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特表2024-530679電気自動車の充電の制御およびスケジューリングならびに関連するシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】電気自動車の充電の制御およびスケジューリングならびに関連するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20240816BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240816BHJP
   H02J 3/00 20060101ALI20240816BHJP
   H02J 3/14 20060101ALI20240816BHJP
   B60L 53/10 20190101ALI20240816BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20240816BHJP
   B60L 53/67 20190101ALI20240816BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20240816BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20240816BHJP
【FI】
H02J7/02 F
H02J7/00 P
H02J3/00 170
H02J3/14
B60L53/10
B60L50/60
B60L53/67
B60L3/00 N
B60L58/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508513
(86)(22)【出願日】2021-08-13
(85)【翻訳文提出日】2024-04-08
(86)【国際出願番号】 EP2021072606
(87)【国際公開番号】W WO2023016655
(87)【国際公開日】2023-02-16
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523380173
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザリッリ,ドナート
(72)【発明者】
【氏名】アルマレック,パブロ
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G066AA03
5G066KC01
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA10
5G503CB16
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC22
5H125BC05
5H125BC21
5H125BE02
5H125DD02
5H125EE27
5H125EE51
5H125EE55
(57)【要約】
少なくとも1つの充電器(2)、特に2つ以上の充電器を介して、少なくとも1台の電気自動車(6)、特に2台以上の電気自動車の充電を制御するための方法は、少なくとも1台の電気自動車(6)のバッテリの特性、利用可能電力の情報、および少なくとも1台の電気自動車(6)の利用可能性に少なくとも基づいて、少なくとも1つの充電器(2)を介して少なくとも1台の電気自動車(6)を充電するための充電プロファイルを決定することと、決定された充電プロファイルに従ってそれぞれの充電器(2)による充電を制御するための出力を提供することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの充電器(2)、特に2つ以上の充電器を介して、少なくとも1台の電気自動車(6)、特に2台以上の電気自動車の充電を制御するための方法であって、
少なくとも1台の電気自動車(6)のバッテリの特性、利用可能電力の情報、および前記少なくとも1台の電気自動車(6)の利用可能性に少なくとも基づいて、少なくとも1つの充電器(2)を介して前記少なくとも1台の電気自動車(6)を充電するための充電プロファイルを決定することと、
前記決定された充電プロファイルに従って前記それぞれの充電器(2)による充電を制御するための出力を提供することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1台の電気自動車(6)の前記利用可能性が、動作スケジュール、前記少なくとも1台の電気自動車(6)の位置情報、および前記少なくとも1台の電気自動車(6)のリアルタイム位置情報のうちの1つに少なくとも基づく、請求項1の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1台の電気自動車(6)を充電するための前記充電プロファイルの前記決定が、前記少なくとも1台の電気自動車(6)の事前調整の要件にさらに基づく、先行する請求項のいずれか1項の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1台の電気自動車(6)の前記事前調整を制御するための出力を提供することをさらに含む、請求項の3の方法。
【請求項5】
前記利用可能電力の情報が、電力網と1つ以上のローカル電源とのうちの1つ以上によって供給可能な電力に関する情報を含む、先行する請求項のいずれか1項の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1台の電気自動車(6)を充電するための前記充電プロファイルの前記決定が、最適化処理を含む、先行する請求項のいずれか1項の方法。
【請求項7】
前記最適化処理が、前記充電プロファイルによって提供される充電動作および/または事前調整動作の変動を低減するための第1の目的を含む、請求項6の方法。
【請求項8】
前記最適化処理が、前記少なくとも1台の電気自動車(6)の前記それぞれのバッテリの最小充電レベルに関する最小充電レベル制約を含む、請求項6および7のいずれか1項の方法。
【請求項9】
前記最適化処理が、前記最小充電レベルを超えて、特に所定の充電レベルまで、前記それぞれのバッテリの充電レベルを最大化するための第2の目的を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記最適化処理が、前記利用可能電力の前記情報に関する利用可能電力制約を含む、先行する請求項6~9のいずれか1項の方法。
【請求項11】
前記最適化処理が、前記少なくとも1台の電気自動車(6)の前記利用可能性に関する電気自動車(6)利用可能性制約を含む、先行する請求項6~10のいずれか1項の方法。
【請求項12】
前記最適化処理が、前記それぞれのバッテリに適用可能な最大負荷に関するバッテリ最大負荷制約を含む、先行する請求項6~11のいずれか1項の方法。
【請求項13】
前記決定が、前記少なくとも1つの充電器(2)の1つ以上に関連付けられた電力供給制限にさらに基づく、先行する請求項のいずれか1項の方法。
【請求項14】
前記バッテリの前記特性が、前記バッテリの充電状態を含む、先行する請求項のいずれか1項の方法。
【請求項15】
前記バッテリの前記特性が、
1つ以上の充電状態制限と、
1つ以上の充電率制限と
のうちの少なくとも一方を含む、先行する請求項のいずれか1項の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1台の電気自動車(6)を充電するための前記充電プロファイルの前記決定が、現在の期間に関する情報および1つ以上の将来の期間からの情報にさらに基づく、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1台の電気自動車(6)を充電するための前記充電プロファイルの前記決定が、前記充電プロファイルを更新するために後続の時間に繰り返される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
充電を制御するための前記出力が、前記少なくとも1台の電気自動車(6)がいつ充電されるか、および前記少なくとも1台の電気自動車(6)が充電される率のうちの1つ以上を制御する、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つのプロセッサ(36)上で実行されると先行する請求項のいずれか1項の方法を実行するように構成されているコンピュータ実行可能コードを含むコンピュータプログラム。
【請求項20】
1つ以上の充電器を介して1台以上の電気自動車の充電を制御するように構成された装置であって、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法を前記装置に実行させるように構成された少なくとも1つの集積回路(40)を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示は、電気自動車の充電を制御およびスケジューリングするための方法、装置、およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
クリーンエネルギーへの推進は、分散型エネルギー資源(DER:distributed energy resource)の採用、需要側管理の適用、および都市交通の電化における成長を促進している。この成長は、少なくとも部分的には、世界中の政府の方針によって設定された挑戦的な環境および経済目標によって推進されてきた。再生可能エネルギー、オンサイト発電機、蓄電装置、制御可能な負荷、および電気自動車(EV:electric vehicle)などの小型DERの統合および使用には、技術的な問題がある。
