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特表2024-530663バッテリ装置の出力電力および燃料電池システムの動作電力の制御のための制御方法
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  • 特表-バッテリ装置の出力電力および燃料電池システムの動作電力の制御のための制御方法 図1
  • 特表-バッテリ装置の出力電力および燃料電池システムの動作電力の制御のための制御方法 図2
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  • 特表-バッテリ装置の出力電力および燃料電池システムの動作電力の制御のための制御方法 図4
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  • 特表-バッテリ装置の出力電力および燃料電池システムの動作電力の制御のための制御方法 図8
  • 特表-バッテリ装置の出力電力および燃料電池システムの動作電力の制御のための制御方法 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】バッテリ装置の出力電力および燃料電池システムの動作電力の制御のための制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60L 3/00 20190101AFI20240816BHJP
   H01M 8/04664 20160101ALI20240816BHJP
   H01M 8/04992 20160101ALI20240816BHJP
   B60L 58/40 20190101ALI20240816BHJP
【FI】
B60L3/00 S
H01M8/04664
H01M8/04992
B60L58/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507862
(86)(22)【出願日】2022-08-09
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 AT2022060279
(87)【国際公開番号】W WO2023015329
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】A50651/2021
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518151386
【氏名又は名称】エーヴィエル・リスト・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リンデル、ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】レール、クリスチャン ルパート
(72)【発明者】
【氏名】シュールフーバー、クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ペル、ヨハネス
【テーマコード(参考)】
5H125
5H127
【Fターム(参考)】
5H125AA01
5H125AC07
5H125AC12
5H125BC05
5H125BC09
5H125BD02
5H125EE21
5H125EE33
5H127AB04
5H127AB29
5H127AC05
5H127AC07
5H127DB49
5H127DB90
5H127DB92
5H127DB99
5H127DC41
5H127DC96
5H127DC99
5H127FF11
(57)【要約】
本発明は、ハイブリッド駆動システム(100)の電気駆動装置(130)のためのバッテリ装置(110)の出力電力(AL)と燃料電池システム(120)の動作電力(BL)の制御のための制御方法において、
-燃料電池システム(120)の動作電力(BL)を検出期間(EZ)にわたって検出および記憶する工程と、
-バッテリ装置(110)の出力電力(AL)を検出期間(EZ)にわたって検出および記憶する工程と、
-少なくともバッテリ装置(110)検出および記憶された出力電力(AL)に基づいてバッテリ損傷予測(BASP)を決定する工程と、
-少なくとも燃料電池システム(120)の検出および記憶された動作電力(BL)に基づいて燃料電池損傷予測(BZSP)を決定する工程と、
-決定されたバッテリ損傷予測(BASP)に基づいてバッテリ装置(110)の目標出力電力(SAL)を設定する工程と、
-決定された燃料電池損傷予測(BZSP)に基づいて燃料電池システム(120)の目標動作電力(SBL)を設定する工程と、を特徴とする制御方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド駆動システムの電気駆動装置のためのバッテリ装置の出力電力と燃料電池システムの動作電力の制御のための制御方法において、
-前記燃料電池システムの前記動作電力を検出期間にわたって検出および記憶する工程と、
-前記バッテリ装置の前記出力電力を検出期間にわたって検出および記憶する工程と、
-少なくとも前記バッテリ装置の前記検出および記憶された出力電力に基づいてバッテリ損傷予測を決定する工程と、
