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特表2024-530606供給及び排出流体を清浄化するためのフィルター、組成物、及びプロセス、並びに流体中の有害不純物を除去するための方法
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  • 特表-供給及び排出流体を清浄化するためのフィルター、組成物、及びプロセス、並びに流体中の有害不純物を除去するための方法 図1
  • 特表-供給及び排出流体を清浄化するためのフィルター、組成物、及びプロセス、並びに流体中の有害不純物を除去するための方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】供給及び排出流体を清浄化するためのフィルター、組成物、及びプロセス、並びに流体中の有害不純物を除去するための方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/04 20060101AFI20240816BHJP
   B01D 15/00 20060101ALI20240816BHJP
   B01J 20/04 20060101ALI20240816BHJP
   B01J 20/28 20060101ALI20240816BHJP
   B01J 20/06 20060101ALI20240816BHJP
   B01J 20/10 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
B01D53/04 110
B01D15/00 101B
B01J20/04 C ZAB
B01J20/28 Z
B01J20/06 C
B01J20/10 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504982
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 US2022037248
(87)【国際公開番号】W WO2023009329
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】63/226,077
(32)【優先日】2021-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/676,443
(32)【優先日】2022-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524033663
【氏名又は名称】スタンダード・エイチツー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ワサス,マリアヴィセンタ
【テーマコード(参考)】
4D012
4D017
4G066
【Fターム(参考)】
4D012BA01
4D012CA07
4D012CA12
4D012CA20
4D012CB05
4D012CE03
4D012CF04
4D012CG01
4D012CG05
4D012CG10
4D012CK05
4D017AA03
4D017AA13
4D017BA04
4D017BA11
4D017CA05
4D017CB01
4D017DA01
4D017EA05
4D017EB07
4G066AA02B
4G066AA12B
4G066AA13B
4G066AA15B
4G066AA16B
4G066AA17B
4G066AA18B
4G066AA19B
4G066AA20B
4G066AA21B
4G066AA22B
4G066AA23B
4G066AA24B
4G066AA25B
4G066AA26B
4G066AA27B
4G066BA09
4G066BA20
4G066BA36
4G066CA24
4G066CA25
4G066CA28
4G066DA03
4G066DA04
4G066DA05
4G066FA37
(57)【要約】
燃料電池発電、研究室、半導体及び他の産業で使用される供給及び排出流体から汚染物質を除去して、性能を改善し、機器の耐用年数を延長し、かつ硫黄化合物汚染物質の流体を清浄化するため、並びに供給及び排出ガスから有害なNOx汚染物質を除去するための流体フィルター、濾材組成物、及び関連プロセス。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス又は液体ラインに取り付けるための流体フィルターであって、約15mm~約0.001mmのサイズの範囲であり、微量の金、パラジウム、及び白金を加えた、アルミニウム、アンチモン、バリウム、ベリリウム、ビスマス、ホウ素、カドミウム、カルシウム、セリウム、セシウム、クロム、コバルト、銅、ジスプロシウム、エルビウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ガリウム、ゲルマニウム、ハフニウム、ホルミウム、インジウム、鉄、ランタン、鉛、リチウム、ルテチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ネオジム、ニッケル、プラセオジム、レニウム、サマリウム、シリコン、銀、ストロンチウム、チタン、バナジウム、イッテルビウム、イットリウム、亜鉛、及びジルコニウムの酸化物の均質な組成物からなる、顆粒状粒子の濾材組成物で充填された筐体を備える、流体フィルター。
