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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】圧力アキュムレータ
(51)【国際特許分類】
   F15B 1/08 20060101AFI20240816BHJP
   G01M 3/20 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
F15B1/08
G01M3/20 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504829
(86)(22)【出願日】2022-07-18
(85)【翻訳文提出日】2024-01-25
(86)【国際出願番号】 EP2022070096
(87)【国際公開番号】W WO2023006482
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】102021003898.3
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591204333
【氏名又は名称】ハイダック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】HYDAC TECHNOLOGY GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100227835
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 剛孝
(72)【発明者】
【氏名】ペーター クロフト
【テーマコード(参考)】
2G067
3H086
【Fターム(参考)】
2G067AA38
2G067BB02
2G067BB15
2G067BB22
2G067CC03
2G067DD10
2G067EE08
3H086AA22
3H086AA26
3H086AD07
3H086AD15
3H086AF16
3H086AF18
3H086AF22
(57)【要約】
アキュムレータハウジング(10)を備えたアキュムレータであって、可動の分離要素(16)が、好ましくは作動ガスを充填された媒体空間(12)を流体空間(14)から流体密に分離し、監視装置(28)が設けられ、この監視装置(28)は、分離要素(16)のシール効果を損なう故障が発生すると、視覚的に知覚可能な表示を与え、媒体空間(12)と連通し、流体で濡れると光学的特性が知覚可能に変化するインジケータを観察可能な覗き窓を有しており、監視装置(28)は、外ねじをアキュムレータハウジング(10)の対応する内ねじにねじ込むことができるねじプラグを有し、更に覗き窓とインジケータの他に流体透過性の遮断装置を有し、このねじプラグは覗き窓によって区切られ、インジケータを収容するためのねじプラグ内の収容空間を形成し、この収容空間をアキュムレータハウジング(10)の媒体空間(12)の内部から空間的に分離することを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アキュムレータハウジング(10)を備えた圧力アキュムレータであって、可動の分離要素(16)が、好ましくは作動ガスが充填された媒体空間(12)を流体空間(14)から流体密に分離し、監視装置(28)が設けられ、前記監視装置(28)は、前記分離要素(16)のシール効果を損なう故障が発生すると視覚的に知覚可能な表示を与え、前記監視装置(28)は、前記媒体空間(12)と連通し、流体で濡れると光学的特性が知覚可能に変化するインジケータ(42)を観察可能な覗き窓(40)を有するものであって、
前記監視装置(28)は、外ねじ(34)を前記アキュムレータハウジング(10)の対応する内ねじ(44)にねじ込むことができるねじプラグ(32)を有し、前記ねじプラグ(32)は、前記覗き窓(40)、前記インジケータ(42)及び流体透過性の遮断装置(46)を有し、前記遮断装置(46)は、覗き窓(40)によって区切られ、前記インジケータ(42)を収容するための前記ねじプラグ(32)内の収容空間(48)を形成し、前記遮断装置(46)は、前記収容空間(48)を前記アキュムレータハウジング(10)の前記媒体空間(12)の内部から空間的に分離することを特徴とする、圧力アキュムレータ。
