(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】外科用インプラント
(51)【国際特許分類】
A61F 2/64 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
A61F2/64
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506173
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(85)【翻訳文提出日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 GB2022051995
(87)【国際公開番号】W WO2023026019
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524040292
【氏名又は名称】インヴィビオ ニーズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】INVIBIO KNEES LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ブリスコー、アダム
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル、ポール
(72)【発明者】
【氏名】ゲイズ、ハリー
(72)【発明者】
【氏名】レヴィ、イアン
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA07
4C097BB01
4C097BB04
4C097DD09
4C097EE07
4C097MM04
4C097MM10
(57)【要約】
本発明は、ポリアリールエーテルケトンポリマー材料を含むインプラント本体(101)と、本体に形成されたボア内に締まり嵌めで据え付けられた放射線不透過性マーカー(107)と、を備える、外科用インプラント(100)に関する。外科用インプラントは、ボアを含むポリアリールエーテルケトン本体を形成することによって、例えば、本体を穿孔し、マーカーをボア内に挿入することによって製造されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアリールエーテルケトンポリマー材料を含むインプラント本体と、
前記本体に形成されたボア内に締まり嵌めで据え付けられた放射線不透過性マーカーと、を備える、外科用インプラント。
【請求項2】
前記ポリアリールエーテルケトンが、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である、請求項1に記載の外科用インプラント。
【請求項3】
前記マーカーが、金属、好ましくはタンタルから形成されている、請求項1又は2に記載の外科用インプラント。
【請求項4】
前記マーカーが、前記ボアの基部に据え付けられる、請求項1~3のいずれか一項に記載の外科用インプラント。
【請求項5】
前記ボアが、第1の直径を有し、前記マーカーが、前記第1の直径以上である第2の直径を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の外科用インプラント。
【請求項6】
前記第2の直径が、前記第1の直径よりも少なくとも5%大きく、任意選択で少なくとも7.5%大きく、任意選択で11%以下大きく、任意選択で7.6%~10.7%の範囲で大きい、請求項5に記載の外科用インプラント。
【請求項7】
前記第1の直径が、0.1mm~2mm、任意選択で1mm以下、任意選択で0.3mm~0.6mm、任意選択で約0.46mmであり、
前記第2の直径が、0.1mm~2mm、任意選択で1mm以下、任意選択で0.3mm~0.7mm、任意選択で約0.5mmである、請求項5又は6に記載の外科用インプラント。
【請求項8】
前記ボアが、1mm~2mmの深さ、任意選択で約1.5mmの深さを有し、
前記ボアの任意の部分から前記インプラント本体の外面までの距離が、少なくとも1mm、任意選択で少なくとも2mmであり、
前記ボアが、皿穴開口部を有するか、又は、
前記ボアが、前記インプラント本体の周囲表面に対して垂直であるか、若しくは前記インプラント本体の前記周囲表面に対して30°以下、任意選択で約20°傾斜している、請求項1~7のいずれか一項に記載の外科用インプラント。
【請求項9】
前記インプラント本体が、内面又は骨対向面を有し、前記ボアが、前記内面又は骨対向界面に形成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の外科用インプラント。
【請求項10】
前記インプラント本体に形成された少なくとも2つの離間したボアが存在し、マーカーが、各ボア内に据え付けられ、少なくとも1つのマーカーが、細長いか、又は、
前記インプラント本体に形成された少なくとも3つの離間したボアが存在し、マーカーが、各ボア内に据え付けられている、請求項1~9のいずれか一項に記載の外科用インプラント。
【請求項11】
各ボアが、前記インプラント本体の周辺部分に近接して位置する、請求項10に記載の外科用インプラント。
【請求項12】
