(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】方法、ユーザ機器、ネットワークノード
(51)【国際特許分類】
H04W 48/16 20090101AFI20240816BHJP
H04W 84/06 20090101ALI20240816BHJP
H04W 48/08 20090101ALI20240816BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20240816BHJP
H04W 36/04 20090101ALI20240816BHJP
【FI】
H04W48/16 110
H04W84/06
H04W48/08
H04W72/0453
H04W36/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504587
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 JP2022029257
(87)【国際公開番号】W WO2023013540
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】グロウ マキシム
(72)【発明者】
【氏名】チェン ユーファー
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA11
5K067AA43
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE61
5K067JJ01
5K067JJ11
5K067JJ39
(57)【要約】
本発明は、非地上ネットワーク部と地上ネットワーク部とを含む通信システムを提供する。前記非地上ネットワーク部にサービスを提供する基地局は、所定のエリアにサービスを提供する近傍周波数の少なくとも1つのグループを識別する情報を送信し、各グループは、前記地上ネットワークの少なくとも1つの周波数又はセルを含む。ユーザ機器(UE)は、情報を受信し、前記UEに関連する任意のグループ内の少なくとも1つの近傍セルを見つけるために、受信した情報によって識別される周波数をスキャンする。前記UEは、近傍周波数又は近傍セルのグループに関連する位置を識別する情報を受信してもよく、この場合、前記UEは、前記UEの位置に対応する周波数のみをスキャンする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非地上ネットワークのセルと地上ネットワークのセルとの間のモビリティのためにユーザ機器(UE)によって実行される方法であって、
近傍周波数の少なくとも1つのグループを識別する第1の情報を受信することを含み、前記少なくとも1つのグループの各グループは、地上ネットワークの少なくとも1つの周波数又はセルに対応し、
前記方法は、前記第1の情報によって示される前記少なくとも1つのグループから1つのグループ内の少なくとも1つの近傍セルを見つけるために、前記第1の情報によって識別される周波数をスキャンすることを含む、
方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのグループの各グループに関連する位置を識別する第2の情報の受信することと、
前記UEの位置及び前記第2の情報に基づいて、前記第1の情報によって識別される周波数をスキャンすることと、
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのグループの各グループについて少なくとも1つの潜在的な近傍セルを見つけるためにサーチを実行することと、
前記少なくとも1つの潜在的な近傍セル及び前記第1の情報によって使用される周波数に基づいて、前記1つのグループを決定することと、
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記各グループは、前記各グループに対応する近傍周波数がサービスを提供する所定のエリアをそれぞれ含み、
前記方法は、さらに、前記UEの現在位置を決定することを含み、
前記スキャンすることは、前記少なくとも1つの近傍セルを見つけるために、前記第1の情報によって識別され、前記UEの現在位置に対応するそれぞれの所定のエリアにサービスを提供している、周波数をスキャンすることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の情報は、システム情報ブロックの情報要素を介して送信される、
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
各所定のエリアについて少なくとも1つの潜在的な近傍セルを見つけるためにサーチを実行することと、
前記UEの現在位置に対応する各所定のエリアにサービスを提供する周波数をスキャンすることと、
をさらに含む請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記UEの現在位置に対応する少なくとも1つの所定のエリアに関連しない周波数をスキャンしないことをさらに含む、
請求項4から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
非地上ネットワークのセルと地上ネットワークのセルとの間のユーザ機器(UE)のモビリティをアシストするためにネットワークノードによって実行される方法であって、
近傍周波数の少なくとも1つのグループを識別する第1の情報を送信することを含み、前記少なくとも1つのグループの各グループは、地上ネットワークの少なくとも1つの周波数又はセルに対応し、前記情報は、前記第1の情報によって示される前記少なくとも1つのグループから1つのグループ内の少なくとも1つの近傍セルを見つけるために周波数をスキャンすることにおいて、前記UEによって使用されるように調整される、
方法。
【請求項9】
前記各グループは、前記各グループに対応する近傍周波数がサービスを提供する所定のエリアを含み、前記情報は、前記少なくとも1つの近傍セルを見つけるために、前記第1の情報によって識別され、前記UEの現在位置に対応するそれぞれの所定のエリアにサービスを提供している、周波数をスキャンすることにおいて、前記UEによって使用されるように調整される、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
非地上ネットワークのセルと地上ネットワークのセルとの間のモビリティを実行するように構成されたユーザ機器(UE)であって、
近傍周波数の少なくとも1つのグループを識別する第1の情報を受信する手段を具備し、前記少なくとも1つのグループの各グループは、地上ネットワークの少なくとも1つの周波数又はセルに対応し、
前記UEは、前記第1の情報によって示される前記少なくとも1つのグループから1つのグループ内の少なくとも1つの近傍セルを見つけるために、前記第1の情報によって識別される周波数をスキャンする手段を具備する、
UE。
【請求項11】
前記各グループは、前記各グループに対応する近傍周波数がサービスを提供する所定のエリアをそれぞれ含み、
前記UEは、さらに、前記UEの現在位置を決定する手段を具備し、
前記スキャンする手段は、前記少なくとも1つの近傍セルを見つけるために、前記第1の情報によって識別され、前記UEの現在位置に対応するそれぞれの所定のエリアにサービスを提供している、周波数をスキャンするように構成される、
請求項10に記載のUE。
【請求項12】
非地上ネットワークのセルと地上ネットワークのセルとの間のユーザ機器(UE)のモビリティをアシストするためのネットワークノードであって、
近傍周波数の少なくとも1つのグループを識別する第1の情報を送信する手段を具備し、前記少なくとも1つのグループの各グループは、地上ネットワークの少なくとも1つの周波数又はセルに対応し、前記情報は、前記第1の情報によって示される前記少なくとも1つのグループから1つのグループ内の少なくとも1つの近傍セルを見つけるために周波数をスキャンすることにおいて、前記UEによって使用されるように調整される、
ネットワークノード。
【請求項13】
各グループは、各グループに対応する近傍周波数がサービスを提供する所定のエリアを含み、前記情報は、前記少なくとも1つの近傍セルを見つけるために、前記第1の情報によって識別され、前記UEの現在位置に対応するそれぞれの所定のエリアにサービスを提供している、周波数をスキャンすることにおいて、前記UEによって使用されるように調整される、
請求項12に記載のネットワークノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project:3GPP(登録商標))規格又はそれと同等のもの若しくは派生物に従って動作する、無線通信システム及びその装置に関する。本開示は、これに限定されないが、特に、地上部分と空中又は宇宙ネットワークノード(airborne or spaceborne network nodes)を含む非地上部分(non-terrestrial portion)とを採用する、いわゆる「5G」(又は「次世代」)システムにおける、モビリティ管理の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPPの規格では、NodeB(又はLTEの「eNB」、5Gの「gNB」)は、基地局であり、この基地局を介して、通信デバイスがコアネットワークに接続し、他の通信デバイス又はリモートサーバと通信する。エンドユーザ通信デバイスは、一般に、ユーザ機器(User Equipment:UE)と呼ばれ、人によって操作されるか、又は、自動化されたデバイスを含む。そのような通信デバイスは、例えば、携帯電話、スマートフォン、スマートウオッチ、携帯情報端末、ラップトップ/タブレットコンピュータ、ウェブブラウザ、電子書籍リーダ、接続された車両、及び/又は類似のもの等のモバイル通信デバイスであってもよい。このようなモバイルデバイス(又は一般的に固定デバイス)は、典型的にはユーザによって操作される(そのため、ユーザ機器「UE」と称されることが多い。)が、物のインターネット(Internet of Things:IoT)デバイス及び類似のマシンタイプ通信(Machine Type Communication:MTC)デバイスをネットワークに接続することも可能である。単純化のために、本出願では、基地局という用語を使用してこのような基地局を参照し、モバイルデバイス又はUEという用語を使用してこのような通信デバイスを参照する。
