(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】電気的接続構造、充電インレット及び自動車
(51)【国際特許分類】
H01R 12/58 20110101AFI20240816BHJP
H01R 13/03 20060101ALI20240816BHJP
H01R 13/02 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
H01R12/58
H01R13/03 D
H01R13/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507090
(86)(22)【出願日】2022-08-05
(85)【翻訳文提出日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 CN2022110552
(87)【国際公開番号】W WO2023016366
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】202110904566.7
(32)【優先日】2021-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524029323
【氏名又は名称】チャンチュン ジェティ オートモーティブ テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100206911
【氏名又は名称】大久保 岳彦
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】ワン,チャオ
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA21
5E223AA28
5E223AB41
5E223AC24
5E223BA27
5E223BB21
5E223CB26
5E223CB46
5E223CB63
5E223CD01
5E223CD25
5E223DB08
(57)【要約】
本発明は、電気的接続構造、充電インレット及び自動車を提供し、ここで、電気的接続構造は挿入穴が形成された回路基板に用いられる電気的接続構造であって、金属スプリングピースと挿入端子とを含み、前記金属スプリングピースは、前記挿入端子の少なくとも一部の外周を包むベースバンドと、外側へ突出して前記回路基板の表面に当接する突出部を具備し、それぞれ前記ベースバンドに接続される複数のスプリングピースと、を含み、前記挿入端子は前記金属スプリングピースを介して前記回路基板に電気的接続される。本発明の電気的接続構造によると、挿入端子と金属スプリングピースとの接触が良好であり、金属スプリングピースが外側へ突出した突出部を有して回路基板との接続が安定的であって、複数のスプリングピースによって複数の信号検出ポイントを提供したため、信号伝送の安定性を保証できる。同時に、金属スプリングピース自体の性能が良好で、挿入端子を複数回挿抜することができて使用寿命が長い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入穴が設置された回路基板に適用される電気的接続構造であって、
金属スプリングピースと挿入端子とを含み、
前記金属スプリングピースは、前記挿入端子の少なくとも一部の外周を包むベースバンドと、外側へ突出して前記回路基板の表面に当接する突出部を具備し、それぞれ前記ベースバンドに接続される複数のスプリングピースと、を含み、前記挿入端子は前記金属スプリングピースを介して前記回路基板に電気的接続されることを特徴とする電気的接続構造。
【請求項2】
前記ベースバンドは環状構造であり、前記スプリングピースは前記環状構造上に分布されることを特徴とする請求項1に記載の電気的接続構造。
【請求項3】
前記スプリングピースは、前記環状構造上に均一に分布されることを特徴とする請求項2に記載の電気的接続構造。
【請求項4】
前記突出部の形状は円弧構造または湾曲構造であることを特徴とする請求項1に記載の電気的接続構造。
【請求項5】
前記湾曲構造の湾曲角度は90°~160°であることを特徴とする請求項4に記載の電気的接続構造。
【請求項6】
複数の前記突出部の外接円の直径は前記挿入穴の内径より大きいことを特徴とする請求項1に記載の電気的接続構造。
【請求項7】
前記ベースバンドの数は一つであり、前記スプリングピースは一端が自由端であって、他端が前記ベースバンドに接続されており、前記突出部が前記スプリングピースの自由端に位置し、前記突出部は前記スプリングピースの変形弾力によって前記回路基板の表面に圧力を印加することを特徴とする請求項1に記載の電気的接続構造。
【請求項8】
前記ベースバンドの数は第1のベースバンドと第2のベースバンドを含む2つであり、前記スプリングピースは一端が前記第1のベースバンドに接続され、他端が前記第2のベースバンドに接続されており、前記突出部が前記スプリングピースの両端間に位置し、前記突出部は前記スプリングピースの変形弾力によって前記回路基板の表面に圧力を印加することを特徴とする請求項1に記載の電気的接続構造。
【請求項9】
前記圧力は0.5N~50Nであることを特徴とする請求項7または8に記載の電気的接続構造。
【請求項10】
前記突出部は、さらに前記挿入穴の内面に当接することを特徴とする請求項1に記載の電気的接続構造。
【請求項11】
前記突出部は、前記回路基板の上面または下面に当接することを特徴とする請求項1に記載の電気的接続構造。
【請求項12】
複数の前記突出部はそれぞれ前記挿入穴の内面と前記回路基板の上面に同時に当接し、または、複数の前記突出部はそれぞれ前記挿入穴の内面と前記回路基板の下面に同時に当接することを特徴とする請求項10または11に記載の電気的接続構造。
【請求項13】
前記挿入穴の内面に当接するスプリングピースと前記回路基板の上面に当接するスプリングピースとが間隔を空けて設置され、または、前記挿入穴の内面に当接するスプリングピースと前記回路基板の下面に当接するスプリングピースとが間隔を空けて設置されることを特徴とする請求項1に記載の電気的接続構造。
【請求項14】
前記回路基板上に固定されている端子ホルダをさらに含み、前記挿入端子は前記端子ホルダに固定されていることを特徴とする請求項1に記載の電気的接続構造。
【請求項15】
前記挿入端子は、前記第1のベースバンドに整合する第1の係合部と、前記第2のベースバンドに整合する第2の係合部と、を有することを特徴とする請求項8に記載の電気的接続構造。
【請求項16】
前記第1の係合部は、前記挿入端子の延長方向に沿って間隔を空けて設置される第1のフランジ及び第2のフランジを含み、前記第1のベースバンドの上部エッジが前記第1のフランジに当接し、前記第1のベースバンドの下部エッジが前記第2のフランジに当接することを特徴とする請求項15に記載の電気的接続構造。
【請求項17】
前記第2の係合部は、前記挿入端子の延長方向に沿って間隔を空けて設置される第3のフランジ及び第4のフランジを含み、前記第2のベースバンドの上部エッジが前記第3のフランジに当接し、前記第2のベースバンドの下部エッジが前記第4のフランジに当接することを特徴とする請求項15に記載の電気的接続構造。
【請求項18】
前記スプリングピースの数は3個~24個であることを特徴とする請求項1に記載の電気的接続構造。
【請求項19】
前記スプリングピースの接線方向は前記金属スプリングピースの軸線方向に一致することを特徴とする請求項1に記載の電気的接続構造。
【請求項20】
前記スプリングピースの接線方向は前記金属スプリングピースの軸線と一定の角度をなすことを特徴とする請求項1に記載の電気的接続構造。
【請求項21】
前記スプリングピースの接線方向と前記金属スプリングピースの軸線との角度はいずれの箇所であっても等しいことを特徴とする請求項1に記載の電気的接続構造。
【請求項22】
前記スプリングピースの接線方向と前記金属スプリングピースの軸線との角度範囲は10°~60°であることを特徴とする請求項1に記載の電気的接続構造。
【請求項23】
前記金属スプリングピースの材質は、銅または銅合金を含有することを特徴とする請求項1に記載の電気的接続構造。
【請求項24】
