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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】乗り物ハーネスシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A63G 7/00 20060101AFI20240816BHJP
   A63G 31/00 20060101ALI20240816BHJP
   B60R 22/00 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
A63G7/00
A63G31/00
B60R22/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504492
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 US2022038920
(87)【国際公開番号】W WO2023014615
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】63/228,538
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ゴスビー カタリナ リン
(72)【発明者】
【氏名】ヘンダーソン ディオンテ オマール
(72)【発明者】
【氏名】ブラム スティーヴン シー
(57)【要約】
乗り物車両内で異なる体型の来園客を調節可能に固定することを容易にするように構成されたハーネスシステム。ハーネスシステムは、乗り物車両と解除可能に結合するように構成されたハーネス本体と、ハーネス本体のウェスト係合部であって、ウェスト係合部の機能的長さを収縮又は拡張させて来園客のウェストとの係合を調節するように構成されたウェスト固定機構を含むウェスト係合部と、ハーネス本体の胴衣部であって、拡張又は収縮してウェスト係合部に対して肩バンドが拡張又は収縮するように構成された高さアジャスタを含む、胴衣部と、脚部係合部であって、来園客の第1の脚の周りを調節可能に固定するように構成された第1の脚フラップと来園客の第2の脚の周りを調節可能に固定するように構成された第2の脚フラップとを含む脚部係合部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物車両内で異なる体型の来園客を調節可能に固定することを容易にするように構成されたハーネスシステムであって、
前記乗り物車両と解除可能に結合するように構成されたハーネス本体と、
前記ハーネス本体のウェスト係合部であって、前記ウェスト係合部の機能的長さを収縮又は拡張させて来園客のウェストとの係合を調節するように構成されたウェスト固定機構を含む、ウェスト係合部と、
前記ハーネス本体の胴衣部であって、拡張又は収縮して前記ウェスト係合部に対して肩バンドが拡張又は収縮するように構成された高さアジャスタを含む、胴衣部と、
脚部係合部であって、前記来園客の第1の脚の周りを調節可能に固定するように構成された第1の脚フラップと、前記来園客の第2の脚の周りを調節可能に固定するように構成された第2の脚フラップとを含む、脚部係合部と、
を備えた、ハーネスシステム。
【請求項2】
前記ハーネス本体が、前記来園客のウェストにわたって延び、ウェスト拘束部として機能するように構成されたストラップを含む、請求項1に記載のハーネスシステム。
【請求項3】
前記ストラップの端部が、前記ストラップの機能的な長さを変更するように構成されたストラップアジャスタと、前記乗り物車両に取り付けるように構成されたキーロックとを含む、請求項2に記載のハーネスシステム。
【請求項4】
前記ハーネス本体が、第1の肩バンドから反対側の脚フラップまで前記ハーネス本体にわたって対角方向に延びる追加のストラップを含む、請求項3に記載のハーネスシステム。
【請求項5】
前記キーロックが、前記ハーネス本体を前記乗り物車両に結合するように構成された二重ロック機構を含む、請求項3に記載のハーネスシステム。
【請求項6】
前記キーロックが、三重ロック機構を提供する追加のキーロック又はグローブロック機構を含む、請求項5に記載のハーネスシステム。
【請求項7】
前記ハーネス本体の胴衣部は、胴衣を前記来園客の前記ウェストに固定するように構成されたロック機構を含み、前記ロック機構は、前記来園客の手の届かないところに位置し、前記ロック機構が二重ロック機構である、請求項1に記載のハーネスシステム。
【請求項8】
前記第1の脚フラップは、前記来園客の第1の脚と前記乗り物車両の座席との間で面一になるように構成されている、請求項1に記載のハーネスシステム。
【請求項9】
前記脚部係合部が、前記来園客が前記第1の脚フラップ又は前記第2の脚フラップを調節できないようにロックするよう構成されたロック機構を含む、請求項1に記載のハーネスシステム。
【請求項10】
乗り物のアクティブ部分の間、異なる体型の来園客を調節可能に固定するように構成された乗り物拘束システムであって、
乗り物ハーネスを備え、
前記乗り物ハーネスが、
前側及び後側を有する胴衣と、
前記胴衣の前側に結合されたストラップであって、少なくとも1つのキーロックを含むストラップと、
前記胴衣の後側に結合され、前記来園客の胴体の周りに前記胴衣を調節可能に固定するように構成されたコネクタと、
前記来園客の脚の周りを調節可能に固定するように構成された脚部拘束部を含む脚部係合部と、
を含み、
前記乗り物拘束システムが更に、前記乗り物の乗り物車両を備え、
前記乗り物車両が、
前記乗り物ハーネスを前記乗り物車両に固定するために、前記乗り物ハーネスの少なくとも1つのキーロックを受けるように構成された複数のブラケットと、
拘束部であって、前記拘束部が係合構成の状態で、前記乗り物の前記アクティブ部分の間前記乗り物ハーネスへのアクセスを制限するように構成される、拘束部と、
を含む、
