(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】混合物質の調製及び取り出し装置及び装置充填方法
(51)【国際特許分類】
A61J 1/20 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
A61J1/20 314Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504222
(86)(22)【出願日】2022-09-14
(85)【翻訳文提出日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 EP2022075492
(87)【国際公開番号】W WO2023041562
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510273400
【氏名又は名称】アールピーシー ブラムラゲ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100095267
【氏名又は名称】小島 高城郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124176
【氏名又は名称】河合 典子
(74)【代理人】
【識別番号】100224269
【氏名又は名称】小島 佑太
(72)【発明者】
【氏名】プレッシェ、マルティン
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA05
4C047AA07
4C047AA08
4C047BB03
4C047BB04
4C047BB12
4C047BB26
4C047CC04
4C047CC14
4C047DD02
4C047DD03
4C047DD05
4C047DD22
4C047DD32
4C047DD35
4C047GG15
4C047HH06
(57)【要約】
本発明は、第1物質(5)及び第2物質(6)から出発して混合物質(23)を調製し取り出すための装置(1)に関し、第1物質(5)を収容する第1容器(2)と第2物質(6)を収容する第2容器(3)とを有し、第1容器(2)及び第2容器(3)は共通の中心軸(A)を有しかつ軸(A)に沿って前後に配置されており、第1容器(2)は任意の第1開口(13)を具備する天井(10)と、天井(10)に実質的に垂直に延在しかつ軸の周りに延在する第1壁(11)と第1底部(50)とを有し、第2容器(3)は軸(A)の周りに延在する第2壁(43)と第2底部(54)とを有し、第1底部(50)は閉鎖部品(4)により閉鎖可能な出口形成部(20)を有し、閉鎖部品(4)は第2壁の自由端への接続により第2容器(3)の蓋も形成しており、さらに出口形成部(20)は閉鎖部品(4)に対して第1容器(2)を回すことによって閉鎖部品(4)の第2開口と位置合わせされ、その位置合わせは、第2容器(3)内で混合物質(23)を生成するために任意に重力により補助されて第1物質(5)が第2容器(3)へ入る通路を確保する。天井(10)と第2底部(54)は装置(1)の反対側の端部を形成しており、かつ第3開口を第2底部に形成することができ、かつ混合物質(23)は第3開口を通して装置(1)から除去可能である。本発明はまた、装置を、特に上述した装置を充填する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1物質(5)及び第2物質(6)から出発して混合物質(23)を調製しかつ取り出すための装置であって、前記第1物質(5)を収容する第1容器(2)と、前記第2物質(6)を収容する第2容器(6)と、を含み、
前記第1容器(2)と前記第2容器(3)は共通の中心軸(A)を有しかつ前記軸(A)に沿って互いに前後に配置されており、
前記第1容器(2)は、任意の第1開口(13)を具備する天井(10)と、前記天井(10)にほぼ垂直に延在しかつ前記軸の周りに延在する第1壁(11)と、第1底部(50)と、を有し、
前記第2容器(3)は、前記軸(A)の周りに延在する第2壁(43)と、第2底部(54)と、を有し、
前記第1底部(50)は、閉鎖部品(4)により閉鎖可能な出口形成部(20)を有し、前記閉鎖部品(4)は、前記第2壁の自由端への接続によって前記第2容器(3)の蓋も形成し、
さらに前記出口形成部(20)は、前記第1容器(2)を前記閉鎖部品(4)に対して回すことによって前記閉鎖部品(4)の第2開口(21)と位置合わせされ、その位置合わせによって、任意に重力により補助されて、前記第2容器(3)内で前記混合物質(23)を生成するために前記第1物質(5)の前記第2容器(3)への経路が開通する、前記装置において、
前記天井(10)と前記第2底部(54)は、前記装置(1)における反対側に位置する端部を形成すること、前記第2底部に第3開口を形成可能であること、及び、前記混合物質(23)を前記第3開口を通して前記装置(1)から取り出し可能であること、を特徴とする装置。
【請求項2】
混合物質(23)を調製しかつ取り出すための装置(1)、特に請求項1に記載の装置であって、第1物質(5)を収容する第1容器(2)と、第2物質(6)を収容する第2容器(3)と、を含み、
前記第1容器(2)と前記第2容器(3)は、前記第1物質(5)が前記第1容器(2)から出ることができない閉位置から、前記第1物質(5)が前記第2容器(3)へ入ることができる開位置へと移動可能である、前記装置において、
前記第1物質(2)は、前記第1容器(2)に収容されたピストン(8)による作用を受けることを特徴とする装置。
