(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】水素酸素循環エンジン及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
F02B 43/10 20060101AFI20240816BHJP
F02M 21/02 20060101ALI20240816BHJP
F02M 25/12 20060101ALI20240816BHJP
F02D 45/00 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
F02B43/10 B
F02M21/02 G
F02M25/12 B
F02D45/00 369
F02D45/00 360Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505010
(86)(22)【出願日】2023-05-08
(85)【翻訳文提出日】2024-01-25
(86)【国際出願番号】 CN2023092699
(87)【国際公開番号】W WO2023221796
(87)【国際公開日】2023-11-23
(31)【優先権主張番号】202210526986.0
(32)【優先日】2022-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524034154
【氏名又は名称】王 立臣
【氏名又は名称原語表記】WANG, Lichen
【住所又は居所原語表記】Room 1304, Building 2, Jiali Building, NO. 180, Beiyuan Road Chaoyang District, Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】王 立臣
【テーマコード(参考)】
3G384
【Fターム(参考)】
3G384AA01
3G384AA06
3G384BA04
3G384BA11
3G384BA27
3G384BA31
3G384DA14
3G384FA14Z
3G384FA38Z
(57)【要約】
本発明は、水素酸素循環エンジン及びその使用方法に関し、前記水素酸素循環エンジンは、エアーシリンダーアセンブリ、水素ガス供給アセンブリ、酸素ガス供給アセンブリ、循環媒体アセンブリ、霧化水アセンブリ、凝縮水回収アセンブリ及び制御システムを含み、それは、構造設計が合理的であり、自動化程度が高く、カーボン排出を生成しないなどの利点があり、汚染環境の問題を徹底的に解決することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素酸素循環エンジンであって、前記水素酸素循環エンジンは、エアーシリンダーアセンブリ、水素ガス供給アセンブリ、酸素ガス供給アセンブリ、循環媒体アセンブリ、霧化水アセンブリ、凝縮水回収アセンブリ及び制御システムを含み、前記エアーシリンダーアセンブリは、エアーシリンダー本体(1)、第1の吸気分岐パイプ(2)、吸気弁(3)、排気弁(4)、排気分岐パイプ(5)、ノズル(6)、ピストン(7)、リンク(8)、及びクランク軸(9)を含み、前記ピストンは、リンクを介してクランク軸に伝動接続され、前記ピストンは、エアーシリンダー本体内に設置され、前記エアーシリンダー本体の最上部は、それぞれ吸気弁、排気弁、ノズルに接続され、前記第1の吸気分岐パイプの一端は、吸気弁に接続され、前記排気分岐パイプの一端は、排気弁に接続され、前記水素ガス供給アセンブリは、水素ガス貯蔵タンク(10)、水素ガスフレームアレスタ(11)、及び水素ガスパイプ(12)を含み、前記水素ガスパイプの両端は、それぞれ水素ガス貯蔵タンク、ノズルに接続され、前記水素ガスフレームアレスタは、水素ガス貯蔵タンクと水素ガスパイプとの接続箇所に設置され、前記酸素ガス供給アセンブリは、酸素ガス貯蔵タンク(13)、酸素ガス吸気ヘッダパイプ(14)及び酸素ガス吸気分岐パイプ(15)を含み、前記酸素ガス吸気ヘッダパイプの一端は、水素ガスガス貯蔵タンクに接続され、前記酸素ガス吸気分岐パイプの一端は、酸素ガス吸気ヘッダパイプに接続され、前記霧化水アセンブリは、霧化水貯水タンク(16)、エアーシリンダー霧化水パイプ(17)、吸気分岐パイプ霧化水パイプ(18)、及び輸送ポンプ(19)を含み、前記吸気分岐パイプ霧化水パイプの両端は、それぞれ霧化水貯水タンク、第1の吸気分岐パイプに接続され、前記エアーシリンダー霧化水パイプの一端は、吸気分岐パイプ霧化水パイプに接続され、他端は、前記ノズルに接続され、前記輸送ポンプは、前記霧化水貯水タンクと吸気分岐パイプ霧化水パイプとの接続箇所に設置され、前記循環媒体アセンブリは、循環媒体パイプ(20)、循環媒体分岐パイプ(21)、吸気ヘッダパイプ(22)、及び排気ヘッダパイプ(23)を含み、前記循環媒体パイプの両端は、それぞれ吸気ヘッダパイプの一端、排気ヘッダパイプの一端に接続され、前記循環媒体分岐パイプの両端は、それぞれ前記排気ヘッダパイプの他端、水素ガスパイプに接続され、前記酸素ガス吸気ヘッダパイプの他端は、吸気ヘッダパイプに接続され、前記酸素ガス吸気分岐パイプの他端は、吸気ヘッダパイプに接続され、前記吸気ヘッダパイプの他端は、第1の吸気分岐パイプに接続され、前記凝縮水回収アセンブリは、コンデンサ(24)、凝縮水パイプ(25)、及び霧化水貯水タンクに設置される凝縮水貯水タンクを含み、前記凝縮水パイプの両端は、それぞれコンデンサの一端、凝縮水貯水タンクに接続され、前記コンデンサの他端は、排気ヘッダパイプに接続され、前記凝縮水貯水タンクは、霧化水貯水タンクに接続され、前記吸気ヘッダパイプには、空気吸気パイプ(26)がさらに設置され、前記排気ヘッダパイプには、排気ヘッダパイプに接続される排ガス排出パイプ(27)がさらに設置され、制御システムは、PLCコントローラ(28)、マンマシンインタフェース、及びセンサアセンブリを含み、前記PLCコントローラは、それぞれマンマシンインタフェース、センサアセンブリに接続され、前記センサアセンブリは、水素ガスパイプに設置される水素ガス流量センサ(29)、水素ガス圧力センサ(30)、水素ガス遮断弁(31)及び水素ガススロットル制御弁(32)、エアーシリンダー霧化水パイプに設置されるエアーシリンダー霧化水制御弁(33)、排気ヘッダパイプに設置される温度センサ(34)、酸素ガスヘッダパイプに設置される酸素ガス圧力センサ(35)、酸素ガス流量センサ(36)及び酸素ガス流量制御弁(37)、酸素ガスブランチに設置される酸素ガスブランチ流量制御弁(38)、吸気ヘッダパイプに設置される循環媒体圧力センサ(39)、循環媒体パイプに設置される酸素ガス/水素ガス含有量センサ(40)、循環媒体制御弁(41)、空気吸気パイプに設置される空気吸気制御弁(42)、排ガス排出パイプに設置される排ガス排出制御弁(43)、循環媒体分岐パイプに設置される分岐パイプ流量制御弁(44)を含み、上記センサは、いずれもPLCコントローラにデータ信号を介して接続され、前記PLCコントローラは、いずれも上記弁制御に接続される、
ことを特徴とする水素酸素循環エンジン。
【請求項2】
前記排ガス排出パイプには、排ガス排出安全弁(45)と排ガス排出パイプトラップ(46)がさらに設置され、前記凝縮水貯水タンクには、オーバーフロー口(47)、及び、PLCコントローラに接続される自動排水弁(48)が設置され、前記吸気ヘッダパイプの他端には、PLCコントローラに接続される吸気ヘッダパイプトラップ(49)がさらに設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の水素酸素循環エンジン。
【請求項3】
前記空気吸気パイプには、フィルタ(50)が設置され、前記エアーシリンダー霧化水パイプには、PLCコントローラに接続されるエアーシリンダー霧化水制御弁(51)がさらに設置され、前記酸素ガスヘッダパイプには、酸素ガス遮断弁(52)がさらに設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の水素酸素循環エンジン。
【請求項4】
前記循環媒体アセンブリにおける媒体は、水蒸気であり、該水素酸素循環エンジンは、水素ガスを燃料、酸素ガスを助燃剤として使用し、エンジン燃焼後の排ガスの成分は、H
2Oのみである、
ことを特徴とする請求項1に記載の水素酸素循環エンジン。
【請求項5】
該水素酸素循環エンジンは、酸素ガスと水素ガスとの流量比率を用いて制御し、PLCコントローラは、水素ガス流量センサのデータ信号に基づいて酸素ガス供給量を調整し、水素ガスと酸素ガスとの燃焼比率の調整を実現する、
ことを特徴とする請求項1に記載の水素酸素循環エンジン。
【請求項6】
PLCコントローラは、循環媒体パイプの酸素ガス/水素ガス流量センサによりフィードバックされたデータ信号に基づいて、酸素ガス分岐パイプ制御弁を制御することによって酸素ガスの微調整を実現し、最適なエンジンモードを達成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の水素酸素循環エンジン。
【請求項7】
自動的に切り替え可能な酸素ガス助燃と空気助燃の2つの作動モードを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の水素酸素循環エンジン。
【請求項8】
車用内燃機関、船用内燃機関、発電内燃機関の分野で用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の水素酸素循環エンジン。
【請求項9】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の水素酸素循環エンジンの使用方法であって、
点火スイッチによってエンジンを起動し、前記水素酸素循環エンジンの各部材に給電し、エンジンが初めてコールド起動する時に、PLCコントローラがまず空気制御弁を開き、起動空気を導入し、PLCコントローラが水素ガス流量センサのデータ信号のフィードバック値に基づいて、エンジンスロットルを制御して水素ガスをノズルを介してエアーシリンダーに噴射し、水素ガスと酸素ガスが燃焼してピストンを押してさらにリンクとクランク軸を往復移動させて仕事をし、燃焼後に形成された水蒸気が排気弁と排気分岐パイプを通って排気ヘッダパイプを通り、水蒸気の一部が循環パイプに入って流量制御弁を通って酸素ガスと混合され、エアーシリンダーに入って水素ガスと混合されて燃焼し、水蒸気の一部が凝縮水パイプを通ってコンデンサにおいて水に凝縮して貯水タンクに入って霧化水として循環使用され、PLCコントローラが水素ガス流量センサ、酸素ガス流量センサのデータ信号のフィードバック値に基づいて、酸素ガス流量制御弁を徐々に開いて酸素ガスを導入し且つ空気制御弁を閉じるまで同期に小さく閉じ、空気の導入を停止し、この時に水素ガス酸素ガス燃焼段階に入り、生じた水蒸気循環媒体が排気ヘッダパイプバイパスにおける排ガス排出パイプから大気に排出され、PLCコントローラが循環媒体圧力センサのフィードバック値に基づいて排ガス排出制御弁を制御することによって水蒸気排出量を調整し、循環媒体パイプの圧力が安全設定値に上がると、排ガス排出安全弁を自動的に開き、システム圧力の安定を確保するステップ1)と、