乗り物拘束システム。
【請求項11】
前記拘束部は、前記係合構成において前記脚部拘束部の上に置かれ、前記来園客が前記脚部拘束部を調節するのを阻止するように構成された臀部拘束部を含む、請求項10に記載の乗り物拘束システム。
【請求項12】
前記拘束部は、前記胴衣の上に置かれ、前記乗り物のアクティブ部分の間前記来園客の胴体の動きを制限するように構成された肩拘束部を含む、請求項10に記載の乗り物拘束システム。
【請求項13】
前記胴衣は、前記肩拘束部と接触するように構成された肩パッドを含む、請求項12に記載の乗り物拘束システム。
【請求項14】
前記胴衣の後側が、前記胴衣の機能的長さを変更して前記来園客に適合させるように構成された高さアジャスタを含む、請求項10に記載の乗り物拘束システム。
【請求項15】
前記コネクタが、前記来園客による改竄を防止するように構成された二重ロックカラビナを含む、請求項10に記載の乗り物拘束システム。
【請求項16】
前記脚部係合部は、前記脚部係合部が使用されていないとき、前記来園客の脚と前記乗り物車両との間で面一になるように構成されている、請求項10に記載の乗り物拘束システム。
【請求項17】
前記胴衣は、前記胴衣の機能的幅を拡張又は収縮させて前記来園客の胴体に適合させるように構成されたウェスト調節機構を含む、請求項10に記載の乗り物拘束システム。
【請求項18】
前記胴衣が前記脚部拘束部と一体化されている、請求項10に記載の乗り物拘束システム。
【請求項19】
乗り物ハーネスシステムであって、
胴衣と、
前記胴衣の第1の側に配置され、乗り物のアクティブ部分の間に乗り物車両上の来園客に拘束を提供するように構成された1又は2以上のストラップと、
前記胴衣の第2の側に配置され、前記来園客を前記胴衣内にロックするように構成されたコネクタであって、前記来園客の手の届かないところに配置されている、コネクタと、
前記来園客の第1の脚の周りを調節可能に固定するように構成された第1の脚部拘束部と、
前記来園客の第2の脚の周りを調節可能に固定するように構成された第2の脚部拘束部と、
を備える、乗り物ハーネスシステム。
【請求項20】
前記乗り物車両が、前記1又は2以上のストラップを受け入れて、前記乗り物ハーネスに結合して前記来園客に拘束を提供するように構成された1又は2以上のブラケットを備える、請求項19に記載の乗り物ハーネスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2021年8月2日に出願された米国仮出願第63/228,538号(名称「RIDING HARNESS SYSTEM AND METHOD」)の優先権を主張するものであり、本仮出願は、あらゆる目的のために引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
遊園地スタイルの乗り物システムは、様々なタイプの人々の間でますます人気が高まっている。例えば、あらゆるタイプの人々が、ダークライド、ジェットコースター、ログフリューム、回転木馬、及び同様のものを楽しんでいることが知られている。様々なタイプの人々がこのような乗り物システムを体験することに興味を持つようになったことに伴い、現在では、このような乗り物システムへのアクセシビリティを向上させる必要性があることが認識されている。より具体的には、異なる必要性を有する人々(例えば、異なる体型を有する人々)に対応することができる乗り物拘束システムを提供する必要性があることが、現在認識されている。
【0003】
このセクションは、本開示の様々な態様に関連することができる技術の様々な態様を読み手に紹介することを意図している。この議論は、本開示の様々な態様をより良く理解することを容易にするための背景情報を読み手に提供する上で有用であると考えられる。従って、これらの記載は、このような観点から読まれるべきであり、従来技術の自認として読まれるものではないことに留意されたい。
【発明の概要】
【0004】
最初に請求項に記載された本発明の範囲内にある特定の実施形態について以下で要約する。これらの実施形態は、特許請求の範囲に記載された主題の範囲を限定することを意図するものではなく、むしろこれらの実施形態は、本主題の実施可能な形態の概要を提供することのみを意図している。実際に、本主題は、以下に記載される実施形態と類似した又は異なる可能性がある様々な形態を包含することができる。
【0005】
一実施形態において、ハーネスシステムは、乗り物車両内で異なる体型の来園客を調節可能に固定することを容易にするように構成することができる。ハーネスシステムは、乗り物車両と解除可能に結合するように構成されたハーネス本体と、ハーネス本体のウェスト係合部とを含むことができ、ウェスト係合部は、ウェスト係合部の機能的長さを収縮又は拡張させて来園客のウェストとの係合を調節するように構成されたウェスト固定機構を含む。ハーネスシステムはまた、ハーネス本体の胴衣部を含むことができ、胴衣部は、拡張又は収縮してウェスト係合部に対して肩バンドが拡張又は収縮するように構成された高さアジャスタと、来園客の第1の脚の周りを調節可能に固定するように構成された第1の脚部フラップと、来園客の第2の脚の周りを調節可能に固定するように構成された第2の脚部フラップとを含む脚部係合部分とを含む。
【0006】
一実施形態において、乗り物拘束システムは、乗り物のアクティブ部分の間、異なる体型の来園客を調節可能に固定するように構成することができる。乗り物拘束システムは、乗り物ハーネス及び乗り物の乗り物車両を含むことができる。乗り物ハーネスは、前側及び後側を有する胴衣と、胴衣の前側に結合されたストラップであって、少なくとも1つのキーロックを含むストラップと、胴衣の後側に結合され、来園客の胴体の周りを調節可能に固定するように構成されたコネクタと、来園客の脚の周りを調節可能に固定するように構成された脚部拘束部を含む脚部係合部とを含むことができる。乗り物の乗り物車両は、乗り物ハーネスを乗り物車両に固定するために乗り物ハーネスの少なくとも1つのキーロックを受けるように構成された複数のブラケットと、拘束部が係合構成にある状態で、乗り物のアクティブ部分の間、乗り物ハーネスへのアクセスを制限するように構成された拘束部と、を含むことができる。