【請求項2】
前記ねじプラグ(32)は、中空ねじとして形成され、少なくともねじ頭部(36)の領域において、前記覗き窓(40)を収容するための円錐台形状のレセプタクル(56)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の圧力アキュムレータ。
【請求項3】
前記覗き窓(40)は、ガラス、好ましくはホウケイ酸ガラスからなり、前記ねじプラグ(32)に金属融着されていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の圧力アキュムレータ。
【請求項4】
前記覗き窓(40)のガラスは、試験圧力と破裂圧力との間にある予め設定可能な目標圧力閾値を超えると破損すること、及び、破損時には極めて小さい破片に砕けることを特徴とする、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の圧力アキュムレータ。
【請求項5】
前記インジケータ(42)は、前記収容空間(48)内で自由に移動可能であることを特徴とする、請求項1から請求項4の何れか1項に記載の圧力アキュムレータ。
【請求項6】
前記覗き窓(40)を有する円錐台形状の前記レセプタクル(56)は、前記インジケータ(42)の前記収容空間(48)の一部である、前記ねじプラグ(32)内のリング溝形状の拡径部(58)へ移行していることを特徴とする、請求項1から請求項5の何れか1項に記載の圧力アキュムレータ。
【請求項7】
前記インジケータ(42)は、その中にインジケータ材料(62)が収容されている流体透過性カプセル(60)からなることを特徴とする、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の圧力アキュムレータ。
【請求項8】
前記遮断装置(46)は、ドーム形状のふるい構造又は膜構造で形成され、インサートリング(50)を用いて前記ねじプラグ(32)内の所定の位置に保持されていることを特徴とする、請求項1から請求項7の何れか1項に記載の圧力アキュムレータ。
【請求項9】
前記アキュムレータハウジング(10)は、内周面に内ねじ(44)を有するポット状の凹部(64)を備えることを特徴とする、請求項1から請求項8の何れか1項に記載の圧力アキュムレータ。
【請求項10】
前記凹部(64)の係合深さは、前記ねじプラグ(32)がねじ込まれたときに、前記ねじプラグ(32)の自由な端面(68)と前記凹部(64)の底部(66)との間に軸方向の間隔が形成されるように選択され、前記間隔は、好ましくはシーリング材を受容する役割を果たすことを特徴とする、請求項1から請求項9の何れか1項に記載の圧力アキュムレータ。
【請求項11】
前記ねじプラグ(32)のねじ頭部(36)と前記アキュムレータハウジングの隣接する上側との間の移行部(70)に、さらなるシーリング材が配置され、かつ/又は、周辺溶接線(72)が配置されていることを特徴とする、請求項1から請求項10の何れか1項に記載の圧力アキュムレータ。
【請求項12】
ねじプラグ、特に請求項1から請求項10の何れか1項に記載の圧力アキュムレータのためのねじプラグであって、ねじハウジング内に一体的な構成部品として、
覗き窓(40)と、
インジケータ(42)と、
流体透過性を有し、前記インジケータ(42)を前記ねじハウジングの前記収容空間(48)内に保持するように設計されている遮断装置(46)を備えることを特徴とする、ねじプラグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アキュムレータハウジングを有する圧力アキュムレータであって、可動の分離要素は、好ましくは作動ガスが充填された媒体空間を流体空間から流体密に分離し、監視装置が設けられており、この監視装置は、分離要素のシール効果を損なう故障が発生すると視覚的に知覚可能な表示を与えると共に、媒体空間と連通し、流体で濡れたときに光学的特性が知覚可能に変化するインジケータを観察可能な覗き窓を有する、圧力アキュムレータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、光学的特性を変化させるインジケータがカプセル内に収容され、そのカプセル壁は流体の通過させるために透過性であり、カプセルはアキュムレータハウジング内の覗き窓と分離要素との間に配置されている、汎用の圧力アキュムレータを開示している。