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特表2024-530650ペットが受け入れるまたは好む芳香またはアロマ組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】ペットが受け入れるまたは好む芳香またはアロマ組成物
(51)【国際特許分類】
   C11B 9/00 20060101AFI20240816BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20240816BHJP
   A61L 9/013 20060101ALI20240816BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 8/35 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 8/40 20060101ALI20240816BHJP
   A01K 1/015 20060101ALI20240816BHJP
   A01K 15/02 20060101ALI20240816BHJP
   A23K 50/40 20160101ALI20240816BHJP
【FI】
C11B9/00 K
C11B9/00 L
C11B9/00 S
C11B9/00 T
C11B9/00 M
C11B9/00 G
C11B9/00 C
C11B9/00 N
C11B9/00 J
A61L9/01 Q
A61L9/013
A61Q13/00 101
A61K8/34
A61K8/49
A61K8/35
A61K8/37
A61K8/92
A61K8/40
A01K1/015 B
A01K15/02 A
A01K15/02 D
A23K50/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506929
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2024-04-01
(86)【国際出願番号】 EP2021087007
(87)【国際公開番号】W WO2023011745
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】63/230,565
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511008850
【氏名又は名称】シムライズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114904
【弁理士】
【氏名又は名称】小磯 貴子
(74)【代理人】
【識別番号】100134636
【弁理士】
【氏名又は名称】金高 寿裕
(72)【発明者】
【氏名】プリッジ,キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】ムニエ,ローラ
(72)【発明者】
【氏名】ペテル,セシル
(72)【発明者】
【氏名】サンジェ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】マクダーモット,キース
【テーマコード(参考)】
2B005
2B101
4C083
4C180
【Fターム(参考)】
2B005AA08
2B101AA13
2B101AA20
2B101GB08
4C083AA121
4C083AC122
4C083AC151
4C083AC211
4C083AC212
4C083AC332
4C083AC351
4C083AC352
4C083AC511
4C083AC841
4C083AC842
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD042
4C083KK02
4C180AA02
4C180AA03
4C180AA16
4C180BB11
4C180CA04
4C180EB03X
4C180EB04X
4C180EB06X
4C180EB07X
4C180EB08X
4C180EB12X
4C180EB15X
4C180EC01
4C180MM06
4C180MM07
4C180MM10
(57)【要約】
本発明は、ペットが受け入れるまたはペットが好む新規の芳香またはアロマ/風味組成物、特にペット用芳香またはペット用アロマ/風味組成物に関する。本発明はまた、ペットが受け入れるまたはペットが好む香り付けしたまたは風味付けした製品、特に、香り付けしたまたは風味付けしたペット用製品を調製するためのそのような芳香またはアロマ/風味組成物の使用にも関する。さらに、本発明は、芳香またはアロマ/風味組成物を含む香り付けした製品または風味付けした製品に関する。最後に、本発明は、芳香組成物または香り付けした製品を適用することによってペット、製品または部屋に香りを付ける方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香組成物またはアロマ/風味組成物、特にペット用芳香組成物またはペット用アロマ/風味組成物であって、
好ましくはグルマン臭タイプの印象を持つ化合物から成り、
前記化合物が
バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、
エチルバニリン(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド)、
エチルマルトール(2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン)、
クマリン(2H-1-ベンゾピラン-2-オン)、
トンカラクトン(Tonkalactone、登録商標)(3,6-ジメチル-3H-l-ベンゾフラン-2-オン)、
フラムビノン(Frambinon、登録商標)(4-(p-メトキシフェニル)-2-ブタノン)、
ベンズアルデヒド、
酪酸エチル-2-メチル、
2-メトキシ-3-エチルピラジン、
デルタ-デカラクトン、デルタ-ノナラクトン、ガンマ-オクタラクトン
及びそれらの混合物から成る群から選択される(A)群;及び/または
好ましくはムスク臭タイプの印象を持つ化合物から成り、
前記化合物が
アルドロン(4-[(6,6-ジメチル-5-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)メチル]-2-メチルシクロヘキサン-1-オン)、
ラクトスカトン((2R,4aR,8aS)-2,8,8-トリメチルオクタヒドロ-2H-4a,2-(エポキシメタノ)ナフタレン-10-オン)、
アンブレットリド(17-オキサシクロヘプタデック-6-エン-1-オン)、
ブラシル酸エチレン(1,4-ジオキサシクロヘプタデカン-5,17-ジオン)、
グロバライド(Globalide、登録商標)((3E)-オキサシクロヘキサデック-3-エン-2-オン)、
グロバノン((8E)-シクロヘキサデック-8-エン-1-オン)
及びそれらの混合物から成る群から選択される(B)群
の少なくとも1つの化合物または主要感覚成分を含む、またはそれから成る、前記芳香組成物またはアロマ/風味組成物、特にペット用芳香組成物またはペット用アロマ/風味組成物。
【請求項2】
前記芳香組成物またはアロマ/風味組成物が、
バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、または
トンカラクトン(Tonkalactone、登録商標)(3,6-ジメチル-3H-l-ベンゾフラン-2-オン)
またはそれらの混合物を含む、またはそれから成る;あるいは
前記芳香組成物またはアロマ/風味組成物が、
アンブレットリド(17-オキサシクロヘプタデック-6-エン-1-オン)、または
グロバライド(Globalide、登録商標)((3E)-オキサシクロヘキサデック-3-エン-2-オン)、または
グロバノン((8E)-シクロヘキサデック-8-エン-1-オン)、または
前述の化合物の2または3の混合物を含む、またはそれから成る、請求項1に記載の芳香組成物またはアロマ/風味組成物、特にペット用芳香組成物またはペット用アロマ/風味組成物。
【請求項3】
前記芳香組成物またはアロマ/風味組成物が、
バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、または
トンカラクトン(Tonkalactone、登録商標)(3,6-ジメチル-3H-l-ベンゾフラン-2-オン)、または
グロバライド(Globalide、登録商標)((3E)-オキサシクロヘキサデック-3-エン-2-オン)、または
ブラシル酸エチレン(1,4-ジオキサシクロヘプタデカン-5,17-ジオン)、またはそれらの混合物を含む、またはそれから成る、請求項1に記載の芳香組成物またはアロマ/風味組成物、特にペット用芳香組成物またはペット用アロマ/風味組成物。
【請求項4】
前記少なくとも化合物または主要感覚成分が、前記組成物の総重量を基にして1~100重量%の範囲、好ましくは40~50重量%の範囲の総量で存在する、請求項1~3のいずれか1項に記載の芳香組成物またはアロマ/風味組成物、特にペット用芳香組成物またはペット用アロマ/風味組成物。
【請求項5】
さらに、
炭酸メチルオクチン(メチル-ノン-2-イノエート)、
フェニルエチルアルコール(2-フェニルエタン-1-オール)、
シトロネロール(3,7-ジメチルオクト-6-エン-1-オール)、
ラベンダー油、
ペパーミント油、
及びそれらの混合物から成る群から選択される、好ましくはフローラル臭タイプの印象を持つ1以上の追加の芳香物質を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の芳香組成物またはアロマ/風味組成物、特にペット用芳香組成物またはペット用アロマ/風味組成物。
【請求項6】
さらに、
オレンジ油、
リツェアクベバ油、
マンダリンアルデヒド(トランス-2-ドデセナール)、
アグルニトリル(3,7-ジメチルオクト-6-エネニトリル)、
シトラール(3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール)、
及びそれらの混合物から成る群から選択される、好ましくは柑橘臭タイプの印象を持つ1以上の追加の芳香物質を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の芳香組成物またはアロマ/風味組成物、特にペット用芳香組成物またはペット用アロマ/風味組成物。
【請求項7】
前記ペットが哺乳類、好ましくはネコまたはイヌである、請求項1~6のいずれか1項に記載の芳香組成物またはアロマ/風味組成物、特にペット用芳香組成物またはペット用アロマ/風味組成物。
【請求項8】
前記芳香組成物は、ネコ及び/またはイヌが楽しむ及び/または受け入れるのに好適である、請求項1~7のいずれか1項に記載の芳香組成物またはアロマ/風味組成物、特にペット用芳香組成物またはペット用アロマ/風味組成物。
【請求項9】
香り付けしたまたは風味付けした製品、好ましくは香り付けしたまたは風味付けしたペット用製品を調製するための、請求項1~8のいずれか1項に記載の芳香組成物またはアロマ/風味組成物、特にペット用芳香組成物またはペット用アロマ/風味組成物の使用。
【請求項10】
香り付けした製品、特に香り付けしたペット用製品であって、請求項1~8のいずれか1項に記載の芳香組成物、特にペット用芳香組成物を含む、前記香り付けした製品、特に香り付けしたペット用製品。
【請求項11】
前記製品が、パーソナルまたはホームケア製品、表面ケア製品、洗浄剤製品、エアケア製品、織物製品、自動車ケア製品、ペットケア製品、例えば、ネコ砂、ネコ砂箱、ネコのおもちゃ、キャットタワー、イヌのおもちゃ、イヌ用パッド、イヌの寝床、及びペットケアグルーミング製品または口腔ケア製品から成る群から選択される、請求項10に記載の香り付けした製品、好ましくは香り付けしたペット用製品。
【請求項12】
風味付けした製品、好ましくは食用ペット製品であって、請求項1~8のいずれか1項に記載のアロマ/風味組成物、特にペット用アロマ/風味組成物を含む、前記風味付けした製品、好ましくは食用ペット製品。
【請求項13】
前記製品が、おやつ、ブレス及び口腔ケア製品から成る群から選択される、請求項12に記載の風味付けした製品、好ましくは食用ペット製品。
【請求項14】
前記芳香組成物または前記風味組成物、特に前記ペット用芳香組成物またはアロマ/風味組成物が、香り付けした製品または風味付けした製品の総重量を基にして0.001~70重量%の範囲の総量で、好ましくは0.1重量%~50重量%の範囲の総量で含有される、請求項10に記載の香り付けした製品または請求項11に記載の風味付けした製品。
【請求項15】
ペット、製品または部屋に香りを付ける方法であって、
(i)請求項1~8のいずれか1項に記載の芳香組成物、特にペット用芳香組成物、または請求項10もしくは11に記載の香り付けした製品、特にペット用の香り付けした製品を提供する工程と、
(ii)感覚有効量で前記芳香組成物または前記香り付けした製品を前記ペット、前記製品または前記部屋に適用してペットが受け入れる匂いを得る工程とを含む、前記方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はペットが受け入れる、または好む新規の芳香またはアロマ/風味組成物、特にペット用芳香またはペット用アロマ/風味組成物に関する。本発明はまた、ペットが受け入れるまたはペットが好む香り付けしたまたは風味付けした製品、特に、香り付けしたまたは風味付けしたペット用製品を調製するための、そのような芳香またはアロマ/風味組成物の使用にも関する。さらに、本発明は芳香またはアロマ/風味組成物を含む香り付けした製品または風味付けした製品に関する。最後に、本発明は芳香組成物または香り付けした製品を適用することによってペット、製品または部屋に香りを付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人々の生活水準の向上及び社会の都市化の加速に伴って、ペットはますます家族の一部になっており、したがって消費者の芳香に日常的にさらされている。製品の匂いの受容は製品全体の受容の主要な促進因子である。今日まで、ほとんどのホームケア製品は消費者に受け入れられることを念頭に置いている。製品は広範に試験され、芳香とヒトが最も喜ぶ特性とについて最適化されている。しかしながら、今まで、ペット自体が受け入れる芳香と製品は重要視されていない。ヒトは1500万、ネコは6700万、及びイヌは2憶の嗅覚ニューロンを有する。私たちのペットの匂いを嗅ぐ能力には差異があるが、私たちは典型的な消費者製品における芳香にペットがどのように反応するか理解していない。
