(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】熱硬化性反応樹脂混合物
(51)【国際特許分類】
C08G 59/14 20060101AFI20240816BHJP
C08G 59/20 20060101ALI20240816BHJP
C08G 18/58 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
C08G59/14
C08G59/20
C08G18/58
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508928
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 EP2022072687
(87)【国際公開番号】W WO2023020968
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516342265
【氏名又は名称】ハンツマン・アドヴァンスト・マテリアルズ・ライセンシング・(スイッツランド)・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】弁理士法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ストルツ,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】バイゼル,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】シクレ,パスカル
【テーマコード(参考)】
4J034
4J036
【Fターム(参考)】
4J034BA02
4J034CB03
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4J034HA01
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4J036GA06
4J036HA12
4J036JA05
4J036JA11
(57)【要約】
本発明は、電気エンジンのコイル、固定子、回転子用の含浸又はカプセル化材料に適した熱硬化性反応樹脂混合物に関し、本反応樹脂混合物は、以下:a)多官能性イソシアネート、b)少なくとも2つのアルコール官能基を有する脂肪族及び/又は脂環式アルコールのグリシジルエーテルに基づく化合物A、あるいは少なくとも2つのカルボン酸官能基を有する脂肪族及び/又は脂環式炭酸のグリシジルエステルに基づく化合物Bを主に含む、エポキシ樹脂組成物、c)硬化促進剤、硬化促進剤は、三塩化ホウ素-アミン錯体に基づく、を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気エンジンの、コイル、固定子、回転子用の、含浸又はカプセル化材料に適した熱硬化性反応樹脂混合物であって、以下:
a)多官能性イソシアネート、
b)少なくとも2つのアルコール官能基を有する脂肪族及び/又は脂環式アルコールのグリシジルエーテルに基づく化合物A、あるいは少なくとも2つのカルボン酸官能基を有する脂肪族及び/又は脂環式炭酸のグリシジルエステルに基づく化合物Bを主に含む、エポキシ樹脂組成物
c)三塩化ホウ素-アミン錯体に基づく硬化促進剤、
を含む、前記反応樹脂混合物。
【請求項2】
前記化合物A又は化合物Bは、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、及びそれらの混合物を含む群から選択される、請求項1に記載の混合物。
【請求項3】
成分(a)のイソシアネート基対成分(b)のエポキシド基の当量比は、10:1~1:1、好ましくは5:1~3:1である、請求項1又は2に記載の混合物。
【請求項4】
前記多官能性イソシアネートは、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、及びそれらの混合物を含む群から選択される、先行請求項のいずれか1項に記載の混合物。
【請求項5】
前記多官能性イソシアネートは、ジフェニルメタン-2,4-若しくは-4,4’-ジイソシアネート;ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート;カルボジイミド基若しくはウレトンイミド基を有するジフェニルメタンジイソシアネート;アロファネート基、ウレタン基、ビウレット基、及び/又はウレチジオン基を有する修飾ポリイソシアネート;過剰の前記ポリイソシアネートとポリオールの反応により得られるイソシアネート系プレポリマー;並びにそれらの混合物を含む群から選択される、先行請求項のいずれか1項に記載の混合物。
【請求項6】
三塩化ホウ素-アミン錯体に基づく前記硬化促進剤は、三塩化ホウ素-ジメチルオクチルアミン錯体、三塩化ホウ素-トリメチルアミン錯体、三塩化ホウ素-ベンジルジメチルアミン錯体、三塩化ホウ素-トリブチルアミン錯体、及びそれらの混合物を含む群から選択される、先行請求項のいずれか1項に記載の混合物。
【請求項7】
前記硬化促進剤は、前記混合物の合計重量に基づき、0.01~5wt%、好ましくは0.05~2.5wt%の量で存在する、先行請求項のいずれか1項に記載の混合物。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の熱硬化性反応樹脂混合物を硬化させることにより得られる、熱硬化組成物。
【請求項9】
複合体又はキャスト品を提供するプロセスであって、以下の工程:
a)請求項1から7のいずれか1項に記載の反応樹脂混合物の成分を混合する工程、
b)前記得られた混合物を、繊維又は電気部品に塗工する工程、
c)80℃~250℃からなる温度を適用することにより、前記塗工した混合物を硬化させる工程、
を含む、前記プロセス。
【請求項10】
前記繊維は、ガラス繊維又は炭素繊維を含む群から選択され、及び/又は前記電気部品は、コイル、モーター、固定子、回転子、発電機部品、プリント回路基板、カーイグニッションコイルを含む群から選択される、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
前記含浸繊維は、注入プロセス、湿式圧縮成形プロセス、フィラメントワインディングプロセス、及び/又は引抜き成形プロセスを用いることにより、複合品を形成する、請求項9又は10に記載のプロセス。
【請求項12】
前記電気部品は、ディッピング、トリクル含浸、真空圧含浸、及び/又は鋳込みにより、前記混合物で含浸される、請求項9又は10に記載のプロセス。
【請求項13】
