(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】揺動式オフセット許容コネクタ及び揺動式オフセット許容浮動コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/91 20110101AFI20240816BHJP
【FI】
H01R12/91
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503727
(86)(22)【出願日】2023-01-06
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 CN2023070914
(87)【国際公開番号】W WO2024016615
(87)【国際公開日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】202210863702.7
(32)【優先日】2022-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202222871787.1
(32)【優先日】2022-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524025576
【氏名又は名称】東莞市林積為科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DONGGUAN LJV TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 51 Jinchuan Road, Xiegang Town Dongguan, Guangdong 523000, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】楊 存▲か▼
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA01
5E223AB17
5E223AB26
5E223BA01
5E223BB01
5E223CB26
5E223CD01
5E223EA03
(57)【要約】
本願は、固定ベース、絶縁体及び導電端子を含む揺動式オフセット許容コネクタを開示し、前記絶縁体は、導電端子を介して固定ベースに浮動支持され、前記導電端子には、絶縁体の並進及び/又は揺動を浮動して支持する可撓性部が設けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定ベース、絶縁体及び導電端子を含む揺動式オフセット許容コネクタであって、前記絶縁体は、導電端子を介して固定ベースに浮動支持され、前記導電端子には、絶縁体の並進及び/又は揺動を浮動して支持する可撓性部が設けられる、揺動式オフセット許容コネクタ。
【請求項2】
前記絶縁体の底部には、絶縁体の角度振れとリセットを支持する円弧面支持点又は球面支持点が設けられる、請求項1に記載の揺動式オフセット許容コネクタ。
【請求項3】
前記絶縁体の上端は、外部挿着部品に挿抜接続されるための端部であり、端部に挿抜接続孔が開設され、前記端部には、外周が球冠状を呈する大きなヘッドが設けられ、大きなヘッドによって外部挿着部品を前記端部に挿抜接続するように案内する時、前記端部の大きなヘッドの球冠面が外部挿着部品内を揺動することによって、前記端部の挿抜角度の調整を実現することができる、請求項2に記載の揺動式オフセット許容コネクタ。
【請求項4】
前記導電端子は、上から下へ順に端子挿着本体、可撓性部及び端子フィレットに分けられ、端子フィレットには、前記固定ベース内に挿入可能な固持部が設けられ、
前記挿着本体は、前記挿抜接続孔内に固定して取り付けられ、挿着本体の上端のメス端子接触弾性片は、挿抜接続孔内に配置され且つ挿抜接続孔の上端口に近接し、
前記挿着本体におけるメス端子接触弾性片は、オフセット許容機能を有するメス端子接触弾性片であり、具体的な構造では、前記導電端子の上端には、対向して設置される、弾性を有する端子弾性片が設けられ、端子弾性片の間には、外部挿着部品の端子を挿入するために用いられる、2つの相対側開口を有する収容室が形成され、対向して設置される端子弾性片の間の区間が外部挿着部品の端子の挿抜接続のオフセットを許容できるメス端子のオフセット許容区間を構成する、請求項3に記載の揺動式オフセット許容コネクタ。
【請求項5】
前記挿着本体には、前記挿抜接続孔内に係止可能な係着部位が設けられ、係着部位の外壁の一側と挿抜接続孔の内壁との間には、前記係着部位を補強する係止構造が設けられる、請求項4に記載の揺動式オフセット許容コネクタ。
【請求項6】
前記係止構造は、複数の突起であり、複数の突起は、前記係着部位に沿って上下に間隔をおいて設置される、請求項5に記載の揺動式オフセット許容コネクタ。
【請求項7】
前記可撓性部は、可撓性変形構造を有するフィレット弾性片であり、前記フィレット弾性片は、直角状屈曲、鋭角状屈曲、単一波状屈曲又は複数波状屈曲である、請求項4に記載の揺動式オフセット許容コネクタ。
【請求項8】
前記絶縁体の上端は、外部挿着部品に挿抜接続されるための端部であり、端部に挿抜接続孔が開設され、前記端部の四周には、外部挿着部品を前記端部に挿抜接続する時に外向きに突出するように案内するための円弧面ガイド構造がそれぞれ設けられ、複数の円弧面ガイド構造は、外部挿着部品に摺動嵌合可能な球冠面構造を形成し、円弧面ガイド構造によって外部挿着部品を前記端部挿抜に接続するように案内する時、前記端部は、複数の円弧面ガイド構造により形成される球冠面構造によって外部挿着部品内を揺動することによって、前記端部の挿抜角度の調整を実現することができる、請求項2に記載の揺動式オフセット許容コネクタ。
【請求項9】
前記導電端子は、上から下へ順に端子挿着本体、可撓性部及び端子フィレットに分けられ、端子フィレットには、前記固定ベース内に挿入可能な固持部が設けられ、
前記挿着本体は、前記挿抜接続孔内に固定して取り付けられ、挿着本体の上端のメス端子接触弾性片は、挿抜接続孔内に配置され且つ挿抜接続孔の上端口に近接し、
