(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】電子膨張弁
(51)【国際特許分類】
F16K 27/02 20060101AFI20240816BHJP
F16K 31/04 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
F16K27/02
F16K31/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507081
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(85)【翻訳文提出日】2024-04-03
(86)【国際出願番号】 CN2022115942
(87)【国際公開番号】W WO2023030337
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】202122116505.2
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122112662.6
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122116122.5
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122113665.1
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】賀 宇辰
(72)【発明者】
【氏名】陳 勇好
(72)【発明者】
【氏名】▲ザン▼ 少軍
(72)【発明者】
【氏名】張 克鵬
(72)【発明者】
【氏名】楼 金強
(72)【発明者】
【氏名】趙 俊
(72)【発明者】
【氏名】劉 楽強
【テーマコード(参考)】
3H051
3H062
【Fターム(参考)】
3H051AA01
3H051BB05
3H051CC13
3H051DD01
3H051FF01
3H051FF08
3H062AA02
3H062BB01
3H062CC02
3H062DD01
3H062FF38
3H062HH04
3H062HH08
3H062HH09
(57)【要約】
弁室(101)及び弁口(102)を有し、弁口(102)は弁室(101)の端部に設けられる弁座(10)と、弁座(10)に固定して設けられ、且つ弁口(102)に対向して設けられ、第1ガイド孔(201)を有し、第1ガイド孔(201)は弁室(101)に連通するガイドスリーブ(20)と、ガイドスリーブ(20)内に移動可能に設けられ、一端が第1ガイド孔(201)から穿出して弁口(102)に対応して設けられ、第1ガイド孔(201)にクリアランスフィットされ、弁口(102)の開閉を制御するために用いられ、第1ガイド孔(201)内での揺動振幅が0.4°から2.4°であるスピンドル(30)と、を含む電子膨張弁。この電子膨張弁は、従来技術における電子膨張弁の、スピンドルの揺れノイズが大きすぎるという問題を解決することができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁室(101)及び弁口(102)を有し、前記弁口(102)は前記弁室(101)の端部に設けられる弁座(10)と、
前記弁座(10)に固定して設けられ、且つ前記弁口(102)に対向して設けられ、第1ガイド孔(201)を有し、前記第1ガイド孔(201)は前記弁室(101)に連通するガイドスリーブ(20)と、
前記ガイドスリーブ(20)内に移動可能に設けられ、一端が前記第1ガイド孔(201)から穿出して前記弁口(102)に対応して設けられ、前記第1ガイド孔(201)にクリアランスフィットされ、前記弁口(102)の開閉を制御するために用いられ、前記第1ガイド孔(201)内での揺動振幅が0.4°から2.4°であるスピンドル(30)と、
を含む、電子膨張弁。
【請求項2】
前記スピンドル(30)の外側壁と前記第1ガイド孔(201)の孔壁との間の隙間は0.0075mmから0.05mmである、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項3】
前記第1ガイド孔(201)の長さは1.5mmから7mmである、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項4】
前記スピンドル(30)は、軸線方向に沿って順に設けられる円柱セグメント(31)及び円錐セグメント(32)を含み、前記円錐セグメント(32)は前記弁口(102)に近接して設けられ、前記スピンドル(30)は、相対的に設定された封止位置及び最大開度位置を有し、前記スピンドル(30)が前記最大開度位置まで移動した場合、前記円錐セグメント(32)は全体が前記ガイドスリーブ(20)の外側に位置する、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項5】
前記スピンドル(30)が前記最大開度位置まで移動した場合、前記円柱セグメント(31)の前記円錐セグメント(32)に近い端面と前記ガイドスリーブ(20)の前記弁口(102)に近い一端の端面との間の間隔は1mmよりも小さい、請求項4に記載の電子膨張弁。
【請求項6】
前記スピンドル(30)が前記最大開度位置まで移動した場合、前記円柱セグメント(31)の前記円錐セグメント(32)に近い端面と前記ガイドスリーブ(20)の前記弁口(102)に近い端面とは面一になる、請求項5に記載の電子膨張弁。
【請求項7】
前記第1ガイド孔(201)の両端の内周面にはいずれも面取りが設けられる、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項8】
前記ガイドスリーブ(20)には第2ガイド孔(202)が更に設けられ、前記第2ガイド孔(202)は、前記第1ガイド孔(201)と同軸に設けられ、前記第1ガイド孔(201)の前記弁室(101)から離れた一端に位置し、且つ前記第1ガイド孔(201)に連通し、前記第2ガイド孔(202)の孔径は前記第1ガイド孔(201)の孔径よりも大きく、前記電子膨張弁は、バネスリーブ(41)及びバネ(42)を更に含み、前記バネスリーブ(41)は、前記第2ガイド孔(202)内に移動可能に設けられ、前記スピンドル(30)の前記弁口(102)から離れた一端は前記バネスリーブ(41)内に位置し、前記バネ(42)は、前記バネスリーブ(41)内に位置し、且つ一端が前記スピンドル(30)に当接する、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項9】
前記電子膨張弁は取り付けチャンバ(60)を更に有し、前記取り付けチャンバ(60)は、前記弁室(101)に連通して設けられて、収容室を形成し、且つ前記弁口(102)に対向して設けられ、前記電子膨張弁は、
前記収容室内に移動可能に設けられ、一端が前記取り付けチャンバ(60)内に位置し、他端が前記弁室(101)内に位置するスクリュ(71)と、
前記バネスリーブ(41)内に設けられ、且つ内輪及び外輪を含み、前記スクリュ(71)の端部は、前記バネスリーブ(41)に差し込まれて、前記内輪に固定接続される軸受(80)と、を更に含む、請求項8に記載の電子膨張弁。
【請求項10】
前記スピンドル(30)の外側壁と前記第1ガイド孔(201)の孔壁との間の隙間をa1とし、前記軸受(80)と前記バネスリーブ(41)との間の隙間をa3とすると、a1はa3以下である、請求項9に記載の電子膨張弁。
【請求項11】
前記バネスリーブ(41)と前記ガイドスリーブ(20)との間の隙間をa4とすると、a1はa4以下である、請求項9に記載の電子膨張弁。
【請求項12】
前記電子膨張弁はガスケット(90)を更に含み、前記ガスケット(90)は、前記バネスリーブ(41)内に設けられ、前記バネ(42)と前記軸受(80)との間に位置し、前記ガスケット(90)の一端は前記バネ(42)の前記スピンドル(30)から離れた一端に当接し、前記ガスケット(90)の他端は前記軸受(80)の外輪に当接する、請求項9に記載の電子膨張弁。
【請求項13】
前記ガスケット(90)と前記バネスリーブ(41)との間の隙間をa2とすると、a1はa2以下である、請求項12に記載の電子膨張弁。
【請求項14】
前記ガスケット(90)と前記バネスリーブ(41)との間の隙間a2の範囲は0.04mmから0.15mmである、請求項12に記載の電子膨張弁。
【請求項15】
前記軸受(80)と前記バネスリーブ(41)との間の隙間a3の範囲は0.04mmから0.15mmである、請求項10に記載の電子膨張弁。
【請求項16】
前記バネスリーブ(41)と前記ガイドスリーブ(20)との間の隙間a4の範囲は0.04mmから0.15mmである、請求項11に記載の電子膨張弁。
【請求項17】
前記ガイドスリーブ(20)は、軸方向に沿って順に接続された本体セグメント(21)及び薄肉セグメント(22)を含み、前記本体セグメント(21)は、対向して設けられた第1端(203)及び第2端(204)を有し、前記薄肉セグメント(22)は前記第1端(203)に接続され、前記第1端(203)の端面及び前記薄肉セグメント(22)は前記弁室(101)内に位置し、前記薄肉セグメント(22)の外径は前記第1端(203)の外径よりも小さく、前記薄肉セグメント(22)の前記本体セグメント(21)に近い一端の外径は、前記薄肉セグメント(22)の前記本体セグメント(21)から離れた一端の外径よりも大きく、前記スピンドル(30)は、一部が前記ガイドスリーブ(20)を貫通して前記弁室(101)内に位置し、前記薄肉セグメント(22)は前記スピンドル(30)をガイドすることができる、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項18】