上記ステップ1)の後に、PLCコントローラがエアーシリンダーアセンブリの運転モードでの酸素ガス流量センサ、循環媒体圧力センサのデータ信号のフィードバック値に基づいて、酸素ガスヘッダパイプ制御弁を制御することによって、酸素ガスと循環媒体を吸気ヘッダパイプ--吸気分岐パイプ--吸気弁を介してエアーシリンダーに導入し、水素ガススロットル制御弁、循環媒体分岐パイプ制御弁を制御することによって、水素ガスと循環媒体を水素ガスパイプ、循環媒体分岐パイプ、ノズルを介してエアーシリンダーに導入し、同時にエアーシリンダー霧化水制御弁を自動的に開き、霧化水をエアーシリンダーに噴射し、PLCコントローラが循環媒体パイプの酸素ガス/水素ガス流量センサのデータ信号のフィードバック値をリアルタイムに監視し、酸素ガス分岐パイプ制御弁を制御することによって、循環媒体中の微量の水素ガス、酸素ガスの含有量を調整し、水素ガス酸素ガスが常に最適な状態で燃焼することを確保するステップ2)と、
PLCコントローラがエアーシリンダーアセンブリの運転モードでの水素ガス流量センサ、循環媒体圧力センサ、酸素ガス流量センサ及び酸素ガス/水素ガス流量センサのデータ信号のフィードバック値に応じて、水素ガス流量センサのフィードバック値に基づいて、各制御弁を自動的に制御し、酸素ガス、循環媒体及び霧化水の流量を調整し、エンジンを安定モードで作動させるステップ3)と、
PLCコントローラリがエンジン運転モードをアルタイムに監視し、吸気分岐パイプ霧化水制御弁の開度を自動的に調整し、吸気分岐パイプ内に霧化水を噴射するステップ4)と、
エンジンエアーシリンダーにおける循環媒体がステップ1)、2)、3)、4)に従って絶えず循環し、水素酸素循環エンジンがノズルの水素ガス噴射量を絶えず調整することによって、運転中に低速負荷が大きい時にトルクが大きく、高速負荷が小さい時にトルクが小さいことを実現し、PLCコントローラがエアーシリンダーアセンブリの運転モードでの排ガスパイプにおける温度センサのデータ信号のフィードバック値に基づいて、循環媒体の温度値をリアルタイムに監視し、エンジン運転温度の安定を確保するステップ5)と、
該水素酸素循環エンジンでは酸素ガス貯蔵タンクにおける酸素ガスが切れそうになる時に、酸素ガス圧力センサが信号を出し、この時にPLCコントローラが空気制御弁を自動的に開き、酸素ガス遮断弁を閉じて空気助燃モードに自動的に切り換え、同時に循環媒体パイプ制御弁を閉じ、エンジンの生じた水蒸気の一部が凝縮水パイプを通ってコンデンサにおいて水に凝縮して貯水タンクに入って霧化水として循環使用され、一部が水蒸気循環を行わず、排ガス排出制御弁を介して大気に排出されるステップ6)と、
該水素酸素循環エンジンでは水素ガスパイプに水素ガス圧力センサが設置され、水素ガス圧力が設定値よりも低いと、警報信号を出し、水素ガスの補充を注意するステップ7)と、
水素酸素循環エンジンでは排ガス排出パイプと媒体循環パイプにいずれも自動トラップが設けられ、エンジンの運転中に、パイプにおける凝縮水がトラップを介して自動的に排出されるステップ8)と、
水素酸素循環エンジンでは貯水タンクに自動排水弁、オーバーフロー弁及び温度センサが設けられ、エンジンが作動を停止させた後、PLCコントローラが温度センサのフィードバック値を監視し、温度値が氷点に達すると、貯水タンク内のすべての水を自動的に排出するステップ9)と、
水素酸素循環エンジンでは水素ガスパイプ及び酸素ガスパイプに緊急遮断弁、慣性スイッチ及び圧力下限インターロック警報装置が設けられ、循環媒体パイプに温度上限インターロック警報装置が設置され、酸素ガス水素ガスの圧力が設定値よりも低い、循環媒体温度が設定値よりも高い、衝撃が生じた、水素酸素循環エンジンが発火した緊急モードで水素ガス及び酸素ガスの供給をリアルタイムに遮断し、エンジンの安全作動を確保するステップ10)とを含む、
ことを特徴とする水素酸素循環エンジンの使用方法。
【請求項10】
前記エアーシリンダーアセンブリの運転モードは、運転及び停止モード、加速モード、減速モード、アイドルモード及び空気モードを含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の水素酸素循環エンジンの使用方法。
【請求項11】
エンジンが停止する時に、まず水素ガス制御弁を閉じ、水素ガス供給を停止すると同時に、酸素ガス制御弁を閉じ、循環水蒸気制御弁の閉じを遅らせ、循環媒体でエンジン混合パイプに残存する水素ガスと酸素ガスをエアーシリンダーに持ち込んですべて燃焼し切れる、
ことを特徴とする請求項9に記載の水素酸素循環エンジンの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車用内燃機関、船用内燃機関、発電内燃機関の技術分野に関し、特に水素酸素循環エンジン及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、国家新エネルギー自動車の関連政策が次々と実施されるにつれて、自動車企業及び車両研究設計院は、新エネルギー自動車の研究開発に力を入れており、新エネルギー自動車の関連特許出願件数も増加している。一般的な新エネルギー自動車には、リチウム電池電池自動車、燃料・ガスハイブリッド自動車、水素自動車などが含まれる。出願者は、水素ガス自動車を例に、どのように自動車の主要部品の1つであるエンジンのエネルギー転化効率を高めて環境汚染の技術課題を解決するかに基づいて、水素酸素循環エンジン及びその使用方法を提案して、実際の設計と使用需要を満たす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、構造設計が合理的であり、自動化程度が高く、従来のエンジンに比べて、エネルギー消費量がより低く、走行距離がより低く、出力が高く、温度能率が高く、いかなる汚染物も排出せず、きれない水のみを排出し、カーボン排出を生成しないなどの利点があり、汚染環境の問題を徹底的に解決することができ、船用、車用、発電用内燃エンジンに用いることができる、水素酸素循環エンジン及びその使用方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は、下記技術的解決手段を用いる。
