(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】履物具のアウトソール
(51)【国際特許分類】
A43B 13/14 20060101AFI20240816BHJP
A43B 13/18 20060101ALN20240816BHJP
【FI】
A43B13/14 A
A43B13/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505620
(86)(22)【出願日】2022-08-08
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 IB2022057385
(87)【国際公開番号】W WO2023017403
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511264353
【氏名又は名称】プーマ エス イー
【氏名又は名称原語表記】PUMA SE
【住所又は居所原語表記】Puma Way 1,91074 Herzogenaurach Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ルドン,アルノー
(72)【発明者】
【氏名】ダニング,クリストファ
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050BA07
4F050BA38
4F050HA01
4F050HA26
4F050HA28
4F050HA56
4F050JA02
4F050JA04
4F050JA05
4F050JA06
4F050JA09
4F050JA13
(57)【要約】
足先領域、中足領域、踵領域、内側、及び外側を有する履物具のためのアウトソール。アウトソールは、複数のクリートを有する地面係合面と、第1の円形隆起部のセット及び第2の円形隆起部のセットを含む複数の円形隆起部とを含むことができる。第1の円形隆起部のセットは足先領域の第1のエピセンターの周りに同心円状に整列してもよく、第2の円形隆起部のセットは踵領域の第2のエピセンターの周りに同心円状に整列してもよい。複数のクリートは、第1の円形隆起部のセットの第1の円形隆起部に沿って整列し得る、足先領域内の第1のクリートのセットを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足先領域、踵領域、内側面、及び外側面を有する履物具のアウトソールであって、
前記アウトソールは、複数のクリートと、第1の円形隆起部のセット及び第2の円形隆起部のセットを含む複数の円形隆起部とを有する地面係合面とを有し、
前記第1の円形隆起部のセットは前記足先領域の第1のエピセンターの周りに同心円状に整列し、前記第2の円形隆起部のセットは前記踵領域の第2のエピセンターの周りに同心円状に整列する、アウトソール。
【請求項2】
前記複数のクリートは、前記前記第1の円形隆起部のセットの第1の円形隆起部に沿って整列し、前記足先領域内の第1のクリートのセットを含むことを特徴とする、請求項1に記載のアウトソール。
【請求項3】
前記第1のクリートのセットは、前記第1の円形隆起部の前記第1の円形隆起部と一体的に形成されることを特徴とする、請求項2に記載のアウトソール。
【請求項4】
前記複数のクリートは、前記第1の円形隆起部のセットの第2の円形隆起部に沿って整列した前記足先領域内の第2のクリートのセットを含み、前記第2のクリートのセットは前記第1のクリートのセットから横方向に離間し、前記第1のクリートのセットから半径方向外側に配置されることを特徴とする、請求項2に記載のアウトソール。
【請求項5】
前記複数のクリートは、前記踵領域内にヒールクリートのセットを含み、前記ヒールクリートは、前記第2のセットの円形隆起部内の円形隆起部に沿って整列することを特徴とする、請求項1に記載のアウトソール。
【請求項6】
前記アウトソールは中足領域をさらに含み、前記第1の円形隆起部のセットは、前記足先領域、前記中足領域、または前記踵領域のうちの少なくとも1つを通って延在することを特徴とする、請求項1に記載のアウトソール。
【請求項7】
前記アウトソールは中足領域をさらに含み、前記第2の円形隆起部のセットは、前記中足領域または前記踵領域のうちの少なくとも1つを通って延在することを特徴とする、請求項1に記載のアウトソール。
【請求項8】
前記アウトソールは中足領域をさらに含み、前記第1の円形隆起部のセットは、前記中足領域において前記第2の円形隆起部のセットと交差することを特徴とする、請求項1に記載のアウトソール。
【請求項9】
前記第1のエピセンターの位置は、着用者の第1の中足骨関節の位置に概ね対応することを特徴とする、請求項1に記載のアウトソール。
【請求項10】
前記第2のエピセンターの位置は、着用者の踵の位置に概ね対応することを特徴とする、請求項1に記載のアウトソール。
【請求項11】
足先領域を有する履物具のアウトソールであって、
前記アウトソールは、足先領域のエピセンターの周りに同心円状に配置され、かつそこから外側に延びる円形隆起部を含み、少なくとも2つの円形隆起部は高い部分と低い部分との間に波状の高さを有し、
少なくとも2つの円形隆起部の低い部分は、屈曲ゾーンを画定するように整列する、アウトソール。
【請求項12】
前記屈曲ゾーンは、着用者の少なくとも1つの中足骨-指骨関節の位置に対応するように構成されることを特徴とする、請求項11に記載のアウトソール。
【請求項13】
前記屈曲ゾーンは前記アウトソールの内側から外側まで、前記エピセンターを通って延在することを特徴とする、請求項11に記載のアウトソール。
【請求項14】
前記エピセンターは、着用者の第1の中足骨関節の位置に概ね対応することを特徴とする、請求項11に記載のアウトソール。
【請求項15】
前記足先領域内及び前記屈曲ゾーンの外側に配置された複数のクリートをさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載のアウトソール。
【請求項16】
前記複数のクリートは、前記円形隆起部のうちの1つと一体的に形成されることを特徴とする、請求項15に記載のアウトソール。
【請求項17】
前記アウトソールは中足領域と、踵部領域とを含み、前記円形隆起部は第1の複数の円形隆起部であり、
前記アウトソールはさらに、前記踵領域の第2のエピセンターの周りに同心円状に配置され、かつそこから外側に延びる第2の複数の円形隆起部を含み、
前記第1の複数の円形隆起部は前記中足領域の前記第2の複数の円形隆起部と重なり、硬化ゾーンを画定することを特徴とする、請求項11に記載のアウトソール。
【請求項18】
前記第2の複数の円形隆起部は高い部分と低い部分との間に波状の高さを有し、
前記第1及び第2の複数の円形隆起部の高い部分は前記硬化ゾーン内に位置することを特徴とする、請求項17に記載のアウトソール。
【請求項19】
前記硬化ゾーンは、着用者の足によって加えられる圧力の中心にほぼ従うことを特徴とする、請求項17に記載のアウトソール。
【請求項20】
足先領域を有する履物具のアウトソールであって、
前記アウトソールは、前記足先領域に同心円状に配置され、着用者の第1の中足骨関節の位置に対応するように構成されたエピセンターから外側に延びる複数の円形の隆起部と複数のクリートとを含み、
前記複数の円形隆起部及び前記複数のクリートは、前記エピセンターを中心とする旋回運動を容易にするように構成される、アウトソール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、履物具のソールに関し、より詳細には、全方向トラクションを提供し、異なる剛性特性を付与し得るパターンを含む履物具のアウトソールに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの従来のシューズまたは他の履物具は一般に、アッパーと、アッパーの下端に取り付けられたソールとを備える。従来の靴は靴を足に固定する前にユーザの足を受け入れる内部空間、すなわち、アッパー及びソールの内部表面によって形成される空隙または空洞をさらに含む。ソールは、アッパーの下面または境界に取り付けられ、アッパーと地面との間に位置する。結果として、ソールは通常靴が着用されているときに、安定性及びクッション性をユーザに提供する。いくつかの例では、ソールはアウトソール、ミッドソール、及びインソールなどの複数のコンポーネントを含むことができる。アウトソールはソールの地面係合面にトラクションを提供することができ、ミッドソールは、アウトソールの上面に取り付けられて、ソールにクッション性または追加の安定性を提供することができる。例えば、ソールは、ソールに沿った1つまたは複数の所望の位置での安定性を増加させ得る特定の発泡材料、またはユーザが走ったり、歩いたり、または他の運動をしているときに足または脚にかかる応力または衝撃エネルギーを軽減することができる発泡材料を含んでもよい。