-少なくとも前記燃料電池システムの前記検出および記憶された動作電力に基づいて燃料電池損傷予測を決定する工程と、
-前記決定されたバッテリ損傷予測に基づいて前記バッテリ装置の目標出力電力を設定する工程と、
-前記決定された燃料電池損傷予測に基づいて前記燃料電池システムの目標動作電力を設定する工程と、
を備える、制御方法。
【請求項2】
前記目標出力電力の前記設定および前記目標動作電力の前記設定のために、前記燃料電池損傷予測と前記バッテリ損傷予測のバランスが考慮される、請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記バッテリ装置の現在損傷状況についてのバッテリ損傷状態と、前記燃料電池システムの現在損傷状態についての燃料電池損傷状態とが決定され、前記目標出力電力および/または前記目標動作電力の前記設定のために考慮される、請求項1に記載の制御方法。
【請求項4】
前記バッテリ装置および前記燃料電池システムについて、最大バッテリ損傷状態に達するまで、および最大燃料電池損傷状態に達するまでの最小寿命の設定が行われる、請求項1に記載の制御方法。
【請求項5】
前記目標出力電力および/または前記目標動作電力の前記設定が、残ったバッテリ残存損傷および/または残った燃料電池残存損傷を考慮して行われる、請求項4に記載の制御方法。
【請求項6】
前記バッテリ損傷予測および/または前記燃料電池損傷予測、特にさらにバッテリ損傷状態、燃料電池損傷状態、バッテリ残存損傷および/または燃料電池残存損傷が正規化される、請求項1に記載の制御方法。
【請求項7】
前記正規化が、最小寿命および/または走程に合わせて行われる、請求項6に記載の制御方法。
【請求項8】
前記バッテリ損傷予測および/または前記燃料電池損傷予測のために、少なくとも1つのバッテリパラメータおよび/または燃料電池パラメータが監視される、請求項1に記載の制御方法。
【請求項9】
前記バッテリ損傷予測および/または前記燃料電池損傷予測は、サブコンポーネント損傷予測を含む、請求項1に記載の制御方法。
【請求項10】
前記バッテリ損傷予測および/または前記燃料電池損傷予測のために、長期的および/または不可逆的損傷メカニズムのみが考慮される、請求項1に記載の制御方法。
【請求項11】
前記バッテリ損傷予測および/または前記燃料電池損傷予測のために損傷モデルが使用される、請求項1に記載の制御方法。
【請求項12】
前記損傷モデルは、検出および記憶された動作電力を用いて、検出および記憶された出力電力を用いて、および/または他の損傷パラメータを用いて改善される、請求項11に記載の制御方法。
【請求項13】
バッテリ損傷予測が否定的である場合、および/または燃料電池損傷予測が否定的である場合、前記バッテリ装置、前記燃料電池システム、前記バッテリ装置のコンポーネントおよび/または前記燃料電池システムのコンポーネントの交換が指示される、請求項1に記載の制御方法。
【請求項14】
ハイブリッド駆動システムの電気駆動装置のためのバッテリ装置の出力電力および燃料電池システムの動作電力の制御のための制御装置において、
前記燃料電池システムの前記動作電力を検出期間にわたって検出および記憶するための、並びに前記バッテリ装置の前記出力電力を検出期間にわたって検出および記憶するための検出モジュールと、
少なくとも前記バッテリ装置の前記検出および記憶された出力電力に基づいてバッテリ損傷予測を決定するための、並びに少なくとも前記燃料電池システムの前記検出および記憶された動作電力に基づいて燃料電池損傷予測を決定するための決定モジュールと、前記決定されたバッテリ損傷予測に基づいて前記バッテリ装置の目標出力電力を設定するための、および前記決定された燃料電池損傷予測に基づいて前記燃料電池システムの目標動作電力を設定するための設定モジュールであって、請求項1から13のいずれか一項に記載の制御方法を実行するように形成されている、前記検出モジュール、前記決定モジュール、および/または前記設定モジュールを備える制御装置。
【請求項15】
車両の駆動のためのハイブリッド駆動システムであって、バッテリ装置と、燃料電池システムと、電気駆動装置と、請求項14に記載の制御装置とを有する、ハイブリッド駆動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリ装置の出力電力および燃料電池システムの動作電力の制御のための制御方法、その方法を実行するための制御装置、並びにその制御装置を備えたハイブリッド駆動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気駆動装置を備えた最新の車両を駆動するためにハイブリッド駆動システムが使用されることが知られている。このために、電気駆動装置に電気エネルギーを供給する必要がある。これは、バッテリ装置と燃料電池システムとからなるハイブリッド駆動システムにおいて行われる。その場合、ハイブリッド駆動システムのそれぞれの動作状況における電力要求に応じて、出力電力と動作電力の異なった構成が現在の電力要求を満たすことができる。
【0003】