前記挿着本体におけるメス端子接触弾性片は、オフセット許容機能を有するメス端子接触弾性片であり、具体的な構造では、前記導電端子の上端には、対向して設置される、弾性を有する端子弾性片が設けられ、端子弾性片の間には、外部挿着部品の端子を挿入するために用いられる、2つの相対側開口を有する収容室が形成され、対向して設置される端子弾性片の間の区間が外部挿着部品の端子の挿抜接続のオフセットを許容できるメス端子のオフセット許容区間を構成する、請求項8に記載の揺動式オフセット許容コネクタ。
【請求項10】
前記挿着本体には、前記挿抜接続孔内に係止可能な係着部位が設けられ、係着部位の外壁の一側と挿抜接続孔の内壁との間には、前記係着部位を補強する係止構造が設けられる、請求項9に記載の揺動式オフセット許容コネクタ。
【請求項11】
前記係止構造は、複数の突起であり、複数の突起は、前記係着部位に沿って上下に間隔をおいて設置される、請求項10に記載の揺動式オフセット許容コネクタ。
【請求項12】
前記可撓性部は、可撓性変形構造を有するフィレット弾性片であり、前記フィレット弾性片は、直角状屈曲、鋭角状屈曲、単一波状屈曲又は複数波状屈曲である、請求項10に記載の揺動式オフセット許容コネクタ。
【請求項13】
前記固定ベースには、前記絶縁体の振れを収容する揺動スペースが設けられ、前記絶縁体は、揺動スペース内に懸架され、絶縁体と固定ベースとの間には、前記絶縁体が往復して振れるための間隔スペースがある、請求項1に記載の揺動式オフセット許容コネクタ。
【請求項14】
前記間隔スペースは、前記絶縁体の四周と固定ベースとの間に位置する前側間隔スペース、後側間隔スペース、左側間隔スペース及び右側間隔スペースに分けられ、前記固定ベースと絶縁体の四周との間には、前記絶縁体の往復振れ角度を規制する位置規制構造が設けられる、請求項13に記載の揺動式オフセット許容コネクタ。
【請求項15】
コネクタ及び外部挿着部品を含む導電端子のペアリングをガイドする揺動式オフセット許容浮動コネクタであって、
前記コネクタは、浮動絶縁体を含み、前記浮動絶縁体には、複数の挿入孔が設けられ、前記挿入孔内に第1の導電端子が固定して係着され、前記外部挿着部品には、前記挿入孔に挿入され且つ第1の導電端子に挿抜接続されることができる第2の導電端子が設けられ、複数の第2の導電端子は、複数の第1の導電端子に一対一に対応し、前記第2の導電端子と挿入孔との間には、嵌合時に浮動絶縁体を浮動するようにそれらの相互作用力を押すことによる調整に変換できる円弧面又は斜面ガイド構造が設けられる、導電端子のペアリングをガイドする揺動式オフセット許容浮動コネクタ。
【請求項16】
前記円弧面又は斜面ガイド構造は、第1の摺動案内構造を含み、第1の摺動案内構造は、前記挿入孔上端の開口が大きく下端の開口が小さい貫通孔の一部であり、貫通孔の上端と下端との間には、内径が徐々に小さくなる摺動案内円弧面又は摺動案内斜面が設けられる、請求項15に記載の導電端子のペアリングをガイドする揺動式オフセット許容浮動コネクタ。
【請求項17】
前記第2の導電端子は、挿入ピンであり、前記挿入ピンの先端には、挿入ピンを挿入孔内に導入するように案内するための傾斜摺動案内面が設けられる、請求項16に記載の導電端子のペアリングをガイドする揺動式オフセット許容浮動コネクタ。
【請求項18】
前記第1の導電端子には、嵌合時に第2の導電端子の挿入部分を挟持して電気的接続を維持できる挟持部位が設けられる、請求項16に記載の導電端子のペアリングをガイドする揺動式オフセット許容浮動コネクタ。
【請求項19】
前記円弧面又は斜面ガイド構造は、第2の摺動案内構造をさらに含み、第2の摺動案内構造では、前記浮動絶縁体の上端には、案内浮動絶縁体を外部挿着部品の下端の凹溝内に導入するように案内するための突起が設けられ、複数の突起は、凹溝に可動に嵌合可能な球冠構造を形成する、請求項15に記載の導電端子のペアリングをガイドする揺動式オフセット許容浮動コネクタ。
【請求項20】
前記浮動絶縁体の底部には、その角度振れとリセットを支持する球面支持点が設けられる、請求項15に記載の導電端子のペアリングをガイドする揺動式オフセット許容浮動コネクタ。
【請求項21】
前記球面支持点と前記固定ベースとは、射出成形される一体構造である、請求項20に記載の導電端子のペアリングをガイドする揺動式オフセット許容浮動コネクタ。
【請求項22】
前記球面支持点と前記浮動絶縁体とは、射出成形される一体構造である、請求項20に記載の導電端子のペアリングをガイドする揺動式オフセット許容浮動コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は、2022年7月20日に中国特許局で提出され、出願番号がCN202210863702.7で、発明名称が「揺動式オフセット許容コネクタ」の中国特許出願の優先権、及び2022年10月30日に中国特許局で提出され、出願番号がCN202222871787.1で、発明名称が「導電端子のペアリングをガイドする揺動式オフセット許容浮動コネクタ」の中国特許出願の優先権を主張し、その内容のすべては、援用で本願に取り込まれる。
【0002】
本願は、コネクタ技術分野に関し、特に揺動式オフセット許容コネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
ここでの説明は、本願に関する背景情報のみを提供し、必ずしも従来技術を構成するものではない。
【0004】
通信業界及び各種電子、電気機器の急速な発展に伴い、コネクタは各種回路に大規模に応用されている。コネクタは通常、絶縁材料からなる筐体と導電材料からなる複数の端子とを含み、各端子はコネクタ筐体に設けられ、各端子の端部は回路基板と電気的に接続されている。
【0005】