前記外科用インプラントが、膝インプラントである、請求項1~11のいずれか一項に記載の外科用インプラント。
【請求項13】
前記外科用インプラントが、大腿骨膝インプラントであり、
第1のボアが、使用時に前記インプラント本体の関節運動部分から離れて大腿骨に向かって延在する柱の先端に形成され、
第2のボアが、前記インプラント本体の顆の先端の近位に形成され、
第3のボアが、前記インプラント本体の前方フランジの先端の近位に形成されている、請求項12に記載の外科用インプラント。
【請求項14】
前記インプラント本体が、使用時に前記インプラント本体の前記関節運動界面から前記大腿骨に向かって延在する一対の柱を有し、ボアが、各々の先端に形成されているか、又は、
前記インプラント本体が、2つの顆を有し、ボアが、各々の先端の近位に形成されている、請求項13に記載の外科用インプラント。
【請求項15】
外科用インプラントを製造する方法であって、
ポリアリールエーテルケトンポリマー材料、好ましくはPEEKを含むインプラント本体を形成することであって、前記本体が、ボアを含む、形成することと、
放射線不透過性マーカーを前記ボア内に挿入することと、を含み、
前記放射線不透過性マーカーが、前記ボア内に締まり嵌めで据え付けられている、方法。
【請求項16】
前記インプラント本体を射出成形することと、前記本体内に穿孔して、前記ボアを形成することと、を更に含み、前記穿孔することが、前記意図されたボア直径よりも大きい直径を有するドリルビットを用いて、前記インプラント本体内に穿孔することを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科用インプラントに関し、更に、外科用インプラントを製造する方法に関する。本発明の特定の例は、膝インプラント、例えば、大腿骨インプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
補綴インプラントは、罹患及び/又は損傷した関節組織を部分的又は完全に置換するために使用することができる。そのようなインプラントは、骨の自然な関節運動面を置換する関節運動面を含むことができる。例えば、膝置換のためのインプラントは、大腿骨インプラント及び/又は脛骨インプラントを含んでもよい。大腿骨インプラントは、大腿骨の遠位端上に移植されてもよく、大腿骨の関節運動面を置換してもよい。脛骨インプラントは、脛骨の近位端上に移植されてもよく、脛骨の関節運動面を置換してもよい。動作中、大腿骨インプラントの関節運動面は、脛骨インプラントの関節運動面に対して関節運動する。
【0003】
大腿骨及び脛骨インプラントには様々な材料が使用されてきた。例えば、インプラントは、金属、例えば、コバルト-クロムから作製されてもよい。金属インプラントは、骨よりも著しく高い剛性及び引張強度を有し得る。その結果、金属インプラントは、使用中に関節に通常加えられる応力から下にある骨を保護する傾向が増大する可能性がある。ウォルフの法則によれば、骨は、加えられた負荷に応答して再構築する。骨がこれらの負荷から遮蔽される場合、骨は、骨量を維持するために必要とされる刺激にさらされない。これは、インプラントが緩む可能性を増加させ得る骨質量の損失につながり得る。近年、骨の機械的特性とより適合する機械的特性を有するように配合され得るポリマー組成物から形成された膝インプラントへの関心が高まっている。
【0004】
インプラントの位置を正確に決定することは、インプランの間及び手術後のインプランの後のモニタリングの間の両方において重要である。金属製外科用インプラントは、X線などの標準的な画像モダリティ下ではっきりと見ることができる。これは、ポリマーインプラントには当てはまらない。したがって、ポリマーインプラントは、多くの場合、ビーズ又はワイヤなどの1つ以上の放射線不透過性マーカーを含むように製造される。マーカーは、X線で明るい点として示され、これにより、患者の解剖学的構造に対する構成要素の正確な配置を確実にするために位置測定を行うことが可能になる。
【0005】
レントゲン立体写真測量分析(Roentgen Stereophotogrammetric Analysis、RSA)としても知られるレントゲン立体写真測量は、関節置換プロテーゼが取り付けられる骨に対する関節置換プロテーゼの三次元移動及び微動の評価のための確立された技術である。インプラント移動は、インプラント後数週間及び数ヶ月で測定される場合、長期インプラント生存を予測することが見出されており、したがって、新しい関節置換外科インプラントのための臨床試験中に特に有用である。RSAは、放射線不透過性マーカーを骨及びインプラントに取り付けて、人工ランドマークとして機能させることによって実施される。同期されたX線焦点は、骨及びインプラントの立体画像を得るために使用され、これにより、骨及びインプラントマーカーの座標が正確に測定され、マーカーの三次元位置が、ソフトウェアを使用して再構築されることを可能にする。次いで、骨マーカーに対するインプラントマーカーの位置の変化(並進及び回転)を決定することができる。
【0006】
タンタル(Ta)は、高耐食性である硬質遷移金属である。それはまた、高度に生体不活性であり、したがって、整形外科インプラントにおける使用に好適である。それは、非鉄、非磁性金属であるため、MRI処置を受ける患者に好適である。タンタルは、放射線不透過性マーカーとして使用するのに好適であり、手術中にインプラントを位置付けるために放射線撮像を使用して非常によく見えることが分かっている。