【0003】
ネコがネコ砂の中に不快に感じる香りを見つけると、トイレを拒否したり、完全に拒否したりするような否定的な排泄行動につながり、多くの場合、家庭内の他の場所に望ましくない排泄物を落とすことによって示される。不適切な排泄はネコの飼い主から報告される最も一般的な問題行動であり、ペットと飼い主の絆を損なうことが多い。この否定的な行動の主な原因は、ネコが不快に感じる香りのするネコ砂によって引き起こされるトイレ嫌いである。
【0004】
WO2016/170475A1は、ネコがトイレで排泄するように誘引するためのL-Feline(2-マイノ-7-ヒドロキシ-5,5-ジメチル-4-チアヘプタン酸)の使用を開示している。その開示によれば、L-Felineを含む21種類の市販のネコ用誘引剤を調べ、ネコが尿や糞をトイレで排泄する嗜好性を、対照に対して評価した。L-Felineだけが尿排泄についてネコに有意に好まれた。
【0005】
WO2019/1455574A1は、2,2-ジメチル-1,3-ジオキサラン-4-メタノールを含む組成物を含むネコ砂に関する。
【0006】
したがって、芳香またはアロマ/風味の産業内では、ペット、特にネコ及びイヌを誘引する新しい芳香物質またはアロマ物質を開発することに持続的な関心がある。ペットの安全や健康はそれに大きく左右されるため、家庭内で飼い主と同じ環境を共有するペットによって消費者製品が受け入れられることがさらに必要である。
【0007】
したがって、本発明の目的は、ペットが受け入れ、且つ拒絶しない芳香またはアロマ/風味組成物、特にペット用の芳香またはアロマ/風味組成物を提供することである。本発明の別の目的は、感覚受容性である、すなわち、ペットが受け入れる匂いまたは味によって感覚受容性である消費者製品またはペット用製品の提供である。
【0008】
本発明は、特定の芳香またはアロマ/風味組成物がペットに受け入れられ、且つ拒絶されないことを実証している。
【0009】
本発明は、好ましくはグルマン臭タイプの印象を持つ少なくとも1つの化合物または主要感覚成分(lead sensory component)を有する、または好ましくはムスク臭タイプの印象を持つ少なくとも1つの化合物または主要感覚成分を有する芳香傾向は、ネコとイヌの双方に十分に受け入れられるが、木質臭タイプの印象を持つ少なくとも1つの化合物または主要感覚成分を有する芳香傾向は不快物質なので、ネコとイヌの双方にあまり受け入れられないという驚くべき知見に基づく。
【発明の概要】
【0010】
第1の態様では、本発明は、好ましくはグルマン臭タイプの印象を持つ化合物から成り、化合物が、
バニリン(Vanillin)(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、
エチルバニリン(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド)、
エチルマルトール(2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン)、
クマリン(2H-1-ベンゾピラン-2-オン)、
トンカラクトン(Tonkalactone、登録商標)(3,6-ジメチル-3H-l-ベンゾフラン-2-オン)、
フラムビノン(Frambinon、登録商標)(4-(p-メトキシフェニル)-2-ブタノン)、
ベンズアルデヒド、
酪酸エチル-2-メチル、
2-メトキシ-3-エチルピラジン、
デルタ-デカラクトン、デルタ-ノナラクトン、ガンマ-オクタラクトン、
及びそれらの混合物から成る群から選択される(A)群、及び/または
好ましくはムスク臭タイプの印象を持つ化合物から成り、化合物が、
アルドロン(4-[(6,6-ジメチル-5-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)メチル]-2-メチルシクロヘキサン-1-オン)、
ラクトスカトン((2R,4aR,8aS)-2,8,8-トリメチルオクタヒドロ-2H-4a,2-(エポキシメタノ)ナフタレン-10-オン)、
アンブレットリド(17-オキサシクロヘプタデック-6-エン-1-オン)、
ブラシル酸エチレン(1,4-ジオキサシクロヘプタデカン-5,17-ジオン)、
グロバライド(Globalide、登録商標)((3E)-オキサシクロヘキサデック-3-エン-2-オン)、
グロバノン((8E)-シクロヘキサデック-8-エン-1-オン)、
及びそれらの混合物から成る群から選択される(B)群の少なくとも1つの化合物または主要感覚成分を含む、またはそれから成る芳香またはアロマ/風味組成物、特にペット用芳香組成物またはペット用アロマ/風味組成物に関する。
【0011】
第2の態様では、本発明は、香り付けしたまたは風味付けした製品、好ましくは香り付けしたまたは風味付けしたペット用製品を調製するための芳香組成物またはアロマ/風味組成物、特にペット用芳香組成物またはペット用アロマ/風味組成物の使用に関する。
【0012】
第3の態様では、本発明は、本発明に係る芳香またはアロマ/風味組成物を有効量で含む、香り付けした製品、例えば、パーソナルケア製品またはホームケア製品、表面ケア製品、洗浄剤製品、エアケア製品、織物製品、自動車ケア製品、ペットケア製品、または風味付けした製品、例えば、ペット用のおやつ、ブレス、及び口腔ケア製品、または食用ペット製品などに関する。
【0013】
最後の態様では、本発明は、
(i)本発明に係る芳香組成物または本発明に係る香り付けした製品を提供する工程と、
(ii)芳香組成物または香り付けした製品を感覚有効量でペット、製品または部屋に適用してペットが受け入れる匂い得る工程とを含む、ペット、製品または部屋に香りを付ける方法に関する。
【0014】
本発明のさらなる態様は以下の説明、実施例及び添付の特許クレームから姿を現す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】拒絶された芳香(ジャスミンのアコード)についての条件ごとの例示的な平均堆積重量を示す図である。
図2】受容された芳香(ムスクのアコード)についての条件ごとの例示的な平均堆積重量を示す図である。
図3】ジャスミンのアコードとムスクのアコードを比較した、ネコ砂における重量結果の有意性を示すヒストグラムである。
図4】イヌの評価におけるバニリンのアコードとジャスミンのアコードについての拒絶比を示す図である。
図5】受け入れられた及び受け入れられなかった芳香/アコードを要約するネコの快不快結果の概要を示す図である。
図6】受け入れられた芳香/アコードを要約するイヌの快不快結果の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の文脈内では、芳香組成物は一般に、個別の化合物または2以上の異なる化合物のクラスを含んで匂いまたは臭いを付与する組成物である。
【0017】
本発明の文脈内では、アロマ/風味組成物は一般に、個別の化合物または2以上の異なる化合物のクラスを含んで風味または味覚を付与する組成物である。
【0018】
風味は味の感覚と臭いの双方に影響を及ぼすのに対して、芳香は臭いのみに影響を及ぼす。
【0019】