【0003】
3GPP規格の最新の成果は、いわゆる「5G」又は「新無線」(New Radio:NR)規格であり、これらは、進化する通信技術を参照する。この進化する通信技術は、MTC、IoT通信/産業IoT(Industrial Internet of Things:IIoT)通信、車両通信及び自動運転車(vehicular communications and autonomous cars)、高解像度ビデオストリーミング(high resolution video streaming)、スマートシティサービス等のような、様々なアプリケーション及びサービスをサポートすることが期待される。3GPPは、いわゆる3GPP次世代(NextGen)無線アクセスネットワーク(RAN)及び3GPP次世代コア(3GPP NextGen core:3GPP NGC)ネットワークによって、5Gをサポートしようとしている。5Gネットワークの様々な詳細は、例えば非特許文献1に記載されている。
【0004】
3GPPはまた、4G及び5Gにおいて、統合された衛星及び地上ネットワーク(TN)インフラストラクチャ(integrated satellite and terrestrial network infrastructure)を規定することに取り組んでいる。非地上ネットワーク(Non-terrestrial networks:NTN)という用語は、伝送のために空中飛行体又は宇宙飛行体(airborne or spaceborne vehicle)を使用する、ネットワーク又はネットワークのセグメントを指す。衛星は、静止地球軌道(GEO:Geostationary Earth Orbit)における、又は、低地球軌道(Low Earth Orbits:LEO)、中地球軌道(Medium Earth Orbits:MEO)、若しくは、高度楕円軌道(Highly Elliptical Orbits:HEO)のような非静止地球軌道(Non-Geostationary Earth Orbit:NGEO)における、宇宙飛行体を指す。空中飛行体は、無人航空機システム(Unmanned Aircraft Systems:UAS)を含む高高度プラットフォーム(High Altitude Platforms:HAP)を指す。この無人航空機システムには、係留されたUAS(tethered UAS)、軽UAS(Lighter than Air UAS)、重UAS(Heavier than Air UAS)が含まれ、これらはすべて、通常8kmから50kmの高度にて準静止状態で動作している。
【0005】
非特許文献2は、このような非地上ネットワークをサポートするための新無線に関する研究である。この研究は、特に、NTN配置シナリオ及び関連するシステムパラメータ(アーキテクチャ、高度、軌道など)、並びに、非地上ネットワークのための3GPPチャネルモデル(伝播条件(propagation conditions)、モビリティ(mobility)など)の適応の記述を含む。非特許文献3は、NTNに関する更なる詳細を提供する。
【0006】
非地上ネットワークは、次のことが期待される。
- 地上ネットワーク(terrestrial networks)の性能を向上させるために、サービスが提供されていない地域や十分にサービスが提供されていない地域での、5Gサービスの展開を促進するのに役立つこと。
- ユーザ機器又は移動プラットフォーム(例えば、旅客車両‐航空機、船舶、高速列車、バス(passenger vehicles-aircraft, ships, high speed trains, buses))のサービス継続性を提供して、サービスの信頼性を強化すること。
- 特に重要な通信、将来の鉄道/海上/航空通信のために、あらゆる場所でサービスの可用性(availability)を高めること。
- ネットワークエッジに向けて又はユーザ機器に直接的にデータを配信するための、効率的なマルチキャスト/ブロードキャストリソースの提供を通じて、5Gネットワークのスケーラビリティを実現すること。
【0007】
NTNアクセスは、通常、(特に)次の要素を特徴とする。
- NTN端末 :3GPP UE、又は、衛星が直接3GPP UEにサービスを提供しない場合には衛星システムに固有の端末を指すことがある。
- ユーザ機器と宇宙/空中プラットフォームと間の無線リンクを指す、サービスリンク(地上ベースのRANとの無線リンクに追加される場合がある)。
- 宇宙プラットフォームまたは空中プラットフォーム。
- 衛星又は空中アクセスネットワーク(satellite or aerial access network)をコアネットワークに接続するゲートウェイ(「NTNゲートウェイ」)。ゲートウェイは、ほとんどの場合、基地局と同じ場所に配置される。
- ゲートウェイと宇宙/空中プラットフォームとの間の無線リンクを参照するフィーダリンク(Feeder links)。
【0008】
衛星又は航空機は、それぞれのNTNセルを提供するために、所定の領域上に複数のビームを生成することができる。ビームは、地球の表面に典型的な楕円形のフットプリントを有する。
【0009】
3GPPは、次の3種類のNTNビーム又はセルをサポートする予定である。
- 常に同じ地理的領域をカバーするビームを特徴とする、地球固定セル(Earth-fixed cells)(例えば、GEO衛星及びHAPS)。
- ある地理的領域を有限期間カバーし且つ別の期間に異なる地理的領域をカバーするビームを特徴とする、準地球固定セル(quasi-Earth-fixed cells)(例えば、ステアリング可能なビームを生成するNGEO衛星(NGEO satellites generating steerable beams))。
- ある瞬間に1つの地理的領域をカバーし且つ別の瞬間に別の地理的領域をカバーするビームを特徴とする、地球移動セル(Earth-moving cells)(例えば、固定ビーム又はステアリング不能なビームを生成するNGEO衛星(NGEO satellites generating fixed or non-steerable beams))。
【0010】
衛星または航空機が、例えばGEO及びUASのように、所与の地球点に対して高度/方位角に関して位置を固定している場合、ビームフットプリントは、地球固定である。衛星が地球の周りを円運動している場合(例えば、LEO)、又は、地球の周りの楕円軌道上にある場合(例えば、HEO)、ビームフットプリントは、衛星または航空機の軌道上の動きとともに、地球上を移動している可能性がある。又は、ビームフットプリントは、一時的に地球固定(又は準地球固定)であってもよい。この場合、衛星又は航空機の動きを補填するために、適切なビームポインティングメカニズム(機械的又は電子的なステアリング)が用いられてもよい。
【0011】
LEO衛星は、ステアリング可能なビームを持っていてもよく、この場合、ビームが一時的に地球上の実質的に固定されたフットプリントに向けられる。言い換えると、(NTNセルを表す)ビームのフットプリントは、(衛星の軌道上の移動に起因して)別のNTNセルに焦点領域を変更する前に、一定時間地上で静止している。このことは、セルカバレッジ/UEの観点から、個別の間隔で定期的に発生するセルの変更を引き起こす。これは、これらのビームが同じ陸地領域にサービスを提供する(同じフットプリントを持つ)場合でも、異なる物理セルID(Physical Cell Identities:PCIs)及び/又は同期信号/物理ブロードキャストチャネル(Physical Broadcast Channel:PBCH)ブロック(SSB)がサービスリンクの変更ごとに割り当てられる必要があるためである。ステアリング可能なビームを持たないLEO衛星では、衛星が軌道に沿って移動すると、ビーム(セル)が地面上を常に掃引運動(sweeping motion)で移動し、ステアリング可能なビームの場合と同様に、サービスリンクの変更及びその結果としてのセルの変更が、個別の間隔で定期的に発生する。サービスリンクの変更と同様に、フィーダリンクの変更も、衛星が軌道上で移動するために定期的に発生する。サービスの変更及びフィーダリンクの変更の両方は、異なる複数の基地局/複数のゲートウェイの間で(「gNB間無線リンクスイッチ」と呼ばれることがある)実行されてもよいし、又は、同じ基地局/ゲートウェイ内で(「gNB内無線リンクスイッチ」)実行されてもよい。
【0012】
モビリティ手順では、(各基地局が保持する)近傍セル情報(neighbour cell information)は、この情報がUEのセル選択及びセル間のハンドオーバを支援することができるため、重要な役割を果たす。近傍情報はまた、どのセルがUEに適しているかを示すことによって、例えば、(周波数内モビリティ(intra-frequency mobility)のために)許可された/ブロックされたセルのPCIを示すことによって、及び、(周波数間モビリティ( inter-frequency mobility)のために)UEがスキャンする必要がある周波数を示すことによって、電力消費を最小限に抑えるために用いられ得る。セル選択プロセスを迅速化するために、いくつかの無線アクセス技術のために格納された情報は、(利用可能な場合)UEによって用いられ得る。