【0007】
一実施形態において、乗り物ハーネスシステムは、胴衣と、胴衣の第1の側に配置され、乗り物のアクティブ部分の間に乗り物車両上の客に拘束を提供するように構成された1又は2以上のストラップと、胴衣の第2の側に配置され、胴衣内に客をロックするように構成されたコネクタであって、来園客の手の届かないところに配置されたコネクタと、来園客の第1の脚の周りを調節可能に固定するように構成された第1の脚部拘束部と、客の第2の脚の周りを調節可能に固定するように構成された第2の脚部拘束部とを含むことができる。
【0008】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、並びに利点は、図面全体を通じて同様の参照符号が同様の要素を示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むと更に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施形態による、乗り物拘束システムを備えるアトラクションシステムの一実施形態の概略図である。
図2】本開示の一実施形態による、乗り物の硬さを示す正面図である。
図3】本開示の一実施形態による、図2の乗り物ハーネスの正面斜視図である。
図4】本開示の一実施形態による、図2の乗り物用ハーネスの背面斜視図である。
図5】本開示の一実施形態による、乗り物車両にストラップされた図2の乗り物ハーネスの正面斜視図である。
図6】本開示の一実施形態による、乗り物車両にストラップされた図2のハーネスの側面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の種々の実施形態の要素を導入する際に、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、要素の1又は2以上が存在することを意味するものとする。用語「備える」、「含む」、及び「有する」は、包括的なものであり、記載した要素以外の付加的な要素が存在することができることを意味する。用語「備える」、「含む」、及び「有する」は、包括的なものであり、記載した要素以外の付加的な要素が存在することができることを意味する。加えて、本発明の「一実施形態」又は「1つの実施形態」に対する言及は、同様に記載の特徴部を組み込んだ追加的な実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図していない点を理解されたい。
【0011】
本開示に記載される実施形態は、様々な修正形態及び代替形態が可能であるが、具体的な実施形態は、図面において例証として示されており、本明細書において詳細に説明される。しかしながら、本開示は、開示された特定の形態に限定されることを意図していないことを理解されたい。本開示は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の精神及び範囲内にある全ての修正形態、均等形態、及び代替形態を保護するものである。
【0012】
本開示は、遊園地又はテーマパーク用の乗り物拘束システムに向けられている。乗り物拘束システムは、広範囲の個人(例えば、四肢の違い、非典型的な体型、非対称な四肢特性を有する個人)に対応できる乗り物ハーネスを含むことができる。更に、乗り物拘束システムの乗り物ハーネスは、潜在的な運動エンベロープ内での個人の完全な拘束を容易にすることができる。また、乗り物拘束システムは、乗り物車両に対する固定を提供するために乗り物ハーネスを受けるか又は他の方法で乗り物ハーネスと結合する、乗り物車両の座席に設置された1又は2以上のアンカー(例えば、ブラケット、レセプタクル、フック、ラッチ)を含むことができる。このように、乗り物拘束システムは、異なるタイプの個人のための異なるタイプの乗り物システムへの幅広いアクセスを容易にすることができる。
【0013】
本実施形態は、乗り物システム(例えば、遊園地の乗り物/アトラクション)の来園客(例えば、乗客)に追加の支持及び拘束を提供することができる、適応可能で改竄防止の全身ハーネスに向けられている。例えば、本開示の乗り物ハーネスは、異なる体型、拘束部係合の選好、及び身体的特徴を有する個人に対して追加の拘束を提供することができる。図2~4を参照して更に記載されるように、乗り物ハーネスは、肩及びウェストの周りに巻き付けることによって来園客の胴体を固定することができる。乗り物ハーネスはまた、来園客の下肢の周りに延びて固定するように動作可能な下肢ストラップ(例えば、ループ)を含むことができる。これらのループは、来園客の四肢の差に基づいて完全に調節可能とすることができる。例えば、一方の脚が他方の脚よりも小さい場合、ループ間の調節は、その差にもかかわらず各脚との適切な係合を容易にすることができる。調節可能なポイント(例えば、高さアジャスタ、低位肢アジャスタ)が来園客の手の届くところにある場合、調節のために調節可能なポイントをロック解除するためにキーが必要とされる場合があり、又は(少なくともアクティブな乗り物シナリオの間)アクセスを防止するためにブロック機能が利用される場合がある。例えば、可撓性オーバーレイ(例えば、摩擦ベースのターンバックル用)を利用して、来園客が乗り物に乗っているときに調節を防止することができる。更に、本実施形態によれば、ハーネスから乗り物車両への接続ポイントは、乗り物オペレータ等によってのみロックを解除することができるロックカラビナを必要とする場合がある。
【0014】