【0007】
金属製外科用インプラントの場合、金属インプラントがタンタルマーカーの位置を覆い隠し得る危険性が存在する。コバルト-クロム大腿骨膝インプラントの例では、タンタルマーカーを収容するタレットを提供することが知られている。タレットは、インプラントの周辺部分(例えば、顆、柱、又は前方フランジの先端)から離れた突出部を備え、タンタルマーカーが、タレットの先端に取り付けられている。マーカーはインプラントの周囲に位置するため、RSA下でマーカーが見えるより大きな可能性が存在する。しかしながら、マーカーは重要な関心領域(骨/インプラント界面)から離れて位置するため、骨/インプラント界面における微動についての精度の低い情報が得られる。
【0008】
ポリマーインプラントは放射線透過性であるため、タンタルマーカーをインプラント内又はインプラント上の任意の場所に位置することができ、RSA下で直接観察することができる。追加的に、ポリマーインプラントは、金属インプラントよりも軟質であるため、マーカーを取り付けるためにより容易に機械加工される。しかしながら、マーカーを永久的かつ確実に取り付けることは依然として困難である。一例として、超高分子量ポリエチレン(Ultra-High Molecular Weight Polyethylene、UHMWPE)からインプラントを形成することが知られている。しかし、UHMWPEは比較的弾性であるため、マーカーが緩んで飛び出し得る危険性が存在する。
【0009】
本発明の特定の例の目的は、先行技術に関連する問題及び/又は欠点のうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に解決、緩和、又は除去することである。特定の例は、以下に記載される利点のうちの少なくとも1つを提供することを目的とする。
【発明の概要】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、ポリアリールエーテルケトンポリマー材料を含むインプラント本体と、本体に形成されたボア内に締まり嵌めで据え付けられた放射線不透過性マーカーと、を備える、外科用インプラントが提供される。
【0011】
ポリアリールエーテルケトンは、ポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketone、PEEK)であってもよい。マーカーは、金属、好ましくはタンタルから形成されてもよい。
【0012】
マーカーは、ボアの基部に据え付けられてもよい。
【0013】
ボアは、第1の直径を有してもよく、マーカーは、第1の直径以上である第2の直径を有してもよい。第2の直径は、第1の直径よりも少なくとも5%大きくてもよく、任意選択で少なくとも7.5%大きくてもよく、任意選択で11%以下大きくてもよく、任意選択で7.6%~10.7%の範囲で大きくてもよい。第1の直径は、0.1mm~2mm、任意選択で1mm以下、任意選択で0.3mm~0.6mm、任意選択で約0.46mmであってもよく、第2の直径は、0.1mm~2mm、任意選択で1mm以下、任意選択で0.3mm~0.7mm、任意選択で約0.5mmであってもよい。
【0014】
ボアは、1mm~2mm、任意選択で約1.5mmの深さを有することができ、ボアの任意の部分からインプラント本体の外面までの距離は、少なくとも1mm、任意選択で少なくとも2mmであってもよく、ボアは、皿穴開口部を有してもよいか、又は、ボアは、インプラント本体の周囲表面に対して垂直であってもよいか、若しくはインプラント本体の周囲表面に対して30°以下、任意選択で約20°傾斜していてもよい。
【0015】
インプラント本体は、内面又は骨対向面を有してもよく、ボアは、内部界面又は骨対向界面に形成されている。
【0016】
インプラント本体に形成された少なくとも2つの離間したボアが存在してもよく、マーカーは、各ボア内に据え付けられ、少なくとも1つのマーカーは、細長いか、又は、インプラント本体に形成された少なくとも3つの離間したボアが存在してもよく、マーカーは、各ボア内に据え付けられている。
【0017】
各ボアは、インプラント本体の周辺部分に近接して位置してもよい。
【0018】
外科用インプラントは、膝インプラントであってもよい。外科用インプラントは、大腿骨膝インプラントであってもよい。第1のボアは、使用時にインプラント本体の関節運動部分から離れて大腿骨に向かって延在する柱の先端に形成されてもよく、第2のボアは、インプラント本体の顆の先端の近位に形成されてもよく、第3のボアは、インプラント本体の前方フランジの先端の近位に形成されてもよい。インプラント本体は、使用時にインプラント本体の関節運動界面から大腿骨に向かって延在する一対の柱を有してもよく、ボアは、各々の先端に形成されているか、又は、インプラント本体は、2つの顆を有してもよく、ボアは、各々の先端の近位に形成されている。
【0019】
本発明の第2の態様によれば、外科用インプラントを製造する方法であって、ポリアリールエーテルケトンポリマー材料、好ましくはPEEKを含むインプラント本体を形成することであって、本体が、ボアを含む、形成することと、放射線不透過性マーカーをボア内に挿入することと、を含む方法が提供され得る。放射線不透過性マーカーは、ボア内に締まり嵌めで据え付けられている。
