(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】電気接続構造、充電用コンセントおよび自動車
(51)【国際特許分類】
H01R 12/58 20110101AFI20240816BHJP
H01R 13/02 20060101ALI20240816BHJP
H01R 13/03 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
H01R12/58
H01R13/02
H01R13/03 D
H01R13/03 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507091
(86)(22)【出願日】2022-08-05
(85)【翻訳文提出日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 CN2022110562
(87)【国際公開番号】W WO2023016369
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】202110904556.3
(32)【優先日】2021-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524029323
【氏名又は名称】チャンチュン ジェティ オートモーティブ テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100206911
【氏名又は名称】大久保 岳彦
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】ワン,チャオ
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA21
5E223AB44
5E223AB45
5E223AC34
5E223BA23
5E223BA27
5E223CB31
5E223CB38
5E223CD01
(57)【要約】
本発明は、電気接続構造、充電用コンセントおよび自動車を提供し、挿着孔が設けられた回路基板に適用され、前記電気接続構造は、複数の金属弾性片と挿着端子とを含み、複数の前記金属弾性片が前記挿着孔の円周方向に沿って回路基板に固定されており、前記挿着端子が前記挿着孔に挿設された状態で、前記挿着端子と前記回路基板との電気的接続を形成するように前記挿着端子が複数の前記金属弾性片に接触して接続されている。本発明の電気接続構造により、挿着端子と金属弾性片との接触が良好であり、金属弾性片と回路基板との接続が安定であり、且つ、複数の金属弾性片が複数の信号検出点を提供し、信号伝送の安定性を確保すると同時に、金属弾性片自体は、性能が良く、挿着端子を複数回挿抜することができ、使用寿命が長い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿着孔が設けられた回路基板に適用される電気接続構造であって、
複数の金属弾性片と、挿着端子とを含み、
複数の前記金属弾性片が前記挿着孔の円周方向に沿って回路基板に固定されており、前記挿着端子が前記挿着孔に挿設された状態で前記挿着端子が複数の前記金属弾性片に接触して接続されることにより、前記挿着端子と前記回路基板との電気的接続が形成される
ことを特徴とする電気接続構造。
【請求項2】
前記挿着端子は前記金属弾性片に接触して接続される接触区間を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の電気接続構造。
【請求項3】
前記回路基板に固定されている端子ホルダをさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の電気接続構造。
【請求項4】
前記挿着端子は、前記端子ホルダに固定されている固定区間をさらに含む
ことを特徴とする請求項3に記載の電気接続構造。
【請求項5】
前記接触区間は、外径が前記挿着孔の直径よりも小さく、前記挿着孔内に位置する
ことを特徴とする請求項2に記載の電気接続構造。
【請求項6】
複数の前記金属弾性片は前記挿着孔の円周方向に沿って環状に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電気接続構造。
【請求項7】
複数の前記金属弾性片は環状に均一に配置されている
ことを特徴とする請求項6に記載の電気接続構造。
【請求項8】
前記金属弾性片は、順に設けられた固定部、弾力部と、接触部とを含み、前記固定部が前記回路基板に固定されている
ことを特徴とする請求項2に記載の電気接続構造。
【請求項9】
前記弾力部と前記接触部との接続過渡箇所、および/または前記固定部と前記弾力部との接続過渡箇所には、補強リブが設けられている
ことを特徴とする請求項8に記載の電気接続構造。
【請求項10】
前記補強リブの前記接続過渡箇所の表面から突出した高さが前記金属弾性片の厚さに対する比の範囲は0.1倍~1倍である
ことを特徴とする請求項9に記載の電気接続構造。
【請求項11】
前記金属弾性片は、中部の固定部と、両側へ延在して順に接続された弾力部と接触部とを含み、前記固定部が前記回路基板に固定されている
ことを特徴とする請求項2に記載の電気接続構造。
【請求項12】
前記固定部は、前記挿着孔の内面および/または前記回路基板の上面および/または前記回路基板の下面に固定されている
ことを特徴とする請求項8または11に記載の電気接続構造。
【請求項13】
前記接触部には、円弧構造または折り曲げ構造が設けられている
ことを特徴とする請求項8または11に記載の電気接続構造。
【請求項14】
前記折り曲げ構造の折り曲げ角度は90°~160°である
ことを特徴とする請求項13に記載の電気接続構造。
【請求項15】
複数の前記接触部は、円周に配列され、複数の前記接触部の内接円の直径が前記接触区間の外径よりも小さい
ことを特徴とする請求項8または11に記載の電気接続構造。
【請求項16】
前記接触部は、内接円の直径が前記接触区間の外径よりも大きいガイド口をさらに含む
ことを特徴とする請求項8または11に記載の電気接続構造。
【請求項17】
前記接触部は、前記挿着孔内および/または挿着孔の上方および/または挿着孔の下方に位置する
ことを特徴とする請求項8または11に記載の電気接続構造。
【請求項18】
前記接触部は、前記回路基板に固定されている支持部をさらに含む
ことを特徴とする請求項8または11に記載の電気接続構造。
【請求項19】
前記挿着端子が複数の前記接触部に接触して接続された場合、前記弾力部は弾性変形し、前記接触部は前記挿着端子に圧力をかける
ことを特徴とする請求項8または11に記載の電気接続構造。
【請求項20】
前記圧力は0.5N~50Nである
ことを特徴とする請求項19に記載の電気接続構造。
【請求項21】
前記金属弾性片の材質は銅または銅合金である
ことを特徴とする請求項1に記載の電気接続構造。
【請求項22】
前記金属弾性片の材質はテルルを含む
ことを特徴とする請求項21に記載の電気接続構造。
【請求項23】
前記金属弾性片の材質におけるテルルの含有量は0.1%~5%である
ことを特徴とする請求項22に記載の電気接続構造。
【請求項24】
前記金属弾性片の材質はベリリウムを含む
ことを特徴とする請求項21に記載の電気接続構造。
【請求項25】
前記金属弾性片の材質におけるベリリウムの含有量は0.05%~5%である
ことを特徴とする請求項24に記載の電気接続構造。
【請求項26】
前記金属弾性片の材質におけるベリリウムの含有量は0.1%~3.5%である
ことを特徴とする請求項25に記載の電気接続構造。
【請求項27】
前記接触区間と前記接触部とにめっき層が設けられている
ことを特徴とする請求項8または11に記載の電気接続構造。