【0003】
多くの輸送会社は、典型的にはディーゼルエンジンを使用して走る既存の車両をよりクリーンな電気自動車に置き換えている。これらの電気自動車は、より環境に優しいエネルギー源を活用する可能性を有する。これに関連して、エネルギー管理システムは、DERを統合および集約することによって引き起こされる現代の電力システムの課題に対処する必要がある。特に、適切な管理システムがないそのようなEVの大規模な浸透は、高い電力吸収ピークを有する不均一で予測不可能な集約需要プロファイルなどの技術的問題をもたらす可能性がある。これは、供給容量の潜在的なボトルネックなどの技術的問題につながり、電気自動車群(fleet)のオペレータを設備寸法の問題にさらす可能性がある。
【0004】
停車場などの共有充電場所での電気自動車群の充電を管理する際に技術的問題が存在する。例えば、電源使用を管理する際に課題が存在し得る。
【0005】
いくつかの実施形態の目的は、前述の問題の1つ以上に対処するか、または少なくとも緩和することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
一態様によれば、請求項1に記載の少なくとも1つの充電器、特に2つ以上の充電器を介して、少なくとも1台の電気自動車、特に2台以上の電気自動車の充電を制御するための方法が提供される。
【0007】
本方法は、少なくとも1台の電気自動車のバッテリの特性、利用可能電力の情報、および少なくとも1台の電気自動車の利用可能性に少なくとも基づいて、少なくとも1つの充電器を介して少なくとも1台の電気自動車を充電するための充電プロファイルを決定することと、決定された充電プロファイルに従ってそれぞれの充電器による充電を制御するための出力を提供することとを含む。
【0008】
方法のさらなる実施形態および態様は、上述の問題の1つ以上にさらに対処し得る。
さらなる実施形態によれば、方法は、少なくとも1つの集積回路によってコンピュータ実装および/または実行されてもよい。方法は、産業用コントローラ、コンピューティングデバイス、またはエネルギー管理システム(EMS:Energy Management System)のコントローラなどの装置によって実行されてもよい。
【0009】
さらなる実施形態によれば、少なくとも1台の電気自動車の利用可能性は、動作スケジュール、少なくとも1台の電気自動車の位置情報、および少なくとも1台の電気自動車のリアルタイム位置情報のうちの1つに少なくとも基づいてもよい。
【0010】
動作スケジュールは、1つ以上の充電器が設けられた充電場所に1台以上の電気自動車がいつ到着するかに関する情報および/またはいつ離れるかに関する情報を提供し得る。
【0011】
少なくとも1台の電気自動車を充電するための充電プロファイルの決定は、電気自動車の少なくとも1台の事前調整の要件にさらに基づいてもよい。
【0012】
さらなる実施形態では、本方法は、少なくとも1台の電気自動車の事前調整を制御するための出力を提供することを含む。
【0013】
利用可能電力の情報は、電力網および/または1つ以上のローカル電源のうちの1つ以上によって供給可能な電力に関する情報を含み得る。
【0014】
ローカル電源は、充電器の少なくとも1つと同じマイクログリッド内に設けられた電源であり得る。
【0015】
さらなる実施形態では、少なくとも1台の電気自動車を充電するための充電プロファイルの決定は、最適化処理を含む。
【0016】
最適化処理は、充電プロファイルによって提供される充電動作および/または事前調整動作の変動を低減するための第1の目的を含み得る。
【0017】
これは、バッテリの充電プロセスにおける中断を回避または低減するため、および/または電流ピークを回避するためであってもよい。これは、バッテリの有効寿命を低下させる可能性があるバッテリへの応力を低減し得る。
【0018】
最適化処理は、少なくとも1台の電気自動車のそれぞれのバッテリの最小充電レベルに関する最小充電レベル制約を含んでもよい。
【0019】
最適化処理は、少なくとも1台の電気自動車のそれぞれのバッテリの最大充電レベルに関する最大充電レベル制約を含んでもよい。
【0020】
最適化処理は、最小充電レベルを超えて、特に所定の充電レベルまで、それぞれのバッテリの充電レベルを最大化するための第2の目的を含み得る。
【0021】
最適化処理は、利用可能電力の情報に関する利用可能電力制約を含んでもよい。
最適化処理は、少なくとも1台の電気自動車の利用可能性に関する電気自動車利用可能性制約を含んでもよい。
【0022】
最適化処理は、それぞれのバッテリに適用可能な最大負荷に関するバッテリ最大負荷制約を含んでもよい。
【0023】
決定はさらに、充電器の1つ以上に関連付けられた電力供給制限に基づいてもよい。
バッテリの特性は、バッテリの充電状態を含んでもよい。
【0024】
バッテリの特性は、1つ以上の充電状態制限と1つ以上の充電率制限とのうちの少なくとも一方を含んでもよい。
【0025】
少なくとも1台の電気自動車を充電するための充電プロファイルの決定は、現在の期間に関する情報および1つ以上の将来の期間からの情報にさらに基づいてもよい。
【0026】
少なくとも1台の電気自動車を充電するための充電プロファイルの決定は、充電プロファイルを更新するために後続の時間に繰り返されてもよい。
【0027】
充電を制御するための出力は、少なくとも1台の電気自動車がいつ充電されるか、および少なくとも1台の電気自動車が充電される率のうちの1つ以上を制御してもよい。
【0028】
別の態様によれば、少なくとも1つの充電器、特に2つ以上の充電器を介して、少なくとも1台の電気自動車、特に2台以上の電気自動車の充電を制御するように構成された装置が提供され、装置は、少なくとも1台の電気自動車のそれぞれのバッテリの特性、利用可能電力の情報、および少なくとも1台の電気自動車の利用可能性に少なくとも基づいて、少なくとも1つの充電器を介して少なくとも1台の電気自動車を充電するための充電プロファイルを決定することと、決定された充電プロファイルに従ってそれぞれの充電器による充電を制御するための出力を提供することと、を装置に行わせるように構成された少なくとも1つの集積回路を備える。
【0029】
装置は、前述した問題の1つ以上に対処し得るか、それらを軽減し得る。
少なくとも1台の電気自動車の利用可能性は、動作スケジュール、少なくとも1台の電気自動車の位置情報、および少なくとも1台の電気自動車のリアルタイム位置情報のうちの1つに少なくとも基づいてもよい。
【0030】
動作スケジュールは、1つ以上の充電器が設けられた充電場所に1台以上の電気自動車がいつ到着するかに関する情報および/またはいつ離れるかに関する情報を提供し得る。
【0031】
少なくとも1つの集積回路は、装置に、電気自動車の少なくとも1台の事前調整の要件にさらに基づいて、少なくとも1台の電気自動車を充電するための充電プロファイルを決定させるように構成されてもよい。
【0032】
少なくとも1つの集積回路は、電気自動車の少なくとも1台の事前調整を制御するための出力を装置に提供させるように構成されてもよい。
【0033】
利用可能電力の情報は、電力網および/または1つ以上のローカル電源のうちの1つ以上によって供給可能な電力に関する情報を含み得る。
【0034】
ローカル電源は、充電器の少なくとも1つと同じマイクログリッド内に設けられた電源であり得る。
【0035】
少なくとも1つの集積回路は、最適化処理を用いて少なくとも1台の電気自動車を充電するための充電プロファイルを装置に決定させるように構成されてもよい。
【0036】
最適化処理は、充電プロファイルによって提供される充電動作および/または事前調整動作の変動を低減するための第1の目的を含み得る。
【0037】
これは、バッテリの充電プロセスにおける中断を回避または低減するため、および/または電流ピークを回避するためであってもよい。これは、バッテリの有効寿命を低下させる可能性があるバッテリへの応力を低減し得る。
【0038】
最適化処理は、少なくとも1台の電気自動車のそれぞれのバッテリの最小充電レベルに関する最小充電レベル制約を含んでもよい。
【0039】
最適化処理は、少なくとも1台の電気自動車のそれぞれのバッテリの最大充電レベルに関する最大充電レベル制約を含んでもよい。
【0040】
最適化処理は、最小充電レベルを超えて、特に所定の充電レベルまで、それぞれのバッテリの充電レベルを最大化するための第2の目的を含み得る。
【0041】
最適化処理は、利用可能電力の情報に関する利用可能電力制約を含んでもよい。
最適化処理は、少なくとも1台の電気自動車の利用可能性に関する電気自動車利用可能性制約を含んでもよい。
【0042】
最適化処理は、それぞれのバッテリに適用可能な最大負荷に関するバッテリ最大負荷制約を含んでもよい。
【0043】
少なくとも1つの集積回路は、装置に、充電器の1つ以上に関連付けられた電力供給制限にさらに基づいて充電プロファイルを決定させるように構成されてもよい。
【0044】
バッテリの特性は、バッテリの充電状態を含んでもよい。
バッテリの特性は、1つ以上の充電状態制限と1つ以上の充電率制限とのうちの少なくとも一方を含んでもよい。
【0045】
少なくとも1つの集積回路は、装置に、現在の期間に関する情報および1つ以上の将来の期間からの情報にさらに基づいて少なくとも1台の電気自動車を充電するための充電プロファイルを決定させるように構成されてもよい。