上記のことを踏まえて、図1は、遊園地のアトラクションシステム50の一実施形態の概略図である。例えば、アトラクションシステム50は、ローラーコースター、モーションシミュレータ、ダークライド、ウォーターライド、ウォークスルーアトラクション(例えば、迷路)等を含むことができる。アトラクションシステム50は、様々な来園客54が位置することができる来園客エリア52を含むことができる。一実施形態では、来園客エリア52は、来園客54がアトラクションシステム50に入る、アトラクションシステム50から出る、又はそうでなければアトラクションシステム50内を移動することができる歩行可能エリア(例えば、待ち行列又は列)のようなオープンスペースを含むことができる。来園客エリア52において、来園客54は、車両60を含むことができる乗り物58に入る前に、乗り物オペレータから乗り物ハーネス56(例えば、全身ハーネス)を受け取ることができる。乗り物58は、例えば、ローラーコースター、ウォーターライド、モーションシミュレータ、ダークライド等を含むことができる。このため、車両60は、一実施形態では、アトラクションシステム50のモーションベース及び/又は軌道(例えば、経路又はレール)に沿って移動(例えば、並進、回転、ピボット)することができる。実際に、乗り物58は、来園客54に特定の運動感覚を提供することなどにより、乗り物車両60の動きを介して来園客54を楽しませることができる。このように、乗り物58の間、特定の来園客54に特別な拘束を提供することは有益とすることができる。追加的又は代替の実施形態では、車両60は、アトラクションシステム50内の乗り物58のプラットフォームで静止したままとすることができる。例えば、乗り物58の乗車及び下車の間、乗り物車両60は、来園客54が乗り物車両60に乗り下りるために静止していてもよい。
【0015】
乗り物58に乗る前に、来園客54は、来園客54を固定するための乗り物ハーネス58を受け取ることができる。乗り物ハーネス56は、来園客54を収容するための調節可能なポイントを有するハーネス本体を含むことができる。乗り物オペレータは、乗り物ハーネス56を装着するための指示を来園客54に提供し、その後、適合を確認することができる。例えば、乗り物オペレータは、乗り物ハーネス56の装着方法及び調節方法について来園客54にデモンストレーションを提供することができる。場合によっては、来園客54は、来園客54が乗り物ハーネス56を装着するのを助ける他の個人(例えば、家族、友人)を伴う場合がある。個人又は来園客54は、ハーネス56を持ち上げて、来園客54を乗り物用ハーネス56に挿入し、来園客の頭部からハーネス56を掛け、乗り物用ハーネス56上の1又は2以上の調節点を締め又は緩め、或いはハーネス56を来園客54に固定することができる。ハーネス56の固定ポイントは、容易にアクセス可能及び観察可能であってもよい。このように、本実施形態により、乗り物オペレータは、来園客54とタッチ又は対話することなく、乗り物ハーネス56の適切な装着を確認することができる。乗り物ハーネス56が適合されると、乗り物オペレータは、ハーネス56の適合を再確認することができる。例えば、オペレータは、乗り物ハーネス56の調節可能な箇所を軽く引っ張って、乗り物ハーネス56がしっかりと取り付けられていることを確認することができる。
【0016】
アトラクションシステム50はまた、乗り物ハーネス56に関する追加情報を提供するために操作することができるショーエフェクト58(例えば、ディスプレイ、アニメーションフィギュア、スピーカを介して提供される説明プレゼンテーション)を含むことができる。例えば、ショーエフェクト58は、スクリーン上に表示されるビデオ、スピーカから出力される音声、又は乗り物ハーネス56の装着及び調節の手順を視覚的に表現した1又は2以上のポスターを含むことができる。また、ショーエフェクト58は、乗り物ハーネス56の安全機能、アトラクションシステム50の要件(例えば、身長、体重、サイズ)、アトラクションシステム50の仕様(例えば、速度、特殊効果)等についても説明することができる。来園客54は、乗り物ハーネス56を装着するための指示を受け、乗り物オペレータに追加の支援を求めることができる。ショーエフェクト58は、図示のアトラクションシステム50では来園客エリア52の外側に配置されているが、追加又は代替のアトラクションシステム50では、ショーエフェクト58を少なくとも部分的に来園客エリア52内に配置してもよい。
【0017】
来園客54は、来園客エリア52から乗り物58に入ることができ、乗り物オペレータは、来園客54を乗り物車両60に固定することができる。例えば、乗り物車両60は、乗り物58の紆余曲折の間に来園客54を固定するための拘束部(例えば、肩拘束部、臀部拘束部、ウェスト拘束部)を有する座席を含むことができる。来園客54は乗り物車両60の座席を選択することができ、乗り物オペレータは1又は2以上の接続ポイントによって来園客54を乗り物車両60に固定することができる。例えば、乗り物車両60は、乗り物ハーネス56を受けることができる1又は2以上のクリップ、留め具、ブラケット等を含むことができる。更に、乗り物オペレータは、乗り物58の間、来園客54が確実に支持及び拘束されるように拘束部を下側にしてもよい。このようにして、乗り物ハーネス56は、乗り物車両60の移動中に来園客54を拘束(例えば、支持)することができる。乗り物58の後、乗り物オペレータは、乗り物車両62から来園客54のバックルを外すことができ、来園客54は、車両60から来園客エリア52に出て、来園客エリア52と乗り物58との間を移動することができる。
【0018】