既知の解決策の欠点は、電力要求を満たすために出力電力と動作電力を構成する際に現在状況のみが考慮されるということである。せいぜいのところ、個々のコンポーネントの相応の損傷を回避または軽減するために、バッテリ装置および/または燃料電池システムの個々の損傷メカニズムが考慮されるということが知られている。しかし、これによって、2つのコンポーネントのうちの1つの損傷は軽減されるが、もう1つのコンポーネントは、普通の、または高い損傷によりハイブリッド駆動システムの所望の寿命に達しない可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の課題は、上記の欠点を少なくとも部分的に解消することである。特に、本発明の課題は、ハイブリッド駆動システムの可能な限り長い耐用期間をより安価に、かつより簡単に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、請求項1の特徴を有する制御方法、請求項14の特徴を有する制御装置、および請求項15の特徴を有するハイブリッド駆動システムによって解決される。本発明の他の特徴および詳細は、従属請求項、以下の記載、および図面から明らかになる。その場合、本発明による制御方法との関連で説明される特徴および詳細は、当然のことながら、本発明による制御装置および本発明によるハイブリッド駆動システムとの関連でも、かつその逆も当てはまり、それにより本発明の個々の態様の開示に関して常に相互に参照される、若しくは参照することができる。
【0006】
本発明によれば、バッテリ装置の出力電力および燃料電池システムの動作電力の制御方法は、ハイブリッド駆動システムの電気駆動装置のために用いられる。この制御方法は、以下の工程、すなわち
-燃料電池システムの動作電力を検出期間にわたって検出および記憶する工程と、
-バッテリ装置の出力電力を検出期間にわたって検出および記憶する工程と、
-少なくともバッテリ装置の検出および記憶された出力電力に基づいてバッテリ損傷予測を決定する工程と、
-少なくとも燃料電池システムの検出および記憶された動作電力に基づいて燃料電池損傷予測を決定する工程と、
-決定されたバッテリ損傷予測に基づいてバッテリ装置の目標出力電力を設定する工程と、
-決定された燃料電池損傷予測に基づいて燃料電池システムの目標動作電力を設定する工程と、を特徴とする。
【0007】
本発明による制御方法は、ハイブリッド駆動システムの動作中、比較的長い検出期間にわたって燃料電池システムの動作電力およびバッテリ装置の出力電力が検出されるだけでなく記憶もされるということを出発点とする。例えば、出力電力および動作電力を数時間、数日、更には数週間にわたって監視、検出および記憶することができる。これは、特に、後述する燃料電池システムおよびバッテリ装置の損傷状態を決定および考慮することを可能にする。重要な要素は、動作電力および出力電力の過去の観測と記憶された値とに基づいてバッテリ装置と燃料電池システムの将来予測を決定できるということである。例えば、バッテリ装置の損傷モデルと、動作電力および/または出力電力の検出および記憶された値を備えた燃料電池システムの別の損傷モデルとを使用することが可能である。このような損傷モデルを用いることで、バッテリ装置および燃料電池システムの損傷が将来どのように進行するのかを予測することができる。このような損傷予測は、例えば、ハイブリッド駆動システムの所望の最小寿命との相関関係を含むことができる。しかしながら、他の損傷予測、例えば最大可能出力電力および/または動作電力、バッテリ装置の最大蓄電容量の減少またはそれに類するものを個々に、または組み合わせて考えることができる。
【0008】
本発明の中核の思想は、例えば1つ以上の損傷モデルを利用して、バッテリ装置についてはバッテリ損傷予測、燃料電池システムについては燃料電池損傷予測が決定されることによって将来の観測が実行されるということである。したがって、以下の制御方法若しくは設定工程については、現在電力要求を満たすために、現在動作状況の考慮だけでなく、むしろ将来の予想される損傷状況の考慮が行われる。
【0009】
本発明の作用形式を更に明確にするために、既知の解決策を本発明による中核的な思想と簡単に比較する。例えば、既知のハイブリッド駆動システムで電力要求が高くなると、動作電力の増加によって、出力電力の増加によって、または両方の増加の組み合わせによって、この高い電力要求を満たさなければならない。既知の解決策では、どちらの電力を増加させるのかは、現在の動作電力または出力電力がどこにあるのか、最大または最小の出力電力または動作電力に対してどの限界値が設定されているのか、或いは、燃料電池システムおよびバッテリ装置の動作にどのような効率性の観念が考慮されるべきであるのかによって決まる。しかし、これは、高い損傷作用がバッテリ装置を過度に損傷させ、それにより特定の運転時間数またはそれに類するものの所望の最小寿命を達成できなくなることにつながる可能性がある。
【0010】
したがって、本発明による中核的な思想は、現在の電力要求を検出することに加えて、本発明による制御方法を実行することになる。このために、制御方法は、バッテリ損傷予測および燃料電池損傷予測を決定するために、検出および記憶された過去の動作電力および出力電力を考慮することになる。したがって、制御、特に目標出力電力および目標動作電力の設定を、これらの損傷予測の結果に基づいて行うことができる。
【0011】
