部材とそれぞれの軌道が、このようなタイプのリニアモータを画定し、公知の方法で、それぞれの軌道に沿った可動部材の移動を独立して制御するように構成される。軌道は、単一のレール又は複数のレールを備えてもよい。レールはレース軌道状に閉じていてもよく、開いていてもよい。
【0014】
リニアモータシステムは、1つ又は複数の軌道1、例えば、
図1では簡素化のために単一の軌道と、軌道1に結合され、それぞれの軌道1に沿って、
図1では矢印で例示する方向Xに移動するように構成された1つ又は複数の可動部材2、好ましくはムーバ又はカートを備える。例えば、軌道1は、可動部材2が周期的に移動するように構成された無限経路を画定する。
【0015】
各可動部材2は、
-第1の要素20、例えば、可動部材2の本体と、
-
図2を参照して以下に詳細に説明するように、第1の要素20に対して相対的に移動可能な第2の要素21と、
-可動部材2、第1の要素20及び/又は第2の要素21の移動を示す動作信号Mを、例えば無線で送信するように構成された、例えば可動部材2に取り付けられた1つ又は複数の動作検出器22と、
を備える。
【0016】
リニアモータシステムは、処理ユニット、例えば可動部材2の処理ユニット23又はシステム制御・処理ユニット5をさらに備え、処理ユニット5、23は、第1及び/又は第2の要素20、21の移動を計算するように構成され、例えば、動作検出器22から受信した動作信号Mの関数として第1の要素20に対する第2の要素21の位置を計算し、任意選択で所定の初期位置を計算する。追加的又は代替的に、処理ユニット5、23は、可動部材2の移動、例えば、軌道1に対する可動部材2の位置を、移動検出器22から受信した移動信号Mの関数として、及び任意に所定の初期位置として計算するように構成され得る。追加的又は代替的に、処理ユニット5、23は、可動部材2の振動パターンを計算するために可動部材2の移動を計算するように構成されてもよく、振動パターンは、軌道1への可動部材2の結合を示す。振動は、可動部材1が軌道1上を摺動する際に、可動部材2と軌道1との間の摩擦によって生じ得る。
【0017】
処理ユニット5、23は、(可動部材2、第1の要素20及び/又は第2の要素21の)計算された位置及び/又は振動パターンが、それぞれ、所定の位置及び/又は所定の振動パターンと異なる場合、可動部材2の動作を中断し、及び/又はユーザーインターフェースにアラーム信号を送信するように構成されてもよい。所定の位置及び/又は所定の振動パターンは、健全な可動部材2の動作を示すものであってもよい。
【0018】
可動部材2の処理ユニット23は、例えば有線又は無線で、1つ又は複数の動作検出器22から動作信号Mを受信するように構成されてもよい。可動部材2の処理ユニット23は、軌道1に配置され得るシステム制御及び/又は処理ユニット5に無線で結合され得る。例えば、処理ユニット23は、各サイクルにおいて、それぞれの可動部材2が通過するときに、システム制御及び/又は処理ユニット5にデータを送信するように構成されてもよい。可動部材2とシステム制御及び/又は処理ユニット5との間のデータの伝送は、(例えば低エネルギーの)無線伝送モジュール、例えばBluetooth(登録商標)低エネルギー伝送モジュールによって行われてもよい。処理ユニット5及び/又は23は、以下のように構成されてもよい:
-可動部材の相対的に可動な部材の動きを監視する、及び/又は
-計算された位置及び/又は速度及び/又は加速度の関数として、例えば、早い段階で故障又はエラーを特定する。
【0019】
故障又はエラーが特定された場合、処理ユニット5、23は、以下のように構成されてもよい:
-検出されたエラーを示すアラーム信号を生成する、及び/又は、
-可動部材2の動作を中断させる。
【0020】
このように、リニアモータシステムは、アラーム信号を表示するように構成されたユーザーインターフェースを備えてもよい。
【0021】
ユーザは、可動部材2のどの部分を監視するかについて、例えば、その位置制御の関連性や、部分に不具合が生じてリニアモータシステムの動作フローにエラーが生じる可能性に基づいて決定することができる。
【0022】
産業用途では、可動部材2は、把持、切断、成形等の特定の自動化された操作を実行するように構成される。操作を正確に実行するためには、可動部材2の部品の位置が監視されることが望ましい。これは、既知の初期位置に対する可動部材2及び/又はその一部の移動を検出するように構成された動作検出器22によって可能である。
【0023】
図2は、パッケージを形成し密封するための包装アセンブリに使用される既知のタイプの可動部材2を例示しており、明確にするために部品を取り除いてある包装アセンブリの可動部材の分解斜視図である。このタイプの可動部材2は、明瞭かつ理解しやすくするために本明細書に記載されているが、可動部材2はこれに限定して解釈されるものではない。可動部材2は、軌道1に結合するように構成された本体200を備えてもよい。本体200は、