【請求項28】
前記接触区間におけるめっき層の材質は、前記接触部におけるめっき層の材質と異なる
ことを特徴とする請求項27に記載の電気接続構造。
【請求項29】
前記めっき層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、亜鉛、スズ鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀および銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種を含む
ことを特徴とする請求項27に記載の電気接続構造。
【請求項30】
前記めっき層は、下地層と表層とを含む
ことを特徴とする請求項27に記載の電気接続構造。
【請求項31】
前記下地層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、スズ鉛合金および亜鉛のうちの1種または複数種を含み、前記表層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、スズ鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀および銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種を含む
ことを特徴とする請求項30に記載の電気接続構造。
【請求項32】
前記下地層の厚さは0.01μm~15μmである
ことを特徴とする請求項30に記載の電気接続構造。
【請求項33】
前記下地層の厚さは0.1μm~9μmである
ことを特徴とする請求項30に記載の電気接続構造。
【請求項34】
前記表層の厚さは0.3μm~55μmである
ことを特徴とする請求項30に記載の電気接続構造。
【請求項35】
前記表層の厚さは0.5μm~35μmである
ことを特徴とする請求項30に記載の電気接続構造。
【請求項36】
前記金属弾性片の数は3個~24個である
ことを特徴とする請求項1に記載の電気接続構造。
【請求項37】
前記挿着端子の材質は、銅または銅合金またはアルミニウムまたはアルミニウム合金のうちの1種を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の電気接続構造。
【請求項38】
請求項1~37のいずれかに記載の電気接続構造を含む
ことを特徴とする充電用コンセント。
【請求項39】
請求項38に記載の充電用コンセントおよび/または請求項1~37のいずれかに記載の電気接続構造を含む
ことを特徴とする自動車。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2021年08月07日に提出された出願番号が202110904556.3であり、発明名称が「電気接続構造」である中国特許出願の優先権を要求し、その全ての内容は援用により本願に組合せられている。
【技術分野】
【0002】
本発明は、新エネルギー車の充電分野に関し、特に、回路基板に用いられることができる電気接続構造に関する。
【背景技術】
【0003】
20世紀の90年代から、エネルギと環境保護との要求に基づき、電気自動車の研究開発は、再び活躍期に入っている。この20年間、様々な科学技術の高速発展に伴い、電気自動車の多くの技術的難点が徐々に解決されている。世界的には、各大型自動車メーカーは、それぞれの電気自動車製品を販売している。
【0004】
充電スタンド、充電ガンおよび充電用コンセントは、電気自動車の主な充電装置であり、ここに、充電装置の規格に基づき、全ての充電装置には、PE線を設置しなければならないと要求されている。PE線は、充電装置の接地線であり、漏電が発生した場合機器および人を保護するためのものである。従来の充電ガンまたは充電用コンセントにおいて、PE線における端子は、通常、回路基板に直接溶接されており、PE線における端子が使用中に破損すると、メンテナンス時にPE線における端子が取り外され難く、メンテナンス工数が増加し、メンテナンスコストが増加する。PE線における端子の溶接が強固でなければ、PE線における端子と回路基板との接触不良を引き起こし、回路基板とPE線における端子との間の電気的接続の安定性に影響を与え、機器の漏電を招き、人が感電して死傷するリスクがある。
【0005】
したがって、従来の技術では、上記課題を解決するための新しい方案が切に求められている。
【0006】
発明の概要
【0007】
本発明は、回路基板と端子との間での信号伝送の安定性を確保するための電気接続構造を提供する。
【0008】
本発明が提供する具体的な技術方案は以下の通りである。
【0009】
挿着孔が設けられた回路基板に適用される電気接続構造であって、
複数の金属弾性片と、挿着端子と、を含み、
複数の前記金属弾性片が前記挿着孔の円周方向に沿って回路基板に固定され、前記挿着端子が前記挿着孔に挿設された状態で前記挿着端子が複数の前記金属弾性片のいずれにも接触して接続されることにより前記挿着端子と前記回路基板との電気的接続を形成する。
【0010】
選択可能に、前記挿着端子は、前記金属弾性片に接触して接続される接触区間を含む。
【0011】
選択可能に、前記回路基板に固定されている端子ホルダをさらに含む。
【0012】
選択可能に、前記挿着端子は、前記端子ホルダに固定されている固定区間をさらに含む。
【0013】
選択可能に、前記接触区間は、外径が前記挿着孔の直径よりも小さく、前記挿着孔内に位置する。
【0014】
選択可能に、複数の前記金属弾性片は、前記挿着孔の円周方向に沿って環状に配置されている。
【0015】
選択可能に、複数の前記金属弾性片は、均一に環状に配置されている。
【0016】
選択可能に、前記金属弾性片は、順に設けられた固定部と、弾力部と、接触部とを含み、前記固定部が前記回路基板に固定されている。
【0017】
選択可能に、前記弾力部と前記接触部との接続過渡箇所、および/または前記固定部と前記弾力部との接続過渡箇所には、補強リブが設けられている。
【0018】
選択可能に、前記補強リブの前記接続過渡箇所の表面から突出した高さが前記金属弾性片の厚さに対する割合の範囲は0.1倍~1倍である。
【0019】
選択可能に、前記金属弾性片は、中部の前記固定部と、両側へ延在して順に接続された前記弾力部と前記接触部とを含み、前記固定部が前記回路基板に固定されている。
【0020】
選択可能に、前記固定部は、前記挿着孔の内面および/または前記回路基板の上面および/または前記回路基板の下面に固定されている。
【0021】
選択可能に、前記接触部には、円弧構造または折り曲げ構造が設けられている。
【0022】
選択可能に、前記折り曲げ構造の折り曲げ角度は90°~160°である。
【0023】
選択可能に、複数の前記接触部は、円周に配列され、複数の前記接触部の内接円の直径は前記接触区間の外径よりも小さい。
【0024】
選択可能に、前記接触部は、内接円の直径が前記接触区間の外径よりも大きいガイド口をさらに含む。
【0025】
選択可能に、前記接触部は、前記挿着孔内および/または挿着孔の上方および/または挿着孔の下方に位置する。
【0026】
選択可能に、前記接触部は、前記回路基板に固定されている支持部をさらに含む。
【0027】
選択可能に、前記挿着端子が複数の前記接触部に接触して接続された場合、前記弾力部は弾性変形し、前記接触部は前記挿着端子に圧力をかける。
【0028】
選択可能に、前記圧力は0.5N~50Nである。
【0029】
選択可能に、前記金属弾性片の材質は銅または銅合金である。
【0030】
選択可能に、前記金属弾性片の材質はテルルを含む。
【0031】
選択可能に、前記金属弾性片の材質におけるテルルの含有量は0.1%~5%である。
【0032】