アトラクションシステム50はまた、乗り物56及び/又はショーエフェクト58を操作するように構成された制御システム64(例えば、自動化又はプログラム可能なコントローラ)を含むことができる。制御システム64は、メモリ66及び処理回路68を含むことができる。メモリ66は、ランダムアクセスメモリ(RAM)のような揮発性メモリ、及び/又はリードオンリーメモリ(ROM)のような不揮発性メモリ、光学ドライブ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、又はアトラクションシステム50を動作させる命令を含む他の任意の非一過性のコンピュータ可読媒体を含むことができる。処理回路68は、そのような命令を実行するように構成することができる。例えば、処理回路68は、1又は2以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、1又は2以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1又は2以上の汎用プロセッサ、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0019】
制御システム64は、ショーエフェクト58及び乗り物56に通信可能に結合することができる。例えば、制御システム64は、ショーエフェクト58として提供される来園客エリア52内の教示ビデオ又はオーディオを開始及び停止することができ、又は別途、ショーエフェクト58によって提供される視覚効果又はオーディオ効果の外観、例えばサウンド、ピッチ、又は速度を制御することができる。別の例では、制御システム64は、アトラクションシステム50内の乗り物車両60の移動を制御し、乗り物58の1又は2以上のパラメータを調節又は変更することができる。特定の実施形態では、乗り物オペレータは、制御システム64を使用して、ショーエフェクト58、乗り物58、関連する乗り物特徴、又はこれらの組み合わせを開始又は停止することができる。
【0020】
上記を念頭に置いて、図2は、乗り物ハーネス56と係合する来園客54の概略正面図を示す。乗り物ハーネス56は、来園客の胴体を覆って延びるハーネス本体70及び来園客の下肢の周りを延びる脚部拘束部80を含む全身ハーネスであってもよい。ハーネス本体70は、柔らかく、耐久性があり、来園客の胴体に容易に成形可能であるように、ポリマー、合成繊維又はそのようなもののような軽量のメッシュ材料から作られてもよい。ハーネス本体70は、来園客の頭部、腕及びウェストのための開口部を有することができる。ハーネス56の前側(例えば、来園客の前側に対して)は、ストラップアジャスタ74、キーロック76、及びクランプ78を有する1又は2以上のストラップ72を含むことができる。図示の実施形態では、乗り物ハーネス56は、ハーネス本体70を横切る3つのストラップ72及びストラップ72毎に2つのキーロック76を含むことができるが、特定の実施形態では、任意の適切な数のストラップ72及び/又はキーロック76が存在することができる。例えば、第1のストラップ72は、ハーネス56を右肩から左脚に向かって斜めに横切ることができ、第2のストラップ72は、左肩から右脚に向かって斜めに横切ることができる。第3のストラップ72は、水平方向に来園客54の胴体にわたって延びることができる。ストラップ72は、しっかりとした織物材料から作られ、車両60の移動中に来園客54を優しく拘束する。ストラップ72の各端部は、機能的なストラップの長さを拡張又は収縮させる等、ストラップ72の長さを変更するためのストラップアジャスタ74を含むことができる。ストラップアジャスタ74は、ロックバーを備えたプラスチック又は金属のバックルであってもよい。ストラップ72は、ロックバーの間に織り込まれ、ストラップ72の端部を引っ張る又は緩めることにより調節することができる。ストラップ72に沿って異なる位置に配置されるようにキーロック76を調節することにより、機能的な長さが調節される。例えば、ストラップアジャスタ74を使用してストラップ72の特定の1つのキーロック76を近づけると、機能的なストラップの長さが短くなる。別の例では、ストラップアジャスタ74を介して、キーロック76をより遠ざけると、機能的なストラップの長さが長くなる。ストラップアジャスタ74は、乗り物車両60によって受け取られるように構成されたキーロック76に接続することができる。
【0021】
ストラップ72はまた、乗り物車両60によって受け取られるように構成されたキーロック76を含むことができる。キーロック76は、乗り物ハーネス56を車両60に接続することができる安全閉鎖部を有する接続リンクを含むことができる。一実施形態では、キーロック76は、安全クロージャ、ファスナ、ロック等を備えた二重ロックカラビナを含む。例えば、キーロック76は、乗り物ハーネス56を接続する第1のループ及びロックする第2のループを有するカラビナであってもよい。実施形態では、キーロック76は、三重冗長セキュリティのために、第2のループ又はグローブロックに追加のロックを含むことができる。更に別の実施形態では、キーロック76は、乗り物車両60の特徴(例えば、ブラケット又は固定ループ)と係合し、ラチェットによって所定の位置に固定されるように動作可能なフックを含むことができる。このようなキーロック76は数個しか記載されていないが、多くのこのようなキーロック及び異なるタイプのこのようなキーロックが、本実施形態に従って採用することができる。キーロック76は、カップリング(例えば、ロックカラビナ)を介して、張力(例えば、ラチェット)を介して、又は異なるロック機構を介して所定の位置にロックすることができる。
【0022】
ストラップ72はまた、車両60の移動中にストラップ72を固定するための1又は2以上のクランプ78を含むことができる。クランプ78は、ストラップ72の上方又は下方にスライド可能な金属又はプラスチック部品であってもよい。例えば、クランプ78は、アセテートシートベルトクランプ又は成形キーパーを含むことができる。クランプ78はまた、乗り物オペレータがクランプ78を容易に再配置できるようにするために、ストラップ72にクリップ結合又はストラップ72からクリップ解除することができる。クランプ78はまた、乗り物車両60の移動中にストラップ72が動く又は緩むのを防止するために、ストラップ72の上に配置され、乗り物ハーネス56に接続することができる。このようにして、ストラップ72は、高速下、強風下等の乗り物58の間、平坦及び安全な状態を維持することができる。
【0023】