図2に例示される方向Xに沿って軌道1上をスライドするように構成されてもよい。形成ユニット202及び封止ユニット204が、例えば直接、本体200に結合されてもよい。形成ユニット202は、本体206と、第1の方向Xに直交する第2の方向Yに沿って移動するように構成された可動要素207を備えてもよい。形成ユニット202は、形成ユニット202の可動要素207に直接的又は間接的に接続された、後壁208とフラップ210を備えるハーフシェルを備えてもよい。形成ユニット202は、フラップ210に接続されたヒンジ211をさらに備えてもよい。フラップ210は、第1の方向Xに平行な軸に沿って回転するように構成されてもよい。
【0024】
形成ユニット202は、第1の方向Xに沿って、封止ユニット204に対して相対的に移動するように構成されてもよい。
【0025】
封止ユニット204は、シーラー212を含んでもよく、本体200に対して第2の方向Yに沿って移動するように構成されてもよい。
【0026】
1つ又は複数の実施形態において、非限定的な一例として、第1の要素20及び第2の要素21は、
-本体200及び形成ユニット202の本体207、
-可動要素207及び形成ユニット202の本体206
-フラップ210及び後壁208、
-形成ユニット202の本体206及び封止ユニット204、
-本体200及び封止ユニット204、
を備えてもよい。
【0027】
可動部材2は、前述のとおり、複数の動作検出器22と、複数の第1及び第2の要素20、21とをそれぞれ備えてもよい。複数の動作検出器22の各動作検出器22は、複数の第1及び第2の要素20、21におけるそれぞれの第1の要素20及び/又は第2の要素21の移動を検出するように構成されてもよい。各動作検出器22は、それぞれの監視対象要素20、21の移動を示すそれぞれの動作信号Mを生成するように構成されてもよい。
【0028】
第2の要素21は、例えば第1の要素20に直接結合され、それに対して相対的に移動するように構成されてもよい。
図1の非限定的な実施例において矢印によって描かれているように、第2の要素21の動きは、例えば第1の要素から離れるか又は第1の要素に向かう直線的なものであってもよく、又は例えば第1の要素20に対して角度を形成するような角度的なものであってもよい。
【0029】
1つ又は複数の動作検出器22は、第1又は第2の要素20、21の表面に取り付けられてもよい。
【0030】
1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数の動作検出器22は、慣性センサ、例えば、デジタル出力を有する3D加速度計及び3Dジャイロスコープを備える慣性測定ユニット(IMU)等のMEMS加速度計を備えてもよい。すなわち、慣性センサは、
図3に示されるように、(3D)加速度センサ等の1つ又は複数のモーションセンサ220、及び/又は(3D)ジャイロスコープ等の1つ又は複数の回転センサ222を備えてもよい。
【0031】
処理ユニット5、23は、慣性航法システム(INS)によって可動部材2の移動を計算し、外部参照を必要とせずに、可動部材2の位置、向き、速度(移動方向と速度)を推測航法によって計算してもよい。ストラップダウン慣性航法の原理を利用することにより、センサの読み取り値を時間的に積分することで、相対運動(回転と変位)を監視することが可能である。
【0032】
例えば、モーションセンサ220は、所定の初期位置を規定し得る初期基準座標系に関して較正されてもよい。回転センサ222は、角度運動を示す信号を測定するように構成されてもよい。処理ユニット5、23は、モーションセンサ200によって収集されたデータを、回転センサ222によって収集されたデータによって補償するように構成されてもよい。このようにして、動作信号Mの関数として計算される位置は、初期基準座標系に関して正確さを維持することができる。
【0033】
例えば、処理ユニット5、23は、慣性センサ(1つ又は複数)によって検出された加速度を示す動作信号M及び/又は角速度を示す動作信号Mの関数として、可動部材2及び/又は1つ又は複数の要素20、21の位置を計算するように構成され得る。慣性センサが第1及び第2の要素20,21に配置されるため、可動部材2の部品の動作の正確な制御が可能になる。すなわち、例えばパッケージの成形及び密封を行うために移動するように構成された要素20、21を監視することができる。慣性センサにより、エレメント20、21の位置決め誤差を検出することができる。
【0034】
加えて、又は代替的に、慣性センサによって、軌道1に沿った可動部材2の正確な位置制御が可能である。このようにして、可動部材2の位置決めにおける潜在的なエラーを検出することができる。
【0035】
言い換えれば、動作検出器22は、(3D)モーションセンサ220と(3D)回転センサ222とを備え、処理ユニット5、23は、以下のように構成され得る:
-モーションセンサ220から加速度を示す第1の信号M1と回転センサ222から角速度を示す第2の信号M2とを含む動作信号Mを受信し、
-第1の信号M1の関数として加速度を計算し、
-第2の信号M2の関数として角速度を計算し、
-計算された加速度と角速度の関数として、可動部材2及び/又はその要素20、21の位置、向き、及び/又は速度を計算する。
【0036】
これらの計算は、所定の初期位置又は初期基準座標系を基準として実行される。
【0037】
図4は、処理ユニット5、23によって実行され得る、可動部材2及び/又はその要素20、21の位置を計算する方法のフローチャートを示す。同じ計算が、可動部材2の処理ユニット23によって、及び/又はシステム制御及び/又は処理ユニット5によって実行され得ることが理解される。
【0038】
処理ユニット5、23は、第1又は第2の要素20、21の動きを測定するように構成された動作検出器22のために、以下のように構成されてもよい:
-1000、第1又は第2の要素20、21の(3D)加速度を示す第1の信号M1を含む動作信号Mを受信する、
-1002、第1又は第2の要素20、21の(3次元)角速度を示す第2の信号M2を含む動作信号Mを受信する、
-1004、第2の信号M2及び第1又は第2の要素20の方向(orientation)の初期推定値の関数として、第1又は第2の要素20、21の方向を計算する、
-1006、第1の信号M1、計算された方向、及び任意選択で初期基準座標系の関数として、第1又は第2の要素20の加速度を計算する、
-1008、計算された方向の関数として重力加速度補正を計算する、
-1010、計算された加速度と重力加速度補正を合計する、
-1012、当該合計と所定の初期位置の関数として、第1の要素20又は第2の要素21の位置を計算する。
【0039】
1つ又は複数の実施形態において、可動部材2及び/又は要素20、21の位置を決定することに加えて、又はそれに代えて、動作検出器22は、例えば予荷重による可動部材2の振動を検出するように構成されてもよい。すなわち、可動部材2は、側方端部において軌道1に結合されており、軌道1上での可動部材2の摺動によって振動が生じ、そのような振動は、動作検出器2によって検出され得る。処理ユニット5及び/又は23は、振動測定を示す動作信号Mを受信し、当該動作信号Mの関数として、周波数にわたる可動部材2の振動に対する応答を計算するように構成され得る。動作信号Mは、好ましくは加速度を含んでもよい。
【0040】
1つ又は複数の実施形態において、可動部材2は、
図5に例示されるように、モーションセンサ220を備えてもよく、可動部材2の要素20、21上に互いに間隔をあけて配置された複数の動作検出器22を備えてもよい。換言すれば、モーションセンサ220は、同じ要素20、21上の異なる位置、例えばその反対側の側方端部に配置されてもよい。
【0041】
処理ユニット5、23は、以下のように構成されてもよい:
-複数の動作検出器22から動作信号Mを受信し、信号Mは、それらの位置における要素のそれぞれの加速度を示す。
-動作信号Mが、例えば所定量以上互いに異なるかどうかをチェックする。これは、加速度、又は加速度に基づく他の測定基準、例えば周波数スペクトルにおけるいくつかの指標が、(時間の経過とともに)所定量を超えて異なるかどうか、例えば可動部材2の軌道1への正しい結合を示すかどうかをチェックすることによって行ってもよい。
【0042】
このような応答が所定の周波数応答パターンに対応しない場合、処理ユニット5、23は、1つ又は複数の可動部材2の動作を中断し、及び/又はアラーム信号をユーザーインターフェースに送信するように構成され得る。
【0043】
すなわち、加速度の差を検出することにより、可動部材2の一方の側が他方の側に対して異なる加速度、速度及び/又は位置を有する限りにおいて、軌道1上を滑走する可動部材2の潜在的な傾きを検出できる。従って、可動部材2と軌道1との連結の安定性を正確に制御できる。このようにして、可動部材2の位置決めにおける潜在的なエラーを検出できる。
【0044】
1つ以上の動作検出器22は、エポキシ樹脂で埋め込まれ、可動部材2に固定されてもよい。オプションとして、動作検出器22を第1及び/又は第2の素子20、21に固定してもよい。有利なことに、このようにすれば、慣性センサは実質的に防水性及び耐衝撃性が向上し得る。
【0045】
モーションセンサ220と回転センサ222は、使用前、例えばリニアモータシステムに設置した後に較正することができる。較正は、(例えば、処理ユニット5、23によって実行される)以下の構成を含んでもよい:
-センサ220、222の誤差モデルを定義し、誤差モデルの較正パラメータを自動的に計算する。
-センサ・フュージョン・アルゴリズム(EKF)により、加速度と角速度の測定誤差に起因する積分ドリフトを最小化し、積分して速度を求め、さらに積分して位置を求める。
【0046】