選択可能に、前記金属弾性片の材質はベリリウムを含む。
【0033】
選択可能に、前記金属弾性片の材質におけるベリリウムの含有量は0.05%~5%である。
【0034】
選択可能に、前記金属弾性片の材質におけるベリリウムの含有量は0.11~3.5%である。
【0035】
選択可能に、前記接触区間と前記接触部とにめっき層が設けられている。
【0036】
選択可能に、前記めっき層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、亜鉛、スズ鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀および銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種である。
【0037】
選択可能に、前記めっき層は、下地層と表層とを含む。
【0038】
選択可能に、前記下地層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、スズ鉛合金および亜鉛のうちの1種または複数種であり、前記表層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、スズ鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀および銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種である。
【0039】
選択可能に、前記下地層の厚さは0.01μm~15μmである。
【0040】
選択可能に、前記下地層の厚さは0.1μm~9μmである。
【0041】
選択可能に、前記表層の厚さは0.3μm~55μmである。
【0042】
選択可能に、前記表層の厚さは0.5μm~35μmである。
【0043】
選択可能に、前記金属弾性片の数は3個~24個である。
【0044】
本発明は、上記いずれかの実施形態の電気接続構造を含む充電用コンセントをさらに提供する。
【0045】
本発明は、前記充電用コンセントおよび/または上記いずれかの実施形態の電気接続構造を含む自動車をさらに提供する。
【0046】
本発明は以下の有益な効果を奏することができる。
【0047】
1、本発明の挿着端子と金属弾性片との接触が良好であり、金属弾性片と回路基板との接続が安定であり、且つ、複数の金属弾性片が複数の信号検出点を提供し、信号伝送の安定性を確保すると同時に、金属弾性片自体は、性能が良く、挿着端子が複数回に挿抜されることができ、使用寿命が長い。
【0048】
2、本発明の金属弾性片は順に設けられた固定部と、弾力部と、接触部とを含むように構造されてもよく、複数の金属弾性片の固定部は、挿着孔の円周方向に沿って前記回路基板の板面に固定され、金属弾性片と回路基板との間の安定性を確保すると同時に、接触部と挿着端子の接触区間との接触により弾力部を弾性変形させ、前記接触部は前記接触区間に圧力をかけ、挿着端子と金属弾性片との間の電気的接続の安定性を確保する。
【0049】
3、金属弾性片の接触部に円弧構造または折り曲げ構造を設けることによって、挿着端子(PE端子に限定されない)と金属弾性片との間の電気的接続の安定性をさらに確保する。
【0050】
4、複数の前記接触部は、前記挿着孔内または挿着孔の上方または挿着孔の下方に位置し、回路基板の実装スペースを考慮して挿着端子と金属弾性片との接触位置を調整することができる。
【0051】
5、金属弾性片の接触部の折り曲げ構造の折り曲げ角度は90°~160°であり、該折り曲げ角度の設定により、金属弾性片は折り曲げられた箇所で接触部およびガイド口を直接形成することができ、これによって、金属弾性片と挿着端子との接触の安定性、および挿着端子の挿入時のスムーズなガイドを確保する。
【0052】
6、本発明の金属弾性片はテルル銅合金を使用し、金属弾性片が良好な導電性と加工容易性を有するようになり、電気的性能を確保しながら加工性を向上させることができると同時に、テルル銅合金の弾性も優れている。
【0053】
7、本発明の接触区間と接触部とにめっき層を設けることによって、接点の導電性能、耐摩耗性および防食性能をより向上させることができ、複合めっき層を使用することが好ましく、めっき層の堅牢度をより向上させることができ、複数回に挿抜した後でも依然としてめっき層の脱落しないことおよび耐食性を確保することができる。
【0054】
8、本発明の金属弾性片は、中部の固定部と、両側に延在して順に接続された弾力部と接触部とを含んでもよく、固定部が回路基板に固定され、さらに、固定部は、挿着孔の内面または回路基板の上面または回路基板の下面に固定されてもよく、これによって、金属弾性片と回路基板との間の電気的接続の安定性を確保する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る電気接続構造の構造概略図である。
【
図2】
図1に示す電気接続構造であり、挿着端子と端子ホルダとを省略した構造概略図であり、ここに、第1の実施形態の複数の金属弾性片と回路基板との嵌合を示す。
【
図3】第1の実施形態の電気接続構造における金属弾性片の構造概略図である。
【
図4】第1の実施形態の電気接続構造における回路基板の構造概略図であり、ここに、挿着孔を示す。
【
図5】第1の実施形態の電気接続構造における挿着端子の構造概略図である。
【
図6】第1の実施形態の電気接続構造における端子ホルダの構造概略図である。
【
図7】本願の第2の実施形態に係る電気接続構造の構造概略図である。
【
図8】
図7に示す電気接続構造であり、挿着端子と端子ホルダとを省略した構造概略図であり、ここに、第2の実施形態の複数の金属弾性片と回路基板との嵌合を示す。
【
図9】本願の第2の実施形態に係る金属弾性片の異なる視角の組み合わせられた概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術方案を明瞭且つ完全に説明し、説明された実施例は、本願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではないことが明らかである。本願における実施例に基づいて、当業者が進歩的な労働をせずに取得した他の全ての実施例は、本願の権利保護範囲に含まれる。
【0057】
以下、当業者が明細書を参照して実施できるように本発明をさらに詳細に説明する。本発明の技術的特徴、目的および効果をより明確に理解するために、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態を説明する。ここに、「第1の」、「第2の」等の用語は、目的の説明のために用いられるものであり、相対的な重要性を指示または暗示したり、指示された技術的特徴の数を暗黙的に明示したりすると理解されるべきではなく、これにより、「第1の」、「第2の」等により限定された特徴は、1つまたは複数の該特徴を明示的または暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、特に断りのない限り、「複数」は2つ以上を意味する。本発明の説明において、特に断りのない限り、「接続」という用語は広義に理解されるべきであり、例えば、固定的に接続されてもよいし、着脱可能に接続されてもよいし、直接接続されてもよいし、中間の部材を介して間接接続されてもよいし、当業者にとって、具体的な状況に応じて本特許における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0058】
実施の形態1
【0059】
本発明は、挿着孔が設けられた回路基板に適用される電気接続構造100を提供し、
