(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】折り畳み式可動キャリア
(51)【国際特許分類】
B62B 7/06 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
B62B7/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508343
(86)(22)【出願日】2022-08-10
(85)【翻訳文提出日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 EP2022072436
(87)【国際公開番号】W WO2023017076
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】202110915281.3
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ホゥ,ショウフォン
【テーマコード(参考)】
3D051
【Fターム(参考)】
3D051AA02
3D051AA08
3D051AA23
3D051BA02
3D051BA06
3D051BB06
3D051BB13
3D051BB22
3D051BB28
3D051BB39
(57)【要約】
折り畳み式可動キャリアは、係止機構と、第1のロッドと、第2のロッドとを備える。係止機構は、係止状態と係止解除状態とを有する。第1のロッドには第1の嵌合部が設けられる。第2のロッドは第1のロッドに回動可能に接続され、第2のロッドには、第1の嵌合部に着脱可能に嵌合する第2の嵌合部が設けられる。係止機構が係止状態にあるとき、第1のロッドと第2のロッドとが相対的に固定される。係止機構が係止解除状態にあるとき、第1の嵌合部が第2の嵌合部と嵌合する場合には、第1のロッドと第2のロッドとが相対的に固定され、第1の嵌合部及び第2の嵌合部が嵌合から解除される場合に、第1のロッドは、可動キャリアを折り畳む又は展開するように第2のロッドに対して回転することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み式可動キャリア(10)であって、
係止状態と係止解除状態とを有する係止機構(400)と、
第1の嵌合部(101)が設けられる第1のロッド(100)と、
前記第1のロッド(100)に回動可能に接続され、前記第1の嵌合部(101)と着脱可能に嵌合する第2の嵌合部(301)が設けられる第2のロッド(300)と、
を備え、
前記係止機構(400)が前記係止状態にあるとき、前記第1のロッド(100)と前記第2のロッド(300)とが相対的に固定され、前記係止機構(400)が前記係止解除状態にあるとき、前記第1の嵌合部(101)が前記第2の嵌合部(301)と嵌合する場合に、前記第1のロッド(100)と前記第2のロッド(300)とが相対的に固定され、前記第1の嵌合部(101)と前記第2の嵌合部(301)との嵌合が解除される場合に、前記可動キャリア(10)を折り畳む又は展開するように前記第1のロッド(100)が前記第2のロッド(300)に対して回転可能である、
折り畳み式可動キャリア(10)。
【請求項2】
前記第1の嵌合部(101)が雄型接続部であり、前記第2の嵌合部(301)は、前記雄型接続部と着脱可能に嵌合可能な雌型接続部であり、又は、前記第1の嵌合部(101)が雌型接続部であり、前記第2の嵌合部(301)は、前記雌型接続部と着脱可能に嵌合可能な雄型接続部である、請求項1に記載の折り畳み式可動キャリア(10)。
【請求項3】
前記第1の嵌合部(101)及び前記第2の嵌合部(301)の一方が係合溝(150)であり、前記第1の嵌合部(101)及び前記第2の嵌合部(301)の他方が、前記係合溝(150)と係合可能な係合突起(320)である、請求項1又は2のいずれか一項に記載の折り畳み式可動キャリア(10)。
【請求項4】
前記係合溝(150)がV字溝であり、前記V字溝は、V字形に配置される第1の溝壁(151)及び第2の溝壁(152)を備え、前記係合突起(320)は、前記第1の溝壁(151)及び前記第2の溝壁(152)に接することが可能な円弧状の突起である、請求項3に記載の折り畳み式可動キャリア(10)。
【請求項5】
前記第1の溝壁(151)と前記V字溝の開口が位置される平面との間の挟角が40°~50°の範囲であり、前記第2の溝壁(152)と前記V字溝の開口が位置される平面との間の挟角が40°~50°の範囲であり、前記円弧状の突起の高さが1.5mm~2.5mmの範囲である、請求項4に記載の折り畳み式可動キャリア(10)。
【請求項6】
前記係合突起(320)は、少なくとも2つの係合歯を備える鋸歯状突起であり、前記係合溝(150)は、少なくとも2つの係合溝を備える鋸歯状溝であり、前記少なくとも2つの係合歯は、前記少なくとも2つの係合溝に1つずつ嵌合可能である、請求項3から5のいずれか一項に記載の折り畳み式可動キャリア(10)。
【請求項7】
前記第1の嵌合部(101)及び前記第2の嵌合部(301)の一方がプラグ孔であり、前記第1の嵌合部(101)及び前記第2の嵌合部(301)の他方は、前記プラグ孔に差込可能なプラグピンである、請求項2に記載の折り畳み式可動キャリア(10)。
【請求項8】
前記プラグ孔の孔壁が弾性変形可能であり、前記プラグ孔の前記孔壁が弾性変形されるとき、前記プラグ孔の内径が前記プラグピンの直径よりも大きく、前記プラグ孔の前記孔壁がその元の形状に戻されるとき、前記プラグ孔の前記内径が前記プラグピンの前記直径よりも小さく、又は
前記プラグピンが弾性変形可能であり、前記プラグピンが弾性変形するとき、前記プラグピンの直径が前記プラグ孔の内径よりも小さく、前記プラグピンがその元の状態に戻されるとき、前記プラグピンの前記直径が前記プラグ孔の前記内径よりも大きい、
請求項7に記載の折り畳み式可動キャリア(10)。
【請求項9】