特に、これらの損傷予測は、ハイブリッド駆動システム全体の最小寿命を最大の確率で保証するために、正規化された、または絶対的方法で設定値と比較される。既知の解決策では、例えば効率性の観点に基づいて、バッテリ装置の出力電力の純粋な増加によって高い電力要求が満たされたかもしれないが、本発明による実施形態では、現在の特定のバッテリ損傷予測がこれにどのように影響を及ぼすのかが考慮される。現在決定されるバッテリ損傷予測が、バッテリ装置が所望の最小寿命にある程度の可能性で達しないということを示す場合、バッテリ装置からの高い電力要求を満たす際に、高効率にも関わらず、バッテリ装置の出力電力を増加させず、むしろ、効率低下が受け入れられ、それにより、燃料電池システムの高い動作電力によって電力要求が満たされ、それと同時に、バッテリ装置についても最小寿命達成の確率を高めるために、特定のバッテリ損傷予測が考慮される。本発明による制御方法がハイブリッド駆動システムにおける電力要求を満たすために頻繁に使用されるほど、ハイブリッド駆動システムのすべてのサブコンポーネントが所望の最小寿命を達成する可能性が高くなる。
【0012】
その場合、動作電力と出力電力の検出および記憶のための検出期間は、殊に同じ長さであり、それぞれの動作時間にわたって、殊に継続的に、または実質的に継続的に、すなわち中断なく形成されている。したがって、記憶は時間の経過にわたって実行される。出力電力および動作電力の他に、燃料電池システムおよび/またはバッテリ装置の他の動作パラメータおよび/または損傷パラメータも検出可能であり、同様に記憶可能である。
【0013】
すなわち、本発明による制御方法を用いることで、車両、例えば貨物自動車について所望の目標寿命を高い確率で達成することが可能となる。例えば、貨物自動車に150万運転キロメートルという所望の目標寿命が設定される場合、本発明による制御方法は、少なくともハイブリッド駆動システムの個々のコンポーネントに関して、燃料電池システムおよびバッテリ装置の損傷状況についての将来予測を考慮することができ、それによりこの目標寿命を実際にも達成するか、またはそれどころかこれを超える可能性が高まる。
【0014】
それぞれの損傷予測を形成および決定するために損傷モデルを使用できることにはすでに言及した。このような損傷モデルは、例えば、バッテリ装置、燃料電池システムおよび/またはハイブリッド駆動システムのテストベンチで決定することができる。当然のことながら、アルゴリズム関係、特性マップ、またはそれに類するものの他に、ニューラルネットワークまたはそれとは異なる人工知能を使用することもできる。
【0015】
本発明による制御方法において、目標出力電力および目標動作電力を設定するために燃料電池損傷予測とバッテリ損傷予測とのバランスが考慮される場合に利点を伴うことができる。この場合も、後述するように、燃料電池損傷予測およびバッテリ損傷予測のためには特に正規化が有利である。したがって、バランス、すなわち補償を考慮することができ、これはハイブリッド駆動システムの動作中の損傷メカニズムが量的に均等に燃料電池システムおよびバッテリ装置に損傷を与えることにつながる。特に、このようにして補償を行うことができ、コンポーネントの高い損傷を補償するための補償を行うことができ、その際、コンポーネントが特定の期間にわたって保護され、かつ他のコンポーネントの高い損傷によって補償される。すなわち、全体として、燃料電池システムとバッテリ装置の損傷予測のバランスをとることによって、損傷若しくは実際に発生する将来の損傷とのバランスが可能になる。
【0016】
更に、本発明による制御方法において、バッテリ装置の現在損傷状況についてのバッテリ損傷状態と、燃料電池システムの現在損傷状況についての燃料電池損傷状態とが決定され、目標出力電力および/または目標動作電力の設定のために考慮される。したがって、特に量的なおよび/または正規化された方法で、バッテリ装置および燃料電池システムの損傷状態の形の現在損傷状態がすでにどの程度であるのかを確認することが可能である。換言すると、過去の観測と将来の観測を組み合わせ、それにより過去における動作方式の結果としての現在損傷状況を将来予想される損傷予測と相関させる。すなわち、将来の高い損傷を予想する高い損傷予測が、すでに存在する高い損傷状態と組み合わせられた場合、将来の動作状況に備えてこれらのコンポーネントを保護する必要があるのに対して、低い損傷状況のコンポーネントは、特に低い損傷予測と組み合わせて高い負荷にさらすことができる。これもまた、特に、バッテリ装置および燃料電池システムの形の個々のコンポーネント間の損傷のバランスをとることを目的としている。
【0017】
本発明による制御方法において、バッテリ装置および燃料電池システムについて最大バッテリ損傷状態に達するまで、および燃料の最大損傷状態に達するまでの最小寿命の設定が行われる場合も利点を伴うことができる。したがって、2つの損傷状態が正規化される場合、最大バッテリ損傷状態は100パーセントの損傷を表し、最大燃料電池損傷状態も同様に燃料電池システムの100パーセントの損傷を表す。これにより、最小寿命を設定することと、例えば所望の走程(Kilometerleistung)、所望の耐用年数、それに類するものに関して、本発明による制御方法の基礎とすることとが可能である。
【0018】
