IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エコラボ ユーエスエー インコーポレイティドの特許一覧

特表2024-530622アルカリ炭酸塩応力腐食割れを軽減するための腐食抑制剤
<>
  • 特表-アルカリ炭酸塩応力腐食割れを軽減するための腐食抑制剤 図1
  • 特表-アルカリ炭酸塩応力腐食割れを軽減するための腐食抑制剤 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】アルカリ炭酸塩応力腐食割れを軽減するための腐食抑制剤
(51)【国際特許分類】
   C23F 11/173 20060101AFI20240816BHJP
   C23F 11/14 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
C23F11/173
C23F11/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505364
(86)(22)【出願日】2022-08-05
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 US2022039530
(87)【国際公開番号】W WO2023014944
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】63/203,963
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510250467
【氏名又は名称】エコラボ ユーエスエー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100191444
【弁理士】
【氏名又は名称】明石 尚久
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ネイサン スコールツ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ アンドリュー ソーンスウェイト
(72)【発明者】
【氏名】ジャネル リー ペニントン
(72)【発明者】
【氏名】マリア デヘスース マルケス
(72)【発明者】
【氏名】オウッサマ ゼナスニ
【テーマコード(参考)】
4K062
【Fターム(参考)】
4K062AA03
4K062BB11
4K062BC21
4K062FA04
4K062FA16
(57)【要約】
式1の構造を有する分散剤と、式2の構造を有する腐食抑制剤と、を含む、腐食抑制組成物を使用して、表面の腐食を低減、抑制、又は防止するための化合物、組成物、及び方法であって、式中、Xが、ヒドロキシル又は-OC(O)Rであり、Xが、ヒドロキシル又は-OC(O)Rであり、Xが、ヒドロキシル又は-OC(O)Rであり、R、R、及びRが、独立して、C10~C30アルキル又はアルケニルであり、m、n、及びoが、独立して、1~10の整数であり、R20、R21、R22、R23、及びR24が、独立して、水素又は-C(O)-R31であり、R31が、C10~C30アルキル又はアルケニルであり、pが、0又は1の整数であり、qが、1~4の整数であり、rが、0又は1の整数であり、sが、0又は1の整数であり、tが、1~4の整数であり、p1、q1、r1、r2、s1、及びt1が、独立して、1~6の整数であり、p、r及びsが、0である場合、q+tは、4~8の整数であり、R20、R21、R22、R23、及びR24のうちの少なくとも1つが、-C(O)-R31である、化合物、組成物、及び方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1の構造を有する分散剤と、式2の構造を有する腐食抑制剤と、を含む、腐食抑制組成物であって、
【化1】
式中、
が、ヒドロキシル又は-OC(O)Rであり、
が、ヒドロキシル又は-OC(O)Rであり、
が、ヒドロキシル又は-OC(O)Rであり、
、R、及びRが、独立して、C10~C30アルキル又はアルケニルであり、
m、n、及びoが、独立して、1~10の整数であり、
20、R21、R22、R23、及びR24が、独立して、水素又は-C(O)-R31であり、
31が、C10~C30アルキル又はアルケニルであり、
pが、0又は1の整数であり、
qが、1~4の整数であり、
rが、0又は1の整数であり、
sが、0又は1の整数であり、
tが、1~4の整数であり、
p1、q1、r1、r2、s1、及びt1が、独立して、1~6の整数であり、
p、r及びsが、0である場合、q+tは、4~8の整数であり、R20、R21、R22、R23、及びR24のうちの少なくとも1つが、-C(O)-R31である、腐食抑制組成物。
【請求項2】
m、n、及びoが、独立して、1~8の整数である、請求項1に記載の腐食抑制組成物。
【請求項3】
m、n、及びoが、独立して、1~6の整数である、請求項1に記載の腐食抑制組成物。
【請求項4】
m、n、及びoが、独立して、2~6の整数である、請求項1に記載の腐食抑制組成物。
【請求項5】
m、n、及びoが、独立して、2~4の整数である、請求項1に記載の腐食抑制組成物。
【請求項6】
m、n、及びoが、独立して、2又は3の整数である、請求項1に記載の腐食抑制組成物。
【請求項7】
m、n、及びoが、2である、請求項1に記載の腐食抑制組成物。
【請求項8】
が、ヒドロキシル又は-OC(O)Rである、請求項1~7のいずれか一項に記載の腐食抑制組成物。
【請求項9】
が、ヒドロキシルである、請求項8に記載の腐食抑制組成物。
【請求項10】
が、-OC(O)Rである、請求項8に記載の腐食抑制組成物。
【請求項11】
が、C12~C24アルキル又はアルケニルである、請求項10に記載の腐食抑制組成物。
【請求項12】
が、C14~C22アルキル又はアルケニルである、請求項10に記載の腐食抑制組成物。
【請求項13】
が、C16~C20アルキル又はアルケニルである、請求項10に記載の腐食抑制組成物。
【請求項14】
が、ヒドロキシル又は-OC(O)Rである、請求項1~13のいずれか一項に記載の腐食抑制組成物。
【請求項15】
が、ヒドロキシルである、請求項14に記載の腐食抑制組成物。
【請求項16】
が、-OC(O)Rである、請求項14に記載の腐食抑制組成物。
【請求項17】
が、C12~C24アルキル又はアルケニルである、請求項14に記載の腐食抑制組成物。
【請求項18】
が、C14~C22アルキル又はアルケニルである、請求項14に記載の腐食抑制組成物。
【請求項19】
が、C16~C20アルキル又はアルケニルである、請求項14に記載の腐食抑制組成物。
【請求項20】
が、ヒドロキシル又は-OC(O)Rである、請求項1~19のいずれか一項に記載の腐食抑制組成物。
【請求項21】
が、ヒドロキシルである、請求項20に記載の腐食抑制組成物。
【請求項22】
が、-OC(O)Rである、請求項20に記載の腐食抑制組成物。
【請求項23】
が、C12~C24アルキル又はアルケニルである、請求項20に記載の腐食抑制組成物。
【請求項24】
が、C14~C22アルキル又はアルケニルである、請求項20に記載の腐食抑制組成物。
【請求項25】