【0020】
ポリアリールエーテルケトンは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)であってもよい。
【0021】
請求項に記載の方法は、インプラント本体を射出成形することと、本体内に穿孔して、ボアを形成することと、を更に含み得る。上記穿孔することは、意図されたボア直径よりも大きい直径を有するドリルビットを用いて、インプラント本体内に穿孔することを含んでもよい。本方法は、ロッド部分を有するツールを使用して、マーカーをボア内に押し込むことを更に含むことができる。
【0022】
本発明の特定の例の利点は、膝関節置換において使用するための大腿骨膝構成要素などの外科用インプラントが提供されることであり、この外科用インプラントは、RSAが実施されることを可能にする少なくとも1つの放射線不透過性マーカーを組み込んでおり、マーカーが緩むリスクが低減されている。特定の例では、少なくとも2つのマーカーが提供され、そのうちの少なくとも1つは細長く、外科用インプラントの正確な位置及び向きを決定することを可能にする。代替的に、任意の形状の3つのマーカーによって、外科用インプラントの正確な位置及び向きを決定することができる。ポリアリールエーテルケトンインプラント本体の使用は、放射線不透過性マーカーが骨/インプラント界面の近くを含む任意の所望の位置に位置付けられることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の実施例は、添付の図面を参照することによって以下に更に説明される。
【
図1】本発明の一実施例による放射線不透過性マーカーを含む大腿骨膝インプラントの断面図である。
【
図2】柱の先端上の第1及び第2の放射線不透過性マーカーの位置を示す、
図1の大腿骨膝インプラントの下側から見た図である。
【
図3】各顆の骨界面上の第3及び第4の放射線不透過性マーカーの位置を示す、
図1の大腿骨膝インプラントの図である。
【
図4】前方フランジの骨界面上の第5の放射線不透過性マーカーの位置を示す、
図1の大腿骨膝インプラントの図である。
【
図5】放射線不透過性マーカーを受容するためにインプラント本体に形成されたボアの断面図である。
【
図6】本発明の一例による方法を図示する第1のフローチャートである。
【
図7】本発明の一例による方法を図示する第2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の説明は、一例として、特に大腿骨膝インプラントに関する。しかしながら、本発明は、より一般的には、任意のタイプの外科用インプラントに適用可能であり、特に、排他的ではないが、関節置換処置において使用される外科用インプラントに適用可能である。
【0025】
本発明の例による外科用インプラントは、ポリマー材料、特にポリアリールエーテルケトンから形成されたインプラント本体と、本体に形成されたボアに締まり嵌めで据え付けられた放射線不透過性マーカーと、を備える。ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)は、本発明の特定の実施例において好適に使用され得るポリアリールエーテルケトンの一例である。
【0026】
ポリアリールエーテルケトンは、以下の式(I)の繰り返し単位を有し得、
【0027】
【化1】
式中、t1及びw1は、独立して、0又は1を表し、v1は、0、1又は2を表す。
【0028】
ポリアリールエーテルケトンは、好適には、少なくとも90、95、又は99モル%の式Iの繰り返し単位を含む。ポリアリールエーテルケトンは、好適には、少なくとも90、95又は99重量%の式Iの繰り返し単位を含む。
【0029】
ポリアリールエーテルケトンは、式Iの繰り返し単位を含むか、又は本質的にそれからなってもよい。好ましいポリマー材料は、上記繰り返し単位(式中、t1=1、v1=0、及びw1=0である)を含む(又は本質的にそれからなる)。t1=0、v1=0、及びw1=0、t1=0、w1=1、v1=2、又はt1=0、v1=1、及びw1=0である。より好ましくは、ポリアリールエーテルケトンは、繰り返し単位I(式中、t1=1、v1=0、及びw1=0である)を含む(例えば、本質的にそれからなる)。又はt1=0、v1=0、及びw1=0である。最も好ましいポリアリールエーテルケトンは、上記繰り返し単位(式中、t1=1、v1=0、及びw1=0である)を含む(特に、本質的にそれからなる)。
【0030】
ポリアリールエーテルケトンは、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン、及びポリエーテルケトンケトンを含む群から好適に選択され得る。本発明の例によれば、ポリマーは、特にポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である。
【0031】