本発明による制御方法において、目標動作電力および目標出力電力の設定が、残ったバッテリ残存損傷および/または残った燃料電池残存損傷を考慮して行われる場合が更に有利である。これは特に正規化された方法で行われ、例えばハイブリッド駆動システムの最小寿命に合わせて正規化される。これにより、どの程度の残存損傷がまだあるのか、すなわちそれぞれのコンポーネントの将来の動作のために残っているのかを予想することが可能になる。この場合も、バランスをとること、しかし特に所望の最小寿命に適応させることも使用できる。したがって、小さい残存損傷値を有するコンポーネントを意図的に保護することができる。残存損傷も正規化された方法で、キロメートルおよび/または運転時間に関連付けて、あるいは絶対的な方法で使用することができる。
【0019】
更に、本発明による制御方法において、バッテリ損傷予測および/または燃料電池損傷予測、特に更にバッテリ損傷状態、燃料電池損傷状態、バッテリ残存損傷および/または燃料電池残存損傷が正規化される場合が有利である。正規化は、例えば無次元の方法で行うことができる。この場合、本発明の意味において、例えば最小寿命、最小運転時間数および/または最小キロメートル走行数などの100パーセント実現に向けたパーセントの正規化も考えられる。正規化は、特に、コンポーネントおよび/またはサブコンポーネントの異なった損傷メカニズムのバランスをとることに関して、制御をより容易かつ簡単に実行することを可能にする。
【0020】
前の段落による制御方法において、正規化が最小寿命および/または走程で行われる場合も有利である。したがって、将来走行されるキロメートル当たりおよび/または将来の運転時間当たりの損傷の正規化についての結論を導くことができ、それにより簡単かつ迅速な比較が本発明による制御方法を加速的に可能にする。
【0021】
本発明による制御方法において、バッテリ損傷予測および/または燃料電池損傷予測のために、少なくとも1つのバッテリパラメータおよび/または燃料電池パラメータが監視される場合に更に利点を伴う。その場合、監視は、殊に、例えば圧力、圧力差、電流値、電圧値、温度値、湿度値および/または同様のパラメータなどの他の損傷パラメータおよび/または動作パラメータに関しても行われる。これは、予測と、特にそれまでに検出された動作電力および/または出力電力を詳細に評価することと、更に後述される損傷モデルを考慮することとを可能にする。
【0022】
本発明による制御方法において、バッテリ損傷予測および/または燃料電池損傷予測がサブコンポーネント損傷予測を有する場合も有利である。それに対応して部分残存損傷(teilーRestschaedigungen)および/または部分損傷状態を提供するために、いくつかの部分損傷予測への分割が可能であり得る。例えば、燃料電池システムのさまざまなサブコンポーネントのさまざまな損傷メカニズムを考慮することが可能である。例えば、燃料電池システムには、例えば中に含まれる膜、使用される触媒材料またはそれに類するものの損傷メカニズムが含まれる。サブコンポーネントの損傷予測の使用は、本発明による制御方法を用いてサブコンポーネントレベルでも更に正確にバランスをとるために、個々の損傷メカニズムの更に詳細な検出を可能にする。
【0023】
本発明による方法において、バッテリ損傷予測および/または燃料電池損傷予測のために、長期的および/または不可逆的損傷メカニズムのみが考慮される場合に他の利点を伴う。短期的または可逆的な損傷メカニズムがそれぞれのコンポーネントの寿命全体にわずかな影響しか与えないのに対して、長期的で不可逆的な損傷メカニズムにはこれは当てはまらない。特に、不可逆的な損傷メカニズムについては、それを再び損傷前の状態に戻す再生動作が可能でない。本発明による制御方法を長期的かつ不可逆的な損傷メカニズムに焦点を当てることにより、これらを可逆的な短期的損傷メカニズムから分離すること、および本発明による利点を更に目的に合わせて達成することを可能にする。
【0024】
更に、本発明による制御方法において、バッテリ損傷予測および/または燃料電池損傷予測を決定するために損傷モデルが使用される場合が有利である。これには、例えば、特性マップ、アルゴリズム、および/または人工知能の使用などが含まれ得る。燃料電池システムとバッテリ装置の別々の損傷モデルも必要である。当然のことながら、部分損傷モデルは、燃料電池システムのサブコンポーネントおよび/またはバッテリ装置のサブコンポーネントに使用することもできる。
【0025】
前の段落による制御方法において、更に、損傷モデルが検出および記憶された動作電力を用いて、検出および記憶された出力電力を用いて、および/または他の損傷パラメータを用いて改善される場合が更に有利であり得る。特に、以前の時点からの古い予測を実際の測定値と比較すること、そしてそれにより古い損傷予測の品質を評価することが可能である。これは、質的および/または量的方法で行うことができる。この評価は、更に、損傷モデルの自己学習システムの形で結論を提供することを可能にし、それにより過去の誤った予測を将来の予測に考慮することができ、それによってもまた本発明による制御方法の持続的使用による将来の予測がますます正確になる。
【0026】