【0013】
非特許文献3はまた、地上ネットワークと非地上ネットワークとの間の(又は、ネットワーク部分間の)アイドルモードモビリティ(idle mode mobility)、言い換えれば、基地局によって運用されるセルと衛星によって運用されるセルとの間の再選択についても、議論する。この概念は、TN-NTNアイドルモードモビリティと呼ばれ、UE電力消費を最小化する、サービス継続性及びモビリティメカニズムを提供することを目的としている。
【0014】
LEO衛星は予測可能な経路で移動しているため、その近傍セルリストも、予測可能である。近傍セルリストは、現在NRで行われているように、ブロードキャストシステム情報を介して、UEに提供され得る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】‘NGMN 5G White Paper’ V1.0, Next Generation Mobile Networks (NGMN) Alliance, <https://www.ngmn.org/5g-white-paper.html>
【非特許文献2】3GPP TR 38.811 V15.4.0
【非特許文献3】3GPP TR 38.821 V16.1.0
【非特許文献4】3GPP TS 38.300 V16.6.0
【非特許文献5】3GPP TS 37.340 V16.6.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、ネットワークの地上部分の観点から、基地局が使用する近傍セルリストをNTN近傍セルも考慮するように適応させるには、いくつかの課題がある。より詳細には、衛星が地球の周りを移動する際の、複数の近傍セルにおける(予測可能ではあるが)速い変化は、動的な近傍情報を保存することを必要とする。さらに、NTNセルも含まれる場合、近傍セル関係は、非常に大きなエリアをカバーするように、スケールされる必要がある。例えば、LEO衛星の場合、ビームフットプリントは、100km以上であり、(1kmはマクロセルとみなされるため)ほとんどの地上ネットワークセルよりもはるかに大きく、GEOセルの場合、ビームフットプリントは、3500kmにもなる。
【0017】
一般に、隣接する複数のNTNセルは、同等のセル半径を持ち、これらの隣接セルの数は、従来のTN/TNシナリオと同様である。しかしながら、それらの小さいサイズのために、NTNセルについてより多くのTN隣接セルがあり、このTN隣接セルは、(
図5に示すように)NTNセルのカバレッジ内のTNセルだけでなく、NTNセル端における従来の隣接TNセルを含む。
【0018】
NTNセルを介してUEにサービングすることに関連する問題は、(NTNセルが多くのTN隣接セルを有する場合)(数百kmの)そのカバレッジ内のすべてのUEのセル選択プロセスを効果的に促進することができる、隣接セルの小さなセットが存在しないことであり、その結果、電力消費が増加し、UEのための適切なセルを見つけるための著しい遅延が生じる可能性がある。NTNセルは、i)それらのほとんどが各UEに関連しない場合でも、利用可能なすべての隣接周波数を提供すること(DLシグナリングのオーバーヘッドが大きく、UE EEが不良である)、又は、ii)すべての可能な周波数をスキャンするUEにつながるスキャンのための特定の隣接周波数を提供しないこと(DLシグナリングのオーバーヘッドがなく、UE EEが非常に不良である)のいずれかが必要である。さらに、TNカバレッジのない無人エリアのUEは、利用可能なTN隣接セルがないことを認識せず、そのエリアで適切なセルを見つけることなく、可能なすべての周波数を繰り返しスキャンする。
【0019】
したがって、本開示は、上記の問題(の少なくともいくつか)に対処するか又は上記の問題(の少なくともいくつか)を少なくとも軽減する、方法および関連装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
一態様において、本開示は、非地上ネットワークのセルと地上ネットワークのセルとの間のモビリティのためにユーザ機器(UE)によって実行される方法を提供し、前記方法は、所定のエリアにサービスを提供する近傍周波数の少なくとも1つのグループを識別する情報を受信することを含み、各グループは、前記地上ネットワークの少なくとも1つの周波数又はセルを含み、前記方法は、UEに関連する任意のグループ内の少なくとも1つの近郷セルを見つけるために、前記受信された情報によって識別される周波数をスキャンすることを含む。
【0021】
一態様において、本開示は、非地上ネットワークのセルと地上ネットワークのセルとの間のモビリティのためにユーザ機器(UE)によって実行される方法を提供し、前記方法は、i)所定のエリア及び前記地上ネットワークの少なくとも1つのセルを介して前記所定のエリアにサービスを提供する任意の近傍周波数を識別する情報を受信することと、前記UEの現在位置を決定することと、前記UEの現在位置及び前記受信された情報に基づいて、少なくとも1つの近傍セルを見つけるために、前記所定のエリアにサービスを提供する周波数をスキャンすることとを含む。
【0022】
一態様において、本開示は、非地上ネットワークのセルと地上ネットワークのセルとの間のユーザ機器(UE)のモビリティをアシストするためにネットワークノードによって実行される方法を提供し、前記方法は、所定のエリアにサービスを提供する近傍周波数の少なくとも1つのグループを識別する情報を送信することを含み、各グループは、前記地上ネットワークの少なくとも1つの周波数又はセルを含み、前記情報は、前記UEに関連する任意のグループ内の少なくとも1つの近傍セルを見つけるために周波数をスキャンする際に前記UEによって使用されるように、調整される。
【0023】
一態様において、本開示は、非地上ネットワークのセルと地上ネットワークのセルとの間のユーザ機器(UE)のモビリティをアシストするためにネットワークノードによって実行される方法を提供し、前記方法は、所定のエリア及び地上ネットワークの少なくとも1つのセルを介して前記所定のエリアにサービスを提供する近傍周波数を識別する情報を送信することを含み、前記情報は、前記UEの現在位置に基づいて、少なくとも1つの近傍セルを見つけるために、前記所定のエリアにサービスを提供する周波数をスキャンする際に前記UEによって使用されるように、調整される。
【0024】
一態様において、本開示は、非地上ネットワークのセルと地上ネットワークのセルとの間のモビリティを実行するように構成されたユーザ機器(UE)を提供し、前記UEは、所定のエリアにサービスを提供する近傍周波数の少なくとも1つのグループを識別する情報を受信する手段(例えば、命令を記憶するメモリ、プロセッサ及びトランシーバ)を含み、各グループは、前記地上ネットワークの少なくとも1つの周波数又はセルを含み、前記UEは、前記UEに関連する任意のグループ内の少なくとも1つの近傍セルを見つけるために、前記受信された情報によって識別される周波数をスキャン手段(例えば、命令を記憶するメモリ、プロセッサ及びトランシーバ)を含む。
【0025】
一態様において、本開示は、非地上ネットワークのセルと地上ネットワークのセルとの間のモビリティを実行するように構成されたユーザ機器(UE)を提供し、前記UEは、所定のエリア及び前記地上ネットワークの少なくとも1つのセルを介して前記所定のエリアにサービスを提供する任意の近傍周波数を識別する情報を受信する手段(例えば、命令を記憶するメモリ、プロセッサ及びトランシーバ)と、前記UEの現在位置を決定する手段(例えば、命令を記憶するメモリおよびプロセッサ)と、前記UEの現在位置及び前記受信された情報に基づいて、少なくとも1つの近傍セルを見つけるために、前記所定のエリアにサービスを提供する周波数をスキャンする手段(例えば、命令を記憶するメモリ、プロセッサ及びトランシーバ)を含む。
【0026】
一態様において、本開示は、非地上ネットワークのセルと地上ネットワークのセルとの間のユーザ機器(UE)のモビリティをアシストするためのネットワークノードを提供し、前記ネットワークノードは、所定のエリアにサービスを提供する近傍周波数の少なくとも1つのグループを識別する情報を送信する手段(例えば、命令を記憶するメモリ、プロセッサ及びトランシーバ)を含み、各グループは、前記地上ネットワークの少なくとも1つの周波数又はセルを含み、前記情報は、前記UEに関連する任意のグループ内の少なくとも1つの近傍セルを見つけるために周波数をスキャンする際に前記UEによって使用されるように、調整される。
【0027】
一態様において、本開示は、非地上ネットワークのセルと地上ネットワークのセルとの間のユーザ機器(UE)のモビリティをアシストするためのネットワークノードを提供し、前記ネットワークノードは、所定のエリア及び地上ネットワークの少なくとも1つのセルを介して前記所定のエリアにサービスを提供する近傍周波数を識別する情報を送信する手段(例えば、命令を記憶するメモリ、プロセッサ及びトランシーバ)を含み、前記情報は、前記UEの現在位置に基づいて、少なくとも1つの近傍セルを見つけるために、前記所定のエリアにサービスを提供する周波数をスキャンする際に前記UEによって使用されるように、調整される。
【0028】
当業者の理解を効率化するために、本開示は3GPPシステム(NTNを含む5Gネットワーク)の文脈で詳細に説明されるが、本開示の原理は他のシステムにも適用され得る。