が、C16~C20アルキル又はアルケニルである、請求項20に記載の腐食抑制組成物。
【請求項26】
前記式1の分散剤が、式1A:
【化2】
の構造を有する、請求項1~25のいずれか一項に記載の腐食抑制組成物。
【請求項27】
p1、q1、r1、r2、s1、及びt1が、独立して、2~6の整数である、請求項1~26のいずれか一項に記載の腐食抑制組成物。
【請求項28】
p1、q1、r1、r2、s1、及びt1が、独立して、2~4の整数である、請求項27に記載の腐食抑制組成物。
【請求項29】
p1、q1、r1、r2、s1、及びt1が、独立して、2又は3の整数である、請求項27に記載の腐食抑制組成物。
【請求項30】
p1、q1、r1、r2、s1、及びt1が、2の整数である、請求項27に記載の腐食抑制組成物。
【請求項31】
前記式2の腐食抑制剤が、式2A:
【化3】
の構造を有する、請求項1~30のいずれか一項に記載の腐食抑制組成物。
【請求項32】
31が、C12~C24アルキル又はアルケニルである、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
31が、C14~C22アルキル又はアルケニルである、請求項31に記載の腐食抑制組成物。
【請求項34】
31が、C16~C20アルキル又はアルケニルである、請求項31に記載の腐食抑制組成物。
【請求項35】
溶剤を更に含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の腐食抑制組成物。
【請求項36】
前記溶剤が、炭化水素溶剤である、請求項35に記載の腐食抑制組成物。
【請求項37】
前記溶剤が、気体、液体炭化水素、及び任意選択で水、又はそれらの組み合わせを含む流体を含む、請求項36に記載の腐食抑制組成物。
【請求項38】
前記腐食抑制剤が、表面上に膜を形成する、請求項1~37のいずれか一項に記載の腐食抑制組成物。
【請求項39】
請求項1~38のいずれか一項に記載の腐食抑制組成物を、硫化水素、アンモニア、二酸化炭素、シアン化水素、炭酸塩、重炭酸塩、又はそれらの組み合わせを含む水性媒体と接触している表面と接触させることによって、腐食を抑制する方法。
【請求項40】
硫化水素、アンモニア、二酸化炭素、シアン化水素、炭酸塩、重炭酸塩、又はそれらの組み合わせを含む水性媒体と接触している表面上の腐食を抑制するための、請求項1~38のいずれか一項に記載の腐食抑制組成物の使用。
【請求項41】
前記水性媒体が、炭酸塩、重炭酸塩、又はそれらの組み合わせを含む、請求項39又は40に記載の方法又は使用。
【請求項42】
前記表面が、金属表面である、請求項39~41のいずれか一項に記載の方法又は使用。
【請求項43】
前記金属表面が、炭素鋼を含む、請求項42に記載の方法又は使用。
【請求項44】
請求項1~40のいずれか一項に記載の腐食抑制組成物が、前記表面を不動態化する、請求項39~43のいずれか一項に記載の方法又は使用。
【請求項45】
前記表面が、流動接触分解ユニット(FCCU)又は酸性水ストリッパー(SWS)に含まれる、請求項39~44のいずれか一項に記載の方法又は使用。
【請求項46】
前記腐食抑制組成物を、前記水性媒体の総重量に基づいて、1~1000ppmの濃度で前記表面と接触させる、請求項39~45のいずれか一項に記載の方法又は使用。
【請求項47】
前記腐食抑制組成物を、100~500ppmの濃度で前記表面と接触させる、請求項46に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
該当なし。
【0002】
(連邦政府支援の研究又は開発に関する声明)
該当なし。
【0003】
(共同研究契約に関わる当事者の名称)
該当なし。
【0004】
(コンパクトディスク上に提出された配列表、表、又はコンピュータプログラム表の付録への参照及びコンパクトディスク上の資料の参照による組み込み)
該当なし。
【0005】
(発明の分野)
式1の構造を有する分散剤と、式2の構造を有する腐食抑制剤と、を含む、腐食抑制組成物を使用して、表面の腐食を低減、抑制、又は防止するための化合物、組成物、及び方法が提供される。
【背景技術】
【0006】
炭素鋼製の配管及び容器の粒間割れ及び破損は、様々な精製塔頂流又は他のシステムで発生する。応力腐食割れを受けるこれらのシステムは、炭素鋼と接触している硫化水素、アンモニア、二酸化炭素、水、及び/又はシアン化水素を含む。これらの化学物質の存在は、炭酸塩応力腐食割れ(以下、炭酸塩SCC)に寄与するようである。この炭酸塩SCCの発生は、発生している精製操作を危険にさらす可能性があり、操作の不安定性の危険かつ有害な状態を引き起こす可能性がある。
【0007】
粒間炭酸塩SCCと配管又は容器構造のいずれかにおける炭素鋼の破損とに関連して観察される特定の問題は、アンモニア、硫化水素、二酸化炭素、シアン化水素、及び水が存在する流動分解触媒精留塔塔頂システムに含まれる鋼配管及び容器にある。このタイプの炭酸塩SCCは、割れの顕微鏡検査が、水素ブリスタリング及び/又は水素誘起割れが存在する場合には存在しない酸化鉄の存在を示すので、水素ブリスタリング又は水素誘起割れとは異なる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
水素誘起割れ及び水素ブリスタリングを制御するためのいくつかの可能性のある手法が存在するが、炭酸塩SCCに対する既知の解決策は存在しない。したがって、炭酸塩SCCを軽減するための薬剤を提供する継続的な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
式1の構造を有する分散剤と、式2の構造を有する腐食抑制剤と、を含む、腐食抑制組成物及び方法であって、
【化1】
式中、Xが、ヒドロキシル又は-OC(O)Rであり、Xが、ヒドロキシル又は-OC(O)Rであり、Xが、ヒドロキシル又は-OC(O)Rであり、R、R、及びRが、独立して、C10~C30アルキル又はアルケニルであり、m、n、及びoが、独立して、1~10の整数であり、R20、R21、R22、R23、及びR24が、独立して、水素又は-C(O)-R31であり、R31が、C10~C30アルキル又はアルケニルであり、pが、0又は1の整数であり、qが、1~4の整数であり、rが、0又は1の整数であり、sが、0又は1の整数であり、tが、1~4の整数であり、p1、q1、r1、r2、s1、及びt1が、独立して、1~6の整数であり、p、r及びsが、0である場合、q+tは、4~8の整数であり、R20、R21、R22、R23、及びR24のうちの少なくとも1つが、-C(O)-R31である、腐食抑制組成物及び方法が本明細書に開示される。
【0010】
組成物は、式1の分散剤を有し、m、n、及びoが、独立して、1~8の整数であり、好ましくは、m、n、及びoが、独立して、1~6の整数であり、より好ましくは、m、n、及びoが、独立して、2~6の整数であり、更により好ましくは、m、n、及びoが、独立して、2~4の整数であり、より好ましくは、m、n、及びoが、独立して、2又は3の整数であり、最も好ましくは、m、n及びoが、2である。
【0011】
組成物は、ヒドロキシル又は-OC(O)RのXを有する式1の分散剤を有し、好ましくは、Xが、ヒドロキシルであり、あるいは、Xが、-OC(O)Rである。