更に、乗り物ハーネス56は、脚部拘束部80(例えば、ループ、下肢ストラップ)を採用する下肢ストラップを含むことができる。特定の実施態様において、来園客54は、他方の脚よりも短い(例えば、切断された)一方の脚を有する場合がある。脚部拘束部80は、短い方の脚を収容及び支持することができる。例えば、脚部拘束部80は、来園客の下肢の形状又はサイズに適合する、柔らかい、パッド入りの、拡張又は収縮性のある材料から作ることができる。脚部拘束部80は、靴下のように下肢の周りにカップで固定することができる。脚部拘束部80は、来園客54が他の個人又はオペレータの補助なしに脚部拘束部80を装着するのを補助するための固定機構82を含むことができる。固定機構は、余分なループ、ラチェットバンド、弾性コネクタバンド、バックル、面ファスナ及びループ、又はストラップアジャスタを含むことができる。来園客54は、脚部拘束部80を引っ張って下肢側に固定し、固定機構82で脚部拘束部80を調節することができる。例えば、来園客54は、固定機構82のストラップアジャスタを使用して脚部拘束部80を伸ばし、より長い又はより大きな下肢の周りに装着することができる。別の例では、来園客54はまた、より締まった又は滑り嵌めのために、固定機構82のストラップ調節具を(例えば、来園客の胴体に対して)近づけることにより脚部拘束部80を締めることができる。別の例では、脚部拘束部80は、来園客の下肢を包み込み、面ファスナ機構及びバックル機構等の閉鎖機構84によって閉じる材料を含むことができる。例えば、脚部拘束部80は、閉鎖機構84に解除可能に結合するバックルを含むことができる。閉鎖機構84は、来園客の下肢の周りに巻き付け、脚部拘束部80を固定するためにバックルに嵌合するタブに結合されたストラップを含むことができる。一実施形態では、来園客54は、タブをバックルに挿入し、ストラップを引っ張って脚にきつく適合させることができる。別の実施形態では、閉鎖機構84は、面ファスナ及びループ機構を含む。このように、来園客54は、フック及びループをロックすることによって脚部拘束部80を固定することができる。
【0024】
特定の実施形態では、別の個人が、来園客54が脚部拘束部80を含む乗り物ハーネス56を装着するのを助けることができる。例えば、その個人は、乗り物ハーネス56を来園客の頭上にかけることができる。個人は、来園客54を持ち上げて、脚部拘束部80を来園客54の下からスライドさせ、脚部拘束部80を来園客54の脚の周りに装着することができる。一実施形態において、脚部拘束部80は、来園客54にとって有用でない場合があり、そのような場合、来園客54は脚部拘束部を閉じず、来園客54の脚の下に平らになるようにすることができる。このように、乗り物ハーネス56は、異なるタイプの来園客54に適合させることができる。
【0025】
図3は、ストラップ72のない乗り物ハーネス56の斜視図である。ハーネス本体70(例えば、ハーネスの胴衣部)は、来園客の胴体を覆って延び、ハーネス本体70が来園客の上に適切に配置されたとき(係合位置にあるとき)に来園客の背中に隣接する接続部100を介して胴体についてしっかりと係合することができる。接続部100は、図示の実施形態では、ハーネス本体70の一部を通して見ていることを表すために破線で示されている。接続部100は、ジッパー、カラビナ、ボタン等、来園客54の手の届かないロック機構であってもよい。ハーネス本体70は、身体の位置決めの柔軟性、係合範囲の調節(例えば、パディングの圧縮及び膨張を介して)、快適性を提供するパディングを有する肩バンド102を含む。図4を参照して説明したように、ハーネス本体70の高さは、肩領域とウェスト領域との相対的な位置関係を変更するために、図示した調節機能又は高さアジャスタ120(例えば、ベルト、スライダ、テンショナ、弾性バンド)を介して調節することができる。更に、ハーネス本体70は、来園客のウェストに関する固定を容易にするウェスト領域(ハーネスのウェスト係合部)の調節可能ウェスト104(例えば、引き紐又はベルト)と、係合位置において来園客の後方及び手の届かない位置にある調節可能ウェスト104の固定機構105とを含むウェスト固定機構を含む。調節可能なウェスト105は、ウェスト部分の機能的な長さを収縮又は拡張することができる。固定機構105は、クランプ、ストッパー、ロック等を含み、固定後に調節可能なウェスト104が延伸又は後退するのを防止することができる。ハーネス本体70はまた、ハーネス56を乗り物車両60に解除可能に結合するために使用されるストラップ72(図2に示すように、様々な係合機能の代表的なものであってもよい)を含む。
【0026】
また、図3には、調節可能な脚部拘束部80(例えば、ループ、フラップ)が図示されており、これらは、他の特徴に接続されていてもよく、又は別個に取り付け可能であってもよい。上述したように、これらの脚部拘束部80は、調節可能に来園客の脚の周りに延び、ハーネス56の残りの部分及び/又は乗り物車両60に来園客54を固定することができる。閉鎖機構82によって固定されると、脚部拘束部80は、靴下のような又は管体構成に移行し、来園客の下肢を完全に包むことができる。脚部拘束部80の材料は、来園客の下肢の周りで来園客の胴体に対して平行であり、来園客の下肢を包むように来園客の胴体に向かって内側に向かうことができる。このようにして、脚部拘束部80は来園客の下肢を完全に支持することができる。調節可能な脚部拘束部80は、乗り物車両60に直接接続するか、又はハーネス56の残りの部分(例えば、ハーネス本体70)への接続を介して接続することができる。更に、脚拘束部80の固定機構82は、(例えば、臀部拘束部等の乗り物車両拘束部によるアクセスの遮断に基づいて)係合後に来園客54がアクセスできない場合があり、又は、乗り物オペレータがアクセスするために乗り物ハーネス56の裏側に決して到達可能に配置されない場合がある。幾つかの実施形態では、乗り物オペレータが来園客54に接することなくハーネス56に来園客54を固定することができるように、様々な固定具が乗り物車両の座席にわたって全体的に延びることができる。