ポリアリールエーテルケトンは、少なくとも4KJm-2、好ましくは少なくとも5KJm-2、より好ましくは少なくとも6KJm-2のノッチ付きアイゾット衝撃強度(80mm×10mm×4mmの試料に、0.25mmの切断ノッチ(タイプA)を入れ、ISO180によって23℃で試験)を有し得る。上述のように測定されるノッチ付きアイゾット衝撃強度は、10KJm-2未満、好適には8KJm-2未満であり得る。上述のように測定されるノッチ付きアイゾット衝撃強度は、少なくとも3KJm-2、好適には少なくとも4KJm-2、好ましくは少なくとも5KJm-2であり得る。衝撃強度は、50KJm-2未満、好適には30KJm-2未満であってよい。
【0032】
ポリアリールエーテルケトンは、50mm/分の速度で23℃で試験したIS0527(試験片タイプ1b)によって測定した、少なくとも20MPa、好ましくは少なくとも60MPa、より好ましくは少なくとも80MPaの引張強度を有し得る。引張強度は、好ましくは80~110MPaの範囲、より好ましくは80~100MPaの範囲にある。
【0033】
ポリアリールエーテルケトンは、IS0178(80mm×10mm×4mmの試料に、23℃で2mm/分の速度で3点曲げ試験を行った)によって測定された、少なくとも50mPa、好ましくは少なくとも100mPa、より好ましくは少なくとも145mPaの曲げ強度を有し得る。曲げ強度は、好ましくは145~180MPaの範囲、より好ましくは145~164MPaの範囲にある。ポリアリールエーテルケトンは、IS0178(80mm×10mm×4mmの試料に、23℃で2mm/分の速度で3点曲げ試験を行った)によって測定された、少なくとも1GPa、好適には少なくとも2GPa、好ましくは少なくとも3GPa、より好ましくは少なくとも3.5GPaの曲げ弾性率を有し得る。曲げ弾性率は、好ましくは3.5~4.5GPaの範囲、より好ましくは3.5~4.1GPaの範囲にある。
【0034】
ポリアリールエーテルケトンは、非晶質又は半結晶性であってもよい。ポリアリールエーテルケトンは、好ましくは結晶化可能である。ポリアリールエーテルケトンは半結晶性であってもよい。ポリマー中の結晶化度のレベル及び程度は、例えば、Blundell and Osborn(Polymer 24,953,1983)によって記載されているように、広角X線回折(広角X線散乱又はWAXSとも称される)によって測定され得る。代替的に、結晶化度は、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry、DSC)によって評価することができる。
【0035】
当該ポリアリールエーテルケトンの結晶化度のレベルは、少なくとも1%、好適には少なくとも3%、好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%であってよい。特に好ましい実施形態では、結晶化度は25%よりも大きくてもよい。それは50%未満又は40%未満であってもよい。当該ポリアリールエーテルケトン(結晶性の場合)の融解吸熱(melting endotherm、Tm)の主ピークは、少なくとも300℃であってもよい。
【0036】
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む上述のポリアリールエーテルケトンは、外科用インプラント、特にインプラント本体を形成するために使用され得る。例えば、ポリアリールエーテルケトン、例えば、PEEKを成形して、インプラント本体を形成することができる。好適な成形方法の例としては、射出成形及び圧縮成形が挙げられる。
【0037】
関節置換インプラント本体は、骨対向界面と、関節運動界面と、を有する。関節運動界面は、外部界面とみなされてもよく、骨対向界面は、内部界面とみなされてもよい。関節運動界面は、滑らかであってもよく、すなわち、摩擦係数が低くてもよい。ここで
図1を参照すると、これは、本発明の一実施例による放射線不透過性マーカーを含む大腿骨膝インプラント100の断面図である。大腿骨膝インプラント100は、例えば、射出成形によってポリアリールエーテルケトンから形成されたインプラント本体101を備える。
【0038】
図1は、関節運動界面102及び骨対向界面103を示す。移植されると、骨対向界面103は、大腿骨の切除された遠位部分の上に据え付けられる。関節運動界面102は、使用中、脛骨インプラントの関節運動(軸受)界面に対して関節運動する界面であってもよい。大腿骨膝インプラント100は、少なくとも1つの柱104、例えば、
図2に示されるような2つの柱104を含む。柱104は、移植されたときに大腿骨の切除された端部のボア内に受容されるように、関節運動界面102から離れるように骨対向界面103から延在する。
図1はまた、顆状部分105及び前方フランジ106を含む大腿骨膝インプラント100を示す。
【0039】
図1は、3つの放射線不透過性マーカー107を更に示す。各マーカー107は、インプラント本体に形成されたボア内に挿入されることによってインプラント本体101に固定される。例えば、ボアは、製造プロセス中にインプラント本体101内に穿孔されてもよい。マーカー107は、締まり嵌めでボア内に保持される。以下に説明するように、締まり嵌めは、各部品を形成するために使用される材料とともに、ボア及びマーカー107のそれぞれの直径を注意深く選択することによって達成される。ポリアリールエーテルケトン、例えば、PEEKは、比較的硬質のポリマーであるため、タンタルなどの金属マーカーとの締まり嵌めが達成可能であり、これは、他のポリマーには当てはまらない場合がある。各マーカー107は、好適には球状であってもよい。任意選択で、マーカーは、細長くてもよく、これは、RSA下で観察される場合、その向きについての更なる情報を与え得る。