図1に示すように、当該電気接続構造100は、回路基板110と、挿着端子120と、複数の金属弾性片140とを含む。具体的には、複数の金属弾性片140は、挿着孔111の円周方向に沿って回路基板110に固定されており、挿着端子120が挿着孔111に挿設された状態で、前記挿着端子120と前記回路基板110との電気的接続を形成するように複数の金属弾性片140はいずれも挿着端子120に接触されて接続されている。
【0060】
本発明の挿着端子120と金属弾性片140との接触が良好であり、金属弾性片140と回路基板110との接続が安定であり、且つ複数の金属弾性片140が複数の信号検出点を提供し、信号伝送の安定性を確保すると同時に、金属弾性片140自体は、弾性性能が良く、挿着端子120が複数回挿抜されることができ、使用寿命が長い。従来技術において溶接ピンが強固ではないため、接触不良を引き起こす可能性があり、さらに回路基板110と挿着端子120との間の電気的接続の安定性に影響を与えるという課題を解決している。また、本発明は、挿着端子120と金属弾性片140との挿抜接続により、溶接接続に比べて、繰り返し挿抜することができ、回路基板110の適合性を向上させる。
【0061】
次に、
図1~
図6を参照して、本実施形態における電気接続構造の各部材の詳細な構造を詳しく説明する。
【0062】
具体的には、
図5に示すように、挿着端子120は、この順に接続された挿着区間121と、接触区間122と、固定区間123と、接続区間124とを含む。ここに、挿着区間121は、対象側端子に挿着されるために用いられ、例えば充電ガンの雄端子と充電用コンセントの雌端子とが挿着接続され、充電電流を電源から自動車電池に導入させることができる。接続区間124は、ケーブル導体と電気的に接続するために用いられ、例えば、充電用コンセントの内部の挿着端子120は、充電用コンセントのケーブルと接続されるとともに、電気エネルギーを自動車電池に導入させる。接触区間122は、金属弾性片140に接触して接続されるために用いられ、例えば、充電用コンセントのPE端子が回路基板上の金属弾性片140に接触し、回路基板がPE端子から接地信号を読み取る機能を実現する。
【0063】
具体的には、
図6に示すように、本実施形態の電気接続構造は、端子ホルダ130をさらに含み、端子ホルダ130は、回路基板110に固定されてもよい。挿着端子120の固定区間123は、端子ホルダ130に固定される。具体的な実施形態において、端子ホルダ130は、係止、接着およびネジ接続により回路基板110に固定されることができ、係止とは、端子ホルダ130に弾性を有する係止爪が複数設けられ、回路基板110に係止溝またはスナップが設けられ、端子ホルダ130の複数の係止爪と回路基板110上の係止溝またはスナップとが互いに係止されることによって、端子ホルダ130を回路基板110に固定させることを意味し、接着とは、端子ホルダ130と回路基板110との両方に接着面が設けられ、次にそれぞれ接着剤が塗布され、両者の接着面を接着させることを意味し、ネジ接続とは、端子ホルダ130にネジ孔が設けられ、回路基板110に貫通孔が設けられ、ネジが貫通孔を貫通することによって、回路基板110が端子ホルダ130に螺着固定されることを意味する。
【0064】
より具体的には、
図6に示すように、端子ホルダは、U字状を呈する挟持部131を含んでもよく、それに対応して、端子の固定区間123は、該U字状の挟持部の間に挟持されて固定される。
【0065】
具体的には、
図1、
図2および
図4に示すように、回路基板110には、挿着端子120が挿着される挿着孔111が設けられ、挿着端子120を挿着孔111にスムーズに挿入させることを容易にするように挿着端子120の接触区間122の外径は、回路基板110上の挿着孔の直径よりも小さい。さらに、挿着孔111と接触区間122との間は、一定の隙間を有し、挿着端子120は一定の可動量を有しても良く、対象端子と挿着される際に、軸線位置からわずかにずれることができ、接合のずれが大き過ぎることにより、挿着端子120が対象端子に接合できなくなることを回避する。
【0066】
具体的には、複数の金属弾性片140は、挿着孔111の円周方向に沿って環状に配置されている。
図2に示すように、環状に配置された金属弾性片140は、より広い面積で挿着端子120の接触区間122に接触することができ、これによって、金属弾性片140と挿着端子120との接触抵抗を減少させ、電気接続構造100の電気的性能を向上させる。
【0067】
具体的には、複数の金属弾性片140は、挿着孔111の円周方向に沿って均一に環状に配置され、
図2に示すように、5つの金属弾性片140の間の間隔が均一であり、もし複数の金属弾性片140が挿着孔111の円周方向に沿って均一に環状に配置されず、ひいては、いずれも片側に偏ると、金属弾性片140により接触区間122に付勢する弾力が不均一になり、挿着端子120が挿着孔111において軸線からずれ、対象端子が挿着端子120との接合を実現できず、電気的な接続機能を実現できない。
【0068】
具体的には、
図2に示すように、各金属弾性片140は、いずれも順に設けられた固定部141と、弾力部142と、接触部143とを含み、ここに、複数の金属弾性片140の固定部141が挿着孔111の円周方向に沿って回路基板110の上面に固定され、固定部141により、回路基板110における金属弾性片140の位置が固定されると同時に、弾力部142の一端も固定され、接触部143が接触区間122に接触するとき、接触部143が変位し、弾力部142を変形させ、弾力部142は、変形応力を接触部143にフィードバックし、これによって、接触部143は、接触区間122に圧力をかけ、接触をより十分にし、接触抵抗を減少させ、電気接続構造100の電気的性能を向上させる。
【0069】
他の実施例において、金属弾性片140は、中部の固定部141と、両側に延在して順に接続された弾力部142と接触部143とを含み、ここに、固定部141が回路基板に固定され、固定部141が依然として金属弾性片140全体を固定する役割を果た。好ましくは、固定部141が挿着孔111の内壁周に溶接され、固定部141の両側の弾力部142と接触部143とがそれぞれ回路基板110の上下面に向かって延在し、接触部143と接触区間122との接触面積を増大させることに相当し、接触抵抗を大幅に減少させることができ、電気接続構造100の電気的性能を向上させる。
【0070】
具体的には、固定部141は、挿着孔111の内面および/または回路基板110の上面および/または回路基板110の下面に固定され、固定部141は、回路基板110の具体的な設計に応じて、回路基板110の適切な位置に配置されてもよく、これによって、回路基板110自体の回路性能に影響を与えることもなく、金属弾性片140の電流および信号の導通の作用を実現することもできる。
【0071】
具体的には、接触部143には、円弧構造または折り曲げ構造が設けられ、円弧構造または折り曲げ構造により、接触部143と接触区間122との接触をより円滑にすることができ、引っ掛かりが生じることがない。さらに、電気接続構造100の使用中、接触部143と接触区間122とが振動により相対変位を生じる。静止状態の場合接触部143と接触区間122とが面接触であれば、振動環境下にあれば、相対変位により短時間の点接触を形成し、このとき、接触抵抗が瞬間的に増大し、導通電流も急に増大し、接触部143と接触区間122との温度上昇が高過ぎて損傷を引き起こす。円弧構造または折り曲げ構造の場合、振動環境においても、接触部143と接触区間122との面接触の状態を保持し、これによって、導通電流が急に増大して電気接続構造100が破損することがない。
【0072】