【請求項3】
前記第1容器(2)は、受容開口(16)を具備する第1底部(50)を有する、請求項2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記第2容器(3)は、第2開口(21)を具備する閉鎖部品(4)を有する、請求項2又は3に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記第1容器(2)と前記第2容器(3)は、前記閉鎖部品(4)を介して互いに接続されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記出口形成部(20)は、前記第1容器(2)を前記中心軸(A)の方向に移動させることなく、前記第1容器(2)を前記中心軸の周りで回すことのみによって前記第2開口(21)と位置合わせ可能であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記閉鎖部品(4)は、前記第1容器(2)用の上側スナップイン受容部(24)と、前記第2容器(3)用の下側スナップイン受容部(25)と、を有し、上側及び下側の前記受容部は、前記中心軸(A)の方向に離間していることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項8】
上側及び下側の前記受容部は、前記第1容器及び前記第2容器の前記中心軸(A)の周りの回転のみをそれぞれ許容するが、前記第1容器又は前記第2容器の前記中心軸の方向への移動は許容しないことを特徴とする請求項7に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記天井(10)は、第1密閉プラグ(14)を含むことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記第2底部(54)は、第2密閉プラグ(44)を含むことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記第2密閉プラグ(44)は、閉鎖キャップ(45)により前記第2壁に接続されていることを特徴とする請求項10に記載の装置(1)。
【請求項12】
前記第2開口(21)は、前記中心軸(A)に対して直角方向に距離を空けて形成されていることを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項13】
前記第2開口(21)は、前記第1容器(2)の前記第1底部(50)への移行部における断面積の10分の1以下、例えば100分の1までを占めることを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項14】
前記第2開口(21)は円形に形成されていることを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項15】
混合物質(23)を調製しかつ取り出すための装置(1)への充填方法、特に請求項1~14のいずれか一項に記載の装置への充填方法であって、前記装置(1)は、受容開口(16)と天井(10)にある第1開口(13)とを具備する第1容器(2)と、第2容器(3)と、閉鎖部品(4)と、を有する、前記方法において、
最初に、第1液体物質(5)が、好ましくはピストン(8)を配置した前記第1容器(2)内に前記受容開口(16)を通して導入され、次に、前記天井(10)の前記第1開口(13)は開いたままで前記受容開口(16)が閉鎖部品(4)により閉鎖されること、及び、
前記ピストン(8)が設けられる場合は前記ピストン(8)における前記第1物質(5)とは反対側に、加圧媒体(7)が前記開口(13)を通してさらに導入された後、前記開口(13)が閉じられることを特徴とする方法。
【請求項16】
前記第2容器(3)は、前記閉鎖部品(4)と前記第1容器(2)とが位置合わせされる前に充填されることを特徴とする請求項15に記載の装置(1)。
【請求項17】
前記第2容器(3)はさらに、前記閉鎖部品(4)の接続によって閉鎖されることを特徴とする請求項15又は16に記載の装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
第1の態様に関し、第1及び第2の物質から出発して混合物質を調製し取り出すための装置が開示され、第1物質を収容する第1容器と、第2物質を収容する第2容器と、を含み、第1容器及び第2容器は共通する中心軸を有し、その軸に沿って互いに前後に配置されている。第1容器は、任意の第1開口を具備する天井と、天井にほぼ垂直にかつその軸の周りに延在する第1壁と、第1底部と、を有する。第2容器は、その軸の周りの第2壁と、第2底部と、を有する。第1底部は、閉鎖部品により閉鎖可能な出口形成部を有し、その閉鎖部品は、第2壁の自由端に接続されることによって第2容器の蓋も形成する。さらに、出口形成部は、第1容器を閉鎖部品に対して回すことによって閉鎖部品の第2開口と位置合わせされ、その位置合わせによって、任意に重力の補助により、第2容器で混合物質を生成するために第1物質の第2容器への経路が開通する。
【0002】
さらなる態様によれば、混合物質を調製し取り出すための装置が開示され、第1物質を収容する第1容器と、第2物質を収容する第2容器と、を含み、第1容器及び第2容器は、互いに対する回転によって、第1物質が第1容器から出ることができない閉位置から第1物質が第2容器へ入ることができる開位置へと変位可能である。
【0003】