第3のロッド(200)を更に備え、前記第1のロッド(100)は、前記第1のロッド(100)の延在方向で順次離間される第1の位置(110)、第2の位置(120)、及び第3の位置(130)を有し、前記第1の嵌合部(101)が前記第3の位置(130)に配置され、前記第3のロッド(200)は、前記係止機構(400)を介して前記第1の位置(110)で前記第1のロッド(100)に回動可能に接続され、前記係止機構(400)が前記係止状態のときに、前記第1のロッド(100)と前記第3のロッド(200)とが相対的に固定され、前記係止機構(400)が前記係止解除状態にあるとき、前記可動キャリア(10)を折り畳む又は展開するように前記第1のロッド(100)が前記第3のロッド(200)に対して回転可能であり、前記第2のロッド(300)は、前記第2の位置(120)で前記第1のロッド(100)に回動可能に接続される、請求項1から8のいずれか一項に記載の折り畳み式可動キャリア(10)。
【請求項10】
前記第1のロッド(100)の端部に第1の回転セクタ(140)が設けられ、前記第2のロッド(300)の端部に第2の回転セクタ(310)が設けられ、前記第1の回転セクタ(140)が前記第2の回転セクタ(310)と対向し、前記第2の位置(120)が前記第1の回転セクタ(140)の円中心に配置され、前記第2の回転セクタ(310)の円中心は、前記第2の位置(120)で前記第1の回転セクタ(140)に回動可能に接続され、前記第1の嵌合部(101)は、前記第2の回転セクタ(310)に面する前記第1の回転セクタ(140)の面の周縁に配置され、前記第2の嵌合部(301)は、前記第1の回転セクタ(140)に面する前記第2の回転セクタ(310)の面の周縁に配置される、請求項9に記載の折り畳み式可動キャリア(10)。
【請求項11】
ストッパ(312)が、前記第3のロッド(200)に近い前記第2の回転セクタ(310)の側に配置され、前記第1のロッド(100)と前記第2のロッド(300)とが第2の予め設定された挟角で配置されるとき、前記第1の回転セクタ(140)が前記ストッパ(312)に当接する、請求項10に記載の折り畳み式可動キャリア(10)。
【請求項12】
前記係止機構(400)は、
前記第1のロッド(100)上に固定され、第1の係止溝(411)を備える第1の係止シェル(410)と、
前記第3のロッド(200)に固定され、第2の係止溝(442)を備える第2の係止シェル(440)と、
所定の角度で配置される少なくとも2つの係止歯(431)を備える係止部材(430)であって、前記第1の係止溝(411)及び前記第2の係止溝(442)の形状が前記係止部材(430)の形状に適合され、前記係止部材(430)が係止状態及び係止解除状態を有し、前記係止部材(430)が前記係止状態にあるとき、前記係止部材(430)が、前記第1の係止シェル(410)及び前記第2の係止シェル(440)の両方に配置されて、前記第1の係止シェル(410)に対する前記第2の係止シェル(440)の回転を制限し、前記係止部材(430)が前記係止解除状態にあるとき、前記係止部材(430)が、前記第2の係止シェル(440)が前記第1の係止シェル(410)に対して回転できるようにするために、前記第1の係止溝(411)又は前記第2の係止溝(442)から引き出される、係止部材(430)と、
前記係止部材(430)を前記係止状態に維持するように、前記係止部材(430)に動作可能に接続される弾性部材(420)と、
前記係止部材(430)を前記弾性部材(420)の弾性力に抗して移動するべく駆動させて前記係止部材(430)を前記係止状態から前記係止解除状態に切り替えるように前記係止部材(430)に動作可能に接続される解除部材(450)と、
を備える請求項9から11のいずれか一項に記載の折り畳み式可動キャリア(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、キャリアの技術分野に関し、特に折り畳み式可動キャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
折り畳み式ストローラなどの回転可能及び折り畳み可能なキャリアは、保管及び運搬が容易であるが、潜在的な安全上の危険も生じやすい。欧州規則EN1888-1:2018(8.3.5.1 保管又は輸送の容易さのための折り畳みシステムの試験規格)の試験要件によれば、以下の条件、すなわち、操作装置のいずれか1つが解除された場合、操作装置は自動的にその元の状態に戻り、係止装置は再び係止するものとする、という条件を満たす少なくとも2つの別個の独立した手動操作装置が存在するものとする。しかしながら、市販されている現在のストローラでは、例えば、ストローラのハンドル上の係止機構が意図せずに押圧されると、ハンドルは、子供の体重又は自身の重力の作用下である程度まで回動するため、係止機構は係止位置に戻ることができず、それにより、ストローラ内の子供に特定の安全上の危険を引き起こす。
【発明の概要】
【0003】
したがって、係止機構の意図しない解除後のキャリアの回動を防止して、可動キャリアの再係止及び再固定を容易にすることができる、折り畳み式可動キャリアが提供される。
【0004】
本出願の一態様によれば、折り畳み式可動キャリアが提供され、このキャリアは、
係止状態と係止解除状態とを有する係止機構と、
第1の嵌合部が設けられる第1のロッドと、
第1のロッドに回動可能に接続され、第1の嵌合部と着脱可能に嵌合する第2の嵌合部が設けられる第2のロッドと、
を備え、
係止機構が係止状態にあるとき、第1のロッドと第2のロッドとが相対的に固定され、係止機構が係止解除状態にあるとき、第1の嵌合部が第2の嵌合部と嵌合する場合には、第1のロッドと第2のロッドとが相対的に固定され、第1の嵌合部及び第2の嵌合部が嵌合から解除される場合に、第1のロッドは、可動キャリアを折り畳む又は展開するように第2のロッドに対して回転することができる。
【0005】
この折り畳み式可動キャリアでは、係止機構が意図せずに係止解除される場合には、第1の嵌合部と第2の嵌合部とが嵌合状態にあるため、第2のロッドに回動可能に接続される第1のロッドが回動することがなく、それにより、ユーザが係止機構をリセットすることができ、したがって、第1のロッドを係止状態に戻すことができ、その結果、折り畳み式可動キャリア全体の安全性を向上させることができる。更に、係止を解除することが実際に必要な場合には、係止機構を押圧することができ、例えば特定の外力を加えることによって、第1の嵌合部及び第2の嵌合部を嵌合から解除することができ、それにより、第1のロッドを回転させて第2のロッドに対して折り畳むことができ、可動キャリアの折り畳み可能な機能の実現を確実にする。
【0006】
実施形態の1つでは、第1の嵌合部が雄型接続部であり、第2の嵌合部は、雄型接続部と着脱可能に嵌合可能な雌型接続部である。又は、第1の嵌合部が雌型接続部であり、第2の嵌合部は、雌型接続部と着脱可能に嵌合可能な雄型接続部である。