【0046】
少なくとも1つの集積回路は、装置が、充電プロファイルを更新するために、少なくとも1台の電気自動車を充電するための充電プロファイルの決定をその後の時間に繰り返すように構成されてもよい。
【0047】
充電を制御するための出力は、少なくとも1台の電気自動車がいつ充電されるか、および少なくとも1台の電気自動車が充電される率のうちの1つ以上を制御してもよい。
【0048】
一態様によれば、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されると上記の方法のいずれか1つを実行させるコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータプログラムが提供される。
【0049】
一態様によれば、上記の方法の少なくとも1つを実行するために格納されたプログラム命令を含む、コンピュータ可読媒体が提供される。
【0050】
一態様によれば、上記の方法の少なくとも1つを実行するために格納されたプログラム命令を含む、非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。
【0051】
一態様によれば、上記の方法の少なくとも1つを実行するために格納されたプログラム命令を含む、不揮発性有形記憶媒体が提供される。
【0052】
以上、多くの異なる態様について説明した。さらなる態様は、上述した態様の任意の2つ以上の組み合わせによって提供され得ることを理解されたい。
【0053】
様々な他の態様もまた、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲に記載されている。
【0054】
図の説明
次に、添付の図面を参照して、単なる例として、いくつかの例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】いくつかの実施形態のシステムを示す。
図2】いくつかの実施形態で使用されるローリングタイムホライズンを概略的に示す。
図3】本発明の一実施形態による例示的な装置を示す。
図4】いくつかの実施形態の例示的な方法を概略的に示す。
図5】いくつかの実施形態の別の例示的な方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
詳細な説明
次に、本発明の様々な例示的な実施形態を説明する。いくつかの実施形態は、少なくとも1台の電気自動車の制御に関する。いくつかの例示的な実施形態は、少なくとも1台の電気自動車の充電を制御する方法を含む。いくつかの例示的な実施形態は、少なくとも1台の電気自動車の充電を制御するための装置を含む。装置は、集積回路を備えてもよく、および/またはデバイスであってもよい。デバイスは、コンピュータデバイス、産業用コントローラ、または任意の他の適切なデバイスであってもよい。いくつかの実施形態は、少なくとも1台の電気自動車の充電を制御するためのシステムに関する。
【0057】
少なくとも1台の電気自動車の充電は、少なくとも1つの充電器を介してもよい。
いくつかの実施形態のシステムを示す図1を参照する。システムは、いくつかの充電器2を備える。充電器2は、充電を制御するための装置4に接続されている。
【0058】
いくつかの実施形態は、電気自動車(EV)6のセットまたは群の充電を管理するためのものであり得る。充電されるEV6は、それぞれの充電器2に差し込まれる。この充電は、少なくとも1つの充電器2によって提供され得る。2つ以上の充電器2が設けられる場合、充電器2は、1箇所以上の充電場所に配置されてもよい。
【0059】
電気自動車6のセットは、電気バス、配送車両、タクシー、ユーティリティビークル、ボート、工場車両、航空機、ドローン、または任意の他の車両であってもよい。
【0060】
それぞれの充電場所は、停車場、車庫、または1つ以上の充電器を備え、かつ充電される車両に適した任意の他の充電場所であってもよい。いくつかの実施形態では、2箇所以上の充電場所、例えば2箇所のバス停留所があってもよい。
【0061】
比較的多数の充電器2を有する充電場所で、比較的多数の電気自動車6を充電する必要がある、いくつかの実施形態が用いられてもよい。充電器の数は、例えば、10、50、または100を超える充電器であってもよい。これらの数の充電器は単なる例であり、他の実施形態では任意の他の適切な数の充電器が使用されてもよい。
【0062】
以下では、1台以上の車両6を含む電気自動車群の例を説明する。車両は充電場所で充電される。
【0063】
上述したように、電気自動車群は、バス群または任意の他の電気自動車群を含み得る。充電場所は、任意の適切な充電場所、例えば停車場または任意の他の適切な充電場所であり得る。2箇所以上の充電場所が存在してもよい。充電場所には、1つ以上の充電器2が設けられる。
【0064】
いくつかの実施形態では、異なるタイプの電気自動車6が混合で使用され得る。
いくつかの実施形態は、1台以上の電気自動車の各電気自動車6が充電されることを保証する技術的課題に対処する。いくつかの実施形態は、1台以上の電気自動車の各電気自動車6が、時刻表または配送スケジュールまたは動作スケジュールなどに従って動作する必要があるときに充電されることを保証する、技術的課題に対処し得る。
【0065】
いくつかの実施形態は、「スマート充電」戦略を提供してもよく、これにより、ピーク負荷をカットする、および/または所定の時刻表内で車両のバッテリを再充電する方法として、システムとユーザの柔軟性の両方を活用することによってEV充電動作の計画および実行を可能にしてもよい。そのような機構は、充電プロセスを単にオンおよびオフにし、場合によっては充電率、すなわち一方向の車両制御(V1G)を増加または減少させることから、車両が放電モードでグリッドにバックサービスを提供することを可能にする挑戦的な双方向の車両対グリッド(V2G:vehicle-to-grid)まで及び得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、電気自動車6の事前調整が必要とされ得る。これは、いくつかの実施形態では任意である。
【0067】
電気自動車6を事前調整することにより、電源に接続されている間、電気自動車のバッテリを最適な動作温度に加温または冷却してもよい。これは、バッテリ寿命を改善し、および/または電気自動車の航続距離を改善することができる。これは、電気自動車が出発前に充電されて、電気自動車の出発予定時にバッテリがまだその通常の動作温度またはそれに近い温度であるような場合には、必要とされない場合がある。これは、いくつかの実施形態では必要とされない場合がある。
【0068】
事前調整は、電源に接続されている間、代替的または追加的に、電気自動車6の内部温度を所望の温度に調整することを可能にし得る。例えば、冬にはバスを加熱し、夏にはバスを冷却してもよい。事前調整は、車両が電源に接続されていないときに、電気自動車6内の温度を制御するために必要なバッテリ充電量を低減してもよい。車両の出発直前に事前調整を行う必要がある場合がある。例えば、車両の出発に可能な限り近くで事前調整が完了することを確実にすることが望ましい場合がある。
【0069】
車両のバッテリが車両の運転に加えて機能に使用され、電気自動車が充電器を離れる前にその機能を少なくとも部分的に事前に提供することができる実施形態で、事前調整を使用してもよい。
【0070】
いくつかの実施形態は、1つ以上の充電器2をサポートするために充電場所で必要とされるエネルギープロファイルを制御する、技術的課題に対処し得る。1つ以上の充電器2は、1台以上の電気自動車6を充電するために使用される。
【0071】
例えば、いくつかの実施形態は、高い電力吸収ピークを有する不均一で予測不可能な集約されたエネルギー需要プロファイルなどの問題を回避し得る。高い電力吸収ピークを有する不均一で予測不可能な集約されたエネルギー需要プロファイルは、エネルギー供給能力のボトルネックにつながる可能性がある。これは、車両群の行程容量を減少させる可能性がある。いくつかの状況では、高い電力吸収ピークに対応することができず、バッテリが所望の充電レベルになる前に一部のバッテリの充電が停止する可能性がある場合がある。
【0072】
いくつかの充電場所は、少なくとも部分的に、マイクログリッドなどの独自のローカル電源を有し得る。ローカル電源は、1つ以上の再生可能エネルギー源、例えば、PV(太陽光発電)設備またはウィンドファーム、ローカルエネルギーストア、エネルギーストア、および/またはローカル発電機によって提供されてもよい。いくつかの実施形態は、これらの資源の1つ以上の使用がグリッドの使用よりも優先される(またはその逆)ように、これらのリソースの使用を管理してもよい。いくつかの実施形態は、電気自動車(EV)の充電を管理して、可能な場合には再生可能資源の利用可能性を一致させてもよい。いくつかの実施形態は、主電力網に停電または問題がある場合、ローカル電源を使用してもよい。
【0073】
いくつかの実施形態は、充電場所のピーク負荷を管理してもよい。いくつかの実施形態では、ピーク負荷低減(消費電力)および/または消費エネルギー(経時的な電力)が考慮される。いくつかの実施形態は、充電場所におけるエネルギー負荷を閾値レベル未満に保つことを目的としてもよい。いくつかの実施形態では、この閾値レベルは、供給可能な最大ピーク負荷未満であり得る。いくつかの実施形態では、この閾値は静的閾値である。他の実施形態では、この閾値は変化してもよい。
【0074】