公知の解決策では、その中にインジケータを収容したカプセルの構造高さが低くなるため、監視装置全体の省スペース設計が可能になる。カプセル形状のインジケータと、カプセル形状のインジケータを収容空間内の所定の位置に保持するための流体透過性の遮断装置と、覗き窓とは、アキュムレータハウジングの上方側に設けられたスリーブ形状の受入ソケット内に、一方が他方の後ろに離れて配置されている。この場合、覗き窓は、アキュムレータハウジングの壁に金属融着され、監視装置は、全体としてアキュムレータハウジング内に恒久的に収容されたままであるように設けられ、したがって、アキュムレータハウジングの一体的な部品となる。更に、公知の解決策では、アキュムレータハウジングの上側に監視装置と並んで付加的なシール体が配置され、これにより、特に窒素ガスの形態の作動ガスで媒体空間を充填するために設けられた、関連するハウジング壁の充填ポートをガス密にシールすることができる。充填ポートをアキュムレータのハウジング壁に嵌め込み、シーリングプラグによって壁をシールするための製造労力が増大することに加えて、このシーリングプラグは弾力性に乏しい軟質はんだで作られていることが多いため、特に高圧用途では中断のない作動が必ずしも保証されない。更に、シーリングプラグの軟質はんだを比較的手間のかかる方法で除去し、充填作業後に再び充填ポートにシーリングするように取り付けなければならないため、作動ガスによって媒体空間を再充填するための充填の手間が増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/179800号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、先行技術に基づき、製造労力を低減し、圧力アキュムレータのいわゆるガス側での作動ガスによる充填及び再充填作業を容易にするような利点を維持しながら、公知の解決策を更に改良することである。対応する課題は、特許請求項1に記載された特徴をその全体において有するアキュムレータによって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
特許請求項1の特徴部により、監視装置は、アキュムレータハウジングの割り当てられた内ねじに外ねじをねじ込むことができるねじプラグを有し、このねじプラグは、覗き窓、インジケータ及び流体透過性の遮断装置を有し、この遮断装置は、覗き窓によって部分的に区切られ、インジケータを収容することを意図したねじプラグ内の収容空間を形成し、遮断装置は、この収容空間をアキュムレータハウジングの媒体空間の内部から空間的に分離し、監視装置又は表示装置のすべての必須の構成部品は、1つの構成部品、具体的には、ねじプラグを適宜取り外すと、通常は、充填ポートを区切るアキュムレータハウジング内の内ねじの形態の関連するねじ込み継ぎ手を用いて、ねじプラグに収容されており、これにより、アキュムレータのガス側への作動ガスの初期充填と、必要に応じて対応する再充填操作の両方が容易になる。監視装置の構成部品は、関連するねじプラグの一箇所に集中的に統合されているため、本発明による解決策は、コンパクトな設計を有し、圧力下で極めて安定することが証明されている。
【0006】
更に、ねじプラグは非常に高い圧縮力を吸収することができるので、アキュムレータが高圧用途で使用される場合でも、従来技術に見られるように、追加的に密封すべき別個の充填ポートを使用してアキュムレータハウジングを弱める必要がなく、故障のない閉鎖の解決策が提供される。更に、ねじプラグによるアキュムレータハウジングの耐圧性及び気密性を確保するために、中空ねじとして設計されたねじプラグは、覗き窓を収容するために、少なくともねじ頭部の領域において円錐台形のレセプタクルを有することが提供され、レセプタクルの斜めに延びる円錐形の壁は、仮想延長上でアキュムレータハウジングの長手方向軸線と周囲に対して鋭角を形成し、更に、好ましくはホウケイ酸ガラスからなる覗き窓がねじプラグの金属材料に金属融着されている。