【0005】
水素酸素循環エンジンであって、前記水素酸素循環エンジンは、エアーシリンダーアセンブリ、水素ガス供給アセンブリ、酸素ガス供給アセンブリ、循環媒体アセンブリ、霧化水アセンブリ、凝縮水回収アセンブリ及び制御システムを含み、前記エアーシリンダーアセンブリは、エアーシリンダー本体、第1の吸気分岐パイプ、吸気弁、排気弁、排気分岐パイプ、ノズル、ピストン、リンク、及びクランク軸を含み、前記ピストンは、リンクを介してクランク軸に伝動接続され、前記ピストンは、エアーシリンダー本体内に設置され、前記エアーシリンダー本体の最上部は、それぞれ吸気弁、排気弁、ノズルに接続され、前記第1の吸気分岐パイプの一端は、吸気弁に接続され、前記排気分岐パイプの一端は、排気弁に接続され、前記水素ガス供給アセンブリは、水素ガス貯蔵タンク、水素ガスフレームアレスタ、及び水素ガスパイプを含み、前記水素ガスパイプの両端は、それぞれ水素ガス貯蔵タンク、ノズルに接続され、前記水素ガスフレームアレスタは、水素ガス貯蔵タンクと水素ガスパイプとの接続箇所に設置され、前記酸素ガス供給アセンブリは、酸素ガス貯蔵タンク、酸素ガス吸気ヘッダパイプ及び酸素ガス吸気分岐パイプを含み、前記酸素ガス吸気ヘッダパイプの一端は、水素ガスガス貯蔵タンクに接続され、前記酸素ガス吸気分岐パイプの一端は、酸素ガス吸気ヘッダパイプに接続され、前記霧化水アセンブリは、霧化水貯水タンク、エアーシリンダー霧化水パイプ、吸気分岐パイプ霧化水パイプ、及び輸送ポンプを含み、前記吸気分岐パイプ霧化水パイプの両端は、それぞれ霧化水貯水タンク、第1の吸気分岐パイプに接続され、前記エアーシリンダー霧化水パイプの一端は、吸気分岐パイプ霧化水パイプに接続され、他端は、前記ノズルに接続され、前記輸送ポンプは、前記霧化水貯水タンクと吸気分岐パイプ霧化水パイプとの接続箇所に設置され、前記循環媒体アセンブリは、循環媒体パイプ、循環媒体分岐パイプ、吸気ヘッダパイプ、及び排気ヘッダパイプを含み、前記循環媒体パイプの両端は、それぞれ吸気ヘッダパイプの一端、排気ヘッダパイプの一端に接続され、前記循環媒体分岐パイプの両端は、それぞれ前記排気ヘッダパイプの他端、水素ガスパイプに接続され、前記酸素ガス吸気ヘッダパイプの他端は、吸気ヘッダパイプに接続され、前記酸素ガス吸気分岐パイプの他端は、吸気ヘッダパイプに接続され、前記吸気ヘッダパイプの他端は、第1の吸気分岐パイプに接続され、前記凝縮水回収アセンブリは、コンデンサ、凝縮水パイプ、及び、霧化水貯水タンクに設置される凝縮水貯水タンクを含み、前記凝縮水パイプの両端は、それぞれコンデンサの一端、凝縮水貯水タンクに接続され、前記コンデンサの他端は、排気ヘッダパイプに接続され、前記凝縮水貯水タンクは、霧化水貯水タンクに接続され、前記吸気ヘッダパイプには、空気吸気パイプがさらに設置され、前記排気ヘッダパイプには、排気ヘッダパイプに接続される排ガス排出パイプがさらに設置され、制御システムは、PLCコントローラ、マンマシンインタフェース、及びセンサアセンブリを含み、前記PLCコントローラは、それぞれマンマシンインタフェース、センサアセンブリに接続され、前記センサアセンブリは、水素ガスパイプに設置される水素ガス流量センサ、水素ガス圧力センサ、水素ガス遮断弁及び水素ガススロットル制御弁、エアーシリンダー霧化水パイプに設置されるエアーシリンダー霧化水制御弁、排気ヘッダパイプに設置される温度センサ、酸素ガスヘッダパイプに設置される酸素ガス圧力センサ、酸素ガス流量センサ及び酸素ガス流量制御弁、酸素ガスブランチに設置される酸素ガスブランチ流量制御弁、吸気ヘッダパイプに設置される循環媒体圧力センサ、循環媒体パイプに設置される酸素ガス/水素ガス含有量センサ、循環媒体制御弁、空気吸気パイプに設置される空気吸気制御弁、排ガス排出パイプに設置される排ガス排出制御弁、循環媒体分岐パイプに設置される分岐パイプ流量制御弁を含み、上記センサは、いずれもPLCコントローラデータ信号に接続され、前記PLCコントローラは、いずれも上記弁制御に接続される。
【0006】
上記技術的解決手段のさらなる最適化としては、前記排ガス排出パイプには、排ガス排出安全弁と排ガス排出パイプトラップがさらに設置され、前記凝縮水貯水タンクには、オーバーフロー口、及び、PLCコントローラに接続される自動排水弁が設置され、前記吸気ヘッダパイプの他端には、PLCコントローラに接続される吸気ヘッダパイプトラップがさらに設置される。
【0007】
上記技術的解決手段のさらなる最適化としては、前記空気吸気パイプには、フィルタが設置され、前記エアーシリンダー霧化水パイプには、PLCコントローラに接続されるエアーシリンダー霧化水制御弁がさらに設置され、前記酸素ガスヘッダパイプには、酸素ガス遮断弁がさらに設置される。
【0008】
上記技術的解決手段のさらなる最適化としては、前記循環媒体アセンブリにおける媒体は、水蒸気であり、該水素酸素循環エンジンは、水素ガスを燃料、酸素ガスを助燃剤として使用し、エンジン燃焼後の排ガスの成分は、H2Oのみである。
【0009】