積分ドリフトを最小化するために、リニアモータシステムは、以下に詳述するとおり、各サイクルで同期信号を送信するように構成された同期装置を備えてもよい。このようにして、空間的基準が可動部材に提供される。同期信号により、所定の初期位置が更新され得る。
【0047】
1つ又は複数の実施形態では、慣性センサに加えて、又は慣性センサに代えて、
図6に示されているように、動作検出器22は、第1又は第2の要素20、21の一方に配置された1つ又は複数の磁石226と、第1又は第2の要素20、21の他方に配置された1つ又は複数の磁力計224、例えば1つ又は複数のホールセンサ又は異方性磁気抵抗(AMR)センサとを備えてもよい。非限定的な実施例では、磁石226は、図示された矢印に沿って直線的に移動するように構成された第2の要素21上に配置されてもよく、磁力計224は、第1の要素20に配置されてもよい。生成される動作信号Mは、1つ又は複数の磁力計224における磁場を示すものであってもよく、第1及び/又は第2の要素20、21の移動の関数として変化する磁場が測定される。例えば、動作信号Mは、磁石226によって生成された磁場の測定、例えば磁石226の移動を示す、磁力計224から受信された複数の信号M3を含んでもよい。
【0048】
磁力計224はアレイ状に配置されてもよい。
図6に示されるように、1つ以上の実施形態では、磁力計224は、十字形を形成するように配置されてもよい。オプションとして、十字の中心に磁力計224を備えてもよい。磁力計224の十字型の配置は、例えば、磁力計と磁石との間の十字方向の位置合わせの感度を低く維持しながら、動き検出の良好な範囲を保証することを容易にする等、1つ以上の利点を有し得る。
【0049】
動作検出器22は、感度の点で異なるタイプの磁力計224a、224bを備えてもよい。例えば、十字の中心にある磁力計224aは、動作検出器22の残りの磁力計224bに対してより高い感度を有してもよい。
【0050】
図7は、従来の磁力計224の感度Sの例を示しており、例えば、距離dの関数として指数関数的に低下する。2つの曲線は、高い感度を有する磁力計224aに対して低い感度を有する磁力計224bの感度の例を表している。図示されているように、磁力計224bは、磁力計224aに対してより長い距離dで磁場の差を測定することができる。言い換えれば、磁力計224bは、第1の距離間隔d1~d2において磁場を検出するように構成されてもよく、一方、磁力計224aは、第2の距離間隔d3~d4において磁場を検出するように構成されてもよい。第2の間隔の高い方の距離、すなわちd4は、第1の間隔の高い方の距離、すなわちd2よりも長くてもよい。
【0051】
1つ又は複数の実施形態において、磁石224は、十字の中心に配置された磁力計224aと整列され得る。整列は、第1の要素20に対する第2の要素21の相対移動の方向、ここでは直線方向Xとして例示される方向と平行な軸X1に関して行ってもよい。
【0052】
例えば、磁力計に対する磁石の位置合わせが変化しても、この配置によって、そこから生じる誤差を少なくとも部分的に補正することができる。
【0053】
磁力計224及び磁石226は、第1及び第2の要素20、21の互いに対向する表面に配置されてもよい。好ましくは、磁力計224は第1の要素20に配置され、1つ以上の磁石226は第2の要素21に配置されてもよい。
【0054】
磁力計224は、可動部材2の処理ユニット23に、例えば直接的に結合されてもよく、磁力計224における磁場を示す第3の信号M3を含む動作信号Mをそこに送信するように構成されてもよい。処理ユニット5及び/又は23は、第3の信号M3を含む動作信号Mの関数として、第1の要素20に対する第2の要素21の位置を計算するように構成されてもよい。
【0055】
処理ユニット5及び/又は23は、例えば、各磁力計からのデータを統合することによって、1つ又は複数の磁力計224のデータのデータ融合を実行するように構成されてもよい。これは、個々の磁力計224によって提供される情報よりも、一貫性があり、正確で、有用な情報、例えば、可動部材及び測定範囲のより良い性能を生成するために実行される。複数の磁力計224から得られる磁気モデルのおかげで、相対位置は、30mmについて±0.1mmの誤差で決定され得る。
【0056】
可動部材2は、磁力計に対して近接して、1つ以上の温度センサ(図示せず)を含んでもよい。処理ユニット23は、温度センサから温度を受信し、磁力計204によって測定されたデータを温度の関数として補正するように構成されてもよい。例えば、ホールセンサは温度に敏感であり、リニアモータシステムが温度変動にさらされる環境に置かれる場合、温度センサによって検出が改善され得る。
【0057】
動作検出器22が慣性センサ220、222と磁力計及び磁石224、226の両方を備える場合、処理ユニット5、23は、第1、第2及び第3信号M1、M2、M3の関数として、第1要素20に対する第2要素21の位置を計算するように構成されてもよい。
