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▶ ヒューズ、ロバート、ケー、ジュニアの特許一覧

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  • 特表-繊維強化エポキシ供給システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】繊維強化エポキシ供給システム
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20240816BHJP
   B29C 73/02 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
B05C5/00 A
B29C73/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508809
(86)(22)【出願日】2022-05-10
(85)【翻訳文提出日】2024-04-08
(86)【国際出願番号】 US2022028496
(87)【国際公開番号】W WO2023018457
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】63/232,703
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524055872
【氏名又は名称】ヒューズ、ロバート、ケー、ジュニア
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒューズ、ロバート、ケー、ジュニア
【テーマコード(参考)】
4F041
4F213
【Fターム(参考)】
4F041AA08
4F041AB01
4F041BA02
4F041BA43
4F041CB04
4F041CB44
4F041CB54
4F213AA39
4F213AB25
4F213WA94
4F213WF23
4F213WM01
(57)【要約】
2液型エポキシの1成分を含む少なくとも1本のチューブを有する2液型繊維強化エポキシ供給システムであって、前記チューブが、前記2液型エポキシの前記1成分と混合された強化繊維を拡大開口部を通して分配するための拡大開口部を有する、2液型繊維強化エポキシ供給システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2液型エポキシの1成分を含む少なくとも1本のチューブを有する、2液型エポキシ供給システムであって、
前記チューブが、前記2液型エポキシの1成分と混合された強化繊維を拡大開口部を通して分配するための拡大開口部を有する、
2液型エポキシ供給システム。
【請求項2】
前記強化繊維が、炭素繊維またはガラス繊維である、
請求項1に記載の2液型エポキシ供給システム。
【請求項3】
前記強化繊維が、ガラス繊維織物である、
請求項1に記載の2液型エポキシ供給システム。
【請求項4】
それぞれが前記2液型エポキシの1成分を含む2本のチューブが、それぞれ、前記2液型エポキシの1成分と混合された強化繊維を拡大開口部を通して分配するための拡大開口部を有する、
請求項1に記載の2液型エポキシ供給システム。
【請求項5】
前記強化繊維が、炭素繊維またはガラス繊維である、
請求項4に記載の2液型エポキシ供給システム。
【請求項6】
前記強化繊維が、ガラス繊維織物である、
請求項4に記載の2液型エポキシ供給システム。
【請求項7】
前記ガラス繊維織物の強化繊維が、1/32インチ~12インチの材料片である、
請求項6に記載の2液型エポキシ供給システム。
【請求項8】
樹脂成分または硬化剤成分のうちのいずれか一方を含む第1成分部分を有する、改良された2液型繊維強化エポキシであって、
前記第1成分部分が、予混合されていて、炭素繊維またはガラス繊維の強化繊維を含む、
改良された2液型繊維強化エポキシ。
【請求項9】
前記ガラス繊維が、一辺が1/32インチ~12インチのガラス繊維織物の材料片である、
請求項8に記載の改良された2液型繊維強化エポキシ。
【請求項10】
前記第1成分部分における前記樹脂成分または前記硬化剤成分のうちの他方を含む第2成分部分を有する、請求項9に記載の改良された2液型繊維強化エポキシであって、
前記第1成分部分および前記第2成分部分が、それぞれ、炭素繊維またはガラス繊維の強化繊維を含む予混合済み材料として提供されている、
請求項9に記載の改良された2液型繊維強化エポキシ。
【請求項11】
樹脂成分または硬化剤成分のうちのいずれか一方の2液型繊維強化エポキシの第1成分部分を含む少なくとも1本のチューブを有する、改良された2液型繊維強化エポキシ供給システムであって、
前記第1成分部分が、予混合されていて、炭素繊維またはガラス繊維の強化繊維を含み、
前記少なくとも1本のチューブが、前記2液型繊維強化エポキシの第1成分部分と混合された強化繊維を拡大開口部を通して分配するための拡大開口部を有する、
改良された2液型繊維強化エポキシ供給システム。
【請求項12】