【0007】
実施形態の1つでは、第1の嵌合部及び第2の嵌合部の一方が係合溝であり、第1の嵌合部及び第2の嵌合部の他方は、係合溝に係合可能な係合突起である。
【0008】
実施形態の1つでは、係合溝がV字溝である。V字溝は、V字形に配置される第1の溝壁及び第2の溝壁を備える。係合突起は、第1の溝壁及び第2の溝壁に接することが可能な円弧状の突起である。
【0009】
実施形態の1つにおいて、第1の溝壁とV字溝の開口が位置される平面との間の挟角は、40°~50°の範囲である。第2の溝壁とV字溝の開口が位置される平面との間の挟角は、40°~50°の範囲である。円弧状の突起の高さは、1.5mm~2.5mmの範囲である。
【0010】
実施形態の1つにおいて、係合突起は、少なくとも2つの係合歯を備える鋸歯状突起である。係合溝は、少なくとも2つの係合溝を備える鋸歯状溝である。少なくとも2つの係合歯は、少なくとも2つの係合溝と1つずつ嵌合することができる。
【0011】
実施形態の1つでは、第1の嵌合部及び第2の嵌合部の一方がプラグ孔であり、第1の嵌合部及び第2の嵌合部の他方が、プラグ孔に差込可能なプラグピンである。
【0012】
実施形態の1つでは、プラグ孔の孔壁が弾性変形可能であり、プラグ孔の孔壁が弾性変形されるとき、プラグ孔の内径がプラグピンの直径よりも大きく、プラグ孔の孔壁がその元の形状に戻されるとき、プラグ孔の内径がプラグピンの直径よりも小さい。又は、プラグピンが弾性変形可能であり、プラグピンが弾性変形されるとき、プラグピンの直径がプラグ孔の内径よりも小さく、プラグピンがその元の状態に戻されるとき、プラグピンの直径がプラグ孔の内径よりも大きい。
【0013】
実施形態の1つでは、折り畳み式可動キャリアが第3のロッドを更に含む。第1のロッドは、第1のロッドの延在方向で順次離間される第1の位置、第2の位置、及び第3の位置を有する。第1の嵌合部は、第3の位置に配置される。第3のロッドは、係止機構を介して第1の位置で第1のロッドに回動可能に接続される。係止機構が係止状態にあるとき、第1のロッドと第3のロッドとが相対的に固定される。係止機構が係止解除状態にあるとき、第1のロッドは、可動キャリアを折り畳む又は展開するように、第3のロッドに対して回転することができる。第2のロッドは、第2の位置で第1のロッドに回動可能に接続される。
【0014】
実施形態のうちの1つでは、第1のロッドの端部に第1の回転セクタが設けられる。第2のロッドの端部には第2の回転セクタが設けられる。第1の回転セクタは、第2の回転セクタと対向する。第2の位置は、第1の回転セクタの円中心に配置される。第2の回転セクタの円中心は、第2の位置で第1の回転セクタに回動可能に接続される。第1の嵌合部は、第2の回転セクタに面する第1の回転セクタの面の周縁に配置される。第2の嵌合部は、第1の回転セクタに面する第2の回転セクタの面の周縁に配置される。
【0015】
実施形態の1つにおいて、ストッパは、第3のロッドに近い第2の回転セクタの側に配置される。第1のロッド及び第2のロッドが第2の予め設定された挟角で配置されると、第1の回転セクタがストッパに当接する。
【0016】
実施形態の1つにおいて、係止機構は、
第1のロッドに固定され、第1の係止溝を含む第1の係止シェルと、
第3のロッドに固定され、第2の係止溝を備える第2の係止シェルと、
所定の角度で配置される少なくとも2つの係止歯を備える係止部材であって、第1の係止溝及び第2の係止溝の形状が係止部材の形状に適合され、係止部材が係止状態及び係止解除状態を有し、係止部材が係止状態にあるとき、係止部材が、第1の係止シェル及び第2の係止シェルの両方に配置されて、第1の係止シェルに対する第2の係止シェルの回転を制限し、係止部材が係止解除状態にあるとき、係止部材が、第2の係止シェルが第1の係止シェルに対して回転できるようにするために、第1の係止溝又は第2の係止溝から引き出される、係止部材と、
係止部材を係止状態に維持するように、係止部材に動作可能に接続される弾性部材と、
係止部材を弾性部材の弾性力に抗して移動するべく駆動させて係止部材を係止状態から係止解除状態に切り替えるように係止部材に動作可能に接続される解除部材と、
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】可動キャリアが係止固定状態にある、本出願の一実施形態に係る可動キャリアの斜視概略図である。
【
図2】可動キャリアが係止解除されて回転可能な状態にある、本出願の一実施形態に係る可動キャリアの概略斜視図である。
【
図4】
図1の可動キャリアの一視点からの部分分解図である。
【
図5】
図1の可動キャリアの別の視点からの部分分解図である。
【
図6】更に別の視点からの
図1の可動キャリアの部分分解図である。
【
図7】
図1の可動キャリアの第1のロッドの斜視概略図である。
【符号の説明】
【0018】
100 第1のロッド
101 第1の嵌合部
110 第1の位置
120 第2の位置
130 第3の位置
140 第1の回転セクタ
141 円弧状の案内溝
150 係合溝
151 第1の溝壁
152 第2の溝壁
200 第3のロッド
300 第2のロッド
301 第2の嵌合部
310 第2の回転セクタ
311 円弧状の案内リブ
312 ストッパ
320 係合突起
400 係止機構
410 第1の係止シェル
411 第1の係止溝
420 弾性部材
430 係止部材
431 係止歯
440 第2の係止シェル
441 貫通孔
442 第2の係止溝
450 解除部材
451 押圧部
20 ハンドル
30 前部支持体
40 後部支持体
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1~