本発明に係る組成物は芳香組成物またはアロマ/風味組成物の双方、いずれかであることができる。
【0020】
したがって、本発明の文脈では、「アロマ」または「風味」という用語は相互交換可能に且つ同等の意味で使用される。
【0021】
説明の中で本発明に係る芳香組成物またはアロマ/風味組成物が言及されるときはいつでも、これは本発明に係るペット用芳香組成物またはペット用アロマ/風味組成物も指すと見なされる。
【0022】
本発明の文脈内では、「有効量」という用語は、ペットにて所望の応答を生み出すのに必要であるまたは十分である少なくとも1つの化合物または主要感覚成分の量、すなわち、その中に組み込まれる芳香またはアロマ/風味組成物、または最終製品にて知覚できる匂いまたは風味を付与する量を指す。風味物質または芳香物質の組み合わせに適用されると、当該用語は、匂いまたは風味を生じる風味物質または芳香物質の組み合わせの総量を指す。最も重要なことに、その典型的な使用指示に従って芳香組成物または風味組成物を投与する際に、ユーザーは匂いまたは味覚を知覚できる必要がある。
【0023】
「含む(comprising)」という用語は指名された成分は必須であるが、他の成分が加えられてもよく、且つ本発明によってさらに包含されることを意味する。
【0024】
本発明に従って使用されるとき、「から成る(consisting of)」という用語は、成分の総量が組成物の総重量に基づいて最大100重量%まで加算することを意味し、主題がクローズドエンド型であり、明白に引用されている限定を含むだけであることを表す。
【0025】
「含むこと」が言及されるときはいつでも、代替として双方の意味を対象とすることが意図され、すなわち、その意味は、文脈が特に指示しないかぎり、「含むこと」または「から成ること」のいずれかであることができる。
【0026】
「少なくとも1つの化合物または主要感覚成分」という用語は、本発明に係る組成物が1つの成分もしくは主要感覚成分、または2、3、もしくはさらに多くの異なる化合物もしくは主要感覚成分の混合物のいずれかを含むことができることを意味する。
【0027】
本発明の文脈における「化合物」または「主要感覚成分」という用語は、本発明に係る芳香組成物またはアロマ/風味組成物における主要成分である特定の感覚効果、例えば、グルマン香調またはムスク香調または木質香調を有する、且つ芳香またはアロマ/風味組成物における嗅覚効果または味覚効果に対して最も重要な影響を有する化合物または成分を意味する。例えば、主要感覚成分が好ましくはグルマン臭タイプの香調を持つ化合物であれば、得られる組成物はグルマン臭タイプの印象が主役となる。主要感覚成分が好ましくはムスク臭タイプの香調を持つ化合物であれば、得られる組成物はムスク臭タイプの印象が主役となる、などである。
【0028】
「任意で」という用語は、続いて記載される化合物が組成物に存在してもよいが、存在する必要はなく、且つ記載には化合物が含まれる変形、または化合物が存在しない変形が含まれることを意味する。
【0029】
本発明によれば、上記の目的は、好ましくはグルマン臭タイプの印象を持つ化合物から成り、当該化合物が
バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、
エチルバニリン(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド)、
エチルマルトール(2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン)、
クマリン(2H-1-ベンゾピラン-2-オン)、
Tonkalactone(登録商標)(3,6-ジメチル-3H-l-ベンゾフラン-2-オン)、
Frambinon(登録商標)(4-(p-メトキシフェニル)-2-ブタノン)、
ベンズアルデヒド、
酪酸エチル-2-メチル、
2-メトキシ-3-エチルピラジン、
デルタ-デカラクトン、デルタ-ノナラクトン、ガンマ-オクタラクトン、
及び上述の化合物の2、3、またはそれ以上の混合物から成る群から選択される(A)群の少なくとも1つの化合物または主要感覚成分の感覚有効量で含む、またはそれから成る芳香またはアロマ/風味組成物、特にペット用芳香またはペット用アロマ/風味組成物によって達成される。
【0030】
好ましい変形では、本発明に係る芳香組成物またはアロマ/風味組成物は
バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、
Tonkalactone(登録商標)(3,6-ジメチル-3H-l-ベンゾフラン-2-オン)、及び2つの上述の化合物の混合物から成る群から選択される(A)群の化合物または主要感覚成分を含む、またはそれから成る。
【0031】
好ましい変形では、本発明に係る芳香組成物またはアロマ/風味組成物はバニリン及びTonkalactone(登録商標)を含む。
【0032】
好ましくはグルマン臭タイプの印象を持つ化合物は、バニラ、砂糖菓子、泡立てたまたはカラメル化した糖、ハチミツ、チョコレート、キャラメル、アーモンド、ココナッツ、クリームのような、ハッカ味の、シナモン及び/または木の実のような匂い/臭いまたは風味/味覚の印象を含むが、これらに限定されない食用の匂い/臭いまたは風味/味覚を特徴とする。
【0033】
上記で特定された化合物または主要感覚成分は個々の物質として使用することができ、または(アコードとして以下で指定された中で)少なくとももう1つとの混合物にて使用することができる。
【0034】
本発明に係る好ましい変形では、本発明に係る芳香またはアロマ/風味組成物はしたがって、好ましくはグルマン臭タイプの香調を持つ化合物から成る(A)群の化合物または主要感覚成分の少なくとも1を超える、すなわち、2、3またはそれ以上の混合物の感覚有効量を含む。
【0035】
本発明に係るグルマン臭タイプの香調を持つ好ましい芳香/アコード組成物は、例えば、以下の表1で特定されているような(A)群の1、2、3またはそれ以上の化合物(複数可)または主要感覚成分(複数可)を含むものである。
【0036】
【表1】
【0037】
表1の例示的な組成物から分かるように、芳香組成物もしくはアロマ/風味組成物は上記で定義されているような単一の化合物または主要感覚成分を含む、または芳香組成物もしくはアロマ/風味組成物は上記で定義されているような2以上の異なる化合物または主要感覚成分のアコードである。
【0038】
あるいは、上記の目的は、好ましくはムスク臭タイプの印象を持つ化合物から成り、化合物が
アルドロン(4-[(6,6-ジメチル-5-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)メチル]-2-メチルシクロヘキサン-1-オン)、
ラクトスカトン((2R,4aR,8aS)-2,8,8-トリメチルオクタヒドロ-2H-4a,2-(エポキシメタノ)ナフタレン-10-オン)、
アンブレットリド(17-オキサシクロヘプタデック-6-エン-1-オン)、
ブラシル酸エチレン(1,4-ジオキサシクロヘプタデカン-5,17-ジオン)、
Globalide(登録商標)((3E)-オキサシクロヘキサデック-3-エン-2-オン)、
グロバノン((8E)-シクロヘキサデック-8-エン-1-オン)、