【0027】
図4は、高さアジャスタ120及びロック機構122を備えた乗り物ハーネス56の背面図を示す。本明細書で説明するように、乗り物ハーネス56は、高さアジャスタ120(例えば、ベルト、スライダ、テンショナ、弾性バンド)を介して来園客54の高さに合わせて調節することができる。高さアジャスタ120を裏側に配置することにより、高さアジャスタ120は、来園客54の手の届かないところにあり、来園客54がハーネス56を改竄することを防止することができる。更に、一実施形態では、ハーネス本体70は、裏側から開口して、来園客54が接続部100に到達するのを防止することができる。例えば、個人又は来園客54は、来園客54が腕孔から腕を伸ばすことができるように、乗り物ハーネス56を来園客54の胴体に持ってくることができる。個人は、乗り物ハーネス56を接続部100で来園客54に固定することができる。接続部100は、ジッパー、クリップ、ファスナ、カラビナ等を含むことができる。例えば、個人は、カラビナをクリップ及びロックすることにより、乗り物ハーネス56を来園客54に固定することができる。別の例では、個人は乗り物用ハーネス56の裏側に沿ってジッパーを締めることができる。このように、乗り物ハーネス56は、来園客54に適合するように調節可能で、及び来園客54に対して改竄防止の両方とすることができる。
【0028】
一実施形態において、接続部100及び/又は高さアジャスタ120に対して、追加のキーロック又はグローブロックオプションを追加することができる。例えば、接続部100は、カラビナを三重ロックするための鍵の挿入点(例えば、穴)を有するロックカラビナを含むことができる。別の実施例では、カラビナをロックするために手袋ロック機構を使用することができ、それにより、他の個人が乗り物ハーネス56を改竄するのを防止することができる。例えば、手袋は、ロックカラビナの挿入ポイントに適合する特別なキー又はポイントを含むことができる。一実施形態において、乗り物オペレータ又は個人は、接続部100をロックするために手袋を使用することができ、それにより、乗り物ハーネス56に対する改竄を防止することができる。更に、脚部拘束部80は、乗り物ハーネス56を来園客54に固定するための追加キーロック又は手袋ロック機構を含むことができる。追加のキーロックは、1つのキー(例えば、マスターキー)又は1つの手袋を使用して、乗り物ハーネス56の全ての接続部100のロックを解除できるように標準化されていてもよい。
【0029】
図5は、乗り物車両60の座席138に接続された乗り物ハーネス56の正面図を示す。乗り物用ハーネス56を装着した来園客54は、多数の利用可能な座席の中から乗り物車両60の座席138を選択することができる。乗り物車両60の様々な拘束部139は、来園客54を固定するための追加の拘束層を提供することができる。拘束部139は乗り物ハーネス56の上に載ることができ、これにより、来園客54が乗り物ハーネス56のロック機構に手が届くこと又は改竄するのを防止する。図5の例示の実施例では、乗り物車両60は、ハンドルバー142を有する肩拘束部140、臀部拘束部144、及びヘッドレスト146を含む。肩拘束部140及び臀部拘束部144は、これらが係合位置にあるとき(例えば、乗り物車両60内で乗客を固定する位置にあるとき)、乗り物ハーネス56の側面へのアクセスを遮断する。肩拘束部140は、垂直方向に動くことができ、来園客54の肩を固定するロック機構を含むことができる。肩拘束部140は、乗り物ハーネス56の肩バンド102の上に適合し、肩に軽い圧力を加えることができる。肩バンド102は、来園客54と肩拘束部140との間に障壁を提供し、それにより、来園客の肩からの圧力をある程度緩和することができる。肩拘束部140及び臀部拘束部144は、図示の実施形態では接続され、一緒に動く。しかしながら、他の実施形態では、複数の別個の拘束部を採用することができる。
【0030】
来園客54が乗り物車両60に着座した後、乗り物オペレータは、座席138が所望の向き(例えば、完全に直立した位置、経路に対して約90度)にあること、及び来園客54の後側が座席138に完全に接触していることを確認することができる。乗り物オペレータは、肩拘束部140をしっかりと引き下げ、来園客の体に優しく押し付けて、確実に密着させることができる。肩拘束部140は、乗り物ハーネス56の肩バンド102と接触し、来園客54の胴体を乗り物車両60に固定することができる。肩拘束部140内のロック機構が作動して、来園客54を乗り物車両60内に固定することができる。乗り物オペレータは、肩拘束部140を引き上げて、それが所定の位置にロックされていることを確認することができる。肩拘束部140は、乗り物58の間に来園客54がつかまるためのハンドルバー142を含むことができる。
【0031】
加えて又は代替的に、臀部拘束部144を、肩拘束部140と平行に来園客54の上に引っ張ることができる。例えば、臀部拘束部144を肩拘束部140に接続し、乗り物オペレータが臀部拘束部144を来園客54の膝の上に嵌めることができる。一旦所定の位置にはめ込むと、臀部拘束部144のロック機構が作動し、来園客54を座席138に固定することができる。乗り物オペレータは、ロック機構が確実に作動するように、臀部拘束部144を押し下げる又は引き上げることができる。一実施形態において、臀部拘束部144は、乗り物車両60のストラップに接続するバックルを含むことができる。このようにして、乗り物拘束システムは、来園客54に確実に適合することを容易にする複数のロック点を含むことができる。更に、臀部拘束部144は、来園客54の下肢の上方又は上に配置され、来園客54が脚部拘束部80を改竄するのを阻止することができる。例えば、臀部拘束部144は、臀部エリアに好適に配置され、これにより、来園客54が脚部拘束部80の固定機構に手を伸ばして改竄するのを防止することができる。別の例では、臀部拘束部144は、固定機構82の真上に配置され、固定機構82へのアクセスを遮断することができる。