【0058】
1つ又は複数の実施形態において、リニアモータシステムは、可動部材2に電力を供給するために、可動部材2に結合可能な給電装置4を備える。給電装置4は、所定の給電領域において可動部材2に一時的に電気的に結合し得る。
【0059】
電力供給装置4は、電気パルス発生器又は変圧器を備え、可動部材2に一時的かつ電気的に結合することができる。電気パルス発生器又は変圧器は、密封の目的に使用することができる。例えば、可動部材2は、給電領域を通過する間、静止した給電装置4に電気的に結合されてもよい。
【0060】
可動部材2は、電力供給装置4から電力を受け取り、可動部材2内の電子部品に再分配するように構成された電力供給モジュール24をそれぞれ含んでもよい。例えば、電力伝達は、給電装置4から給電モジュール24への電気パルスで構成される。電力供給装置4は、電力供給装置4によって可動部材2が遷移する際に、可動部材2の電力供給モジュール24に電気的に結合するように構成されてもよい。
【0061】
前述の通りに、また
図8に示したとおり、1つ又は複数の実施形態では、リニアモータシステムは、例えば可動部材2のサイクル毎に同期信号Sを送信するように構成された同期装置3を含んでもよい。可動部材2は、同期信号Sを検出するように構成された同期センサ25を含んでもよい。同期センサ25は、動作検出器22から動作信号Mを受信するように構成された処理ユニット23に、例えば直接的に結合されてもよい。動作信号Mは、同期信号Sの関数として調整されてもよい。
【0062】
処理ユニット5及び/又は23は、可動部材2及び/又は第1の要素20及び/又は第2の要素21の移動を同期信号Sの関数として計算するように構成され得る。
【0063】
例えば、第1及び/又は第2要素20,21の位置の計算の基礎となる可動部材2の所定の初期位置は、同期信号Sの関数として調整されてもよく、例えば、初期位置は、同期信号Sの受信時にリセットされてもよい。
【0064】
システム制御及び/又は処理ユニット5は、同期装置3に、例えば無線で結合されていてもよい。システム制御及び/又は処理ユニット5は、可動部材2が所定の同期領域に配置されたことを示すイネーブル信号(enable signal)を送信するように構成されてもよい。同期装置3は、イネーブル信号が同期装置3によって受信されると、同期信号Sを送信するように構成されてもよい。
【0065】
同期装置3は、光同期信号Sを送信するように構成された光送信器、好ましくはIR送信器を備えてもよく、同期センサ25は、光同期信号Sを検出するように構成された光センサ、好ましくはIR受信器を備えてもよい。
【0066】
光センサは、周波数変調された信号からなる光(IR)同期信号Sを検出するように構成されてもよい。光(IR)同期信号Sは、所定の搬送波周波数帯域幅、好ましくは20~50kHz、より好ましくは38kHzを有してもよい。すなわち、光センサは、所定の帯域幅の信号のみを検出することができる。したがって、光信号送信機は、所定の搬送波周波数帯域幅で同期信号Sを送信するように構成される。
【0067】
同期装置3は、可動部材2の動作領域、すなわち成形領域や密封領域等の取り扱い領域のすぐ上流に配置してもよい。従って、同期は、可動部材2が設計された自動化動作を開始する直前に実行される。
【0068】
同期装置3は、例えば、給電装置4で構成されていてもよい。この場合、同期センサ25は、給電装置4と給電モジュール24との間の電力移動を示す同期信号Sを検出するように構成される。
【0069】
有利なことに、同期信号Sのおかげで、慣性センサの場合のドリフト効果を低減できる。
【0070】
図9に示されるように、1つ又は複数の実施形態は、1つ又は複数の対象物80を形成するように構成された成形アセンブリ7に言及する。以下では、包装材料のチューブ8から出発して、注ぎ込み可能な製品、好ましくは注ぎ込み可能な食品を含む複数のパック80を形成し、密封するように構成された、包装アセンブリ7の非限定的な一例が示される。以下、包装アセンブリ7について言及するが、理解しやすく簡潔にするための単なる非限定的な例であることが理解されるであろう。包装アセンブリではない異なるタイプの成形アセンブリ7も存在し得る。以下に説明するすべての特徴は、たとえ包装アセンブリ7に関連していても、成形アセンブリ7により一般的に適用することができる。
【0071】
チューブ8は、包装材料のウェブ(図示せず)を長手方向に折り曲げて密封することにより、公知の方法で形成される。次いで、チューブ8は、パイプ(図示せず)により上方から注ぎ込み可能な製品で充填され、直線的に進む方向Xに沿って包装アセンブリ7を通って供給される。詳細には、チューブ8は、方向Xに平行な直線的な長手方向、例えば垂直軸に沿って延びる。
【0072】
成形アセンブリ7、例えば包装アセンブリ7は、前述したとおり、1つ又は複数の実施形態によるリニアモータシステムを備える。包装アセンブリ1は、