及び上述の化合物の2、3またはそれ以上の混合物から成る群から選択される(B)群の少なくとも1つの化合物または主要感覚成分の感覚有効量を含む、またはそれから成る芳香またはアロマ/風味組成物、好ましくはペット用芳香またはペット用アロマ/風味組成物によって達成される。
【0039】
好ましい変形では、本発明に係る芳香またはアロマ/風味組成物は、
アンブレットリド(17-オキサシクロヘプタデック-6-エン-1-オン)、
Globalide(登録商標)((3E)-オキサシクロヘキサデック-3-エン-2-オン)、
グロバノン((8E)-シクロヘキサデック-8-エン-1-オン)
及び上述の化合物の2または3の混合物から成る群から選択される(B)群の化合物または主要感覚成分を含む、またはそれから成る。
【0040】
特に好ましいのは、
アンブレットリドとGlobalide(登録商標)、または
アンブレットリドとグロバノン、または
Globalide(登録商標)とグロバノン、または
アンブレットリドとGlobalide(登録商標)とグロバノンから成る群から選択される化合物または主要感覚成分の混合物/組み合わせである。
【0041】
好ましくはムスク臭タイプの印象を持つ化合物は、ムスクの匂い/臭いによって特徴付けられ、最も典型的には動物的と表現されるが、甘い、クリームのようなまたは粉のようなものから、リッチな、皮革のような、スパイシーな匂い/臭いまたは風味/味覚の印象もある。
【0042】
上記で特定された化合物または主要感覚成分は個々の物質として使用することができ、または(アコードとして以下で指定された中で)少なくとももう1つとの混合物にて使用することができる。
【0043】
本発明に係る好ましい変形では、本発明に係る芳香またはアロマ/風味組成物はしたがって、好ましくはムスク臭タイプの香調を持つ化合物から成る(B)群の化合物または主要感覚成分の少なくとも1を超える、すなわち、2、3またはそれ以上の混合物の感覚有効量を含む。
【0044】
本発明に係るムスク臭タイプの香調を持つ好ましい芳香/アコード組成物は、例えば、以下の表2で特定されているような(B)群の1、2、3またはそれ以上の化合物(複数可)または主要感覚成分(複数可)を含むものである。
【0045】
【表2】
【0046】
表2の例示的な組成物から分かるように、芳香組成物もしくはアロマ/風味組成物は上記で定義されているような単一の化合物または主要感覚成分を含む、または芳香組成物もしくはアロマ/風味組成物は上記で定義されているような2以上の異なる化合物または主要感覚成分のアコードである。
【0047】
さらなる変形では、本発明に係る芳香またはアロマ/風味組成物、好ましくはペット用芳香またはペット用アロマ/風味組成物は、上記で特定されたような、好ましくはグルマン臭タイプの印象を持つ化合物から成る(A)群の少なくとも1つの化合物または主要感覚成分の感覚有効量、及び上記で特定されたような、好ましくはムスク臭タイプの印象を持つ化合物から成る(B)群の少なくとも1つの化合物または主要感覚成分の感覚有効量を含む。
【0048】
本発明に係る好ましい変形では、本発明に係る芳香またはアロマ/風味組成物は、好ましくはグルマン臭タイプの香調を持つ化合物から成る(A)群の化合物または主要感覚成分の2、3またはそれ以上と、好ましくはムスク臭タイプの香調を持つ化合物から成る(B)群の化合物または主要感覚成分の2、3またはそれ以上との混合物を含む。
【0049】
さらに好ましい変形では、本発明に係る芳香またはアロマ/風味組成物は、
Tonkalactone(登録商標)(3,6-ジメチル-3H-l-ベンゾフラン-2-オン)、
バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、
Globalide(登録商標)((3E)-オキサシクロヘキサデック-3-エン-2-オン)、
ブラシル酸エチレン(1,4-ジオキサシクロヘプタデカン-5,17-ジオン)
及び上述の化合物の2またはそれ以上の混合物から成る群から選択される化合物または主要感覚成分を含む、またはそれから成る。
【0050】
特に好ましいのは、
Tonkalactone(登録商標)とバニリン;または
Tonkalactone(登録商標)とGlobalide(登録商標);または
Tonkalactone(登録商標)とブラシル酸エチレン;または
バニリンとGlobalide(登録商標);または
バニリンとブラシル酸エチレン;または
Globalide(登録商標)とブラシル酸エチレン;または
Tonkalactone(登録商標)とバニリンとGlobalide(登録商標);または
Tonkalactone(登録商標)とバニリンとブラシル酸エチレン;または
VanillinとGlobalide(登録商標)とブラシル酸エチレンから成る群から選択される化合物または主要感覚成分の混合物である。
【0051】
驚くべきことに、行動パラメーターの測定による以下の実施例の実験データによって実証されているように、上記で特定した芳香またはアロマ/風味の傾向は、ネコとイヌの双方にとって魅力的であり、同時にヒトにとっても心地よいことが判明した。したがって、本発明に係る芳香組成物またはアロマ/風味組成物はペット、好ましくはネコまたはイヌを有利に魅了することができることが予想外に観察された。
【0052】
同様に、木質臭タイプの印象を有する特定の芳香またはアロマ/風味の傾向は、行動パラメーターの測定による以下の実施例の実験データによって実証されているように、ネコ及びイヌの双方に拒絶される不快な芳香である。
【0053】
さらなる且つ特に好ましい変形では、本発明はしたがって、好ましくは木質臭タイプの印象を持つ化合物から成る(C)群の少なくとも1つの化合物または主要感覚成分を含まない芳香またはアロマ/風味組成物、好ましくはペット用の芳香またはアロマ/風味組成物に関する。そのような不快な物質は、ニオイヒバ油、ブロンドウッド、漂白剤のアコード、ジャスミンのアコード、オレンジフラワー及びそれらの混合物から成る群から選択される。
【0054】
したがって、好ましい変形では、本発明に係る芳香またはアロマ/風味組成物、好ましくはペット用の芳香またはアロマ/風味組成物は、前に定義されているような(C)群の化合物または主要感覚成分のいずれも含まない。
【0055】
本発明に係る木質臭タイプの印象を持つ芳香/アコード組成物は、例えば、以下の表3にて特定されているようなものである。
【0056】
【表3】
【0057】
本発明の第1の態様に係る芳香組成物またはアロマ/風味組成物では、使用されるA群の少なくとも1つの化合物または主要感覚成分及び/またはB群の少なくとも1つの化合物または主要感覚成分の量は好ましくは、組成物の総重量に対して1~100重量%の範囲、好ましくは5~90重量%の範囲、さらに好ましくは10~80重量%の範囲、一層さらに好ましくは20~70重量%の範囲、特に好ましくは30~60重量%の範囲、最も好ましくは40~50重量%の範囲である。芳香組成物またはアロマ/風味組成物が前記化合物または主要感覚成分のブレンドを含むのであれば、上記重量の特定はブレンドに関する。
【0058】