前記金属スプリングピースの材質は、テルルを含有することを特徴とする請求項23に記載の電気的接続構造。
【請求項25】
前記金属スプリングピースの材質中のテルルの含有量は0.1%~5%であることを特徴とする請求項24に記載の電気的接続構造。
【請求項26】
前記金属スプリングピースの材質は、ベリリウムを含有することを特徴とする請求項23に記載の電気的接続構造。
【請求項27】
前記金属スプリングピースの材質中のベリリウムの含有量は0.05%~5%であることを特徴とする請求項26に記載の電気的接続構造。
【請求項28】
前記金属スプリングピースの材質中のベリリウムの含有量は0.1%~3.5%であることを特徴とする請求項26に記載の電気的接続構造。
【請求項29】
前記挿入端子の少なくとも一部の表面と前記突出部にメッキ層が設置されていることを特徴とする請求項1に記載の電気的接続構造。
【請求項30】
前記挿入端子の少なくとも一部の表面におけるメッキ層の材質は前記突出部におけるメッキ層の材質と異なることを特徴とする請求項29に記載の電気的接続構造。
【請求項31】
前記メッキ層の材質は、金、銀、ニッケル、すず、亜鉛、すず鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、銀金ジルコニウム合金の中の一つまたは複数を含有することを特徴とする請求項29に記載の電気的接続構造。
【請求項32】
前記メッキ層は、ベース層と表層とを含むことを特徴とする請求項29に記載の電気的接続構造。
【請求項33】
前記ベース層の材質は、金、銀、ニッケル、すず、すず鉛合金、亜鉛の中の一つまたは複数を含有し、前記表層の材質は、金、銀、ニッケル、すず、すず鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、銀金ジルコニウム合金の中の一つまたは複数を含有することを特徴とする請求項32に記載の電気的接続構造。
【請求項34】
前記ベース層の厚みは0.01μm~15μmであることを特徴とする請求項32に記載の電気的接続構造。
【請求項35】
前記ベース層の厚みは0.1μm~9μmであることを特徴とする請求項32に記載の電気的接続構造。
【請求項36】
前記表層の厚みは0.3μm~55μmであることを特徴とする請求項32に記載の電気的接続構造。
【請求項37】
前記表層の厚みは0.5μm~35μmであることを特徴とする請求項32に記載の電気的接続構造。
【請求項38】
前記挿入端子の材質は、銅または銅合金またはアルミニウムまたはアルミニウム合金の中の一つを含有することを特徴とする請求項1に記載の電気的接続構造。
【請求項39】
請求項1乃至38のいずれかに記載の電気的接続構造を含むことを特徴とする充電インレット。
【請求項40】
請求項39に記載の充電インレット及び/または請求項1乃至38のいずれかに記載の電気的接続構造を含むことを特徴とする自動車。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は2021年08月07日に出願された出願番号が202110904566.7、発明名称が「電気的接続構造」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容をすべて本願に援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は新エネルギー車の充電分野に関し、特に、回路基板に利用可能な電気的接続構造に関する。
【背景技術】
【0003】
20世紀90年代からエネルギーと環境の二重圧力の下で、電気自動車の研究開発が再び活性化期間に入った。この20年間、様々な科学技術の急速な発展に伴い、電気自動車の多くの技術的難点が徐々に解決されてきた。世界の自動車メーカー各社はそれぞれの電気自動車製品を発売した。
【0004】
充電器、充電ガン、充電インレットは電気自動車の主な充電装置であり、充電装置は、規格としてすべての充電装置にPE線の設置を要求している。PE線は、漏電が発生した場合に設備や人を保護する役割を果たす充電装置の接地線である。従来の充電ガンや充電インレットにおいて、通常、PE線中の端子が回路基板に直接に溶接されており、PE線中の端子が使用中に破損されると、補修時にPE線中の端子を取り外しにくく、補修工数を増加し、補修コストを増加してしまう。PE線中の端子が強固に溶接されでないと、PE線中の端子と回路基板との接触不良を招き、さらに回路基板とPE線中の端子との電気的接続の安定性に影響を与えてしまう。設備に漏電が発生し、感電による死傷者が出るリスクもある。
【0005】
そのため、従来技術には上述した問題を解決するための新たな方法が必要である。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、回路基板と端子との間の信号伝送の安定性を保証することのできる電気的接続構造を提供する。
【0007】
本発明は以下の技術案を提供する。
【0008】
挿入穴が設置された回路基板に適用される電気的接続構造であって、
金属スプリングピースと挿入端子とを含み、
前記金属スプリングピースは、前記挿入端子の少なくとも一部の外周を包むベースバンドと、外側へ突出して前記回路基板の表面に当接する突出部を具備し、それぞれ前記ベースバンドに接続される複数のスプリングピースと、を含み、前記挿入端子は前記金属スプリングピースを介して前記回路基板に電気的接続される。
【0009】
あるいはまた、前記ベースバンドは環状構造であり、前記スプリングピースは環状構造上に分布されている。
【0010】
あるいはまた、前記スプリングピースは、前記環状構造上に均一に分布されている。
【0011】
あるいはまた、前記突出部の形状は円弧構造または湾曲構造である。
【0012】
あるいはまた、前記湾曲構造の湾曲角度は90°~160°である。
【0013】
あるいはまた、複数の前記突出部の外接円は、直径が前記挿入穴の内径より大きい。
【0014】
あるいはまた、前記ベースバンドの数は一つであり、前記スプリングピースは一端が自由端であって、他端が前記ベースバンドに接続されており、前記突出部が前記スプリングピースの自由端に位置し、前記突出部は前記スプリングピースの変形弾力によって前記回路基板の表面に圧力を印加する。
【0015】
あるいはまた、前記ベースバンドの数は第1のベースバンドと第2のベースバンドを含む2つであり、前記スプリングピースは一端が前記第1のベースバンドに接続され、他端が前記第2のベースバンドに接続されており、前記突出部が前記スプリングピースの両端間に位置し、前記突出部は前記スプリングピースの変形弾力によって前記回路基板の表面に圧力を印加する。
【0016】
あるいはまた、前記圧力は0.5N~50Nである。
【0017】
あるいはまた、前記突出部は、さらに前記挿入穴の内面に当接する。
【0018】
あるいはまた、前記突出部は、前記回路基板の上面または下面に当接する。
【0019】
あるいはまた、複数の前記突出部はそれぞれ前記挿入穴の内面と前記回路基板の上面に同時に当接し、または、複数の前記突出部はそれぞれ前記挿入穴の内面と前記回路基板の下面に同時に当接する。
【0020】
あるいはまた、前記挿入穴の内面に当接するスプリングピースと前記回路基板の上面に当接するスプリングピースとが間隔を空けて設置され、または、前記挿入穴の内面に当接するスプリングピースと前記回路基板の下面に当接するスプリングピースとが間隔を空けて設置されている。
【0021】
あるいはまた、前記回路基板上に固定されている端子ホルダをさらに含み、前記挿入端子が前記端子ホルダに固定されている。
【0022】
あるいはまた、前記挿入端子は、前記第1のベースバンドに整合される第1の係合部と、前記第2のベースバンドに整合される第2の係合部と、を有する。
【0023】
あるいはまた、前記第1の係合部は、前記挿入端子の延長方向に沿って間隔を空けて設置される第1のフランジ及び第2のフランジを含み、前記第1のベースバンドの上部エッジが前記第1のフランジに当接し、前記第1のベースバンドの下部エッジが前記第2のフランジに当接する。
【0024】