【0003】
運動靴、例えばサッカークリートに関して、ソールアセンブリは履物具に耐久性、摩耗抵抗、耐摩耗性、またはトラクションを付与するために、1つまたは複数の材料から形成されたアウトソールを含んでもよい。いくつかの場合において、運動靴のアウトソールは、履物具の曲げ剛性に影響を与える特性を有してもよい。
【0004】
近年、ソールの曲げ剛性が着用者の運動能力に及ぼす影響が調査されており、いくつかの研究は、比較的硬いソールを有する靴はランニング中の代謝コストを低減し、及び/またはランニング推進を助けるバネ様特性を提供することができることを示している。いくつかの従来の構成では、運動靴は、ソールの全体的な曲げ剛性を増加させるためにソール内に埋め込むことができる硬化コンポーネントを含むことができる。しかしながら、ソールアセンブリ内に追加のコンポーネントを含めると、製造が複雑になり、シューズのエンドユーザのコストを増加させる可能性がある。さらに、追加の研究では、足先などの特定の領域における足の屈曲を制限するとユーザのパフォーマンスに悪影響を与える可能性があることが示唆されている。
【0005】
足の解剖学的構造は、足の構造及び性能に敏感な様々な骨、関節、及び動きを含む。例えば、この感度は「第六感」としても知られる固有感覚として説明することができ、これには、自分の体の位置及び動きの知覚又は認識が含まれる。特定の領域において快適性及び柔軟性をもたらし、必要に応じて剛度及び剛性を提供し、履物具の内側の足の自然な動き及び屈曲に適応することによって人間の固有感覚を向上させる履物具をデザインすることは、有利となり得る。
【0006】
運動靴はまた、地面との摩耗を改善するための手段を含むことが以前から知られており、特定のトレッド構成が性能上の利点を提供するように構成され得ることは周知である。例えばバスケットボールなどのコートスポーツ用の靴のソールには、素早いスタート、ストップ、及びターンを可能にするために、トラクションを高めるための様々なトレッドデザインが施されている。芝生または草の上で行われる野球、フットボール、サッカーなどのスポーツでは、対応する運動靴は、複数の地面係合部材(例えば、スパイク、スタッド、ブレード、またはクリート)を含むことが多く、所望のトラクションを提供し、急速な方向転換が容易になる。
【0007】
運動靴のための地面係合部材は、クリートまたは靴が使用されることが意図される面に応じて、多種多様な構成を含むことができる。例えば、運動靴は堅い地面、柔らかい地面、人工芝、路面、または屋内コート(例えば、フットサルコート)で使用するように構成されてもよい。主に自然の草地及び屋外フィールドで使用される堅い地面用のクリートは、トラクション及び安定性を提供するように設計された取り外し不可能なクリート又はスタッドを含むことができる。柔らかい地面用のクリートは通常、湿れた又は泥の地面上のトラクションを向上させるために長いスタッドを有しており、さらに、様々なフィールド条件に合わせてカスタマイズできるように、先端が金属製のスタッド及び/又は取り外し可能なスタッドをさらに含んでもよい。ストリート用クリート及び芝生用の靴は通常、ゴム製のアウトソールを有し、トラクションを向上させるためにアウトソールから外側に突出した小さいゴム製のスタッドを含むことができる。
【0008】
地面係合部材(例えば、クリートまたはスタッド)は多くの場合、円錐形、ブレード形、山形、またはそれらの組合せもしくは変形であり、それぞれの形は、特定の性能上の利点を提供することが知られている。例えば、円錐形スタッドは外面の円筒形状に起因する全ての方向への移動を容易にするために、全方向のトラクションを提供することができる。ブレード形状または山形形状のクリートは通常、クリート面の平面構成により、特定の方向に沿ったトラクション及び加速を補助するのにより適している。さらに、地面係合部材の空間分布は、アウトソールの性能に影響を与える可能性がある。加えて、地面係合部材の構成は、例えば、特定の方向におけるトラクションを改善したり、または全般的な応答性を改善したりするなど、様々な目的に合わせて最適化されてもよい。
【0009】
上記を考慮すると、多くの場合、運動靴は、異なる曲げ特性を有するゾーンを有するアウトソールを含むことが望ましい。さらに、トラクション及び快適性を向上させるトレッドデザインを提供する運動靴も望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書に記載の履物具は、様々な構成を有することができる。履物具は、アッパーと、アッパーに接続されたアウトソールとを有してもよい。いくつかの実施形態では、履物具はまた、ミッドソール及びインソールなどの追加のコンポーネントを含んでもよい。
【0011】
一実施形態では、本開示が足先領域、踵領域、内側面、及び外側面を有する履物具のアウトソールを提供する。アウトソールは、複数のクリートと、第1の円形隆起部のセット及び第2の円形隆起部のセットを含む複数の円形隆起部とを備えた地面係合面を含んでもよい。第1の円形隆起部のセットは足先領域の第1のエピセンターの周りに同心円状に整列していてもよく、第2の円形隆起部のセットは踵領域の第2のエピセンターの周りに同心円状に整列していてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、複数のクリートは、第1の円形隆起部のセットの第1の円形隆起部に沿って整列した足先領域内の第1のクリートのセットを含んでもよい。第1のクリートのセットは、第1の円形隆起部のセットの第1の円形隆起部と一体的に形成されてもよい。複数のクリートは、第1の円形隆起部のセットの第2の円形隆起部に沿って整列した足先領域内の第2のクリートのセットを含んでもよい。第2のクリートのセットは、第1のクリートのセットから横方向に離間し、半径方向外側に配置されてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、複数のクリートは、踵領域内にヒールクリートのセットを含んでもよい。ヒールクリートは、第2の円形隆起部のセット内の円形隆起部に沿って整列していてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、アウトソールは中足領域を含んでもよく、第1の円形隆起部のセットは足先領域、中足領域、または踵領域のうちの少なくとも1つを通って延在してもよい。いくつかの実施形態では、第2の円形隆起部のセットは中足領域または踵領域のうちの少なくとも1つを通って延在してもよい。いくつかの実施形態では、第1の円形隆起部のセットは中足領域の第2の円形隆起部のセットと交差してもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1のエピセンターの位置は、着用者の第1の中足骨関節の位置に概ね対応する。いくつかの実施形態では、第2のエピセンターの位置は、着用者の踵の位置に概ね対応することができる。
【0016】
別の実施形態では、本開示は、足先領域を有する履物具のアウトソールを提供する。アウトソールは、足先領域の第1のエピセンターの周りに同心円状に配置され、そこから外側に延在する円形隆起部を含んでもよく、円形隆起部のうちの少なくとも2つは、高い部分と低い部分との間に波状の高さを有してもよい。少なくとも2つの円形隆起部の低い部分は、屈曲ゾーンを画定するように整列していてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、屈曲ゾーンは着用者の少なくとも1つの中足骨-指骨関節の位置に対応するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、屈曲ゾーンは、アウトソールの内側から外側まで、エピセンターを通って延在してもよい。いくつかの実施形態では、エピセンターは、着用者の第1の中足骨関節の位置に概ね対応する。
【0018】