いくつかの実施形態は、EVが必要なときに使用できる状態にあることを確実にすることを目的としてもよい。バス群の状況では、これは、バスが必要な時刻表に従って運行できることを保証するためであり得る。電気バスは、所定の経路上で所定の時刻表に従って毎日の運転ミッションに役立ち得る。
【0075】
いくつかの実施形態は、1台以上の電気自動車の充電プロセスを制御してもよい。これは、個々の車両ごとの制御であってもよい。いくつかの実施形態は、各電気自動車について充電プロセスがいつオンにされるか、および/または充電プロセスがいつオフにされるかを制御してもよい。いくつかの実施形態は、特定の車両の充電率を制御してもよく、すなわち、必要に応じて充電率を増減してもよい。したがって、いくつかの実施形態は、充電場所の各充電器を個別に制御してもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、電気自動車6は、いわゆるV1G動作のみをサポートしてもよい。V1G動作は、電力網(および/または他の電源)から電気自動車6への一方向の充電がある場合である。
【0077】
他の実施形態では、電気自動車の一部または全部がいわゆるV2G動作をサポートしてもよい。V2G動作は、双方向の車両対グリッド(V2G)動作を提供する。これは、電気自動車をグリッドから充電することを可能にし、かつ車両が放電モードでグリッドにバックサービスを提供することも可能にする。いくつかの実施形態は、V2G車両がグリッドからいつ充電されるか、および放電する場合はV2G車両がグリッドにいつ放電するかを制御し得る。グリッドは、メイングリッドおよび/またはマイクログリッドであり得る。
【0078】
以下の例は、一方向のV1G動作を想定しているが、いくつかの実施形態は、V2G車両、特にグリッドに戻す放電に対応し得ることを理解されたい。
【0079】
ここで、充電場所で行われる充電および任意選択の事前調整を装置4が管理する、いくつかの実施形態を説明する。装置4は、EMS(Energy Management System)の少なくとも一部を提供する機器であってもよい。装置4は、いくつかの実施形態ではEMSコントローラであってもよい。装置4は、充電および事前調整のスケジューリングを管理する(提供される場合)。
【0080】
装置4は、いわゆる低速充電を管理してもよい。しかしながら、他の実施形態では、いわゆる急速充電が代替的または追加的に管理されてもよい。
【0081】
装置4は、充電器2が充電しているとき、および/またはEVのバッテリを充電する率を制御してもよい。
【0082】
装置4は、充電場所に設けられてもよく、および/または充電場所から離れた場所で実行されてもよい。この装置は、少なくとも1つの集積回路を備え得る。
【0083】
いくつかの実施形態の装置4は、後により詳細に説明するように、充電プロファイルを提供するために使用される情報を受信するように構成される。情報は、以下の1つ以上によって提供され得る:
ユーザによる入力、API(アプリケーションプログラマブルインターフェース)を介して自動的に、およびそれぞれの情報の自動検出(例えば、EVが充電場所内または充電場所にあるとき、または充電場所に向かう途中であるときを検出すること)への応答。
【0084】
いくつかの実施形態では、情報の一部は「リアルタイム」で提供されてもよい。例えば、電気自動車の現在位置がリアルタイムで提供されてもよい。
【0085】
装置4は、充電プロファイルを決定し得る。これは、受信または別の方法で取得した情報に基づき得る。
【0086】
装置4は、決定された充電プロファイルに従って出力を提供するように構成される。装置4によって提供される出力は、グラフィカルユーザインターフェース上に提示されてもよい。出力は、充電器2に直接または間接的に提供される1つ以上の制御信号を含み得る。装置4からの出力は、電気自動車の充電器による充電を制御するために使用される。
【0087】
いくつかの実施形態では、電気自動車6は、装置4からの出力の結果として、それぞれの充電器2によって自動的に充電され得る。
【0088】
したがって、充電器2は、各充電器がそれぞれの車両をどのように充電するかを制御する装置4から、制御信号を受信するように構成され得る。充電器が充電を開始し、充電を停止する時間は、装置4によって制御されてもよい。充電が行われる率は、装置4によって制御されてもよい。
【0089】
充電器2は、装置4にデータを提供するように構成されてもよい。そのデータについては、後により詳細に説明する。データは、充電器2によって装置4に直接提供されてもよいし、1つ以上の他のエンティティを介して装置に提供されてもよい。
【0090】
充電器2は、有線および/または無線接続8を介して装置4に接続され得る。
充電されるEV6は、それぞれの充電器2に差し込まれる。EV6からの情報は、装置4に提供される。これは、直接および/またはそれぞれの充電器を介して行われ得る。EV6が装置4に直接接続されている場合、これは有線または無線接続を介してもよい。
【0091】
装置4には、それぞれのEV6および/またはそれぞれの充電器2によって、どのEVが特定の充電器に接続されているかを示す識別情報が提供されてもよい。
【0092】
EVに関連付けられた識別情報は、装置によって使用されて、そのEVのバッテリに関する情報を決定することができる。例えば、識別情報は、バッテリに関する情報をデータベース7で検索するために装置4によって使用される。データベース7が提供される場合、これは、装置を備えたデータベース、および/またはインターネットなどを介してアクセス可能であり得るデータベースであり得る。データベース7は、いくつかの実施形態では装置の一部であってもよい。代替的または追加的に、EV6は、バッテリに関する情報の少なくとも一部を提供してもよい。
【0093】
充電器2は、主グリッド10および/またはマイクログリッドもしくは他のローカル電源(図示せず)などの任意の他の適切な電源に接続される。
【0094】
いくつかの実施形態の装置4の一例を示す図3を参照する。この例では、装置4は、コンピュータまたはサーバによって提供される。他の実施形態では、装置は、2つ以上のサーバ、2つ以上のコンピュータ、または1つ以上のコンピュータと1つ以上のサーバとの組み合わせを備えてもよいことを理解されたい。装置は、いくつかの実施形態では、産業用コントローラを備えてもよい。装置4は、コンピュータプログラムまたはアルゴリズムを実行し得る。
【0095】
図3に示す装置は、集積回路(IC:integrated circuit)40を備える。集積回路は、1つ以上のプロセッサ36および1つ以上のメモリ38を備える。メモリは、少なくとも1つのプロセッサ上で実行され得るコンピュータプログラムまたはアルゴリズムを定義するコンピュータコードを記憶し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の集積回路が設けられてもよい。
【0096】
ユーザに情報を表示するために、ディスプレイ30を設けてもよい。これは、いくつかの実施形態では任意であり得る。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース32を設けてもよい。これは、いくつかの実施形態では任意であり得る。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース32がディスプレイを提供し得る。これは、ユーザインターフェースがタッチスクリーンである場合であり得る。
【0097】
装置は、通信インターフェース34を有する。これにより、装置は、充電器2、電気自動車6(EVとの通信が充電器を介さない場合)、および外部データソースと通信することができる。外部データソースは、例えば、電力網供給業者からのデータおよび/または時刻表情報などの利用可能性情報を装置に提供し得る。通信インターフェースは、無線および/または有線通信をサポートし得る。いくつかの実施形態では、通信インターフェースによって、1つ以上の異なる通信規格(プロトコル)がサポートされてもよい。いくつかの実施形態では、複数の異なる通信インターフェースが存在してもよい。
【0098】
集積回路40、ディスプレイ30、ユーザインターフェース32、および通信インターフェース34間のデータの通信を可能にするために、バス配置などの内部通信ネットワーク36が装置内に設けられてもよい。
【0099】
装置4が充電器2から必要とするデータは、充電器から通信ネットワークを介して装置4に直接送信されてもよい。装置4が充電器2に供給する出力は、通信ネットワークを介して充電器に直接送信されてもよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、装置が充電器から必要とするデータは、1つ以上のデータハブ(図示せず)を介して充電器から装置に送信されてもよい。装置が充電器に供給する出力は、1つ以上のデータハブ(図示せず)を介して充電器に送信されてもよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、装置4は、充電場所から離れて、例えば1つ以上のリモートサーバ上に設けられてもよい。これは、任意選択的に、情報を収集し、そのデータを装置4に送信する充電場所内の1つ以上のデータハブによってサポートされてもよい。同様に、装置からの制御命令は、1つ以上のデータハブによって、例えば充電器2に配信されてもよい。
【0102】
装置4が遠隔に配置される別の実施形態では、装置4と充電器2との間の通信は、インターネットおよび/または他の通信ネットワークを介してもよい。
【0103】