さらに別の態様によれば、混合物質を調製し取り出すための装置を充填する方法が開示される。装置は、受容開口と天井の第1開口とを有する第1容器と、第2容器と、を有し、かつ、閉鎖部品が、特に上述した装置に設けられる。
【背景技術】
【0004】
特許文献1から、混合物質の調製及び取り出しのための装置が知られており、第1容器が、装置の適用端への開口と、適用端とは反対側にある第2容器へ通過するための開口の両方を有する。混合物質は、第2容器から取り出されるために、第1容器を通して適用端へと戻らなければならない。第1受容部は、第1物質の重力付加による送出のみを利用して充填される。
【0005】
開位置において第1物質が第2容器に入るために、重力がこの導入を可能とするように装置を保持しなければならない。重力がそのように作用するようユーザが装置を保持することは常に確保できないので、公知の装置の使用には、使用位置に関して制限がある。さらに、第1物質の特性に関しても公知の装置には制限が課される。例えば、実質的に粘性があってはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0142030号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した先行技術を基に、ここに開示された解決手段の1つは、有利な取り扱いを可能とする混合物質の調製と取り出しのための装置を提供することに関する。ここに開示された解決手段の1つはさらに、そのような装置を充填する方法を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
先ず、そして本質的に、装置に関する第1の解決手段として、天井と第2底部が装置における反対側に位置する端部を形成すること、第3開口を第2底部に形成可能であること、混合物質を第3開口を通して装置から取り出し可能であることが提供される。混合物質は、もはや取り出しのために第1容器を通過する必要がない。混合物質は、第2容器から直接取り出し可能である。第3開口は、実際の開口としては既に必要ではない。それは第2底部に形成可能である。
【0009】
さらなる解決手段として、第1物質が圧力要素によって、例えば第1容器に収容されたピストンを介して作用を受けることが提供され、ピストンが設けられる場合、ピストンは第1物質に作用するために第1容器内で可動に収容されている。圧力要素は、例えば単独で又はピストンとの組合せで、圧力下の媒体によっても付与することができる。
【0010】
装置を充填する方法に関して、第1液体物質が先ず、好ましくはピストンが配置された第1容器に受容開口を通して導入され、その後、天井の第2開口が開いたままの状態で受容開口が閉鎖部品によって閉鎖されること、及び、ピストンが設けられている場合には、ピストンにおける第1物質とは反対側において加圧媒体がさらに開口を通して導入され、その後、開口が閉じられることが提供される。
【0011】
ピストンが設けられている限り、ピストンは、特に第1物質を第2容器内に排出するために、多様な点でそれに応じて移動させることができる。ピストンは、バネ部材による作用を受けることができ、又は好ましくは、本明細書での開示によれば、ピストンは、加圧されたガス媒体による作用を受けることができる。
【0012】
特に、上述した2つの基本的概念の組合せを、所与の場合には、この点に関して上記又は下記でさらに詳細に説明される個々のさらなる発展の1つ以上の特徴と共に提供することができる。
これは、特に、天井と第2底部が装置における反対側に位置する端部を形成すること、第3開口を第2底部に形成可能であること、及び混合物質を第3開口を通して装置から取り出し可能であること、そしてさらに同時に、第1物質が第1容器内に配置された加圧媒体による作用を、例えばその中に収容されたピストンを介して受けること、所与の場合にピストンは第1物質に作用するために第1容器内に可動に収容されていること、という点を意味する場合である。
【0013】
さらなる実施形態によれば、第1容器が、出口形成部を含む第1底部を有し、そしてさらに好ましくは第2容器が、第2開口を含む閉鎖部品を有することが好適である。底部及び閉鎖部品に関して、それらの部品は互いに直接当接することができ、例えば回すことによって、出口形成部と第2開口は、重なった位置又は分離した位置に移動することができ、閉位置は分離した位置において得られる。
【0014】
好ましくは、第1容器と第2容器は、閉鎖部品を介して互いに接続される。したがって、閉鎖部品は、好ましくは接続部品でもある。好ましくは、閉鎖部品は、第1容器と第2容器の両方に接続可能な接続形成部を有する。閉鎖部品は、第2容器の蓋を形成可能である。
【0015】
出口形成部は、第1容器を閉鎖部品の中心軸の方向に動かすことなく、第1容器を閉鎖部品に対して中心軸の周りで回すことのみによって第2開口と位置合わせ可能であることがさらに好ましい。出口形成部が第2開口と位置合わせされたとき、開位置が提供される。単なる回転動作によって、第1容器の中心軸方向への移動を伴わずに、特に、閉鎖部品の第1容器との接続領域を好ましく形成することができる。1つのスナップイン受容部のみが必要であり、それは中心軸に対して垂直に延在している。同時に、これは、第1容器と第2容器の不測の分離を防止することができる。例えば中心軸方向に引っ張るなど、手による部品の分離に関しては克服できないほど非常に強固なラッチ効果を設定可能である。
【0016】