【請求項2】
フィルター筐体が、入力ライン直径よりも3倍以上大きい直径を有する、請求項1に記載の流体フィルター。
【請求項3】
前記筐体が、それ自体の直径よりも3倍以上長い、請求項1に記載の流体フィルター。
【請求項4】
前記顆粒状粒子が、約4mm~約0.04mmのサイズの範囲である、請求項1に記載の流体フィルター。
【請求項5】
前記濾材組成物が、濾材の硝酸消化のICP-MS溶液分析によって決定されると少なくとも80%の銅の酸化物である、請求項1に記載の流体フィルター。
【請求項6】
濾材が、総重量で少なくとも90%の銅の酸化物からなる、請求項1に記載の流体フィルター。
【請求項7】
周囲温度から最大約500℃までの接触温度範囲を更に含む、請求項1に記載の流体フィルター。
【請求項8】
接触温度が、約30℃~約300℃の範囲である、請求項7に記載の流体フィルター。
【請求項9】
前記濾材組成物の組成物が、再生利用可能又は再生可能である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
約15mm~約0.001mmのサイズの範囲であり、微量の金、パラジウム、及び白金を加えた、アルミニウム、アンチモン、バリウム、ベリリウム、ビスマス、ホウ素、カドミウム、カルシウム、セリウム、セシウム、クロム、コバルト、銅、ジスプロシウム、エルビウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ガリウム、ゲルマニウム、ハフニウム、ホルミウム、インジウム、鉄、ランタン、鉛、リチウム、ルテチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ネオジム、ニッケル、プラセオジム、レニウム、サマリウム、シリコン、銀、ストロンチウム、チタン、バナジウム、イッテルビウム、イットリウム、亜鉛、及びジルコニウムの酸化物の均質な組成物からなる、顆粒状粒子の濾材組成物であって、成分の割合が、総重量で求められ、
・銅の酸化物が、濾材の少なくとも80%を含み、
・非銅酸化物が、濾材の0.001%~19.9999%を含み、
・元素金、パラジウム、及び白金が、濾材の0.00001%~0.0002%を含む、濾材組成物。
【請求項11】
・銅の酸化物が、濾材の最大約90%を含み、
・非銅酸化物が、濾材の0.001%~9.9999%を含み、
・元素金、パラジウム、及び白金が、濾材の0.00001%~0.0001%を含む、請求項10に記載の濾材。
【請求項12】
ガス又は液体流から、硫化水素、チオール又はメルカプタンなどの硫黄含有化合物、及び窒素の酸化物を除去するためのプロセスであって、前記プロセスが、流体フィルターに前記ガス又は液体流を通過させることによって、これらの汚染物質の濃度を通常の研究室計装の検出限界を下回るレベルまで低下させ、そのようなフィルターが、約15mm~約0.01mmのサイズの範囲であり、微量の金、パラジウム、及び白金を加えた、アルミニウム、アンチモン、バリウム、ベリリウム、ビスマス、ホウ素、カドミウム、カルシウム、セリウム、セシウム、クロム、コバルト、銅、ジスプロシウム、エルビウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ガリウム、ゲルマニウム、ハフニウム、ホルミウム、インジウム、鉄、ランタン、鉛、リチウム、ルテチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ネオジム、ニッケル、プラセオジム、レニウム、サマリウム、シリコン、銀、ストロンチウム、チタン、バナジウム、イッテルビウム、イットリウム、亜鉛、及びジルコニウムの酸化物の均質な組成物からなる、顆粒状粒子の濾材組成物で充填されている、周囲温度~約500℃の範囲である接触温度を有するフィルター筐体を備える、プロセス。
【請求項13】
前記ガス又は液体流が、フィルターを通して上向きに流動する、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記流体フィルターが、請求項1に記載の流体フィルターである、請求項12に記載のプロセス。
【請求項15】
濾材が、請求項10に記載の濾材である、請求項12に記載のプロセス。
【請求項16】