述べたように、いくつかの実施形態の装置4は、単に集積回路または2つ以上の集積回路によって提供されてもよい。
【0104】
装置4は、充電プロファイルを決定し、充電を制御するための出力を提供するように構成され得る。これを達成するために、装置4は、将来の情報および現在の情報を評価することによって有効電力設定値を計算し、充電器2に取り付けられたすべての電気自動車6に配信してもよい。代替的または追加的に、無効電力設定点を計算し、配信することができる。いくつかの実施形態では、有効電流および電圧設定点ならびに/または無効電流および電圧設定点を代替的または追加的に配信してもよい。
【0105】
したがって、現在の充電プロファイルは、将来の事象に関連付けられた情報を使用して決定される。この将来の情報は、車両の到着、車両の出発、エネルギー供給に関連付けられた情報、予測される初期バッテリ充電状態、およびバッテリの目標充電状態のうちの1つ以上を含み得る。
【0106】
エネルギー供給に関連付けられた情報は、エネルギー利用可能性情報またはグリッド負荷の測定値予測によって提供されてもよい。エネルギー供給事業者は、エネルギー供給の使用を制御するのに役立つように価格を使用することができ、したがって、これは、グリッド負荷測定値予測情報を提供し得る1つの方法である。
【0107】
装置は、この将来の情報を使用して、EVの充電をスケジュールして、エネルギー使用を管理してもよい。
【0108】
いくつかの実施形態は、将来の情報に関連する不確実性に対処するために、ローリングホライズンの枠組みを使用してもよい。例えば、eバスのバッテリ充電状態(SoC:state of charge)およびeバスの実際の到着時間に関連する不確実性がある。したがって、所与の時間間隔について、現在および将来の情報に基づいて充電がどのように制御されるべきかに関する決定が行われる。次の時間間隔のために、現在の情報および将来の情報が更新され、充電がどのように制御されるべきかに関する決定が再評価または更新される。これを図2に概略的に示す。現在時刻t+1において、次のn個のタイムスロットのデータが考慮される。各タイムスロットは同じ長さΔtである。図2に示す例では、Δtは15分である。この例では、n=96であるため、考慮される時間は24時間である。しかしながら、nは96より大きくても小さくてもよいことを理解されたい。
【0109】
Δtは、任意の適切な値とすることができる。Δtは、装置の用途に依存し得る。例えば、Δtは、図2に示すように、バス停留所のための15分程度であり得る。
【0110】
次の現在時刻t+2において、アルゴリズムは次のn個のタイムスロットについて再評価される。
【0111】
いくつかの実施形態では、nの値は変化し得る。例えば、nは、動作のピーク時では、動作の静かな期間よりも短くてもよく、またはその逆であってもよい。代替的または追加的に、Δtは経時的に変化し得ることを理解されたい。Δtは、例えば、より静かな時間ではより長く、より忙しい時間ではより短くてもよい。
【0112】
サンプリング時間および/または最適化ホライズン(すなわち、決定が考慮に入れられる将来の距離)は、必要に応じて設定され得る。例えば、これは、データ粒度および/またはデータ利用可能性に基づき得る。単なる例として、これは、12時間または24時間の期間にわたる場合がある。もちろん、他の実施形態では、より長いまたはより短いホライズンを用いてもよい。
【0113】
装置4は、EVおよび充電器からデータを収集し得る。収集されるデータは、以下の1つ以上を含む:
それぞれの充電器2にどの電気自動車6が取り付けられているか(例えば、EVの識別情報)、
電気自動車6のバッテリの充電状態、および
バッテリ電気自動車6の充電/放電出力率(これは代替的に、または例えば前述のようなデータベースから取得されてもよい)。
【0114】
装置4は、電力網供給業者からデータを受信してもよい。これは、装置4からの要求に対する応答であってもよい。このデータは、以下の1つ以上を含んでもよい:
システムが電力網供給業者に提供することができる電力量(サポートされている場合)、
主グリッドから受け取ることができる有効電力量、
主グリッドからの最大電力ピーク吸収、
グリッド負荷情報、
電力の利用可能性が高いときを示す情報、および
電力の利用可能性が低いときを示す情報。
【0115】
装置4は、時刻表、動作スケジュール、または他の車両利用可能性情報を受信し得る。これは充電場所のオペレータからのものであり得る。バスオペレータの例では、この情報は、バスの到着および出発時間データを含み得る。
【0116】
装置4は、マイクログリッドおよび/またはローカル電源に関するデータを受信し得る。装置は、1つ以上のマイクログリッドエンティティからデータを受信してもよく、および/または1つ以上のマイクログリッドコントローラからデータを受信してもよい。マイクログリッドは、1つ以上のローカル電源を備え得る。ローカル電源は、発電機、再生エネルギー電源、ローカルエネルギー貯蔵部、ウィンドファーム、ソーラーパネル設備のうちの1つ以上を含み得る。
【0117】
1つ以上のマイクログリッドエンティティから受信したデータは、現在および将来の両方のホライズンのエネルギー利用可能性に関する情報であり得る。マイクログリッドエンティティは、メータ、コントローラ、コンピュータ、監視装置、または任意の他の適切なエンティティを含み得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、充電器2の少なくとも1つは、マイクログリッド上に設けられてもよい。いくつかの実施形態では、このような充電器2は、主グリッドにさらに接続されてもよい。
【0119】
装置4には、バッテリの充電/放電のための電力制限、バッテリの充電/放電効率、および充電状態制限のうちの1つ以上を定義する情報が提供されてもよい。これは、この情報を記憶するデータベース7などから取得されてもよい。いくつかの実施形態では、代替的または追加的に、これは、この情報を記憶するEV6自体によって提供されてもよい。
【0120】
装置4は、情報を表示するようにディスプレイ30を制御し得る。例えば、ディスプレイ30は、エネルギー使用に関する情報を表示するように制御されてもよい。この情報は、エネルギー消費、使用されたエネルギーに関連付けられた値、および/または任意の他の適切な情報のうちの1つ以上を含み得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、装置4は、各車両6がいつ充電されるべきか、および充電される長さを示す情報を表示するように構成されてもよい。
【0122】
いくつかの実施形態は、マイクロサービスおよびコンテナ技術に依存するアプリケーションプラットフォーム上に実装されてもよい。いくつかの実施形態では、装置は一連のサービスをサポートする。各サービスは、例えば独自の専用コンテナで別々に実行されてもよい。サービスは比較的小さくてもよい。サービスの1つ以上は、他のサービスの1つ以上と協働するように構成されてもよい。1つ以上のサービスは、緩やかに結合されてもよい。マイクロサービスプラットフォームの使用は、以下の利点、すなわち柔軟性、スケーラビリティ、メンテナンス性、携帯性、展開性、試験安定性、およびサイバーセキュリティの1つ以上を提供してもよい。
【0123】
装置は、1つ以上のAPI(アプリケーションプログラマブルインターフェース)を提供するように構成されてもよい。APIの1つ以上はウェブAPIであってもよい。APIの1つ以上は、第三者システムにおよび/または第三者システムから情報を公開および/または提供するために使用されてもよい。例えば、情報は、時刻表、事前調整データ、EVバッテリSoC情報などを含み得る。1つ以上の第三者システムは、1つ以上のデータベースを有してもよい。いくつかの実施形態では、情報は、1つ以上の第三者システムから取得され、装置4によって使用されるデータベース7に格納され得る。
【0124】
装置4は、1つ以上の異なるプロトコルをサポートしてもよい。単なる例として、装置は、Modbus TCP/IP(伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル)、例えば送電グリッドなどを制御するために使用されるIEC 60870-104(国際電気標準会議規格)、および/または電気自動車の充電をサポートするOCCP(オープンチャージポイントプロトコル)をサポートし得る。これらのプロトコルは単なる例であり、他のプロトコルが代替的または追加的に使用されてもよい。装置は、装置が通信するデバイスによって使用される1つ以上のプロトコルをサポートするように構成され得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、外部ソースとのデータ交換および/またはシステム内のパラメータ構成のためのデータ交換は、JSONフォーマットを介してもよく、および/または任意の他の適切なデータフォーマットを使用してもよい。
【0126】
装置4は、機器の物理的制約および/または充電場所のオペレータのニーズを満たしながら充電活動をスケジュールする、充電プロファイルを決定し得る。機器の制約の例は、充電場所の容量および/または充電器の容量である。オペレータのニーズの例は、電力ピークおよび/またはサイト効率であり得る。
【0127】
いくつかの実施形態は、充電プロファイルを決定することによって、充電場所のエネルギー管理を制御するコンピュータプログラムを提供する。コンピュータプログラムは、モデルを使用するプログラミング技術に基づき得る。いくつかの実施形態は、数学的モデルを使用し得る。モデルは、1つ以上の制約および/または1つ以上の目的を含み得る。