さらに好ましくは、閉鎖部品が、第1容器のための第1スナップイン受容部と、第1容器のための第2スナップイン受容部とを有し、第1及び第2のスナップイン受容部は中心軸方向に離間している。それらのスナップイン受容部は、同じ構成を有し得る。特に、第2容器に関して、中心軸方向の移動のみによってスナップイン受容部に受容され得るように設けることもできる。閉鎖部品に対して可能であるが原理的には不要である第2容器の可動性が与えられる限り、閉鎖部品に対するそのような回転動作が、第2容器を中心軸方向へ動かすことなく実行可能であることも、ここでは好ましい。第2容器との係合はまた、回転可能に取り付けるように構成することもできる。
【0017】
まとめると、第1及び第2スナップイン受容部は、第1及び第2容器に対しそれぞれ中心軸周りの回転のみを許容するが、第1又は第2容器に対し中心軸方向に沿った移動を許容しないことが好ましい。
【0018】
天井が第1密閉プラグを有することが好ましい。これによって、特に、好ましくは第1容器に配置されたピストンを加圧するために天井の第1開口を通してガスを導入することができる。そして、可能な圧力要素として例えばガス媒体が導入され、ピストンが設けられる限りピストンがそれにより加圧された後に、第1開口を第1密閉プラグによって閉じることができる。
【0019】
第2容器の第2底部が第2密閉プラグを有することがさらに好ましい。これは、第2底部を開ける特に便利な方法を提供する。第2密閉プラグは、例えばシリンジの針によって刺し通すことができ、その後、挿入されたシリンジを用いて混合物質を第2容器から取り出すことができる。第2密閉プラグは、閉鎖キャップによって第2壁に接続可能である。閉鎖キャップは、第2密閉プラグをその密閉位置に保持することを補助し又は単独で行うことができる。
【0020】
第2密閉プラグはまた、単独で又は付加的に、摩擦によって第2容器に保持することもでき、それは好ましくは第1密閉プラグについても同様である。
【0021】
閉鎖キャップを具備する第2密閉プラグは、薬剤物質用の容器(バイアル)の実施形態において構成することができる。閉鎖キャップは、金属キャップとすることができ、例えばアルミニウムキャップである。しかしながら、それはプラスチックキャップでもよい。
【0022】
第2密閉プラグが閉鎖キャップによって第2壁に接続されているという事実は、たとえそれが比較的大きい場合であっても、例えば第2容器の投影された底部全体を占める場合であっても、なお信頼性を持って保持できることを意味する。
【0023】
閉鎖部品の第2開口に関して、この開口が小さい断面積のみを占めることが好ましい。さらに好ましくは、この開口が、第1容器の第1底部への移行部における全断面積の10分の1以下に対応する断面積のみを占める。これは、その断面積の100分の1以下までとすることができる。
【0024】
第2開口は、上面視において円形とすることが好ましい。自由開口直径は、好ましくは円形領域に対応する。
【0025】
充填方法に関して、さらに好適な実施形態では、第2容器が、閉鎖部品及び第1容器を取り付けられる前に充填されることが提供される。したがって第2容器は、別個にかつ単独で充填することができる。
【0026】
加圧媒体による第1容器の充填は、全体として加圧された室内で実行することができる。その後、例えば(同様に説明された)第1ストッパを用いて圧力損失無しで閉鎖を好適に行うこともできる。
【0027】
最後に、第2容器もまた、それに閉鎖部品を接続することによって閉鎖することができる。このようにして、装置は、第1及び第2容器をそれぞれ充填されて全体として完成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
以下、添付図面を参照してさらに説明する。
【
図2】
図2は、
図1の面II-IIで切断した装置の断面図である。
【
図4】
図4は、
図2と同様の図であり、開位置への回転後であり容器1を部分的に空にしたところである。
【
図7】
図7は、第2容器の下方から見た斜視図である。
【
図8】
図8は、充填準備完了位置における第1容器の断面図である。
【
図9】
図9は、液体充填後の第1容器の、
図1と同様の図である。
【
図10】
図10は、
図9の続きであり、第1容器が閉鎖部品により閉鎖された後の図である。
【
図11】
図11は、
図10の続きの図であり、加圧ガス媒体を充填し第1容器の天井を閉じた後の図である。
【
図12】
図12は、充填準備完了位置における第2容器を個別に表した図である。
【
図13】
図13は、粉体の充填後の第2容器を表した図である。
【
図15】
図15は、
図5と同様の図であり、シリンジを用いて混合物質が第2容器から取り出されている。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1には、第1物質及び第2物質から出発して混合物質を調製し取り出すための装置1の外観が示されている。
【0030】
好ましくは、装置1の全高Hは、例えば、二手幅又はそれ以上に対応する。好ましくは、その全高Hは、3手幅又は4手幅を超えない。
【0031】
図1を参照すると、装置1は、上側の第1容器2と下側の第2容器3とを有する。第1容器2及び第2容器3は、各々、1つの、そして好ましくは同じ閉鎖部品4に接続されており、よって閉鎖部品4は、第1容器2と第2容器3との間の接続部品を提供する。
【0032】
第1容器2及び第2容器3は、互いに対して回転可能であるように閉鎖部品4内で保持されている。例えば、第1の手が下側の第2容器3を保持でき、第2の手が上側の第1容器2を保持できる。物質の混合は、それらを互いに対して回すことによって誘起され得る。閉鎖部品4は第2容器3と一緒に回ってもよいが、第1容器2と閉鎖部品4との間には回転による相対運動が存在しなければならない。原理的には、第1容器2を回すときに、手で(共に又は単独で)閉鎖部品4を保持することによって、これを実現できる。