-チューブ8のそれぞれの側方に、互いに間隔を隔てて配置され、チューブ8と協働するように構成された一対のコンベア70と、
-軸Xに対して千鳥状に配置され、コンベヤ70の下方に配置される出口コンベヤ72と、
を備える。
【0073】
各コンベヤ70は、実質的に、無限軌道1と、1つのそれぞれの軌道1に結合され、1つのそれぞれの軌道1に沿って周期的に移動可能な、好ましくは可動部材である複数の可動部材2とを備える。各可動部材2は、それぞれのコンベヤ70の軌道1に沿って周期的にスライドするように構成される。複数の可動部材2は、使用時には、各軌道1に沿ってスライドする。
【0074】
成形アセンブリ、例えば包装アセンブリ7は、
チューブ8が(例えば直線状の)前進方向Xに沿ってその間に送り込まれる一対の無限軌道1と、
それぞれが1つのそれぞれの軌道1に可動に結合され、軌道1に沿って周期的に移動可能な一対の可動部材2と、
を備える。
【0075】
各可動部材2は、例えば一対の可動部材2の
図2の分解斜視図に例示されているように、
第1の要素20と、
第1の要素20に対して相対的に移動可能な第2の要素21と、
それぞれのパック80の少なくとも対応するパック部分をそれぞれ形成し、任意で密封するために、連続するチューブ部分82に接触して周期的に協働するように、前進方向Xに対して横方向の方向Yに沿って、チューブ8に向かって直線的に移動可能な、それぞれの形成ユニット202及び任意選択でそれぞれの密封ユニット204と、
を備え、
一対のうちの少なくとも1つの可動部材2は、例えば、少なくとも1つの可動部材2、第1の要素20及び/又は第2の要素21の移動を示す動作信号Mを送信するように構成された1つ又は複数の動作検出器22を備える。
【0076】
成形アセンブリ7は、動作検出器22から受信した動作信号Mの関数として、可動部材2及び/又は第1及び/又は第2の要素20、21の移動、例えば、軌道1に対する可動部材2の位置及び/又は第1の要素20に対する第2の要素21の位置を計算するように構成された処理ユニット5、23をさらに備える。追加として又は代替的に、処理ユニット5、23は、動作信号Mの関数として可動部材2の振動パターンを計算するように構成されてもよく、振動は、可動部材2が軌道1上を滑走している間に発生する。
【0077】
図9に示すように、2つの軌道1は、チューブ8の反対側に配置されたそれぞれの無限経路P、Qを画定する。より具体的には、経路P、Qは、
チューブ8が供給され、それに沿って可動部材2がチューブ8と協働する、好ましくは直線状のそれぞれの作動ブランチP1、Q1と、
可動部材2がチューブ8から切り離される方向に沿っている、それぞれの戻りブランチP2、Q2と、
を備える。
【0078】
この好ましい実施形態によれば、経路P、Qは実質的に楕円形である。
【0079】
使用時、それぞれの作動ブランチP1,Q1に沿って摺動するとき、各可動部材2は対応する可動部材2と協働し、すなわち可動部材2は2つずつ相互に協働し、作動ブランチP1,Q1に沿って摺動する間、互いに対向し、互いに協働し、かつチューブ8と協働する一対の可動部材2を画定する。
【0080】
各対の可動部材2は、チューブ8と協働して、
図4に示すように、一度に1つのパック80を周期的に形成して密封し、パック80をチューブ8から分離するためにパック80を切断するように構成される。
【0081】
この目的のために、各可動部材2は、その一方の側面に、それぞれの作動ブランチP1、Q1に沿ってチューブ8と協働するように構成された形成ユニット202と封止ユニット204とを備える。
【0082】
形成ユニット202は、チューブ8のチューブ部分82とそれぞれ協働して、少なくとも対応するパック部分、より詳細には対応するパック80を形成するように構成されている。この目的のために、各形成ユニット202は、それぞれの可動部材2によって、好ましくは可動式に取り付けられる。形成ユニット202は、好ましくは、C字形断面を呈し、後壁208と一対の側方フラップ210とを備えるハーフシェルを備えてもよい。図示の実施形態では、フラップ210は壁208に移動可能に結合される。フラップ210は、可動部材が作動ブランチP1,Q1に沿って移動するときに、壁208の対向する側方縁部から突出し、そのような縁部にヒンジ結合される。
【0083】
使用時には、各形成ユニット202のハーフシェルは、それぞれのパック80の少なくともパック部分を形成するように、チューブ部分82と順次かつ周期的に接触して協働するように構成される。
【0084】
各ハーフシェルは、方向Xに対して横方向に、例えば直交方向に、すなわち方向Yに沿って、チューブ8に向かって、すなわちハーフシェルが形成しなければならないチューブ部分82に向かって直線的に移動可能である。各形成ユニット202は、方向Yに沿って直線的に移動可能な可動要素207を備え、この可動要素は、それぞれのハーフシェルを担持する。