【0040】
2つの柱104が存在する場合、マーカー107は、
図2に関連して説明されるように、各柱104の先端に又はその近くに提供されてもよい。同様に、顆部分105は、
図3に関連して説明されるように、各々の先端付近に固定されたマーカーを有する別個の顆を備えてもよい。特に、第1の顆及び第2の顆は、元の膝関節の大腿骨組織の外側顆及び内側顆に対応してもよい。
図4は、前方フランジのマーカー107の位置をより詳細に示す。
図5は、締まり嵌めでマーカー107を受容するためのボアの形状を示す。
【0041】
有利なことに、大腿骨膝インプラント100の周りでマーカー107を離間させることによって、大腿骨膝インプラント100の位置及び向きを正確に決定することができる。本発明の例によれば、ポリアリールエーテルケトンインプラント本体の任意の好適な位置に、マーカー107を受容するためのボアが形成されてもよく、例えば、穿孔されてもよい。マーカーをボア内に挿入して、締まり嵌めでマーカーを固定するプロセスは、
図5~
図7に関連して以下に説明される。いくつかの例では、ボアは、関節運動界面102が途切れないように、骨対向界面103に形成される。例えば、
図1の例では、マーカー107は、大腿骨膝インプラント100の内側から延在するボア(
図1には具体的に示されていない)内に挿入される。
【0042】
図1に示されるようないくつかの例では、マーカー107の位置は、RSAの下でより容易に識別され得るように、広く離間されるように選択される。すなわち、マーカーは、それらが明確に識別され得ることを確実にするように、インプラントの外縁又はその近くの特定の位置に置かれる。しかしながら、図示されるように、マーカー107は、インプラント100のこの重要な部分の位置が正確に位置するように、骨対向界面103の近くに位置してもよい。
【0043】
マーカー107の形状は変動してもよい。一例では、マーカー107は、RSA下で単一のマーカー107を観察してもインプラント100の向き(又は実際には、複数のマーカー107を含む場合はインプラント100の位置)に関する情報が得られないように、球状又はほぼ球状であってもよい。少なくとも3つのマーカー107を提供することによって、マーカー107が回転対称パターンで分布していない限り、インプラントの位置及び向きを正確に決定することができる。いくつかの例では、1つ以上のマーカー107が(例えば、第2のマーカー107、又は別の金属インプラント、器具、若しくは放射線写真の他の特徴によって)不明瞭になった場合に冗長性を提供するために、4つ以上のマーカー107がインプラント100内に提供されてもよい。
図2~
図4に提示される例では、冗長性を提供するために5つのマーカー107が存在する。追加的に、マーカー107の数が多いほど、より正確な位置及び向きの情報を与えることができる。
【0044】
更なる例では、1つ以上のマーカー107は、マーカー自体の画像が向きに関する何らかの情報を提供することができるように、球状でなくてもよい。例えば、マーカーが細長い場合(シリンダ又はロッドなど)、マーカーは、マーカー107の長手方向軸の周りの回転を除いて、インプラント100の向きを示す。シリンダ又はロッドは、球体の場合と同じ方法でボア内に固定され得ることが理解されるであろう。非球状マーカーのこの使用は、インプラントの位置及び向きを正確に決定するために、必要とされるマーカー107の数の低減を可能にすることができる(ただし、ここでも、更なるマーカーが冗長性を提供することができる)。一例として、第1のマーカー107が細長い場合、第1及び第2のマーカー107が集合的に回転対称でない限り、球を含む任意の形状の第2のマーカー107のみが、インプラント100の位置及び向きを決定するのに十分である。
【0045】
ここで
図2を参照すると、これは、(インプラント100が内側から観察され、骨対向界面103を明らかにするように)柱104が視軸と位置合わせされた、
図1の大腿骨膝インプラント100の図を示す。関節運動界面102の部分は、前方フランジ106及び顆部分上に示され、ここでは、第1の顆105a及び第2の顆105bとして示される。
【0046】
この例では、一対のマーカー107が示されており、各々が各柱104の上面に形成されたボア内に挿入される。他の例では、1つの柱104のみがマーカー107を有してもよいか、又は実際に、例えば、より中心の位置に1つの柱のみが存在してもよい。各柱104は、約3mmの直径を有することができ、ボアは、中心に位置し、以下に説明するように、例えば、0.46mmの直径を有する。
【0047】
図3は、第1及び第2の顆105a、105bの骨対向界面103を明らかにするために、
図2の図に対して更に回転された
図1及び