その上さらなる且つ好ましい変形では、本発明の第1の態様に係る芳香またはアロマ/風味組成物、好ましくはペット用の芳香組成物またはペット用のアロマ/風味組成物はさらに、好ましくはフローラル臭タイプの印象を持つ1以上の追加の芳香物質を含む。好ましくはフローラル臭タイプの印象を持つそのような追加の芳香物質は、炭酸メチルオクチン(メチル-ノン-2-イノエート)、フェニルエチルアルコール(2-フェニルエタン-1-オール)、シトロネロール(3,7-ジメチルオクト-6-エン-1-オール)、ラベンダー油、ペパーミント油、及び上述の化合物の2以上の混合物から成る群から選択される。
【0059】
ラベンダー精油は水蒸気蒸留を介して製造される。ラベンダー精油の正確な組成は種ごとに異なるが、主としてモノテルペノイド成分とセスキテルペノイド成分とから成る。これらの成分または主要感覚成分のうちで、リナロール及び酢酸リナリルが優勢であり、酢酸ラバンジュリル、テルピネン-4-オール及びラバンジュロールは中程度のレベルであり、1,3-シネオール及びカンフルも少量から中量で存在する。ペパーミント油は、主として主要感覚成分としてのメントール及びメントン、と同様にメントフラン、1,8-シネオール及びリモネンを含むいくつかの微量構成成分で構成される。
【0060】
その上さらなる且つ好ましい変形では、本発明の第1の態様に係る芳香またはアロマ/風味組成物、好ましくはペット用の芳香組成物またはペット用のアロマ/風味組成物はさらに、好ましくは柑橘臭タイプの印象を持つ1以上の追加の芳香物質を含む。好ましくは柑橘臭タイプの印象を持つそのような追加の芳香物質は、オレンジ油、アオモジ油、マンダリンアルデヒド(トランス-2-ドデセナール)、アグルニトリル(3,7-ジメチルオクト-6-エネニトリル)、シトラール(3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール)、及び上述の化合物の2以上の混合物から成る群から選択される。
【0061】
本発明はペットにささげられる。好ましくは、ペットは哺乳類である。本発明の文脈では、イヌ及びネコが好ましい。
【0062】
本発明の第1の態様に係る芳香またはアロマ/風味組成物、好ましくはペット用の芳香組成物またはペット用のアロマ/風味組成物はペットによる、好ましくはネコ及び/またはイヌによる高い受容性を特徴とする。
【0063】
本発明に係る芳香組成物またはアロマ/風味組成物は香り付けまたは風味付けに使用されてもよい。本明細書で定義されているような芳香組成物またはアロマ/風味組成物は、そのままで使用することができ、または代わりに液体形態で、すなわち、溶媒で希釈されていないまたは希釈された溶液で使用することができる。
【0064】
この目的に好適な溶媒は、例えば、エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセロール、プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、トリアセチン、植物油、モノイソ酪酸2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、アジピン酸ジオクチル、2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-メタノール、ジイソプロパノールアミン、シリコーン、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリルアルコール、及び/またはメチル水素化樹脂酸塩などである。
【0065】
さらに、本発明に係る芳香組成物またはアロマ/風味組成物は、製品にてアロマ/風味物質または芳香物質の微細な分布、及び使用時の制御放出の双方を保証する担体に吸収されてもよい。そのような担体は、例えば、硫酸ナトリウム、シリカ、ゼオライト、石膏、粘土、粘土顆粒、気泡コンクリートなどのような多孔性無機物質、または例えば、木材、セルロース系物質、糖類、デキストリン(例えば、マルトデキストリン)のような有機物質、または例えば、PVC、ポリ酢酸ビニルもしくはポリウレタン、アクリレート、合成繊維のようなプラスチックであってもよい。
【0066】
本発明に係る芳香組成物またはアロマ/風味組成物は、スプレー乾燥させてもよく、包接錯体としてまたは押出製品として、またはマイクロカプセル化形態で提供されてもよい。
【0067】
スプレー乾燥した芳香組成物または風味組成物は、風味組成物または芳香組成物を含有するエマルションまたは分散系をスプレー乾燥させることによって製造されてもよく、その際、修飾デンプン、タンパク質、デキストリン及び植物ガムが担体として使用されてもよい。包接錯体は、例えば、風味または芳香の物質組成物とシクロデキストリンまたは尿素誘導体との分散系を好適な溶媒、例えば、水に導入することによって製造されてもよい。
【0068】
押出製品は、好適な蝋状物質と共に芳香組成物または風味組成物を融解し、任意で好適な溶媒、例えば、イソプロパノールにて押し出し、その後、固化することによって製造されてもよい。
【0069】
任意で、このように改変された組成物の特性は、好適な材料で「コーティング」することによって、さらに的を絞った風味または芳香の放出に関してさらに最適化されてもよく、この目的のために、例えばポリビニルアルコールのようなワックス状プラスチックが好ましく使用される。
【0070】
本発明に係る風味または芳香組成物は、例えば、ポリウレタン型物質または軟質ゼラチンで出来たカプセル材の助けを借りてコアセルベーション法によってカプセル化されてもよい。
【0071】
上述の得られた製品変形はすべて本発明に係る芳香組成物またはアロマ/風味組成物である。
【0072】
ペットに受け入れられたその内在する有益な味覚及び/または嗅覚の特性に起因して、本発明に係る芳香組成物または風味組成物、好ましくはペット用芳香組成物またはペット用風味組成物は、香り付けしたまたは風味付けした製品、好ましくは香り付けしたまたは風味付けしたペット用製品を調製するのに有利である。
【0073】
本発明の別の態様はしたがって、香り付けしたまたは風味付けした製品、好ましくは香り付けしたまたは風味付けしたペット用製品を調製するための、上述のような芳香組成物またはアロマ/風味組成物の使用に関する。本発明に係る芳香組成物またはアロマ/風味組成物の好ましい変形に関して、当然、上記の説明も同様に適用される。
【0074】
本発明に係る芳香組成物は、風味付けされるもしくは香り付けされる、または風味付けされるもしくは香り付けされるように意図される製品、好ましくは、パーソナルケア製品またはホームケア製品、表面ケア製品、洗浄剤製品、エアケア製品、織物製品、自動車ケア製品、ペットケアグルーミング製品、または口腔ケア製品、または食用ペット製品に組み込まれてもよい。
【0075】
好ましい開発によれば、本発明に係る芳香組成物またはアロマ/風味組成物を含有する香り付けしたまたは風味付けした製品は、溶媒を含まない、溶液としての、または固体もしくは液体の担体と任意で他の補助剤及び/または安定剤との混合物の形態での芳香組成物またはアロマ/風味組成物を組み込み、パーソナルケア製品またはホームケア製品、表面ケア製品、洗浄剤製品、エアケア製品、織物製品、自動車ケア製品、ペットケアグルーミング製品、または口腔ケア製品、または食用ペット製品を調製するためのベース調製物を形成することによって製造される。
【0076】