前記第1成分部分における前記樹脂成分または前記硬化剤成分のうちの他方を含む前記2液型繊維強化エポキシの第2成分部分を含む第2チューブを有する、請求項11に記載の改良された2液型繊維強化エポキシ供給システムであって、
前記第1成分部分および前記第2成分部分が、それぞれ、炭素繊維またはガラス繊維の強化繊維を含む予混合済み材料として提供されており、
前記第2チューブが、前記2液型繊維強化エポキシの第2成分部分と混合された強化繊維を拡大開口部を通して分配するための拡大開口部を有する、
請求項11に記載の改良された2液型繊維強化エポキシ供給システム。
【請求項13】
前記ガラス繊維が、一辺が1/32インチ~12インチのガラス繊維織物の材料片である、
請求項12に記載の改良された2液型繊維強化エポキシ供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年8月13日に提出された米国仮特許出願63/232,703の優先権を主張する。その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、全般的に、エポキシシステムに関連し、より具体的には、繊維強化エポキシを供給するための繊維強化エポキシシステムまたは方法に関連する。
【背景技術】
【0003】
2液型エポキシは、構造修復用および接着剤としての使用用のよく知られた一般的なソリューションである。このような2液型エポキシ処方の成分には、液体樹脂に添加される液体硬化剤が含まれる。成分を混合して硬化させると、容易に型に流し込んだり所望の形状に成形したりすることができるエポキシ樹脂が得られる。混合物は、また、接着剤やコーティングとして使用するために、様々な処方で使用可能である。硬化時間は通常短く、得られたエポキシ樹脂は、必要に応じてサンディングやドリル加工などにより、更に加工することができる。
【0004】
海洋用途や、得られる材料に追加の強度が必要な他の用途で使用される場合に、混合済みであるが硬化前のエポキシ混合物を使用して、追加の強化材料に対して、カバー、コーティング、または埋め込みを行うことがよくある。このような強化材料には、炭素繊維またはガラス繊維が含まれ得る。エポキシ混合物が強化材料と共に使用される場合、強化材料は、船体の弱い箇所を覆うガラス繊維織物層として設けられ得、その後、エポキシ混合物が、ガラス繊維織物層をコーティングまたはカバーし得る。あるいは、炭素繊維を、予混合されているがまだ固化または硬化していないエポキシ混合物に添加し、その後、所望の箇所上に一緒に堆積させることもできる。
【0005】
残念なことに、このような2液型処方では、適切な量の各成分と混合する必要があるため、強化材料を組み込むには、追加の混合のための追加の工程が必要である。2液型エポキシ内に強化材料を供給するための改良されたシステムが望まれる。本願は、このような従来の欠点に対処する、繊維強化エポキシ供給システムを提供する。
【発明の概要】
【0006】
処方成分と予混合された強化材料を含む2液型処方の2つの成分のうちの少なくとも一方を有する2液型エポキシ供給システムが提供され、2液型エポキシの2つの成分が組み合わされるときに強化材料を組み合わせて供給することを可能にする。強化材料は2液型成分のうちの一方の中で予混合されて提供されるが、2液型処方の両方の成分中に強化材料を含めることも可能であることを理解されたい。得られるエポキシ樹脂材料において必要な強度を得るために、所望に応じて、同じまたは異なる強化材料を各成分中に提供することができる。
【0007】
このような2液型処方の2つの成分を供給する際の困難性は、最終硬化製品を得るためには、処方の各成分の異なる量が必要であることである。一般的に、より少量の硬化剤成分と比較して、より多量の樹脂成分が使用される。各樹脂成分および硬化剤成分は、得られるエポキシにおいて所望の性能を得るために各成分に添加される改質剤または顔料などの様々な充填剤および/または添加剤のブレンドであってもよいことも理解されたい。1つのこのような例は、米国特許第8,278,398号であり、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0008】
現在、このような2液型処方のエポキシ樹脂に使用できる様々な供給システムが存在する。2液型エポキシの成分を供給するために従来使用されているシステムの1つは、個々の容器から適切な量の各成分を投与し、その後別の容器内で混合させるための、適切なサイズのディスペンサーを備えた、各成分の個別の容器を用意することを含む。ミネソタ州ベイシティのGougeon Brothers, Inc.(www.westsystem.com)が製造するエポキシ樹脂のウエストシステム(R)は、このような供給システムの一般的な例である。
【0009】