いくつかの実施形態では、アウトソールは、足先領域内及び屈曲ゾーンの外側に配置された複数のクリートをさらに含んでもよい。複数のクリートは、円形隆起部のうちの1つと一体的に形成してもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、アウトソールは、中足領域、踵領域を含んでもよく、円形隆起部は第1の複数の円形隆起部であってもよい。アウトソールは、踵領域の第2のエピセンターの周りに同心円状に配置され、そこから外側に延在する第2の複数の円形隆起部をさらに含んでもよい。第1の複数の円形隆起部は、中足領域において第2の複数の円形隆起部と重なり、硬化ゾーンを画定することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、第2の複数の円形隆起部は、高い部分と低い部分との間に波状の高さを有してもよい。第1及び第2の複数の円形隆起部の高い部分は、硬化ゾーン内に位置する。
【0021】
いくつかの実施形態では、硬化ゾーンは、ユーザの足によって加えられる圧力の中心にほぼ従う。
【0022】
別の実施形態では、本開示は、足先領域を有する履物具のアウトソールを提供する。アウトソールは、足先領域に同心円状に配置され、着用者の第1の中足骨関節の位置に対応するように構成されたエピセンターから外側に延在する複数の円形の隆起部と複数のクリートとを含んでもよい。複数の円形隆起部及び複数のクリートは、エピセンターを中心とする旋回運動を容易にするように構成してもよい。
【0023】
履物具の特徴及び利点を含む履物具の他の実施形態は、図面及び本明細書の詳細な説明を検討すると、当業者には明らかになるのであろう。したがって、履物具のそのような実施形態はすべて、詳細な説明及びこの概要に含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明の特定の原理を説明するための人間の足の骨及び関節を示す上面図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施形態による、左靴として構成され、パターンを含む、履物具のためのアウトソールの底面、後面、及び側面等角図である。
【
図3】
図3は、
図2のアウトソールの底面、前面、及び側面等角図である。
【
図9】
図9は、本開示によるアウトソールの別の実施形態の底面、背面、及び内側等角図である。
【
図14】
図14は、本発明によるアウトソールの別の実施形態の底部平面図である。
【
図18】
図18は、足が地面に接触しているときの足にかかる力及び圧力のマップである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の説明及び添付の図面は、シューズ及びソール構造体の様々な実施形態または構成を開示する。サッカー用クリートまたはフットボール用クリートなどの運動靴製品に関して、靴または靴のためのアウトソールの実施形態が開示されるが、本開示の靴またはアウトソールに関連する概念は、例えばランニングシューズ、テニスシューズ、バスケットボールシューズ、クロストレーニングシューズ、フットボールシューズ、ゴルフシューズ、ハイキングシューズ、ハイキングブーツ、スキー及びスノーボードブーツ、ウォーキングシューズ、ならびにトラッククリートを含む、広範囲の履物及び履物のスタイルに適用されてもよい。靴またはアウトソールの概念はまた、ドレスシューズ、サンダル、ローファー、スリッパ、及びヒールを含む、運動用ではないと考えられる履物具に適用されてもよい。
【0026】
本開示は一般に、アッパーに接続され得るソール又はアウトソールなどの履物具及び/又は履物具の特定のコンポーネントに関する。ソールまたはアウトソールの構成は、様々な従来のまたは非従来の構造体を含むように、様々な実施形態において大幅に変化してもよい。一般に、履物具が着用されるとき、ソールはアッパーと地面との間に延在する。異なる実施形態では、ソールは、異なるコンポーネントを含んでもよい。例えば、ソールは、アウトソール、ミッドソール、及び/又はインソールを含むことができる。場合によっては、これらのコンポーネントのうちの1つまたは複数がオプションであってもよい。したがって、履物具は、アウトソールと、アッパー、ミッドソール、インソール、アウトソールプレート、地面係合部材、サポートインサートの任意の組み合わせの1つ、及び従来技術で知られている構造付属品の任意の組み合わせの1つを備えることができる。
【0027】
一般に、アッパーは、任意の種類のアッパーであってもよい。特に、アッパーは、任意のデザイン、形状、サイズ、及び/または色を有することができる。例えば、履物具がサッカーシューズである実施形態では、アッパーはロートップアッパーであってもよい。履物具がフットボールシューズである実施形態では、アッパーは足首に高いサポートを提供するように成形されたハイトップアッパーであってもよい。
【0028】
アッパーは、ニットコンポーネント、織布、不織布、天然素材(例えば、皮革またはその合成変形物)、メッシュ、スエード、または前述の材料のうちの1つまたは複数の組み合わせを含んでもよい。ニットコンポーネントは、糸の編み、糸の製織による織布、及び単一の不織ウェブの製造による不織布によって作製されてもよい。ニット生地は縦編み、横編み、平編み、丸編み、及び/または他の適切な編み作業によって形成される織物を含む。ニット生地は、例えば、平編み構造、メッシュ編み構造、及び/またはリブ編み構造を有する可能性がある。織布としては限定されるものではないが、例えば、平織、綾織、サテン織、ドビン織、ジャカード織、二重織、及び/または二重布織などの多数の織り形態のいずれかによって形成された織物が挙げられる。不織布としては、例えば、エアレイド法及び/またはスパンレイド法によって製造された織物が挙げられる。アッパーは、第1の糸、第2の糸、及び/または第3の糸などの様々な材料を含んでもよく、様々な特性または様々な視覚特性を有してもよい。
【0029】
「約」という用語は本明細書で使用される場合、例えば、本明細書の開示の実施形態を含み得る履物または他の製品のために使用される典型的な測定及び製造手順を通じて生じ得る数値量の変動;これらの手順における不注意な誤り;組成物または混合物を作製するために使用される成分の製造、供給源、または純度の差異;及び同等物を介して生じ得る数値量の変動を指す。本開示を通して、「約」及び「およそ」という用語は、その用語が先行する数値の±5%の値の範囲を指す。
【0030】
本明細書で幾何学的説明に関連して使用される場合、他に限定または定義されない限り、「実質的に」は、同様の種類のコンポーネントまたは同様のプロセスを使用して形成されるコンポーネントの従来の製造公差内の特定の形状または寸法への対応を示す。この点に関して、例えば、「実質的に丸い」または「実質的に円形」は、円から許容可能な製造公差内に逸脱するプロファイルを示すことができる。
【0031】
本明細書において、用語「地面係合部材」は、クリート、スタッド、突起、又はトレッドを含むがこれらに限定されない、地面の摩擦又は貫通を介してトラクションを増加させるためのソール又はアウトソールに配置された任意の設備に関連し、又はそれと互換的に使用されてもよい。通常、地面係合部材は、フットボール、サッカー、野球、または地面とのトラクションを必要とする任意の種類の活動のために構成されてもよい。本明細書に記載のアウトソールのいくつかの実施形態では、アウトソールはクリートまたはスタッドを含む地面係合部材を含むことができる。一般に、地面係合部材は、任意の方法で、ソールまたはアウトソール構造に関連付けることができる。例えば、いくつかの実施形態では、地面係合部材はソールまたはアウトソールと一体に形成されてもよく、場合によっては、地面係合部材はアウトソール本体に取り付けられてもよい。
【0032】
用語「全方向トラクション」及び「指向性トラクション」は、本明細書では、地面係合部材によって提供されるトラクションの性質または品質を説明するために使用されてもよい。例えば、地面係合部材は、地面係合部材が多方向の動きを容易にするためのトラクションを提供するとき、「全方向トラクション」を提供すると説明することができる。地面係合部材は、地面係合部材が一方向または一対の対向する方向に沿ってトラクションを提供するのに適しているとき、「指向性トラクション」を提供すると説明されてもよい。例えば、前方及び後方の一方または両方にトラクションを適切に提供する地面係合部材は、本明細書では「指向性トラクション」を提供するものとして説明されてもよい。これらの用語は説明されたアウトソール構造の例示的な機能を実証するために使用されるが、本発明の教示から逸脱することなく様々なアウトソール実施形態間に多数の構造的差異が存在してもよく、そのような構造的差異が様々な機能をもたらし得るので、必ずしも1つの構造体がこれらの機能のうちの1つまたはいずれかに限定されるべきではない。
【0033】