【0007】
更に、より好適には、覗き窓のガラスは、試験圧力と破裂圧力の間にある事前に設定可能な目標圧力閾値を超えると破損し、対応する覗き窓のガラスは、故障又は破裂において、極めて小さい部分に砕けることが提供される。破損すると、場合によって弾丸のように周囲に飛び散る従来技術の金属製の封止はんだとは異なり、粉々になったガラスは大部分がねじプラグの中に留まるため、周囲を危険に曝すことは回避される。
【0008】
本発明によるアキュムレータのさらに好適な実施形態では、インジケータが収容空間内で自由に移動可能であることが提供される。このため、故障の際には、インジケータは覗き窓の下側で支持され、光学的な観察距離が短くなり、インジケータの表示が読み取り易くなる。また、このようにすると、収容空間内に急な高圧が発生して故障が発生すると、好ましくない条件でインジケータが破壊され、それ以降インジケータが表示されなくなることが防止される。
【0009】
本発明によるアキュムレータのさらに好適な実施形態では、覗き窓を備えた円錐台形状のレセプタクルは、インジケータの収容空間の一部である、ねじプラグ内のリング溝形状の拡径部に移行することが提供される。リング溝形状の拡径部により、ねじプラグ内のインジケータのためのスペースが拡大されているため、アキュムレータの側から関連する破裂圧力が発生した場合には、これらの破裂圧力は拡径部に誘導され、ねじプラグの金属材料にかかる圧力負荷が増加する可能性はあるものの、ガラス状の覗き窓に対する実質的な圧力軽減は保証され、ガラス状の覗き窓は、ねじプラグ内のレセプタクルが円錐形状になっているため、確実にねじプラグ内に固定され、高い破裂圧力が生じても保持されているため、覗き窓が意図せず弾丸のように飛び出す可能性は低い。
【0010】
密封性を向上させるために、好ましくは、ねじプラグが、アキュムレータハウジングへのそれぞれの移行部に関連して頭部側及び/又は底部側の領域に追加のシーリング材を備えており、更に、追加的な溶接線を適用することによって、ねじプラグをアキュムレータハウジングに固定することが可能である。
【0011】
例えばインジケータが色の変化により故障を示したために使用済みとなった場合は、アキュムレータに関する保守作業又は修理作業を行った後に、使用済みのインジケータと共にねじプラグ全体を、対応して設計された新しいねじプラグと交換すれば、構成全体を再び機能させるのに十分であり、非常に費用対効果が高いことが明らかである。
【0012】
本発明は更に、ねじプラグ、特に圧力アキュムレータ用のねじプラグに関し、ねじプラグは、ねじハウジング内に、一体的な構成部品として
覗き窓と、
インジケータと、
流体透過性となるように設計され、ねじハウジングの収容空間内にインジケータを保持する遮断装置と、を設けることを特徴とする。
【0013】
アキュムレータの更に有利な構成は、その他の従属請求項の主題である。以下に、本発明による解決策を図面による実施例に基づいてより詳細に説明する。図面は概略図であり、縮尺通りに表現されていない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、一実施形態に係るねじプラグが挿入された圧力アキュムレータの縦断面図を示す。
図2図2は、図1の画像によるアキュムレータハウジングに挿入されたねじプラグの拡大図を示す。
図3図3は、図1及び図2で挿入されたねじプラグ自体を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、窒素ガスなどの作動ガスが充填された媒体空間12と、可動の分離要素16によって互いに流体密に分離された流体空間又は液体空間14とを備えたアキュムレータハウジング10を有するアキュムレータを縦断面の形で示している。本実施例において、分離要素16は、それ自体公知のベローズから形成されており、ベローズは図1に示すように見た場合、その上端は固定リング18によってアキュムレータハウジング10の内部に固定され、これと反対側の下端はハーフシェル形状の案内装置20にヒンジ連結されており、案内装置20は、分離要素16としてのベローズと共にアキュムレータハウジング10の内側に沿って上下に移動可能であり、アキュムレータは、接続部22で発生するそれぞれの流体圧力の作用として、例えば、油圧回路などの形態の流体回路に接続することができる。このようにして、可動の分離要素16は、媒体空間12内のガス圧に対してその内側に支持され、液圧エネルギーを蓄えることができるが、流体側の圧力パルスを平滑化することもできる。このようなアキュムレータのさらに有利な実施形態も可能であるが、これらは標準的なものであるため、ここでは詳しく説明しない。言うまでもなく、ベローズの代わりに、例えば、ダイヤフラムブラダやピストンアキュムレータ構成の形態で、他の分離要素16(図示せず)をアキュムレータに使用することも可能である。