具体的には、接触部143の折り曲げ構造の折り曲げ角度は90°~160°である。折り曲げ構造の折り曲げ角度による、接触部143と接触区間122との間の接触抵抗への影響を検証するために、発明者は、同じサイズの金属弾性片140、挿着端子120および回路基板110を用いて同じ相対位置で取り付ける一方、異なる折り曲げ構造の折り曲げ角度を用いて、接触部143と接触区間122との間の接触抵抗をそれぞれ測定し、検証結果を表1に示す。
【0073】
接触部143と接触区間122との接触抵抗の測定はマイクロオムメータを用いる。測定法として、マイクロオムメータの測定端の一端を接触部143に置き、他端を接触区間122に置き、毎回測定するときに置かれた位置が同じようにし、そしてマイクロオムメータに示される接触抵抗の読み取り値を読み取る。本実施例において、接触抵抗が1mΩより大きいものを不合格とした。
【0074】
表1 異なる折り曲げ構造の折り曲げ角度による、接触部143と接触区間122との間の接触抵抗への影響
【0075】
【0076】
上記の表1から分かるように、折り曲げ構造の折り曲げ角度が90°未満である場合、角度が小さいため、折り曲げ構造の接触箇所は鋭い。この場合、折り曲げ構造の相対的に接触区間122との接触面積が小さく、接触抵抗も大きくなり、標準の要求を満たさない。折り曲げ構造の折り曲げ角度が160°より大きい場合、折り曲げ構造はその形が平面に近似するようになり、ガイド機能がなくなり、接触区間122が接触部143へ挿入される場合、接触部143の両端に干渉され、接触区間122が接触部143に挿入されることができなくなり、これによって、電気接続構造100の機能を実現できない。したがって、発明者は、接触部143の折り曲げ構造の折り曲げ角度を90°~160°に設定した。
【0077】
具体的には、
図1に示すように、挿着端子120が挿着孔111に挿設された状態で、挿着端子120の接触区間122は挿着孔111内に位置する。さらに、複数の金属弾性片140の接触部143は、内接円の直径が挿着端子120の接触区間122の外径よりも小さく設定されてもよい。これによって、接触部143が接触区間122に接触すると、接触区間122により接触部143を変位させ、弾力部142を変形させ、弾力部142は変形応力を接触部143にフィードバックすることにより、接触部143は接触区間122に圧力をかける。これによって、挿着端子120と金属弾性片140との間の緊密な嵌合を実現して接触をより十分にし、接触抵抗を減少させ、電気接続構造100の電気的性能を向上させることができる。
【0078】
具体的には、
図2に示すように、接触部143は、内接円の直径が挿着端子120の接触区間122の外径よりも大きいガイド口148をさらに含んでもよい。接触区間122が接触部143に挿入されるとき、ガイド口148の内接円の直径が挿着端子120の接触区間122の外径よりも大きいため、ガイド口148が先に接触区間122の斜面に接触し、接触部143を後方に移動させる。ガイド口148を設けることによって、挿着端子120を挿着孔111に挿入させる挿入力を減少させることができ、電気接続構造100をより容易に組み立て、工数を節約し、生産効率を向上させることができる。
【0079】
具体的には、接触部143は、挿着孔111内に位置し、および/または挿着孔111の上方に位置し、および/または挿着孔111の下方に位置する。電気接続構造100の設計過程において、全体的な構造を小さくすることを考慮すると、内部空間を最適化して設計する必要がある。それぞれの取付環境において、異なる弾力部142の形状、および固定部141の異なる溶接位置を設計することができ、これによって、接触部143を挿着孔111の異なる位置に位置させ、実装スペースを節約することができるだけでなく、接触部143と接触区間122との十分な接触も確保することでき、電気接続構造100の電気的性能を向上させる。
【0080】
具体的には、接触部143は、回路基板110に固定された支持部をさらに含んでもよい。電気接続構造100の使用中、接触部143と接触区間122との接触は弾力部142の弾性変形によって実現されるが、弾力部142にも金属疲労が存在し、作動時間が長過ぎたり、大きな衝撃を受けたりした後、弾力部142は、弾性を失い、これによって、接触部143と接触区間122との接触力が減少され、接触抵抗が増大し、接触部の温度が高過ぎて電気接続構造100の損傷を引き起こす。接触部143に支持部を追加し、支持部を回路基板110に固定することによって、金属弾性片140を両端とも回路基板110に固定することができる。これによって、金属弾性片140は片端が自由端であることによる、弾力部142の弾性喪失を回避し、接触部143と接触区間122との良好な接触を確保し、電気接続構造100の電気的性能を向上させる。
【0081】
具体的には、挿着端子120の接触区間122が複数の金属弾性片140の接触部143に接触して接続されると、金属弾性片140の弾力部142が弾性変形し、弾力部142の反発力が接触部143に作用し、さらに挿着端子120の接触区間122に圧力をかけることで、挿着端子120と金属弾性片140および回路基板110との間の安定した電気的接続を実現する。
【0082】
さらに、接触部143により接触区間122にかける圧力は、0.5N~50Nであってもよい。接触部143により接触区間122にかける圧力による、接触部143と接触区間122との間の接触抵抗への影響を検証するために、発明者は、同じサイズの金属弾性片140、挿着端子120および回路基板110を用いて同じ相対位置で取り付ける一方、異なる弾力部142の弾力を用いて、接触部143と接触区間122との間の接触抵抗をそれぞれ測定し、検証結果は表2に示す。
【0083】
弾力部142の弾力は、精密プッシュプルゲージを用いて測定する。金属弾性片140を固定し、精密プッシュプルゲージにより、弾力部142が作動することにより変位した後の弾力を測定する。
【0084】
接触部143と接触区間122との接触抵抗の測定は、マイクロオムメータを用いている。測定法として、マイクロオムメータの測定端の一端を接触部143に置き、他端を接触区間122に置き、毎回測定するときに置かれた位置が同じようにし、そしてマイクロオムメータにおける接触抵抗の読み取り値を読み取る。本実施例において、接触抵抗が1mΩより大きいものを不合格とした。
【0085】
表2 異なる圧力による、接触部143と接触区間122との間の接触抵抗への影響
【0086】
【0087】
上記の表2から分かるように、接触部143により接触区間122にかけた圧力が0.5N未満である場合、圧力が小さいため、接触部143と接触区間122との接触面積が小さく、接触抵抗も増大し、標準の要求を満たさない。接触部143により接触区間122にかけた圧力が50Nより大きい場合、弾力部142の弾力が大き過ぎ、ほとんど変形せず、接触部143の内接円の直径が接触区間122の外径よりも小さいため、接触区間122を接触部143に挿入させることができない。これによって、電気接続構造100の機能を実現できない。じたがって、発明者は、接触部143により接触区間122にかける圧力を0.5N~50Nとして設定した。
【0088】
いくつかの実施例において、金属弾性片140の材質は、銅または銅合金であり、銅材質の導体材料は、導電性能が良く、延性が良く、弾性も良く、導体材料として好ましい。
【0089】
さらに、金属弾性片140の材質はテルルを含む。金属弾性片140の材質は、テルル銅合金であり、よって、端子が良好な導電性と加工容易性を有するようになり、電気的性能を確保しながら加工性を向上させると同時に、テルル銅合金の弾性も優れている。好ましくは、金属弾性片140の材質にテルルの含有量は0.1%~5%である。
【0090】
発明者は、形状が同じ金属弾性片140を10個を用いて検証を行い、各金属弾性片140はいずれもテルル銅合金であり、そのうち、テルルの含有量の割合はそれぞれ0.05%、0.1%、0.2%、1%、1.2%、1.8%、3%、5%、6%、7%である。検証内容は、金属弾性片140の弾力と抵抗であり、検証結果を表3に示す。