従来の浮動コネクタは、回路基板上に固定される固定側筐体と、相手コネクタの嵌合部に嵌合可能な浮動側筐体と、固定側筐体及び浮動側筐体の両方に跨って保持される接点とを含み、浮動側筐体は、回路基板間の偏差又は相手コネクタの嵌合位置との偏差を吸収しやすいように、接点の弾性変形により固定側筐体に対して移動可能に構成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の浮動コネクタの欠陥は、以下のとおりである。1、従来の浮動コネクタの浮動原理は、一側の端子が圧縮され、対応する他側の端子が延ばされることであり、浮動部分の動作が並進であり、オフセット許容量が完全に固定ベースと浮動部分との間隔スペースに依存する。大きなオフセット許容量が必要な場合は、間隔スペースを大きくする必要があり、回路基板に占有する面積が増加する。2、従来の浮動コネクタは、角度の偏差に対する適応性が限られている。3、従来の浮動方案では、浮動部全体が並進するため、すべての端子が圧縮され、伸ばされ、その挿着が完了した後、残留応力が大きい。4、従来の浮動方案では、単一の回路において、オス端子とメス端子は、一面だけが接触し、悪い環境に耐える信頼性が弱い。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を実現するために、本願は、固定ベース、絶縁体及び導電端子を含む揺動式オフセット許容コネクタを開示し、前記絶縁体は、導電端子を介して固定ベースに浮動支持され、前記導電端子には、絶縁体の並進及び/又は揺動を浮動して支持する可撓性部が設けられる。
【0008】
揺動式オフセット許容コネクタの導電端子は、絶縁体とともに揺動することによって、組み立て誤差によるオスコネクタとメスコネクタとが同軸ではないこと、センタリングされないことによる偏差に適することができ、揺動式オフセット許容コネクタと外部挿着部品が挿着された後の構造の安定性を効果的に確保し、及び挿着中に挿着偏差による揺動式オフセット許容コネクタ及び/又は外部挿着部品の端子及び他の部品の損傷を回避し、構造が簡単で、使用を容易にする。
【0009】
本願は、コネクタ及び外部挿着部品を含む導電端子のペアリングをガイドする揺動式オフセット許容浮動コネクタをさらに提供し、前記コネクタは、浮動絶縁体を含み、前記浮動絶縁体には、複数の挿入孔が設けられ、前記挿入孔内に第1の導電端子が固定して係着され、前記外部挿着部品には、前記挿入孔に挿入され且つ第1の導電端子に挿抜接続されることができる第2の導電端子が設けられ、複数の第2の導電端子は、複数の第1の導電端子に一対一に対応し、前記第2の導電端子と挿入孔との間には、嵌合時に浮動絶縁体を浮動するようにそれらの相互作用力を押すことによる調整に変換できる円弧面又は斜面ガイド構造が設けられる。
【発明の効果】
【0010】
ペアリング過程で、浮動絶縁体の上端の球冠構造は、浮動絶縁体を外部挿着部品の下端の凹溝内に導入するように案内し、球冠構造は、凹溝に可動に嵌合可能であり、相対摺動及び揺動を実現し、さらに、傾斜摺動案内面と摺動案内斜面との摺動嵌合により、挿入孔の上端の摺動案内構造は、外端口が大きく内端口が小さい貫通孔の一部であり、貫通孔の上端と下端との間には、内径が徐々に小さくなる摺動案内斜面が設けられ、挿入ピンの先端には、挿入ピンを挿入孔内に導入するように案内するための傾斜摺動案内面が設けられ、ペアリング過程で摺動案内作用を実現し、摺動過程で、摺動案内構造は、摺動案内斜面により押圧されて一側へ浮動し、それによって、動絶縁体を一側へ浮動するようにそれらの相互作用力を押すことによる調整に変換することを実現し、浮動絶縁体が浮動して調整した後、複数の第2の導電端子は、円滑に軸方向に対応する挿入孔内に挿入することができ、第2の導電端子と挿入孔の偏心状態でも、挿入ピンを挿入孔内に順調に挿入するように案内することができ、従来技術で円軸挿入ピンを用いて円形取り付け孔に嵌合する時に偏心による挿入ピンを折れやすいという欠陥を回避し、構造が簡単で、嵌合安定性がより高い。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図4A】
図3におけるC-C方向の絶縁体及び外部挿着部品の断面構造概略図である。
【
図4B】
図4Aにおける絶縁体が水平に摺動して左右方向に振れた後の構造概略図である。
【
図9】本願における固定ベース実施例の構造概略図である。
【
図10】本願における導電端子の第1の構造概略図である。
【
図11】本願における導電端子の第2の構造概略図である。
【
図12】本願における導電端子の第3の構造概略図である。
【
図13】本願における導電端子の第4の構造概略図である。
【
図14】本願における導電端子の第5の構造概略図である。
【
図15】本願における導電端子の第6の構造概略図である。
【
図16】本願における絶縁体の球面支持点の第1の構造概略図である。
【
図17】本願における絶縁体の球面支持点の第2の構造概略図である。
【
図18】本願における絶縁体の球面支持点の第3の構造概略図である。
【
図19】本願の実施例4におけるコネクタの立体構造概略図である。
【
図21】実施例4において外部挿着部品に挿着される時、浮動絶縁体の短辺方向に沿って浮動する第1の構造概略図である。
【
図22】実施例4において外部挿着部品に挿着される時、浮動絶縁体の短辺方向に沿って浮動する第2の構造概略図である。
【
図23】実施例4において外部挿着部品に挿着される時、浮動絶縁体の長辺方向に沿って浮動する第1の構造概略図である。
【
図24】実施例4において外部挿着部品に挿着される時、浮動絶縁体の長辺方向に沿って浮動する第2の構造概略図である。
【
図25】実施例4における浮動絶縁体の四周と固定ベース孔との間の浮動隙間の構造概略図である。
【
図27】本願の実施例5におけるコネクタの立体構造概略図である。
【
図29】実施例6におけるコネクタの立体構造概略図である。
【
図32】本願における斜面ガイド構造の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願の理解を容易にするために、以下に添付図面と具体的な実施例を結び付けながら、本願についてより詳細に説明する。説明すべきこととして、構成部品が別の構成部品に「固定」されていると表現される場合、それは別の構成部品に直接位置してもよく、又はそれらの間に中間にある1つ以上の構成部品が存在してもよい。1つの構成部品が別の構成部品に「接続」されていると表現される場合、それは別の構成部品に直接接続されていてもよいし、それらの間に中間にある1つ以上の構成部品が存在してもよい。本明細書で使用される用語「垂直」、「水平」、「左」、「右」、「内」、「外」及び同様な表現は、説明の目的のためにのみ使用される。本明細書の説明において、用語「第1」、「第2」は、説明の目的のためだけに使用され、相対的な重要性を示すもの、又は示された技術的特徴の数を暗黙的に示すものと理解されない。したがって、特に説明がない限り、「第1」、「第2」が限定された特徴は、1つ又は複数の特徴を明示的又は暗黙的に含むことができ、「複数」とは、2つ以上を意味する。用語「含む」及びその変形は、非排他的な包含を意味し、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、ユニット、コンポーネント及び/又はそれらの組み合わせが存在する又は追加されることがある。