【0029】
本開示の態様は、対応するシステム、装置、及び、命令を保持するコンピュータ可読記憶媒体のようなコンピュータプログラム製品にまで及び、該命令は、上記の態様及び可能性に記載されているか又はクレームに記載されている方法を実行するように、プログラム可能なプロセッサをプログラムすることができ、及び/又は、クレームのいずれかに記載されている装置を提供するように、適切に適合したコンピュータをプログラムすることができる。
【0030】
本明細書(この用語はクレームを含む)に開示されている及び/又は図面に示されている、各特徴は、他の開示されている及び/又は図示されている特徴から独立して(又は、他の開示されている及び/又は図示されている特徴と組み合わされて)、本開示に組み込まれてもよい。特に限定されないが、特定の独立クレームに従属するクレームのいずれかの特徴は、任意の組み合わせで又は個別に独立クレームに導入されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本開示の実施形態について、添付図面を参照して、例として説明する。
【
図1】本開示の実施形態を適用することができるモバイル(セルラ又はワイヤレス)電気通信システムを概略的に示す図である。
【
図2】
図1に示したシステムの一部を構成するモバイルデバイスの概略ブロック図である。
【
図3】
図1に示したシステムの一部を構成するNTNノード(例えば、衛星//UASプラットフォーム)の概略ブロック図である。
【
図4】
図1に示すシステムの一部を構成するアクセスネットワークノード(例えば基地局)の概略ブロック図である。
【
図5】本開示が適用される例示的なシナリオを模式的に示す図である。
【
図6】本開示が適用される例示的なシナリオを模式的に示す図である。
【
図7】
図1に示したシステムでNTNの特徴を提供するためのいくつかの例示的なアーキテクチャオプションを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
概要
図1は、本開示の実施形態を適用することができるモバイル(セルラ又はワイヤレス)電気通信システム1を概略的に示す。
【0033】
このシステム1では、モバイルデバイス3(UE)のユーザは、適切な3GPP無線アクセス技術(radio access technology:RAT)、例えば進化した全地球無線アクセス(Evolved Universal Terrestrial Radio Access:E-UTRA)及び/又は5G RATを使用して、アクセスネットワークノードである衛星5及び/又は基地局6とデータネットワーク7とを介して、相互に及び他のユーザと通信することができる。当業者が理解するように、
図1には、説明のために3つのモバイルデバイス(UE)3、1つの衛星5及び1つの基地局6が示されているが、システムが実装される場合、通常、他の衛星/UASプラットフォーム、基地局/RANノード、及び、モバイルデバイス(UE)を含む。
【0034】
複数の基地局6が(無線)アクセスネットワーク又は(R)ANを形成し、複数のNTNノード5(衛星及び/又はUASプラットフォーム)が非地上ネットワーク(NTN)を形成することが理解されるであろう。各NTNノード5は、いわゆるフィーダリンクを使用して適切なゲートウェイ(この場合、基地局6Cと共存する)に接続され、対応するサービスリンクを介して各UE3に接続される。これにより、NTNノード5がサービスを提供する場合、モバイルデバイス3は、(モバイルデバイス3とNTNノード5との間の)適切なサービスリンク及び(NTNノード5とゲートウェイ/基地局6との間の)フィーダリンクを使用して、NTNノード5を介して基地局6との間でデータを通信する。言い換えれば、NTNは、E-UTRA(又は、「4G」)及び/又は新無線(又は、「5G」)通信サービスとは独立して衛星通信サービスを提供することもできるが、(R)ANの一部を形成する。
【0035】
図1では示されていないが、隣接する複数の基地局6は、(いわゆる「X2」インタフェース、「Xn」インタフェース等の)適切な基地局間インタフェースを介して相互に接続されている。また、基地局6は、(いわゆる「S1」、「NG-C」、「NG-U」インタフェース等の)適切なインタフェースを介して複数のデータネットワークノードに接続されている。
【0036】
データネットワーク(又はコアネットワーク)7(LTEの場合はEPC、NR/5Gの場合はNGC)は、通常、電気通信システム1における通信をサポートするための、及び、加入者管理、モビリティ管理、課金、セキュリティ、コール/セッション管理などのための、論理ノード(又は「機能」)を含む。例えば、「次世代(Next Generation)」/5Gシステムのデータネットワーク7は、1つ以上のコントロールプレーン機能(Control Plane Functions:CPFs)及び1つ以上のユーザプレーン機能(User Plane Functions:UPFs)などの、ユーザプレーンエンティティ及びコントロールプレーンエンティティを含む。5Gにおけるいわゆるアクセス及びモビリティ管理機能(Access and Mobility Management Function:AMF)又は4Gにおけるモビリティ管理エンティティ(Mobility Management Entity:MME)は、モバイルデバイス3の接続及びモビリティ管理タスク(connection and mobility management tasks)を処理する。データネットワーク7は、(
図1に示されていない)インターネット又は同様のインターネットプロトコル(IP)ベースのネットワークのような、他のデータネットワークにも結合される。
【0037】
各NTNノード5は、複数の指向性ビーム(directional beams)を制御し、これらの指向性ビームを介して、関連する複数のNTNセルが提供され得る。具体的には、各ビームは、NTNセルに対応する、地球表面上の関連するフットプリントを有する。各NTNセル(ビーム)は、関連する物理セルアイデンティティ(PCI)及び/又はビームアイデンティティ、及び、(「キャリア周波数」とも呼ばれる)周波数を有する。ビームフットプリントは、NTNノード5が軌道に沿って移動するにつれて、移動している可能性がある。あるいは、ビームフットプリントは、地球固定であってもよく、その場合には、適切なビームポインティングメカニズム(機械的又は電子的ステアリング)を使用して、NTNノード5の移動を補償することができる。
【0038】
各セルは、セルをグローバルに識別するための、関連する「NRセルグローバル識別子」(NCGI:NR Cell Global Identifier)を有する。NCGIは、セルが属する公衆陸上移動体ネットワーク(Public Land Mobile Network:PLMN)アイデンティティ(PLMN Identity:PLMN ID)、及び、セルのNRセルアイデンティティ(NR Cell Identity:NCI)から、構築される。NCGIに含まれるPLMN IDは、システム情報ブロックタイプ1(System Information Block type 1:SIB1)のNRセルアイデンティティに関連付けられたPLMN IDのセット内の第1のPLMN IDである。「gNB識別子」(gNB ID)は、PLMN内の特定のgNBを識別するために使用される。gNB IDは、そのセルのNCI内に含まれる。「グローバルgNB ID」は、gNBをグローバルに識別するために使用され、gNBが属するPLMNアイデンティティとgNB IDとから、構成される。モバイル国コード(Mobile Country Code:MCC)及びモバイルネットワークコード(Mobile Network Code:MNC)は、NCGIに含まれるものと同じである。
【0039】
地上ネットワーク部を介してサービスが提供されるUE3は、TNセル(基地局6)を介してデータの送受信が可能であり、非地上ネットワーク部を介してサービスが提供されるUE3は、NTNノード5(衛星)のビームの1つを使用して、NTNセルを介してデータの送受信が可能である。UE3は、(TNセルまたはNTNセルを介して)最初に基地局6と RRC接続を確立する場合、適切なAMF9(又は、MME)に登録する。UE3はいわゆるRRC接続状態(RRC connected state)にあり、関連するUEコンテキストはネットワークによって維持される。
【0040】
時間の経過とともに、UE3の移動及び/又はサービングNTNノード5の移動により、UE3は、適切な移動手順を用いて、セル間(及び/又は、ビーム間)を移動する。これを行うために、基地局6は、UE3に、適切な構成データ及び/又は支援情報を提供し、UE3は、それに基づいて、どのセル/ビームを(通信又はキャンピングのために)使用するか、及び、どの近傍セルが潜在的なターゲットセルとしてUE3について利用可能かを決定することができる。近傍セルは、関連するPCI及び/又は周波数に基づいて、識別され得る。
【0041】
UEハンドオーバ及びセル再選択を支援するために、各基地局6は、その基地局6によって管理される各セルの関連する近傍セル関連テーブル(又は、近傍セル関連データベース)を維持する。近傍セル関連テーブルは、与えられたセルのすべての既知の近傍セルをリストする(ただし、この情報は、ここでは説明しない既知のメカニズムを使用して更新されてもよい)。このシステムでは、近傍セルは、TNセル及びNTNセルを含んでもよい。
【0042】