【0091】
弾力部142の弾力について、金属弾性片140を固定し、精密プッシュプルゲージにより弾力部142が作動することにより変位した後の弾力を測定し、本実施例において、弾力が20N未満であるものを不合格とした。
【0092】
金属弾性片140の抵抗の測定方法は、マイクロオムメータを用いる。マイクロオムメータの測定端を金属弾性片140の両端に置き、毎回測定するときに置かれた位置を同じようにし、そしてマイクロオムメータの抵抗値を読み取る。本実施例において、抵抗が1mΩより大きいものを不合格とした。
【0093】
表3 それぞれの、テルルの含有量の割合による、金属弾性片140の弾力と抵抗への影響
【0094】
【0095】
上記の表3から分かるように、金属弾性片140の材質におけるテルルの含有量の割合が0.1%未満である場合、材質が純銅に近いため、相対的に材質が柔らかく、弾力部142の弾力が要求値を満たさない。金属弾性片140の材質におけるテルルの含有量の割合が5%より大きい場合、テルル銅合金の導電率が純銅の材質よりも劣るため、金属弾性片140の抵抗値が要求を満たさない。したがって、金属弾性片140の材質におけるテルルの含有量は、0.1%~5%である。
【0096】
さらに、金属弾性片140の材質はベリリウムを含む。金属弾性片140の材質は、ベリリウム銅合金であり、端子が非常に高い硬度、弾性限界、疲労限界および耐摩耗性を有することになり、さらに良好な耐食性、熱伝導性および導電性を有するようになり、衝撃を受けた時に火花が発生しない。好ましくは、金属弾性片140の材質におけるベリリウムの含有量は0.05%~5%である。金属弾性片140におけるベリリウムの含有量の限定は、発明者が複数回に試験をすることにより得るものである。
【0097】
金属弾性片140の材質におけるベリリウムの含有量の割合が0.05%未満である場合、材質が純銅に近いため、衝撃を受けた際に火花が発生しやすい。金属弾性片140の材質におけるベリリウムの含有量の割合が5%より大きい場合、ベリリウム銅合金の導電率が純銅の材質より劣るため、金属弾性片140の抵抗値が要求を満たさない。したがって、金属弾性片140の材質におけるベリリウムの含有量は0.05%~5%である。より好ましくは、金属弾性片140の材質におけるベリリウムの含有量は0.1%~3.5%である。
【0098】
金属弾性片140の材質におけるベリリウムの含有量の割合による、金属弾性片140の抵抗と着火状況への影響を検証するために、発明者は同じ形状の金属弾性片140を10個用いてして検証する。各金属弾性片140はいずれもベリリウム銅合金であり、そのうち、ベリリウムの含有量の割合はそれぞれ0.05%、0.1%、0.2%、1%、1.2%、1.8%、3%、5%、6%、7%である。検証内容は、金属弾性片140の抵抗と着火状況であり、検証結果を表4に示す。
【0099】
金属弾性片140の抵抗の測定は、マイクロオムメータを用いている。その測定法として、マイクロオムメータの測定端を金属弾性片140の両端に置き、毎回測定するときに置かれた位置を同じようにし、そしてマイクロオムメータにおける抵抗値を読み取る。本実施例において、抵抗が1mΩより大きいものを不合格とした。
【0100】
金属弾性片140の着火状況に関して、帯電した挿着端子120と金属弾性片140とを衝突させ、挿着端子120および金属弾性片140の作動状態を模擬し、1000回衝突する場合の、着火状況が発生した回数を観察する。着火状況の回数が3回を超えるものを不合格とした。
【0101】
表4 異なるベリリウム含有量の割合による、金属弾性片140の抵抗と着火状況への影響
【0102】
【0103】
上記の表4から分かるように、金属弾性片140の材質におけるベリリウムの含有量の割合が0.05%未満である場合、材質が純銅に近いため、挿着端子120と金属弾性片140とが衝突した際に、着火状況の回数が3回を超えた。一方、金属弾性片140の材質におけるベリリウムの含有量の割合が5%より大きい場合、ベリリウム銅合金の導電率が純銅の材質よりも劣るため、金属弾性片140の抵抗値が要求を満たさない。したがって、金属弾性片140の材質におけるベリリウムの含有量は0.05%~5%である。好ましくは、金属弾性片140の材質におけるベリリウムの含有量が0.1%~3.5%である場合、金属弾性片140の抵抗と着火状況がより優れている範囲内にあるため、発明者は、金属弾性片140の材質におけるベリリウムの含有量が0.1%~3.5%であることが好ましいと設定した。
【0104】
いくつかの実施形態では、接触端子の接触区間122と金属弾性片140の接触部143とにめっき層が設けられている。好ましくは、接触区間122上のめっき層の材質は、接触部143上のめっき層の材質と異なる。
【0105】
めっき層は、耐食性を向上させ、導電性能を向上させ、挿着回数を増加させるためのものであり、挿着端子120と金属弾性片140の使用寿命をより延ばすことができる。
【0106】
めっき層は、電気めっき、無電解めっき、マグネトロンスパッタリングまたは真空めっきなどの方法を使用することができる。金属弾性片140と挿着端子120のめっき層の厚さは一致してもよく、必要に応じて厚さが異なるめっき層として設けられてもよい。
【0107】
電気めっき方法は、電解原理を利用してある金属表面に他の金属または合金を薄くめっきするプロセスである。
【0108】
無電解めっき方法は、金属の触媒作用下で、制御可能な酸化還元反応により金属を生成する堆積プロセスである。
【0109】
マグネトロンスパッタリング方法は、磁場と電場の交互作用を利用して、電子をターゲット表面付近で螺旋状に運動させることによって、電子がアルゴンガスに衝突してイオンを発生させる確率を増大させる。発生したイオンは、電界の作用でターゲット面に衝突してターゲット材をスパッタする。
【0110】
真空めっき方法は、真空条件下で、蒸留またはスパッタリングなどの方式によりワークの表面に様々な金属および非金属薄膜を堆積する。
【0111】
めっき層の材質は金、銀、ニッケル、スズ、亜鉛、スズ鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀および銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種を含んでもよい。銅は、活性金属として、使用中に酸素および水と酸化反応するため、金属弾性片140と挿着端子120の使用寿命を延ばすために、1種または複数種の不活性金属を銅のめっき層とする必要がある。さらに、常に挿抜する必要がある金属接点に対しても、耐摩耗性が良好な金属をめっき層とする必要があり、接点の使用寿命を大幅に増加させることができる。さらに、接点として良好な導電性能が必要であり、上記金属の導電性および安定性は、いずれも銅または銅合金より優れ、金属弾性片140と挿着端子120がより良い電気的性能およびより長い使用寿命を得ることができるようになる。
【0112】
材質が異なるめっき層による、金属弾性片140と挿着端子120全体の性能への影響を検証するために、発明者は、規格、材質が同じ、めっき層の材料が異なる金属弾性片140と挿着端子120サンプルを使用し、一連の耐食性時間検証を行い、検証結果を以下の表5に示す。
【0113】
下記の表5における耐食性時間に関する検証は、金属弾性片140と挿着端子120を塩霧吐出試験箱内に入れ、金属弾性片140と挿着端子120の各位置に塩霧を吐出し、20時間ごとに取り出して洗浄して表面腐食状況を観察し、すなわち20時間は1サイクルであり、金属弾性片140と挿着端子120の表面腐食面積が総面積の10%を超えると、検証を停止し、その時のサイクル数を記録した。本実施例において、サイクル数が80回未満であるものを不合格とした。