別の供給システムのアプローチは、ガン型塗布器内にデュアルチューブカートリッジまたはシリンジを提供することであり、そこでは、カートリッジ内において異なるサイズのチューブを使用し、ガンまたはプランジャー塗布器を使用して各チューブから適切な量の各成分を同時に送り出す。このようなカートリッジおよびガン型塗布器システムは、混合された成分を所望の位置に直接供給するための混合ノズルを含み得る。このようなシステムの多くは、ミネソタ州セントポールの3M Company(www.3m.com)および他のメーカーから様々なブランド名で入手可能である。本発明の繊維強化エポキシは、このような供給システムアプローチのいずれかと共に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、エポキシ樹脂の2液型成分処方のうちの1成分の従来技術のチューブを概略的に示す。
図2図2は、図示された1つの成分に強化材料が含まれる2液型成分エポキシ樹脂処方に関する本願の1つの成分のチューブを概略的に示す。
図3図3は、供給前の改良された繊維強化エポキシを含むデュアルガン型塗布供給システムを概略的に示す。
図4図4は、追加の強度を必要とする接着剤として使用するために現場に供給される改良された繊維強化エポキシを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明は、例示の目的で多くの特定の詳細を含むが、当業者であれば、以下の説明に対する多くの例、変形および変更が本開示の精神および範囲内にあることを理解するであろう。全体を通して同様の参照番号は同様の要素を指す。
【0012】
図1は、2液型エポキシ処方の2成分のうちの1成分材料Mを含む従来技術の単一チューブTを概略的に示す。図2から図4を参照すると、繊維強化エポキシシステムおよび供給システムの態様が示されている。
【0013】
図2に示すように、本繊維強化エポキシシステムの概略図は、強化材料14を含む1つの成分材料12のチューブ10を提供し、強化材料14は炭素繊維16およびガラス繊維材料18のいずれか一方または両方である。チューブノズル20を通過する強化材料のサイズと供給に応じて、本システムは、成分材料12と強化材料14の両方を供給するために、より大きな直径のチューブ開口部21とより大きな直径のノズル20の両方を提供する。拡大したチューブ開口部21およびノズル20は、従来技術のチューブ開口部およびノズルの直径の少なくとも2倍であるか、または、強化繊維14を含む混合成分の分配中にチューブ開口部およびノズルの詰まりに抗う所定のサイズである。図1および図2中に示されるノズルの端は、それぞれ、切断線30を示しており、そこは、ノズルを開く場所であり、成分材料を分配するために切断線部分でノズルの先端32が取り外される。繊維強化エポキシ成分材料は、図示したように単一のチューブとして提供され得る、または、図3に示したタイプのデュアルチューブカートリッジとして提供され得、そこでは、強化材料の詰まりのない供給のために、カートリッジにおける強化材料を含むチューブの方がより大きな直径のチューブ開口部とより大きな直径のノズルとを備えている。両方の成分材料に強化材料が提供される場合、供給システムを使用した強化材料の供給を容易にするために、両方のチューブにより大きな直径のチューブ開口部およびノズルが設けられることが理解される。
【0014】
図4の一例に示したように、ビルや高速道路の建設プロジェクトでの使用等のために、強化材料を含む混合された2液型予混合エポキシ樹脂を大量に供給する必要がある場合には、大型容器(1ガロン、5ガロン、55ガロン、または鉄道車両またはトラックのタンカーコンテナ等)を提供することができる。このような用途では、材料の大型容器に、適切な量の各成分を導くための大型ノズルおよび/またはポンプシステムが設けられ、そこでは、処方成分の少なくとも一方または両方が、予混合された炭素繊維またはガラス繊維材料を含む。図2に示したように、ガラス繊維材料18は、個々の繊維として、または成分内に分散したガラス繊維織物のより小さな片として提供され得る。例えば、より小さいガラス繊維織物片は、1/32インチ四方、1/8インチ四方、または1インチ四方の小さいサイズの材料として提供されてもよく、しかしながら、より大きなサイズ(最大で12インチ四方または辺長)のガラス繊維材料も使用され得る。試験の結果、エポキシの成分の一方または両方にガラス繊維織物片を添加すると、硬化したエポキシ樹脂にさらなる強度が付与されることが判明した。
【0015】
本発明の繊維強化エポキシシステムは、当業者が本発明を実施するのに十分に詳細に開示されているが、添付の特許請求の範囲において規定されている考案物の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換および修正を行うことができることを理解されたい。更に、本エポキシシステムの範囲が、例として提供される本明細書で説明される特定の実施形態に限定されることは、意図されない。当業者であれば本開示および実施形態から容易に理解できることであるが、本明細書で説明する対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行して実質的に同じ結果を達成する、現存するまたは今後開発される他の成分も、本願に従って利用され得る。従って、添付の特許請求の範囲は、そのような他の考案物/システムおよび成分をその範囲内に含むことを意図している。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】