図5は、水域によって隔てられた2つの陸域(「陸域A」と「陸域B」と表示される)上のTNセルの典型的な分布と、両方の陸域に部分的なカバレッジを提供し、それらの陸域の外にもある程度のカバレッジを提供する、NTNセルとを模式的に示す。見られるように、この場合、各TNセルは、比較的少数の近傍セル(つまり、そのセルを囲む複数のTNセルと1つのNTNセル)を有する。しかし、NTNセルのカバレッジが陸域A及び陸域Bの両方において多くのTNセルとオーバラップするため、NTNセルは、比較的多数の近傍セルを有する。NTNセルはまた、
図5に示されていない複数の他のNTNセルを近傍セルとして有していてもよい。NTNセルは堅牢なカバレッジを提供することができるが、UE3は、近接しているときはいつでも、より小さなセル(ここではTNセル)に接続したいことが理解されるであろう。
【0043】
図5はまた、「UE1」から「UE3」で示されるモバイルデバイスの例を使用して、3つのNTN/TNモビリティシナリオを示している。これらのシナリオでは、衛星セルフットプリント(NTNセル)のサイズのために、NTNセルのほとんどの近傍セルは、与えられたUEとは無関係である。
【0044】
たとえば、UE1は、TNセルカバレッジのないゾーン(例えば海上)を移動しており、陸域Bの岸にある少数のセルにのみ関心がある。UE2は、低いカバレッジの地理的に限られたエリア(例えば山)に位置しており、陸域Aのいくつかの町の近くにしかない可能性があり、これらの町にサービスを提供しているいくつかのTNセルの見通し(line-of-signt)がある可能性がある。UE3は、2つの陸域の間にあり、このUE3の近くにはTNセルがなく、見通しもない。したがって、UE3は、現在、(事実上、適切な近傍セルがない)NTNのみのエリアに存在する。
【0045】
各UE3が、特定のUE3に関連しないものを含め、すべての利用可能な近傍周波数(又は、すべての可能な周波数)をスキャンする必要がないようにするために、このネットワークの複数のノードは、共通エリアを提供する複数の周波数/セルをグループ化し、そのセルサーチを1つ以上の特定の周波数グループ(つまり、それらの周波数に関連するセル)に制限するように、UE3を構成する。NTNセルのカバレッジ全体にわたって特定の地理的エリアにTNセルの複数の異なるグループを持つことによって、UE3は設定されたグループ内のTNセルによって使用される周波数にスキャンを制限できるため、UE3は、近傍セルのスキャンに費やされる時間及びエネルギーの量を制限できる。いずれにしても、各UE3は、他のグループに位置する他のほとんどの近隣TNセルから、カバレッジを外れている可能性がある。
【0046】
セルの可能なグループ化が
図6に示されている。見てわかるように、陸域A上に4つのセルグループ(グループ1-4)があり、陸域B上にさらに2つのセルグループ(グループ5,6)がある。セルのグルーピングは、(
図6に示されていない)関連付けられたゲートウェイ/基地局6によって維持され得る、NTNセルの近傍セル関連テーブルに記録され得る。
【0047】
セルのグループ化は、次のいずれかのオプション(又は、オプションの組み合わせ)を使用して実現できる。
オプション1:単純なブラインドグループ化(Simple blind grouping)。この場合、グループを形成する隣接セルの周波数は、特定の順序又は共通のプロパティなしで、UE3に通知される。この場合、基地局6(NTNノード5)は、グループごとに、すべてのセル又は周波数を識別する情報を、ブロードキャストする(これはオンデマンドである場合がある)ように構成される。換言すれば、各基地局6(NTNノード5)は、単にすべての近傍セル又は近傍周波数を識別する情報をブロードキャストするのではなく、(もしあれば)近傍セル又は近傍周波数が属するグループを識別する情報をブロードキャストするように、構成される。そのグルーピングは、1つ以上の適切にフォーマットされた情報要素(例えば、近傍グループごとのセル/周波数のリスト)を使用して、示され得る。基地局6(NTNノード5)は、特定のUE3に対して特定のグループを示す必要はないことが理解されるであろう。UE3は、与えられた周波数においてセルを正常に見つけるとすぐに、このセル/周波数がどのグループに属しているかが分かり、このグループ内の他のセル/周波数をスキャンすることができる。一方、基地局6(NTNノード5)がどのグループを使用するかをUE3に指示した場合、UE3は、設定されたグループ内の周波数/セルをスキャンする。したがって、UE3は、そのサービングセル(例えば、NTNセル)のすべての近傍セル/周波数のサブセットをスキャンするように構成され得、このサブセットは、セルのグルーピングを識別することによって、UE3に指示され得る。
【0048】
オプション2:関連する位置でのグループ化(Grouping with an associated location)。この場合、近傍セル(周波数)は、(例えば、事前に定義されたゾーン内の)関連する位置に基づいて、グループ化される。この場合、基地局6(NTNノード5)は、オプション1と同様に、周波数をグループ化するように構成されるが、各グループに関連付けられた位置(又は、エリア)を識別する情報も含まれる。このように、基地局6(NTNノード5)は、グループごとの全セル又は周波数を識別する情報をブロードキャストすることに加えて、各グループの位置に関する情報を、(例えば、1つ以上の適切にフォーマットされた情報要素を用いて)UEに送信するように構成される。UE3は、自身の位置を認識していれば、基地局6/NTNノード5から取得した位置情報に基づいて、周波数/セルの1つ又は複数のグループを選択できる。この場合、UE3がTNセルのないエリア/ゾーンに位置している場合(つまり、そのエリア/ゾーンにグループが割り当てられていない場合)、UE3は、セル/周波数をスキャンする必要がないと判断できる。
【0049】
有益なことに、上記のアプローチを使用すると、NTNセルは、不要なダウンリンクシグナリングオーバーヘッドなしで、そのUEに関連しない周波数/セルをスキャンするためにUEリソースを無駄にすることなく、各UEに適切な近隣周波数を示すことができる。オプション2の場合、TNカバレッジのない無人地域のUEは、その地域に適切なセルがないことを決定できるため、可能なすべての周波数を繰り返しスキャンする必要がない。
【0050】
ユーザ機器(UE)
図2は、
図1に示したモバイルデバイス(UE)3の主な構成を示すブロック図である。図示されるように、UE3は、一つ以上のアンテナ33を介して接続されたノードとの間で、信号を送受信するように動作可能なトランシーバ回路31を含む。
図2に必ずしも示されていないが、UE3はもちろん、従来のモバイルデバイスのすべての通常の機能(ユーザインタフェース35及び汎用加入者識別モジュール(Universal Subscriber Identity Module:USIM)36等)を有し、これらは、必要に応じて、ハードウェア、ソフトウェア、及び、ファームウェアの任意の一つ又は任意の組み合わせによって提供され得る。コントローラ37は、メモリ39に格納されたソフトウェアに従ってUE3の動作を制御する。ソフトウェアは、メモリ39に予めインストールされていてもよいし、及び/又は、通信ネットワーク1を介してダウンロードされていてもよいし、例えばリムーバブルデータストレージデバイス(removable data storage device:RMD)からダウンロードされていてもよい。ソフトウェアは、とりわけ、オペレーティングシステム41と、通信制御モジュール43と、測位モジュール45(いくつかのUEではオプションである)とを含む。
【0051】
通信制御モジュール43は、UE3と他のノード(NTNノード5、(R)ANノード6、およびコアネットワークノードを含む)との間のシグナリングメッセージ及びアップリンク/ダウンリンクデータパケットの処理(生成/送信/受信)を担当する。
図2には示されていないが、通信制御モジュール43は、とりわけPHYレイヤ、MACレイヤ、及びRRCレイヤのための適切なサブモジュールを有する。そのシグナリングは、セルのグループ化及び関連する支援情報の提供に関する制御シグナリング(ブロードキャストシグナリング/RRCシグナリングなど)を含んでもよい。
【0052】
存在する場合、測位モジュール45は、例えば全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System:GNSS)信号に基づいて、UE3の位置を決定する責任を負う。
【0053】
NTNノード(衛星/UASプラットフォーム)
図3は、
図1に示したNTNノード5(衛星又はUASプラットフォーム)の主な構成を示すブロック図である。図に示すように、NTNノード5は、トランシーバ回路51を含み、このトランシーバ回路51は、接続されたUE(s)3との間で1つ又は複数のアンテナ53を介して信号を送受信し、ゲートウェイや基地局などの他のネットワークノードとの間で(直接または間接的に)信号を送受信するように動作可能である。コントローラ57は、メモリ59に格納されたソフトウェアに従って、NTNノード5の動作を制御する。ソフトウェアは、メモリ59に予めインストールされていてもよいし、通信ネットワーク1を介してダウンロードされていてもよいし、例えばリムーバブルデータストレージデバイス(RMD)からダウンロードされていてもよい。このソフトウェアは、とりわけ、オペレーティングシステム61と、通信制御モジュール63とを含む。
【0054】
通信制御モジュール63は、アクセスネットワークノード6/NTNノード5と他のノード(UE 3、基地局6、ゲートウェイ、及び、コアネットワークノードなど)との間の(基地局/ゲートウェイを介した)シグナリングの処理(生成/送信/受信/中継)を担当する。そのシグナリングは、セルグルーピング及び関連する支援情報の提供に関する制御シグナリング(ブロードキャストシグナリング/RRCシグナリングなど)を含んでもよい。