【0013】
なお、さらに説明すべきことは、明確な規定と限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」は広義に理解されなければならない。例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、又は一体接続であってもよく、機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよく、直接接続であってもよいし、中間媒体を介する間接的接続であってもよいし、2つの要素の内部の接続であってもよい。本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本願の技術分野に属する当業者が一般的に理解するものと同じ意味である。本願の明細書で使用される用語は、特定の実施例を説明するためのものであり、本願を限定するためのものではない。本明細書で使用される用語「及び/又は」は、1つ又は複数の関連する列挙された項目のいずれか及びすべての組合せを含む。
【0014】
なお、以下に記述されている本願異なる実施例に係る技術的特徴は、互いの間に衝突がなければ互いに組み合わせることができる。
【0015】
図1~
図18に示すように、揺動式オフセット許容コネクタであって、固定ベース1、導電端子2及び絶縁体3を含み、導電端子2は、上から下へ順に挿着本体21、可撓性部22及び端子フィレット23に分けられ、端子フィレット23には、固定ベース1内に挿入可能な固持部24が設けられ、絶縁体3は、挿着本体21、可撓性部22及び固持部24を介して前記固定ベース1に浮動支持される。
【0016】
本願において、可撓性部22の作用は、浮動支持絶縁体3が固定ベース1に対して並進及び/又は揺動の浮動を行うことによって、導電端子を介して絶縁体を固定ベースに浮動支持し、コネクタ100と外部挿着部品200との偏差状態での安定した嵌合を容易にすることである。
【0017】
本願の実施例において、挿着本体21は、端子フィレット23に可撓性部22を介して可撓に設置され、具体的な構造では、可撓性部22は、可撓性変形構造を有するフィレット弾性片であり、フィレット弾性片は、直角状屈曲、鋭角状屈曲、単一波状屈曲又は複数波状屈曲である。可撓性部22の可撓性変形構造は、複数の形式を用いることができ、可撓性部22の可撓性変形構造の変化は本特許の保護範囲に影響を与えない。
【0018】
コネクタ100と外部挿着部品200との接続安定性をさらに向上させるために、本願において、固定ベース1には、絶縁体3の振れを収容する振れスペース11が設けられ、絶縁体3は、振れスペース11内に懸架され、絶縁体3と固定ベース1との間には、絶縁体3が往復して振れるための間隔スペース4があり、間隔スペース4は、絶縁体3の振れ角度範囲を規制するためのものである。
【0019】
挿着時、絶縁体3と固定ベース1との間には、絶縁体3が往復して振れるための間隔スペース4があることによって、挿着本体21は、絶縁体3とともに振れスペース内において往復して振れ、即ち外力の作用下で挿着本体21は、振れスペース11内において並進及び/又は揺動の混合浮動を実現することができ、絶縁体3及び挿着本体21におけるメス端子接触弾性片は、並進及び/又は揺動することによって、コネクタ100と外部挿着部品200との挿着が同軸ではないこと、センタリングされないことによる偏差に適することができ、それによって、挿着中の水平オフセット及び角度オフセットを克服し、コネクタ100と外部挿着部品200が挿着された後の構造の安定性を効果的に確保し、及び挿着中に挿着偏差によるコネクタ100及び/又は外部挿着部品200の端子及び他の部品の損傷を回避することができ、構造が簡単で、使用を容易にする。
【0020】
絶縁体3の中心と固定ベース1の中心とが同じである状態で初期位置となり、この時、固定ベースの中心線Aと絶縁体の中心線Bは、いずれも前後方向に沿って延在する中心平面上にある。実施例は、
図4A及び
図4Bに示すように、コネクタ100と外部挿着部品200との挿着には同軸ではないこと、センタリングされないことによる偏差が存在する時、絶縁体3は、外部挿着部品200の引張力を受けて左への水平摺動△Aを生じさせ、同時に絶縁体3における端部32は、左への振れ角度△Bを生じさせることによって、端部32及び挿着本体21におけるメス端子接触弾性片は、並進及び揺動することによって、コネクタ100と外部挿着部品200との挿着が同軸ではないこと、センタリングされないことによる偏差に適することができ、それによって、挿着中の水平オフセット及び角度オフセットを克服することができる。
【0021】
本願において、外部挿着部品200がコネクタ100から引き抜かれた後、絶縁体3が受ける外力が解除され、可撓性部22が変形を回復する弾性力の作用下で、絶縁体3は、逆方向に浮動リセットし、次の挿抜接続が容易になる。
【0022】
実施例は、
図16~
図18に示し、本願の実施例において、絶縁体3の底部には、絶縁体3の角度振れとリセットを支持する球面支持点31又は円弧面支持点36が設けられ、
球面支持点31は、X方向及びY方向に沿って交差に設置される2つの円弧からなる球面支持点である。円弧面支持点36は、X方向又はY方向に沿って設置される単一の円弧部又は平行に間隔をおいて設置される複数の円弧部により形成される円弧面支持点である。
【0023】
球面支持点31又は円弧面支持点36の作用は、外部挿着部品200を挿着する時、絶縁体3に対する下向きの押圧力に耐えることであり、絶縁体3が下向きに移動して絶縁体を引っ張って端子フィレット23と固定ベース1との間のパッドを損傷することを回避するとともに、球面支持点31又は円弧面支持点36と支持面との間の接触が球面又は円弧面と平面との接触であり、このような構造設計によって、絶縁体3が振れスペース11内において並進及び/又は揺動する振れ過程で、絶縁体3が支持面を転動及び/又は摺動することを実現し、即ち本実施例において、絶縁体3は、接続板6を転動及び/又は摺動することによって、振れスペース11内においてオスジョイントとメスジョイントとの突き合わせによる相互押圧外力により、絶縁体3とそれにおける挿着本体21との突き合わせ角度を自動的に調整することを実現し、コネクタ100と外部挿着部品200が挿着された後の構造の安定性を確保することができる。