上記技術的解決手段のさらなる最適化としては、該水素酸素循環エンジンは、酸素ガスと水素ガスとの流量比率を用いて制御し、PLCコントローラは、水素ガス流量センサのデータ信号に基づいて酸素ガス供給量を調整し、水素ガスと酸素ガスとの燃焼比率の調整を実現する。
【0010】
上記技術的解決手段のさらなる最適化としては、PLCコントローラは、循環媒体パイプの酸素ガス/水素ガス流量センサによりフィードバックされたデータ信号に基づいて、酸素ガス分岐パイプ制御弁を制御することによって酸素ガスの微調整を実現し、最適なエンジンモードを達成する。
【0011】
上記技術的解決手段のさらなる最適化としては、該水素酸素循環エンジンは、自動的に切り替えることができる酸素ガス助燃と空気助燃の2つの作動モードを有する。
【0012】
上記技術的解決手段のさらなる最適化としては、該水素酸素循環エンジンは、車用内燃機関、船用内燃機関、発電内燃機関の分野で用いられる。
【0013】
本発明に係る水素酸素循環エンジンの使用方法は、
点火スイッチによってエンジンを起動し、前記水素酸素循環エンジンの各部材に給電し、エンジンが初めてコールド起動する時に、PLCコントローラがまず空気制御弁を開き、起動空気を導入し、PLCコントローラが水素ガス流量センサのデータ信号のフィードバック値に基づいて、エンジンスロットルを制御して水素ガスをノズルを介してエアーシリンダーに噴射し、水素ガスと酸素ガスが燃焼してピストンを押してさらにリンクとクランク軸を往復移動させて仕事をし、燃焼後に形成された水蒸気が排気弁と排気分岐パイプを通って排気ヘッダパイプを通り、水蒸気の一部が循環パイプに入って流量制御弁を通って酸素ガスと混合され、エアーシリンダーに入って水素ガスと混合されて燃焼し、水蒸気の一部が凝縮水パイプを通ってコンデンサにおいて水に凝縮して貯水タンクに入って霧化水として循環使用され、PLCコントローラが水素ガス流量センサ、酸素ガス流量センサのデータ信号のフィードバック値に基づいて、酸素ガス流量制御弁を徐々に開いて酸素ガスを導入し且つ空気制御弁を閉じるまで同期に小さく閉じ、空気の導入を停止し、この時に水素ガス酸素ガス燃焼段階に入り、生じた水蒸気循環媒体が排気ヘッダパイプバイパスにおける排ガス排出パイプから大気に排出され、PLCコントローラが循環媒体圧力センサのフィードバック値に基づいて排ガス排出制御弁を制御することによって水蒸気排出量を調整し、循環媒体パイプの圧力が安全設定値に上がると、排ガス排出安全弁を自動的に開き、システム圧力の安定を確保するステップ1)と、
上記ステップ1)の後に、PLCコントローラがエアーシリンダーアセンブリの運転モードでの酸素ガス流量センサ、循環媒体圧力センサのデータ信号のフィードバック値に基づいて、酸素ガスヘッダパイプ制御弁を制御することによって、酸素ガスと循環媒体を吸気ヘッダパイプ--吸気分岐パイプ--吸気弁を介してエアーシリンダーに導入し、水素ガススロットル制御弁、循環媒体分岐パイプ制御弁を制御することによって、水素ガスと循環媒体を水素ガスパイプ、循環媒体分岐パイプ、ノズルを介してエアーシリンダーに導入し、同時にエアーシリンダー霧化水制御弁を自動的に開き、霧化水をエアーシリンダーに噴射し、PLCコントローラが循環媒体パイプの酸素ガス/水素ガス流量センサのデータ信号のフィードバック値をリアルタイムに監視し、酸素ガス分岐パイプ制御弁を制御することによって、循環媒体中の微量の水素ガス、酸素ガスの含有量を調整し、水素ガス、酸素ガスが常に最適な状態で燃焼することを確保するステップ2)と、
PLCコントローラがエアーシリンダーアセンブリの運転モードでの水素ガス流量センサ、循環媒体圧力センサ、酸素ガス流量センサ及び酸素ガス/水素ガス流量センサのデータ信号のフィードバック値に応じて、水素ガス流量センサのフィードバック値に基づいて、各制御弁を自動的に制御し、酸素ガス、循環媒体及び霧化水の流量を調整し、エンジンを安定モードで作動させるステップ3)と、
PLCコントローラリがエンジン運転モードをアルタイムに監視し、吸気分岐パイプ霧化水制御弁の開度を自動的に調整し、吸気分岐パイプ内に霧化水を噴射するステップ4)と、
エンジンエアーシリンダーにおける循環媒体がステップ1)、2)、3)、4)に従って絶えず循環し、水素酸素循環エンジンがノズルの水素ガス噴射量を絶えず調整することによって、運転中に低速負荷が大きい時にトルクが大きく、高速負荷が小さい時にトルクが小さいことを実現し、PLCコントローラがエアーシリンダーアセンブリの運転モードでの排ガスパイプにおける温度センサのデータ信号のフィードバック値に基づいて、循環媒体の温度値をリアルタイムに監視し、エンジン運転温度の安定を確保するステップ5)と、
該水素酸素循環エンジンでは酸素ガス貯蔵タンクにおける酸素ガスが切れそうになる時に、酸素ガス圧力センサが信号を出し、この時にPLCコントローラが空気制御弁を自動的に開き、酸素ガス遮断弁を閉じて空気助燃モードに自動的に切り換え、同時に循環媒体パイプ制御弁を閉じ、エンジンの生じた水蒸気の一部が凝縮水パイプを通ってコンデンサにおいて水に凝縮して貯水タンクに入って霧化水として循環使用され、一部が水蒸気循環を行わず、排ガス排出制御弁を介して大気に排出されるステップ6)と、
該水素酸素循環エンジンでは水素ガスパイプに水素ガス圧力センサが設置され、水素ガス圧力が設定値よりも低いと、警報信号を出し、水素ガスの補充を注意するステップ7)と、
水素酸素循環エンジンでは排ガス排出パイプと媒体循環パイプにいずれも自動トラップが設けられ、エンジンの運転中に、パイプにおける凝縮水がトラップを介して自動的に排出されるステップ8)と、