前記薄肉セグメント(22)の外径と前記薄肉セグメント(22)の内径の差は0.15mmから1.5mmである、請求項17に記載の電子膨張弁。
【請求項19】
前記薄肉セグメント(22)から前記本体セグメント(21)に向かう方向に沿って、前記薄肉セグメント(22)は、テーパセグメント及び直線セグメントの少なくとも一方を含む、請求項18に記載の電子膨張弁。
【請求項20】
前記薄肉セグメント(22)から前記本体セグメント(21)に向かう方向に沿って、前記薄肉セグメント(22)の外径は徐々に増加する、請求項17から19のいずれか一項に記載の電子膨張弁。
【請求項21】
前記電子膨張弁は第1接続管(11)を更に含み、
前記第1接続管(11)は、前記弁座(10)に設けられ、且つ前記弁室(101)に連通し、前記第1接続管(11)の軸線は前記スピンドル(30)の軸線に垂直であり、
ここで、前記第1接続管(11)の半径をRとすると、前記第1端(203)の端面と前記第1接続管(11)の軸線との間の間隔はR-0.5mmからR+0.5mmである、請求項17に記載の電子膨張弁。
【請求項22】
前記第1端(203)の端面と前記第1接続管(11)の軸線との間の間隔をRとする、請求項21に記載の電子膨張弁。
【請求項23】
前記ガイドスリーブ(20)は、段差状に設けられた第1孔セグメント(205)及び第2孔セグメント(206)を有し、前記第1孔セグメント(205)は前記本体セグメント(21)内に位置し、前記第2孔セグメント(206)は、前記第1端(203)の端面及び前記薄肉セグメント(22)内に穿設され、前記スピンドル(30)と係合してそれをガイドするために用いられる、請求項17に記載の電子膨張弁。
【請求項24】
前記第2孔セグメント(206)の長さは1.5mmから7mmであり、前記薄肉セグメント(22)の長さは6mmよりも小さい、請求項23に記載の電子膨張弁。
【請求項25】
前記ガイドスリーブ(20)には面取りが設けられ、前記面取りは、前記第2孔セグメント(206)の両端の内周面にそれぞれ位置する、請求項23に記載の電子膨張弁。
【請求項26】
前記ガイドスリーブ(20)は固定突起(23)を更に含み、前記固定突起(23)は、前記本体セグメント(21)の外側に環状に設けられ、前記本体セグメント(21)の第1端(203)に近接して設けられ、前記弁座(10)に固定接続される、請求項17に記載の電子膨張弁。
【請求項27】
前記弁座(10)には第1接続口(104)及び第2接続口(105)が設けられ、前記第1接続口(104)は前記弁室(101)に連通し、前記弁座(10)には第1移行孔セグメント(106)及び第2移行孔セグメント(107)が更に設けられ、ここで、第1移行孔セグメント(106)、弁口(102)及び第2移行孔セグメント(107)は順に連通し、前記第1移行孔セグメント(106)は前記弁室(101)に連通し、前記第2移行孔セグメント(107)は前記第2接続口(105)に連通し、前記第2移行孔セグメント(107)は、対向して設けられた第3端及び第4端を有し、前記第3端は前記弁口(102)に接続され、前記第3端の直径は前記弁口(102)の直径に等しく、前記第2移行孔セグメント(107)の直径は、第3端から第4端に向かう方向に徐々に大きくなる、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項28】
前記第1移行孔セグメント(106)の前記弁口(102)に近い一端の直径は、前記弁口(102)の直径よりも大きい、請求項27に記載の電子膨張弁。
【請求項29】
前記弁座(10)には第3移行孔セグメント(108)が更に設けられ、前記第3移行孔セグメント(108)は、前記第1移行孔セグメント(106)の前記弁口(102)から離れた一端に位置し、前記第3移行孔セグメント(108)の一端は前記第1移行孔セグメント(106)に連通し、前記第3移行孔セグメント(108)の他端は前記弁室(101)に連通し、前記第3移行孔セグメント(108)の直径は、前記弁口(102)に向かう方向に沿って徐々に小さくなる、請求項28に記載の電子膨張弁。
【請求項30】
前記第1移行孔セグメント(106)及び前記弁口(102)はいずれも円筒セグメントであり、前記第2移行孔セグメント(107)及び前記第3移行孔セグメント(108)は円錐セグメントである、請求項29に記載の電子膨張弁。
【請求項31】
前記第2移行孔セグメント(107)はテーパ孔であり、前記第2移行孔セグメント(107)のテーパ角の範囲は30度から65度である、請求項27に記載の電子膨張弁。
【請求項32】
前記第1移行孔セグメント(106)及び第3移行孔セグメント(108)の長さの合計の範囲は0.5mmから2mmであり、前記弁口(102)の長さの範囲は0.5mmから2mmであり、前記第2移行孔セグメント(107)の長さの範囲は0.5mmから3mmである、請求項27に記載の電子膨張弁。
【請求項33】
前記第1移行孔セグメント(106)の直径の範囲は4.5mmから8mmであり、前記弁口(102)の直径の範囲は1.3mmから3.2mmである、請求項27に記載の電子膨張弁。
【請求項34】
前記第2接続口(105)の前記弁口(102)に近い端面には接続溝(109)があり、前記接続溝(109)は、前記第2移行孔セグメント(107)の外側に環状に設けられる、請求項27に記載の電子膨張弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年9月2日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202122116505.2であり、発明の名称が「電子膨張弁」である特許出願の優先権、2021年9月2日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202122112662.6であり、発明の名称が「電子膨張弁」である特許出願の優先権、2021年9月2日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202122116122.5であり、発明の名称が「電子膨張弁」である特許出願の優先権、2021年9月2日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202122113665.1であり、発明の名称が「弁座及びそれを有する電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張する。
【0002】
本出願はバルブの技術分野に関し、具体的には、電子膨張弁に関する。
【背景技術】
【0003】
電子膨張弁は、新しいタイプの制御要素として、冷却システムのスマート化の重要な構成部分となっている。電子膨張弁は、台座、ガイドスリーブ及びスピンドルを含み、台座は弁室を有し、弁室内には弁口が設けられ、ガイドスリーブは、弁座に固定係合され、且つ弁口に対向して設けられ、スピンドルは、ガイドスリーブ内に移動可能に設けられ、一部がガイドスリーブを貫通して弁室内に位置し、弁口の開閉を制御するために用いられる。しかしながら従来の電子膨張弁は、作動中に、スピンドルが流体により一定の衝撃力を受けるため、この衝撃力の作用により、スピンドルに揺れが発生して、流体に乱れが発生し、最終的には、電子膨張弁の作動中にスピンドルの揺れノイズ及び流体ノイズが発生して、ユーザの使用体験に影響を与える。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、従来技術における電子膨張弁の、スピンドルの揺れノイズが大きすぎるという問題を解決するための電子膨張弁を提供する。
【0005】
本出願は、弁室及び弁口を有し、弁口は弁室の端部に設けられる弁座と、弁座に固定して設けられ、且つ弁口に対向して設けられ、第1ガイド孔を有し、第1ガイド孔は弁室に連通するガイドスリーブと、ガイドスリーブ内に移動可能に設けられ、一端が第1ガイド孔から穿出して弁口に対応して設けられ、第1ガイド孔にクリアランスフィットされ、弁口の開閉を制御するために用いられ、第1ガイド孔内での揺動振幅が0.4°から2.4°であるスピンドルと、を含む電子膨張弁を提供している。
【0006】
本出願の技術態様を適用すると、電子膨張弁が作動している場合、流体によりスピンドルが一定の衝撃力を受けるため、流体の衝撃力の作用により、スピンドルに揺れが発生し、この場合、スピンドルの軸線とガイドスリーブの軸線との間には夾角が存在し、且つスピンドルの軸線とガイドスリーブの軸線との間の夾角は0.2°から1.2°である。スピンドルの軸線とガイドスリーブの軸線との間の夾角が1.2°よりも大きいと、スピンドルの揺動可能範囲が大きくなりすぎて、更には、スピンドルの揺れにより流体に発生する乱れが大きくなりすぎて、最終的には、流体ノイズ及び揺れノイズが大きく発生する一方、スピンドルとガイドスリーブとの同軸度が悪くなって、スピンドルと弁口との係合に不利になる。スピンドルの軸線とガイドスリーブの軸線との間の夾角が0.2°よりも小さいと、スピンドルの側壁と第1ガイド孔の孔壁との間の隙間を確保することができなくなり、スピンドルが繰り返し移動する過程で、スピンドルの側壁が第1ガイド孔の孔壁に接触して、スピンドル及びガイドスリーブが摩耗し、スピンドル及びガイドスリーブの使用寿命に影響を与える可能性がある。従って、スピンドルの揺動振幅を0.4°から2.4°とすることによって、スピンドル及びガイドスリーブの使用寿命を確保すると同時に、スピンドルの揺れノイズ及び流体ノイズを低減させる。
【0007】
更に、スピンドルの外側壁と第1ガイド孔の孔壁との間の隙間は0.0075mmから0.05mmである。このようにすることで、スピンドルとガイドスリーブとの同軸度を確保することができ、更には、スピンドル及びガイドスリーブの使用寿命を確保することができ、電子膨張弁の揺れノイズ及び流体ノイズを低減させることもできる。