【0033】
第2容器3はさらに、好ましくは、第2容器3と閉鎖部品4が互いに対して回転不能であるように閉鎖部品4に接続することができる。これは、例えば、特に堅固な装着、例えばスナップイン装着を用いて実現できる。これは、追加的に又は代替的に、第2壁43上の、具体的には第2容器3の延長部28上の見当突起57(例えば
図12参照)によっても実現できる。見当突起57は、閉鎖部品4のそれぞれの壁部分上の見当凹部58(例えば
図6参照)と見当合わせすることができる。
【0034】
閉鎖部品4は、好ましくは第1容器2と第2容器3の両方のための閉鎖部品4を形成する。加えて、閉鎖部品4はまた、好ましくは第1容器2と第2容器3との間の接続部品を形成する。
【0035】
図2及び
図3は、2つの異なる実施形態における
図1に示した装置1の縦断面図を示す。
【0036】
図2の実施形態では、上側の第1容器2が第1物質5で充填されると共に、下側の第2容器3が第2物質6で充填されている。第1物質5はさらに、第1容器2内で加圧され、そして好ましくは例示的実施形態において第1物質5に対して直接作用するガス媒体7により加圧されている。ここで圧力は、例えば4~8bar、さらに好ましくは約6bar(約90psi)に特定できる。
【0037】
詳細は例えば
図4及び
図5を参照して後述するが、第1容器2を、中心軸Aの周りで第2容器3及び/又は閉鎖部品4に対してそれぞれ回した後、ガス媒体7によって第1物質5を第2容器3内に排出することができる。
【0038】
第2物質6は好ましくは粉体物質であり、一方、第1物質5は好ましくは液体物質である。第1物質5を第2容器3内に排出した結果、第2物質6との混合を生じる。例えば、粉体(第2物質)が液体(第1物質)に溶けることができる。この結果、混合物質23(例えば
図5参照)が得られる。この混合は、必要に応じて、装置1を反転したり振ったりすることによって補助してもよい。必要であれば、そのように振ったり反転したりする前に、第1容器2を、第2容器3及び/又は閉鎖部品4のそれぞれに対して反対に回すことによって第1容器2の密閉状態を復元することもできる。以下に示すように、加圧されたピストン8を用いる場合、これによって、混合物質の第1容器2への好ましくない逆流を有効に防止できることにもなる。
【0039】
図3の実施形態では、第1容器2内にピストン8がさらに設けられている。ピストン8は、充填状態において、第1物質5を受容する第1容器2内のチャンバから加圧チャンバ9を分離している。加圧チャンバ9は、充填状態において好ましくは加圧媒体で充填されており、例えば上述したように、加圧下にあるすなわち周囲圧力よりも高い圧力を有する既に言及したガス媒体7で充填されている。よって、加圧チャンバ9又はその中の加圧されたガス媒体7はピストン8に対して圧力を印加し、それにより
図4に示した開状態においてピストンを閉鎖部品4の方へ移動させることによって、ピストンの前方に位置する第1物質5を、その移動方向に第1容器2から排出して第2容器3内へと運ぶ。
【0040】
図14に示すように、付加的に又は代替的に、ピストン8に作用する例えばプラスチックバネ又は鋼バネであるバネ51を、加圧チャンバ41内に配置できる。
【0041】
例示的実施形態では、好ましくは、ピストン8が、その下面において、第1容器2の底部輪郭にほぼ対応する輪郭を有する。これは、第1テーパー領域15と密閉突起17の上端の輪郭の構成部分である。これによって、開状態における第1物質5の完全な排出を好ましくサポートし得る。
【0042】
第1容器2は、第1容器の頂部を閉鎖する天井10を有する。この場合、
図14に詳細に示すように、バネ51を天井10上で支持することができる。
【0043】
さらに、
図2又は
図3に示す組立状態において、第1容器2は、下側の第1底部50を有し、第1底部50は、
図2及び
図3の組立状態において、例えばテーパー領域15と密閉突起17とから構成されている。
【0044】
図示の実施形態において、好ましくは、第1容器2が、大部分が円筒形の第1壁11で形成され、第1壁11は天井10により頂部を閉鎖され、天井10は中心軸Aに対して実質的に垂直に延在している。例示的実施形態では、好ましくは、天井10が別個の部品であり、例えば溶接によって壁11のフランジ12に接続されている。
【0045】
上側の容器2及び/又は閉鎖部品4及び/又は下側の容器3及び/又は天井10及び/又はピストン8は、好ましくはプラスチック部品であり、さらに好ましくは、少なくとも上側の容器2と天井10に関しては互いに溶接できるプラスチック部品である。例えば、それらはPE(ポリエチレン)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、又はCOC(サイクリックオレフィンゴムコポリマー)とすることができる。好ましくは、第2の容器はCOCから作製できる。それは透明であってもよい。閉鎖部品も、ゴム又はTPEから作製でき、又は、密閉領域に関して好ましくはTPEの場合は2-Kプロセスでそれを形成することもできる。溶接に替えて、例えば、十分に堅固なスナップイン接続又はバウンス接続などの結合も可能である。天井もまた、心出しエッジ42を有することができ、それは壁に対して内側から当接し得る。
【0046】
好ましくは、天井10に、中央の第1開口13が形成され、それはさらに第1密閉プラグ14により閉鎖でき、そして図示の例示的実施形態では、