図2に示されるに、本出願の一実施形態は、折り畳み式可動キャリアを提供する。折り畳み式可動キャリアは、第1のロッド100と、第3のロッド200と、第2のロッド300とを含む。この実施形態では、キャリアがストローラであってもよい。ストローラは、ハンドル20と、前部支持体30と、後部支持体40とを含む。この実施形態では、第1のロッド100、第3のロッド200、及び第2のロッド300が全て中空ロッドであり、ハンドル20の端部、後部支持体40の端部、及び前部支持体30の端部にそれぞれスリーブ留めされる。確かに、他の実施形態では、第1のロッド100、第3のロッド200、及び第2のロッド300は、他の手段によってハンドル20、後部支持体40、及び前部支持体30にそれぞれ接続されてもよい。又は、第1のロッド100、第3のロッド200、及び第2のロッド300は、ハンドル20の一部、後部支持体40の一部、及び前部支持体30の一部としてそれぞれ形成される。要するに、第1のロッド100、第3のロッド200及び第2のロッド300の移動により、ハンドル20、前部支持体30、及び後部支持体40を駆動して移動させることができれば、本願を達成することができる。折り畳み式可動キャリア10は、係止機構400が意図せずに解除された後に、ストローラのハンドル20が回動することを防止できるので、ストローラを再係止することができ、ストローラの安全性能を向上させることができる。
【0020】
具体的には、
図2及び
図7に示されるように、第1のロッド100は、第1のロッド100の延在方向で順次に離間される第1の位置110、第2の位置120及び第3の位置130を含む。本出願の可動キャリアの構造は、本明細書に限定されないことに留意すべきである。この実施形態では、第1のロッド100は、ハンドル20の下端にスリーブ留めされる。確かに、第1のロッド100は、ハンドル20の下端に接続することもでき、又はハンドル20の下端の一部として形成することもできる。第3の位置130には、第1の嵌合部101が配置される。
【0021】
第3のロッド200は、係止機構400を介して第1の位置110で第1のロッド100に回動可能に接続される。係止機構400は、係止状態と係止解除状態とを有する。係止機構400が係止状態にあるとき、第1のロッド100及び第3のロッド200は、相対的に固定され、予め設定された第1の挟角で配置される。係止機構400が係止解除状態にあるとき、第1のロッド100は第3のロッド200に対して回転可能である。この実施形態では、第3のロッド200は、後部支持体40の上端にスリーブ留めされる。確かに、第3のロッド200は、後部支持体40の上端部に接続することもでき、又は他の手段によって後部支持体40の上端部の一部として形成することもできる。この実施形態では、第1の予め設定された挟角が鋭角である。
【0022】
本実施形態では、
図4~
図6に示されるように、係止機構400は、第1の係止シェル410と、弾性部材420と、係止部材430と、第2の係止シェル440と、解除部材450とを備え、これらが順に配置される。第1の係止シェル410は、第1のロッド100に固定され、又は第1のロッド100の一部である。第1の係止シェル410は第1の係止溝411を含む。第2の係止シェル440は、第3のロッド200に固定される又は第3のロッド200の一部として形成される。第2の係止シェル440は第2の係止溝442を含む。係止部材430は、所定の角度で配置された少なくとも2つの係止歯431を含む。第1の係止溝411及び第2の係止溝442の形状はいずれも係止部材430の形状に適合される。本実施形態において、係止部材430は歯車状の係止部材430である。第1の係止溝411及び第2の係止溝442はいずれも、歯車状の係止部材430に嵌合する歯車状の係止溝である。係止部材430は、係止状態と係止解除状態とを有する。係止部材430が係止状態にあるとき、係止部材430は、第1の係止シェル410及び第2の係止シェル440の両方に配置されて、第1の係止シェル410に対する第2の係止シェル440の回転を制限する。係止部材430が係止解除状態にあるとき、係止部材430は、第2の係止シェル440が第1の係止シェル410に対して回転できるようにするために、第1の係止溝411又は第2の係止溝442から引き出される。弾性部材420は、係止部材430を係止状態に維持するために、係止部材430に動作可能に接続される。この実施形態では、弾性部材420がばねである。ばねの両端は、第1の係止シェル410及び係止部材430にそれぞれ当接する。解除部材450は、係止部材430を弾性部材420の弾性力に抗して移動させるべく駆動させて係止部材430を係止状態から係止解除状態に切り替えるために、係止部材430に動作可能に接続される。本実施形態では、解除部材450が解除ボタンである。解除ボタンには押圧部451が設けられる。第2の係止シェル440には、押圧部451が通過可能な貫通孔441が設けられる。
【0023】
このように、解除部材450が押圧されていないとき、及び、係止部材430が係止状態にあるとき、係止部材430は、復帰ばねである弾性部材420の弾性力によって、第1の係止シェル410及び第2の係止シェル440の両方に係止される。この場合、第1の係止シェル410及び第2の係止シェル440が係止状態にあり、すなわち、第1のロッド100及び第3のロッド200が係止状態にある。解除部材450が押圧されると、押圧部451が貫通孔441を通過して第2の係止シェル440及び係止部材430を押圧することができ、それにより、係止部材430が第1の係止溝411又は第2の係止溝442から離間される。この場合、第1の係止シェル410及び第2の係止シェル440は解除状態にあり、すなわち、第1のロッド100は第3のロッド200に対して相対回転可能である。係止機構400は、簡単な構造を有し、第1のロッド100及び第3のロッド200が係止状態と係止解除状態との間で切り替わることができるようにし得る。しかしながら、解除部材450が意図せずに押圧されると、第1のロッド100は外力又はそれ自体の重力の作用下で回動することになり、その結果、係止部材430の係止歯431は第1の係止溝411又は第2の係止溝442と位置ずれし、それにより、第1の係止シェル410及び第2の係止シェル440が再び係止状態になるように、係止部材430が第1の係止溝411又は第2の係止溝442に再係合することは困難である。すなわち、第1のロッド100と第3のロッド200とを再び相対的に係止固定することは困難である。
【0024】