【0114】
表5 各種のめっき材質による、金属弾性片140と挿着端子120の耐食性への影響
【0115】
【0116】
上記の表5から分かるように、選択されためっき層の材質が金、銀、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀および銀金ジルコニウム合金を含む場合、検証結果が標準値を大幅に超え、性能が安定している。選択されためっき層の材質がニッケル、スズ、スズ鉛合金、亜鉛を含む場合も、検証結果が要求を満たすことができるため、発明者は、めっき層の材質が金、銀、ニッケル、スズ、スズ鉛合金、亜鉛、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀および銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種の組み合わせを含むものを選択した。
【0117】
さらに、めっき層は、下地層と表層とを含んでもよい。いくつかの実施例において、めっき層は、多層めっきの方法を使用する。挿着端子120と金属弾性片140は加工された後、実際に、それらの表面の微視的な界面には、依然として多くの隙間と穴が存在し、これらの隙間と穴は、金属弾性片140と挿着端子120の使用過程における摩耗と腐食の最大原因であるため、金属弾性片140と挿着端子120の表面には、先に一層の下地層をめっきする必要があり、表面の隙間と穴を埋め、表面を平坦で穴がないようにして、その後表層のめっき層をめっきすると、表層のめっき層の結合がより強固になり、めっき層の表面がより平らになり、隙間と穴がなくなる。金属弾性片140と挿着端子120の耐摩耗性能、耐腐食性能、電気的性能がより優れ、金属弾性片140と挿着端子120の使用寿命を大幅に延ばす。
【0118】
前記下地層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、スズ鉛合金および亜鉛のうちの1種または複数種を含んでもよい。前記表層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、スズ鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀および銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種を含んでもよい。ここに、下地層の材質は、従来材料であり、表層の材質も従来材料である。
【0119】
具体的な実施形態において、下地層の厚さは0.01μm~15μmである。好ましくは、前記下地層の厚さは0.1μm~9μmである。
【0120】
具体的な実施形態において、表層の厚さは0.3μm~55μmである。好ましくは、表層の厚さは0.5μm~35μmである。
【0121】
下地層のめっき層の厚さの変化による、金属弾性片140と挿着端子120全体の性能への影響を検証するために、発明者は、規格、材質が同じ、ニッケルめっき下地層の厚さが異り、銀めっき表層の厚さが同じ金属弾性片140と挿着端子120サンプルを使用し、温度上昇と耐食性時間に対して一連の検証を行い、検証結果を以下の表6に示す。
【0122】
下記の表6における温度上昇検証は、接触されている金属弾性片140と挿着端子120に同じ電流が流れるようにし、閉塞された環境で、金属弾性片140と挿着端子120の同じ位置の、通電前の温度と温度が安定した後の温度を検出し、差を取って絶対値にした。本実施例において、温度上昇が50Kより大きいものを不合格とした。
【0123】
下記の表6における耐食性時間検証は、金属弾性片140と挿着端子120を塩霧吐出試験箱内に入れ、金属弾性片140と挿着端子120の各位置に塩霧を吐出し、20時間ごとに取り出して洗浄して表面腐食状況を観察し、すなわち20時間は1サイクルであり、金属弾性片140と挿着端子120の表面腐食面積が総面積の10%を超えると、検証を停止し、その時のサイクル数を記録した。本実施例において、サイクル数が80回未満であるものを不合格とした。
【0124】
表6 下地層めっき層の厚さが異なるものによる、金属弾性片140と挿着端子120の温度上昇と耐食性への影響
【0125】
【0126】
上記の表6から分かるように、下地層ニッケルめっき層の厚さが0.01μm未満である場合、金属弾性片140と挿着端子120の温度上昇は合格であったが、めっき層が薄過ぎるため、金属弾性片140と挿着端子120の耐食性サイクル数が80未満になり、金属弾性片140と挿着端子120の性能要求を満たさず、電気接続構造100の全体性能および寿命に大きな影響を与え、深刻な場合、製品寿命の激減、ひいては失効による燃焼事故を引き起こす。下地層ニッケルめっき層の厚さが15μmを超えると、下地層めっき層が厚いため、金属弾性片140と挿着端子120から発生した熱が放熱されず、金属弾性片140と挿着端子120の温度上昇が不合格になる。そして、めっき層は厚いため、かえって金属弾性片140と挿着端子120の表面から脱落しやすく、耐食性サイクル数が低下する。したがって、発明者は、下地層めっき層の厚さを0.01μm~15μmとして選択した。好ましくは、発明者は、下地層めっき層の厚さが0.1μm~9μmである場合、金属弾性片140と挿着端子120の温度上昇および耐食性の総合的な効果がより良いことを発見したため、製品自体の安全性、信頼性および実用性をさらに向上させるために、好ましくは、下地層めっき層の厚さは、0.1μm~9μmである。
【0127】
表層めっき層の厚さの変化による、挿着端子全体の性能への影響を検証するために、発明者は、規格、材質、ニッケルめっき下地層の厚さが同じ、銀めっき表層の厚さが異なる金属弾性片140と挿着端子120サンプルを使用し、温度上昇と耐食性時間に対して一連の検証を行い、検証結果を以下の表7に示す。
【0128】
表7 表層めっき層の厚さが異なるものによる金属弾性片140と挿着端子120の温度上昇と耐食性への影響
【0129】
【0130】
上記の表7から分かるように、表層の銀めっき層の厚さが0.3μm未満である場合、金属弾性片140と挿着端子120の温度上昇は合格であったが、めっき層が薄過ぎるため、金属弾性片140と挿着端子120の耐食性サイクル数が80未満になり、金属弾性片140と挿着端子120の性能要求を満たさない。電気接続構造100の全体性能および寿命に大きな影響を与え、深刻な場合に、製品寿命の激減、ひいては失効による燃焼事故を引き起こす。表層銀めっき層の厚さが55μmを超えると、下地層めっき層が厚いため、金属弾性片140と挿着端子120から発生した熱が放熱されず、金属弾性片140と挿着端子120の温度上昇が不合格となり、そして、めっき層が厚いため、かえって端子表面から脱落しやすく、耐食性サイクル数が低下する。また、表層めっき金属は高価であるため、厚いめっき層を用いても性能が向上しなければ、使用価値がない。したがって、発明者は、表層銀めっき層の厚さを0.3μm~55μmとして選択した。
【0131】
好ましくは、発明者は、表層めっき層の厚さが0.5μm~35μmである場合金属弾性片140と挿着端子120の温度上昇および耐食性の総合的な効果がより良いことを発見したため、製品自体の安全性、信頼性および実用性をさらに向上させるために、好ましくは、表層めっき層の厚さが0.5μm~35μmである。
【0132】