水素酸素循環エンジンでは貯水タンクに自動排水弁、オーバーフロー弁及び温度センサが設けられ、エンジンが作動を停止させた後、PLCコントローラが温度センサのフィードバック値を監視し、温度値が氷点に達すると、貯水タンク内のすべての水を自動的に排出するステップ9)と、
水素酸素循環エンジンでは水素ガスパイプ及び酸素ガスパイプに緊急遮断弁、慣性スイッチ及び圧力下限インターロック警報装置が設けられ、循環媒体パイプに温度上限インターロック警報装置が設置され、酸素ガス水素ガスの圧力が設定値よりも低い、循環媒体温度が設定値よりも高い、衝撃が生じた、水素酸素循環エンジンが発火した緊急モードで水素ガス及び酸素ガスの供給をリアルタイムに遮断し、エンジンの安全作動を確保するステップ10)とを含む。
【0014】
上記手段のさらなる最適化としては、前記エアーシリンダーアセンブリの運転モードは、運転及び停止モード、加速モード、減速モード、アイドルモード及び空気モードを含む。
【0015】
上記手段のさらなる最適化としては、エンジンが停止する時に、まず水素ガス制御弁を閉じ、水素ガス供給を停止すると同時に、酸素ガス制御弁を閉じ、循環水蒸気制御弁の閉じを遅らせ、循環媒体でエンジン混合パイプに残存する水素ガスと酸素ガスをエアーシリンダーに持ち込んですべて燃焼し切れる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る水素酸素循環エンジン及びその使用方法は、下記有益な効果を有する。
【0017】
1、該水素酸素循環エンジンは、水素ガスを燃料、酸素ガスを助燃剤として使用する。エンジン燃焼後の排ガスの成分は、水(H2O)のみであり、カーボン排出を生成せず、排出汚染物がゼロであり、環境汚染の問題を徹底的に解決する。
【0018】
2、該水素酸素循環エンジンは、酸素ガスとエンジン排ガス中の水蒸気との混合循環燃焼技術を用い、水素ガスと酸素ガスは、エアーシリンダー内において燃焼して水蒸気のみを生成し、排ガスパイプにおける水蒸気は、循環媒体として吸気パイプに導入されて酸素ガスと混合され、酸素ガスは、希釈され、次に混合ガスは、吸気分岐パイプを通ってエアーシリンダーに入り、従って酸素ガス濃度を低減させ、所定の比率で酸素ガス濃度を希釈することができる。
【0019】
3、該水素酸素循環エンジンは、循環媒体パイプをノズルに導入する前に水素ガスパイプに接続し、混合後の水素ガスは、エアーシリンダーにおけるノズルを通ってエアーシリンダーに入り、同時に水素ガスと酸素ガスが燃焼して生じた蒸気が凝縮した水は、ノズルに入り、ノズル内において霧化された後にエアーシリンダー内に噴射されて蒸気になり、水素ガスをさらに希釈する。
【0020】
4、該水素酸素循環エンジンは、吸気分岐パイプに霧化水ノズルが設けられ、吸気分岐パイプに噴射された霧化水は、酸素ガス及び循環媒体と混合されてエアーシリンダーに入った後に、水蒸気を生成すると同時に熱を吸収し、水蒸気は、膨張して体積が大きくなる。該水素酸素循環エンジンは、エアーシリンダーに水素ガスと霧化水ノズルが設けられ、水素ガス、循環媒体及び霧化水は、エアーシリンダーに噴射された後に水素ガス濃度をさらに希釈すると同時に助燃剤の酸素ガスと燃焼して膨張し、燃焼して生じた熱により、凝縮水は、蒸気に気化して膨張してエアーシリンダー内の圧力を増大させて仕事をすることを補助する。エアーシリンダー内に噴射する水素ガス、酸素ガス、水蒸気、凝縮水の量は、相互に所定の比率に基づいて自動的に調節される。
【0021】
5、水素ガスと酸素ガスは、エアーシリンダー内において燃焼して水蒸気のみを生成し、この時にエアーシリンダー内において実際に水蒸気は仕事をする。同時に水素ガスと酸素ガスは、燃焼して熱を生成し、水は、水蒸気に気化して膨張して体積が大きくなり、エアーシリンダー内において圧力を増大してピストンを押して移動させて仕事をする。エンジンエアーシリンダー内の圧力を需要に応じて調整することができ、エアーシリンダー内に入る霧化水の量を調節することによって、エアーシリンダー内の圧力を増大又は減少させることによって、内燃エンジンの最大電流を増大又は減少させることができ、このように内燃エンジンは、可変電力エンジンとなる。
【0022】
6、該水素酸素循環エンジンで燃焼して生成された水蒸気は、凝縮水パイプを通って水に冷却された後に貯水タンクに貯蔵され、貯水タンクにおける余分な水は、貯水タンクに設けられるオーバーフロー口から自動的に排出され、排ガスにおける余分な水蒸気は、圧力弁を通って排ガス排出パイプを介して排出される。
【0023】
7、該水素酸素循環エンジンは、自動的に切り替え可能な酸素ガス助燃と空気助燃の2つのモードで作動することができる。
【0024】
8、該水素酸素循環エンジンは、酸素ガスと水素ガスとの流量比率を用いて制御し、PLCコントローラは、水素ガス流量センサのデータ信号に基づいて酸素ガス供給量を調整し、自動水素ガスと酸素ガスとの燃焼比率の調整を実現する。
【0025】
9、該水素酸素循環エンジンPLCコントローラは、循環媒体パイプの酸素ガス/水素ガス流量センサによりフィードバックされたデータ信号に基づいて、酸素ガス分岐パイプ制御弁を制御することによって酸素ガスの微調整を実現し、最適なエンジンモードを達成する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明に係る水素酸素循環エンジン全体の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、
図1を合わせて本発明に係る水素酸素循環エンジン及びその使用方法を詳細に説明する。
【0028】