あるいはまた、前記第2の係合部は、前記挿入端子の延長方向に沿って間隔を空けて設置される第3のフランジ及び第4のフランジを含み、前記第2のベースバンドの上部エッジが前記第3のフランジに当接し、前記第2のベースバンドの下部エッジが前記第4のフランジに当接する。
【0025】
あるいはまた、前記スプリングピースの数は3個~24個である。
【0026】
あるいはまた、前記スプリングピースの接線方向は前記金属スプリングピースの軸線方向に一致する。
【0027】
あるいはまた、前記スプリングピースの接線方向は前記金属スプリングピースの軸線と一定の角度をなす。
【0028】
あるいはまた、前記スプリングピースの接線方向と前記金属スプリングピースの軸線との角度はいずれの箇所であっても等しい。
【0029】
あるいはまた、前記スプリングピースの接線方向と前記金属スプリングピースの軸線との角度範囲は10°~60°である。
【0030】
あるいはまた、前記金属スプリングピースの材質は、銅または銅合金を含有する。
【0031】
あるいはまた、前記金属スプリングピースの材質は、テルルを含有する。
【0032】
あるいはまた、前記金属スプリングピースの材質中のテルルの含有量は0.1%~5%である。
【0033】
あるいはまた、前記金属スプリングピースの材質は、ベリリウムを含有する。
【0034】
あるいはまた、前記金属スプリングピースの材質中のベリリウムの含有量は0.05%~5%である。
【0035】
あるいはまた、前記金属スプリングピースの材質中のベリリウムの含有量は0.1%~3.5%である。
【0036】
あるいはまた、前記挿入端子の少なくとも一部の表面と前記突出部にメッキ層が形成されている。
【0037】
あるいはまた、前記挿入端子の少なくとも一部の表面におけるメッキ層の材質は前記突出部上のメッキ層の材質と異なる。
【0038】
あるいはまた、前記メッキ層の材質は、金、銀、ニッケル、すず、亜鉛、すず鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、銀金ジルコニウム合金の中の一つまたは複数を含有する。
【0039】
あるいはまた、前記メッキ層は、ベース層と表層とを含む。
【0040】
あるいはまた、前記ベース層の材質は、金、銀、ニッケル、すず、すず鉛合金、亜鉛の中の一つまたは複数を含有し、前記表層の材質は、金、銀、ニッケル、すず、すず鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、銀金ジルコニウム合金の中の一つまたは複数を含有する。
【0041】
あるいはまた、前記ベース層の厚みは0.01μm~15μmである。
【0042】
あるいはまた、前記ベース層の厚みは0.1μm~9μmである。
【0043】
あるいはまた、前記表層の厚みは0.3μm~55μmである。
【0044】
あるいはまた、前記表層の厚みは0.5μm~35μmである。
【0045】
あるいはまた、前記挿入端子の材質は、銅または銅合金またはアルミニウムまたはアルミニウム合金の中の一つを含有する。
【0046】
本発明は、上述した実施形態の中のいずれか一つの電気的接続構造を含む充電インレットを提供する。
【0047】
本発明は、前記充電インレット及び/または上述した実施形態の中のいずれか一つの電気的接続構造を含む自動車を提供する。
【0048】
本発明によると以下の有益な効果を実現できる。
【0049】
1、本発明の電気的接続構造によると、挿入端子と金属スプリングピースとの接触が良好であり、金属スプリングピースが外側へ突出した突出部を有して回路基板との接続が安定的であって、金属スプリングピース中の複数のスプリングピースによって複数の信号検出ポイントを提供したため、信号伝送の安定性を保証できる。同時に、金属スプリングピース自体の性能が良好で、挿入端子を複数回挿抜することができて使用寿命が長い。
【0050】
2、本発明によると、金属スプリングピースの突出部の形状が円弧構造または湾曲構造であるため、金属スプリングピースと回路基板との間に接続の安定性を一層保証できる。
【0051】
3、本発明によると、複数の突出部の外接円の直径が挿入穴の内径より大きいため、突出部が回路基板の上面または下面に安定的に当接することができる。
【0052】
4、本発明によると、金属スプリングピースのベースバンドの数が一つであることができ、スプリングピースの一端は自由端で、スプリングピースの他端は第1のベースバンドに接続され、突出部がスプリングピースの自由端に位置し、突出部は前記スプリングピースの変形弾力によって回路基板の表面に圧力を印加し、これによって、複数のスプリングピースが一つのベースバンドによって一体状の部品に形成されて、環状のベースバンド内の挿入された挿入端子に密着し、同時に、突出部がスプリングピースの自由端に位置し、スプリングピースの弾性回復力によって回路基板に当接して、金属スプリングピースと回路基板や挿入端子との間の安定的な接続を保証することができる。
【0053】
5、本発明によると、金属スプリングピースのベースバンドの数が2つであることができ、スプリングピースの一端は第1のベースバンドに接続され、スプリングピースの他端は第2のベースバンドに接続され、突出部がスプリングピースの両端の間の位置し、突出部はスプリングピースの変形弾力によって回路基板の表面に圧力を印加し、これによって、スプリングピースが2つのベースバンドによって一体状の部品に形成され、且つ突出部が弾性回復力によって回路基板の表面に圧力を印加して、金属スプリングピースと回路基板との間の接続の安定性にさらに有利である。
【0054】
6、本発明によると、金属スプリングピースの突出部が回路基板の挿入穴の内面にも当接し、これによって、突出部によって回路基板の表面に当接し、同時に、挿入穴の内面に当接して、金属スプリングピースと回路基板との間に接続の安定性をさらに強化し、信号伝送の安定性もさらに保証することができる。
【0055】
7、本発明の金属スプリングピースによると、挿入穴の内面に当接するスプリングピースと回路基板の上面に当接するスプリングピースとを間隔を空けて設置し、または、挿入穴の内面に当接するスプリングピースと回路基板の下面に当接するスプリングピースとを間隔を空けて設置し、また突出部をスプリングピースの自由端に設置したため、挿入穴の内面に当接するスプリングピースには突出部が設置されず、回路基板の上面または下面に当接するスプリングピースには突出部が設置され、これによって、金属スプリングピース上の複数のスプリングピースが2つの組に分けられ、そして異なる二種類のスプリングピースを間隔を空けて設置することで、金属スプリングピースと回路基板との間の安定的な接続を保証するとともに、金属スプリングピースと挿入端子との間の安定的な接続も保証して、最終的に電気的接続及び信号接続を保証することができる。
【0056】
8、本発明の挿入端子によると、第1の係合部と第2の係合部を設置し、2つのベースバンドを有する金属スプリングピースの実施例の場合、挿入端子の第1の係合部が第1のベースバンドに係合し、挿入端子の第2の係合部が第2のベースバンドに係合することで、金属スプリングピースと挿入端子との間の安定的な接続を保証するとともに、挿入端子と回路基板との間の信号接続(電気的接続は、電気エネルギー接続と信号接続を含む)を保証することもできる。
【0057】
9、本発明の電気的接続構造によると、金属スプリングピース中のスプリングピースと前記金属スプリングピース自体の回転軸線との間の角度を設定することで、当該金属スプリングピースと挿入端子との接続安定性及び導電性をさらに向上させることができる。
【0058】
10、本発明の実施例によると、金属スプリングピースと挿入端子をテルル銅合金で構成することで、金属スプリングピースが良好な導電性及び加工便利性を有し、電気性能を保証し、加工性を向上させることができるとともに、テルル銅合金の弾性も優れている。
【0059】
11、本発明によると、接触区間と金属スプリングピースにメッキ層を用いることで、より良く防腐性を向上させることができ、複合めっき層を用いることが好適であって、この場合めっき層の堅牢度を一層高めることができ、複数回挿抜した後も依然としてめっき層の非脱落と耐腐食性を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1】本願の第1の実施形態による電気的接続構造の構造を示す図である。