【0008】
更に、第1ガイド孔の長さは1.5mmから7mmである。このようにすることで、電子膨張弁の揺れノイズを低減させることができるだけでなく、電子膨張弁の流体ノイズを低減させることもできる。
【0009】
更に、スピンドルは、軸線方向に沿って順に設けられる円柱セグメント及び円錐セグメントを含み、円錐セグメントは弁口に近接して設けられ、スピンドルは、相対的に設定された封止位置及び最大開度位置を有し、スピンドルが最大開度位置まで移動した場合、円錐セグメントは全体がガイドスリーブの外側に位置する。このようにすることで、スピンドルに対するガイドスリーブのガイド効果を確保して、スピンドルの揺れノイズを低減させることができ、スピンドルが弁口の開閉を制御する過程での滑らかさを確保することもできる。
【0010】
更に、スピンドルが最大開度位置まで移動した場合、円柱セグメントの円錐セグメントに近い端面とガイドスリーブの弁口に近い一端の端面との間の間隔は1mmよりも小さい。上記の構成によって、スピンドルの揺れノイズを低減させることができるだけでなく、流体ノイズを低減させることもできる。
【0011】
更に、スピンドルが最大開度位置まで移動した場合、円柱セグメントの円錐セグメントに近い端面とガイドスリーブの弁口に近い端面とは面一になる。このようにすることで、スピンドルに対するガイドスリーブのガイド効果を確保して、スピンドルの揺れノイズを低減させることができるだけでなく、スピンドルが弁室内で占めるスペースが大きすぎることに起因する乱流現象を低減させて、流体ノイズを低減させることもできる。
【0012】
更に、第1ガイド孔の両端の内周面にはいずれも面取りが設けられる。面取りを設けることによって、スピンドルとガイドスリーブとの組み立てを容易にすることができると同時に、スピンドルの移動過程での滑らかさを向上させることもできる。
【0013】
更に、ガイドスリーブには第2ガイド孔が更に設けられ、第2ガイド孔は、第1ガイド孔と同軸に設けられ、第1ガイド孔の弁室から離れた一端に位置し、且つ第1ガイド孔に連通し、第2ガイド孔の孔径は第1ガイド孔の孔径よりも大きく、電子膨張弁は、バネスリーブ及びバネを更に含み、バネスリーブは、第2ガイド孔内に移動可能に設けられ、スピンドルの弁口から離れた一端はバネスリーブ内に位置し、バネは、バネスリーブ内に位置し、且つ一端がスピンドルに当接する。バネ及びバネスリーブを設けることによって、スピンドルの移動及びスピンドルの揺れに対して緩衝の役割を果たし、スピンドルの移動過程での滑らかさを確保することができ、スピンドルの揺れにより発生する揺れノイズを低減させることもできる。
【0014】
更に、電子膨張弁は取り付けチャンバを更に有し、取り付けチャンバは、弁室に連通して設けられて、収容室を形成し、且つ弁口に対向して設けられ、電子膨張弁は、収容室内に移動可能に設けられ、一端が取り付けチャンバ内に位置し、他端が弁室内に位置するスクリュと、バネスリーブ内に設けられ、且つ内輪及び外輪を含み、スクリュの端部は、バネスリーブに差し込まれて、内輪に固定接続される軸受と、を更に含む。
【0015】
更に、電子膨張弁はガスケットを更に含み、ガスケットは、バネスリーブ内に設けられ、バネと軸受との間に位置し、ガスケットの一端はバネのスピンドルから離れた一端に当接し、ガスケットの他端は軸受の外輪に当接する。このようにすることで、スピンドルの移動過程での滑らかさを確保して、電子膨張弁が作動する際に発生する流体ノイズ及び機械ノイズを低減させることができる。
【0016】
更に、ガスケットとバネスリーブとの間の隙間をa2とすると、a1はa2以下である。a1がa2よりも大きいと、スピンドルとガイドスリーブとの間の隙間が大きくなるため、スピンドルと弁口との同軸度が悪くなり、スピンドルが移動する際に揺れが発生する。従って、a1をa2以下とすることによって、スピンドルとガイドスリーブとの同軸度を良好に保つことができ、スピンドルの揺れが小さくなり、機械ノイズが小さくなる。
【0017】
更に、軸受とバネスリーブとの間の隙間をa3とすると、a1はa3以下である。a1がa3よりも大きいと、スピンドルとガイドスリーブとの間の隙間が大きくなり、更には、スピンドルと弁口との同軸度が悪くなる。従って、a1をa3以下とすることによって、スピンドルとガイドスリーブとの同軸度を良好に保つことができ、スピンドルの揺れが小さくなり、機械ノイズが小さくなる。
【0018】
更に、バネスリーブとガイドスリーブとの間の隙間をa4とすると、a1はa4以下である。a1がa4よりも大きいと、スピンドルとガイドスリーブとの間の隙間が大きくなるため、スピンドルと弁口との同軸度が悪くなり、スピンドルが移動する際に、揺れが発生し、且つノイズが大きく発生する。従って、a1をa4以下とすることによって、スピンドルとガイドスリーブとの同軸度を良好に保つことができ、スピンドルの揺れが小さくなり、機械ノイズが小さくなる。
【0019】
更に、ガスケットとバネスリーブとの間の隙間a2の範囲は0.04mmから0.15mmである。a2が0.04mmよりも小さいと、ガスケットとバネスリーブとの間の摩擦力が大きくなる。a2が0.15mmよりも大きいと、ガスケットとバネスリーブとの同軸度が悪くなるため、バネ及びスピンドルと弁口との同軸度が悪くなる。
【0020】
更に、軸受とバネスリーブとの間の隙間a3の範囲は0.04mmから0.15mmである。a3が0.04mmよりも小さいと、軸受とバネスリーブとの間の摩擦力が大きくなる。a3が0.15mmよりも大きいと、軸受とバネスリーブとの同軸度が悪くなるため、軸受と一体であるスクリュと弁口との同軸度が悪くなる。
【0021】
更に、バネスリーブとガイドスリーブとの間の隙間a4の範囲は0.04mmから0.15mmである。a4が0.04mmよりも小さいと、ガイドスリーブとバネスリーブとの間の摩擦力が大きくなる。a4が0.15mmよりも大きいと、ガイドスリーブと弁口との同軸度が悪くなるため、バネスリーブと弁口との同軸度が悪くなる。
【0022】
更に、ガイドスリーブは、軸方向に沿って順に接続された本体セグメント及び薄肉セグメントを含み、本体セグメントは、対向して設けられた第1端及び第2端を有し、薄肉セグメントは第1端に接続され、第1端の端面及び薄肉セグメントは弁室内に位置し、薄肉セグメントの外径は第1端の外径よりも小さく、また、薄肉セグメントの本体セグメントに近い一端の外径は、薄肉セグメントの本体セグメントから離れた一端の外径よりも大きく、スピンドルは、ガイドスリーブ内に移動可能に設けられ、一部がガイドスリーブを貫通して弁室内に位置し、弁口の開閉を制御するために用いられ、薄肉セグメントはスピンドルをガイドすることができる。
【0023】
本出願によって提供される技術態様を用いることによって、流体は、弁室に流入した場合、スピンドルに接触して、スピンドル及びガイドスリーブに一定の衝撃力を与える。上記の構成によって、ガイドスリーブの弁口に近い一端とスピンドルとの間に形成される段差構造の高低差を減少させることができ、更には、流体がこの段差構造に衝撃を与えることによって発生する乱流現象を減少させて、電子膨張弁が作動する際に発生する流体ノイズを低減させることができる。
【0024】
更に、薄肉セグメントの外径と薄肉セグメントの内径の差は0.15mmから1.5mmである。このようにすることで、薄肉セグメントの構造強度を確保することができる。
【0025】
更に、薄肉セグメントから本体セグメントに向かう方向に沿って、薄肉セグメントは、テーパセグメント及び直線セグメントの少なくとも一方を含む。このようにすることで、ガイドスリーブを異なる構造の電子膨張弁に適用させて、ガイドスリーブの適性を向上させることができる。
【0026】
更に、薄肉セグメントから本体セグメントに向かう方向に沿って、薄肉セグメントの外径は徐々に増加する。このようにすることで、流体が薄肉セグメントの外周面の急激な変化により発生する流体ノイズを低減させることができる。
【0027】
更に、電子膨張弁は第1接続管を更に含み、第1接続管は、弁座に設けられ、且つ弁室に連通し、第1接続管の軸線はスピンドルの軸線に垂直であり、ここで、第1接続管の半径をRとすると、第1端の端面と第1接続管の軸線との間の間隔はR-0.5mmからR+0.5mmである。第1端の端面と第1接続管の軸線との間の間隔をR-0.5mmからR+0.5mmとすることによって、ガイドスリーブが弁室内で占めるスペースを減少させ、弁室内の流体が流れることができるスペースを確保して、流体が流れることができるスペースが小さすぎることによって発生する乱流現象を減少させることができ、更には、電子膨張弁の作動中に発生する流体ノイズを低減させることができる。
【0028】
更に、第1端の端面と第1接続管の軸線との間の間隔をRとする。このようにすることで、スピンドルに対するガイドスリーブのガイド効果を確保することができるだけでなく、ガイドスリーブが弁室内で占めるスペースを減少させることもできる。更には、スピンドルの揺れにより発生する機械ノイズを低減させることができるだけでなく、弁室内の流体が流れるためのスペースが小さすぎることによって発生する流体ノイズを低減させることもできる。
【0029】
更に、ガイドスリーブは、段差状に設けられた第1孔セグメント及び第2孔セグメントを有し、第1孔セグメントは本体セグメント内に位置し、第2孔セグメントは、第1端の端面及び薄肉セグメント内に穿設され、スピンドルと係合してそれをガイドするために用いられる。このようにすることで、スピンドルの移動及び取り付け過程での滑らかさを確保することができると同時に、スピンドルと係合する他の部材を第2孔セグメント内に取り付けることも容易になる。
【0030】