【0012】
本明細書に記載の組成物及び方法は、式1の分散剤を有し、この分散剤は、C12~C24アルキル又はアルケニルのRを有し、好ましくは、C14~C22アルキル又はアルケニルのRを有し、より好ましくは、C16~C20アルキル又はアルケニルのRを有する。
【0013】
追加的に、本組成物及び方法は、式1の分散剤を有し、式中、Xが、ヒドロキシル又は-OC(O)Rであり、好ましくは、Xが、ヒドロキシルであり、あるいは、Xが、-OC(O)Rである。
【0014】
組成物及び方法は、式1の分散剤を有し、この分散剤は、C12~C24アルキル又はアルケニルのRを有し、好ましくは、C14~C22アルキル又はアルケニルのRを有し、より好ましくは、C16~C20アルキル又はアルケニルのRを有する。
【0015】
また更に、本組成物及び方法は、式1の分散剤を有し、ヒドロキシル又は-OC(O)RのXを有し、好ましくは、ヒドロキシルのXを有し、あるいは、-OC(O)RのXを有する。
【0016】
式1の分散剤は、C12~C24アルキル又はアルケニルのRを有し、好ましくは、C14~C22アルキル又はアルケニルのRを有し、より好ましくは、C16~C20アルキル又はアルケニルのRを有する。
【0017】
特に、式1の分散剤は、式1A:
【化2】
の構造を有する。
【0018】
式2の腐食抑制剤は、構造を有し、式中、p1、q1、r1、r2、s1、及びt1が、独立して、2~6の整数であり、好ましくは、p1、q1、r1、r2、s1、及びt1が、独立して、2~4の整数であり、より好ましくは、p1、q1、r1、r2、s1及びt1が、独立して、2又は3の整数であり、最も好ましくは、p1、q1、r1、r2、s1及びt1が、2の整数である。
【0019】
式2の腐食抑制剤は、式2A:
【化3】
の構造を有する。
【0020】
式2及び2Aの腐食抑制剤は、構造を有し、式中、R31が、C12~C24アルキル又はアルケニルであり、好ましくは、R31が、C14~C22アルキル又はアルケニルであり、より好ましくは、R31が、C16~C20アルキル又はアルケニルである。
【0021】
式1の分散剤及び式2の腐食抑制剤を含む腐食抑制組成物は、溶剤を更に含むことができる。好適な溶剤は、水、塩水、海水、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、t-ブタノールなど)、又は高級アルコール類(ベンジルアルコールなど);アセトン又はメチルエチルケトン(2-ブタノン)などのケトン類;アセトニトリル;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル類;エーテル類(ジエチルエーテル以上など)(例えば、メチルt-ブチルエーテル、グライム、ジグライム、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレンジグリコールエチルエーテル、1,4-ジオキサン、及び関連物質);芳香族化合物(トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン、ナフタレン、及び関連芳香族化合物など)又は精製カット(重芳香族ナフサ、重芳香族留出物、及び関連物質);脂肪族化合物(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、精製ガソリンなど);又はいくつかの「グリーン」溶剤(2-メチルテトラヒドロフラン、フルフラールアルコール、及びシクロペンチルメチルエーテルなど)である。
【0022】
追加的に、配合に好適な溶剤は、脂肪族、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、デカン、ドデカンなど;及び芳香族、例えば、トルエン、キシレン、重芳香族ナフサディーゼル、脂肪酸誘導体(酸、エステル、アミド)などである。好ましくは、溶剤は、炭化水素溶剤である。より好ましくは、炭化水素溶剤は、重芳香族ナフサ、トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン、及びナフタレン、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0023】
本明細書に記載の腐食抑制組成物は、表面上に膜を形成することができる。
【0024】
腐食抑制組成物は、硫化水素、アンモニア、二酸化炭素、シアン化水素、炭酸塩、重炭酸塩、又はそれらの組み合わせを含む水性媒体と接触している表面と腐食抑制組成物を接触させることによって、腐食を抑制する方法において使用することができる。
【0025】
好ましくは、腐食を抑制する方法において、水性媒体は、炭酸塩、重炭酸塩、又はそれらの組み合わせを含む。
【0026】
追加的に、本明細書に記載される腐食を抑制する方法において、表面は、金属表面である。特に、金属表面は、炭素鋼を含む。
【0027】
本明細書に記載される腐食を抑制する方法において、腐食抑制組成物は、金属と腐食性媒体との間にバリアを形成することによって、金属表面を保護することができる。
【0028】
追加的に、本明細書に記載される腐食を抑制する方法において、表面は、流動接触分解ユニット(fluid catalytic cracking unit、FCCU)又は酸性水ストリッパー(sour water stripper、SWS)に含まれる。
【0029】
これらの腐食抑制方法では、腐食抑制組成物は、プロセス蒸気流、すなわち、FCC主精留塔の塔頂流に基づいて、1~1000ppmの濃度で表面と接触させられ、好ましくは、腐食抑制組成物は、1~1000ppmの濃度で表面と接触させられる。
【0030】
他の目的及び特徴は、一部は明らかであり、一部は以下に示される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】未処理(「ブランク」)及び種々の配合物(例えば、比較配合物A-腐食抑制剤のみを含む配合物(配合物1)、比較配合物B-分散剤のみを含む配合物(配合物2)、提案された発明の腐食抑制剤(配合物1)及び分散剤(配合物2))で処理したC1018炭素鋼クーポンの試験後に計算された、延性比(破損までの総時間、破損までの塑性時間、破損時の全伸び、破損までの塑性歪み、及び面積の縮小)の棒グラフである。
【0032】
図2】A~Eは、不活性雰囲気(A)、炭酸塩溶液(B)、炭酸塩溶液及び比較配合物A(腐食抑制剤のみを含む配合物(配合物1))(C)、炭酸塩溶液及び比較配合物B(分散剤のみを含む配合物(配合物2))(D)、並びに炭酸塩溶液及び提案された発明(腐食抑制剤(配合物1)及び分散剤(配合物2))(E)の存在下でのSSR試験後のC1018炭素鋼クーポンの一連の光学顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本明細書に記載されているのは、精製プロセスにおいて、特に、高い炭酸塩(CO 2-)濃度を有する環境において、応力腐食割れ(stress corrosion cracking、SCC)を軽減するための、分散剤と皮膜形成腐食抑制剤との混合物を含む腐食抑制組成物である。開示されたブレンドは、式1の分散剤と式2の腐食抑制剤との混合物から構成される。腐食抑制組成物は、炭酸塩SCC及び他の腐食機構から金属表面を保護することができる。