第2のロッド300は、第2の位置120で第1のロッド100に回動可能に接続される。第2のロッド300には、第1の嵌合部101と着脱可能に嵌合する第2の嵌合部301が設けられる。第1の嵌合部101が第2の嵌合部301と嵌合するとき、第1のロッド100及び第2のロッド300は、相対的に固定され、第2の予め設定された挟角で配置される。第1の嵌合部101と第2の嵌合部301との嵌合が解除されると、第1のロッド100は第2のロッド300に対して回転することができ、第1のロッド100と第2のロッド300との間の第3のロッド200に面する挟角は第2の予め設定された挟角以下である。この実施形態では、第2の予め設定された挟角が180度である。このように、第1の嵌合部101が第2の嵌合部301と嵌合するとき、第1のロッド100と第2のロッド300とが同一直線上にある。また、第1の予め設定された挟角が鋭角であるため、係止機構400が係止固定状態にあるとき、第1のロッド100及び第2のロッド300と第3のロッド200との組み合わせ構造は、三角形状の支持構造を形成する。更に、第1のロッド100と第2のロッド300との間における第3のロッド200に面する挟角は、常に第2の予め設定された挟角以下に保たれるため、すなわち、係止機構400が係止状態にあるとき、第1のロッド100は第3のロッド200から第2のロッド300へも第2のロッド300から第3のロッド200へも回転することができない。したがって、係止機構400が係止状態にあるとき、第1のロッド100及び第2のロッド300を第1の予め設定された挟角に保つことができ、これにより、ストローラ全体に安定した三角形状の支持構造を提供することができる。
【0025】
このように、係止機構400が係止状態にあるとき、第1のロッド100、第2のロッド300、及び第3のロッド200が安定した三角形状の支持構造を形成することにより、第1のロッド100及び第2のロッド300が相対的に固定され、第1のロッド100及び第3のロッド200も相対的に固定される。係止機構400が意図せずに押圧されて係止解除されると、第2のロッド300の第2の嵌合部301と嵌合する第1の嵌合部101が第1のロッド100の第3の位置130に配置されるため、第1の嵌合部101は第2の嵌合部301と嵌合し、第1のロッド100と第2のロッド300とが依然として相対的に固定されており、第1のロッド100は回動しない。これにより、係止機構400を係止状態に戻すことができず、第1のロッド100と第2のロッド300とを係止固定することができないような意図せぬ解除状態で第1のロッド100が回動することを防止できる。折り畳み式可動キャリア10を折り畳む必要があるとき、係止機構400は係止解除され、同時に特定の外力が第1のロッド100に加えられ、それにより、第1の嵌合部101と第2の嵌合部301との嵌合が解除される。これにより、第1のロッド100、第3のロッド200、及び第2のロッド300の相対的な固定状態を解除して、折り畳み式可動キャリア10を折り畳むことができる。
【0026】
一実施形態では、
図4~
図7に示されるように、第1のロッド100の下端に第1の回転セクタ140が設けられ、第2のロッド300の上端に第2の回転セクタ310が設けられる。第2の位置120は、第1の回転セクタ140の円中心に配置される。第2の回転セクタ310の円中心は、第2の位置120で第1の回転セクタ140(すなわち、第1の回転セクタ140の円中心)に回動可能に接続される。第2の回転セクタ310に面する第1の回転セクタ140の面には、第1の回転セクタ140と同心の少なくとも2つの円弧状の案内溝141が設けられる。第1の回転セクタ140に面する第2の回転セクタ310の面には、第2の回転セクタ310と同心の少なくとも2つの円弧状の案内リブ311が設けられる。円弧状の案内リブ311は、円弧状の案内溝141と一対一に対応して嵌合して、第1のロッド100及び第2のロッド300の回転を案内し、可動キャリアの折り畳みを容易にする。円弧状の案内溝141の位置と円弧状の案内リブ311の位置とが交換可能であることが理解され得る。
【0027】
一実施形態では、
図6及び
図7に示されるように、第1の嵌合部101は、第2の回転セクタ310に面する第1の回転セクタ140の面の周縁に配置され、第2の嵌合部301は、第1の回転セクタ140に面する第2の回転セクタ310の面の周縁に配置される。このように、第2の位置120から第3の位置130までの距離は比較的大きい。レバーの原理によれば、可動キャリアが折り畳まれるとき、第1の嵌合部101と第2の嵌合部301との間の嵌合を解除するために加えられる必要がある外力はより小さく、これは、可動キャリアが折り畳まれるときに必要な労力がより少ないことを意味する。当然ながら、第1の嵌合部101及び第2の嵌合部301の位置は、実際の必要に応じて配置することもできる。例えば、第1の嵌合部101及び第2の嵌合部301は、第1の回転セクタ140の円中心及び第2の回転セクタ310の円中心のそれぞれにより近接して配置することができ、その結果、係止機構400が意図せずに解除されたとき、例えば第1のロッド100はより回動しにくくなるが、これは本明細書に限定されない。
【0028】
また、第3のロッド200に近い第2の回転セクタ310の側には、ストッパ312が配置される。第1のロッド100及び第2のロッド300が第2の予め設定された挟角で配置されると、第1の回転セクタ140はストッパ312に当接する。ストッパ312は、停止突起、停止斜面などであってもよい。本実施形態では、ストッパ312は、第1の回転セクタ140に面する第2の回転セクタ310の面の周縁に配置された停止斜面であり、停止斜面は、第3のロッド200に近づく方向に向かって徐々に立ち上がっている。このようにして、第1のロッド100と第2のロッド300との間における第3のロッド200に面する挟角が常に第2の予め設定された挟角以下となるようにすることができる。
【0029】
任意選択的に、第1の嵌合部101が雄型接続部であり、第2の嵌合部301は、雄型接続部と着脱可能に嵌合可能な雌型接続部である。又は、第1の嵌合部101が雌型接続部であり、第2の嵌合部301は、雌型接続部と着脱可能に嵌合可能な雄型接続部である。
【0030】
一実施形態では、
図6及び
図7に示されるように、第1の嵌合部101は、係合溝150であり、第2の嵌合部301は、係合溝150に係合可能な係合突起320である。このように、係止機構400の意図しない係止解除時には、第2のロッド300の係合突起320が第1のロッド100の係合溝150に係合されるため、外力又は自重の作用下で第1のロッド100が回動し難く、それにより、係止機構400を再び係止状態に戻すことができ、可動キャリアを再係止して再固定することができる。可動キャリアを折り畳む必要がある場合、係合突起320を係合溝150から回転させるために第1のロッド100に一定の外力を加えるだけでよく、可動キャリアの折り畳み機能が確保される。第1の嵌合部101が係合突起320であってもよく、第2の嵌合部301が係合突起320と係合可能な係合溝150であってもよいことが理解され得る。