図8~
図10の状態を例外として閉鎖されている。密閉プラグ14は、ゴム、TPE、又はNBR(ニトリルブタジエンゴム)等の弾性材料から作製できる。
【0047】
第1容器2における好ましくは大部分が円筒形の壁11は、テーパー領域15にて閉鎖部品4と結合する。テーパー領域15は、好ましくは、第1容器2の好ましくは円筒形の壁11と一体に形成されており、図示に関してはその頂部で壁に結合している。第1テーパー領域15は、例えば
図2又は
図3による装置の組立状態においてユーザが手で第1容器2の外面に触れるという観点においては、第1容器2の外面を形成しないことが好ましい。むしろ、この領域におけるそれぞれの外面は、閉鎖部品4の表面によって与えられる。
【0048】
テーパー領域15は、実質的に漏斗状であり、好ましくは大部分が円筒形である受容開口16において終端している。受容開口16の領域において第1容器2は、閉鎖部品4がまだ挿入されていないとき、好ましくはその上方の円筒領域の内直径の1/2未満、約1/4まで、好ましくは約1/3までに対応する自由な内直径を有する。好ましくは、例示的実施形態における
図2又は
図3に示す組立状態において、受容開口16が、閉鎖部品4の中央密閉突起17によって閉鎖されていることがさらに好ましい。閉鎖部品4の密閉突起17は、そこから径方向外方に離間して実質的に中心軸Aに沿って延在する壁部分18と共に、第1容器2のテーパー領域15の端部19のための受容溝を形成する。端部19は、好ましくは大部分が円筒形となっている部分である。端部19は、受容溝内に密閉方式で受容され得る。端部19は、出口形成部20を設けられており、出口形成部20は、上述した第1容器2の、第2容器3に対する回転によって閉鎖部品4の第2開口21と位置合わせされ得る。その場合、閉鎖部品4は、回転を固定された方式で第2容器3に好ましく接続されている。その後、第1物質5が第1容器2から第2容器3へと出て行くことができる。
【0049】
図4には、第1容器2を、閉鎖部品4に対して、すなわち好ましくは同時に第2容器3に対して、出口形成部20が第2開口21と位置合わせする位置まで回転した後の装置1が示されている。よって、第1物質5は、好ましくは噴射ジェット22を形成しつつ、第1容器2から第2容器3へと入り、そこで第2物質6と混合される。
【0050】
第2開口21の断面積は、第1容器の第1底部50への移行部における全断面積の約10分の1以下、すなわち例示的実施形態では第1容器2の円筒壁の領域における全断面積の約10分の1以下である。これを、この断面積の100分の1以下までとしてもよい。
【0051】
第2開口21の自由開口直径は、好ましくは円形の面積に対応する。
【0052】
図5は、装置1の容器2、3の、
図4と同じ位置を示している。第1物質5は完全に第2容器3内に通過している。この結果、混合物質23が得られる。
図4及び
図5において、
図2のようにピストン8を省いて媒体7のみが存在するようにもできる。
【0053】
図6は、閉鎖部品4の別の拡大図を示している。閉鎖部品4は、基本的に複数の円周方向に延在する構造で構築されており、実質的に軸Aの方向の断面内に延在する外側の帯状壁部から始まり、次に実質的に軸Aに垂直な方向の断面内に延在する第1内壁部が続き、そしてさらに内側の円形部分が続き、密閉突起17を形成している。この第1内壁部と密閉突起17とは、円周方向に延在する溝によって互いに離間しており、以下でさらに説明する受容溝29を形成している。
【0054】
閉鎖部品4はさらに、第1容器2又は第2容器3のための、上側スナップイン受容部24及び/又は、より好ましくは下側スナップイン受容部25を有する。スナップイン受容部24、25は、各々360°に亘って形成された円周方向の溝として形成されている。装置の組立状態において、好ましくは同じく円周方向に延在する第1容器2のスナップイン突起26が、第1スナップイン受容部24に嵌合する。スナップイン突起26は、好ましくは第1容器2の壁11から底部のテーパー領域15への移行部に形成されている。さらに好ましくは、それは、好ましくは円筒形の壁11の外面を超えて外側に突出している。
【0055】
下側スナップイン受容部25は、好ましくは径方向及び周方向に同じように延在する下側の第2容器3の第2スナップイン突起27を受容するために用いられる。スナップイン突起27は、下側の第2容器3の、好ましくはこの領域においてやはり円筒形である壁領域43の外面を超えて径方向に突出している。第2容器3の壁は、第1スナップイン突起27を超えた延長部28として円筒状にさらに連続することが好ましい。好ましくは、延長部28には、中心軸Aの方向に延在するリブとし得る見当突起57(例えば
図12参照)が設けられる。閉鎖部品4は、見当突起57を受容するための見当凹部58を有する。
【0056】
図6はまた一例として、好ましくは例えば吸湿性材料(乾燥剤)である補助物質59が収容されるチャンバ55が閉鎖部品4に形成されることを示しており、これは図示のすべての実施形態にも提供できる。チャンバ55は、必要であれば密閉リップ30と共に隔壁31によって、好ましくは円周方向の環状チャンバとして形成することができ、この場合例えば閉鎖部品56によってその底部を閉鎖し得る。隔壁31は、容器2に対する閉鎖、好ましくは完全な気密閉鎖を提供する。閉鎖部品56は、例えば接着又は溶接によって隔壁31及び/又は密閉リップ30に下部領域で接続された箔であってもよい。閉鎖部品56はさらに、好ましくは通気性であるように形成されることで、必要に応じて第2容器3から湿気を排除できる。この点に関して、閉鎖部品56は、通気性フリース等で形成してもよい。閉鎖部品56は、接着、溶着もしくはスナップ嵌合又は同様のもので隔壁31及び/又は密閉リップ30に取り付けられる剛体枠を有することもできる。