前記ガス又は液体流が、パイプライン内、排気流中、又は有機若しくは無機液体などの液体の、水素、天然ガス、バイオガス、又は他の研究室若しくは工業用ガスなどの任意のガス、又は空気、典型的には研究室及び工業顧客に利用可能である瓶詰めガスである、「化学的に純粋」若しくは「研究」として知られているグレードの特殊高純度複合ガスなどのガスの混合物からなる、請求項12に記載のプロセス。
【請求項17】
硫化水素、チオール、メルカプタン、他の硫黄含有分子、及び窒素の酸化物が、供給又は排出流体から除去される、請求項12に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明者
WASAS,Mariavicenta
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月27日に出願され、参照により本明細書に組み込まれる、米国仮特許出願第63/226,077号に対する優先権を主張する。
【0003】
連邦政府によって支援される研究又は開発に関する声明
連邦政府資金は本発明の研究又は開発に使用されなかった。
【0004】
共同研究契約の当事者の氏名
該当なし。
【0005】
参照により本明細書に含まれ、組み込まれる配列表
該当なし。
【背景技術】
【0006】
技術分野
本発明は、燃料電池、研究室、半導体、及び他の産業に使用される供給ガス及び液体を精製して、性能を改善し、機器の耐用年数を延長するため、並びに他の流体から硫黄化合物を排除し、かつ排出ガス及び液体から有害汚染物質を除去するためのフィルター組成物及び関連方法である。硫化水素(H2S)、メルカプタン又はチオールとして知られる硫黄含有炭化水素、及び硫化カルボニル、二硫化炭素などの硫黄含有化合物は、電気を発生させるために燃料電池で使用される触媒、石油精製、半導体産業、及び多くの他のものなどの研究室及び工業用途で使用される触媒及び化学物質を汚染する汚染物質のうち、最も一般的であり、除去することが最も困難である。
【0007】
発明の背景
10億分の1の濃度の硫黄含有汚染物質でさえも、わずか数年、又は極端な場合には数ヶ月で、何年も持続するべきである機器の故障を引き起こし得る。活性炭及び一般的な金属酸化物などの安価な濾過剤は、これらの硫黄含有汚染物質の濃度を低下させることができるが、これらの特殊な産業における最適な性能及び寿命に必要とされる極めて低いレベルまでそれらを除去することはできない。「サワーガス」は、パイプライン、機器に損傷を与え、匂いが不快であり得る、有意量のHS又は他の硫黄含有化合物を含有する天然ガス又は任意の他のガスとして知られている。酸性の汚染物質を含有する未加工の天然ガスを使用することができる前に、未加工ガスは、一般的には石油及び天然ガス精製所内で行われるアミン処理プロセスによって、許容レベルまでそれらの不純物を除去するために処理されなければならない。硫化水素及び他の有機硫黄化合物の除去は、「スイートニング」と称される。スイートニングされた生成物は、有機硫黄化合物の酸性の悪臭を欠くが、この「スイートニングされた」生成物は、完全に有機硫黄化合物を含まないわけではない。
【0008】
サワーガスから硫黄を除去するための金属元素の酸化物からなる吸収剤及び吸着剤の使用が、知られている。例えば、Denny et al.のU.S.5,853,681及びHatscherのU.S.8,596,407を参照されたい。
【0009】
必要とされるものは、燃料電池、他の硫黄感受性工業及び研究室用途、無機液体、並びに様々な有機液体で使用するために意図されたガス流から、硫化水素及び有機硫黄汚染物質を非常に低いレベルまで除去する単純で効率的な費用効果の高い方法である。
【発明の概要】
【0010】
好ましい実施形態では、ガス又は液体ラインに取り付けるための流体フィルターであって、約15mm~約0.001mmのサイズの範囲であり、微量の金、パラジウム、及び白金を加えた、アルミニウム、アンチモン、バリウム、ベリリウム、ビスマス、ホウ素、カドミウム、カルシウム、セリウム、セシウム、クロム、コバルト、銅、ジスプロシウム、エルビウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ガリウム、ゲルマニウム、ハフニウム、ホルミウム、インジウム、鉄、ランタン、鉛、リチウム、ルテチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ネオジム、ニッケル、プラセオジム、レニウム、サマリウム、シリコン、銀、ストロンチウム、チタン、バナジウム、イッテルビウム、イットリウム、亜鉛、及びジルコニウムの酸化物の均質な組成物からなる、顆粒状粒子の濾材組成物で充填された筐体を備える、流体フィルター。
【0011】
別の好ましい実施形態では、フィルター筐体が、入力ライン直径よりも3倍以上大きい直径を有する、本明細書に記載の流体フィルター。
【0012】