【0031】
この実施形態において、係合溝150は、第2の回転セクタ310に面する第1の回転セクタ140の面の周縁に配置され、係合突起320は、第1の回転セクタ140に面する第2の回転セクタ310の面の周縁に配置される。確かに、他の実施形態では、係合溝150はまた、第1の回転セクタ140の他の位置に配置されてもよく、係合突起320はまた、第2の回転セクタ310の他の位置に配置されてもよい。
【0032】
また、係合溝150は、
図3に示すように、V字溝である。V字溝は、V字形に配置された第1の溝壁151及び第2の溝壁152を含む。係合突起320は、V字溝の溝壁に接することが可能な円弧状の突起である。すなわち、第1のロッド100に垂直な係合溝150の断面形状はV字状であり、第3のロッド200に垂直な係合突起320の断面形状は円弧状である。これにより、第1のロッド100が回転して第3のロッド200に係合して固定される際に、係合突起320を係合溝150により円滑に係合させることができる。第1のロッド100と第3のロッド200との間の固定が解除されると、係合突起320も係合溝150から容易に回転して抜け出すことができる。任意選択的に、第1の溝壁151とV字溝の開口が位置される平面との間の第1の挟角は、40°~50°の範囲内である。この実施形態では、第1の挟角が45°である。第2の溝壁152とV字溝の開口が位置される平面との間の第2の挟角は、40°~50°の範囲である。この実施形態では、第2の挟角が45°である。円弧状の突起の高さは、1.5mm~2.5mmの範囲である。この実施形態では、高さが2mmである。上記構成により、第1のロッド100の回動中に係止機構400が意図せずに解除された場合であっても、可動キャリアの可折機能の実現が影響を受けることを防止できる。
【0033】
また、係合突起320は、少なくとも2つの係合歯を備える鋸歯状突起であり、係合溝150は、少なくとも2つの係合溝を含む鋸歯状の溝である。少なくとも2つの係合歯は、少なくとも2つの係合溝に1つずつ嵌合することができる。単一の突起と溝との間の嵌合と比較して、鋸歯状突起と鋸歯状溝との嵌合構造はより大きな摩擦力を与えることができ、その結果、第1のロッド100は意図しない解除中により強い回動防止能力を有する。確かに、同じ要求される回動防止能力の条件下では、鋸歯状突起の高さは単一の突起の高さよりも小さくすることができ、対応する係合溝150の深さも単一の溝の深さよりも小さくすることができる。
【0034】
別の実施形態では、第1の嵌合部101がプラグ孔であってもよく、第2の嵌合部301がプラグ孔に差込可能なプラグピンであってもよい。このように、係止機構400が意図せずに係止解除された場合、第1のロッド100のプラグピンが第2のロッド300のプラグ孔に差し込まれるため、外力又は自身の重力の作用下で第1のロッド100が回動し難く、それにより、係止機構400を再び係止状態に戻すことが簡便となり、折り畳み式可動キャリア10を再係止して再固定することができる。可動キャリアを折り畳む必要がある場合、プラグピンをプラグ孔から外方に回転させるために第1のロッド100に一定の外力を加えるだけでよく、これにより、折り畳み式可動キャリアの折り畳み機能が確保される。第1の嵌合部101はプラグピンとすることもでき、第2の嵌合部301はプラグピンで差し込むことができるプラグ孔とすることもできることが理解できる。
【0035】
また、プラグ孔の孔壁を弾性変形させることができる。プラグ孔の孔壁が弾性変形するとき、プラグ孔の内径はプラグピンの直径よりも大きい。プラグ孔の孔壁がその元の形状に戻されると、プラグ孔の内径はプラグピンの直径よりも小さい。又は、プラグピンを弾性変形させることができる。プラグピンが弾性変形されるときには、プラグピンの直径はプラグ孔の内径よりも小さく、プラグピンがその元の状態に戻されるときには、プラグピンの直径はプラグ孔の内径よりも大きい。一方では、この構成は、プラグピンがプラグ孔に差し込みやすくし、プラグピンをプラグ孔から容易に抜けることなくプラグ孔内に安定して保持し、他方では、この構成は、外力が加えられるときにプラグピンがプラグ孔から出るのにも便利である。
【0036】
任意選択的に、第1のロッド100及び第2のロッド300はいずれも、第1の嵌合部101及び第2の嵌合部301の嵌合及び分離を容易にするように、変形可能なプラスチック材料で作られる。
【0037】
前述した折り畳み式可動キャリア10は、少なくとも以下の技術的効果を奏する。
【0038】
係止機構400が意図せずに係止解除された場合には、第1の嵌合部101と第2の嵌合部301とが嵌合状態にあるため、第2のロッド300に回動可能に接続された第1のロッド100が回動し難く、それにより、ユーザが係止機構400をリセットでき、したがって、可動キャリアを係止固定状態に戻すことができ、その結果、可動キャリア全体の安全性を向上させることができる。更に、係止を解除することが実際に必要な場合には、係止機構400を押すことができ、例えば特定の外力を加えることによって、第1の嵌合部101及び第2の嵌合部301を嵌合から解除することができ、それによって、第1のロッド100を回転させ、第2のロッド300に対して折り畳むことができ、可動キャリアの折り畳み可能な機能の実現を確実にする。
【0039】
前述の実施形態の技術的特徴は、任意に組み合わせることができる。説明を簡単にするために、上記の実施形態における技術的特徴の全ての可能な組み合わせが説明されているわけではない。しかしながら、これらの技術的特徴の組み合わせは、互いに矛盾しない限り、全て本願の範囲内に含まれるものとする。
【0040】
前述の実施形態は、本出願の幾つかの実施形態を例示するにすぎず、その説明は比較的具体的で詳細である。しかしながら、本出願の特許範囲に対する限定として理解されるべきではない。当業者は、本出願の概念から逸脱することなく幾つかの変形及び改良を更に行うことができ、変形及び改良は本出願の保護範囲に含まれることに留意すべきである。したがって、本出願の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に従うものとする。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み式可動キャリア(10)であって、