本発明はしたがってさらなる態様にて、本発明に係る香り付けした組成物を含む香り付けした製品、好ましくは香り付けしたペット用製品も提供する。好ましくは、本発明に係る香り付けした製品は、例えば、乾式及び湿式のワイプ、洗浄液、入浴剤、シャンプー、ジェル、石鹸、ムース、洗浄剤組成物、バスオイル、風呂に添加してもよい他の風呂組成物、皮膚に直接使用してもよい他の洗浄組成物のような個人向けの化粧品、トイレタリー製品及びヘルスケア製品;例えば、スティック、バルム、ムース、スプレー、ローション、クリーム、ジェル、粉剤、オイル、ワックス、香料のような個人向けの化粧品、トイレタリー製品及びヘルスケア製品を含む付けたままのパーソナルケア製品、皮膚に塗布してもよく、すすぎ落とさない他のパーソナルケア製品、または例えば、布地洗剤、布地柔軟剤、リネンスプレー、エアケア製品、ロウソク、スプレー、拡散剤のような家庭製品または洗濯物ケア製品、表面、布地を洗浄する、空気に香り付けする目的で家庭にて使用されてもよい用具または他の製品、と同様に、例えば、クルマの空気清浄剤、ワイプ、洗浄剤、脱臭剤、噴霧器、通気口クリップ、エアロゾル、布地消臭剤のような自動車ケア製品、及び、例えば、ネコ砂、ネコ砂入れ、ネコのおもちゃ、キャットタワー、イヌのおもちゃ、イヌ用パッド、イヌの寝床のようなペット用製品、及び、例えば、ペット用のシャンプー、ワイプ、洗浄剤もしくはコンディショニング製品のようなペットケアグルーミング製品から成る群から選択される。
【0077】
本発明に係るさらなる香り付けした製品には、例えば、香水抽出物、オードパルファン、オードトワレ、シェービングローション、オードコロン、プレシェービング製品、スプラッシュコロン及び香水付きティッシュワイプが挙げられ、酸性、アルカリ性及び中性の洗浄剤、例えば、床洗浄剤、窓ガラス洗浄剤、皿洗い洗剤、風呂及びサニタリー洗浄剤、汚れ落としクリーム、固形及び液体のトイレ洗浄剤、粉末及び泡状のカーペット洗浄剤、織物脱臭剤、アイロンがけ助剤、液体洗剤、粉末洗剤、洗濯前処理剤、例えば、漂白剤、浸漬剤及び染み抜き剤、洗濯柔軟剤、洗濯石鹸、洗濯錠剤、消毒剤、表面消毒剤、と同様に液体またはゲルの形態での空気清浄剤に香り付けするためのものが含まれ、または、固形担体、エアゾールスプレー、ワックス及び艶出し剤、例えば、家具艶出し剤、床ワックス及び靴磨き剤、と同様に、ボディケア製品、例えば、固形及び液状の石鹸、シャワージェル、シャンプー、髭剃り石鹸、シェービングフォーム、バスオイル、水中油、油中水及び水中油中水の型の化粧品エマルション、例えば、皮膚のクリーム及びローション、顔面のクリーム及びローション、日焼け止めのクリーム及びローション、日焼け後クリーム及びローション、手のクリーム及びローション、足のクリーム及びローション、脱毛のクリーム及びローション、髭剃り後のクリーム及びローション、日焼けのクリーム及びローション、毛髪ケア製品、例えば、毛髪スプレー、毛髪ジェル、強化毛髪ローション、ヘアリンス、永続的な及び半永続的な毛髪染料、毛髪成形剤、例えば、コールドパーマ剤及び縮毛矯正剤、ヘアトニック、毛髪のクリーム及びローション、脱臭剤及び制汗剤、例えば、腋下スプレー、ロールオン、脱臭スティック、脱臭クリーム、装飾的な化粧製品、例えば、アイシャドウ、マニキュア、メイク用品、リップスティック、マスカラ、と同様にロウソク、ランプ油、線香、殺虫剤、防虫剤及び燃料、または口腔及び/または歯科のケア製品、例えば、練り歯磨き、歯科ジェル、歯科粉末、洗口剤、チューインガム、及び他の経口ケア製品に適用されるものに香り付けするためのものが含まれる。
【0078】
本発明はまた、別の態様にて、本発明に係るアロマ/風味組成物を含む、風味付けした製品、好ましくは風味付けしたペット用製品も提供する。好ましくは、本発明に係る風味付けしたペット用製品は食用のペット用製品から成る群から選択される。好ましくは、本発明に係る風味付けしたペット用製品は、おやつ、ブレス及び口腔ケア製品から成る群から選択される。
【0079】
好ましくは、本発明に係る芳香組成物またはアロマ/風味組成物、好ましくは、ペット用芳香組成物またはペット用アロマ/風味組成物は、感知できる匂いまたは風味を付与するのに十分な量で最終製品に含有される。好ましくは、芳香組成物またはアロマ/風味組成物は香り付けしたまたは風味付けした製品の総重量を基にして0.001重量%~60重量%の範囲の総量で、好ましくは0.01重量%~60重量%の範囲の総量で、さらに好ましくは0.1重量%~50重量%の範囲の総量で含有される。
【0080】
最後の態様では、本発明は、
(i)本発明に係る芳香組成物または本発明に係る香り付けした製品を提供する工程と、
(ii)芳香組成物または香り付けした製品を感覚有効量でペット、製品または部屋に適用してペットが受け入れる匂いを得る工程とを含む、
ペット、製品または部屋に香りを付ける方法に関する。
【0081】
本発明は今や、以下の実施例を参照して詳細に記載されるが、これらの実施例は単に本発明を例示するものであり、本発明の内容は以下の実施例によって限定されるものではなく、また以下の実施例に限定されるものでもない。
【実施例
【0082】
以下の実施例は、それによって本発明を限定することなく、本発明を明瞭にする目的を有する。
実施例1-芳香化合物の受容または拒絶
【0083】
1.方法
【0084】
ネコの快不快試験
試験は芳香組成物がネコの排泄行動に影響を及ぼすかどうかを判定するために実施した。
【0085】
5つの部屋の20匹のネコ(一部屋あたり4匹)をこの試験に含めた。2つの異なる製品を含有する2つのネコ砂箱(すなわち、香りを付けていないネコ砂対照、実験用ネコ砂に対比させた非凝集粘土、0.01~0.5%の芳香組成物を入れた非凝集粘土)をネコに提示した。
【0086】
餌摂取を測定し、各試験期間中、餌を一貫して保つことによって各試験日について食餌を制御した。ネコ砂箱は毎日の終わり(24h)に交換し、秤量して堆積重量を決定し、2日目の試験のために新しいネコ砂箱を補充した。2つのネコ砂箱の位置はバランスを取り、毎日の終わりに同じ2つの位置間で交代させて試験設計における位置の偏りを説明した。製品にわたる堆積重量の平均を使用して芳香の受容または拒絶を判定した。
【0087】
イヌの快不快試験
【0088】
芳香組成物がイヌによって受容されるかまたは拒絶されるかを判定するために試験を実施した。
【0089】
入り交ざった種類及び性別の少なくとも32匹の訓練されたイヌを、無臭の支持体に付けた芳香油との相互作用についてモニターした。試験用の芳香/アコード組成物を付けた無臭の支持体はモナディック研究設計でイヌに提示される。イヌの自発的な回答をビデオ記録で捉え、以下の行動を記録する:臭いを嗅ぐ待ち時間(イヌが試料と相互作用するのにかかる時間)、動物が直接試料の臭いを嗅ぐ時間の長さ(臭い嗅ぎ時間)、イヌが試料をなめるのであれば(否定的な行動成績)及び/またはイヌが試料を完全に拒絶するのであれば(臭いを嗅ごうとしない)。技量のある動物行動学者が行動をコード化し、解析する。各試験にてバランスのとれた且つ交代する設計で2つの芳香/アコード組成物と1つの中性(neutral)対照(通常、水)を調べる。
【0090】
ヒトの鼻に従って類似する強度で芳香をネコ及びイヌに提示した。
【0091】
グラフの説明
【0092】
ネコについて
【0093】
図1のグラフのように堆積重量という点でネコ砂箱には非常に大きな差異がある。比較すると、図2のグラフのように有意な結果には見えない。
【0094】