【0085】
封止ユニット204は、チューブ8と協働して、所定の等間隔で、方向Xに対して交差する連続する断面においてチューブ部分82を密封するように構成されている。さらに、封止ユニット204は、チューブ8と協働して、断面においてパック80を切断し、パック80を互いに分離するように構成される。
【0086】
一方の側では、各封止ユニット204は、それぞれの経路P,Qに沿ってそれぞれの可動部材2の対応する形成ユニット202の下流側に取り付けられ、カウンター密封装置と、例えばナイフ(図示せず)等の取り出し可能な切断要素とを備える。他方、各封止ユニット204は、それぞれの経路P、Qに沿ってそれぞれの可動部材2の対応する形成ユニット202の下流側に取り付けられ、密封装置と、カウンター密封装置と協働するように構成された対応する密封装置のナイフを受容するように適合されたシートとを備える。密封装置は、超音波密封装置、誘導加熱密封装置又は誘導加熱密封装置を含んでもよい。
【0087】
図9に示すように、形成ユニット202及び封止ユニット204がそれぞれの操作ブランチP1,Q1に沿ってそれぞれの可動部材2によって前進させられると、それぞれのハーフシェル、密封装置及びカウンター密封装置は、
ハーフシェル、密封装置及びカウンター密封装置がそれぞれのチューブ部分82と協働してそれぞれのパック80を形成し、密封し、切断する閉鎖位置、又は作動位置と、
ハーフシェル、密封装置、カウンター密封装置がチューブ8から、又は形成されたパック80から取り外される開放位置、又はアイドル位置と、
の間を方向Yに沿って前後に移動する。
【0088】
ハーフシェルが作動(閉鎖)位置にあるとき、各ハーフシェルのフラップ210は、それぞれのヒンジを中心に、例えば方向Xに平行な軸を中心に、それぞれの壁208から乖離する位置から、壁208に実質的に直交する位置まで回転し、同じ組の対応する可動部材2によって運ばれる他方のハーフシェルのフラップ210に対向し、チューブ8に接触して、それぞれのパック80を形成する予定にあるそれぞれのチューブ部分82を完全に取り囲む。一対の協働する可動部材2の2つのそれぞれの形成ユニット202の2つのハーフシェルが共に作動(閉鎖)位置にあるとき、それらは実質的に角柱状のキャビティを画定し、それに応じて、形成される1つのそれぞれのパック80の容積及び形状を制御する。
【0089】
一対の協働する可動部材2のカウンター密封装置と密封装置が作動(閉鎖)位置にあるとき、それらは互いに協働してチューブ8をヒート密封し、上部密封バンドと下部密封バンドを形成する。次に、それぞれの切断要素が取り出され、隣接する2つのパック80の上部密封バンドと下部密封バンドの間でパック80を切断し、形成されたパック80を互いに分離する。
【0090】
図9に例示されるように、封止ユニット204と形成ユニット202との間で、方向Xに沿ってさらなる移動が起こり、パック80の上部及び/又は底部が形成される。
【0091】
1つ又は複数の実施形態による動作検出器22は、前述の動きのうちの1つ又は複数を監視するために、可動部材2上に配置されてもよい。
【0092】
したがって、第1及び/又は第2の要素21は、可動部材2の本体200、形成ユニット202の1つ又は複数の構成要素206、207、208、210、及び/又は封止ユニット204の1つ又は複数の構成要素204、212を備えてもよい。例えば、成形アセンブリ7は、複数の第1及び/又は第2の要素20、21の動きを検出するように構成された複数の動作検出器22を含んでもよい。複数の第1及び/又は第2の要素20、21は、上述したとおり、可動部材2の相対的に可動な部分の任意の組み合わせであってよい。
【0093】
非限定的な例として、本明細書では、形成ユニット202と密封ユニット204との間の垂直移動の監視について検討する。
【0094】
動作検出器22は、任意選択で、形成ユニット202の本体206の表面に配置され、エポキシ樹脂で埋め込まれて固定された、1つ又は複数の慣性センサ220、222を備えてもよい。慣性センサ220、222は、形成ユニット202の垂直移動による垂直加速度を検出し、(全体の)移動の間、例えばリアルタイムで、封止ユニット204に対する形成ユニット202の位置を計算するように構成され得る。
【0095】
追加的又は代替的に、動作検出器22は、形成ユニット202の本体206に配置された1つ又は複数の磁石226と、封止ユニット204に配置された1つ又は複数の磁力計224、例えばホールセンサとを備えてもよい。例えば、磁力計224及び磁石226は、それぞれの形成ユニット202,封止ユニット204に面する表面でそれぞれの封止ユニット204、形成ユニット202に固定されてもよい。
【0096】
磁力計224は、形成ユニット202に固定された磁石226の垂直方向の動きによる磁界の変化を検出し、形成ユニット202の位置を、例えばリアルタイムで、(全体の)動作中に計算するように構成されてもよい。すなわち、成形動作中の形成ユニット202の動作プロファイルを高精度で測定することが可能である。