本発明による制御方法において、バッテリ損傷予測が否定的である場合、および/または燃料電池損傷予測が否定的である場合、バッテリ装置、燃料電池システム、バッテリ装置のコンポーネントおよび/または燃料電池システムのコンポーネントの交換が指示される場合が更に有利であり得る。これは、否定的な損傷予測が、最小寿命の達成が保証されないことと解釈される場合に通知することと理解されるべきである。例えば、損傷予測は、最大限に保護された場合および/または再生状況が使用された場合でも所望の最小寿命を達成できないという情報を含むことができる。このような場合には、将来においてハイブリッド駆動システムの停止を伴う突然の交換を回避するために、早い時点に早期にサブコンポーネントの交換を提供することができる。特に、この通知は、特に簡単かつ安価に交換できるコンポーネントが選択されるように選択され、その場合、これらのコンポーネントに、残りのコンポーネントを保護しながら早期に、かつあらゆる保護を回避しながら最大限に負荷をかけることができる。
【0027】
本発明の別の主題は、ハイブリッド駆動システムの電気駆動装置のためのバッテリ装置の出力電力および燃料電池システムの動作電力の制御のための制御装置である。このような制御装置は、燃料電池システムの動作電力を検出期間にわたって検出および記憶するための、並びにバッテリ装置の出力電力を検出期間にわたって検出および記憶するための検出モジュールを特徴とする。更に、少なくともバッテリ装置の検出および記憶された出力電力に基づいてバッテリ損傷予測を決定するための、並びに少なくとも燃料電池システムの検出および記憶された動作電力に基づいて燃料電池損傷予測を決定するための決定モジュールが設けられている。更に、制御装置は、決定されたバッテリ損傷予測に基づいてバッテリ装置の目標出力電力を設定するための、および決定された燃料電池損傷予測に基づいて燃料電池システムの目標動作電力を設定するための設定モジュールを有する。検出モジュール、決定モジュール、および/または設定モジュールは、本発明による制御方法を実行するように形成されており、それにより本発明による制御装置は、本発明による制御方法に関して詳細に説明されたのと同じ利点を伴う。
【0028】
更に、本発明の主題は、車両の駆動のためのハイブリッド駆動システムである。このようなハイブリッド駆動システムは、バッテリ装置と、燃料電池システムと、電気駆動装置と、本発明による制御装置とを有し、それにより、このようなハイブリッド駆動システムは、本発明による制御装置および本発明による制御方法に関して詳細に説明されたのと同じ利点を伴う。
【0029】
本発明の他の利点、特徴および詳細は、本発明の実施例が図面を参照して詳細に説明される以下の記載から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明による制御装置の一実施形態を示す図である。
図2】検出期間に対する出力電力の可能なプロファイルを示す図である。
図3】検出期間に対する動作電力の可能なプロファイルを示す図である。
図4】本発明による方法の可能な実行を示す図である。
図5】本発明による方法の別の可能な実行を示す図である。
図6】本発明による方法の別の可能な実行を示す図である。
図7】本発明による方法の別の可能な実行を示す図である。
図8】本発明による制御装置の別の実施形態を示す図である。
図9】本発明によるハイブリッド駆動システムの一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、検出モジュール20を備えた制御装置10を概略的に示す。検出モジュール20は、図示されないセンサモジュールを介して、バッテリ装置110の現在出力電力ALおよび燃料電池システム120の現在の動作電力BLを継続的に検出および記憶することができる。したがって、このような検出モジュール20が、殊に記憶ユニットも備えることが好ましい。出力電力ALおよび動作電力BLの継続的かつ連続的な検出により、次に決定モジュール30を用いて、損傷モデルSMに基づいて、および損傷モデルを使用してバッテリ損傷予測BASPおよび燃料電池損傷予測BZSPを提供することができる。次に、これら2つの損傷予測BASPおよびBZSPは、燃料電池システム120およびバッテリ装置110の動作のための目標出力電力SALおよび目標動作電力SBLを提供できるようにするために、最終的に設定モジュール40において使用される。ハイブリッド駆動システム100における使用が図9に示され、ここでは、例えば電気モータの形の電気駆動装置130がバッテリ装置110のみから、燃料電池システム120のみから、またはバッテリ装置110と燃料電池システム120との組み合わせから所望の電気エネルギーを車両の駆動のために供給できることが良好に認識できる。
【0032】
本発明による制御方法の基礎は、例えば図2および図3に示すように、検出期間EZにわたる駆動電力ALおよび動作電力BLの検出である。駆動電力ALおよび動作電力BLは、電力要求および動作状況に応じて時間に対して変動する。図2および図3の両方から例示的プロファイルが見て取れる。バッテリ装置110の出力電力ALは、検出期間EZにわたって、高値から低値へ、中間値へ、完全にスイッチオフされた値を経て再び低値へと変動する。図3において、完全にスイッチオフされることはなく、最大負荷と様々に異なる低負荷との間で変動する燃料電池システム120の動作電力BLが示される。図2および図3において、2つの検出期間EZは、殊に同じ長さにされ、殊に、この期間にわたって継続的で遺漏なく検出および記憶される。
【0033】