更に、第2孔セグメントの長さは1.5mmから7mmであり、薄肉セグメントの長さは6mmよりも小さい。このようにすることで、ガイドスリーブとスピンドルとの係合長さを確保することができるだけでなく、ガイドスリーブが弁室内で占めるスペースを減少させることもでき、更には、電子膨張弁が作動する際のスピンドルの揺れによる機械ノイズ及び流体ノイズを全体的に低減させることもできる。
【0031】
更に、ガイドスリーブには面取りが設けられ、面取りは、第2孔セグメントの両端の内周面にそれぞれ位置する。面取りを設けることによって、スピンドルの組み立てに対してガイドの役割を果たして、スピンドルの取り付けを容易にすることができる。
【0032】
更に、ガイドスリーブは固定突起を更に含み、固定突起は、本体セグメントの外側に環状に設けられ、本体セグメントの第1端に近接して設けられ、弁座に固定接続される。このようにすることで、ガイドスリーブと弁座との接触面積を確保することができ、更には、ガイドスリーブと弁座との組み立ての安定性を確保することができる。
【0033】
更に、弁座には第1接続口及び第2接続口が設けられ、第1接続口は弁室に連通し、弁座には第1移行孔セグメント及び第2移行孔セグメントが更に設けられ、ここで、第1移行孔セグメント、弁口及び第2移行孔セグメントは順に連通し、第1移行孔セグメントは弁室に連通し、第2移行孔セグメントは第2接続口に連通し、第2移行孔セグメントは、対向して設けられた第1端及び第2端を有し、第1端は弁口に接続され、第1端の直径は弁口の直径に等しく、第2移行孔セグメントの直径は、第1端から第2端に向かう方向に徐々に大きくなる。第1接続口及び第2接続口は、使用環境における機器にそれぞれ接続され、流体は、第1接続口から第2接続口に流れるか、あるいは、第2接続口から第1接続口に流れる。
【0034】
本出願の技術態様を適用すると、第2移行孔セグメントの第1端は弁口に接続され、第1端の直径は弁口の直径に等しく、第2移行孔セグメントの直径は、第1端から第2端に向かう方向に徐々に大きくなり、このようにすることで、流体が、第1接続口から第2接続口に流れるか、あるいは、第2接続口から第1接続口に流れる場合、弁口及び第2移行孔セグメントを流れる際に、流体が流れる通路の直径は、急激に増減することがなく、徐々に変化するため、流体は緩やかに流れることができ、これにより、流体に渦巻きが発生する可能性を低減させることができるため、したがって電子膨張弁に発生するノイズを低減させることができる。
【0035】
更に、第1移行孔セグメントの弁口に近い一端の直径は、弁口の直径よりも大きい。このようにすることで、流体が第1接続口から第2接続口に流れる場合、液体は第1移行孔セグメントに留まり、液体流体に含まれている気体は弁室内に溢れ出るため、より多くの液状流体が弁口を通過するようにし、流体が弁口を流れる際のノイズを低減させることができる。
【0036】
更に、弁座には第3移行孔セグメントが更に設けられ、第3移行孔セグメントは、第1移行孔セグメントの弁口から離れた一端に位置し、第3移行孔セグメントの一端は第1移行孔セグメントに連通し、第3移行孔セグメントの他端は弁室に連通し、第3移行孔セグメントの直径は、弁口に向かう方向に沿って徐々に小さくなる。第3移行孔セグメントの直径が弁口に向かう方向に沿って徐々に小さくなるため、流体が、第1移行孔セグメントから第3移行孔セグメントに流れるか、あるいは、第3移行孔セグメントから第1移行孔セグメントに流れる場合、流体が流れる通路の直径が徐々に変化して流体を緩衝し、流体が流れる際の騒音が小さくなり、更には、電子膨張弁が作動する際に発生するノイズが小さくなる。
【0037】
更に、第1移行孔セグメント及び弁口はいずれも円筒セグメントであり、第2移行孔セグメント及び第3移行孔セグメントは円錐セグメントである。このようにすることで、弁座の加工プロセスが簡素化される。円錐セグメントの直径が徐々にゆっくりと変化するため、流体が流れる通路の直径は徐々に変化し、大きな渦巻きが発生することが回避され、更には、流体の流れによって発生する騒音が小さくなる。
【0038】
更に、第2移行孔セグメントはテーパ孔であり、第2移行孔セグメントのテーパ角の範囲は30度から65度である。このようにすることで、第2移行孔セグメントの直径の変化が緩やかになり、流体が流れる際の騒音が更に低減される。
【0039】
更に、第1移行孔セグメント及び第3移行孔セグメントの長さの合計の範囲は0.5mmから2mmであり、弁口の長さの範囲は0.5mmから2mmであり、第2移行孔セグメントの長さの範囲は0.5mmから3mmである。これにより、弁座の加工が簡単且つ容易になる。
【0040】
更に、第1移行孔セグメントの直径の範囲は4.5mmから8mmであり、弁口の直径の範囲は1.3mmから3.2mmである。このようにすることで、液体流体が第1移行孔セグメントにおいて弁口まで流れてきた場合、液状流体が第1移行孔セグメントに留まる時間が長くなるため、液体流体中の多くの気体が溢れ出るようになり、流体が流れる際の騒音が低減される。
【0041】
更に、第2接続口の弁口に近い端面には接続溝があり、接続溝は、第2移行孔セグメントの外側に環状に設けられる。接続溝は、第2接続管を接続するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願を不適切に限定するものではない。
【0043】
【
図1】本出願の実施例1によって提供される電子膨張弁の弁座、ガイドスリーブ及びスピンドルが組み立てられた場合の構成模式図を示す。
【
図3】本出願の実施例1によって提供されるガイドスリーブの構成模式図を示す。
【
図4】
図1におけるガイドスリーブとスピンドルとが係合された場合の構成模式図を示す。
【
図5】本出願の実施例1によって提供される電子膨張弁の構成模式図を示す。
【
図7】本出願の実施例2によって提供される電子膨張弁の構成模式図を示す。
【
図9】本出願の実施例2によって提供されるガイドスリーブの構成模式図を示す。
【
図10】本出願の実施例2によって提供されるガイドスリーブの寸法模式図を示す。
【
図11】本出願の実施例2によって提供されるガイドスリーブと弁座とが係合された場合の構成模式図を示す。
【
図12】本出願の実施例3によって提供される電子膨張弁の構成模式図を示す。
【
図13】本出願の実施例3によって提供される弁座の構成模式図を示す。
【
図14】本出願の実施例3によって提供される弁座の寸法図を示す。
【0044】
ここで、上記の図面には、以下の符号が含まれる。
10 弁座、101 弁室、102 弁口、
103 取り付け孔、104 第1接続口、105 第2接続口、
106 第1移行孔セグメント、107 第2移行孔セグメント、108 第3移行孔セグメント、109 接続溝、
11 第1接続管、12 第2接続管、
20 ガイドスリーブ、201 第1ガイド孔、202 第2ガイド孔、
203 第1端、204 第2端、205 第1孔セグメント、206 第2孔セグメント、
21 本体セグメント、22 薄肉セグメント、23 固定突起、
30 スピンドル、31 円柱セグメント、32 円錐セグメント、
41 バネスリーブ、42 バネ、
60 取り付けチャンバ、
71 スクリュ、72 ナットスリーブ、
80 軸受、
90 ガスケット。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本出願の実施例における図面を参照して、本出願の実施例における技術態様を明瞭且つ完全に記述するが、記述される実施例は、単に本出願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。以下、少なくとも1つの例示的な実施例の記述は、実際には、単に説明的なものにすぎず、本出願及びその適用又は使用に対して何ら制限するものではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力なしに得られた全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属するものとする。
【0046】
図1から
図4に示すように、本出願の実施例は、弁座10、ガイドスリーブ20及びスピンドル30を含む電子膨張弁を提供する。ここで、弁座10は、弁室101及び弁口102を有し、弁口102は弁室101の端部に設けられ、ガイドスリーブ20は、弁座10に固定して設けられ、且つ弁口102に対向して設けられ、第1ガイド孔201を有し、第1ガイド孔201は弁室101に連通し、スピンドル30は、ガイドスリーブ20内に移動可能に設けられ、一端が第1ガイド孔201から穿出して弁口102に対応して設けられ、第1ガイド孔201にクリアランスフィットされ、弁口102の開閉を制御するために用いられ、第1ガイド孔201内での揺動振幅が0.4°から2.4°である。即ち、スピンドル30の弁口102に近い一端と弁口102との間の距離が最大値に達するまでスピンドル30が揺動すると、スピンドル30の軸線とガイドスリーブ20の軸線との間の夾角の角度の2倍がスピンドル30の揺動振幅となる。
【0047】
本出願の技術態様を適用すると、電子膨張弁が作動している場合、流体によりスピンドル30が一定の衝撃力を受けるため、流体の衝撃力の作用により、スピンドル30に揺れが発生し、この場合、スピンドル30の軸線とガイドスリーブ20の軸線との間には夾角が存在し、且つスピンドル30の軸線とガイドスリーブ20の軸線との間の夾角は0.2°から1.2°である。具体的には、