別の好ましい実施形態では、筐体が、それ自体の直径よりも3倍以上長い、本明細書に記載の流体フィルター。
【0013】
別の好ましい実施形態では、顆粒状粒子が、約4mm~約0.04mmのサイズの範囲である、本明細書に記載の流体フィルター。
【0014】
別の好ましい実施形態では、濾材組成物が、濾材の硝酸消化のICP-MS溶液分析によって決定されると少なくとも80%の銅の酸化物である、本明細書に記載の流体フィルター。
【0015】
別の好ましい実施形態では、濾材が、総重量で最大90%の銅の酸化物からなる、本明細書に記載の流体フィルター。
【0016】
別の好ましい実施形態では、周囲温度~最大約500℃の範囲である接触温度を更に含む、本明細書に記載の流体フィルター。
【0017】
別の好ましい実施形態では、接触温度が、約30℃~約300℃の範囲である、本明細書に記載の流体フィルター。
【0018】
別の好ましい実施形態では、濾材組成物の組成物が、再生利用可能又は再生可能である、本明細書に記載の流体フィルター。
【0019】
別の好ましい実施形態では、約15mm~約0.001mmのサイズの範囲であり、微量の金、パラジウム、及び白金を加えた、アルミニウム、アンチモン、バリウム、ベリリウム、ビスマス、ホウ素、カドミウム、カルシウム、セリウム、セシウム、クロム、コバルト、銅、ジスプロシウム、エルビウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ガリウム、ゲルマニウム、ハフニウム、ホルミウム、インジウム、鉄、ランタン、鉛、リチウム、ルテチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ネオジム、ニッケル、プラセオジム、レニウム、サマリウム、シリコン、銀、ストロンチウム、チタン、バナジウム、イッテルビウム、イットリウム、亜鉛、及びジルコニウムの酸化物の均質な組成物からなる、顆粒状粒子の濾材組成物であって、成分の割合が、総重量で求められ、
・銅の酸化物が、濾材の少なくとも80%を含み、
・非銅酸化物が、濾材の0.001%~19.9999%を含み、
・元素金、パラジウム、及び白金が、濾材の0.00001%~0.0002%を含む、濾材組成物。
【0020】
別の好ましい実施形態では、
・銅の酸化物が、濾材の最大90%を含み、
・非銅酸化物が、濾材の0.001%~9.9999%を含み、
・元素金、パラジウム、及び白金が、濾材の0.00001%~0.0001%を含む、本明細書に記載の濾材。
【0021】
別の好ましい実施形態では、ガス又は液体流から、硫化水素、チオール又はメルカプタンなどの硫黄含有化合物、及び窒素の酸化物を除去するためのプロセスであって、当該プロセスが、流体フィルターにガス又は液体流を通過させることによって、これらの汚染物質の濃度を通常の研究室計装の検出限界を下回るレベルまで低下させ、そのようなフィルターが、約15mm~約0.01mmのサイズの範囲であり、微量の金、パラジウム、及び白金を加えた、アルミニウム、アンチモン、バリウム、ベリリウム、ビスマス、ホウ素、カドミウム、カルシウム、セリウム、セシウム、クロム、コバルト、銅、ジスプロシウム、エルビウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ガリウム、ゲルマニウム、ハフニウム、ホルミウム、インジウム、鉄、ランタン、鉛、リチウム、ルテチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ネオジム、ニッケル、プラセオジム、レニウム、サマリウム、シリコン、銀、ストロンチウム、チタン、バナジウム、イッテルビウム、イットリウム、亜鉛、及びジルコニウムの酸化物の均質な組成物からなる、顆粒状粒子の濾材組成物で充填されている、周囲温度~約500℃の範囲である接触温度を有するフィルター筐体を備える、プロセス。
【0022】
別の好ましい実施形態では、ガス又は液体流がフィルターを通して上向きに流動する、本明細書に記載のプロセス。
【0023】
別の好ましい実施形態では、流体フィルターが、本明細書に記載の流体フィルターである、本明細書に記載のプロセス。
【0024】
別の好ましい実施形態では、濾材が、本明細書に記載の濾材である、本明細書に記載のプロセス。
【0025】
別の好ましい実施形態では、ガス又は液体流が、パイプライン内、排気流中、又は有機若しくは無機液体などの液体の、水素、天然ガス、バイオガス、又は他の研究室若しくは工業用ガスなどの任意のガス、又は空気、典型的には研究室及び工業顧客に利用可能である瓶詰めガスである、「化学的に純粋」若しくは「研究」として知られているグレードの特殊高純度複合ガスなどのガスの混合物からなる、本明細書に記載のプロセス。
【0026】
別の好ましい実施形態では、硫化水素、チオール、メルカプタン、他の硫黄含有分子、及び窒素の酸化物が、供給又は排出流体から除去される、本明細書に記載のプロセス。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明のプロセスで使用されるフィルターを証明する線図である。