図2の大腿骨膝インプラント100を示す。この例では、マーカー107が各顆105a、105bに取り付けられているが、代替形態では、1つの顆105a、105bのみがマーカー107を含むことができる。骨対向界面107は、概して均一であってもよい。代替的に、図示されるように、それは、インプラントの間に骨セメントを受容するためにリブ301によって分離された一連のセメントポケット300を備えてもよい。各マーカー107は、セメントポケット300に形成されたボア内に好適に位置することができる。特に、各マーカー107は、顆105a、105bの先端に近いセメントポケット300内に位置してもよい。各顆105a、105bは、中心線302を有する。各マーカー107は、中心線302と位置合わせされてもよいか、又は第1の顆105aに対して303で図示されるように、横方向に(例えば外側に)オフセットされてもよい。好適には、オフセットは、1mm~3mmの範囲内、例えば、2mmであってもよい。更に、各マーカー107は、第1の顆105aに対して304で図示されるように、最も外側のリブ301から、1mm~3mmの範囲、例えば、1.5mm~2mmの範囲でオフセットされてもよい。
【0048】
図4は、前方フランジ106の骨対向界面103を明らかにするための、
図3の大腿骨膝インプラントの更なる回転である。この場合も、骨対向界面103は、リブ301によって分離された、インプラント中に骨セメントを受容するための一連のセメントポケット300を備えてもよい。単一のマーカー107は、前方フランジ106の最も外側のセメントポケット300内に好適に位置し得る。マーカー107は、セメントポケット内の横方向の中心に、例えば、400で図示されるようにいずれかの側から約5mmに位置付けられ得る。マーカー107は、例えば、401で図示されるように両側から約2.7mmで、直交方向にセメントポケット内の中心に位置付けられ得る。
【0049】
図2~
図4に提示されたマーカー107の正確な位置は、一例にすぎないことが理解されよう。
【0050】
ここで
図5を参照すると、マーカー107(
図5には図示せず)を受容するためのボア500についてここで説明する。一例として、セメントポケット300内に形成されたボア500が図示されている。ボア500は、当業者に知られている任意の好適な穿孔技術を使用して形成することができる。好適には、ボア500は、図示されるように、骨対向界面103に対して垂直に穿孔されてもよい。しかしながら、垂直方向に対してある角度で、例えば30°まで、任意選択で20°以下で穿孔されてもよい。これは、ドリルが柱104を通過することを可能にするために、顆105a、105b内にボアを穿孔するときに必要であり得る。
【0051】
ボアの寸法は、他の基準の中でも、マーカー107の寸法によって決定されることが理解されよう。以下の範囲は、0.5mmの直径を有する球状マーカー107に対して与えられる。好適には、ボア500は、1mm~2mmの範囲、例えば、1.5mmの深さ501を有してもよい。ボアの基部は、図示されるように、正方形又は円形であってもよい。0.5mm以下、例えば、0.3mmの深さ503を有するマーカー107を挿入することを補助するために、位置付け円錐又は面取り部502が提供されてもよい。ボアを面取りすることは、マーカーを挿入するための押圧動作のためのガイドを形成し、穴の周囲に均等に力を分散させるのに役立つ。それは、圧縮が徐々に起こることを可能にするのに役立ち得る。
【0052】
前述したように、マーカー107は、締まり嵌め内でボア500内に挿入されてもよい。締まり嵌めは、プレス嵌め又は摩擦嵌めとも称され得る。これは、互いに押し合わされた後に摩擦によって互いに保持される2つの緊密に嵌合する嵌合部品間の締結の形態である。締まり嵌めの量に応じて、手工具又は任意選択で油圧ラムを使用して、嵌合部品を接合することができる。現在の状況では、締まり嵌めは、適用される力又は熱膨張若しくは熱収縮(又は両方の組み合わせ)のいずれかによって、過大サイズのマーカーを過小サイズの穴に押し込むことによって形成されてもよく、前者の選択肢は、以下の実施例で説明される。例えば、本発明者らは、PEEKインプラント本体101及び0.5mmの直径を有するタンタルマーカービーズについて、ボアが0.46mmの直径を有する場合、好適な締まり嵌めが形成され得ることを特定した。ボアは、オーバーサイズのドリルビットを使用して形成されてもよい。これは、ポリアリールエーテルケトンの弾性のためである。一例として、PEEKは、4.1Gpaの曲げ弾性率を有する。ドリルビットがインプラント本体内に切り込むと、材料は屈曲してドリルビットのための空間を作る。材料は、ドリルビットが除去されると収縮し、より小さい直径の穴をもたらす。オーバーサイズのドリルビットの正確な直径は、経験的に決定され得る。いくつかの例では、ボア500の直径は、マーカー107の必要な直径に応じて、例えば、最大1.5mmまで変動してもよい。
【0053】
ボアは、インプラントの周囲に近い位置に形成されてもよいが、それでも、インプラントの構造的完全性を保つためにボアの周りに十分な材料を保つ。例えば、ボアの全ての側面及びボアの下に最低2mmの材料が必要とされ得る。大腿骨膝インプラントの例では、マーカーは、柱の先端、顆先端、及び前方フランジ上に位置してもよい。いずれの場合も、選択された位置は、インプラントの支持面を含まない。すなわち、マーカーは、インプラントの内面上のボア内に挿入され得る。内面は、骨対向面又はセメント面であってもよい。
【0054】