図4に示すように、スピンドル30の軸線とガイドスリーブ20の軸線との間の夾角をaとすると、aは具体的に0.2°、0.6°、1.2°になり得る。本実施例では、aは1°である。スピンドル30の軸線とガイドスリーブ20の軸線との間の夾角が1.2°よりも大きいと、スピンドル30の揺動可能範囲が大きくなりすぎて、更には、スピンドル30の揺れにより流体に発生する乱れが大きくなりすぎて、最終的には、流体ノイズ及び揺れノイズが大きく発生する一方、スピンドル30とガイドスリーブ20との同軸度が悪くなって、スピンドル30と弁口102との係合に不利になる。スピンドル30の軸線とガイドスリーブ20の軸線との間の夾角が0.2°よりも小さいと、スピンドル30の側壁と第1ガイド孔201の孔壁との間の隙間を確保することができなくなり、スピンドル30が繰り返し移動する過程で、スピンドル30の側壁が第1ガイド孔201の孔壁に接触して、スピンドル30及びガイドスリーブ20が摩耗し、スピンドル30及びガイドスリーブ20の使用寿命に影響を与える可能性がある。従って、スピンドル30の揺動振幅を0.4°から2.4°とすることによって、スピンドル30及びガイドスリーブ20の使用寿命を確保すると同時に、スピンドル30の揺れノイズ及び流体ノイズを低減させる。
【0048】
更に、スピンドル30の外側壁と第1ガイド孔201の孔壁との間の隙間は0.0075mmから0.05mmである。ここで、スピンドルの外側壁と第1ガイド孔201との間の隙間は0.01mmから0.05mmとすることができ、具体的には、スピンドル30の外側壁と第1ガイド孔201の孔壁との間の隙間をa1とすると、a1は具体的に0.01mm、0.03mm、0.05mmになり得る。本実施例では、a1は0.04mmである。スピンドル30の外側壁と第1ガイド孔201の孔壁との間の隙間が0.01mmよりも小さいと、スピンドル30とガイドスリーブ20との組み立てが容易でなくなり、スピンドル30がガイドスリーブ20に対して移動する際に、両者の間の摩擦力が大きくなるため、スピンドル30の動きに対する抵抗が大きくなって、両者が互いに摩耗し、スピンドル30の移動の滑らかさに影響を与えると同時に、スピンドル30及びガイドスリーブ20の寿命にも影響を与える。スピンドル30の外側壁と第1ガイド孔201の孔壁との間の隙間が0.05mmよりも大きいと、スピンドル30の揺動可能範囲が大きくなり、更には、スピンドル30と弁口102との同軸度が悪くなり、最終的には、電子膨張弁の作動中に、流体ノイズ及び揺れノイズが大きく発生して、ユーザの体験に影響を与える。従って、スピンドル30の外側壁と第1ガイド孔201の孔壁との間の隙間を0.0075mmから0.05mmとすることによって、スピンドル30及びガイドスリーブ20の使用寿命を確保すると同時に、スピンドル30の揺れノイズ及び流体ノイズを低減させることができる。
【0049】
更に、第1ガイド孔201の長さは1.5mmから7mmとする。具体的には、
図2に示すように、第1ガイド孔201の長さをDとすると、Dは具体的に1.5mm、4mm、7mmになり得る。本実施例では、第1ガイド孔201の長さはD=6mmである。第1ガイド孔201の長さが1.5mmよりも小さいと、スピンドル30に対するガイドスリーブ20のガイド効果が悪くなるため、スピンドル30の揺れ幅が大きくなって、流体ノイズ及び揺れノイズが大きく発生する。第1ガイド孔201の長さが7mmよりも大きいと、ガイドスリーブ20が弁室101内で占めるスペースが大きくなりすぎて、乱流現象を引き起こし、流体ノイズが発生する可能性がある。従って、第1ガイド孔201の長さを1.5mmから7mmとすることによって、電子膨張弁の揺れノイズを低減させることができるだけでなく、電子膨張弁の流体ノイズを低減させることもできる。
【0050】
図1及び
図4に示すように、スピンドル30は、軸線方向に沿って順に設けられる円柱セグメント31及び円錐セグメント32を含み、円錐セグメント32は弁口102に近接して設けられ、スピンドル30は、相対的に設定された封止位置及び最大開度位置を有し、スピンドル30が最大開度位置まで移動した場合、円錐セグメント32は全体がガイドスリーブ20の外側に位置する。このようにすることで、スピンドル30が最大開度まで移動した場合、スピンドル30に対するガイドスリーブ20のガイド効果を確保し、スピンドル30の揺れ幅を減少させ、流体ノイズ及び揺れノイズを低減させることができる。同時に、円錐セグメント32の円柱セグメント31から離れた一端と弁口102との間の間隔を確保し、スピンドル30が弁口102の開閉を制御する過程での滑らかさを確保することができる。
【0051】
更に、スピンドル30が最大開度位置まで移動した場合、円柱セグメント31の円錐セグメント32に近い端面とガイドスリーブ20の弁口102に近い一端の端面との間の間隔は1mmよりも小さい。このようにすることで、スピンドル30に対するガイドスリーブ20のガイドの役割を確保すると同時に、スピンドル30が弁室101内で占めるスペースを減少させ、電子膨張弁の作動中にスピンドル30による乱流を減少させて、流体ノイズを更に低減させることができる。従って、上記の構成によって、スピンドル30の揺れノイズを低減させることができるだけでなく、流体ノイズを低減させることもできる。
【0052】
具体的には、スピンドル30が最大開度位置まで移動した場合、円柱セグメント31の円錐セグメント32に近い端面とガイドスリーブ20の弁口102に近い端面とは面一になる。このようにすることで、スピンドル30に対するガイドスリーブ20のガイド効果を確保して、スピンドル30の揺れノイズを低減させることができるだけでなく、スピンドル30が弁室101内で占めるスペースが大きすぎることに起因する乱流現象を低減させて、流体ノイズを低減させることもできる。
【0053】
ここで、第1ガイド孔201の両端の内周面にはいずれも面取りが設けられる。面取りを設けることによって、スピンドル30とガイドスリーブ20との組み立てを容易にすることができると同時に、スピンドル30の移動過程での滑らかさを向上させることもできる。
【0054】
図3、
図5及び
図6に示すように、ガイドスリーブ20には第2ガイド孔202が更に設けられ、第2ガイド孔202は、第1ガイド孔201と同軸に設けられ、第1ガイド孔201の弁室101から離れた一端に位置し、且つ第1ガイド孔201に連通し、第2ガイド孔202の孔径は第1ガイド孔201の孔径よりも大きく、電子膨張弁は、バネスリーブ41及びバネ42を更に含み、バネスリーブ41は、第2ガイド孔202内に移動可能に設けられ、スピンドル30の弁口102から離れた一端はバネスリーブ41内に位置し、バネ42は、バネスリーブ41内に位置し、且つ一端がスピンドル30に当接する。スピンドル30が移動する過程で、バネ42は、スピンドル30の移動に対して緩衝の役割を果たし、スピンドル30の移動過程での安定性を確保し、流体がスピンドル30に衝撃を与える過程で、バネ42は、スピンドル30の揺れに対して緩衝の役割を果たし、スピンドル30の揺れ幅を減少させ、更には、スピンドル30の揺れにより発生する機械ノイズを低減させる。バネスリーブ41を設けることによって、バネ42の伸長又は収縮に対してガイドの役割を果たし、バネ42の伸縮過程での安定性を確保し、更には、スピンドル30に対するバネ42の緩衝効果を確保することができる。
【0055】
更に、電子膨張弁は取り付けチャンバ60を更に有し、取り付けチャンバ60は、弁室101に連通して設けられて、収容室を形成し、且つ弁口102に対向して設けられ、電子膨張弁は、スクリュ71及び軸受80を更に含む。ここで、スクリュ71は、収容室内に移動可能に設けられ、一端が取り付けチャンバ60内に位置し、他端が弁室101内に位置し、軸受80は、バネスリーブ41内に設けられ、且つ内輪及び外輪を含み、スクリュ71の端部は、バネスリーブ41に差し込まれて、内輪に固定接続される。本実施例では、収容室内にはナットスリーブ72が更に設けられ、スクリュ71は、ナットスリーブ72に螺合され、且つ弁口102に近づいたり、弁口102から離れたりする。上記の構成によって、各部材の配置形式が合理的になり、構造がコンパクトになり、ガイドスリーブ20が軸受80の移動に対してガイドの役割を果たし、軸受80の移動過程での安定性を確保し、更には、スクリュ71の移動過程での安定性を確保することができ、スクリュ71が軸受80の内輪に固定接続されることによって、スクリュ71の回転過程での安定性を確保し、スクリュ71の動きの直線性を確保することができる。
【0056】
更に、電子膨張弁はガスケット90を更に含み、ガスケット90は、バネスリーブ41内に設けられ、バネ42と軸受80との間に位置し、ガスケット90の一端はバネ42のスピンドル30から離れた一端に当接し、ガスケット90の他端は軸受80の外輪に当接する。スクリュ71が回転して弁口102に近づく過程で、スクリュ71の移動により軸受80が動かされて移動し、軸受80の移動によりガスケット90の移動が駆動され、この場合、バネ42は圧縮され、スピンドル30は弁口102に近づくように移動し、スクリュ71が回転して弁口102から離れる過程で、スクリュ71の移動により軸受80が動かされて移動し、この場合、スクリュ71が移動を停止するまで、バネ42の弾性力の作用により、ガスケット90は常に軸受80に当接する。ガスケット90を設けることによって、軸受80がバネ42に直接接触することを回避し、軸受80の回転過程及びバネ42の伸縮過程で、両者が互いに干渉することを回避することができ、バネ42が受ける力の均一性を確保し、スピンドル30の移動過程での安定性及び滑らかさを確保し、電子膨張弁が作動する際に発生する機械ノイズ及び流体ノイズを低減させることができる。
【0057】
本出願の技術態様を適用すると、スピンドル30の移動過程での抵抗を減少させて、スピンドル30の移動過程での滑らかさを確保することができるだけでなく、流体がスピンドル30に衝撃を与える際のスピンドル30の揺れ幅を減少させ、スピンドル30が揺れる場合に発生する機械ノイズ及び流体ノイズを低減させ、ユーザの体験を向上させることもできる。
【0058】
図5及び