図2】天然ガス流中の本発明のフィルターの結果を証明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
開示されるフィルター組成物及び関連方法は、流体に含有される硫黄、並びに供給及び排出ガス中の有害亜酸化窒素を除去するための手段及び方法を提供することによって、そのような汚染物質の問題に対処する。この目的のために、「流体」という言葉は、ガス及び液体の両方を意味する。流体中のこれらの汚染物質は、特殊な触媒及び計装の性能を迅速に劣化させて損傷し、井戸水の匂い及び味を悪くし、排出ガス中の汚染物質は、ヒトの健康及び環境に有害である。独立した研究は、水素並びに他の燃料及び供給ガスに含有される硫黄含有化合物が、高度な計装によって検出不可能であるレベルまで低減され得ることを実証する。
【0029】
水素、天然ガス、若しくは他のガス、又は有機若しくは無機液体の流体流からなるガス流を精製する発明の方法は、フィルター筐体にガス流を通過させることによって、ガス流から、硫化水素、有機硫黄化合物、及び亜酸化窒素などの他の有害不純物を除去することを伴わなければならず、そのような筐体は、約15mm~約0.01mmのサイズの範囲であり、微量の金、パラジウム、及び白金を加えた、アルミニウム、アンチモン、バリウム、ベリリウム、ビスマス、ホウ素、カドミウム、カルシウム、セリウム、セシウム、クロム、コバルト、銅、ジスプロシウム、エルビウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ガリウム、ゲルマニウム、ハフニウム、ホルミウム、インジウム、鉄、ランタン、鉛、リチウム、ルテチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ネオジム、ニッケル、プラセオジム、レニウム、サマリウム、シリコン、銀、ストロンチウム、チタン、バナジウム、イッテルビウム、イットリウム、亜鉛、及びジルコニウムの酸化物の均質な組成物からなる、顆粒状粒子の組成物を含む濾材で充填されている。フィルター筐体内の粒子のサイズの分布は、筐体の直径、流量、ガス圧力、及びフィルターを通過する許容される圧力降下に依存する。研究室型の非常に小型の筐体が、約10~約150ミクロンの範囲の非常に小さな粒子のみを含む一方で、大型の工業型フィルター筐体は、典型的には、約50ミクロン~最大約5mm以上の範囲の粒子を含む。
【0030】
銅は、顆粒状濾材の主要な金属成分であり、したがって、本発明の濾材の一実施形態では、銅の酸化物は、総重量で組成物の最大約90%を含む。別の実施形態では、酸化銅は、総重量又は濾材の硝酸消化のICP-MS溶液分析のいずれかによって決定されると、わずか80%を含み得る。しかしながら、組成物中の非銅金属酸化物及び3つの金属の存在に起因して、組成物は、水素の存在下で銅金属及びHOになるように反応する、純粋な酸化銅のようには挙動しない。他の金属酸化物は、組成物の10%と同じ程度であり得る。金、パラジウム、及び白金の3つの元素金属は、非常に少量で、例えば、最大約0.002%のみ存在する。
【0031】
濾材組成物は、潜在的な開放空間、したがって、濾過プロセス中の濾材迂回を低減するために、広範囲の粒径を有する均質な混合物として作成される。濾材が均一性を確保するために作成及び混合されると、次いで、これはフィルター筐体に挿入される。
【0032】
本発明の顆粒状濾材を作成するために、総重量の割合で0.0001%~最大1%の範囲の他の金属とともに銅の可溶性化合物を含有する溶液が、水中の水酸化ナトリウムの20%溶液と接触されて、金属の水酸化物の均質な沈殿物を形成し、これらは次いで、水和水を取り去るために乾燥及び加熱される。このプロセスは、均質な固体材料の塊を生成し、これは次いで、ジョークラッシャーで不規則な顆粒に分解され、続いて、カラムとして配置された接続された一連の回転篩を備える回転式スクリーニング機械で分解されたサイズを選別する。好ましい実施形態では、カラムは、2つの篩を含む。非常に微細な粒子は、篩のカラム全体を通過し、非常に小さい直径のフィルターに使用され、上部篩を通過するが底部篩を通過しない粒子は、中程度の直径サイズのフィルターに使用され、上部篩を通過しない最大の粒子は、大型フィルター筐体に使用されるか、又は追加のサイズ縮小のためにクラッシャーに戻って再生利用される。この配置では、広範囲であるが制御された範囲の粒子が、フィルター筐体を充填するために利用可能である。その結果としては、粒子がほとんど又は全く無駄にならない。
【0033】
好ましい実施形態では、フィルターの筐体は、円筒形であり、濾過されている流体からの攻撃に耐性のある材料から作製され、濾材は、フィルターを通り越えた濾材の移動を防止するために筐体内に含まれる。