【0055】
基地局/ゲートウェイ(アクセスネットワークノード)
図4は、
図1に示したゲートウェイ6(基地局(gNB)又は同様のアクセスネットワークノード)の主な構成を示すブロック図である。図に示すように、ゲートウェイ/gNB6は、トランシーバ回路71を含み、このトランシーバ回路71は、接続されたUE (s) 3との間で1つまたは複数のアンテナ73を介して信号を送受信し、他のネットワークノードとの間でネットワークインタフェース75を介して(直接又は間接的に)信号を送受信するように動作可能である。信号は、UE(s)3との間で直接及び/又はNTNノード5を介して適宜送受信され得る。ネットワークインタフェース75は、典型的には、適切な基地局間インタフェース(X2/Xnなど)及び適切な基地局-コアネットワークインタフェース(S1/NG-C/NG-Uなど)を含む。コントローラ77は、メモリ79に記憶されたソフトウェアに従って基地局6の動作を制御する。このソフトウェアは、メモリ79に予めインストールされていてもよいし、通信ネットワーク1を介してダウンロードされていてもよいし、例えばリムーバブルデータストレージデバイス(RMD)からダウンロードされていてもよい。このソフトウェアは、とりわけ、オペレーティングシステム81と、通信制御モジュール83とを含む。
【0056】
通信制御モジュール83は、基地局6と他のノード(UE 3、NTNノード5、コアネットワークノードなど)との間の信号処理(生成/送信/受信)を担当する。
図4には示されていないが、通信制御モジュール83は、とりわけPHYレイヤ、MACレイヤ、RRCレイヤのための適切なサブモジュールを有する。シグナリングは、セルグルーピング及び関連する支援情報の提供に関する制御シグナリング(ブロードキャストシグナリング/RRCシグナリングなど)を含んでいてもよい。
【0057】
詳細な説明
図6に示したシナリオ例を参照して、
図1に示したシステムのノードが実行する手順の例を説明する。ネットワークの目標は、グループ内のセルの数を減らすこと、UEが適切なセルを見つけることができるグループの数を減らすこと、グループ全体の数を制限することなど、複数の目標の間のバランスを見つけることである。ただし、グループは任意の大きさにすることができ、それらはオーバラップすることができる(例えば、グループ5及びグループ6を参照)。これはネットワークの実装次第である。
【0058】
1つのオプション(オプション1)では、セルグルーピングは、単純な「ブラインド」グルーピングによって実現され、この場合、グループを形成する複数の隣接セルの複数の周波数は、特定の順序又は共通の特性を有する必要はない。所与のセル(特にNTNセル)の近傍セルに適用可能なグループは、この例では、ブロードキャストシグナリング(オンデマンドでもよい)を使用して、UE3にシグナリングされる。具体的には、(NTNノード5を介して)基地局6は、すべてのセル又は周波数をグループごとに識別する情報を(それぞれの通信制御モジュール63/83を使用して)ブロードキャストするように構成される。この例では、そのグルーピングは、1つ以上の適切にフォーマットされた情報要素(例えば、近傍グループごとのセル/周波数のリスト)を使用して示される。
【0059】
例えば、所与の国で主に使用されている特定の周波数(又は、そのような周波数のサブセット)は、グループ化されてもよく、その結果、その国のUE3は、NTNセルでカバーされる可能性のあるすべての国で使用されているすべての種々の周波数をスキャンする必要がない。しかしながら、そのグループ化はブラインドであるため、UE3は、異なるグループに配置されている候補隣接セルがあるかどうかを知ることができない。したがって、基地局6(NTNノード5)は、特定のUE3に対して特定のグループを示す必要はない。UE3は、所与の周波数においてセルを見つけることに成功するとすぐに、このセル/周波数がどのグループに属するかを知ることができ、UE3は、このグループ内の他のセル/周波数(つまり、前の例を用いると、UE3が位置する国で使用されている周波数のみ)をスキャンすることができる。一方、基地局6(NTNノード5)が、例えばRRC接続セットアップ時の専用シグナリングを使用して、どのグループを使用するかをUE3に指示した場合、UE3は、構成されたグループ内の周波数/セルをスキャンする。したがって、UE3は、暗黙的または明示的に、そのサービングセル(例えばNTNセル)のすべての近傍セル/周波数のサブセットをスキャンするように構成されることができ、このサブセットは、セルのグルーピングを識別することによって、UE3に示され得る。
【0060】
現在の仕様に大きな変更を加えることなく、セルグルーピングを実現するために、セルのグルーピングは、interFreqCarrierFreqList情報要素(IE)を介して示されてもよい。例えば、interFreqCarrierFreqList IEは、以下に示すように、SIBタイプ4(SIB4)のような適切なシステム情報ブロック(SIB)に含まれてもよい。セルは、関連するPCI又は周波数(又は、その両方)に基づいて識別される。SIB4は、各近傍セルを、その周波数及びオプションでそのPCIによって、識別する。この場合、interFreqCarrierFreqList IEは、近傍セルによって使用されるすべての周波数を含み、オプションのIE(例えば、interFreqCarrierFreqListGroups IE)を使用して、(周波数ごとの)関連付けられた各グループのポインタのリストが示される。
【0061】
【0062】
このオプションの変更では、interFreqCarrierFreqList IEは、第1のグループの情報を含み、追加のグループ(グループに関連する情報要素)は、interFreqCarrierFreqList IEのシーケンスの形式で追加される。このアプローチでは、1つ以上の周波数グループがオーバラップする場合に使用するシグナリングが少なくなり、次のように実装されてもよい。
【0063】
【0064】
NTNセルの場合、UE3は、SIB4を読み取る前に、そのサービングセルタイプがNTNであることを認識することが理解されるであろう。したがって、UE3は、その動作を適応させることができ、(従来の)interFreqCarrierFreqList IEが第1のグループのみを参照することを理解する。したがって、下位互換性を損なうことなく、セルグルーピングは、SIB4で示され得る。
【0065】
別のオプション(オプション2)では、セルグルーピングは、関連する位置に基づいて(例えば、事前に定義されたゾーン内で)、近傍セル(周波数)をグループ化することによって、実現される。言い換えると、所与のグループ内の周波数/セルは、(例えば、同じ国又は国の一部における)それらの位置に関する、共通のプロパティを持っていてもよい。その位置は、セルの物理的な位置(例えば、セルセンターまたはトランシーバの位置)又はそのセルによってサービスが提供される位置/領域であってもよい。
【0066】
この場合、基地局6(NTNノード5)は、各グループに関連付けられた位置(又は、エリア)を識別する情報を含めることにより、周波数をグループ化する、ように構成される。したがって、基地局6(NTNノード5)は、グループごとの全セル又は周波数を識別する情報をブロードキャストすることに加えて、各グループの位置に関する情報を(例えば、1つ以上の適切にフォーマットされた情報要素を用いて)UEに送信する、ように構成される。
【0067】
グループの数及び特定のセルグルーピングは、ネットワークの実装に依存するが、UE3が複数のグループに位置する潜在的な近傍セルを有する場合、UE3は、各グループの位置に関する情報に基づいて、スキャンすべき周波数を容易に知ることができる。
【0068】
グループの位置に関する情報は、近傍セルグループがどこに位置しているか又は近傍セルグループがどの領域にサービスを提供しているかをUEが決定できるように、任意の適切な方法で提供されてもよいことが理解されるであろう。例えば、グループに関連付けられた位置に関する情報は、セルグループ内の座標(例えば、ゾーンの中心、セルの重心);半径を持つセルグループの中心;座標のセットによって定義されるゾーン(例えば多角形)の1つ以上として提供されてもよい。
【0069】
この場合、interFreqCarrierFreqList IEは、次に示すように、所与のグループに関連付けられている位置を示す1つ以上の情報要素と共に、SIB4に含められてもよい。この例では、GroupsWithLocation、groupLocationInfo、及びgroupPointersという位置固有のIEが使用される。ただし、他の適切な情報要素が用いられてもよい。
【0070】
【0071】
UE3は、(測位モジュール45を使用して)自分の位置を知っていると仮定すると、基地局6/NTNノード5から得られた位置情報に基づいて、周波数/セルの1つ以上のグループを選択することができる。
この場合、UE3がTNセルのないエリア/ゾーンに位置している場合(つまり、そのエリア/ゾーンにグループが割り当てられていない場合)、UE3は、セル/周波数をスキャンする必要がないと判断することもできる。
要約すると、隣接周波数は、次のようなグループに編成される。
グループ1
周波数1:オプションの{セルリスト}
周波数2:オプションの{セルリスト}
周波数5:オプションの{セルリスト}
...
オプション:位置情報
グループ2:
周波数1:オプションの{セルリスト}
周波数3:オプションの{セルリスト}
周波数4:オプションの{セルリスト}
...
オプション:位置情報
....