係止状態と係止解除状態とを有する係止機構(400)と、
第1の嵌合部(101)が設けられる第1のロッド(100)と、
前記第1のロッド(100)に回動可能に接続され、前記第1の嵌合部(101)と着脱可能に嵌合する第2の嵌合部(301)が設けられる第2のロッド(300)と、
を備え、
前記係止機構(400)が前記係止状態にあるとき、前記第1のロッド(100)と前記第2のロッド(300)とが相対的に固定され、前記係止機構(400)が前記係止解除状態にあるとき、前記第1の嵌合部(101)が前記第2の嵌合部(301)と嵌合する場合に、前記第1のロッド(100)と前記第2のロッド(300)とが相対的に固定され、前記第1の嵌合部(101)と前記第2の嵌合部(301)との嵌合が解除される場合に、前記可動キャリア(10)を折り畳む又は展開するように前記第1のロッド(100)が前記第2のロッド(300)に対して回転可能である、
折り畳み式可動キャリア(10)。
【請求項2】
前記第1の嵌合部(101)が雄型接続部であり、前記第2の嵌合部(301)は、前記雄型接続部と着脱可能に嵌合可能な雌型接続部であり、又は、前記第1の嵌合部(101)が雌型接続部であり、前記第2の嵌合部(301)は、前記雌型接続部と着脱可能に嵌合可能な雄型接続部である、請求項1に記載の折り畳み式可動キャリア(10)。
【請求項3】
前記第1の嵌合部(101)及び前記第2の嵌合部(301)の一方が係合溝(150)であり、前記第1の嵌合部(101)及び前記第2の嵌合部(301)の他方が、前記係合溝(150)と係合可能な係合突起(320)である、請求項1又は
2に記載の折り畳み式可動キャリア(10)。
【請求項4】
前記係合溝(150)がV字溝であり、前記V字溝は、V字形に配置される第1の溝壁(151)及び第2の溝壁(152)を備え、前記係合突起(320)は、前記第1の溝壁(151)及び前記第2の溝壁(152)に接することが可能な円弧状の突起である、請求項3に記載の折り畳み式可動キャリア(10)。
【請求項5】
前記第1の溝壁(151)と前記V字溝の開口が位置される平面との間の挟角が40°~50°の範囲であり、前記第2の溝壁(152)と前記V字溝の開口が位置される平面との間の挟角が40°~50°の範囲であり、前記円弧状の突起の高さが1.5mm~2.5mmの範囲である、請求項4に記載の折り畳み式可動キャリア(10)。
【請求項6】
前記係合突起(320)は、少なくとも2つの係合歯を備える鋸歯状突起であり、前記係合溝(150)は、少なくとも2つの係合溝を備える鋸歯状溝であり、前記少なくとも2つの係合歯は、前記少なくとも2つの係合溝に1つずつ嵌合可能である、請求項
3に記載の折り畳み式可動キャリア(10)。
【請求項7】
前記第1の嵌合部(101)及び前記第2の嵌合部(301)の一方がプラグ孔であり、前記第1の嵌合部(101)及び前記第2の嵌合部(301)の他方は、前記プラグ孔に差込可能なプラグピンである、請求項2に記載の折り畳み式可動キャリア(10)。
【請求項8】
前記プラグ孔の孔壁が弾性変形可能であり、前記プラグ孔の前記孔壁が弾性変形されるとき、前記プラグ孔の内径が前記プラグピンの直径よりも大きく、前記プラグ孔の前記孔壁がその元の形状に戻されるとき、前記プラグ孔の前記内径が前記プラグピンの前記直径よりも小さく、又は
前記プラグピンが弾性変形可能であり、前記プラグピンが弾性変形するとき、前記プラグピンの直径が前記プラグ孔の内径よりも小さく、前記プラグピンがその元の状態に戻されるとき、前記プラグピンの前記直径が前記プラグ孔の前記内径よりも大きい、
請求項7に記載の折り畳み式可動キャリア(10)。
【請求項9】
第3のロッド(200)を更に備え、前記第1のロッド(100)は、前記第1のロッド(100)の延在方向で順次離間される第1の位置(110)、第2の位置(120)、及び第3の位置(130)を有し、前記第1の嵌合部(101)が前記第3の位置(130)に配置され、前記第3のロッド(200)は、前記係止機構(400)を介して前記第1の位置(110)で前記第1のロッド(100)に回動可能に接続され、前記係止機構(400)が前記係止状態のときに、前記第1のロッド(100)と前記第3のロッド(200)とが相対的に固定され、前記係止機構(400)が前記係止解除状態にあるとき、前記可動キャリア(10)を折り畳む又は展開するように前記第1のロッド(100)が前記第3のロッド(200)に対して回転可能であり、前記第2のロッド(300)は、前記第2の位置(120)で前記第1のロッド(100)に回動可能に接続される、請求項
1に記載の折り畳み式可動キャリア(10)。
【請求項10】
前記第1のロッド(100)の端部に第1の回転セクタ(140)が設けられ、前記第2のロッド(300)の端部に第2の回転セクタ(310)が設けられ、前記第1の回転セクタ(140)が前記第2の回転セクタ(310)と対向し、前記第2の位置(120)が前記第1の回転セクタ(140)の円中心に配置され、前記第2の回転セクタ(310)の円中心は、前記第2の位置(120)で前記第1の回転セクタ(140)に回動可能に接続され、前記第1の嵌合部(101)は、前記第2の回転セクタ(310)に面する前記第1の回転セクタ(140)の面の周縁に配置され、前記第2の嵌合部(301)は、前記第1の回転セクタ(140)に面する前記第2の回転セクタ(310)の面の周縁に配置される、請求項9に記載の折り畳み式可動キャリア(10)。
【請求項11】
ストッパ(312)が、前記第3のロッド(200)に近い前記第2の回転セクタ(310)の側に配置され、前記第1のロッド(100)と前記第2のロッド(300)とが
相対的に固定されるとき、前記第1の回転セクタ(140)が前記ストッパ(312)に当接する、請求項10に記載の折り畳み式可動キャリア(10)。
【請求項12】
前記係止機構(400)は、
前記第1のロッド(100)上に固定され、第1の係止溝(411)を備える第1の係止シェル(410)と、
前記第3のロッド(200)に固定され、第2の係止溝(442)を備える第2の係止シェル(440)と、