図6に示すように、具体的には、スピンドル30の外側壁と第1ガイド孔201の孔壁との間の隙間をa1とすると、a1は0.0075mmから0.04mmとしてもよい。スピンドル30と弁口102とが良好な同軸度を維持するように、ガイドスリーブ20の第1ガイド孔201がスピンドル30をガイドするが、a1が0.0075mmよりも小さいと、スピンドル30と第1ガイド孔201との間の隙間が小さすぎて、スピンドル30がガイドスリーブ20に対して移動する際に、両者の間の摩擦が大きくなるため、スピンドル30の動きに対する抵抗が大きくなり、隙間が小さすぎるために詰りが発生する可能性もある。a1が0.04mmよりも大きいと、スピンドル30と第1ガイド孔201との同軸度が悪くなるため、スピンドル30と弁口102との同軸度が悪くなり、更には、スピンドル30が動く際に、揺れが大きく、機械騒音又は流体騒音が大きいという問題が発生しやすくなる。従って、a1の範囲を0.0075mmから0.04mmとすることによって、スピンドル30の動きの抵抗、スピンドル30の揺れ、電子膨張弁の機械騒音又は流体騒音を小さく保つことができる。具体的には、a1の範囲は0.0075mm、0.025mm又は0.04mmであり得る。
【0059】
本出願の技術態様を適用すると、スピンドル30の外周とガイドスリーブ20の第1ガイド孔201の内壁との間の隙間a1の範囲は0.0075mmから0.04mmである。a1の範囲を0.0075mmから0.04mmとすることによって、スピンドル30と弁口102との同軸度を確保し、スピンドル30の動きの抵抗、スピンドル30の揺れ、電子膨張弁の機械騒音又は流体騒音を小さくすることができる。
【0060】
ガスケット90とバネスリーブ41との間の隙間をa2とすると、a1はa2以下である。a1がa2よりも大きいと、スピンドル30と第2ガイド孔202との同軸度が悪くなるため、スピンドル30と弁口102との同軸度が悪くなり、スピンドル30が移動する際に、揺れが発生し、且つノイズが大きくなる。従って、a1をa2以下とすることによって、スピンドル30と弁口102との同軸度を良好に保つことができ、スピンドル30が移動する際に、揺れが小さくなり、機械ノイズが小さくなる。
【0061】
具体的には、軸受80とバネスリーブ41との間の隙間をa3とすると、a1はa3以下である。a1がa3よりも大きいと、スピンドル30と第2ガイド孔202との同軸度が悪くなるため、スピンドル30と弁口102との同軸度が悪くなり、スピンドル30が移動する際に、揺れが発生し、且つノイズが大きくなる。従って、a1をa3以下とすることによって、スピンドル30と弁口102との同軸度を良好に保つことができ、スピンドル30の揺れが小さくなり、機械ノイズが小さくなる。
【0062】
具体的には、バネスリーブ41とガイドスリーブ20との間の隙間をa4とすると、a1はa4以下である。a1がa4よりも大きいと、スピンドル30と第2ガイド孔202との同軸度が悪くなるため、スピンドル30と弁口102との同軸度が悪くなり、スピンドル30が移動する際に、揺れが発生し、且つ機械ノイズ及び流体ノイズが大きく発生する。従って、a1をa4以下とすることによって、スピンドル30と弁口102との同軸度を良好に保つことができ、スピンドル30の揺れが小さくなり、機械ノイズが小さくなる。
【0063】
具体的には、ガスケット90とバネスリーブ41との間の隙間a2の範囲は0.04mmから0.15mmである。a2が0.04mmよりも小さいと、ガスケット90とバネスリーブ41との間の摩擦力が大きくなり、機械ノイズが大きくなり、ガスケット90の動きの抵抗が大きくなる。a2が0.15mmよりも大きいと、ガスケット90とバネスリーブ41との同軸度が悪くなるため、ガスケット90と弁口102との同軸度が悪くなり、更には、バネ42及びスピンドル30と弁口102との同軸度がいずれも悪くなって、スピンドルが動く際のスピンドル30の揺れが大きくなり、機械ノイズが大きくなり、流体ノイズが大きくなる。具体的には、ガスケット90とバネスリーブ41との間の隙間a2は0.04mm、0.1mm又は0.15mmであり得る。
【0064】
具体的には、軸受80とバネスリーブ41との間の隙間a3の範囲は0.04mmから0.15mmである。a3が0.04よりも小さいと、軸受80とバネスリーブ41との間の摩擦力が大きくなって、軸受80の動きの抵抗が大きくなるため、スピンドル30の応答が遅くなり、ノイズが大きく発生する。a3が0.15mmよりも大きいと、軸受80とバネスリーブ41との同軸度が悪くなるため、軸受と一体であるスクリュ71と弁口102との同軸度が悪くなり、更には、ガスケット90、バネ42及びスピンドル30と弁口102との同軸度がいずれも悪くなって、スピンドルが動く際のスピンドル30の揺れが大きくなり、機械ノイズが大きくなり、流体ノイズが大きくなる。具体的には、軸受80とバネスリーブ41との間の隙間a3は0.04mm、0.1mm又は0.15mmであり得る。
【0065】
具体的には、バネスリーブ41とガイドスリーブ20との間の隙間a4の範囲は0.04mmから0.15mmである。a4が0.04mmよりも小さいと、ガイドスリーブ20とバネスリーブ41との間の摩擦力が大きくなって、バネスリーブ41の動きの抵抗が大きくなるため、スピンドル30の応答が遅くなる。a4が0.15mmよりも大きいと、ガイドスリーブ20とバネスリーブ41との同軸度が悪くなるため、スピンドル30と弁口102との同軸度が悪くなって、スピンドルが動く際のスピンドル30の揺れが大きくなり、機械ノイズが大きくなり、流体ノイズが大きくなる。具体的には、バネスリーブ41とガイドスリーブ20との間の隙間a4は0.04mm、0.1mm又は0.15mmであり得る。
【0066】
本技術態様では、スピンドル30の外周とガイドスリーブ20の第2ガイド孔202の内壁との間の隙間a1の範囲が0.0075mmから0.04mmであることによって、スピンドル30と弁口102との同軸度を確保することができ、スピンドル30の動きの抵抗が小さくなり、スピンドル30の揺れが小さくなり、電子膨張弁の機械騒音又は流体騒音が小さくなる。なお、ガスケット90とバネスリーブ41との間の隙間をa2とすると、a1はa2以下であり、軸受80とバネスリーブ41との間の隙間をa3とすると、a1はa3以下であり、バネスリーブ41とガイドスリーブ20との間の隙間をa4とすると、a1はa4以下であり、このようにすることで、スピンドル30と弁口102との同軸度を良好に保つことができ、スピンドル30の揺れが小さくなり、機械ノイズが小さくなる。
【0067】
図7から
図11に示すように、本出願の実施例2では、ガイドスリーブ20は、軸方向に沿って順に接続された本体セグメント21及び薄肉セグメント22を含み、本体セグメント21は、対向して設けられた第1端203及び第2端204を有し、薄肉セグメント22は第1端203に接続され、第1端203の端面及び薄肉セグメント22は弁室101内に位置し、薄肉セグメント22の外径は第1端203の外径よりも小さく、薄肉セグメント22の本体セグメント21に近い一端の外径は、薄肉セグメント22の本体セグメント21から離れた一端の外径よりも大きい。スピンドル30は、ガイドスリーブ20内に移動可能に設けられ、一部がガイドスリーブ20を貫通して弁室101内に位置し、弁口102の開閉を制御するために用いられ、薄肉セグメント22はスピンドル30をガイドすることができる。
【0068】
本出願によって提供される技術態様を用いることによって、流体は、弁室101に流入した場合、スピンドル30に接触して、スピンドル30及びガイドスリーブ20に一定の衝撃力を与える。上記の構成によって、ガイドスリーブ20の弁口102に近い一端とスピンドル30との間に形成される段差構造の高低差を減少させることができ、更には、流体がこの段差構造に衝撃を与えることによって発生する乱流現象を減少させて、電子膨張弁が作動する際に発生する流体ノイズを低減させることができる。また、薄肉セグメント22を設けることによって、スピンドル30に対するガイドスリーブ20のガイド効果を高めて、スピンドル30の揺れ幅を更に減少させ、電子膨張弁が作動する際のスピンドル30の揺れによる機械ノイズを低減させることができる。
【0069】
好ましくは、薄肉セグメント22の外径と薄肉セグメント22の内径の差は0.15mmから1.5mmである。薄肉セグメント22の外径と薄肉セグメント22の内径の差が0.15mmよりも小さいと、薄肉セグメント22の構造強度が低くなり、流体の長期の衝撃作用により、薄肉セグメント22が損傷して、スピンドル30に対するガイドの役割を失いやすくなり、薄肉セグメント22の外径と薄肉セグメント22の内径の差が1.5mmよりも大きいと、薄肉セグメント22とスピンドル30とによって形成される段差構造の高低差が大きくなりすぎる一方、薄肉セグメント22が弁室101内で占めるスペースも大きくなりすぎるため、流体に乱れが発生し、更には電子膨張弁が作動する際に発生する流体ノイズが増加する。従って、本実施例では、薄肉セグメント22の外径と薄肉セグメント22の内径の差を0.15mmから1.5mmとすることによって、薄肉セグメント22の強度を確保することができるだけでなく、電子膨張弁が作動する際に発生する機械ノイズ及び流体ノイズを低減させることもできる。具体的には、薄肉セグメント22の外径と薄肉セグメント22の内径の差は0.15mm、1mm又は1.5mmとしてもよい。
【0070】
更に、薄肉セグメント22から本体セグメント21に向かう方向に沿って、薄肉セグメント22は、テーパセグメント及び直線セグメントの少なくとも一方を含む。このようにすることで、ガイドスリーブ20を異なる構造の電子膨張弁に適用させて、ガイドスリーブ20の適性を向上させることができる。
【0071】
ここで、薄肉セグメント22を単一の直線セグメントとしてもよい。このようにすることで、ガイドスリーブ20の加工成形を容易にすることができる。薄肉セグメント22を単一のテーパセグメントとして、流体に対する影響をできるだけ減少させてもよく、薄肉セグメント22を直線セグメントとテーパセグメントとを組み合わせた形態としてもよい。