本明細書において、別段の定義または限定がない限り、方向用語は、特定の図または例の議論のための参照の便宜のために使用される。例えば、「下向き」、または他の向き、または「下方」、または他の位置への言及は特定の実例または図の実施形態を説明するために使用され得るが、すべての設備または構成において、必ずしも同様の向きまたは幾何学的形状を必要としない。
【0034】
様々な要素、コンポーネント、領域、層、及び/またはセクションを説明するために、第1、第2、第3などの用語が本明細書で使用されてもよい。これらの要素、コンポーネント、領域、層、及び/またはセクションは、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素、コンポーネント、領域、層、またはセクションを別の領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用されてもよい。「第1の」、「第2の」、及び他の数値用語などの用語は文脈によって明確に示されない限り、シーケンスまたは順序を意味するものではない。したがって、以下で説明する第1の要素、コンポーネント、領域、層、またはセクションは、例示的な構成の教示から逸脱することなく、第2の要素、コンポーネント、領域、層、またはセクションと呼ぶことができる。
【0035】
本開示によるアウトソールを詳細に説明する前に、
図1に示す人間の足10の骨格を参照する。足10は、踵骨90、足根骨92、中足骨94、及び指骨96を含む。中足骨94は、中足骨-指骨関節98a~98d(または集合的に98)で足指または指骨96に接続する。
【0036】
ランニング活動中、足10が地面から押し出されると、足の土踏まずの足根骨92及び中足骨94が自然にロックしてレバーアームの機能を果たし、脚を前方に推進する。しかしながら、足根骨92と中足骨94との間で生じるわずかな動きによっていくらかのエネルギーが消散し、それによって非効率的な推進力が生じる。
【0037】
中足骨-指骨関節98はまた、走る、飛ぶ、及びカッティング活動において重要な役割を果たす。例えば、様々な運動活動中に、足底圧のピークは、第1の中足骨-指骨関節98a(別名「母趾関節」)の下に生じ、関節98a~98eが集合的に足指を屈曲し、走っている間、バランス及び推進力をユーザに提供することができる。さらに、第1の中足骨-指骨関節98aは、多くの場合、足10の回転運動及び旋回運動が行われる支点として機能する。
【0038】
いくつかの実施形態では、本開示の後の部分で説明するように、履物具のアウトソールは複数の円形隆起部を含む表面パターンを含むことができる。表面パターンは、アウトソールの特定の領域におけるアウトソールの曲げ剛性を増大させる一方で、他の領域における柔軟性の増大に対応するように構成される。いくつかの実施形態では、表面パターンの構造は、ユーザの足の土踏まずに対応する一般領域におけるアウトソールの曲げ剛性を増大させ、表面パターンは、例えば、足先の屈曲に適応するために、アウトソールの別の領域における柔軟性を提供する。さらに、いくつかの実施形態では、表面パターンは地面とのトラクションを提供し、第1の中足骨-指骨関節98aの周りの迅速な旋回運動を促進することができる。本開示のアウトソールは履物具の底部を形成することができ、製品がユーザによって着用されたときにアウトソールがユーザの足と地面との間に配置されるようにすることができる。いくつかの実施形態では、アウトソールは1つまたは複数の本体部を備えてもよい。
【0039】
図2~
図7を参照すると、本開示は、アウトソール102を含む履物具100(
図5及び
図6に部分的に示される)を提供する。アウトソール102は、足指端部106と、ヒール端部108と、上面110(
図5及び
図7に示す)と、上面110に対向して配置された地面係合面112と、を有するアウトソール本体104を備える。上面110は、アッパー又はミッドソールなどの履物具100の別のコンポーネントに接続又は固定することができる。地面係合面112は地面と接触し、トラクションを提供するように構成される。地面係合表面112は、複数の円形隆起部116を含む表面パターン114を含む。
【0040】
図4を参照すると、アウトソール102は、概して、足先領域118、中足領域120、及び踵領域122を画定する。足先領域118は一般に、足10の指骨96(又は足指)及び足10の足指96と中足骨94との間の関節である中足骨-指骨関節98(別名、母指球)を包む履物具100の部分に対応する(
図1に示す)。特に
図4に示されるアウトソール102を参照すると、アウトソール102の中足領域120は足先領域118に近接して隣接し、中足骨94及び足根骨92(
図1に示される)を含む、足10の土踏まずを包む履物具100の部分に概ね対応する。アウトソール102の踵領域122は中足領域120に近接して隣接し、一般に、ヒールまたは踵骨90(
図1に示される)、足首、及び/またはアキレス腱の後部を包む履物具100の部分に対応する。続いて、アウトソール102は、内側面124及び外側面126を含む。特に、外側面126は履物具100の外側部分に対応し、内側面124は履物具100の内側部分に対応する。
【0041】
特に明記しない限り、足先領域118、中足領域120、踵領域122、内側面124、及び外側面126は、履物具100の境界または領域を画定することを意図する。そのために、足先領域118、中足領域120、踵領域122、内側面124、及び外側面126は、概して、履物具100のセクションを特徴付ける。さらに、アウトソール102は、足先領域118、中足領域120、踵領域122、内側面124、及び/または外側面126内の部分を有するものとして特徴付けることができる。
【0042】
図2及び
図3に示すアウトソール102を参照すると、地面係合面112の表面パターン114はアウトソール本体104の大部分に亘って設けられており、上面110とは反対方向に外側に突出している。表面パターン114は、足先領域118、中足領域120、及び踵領域122のそれぞれの少なくとも一部にわたって延在する。しかしながら、いくつかの実施形態では、表面パターン114は、足先領域118、中足領域120、または踵領域122のうちの少なくとも1つに設けられてもよい。
【0043】
続いて、アウトソール102の表面パターン114は、複数の円形隆起部116を含む。本明細書において、「円形」隆起部は、中心点から一定の距離を維持する点で少なくとも部分的に円形である曲線で延在する、アウトソール102上の突出部を指す。場合によっては、円形の隆起部が完全な円を描くように延在してもよい。場合によっては円形隆起部が完全な円に満たない範囲に延在することがあるが、中心点からの距離は一定に保たれる。
【0044】
図5~
図8を参照すると、表面パターン114の複数の円形隆起部116は、波状パターンで構成される。複数の円形隆起部116は、第1のエピセンター130と同心円状に整列し、そこから外側に延在する第1の円形隆起部のセット128と、第2のエピセンター134から同心円状に整列し、そこから外側に延在する第2の円形隆起部のセット132とを含む。第1のエピセンター130は足先領域118に位置し、第2のエピセンター134は踵領域122に位置する。しかしながら、他の実施形態では、第1及び第2のエピセンター130、134は異なる領域に配置されてもよい。
【0045】
第1のエピセンター130は、第1のエピセンター130が内側面124に対して近位であり外側面126に対して遠位であるように、足先領域118においてアウトソール102の内側面124から内向きに離間されている。第1のエピセンター130の位置は、第1の中足骨-指骨関節98a(
図1に示す)の位置に概ね対応する。
【0046】
図8は表面パターン114の簡略化されたバージョンを示す概略図であり、アウトソール102の表面パターン114をより明確に示すために提供される。
図8を参照すると、第1の円形隆起部のセット128またはその一部は、足先領域118、中足領域120、及び踵領域122のそれぞれに位置する。特定の実施形態に応じて、第1の円形隆起部のセット128に属する隆起部は、アウトソール102の任意の領域内に延在してもよい。一般に、第1の円形隆起部のセット128の隆起部はアウトソール102に全方向トラクションを提供し、第1のエピセンター130の周り(または
図1に示される第1の中足骨-指骨関節98aの周り)の履物具100の回転運動または旋回運動を促進することができる。さらに、複数の円形隆起部116のいずれかはボールの表面を掴むのに役立ち、または汚れ落ち特性を提供することができる。
【0047】