所定の角度で配置される少なくとも2つの係止歯(431)を備える係止部材(430)であって、前記第1の係止溝(411)及び前記第2の係止溝(442)の形状が前記係止部材(430)の形状に適合され、前記係止部材(430)が係止状態及び係止解除状態を有し、前記係止部材(430)が前記係止状態にあるとき、前記係止部材(430)が、前記第1の係止シェル(410)及び前記第2の係止シェル(440)の両方に配置されて、前記第1の係止シェル(410)に対する前記第2の係止シェル(440)の回転を制限し、前記係止部材(430)が前記係止解除状態にあるとき、前記係止部材(430)が、前記第2の係止シェル(440)が前記第1の係止シェル(410)に対して回転できるようにするために、前記第1の係止溝(411)又は前記第2の係止溝(442)から引き出される、係止部材(430)と、
前記係止部材(430)を前記係止状態に維持するように、前記係止部材(430)に動作可能に接続される弾性部材(420)と、
前記係止部材(430)を前記弾性部材(420)の弾性力に抗して移動するべく駆動させて前記係止部材(430)を前記係止状態から前記係止解除状態に切り替えるように前記係止部材(430)に動作可能に接続される解除部材(450)と、
を備える請求項9から11のいずれか一項に記載の折り畳み式可動キャリア(10)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
実施形態の1つにおいて、ストッパは、第3のロッドに近い第2の回転セクタの側に配置される。第1のロッド及び第2のロッドが相対的に固定されると、第1の回転セクタがストッパに当接する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
このように、解除部材450が押圧されていないとき、及び、係止部材430が係止状態にあるとき、係止部材430は、復帰ばねである弾性部材420の弾性力によって、第1の係止シェル410及び第2の係止シェル440の両方に係止される。この場合、第1の係止シェル410及び第2の係止シェル440が係止状態にあり、すなわち、第1のロッド100及び第3のロッド200が係止状態にある。解除部材450が押圧されると、押圧部451が貫通孔441を通過して第2の係止シェル440及び係止部材430を押圧することができ、それにより、係止部材430が第1の係止溝411又は第2の係止溝442から離間される。この場合、第1の係止シェル410及び第2の係止シェル440は解除状態にあり、すなわち、第1のロッド100は第3のロッド200に対して相対回転可能である。係止機構400は、簡単な構造を有し、第1のロッド100及び第3のロッド200が係止状態と係止解除状態との間で切り替わることができるようにし得る。しかしながら、解除部材450が意図せずに押圧されると、第1のロッド100は外力又はそれ自体の重力の作用下で回動することになり、その結果、係止部材430の係止歯431は第1の係止溝411又は第2の係止溝442と位置ずれし、それにより、第1の係止シェル410及び第2の係止シェル440が再び係止状態に戻ることが困難となるように、係止部材430が第1の係止溝411又は第2の係止溝442に再係合することは困難である。すなわち、第1のロッド100と第3のロッド200とを再び相対的に係止固定することは困難である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
第2のロッド300は、第2の位置120で第1のロッド100に回動可能に接続される。第2のロッド300には、第1の嵌合部101と着脱可能に嵌合する第2の嵌合部301が設けられる。第1の嵌合部101が第2の嵌合部301と嵌合するとき、第1のロッド100及び第2のロッド300は、相対的に固定され、第2の予め設定された挟角で配置される。第1の嵌合部101と第2の嵌合部301との嵌合が解除されると、第1のロッド100は第2のロッド300に対して回転することができ、第1のロッド100と第2のロッド300との間の第3のロッド200に面する挟角は第2の予め設定された挟角以下である。この実施形態では、第2の予め設定された挟角が180度である。このように、第1の嵌合部101が第2の嵌合部301と嵌合するとき、第1のロッド100と第2のロッド300とが同一直線上にある。また、第1の予め設定された挟角が鋭角であるため、係止機構400が係止固定状態にあるとき、第1のロッド100及び第2のロッド300と第3のロッド200との組み合わせ構造は、三角形状の支持構造を形成する。更に、第1のロッド100と第2のロッド300との間における第3のロッド200に面する挟角は、常に第2の予め設定された挟角以下に保たれるため、すなわち、係止機構400が係止状態にあるとき、第1のロッド100は第3のロッド200から第2のロッド300への方向にも第2のロッド300から第3のロッド200への方向にも回転することができない。したがって、係止機構400が係止状態にあるとき、第1のロッド100及び第2のロッド300を第2の予め設定された挟角に保つことができ、これにより、ストローラ全体に安定した三角形状の支持構造を提供することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
また、係合溝150は、
図3に示すように、V字溝である。V字溝は、V字形に配置された第1の溝壁151及び第2の溝壁152を含む。係合突起320は、V字溝の溝壁に接することが可能な円弧状の突起である。すなわち、第1のロッド100に垂直な係合溝150の断面形状はV字状であり、第3のロッド200に垂直な係合突起320の断面形状は円弧状である。これにより、第1のロッド100が回転して第3のロッド200に係合して固定される際に、係合突起320を係合溝150により円滑に係合させることができる。第1のロッド100と第3のロッド200との間の固定が解除されると、係合突起320も係合溝150から容易に回転して抜け出すことができる。任意選択的に、第1の溝壁151とV字溝の開口が位置される平面との間の第1の挟角は、40°~50°の範囲内である。この実施形態では、第1の挟角が45°である。第2の溝壁152とV字溝の開口が位置される平面との間の第2の挟角は、40°~50°の範囲である。この実施形態では、第2の挟角が45°である。円弧状の突起の高さは、1.5mm~2.5mmの範囲である。この実施形態では、高さが2mmである。上記構成により
、係止機構400が意図せずに解除された場合であっても、可動キャリアの可折機能の実現が影響を受けること
なく、第1のロッド100の回動を防ぐことができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】