【0097】
1つ又は複数の実施形態において、可動部材2に電力を供給するために、成形アセンブリ7、例えば包装アセンブリは、前述のとおりに、電力供給装置4、例えば電気パルス発生器又は変圧器を備えてもよい。電力供給装置4は、軌道1に配置され、1つ以上の可動部材2に、例えば一時的に電気的に結合可能であり、そこに電力を供給することができる。可動部材2は、所定の給電領域において電力供給装置4に電気的に結合するように構成されてもよい。
【0098】
本発明によって、可動部材2の1つ又は複数の要素20、21の相対的な動きを非接触で測定することができる。
【0099】
1つ又は複数の実施形態は、可動部材2及び/又は第1及び/又は第2の要素20、21の動きを計算する方法に関してもよい。本方法は、
-前述のとおり、1つ以上の実施形態によるリニアモータシステムを提供する、
-可動部材2、第1及び/又は第2の要素20、21の動きを、1つ又は複数の動作検出器22によって検出する、
-動作検出器22によって動作信号Mを送信する、
-可動部材2、第1及び/又は第2の要素20、21の移動を計算する。本方法は、動作信号Mの関数として計算することを含んでもよく、
-軌道(1)に対する可動部材(2)の位置、及び/又は
-第1の要素(20)に対する第2の要素(21)の位置、及び/又は
-可動部材(2)の軌道(1)への結合を示す、可動部材(2)の振動パターン、
を備える。
【0100】
本方法は、電力供給装置4を少なくとも1つの可動部材2に例えば一時的に電気的に結合し、可動部材2に電力を供給することを含んでもよい。
【0101】
本方法は、第1又は第2の要素20、21に取り付けられた動作検出器22のために、
-動作信号Mの関数として、第1又は第2の要素21の加速度及び角速度を計算する、
-計算された、例えば測定され、フィルタリングされた加速度及び角速度の関数として、第1又は第2の要素21の位置を計算する。
ことを備えてもよい。
【0102】
本方法は、さらに、
-1000、第1又は第2の要素21の加速度を示す第1の信号M1を含む動作信号Mを受信する、
-1002、第1又は第2の要素21の角速度を示す第2の信号M2を含む動作信号Mを受信する、
-1004、第2の信号M2及び第1又は第2の要素21の方向の初期推定値の関数として、第1又は第2の要素21の方向を計算する、
-1006、第1の信号M1、計算された方向、及び初期基準座標系の関数として、第1又は第2の要素21の加速度を計算する、
-1008、計算された方向の関数として重力加速度補正を計算する、
-1010、計算された加速度と重力加速度補正を合計する、
-1012、当該合計と所定の初期位置及び/又は所定の初期速度の関数として、第1又は第2の要素21の位置及び/又は速度を計算する。
ことを備えてもよい。
【0103】
本方法は、
-モーションセンサ220を含み、可動部材2上に互いに間隔をあけて配置された複数の動作検出器22からの動作信号Mを受信する、
-動作信号Mの関数としてそれぞれの加速度を計算する、
-動作信号Mが、所定量以上異なるかどうかをチェックする。例えば、加速度の場合、移動部材2が軌道1に沿って摺動する際の不具合を示す加速度閾値を超えて異なる場合に、動作信号Mが所定量以上異なるかどうかをチェックする、
ことを備えてもよい。
【0104】
本方法は、動作検出器22をエポキシ樹脂で埋め込んで、動作検出器22を可動部材2に固定することを備えてもよい。
【0105】
本方法は、慣性センサに加えて、あるいは慣性センサの代わりに、
-少なくとも1つの磁石226を第1の要素20又は第2の要素21の一方に配置する、
-磁力計224、好ましくはホールセンサを第1の要素20又は第2の素子21の他方に配置する、
-磁石226の移動による磁界の変化を示す第3の信号M3を含む動作信号Mの関数として、第1の要素に対する第2の要素21の位置を計算する、
ことを備えてもよい。
【0106】
本方法は、
-同期装置3を提供する、
-同期信号Sを送信する、
-同期センサ25によって同期信号Sを検出する、
-軌道1に対する可動部材2の位置、及び/又は第1の要素に対する第2の要素21の位置を、同期信号Sの関数として計算する、
ことを備えてもよい。
【0107】
本方法は、例えば、リニアモータシステム又は成形アセンブリ内の複数の可動部材2の各サイクルにおいて、
-算出された位置及び/又は速度及び/又は加速度を送信する、
-可動部材の要素20、21の動きを監視する、及び/又は、
-計算された位置及び/又は速度及び/又は加速度の関数として、故障又はエラーを特定する、
ことを備えてもよい。
【0108】
故障又はエラーが特定された場合、本方法は、検出されたエラーを示すアラーム信号を生成する、及び/又は、可動部材2の動作を中断することを含んでもよい。
【国際調査報告】