第2の円形隆起部のセット132またはその一部は、中足領域120及び踵領域122のそれぞれに位置する。しかしながら、いくつかの実施形態では、第2の円形隆起部のセット132は足先領域118内にもさらに延在することができる。第2の円形隆起部のセット132の隆起部はアウトソール102に全方向トラクションを提供することができ、第2のエピセンター134の周り(または
図1に示す踵骨90の周り)の履物具100の回転運動または旋回運動を促進することができる。
【0048】
第1及び第2の円形隆起部のセット128、132の各隆起部は直径(または半径方向の幅)を有し、任意の1つの隆起部の直径は、それぞれの第1または第2のエピセンター130、134からのその半径方向の距離に比例する。したがって、第1のエピセンター130に比較的近くに配置された第1の円形隆起部のセット128の隆起部は、外側に配置された隆起部よりも小さい直径(または半径方向の幅)を有する。同様に、第2のエピセンター134に比較的近くに配置された第2の円形隆起部のセット132の隆起部は、外側に配置された隆起部よりも小さい直径(または半径方向の幅)を有する。一般に、外側に配置された隆起部は、内側に配置された隆起部を囲む。
図4を参照すると、例えば、第1の円形隆起部のセット128は、内側隆起部128a及び外側隆起部128bを含む。内側隆起部128aは外側隆起部128bに対して内側に配置され、内側隆起部128aの直径は外側隆起部128bの直径よりも小さく、外側隆起部128bは内側隆起部128aを囲む。
【0049】
引き続き
図8を見ると、第1の円形隆起部のセット128の隆起部は、所定の距離で離間させることができる。ここに示されるように、第1の円形隆起部のセット128における隣接する隆起部間の空間は、ほとんどほぼ等距離である。しかしながら、足先領域118内の第1の円形隆起部のセット128の外側隆起部は、第1のエピセンター130に近接する隆起部よりも約1.33倍離れて離間している。第1のエピセンター130より遠位の第1の円形隆起部のセット128のより大きい間隔は、より多くの柔軟性を提供し、これは指骨96(
図1に示される)を含む履物具100の領域において望ましい可能性があり、それらがより自由に移動し、屈曲することを可能にする。
【0050】
第2の円形隆起部のセット132の隆起部はまた、所定の距離で離間してもよい。踵領域122の第2のエピセンター134の近位の第2の円形隆起部のセット132の隆起部は、中足領域120の第2のエピセンター134の遠位の第2の円形隆起部のセット132の隆起部よりも約1.67倍離れて離間している。間隔が狭くなると、踵領域122におけるアウトソール102の剛性に対して、中足領域120におけるアウトソール102の剛性が増加する。加えて、または代替として、第1の円形隆起部のセット128の隆起部の間隔と、中足領域120の第2の円形隆起部のセット132の間隔とは、ほぼ同じであってもよい。
【0051】
図6A及び
図6Bに示されるように、複数の円形隆起部116の各隆起部は、上面110に隣接する基部136と、一対の対向する側壁138と、遠位縁140と、基部136から隆起部116に沿った任意の位置で遠位縁140に沿って最も遠い点まで垂直に延びる直線距離として定義される高さ142とを含む。いくつかの実施形態では、高さ142は約0.1mm~約7.0mmの範囲とすることができる。対向する側壁138は、複数の円形隆起部116の各隆起部が実質的に三角形の断面を有するように、基部136から遠位縁部140に向かって内側に先細りになっている。遠位縁部140はまた、図示のように丸みを帯びていてもよい。しかしながら、他の実施形態の隆起部は、他の断面形状及びサイズを有するように形成されてもよい。
【0052】
場合によっては、複数の円形隆起部116内の円形隆起部は、異なる高さ142を有することができる。円形隆起部116に沿った高さ142の変化は、少なくとも1つの高い部分144(
図6Bに示される)と少なくとも1つの低い部分146(
図6Aに示される)との間で波状に変動する遠位縁部140を画定することができる。いくつかの実施形態では、高い部分144は約5mm~約7mmの範囲の高さ142を有することができる。いくつかの実施形態では、低い部分146は約0mm~約3mmの範囲の高さ142を有することができる。
【0053】
異なる高さ142まで突出する円形隆起部116は、アウトソール102に異なる剛性特性を提供することができる。例えば、高さ142が7mmまたはその付近の円形隆起部116はアウトソール102の剛性を増加させるが、高さ142が0mmまたはその付近の円形隆起部116はアウトソール102の剛性を低下させる。さらに、波状の遠位縁部140を有する円形隆起部116を有する実施形態では、アウトソール102の剛性は、アウトソール102の異なる領域において、それらの領域における円形隆起部116(以下で説明する)の高さ142に応じて、相対的に大きくまたは小さくなるように構成することができる。
【0054】
高い部分144は、硬化ゾーン166(
図8に示される)に沿って、アウトソール102のトラクション及び剛性を増加させることができると考えられる。いくつかの実施形態では、複数の円形隆起部116の高い部分144が中足領域120に増大した曲げ剛性を提供するように構造化され、分配されてもよい。例えば、
図8を見ると、中足領域120内の複数の円形隆起部116の高い部分144は、内側面124及び外側面126から内向きに離間し、履物具100内のユーザの足によって提供される圧力中心の典型的な軌道の少なくとも一部に沿って延在してもよい(
図18において線148として示される)。高い部分144におけるアウトソール102の厚さの増加は、中足領域120におけるアウトソール102の剛性を増加させる。さらに、圧力148の中心に沿った高い部分144の全体的な整列により、高い部分144はアウトソール102に方向性のトラクションを提供し、ユーザの前後方向の動きを支援する。他の実施形態では、高い部分144の他の構成及び分布が可能である。
【0055】
代替的に、低い部分146は、アウトソール102におけるトラクションを小さくするが、柔軟性を高めることができる。いくつかの実施形態では、低い部分146はアウトソール102の足先領域118の柔軟性を高めて、足指96(
図1に示す)の屈曲を可能にすることができる。例えば、複数の円形隆起部116の連続する円形隆起部の整列された低い部分146は、アウトソール102(
図4及び
図8に示される)内に屈曲ゾーン150をさらに画定することができる。特に
図4及び
図8を参照すると、屈曲ゾーン150は外側ソール102の縦軸(X軸、
図8に示す)に対してある角度で屈曲ゾーン150が配置されるように、側方及び後方に(すなわち、踵領域122に向かって)延在する。好ましくは、屈曲ゾーン150が足指96(
図1に示される)の屈曲に適応できるようにするため、屈曲ゾーン150の位置及び向きが一般に着用者(
図1に示される)の少なくとも1つの中足骨-指骨関節98の位置に対応する。いくつかの実施形態では、屈曲ゾーン150は内側側面124と外側側面126との間に連続的に延在してもよい。いくつかの実施形態では、屈曲ゾーン150は不連続であってもよく、及び/または内側側面124と外側側面126との間に完全には延在しない1つまたは複数の別個の屈曲ゾーン部分を備えてもよい。他の実施形態では、低い部分146の他の構成及び分布が可能である。例えば、低い部分146は、クリート158(以下でさらに説明する)に隣接して設けることができる。これにより地面係合面112の周囲領域に対するクリート158の相対高さが増加し、トラクションを増加させることができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、第1の円形隆起部のセット128の1つまたは複数の隆起部が第2の円形隆起部のセット132の1つまたは複数の隆起部と交差してもよい。第1の円形隆起部のセット128と第2の円形隆起部のセット132との間の交差部は、交差部の位置におけるアウトソールの曲げ剛性を増加させることができる。第1及び第2の円形隆起部のセット128、132の交差する隆起部はまた、内側及び外側方向の動きを補助するための指向性トラクションを提供することができる。例えば、
図4及び