具体的には、金属弾性片140の数が3個~24個である。金属弾性片が2個である場合、対称に設けられた金属弾性片140により挿着端子120が2個の金属弾性片140の結び線方向に移動しないようにすることができるが、挿着端子120が2個の金属弾性片140の結び線方向に垂直する方向に移動しないように制御することができず、依然として挿着端子120が挿着孔111において軸線からずれる場合があり、対象端子と挿着端子120との接合を実現することができず、電気的な接続機能を実現することができない。金属弾性片140の数が24個を超えると、金属弾性片140と接触区間122との導電性能が増加せず、かえって、溶接すべき金属弾性片140が多いため、加工工数が増加し、製品のコストが増大する。
【0133】
本実施形態に係る電気接続構造100により、挿着端子120と金属弾性片140との接触が良好であり、金属弾性片140と回路基板110との接続が安定であり、且つ、複数の金属弾性片140により複数の信号検出点を提供し、信号伝送の安定性を確保すると同時に、金属弾性片140自体は性能が良好であり、挿着端子120が複数回の挿抜されることができ、使用寿命が長い。
【0134】
(第2の実施形態)
【0135】
以下、
図7~
図9を参照して第2の実施形態に係る電気接続構造200を説明する。金属弾性片240と回路基板210を除いて、挿着端子120と金属ホルダは、第1の実施形態において説明されたものと同様の構成および構造を有する。したがって、第1の実施形態における部品と実質的に同一の機能を有する部品については、ここで、同一の符号を付ける。なお、簡潔にするために、ここでは詳細に説明および/または例示されない。
【0136】
図8に示すように、金属弾性片240は、順に設けられた固定部241と、弾力部242と、接触部243とを含む。複数の金属弾性片240の固定部241は回路基板210の、挿着孔の円周方向に沿って設けられた予備孔に固定されている。弾力部242と接触部243との接続過渡箇所、および/または固定部241と弾力部242との接続過渡箇所には、補強リブが設けられている。補強リブ245を設置することにより、弾力部242と接触部243との接続過渡箇所244、および/または固定部241と弾力部242との接続過渡箇所における、金属弾性片240の強度および剛性を補強することができ、挿着端子120が複数回挿抜される過程において金属弾性片240が接続過渡箇所244にて破断してその使用寿命に影響を与えるようにならない。好ましくは、補強リブ245の接続過渡箇所244の表面から突出した高さが金属弾性片240の厚さに対する比の範囲は、0.1倍~1倍である。
【0137】
補強リブ245の高さが金属弾性片240の厚さに対する比の範囲による、金属弾性片240の弾力と使用寿命への影響を検証するために、発明者は形状が同じ金属弾性片240を10個用いて検証し、各金属弾性片240は接続過渡箇所244で、形状が同じ、高さが異なる補強リブ245がプレス加工され、金属弾性片140の弾力と使用寿命をそれぞれ検証し、検証結果を以下の表8に示す。
【0138】
弾力部242の弾力について、金属弾性片240を固定し、精密プッシュプルゲージにより弾力部242が作動することにより変位した後の弾力を測定し、本実施例において、弾力が20N未満であるものを不合格とした。
【0139】
金属弾性片240の使用寿命に関する検証において、金属弾性片240と、同じ挿着端子120および回路基板110とを組み立て、そして、挿着端子120を挿抜させ、10回毎に金属弾性片240の破断状況を観察し、破断が発生すると、検証を停止し、その時の挿抜回数の値を記録し、8000回未満であるものを不合格とした。
【0140】
表8 補強リブの高さが金属弾性片の厚さに対する比の範囲による、金属弾性片の弾力と使用寿命への影響
【0141】
【0142】
上記の表8から分かるように、補強リブ245の接続過渡箇所244の表面から突出した高さが金属弾性片240の厚さに対する比の範囲は0.1倍未満である場合、材質が純銅に近くて柔らかいため、弾力部242の弾力が要求値を満たさない。補強リブ245の接続過渡箇所244の表面から突出した高さが金属弾性片240の厚さに対する比の範囲は1倍を超えると、プレス加工された高さが高過ぎるため、かえって金属弾性片240の厚さが厚過ぎて応力が集中するようになり、複数回に挿抜した検証において、補強リブ245が折り曲げられることについて、補強リブ245の高さが高いほど、折り曲げの回数が少なくなる。したがって、発明者は、補強リブ245の接続過渡箇所244から突出する表面の高さが金属弾性片240の厚さに対する比の範囲を0.1倍~1倍に設定した。
【0143】
金属弾性片240の接触部243には折り曲げ構造が設けられてもよい。挿着端子の接触区間が金属弾性片240の接触部243に接触されると同時に、金属弾性片240の弾力部242を弾性変形させ、弾力部242の反発力が挿着端子120の接触区間に作用し、これによって、挿着端子120と金属弾性片240との間で安定した電気的接続を実現する。
【0144】
本発明は、上記いずれかの実施形態の電気接続構造100を含む充電用コンセントをさらに提供する。本発明の電気接続構造100は、挿着端子120と金属弾性片140との接触が良好であり、金属弾性片140と回路基板110との接続が安定であり、且つ、複数の金属弾性片140が複数の信号検出点を提供し、信号伝送の安定性を確保する。そして、金属弾性片140自体は性能が良く、挿着端子120を複数回に挿抜されることができ、使用寿命が長い。
【0145】
(第3の実施形態)
【0146】
本発明は、上記の充電用コンセントおよび/または上記いずれかの実施形態の電気接続構造を含む自動車をさらに提供する。従来の充電用コンセントにおいて、挿着端子120は、通常、回路基板に直接溶接され、挿着端子120が使用中に破損すると、メンテナンス時に挿着端子120が取り外され難く、メンテナンス工数が増加し、メンテナンスコストが増加する。挿着端子120が強固に溶接されないと、挿着端子120と回路基板110との接触不良を引き起こし、回路基板110と挿着端子120との間の電気的接続の安定性に影響を与え、機器の漏電を招き、人が感電して死傷するリスクがある。本発明により提供される自動車は、上記の充電用コンセントおよび/または上記のいずれかの実施形態を含む電気接続構造を使用し、回路基板110と挿着端子120との間は金属弾性片140を用いて接触して接続され、挿着端子120は、回路基板110から随時取り外すことができ、メンテナンス工数を節約し、メンテナンスコストを低減する。さらに、金属弾性片140は、弾力が安定し、挿着端子120との接触抵抗が常に安定状態に維持される。自動車の運動状態において、挿着端子120が振動中の状態でも金属弾性片140と挿着端子120とは安定な電気的接続に維持されることができ、自動車の安全性を確保し、自動車の使用寿命を延ばす。
【0147】
ほかに定義されない限り、本明細書において使用される技術用語および科学用語は、当業者によって通常に理解される意味と同じである。本明細書で使用される用語は、具体的な実施を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。本明細書の「部材」などの用語は、単一の部品を示してもよく、複数の部品の組み合わせを示してもよい。本明細書の「取り付ける」、「設ける」などの用語は、一方の部材が他方の部材に直接取り付けられることを意味してもよく、一方の部材が中間部材を介して他方の部材に取り付けられることを意味してもよい。本明細書において1つの実施形態で説明された特徴は、他の実施形態に適用できない限り、または断りのない限り、単独または他の特徴と組み合わせて他の実施形態に適用されてもよい。
【0148】
本発明は上記の実施形態によって説明されたが、上記の実施形態は例示と説明のためのものであり、本発明を説明された実施形態の範囲内に限定するものではない。当業者として、本発明の教示に基づいてより多くの変形および補正を行うことができ、これらの変形および補正はいずれも本発明の権利保護範囲内にあると理解することができる。
【国際調査報告】