【0034】
式1の構造を有する分散剤と、式2の構造を有する腐食抑制剤と、を含む、腐食抑制組成物を使用して、表面の腐食を低減、抑制、又は防止するための化合物、組成物、及び方法が提供される。
【0035】
式1の構造を有する分散剤と、式2の構造を有する腐食抑制剤と:
【化4】
式中、Xが、ヒドロキシル又は-OC(O)Rであり、Xが、ヒドロキシル又は-OC(O)Rであり、Xが、ヒドロキシル又は-OC(O)Rであり、R、R、及びRが、独立して、C10~C30アルキル又はアルケニルであり、m、n、及びoが、独立して、1~10の整数であり、R20、R21、R22、R23、及びR24が、独立して、水素又は-C(O)-R31であり、R31が、C10~C30アルキル又はアルケニルであり、pが、0又は1の整数であり、qが、1~4の整数であり、rが、0又は1の整数であり、sが、0又は1の整数であり、tが、1~4の整数であり、p1、q1、r1、r2、s1、及びt1が、独立して、1~6の整数であり、p、r及びsが、0である場合、q+tは、4~8の整数であり、R20、R21、R22、R23、及びR24のうちの少なくとも1つが、-C(O)-R31である。
【0036】
組成物は、式1の分散剤を有し、m、n、及びoが、独立して、1~8の整数であり、好ましくは、m、n、及びoが、独立して、1~6の整数であり、より好ましくは、m、n、及びoが、独立して、2~6の整数であり、更により好ましくは、m、n、及びoが、独立して、2~4の整数であり、より好ましくは、m、n、及びoが、独立して、2又は3の整数であり、最も好ましくは、m、n及びoが、2である。
【0037】
組成物は、ヒドロキシル又は-OC(O)RのXを有する式1の分散剤を有し、好ましくは、Xが、ヒドロキシルであり、あるいは、Xが、-OC(O)Rである。
【0038】
本明細書に記載の組成物及び方法は、式1の分散剤を有し、この分散剤は、C12~C24アルキル又はアルケニルのRを有し、好ましくは、C14~C22アルキル又はアルケニルのRを有し、より好ましくは、C16~C20アルキル又はアルケニルのRを有する。
【0039】
追加的に、本組成物及び方法は、式1の分散剤を有し、式中、Xが、ヒドロキシル又は-OC(O)Rであり、好ましくは、Xが、ヒドロキシルであり、あるいは、Xが、-OC(O)Rである。
【0040】
組成物及び方法は、式1の分散剤を有し、この分散剤は、C12~C24アルキル又はアルケニルのRを有し、好ましくは、C14~C22アルキル又はアルケニルのRを有し、より好ましくは、C16~C20アルキル又はアルケニルのRを有する。
【0041】
また更に、本組成物及び方法は、式1の分散剤を有し、ヒドロキシル又は-OC(O)RのXを有し、好ましくは、ヒドロキシルのXを有し、あるいは、-OC(O)RのXを有する。
【0042】
式1の分散剤は、C12~C24アルキル又はアルケニルのRを有し、好ましくは、C14~C22アルキル又はアルケニルのRを有し、より好ましくは、C16~C20アルキル又はアルケニルのRを有する。
【0043】
特に、式1の分散剤は、式1A:
【化5】
の構造を有する。
【0044】
式2の腐食抑制剤は、構造を有し、式中、p1、q1、r1、r2、s1、及びt1が、独立して、2~6の整数であり、好ましくは、p1、q1、r1、r2、s1、及びt1が、独立して、2~4の整数であり、より好ましくは、p1、q1、r1、r2、s1及びt1が、独立して、2又は3の整数であり、最も好ましくは、p1、q1、r1、r2、s1及びt1が、2の整数である。
【0045】
式2の腐食抑制剤は、式2A:
【化6】
の構造を有する。
【0046】
式2又は2Aの腐食抑制剤は、構造を有し、式中、R31が、C12~C24アルキル又はアルケニルであり、好ましくは、R31が、C14~C22アルキル又はアルケニルであり、より好ましくは、R31が、C16~C20アルキル又はアルケニルである。
【0047】
式1の分散剤及び式2の腐食抑制剤を含む腐食抑制組成物は、溶剤を更に含むことができる。好適な溶剤は、水、塩水、海水、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、t-ブタノールなど)、又は高級アルコール類(ベンジルアルコールなど);アセトン又はメチルエチルケトン(2-ブタノン)などのケトン類;アセトニトリル;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル類;エーテル類(ジエチルエーテル以上など)(例えば、メチルt-ブチルエーテル、グライム、ジグライム、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレンジグリコールエチルエーテル、1,4-ジオキサン、及び関連物質);芳香族化合物(トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン、ナフタレン、及び関連芳香族化合物など)又は精製カット(重芳香族ナフサ、重芳香族留出物、及び関連物質);脂肪族化合物(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、精製ガソリンなど);又はいくつかの「グリーン」溶剤(2-メチルテトラヒドロフラン、フルフラールアルコール、及びシクロペンチルメチルエーテルなど)である。
【0048】
配合に好適な溶剤は、脂肪族、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、デカン、ドデカンなど;及び芳香族、例えば、トルエン、キシレン、重芳香族ナフサディーゼル、脂肪酸誘導体(酸、エステル、アミド)などである。好ましくは、溶剤は、炭化水素溶剤である。より好ましくは、炭化水素溶剤は、重芳香族ナフサ、キシレン、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0049】
腐食抑制組成物は、式1の分散剤、式2の腐食抑制剤、及び溶剤の総重量に基づいて、約10重量%~約70重量%の濃度の式1の分散剤、約5重量%~約40重量%の濃度の式2の腐食抑制剤、及び溶剤である組成物の残りを含む。
【0050】
腐食抑制組成物は、約10重量%~約70重量%、約10重量%~約65重量%、約10重量%~約60重量%、約10重量%~約55重量%、約10重量%~約50重量%、約10重量%~約45重量%、約10重量%~約40重量%、約15重量%~約70重量%、約15重量%~約65重量%、約15重量%~約60重量%、約15重量%~約55重量%、約15重量%~約50重量%、約15重量%~約45重量%、約15重量%~約40重量%、約20重量%~約70重量%、約20重量%~約65重量%、約20重量%~約60重量%、約20重量%~約55重量%、約20重量%~約50重量%、約20重量%~約45重量%、約20重量%~約40重量%、約25重量%~約70重量%、約25重量%~約65重量%、約25重量%~約60重量%、約25重量%~約55重量%、約25重量%~約50重量%、約25重量%~約45重量%、約25重量%~約40重量%、約30重量%~約70重量%、約30重量%~約65重量%、約30重量%~約60重量%、約30重量%~約55重量%、約30重量%~約50重量%、約30重量%~約45重量%、約30重量%~約40重量%、約35重量%~約70重量%、約35重量%~約65重量%、約35重量%~約60重量%、約35重量%~約55重量%、約35重量%~約50重量%、約35重量%~約45重量%、又は約35重量%~約40重量%の濃度で、式1の分散剤を含むことができる。