【
図2】本願の第1の実施形態による電気的接続構造の他の角度での構造を示す図である。
【
図3】第1の実施形態の電気的接続構造における金属スプリングピースの構造を示す図である。
【
図4】第1の実施形態の電気的接続構造における回路基板の構造を示す図で、挿入穴を示している。
【
図5】第1の実施形態の電気的接続構造における挿入端子の構造を示す図である。
【
図6】第1の実施形態の電気的接続構造における端子ホルダの構造を示す図である。
【
図7】本願の第2の実施形態による電気的接続構造における金属スプリングピースの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下、本願の実施例中の図面を結合して、本願の実施例の技術案を明確且つ完全に説明するが、ここで説明する実施例は本願のすべての実施例ではなく一部であることは言うまでもない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造性のある行為を必要とせずに得られる他の実施例はすべて本願の保護範囲に含まれる。
【0062】
以下、当業者が明細書の記載内容に従って実施できるように本発明を更に詳細に説明する。本発明の技術的特徴、目的や効果をさらに明確に理解させるために、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明する。ここで、「第1」、「第2」などの用語は説明の目的で用いられるものであって、比較的な重要性または対応する技術特徴の数を指示または暗示するものと理解していけなく、これによって、「第1」、「第2」などと限定された特徴は明示的または暗黙的に一つまたは複数の当該特徴を含む。本発明を説明する際に、特に説明されていない限り「複数」の意味は2つまたは2つ以上を含む。本発明を説明する際に、特に説明されていない限り用語「接続」は広義に解釈されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、直接な接続であってもよく、中間媒体を介した間接的な接続であってもよく、当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本特許における具体的な意味を理解できる。
【0063】
実施形態1
本発明は、電気的接続構造100を提供し、回路基板110に適用される電気的接続構造100であって、回路基板110に挿入穴が設置されており、
図1に示すように、電気的接続構造100は金属スプリングピース140と挿入端子120とを含む。ここで、金属スプリングピース140はベースバンドとそれぞれベースバンドに接続される複数のスプリングピース143とを含み、ベースバンドは挿入端子120の少なくとも一部の外周を包み、スプリングピース143は外側へ突出した突出部144を有し、且つ突出部144は回路基板の表面に当接し、挿入端子120は金属スプリングピース140を介して回路基板110に電気的接続される。
【0064】
本発明の挿入端子120と金属スプリングピース140との接触が良好であって、金属スプリングピース140が外側へ突出した突出部144を有して回路基板110との接続が安定的であって、且つ複数のスプリングピース143によって複数の信号検出ポイントを提供して、信号伝送の安定性を保証することができる。同時に、金属スプリングピース140自体の性能が良好であるため、挿入端子120を複数回挿抜することができ、使用寿命が長い。既存技術において、溶接ピンがしっかりしないことにより、接触不良が発生する可能があり、さらに、回路基板110または回路基板と端子との間の電気的接続の安定性に影響を与えてしまう問題を解決した。また、本発明によると、挿入端子120と金属スプリングピース140との挿抜接続により、溶接接続に比べて繰り返して挿抜することができ、回路基板110または回路基板の適応性能を強化することができる。本実施形態における挿入端子120を充電装置におけるPE線(接地線)の接続端子と見なすことができる。
【0065】
次に、
図1乃至
図6を参照して、本実施形態における電気的接続構造100の各部品の詳細な構造を詳しく説明する。
【0066】
具体的に、
図5に示すように、挿入端子120は順に接続された挿入区間121と、接触区間122と、固定区間123と、接続区間124とを含む。ここで、挿入区間121は整合端の端子が挿入するためのものであり、例えば充電ガンのオス端子と充電インレットのメス端子が挿入接続して充電電流を電源から自動車の電池まで流すことができる。接続区間124はケーブル導体に電気的に接続され、例えば充電インレット内部の挿入端子120が充電インレットのケーブルに接続されて電気エネルギーを自動車の電池まで流せる。接触区間122は金属スプリングピース140に接触接続されるためのものであり、例えば充電インレットのPE端子が回路基板上の金属スプリングピース140に接触されて、回路基板によるPE端子から接地信号を読み取る機能を実現する。
【0067】
具体的に、
図6に示すように、本実施形態の電気的接続構造は端子ホルダ130をさらに含み、端子ホルダ130は回路基板110上に固定されることができる。挿入端子120の固定区間123は端子ホルダ130上に固定される。具体的な実施形態において、端子ホルダ130は、係合、粘着やネジ接続の形態で回路基板110上に固定されることができ、係合とは端子ホルダ130上に弾性のある複数の係止爪を設置し、回路基板110上に係止溝または係止ボダンを設置して、端子ホルダ130の複数の係止爪と回路基板110上の係止溝または係止ボダンとを係合させて、端子ホルダ130を回路基板110上に固定することを言う。粘着とは、端子ホルダ130と回路基板110に粘着面を形成した後、それぞれ粘着剤を塗布して両方の粘着面を粘着することを言う。ネジ接続とは、端子ホルダ130上にネジ孔を形成し、回路基板110に貫通孔を形成してネジを貫通させて回路基板110を端子ホルダ130上に固定することを言う。
【0068】
さらに具体的に、
図6に示すように、端子ホルダはU字状のクランプ部131を含むことができ、対応的に、端子の固定区間123が当該U字状のクランプ部の間に挟まれて固定される。
【0069】
具体的に、
図1、
図2と
図4に示すように、回路基板110上に挿入端子120を挿入するための挿入穴111が設置されており、挿入端子120が挿入穴111にスムーズに挿入されるように、挿入端子120の接触区間122の外径が回路基板110上の挿入穴の直径より小さい。
【0070】
具体的に、
図7に示すように、ベースバンド241の数は一つで、スプリングピース243の一端は自由端であり、スプリングピース243の他端はベースバンド241に接続され、突出部244がスプリングピース243の自由端上に位置し、突出部244はスプリングピース243の変形弾力によって回路基板110の表面上に圧力を印加する。
【0071】
具体的に、
図3に示すように、金属スプリングピース140は第1のベースバンド141と第2のベースバンド142とを含む。ベースバンドは環状の構造であり、複数のスプリングピース143が環状の構造上に分布され、さらに、環状の構造上に均一に分布される。これによって、金属スプリングピース140が接触区間122へ印加する弾力が均一になり、挿入端子120の回転軸線も挿入穴111の軸線に大体に一致しいて、安定的な電気的接続を実現することができる。好ましくは、スプリングピースの数が3個~24個であることができる。
【0072】
具体的に、スプリングピース143の一端は第1のベースバンド141に接続され、スプリングピース143の他端は第2のベースバンド142に接続されていて、突出部144はスプリングピース143の両端の間に位置し、突出部144はスプリングピース143の変形弾力によって回路基板の表面上に圧力を印加する。
【0073】
更に具体的に、スプリングピース143の両端はそれぞれ第1のベースバンド141と第2のベースバンド142によって固定されて一体状の部品を形成し、且つ複数のスプリングピース143が湾曲した弧度を有して金属スプリングピース140がドラム状になり、ドラム状の金属スプリングピースの外面が挿入穴の内面に当接して金属スプリングピースと回路基板との間の安定的な電気的接続を実現することができる。突出部144はスプリングピース143の両端間に位置して、複数のスプリングピース143中の一部のスプリングピース143の一端をベースバンドから分離させ、当該分離された自由端上に設置される。