【0057】
特に、第2容器3が粉体物質で充填されている場合、混合を生じるまでその物質を望ましい乾燥状態に維持することが最適に実現される。
【0058】
下側の容器3はさらに、例えば
図2に示すように、第2円筒壁43に隣接する第2テーパー領域48を有し、それは実施形態において、円筒端領域49に繋がっていることが好ましい。第2テーパー領域48はまた、好ましくは第2容器3のテーパー状外面を形成する。これは、装置1の取り扱いに関してさらに有利となり得る。第2テーパー領域48のその端部における自由内直径は、所与の円筒端領域49の場合、閉鎖部品4に結合する第2壁43の円筒領域における内直径の約2/3~1/4、さらに好ましくは約1/2に対応することが好ましい。
【0059】
受容溝29(特に
図6を参照)は、第2容器3の第2壁43の延長部28のために閉鎖部品4に形成されている。受容溝29は、好ましくは、円周方向の密閉リップ30によって径方向内側に画定される。密閉リップ30は、好ましくは、その自由端においてリップ状にテーパー付けされている。受容溝は、好ましくは、円周上の特定の位置において見当凹部58を有する。
【0060】
閉鎖部品4はさらに、実質的に完全にその断面を閉鎖する隔壁31を有する。隔壁31は、好ましくは第2開口21によってのみ中断される。例示的実施形態において好ましくは、隔壁31がさらにブラインド孔32を有する。しかしながら、例示的実施形態において好ましくは、この隔壁31と、所与の場合のブラインド孔32とは、カバー33によって覆われる。その覆いは常時設けられている。したがって、ブラインド孔32は、好ましくはいずれの使用状態でも、少なくとも第1容器2から第2容器3への通路を形成しない。しかしながら、それを作製することは有利となり得る。例えば二成分射出プロセスを用いる場合の例えばカバー33の射出において、この孔は射出ノズルのために用いることができ、
図6を参照すると、射出ノズルはカバー33の下方からこの孔を通して射出を行うことができる。
ブラインド孔32は、充填に関しても有利となり得る。物質が圧力下でブラインド孔32を通して導入される場合、カバー33がそれに対応するフレキシブル構造を有しかつ少なくとも完全には隔壁31に固定されていないならば、逆止弁の意味でカバー33を通過して流れ得る点で有利である。
【0061】
隔壁31は、好ましくはその断面において幾つかの角をもって延在している。中心軸Aに対して垂直な縁に延在する壁部分を始点として、最初の角で中心軸に対応する方向に、例示的実施形態において好ましくは第2容器3の方に曲がることで、受容溝の径方向外側の境界を形成する。好ましくは、下方に突出する密閉リップ30も、中心軸Aに対して垂直な縁に延在する壁部分上に形成される。次に、隔壁31は、再び中心軸Aにほぼ直角に延在することで、受容溝の底部を形成する。次に、密閉突起17を形成するために、中心軸Aの方向にさらに延在するべく第1の角とは反対方向に再び角を設けて延在し、そして再び中心軸Aに対して垂直に延在する。隔壁31は、大凡、第2開口21を除いて、中心軸Aに対して回転対称に形成されることが好ましい。
【0062】
カバー33の断面は、好ましくはハット形である。それは、密閉突起17を形成する中央のU形状部分を有する。さらに、密閉突起17と、実質的に中心軸Aの方向に延在する隔壁31の隣りの壁領域35との間に形成された環状空間36の底部を覆う平坦領域34が形成される。受容溝の径方向外側の境界並びに隔壁31の径方向外側の残りの部分は、好ましくはカバー33によって覆われていない。
【0063】
カバー33は、好ましくは、例えばゴム又はTPE等の弾性材料から作製される。カバーは、少なくとも部分的に二成分成形によって構築することができ、又は、別個に作製され、密閉突起17を構築する隔壁の形成部にスナップ嵌め又は圧入されてもよい。カバー33は、隔壁31と回転不能に結合されている。
【0064】
図3の組立状態において、第1容器2の第1壁11の第1端部19は、環状空間36に嵌め込まれる。例えば、中心に向かってある程度のオーバーサイズを設けることによって、カバー33に対する密閉閉鎖が提供される。
【0065】
カバー33は、好ましくはその平坦領域34において貫通孔37も有し、貫通孔37は、好ましくは永続的に第2開口21と位置合わせされている。
【0066】
図2又は
図3からも判るように、閉状態において、端部19の出口形成部20は、開口21に対して回転した位置にある。好ましくは、回転した位置は、初期に工場で規定された好ましい閉位置に対して約180度である。
【0067】
図4に示したような開状態において、出口形成部20は開口21と、もちろん貫通孔37と位置合わせされている。
【0068】
さらに好ましくは、1つ又は2つのストップ部38が、隔壁31における第1容器2に対向する側において閉鎖部品4に形成されている。これにより、第1容器2上の対応するストップ形成部39と協働することで、開位置又は閉位置によって回転位置を決定できる。
【0069】
第1密閉プラグ14と同様に、第2密閉プラグ44を、例えばゴム又はTPEである弾性材料から作製できる。
【0070】
図7を参照すると、第2容器3が第2密閉プラグ44により閉鎖されていることが判る。第2密閉プラグ44は、閉位置において、例えば第2容器3の壁の下側自由端に位置する下方把持エッジ46(例えば