【0016】
更に、本実施例において、アキュムレータハウジング10の壁部は例外的に薄肉に設計されており、アキュムレータの本実施形態では、アキュムレータハウジング10の円筒壁部が外周面に、例えば、繊維層又は繊維巻線から構成される補強材24を有する。このようにして、アキュムレータハウジング10、ひいては圧力アキュムレータは補強され、高圧用途にも使用することができる。
【0017】
アキュムレータハウジング10の上側には、全体を28として参照する、監視装置が取り付けられており、この監視装置は、ドーム形状を有する一種のアキュムレータ蓋部26を形成しており、図2及び図3に詳細に示されている。監視装置28は、アキュムレータハウジング10の長手方向軸線30と同心に配置されており、アキュムレータハウジング10は、この長手方向軸線30に対して回転対称に形成されている。監視装置28は、ハウジング本体として、中空ねじとして設計された、ねじプラグ32を有する。ねじプラグ32は、外ねじ34を有する基部側領域と、ねじ頭部36を有する頭部側領域とに分割されており、ねじ頭部36は、例えばレンチなどの慣用的な操作動工具(図示せず)を用いてねじプラグ32をアキュムレータハウジング10に固定するために使用される。
【0018】
外ねじ34とねじ頭部36との間には、ねじ山逃げ部38が配置されている。更に、図2及び図3に示すように、ねじプラグ32は、プラグ又はストッパとして設計されており、すなわち、ねじプラグ32の高さは実質的にその幅とも等しく、このことは、ねじプラグ32を備えたアキュムレータハウジング10の構成全体の圧力安定性にも寄与する。ねじプラグ32は、ねじ頭部36の領域でねじプラグ32の上側と同じ高さに位置する覗き窓40を有する。覗き窓40によってインジケータ42を観察でき、インジケータ42は媒体空間12と連通し、流体空間14の側から来る流体によって濡れると知覚できるようにその光学的特性が変化する。例えば、それぞれの分離要素16が破損して故障を来したら、液体は、流体空間14の側から媒体空間12の方向へ流れ、そこから更にインジケータ42へ流れ、そのときインジケータ42はその色が変化して圧力アキュムレータに故障が発生したことを観察者に認識させる。このような光学的監視は保守要員が行うことができるが、手順を自動化する目的でカメラ監視システム(図示せず)を使用することも可能である。
【0019】
特に、図1及び図2に示すように、ねじプラグ32の形態の監視装置28は、その外ねじ34がアキュムレータハウジング10の内ねじ44にねじ込まれており、ねじプラグ32は、図に示すように、その下側に、流体透過性の遮断装置46を有しており、遮断装置46は、ねじプラグ32内のインジケータ42のための収容空間48の方向において、覗き窓40に向かってドーム形状又は半球形状に予め形成されている。関連する遮断装置46は、ふるい構造又は膜構造から形成され、ねじプラグ32の下端部内に形成された、例えば、圧入されたインサートリング50によって定位置に保持される、又は、詳細に図示しないねじ継ぎ手を用いて取外し可能なねじプラグ32の構成要素である。流体透過性の遮断装置46をドーム形状又は半球形状の構成によって、媒体空間12から発生し、収容空間48へ向かって進む増加した圧力衝撃は、このインジケータ42の保護下で吸収して補償することができる。
【0020】
インジケータ42を備えた上記の収容空間48は、上方側は覗き窓40の下側によって、また、外部からは、ねじプラグ32の内周面の壁部によって部分的に区切られており、図から見て、下方側は遮断装置46によって区切られており、このため、媒体空間14と収容空間48との間に空間的な隔たりが生じている。インサートリング50は、貫通部52を備えており、この貫通部52はアキュムレータハウジング10内の更なる貫通部54と同軸に配置され、これによって媒体空間12と収容空間48との間の流体連通を形成する。このように、貫通部52と更なる貫通部54は、アキュムレータハウジング10の長手方向軸線30に対して同心に配置されている。