図3に示すように、突出部144が設置されたスプリングピース143の長さは、突出部144が設置されていないスプリングピース143の長さより短い。
【0074】
更に好ましくは、突出部144が設置されたスプリングピース143と突出部144が設置されていないスプリングピース143とが交差して配列される。
図3に示すように、突出部144が設置された隣り合うスプリングピース143の間に位置する、突出部144が設置されていないスプリングピース143(普通のスプリングピースと定義することができる。)の数は等しい。例えば、突出部144が設置された隣り合うスプリングピース143の間の普通のスプリングピースの数は2つである。本実施形態において、
図1と2に示すように、突出部144が回路基板110の上面に当接するため、挿入穴の内面に当接するスプリングピース143(突出部144が設置されていないスプリングピース)と回路基板110の上面に当接するスプリングピース143(突出部144が設置されたスプリングピース)とが間隔を空けて設置されたと見なすことができる。
【0075】
さて、他の実施形態において、突出部144が回路基板110の下面に当接することもでき、さらに、金属スプリングピース140を、挿入穴の内面に当接するスプリングピース143と回路基板110の下面に当接するスプリングピースとが間隔を空けて設置されるように構成してもよい。
【0076】
さらに、他の未開示の実施形態において、突出部は挿入穴の内面に当接することもできる。これによって、更に具体的に、複数の突出部は同時に挿入穴の内面と回路基板の上面にそれぞれ当接することができ、または、複数の突出部が同時に挿入穴の内面と回路基板の下面にそれぞれ当接することができる。これによって、金属スプリングピースと回路基板との間の電気的接続の安定性をさらに強化することができる。
【0077】
そして、挿入穴の内面に当接する突出部と回路基板の上面に当接する突出部とが間隔を空けて交差して設置されることもでき、または、挿入穴の内面に当接する突出部と回路基板の下面に当接する突出部とが間隔を空けて交差して設置されることもできる。
【0078】
さらに、突出部144の形状は円弧構造または湾曲構造であることができる。円弧構造または湾曲構造によると、金属スプリングピースと回路基板との接触がさらに安定的になる。そして、電気的接続構造100が利用される場合、接触区間122と金属スプリングピース140が振動によって相対的変位を起こし、静止状態であれば、接触区間122と金属スプリングピース140が面接触し、さらに金属スプリングピース140と回路基板110も面接触する。振動環境では、金属スプリングピース140と回路基板110は相対的変位によって一時的に点接触し、この時、接触抵抗が瞬間的に増大し、流す電流も突然増大して、金属スプリングピース140と回路基板110との間の温度が高すぎて破壊が発生する。円弧構造または湾曲構造によると、振動環境においても金属スプリングピース140と回路基板110との面接触を保持して、流す電流が突然増大して電気的接続構造100が破壊されることを回避することができる。
【0079】
具体的に、突出部144の湾曲構造の湾曲角度は90°~160°である。湾曲構造の湾曲角度による金属スプリングピースと回路基板110との間の接触抵抗に対する影響を検証するために、発明者は、同じサイズの金属スプリングピース140、挿入端子120と回路基板110を選択して、同様な相対位置に装着し、ただ湾曲構造の湾曲角度は異なっていて、金属スプリングピース140と回路基板110との間の接触抵抗を測定し、表1に試験結果を示した。
【0080】
金属スプリングピース140と回路基板110の接触抵抗のテスト方法としては、マイクロ抵抗測定器を用いていて、マイクロ抵抗測定器の測定端を金属スプリングピース140上に置き、一端を回路基板110の電気的接続点上に置いて、測定する度に置かれる位置は同様であって、その後、マイクロ抵抗測定器上の接触抵抗数を読み取った。本実施例において、接触抵抗が1 mΩを超えると不合格とした。
【0081】
【0082】
表1から分かるように、湾曲構造の湾曲角度が90°未満である場合、角度が小さいため、湾曲機構の接触位置が鋭く、対応的に、回路基板との接触面積が小さく、接触抵抗も増大し、標準要件を満たさない。一方、湾曲構造の湾曲角度が160°を超える場合、湾曲機構が平面に類似するため、金属スプリングピース140を回路基板110の予定の挿入位置に装着することができず、電気的接続構造100の機能を実現できなくなる可能性がある。よって、発明者は突出部の湾曲角度を90°~160°に設定した。
【0083】
好ましくは、複数の突出部144の外接円の直径が挿入穴111の内径より大きい。これによって、より簡単に突出部144を回路基板110に当接させることができる。本発明において突出部の具体的な形状については特に限定しない。
【0084】
さらに、挿入端子120の接触区間122が金属スプリングピース140に接触接続する場合、金属スプリングピース140の複数のスプリングピース143を弾性変形させて、スプリングピース143がさらに挿入穴111の内壁及び突出部114に圧力を印加しつつ、回路基板111上にも圧力を印加して、複数のスプリングピース143及び複数の突出部144によって、挿入端子120と金属スプリングピース140及び回路基板110との間の安定的な電気的接続を実現する。
【0085】
さらに、突出部144が回路基板111上に印加する圧力は0.5N~50Nであることができる。突出部144が回路基板110上に印加した圧力による金属スプリングピース140と回路基板110との間の接触抵抗に対する影響を検証するために、発明者は同じサイズの金属スプリングピース140、挿入端子120と回路基板110を選択して、同様な相対位置に装着し、ただスプリングピース143の弾力は差別化して、突出部144と回路基板110との間の接触抵抗をそれぞれ測定し、表2にその試験結果を示した。
【0086】
スプリングピース143の弾力については、精密引張力計を用いていて、金属スプリングピース140を固定し、精密引張力計によってスプリングピース143の移動動作して変位した後の弾力を測定した。
【0087】
突出部144と回路基板110上の電気的接続点との接触抵抗のテスト方法としては、マイクロ抵抗測定器を用いていて、マイクロ抵抗測定器の測定端を突出部144上に置き、他端を電気的接続点上に置いて、測定する度に置かれる位置は同様であって、その後、マイクロ抵抗測定器上の接触抵抗数を読み取った。本実施例において、接触抵抗が1 mΩを超えると不合格とした。
【0088】
【0089】
表2から分かるように、突出部144が回路基板110上に印加した圧力が0.5N未満である場合、圧力が小さいため、突出部144と回路基板110の接触面積が小さく、接触抵抗が増大し、標準要件を満たさない。一方、突出部144が回路基板110上に印加した圧力が50Nを超える場合、スプリングピース143の弾力が大きいすぎて、変形がほとんどなく、突出部144が設置されたスプリングピース143を挿入穴111の予定の位置に挿入することができず、電気的接続構造100の機能を実現できなく可能性がある。よって、発明者は、突出部144が回路基板110上に印加する圧力を0.5N~50Nと設定した。
【0090】
そして、本実施形態において、
図3を参照すると、スプリングピース143の接線方向が金属スプリングピース140の軸線方向に一致する。ここでの接線方向とは、スプリングピース143のシート部が延長する方向と定義される。スプリングピース143が半径方向で外側へ湾曲しているが、スプリングピース143自体の延長方向はベースバンドの回転軸線方向に大体一致する。
【0091】
なお、他の実施形態において、スプリングピース143の接線方向が金属スプリングピース140の軸線に対して一定の角度をなすことができることは言うまでもない。