【0024】
本願の実施例において、絶縁体3の上端は、外部挿着部品200に挿抜接続されるための端部32であり、端部32に挿抜接続孔321が開設され、挿着本体21は、挿抜接続孔321内に固定して取り付けられ、挿着本体21の上端のメス端子接触弾性片は、挿抜接続孔321内に配置され且つ挿抜接続孔321の上端口に近接し、端子フィレット23の外端の下側には、端子溶接面231が設けられ、端子溶接面231は、接続板6に溶接されるために用いられる。
【0025】
本願の実施例において、端部32の四周には、外部挿着部品200を端部32に挿抜接続する時に外向きに突出するように案内するための円弧面ガイド構造322がそれぞれ設けられ、複数の円弧面ガイド構造322は、外部挿着部品に摺動嵌合可能な球冠面構造を形成し、円弧面ガイド構造322は、外向きに突出する球冠であり、円弧面ガイド構造322によって、外部挿着部品200が外向きに突出する滑らかな球面に沿って端部32の外に摺動してカバーしやすいとともに、端部32が外部挿着部品200内を揺動できることを確保する。円弧面ガイド構造322によって、外部挿着部品200を端部32に挿抜接続するように案内する時、端部32は、複数の円弧面ガイド構造322により形成される球冠面構造によって外部挿着部品200内を揺動することによって、端部32の挿抜角度の調整を実現することができる。
【0026】
上記実施例に加えて、ボール状の端部(図示せず)を用いて上記機能を実現することができ、構造は、以下のとおりである。端部には、外周が球冠状を呈する大きなヘッドが設けられ、大きなヘッドによって外部挿着部品を端部に挿抜接続するように案内する時、端部は、大きなヘッドの球冠面によって外部挿着部品内を揺動することによって、前記端部の挿抜角度の調整を実現することができる。
【0027】
本願の実施例において、挿着本体21におけるメス端子接触弾性片は、オフセット許容機能を有するメス端子接触弾性片であり、本実施例の具体的な構造では、前記挿着本体21の上端には、対向して設置される、弾性を有する2つの端子弾性片211が設けられ、2つの端子弾性片211の間には、外部挿着部品200の端子203を挿入するために用いられる、2つの相対側開口を有する収容室212が形成され、対向して設置される2つの端子弾性片211の間の区間が外部挿着部品200の端子203の挿抜接続のオフセットを許容できるメス端子のオフセット許容区間を構成する。
【0028】
挿抜接続時、以下の2つの接続状態が存在する。
【0029】
第1に、外部挿着部品200が端部32と正対して挿抜接続される時、外部挿着部品200の端子203は、収容室212に挿入され、2つの端子弾性片211は、共同で外部挿着部品200の端子203を挟持し、それによって、コネクタ100と外部挿着部品200との安定した電気的接続を確保する。
【0030】
第2に、外部挿着部品200がオフセット状態で端部32に挿抜接続される時、メス端子のオフセット許容区間によって、外部挿着部品200の端子203は、2つの相対側開口うちの1つの開口を介して収容室212の外に突出して挿抜接続を実現することができ、即ち外部挿着部品200の端子203は、挿抜接続孔321内に配置され、外部挿着部品200の端子203の一部は、収容室212の外に露出されるが、他の部分は、依然として収容室212における2つの端子弾性片211と電気的に接続された状態を維持している。
【0031】
2つの端子弾性片211を設置する以外に、さらに複数対、例えば、2対又は3対の端子弾性片211を設定してもよく、端子弾性片211の数の変更は、本願の保護範囲を限定するものではない。
【0032】
本願の実施例において、固持部24は、バーブ部であり、固定ベース1の下端には、バーブ部に係止接続可能な係止溝10が設けられる。バーブ部を介して係止溝内に固定係止されることによって、端子フィレット23と固定ベース1との間の接続安定性を高め、可撓性部22が可撓に変形する時に端子フィレット23による損傷を回避する。
【0033】
本願の実施例において、挿抜接続孔321は角孔であり、挿着本体21には、挿抜接続孔内に係止可能な係着部位が設けられ、係着部位と角孔の嵌合によって、挿抜接続孔に対する導電端子の円周回動を回避することができ、導電端子1と絶縁体3との間の組立安定性を高めるのに有利である。
【0034】
挿抜接続孔321と挿着本体21は、さらに他の異形孔で係着して嵌合されてもよく、挿抜接続孔321と挿着本体21との間の嵌合構造の変更は、本願の保護範囲を限定するものではない。
【0035】
さらなる改良は、以下のとおりである。係着部位の外壁の一側には、挿抜接続孔321の内壁を押圧して、前記挿着本体21の挿抜接続孔内での取り付けを補強できる突起213が設けられ、突起213は、挿着本体21の組立安定性を高め、組み立てに緩みが生じることを回避することができる。
【0036】
さらなる改良は、以下のとおりである。突起213は、複数あり、複数の突起213は、前記係着部位に沿って上下に間隔をおいて設置され、複数の突起213は、挿着本体21の組立安定性をさらに高める。
【0037】
本願の
図6の実施例において、間隔スペース4は、絶縁体3の四周と固定ベース1との間に位置する前側間隔スペース、後側間隔スペース、左側間隔スペース及び右側間隔スペースに分けられ、固定ベース1と絶縁体3の四周との間には、絶縁体3の往復振れ角度を規制する位置規制構造が設けられる。
【0038】
本願の
図6の実施例において、絶縁体3は、ブロック状を呈し、固定ベース1は、矩形枠であり、絶縁体3の四周には、前側ラグ30、後側ラグ33、左側鍔34及び右側鍔35がそれぞれ設けられ、前側ラグ30及び後側ラグ33は、絶縁体3の前後端に対称に設置され、左側鍔34及び右側鍔35は、絶縁体3の左右両側に対称に設置される。
【0039】
具体的な構造は、以下のとおりである。
【0040】