【0034】
フィルター筐体は、ステンレス鋼、アルミニウム、他の既知の耐食性合金、炭素繊維、好適な低温及び圧力で動作されるときのプラスチック又はガラス繊維などの組成物などの圧力、温度、及び濾過されている流体の攻撃に抵抗するあらゆるものからなり得る。
【0035】
開示されるフィルターは、高温の無酸素ガスを濾過し、周囲大気温度~最大約500℃の任意の無酸素ガスの濾過を可能にするか、又は周囲温度~最大約120℃の温度における酸素を含有するガスを濾過するか、又は効率を失うことなく、若しくは顆粒状粒子の濾材組成物を劣化させることなく液体を濾過するように具現化されるであろう。
【0036】
フィルター筐体内の濾材は、フィルターの使用に応じて再生利用又は再生することができる。フィルターの耐用年数は、濾過されている流体流中の汚染物質の濃度に依存する。濾材は、典型的には、それが捕捉した硫黄に起因して、重量が約20%増加する。1,000グラムの濾材を含むフィルター筐体は、大気圧及び周囲温度で約300,000,000リットルの1ppm H2Sと同等である、約400グラム以上のH2Sを吸収することができる。
【0037】
好ましい実施形態では、筐体は、濾材を通した流動を拡散及び減速させて、濾材を通した流動の抵抗によって生成される圧力降下を減少させるために、入力ラインの直径の3倍以上の直径を有し、濾過されている流体と濾材との間の十分な接触を保証するために、それ自体の直径の3倍以上の長さを有する。また、好ましくは、フィルター筐体は、筐体内の圧力降下を増大させる濾材の充填を防止するために、供給が筐体の本体内で上向きに流動するように配置される。
【0038】
本発明のフィルターの研究室試験は、一貫して肯定的な結果をもたらしている。第1の研究室試験では、本発明のフィルターにガスを通過させることによって、99.99%水素試料に含有された108ppbのH2Sを、検出限界である6ppb未満に低減した。別の研究室試験では、1.902ppmのH2Sが本発明のフィルターを通過し、200pptの検出限界を下回るH2Sの濃度をもたらした。第3の試験では、低濃度及び高濃度の両方のH2S、硫化カルボニル、ジメチルジスルフィド、メチルメルカプタン、及びチオペンを、本発明のフィルターに通過させ、濾過されたガスの試験は、これらの硫黄含有化合物のうちのいずれも検出することができなかった。
【0039】
図の詳細な説明
ここで図を参照すると、図1は、フィルター筐体1を備える本発明のフィルター10を示し、その内側で2つの焼結フィルターディスク3が中心に置かれ、濾材2が2つの焼結ディスクの間に含まれている。フィルターは、入力ライン(図示せず)に接続され、好ましい実施形態では、入口4がフィルターの下側面上に位置する一方で、出口5がフィルターの上側面上に位置するように、濾材を通して上向きに流動する。
【0040】
図2は、天然ガス中の付臭剤として一般的に使用されている既知の濃度の3つの異なる臭気のある硫黄含有炭化水素を含有するメタンの6つの異なる試料の複合ガスクロマトグラムを示すチャートである。化学物質は、51.4ppmの硫化ジメチル、103ppmのtert-ブチルメルカプタン、及び103ppmのテトラヒドロチオペンである。3つの最も高いピークは、3回の実行が互いに完全に一致することを実証し、下方では、同じ3つの付臭剤が微量に低減されていることが分かる。
【0041】
本発明のプロセスは、本明細書に記載のプロセスのステップの各々を実施することが可能であり、かつ実施するために好適な任意の装置又はシステムで実施され得るが、本プロセスは、好ましくは、本明細書に記載のシステムの好ましい実施形態を利用して実施される。したがって、1つのプロセス及びシステムに関連して使用及び定義される場合の用語は、別のプロセス及びシステムに関して等しく適用可能である。
【0042】
本発明は、その具体的な実施形態を参照して詳細に説明されているが、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正をそれに行うことができることが、当業者に明らかであろう。したがって、本発明は、本発明の修正及び変形例が添付の請求項及びそれらの均等物の範囲内にあるという条件で、それらを対象とすることが意図される。
【0043】
参照番号のリスト:
1 フィルター筐体
2 濾材
3 焼結ディスク
4 流体入口
5 流体出口
10 流体フィルター
【0044】
本明細書に列挙される参考文献は、特に、当業者のレベルの教示に関連するため、かつ特許請求される本発明の主題のより一般的な理解のために必要な任意の開示のために、それらの全体で本明細書に組み込まれる。上記の実施形態が改変され得ること、又は本発明の範囲から逸脱することなく、実質的な変更が行われ得ることが、当業者に明確であろう。したがって、本発明の範囲は、以下の請求項及びそれらの均等物の範囲によって決定される。
図1
図2
【国際調査報告】