図13参照)上に係合する閉鎖キャップ45によって固定されている。
【0071】
第1容器と第2容器は、中心軸Aに沿って互いに前後に配置されている。好ましくは、第1容器と第2容器は、各々中心軸Aに対して回転対称に形成されている。第1壁11は、そして第2壁43も、中心軸Aに対して円周方向に設けられている。
【0072】
第2密閉プラグ44はまた、設けられた場合は第2テーパー領域48と共に容器3の第2底部54を形成する。
【0073】
特に
図7から判るように、閉鎖キャップ45は開口47を有することができ、第2密閉プラグ44がそこに露出される。特に、これは、薬剤バイアルで知られるような構成とすることができる。この閉鎖キャップ45は、いわゆる圧着キャップとすることができ、例えばアルミニウム製である。しかしながら、例えば第2壁43の関係する端部領域にバウンス結合されるプラスチックキャップであってもよい。第3開口を設けるために、開口47を通して第2密閉プラグ44を例えばシリンジ53を用いて刺し通すことができ、そして混合物質をシリンジを介して引き出すことができる(
図15も参照)。
【0074】
図8~
図11を参照して、第1容器2の充填について説明する。
【0075】
ピストン8を有する構成の場合、容器2は、先ず、ピストン8を天井側に配置し、好ましくは第1開口13が第1密閉プラグ14により未だ閉じられていないようにセットする。この場合、容器2は、受容開口16を上向きにして適切に置かれる。その後、
図9のように、好ましくは液体である第1物質5が、露出した受容開口16を通して第1容器2内に充填される。次に、
図10では、閉鎖部品4が例えば押し付けられて配置され、好ましくはロックされる接続が形成される。閉鎖部品4は、第2開口21が閉じている向きで配置される。
【0076】
その後、例示的実施形態では、好ましくは加圧されたガス媒体7が開口13を通して、ピストン8における第1物質5とは反対側の領域内に充填される。そして充填後、第1密閉プラグ14が挿入される。
ピストンが設けられない場合、第1容器2を好ましくは液体物質で充填するときには、先ず第1密閉プラグ14を好ましくは仮の密閉位置に配置することが適切である。
図10に示すように、第1容器2の充填及び閉鎖部品4による閉鎖を完了した後、容器2を反転させて、例えば閉鎖部品4の上に起立できるようにする。第1密閉プラグ14が再び取り外された後、加圧されたガス媒体7が導入され、その後、第1密閉プラグ14はその最終的な密閉位置に配置される。
【0077】
第1密閉プラグ14が、密閉プラグ14の挿入を制限できる第1フランジ部40を具備して形成されることは明白である。さらに、開口13にテーパー突起41が形成されており、挿入中に第1密閉プラグ14の関係する端部がこのテーパー突起41を通過する。この場合、
図11に示すようなストッパの変形は、同時に取外しの安全性にも繋がるが、ストッパである第1密閉プラグ14の弾性のみによって生じ得る。しかしながら、それは、第1密閉プラグ14における対応する変形にも基づき得る。仮の閉鎖位置においては、例えば、テーパー突起41が第1密閉プラグ14によって未だ通過されなくともよい。
【0078】
第2密閉プラグ44もまた、第2フランジ部52(例えば
図2参照)を有することが好ましい。
【0079】
図12及び
図13を参照して、第2容器3の充填について説明する。
【0080】
図12によると、第2容器3が通常のカップのようにセットされ、そして好ましくは粉体である第2物質6が、上方から自由開口を通して充填される。第2容器3の第2底部54は、既に第2密閉プラグ44により形成されている。そして、第2容器2と閉鎖部品4を組み合わせたものが第2容器3の上に置かれ、第2容器3と閉鎖部品4がやはり対応する方式で互いにロックされる。
【0081】
図14を参照すると、ピストン8に対してバネ51が作用する実施形態が示されている。これは、鋼バネ又はプラスチックバネとし得る。この場合、加圧媒体7もまた加圧チャンバ9内に設けることができる。しかしながら、加圧媒体7を完全に省略することもでき、その場合、加圧チャンバ9内には大気圧の空気のみが存在する。
【0082】
図15を参照すると、混合物質23を第2容器から取り出す方法が示されており、例えば、第2閉鎖プラグ44を刺し通すことによってシリンジを用いて行う。
【符号の説明】
【0083】
1 装置
2 第1容器
3 第2容器
4 閉鎖部品
5 第1物質
6 第2物質
7 ガス媒体
8 ピストン
9 加圧チャンバ
10 天井
11 第1壁
12 フランジ
13 第1開口
14 密閉プラグ
15 第1テーパー領域
16 受容開口
17 密閉突起
18 壁部分
19 端部
20 出口形成部
21 第2開口
22 噴射ジェット
23 混合物質
24 上側スナップイン受容部
25 下側スナップイン受容部
26 第1スナップイン突起
27 第2スナップイン突起
28 延長部
29 受容溝
30 密閉リップ
31 隔壁
32 ブラインド孔
33 カバー
34 フラット領域
35 壁領域
36 環状空間
37 貫通孔
38 ストップ部
39 ストップ形成部
40 第1フランジ部
41 テーパー突起
42 中心決めエッジ
43 第2壁
44 第2密閉プラグ
45 閉鎖キャップ
46 下方把持エッジ
47 開口
48 第2テーパー領域
49 円筒端領域
50 第1底部
51 バネ
52 第2フランジ部
53 シリンジ
54 第2底部
55 チャンバ
56 閉鎖部品
57 見当突起
58 見当凹部
59 補助物質
A 中心軸
H 全高
【国際調査報告】