【0072】
図9及び
図10に示すように、薄肉セグメント22から本体セグメント21に向かう方向に沿って、薄肉セグメント22の外径は徐々に増加する。ここで、薄肉セグメント22を段差セグメントとしてもよく、薄肉セグメント22を、互いに接続されたテーパセグメント及び段差セグメントとしてもよい。本実施例では、薄肉セグメント22はテーパセグメントであり、薄肉セグメント22の内径をD1とし、薄肉セグメント22の本体セグメント21から離れた一端の外径をD2とし、薄肉セグメント22の本体セグメント21に近い一端の外径をD3とする。D2とD1の差は0.15mmであり、D3とD1の差は1.5mmである。このようにすることで、薄肉セグメント22の構造強度を確保することができるだけでなく、薄肉セグメント22の本体セグメント21から離れた一端とスピンドル30との間に形成される段差構造の高低差によって発生する流体ノイズを低減させることもできる。
【0073】
図7及び
図8に示すように、電子膨張弁は第1接続管11を更に含み、第1接続管11は、弁座10に設けられ、且つ弁室101に連通し、第1接続管11の軸線はスピンドル30の軸線に垂直である。ここで、第1接続管11の半径をRとすると、第1端203の端面と第1接続管11の軸線との間の間隔はR-0.5mmからR+0.5mmである。第1端203の端面と第1接続管11の軸線との間の間隔がR+0.5mmよりも大きいと、薄肉セグメント22の本体セグメント21から離れた一端と弁口102との間隔が大きくなって、スピンドル30の揺れ幅が大きくなる現象が発生する可能性があり、更には、電子膨張弁が作動する際に機械ノイズが発生する可能性があり、第1端203の端面と第1接続管11の軸線との間の間隔がR-0.5mmよりも小さいと、薄肉セグメント22が弁室101内で占めるスペースが大きくなりすぎて、乱流現象が発生し、更には、電子膨張弁が作動する際に流体ノイズが発生する可能性がある。従って、上記の構成によって、電子膨張弁が作動する際のスピンドル30の揺れによる機械ノイズを低減させることができるだけでなく、電子膨張弁が作動する際の流体ノイズを低減させることもできる。
【0074】
具体的には、第1端203の端面と第1接続管11の軸線との間の間隔をRとする。このようにすることで、全ての薄肉セグメント22が弁室101内に位置して、流体からの衝撃力を受けるようになり、スピンドル30の安定性が確保される。同時に、流体が第1接続管11から弁室101に入ってきた場合、流体が第1端203に直接衝撃を与えることを回避し、更には流体に発生する乱れ及び流体ノイズを低減させることができる。
【0075】
図9及び
図11に示すように、ガイドスリーブ20は、段差状に設けられた第1孔セグメント205及び第2孔セグメント206を有し、第1孔セグメント205は本体セグメント21内に位置し、第2孔セグメント206は、第1端203の端面及び薄肉セグメント22内に穿設され、スピンドル30と係合してそれをガイドするために用いられる。具体的には、第1孔セグメント205の孔径は第2孔セグメント206の孔径よりも大きく、このようにすることで、スピンドル30の移動及び取り付け過程での滑らかさを確保することができると同時に、スピンドル30と係合する他の部材を第2孔セグメント206内に取り付けることも容易になる。
【0076】
更に、第2孔セグメント206の長さは1.5mmから7mmであり、薄肉セグメント22の長さは6mmよりも小さい。ここで、薄肉セグメント22の長さをL1とし、第2孔セグメント206の長さをL2とする。第2孔セグメント206の長さは1.5mm、4mm又は7mmであり得る。薄肉セグメント22の長さは1mm、3mm又は6mmであり得る。本実施例では、L1は5mmであり、L2は6mmである。このようにすることで、ガイドスリーブ20とスピンドル30との係合長さを確保することができるだけでなく、ガイドスリーブ20が弁室101内で占めるスペースを減少させることもでき、更には、電子膨張弁が作動する際のスピンドルの揺れによる機械ノイズ及び流体ノイズを全体的に低減させることもできる。
【0077】
更に、ガイドスリーブ20には面取りが設けられ、面取りは、第2孔セグメント206の両端の内周面にそれぞれ位置する。面取りを設けることによって、スピンドル30の組み立てに対してガイドの役割を果たして、スピンドル30の取り付けを容易にすることができる。
【0078】
図9及び
図11に示すように、ガイドスリーブ20は固定突起23を更に含み、固定突起23は、本体セグメント21の外側に環状に設けられ、本体セグメント21の第1端203に近接して設けられ、弁座10に固定接続される。具体的には、弁座10には取り付け孔103が穿設され、取り付け孔103は、弁室101に連通し、且つ弁口102に対向して設けられ、固定突起23は、取り付け孔103に係合され、取り付け孔103内に嵌め込まれて弁座10に固定係合される。固定突起23と取り付け孔103との係合によって、ガイドスリーブ20と弁座10との接触面積を確保することができ、更には、ガイドスリーブ20と弁座10との組み立ての安定性を確保することができる。
【0079】
本出願によって提供される技術態様によれば、薄肉セグメント22を設けることによって、ガイドスリーブ20が弁室101内で占めるスペースを減少させることができるだけでなく、ガイドスリーブ20とスピンドル30との間に形成される段差構造の高低差を減少させることもでき、更には、ガイドスリーブ20により流体に乱れが発生することに起因する乱流現象を減少させて、電子膨張弁が作動する際に発生するノイズを低減させることもできる。
【0080】
図12から
図14に示すように、本出願の実施例3によって提供される電子膨張弁において、弁座10には第1接続口104及び第2接続口105が設けられ、第1接続口104は弁室101に連通し、弁座10には第1移行孔セグメント106及び第2移行孔セグメント107が更に設けられ、ここで、第1移行孔セグメント106、弁口102及び第2移行孔セグメント107は順に連通し、第1移行孔セグメント106は弁室101に連通し、第2移行孔セグメント107は第2接続口105に連通し、第2移行孔セグメント107は、対向して設けられた第3端及び第4端を有し、第3端は弁口102に接続され、第3端の直径は弁口102の直径に等しく、第2移行孔セグメント107の直径は、第3端から第4端に向かう方向に徐々に大きくなる。第1接続口104及び第2接続口105は、使用環境における機器にそれぞれ接続され、流体は、第1接続口104から第2接続口105に流れるか、あるいは、第2接続口105から第1接続口104に流れる。
【0081】
本出願の技術態様を適用すると、第2移行孔セグメント107の第3端は弁口102に接続され、第3端の直径は弁口102の直径に等しく、第2移行孔セグメント107の直径は、第3端から第4端に向かう方向に徐々に大きくなり、このようにすることで、流体が、第1接続口104から第2接続口105に流れるか、あるいは、第2接続口105から第1接続口104に流れる場合、弁口102及び第2移行孔セグメント107を流れる際に、流体が流れる通路の直径は、急激に増減することがなく、徐々に変化するため、流体は緩やかに流れることができ、これにより、流体に渦巻きが発生する可能性を低減させることができるため、したがって電子膨張弁に発生するノイズを低減させることができる。
【0082】
本実施例では、第1移行孔セグメント106の弁口102に近い一端の直径は、弁口102の直径よりも大きい。このようにすることで、流体が第1接続口104から第2接続口105に流れる場合、液体は第1移行孔セグメント106に留まり、液状流体に含まれている気体は弁室内に溢れ出るため、流体が弁口102を流れる際のノイズを低減させることができる。
【0083】
具体的には、弁座10には第3移行孔セグメント108が更に設けられ、第3移行孔セグメント108は、第1移行孔セグメント106の弁口102から離れた一端に位置し、第3移行孔セグメント108の一端は第1移行孔セグメント106に連通し、第3移行孔セグメント108の他端は弁室101に連通し、第3移行孔セグメント108の直径は、弁口102に向かう方向に沿って徐々に小さくなる。第3移行孔セグメント108の直径が弁口102に向かう方向に沿って徐々に小さくなるため、流体が、第1移行孔セグメント106から第3移行孔セグメント108に流れるか、あるいは、第3移行孔セグメント108から第1移行孔セグメント106に流れる場合、流体が流れる通路の直径が徐々に変化するため、流体が流れる際には渦巻きが発生せず、これにより、流体の流れによって発生する騒音が小さくなり、更には電子膨張弁のノイズが小さくなる。
【0084】
具体的には、第1移行孔セグメント106及び弁口102はいずれも円柱セグメントであり、第2移行孔セグメント107及び第3移行孔セグメント108は円錐セグメントである。第1移行孔セグメント106及び弁口102を円柱セグメントとすることによって、弁座10の加工プロセスが簡単になる。第2移行孔セグメント107及び第3移行孔セグメント108を円錐セグメントとすることによって、第2移行孔セグメント107及び第3移行孔セグメント108の直径が徐々にゆっくりと変化するため、流体が第2移行孔セグメント107及び第3移行孔セグメント108を流れる際に発生する騒音が更に低減される。
【0085】
本実施例では、第2移行孔セグメント107はテーパ孔であり、第2移行孔セグメント107のテーパ角の範囲は30度から65度である。このようにすることで、第2移行孔セグメント107の直径の変化が緩やかになり、流体が流れる際の騒音が更に低減される。
【0086】