図3の角度から見ると、スプリングピース143は左側または右側へ傾斜した。好ましくは、スプリングピース143の接線方向と金属スプリングピース140の軸線との角度範囲は10°~60°である。更好ましくは、スプリングピース143の接線方向と金属スプリングピース140の軸線との角度はいずれの箇所であっても等しい。スプリングピース143が終始同一の方向に沿って延長することが分かる。
【0092】
次に、挿入端子120と金属スプリングピース140との間の整合関係を説明する。本実施形態において、挿入端子120の接触部には間隔を空けて配置された第1の係合部145と第2の係合部146が設置されている。本実施形態において、第1の係合部145と第2の係合部146は環状リブであって、第1の係合部145と第2の係合部146の最外径は第1のベースバンド141と第2のベースバンド142の直径より大きい。金属スプリングピース140が弾性を有するため、挿入端子120と金属スプリングピース140が完全に挿入した後、第1の環状リブが金属スプリングピース140の第1のベースバンド141に係合し、第2のベースバンド142が第2の環状リブ上に係合して、挿入端子120と金属スプリングピース140の安定的な電気的接続を実現する。
【0093】
さらに、未開示の実施形態において、挿入端子は、挿入端子の延長方向に沿って間隔を空けて設置された第1のフランジと第2のフランジを有することができ、第1のフランジと第2のフランジによって第1の係合部を形成する。第1のフランジ、第2のフランジの最外径は第1のベースバンドの直径より大きい。挿入端子と金属スプリングピースが完全に挿入した後、第1のベースバンドの上部エッジが第1のフランジに当接し、第1のベースバンドの下部エッジが第2のフランジに当接する。第1のベースバンドの両端がいずれも係合力を受けると見なすことができる。
【0094】
類似に、第2の係合部は、挿入端子の延長方向に沿って間隔を空けて設置された第3のフランジと第4のフランジを含むことができ、第3のフランジと第4のフランジによって第2の係合部を形成する。第3のフランジ、第4のフランジの最外径は第2のベースバンドの直径より大きい。挿入端子と金属スプリングピースが完全に挿入した後、第2のベースバンドの上部エッジが第3のフランジに当接し、第2のベースバンドの下部エッジが第4のフランジに当接する。第2のベースバンドの両端がいずれも係合力を受けると見なすことができる。
【0095】
これによって、挿入端子と金属スプリングピースとの間の電気的接続が一層安定的になる。
【0096】
一部の実施例において、金属スプリングピース140の材質は銅または銅合金であって、銅材質の導体材料の場合、導電性が優れていて、延長性がよく、弾性も非常に優れていて、導体材料として好適なものである。
【0097】
さらに、金属スプリングピース140の材質にテルルを含有する。金属スプリングピース140の材質がテルル銅合金であるため、端子が良好な導電性と加工便利性を有し、電気性能を保証しつつ加工性を向上させることもでき、同時に、テルル銅合金の弾性も優れている。好ましくは、金属スプリングピース140の材質中のテルルの含有量が0.1%~5%である。
【0098】
発明者は、10個の同形状の金属スプリングピース140を選択してテストし、各金属スプリングピース140はいずれもテルル銅合金であって、その中のテルルの含有量はそれぞれ0.05%、0.1%、0.2%、1%、1.2%、1.8%、3%、5%、6%、7%である。テストの内容は金属スプリングピース140と抵抗であり、表3にテスト結果を示した。
【0099】
スプリングピース143の弾力については、精密引張力計を用いていて、金属スプリングピース140を固定し、精密引張力計によってスプリングピースの移動動作して変位した後の弾力を測定し、本実施例において、弾力が20N未満であると不合格とした。
【0100】
金属スプリングピース140の抵抗のテスト方法としては、マイクロ抵抗測定器を用いていて、マイクロ抵抗測定器の測定端を金属スプリングピース140の両端上に置いて、測定する度に置かれる位置は同様であって、その後、マイクロ抵抗測定器上の抵抗数を読み取る。本実施例において、接触抵抗が1 mΩを超えると不合格とした。
【0101】
【0102】
表3から分かるように、金属スプリングピース140の材質中のテルルの含有量の割合が0.1%未満である場合、材質が純銅に近く、材質が比較的に柔らかく、スプリングピース143の弾力が要求値に符合しない。一方、金属スプリングピース140の材質中のテルルの含有量の割合が5%を超える場合、テルル銅合金の導電率が純銅材質より悪いため、金属スプリングピース140の抵抗値が要件を満たさない。よって、金属スプリングピース140の材質中のテルルの含有量は0.1%~5%である。
【0103】
さらに、金属スプリングピース140の材質にベリリウムを含有する。金属スプリングピース140の材質はベリリウム銅合金で、これにより、端子が高い硬度、弾性限界、疲労限界、耐摩耗性を有し、さらに良好な耐食性、熱伝導性と導電性を有し、且つ衝撃を受ける時に火花が出ない。好ましくは、金属スプリングピース140の材質中のベリリウムの含有量は0.05%~5%である。金属スプリングピース140中のベリリウムの含有量に対する限定は発明者が複数回の試験を経て得たものである。
【0104】
金属スプリングピース140の材質中のベリリウムの含有量の割合が0.05%未満である場合、材質が純銅に類似し、衝撃を受ける時に火花が出やすい。一方、金属スプリングピース140の材質中のベリリウムの含有量の割合が5%を超える場合、ベリリウム銅合金の導電率が純銅材質より悪いため、金属スプリングピース140の抵抗値が要件を満たさい。よって、金属スプリングピース140の材質中のベリリウムの含有量は0.05%~5%である。さらに好ましくは、金属スプリングピース140の材質中のベリリウムの含有量は0.1%~3.5%である。
【0105】
金属スプリングピース140の材質中のベリリウムの含有量による金属スプリングピース140の抵抗と発火状況に対する影響を検証するために、発明者は10個の同形状の金属スプリングピース140を選択してテストし、各金属スプリングピース140はいずれもベリリウム銅合金であって、そのベリリウムの含有量はそれぞれ0.03%、0.05%、0.1%、0.2%、1%、1.2%、1.8%、3%、5%、6%である。テスト内容は金属スプリングピース140の抵抗と発火状況であって、表4にテスト結果を示した。
【0106】
金属スプリングピース140の抵抗のテスト方法としては、マイクロ抵抗測定器を用いていて、マイクロ抵抗測定器の測定端を金属スプリングピース140の両端上に置いて、測定する度に置かれる位置は同様であって、その後、マイクロ抵抗測定器上の抵抗数を読み取った。本実施例において、抵抗が1 mΩを超えると不合格とした。
【0107】
金属スプリングピース140の発火状況については、帯電した挿入端子120と金属スプリングピース140を衝突させて挿入端子120と金属スプリングピース140の動作状況での状態をシミュレーションして、1000回衝突させた時の発火状況の回数を観察し、発火状況の回数が3回を超えると不合格とした。
【0108】
【0109】
表4から分かるように、金属スプリングピース140の材質中のベリリウムの含有量の割合が0.05%未満である場合、材質が純銅に類似し、挿入端子120と金属スプリングピース140が衝突すると、発火状況の回数が3回を超える。一方、金属スプリングピース140の材質中のベリリウムの含有量の割合が5%を超える場合、ベリリウム銅合金の導電率が純銅材質より悪いため、金属スプリングピース140の抵抗値が要件を満たさない。よって、金属スプリングピース140の材質中のベリリウムの含有量は0.05%~5%である。好ましくは、金属スプリングピース140の材質中のベリリウムの含有量が0.1%~3.5%である場合、金属スプリングピース140の抵抗と発火状況は更に好適な範囲内であって、したがって、発明者は金属スプリングピース140の材質中のベリリウムの含有量を0.1%~3.5%と設定した。
【0110】
上述した金属スプリングピース140の材質に対する説明によると、挿入端子120の材質も金属スプリングピース140の材質と同じ構造であることができると理解することができる。一部の実施形態において、挿入端子の材質に銅または銅合金またはアルミニウムまたはアルミニウム合金を含有することができる。説明を簡略化するためにここでは詳細な説明を省略する。