前記固定ベース1の前後端には、門型開口14がそれぞれ設けられ、絶縁体3の前後端には、前側ラグ30及び後側ラグ33が対称に設置され、前側ラグ30、後側ラグ33は、前後端の門型開口14内に対応して突入する。前側ラグ30と前端の門型開口14の内壁との間には、前側ラグ30が揺動するための隙間が残され、後側ラグ33と後端の門型開口14の内壁との間には、前側ラグ30揺動が揺動するための隙間が残され、前後端の門型開口14の上辺、左辺及び右辺によってそれぞれ前側ラグ30及び後側ラグ33の動きを規制し、門型開口14の上辺は、前後方向に絶縁体3の振れ角度の限界範囲を規制することを実現し、門型開口14の左辺及び右辺は、主に前側ラグ30及び後側ラグ33の左右方向の並進範囲を規制する。
【0041】
前記固定ベース1の上端の左右両側には、左止め壁15及び右止め壁16がそれぞれ設けられ、左側鍔34の正方向揺動限界は、左止め壁15上に規制され、右側鍔35の逆方向揺動限界は、右止め壁16上に規制され、左右方向に沿って絶縁体の振れ角度限界範囲を規制することを実現する。
【0042】
図6の実施例に加えて、以下の構造設計を採用してもよい。
【0043】
図16の実施例において、間隔スペース4は、絶縁体3の四周と固定ベース1との間に位置する前側間隔スペース、後側間隔スペース、左側間隔スペース及び右側間隔スペースに分けられ、単列の複数の導電端子は、2つずつ交互に左右に設置される。
【0044】
固定ベース1の前後端には、門型開口14がそれぞれ設けられ、絶縁体3の前後端には、前側ラグ30及び後側ラグ33が対称に設置され、前側ラグ30、後側ラグ33は、前後端の門型開口14内に対応して突入する。前側ラグ30と前端の門型開口14の内壁との間には、前側ラグ30が揺動するための隙間が残され、後側ラグ33と後端の門型開口14の内壁との間には、供後側ラグ33が揺動するための隙間が残され、前後端の門型開口14の上辺、左辺及び右辺は、それぞれ前側ラグ30及び後側ラグ33の動きを規制し、前後方向に絶縁体3の振れ角度範囲を規制することを実現し、固定ベース1の上端の左右両側には、左止め壁15及び右止め壁16がそれぞれ設けられ、左側鍔34の正方向揺動限界は、左止め壁15上に規制され、右側鍔35の逆方向揺動限界は、右止め壁16上に規制され、左右方向に沿って絶縁体の振れ角度範囲を規制することを実現する。
【0045】
図17の実施例において、間隔スペース4は、絶縁体3の四周と固定ベース1との間に位置する前側間隔スペース、後側間隔スペース、左側間隔スペース及び右側間隔スペースに分けられ、4列の導電端子2は、2つずつ絶縁体3の前後両側、左右両側に対称に設置される。固定ベース1と絶縁体3の四周との間には、絶縁体3の往復振れ角度を規制する位置規制構造が設けられ、該位置規制構造は、固定ベース1の内壁高さを用いてブロック状の絶縁体3の振れ位置を規制することができ、具体的な構造は、以下のとおりである。
【0046】
固定ベース1の前後端には、2つの門型開口14がそれぞれ設けられ、絶縁体3の前後端には、2組の前側ラグ30及び後側ラグ33が対称に設置され、2組の前側ラグ30、後側ラグ33は、それぞれ前後端の2つの門型開口14内に対応して突入する。2組の前側ラグ30と2つの前端の門型開口14の内壁との間には、いずれも前側ラグ30が揺動するための隙間が残され、2組の後側ラグ33と2つの後端の門型開口14の内壁との間には、いずれも前側ラグ30が揺動するための隙間が残され、前後端の門型開口14の上辺、左辺及び右辺によってそれぞれ前側ラグ30及び後側ラグ33の動きを規制し、前後方向に絶縁体3の振れ角度範囲を規制することを実現し、固定ベース1の上端の左右両側には、左止め壁及び右止め壁がそれぞれ設けられ、左側鍔の正方向揺動限界は、左止め壁上に規制され、右側鍔の逆方向揺動限界は、右止め壁上に規制され、左右方向に沿って絶縁体の振れ角度範囲を規制することを実現する。
【0047】
図18の実施例において、間隔スペース4は、絶縁体3の四周と固定ベース1との間に位置する前側間隔スペース、後側間隔スペース、左側間隔スペース及び右側間隔スペースに分けられ、単列の導電端子2は、左側に設置される。固定ベース1と絶縁体3との四周の間には、絶縁体3の往復振れ角度を規制する位置規制構造が設けられ、
固定ベース1の前後端には、門型開口14がそれぞれ設けられ、絶縁体3の前後端には、前側ラグ30及び後側ラグ33が対称に設置され、前側ラグ30、後側ラグ33は、前後端の門型開口14内に対応して突入する。前側ラグ30と前端の門型開口14の内壁との間には、前側ラグ30が揺動するための隙間が残され、後側ラグ33と後端の門型開口14の内壁との間には、前側ラグ30が揺動するための隙間が残され、前後端の門型開口14の上辺、左辺及び右辺によってそれぞれ前側ラグ30及び後側ラグ33の動きを規制し、前後方向に絶縁体3の振れ角度範囲を規制することを実現し、固定ベース1の上端の左右両側には、左止め壁15及び右止め壁16がそれぞれ設けられ、左側鍔34の正方向揺動限界は、左止め壁15上に規制され、右側鍔35の逆方向揺動限界は、右止め壁16上に規制され、左右方向に沿って絶縁体の振れ角度範囲を規制することを実現し、
図16及び
図18の実施例において、固定ベース1と接続板6との安定した接続をさらに強化すために、本願において、固定ベース1の前後両端には、ブラケット5がそれぞれ設けられ、ブラケット5は、金属ブラケットであり、ブラケット5は、戸の枠状を呈し、固定ベース1の前後両端は、戸の枠状のブラケット5内に対応してカバーされ、2つのブラケット5の垂直枠縁は、固定ベース1の前後両端の垂直係止溝12内に対称に係合され、且つ各ブラケット5の両端は、下へ垂直係止溝12を貫通した後に折り曲げられ且つ固定ベース1から離れる方向に沿って固定ベース1の下側から水平に外へ延在し、各ブラケット5の両端の折り曲げ部位の下側にブラケット溶接部51が設けられる。ブラケット5の両端のブラケット溶接部51に接続板6を溶接することによって、固定ベース1と接続板6の安定した接続が強化される。
【0048】
以上から分かるように、位置規制構造は、複数の構造設計を採用することができ、位置規制構造の変更は、本願の保護範囲を限定するものではない。例えば、以下を採用してもよい。絶縁体3の前後側、左右側に鍔がそれぞれ設けられ、振れスペース11の四周の内壁は、いずれも止め壁であり、絶縁体3が前後に振れる時、絶縁体3の前後側鍔の揺動限界は、振れスペース11の前後側内壁上に止められ、前後方向に絶縁体3の振れ角度範囲を規制することを実現し、絶縁体3の左右側鍔の揺動限界は、振れスペース11の左右側内壁上に止められ、左右方向に絶縁体3の振れ角度範囲を規制することを実現する。