【0128】
モデルを用いて最適化処理を行うことができる。しかしながら、他の実施形態は、任意の他の適切なプログラミング技術を使用し得る。コンピュータプログラムは、装置または任意の他の適切な1つもしくは複数のコンピューティングデバイス上で実行され得る。
【0129】
したがって、いくつかの実施形態は、バッテリの再充電および事前調整の必要性の両方を考慮に入れて電気自動車の充電を制御する充電プロファイルを決定する装置4を提供し得る。
【0130】
したがって、いくつかの実施形態は、バッテリの再充電を制御するために、充電のタイミング、どれだけの充電が行われるか、および任意選択で電気自動車の充電率を制御する充電プロファイルを決定する装置4を提供してもよい。いくつかの実施形態は、各電気自動車の事前調整戦略を制御する充電プロファイルを決定する装置4を提供してもよい。
【0131】
装置4は、その充電器に差し込まれたEV6の各充電器2による充電を制御する出力を提供し得る。装置は、所与の充電時間間隔における充電器の挙動を制御する出力を提供し得る。出力は、各充電時間間隔について提供されてもよい。これは、後のローリングホライズンの後続の反復に基づいて更新されてもよい。
【0132】
代替的または追加的に、装置4は、充電器がEVをどのように充電するべきかを制御するフルセットの充電命令を充電器2に提供してもよい。これは、充電をいつ開始するべきか、いつ終了するべきか、および/または使用されるべき1つ以上の率と、いつ使用されるかを含み得る。これは、後のローリングホライズンの後続の反復に基づいて更新されてもよい。
【0133】
装置4は、代替的または追加的に、充電を開始するべきときに充電器2にコマンドを送信してもよい。これは、充電率を示す情報であってもよい。充電率を変更または停止するべき場合、装置4は充電器に更新コマンドを送信する。
【0134】
いくつかの実施形態は、システムを変更して異なる充電場所に設置された異なる数の充電器2を考慮に入れることができるようにスケーラブルな装置4を提供する。
【0135】
いくつかの実施形態は、所与の充電場所に対して利用可能な充電器2の最大数を考慮する、専用のハード制約を用いてもよい。
【0136】
いくつかの実施形態は、電力ピークを低減する、および/またはエネルギー使用のタイミングを制御することを目的とする、装置4を提供する。これは、効果的なエネルギー使用のさらなる利点を有し得る。
【0137】
いくつかの実施形態は、再生可能エネルギー源、発電機、エネルギー貯蔵、PV(光起電力)ユニット、(制御可能な)負荷、V2G電気自動車動作などのうちの1つ以上などの分散型エネルギー資源またはローカル電源を考慮に入れることができる装置4を提供する。
【0138】
いくつかの実施形態は、電力消費動作を管理するためにコンピュータプログラミング方法を使用してもよい。EV6は、コンピュータプログラミング方法によってモデル化される資産を表し得る。
【0139】
本開示の態様の実施形態では、充電プロファイルの決定は、最適化処理を含み得る。この最適化処理の可能な実施形態を以下に説明する。
【0140】
充電場所は、主外部グリッド10に接続されていると仮定することができ、ローカルネットワーク電力需要に従って電力を消費する(および任意選択的に供給する-充電場所が再生可能エネルギーまたは従来の発電機のいずれかを備えている場合)。
【0141】
配電インフラストラクチャ(例えば、電線、変圧器など)は無視してもよく、分散型エネルギー資源は、単一の接続点、すなわち共通結合点(PCC)を介してユーティリティグリッドに接続されていると見なしてもよい。
【0142】
以下、PCC、EV、充電器(CS)の制約について説明する。
マイクロサービスアーキテクチャを使用するこれらの実施形態では、制約によって使用されるデータは、データベースに格納された情報を活用するマイクロサービスによって生成され、
充電場所は、n個の充電器を有し得る。EV6群またはセットが存在し得、そのEV群またはセット内の車両の数はnであり得る。
【0143】
本例では、充電器2は同一であるものとする。いくつかの実施形態では、装置4は、2種類以上の異なるタイプの充電器2を考慮に入れるように制御されてもよい。異なる充電器は、例えば、異なる充電特性を有してもよい。
【0144】
いくつかの実施形態では、充電場所は、PCCで主グリッド10に接続する。しかしながら、いくつかの実施形態では、2つ以上のPCCが存在してもよい。
【0145】
1つの制約PCC1は、主グリッド10と交換される有効電力に対する制限である。
電力交換の制限は、変圧器の物理的特性に起因し得る。
【0146】
主グリッド10とマイクログリッドMGとの間の合意拘束の結果として、制限が存在し得る。
【0147】
システムが電力事業者から取得できる有効電力量には上限があり得る。代替的または追加的に、システムが電力事業者から取得しなければならない有効電力量は、より少ないか最小であってもよい。
【0148】
システムが電力を生成する場合、グリッドに供給することができる電力量には上限があり得る。代替的または追加的に、グリッドに供給しなければならない最小電力量が存在するという要件が存在し得る。
【0149】
システムが電力を生成する場合、グリッドに供給するよりも多くの電力が、グリッドから供給されるという要件が存在し得る。
【0150】
マイクログリッドが存在し、マイクログリッドMGが一次電源として使用される場合、グリッドとの電力交換は状況によっては0に等しくなり得る。しかしながら、いかなる不足も主グリッドによって補われ得る。
【0151】
他の実施形態では、主グリッドが一次電源として使用される。しかしながら、いかなる不足もマイクログリッドによって補われ得る。
【0152】
いくつかの実施形態では、主グリッドと交換される有効電力の制限は、電力容量によって定義されてもよい。
【0153】
いくつかの実施形態では、マイクログリッドなどがなくてもよく、すべての電力が電力供給業者によって供給されてもよい。
【0154】
主グリッド10に関するこの制約についてのこの情報は、主グリッドの電力供給業者によって装置4に提供されてもよい。
【0155】
主グリッド10からの最大ピークインポート電力である制約PCC2が存在し得る。これは、ある期間の電力ピークに対する拘束とみなし得る。これは経時的に変化してもよいし、一定の値であってもよい。
【0156】
この情報は、主グリッド10の電力供給業者によって提供されてもよい。
PCC1および/またはPCC2は、利用可能電力制約の例と考えられ得る。
【0157】
EV6は、充電式バッテリに蓄えられた化学エネルギーを使用して電気モータに電力を供給する車両である。事前調整が必要とされる場合、充電式バッテリ内のエネルギーは、このための電力を供給するためにも使用される。例えば、バッテリは、いくつかの車両のHVAC(暖房、換気、空調)システムなどの補助負荷に電力を供給し得る。
【0158】
以下では、EV6、より具体的にはEVのバッテリは、以下の2つの要素の組み合わせを使用してモデル化される。
【0159】
1)バッテリエネルギー貯蔵部
2)制御可能な負荷これは任意選択であり、事前調整が必要な場合に使用される。
【0160】
いくつかの実施形態では、EV6はV1G動作のみをサポートする。これは、EVが充電場所で電力を消費して、1)バッテリを再充電する、2)(必要に応じて)事前調整によって温度を制御する、またはその両方を行うことを意味する。制御される温度は、バッテリおよび/または車両(例えばHVAC)の温度であり得る。
【0161】
事前調整は、所定の消費プロファイルを有する単純な制御可能な負荷によってモデル化され得る。このプロファイルは、車両の時刻表および事前調整要件に従って定義されてもよい。事前調整は、特定の時間に特定の条件が満たされることを必要とする。例えば、バスの温度は、バスが出る前に特定の値である必要がある。
【0162】
到着回数は、出発回数に等しくてもよい。論理的には、車両は到着した後の時間にのみ出発する。
【0163】
しかしながら、異なる実施形態では、出発回数と比較して、到着回数について異なる仮定を行ってもよい。
【0164】
エネルギー貯蔵システムについては、電力およびエネルギー境界に対する制約が考慮される。
【0165】
EV6のバッテリは、電力制限、充電状態、および充電状態制限に関する1つ以上の制約を有し得る。EV6充電への言及は、当然ながらEVの1つ以上のバッテリの充電を指すことを理解されたい。
【0166】
EVb1-所与の車両バッテリの貯蔵ユニット(バッテリ)の充電および/または放電有効出力率に対するEV電力制限が設けられ得る。最大および/または最小充電率が存在してもよい。最大および/または最小放電率が存在してもよい。これは、バッテリがグリッドに放電する場合に適用され得る。
【0167】
EVb2-EVバッテリダイナミクス-充電状態(SoC)。次の期間の充電状態は、現在の充電状態に、その期間に達成された充電の尺度を加えたものに等しくてもよい。達成された充電の尺度は、供給される電力、バッテリ容量、ならびに貯蔵充電および/または放電効率に依存し得る。
【0168】
いくつかの実施形態では、充電および/または放電特性を決定するために、バッテリが充電された回数に関する情報を使用してもよい。
【0169】
EVb3 EV SoC(充電状態)制限:
これらは、極端なSoCレベル(完全な充電/放電)を回避するために事前定義された制限であり得る。これらの境界は、一般に、それぞれの製造業者によって推奨される。一般に、急速な劣化の問題および起こり得る永久的な損傷の両方を回避するために、バッテリを完全に放電しない方がよい。使用される値は、バッテリの寿命にわたって変化し得る。バッテリの最小充電レベルに関する最小充電レベル制約および/またはバッテリの最大充電レベルに関する最大充電レベル制約があってもよい。
【0170】
事前調整がサポートされている場合、EV負荷モデリングが提供されてもよい。
事前調整動作のための負荷吸収は、総充電器電力消費において考慮され得る。この例では、内部負荷に供給するためのEV電力吸収は、連続的に制御可能な負荷としてモデル化される。ピーク需要を低減し、かつ/または利用可能な充電器の最大数を満たすために、初期EV需要プロファイルをシフトまたは再形成してもよい。
【0171】
EVl1制御可能負荷電力-これは、HVACまたは他の事前調整負荷公称値の分数(1以下)として表され得る。
【0172】
EVl2負荷変調制約-これは、時間における車両の負荷需要プログラム予測によって定義された範囲内にある負荷需要に基づき得、公称電力に0と1との間の値を乗じたものをプラスまたはマイナスする。この後者の値は、その最大変調率の尺度とみなされ得る。
【0173】
EVl3負荷傾斜制約-これは、所与の時間間隔にわたって車両の負荷電力需要を増加および/または減少させることができる最大傾斜率を表す。
【0174】
EVl4負荷エネルギー制約-これは、車両6が充電場所に到着してから離れるまでの間の時間内に、計画されたエネルギーが供給されることを保証する。負荷エネルギーは、車両6が充電場所内または充電場所にある期間内に、シフトまたは再形成されてもよい。例えば、事前調整は、バッテリが充電された後しばらくの間行うことができる。いくつかの実施形態では、事前調整をサポートする充電プロファイルは、負荷エネルギーのピークおよびトラフを回避するために平滑化されてもよい。充電プロファイルは、必要に応じて延長することができる。
【0175】
充電プロファイルを決定する際に、装置4は、1つ以上の充電器2の制約を考慮に入れてもよい。例えば、これは、充電器の利用可能性、充電器の数、および充電器の充電プロファイル能力のうちの1つ以上であり得る。
【0176】
前述したように、単一のEV6の総電力消費量は、バッテリ再充電および事前調整が提供される事前調整電力の合計からなる。これは、充電器の総電力交換の制約-CS1である。言い換えれば、所与の充電器によって提供される充電には制限があり得る。
【0177】
第2の充電器CS制約-CS2。この充電器電力制約は、充電器容量に従う所与の車両の電力吸収の総量である。車両は、充電器に取り付けられたときに、グリッドから電力を引き出すことができるか、または電力を引き出さないことができる。
【0178】
第3の充電器制約CS3、すなわち充電器利用可能性制約の場合には、充電場所でグリッドから同時に電力を引き出しているEVの数は、利用可能な充電器の数を超えることはできない。
【0179】
PB1有効電力バランス制約の場合には、各時間間隔において、(充電中のすべての車両に対する)総有効電力需要は、ユーティリティグリッドによって供給される電力を満たさなければならない。
【0180】
この例では、一方向V1G動作のみが考慮される。しかしながら、V2G動作の場合、供給される電力は、車両によって供給される電力を考慮に入れてもよい。
【0181】
いくつかの実施形態は、コスト関数を使用し得る。いくつかの実施形態の目的は、装置4が、グリッドに過度の負担をかけることなく、充電場所のEVにスマート充電(および使用される場合は事前調整戦略)を提供することである。
【0182】
いくつかの実施形態の装置4の目的は、電力利用可能性が低いときにエネルギーおよび電力使用を最小限に抑えながら、EVバッテリの充電をその目標値に制御することである。例えば、いくつかの実施形態では、ピーク需要時間におけるエネルギー使用は、可能な限り低減される。目的は、それぞれのバッテリの充電動作の変動を1つ以上の定義された制限内に維持することであり得る。目的は、それぞれの車両のそれぞれのバッテリの充電動作の変動を最小限に抑えることであり得る。
【0183】
時間における目的関数は、以下の値の合計であると考えられ得る。
a)グリッドによってまたはグリッドから供給される電力の使用に関連付けられた値。この値は、エネルギーの利用可能性の尺度であり得る。この値は、利用可能なエネルギーが低いほど高くなり得る。これは、予測された利用可能性および/または現在の利用可能性に関連付けられ得る。
【0184】
b)EVに関連付けられた値。EVに関連付けられた値は、バッテリがその定義された制限内で充電されていない場合、または準最適に充電されていない場合、より高くなり得る。
【0185】
EVに関連付けられた値は、出発時刻における目標値とは異なるEV SoCのレベル、事前調整リスケジューリングコスト(提供される場合)、および設定点変動のうちの1つ以上に対するペナルティの尺度を表し得る。
【0186】
EV SoCコストのペナルティの尺度は、出発時刻におけるSoCレベルとその所望の値との間の不一致の場合の、EVに関連付けられた値を含んでもよい。
【0187】
EV負荷設定点リスケジューリング不安(discomfort)のペナルティの尺度は、前提条件電力消費をその初期電力プログラムプロファイルからリスケジューリングすることによって引き起こされる負荷不安を定量化してもよい。
【0188】
EV充電設定点変動のペナルティの尺度は、バッテリ充電動作の変動の尺度であってもよい。
【0189】
EV負荷設定点変動のペナルティの尺度は、事前調整設定点の変動の尺度であってもよい。
【0190】
代替的な実施形態では、目的関数は、グリッドによってまたはグリッドから供給される電力の使用に関連付けられた値、またはEVに関連付けられた値を含み得る。
【0191】
いくつかの実施形態は、可能であれば、各個別バッテリを最適に充電することを目的とし得る。例えば、充電プロファイルを決定するときにバッテリの特性が考慮される。いくつかの実施形態は、充電プロファイルを決定するときに年数および/または回数を考慮に入れることを目的とする。これは、最適な充電特性が充電サイクルの年数および/または回数と共に変化し得るためである。いくつかの実施形態は、代替的または追加的に、充電プロファイルを選択するときに温度などの環境条件を考慮に入れてもよい。これは、バッテリの寿命を延ばす、および/またはバッテリの寿命の間により良好なバッテリ性能を提供し得る。
【0192】
装置4は、すべてのEV6に対して最適な充電および事前調整の設定点を定義するように構成されてもよい。これは、使用電力利用可能性情報であり得る。
【0193】
いくつかの実施形態は、充電場所の充電器でEVの充電を制御するための出力を提供するように構成された装置4を提供してもよい。装置は、最適化処理を使用して出力を提供するように構成される。最適化処理は、制約および/または1つ以上の目的のうちの1つ以上を満たす解を提供することを目的とする。1つ以上の制約および/または1つ以上の目的を満たす1つ以上の解がある場合、最低目的関数値に関連付けられた解が使用され得る。この解は、最適解であると考えられ得る。実際には、いわゆる最適解は、最良解であってもなくてもよいが、1つ以上の制約および/または1つ以上の目的を可能な限り満たす解であり得る。
【0194】
他の実施形態では、充電に対して複数の解が見出されてもよく、必要な制約を満たさない解は破棄される。
【0195】
いくつかの実施形態で使用され得るいくつかの異なるコンピュータプログラミング技術がある。ほんの一例として、いくつかの実施形態は、MILP(混合整数線形プログラム)を使用してもよい。MILPを解くための1つの手法は、線形計画緩和を用いたBranch&Boundアルゴリズムによるツリー探索である。これは指数関数的複雑さ(NP困難)を有し得る。最良の場合、Branch&Boundアルゴリズムの複雑さは、二値変数binの数、すなわちO(bin)において線形であり、最悪の場合、完全なツリー、すなわちO(2bin)を探索しなければならない。
【0196】
装置4は、1つ以上の電力制約を使用し得る。これらの電力制約は、前述の通りであり得る。所与の時間にどれだけの電力を購入することができるか、および/またはピーク電力使用には制限があり得る。
【0197】
装置4は、前述のような1以上のEV6またはバッテリ制約を使用してもよい。電力制限、充電状態、および充電状態制限に関する1つ以上の制約があり得る。
【0198】
装置4は、前述のような(提供される場合)事前調整に関連付けられた1つ以上の負荷制約を使用してもよい。事前調整がいつ行われるべきか、電力需要が増減が可能な最大傾斜率、および事前調整需要電力に関する1つ以上の制約が存在し得る。
【0199】
装置4は、前述のような1つ以上の充電器制約を使用してもよい。充電器の数、EVの総電力消費量、および充電器容量に関する1つ以上の制約があり得る。
【0200】
装置4は、有効電力バランス制約を使用してもよい。言い換えれば、所与の期間に使用される電力は、総利用可能電力を超えることはできない。この電力は、主グリッド10および/またはローカル電源からもたらされ得る。
【0201】
装置4は、車両6が充電に利用可能であるか否かに関する情報を利用可能性制約として使用してもよい。EV6の利用可能性は、動作スケジュール、EV6の位置情報、およびEV6のリアルタイム位置のうちの1つ以上によって提供されてもよい。動作スケジュールは、時刻表などであってもよい。位置情報は、EV6のGPS位置などのEV6のリアルタイム位置であってもよいし、EV6の予測位置であってもよい。この予測位置は、EVの以前の位置に基づいてもよく、経過時間および/または交通情報を考慮に入れてもよい。