具体的には、第1移行孔セグメント106及び第3移行孔セグメント108の長さの合計の範囲は0.5mmから2mmであり、第1移行孔セグメント106及び第3移行孔セグメント108の長さの合計が0.5mmよりも小さいと、第1移行孔セグメント106及び第3移行孔セグメント108に多くの流体を格納することができなくなるため、流体中の気体を多めに溢れ出させることができなくなり、第1移行孔セグメント106及び第3移行孔セグメント108の長さの合計が2mmよりも大きいと、弁座10の全体のサイズが大きくなる。従って、第1移行孔セグメント106及び第3移行孔セグメント108の長さの合計の範囲を0.5mmから2mmとすることによって、弁座10の加工プロセスが簡単になると同時に、弁座10の全体のサイズが小さく保たれる。
図14に示すように、第1移行孔セグメント106の長さをd1とし、第3移行孔セグメント108の長さをd2とすると、d1とd2の合計は0.5mm、1mm又は2mmであり得る。
【0087】
弁口102の長さの範囲は0.5mmから2mmとする。弁口102の長さが0.5mmよりも小さいと、スピンドルが弁口102を封止する際に、スピンドルと弁口102との接触面積が小さくなるため、密封効果が良くなくなり、弁口102の長さが2mmよりも大きいと、弁座10の全体のサイズが大きくなる。従って、弁口102の長さの範囲を0.5mmから2mmとすることによって、電子膨張弁の密封性が確保されるだけでなく、弁座10の全体のサイズも小さくなる。
図14に示すように、弁口102の長さをd3とすると、d3は0.5mm、1mm又は2mmであり得る。
【0088】
第2移行孔セグメント107の長さの範囲は0.5mmから3mmとする。第2移行孔セグメント107の長さが0.5mmよりも小さいと、第2移行孔セグメント107の弁口102から離れた一端の直径が小さくなり、第2移行孔セグメント107の弁口102から離れた一端が第2接続管12に接続されて、第2接続管12の直径との差が大きくなるため、流体が流れる際の騒音が大きくなり、第2移行孔セグメント107の長さが3mmよりも大きいと、弁座10の全体のサイズが大きくなる。従って、第2移行孔セグメント107の長さの範囲を0.5mmから3mmとすることによって、流体の騒音が低減されるだけでなく、弁座10の全体のサイズが小さく保たれる。
図14に示すように、第2移行孔セグメント107の長さをd4とすると、d4は0.5mm、1mm、2mm又は3mmであり得る。
【0089】
具体的には、第1移行孔セグメント106の直径の範囲は4.5mmから8mmである。第1移行孔セグメント106の直径が4.5mmよりも小さいと、液状流体が第1移行孔セグメント106に留まる時間が短くなるため、流体中の気体を多めに溢れ出させることができなくなり、第1移行孔セグメント106の直径が8mmよりも大きいと、弁座10の構造サイズが大きくなるため、電子膨張弁の体積が大きくなる。従って、第1移行孔セグメント106の直径の範囲を4.5mmから8mmとすることによって、流体中の気体が多めに溢れ出ることを確保することができるだけでなく、弁座10の構造サイズを小さくすることもできる。弁口102の直径の範囲は1.3mmから3.2mmである。弁口102の直径が1.3mmよりも小さいと、流体の流速が遅くなり、弁口102の直径が3.2mmよりも大きいと、弁口102と第1移行孔セグメント106との直径の差が小さくなって、流体が第1移行孔セグメント106に留まる時間が短くなるため、流体中の気体を多めに溢れ出させることができなくなる。従って、弁口102の直径の範囲を1.3mmから3.2mmとすることによって、流体の流速を確保することができるだけでなく、流体中の気体を多めに溢れ出させることもできる。
図14に示すように、第1移行孔セグメント106の直径をl1とする。l1は4.5mm、6mm又は8mmであり得る。弁口102の直径をl2とすると、l2は1.3mm、2mm又は3.2mmであり得る。
【0090】
具体的には、第2接続口105の弁口102に近い端面には接続溝109があり、接続溝109は、第2移行孔セグメント107の外側に環状に設けられる。接続溝109を利用して第2接続管12を接続することによって、第2接続管12と弁座10接続とを容易に接続するとともに、両者の接続のための接続スペースを提供して、両者の接続の安定性を確保することができる。
【0091】
上記の技術態様に記述された弁座10を用いた電子膨張弁は、ノイズが小さく、加工プロセスが簡単であるという利点を有する。
【0092】
本技術態様では、第2移行孔セグメント107の第3端は弁口102に接続され、第3端の直径は弁口102の直径に等しく、第2移行孔セグメント107の直径は、第3端から第4端に向かう方向に徐々に大きくなり、このようにすることで、流体が、第1接続口104から第2接続口105に流れるか、あるいは、第2接続口105から第1接続口104に流れる場合、弁口102及び第2移行孔セグメント107を流れる際に、流体が流れる通路の直径は、急激に増減することがなく、徐々に変化するため、流体は緩やかに流れることができ、これにより、流体に渦巻きが発生する可能性を低減させることができるため、したがって電子膨張弁に発生するノイズを低減させることができ、第1移行孔セグメント106の弁口102に近い一端の直径は弁口102の直径よりも大きく、流体が第1接続口104から第2接続口105に流れる場合、液体は第1移行孔セグメント106に留まり、液状流体に含まれている気体は弁室内に溢れ出るため、より多くの液状流体が弁口を通過するようにし、流体が弁口を流れる際のノイズを低減させることができ、弁座10には第3移行孔セグメント108が更に設けられ、第3移行孔セグメント108は、第1移行孔セグメント106の弁口102から離れた一端に位置し、第3移行孔セグメント108の直径は、弁口102に向かう方向に沿って徐々に小さくなるため、流体が、第1移行孔セグメント106から第3移行孔セグメント108に流れるか、あるいは、第3移行孔セグメント108から第1移行孔セグメント106に流れる場合、流体が流れる通路の直径が徐々に変化するため、流体が流れる際には渦巻きが発生せず、これにより、流体の流れによって発生する騒音が小さくなり、更には電子膨張弁のノイズが小さくなる。
【0093】
ここで用いられる用語は、具体的な実施形態を説明するためのものにすぎず、本出願による例示的な実施形態を限定することを意図するものではないことに注意すべきである。ここで用いられるように、文脈上明確な指摘がなされていない限り、単数形式は複数形式を含むことも意図し、更に、本明細書において、「包含する」及び/又は「含む」という用語が用いられる場合、特徴、ステップ、操作、デバイス、アセンブリ及び/又はそれらの組み合わせが存在することを意味することも理解されるべきである。
【0094】
特に具体的に説明しない限り、これらの実施例に記載された部材及びステップの相対的な配置、数式及び数値は、本出願の範囲を限定するものではない。同時に、説明の便宜上、図面に示す各部分の寸法は実際の比率関係で描かれたものではないことは理解されるべきである。当業者に既に知られている技術、方法及び機器については詳細な説明を省略する場合があるが、必要に応じて、当該技術、方法及び機器は、承認された明細書の一部としてみなされるべきである。ここで示し、且つ説明した全ての例では、いずれの具体的な値も例示的なものにすぎず、限定するためのものではないと解釈すべきである。従って、例示的な実施例の他の例は、異なる値を有してもよい。類似した符号及び文字は、以下の図面において類似したものを表すため、あるものが1つの図面において定義されると、その後の図面においては、それについて更に説明する必要がないことに注意すべきである。
【0095】
本出願の説明において、「前、後、上、下、左、右」、「横方向、縦方向、垂直、水平」及び「頂、底」等のような方位用語で表される方位又は位置関係は、一般的に、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであるが、本出願の説明を容易にし、且つ簡潔にするためのものにすぎず、逆の説明がない場合、これらの方位用語は、示された装置又は素子が必ずしも特定の方位を有するか、あるいは、特定の方位で構成し操作されることを示し且つ暗示するものではないため、本出願の保護範囲を限定するものとして理解されるべきではなく、「内、外」という方位用語は、各部材自体の輪郭に対する内、外である。
【0096】
説明の便宜上、ここでは「…の上に」、「…の上方に」、「…の上面に」、「上の」等のような空間相対用語を用いて、図に示すような1つのデバイス又は特徴と他のデバイス又は特徴との空間位置関係を説明することができる。空間相対用語は、デバイスの図に記載された方位以外の、使用又は操作中の異なる方位を包含することを意図するものであることは理解されるべきである。例えば、図面中のデバイスの上下が逆さまになると、「他のデバイス又は構造の上方に」又は「他のデバイス又は構造の上に」と説明されたデバイスは、その後「他のデバイス又は構造の下方に」又は「他のデバイス又は構造の下に」と位置付けられることになる。よって、例示的な用語「…の上方に」は、「…の上方に」及び「…の下方に」の2つの方位を含むことができる。このデバイスは、他の異なる方法で位置付けし(90度回転又は他の方位に位置させ)、且つここで用いられる空間の相対的な説明について対応する解釈を行うこともできる。
【0097】
更に、説明すべきこととして、「第1」、「第2」等の用語を用いて部品を限定することは、対応する部品を区別するためのものにすぎず、特に説明がない限り、上記用語は特別な意味を持たないため、本出願の保護範囲を限定するものとして理解されるべきではない。
【0098】
上述したものは、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は様々な変更及び変化が可能である。本出願の精神及び原則の範囲内でなされたいかなる修正、同等の置換、改良等はいずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
【国際調査報告】