【0111】
一部の実施形態において、挿入端子120の材質が、銅または銅合金またはアルミニウムまたはアルミニウム合金であると理解することができる。
【0112】
一部の実施形態において、挿入端子の少なくとも一部の表面と突出部上にメッキ層が設置される。具体的に、挿入端子120の接触区間122と金属スプリングピース140にメッキ層が設置される。好ましくは、挿入端子120の接触区間122上のメッキ層の材質は金属スプリングピース140の突出部144上のメッキ層の材質と異なる。
【0113】
メッキ層は、耐腐食性を向上し、導電性を向上し、挿入回数を増加し、挿入端子120と金属スプリングピース140の使用寿命をさらに延長するためのものである。
【0114】
メッキ層は、電気めっき、化学めっき、マグネトロンスパッタリングまたは真空めっきなどの方法を採用して形成することができる。金属スプリングピース140と挿入端子120のメッキ層の厚みが一致することができ、必要に応じて異なる厚みのメッキ層を用いることもできる。
【0115】
電気めっき方法は、電気分解原理を利用して金属表面に他の金属や合金の薄膜をめっきする過程である。
【0116】
化学めっき方法は、金属の触媒作用で、制御可能な酸化還元反応によって金属を発生する堆積過程である。
【0117】
マグネトロンスパッタリング方法は、磁場と電場の相互作用を利用して、電子をターゲット表面付近で螺旋状に動作させ、それによって電子がアルゴンガスに衝突してイオンを発生する確率を増大させる。発生されたイオンは電場作用でターゲット面に衝突してターゲット材をスパッタリングする。
【0118】
真空めっき方法は、真空条件で、蒸留やスパッタリング等の形態で対象物の表面に各種金属と非金属薄膜を堆積する。
【0119】
メッキ層の材質は、金、銀、ニッケル、すず、亜鉛、すず鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、銀金ジルコニウム合金の中の一つまたは複数を含むことができ、メッキ層の材質は既存の材料である。銅は、活性金属として、使用中に酸素や水と酸化反応するため、金属スプリングピース140と挿入端子120の使用寿命を延長するために、めっき層として1種または数種の不活性金属が必要である。そして、常に挿抜する必要のある金属接点の場合も、めっき層として良好な耐摩耗金属が必要であり、接点の使用寿命を大幅に増加させることができる。また、接点は良好な導電性を必要とし、上述の金属の場合、導電性と安定性がいずれも銅または銅合金より優れており、金属スプリングピース140と挿入端子120により良い電気性能及びより長い使用寿命を具備させることができる。
【0120】
異なるメッキ層の材質による金属スプリングピース140及び挿入端子120の全体性能に対する影響を検証するために、発明者は、同規格、同材質であって、メッキ層の材料のみが異なる金属スプリングピース140及び挿入端子120のサンプルを選択して、一連の耐腐食性の時間テストを行って、表5に試験結果を示した。
【0121】
表5において耐腐食性の時間テストは、金属スプリングピース140と挿入端子120を塩水噴霧スプレー試験箱に入れて、金属スプリングピース140と挿入端子120の各位置に塩水噴霧をスプレーし、20時間ごとに取り出して洗浄して表面の腐食を観察し、これを1周期とし、金属スプリングピース140と挿入端子120の表面の腐食面積が総面積の10%を超えるとテストを停止し、同時の周期数を記録した。本実施例において、周期数が80回未満であると不合格とした。
【0122】
【0123】
表5から分かるように、メッキ層の材質に金、銀、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、銀金ジルコニウム合金を含有する場合、実験結果が標準値を多く超過し、性能が比較的に安定的である。メッキ層の材質にニッケル、すず、すず鉛合金、亜鉛を含有する場合も、実験結果が要求に符合し、よって、発明者はメッキ層の材質に金、銀、ニッケル、すず、すず鉛合金、亜鉛、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、銀金ジルコニウム合金の中の一つまたは複数の組み合わせを含有させることを選択した。
【0124】
さらに、メッキ層はベース層と表層を含むことができる。一部の実施例において、メッキ層を複数層メッキする方法を採用し、挿入端子120と金属スプリングピース140が加工された後、その表面の微視的な界面においてはやはり多くの隙間や孔が存在し、これらの隙間や孔が金属スプリングピース140と挿入端子120の使用中の摩耗や腐食の最大の原因になるため、金属スプリングピース140と挿入端子120の表面にまずベース層をメッキして表面の隙間や孔を充填して表面を孔のない平面にした後、表層のメッキ層をメッキすると、結合が更に堅固であり、さらに平坦になり、メッキ層の表面に隙間や孔がないため金属スプリングピース140と挿入端子120の耐摩耗性能、耐腐食性能、電気性能がさらに優れていて、金属スプリングピース140と挿入端子120の使用寿命を大幅に延長する。
【0125】
前記ベース層の材質は、金、銀、ニッケル、すず、すず鉛合金、亜鉛の中の一つまたは複数を含有することができる。前記表層の材質は、金、銀、ニッケル、すず、すず鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、銀金ジルコニウム合金の中の一つまたは複数を含有することができる。ここで、ベース層の材質は既存の材料であり、表層の材質も既存の材料である。
【0126】
具体的な実施形態において、ベース層の厚みは0.01μm~15μmである。好ましくは、前記ベース層の厚みが0.1μm~9μmである。
【0127】
具体的な実施形態において、表層の厚みは0.3μm~55μmである。好ましくは、表層の厚みが0.5μm~35μmである。
【0128】
ベース層のメッキ層の厚みの変化による金属スプリングピース140と挿入端子120の全体性能に対する影響を検証するために、発明者は、同規格、同材質であって、ニッケルをメッキしたベース層の厚みは異なるが銀をメッキした表層の厚みは同じである金属スプリングピース140及び挿入端子120のサンプルを選択して、一連の温度上昇及び耐腐食性の時間テストを行って、表6に実験結果を示した。
【0129】
表6において温度上昇テストは、接触した金属スプリングピース140と挿入端子120に同じ電流を流して、密封環境で、電流を流す前と温度が安定した後の金属スプリングピース140及び挿入端子120の同位置の温度を検出してその差異の絶対値を求めた。本実施例において、温度上昇が50Kを超えると不合格とした。
【0130】
表6において耐腐食性の時間テストは、金属スプリングピース140と挿入端子120を塩水噴霧スプレー試験箱に入れて、金属スプリングピース140と挿入端子120の各位置に塩水噴霧をスプレーし、20時間ごとに取り出して洗浄して表面の腐食を観察し、これを1周期とし、金属スプリングピース140と挿入端子120の表面の腐食面積が総面積の10%を超えるとテストを停止し、同時の周期数を記録した。本実施例において、周期数が80回未満であると不合格とした。
【0131】
【0132】
表6から分かるように、ベース層のニッケルメッキ層の厚みが0.01μm未満である場合、金属スプリングピース140と挿入端子120の温度上昇は合格であるが、メッキ層が薄すぎて、金属スプリングピース140と挿入端子120の耐腐食性の周期数が80未満で、金属スプリングピース140と挿入端子120の性能要求に符合しない。電気的接続構造100の全体性能及び寿命に大きい影響を与え、深刻な時には製品の寿命を激減したり失効したりして燃焼事故に繋がる。ベース層のニッケルメッキ層の厚みが15μmを超える場合、ベース層のメッキ層が厚く、金属スプリングピース140と挿入端子120から発生された熱を放熱できず、金属スプリングピース140と挿入端子120の温度上昇が不合格であって、またメッキ層が厚いため金属スプリングピース140と挿入端子120の表面から容易に離脱して耐腐食性の周期数を低下させる。よって、発明者は、ベース層のメッキ層の厚みを0.01μm~15μmとした。好ましくは、発明者は、ベース層のメッキ層の厚みが0.1μm~9μmである場合、金属スプリングピース140と挿入端子120の温度上昇及び耐腐食性の総合的な効果が優れることを発現し、それで製品自体の安全性、信頼性、実用性を一層向上させるためにベース層のメッキ層の厚みを0.1μm~9μmとした。