【0021】
上記の覗き窓40はガラス、好ましくはホウケイ酸ガラスからなり、ねじプラグ32の材料と金属融着している。覗き窓のガラスの品質は、いずれにせよ、破損時に、収容空間48内の試験圧力と破裂圧力との間にある予め設定可能な目標圧力閾値に達すると、ガラスが破損するように選択されており、破損時にガラスは、ねじプラグ32の内部で極めて小さい破片に砕け、その結果、ねじプラグ32のねじ頭部36から出ることはない。ねじプラグは、頭部側でねじ頭部36の内側に切頭円錐台形状のレセプタクル56を形成し、覗き窓40は上記の傾斜によって収容空間48の側で拡大している。その結果、覗き窓40はねじプラグ32のねじ頭部36内にプラグ状に確実に保持されており、収容空間48内の圧力が高い場合でも覗き窓40はねじプラグ32に確実に保持され、外部の周囲に弾丸のように飛び出すことはない。レセプタクル56を付属の覗き窓40と共に円錐台形状に形成して、それらの断面が外側に向かって狭くなっていることにより、破損時に砕けたガラス部分が外部へ飛び出せないことが保証される。この点で覗き窓40は、その上側がねじ頭部36の自由端面と面一になるように設けられている。
【0022】
覗き窓40を備えた上記の円錐台形状のレセプタクル56は、インジケータ42の収容空間48の一部である、ねじプラグ32内のリング溝形状の拡径部58に移行する。リング溝形状の拡径部58は、その最も広い個所でインジケータ42の外径よりも大きい自由貫通部を構成し、従って、破損時に収容空間48内で自由に移動可能なインジケータ42を収容することができ、インジケータ42は、覗き窓40の下側に支持されることができ、これにより、光学的な観察距離が短縮されてインジケータの表示をより容易に読み取ることができる。
【0023】
インジケータ42は、2つの円形ブランクからなる流体透過性カプセル60を備え、その上部は、ビード状のリムを形成する下側の円形ブランクの外周に沿って配置される。
【0024】
このプロセスに関する詳細は、特許文献1に記載されている。カプセル60の内部にはインジケータ材料62が収容されており、作動油などの液体と接触すると、信号色の赤に変色してはっきりと近くすることができる。このプロセスに関する詳細は、特許文献1にも記載されている。
【0025】
特に図2から分かるように、アキュムレータハウジング10の上部又はアキュムレータ蓋部26には、その長手方向軸線30と同軸にスリーブ状の凹部64が設けられ、この凹部64は、その内周面には内ねじ44を有し、底部側には端壁66を備えており、この端壁66は、更なる貫通部54によって貫通されている。特に図2に示された取付け図で明らかなように、凹部64の係合深さは、ねじプラグ32が、その自由な下方側の端面68と凹部64の底部66との間に完全にねじ込まれたときに、好ましくは、図示されていないシーリング材を収容するのに用いることができる軸方向の間隔が形成されるように選択される。更に、ねじプラグ32のねじ頭部36とアキュムレータハウジング10の隣接する上側との間の、ねじ山逃げ部38の領域における移行部に、例えばシールリングの形態の別の図示しないシール手段を配置することができる。更に、アキュムレータハウジング10の上側とねじ頭部36の端部領域との間で、ねじプラグ32をアキュムレータハウジング10の割り当てられたレセプタクル内に固定するために、周辺溶接線72として薄肉溶接線を嵌め込むことが可能であり、この溶接線は、拡径部58を有する収容空間48のからの環境もシールする。
【0026】
上記の溶接線72により、ガス空間又は媒体空間12は、ヘリウムに関する<1*10-8mbar l/s(<1*10-6Pa l/s)の漏れ率で気密性を達成することができる。対応する実施形態では、充填後及び溶接前に、アキュムレータハウジング10内の充填前圧力を正確な手段によって決定することも可能である。従って、これに相当するものは、従来技術には存在しない。
図1
図2
図3
【国際調査報告】