【0049】
以上から分かるように、間隔スペース4の大きさは、実際の必要に応じて調整することができ、間隔スペース4の大きさは、コネクタの大きさと絶縁体の大きさ及び導電端子における可撓性部22の材料及び構造の改良に関連する。間隔スペース4の大きさの選択は、本願の保護範囲を限定するものではない。
【0050】
図19-
図32に示すように、コネクタ7及び外部挿着部品151を含む導電端子のペアリングをガイドする揺動式オフセット許容浮動コネクタであって、
コネクタ7は、基板161に固定して取り付けられ、外部挿着部品151とコネクタ7との挿抜接続によって、外部挿着部品151と基板161との電気的接続を実現する。
【0051】
本願において、外部挿着部品151の挿抜ヘッドの下端には、凹溝152が設けられ、凹溝152の作用は、浮動絶縁体に可動に接続することであり、外部挿着部品151内に第2の導電端子121が固定して設置され、複数の第2の導電端子121の挿抜接続するための端部は、凹溝152内に位置する。
【0052】
本願において、コネクタ7は、固定ベース8、第1の導電端子9及び浮動絶縁体10を含む。浮動絶縁体には、複数の挿入孔102が設けられ、挿入孔102内に第1の導電端子9が固定して係着される。複数の第2の導電端子121は、複数の第1の導電端子9に一対一に対応する。突き合わせる時、第2の導電端子121は、挿入孔102に挿入され且つ第1の導電端子9に挿抜接続されることができる。
【0053】
本願において、第1の導電端子9は、上から下へ順に挿着本体91、可撓性部95及び導電端子フィレット96に分けられる。浮動絶縁体10は、挿着本体91、可撓性部95及び導電端子フィレット96を介して前記固定ベース8に浮動支持される。
【0054】
挿着本体91は、凹凸嵌合により挿入孔102内に係着される。凹凸嵌合される固定係着構造と第1の導電端子9の構造の変更は、本願の保護範囲に影響を与えない。
【0055】
本願において、固定ベース8は、四周の外周に沿って複数の固定ベース孔81が設置され、複数の導電端子フィレット96は、それぞれ対応する挿入孔102を貫通した後に固定ベース孔81内に係合され、導電端子フィレット96は、固定ベース孔81内を貫通した後に基板161に溶接される。固定ベース孔81は、浮動絶縁体10、第1の導電端子9及び固定ベース8の位置設置を維持するように、導電端子フィレット96に嵌合される。
【0056】
本願において、固定ベース8と基板161との間には、ブラケット131がさらに設置され、ブラケット131の左右と両側のエッジには、凸部132が設けられ、ブラケット131は、凸部132を介して固定ベース8における係止溝82に係止接続され、ブラケット131の下端には、ブラケットフィレット133が設けられ、ブラケットフィレット133は、基板161に溶接され、ブラケットは、基板161における固定ベースの位置を固定するように維持するために用いられる。
【0057】
本願の実施例において、固定ベース8の上端の中央部には、凹溝83が開設され、ブロック状の浮動絶縁体10は、凹溝83内に浮動して配置され、ブロック状の浮動絶縁体10の四周と凹溝83内壁との間には、浮動絶縁体10が移動するための浮動隙間aが残され、浮動隙間aは、浮動絶縁体10の左右揺動及び浮動を規制するために用いられる。
【0058】
実施例4における凹溝83のさらなる改良は、以下のとおりである。凹溝83の前後の2つの短辺の溝壁には、切欠き85がそれぞれ設けられ、切欠き85は、係止溝82及び凹溝83に連通し、ブロック状の浮動絶縁体10の前後両端には、絶縁体ラグ111がそれぞれ設けられ、絶縁体ラグ111は、切欠き85内に浮動して配置され、ブラケット131には、切欠き85の一側へ折り曲げられる鍔134が設けられ、鍔134は、切欠き85の左側、右側及び底側とともに絶縁体ラグ111の揺動及び浮動を規制する浮動区間を構成し、浮動区間内において、絶縁体ラグ111の四周と切欠き85の左側、右側、底側、及び鍔134との間には、いずれも絶縁体ラグ111の揺動及び浮動に十分な浮動間隔bが残され、浮動間隔bは、浮動絶縁体10の上下揺動及び浮動を規制するために用いられる。
【0059】
第2の導電端子121の挿抜接続するための端部に対してペアリングガイドを行うために、第2の導電端子121と挿入孔102の間には、嵌合時に浮動絶縁体10を浮動するようにそれらの相互作用力を押すことによる調整に変換できる斜面ガイド構造が設けられ、斜面ガイド構造は、第1の摺動案内構造103を含み、第1の摺動案内構造103は、挿入孔102の上端の開口が大きく下端の開口が小さい貫通孔の一部であり、貫通孔の上端と下端との間には、内径が徐々に小さくなる摺動案内斜面104が設けられる。摺動案内斜面を用いる以外、さらに摺動案内斜面の代わりに摺動案内円弧面を用いて摺動案内機能を実現してもよく、摺動案内面の形状の変更は、本願の保護範囲に影響を与えない。
【0060】
第2の導電端子121は、挿入ピンであり、挿入ピンの先端には、挿入ピンを挿入孔内に導入するように案内する傾斜摺動案内面122が設けられる。
【0061】
例えば第2の導電端子121は円筒状の挿入ピンであり、円筒状の挿入ピンの先端は逆円錐体を呈し、逆円錐体の外周の傾斜摺動案内面122と第1の摺動案内構造103の内壁における摺動案内斜面104との摺動嵌合により、ペアリング過程で摺動案内作用を実現し、摺動過程で、第1の摺動案内構造103は、摺動案内斜面104により押圧された後に一側へ浮動し、それによって、突き合わせ嵌合時、浮動絶縁体10を一側に浮動するようにそれらの相互作用力を押すことによる調整に変換することを実現することができ、浮動絶縁体10で調整した後、複数の第2の導電端子121は、円滑に軸方向に対応する挿入孔102内に挿入することができる。
【0062】