図8を参照すると、第1の円形隆起部のセット128は第1の隆起部152を含み、第2の円形隆起部のセット132は、第2の隆起部154を含む。第1の隆起部152は、硬化ゾーン166の中足領域120の第2の隆起部154と交差する。中足領域120の剛性は、第1の隆起部152と第2の隆起部154との交差によって増大する。場合によっては第2の円形隆起部のセット132は第3の隆起部156をさらに含むことができ、それによって、第1の隆起部152は中足領域120内の第2及び第3の隆起部154、156の各々と交差することができる。他の実施形態では、本開示のアウトソールはより多くのまたはより少ない交差する隆起部を有してもよい。
【0057】
アウトソール102はまた、地面係合面112上に地面係合部材またはクリートを含むことができる。
図1~
図8に示される実施形態では、クリートは、クリートが関連付けられるセットを示す文字(例えば、「a」、「b」、「c」、「d」、または「e」)で示される(見える場合)、クリートのセットを含む。特定のクリートのセットまたは個々のクリートが具体的に説明されていない限り、クリートは、それらの共通の番号「158」のみを使用して以下に説明される。同様のナンバリングスキームがクリート158のコンポーネントのいずれにも提供される。複数の隆起部116と同様に、クリート158は上面110とは反対の方向に外向きに突出するが、複数の円形隆起部116の遠位縁部140を越えて延在する。クリート158は、地面とのさらなるトラクションを提供することができる。クリート158は、上面110に隣接する基部160と、基部160の反対側の遠位縁部162と、基部160から遠位縁部162の最も遠い点まで垂直に延びる直線距離として定義される高さ164とを有する。いくつかの実施形態では、クリート158のうちの少なくとも1つは複数の円形隆起部116のうちの少なくとも1つと一体的に形成されてもよい。これらの実施形態では、クリート158の遠位縁部162がそれぞれの円形隆起部116の波状遠位縁部140の一部となる。いくつかの実施形態では、クリート158は、複数の円形隆起部116のうちの少なくとも1つに沿って配置することができる。いくつかの実施形態では、クリート158の遠位縁部162は、クリート158が配置される円形隆起部116の遠位縁部140と位置合わせすることができる。いくつかの実施形態では、クリート158の基部160は、複数の円形隆起部116の複数の隆起部にわたって延在することができる。いくつかの実施形態では、クリート158はアウトソール102に取り外し可能に取り付けることができる。
【0058】
図4を参照すると、クリート158は、第1のクリートのセット158aと、第2のクリートのセット158bと、第3のクリートのセット158cと、足指クリート158dと、ヒールクリートのセット158eとを含んでもよい。しかしながら、他の実施形態は、より多くのまたはより少ない組のクリートを含むことができる。第1、第2、及び第3のクリートのセット158a、158b、158c、及び足指クリート158dは、足先領域118内の第1のエピセンター130の周りに半径方向に分配され、ヒールクリート158eのセットは踵領域122内の第2のエピセンター134の周りに半径方向に分配される。第1、第2、及び第3のクリートのセット158a、158b、158c、足指クリート158d、及びヒールクリートのセット158eは、旋回運動中に地面との回転摩擦を低減するように分配されてもよいことが企図される。例えば、第1、第2、及び第3のクリートのセット158a、158b、158c、及び足指クリート158dは、それぞれの遠位縁部162a、162b、162c、162dが足先領域118内の複数の円形隆起部116のそれぞれの関連する隆起部の遠位縁部140と位置合わせされるように配置されてもよい。第1のエピセンター130を中心とする旋回運動中、第1、第2、及び第3のクリートのセット158a、158b、158cが地面内にしっかりと植え込まれた状態で、先頭のクリートが地面内に道を切り開き、残りのクリートが先頭のクリートによって切り開かれた道を辿り、したがって、地面と後続のクリートとの間の摩擦、及びクリート158全体の間の摩擦を低減する。いくつかの実施形態では、足先領域118に示されるクリート158のすべてが存在する必要はなく、これにより回転摩擦をさらに低減することができる。例えば、
図14の別のアウトソール302の実施形態を参照されたい。これは足先領域における第1のクリートのセット158aと同等の物を含まないが、足先領域における第2のクリートのセット158b、第3のクリートのセット158c、及び足指クリート158dと同等の物を含む。
【0059】
図4に戻ると、第1のクリートのセット158aは、第1のクリートのセット158aにおけるクリートの第1のエピセンター130から遠位縁部162aまでの距離として定義される第1の半径方向距離D1だけ第1のエピセンター130から横方向に離間して示されている。第2のクリートのセット158bは、第2のクリートのセット158bにおけるクリートの第1のエピセンター130から遠位縁部162bまでの距離として定義される第2の半径方向距離D2だけ、第1のエピセンター130から横方向に離間される。第3のクリートのセット158cは、第3のクリートのセット158cにおけるクリートの第1のエピセンター130から遠位縁部162cまでの距離として定義される第3の半径方向距離D3だけ、第1のエピセンター130から横方向に離間される。足指クリート158dは、第1のエピセンター130から、足指クリート158dの第1のエピセンター130から遠位縁部162dまでの距離として定義される第4の半径方向距離D4だけ、横方向に離間される。第2の半径方向距離D2は第1の半径方向距離D1よりも大きく、それによって、第2のクリートのセット158bは第1のクリートのセット158aから半径方向外側に配置される。第3の半径方向距離D3は第1及び第2の半径方向距離D1、D2よりも大きく、それによって、第3のクリートのセット158cは第1及び第2のクリートのセット158a、158bから半径方向外側に配置される。第4の半径方向距離D4は第1、第2、及び第3の半径方向距離D1、D2、D3よりも大きく、それによって、足指クリート158dは第1、第2、及び第3のクリートのセット158a、158b、158cから半径方向外側に配置される。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、及び第4の半径方向距離D1、D2、D3は、アウトソール102の第1のエピセンター130から足先端106までの距離として定義される足先端半径方向距離D5のパーセンテージとして提供されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1の半径方向距離D1は、足先端半径方向距離D5の約10%とすることができる。いくつかの実施形態では、第2の半径方向距離D2は、足指端半径方向距離D5の約30%とすることができる。いくつかの実施形態では、第3の半径方向距離D3は、足先端半径方向距離D5の約60%とすることができる。いくつかの実施形態では、第4の半径方向距離D4は足先端半径方向距離D5の約75%とすることができる。
【0060】
また、
図4に示されるように、ヒールクリートのセット158eは、ヒールクリートのセット158eにおけるクリートの第2のエピセンター134から遠位縁部162eまでの距離として定義されるヒールクリート半径方向距離D6だけ、第2のエピセンター134から横方向に離間される。いくつかの実施形態では、ヒールクリート半径方向距離D6は、第2のエピセンター134からヒール端108までの距離として定義される、ヒール端半径方向距離D7のパーセンテージとして提供されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ヒールクリート半径方向距離D6は、ヒール端半径方向距離D7の約75%とすることができる。
【0061】
引き続きクリート158を用いて、
図5及び
図6を見ると、いくつかの実施形態では、第1、第2、及び第3のクリートのセット158a、158b、158c及び足指クリート158dの高さ164a、164b、164c、164dは、約10mm~約12mmの範囲内であり得る。高さ164a、164b、164c、164dは、互いに異なってもよいことが企図される。たとえば、第1のクリートのセット158aは、第2のクリートのセット158bの高さ164b、第3のクリートのセット158cの高さ164c、または足指クリート158dの高さ164dのうちの少なくとも1つよりも小さいかまたは大きい高さ164aを有してもよい。他の実施形態では、高さ164a、164b、164c、164dの他の変形形態が企図される。さらに、いくつかの実施形態では、後部クリートのセット158eの高さ164eが約14mmであってもよい。
【0062】