次いで、図4および図5において、本発明による制御方法の作用の可能性が示される。その場合、図4は、過去の状況に基づいて、したがって検出および記憶された出力電力ALおよび動作電力BLに基づいて3つの値をどのように決定できるのかを示す。その場合、第1の値は、バッテリ損傷状態BASSおよび燃料電池損傷状態BZSSの形での過去の評価である。燃料電池損傷状態BZSSは、ここではバッテリ損傷状態BASSよりわずかに高い。次いで、これに基づいて、将来予想される動作について、例えば車両サイクルまたは通常適用される異なった動作状況の組み合わせに基づいて、バッテリ損傷予測BASPおよび燃料電池損傷予測BZSPについて損傷予測を立てることができる。図4において、個々の損傷予測および他のパラメータが100%に正規化されている。その場合、100%は、所望の最小寿命での最大損傷である。すなわち図4において、燃料電池損傷予測BZSPが100%を超え、したがって最小寿命の到達を不可能にする損傷予測が与えられていることが認識できる。同時に、バッテリ損傷予測BASPはこの正規化された100%を下回り、それによりバッテリ装置110は、この状況の後に最小寿命に達する。ここでは、損傷予測BASPおよびBZSPと、損傷状態BASSおよびBZSSとの間の差を、それぞれバッテリ残存損傷BARSおよび燃料電池残存損傷BZRSの形の残存損傷として認識できる。
【0034】
次に、本発明による制御方法を用いて図4の望ましくない状況を考慮するために、燃料電池システム120が保護され、それに対応してより高い出力電力ALをバッテリ装置110から得られるように目標動作電力SBLおよび目標出力電力SALの設定が行われる。これは、このようにしてバッテリ装置110がより激しく損傷される、および/またはより非効率的に動作する場合にも当てはまる。すなわち、既知の制御装置とは異なり、ここでは、例えば、燃料電池システム120の将来の損傷および予想される損傷予測を図5に示される状況に達するほどまで低減するために、バッテリ装置110に、有害または非効率的な動作方式が求められる。ここに、本発明による制御介入の結果が示されている。バッテリ装置110への損傷の増加によって、バッテリ損傷予測BASPが上昇するのに対して、燃料電池システム120の保護によって、燃料電池損傷予測BZSPは、正規化した表示で100%未満に低下している。これにより、本発明による制御方法の作用が良好に見て取れる。第1の工程において認識された過度に高い損傷と、この時点では過度に高い燃料電池損傷状態BZSSとに関わらず、制御介入によって、燃料電池システム120を保護することが、バッテリ装置110および燃料電池システム120の形の2つのコンポーネントが、正規化された方法で、最小寿命について再び100%を下回り、このようにして、所望の最小寿命を高い確率で達成できるということに至ることができた。
【0035】
図6および図7は、本発明による制御方法の別の可能性を示す。ここでは最小寿命との組み合わせは示されておらず、正規化も必ずしも必要ではない。図6は、バッテリ損傷状態BASSが燃料電池損傷状態BZSSよりわずかに高い初期状況を示す。燃料電池損傷予測BZSPは、バッテリ損傷予測BASPより格段に低い。2つの小さな矢印が示すように、ここでは損傷のバランスを的確にとることが所望され、それにより例えば損傷予測の同化が所望される。この状況では、損傷のバランスをとるためバッテリ損傷予測BASPを低下させるために、燃料電池システム130の損傷の追加および増加を受け入れることができる。図7は、これに基づいて行われた目標出力電力SALと目標動作電力SBLの設定の結果を示し、結果として、バッテリ損傷予測BASPと燃料電池損傷予測BZSPとの間のバランスがその結果である。
【0036】
図8は、図1の制御装置10の実施形態の更に別の発展形態を示す。ここでは、予測BASPおよびBZSPを立てるための損傷モデルSMが自己学習システムとして形成され得ることによりフィードバックが可能になる。これは、過去の損傷予測BASPおよびBZSPと、実施兄発生した損傷との比較とに基づいて行うことができる。しかしながら、他の損傷パラメータ、動作パラメータ、または検出された出力電力ALおよび動作電力BLを使用することも可能である。
【0037】
上記の実施形態の説明は、本発明を例の範囲内において説明するにすぎない。
【符号の説明】
【0038】
10 制御装置
20 検出モジュール
30 決定モジュール
40 設定モジュール
100 ハイブリッド駆動システム
110 バッテリ装置
120 燃料電池システム
130 電気駆動装置
AL 出力電力
SAL 目標出力電力
BL 動作電力
SBL 目標動作電力
EZ 検出期間
SM 損傷モデル
BASP バッテリ損傷予測
BASS バッテリ損傷状態
BARS バッテリ残存損傷
BZSP 燃料電池損傷予測
BZSS 燃料電池損傷状態
BZRS 燃料電池残存損傷
(他の可能な項目)
(項目1)
ハイブリッド駆動システム(100)の電気駆動装置(130)のためのバッテリ装置(110)の出力電力(AL)と燃料電池システム(120)の動作電力(BL)の制御のための制御方法において、
-前記燃料電池システム(120)の前記動作電力(BL)を検出期間(EZ)にわたって検出および記憶する工程と、
-前記バッテリ装置(110)の前記出力電力(AL)を検出期間(EZ)にわたって検出および記憶する工程と、
-少なくとも前記バッテリ装置(110)の前記検出および記憶された出力電力(AL)に基づいてバッテリ損傷予測(BASP)を決定する工程と、