【0133】
表層のメッキ層の厚みの変化による挿入端子の全体性能に対する影響を検証するために、発明者は、同規格、同材質であって、ニッケルをメッキしたベース層の厚みは同様であるが銀をメッキした表層の厚みは異なる金属スプリングピース140及び挿入端子120のサンプルを選択して、一連の温度上昇及び耐腐食性の時間テストを行って、表7に実験結果を示した。
【0134】
【0135】
表7からわかるように、表層の銀メッキ層の厚みが0.3μm未満である場合、金属スプリングピース140と挿入端子120の温度上昇は合格であるが、メッキ層が薄すぎて、金属スプリングピース140と挿入端子120の耐腐食性の周期数が80未満で、金属スプリングピース140と挿入端子120の性能要求に符合しない。電気的接続構造100の全体性能及び寿命に大きい影響を与え、深刻な時には製品の寿命を激減したり失効したりして燃焼事故に繋がる。表層の銀メキ層の厚みが55μmを超える場合、ベース層のメッキ層が厚く、金属スプリングピース140と挿入端子120から発生された熱を放熱できず、金属スプリングピース140と挿入端子120の温度上昇が不合格であって、またメッキ層が厚いため端子の表面から容易に離脱して耐腐食性の周期数を低下させる。また、表層のメッキ層の金属が高価であるため、厚いメッキ層を形成したとしても性能の上昇がなく、使用価値がない。よって、発明者は、表層の銀メッキ層の厚みを0.3μm~55μmとした。
【0136】
好ましくは、発明者は、表層のメッキ層の厚みが0.5μm~35μmである場合、金属スプリングピース140と挿入端子120の温度上昇及び耐腐食性の総合的な効果が優れることを発現し、それで製品自体の安全性、信頼性、実用性を一層向上させるために表層のメッキ層の厚みを0.5μm~35μmとした。
【0137】
具体的な実施形態において、挿入端子120の材質に銅または銅合金またはアルミニウムまたはアルミニウム合金の中の一つを含有する。電気自動車の挿入端子120は、電圧が高く、電流が大きく、いずれも断面積の大きい挿入端子120を用いて電流の伝送を行わなければならなく、銅材質の材料の場合、導電性能がよく、延長性がよく、挿入端子120の材料として最適である。しかし、銅価格が高くなっているため、銅材を挿入端子120の材料とするとコストが高くなる。したがって、金属銅の入れ替え品を選択してコストを低下させている。地殻中の金属アルミニウムの含有量は約7.73%であって、精製技術が最適化された後、価格が低く、且つ銅に比べて、アルミニウムの重量が軽く、導電率も銅次に優れていて、電気接続分野において銅の替わりとしてアルミニウムを利用することができる。よって、自動車電気接続分野において銅の替わりにアルミニウムを利用する傾向である。
【0138】
本実施形態の電気的接続構造100によると、挿入端子120と金属スプリングピース140の接触が良好であって、金属スプリングピース140と回路基板110の接続が安定的であって、且つ複数のスプリングピース143によって複数の信号検出ポイントを提供しいて、信号伝送の安定性を保証する。同時に、金属スプリングピース140自体の性能が優れて、挿入端子120を複数回挿抜することができ、使用寿命が長い。
【0139】
第2の実施形態
以下、
図7を参照して、第2の実施形態による電気的接続構造を説明する。金属スプリングピース240を除く挿入端子、回路基板端子ホルダは第1の実施形態で説明した構造や構成を有する。したがって、第1の実施形態における素子と同様な機能を有する素子については同じ符号を付く。且つ、簡略化するために、他の構造/構造が同様な部品については詳細な説明及び/または例示を省略する。
【0140】
図7に示すように、金属スプリングピース240は、第1のベースバンド241と、複数のスプリングピース243と、を含む。スプリングピース243の一端は自由端であり、スプリングピース243の他端は第1のベースバンド241に接続され、突出部244がスプリングピース243の自由端上に位置し、突出部244はスプリングピース243の変形弾力によって回路基板110表面上に圧力を印加する。これによって、安定的な接続を実現したうえ、金属スプリングピースの製造コストを節約することができる。
【0141】
本発明の電気的接続構造によると、挿入端子と金属スプリングピースの接触が良好であって、金属スプリングピースが外側へ突出した突出部を有して、回路基板との接続が安定的であって、且つ金属スプリングピース中の複数のスプリングピースによって複数の信号検出ポイントを提供して、信号伝送の安定性を保証する。同時に、金属スプリングピース自体の性能が優れて、挿入端子を複数回挿抜することができ、使用寿命が長い。
【0142】
本発明によると、さらに充電インレットを提供し、充電インレットは上述したいずれかの実施形態の電気的接続構造を含むことができる。本発明の電気的接続構造100によると、挿入端子120と金属スプリングピース140の接触が良好であって、金属スプリングピース140と回路基板110との接続が安定的であって、且つ複数のスプリングピース143によって複数の信号検出ポイントを提供して、信号伝送の安定性を保証する。同時に、金属スプリングピース140自体の性能が優れて、挿入端子120を複数回挿抜することができ、使用寿命が長い。
【0143】
第3の実施形態
本発明によると、さらに自動車を提供し、自動車は上述した充電インレット及び/または上述したいずれかの実施形態の電気的接続構造を含むことができる。既存の充電インレットにおいて、挿入端子120が通常回路基板110上に直接に溶接され、挿入端子120が使用中に破損されると、補修時に挿入端子120を取り外しにくく、補修工数を増加し、補修コストを増加してしまう。挿入端子120が強固に溶接されでないと、挿入端子120と回路基板110との接触不良を招き、さらに回路基板110と挿入端子120との電気的接続の安定性に影響を与えてしまう。設備に漏電が発生し、感電による死傷者が出るリスクもある。本発明で提供する自動車によると、上述した充電インレット及び/または上述したいずれかの実施形態の電気的接続構造を用いていて、回路基板110と挿入端子120との間で金属スプリングピース140を介して接触接続し、挿入端子120を回路基板110から何時でも取り外すことができ、補修工数を節約し、補修コストを低下する。そして、金属スプリングピース140の弾力が安定的で、挿入端子120との接触抵抗が終始安定的な状態を維持し、自動車の運転中に、挿入端子120が絶えずに振動している状況であっても、金属スプリングピース140は挿入端子120と安定的の電気的接続を維持し、自動車の安全性を保証し、自動車の使用寿命を延長する。
【0144】
特に定義していない限り、本願に使用された技術及び科学用語は本発明が属される技術分野の当業者が一般的に理解している意味と同じである。本願に使用された用語は、本発明を限定するものではなく、具体的な実施を説明するためのものである。本願に記載の「部品」等の用語は単一のパーツを表すことができれば、複数のパーツの組み合わせを表すこともできる。本願に記載の「装着」、「設置」等の用語は一つの部材を他の部材に直接に付着することを表すことができれば、一つの部材が中間体によって他の部材に付着されることを表すこともできる。本願において一つの実施形態で説明された特徴は単独または他の特徴と結合して他の実施形態に適用されることができ、なお、当該特徴が他の実施形態に適合しないかまたは単特な説明がある場合は除外される。
【0145】
本発明を上記実施形態によって説明したが、上記実施形態は例示や説明のためのものにすぎず、本発明を説明した実施形態の範囲を限定するためのものではない。当業者であれば、本発明の教示によって、多くの変形や修正を行うことができ、これらの変形や修正はいずれも本発明の保護範囲に含まれることを理解できる。
【国際調査報告】