【0051】
腐食抑制組成物は、約5重量%~約40重量%、約5重量%~約35重量%、約5重量%~約30重量%、約5重量%~約25重量%、約5重量%~約20重量%、約10重量%~約40重量%、約10重量%~約35重量%、約10重量%~約30重量%、約10重量%~約25重量%、約10重量%~約20重量%、約15重量%~約40重量%、約15重量%~約35重量%、約15重量%~約30重量%、約15重量%~約25重量%、又は約15重量%~約20重量%の濃度で、式2の腐食抑制剤を含むことができる。
【0052】
腐食抑制組成物は、約5重量%~約40重量%、約5重量%~約35重量%、約5重量%~約30重量%、約5重量%~約25重量%、約5重量%~約20重量%、約10重量%~約40重量%、約10重量%~約35重量%、約10重量%~約30重量%、約10重量%~約25重量%、約10重量%~約20重量%、約15重量%~約40重量%、約15重量%~約35重量%、約15重量%~約30重量%、約15重量%~約25重量%、又は約15重量%~約20重量%の濃度で、溶剤を含むことができる。
【0053】
好ましくは、腐食抑制組成物は、40重量%の式1の分散剤、20重量%の式2の腐食抑制剤、及び20重量%の溶剤を含む。
【0054】
本明細書に記載の腐食抑制組成物は、表面上に膜を形成することができる。
【0055】
腐食抑制組成物は、硫化水素、アンモニア、二酸化炭素、シアン化水素、炭酸塩、重炭酸塩、又はそれらの組み合わせを含む水性媒体と接触している表面と腐食抑制組成物を接触させることによって、腐食を抑制する方法において使用することができる。
【0056】
好ましくは、腐食を抑制する方法において、水性媒体は、炭酸塩、重炭酸塩、又はそれらの組み合わせを含む。
【0057】
追加的に、本明細書に記載される腐食を抑制する方法において、表面は、金属表面である。特に、金属表面は、炭素鋼を含む。
【0058】
本明細書に記載される腐食を抑制する方法において、腐食抑制組成物は、金属表面と腐食性媒体との間に保護層を形成することができる。
【0059】
追加的に、本明細書に記載される腐食を抑制する方法において、表面は、流動接触分解ユニット(FCCU)及び酸性水ストリッパー(SWS)に含まれる。
【0060】
腐食抑制組成物の有効量は、これらの組成物によって処理される精製流の総量に基づいて、1ppm~約1,000ppmの活性化合物を提供する用量であることが好ましい。好ましくは、用量は、処理される精製流に基づいて、約2~約500ppmの活性成分の範囲であり、最も好ましくは、用量は、約5~約150ppmの範囲である。
【0061】
最適な結果を得るためには、最初に上記用量を上限で添加することが好ましく、その後、維持用量を上記濃度の下限まで低下させることができる。一例として、システムは、操作の最初の24~72時間にわたって、処理される精製流に基づいて腐食抑制組成物中の約250~500ppmの活性化合物で処理することによって最適化されることが予想されるだろう。その後、用量処理速度は、処理される精製流に基づいて、組成物中の活性物質の約1ppm~約100ppm、好ましくは約5~約50ppmの範囲の維持レベルまで、1~約10日の期間にわたって効果的に低下するだろう。
【0062】
炭酸塩応力割れ腐食を促進すると思われる精製プロセス又は流は、化学物質:アンモニア、シアン化水素、二酸化炭素、硫化水素、水、又はいくらか揮発性である同様の化合物のうちの少なくとも1つ以上を含有し得るプロセス又は流である。これらのプロセス流としては、必ずしも限定されないが、流動接触分解ユニットからの塔頂蒸気及び凝縮液、又は酸性水ストリッパーで処理された流出酸性水を取り扱うプロセス流を挙げることができる。特に、流動接触分解ユニット(FCCU)のプロセス流は、FCCU精留塔、任意の塔頂凝縮器、精留塔還流凝縮ドラム/容器、塔頂アキュムレータ、ノックアウトドラム、段間冷却器及び/又は凝縮器、脱エタン器、脱ブタン器、脱プロパン器など、並びにこの種の操作に接続することができる任意のパイプライン、コネクタ、ポンプなどを含むが、これらに限定されないことが見出された。
【0063】
炭酸塩応力腐食割れは、明らかに、主に割れの中の酸化鉄の存在によって診断される。これは、報告されている、水素ガス侵入又は水素誘起割れによって引き起こされるブリスター又は割れの中に酸化鉄が存在しないことと比較される。したがって、炭酸塩応力腐食割れは、水素誘起割れ又はブリスタリングと同じではないが、水素ブリスタリングも、これらの同じシステムにおいて、特に硫化水素が精製流中に存在する場合に観察され得る。
【0064】
式1の分散剤化合物について、ヒドロキシル化ポリアミン(例えば、トリエタノールアミン)を、カルボン酸RCOOH(式中、Rは、1~30個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニル基であり得る)と、縮合反応が完了するまで適切な温度で反応させる。反応の完了は、酸の消費が所望の量に達したら決定される。次いで、反応生成物を適切な溶剤で希釈する。
【0065】
式2の腐食抑制剤化合物については、カルボン酸RCOOH(式中、Rは、1~30個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニル基であり得る)を、ポリアミン(例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなど)と、好適な溶剤中、適切な温度で、反応が完了するまで反応させる。反応の完了は、酸の消費が所望の量に達したら決定される。
【0066】
腐食抑制組成物はまた、1つ以上の追加の腐食抑制剤、有機溶剤、腐食抑制剤、有機溶剤、アスファルテン抑制剤、パラフィン抑制剤、スケール抑制剤、乳化剤、水浄化剤、分散剤、エマルジョン破壊剤、ガス水和物抑制剤、殺生物剤、pH調整剤、界面活性剤、又はそれらの組み合わせを更に含むことができる。
【0067】
本明細書に記載の腐食抑制組成物は、溶剤系中に約0.1~約20重量%の1つ以上の式1又は2の化合物を含む。
【0068】
有機溶剤は、アルコール、炭化水素、ケトン、エーテル、アルキレングリコール、グリコールエーテル、アミド、ニトリル、スルホキシド、エステル、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができ、組成物は、任意選択で水を含む。
【0069】
好ましくは、有機溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2-エチルヘキサノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、2-ブトキシエタノール、メチレングリコール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、デカン、ドデカン、ディーゼル、トルエン、キシレン、重芳香族ナフサ、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトン、ジエチルエーテル、プロピレンカーボネート、N-メチルピロリジノン、N,N-ジメチルホルムアミド、又はそれらの組み合わせを含む。