-少なくとも前記燃料電池システム(120)の前記検出および記憶された動作電力(BL)に基づいて燃料電池損傷予測(BZSP)を決定する工程と、
-前記決定されたバッテリ損傷予測(BASP)に基づいて前記バッテリ装置(110)の目標出力電力(SAL)を設定する工程と、
-前記決定された燃料電池損傷予測(BZSP)に基づいて前記燃料電池システム(120)の目標動作電力(SBL)を設定する工程と、
を備える、制御方法。
(項目2)
前記目標出力電力(SAL)の前記設定および前記目標動作電力(SBL)の前記設定のために、前記燃料電池損傷予測(BZSP)と前記バッテリ損傷予測(BASP)のバランスが考慮される、項目1に記載の制御方法。
(項目3)
前記バッテリ装置(110)の現在損傷状況についてのバッテリ損傷状態(BASS)と、前記燃料電池システム(120)の現在損傷状態についての燃料電池損傷状態(BZSS)とが決定され、前記目標出力電力(SAL)および/または前記目標動作電力(SBL)の前記設定のために考慮される、項目1または2に記載の制御方法。
(項目4)
前記バッテリ装置(110)および前記燃料電池システム(120)について、最大バッテリ損傷状態(BASS)に達するまで、および最大燃料電池損傷状態(BZSS)に達するまでの最小寿命の設定が行われる、項目1から3のいずれか一項に記載の制御方法。
(項目5)
前記目標出力電力(SAL)および/または前記目標動作電力(SBL)の前記設定が、残ったバッテリ残存損傷(BARS)および/または残った燃料電池残存損傷(BZRS)を考慮して行われる、項目4に記載の制御方法。
(項目6)
前記バッテリ損傷予測(BASP)および/または前記燃料電池損傷予測(BZSP)、特にさらにバッテリ損傷状態(BASS)、燃料電池損傷状態(BZSS)、バッテリ残存損傷(BARS)および/または燃料電池残存損傷(BZRS)が正規化される、項目1から5のいずれか一項に記載の制御方法。
(項目7)
前記正規化が、最小寿命および/または走程に合わせて行われる、項目6に記載の制御方法。
(項目8)
前記バッテリ損傷予測(BASP)および/または前記燃料電池損傷予測(BZSP)のために、少なくとも1つのバッテリパラメータおよび/または燃料電池パラメータが監視される、項目1から7のいずれか一項に記載の制御方法。
(項目9)
前記バッテリ損傷予測(BASP)および/または前記燃料電池損傷予測(BZSP)は、サブコンポーネント損傷予測を含む、項目1から8のいずれか一項に記載の制御方法。
(項目10)
前記バッテリ損傷予測(BASP)および/または前記燃料電池損傷予測(BZSP)のために、長期的および/または不可逆的損傷メカニズムのみが考慮される、項目1から9のいずれか一項に記載の制御方法。
(項目11)
前記バッテリ損傷予測(BASP)および/または前記燃料電池損傷予測(BZSP)のために損傷モデル(SM)が使用される、項目1から10のいずれか一項に記載の制御方法。
(項目12)
前記損傷モデル(SM)は、検出および記憶された動作電力(BL)を用いて、検出および記憶された出力電力(AL)を用いて、および/または他の損傷パラメータを用いて改善される、項目11に記載の制御方法。
(項目13)
バッテリ損傷予測(BASP)が否定的である場合、および/または燃料電池損傷予測(BZSP)が否定的である場合、前記バッテリ装置(110)、前記燃料電池システム(120)、前記バッテリ装置(110)のコンポーネントおよび/または前記燃料電池システム(120)のコンポーネントの交換が指示される、項目1から12のいずれか一項に記載の制御方法。
(項目14)
ハイブリッド駆動システム(100)の電気駆動装置(130)のためのバッテリ装置(110)の出力電力(AL)および燃料電池システム(120)の動作電力(BL)の制御のための制御装置(10)において、
前記燃料電池システム(120)の前記動作電力(BL)を検出期間(EZ)にわたって検出および記憶するための、並びに前記バッテリ装置(110)の前記出力電力(AL)を検出期間(EZ)にわたって検出および記憶するための検出モジュール(20)と、
少なくとも前記バッテリ装置(110)の前記検出および記憶された出力電力(AL)に基づいてバッテリ損傷予測(BASP)を決定するための、並びに少なくとも前記燃料電池システム(120)の前記検出および記憶された動作電力(BL)に基づいて燃料電池損傷予測(BZSP)を決定するための決定モジュール(30)と、前記決定されたバッテリ損傷予測(BASP)に基づいて前記バッテリ装置(110)の目標出力電力(SAL)を設定するための、および前記決定された燃料電池損傷予測(BZSP)に基づいて前記燃料電池システム(120)の目標動作電力(SBL)を設定するための設定モジュール(40)であって、項目1から13のいずれか一項に記載の制御方法を実行するように形成されている、前記検出モジュール(20)、前記決定モジュール(30)、および/または前記設定モジュール(40)を備える制御装置。
(項目15)
車両の駆動のためのハイブリッド駆動システム(100)であって、バッテリ装置(110)と、燃料電池システム(120)と、電気駆動装置(130)と、項目14に記載の制御装置(10)とを有する、ハイブリッド駆動システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】