端子間のペアリングの電気的接続の安定性を確保するために、本願の実施例において、挿着本体91には、嵌合時に第2の導電端子121の挿入部分を挟持して電気的接続を維持できる挟持部位92が設けられる。挟持部位92の構造は、以下のとおりである。挿着本体91の上端には、弾性を有する複数の端子弾性片93が設けられ、端子弾性片93の中央部は、中心へ折り曲げられ、複数の端子弾性片93のうちの2つずつの端子弾性片93は、1組であり、各組の端子弾性片93は、円周方向に沿って対向して設置され、複数の端子弾性片93の間には、第2の導電端子121を挿入するための収容室が形成され、複数の端子弾性片93の中央部は、中心へ折り曲げられて挟持部位92を形成する。このような構造設計によって、収容室は、上下の開口が大きく且つ中間の内径が小さい収容スペースを有し、それによって、コネクタ7と外部挿着部品151との安定した電気的接続を確保する。
【0063】
具体的な実施では、2つの端子弾性片を設置する以外、さらに複数対例えば、2対又は3対の端子弾性片を設置してもよく、端子弾性片数の変更は、本願の保護範囲を限定するものではない。
【0064】
ペアリング過程で浮動絶縁体10の外部挿着部品151に対する自由な回動揺動を容易にするために、本願の実施例において、円弧面又は斜面ガイド構造は、第2の摺動案内構造103をさらに含み、第2の摺動案内構造103では、浮動絶縁体10の上端には、浮動絶縁体10を外部挿着部品151の下端の凹溝152内に導入するように案内する突起112が設けられ、複数の突起112の先端には、凹溝152の内壁に沿って摺動可能であり且つ凹溝152内を回動揺動して嵌合可能な球冠構造が形成される。ペアリング時、まず、外部挿着部品は、球冠構造により浮動絶縁体10のヘッド部の突起112の外側の円弧状摺動案内面を押圧し、浮動絶縁体10は、外部挿着部品151の作用力下である角度だけ振れ、それによって、複数の第2の導電端子121を挿入孔内に円滑に挿入するように案内し、浮動絶縁体10は、挿抜接続時に外部挿着部品151との間の角度位置を調整しやすく、浮動絶縁体10は、ペアリング時に外部挿着部品151の凹溝152によりスティックすることを回避する。
【0065】
本願の実施例において、浮動絶縁体10の底部には、その角度振れとリセットを支持する球面支持点141があり、球面支持点141は、高さ方向の支持を提供するために用いられ、球面支持点141は、第1の導電端子9を保護し、ペアリング時に浮動絶縁体10が下へ押圧されて第1の導電端子9におけるパッドを損傷することを回避するために用いられ、また、浮動絶縁体10の角度振れとリセットを支持することができ、球面支持点141は、固定ベース8又は浮動絶縁体10に設置されてもよい。
【0066】
球面支持点141は、固定ベース8の凹溝83の底部の中心位置に位置し、球面支持点141と固定ベース8とは、射出成形される一体構造である。
【0067】
球面支持点141は、浮動絶縁体10の底部の中心位置に位置し、球面支持点141と浮動絶縁体10とは、射出成形される一体構造である。
【0068】
本願は、実施例4、実施例5が有するブラケット131の構造以外に、さらに凹溝83構造を改良することによって浮動絶縁体10の移動を規制することができる。例えば本願の実施例6に示すように、浮動絶縁体10の前後端底部は、2つの短辺方向に沿って、それぞれ外向きに突出する下位置規制ストリップ101があり、固定ベース8における凹溝83の前後端溝壁の最上部は、2つの短辺方向に沿って、溝壁から突出する上位置規制ストリップ84がそれぞれあり、上位置規制ストリップ84と下位置規制ストリップ101は、上下に間隔をおいて設置され、浮動絶縁体10が前後方向に沿って回動揺動する過程で、上位置規制ストリップ84は、下位置規制ストリップ101の上への回動揺動限界位置を規制することができるとともに、下位置規制ストリップ101の下への回動揺動限界位置は、凹溝83の前後端溝壁により規制され、このような構造設計は、実施例4、実施例5に比べて、凹溝83とブラケット131が位置する係止溝82を連通させる必要もなく、ブラケット131をカットして折り曲げて止め板を形成する必要もない。実施例5の構造設計は、ブラケット131の構造がより簡単で、欠点は、凹溝83と浮動絶縁体10における構造が複雑になることである。
【0069】
本願は、実施例4、実施例6が有する改良された凹溝83の構造以外に、凹溝83は、さらに別の実施構造を有してもよい。例えば実施例4を基礎とした実施例5のさらなる改良は、以下のとおりである。実施例4で設計された凹溝83の構造を基礎として、凹溝83をさらに簡略化することができ、例えば凹溝83に対して、その前後端の短辺に沿って設置される溝壁のみを残し、この時、浮動絶縁体10の左右方向の回動揺動は、凹溝83により規制されず、浮動絶縁体10は、左右方向により大きいずれを許容できる突き合わせ性能を有する。
【0070】
本願の実施例4、実施例5及び実施例6の作動原理は、以下のとおりである。同軸ではない偏心状態で、外部挿着部品151が浮動絶縁体10のヘッド部の突起112を押圧することで、浮動絶縁体10は、外部挿着部品151の作用力下である角度だけ振れ、挿入孔102における摺動案内斜面104と挿入ピンの先端での傾斜摺動案内面122との相互嵌合によって、第2の導電端子121を挿入孔102内に軸方向に挿入するように案内し、複数の第2の導電端子121を挿入孔102内に円滑に挿入することができる。第2の導電端子121が挿入孔102内の第1の導電端子9に挿抜接続される時、各第2の導電端子121と第1の導電端子9における挟持部位92とは、押圧密着状態を維持し、それによって、コネクタ7と外部挿着部品151との安定した電気的接続を確保する。
【0071】
本願の実施例が示され説明されているが、当業者にとって理解できるように、本願の原理及び精神から逸脱することなく様々な変化、変更、置換、及び変形が可能であり、本願の範囲は、添付の請求項及びその均等物によって限定される。
【0072】
以上の実施例は、本願の技術案を説明するためにのみ使用され、それを限定するものではない。本願の考え方の下で、上記実施例又は異なる実施例における技術的特徴の間を組み合わせてもよく、ステップを任意の順序で実現してもよく、上述した本願の異なる態様における多くの他の変化が存在し、簡明化のために詳細には提供されていない。上述の実施例を参照して本願について詳細に説明したが、当業者にとって理解できるように、上述の各実施例に記載された技術案を修正したり、技術的特徴の一部を同等に置き換えたりすることができ、これらの修正又は置換は、対応する技術案の本質を本願の各実施例の技術案の範囲から逸脱させるものではない。
【国際調査報告】