【0070】
組成物の腐食性能を高めるために使用される化合物もまた、防食組成物中に含まれ得る。例えば、チオグリコール酸、3,3’-ジチオプロピオイン酸(dithiopropioinic acid)、チオ硫酸塩、チオ尿素、2-メルカプトエタノール、L-システイン、tert-ブチルメルカプタン、又はそれらの組み合わせが、防食組成物に含まれ得る。
【0071】
本明細書に記載される方法は、工業システムで使用される機器の一部分である表面を有することができる。工業システムは、水再循環システム、冷却水システム、ボイラー水システム、パルプスラリー、製紙プロセス、セラミックスラリー、混合固体/液体システム、又は油田システムであり得る。
【0072】
本明細書に記載される方法は、産業システムの操作において使用される流体を有することができる。
【0073】
流体は、海水、生成水、淡水、汽水、掘削流体、仕上げ流体、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0074】
腐食抑制組成物は、例えば、ガス流又は液体流を、本明細書に記載されるような有効量の化合物又は組成物で処理することによって、油及びガス用途における腐食を抑制するために使用することができる。化合物及び組成物は、表面での腐食を抑制することが望ましいあらゆる産業において使用され得る。
【0075】
腐食抑制組成物は、水システム、凝縮液/油システム/ガスシステム、又はそれらの任意の組み合わせにおいて使用することができる。例えば、腐食抑制組成物は、熱交換器表面上のスケールを制御するのに使用することができる。
【0076】
腐食抑制組成物を、生成されたガス又は液体に適用するか、又は原油若しくは天然ガスの生成、輸送、貯蔵、及び/若しくは分離に使用することができる。
【0077】
腐食抑制組成物が導入され得る流体は、水性媒体であり得る。水性媒体は、水、ガス、及び任意選択で液体炭化水素を含み得る。
【0078】
腐食抑制組成物が導入され得る流体は、液体炭化水素であり得る。液体炭化水素は、原油、重油、加工残油、瀝青油、コーカー油、コーカー軽油、流動接触分解供給原料、軽油、ナフサ、流動触媒分解スラリー、ディーゼル燃料、燃料油、ジェット燃料、ガソリン、及び灯油が挙げられるが、これらに限定されない任意の種類の液体炭化水素であり得る。
【0079】
流体又はガスは、精製された炭化水素生成物であり得る。
【0080】
腐食抑制組成物で処理された流体又はガスは、周囲温度又は高温などの任意の選択された温度であり得る。流体(例えば、液体炭化水素)又はガスは、約40℃~約250℃の温度であり得る。流体又はガスは、-50℃~300℃、0℃~200℃、10℃~100℃、又は20℃~90℃の温度であり得る。流体又はガスは、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、又は40℃の温度であり得る。流体又はガスは、85℃、86℃、87℃、88℃、89℃、90℃、91℃、92℃、93℃、94℃、95℃、96℃、97℃、98℃、99℃、又は100℃の温度であり得る。
【0081】
腐食抑制組成物は、様々なレベルの含水率で流体に添加することができる。例えば、含水率は、0%~100%体積/体積(v/v)、1%~80%v/v、又は1%~60%v/vであり得る。流体は、様々なレベルの塩分を含有する水性媒体であり得る。流体は、0%~25%、約1%~24%、又は約10%~25%重量/重量(w/w)の全溶解固形物(total dissolved solid、TDS)の塩分を有し得る。
【0082】
腐食抑制組成物が導入される流体又はガスは、多くの異なる種類の装置に収容され及び/又はそれに曝露され得る。例えば、流体又はガスは、石油及び/又はガスパイプラインなどの、ある点から別の点へ流体又はガスを輸送する装置に収容することができる。装置は、パイプライン、分離容器、脱水ユニット、又はガスラインなどの石油及び/又はガス精製所の一部であり得る。装置は、スクラバー(例えば、湿式排煙脱硫装置、噴霧乾燥吸収装置、乾燥収着剤注入装置、噴霧塔、接触塔又は気泡塔等)であり得る。装置は、貨物船、貯蔵船、貯蔵タンク、又はタンク、船、若しくは処理ユニットを接続するパイプラインであり得る。
【0083】
腐食抑制組成物は、流体又はガスを通して確実に分散させるための任意の適切な方法によって流体又はガスに導入することができる。
【0084】
炭化水素流体が表面に接触する前に、腐食抑制組成物を炭化水素流体に添加することができる。
【0085】
腐食抑制組成物は、腐食防止が所望される点より上流のフローライン内の点で添加され得る。
【0086】
例えば、腐食抑制組成物は、化学注入ポンプ、パイピングティー、注入器具、アトマイザー、クイル等の機械装置を使用して注入することができる。
【0087】
腐食抑制組成物は、用途及び要件に応じて、1つ又は複数の追加の極性又は非極性溶剤を用いて又は用いずに導入することができる。
【0088】
腐食抑制組成物は、アンビリカルラインを使用して、石油及び/又はガスパイプラインに圧送することができる。毛管注入システムを使用して、化合物/組成物を選択された流体に送達することができる。
【0089】
腐食抑制組成物は、液体中に導入され、混合され得る。
【0090】
腐食抑制組成物は、水溶液又は非水溶液、混合物、又はスラリーとしてガス流に注入することができる。
【0091】
流体又はガスは、腐食抑制組成物を含む吸収塔を通過することができる。
【0092】
腐食抑制組成物は、連続的に、バッチで、又はそれらの組み合わせで適用することができる。腐食抑制組成物の用量は、腐食を防ぐために連続的であり得る。腐食抑制組成物の用量は、間欠的(すなわちバッチ処理)であり得るか、又は腐食抑制組成物の用量は、腐食を抑制するために連続的/維持的及び/若しくは間欠的であり得る。
【0093】
腐食抑制組成物が使用されるフローラインの流速は、毎秒0~100フィート、又は毎秒0.1~50フィートであり得る。フローラインへの添加を容易にするために、腐食抑制組成物を水と配合することもできる。
【0094】
腐食抑制組成物は、他の用途において腐食を抑制するために使用することができる。
【0095】
腐食抑制組成物はまた、他の工業装置上又はその中、及び例えばヒーター、冷却塔、ボイラー、レトルト水、すすぎ水、無菌包装洗浄水等の他の工業プロセス流中で使用することもできる。
【0096】
腐食抑制組成物は、間欠的に又は連続的に水中に浸漬することによって分配することができる。次いで、組成物は、例えば制御された又は所定の速度で溶解することができる。この速度は、本明細書に開示されている方法に従って使用するのに有効である、溶解剤の濃度を維持するのに有効であり得る。
【0097】