ボア500が形成されると、マーカー107は、ボア500内に自由に挿入されることを可能にする直径を有するロッド(図示せず)などのツールを使用して、ボア500内に圧入されてもよい。好適には、マーカー107は、ボア500の基部に据え付けられるように挿入されてもよい。空気がマーカー107の背後に捕捉される場合、これは、ボア500の基部にマーカー107を据え付けることを妨げ得ることが理解されよう。しかしながら、実際には、ボア500及びマーカー107の機械加工された表面の粗さがマーカー107の周りに空気を放散させることを可能にするため、この問題は生じないことが分かっている。
【0055】
ここで、マーカーが締まり嵌めでボア内に挿入される外科用インプラントの特定の例を提示する。インプラント本体は、例えば、射出成形によってPEEKから形成され、0.46mmの直径を有するボアがインプラント本体内に穿孔される。正確なボア直径を保証するために、必要とされるドリルビットの公差は、+0.000mm及び-0.004mmである。すなわち、ボアは、指定された0.46mm(小数点第3位まで)よりも広く穿孔されなくてもよいが、わずかにより小さくてもよく、その結果、より緊密な締まり嵌めが得られる。別の方法として、直径0.5mm、公差±0.005mmの球状タンタルマーカービーズを形成してもよい。ボア及びマーカーの最大直径測定値及び最小直径測定値を取ることにより、絞まりが0.035mm~0.049mmの範囲内にあると決定することができる。PEEKは、4.1GPaの曲げ弾性率を有する。タンタルは、187GPaの曲げ弾性率を有する。経験的に、これは、手術中にマーカーが外れるリスクが無視できるほど十分に強い締まり嵌めを与えることが分かっている。特定の例では、ボアが骨対向界面上に提供されているため、マーカーが手術後に締まり嵌めから外れる可能性がある場合であっても、マーカーは骨セメント又は骨境界面自体によって保持される。
【0056】
ここで
図6を参照すると、外科用インプラントを製造する方法は、工程600において、ポリアリールエーテルケトン、例えば、PEEK、ポリマー材料を含むインプラント本体を形成することを含み、本体はボアを含む。工程601において、本方法は、放射線不透過性マーカーがボア内に締まり嵌めで据え付けられるように、放射線不透過性マーカーをボア内に挿入する第2の工程を含む。
図6は、第一に、好適にはPEEKからインプラント本体を成形する工程(701)と、第二に、インプラント本体内に穿孔して、ボアを形成する工程(702)と、第三に、締まり嵌めでマーカーをボア内に挿入する工程(703)と、を含む代替方法を示す。
【0057】
本明細書全体を通して、「含む(comprise)」及び「含む(contain)」という用語並びにそれらの変形は、「含むが限定されない(including but not limited to)」を意味し、それらは、他の構成要素、整数、又は工程を除外することを意図しない(及び除外しない)。本明細書を通して、単数形は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、複数形を包含する。具体的には、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、単数だけでなく複数も考慮するものとして理解されるべきである。本明細書全体を通して、「約」という用語は、所与の値が端点の「少し上」又は「少し下」であり得ることを提供することによって、範囲の端点に柔軟性を提供するために使用される。この用語の柔軟性の程度は、特定の変数によって指定することができ、経験及び本明細書の関連する説明に基づいて決定することができる。
【0058】
本発明の特定の態様又は実施例に関連して説明される特徴、整数、又は特性は、矛盾しない限り、本明細書に説明される任意の他の態様又は実施例に適用可能であると理解されるべきである。本明細書に開示される特徴の全て、及び/又はそのように開示される任意の方法若しくはプロセスの工程の全ては、そのような特徴及び/又は工程のうちの少なくともいくつかが相互排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせられてもよい。本発明は、任意の前述の実施例の詳細に限定されない。本発明は、本明細書に開示された任意の新規な特徴又は特徴の組み合わせに及ぶ。また、本明細書全体を通して、「Yに対するX」(ここで、Yは何らかの動作、活動、又は工程であり、Xはその動作、活動、又は工程を実施するための何らかの手段である)という一般的な形式の言語は、排他的ではないが、Yを行うように特に適合又は配置された手段Xを包含することも理解されるであろう。
【0059】
本明細書に開示された各特徴は、特に明記しない限り、同一、同等、又は類似の目的を果たす代替的な特徴によって置き換えられてもよい。したがって、明示的に別段の定めがない限り、開示される各特徴は、包括的な一連の同等又は類似の特徴の一例にすぎない。
【0060】
読者の注意は、本出願に関連して本明細書と同時に又は以前に出願され、本明細書とともに公衆の閲覧に供される全ての論文及び文書に向けられ、全てのそのような論文及び文書の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】