【0032】
図示の実施形態では、ストラップ72はウェスト拘束部としても機能することができる。図2に関して説明したように、ストラップ72は、来園客54のトロスを横切って水平方向に延びることができ、ウェスト拘束部として機能することができる。乗り物オペレータは、ストラップ72を(キーロック76を介して)乗り物車両60に接続し、ストラップ72を引っ張って、乗り物ハーネス56を(ストラップ72を介して)乗り物車両60に確実に取り付けることができる。更に、乗り物車両60は、来園客の頭部の動きを制限することができるヘッドレスト146を含むことができる。このように、乗り物車両60の拘束部は、乗り物58の間、来園客54を拘束することができる。
【0033】
図6は、1又は2以上のブラケット150を介して乗り物ハーネス56に接続された乗り物車両60の側面図を示しており、任意のレセプタクル又は固定デバイスの代表的なものとすることができる。ブラケット150は、乗り物車両60の任意の座席に恒久的に又は半恒久的に取り付けることができる。ブラケット150は、ネジ、ワッシャ、ナット、ボルト等によって座席に固定される金属又はプラスチック部品であってもよい。乗り物車両60の座席138は、ハーネス56のキーロック74に解除可能に結合するために、座席138の両側に3つのブラケットを含むことができる。例えば、ブラケット150は、乗り物オペレータのアクセスを容易にし、来園客54による加速力の経験を制限するために、乗り物車両60の外側の座席及び/又は中列に設置することができる。接続ポイント(例えば、ブラケット150の位置)は、乗り物の仕様に応じて、乗り物から別の乗り物へと変わる可能性があるが、乗り物ハーネス56は、調節可能な構成要素により同じままである可能性がある。
【0034】
来園客54が乗り物車両60に着座すると、乗り物オペレータは、乗り物58のプラットフォームに向かって位置するインボードアタッチメントから開始することができる。乗り物オペレータは、乗り物ハーネス56の各キーロック76を乗り物車両60のブラケット150に解除可能に結合することができる。例えば、乗り物オペレータは、3つのキーロック76のそれぞれをそれぞれのブラケット150に挿入し、3つのキーロック76をロックすることができる。一実施形態において、乗り物オペレータは、キーロック76をトリプルロックするためにキー又は手袋を使用することができる。更に、乗り物オペレータは、ストラップアジャスタ74を使用して、ストラップ72の機能的な長さを調節し、来園客54を乗り物車両60に固定することができる。
【0035】
次に、オペレータは、乗り物58のプラットフォームから離れた位置にある船外アタッチメントを実行することができる。乗り物車両60がプラットフォームを離れる前に、乗り物オペレータは、来園客54が現在座っていない座席を含む各座席138の乗り物拘束システムを完全に閉じてチェックすることにより、安全チェックを行うことができる。一実施形態において、乗り物58の準備は、複数の乗り物オペレータが並行して乗り物ハーネス56を解除可能に接続することを含むことができる。このようにして、乗り物車両60がプラットフォームで費やす時間を制限することができ、他の技術と比較して、来園客54のスループットを乗り物58のために増加させることができる。
【0036】
本実施形態は、カスタマイズ、追加の固定、及び改善された機能性(例えば、改竄防止)を提供するため、従来の拘束部よりも優れている可能性がある。実際に、乗り物拘束システムは、特定のアトラクション用にカスタマイズされ、改竄防止され、及び乗り物ハーネスが来園客及び乗り物車両の両方に適切に取り付けられ得ることを確実にするためにオペレータが実行可能であり得る。本明細書に記載の乗り物拘束システムは、新規及び既存の乗り物システムの両方に設置することができる。乗り物拘束システムの設置は、乗り物ハーネスを確実に取り付けるために、1又は2以上のブラケットをネジ、ワッシャ、ナット、ボルト等で乗り物車両に固定することを含む。更に、多数のブラケットを追加又は除去することができ、ブラケットの配置は、乗り物の仕様に基づいて決定することができる。加えて又は代替的に、乗り物ハーネスは、アトラクション(例えば、乗り物)に合わせて設計又はカスタマイズすることができる。このように、乗り物拘束システムは、異なるタイプの来園客に対して乗り物システムへのより広いアクセシビリティを提供することができる。
【0037】
本発明の特定の特徴のみを本明細書で例示し説明してきたが、当業者であれば、多くの変更形態及び変形が想起されるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の技術的思想の範囲内にあるこのような修正形態及び変更全てを保護することを意図していることを理解すべきである。本明細書で提示され請求項に記載された手法は、本発明の技術分野を明らかに改善する実際的な性質の実質的な目的及び具体的な実施例に参照及び適用され、このため、抽象的、無形、又は真に理論的でもない。更に、本明細書の終わりに添付した何れかの請求項が「機能」を「実行」する手段」又は「機能」を「実行」するステップ」として指定された1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は、米国特許法第112条(f)に従って解釈されるものとする。しかしながら、任意の他の方法で指定された要素を含む何れかの請求項については、このような要素は、米国特許法第112条(f)に従って解釈されないものとする。
【符号の説明】
【0038】
50 アトラクションシステム
52 来園客エリア
56 来園客
58 ショーエフェクト
60 乗り物
62 車両
54 来園客
64 制御システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】