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、好ましくは1から32個の炭素原子(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、39、30、31、又は32個の炭素)を有する、直鎖又は分岐鎖炭化水素ラジカルを指す。アルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、二級ブチル、及び三級ブチルが挙げられるが、これらに限定されない。アルキル基は、非置換であっても、又は上記で定めるような1つ以上の好適な置換基によって置換されていてもよい。
【0098】
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、好ましくは2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、39、30、31、又は32個の炭素を有し、1つ以上の炭素炭素二重結合有する直鎖又は分岐鎖炭化水素ラジカルを指す。アルケニル基としては、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル(アリル)、イソ-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、及び2-ブテニルが挙げられるが、これらに限定されない。アルケニル基は、非置換であっても、又は上記で定めるような1つ以上の好適な置換基によって置換されていてもよい。
【0099】
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、酸素原子を介して親分子部分に付加された、本明細書で定義されるようなアルキル基を指す。
【0100】
本明細書で使用される「アリール」という用語は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニルなどの単環式、二環式、又は三環式の芳香族ラジカルを意味し、上記で定めるような1つ以上の好適な置換基、好ましくは、1~5個の好適な置換基によって、任意選択で置換される。
【0101】
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、単環式、二環式又は三環式の炭素環式ラジカル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタニル及びビシクロ[5.2.0]ノナニルなど)を指し、任意選択で、1つ又は2つの二重結合を含有している。シクロアルキル基は、非置換であっても、又は上記で定めるような1つ以上の好適な置換基、好ましくは、1~5個の好適な置換基によって置換されていてもよい。
【0102】
本明細書で使用される「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードラジカルを指す。
【0103】
本明細書で使用する用語「ヘテロアリール」とは、環内にO、S、及びNから選択される1つ以上のヘテロ原子(例えば、1~3個のヘテロ原子)を含有する単環式、二環式、又は、三環式芳香族複素環式基のことを指す。ヘテロアリール基として、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チエニル、フリル、イミダゾリル、ピロリル、オキサゾリル(例えば、1,3-オキサゾリル、1,2-オキサゾリル)、チアゾリル(例えば、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル)、ピラゾリル、テトラゾリル、トリアゾリル(例えば、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル)、オキサジアゾリル(例えば、1,2,3-オキサジアゾリル)、チアジアゾリル(例えば、1,3,4-チアジアゾリル)、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、及びインドリルなどがあるが、これらに限定されない。ヘテロアリール基は、非置換であっても、又は上記で定めるような1つ以上の好適な置換基、好ましくは、1~5個の好適な置換基によって置換されていてもよい。
【0104】
本明細書で使用される用語「複素環」又は「ヘテロシクリル」とは、N、O、S(O)、P(O)、PR、NH、又は、NRから選択される1~4個のヘテロ原子を含有し、式中、Rが適切な置換基である単環式、二環式、又は、三環式基のことを指す。複素環式基には、任意選択で1つ又は2つの二重結合が含まれる。複素環式基としては、アゼチジニル、テトラヒドロフラン、イミダゾリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル、テトラヒドロチアジニル、テトラヒドロ-チアジアジニル、モルホリニル、オキセタニル、テトラヒドロジアジニル、オキサジニル、オキサチアジニル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、クロマニル、イソクロマニル、及びベンゾオキサジニルが挙げられるが、これらに限定されない。単環式飽和又は部分飽和環系の例として、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、イミダゾリジン-1-イル、イミダゾリジン-2-イル、イミダゾリジン-4-イル、ピロリジン-1-イル、ピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル、ピペラジン-1-イル、ピペラジン-2-イル、ピペラジン-3-イル、1,3-オキサゾリジン-3-イル、イソチアゾリジン、1,3-チアゾリジン-3-イル、1,2-ピラゾリジン-2-イル、1,3-ピラゾリジン-1-イル、チオモルホリン-イル、1,2-テトラヒドロチアジン-2-イル、1,3-テトラヒドロチアジン-3-イル、テトラヒドロチアジアジン-イル、モルホリン-イル、1,2-テトラヒドロジアジン-2-イル、1,3-テトラヒドロジアジン-1-イル、1,4-オキサジン-2-イル、及び1,2,5-オキサチアジン-4-イルがある。複素環式基は、非置換であっても、又は上記で定めるような1つ以上の好適な置換基、好ましくは、1~3個の好適な置換基によって置換されていてもよい。
【0105】
本明細書で使用される「ヒドロキシ」という用語は、-OH基を指す。
【0106】
本明細書で使用される「好適な置換基」という用語は、化学的に許容される官能基、好ましくは本発明の化合物の活性を打ち消さない部分を意味することが意図される。そのような好適な置換基としては、ハロ基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、オキソ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アルコキシ基、アリール又はヘテロアリール基、アリールオキシ又はヘテロアリールオキシ基、アラルキル又はヘテロアラルキル基、アラルコキシ又はヘテロアラルコキシ基、HO-(C=O)-基、複素環基、シクロアルキル基、アミノ基、アルキル及びジアルキルアミノ基、カルバモイル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、並びにアリールスルホニル基が挙げられるが、これらに限定されない。当業者であれば、多くの置換基が更なる置換基により置換可能であることを理解するであろう。