水素酸素循環エンジンであって、前記水素酸素循環エンジンは、エアーシリンダーアセンブリ、水素ガス供給アセンブリ、酸素ガス供給アセンブリ、循環媒体アセンブリ、霧化水アセンブリ、凝縮水回収アセンブリ及び制御システムを含み、前記エアーシリンダーアセンブリは、エアーシリンダー本体1、第1の吸気分岐パイプ2、吸気弁3、排気弁4、排気分岐パイプ5、ノズル6、ピストン7、リンク8、及びクランク軸9を含み、前記ピストンは、リンクを介してクランク軸に伝動接続され、前記ピストンは、エアーシリンダー本体内に設置され、前記エアーシリンダー本体の最上部は、それぞれ吸気弁、排気弁、ノズル6に接続され、前記第1の吸気分岐パイプの一端は、吸気弁に接続され、前記排気分岐パイプの一端は、排気弁に接続され、前記水素ガス供給アセンブリは、水素ガス貯蔵タンク10、水素ガスフレームアレスタ11、及び水素ガスパイプ12を含み、前記水素ガスパイプの両端は、それぞれ水素ガス貯蔵タンク、ノズルに接続され、前記水素ガスフレームアレスタは、水素ガス貯蔵タンクと水素ガスパイプとの接続箇所に設置され、前記酸素ガス供給アセンブリは、酸素ガス貯蔵タンク13、酸素ガス吸気ヘッダパイプ14及び酸素ガス吸気分岐パイプ15を含み、前記酸素ガス吸気ヘッダパイプの一端は、水素ガスガス貯蔵タンクに接続され、前記酸素ガス吸気分岐パイプの一端は、酸素ガス吸気ヘッダパイプに接続され、前記霧化水アセンブリは、霧化水貯水タンク16、エアーシリンダー霧化水パイプ17、吸気分岐パイプ霧化水パイプ18、及び輸送ポンプ19を含み、前記吸気分岐パイプ霧化水パイプの両端は、それぞれ霧化水貯水タンク、第1の吸気分岐パイプに接続され、前記エアーシリンダー霧化水パイプの一端は、吸気分岐パイプ霧化水パイプに接続され、他端は、前記ノズルに接続され、前記輸送ポンプは、前記霧化水貯水タンクと吸気分岐パイプ霧化水パイプとの接続箇所に設置され、前記循環媒体アセンブリは、循環媒体パイプ20、循環媒体分岐パイプ21、吸気ヘッダパイプ22、及び排気ヘッダパイプ23を含み、前記循環媒体パイプの両端は、それぞれ吸気ヘッダパイプの一端、排気ヘッダパイプの一端に接続され、前記循環媒体分岐パイプの両端は、それぞれ前記排気ヘッダパイプの他端、水素ガスパイプに接続され、前記酸素ガス吸気ヘッダパイプの他端は、吸気ヘッダパイプに接続され、前記酸素ガス吸気分岐パイプの他端は、吸気ヘッダパイプに接続され、前記吸気ヘッダパイプの他端は、第1の吸気分岐パイプに接続され、前記凝縮水回収アセンブリは、コンデンサ24、凝縮水パイプ25、及び霧化水貯水タンクに設置される凝縮水貯水タンクを含み、前記凝縮水パイプの両端は、それぞれコンデンサの一端、凝縮水貯水タンクに接続され、前記コンデンサの他端は、排気ヘッダパイプに接続され、前記凝縮水貯水タンクは、霧化水貯水タンクに接続され、前記吸気ヘッダパイプには、空気吸気パイプ26がさらに設置され、前記排気ヘッダパイプには、排気ヘッダパイプに接続される排ガス排出パイプ27がさらに設置され、制御システムは、PLCコントローラ28、マンマシンインタフェース、及びセンサアセンブリを含み、前記PLCコントローラは、それぞれマンマシンインタフェース、センサアセンブリに接続され、前記センサアセンブリは、水素ガスパイプに設置される水素ガス流量センサ29、水素ガス圧力センサ30、水素ガス遮断弁31及び水素ガススロットル制御弁32、エアーシリンダー霧化水パイプに設置されるエアーシリンダー霧化水制御弁33、排気ヘッダパイプに設置される温度センサ34、酸素ガスヘッダパイプに設置される酸素ガス圧力センサ35、酸素ガス流量センサ36及び酸素ガス流量制御弁37、酸素ガスブランチに設置される酸素ガスブランチ流量制御弁38、吸気ヘッダパイプに設置される循環媒体圧力センサ39、循環媒体パイプに設置される酸素ガス/水素ガス含有量センサ40、循環媒体制御弁41、空気吸気パイプに設置される空気吸気制御弁42、排ガス排出パイプに設置される排ガス排出制御弁43、循環媒体分岐パイプに設置される分岐パイプ流量制御弁44を含み、上記センサは、いずれもPLCコントローラにデータ信号を介して接続され、前記PLCコントローラは、いずれも上記弁制御に接続される。前記排ガス排出パイプには、排ガス排出安全弁45と排ガス排出パイプトラップ46がさらに設置され、前記凝縮水貯水タンクには、オーバーフロー口47、及び、PLCコントローラに接続される自動排水弁48が設置され、前記吸気ヘッダパイプの他端には、PLCコントローラに接続される吸気ヘッダパイプトラップ49がさらに設置される。前記空気吸気パイプには、フィルタ50が設置され、前記エアーシリンダー霧化水パイプには、PLCコントローラに接続されるエアーシリンダー霧化水制御弁51がさらに設置され、前記酸素ガスヘッダパイプには、酸素ガス遮断弁52がさらに設置される。
【0029】
本発明に係る水素酸素循環エンジンの使用方法は、
点火スイッチによってエンジンを起動し、前記水素酸素循環エンジンの各部材に給電し、エンジンが初めてコールド起動する時に、PLCコントローラがまず空気制御弁を開き、起動空気を導入し、PLCコントローラが水素ガス流量センサのデータ信号のフィードバック値に基づいて、エンジンスロットルを制御して水素ガスをノズルを介してエアーシリンダーに噴射し、水素ガスと酸素ガスが燃焼してピストンを押してさらにリンクとクランク軸を往復移動させて仕事をし、燃焼後に形成された水蒸気が排気弁と排気分岐パイプを通って排気ヘッダパイプを通り、水蒸気の一部が循環パイプに入って流量制御弁を通って酸素ガスと混合され、エアーシリンダーに入って水素ガスと混合されて燃焼し、水蒸気の一部が凝縮水パイプを通ってコンデンサにおいて水に凝縮して貯水タンクに入って霧化水として循環使用され、PLCコントローラが水素ガス流量センサ、酸素ガス流量センサのデータ信号のフィードバック値に基づいて、酸素ガス流量制御弁を徐々に開いて酸素ガスを導入し且つ空気制御弁を閉じるまで同期に小さく閉じ、空気の導入を停止し、この時に水素ガス酸素ガス燃焼段階に入り、生じた水蒸気循環媒体が排気ヘッダパイプバイパスにおける排ガス排出パイプから大気に排出され、PLCコントローラが循環媒体圧力センサのフィードバック値に基づいて排ガス排出制御弁を制御することによって水蒸気排出量を調整し、循環媒体パイプの圧力が安全設定値に上がると、排ガス排出安全弁を自動的に開き、システム圧力の安定を確保するステップ1)と、