【0072】
特殊なケースでは、所与の位置に隣接するセルが存在しない場合、SIB4は、(その位置について)以下の情報を含んでもよい。
隣接周波数なし
位置情報
【0073】
所与の位置にあるUEは、その位置に関連する1つ又はいくつかのグループのみをスキャンする必要があるが、すべてのグループをスキャンする必要はない。
【0074】
オプション1の場合(位置情報が提供されていない場合)、UEは、たとえば、1つのグループ内の近傍セル/周波数を見つけるまで、すべてのグループを短時間スキャンすることによって、UEの位置に関連するグループを推測する必要があり、このグループは、UEの現在の位置に関連する近傍グループであると判断される(つまり、UEは、他のグループが少なくとも1つの周波数を共有しない限り(この場合、UEは追加のスキャンを実行する必要がある)、他のグループを無視してもよい)。
【0075】
オプション2の場合(位置情報が提供されている場合)、UEは、自身の位置とSIB4内の位置情報とを照合し、どのグループ/どの複数のグループが関連しておりセル選択/再選択のためにスキャンされる必要があるかを決定する必要がある。
【0076】
所与の位置について隣接周波数のない特別なケースは、オプション3と呼ぶことができる。この場合、SIB4は、暗黙的に適切な位置情報を示してもよく(例えば、どのグループにも関連付けられていない任意の位置は近傍セルを有していない。)、又は、位置情報を持つ空白の周波数グループを用いて適切な位置情報を示してもよい。
【0077】
修正及び代替
以上、詳細な実施形態について説明した。当業者であれば理解できるように、上記実施形態に対して複数の修正及び代替を行うことができる一方で、上記実施形態に包含される開示から依然として利益を得ることができる。例示として、これらの代替および修正のみをここで説明する。
【0078】
上記の説明では、NTNセル及びTNセルは例として用いられている。しかし、TNセルと比較してNTNセルの広いカバレッジは、そのカバレッジ内のスモールセルに対するマクロセルのカバレッジに似ている。従って、上記の実施形態は、マクロセル及びスモールセル(ホーム基地局及び/又は同様のもの)のような他のタイプのセルにも適用され得ることが理解されよう。
【0079】
5G/NR通信システムの基地局は、一般に新無線基地局(New Radio Base Station:「NR-BS」)又は「gNB」と呼ばれ、それらは、(一般に「4G」基地局とも呼ばれる)Long Term Evolution(LTE)基地局により典型的に関連づけられている「eNB」(又は5G/NR eNB)という用語を使用して呼ばれることが理解されるであろう。非特許文献4及び非特許文献5は、特に以下のノードを定義する。
gNB: UEに対するNRユーザプレーンプロトコル及びNRコントロールプレーンプロトコルの終端を提供し、NGインタフェースを介して5Gコアネットワーク(5GC)に接続されるノード。
ng-eNB: UEに対するE-UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)ユーザプレーンプロトコル及びE-UTRAコントロールプレーンプロトコルの終端を提供し、NGインタフェースを介して5GCに接続されるノード。
En-gNB: UEに対するNRユーザプレーンプロトコル及びNRコントロールプレーンプロトコルの終端を提供し、E-UTRA-NR Dual Connectivity(EN-DC)のセカンダリノードとして機能するノード。
NG-RANノード: gNB又はng-eNBのいずれか。
【0080】
上記の実施形態は、5G新無線システム及びLTEシステム(E-UTRAN)の両方に適用できることが理解されるであろう。E-UTRAN/4Gプロトコルをサポートする基地局(ゲートウェイ)は「eNB」と呼ばれ、次世代/5Gプロトコルをサポートする基地局は「gNB」と呼ばれてもよい。いくつかの基地局は、4Gと5Gの両方のプロトコル、及び/又は他の3GPP又は非3GPP通信プロトコルをサポートするように構成されてもよいことが理解されるであろう。
【0081】
【0082】
5GシステムでNTNを実装するための様々なアーキテクチャオプションがあることが理解されるであろう。そのいくつかは、
図7に概略的に示されている。示されている第1のオプションは、UEをサービングするアクセスネットワークを特徴とするNTNであり、ベントパイプペイロード(bent pipe payload)を持つ衛星/航空機と地上のgNB(衛星ハブ又はゲートウェイレベル)とに基づいている。第2のオプションは、UEをサービングするアクセスネットワークを特徴とするNTNであり、gNBを搭載した衛星/航空機に基づいている。第3のオプションは、中継ノードをサービングするアクセスネットワークを特徴とするNTNであり、ベントパイプペイロードを持つ衛星/航空機に基づいている。第4のオプションは、中継ノードをサービングするアクセスネットワークを特徴とするNTNであり、gNBを搭載した衛星/航空機に基づいている。他のアーキテクチャオプション、例えば、上記のオプションの2つ以上の組み合わせが用いられてもよいこともできる。あるいは、中継ノードは、衛星/UASを含んでいてもよい。同様のアーキテクチャオプションは、gNBの代わりにeNBを使用し、NGCの代わりにEPCを使用し、
図7に示すNGインタフェースの代わりに適切なLTEインタフェースを使用して、4G/LTEシステムでも使用され得ることが理解されるであろう。
【0083】
上記の説明では、UE、NTNノード(衛星/UASプラットフォーム)、及び、アクセスネットワークノード(基地局)は、理解しやすいように、いくつかの個別のモジュール(通信制御モジュールのような)を有するものとして説明されている。これらのモジュールは、例えば、既存のシステムが本開示を実装するために修正された特定のアプリケーションのためにこのように提供されてもよいが、他のアプリケーション、例えば、最初から発明の特徴を念頭に置いて設計されたシステムでは、これらのモジュールは、全体のオペレーティングシステム又はコードに組み込まれてもよく、したがって、これらのモジュールは、個別のエンティティとして識別されなくてもよい。また、これらのモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又は、これらの組み合わせで実装されてもよい。
【0084】
各コントローラは、任意の適切な形式の処理回路を含んでもよく、この任意の適切な形式の処理回路は、(これに限定されるものではないが)例えば、1つ又は複数のハードウェア実装コンピュータプロセッサ;マイクロプロセッサ;中央処理装置(Central Processing Unit:CPU);算術論理ユニット(Arithmetic Logical Units:ALUs);入力/出力(Input/Output:IO)回路;内部メモリ/キャッシュ(プログラム及び/又はデータ) ;処理レジスタ ;通信バス(例えば、制御バス、データバス、及び/又はアドレスバス) ;ダイレクトメモリアクセス(DMA)機能;ハードウェア又はソフトウェアが実装されたカウンタ、ポインタ、及び/又はタイマ;及び/又は同様のものを含む。
【0085】
上記の実施形態では、複数のソフトウェアモジュールについて説明した。当業者であれば理解できるように、ソフトウェアモジュールは、コンパイルされた又はコンパイルされていない形式で提供されてもよいし、コンピュータネットワークを介して又は記録媒体上で、信号として、UE、NTNノード、及びアクセスネットワークノード(基地局)に供給されてもよい。さらに、このソフトウェアの一部又は全部によって実行される機能は、1つ又は複数の専用ハードウェア回路を使用して実行されてもよい。しかし、ソフトウェアモジュールの使用は、UE、NTNノード、及びアクセスネットワークノード(基地局)の機能を更新するための更新を容易にするので、好ましい。
【0086】
上記の実施形態は、「非移動」又は通常固定された、ユーザ機器にも適用可能である。上述したモバイルデバイスは、MTC/IoTデバイス等を含んでもよい。
【0087】
前記UEによって実行される前記方法は、近傍周波数又は近傍セルのグループに関連する位置を識別する情報を(ネットワークノードから)受信することと;少なくとも1つの近傍セルを見つけるために、前記UEの位置及び前記グループに関連する位置を識別する前記情報に基づいて、前記受信した情報によって識別される周波数をスキャンすることとをさらに含んでもよい。
【0088】
前記UEによって実行される前記方法は、それぞれの所定のエリアにサービスを提供する近傍周波数の複数のグループを識別する情報を(ネットワークノードから)受信することと;少なくとも1つの潜在的な近傍セルを見つけるために、サーチを実行することと;前記少なくとも1つの潜在的な近傍セルが属するグループにおいて少なくとも1つの近傍セルを見つけるために、前記少なくとも1つの潜在的な近傍セルによって使用される周波数及び近傍周波数の前記複数のグループを識別する情報に基づいて、前記UEに関連するグループを決定することとを含んでもよい。
【0089】
前記ネットワークノードは、システム情報ブロック(例えば、システム情報ブロックタイプ4)の情報要素において、近傍周波数の少なくとも1つのグループ又は近傍周波数の前記複数のグループを識別する情報を前記UEに送信してもよい。前記ネットワークノードは、システム情報ブロック(例えば、システム情報ブロックタイプ4)の情報要素において、所定のエリアを識別する前記情報を前記UEに送信してもよい。前記ネットワークノードは、システム情報ブロック(例えば、システム情報ブロックタイプ4)の情報要素において、近傍周波数を識別する前記情報を前記UEに送信してもよい。
【0090】
前記UEによって実行される前記方法は、複数の所定のエリア及び任意の関連する近傍周波数を識別する情報を受信することと;少なくとも1つの潜在的な近傍セルを見つけるためにサーチを実行することと;前記UEの現在位置に対応する各所定のエリアにサービスを提供する周波数をスキャンすることとを含んでもよい。前記ネットワークノードによって実行される前記方法は、複数の所定のエリア及び任意の関連する近傍周波数を識別する前記情報を送信することを含んでもよい。
【0091】
前記UEは、前記UEの現在位置に対応する少なくとも1つの所定のエリアに関連しない周波数をスキャンしないように構成されてもよい。
【0092】
他の様々な修正は、当業者には明らかであり、ここではさらに詳細に説明しない。
【0093】
上記に開示された例示的な実施形態の全体または一部は、限定されるものではないが、以下の付記として説明することができる。
(付記1)
非地上ネットワークのセルと地上ネットワークのセルとの間のモビリティのためにユーザ機器(User Equipment:UE)によって実行される方法であって、