【0202】
装置4は、到着時にEV6用のSoCに関する情報を使用してもよい。これは、到着した車両の実際のSoC、または車両がまだ到着していないが考慮されるホライズン内に到着する予定である場合の予測SoCであり得る。
【0203】
制約および目的の様々な例が記載されている。これらの制約および/または目的の1つ以上は、充電プロファイルの決定から省略されてもよい。
【0204】
使用される制約は、利用可能な情報および/またはエネルギー資源の利用可能性の制限に依存し得る。例えば、共通のエネルギー資源を共有する多数の異なる消費者(異なる充電場所にいるか、他のエネルギーユーザであり得る)が存在する場合、充電場所でのエネルギー資源の使用を可能な限り最適化することが望ましい場合がある。これは、より多くの異なる制約を使用することによって達成され得る。
【0205】
代替的または追加的に、制約は、特定の用途に対するその制約の相対的な重要性に依存し得る。例えば、EV利用可能性制約は、バス群と比較して、配送車両群にとってそれほど重要ではない可能性がある。
【0206】
いくつかの実施形態の方法を示す図4を参照する。
A1において、方法は、少なくとも1台の電気自動車のそれぞれのバッテリの特性、利用可能電力の情報、および少なくとも1台の電気自動車の利用可能性に少なくとも基づいて、少なくとも1つの充電器を介して少なくとも1台の電気自動車を充電するための充電プロファイルを決定することを含む。
【0207】
前述のバッテリの特性の例の任意の1つ以上を使用してもよい。
前述した少なくとも1台の電気自動車の利用可能性の例の任意の1つ以上を使用してもよい。
【0208】
前述した利用可能電力の情報の例の任意の1つ以上を使用してもよい。
A2において、方法は、決定された充電プロファイルに従って充電器のそれぞれ1つによる充電を制御するための出力を提供することを含む。
【0209】
いくつかの実施形態のより詳細な方法を概略的に示す図5を参照する。
B1において、方法は、少なくとも1台の電気自動車のバッテリの特性、利用可能電力の情報、および少なくとも1台の電気自動車の利用可能性に少なくとも基づいて、少なくとも1つの充電器を介して少なくとも1台の電気自動車を充電するための候補充電プロファイルを決定することを含む。
【0210】
候補充電プロファイルは、それぞれの電気自動車がいつ充電されるべきか、および任意選択的に、各EVが充電されるべき率を定義し得る。
【0211】
決定は、EVスケジューリング情報または他の利用可能性情報を考慮に入れる。このスケジューリング情報は、EVがいつ到着するか、およびいつ出発するかに関する情報を提供する。これは、特定の車両のためのものであってもよく、またはEVは特定の時間に出発する準備ができていなければならないがEVのいずれであってもよい。
【0212】
候補充電プロファイルの決定は、1つ以上の制約を考慮に入れる。図5に示す方法では、制約は、1つ以上の電力制約、1つ以上のEV制約、および1または充電器制約(複数可)である。これらの制約は、前述の制約のうちの任意の1つ以上であり得る。これらの制約のうちの1つ以上は省略されてもよい。
【0213】
決定は、電力バランス要件も考慮に入れる。
すべての制約を満たす解を決定することは不可能であり得る。そのシナリオでは、1つ以上の制約が他の制約よりも優先され得る。例えば、電力バランス要件を優先してもよい。
【0214】
いくつかの制約は、充電器の数などの厳しい制約である。
最大ピーク入力電力が制約の1つである場合、比較的短い期間および閾値量以下のこの制約の超過は、許容されてもよい。
【0215】
事前調整が提供される場合、その制約(および他の制約)が満たされる充電プロファイルが見つからない場合、1つ以上の関連する制約は少なくとも部分的に無視されてもよい。
【0216】
EV利用可能性情報の優先度は、それぞれの充電場所の性質に依存し得る。例えば、バス停留所の場合、特定の時間に出発する準備ができているバスを有するという要件は、他の制約よりも優先され得る。しかしながら、他のシナリオでは、EV利用可能性情報には、他の制約と比較して低い優先度が与えられてもよい。
【0217】
B2では、各候補充電プロファイルに関連付けられた目的関数の値が決定される。これは、前述の目的関数であり得る。
【0218】
B3では、目的関数の値に応じて1つ以上の充電プロファイルが選択される。選択された充電プロファイルを、関連付けられた目的関数の最小値と関連付けてもよい。
【0219】
B4では、選択された充電プロファイルに基づいてそれぞれの充電器によるEVの充電を制御するための出力が提供される。
【0220】
図5の方法は、次のタイムホライズンにわたって繰り返されてもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態は、次のタイムホライズンにわたって図5の方法を全体的に繰り返してもよい。他の実施形態は、必要な制約を依然として満たしながら、前のタイムホライズンのために提供された解を依然として使用することができるかどうかを判定してもよい。そうである場合、本方法の前の反復で決定された充電プロファイルが引き続き使用される。いくつかの実施形態では、1つ以上の値が定義された閾値内にある場合にのみ、以前に決定された充電プロファイルが使用され続ける。
【0221】
図5のB1~B3は、図4のA1の方法が行われ得る一例を提供することを理解されたい。他の実施形態では、任意の他の適切な最適化処理を実行して、使用される充電プロファイルを決定してもよい。
【0222】
装置は、EVがシステムに電力を放電するシナリオを考慮に入れてもよい。この実施形態では、バッテリの放電挙動を考慮に入れてもよい。
【0223】
いくつかの実施形態は、前述したような追加の電源、ならびに車両が放電モードでグリッドにバックサービスを提供することを可能にする双方向V2G動作を考慮に入れてもよい。
【0224】
前述の例では、電気自動車はそのベースまたは充電場所でのみ充電されると仮定されている。他の実施形態では、1台以上の車両が経路上の1箇所以上の地点で充電されてもよいことを理解されたい。これは、充電場所で電気自動車が充電されるときにバッテリが充電されるべきレベルを決定するときに考慮に入れられ得る。
【0225】
前述の例では、充電場所が車両の低速充電を提供すると仮定した。他の実施形態では、部分的または排他的な高速充電がサポートされてもよい。
【0226】
いくつかの実施形態は、マイクロサービスおよびコンテナ技術に依存するアプリケーションプラットフォーム上で実施されるものとして説明されている。これは単なる例であり、他の実施形態は、任意の他の適切なコンピュータプログラミング技術を使用して実施されてもよい。
【0227】
少なくとも1つの実施形態では、方法は、コンピュータ実装方法であってもよい。この方法は、1つ以上の集積回路によって実行され得る。さらに、本方法は、コンピューティングデバイス上で実施されてもよく、または産業用コントローラ上で実施されてもよい。
【0228】
したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲内で変化し得る。一般に、いくつかの実施形態は、ハードウェアもしくは専用回路、ソフトウェア、論理、またはそれらの任意の組み合わせで実施され得る。例えば、いくつかの態様はハードウェアで実装されてもよく、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサ、または他のコンピューティングデバイスによって実行され得るファームウェアまたはソフトウェアで実装されてもよいが、実施形態はそれらに限定されない。
【0229】
ソフトウェアルーチン、アプレット、および/またはマクロを含む、プログラム製品とも呼ばれるコンピュータソフトウェアまたはプログラムは、任意の装置可読データ記憶媒体に記憶されてもよく、それらは特定のタスクを実行するためのプログラム命令を含む。コンピュータプログラム製品は、プログラムが実行されると実施形態を行うように構成される、1つ以上のコンピュータ実行可能コンポーネントを含み得る。1つ以上のコンピュータ実行可能コンポーネントは、少なくとも1つのソフトウェアコードまたはその一部であってもよい。
【0230】
様々な実施形態は、ブロック図、フローチャートとして、またはいくつかの他の図式表現を使用して図示および説明され得るが、本明細書に記載のこれらのブロック、装置、システム、技法または方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路もしくは論理、汎用ハードウェアもしくはコントローラもしくは他のコンピューティングデバイス、またはそれらの何らかの組み合わせで実施され得ることが十分に理解される。
【0231】
上記の説明は、非限定的な例として、本発明の例示的な実施形態の完全かつ有益な説明を提供した。しかしながら、添付の図面および添付の特許請求の範囲と併せて読めば、前述の説明を考慮して、様々な修正および適合が当業者には明らかになるであろう。しかしながら、本発明の教示のそのようなおよび同様の修正はすべて、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲内に入る。実際、1つ以上の実施形態と前述の他の実施形態のいずれかとの組み合わせを含むさらなる実施形態がある。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】