アウトソール102を形成するために使用される材料に関して、耐久性、摩耗抵抗、耐摩耗性、またはトラクションを付与するために、1つまたは複数の材料が履物具100に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、アウトソール102は、例えば、熱可塑性ポリウレタン(TPU)材料などのポリウレタン(PU)プラスチックを含んでもよい。ブロックコポリマーからなる他の熱可塑性エラストマーも考慮される。他の実施形態では、アウトソール102は例えば、炭素繊維または高密度木材を含むことができる。いくつかの実施形態では、アウトソール102は、例えば、PUなどの熱可塑性材料、及び/またはエチレン-酢酸ビニル(EVA)、それらのコポリマー、または同様の種類の材料から個別に構築されてもよい。他の実施形態では、アウトソール102は、EVA-Solid-Sponge(「ESS」)材料、EVA発泡体(例えば、PUMA(登録商標)ProFoam LiteTM、IGNITE発泡体)、ポリウレタン、ポリエーテル、オレフィンブロックコポリマー、熱可塑性材料(例えば、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリオレフィンなど)、または超臨界発泡体であってもよい。いくつかの実施形態では、アウトソール102は、単一のポリマー材料であってもよく、またはEVAコポリマー、熱可塑性ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)コポリマー、及び/またはオレフィンブロックコポリマーなどの材料のブレンドであってもよい。PEBA材料の一例は、PEBAX(登録商標)プラスチック材料である。場合によっては、アウトソール本体104、複数の円形隆起部116、及びアウトソール102のクリート158は、実質的に同じ材質から形成することができる。いくつかの実施形態では、複数の円形隆起部116またはクリート158のうちの少なくとも1つはアウトソール本体104と実質的に別個であってもよい。
【0063】
アウトソール102が超臨界発泡プロセスから形成される実施形態では、超臨界発泡体は、オートクレーブ、射出成形装置、または超臨界流体(例えば、CO2、N2、またはそれらの混合物)と、好ましくは溶融される材料(例えば、TPU、EVA、ポリオレフィンエラストマー、またはそれらの混合物)との混合物を処理することができる十分に加熱/加圧された任意の容器内で行われるプロセスを使用して製造される、TPU、EVA、PEBAX(登録商標)プラスチック、またはそれらの混合物などの微細孔発泡体または粒子発泡体を含むことができる。プロセスの一例では、超臨界流体及び溶融材料の溶液が加圧容器内にポンプで送りこまれ、その後、容器内の圧力が解放され、その結果、超臨界流体の分子は急速にガスに変換して、材料内に小さなポケットを形成し、材料を発泡させ、アウトソール102として使用されてもよい。いくつかの実施形態では、アウトソール102が膨張プレス、射出成形機、ペレット膨張プロセス、冷発泡プロセス、圧縮成形技術、ダイカット、またはそれらの任意の組合せの使用を含む、当技術分野で公知の代替方法を使用して形成されてもよい。例えば、アウトソール102は、超臨界ガスを使用して材料を発泡させ、次いで、特定の形状に圧縮成形またはダイカットする、初期発泡ステップを含むプロセスを使用して形成されてもよい。
【0064】
図9~
図13は、本開示による履物具200(
図12及び
図13に部分的に示される)のアウトソール202の別の実施形態を示す。多くの実施形態では、アウトソール202は上述のアウトソール102と同様であり、200シリーズにおける同様の番号がアウトソール202に使用される。例えば、アウトソール202は、足指端部206と、ヒール端部208と、上面210と、地面係合面212とを有する。アウトソール202はまた、概して、足先領域218、中足領域220、踵領域222、内側224、及び外側226を画定する。
【0065】
さらに、地面係合面212は、複数の円形隆起部216を有する表面パターン214を有する。複数の円形隆起部216は、アウトソール102の複数の円形隆起部116と同様の属性、配置、及び間隔を有し(例えば、複数の円形隆起部216の各隆起部は、上面210に隣接する基部236、一対の対向する側壁238、遠位縁部240、及び高さ242(
図12に示される)を含み)、第1のエピセンター230と同心円状に整列され、そこから外側に延びる第1の円形隆起部228のセットは、足指端部206から距離D5だけ離間しており、第2のエピセンター234と同心円状に整列され、そこから外側に延びる第2の円形隆起部232のセットは、ヒール端部208から距離D7だけ離間している。さらに、複数の円形隆起部216の各々は高い部分244及び低い部分246を有し、整列した数の低い部分246が、屈曲ゾーン250を画定する。さらに、地面係合面212は、アウトソール102のクリート158と同様の属性、配置、及び間隔を有するクリート258を有し(例えば、クリート258はそれぞれクリートベース260を有し、足先領域218では第1のエピセンター230から半径方向距離D1、D2、D3、D4だけ離間した、第1のクリート遠位縁262a及び第1のクリート高さ264aを有する第1のクリート258aのセット、第2のクリート遠位縁262b及び第2のクリート高さ264bを有する第2のクリート258bのセット、第3のクリート遠位縁262c及び第3のクリート高さ264cを有する第3のクリート258cのセット、および足先クリート遠位縁262d及び足先クリート高さ264dを有する足先クリート258d、ならびにヒール領域222では第2のエピセンター234から半径方向距離D6だけ離間したヒールクリート遠位端262e及びヒールクリート高さ264eを有するヒールクリート258eを含む)。
【0066】
しかしながら、いくつかの実施形態では、履物具100、200は互いに異なる。例えば、アウトソール202は、第1アウトソール本体部204aと第2アウトソール本体部204bとを含むアウトソール本体を有する。第1及び第2のアウトソール本体部204a、204bは、中足領域220内の間隔によって互いに分離され、第1のアウトソール本体部204aは足先領域218内に配置され、第2のアウトソール本体部204bは踵領域222内に配置され、アウトソール202は中足領域220内に隣接する構造体を含まない。さらに、
図9に示されるように、第1の隆起部228のセットは第1のアウトソール本体部204a上の足先領域218内に収容され、第2の隆起部232のセットは第2のアウトソール本体部204b上の踵領域222内に収容される。
【0067】
引き続き、第1のアウトソール本体部204a及び第2のアウトソール本体部204bのうちの少なくとも1つは、アウトソール202に耐久性、摩耗抵抗、耐摩耗性、またはトラクションを付与するために、アウトソール本体104に関して上述した1つまたは複数の素材または方法から形成された剛性板であってもよい。
【0068】
図14~
図17は、本開示による履物具300のアウトソール302の別の実施形態を示す。多くの実施形態では、アウトソール302は上述のアウトソール202と同様であり、200シリーズにおける同様の番号がアウトソール202に使用される。例えば、アウトソール302は、足指端部306と、ヒール端部308と、上面310と、地面係合面312とを有する。アウトソール302はまた、概して、足先領域318、中足領域320、踵領域322、内側面324、及び外側面326を画定する。
【0069】
さらに、地面係合面312は、複数の円形隆起部316を有する表面パターン314を有する。複数の円形隆起部316は、アウトソール202の複数の円形隆起部216と同様の属性、配置、及び間隔を有し(例えば、複数の円形隆起部316の各隆起部は上面310に隣接する基部336と、一対の対向する側壁338と、遠位縁340と、高さ342とを含み)、第1のエピセンター330と同心円状に整列し、そこから外側に延びる第1の円形隆起部328のセットは、足先端306から距離D5だけ離間しており、第2のエピセンター334から同心円状に整列し、そこから外側に延びる第2の円形隆起部のセット332は、ヒール端308から距離D7だけ離間している。さらに、アウトソール302は、中足部330の間隔によって分離された第1のアウトソール本体部304aと第2のアウトソール本体部304bとを含むアウトソール本体を有する。加えて、複数の円形隆起部316の各々は高い部分344及び低い部分346を有し、整列した多数の低い部分346は屈曲ゾーン350を画定することができ、第2のアウトソール本体部分304は、第2のエピセンター334から半径方向距離D6だけ離間したヒールクリート358eを有する。