近傍周波数の少なくとも1つのグループを識別する第1の情報を受信することを含み、前記少なくとも1つのグループの各グループは、地上ネットワークの少なくとも1つの周波数又はセルに対応し、
前記方法は、前記第1の情報によって示される前記少なくとも1つのグループから1つのグループ内の少なくとも1つの近傍セルを見つけるために、前記第1の情報によって識別される周波数をスキャンすることを含む、
方法。
【0094】
(付記2)
前記少なくとも1つのグループの各グループに関連する位置を識別する第2の情報の受信することと、
前記UEの位置及び前記第2の情報に基づいて、前記第1の情報によって識別される周波数をスキャンすることと、
をさらに含む付記1に記載の方法。
【0095】
(付記3)
前記少なくとも1つのグループの各グループについて少なくとも1つの潜在的な近傍セルを見つけるためにサーチを実行することと、
前記少なくとも1つの潜在的な近傍セル及び前記第1の情報によって使用される周波数に基づいて、前記1つのグループを決定することと、
をさらに含む付記1に記載の方法。
【0096】
(付記4)
前記各グループは、前記各グループに対応する近傍周波数がサービスを提供する所定のエリアをそれぞれ含み、
前記方法は、さらに、前記UEの現在位置を決定することを含み、
前記スキャンすることは、前記少なくとも1つの近傍セルを見つけるために、前記第1の情報によって識別され、前記UEの現在位置に対応するそれぞれの所定のエリアにサービスを提供している、周波数をスキャンすることを含む、
付記1に記載の方法。
【0097】
(付記5)
前記第1の情報は、システム情報ブロックの情報要素を介して送信される、
付記1から4のいずれか1項に記載の方法。
【0098】
(付記6)
各所定のエリアについて少なくとも1つの潜在的な近傍セルを見つけるためにサーチを実行することと、
前記UEの現在位置に対応する各所定のエリアにサービスを提供する周波数をスキャンすることと、
をさらに含む付記4又は5に記載の方法。
【0099】
(付記7)
前記UEの現在位置に対応する少なくとも1つの所定のエリアに関連しない周波数をスキャンしないことをさらに含む、
付記4から6のいずれか1項に記載の方法。
【0100】
(付記8)
非地上ネットワークのセルと地上ネットワークのセルとの間のユーザ機器(User Equipment:UE)のモビリティをアシストするためにネットワークノードによって実行される方法であって、
近傍周波数の少なくとも1つのグループを識別する第1の情報を送信することを含み、前記少なくとも1つのグループの各グループは、地上ネットワークの少なくとも1つの周波数又はセルに対応し、前記情報は、前記第1の情報によって示される前記少なくとも1つのグループから1つのグループ内の少なくとも1つの近傍セルを見つけるために周波数をスキャンすることにおいて、前記UEによって使用されるように調整される、
方法。
【0101】
(付記9)
前記各グループは、前記各グループに対応する近傍周波数がサービスを提供する所定のエリアを含み、前記情報は、前記少なくとも1つの近傍セルを見つけるために、前記第1の情報によって識別され、前記UEの現在位置に対応するそれぞれの所定のエリアにサービスを提供している、周波数をスキャンすることにおいて、前記UEによって使用されるように調整される、
付記8に記載の方法。
【0102】
(付記10)
非地上ネットワークのセルと地上ネットワークのセルとの間のモビリティを実行するように構成されたユーザ機器(User Equipment:UE)であって、
近傍周波数の少なくとも1つのグループを識別する第1の情報を受信する手段を具備し、前記少なくとも1つのグループの各グループは、地上ネットワークの少なくとも1つの周波数又はセルに対応し、
前記UEは、前記第1の情報によって示される前記少なくとも1つのグループから1つのグループ内の少なくとも1つの近傍セルを見つけるために、前記第1の情報によって識別される周波数をスキャンする手段を具備する、
UE。
【0103】
(付記11)
前記各グループは、前記各グループに対応する近傍周波数がサービスを提供する所定のエリアをそれぞれ含み、
前記UEは、さらに、前記UEの現在位置を決定する手段を具備し、
前記スキャンする手段は、前記少なくとも1つの近傍セルを見つけるために、前記第1の情報によって識別され、前記UEの現在位置に対応するそれぞれの所定のエリアにサービスを提供している、周波数をスキャンするように構成される、
付記10に記載のUE。
【0104】
(付記12)
非地上ネットワークのセルと地上ネットワークのセルとの間のユーザ機器(User Equipment:UE)のモビリティをアシストするためのネットワークノードであって、
近傍周波数の少なくとも1つのグループを識別する第1の情報を送信する手段を具備し、前記少なくとも1つのグループの各グループは、地上ネットワークの少なくとも1つの周波数又はセルに対応し、前記情報は、前記第1の情報によって示される前記少なくとも1つのグループから1つのグループ内の少なくとも1つの近傍セルを見つけるために周波数をスキャンすることにおいて、前記UEによって使用されるように調整される、
ネットワークノード。
【0105】
(付記13)
各グループは、各グループに対応する近傍周波数がサービスを提供する所定のエリアを含み、前記情報は、前記少なくとも1つの近傍セルを見つけるために、前記第1の情報によって識別され、前記UEの現在位置に対応するそれぞれの所定のエリアにサービスを提供している、周波数をスキャンすることにおいて、前記UEによって使用されるように調整される、
付記12に記載のネットワークノード。
【0106】
本出願は、2021年8月5日に出願された英国特許出願第2111338.6号に基づき、優先権の利益を主張するものであり、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【符号の説明】
【0107】
1 モバイル(セルラ又はワイヤレス)電気通信システム
3 モバイルデバイス
5 衛星
6 ゲートウェイ/基地局
7 データ(又はコア)ネットワーク
31 トランシーバ回路
33 アンテナ
35 ユーザインタフェース
36 Universal Subscriber Identity Module(USIM)
37 コントローラ
39 メモリ
41 オペレーティングシステム
43 通信制御モジュール
45 測位モジュール
51 トランシーバ回路
53 アンテナ
57 コントローラ
59 メモリ
61 オペレーティングシステム
63 通信制御モジュール
71 トランシーバ回路
73 アンテナ
75 ネットワークインタフェース
77 コントローラ
79 メモリ
81 オペレーティングシステム
83 通信制御モジュール
【手続補正書】
【提出日】2024-02-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非地上ネットワークのセルと地上ネットワークのセルとの間のモビリティのためにユーザ機器(User Equipment:UE)によって実行される方法であって、
近傍周波数の少なくとも1つのグループと前記近傍周波数がサービスを提供する前記地上ネットワークのための少なくとも1つのカバレッジエリアとのマッピングを識別する第1の情報を受信することと、
前記第1の情報によって示される前記少なくとも1つのグループの1つのグループに対応する前記少なくとも1つのカバレッジエリアにおける少なくとも1つの近傍セルを見つけるために、近傍周波数をスキャンすることと、
を含む方法。
【請求項2】
前記スキャンすることは、前記UEの位置に基づいて行われる、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのグループの各グループについて少なくとも1つの潜在的な近傍セルを見つけるためにサーチを実行することと、
前記少なくとも1つの潜在的な近傍セル及び前記第1の情報によって使用される周波数に基づいて、前記1つのグループを決定することと、
をさらに含む請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の情報は、システム情報ブロックを介して送信される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記UEの現在位置に対応する前記少なくとも1つのカバレッジエリアに関連しない周波数をスキャンしないことをさらに含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
非地上ネットワークのセルと地上ネットワークのセルとの間のユーザ機器(User Equipment:UE)のモビリティをアシストするためにネットワークノードによって実行される方法であって、
近傍周波数の少なくとも1つのグループと前記近傍周波数がサービスを提供する前記地上ネットワークのための少なくとも1つのカバレッジエリアとのマッピングを識別する第1の情報を送信することを含み、
前記第1の情報は、前記第1の情報によって示される前記少なくとも1つのグループの1つのグループに対応する前記少なくとも1つのカバレッジエリアにおける少なくとも1つの近傍セルを見つけるために近傍周波数をスキャンすることにおいて、前記UEによって使用されるように構成される、
方法。
【請求項7】
非地上ネットワークのセルと地上ネットワークのセルとの間のモビリティを実行するように構成されたユーザ機器(User Equipment:UE)であって、
近傍周波数の少なくとも1つのグループと前記近傍周波数がサービスを提供する前記地上ネットワークのための少なくとも1つのカバレッジエリアとのマッピングを識別する第1の情報を受信する手段と、
前記第1の情報によって示される前記少なくとも1つのグループの1つのグループに対応する前記少なくとも1つのカバレッジエリアにおける少なくとも1つの近傍セルを見つけるために、近傍周波数をスキャンする手段と、
を具備するUE。
【請求項8】
非地上ネットワークのセルと地上ネットワークのセルとの間のユーザ機器(User Equipment:UE)のモビリティをアシストするためのネットワークノードであって、
近傍周波数の少なくとも1つのグループと前記近傍周波数がサービスを提供する前記地上ネットワークのための少なくとも1つのカバレッジエリアとのマッピングを識別する第1の情報を送信する手段を具備し、
前記第1の情報は、前記第1の情報によって示される前記少なくとも1つのグループの1つのグループに対応する前記少なくとも1つのカバレッジエリアにおける少なくとも1つの近傍セルを見つけるために近傍周波数をスキャンすることにおいて、前記UEによって使用されるように構成される、
ネットワークノード。
【国際調査報告】