【0107】
本発明を詳細に記載してきたが、添付の特許請求の範囲に定める本発明の範囲から逸脱することなく、改変及び変更が可能であることは明らかであろう。
【実施例
【0108】
以下の非限定的な実施例は、本発明を更に説明するために提供される。
【0109】
実施例1:化合物の合成
式1の分散剤化合物について、ヒドロキシル化ポリアミン(例えば、トリエタノールアミン)を、カルボン酸RCOOH(式中、Rは、1~30個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニル基であり得る)と、縮合反応が完了するまで適切な温度で反応させる。反応の完了は、酸の消費が所望の量に達したら決定される。次いで、反応生成物を適切な溶剤で希釈する。
【0110】
式2の腐食抑制剤化合物については、カルボン酸RCOOH(式中、Rは、1~30個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニル基であり得る)を、ポリアミン(例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなど)と、好適な溶剤中、適切な温度で、反応が完了するまで反応させる。反応の完了は、酸の消費が所望の量に達したら決定される。
【0111】
実施例2:腐食試験
配合物の性能を、C1018炭素鋼クーポンの低速歪み速度(slow strain rate、SSR)試験を使用して評価した。割れ先端での再不動態化プロセスを妨げるために試験溶液中に塩化ナトリウム(NaCl)を使用し、その結果、粒間SCCの伝播は、SSR試験の時間枠内で発生するのに十分に加速された。表1は、SSR試験において使用される実験条件を要約する。
【表1】
【0112】
試験は、一般に、NACE TM0198-2016「Slow Strain Rate Test Method for Screening Corrosion-Resistant Alloys for Stress Corrosion Cracking in Sour Oilfield Service」に記載されている方法に従って行った。
【0113】
腐食抑制組成物は、式1の分散剤、式2の腐食抑制剤、及び重芳香族ナフサの総重量に基づいて、40重量%の式1の分散剤、20重量%の式2の腐食抑制剤、及び20重量%の重芳香族ナフサを含む。組成物は、分散剤の助けを借りて、対象とする金属表面上に不動態化及び保護層を提供する。その後、この層及び分散剤は、腐食性種(すなわち、炭酸イオン及び重炭酸イオン)が粒間割れを開始するのを防止することによって、応力腐食割れを抑制する。組成物の性能は、配合物及び腐食性種の存在下、高温及び高圧での金属クーポンの低速歪み速度(SSR)試験によって評価される。試料の延性比及び金属クーポンの光学顕微鏡写真を使用して、アルカリ応力腐食割れ(alkaline stress corrosion cracking、ASCC)を防止する配合物の有効性を評価する。
【0114】
SSR試験のためのクーポンの調製及び不動態化を以下のように行った。AISI 1018 SSR試験片(すなわち、クーポン)を機械加工し、次いで、長手方向に取り出し、NACE TM0198-2016に従って調製した。クーポンを洗剤溶剤中で脱脂し、続いてアルコール中、次いでアセトン中で2段階溶剤すすぎを行い、室温で風乾した。次いで、各試料を0.5リットルのAlloy C276試験容器に組み立て、漏れについて圧力試験を行った。試料/プルロッドアセンブリと容器本体との間の電気抵抗を検査して、電気的連続性が存在しないことを確認した。AISI 1018 SSR試験片(「不活性」クーポンを除く)を、脱気した脱イオン水中で248°Fで20時間予備調整(不動態化)して、マグネタイト層を作製した。
【0115】
SSR試験を以下のように行った。OLIのStream Analyzerシミュレーションソフトウェアを使用して、標準条件で必要とされる個々の純粋な成分の量を計算し、試験温度への加熱時に特定の環境条件を達成した。1,224mg/LのCl(塩化ナトリウムとして)、52,750mg/LのHCO、及び12,058mg/LのCO -2からなり、9.0を超える溶液pHを生成する濃縮炭酸塩試験媒体(375mL)を調製した。溶液を窒素でパージすることによって脱気し、溶解酸素濃度を測定し、記録した。クーポンを予備調整した後、脱気した炭酸塩溶液を試験容器に移送し、更に1時間その場で脱気した。クーポンに200lbfまで予荷重をかけ、試験溶液を250°Fまで加熱し、圧力を窒素ガスで200psiまで上昇させた。対象環境条件が達成された後、試験片は、1×10-6in/sの一定の伸長速度で加えられる連続的に増加する一軸引張応力を受けた。各環境試験の完了時に、溶液のpHを周囲条件で測定した。クーポンを取り出し、洗浄し、測定して、断面積の減少を決定した。全ての試料を、割れのなんらかの証拠について、低倍率光学顕微鏡下で20倍の倍率で視覚的に検査した。
【0116】
図1に示す延性比は、不活性クーポン、炭酸塩クーポン、及び以下の配合物で処理したクーポンの応力・歪みオーバーレイプロットを使用して計算した:比較配合物A(式2の腐食抑制剤のみ)、比較配合物B(式1の分散剤のみ)、並びに提案された発明(式2の腐食抑制剤及び式1の分散剤)。C1018炭素鋼クーポンの延性比は、「ブランク」クーポン(配合物を使用しない)と比較して、使用した全ての配合物の存在下で増加した。提案された発明は、全体として、使用される全ての配合物の中で最も高い比を有する。
【0117】
SSR試験後のC1018炭素鋼試験片の光学顕微鏡写真を図2に示し、図は、破損が発生した領域の拡大画像を描写する。提案された発明及び不活性環境の存在下で試験されたクーポンのみが、SCC又は他の腐食特徴(すなわち、ピット)の証拠を示さないことに留意されたい。試験した他の全ての配合物は、割れ(b及びc)及び/又は点食(b及びd)の証拠を示す。
【0118】
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprise)」、「含む(include)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「することができる(can)」、「含む(contain)」、及びそれらの変形は、追加のステップ又は構成要素の可能性を排除しない制限のない移行句、用語、又は単語であることが意図される。単数形「a」、「and」、「the」、及び「said」は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。本開示はまた、明示的に記載されているか否かにかかわらず、本明細書に提示された実施形態又は要素を「含む」、「からなる」、及び「から本質的になる」他の実施形態も企図する。
【0119】
上記した事項に鑑みれば、本発明のいくつかの目的が達成され、かつ他の有益な結果が獲得されることが分かるであろう。
【0120】
本発明の範囲から逸脱することなく、上記の化合物及び方法に様々な変更が加えられ得るため、上記の説明に含まれる全ての事項は、例示的なものであって、限定的な意味ではないと解釈されるべきとすることが意図される。
図1
図2
【国際調査報告】