【0070】
引き続き、第1のアウトソール本体部304a及び第2のアウトソール本体部304bのうちの少なくとも1つは、アウトソール302に耐久性、摩耗抵抗、耐摩耗性、またはトラクションを付与するために、アウトソール本体部204a、204bに関して上述した1つまたは複数の素材または方法から形成された剛性板であってもよい。
【0071】
しかしながら、いくつかの実施形態では、履物具200、300は互いに異なる。例えば、円形隆起部316は0mmの高さ342を有する少なくとも1つの低い部分346を含み、それによって、低い部分346の遠位縁部340は円形隆起部316の基部336と同じ高さにあり、それに沿って少なくとも1つの間隙368を画定する。上述のように、円形隆起部316に沿った間隙368は、アウトソール302の柔軟性を増大させ、及び/またはそれらの領域のトラクションを低減させるように、所定の領域に存在することができる。例えば、隣接する円形隆起部316の他の間隙と整列して屈曲ゾーン350を形成し、及び/またはクリート358のいずれかの側に配置して、上述の理由により、地面係合面312の周囲領域に対するクリート358の相対高さを増大させる。
【0072】
さらに、地面係合面312は、アウトソール202のクリート258と同様の属性、配置、及び間隔を有するクリート358を有する。しかしながら、クリート358は、第1のクリート258aのセットの等価物を含まないが、同様の第2及び第3のクリート358b、358cのセットと、第1のエピセンター330から半径方向距離D2、D3、D4だけ離間された足先領域318内の足先クリート385dとを含む。
【0073】
他の実施形態では、他の構成が可能である。例えば、上記の議論における特定の実施形態に関して提示される特定の特徴及び特徴の組み合わせは、必要に応じて、他の実施形態及び他の組み合わせにおいて利用することができる。さらに、本明細書に記載される実施形態のいずれかは、他の実施形態に関連して開示される構造体または方法のいずれかを含むように修正されてもよい。加えて、本開示は、具体的に示される種類の履物具に限定されない。さらに、本明細書に開示される実施形態のいずれかの履物具の実施形態は、任意の種類の履物、衣料品、または他の運動用具で機能するように修正されてもよい。
【0074】
前述のように、本発明は特定の実施形態及び実施例に関連して上述されているが、本発明は必ずしもそのように限定されるものではなく、多数の他の実施形態、実施例、使用、修正、及び実施形態からの逸脱は本明細書に添付される特許請求の範囲によって包含されることが意図されることが、当業者によって理解されるのであろう。本明細書に引用される各特許及び刊行物の全開示はそのような各特許または刊行物が参照により個々に本明細書に組み込まれるかのように、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の様々な特徴及び利点は、以下の特許請求の範囲に記載されている。
【産業上の利用可能性】
【0075】
前述の説明を考慮すると、本発明に対する多数の修正が当業者には明らかであろう。したがって、この説明は例示としてのみ解釈されるべきであり、当業者が本発明を実施及び使用することを可能にする目的で提示される。添付の特許請求の範囲内にあるすべての変更に対する排他的権利が留保される。
【0076】
[相互参照]
本特許出願は、2021年8月9日に出願された「履物製品用のアウトソールパターン」と題する米国特許出願第17/396,912号に対する優先権を主張し、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれ、このアプリケーションの一部とみなされる。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足先領域、踵領域、内側面、及び外側面を有する履物具のアウトソールであって、
前記アウトソールは、複数のクリートと、第1の円形隆起部のセット及び第2の円形隆起部のセットを含む複数の円形隆起部とを有する地面係合面とを有し、
前記第1の円形隆起部のセットは前記足先領域の第1のエピセンターの周りに同心円状に整列し、前記第2の円形隆起部のセットは前記踵領域の第2のエピセンターの周りに同心円状に整列する、アウトソール。
【請求項2】
前記複数のクリートは、前記前記第1の円形隆起部のセットの第1の円形隆起部に沿って整列し、前記足先領域内の第1のクリートのセットを含むことを特徴とする、請求項1に記載のアウトソール。
【請求項3】
前記第1のクリートのセットは、前記第1の円形隆起部の前記第1の円形隆起部と一体的に形成されることを特徴とする、請求項2に記載のアウトソール。
【請求項4】
前記複数のクリートは、前記第1の円形隆起部のセットの第2の円形隆起部に沿って整列した前記足先領域内の第2のクリートのセットを含み、前記第2のクリートのセットは前記第1のクリートのセットから横方向に離間し、前記第1のクリートのセットから半径方向外側に配置されることを特徴とする、請求項2に記載のアウトソール。
【請求項5】
前記複数のクリートは、前記踵領域内にヒールクリートのセットを含み、前記ヒールクリートは、前記第2のセットの円形隆起部内の円形隆起部に沿って整列することを特徴とする、請求項1に記載のアウトソール。
【請求項6】
前記アウトソールは中足領域をさらに含み、前記第1の円形隆起部のセットは、前記足先領域、前記中足領域、または前記踵領域のうちの少なくとも1つを通って延在することを特徴とする、請求項1に記載のアウトソール。
【請求項7】
前記アウトソールは中足領域をさらに含み、前記第2の円形隆起部のセットは、前記中足領域または前記踵領域のうちの少なくとも1つを通って延在することを特徴とする、請求項1に記載のアウトソール。
【請求項8】
前記アウトソールは中足領域をさらに含み、前記第1の円形隆起部のセットは、前記中足領域において前記第2の円形隆起部のセットと交差することを特徴とする、請求項1に記載のアウトソール。
【請求項9】
前記第1のエピセンターの位置は、着用者の第1の中足骨関節の位置に概ね対応することを特徴とする、請求項1に記載のアウトソール。
【請求項10】
前記第2のエピセンターの位置は、着用者の踵の位置に概ね対応することを特徴とする、請求項1に記載のアウトソール。
【請求項11】
足先領域を有する履物具のアウトソールであって、
前記アウトソールは、足先領域のエピセンターの周りに同心円状に配置され、かつそこから外側に延びる円形隆起部を含み、少なくとも2つの円形隆起部は高い部分と低い部分との間に波状の高さを有し、
少なくとも2つの円形隆起部の低い部分は、屈曲ゾーンを画定するように整列する、アウトソール。
【請求項12】
前記屈曲ゾーンは、着用者の少なくとも1つの中足骨-指骨関節の位置に対応するように構成されることを特徴とする、請求項11に記載のアウトソール。
【請求項13】
前記屈曲ゾーンは前記アウトソールの内側から外側まで、前記エピセンターを通って延在することを特徴とする、請求項11に記載のアウトソール。
【請求項14】
前記エピセンターは、着用者の第1の中足骨関節の位置に概ね対応することを特徴とする、請求項11に記載のアウトソール。
【請求項15】
前記足先領域内及び前記屈曲ゾーンの外側に配置された複数のクリートをさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載のアウトソール。
【請求項16】
前記複数のクリートは、前記円形隆起部のうちの1つと一体的に形成されることを特徴とする、請求項15に記載のアウトソール。
【請求項17】
前記アウトソールは中足領域と、踵部領域とを含み、前記円形隆起部は第1の複数の円形隆起部であり、
前記アウトソールはさらに、前記踵領域の第2のエピセンターの周りに同心円状に配置され、かつそこから外側に延びる第2の複数の円形隆起部を含み、
前記第1の複数の円形隆起部は前記中足領域の前記第2の複数の円形隆起部と重なり、硬化ゾーンを画定することを特徴とする、請求項11に記載のアウトソール。
【請求項18】
前記第2の複数の円形隆起部は高い部分と低い部分との間に波状の高さを有し、
前記第1及び第2の複数の円形隆起部の高い部分は前記硬化ゾーン内に位置することを特徴とする、請求項17に記載のアウトソール。
【請求項19】
前記硬化ゾーンは、着用者の足によって加えられる圧力の中心にほぼ従うことを特徴とする、請求項17に記載のアウトソール。
【国際調査報告】