マタタビはネコの誘引物質であることが知られており、陽性対照として調べられている。ネコ砂にて0.1%及び1%でそれを使用した。堆積重量には有意差は観察されていない。
【0095】
行動という点で、ネコはマタタビのあるネコ砂でさらに探索した。このことは、ネコはそれを感知できる(何かが新しい、ネコが来て、それを発見する)が、それはネコの排泄行動全体を変化させるわけではないことを示している。ネコはマタタビ臭を気にしないで香りなしと同じように香り付きのネコ砂を使用する。
【0096】
異なる芳香を比較するために、p値の対数をグラフ上で報告している。水平軸の上の棒は香り付きネコ砂を選択して有意である~非常に有意性が高い、水平軸の下の棒は香りなしネコ砂を選択して有意である~非常に有意性が高い。白い/明るい区分における試料は有意な結果ではないので、香りなしネコ砂としてネコに受け入れられる。
【0097】
図3は、比較においてジャスミンのアコード(香りなしネコ砂を選択して非常に有意性が高い)及びムスクのアコード(有意ではない)についてのネコ砂における重量結果の有意性を示す例示的なヒストグラムである。図3のグラフでは、双方の芳香/アコードの比較は0.01で調べた。
【0098】
イヌについて
【0099】
重要な測定基準として拒絶を使用してイヌによる芳香物質の受容/拒絶を判定した。各試験では、イヌの動機付けの検量体として中性の匂いを使用した。中性の試料は通常、水である。
拒絶は以下のように定義される:
(1) 15秒間の評価の間に、イヌは試料に接近することに関心を示さない;または
(2) イヌは試料に近づき、1秒以下で直ちに向きを変える。
【0100】
図4に示すように、代表的な例であるバニリンは十分に受容され、低い拒絶を示すのに対して、代表的な例であるジャスミンは高い拒絶を示す。
【0101】
2.ネコ快不快結果の概要(受容されなかったアコードに対比した受容されたアコード)
【0102】
図5は受容された及び受容されなかった調べた芳香/アコード組成物についてのネコ砂の重量結果の有意性を要約するヒストグラムである。
【0103】
香り付きネコ砂にてさらに多い重量結果を生じているこのグラフ上の受容されたまたは好まれた芳香/アコードはすべて、以下の少なくとも1つを含有する:
-グルマン臭またはグルマン香調(バニリン、Tonkalactone(登録商標)アコード、メトキシエチルピラジン)または
-ムスク臭またはムスク香調(アルドロン、Globalide(登録商標)、ブラシル酸エチレン、ラクトスカトン)。
【0104】
受容されず、香りなしネコ砂でさらに多くの重量結果を生じたこのグラフ上の芳香/アコードはニオイヒバ油またはオレンジ花を含有する。また、ブロンドウッド及び漂白剤のアコードはあまり受容されなかったが、香りなしネコ砂にてさらに多くの重量結果を生じる。
【0105】
グルマン臭タイプまたはグルマン香調タイプに属する単一の芳香/アコードについての条件ごとの堆積重量の平均値を以下の表4に示す。
【0106】
【表4】
【0107】
メトキシエチルピラジンのネコ砂における堆積重量の平均値は香りなしネコ砂と比べて有意差はない。
【0108】
赤い実アコードのネコ砂における堆積重量の平均値は香りなしネコ砂と比べて有意差はない。
【0109】
バニラアコードのネコ砂における堆積重量の平均値は香りなしネコ砂と比べて有意差はない。
【0110】
バニリンのネコ砂における堆積重量の平均値は香りなしネコ砂と比べて有意差はない。
【0111】
ベリーアコードのネコ砂における堆積重量の平均値は香りなしネコ砂と比べて有意差はない。
【0112】
ココナッツアコードのネコ砂における堆積重量の平均値は香りなしネコ砂と比べて有意差はない。
【0113】
Tonkalactone(登録商標)アコードのネコ砂における堆積重量の平均値は香りなしネコ砂と比べて有意差はない。
【0114】
ムスク臭タイプまたはムスク香調タイプに属する単一の芳香/アコード組成物についての条件ごとの堆積重量の平均値を以下の表4に示す。
【0115】
【表5】
【0116】
アルドロンのネコ砂における堆積重量の平均値は香りなしネコ砂と比べて有意差はない。
【0117】
アンブレットリドのネコ砂における堆積重量の平均値は香りなしネコ砂と比べて有意差はない。
【0118】
ラクトスカトンのネコ砂における堆積重量の平均値は香りなしネコ砂と比べて有意差はない。
【0119】
グロバノンのネコ砂における堆積重量の平均値は香りなしネコ砂と比べて有意差はない。
【0120】
ムスクアコード(0.01%)のネコ砂における堆積重量の平均値は香りなしネコ砂と比べて有意差はない。
【0121】
ムスクアコード(0.02%)のネコ砂における堆積重量の平均値は香りなしネコ砂と比べて有意差はない。このことはムスクの強度は効果を有さないことを実証している。
【0122】
ムスクアコード(0.01%)のネコ砂における堆積重量の平均値は香りなしネコ砂と比べて有意差はない。このことは試験が反復可能であることを実証している。
【0123】
ムスクアコード(0.02%)のネコ砂における堆積重量の平均値は香りなしネコ砂と比べて有意差はない(異なるネコ砂基剤(胡粉の代わりにナトリウムベントナイト)におけるムスクアコード(0.1%)についての条件ごとの堆積重量の平均値)。このことは、異なるネコ砂基剤が結果に対して影響を有さないこと(再現性)を実証している。
【0124】
香り付けしていないネコ砂に対比して堆積重量に優先傾向を示さないグルマン臭タイプの物質に関する表1の結果及びムスク臭タイプの物質に関する表2の結果は、そのような芳香/アコードの物質をネコが十分に受け入れることを明らかに実証している。
【0125】
木質臭タイプまたは木質香調タイプに属する単一の芳香/アコード組成物についての条件ごとの堆積重量の平均値を以下の表6に示す。
【0126】
【表6】
【0127】
ニオイヒバ油のネコ砂における堆積重量の平均値は香りなしネコ砂と比べて有意差がある。
【0128】
漂白剤のアコードのネコ砂における堆積重量の平均値は香りなしネコ砂と比べて有意差がある。
【0129】
ブロンドウッドのネコ砂における堆積重量の平均値は香りなしネコ砂と比べて有意差がある。
【0130】
ジャスミンのアコードのネコ砂における堆積重量の平均値は香りなしネコ砂と比べて有意差がある。
【0131】
表3の結果は、木質臭タイプのアコードがネコによってあまり受容されないので拒絶される不快物質であることを明瞭に実証している。
【0132】
イヌの快不快の結果(受容されたアコード)の概要
【0133】
図6はイヌによる試験から得られた芳香/アコードの例を示す。
【0134】
示した芳香/アコードの例はすべて中性臭(水)と比べて低い拒絶比率を示しているので、イヌによって十分に受容される。中性臭(水)の値の上の調べた芳香の例の棒は、イヌによって非常に良好に受容され/好まれると見なされる(例えば、エチルマルトール、グロバライド、バニリン、エチルバニリン)。
【0135】
実施例2-受け入れられた芳香/アコード組成物
【0136】
実施例2.1-グルマン臭タイプの芳香/アコード組成物
【0137】
【表7】
【0138】
実施例2.2-ムスク臭タイプの芳香/アコード組成物
【0139】
【表8】
【0140】
実施例3-受け入れられなかった芳香/アコード組成物
【0141】
【表9】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】