上記ステップ1)の後に、PLCコントローラがエアーシリンダーアセンブリの運転モードでの酸素ガス流量センサ、循環媒体圧力センサのデータ信号のフィードバック値に基づいて、酸素ガスヘッダパイプ制御弁を制御することによって、酸素ガスと循環媒体を吸気ヘッダパイプ--吸気分岐パイプ--吸気弁を介してエアーシリンダーに導入し、水素ガススロットル制御弁、循環媒体分岐パイプ制御弁を制御することによって、水素ガスと循環媒体を水素ガスパイプ、循環媒体分岐パイプ、ノズルを介してエアーシリンダーに導入し、同時にエアーシリンダー霧化水制御弁を自動的に開き、霧化水をエアーシリンダーに噴射し、PLCコントローラが循環媒体パイプの酸素ガス/水素ガス流量センサのデータ信号のフィードバック値をリアルタイムに監視し、酸素ガス分岐パイプ制御弁を制御することによって、循環媒体中の微量の水素ガス、酸素ガスの含有量を調整し、水素ガス酸素ガスが常に最適な状態で燃焼することを確保するステップ2)と、
PLCコントローラがエアーシリンダーアセンブリの運転モードでの水素ガス流量センサ、循環媒体圧力センサ、酸素ガス流量センサ及び酸素ガス/水素ガス流量センサのデータ信号のフィードバック値に応じて、水素ガス流量センサのフィードバック値に基づいて、各制御弁を自動的に制御し、酸素ガス、循環媒体及び霧化水の流量を調整し、エンジンを安定モードで作動させるステップ3)と、
PLCコントローラリがエンジン運転モードをアルタイムに監視し、吸気分岐パイプ霧化水制御弁の開度を自動的に調整し、吸気分岐パイプ内に霧化水を噴射するステップ4)と、
エンジンエアーシリンダーにおける循環媒体がステップ1)、2)、3)、4)に従って絶えず循環し、水素酸素循環エンジンがノズルの水素ガス噴射量を絶えず調整することによって、運転中に低速負荷が大きい時にトルクが大きく、高速負荷が小さい時にトルクが小さいことを実現し、PLCコントローラがエアーシリンダーアセンブリの運転モードでの排ガスパイプにおける温度センサのデータ信号のフィードバック値に基づいて、循環媒体の温度値をリアルタイムに監視し、エンジン運転温度の安定を確保するステップ5)と、
該水素酸素循環エンジンでは酸素ガス貯蔵タンクにおける酸素ガスが切れそうになる時に、酸素ガス圧力センサが信号を出し、この時にPLCコントローラが空気制御弁を自動的に開き、酸素ガス遮断弁を閉じて空気助燃モードに自動的に切り換え、同時に循環媒体パイプ制御弁を閉じ、エンジンの生じた水蒸気の一部が凝縮水パイプを通ってコンデンサにおいて水に凝縮して貯水タンクに入って霧化水として循環使用され、一部が水蒸気循環を行わず、排ガス排出制御弁を介して大気に排出されるステップ6)であって、
エンジンが停止する時に、まず水素ガス制御弁を閉じ、水素ガス供給を停止すると同時に、酸素ガス制御弁を閉じ、循環水蒸気制御弁の閉じを遅らせ、循環媒体でエンジン混合パイプに残存する水素ガスと酸素ガスをエアーシリンダーに持ち込んですべて燃焼し切れ、エンジンパイプに残存する水素ガス、酸素ガスがエアーシリンダー内に漏れるという欠点を解決するステップ6)と、
該水素酸素循環エンジンでは水素ガスパイプに水素ガス圧力センサが設置され、水素ガス圧力が設定値よりも低いと、警報信号を出し、水素ガスの補充を注意するステップ7)と、
水素酸素循環エンジンでは排ガス排出パイプと媒体循環パイプにいずれも自動トラップが設けられ、エンジンの運転中に、パイプにおける凝縮水がトラップを介して自動的に排出されるステップ8)と、
水素酸素循環エンジンでは貯水タンクに自動排水弁、オーバーフロー弁及び温度センサが設けられ、エンジンが作動を停止させた後、PLCコントローラが温度センサのフィードバック値を監視し、温度値が氷点に達すると、貯水タンク内のすべての水を自動的に排出するステップ9)と、
水素酸素循環エンジンでは水素ガスパイプ及び酸素ガスパイプに緊急遮断弁、慣性スイッチ及び圧力下限インターロック警報装置が設けられ、循環媒体パイプに温度上限インターロック警報装置が設置され、酸素ガス水素ガスの圧力が設定値よりも低い、循環媒体温度が設定値よりも高い、衝撃が生じた、水素酸素循環エンジンが発火した緊急モードで水素ガス及び酸素ガスの供給をリアルタイムに遮断し、エンジンの安全作動を確保するステップ10)とを含む。
【0030】
前記エアーシリンダーアセンブリの運転モードは、運転及び停止モード、加速モード、減速モード、アイドルモード及び空気モードを含む。
【0031】
上記実施例に対する説明は、当業者が本発明を容易に理解し、適用するためのものである。当業者が創造的な労働を要することなく、これらの実施例を容易に変更し、ここで説明される一般的な原理を他の実施例に適用することができることは明らかである。したがって、本発明は、ここでの実施例に限定されるものではなく、当業者が本発明の開示に従って本発明の範囲を逸脱することなく行った改良及び修正は、すべて本発明の保護範囲内にあるべきである。
【国際調査報告】