請求項1から7のいずれか1項に記載の反応樹脂混合物の成分を混合すること、前記混合物に少なくとも1種の無機充填剤又は金属粉末を加えること、及び物品を提供する目的で前記得られる組成物を硬化させることにより得られる、前記物品であって、前記無機充填剤は、好ましくは、シリカ、溶融シリカ、ヒュームドシリカ、アルミナ、珪灰石、三水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、AlO(OH)、シリシウムカーバイド、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、アルミノケイ酸塩、ガラス粉末、及びそれらの混合物を含む群から選択される、前記物品。
【請求項14】
前記充填剤は、シラン処理した充填剤、好ましくはシラン処理した非晶質シリカである、請求項13に記載の物品。
【請求項15】
請求項8に記載の熱硬化組成物あるいは請求項12又は14に記載の物品を含む、コイル、固定子、及び回転子などの電気部品用の、カプセル化材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気エンジンのコイル、固定子、回転子用の含浸又はカプセル化材料に適した二成分熱硬化性反応樹脂混合物に関し、この反応樹脂混合物は、多官能性イソシアネートと、及びポリエポキシド樹脂と、を含む。この従来型二成分反応樹脂混合物は、触媒などの硬化促進剤の存在下、加熱下で硬化可能である。
【背景技術】
【0002】
技術水準において(例えば、特許文献1)、ポリエポキシド樹脂とポリイソシアネートのモル比が、寸法熱安定性(dimensional heat stability)において、及び機械的特性に対して役割を担っている可能性があることが教示されている。例えば、このモル比は、1未満にすることが可能であり、この反応樹脂混合物を、硬化触媒の存在下、70~130℃の温度範囲で架橋させ、次いで、最高220℃の温度で後硬化させる。得られる生成物は、良好な寸法熱安定性を示すが、不十分な機械的特性及び不適切な温度サイクル耐性を有する。これは、当該モル比を1超にすることにより、又は反応混合物に柔軟化剤(flexibilising agent)又は弾性化剤(elastifying agent)を添加することにより、解決することができる。その粘度は、管理が困難であることが多い。
【0003】
従来、既知二成分反応樹脂混合物のポリエポキシド樹脂は、主に、芳香族反応性エポキシ樹脂、例えばDGEBA(ビスフェノールAジグリシジルエーテル)に基づくものである。最終産物は、その機械的特性によって、特に引張破断伸び及び引張最大強度に関して、制限される。
【0004】
二成分熱硬化性反応樹脂混合物は、特許文献2に記載のとおり、カプセル化回転子において使用することができる。特許文献2は、成果物を開示しているが、この成果物は、ある特定の条件下でクラックを呈する。
【0005】
したがって、特に引張破断伸び及び引張最大強度に関して、適切な機械的特性を確保することにより、電気エンジンのコイル、固定子、回転子用の含浸又はカプセル化材料に適した、改善された二成分熱硬化性反応樹脂混合物を提供する必要が存在する。そのような系/反応混合物は、充填剤入り系に使用される場合及び/又は強靭化剤の存在下で使用される場合(クラックを形成することなく)、(熱)機械的にも効率的でなければならない。
【0006】
特許文献3は、ポリイソシアネートと、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテルと、及び塩化リチウム(LiCl)溶液と、を含む熱硬化性組成物を開示し、塩化リチウム(LiCl)溶液は、三量化触媒組成物として使用される。硬化促進剤として使用されるLiClは、樹脂組成物の硬化を直ちに開始させるので、当該組成物は、含浸プロセス及びカプセル化プロセスに必要とされるとおりにホモジナイズ、脱気、及び塗工することができない。
【0007】
しかしながら、含浸プロセス及びカプセル化プロセスは、樹脂が中温(最高80℃)で硬化を開始しないことを必要とする。言い換えると、含浸プロセス及びカプセル化プロセスで実施される硬化工程前、樹脂の全成分の混合物は、組成物をホモジナイズ、脱気、及び塗工することができるように、中温(最高80℃)である程度の潜在性を必要とする。したがって、当該組成物をホモジナイズ、脱気、及び塗工することができるようにする中温での樹脂組成物の潜在性は、満たすべき必要条件である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】US 4,631,306
【特許文献2】DE 10 2018 125 567
【特許文献3】WO2017/025213
【0009】
本発明の目的は、電気エンジンのコイル、固定子、回転子用の含浸又はカプセル化材料に適した熱硬化性反応樹脂混合物(本出願中、「2K樹脂系」と称する)を提供することにより、上記欠点を克服することであり、本反応樹脂混合物は、以下:
a)多官能性イソシアネート、
b)エポキシ樹脂組成物、このエポキシ樹脂組成物は主に、少なくとも2つのアルコール官能基を有する脂肪族及び/又は脂環式アルコールのグリシジルエーテルに基づく化合物A、又は少なくとも2つのカルボン酸官能基を有する脂肪族及び/又は脂環式炭酸のグリシジルエステルに基づく化合物Bを含む、
c)硬化促進剤、
を含む。
【0010】
上記に記述されるとおりの脂肪族(脂環式)エポキシ樹脂組成物を使用することで、引張特性(引張最大強度及び引張破断伸び)が上昇することにより、並びに充填した場合には、硬化2K樹脂系の靭性(K1c及びG1c)も上昇することにより、2K樹脂系の改善が可能となる。これにより、クラック耐性の上昇がもたらされる。クラック耐性の上昇は、電気モーター用のクラック耐性回転子を製造するために、電気自動車市場において需要が高まっている。上記に記述されるとおりの脂肪族(脂環式)エポキシ樹脂組成物は、含浸プロセス及びカプセル化プロセスにも適している。なぜなら、エポキシ組成物の中温での潜在性は、ホモジナイズ工程、脱気工程、及び塗工工程中に当該組成物が硬化を開始することを回避するからである。「潜在性」という用語は、エポキシ組成物の粘度を指す。本発明による「中度潜在性」という用語は、ホモジナイズ工程及び脱気工程後に測定されるエポキシ組成物の粘度を指す。ホモジナイズ工程及び脱気工程後に測定されるエポキシ組成物の粘度は、当該組成物の全ての成分を一緒に混合した直後に測定されるエポキシ組成物の粘度と比較され、混合した直後に測定されるエポキシ組成物の粘度は、エポキシ組成物粘度の初期粘度とも呼ばれる。本発明に従って、エポキシ組成物は、ホモジナイズ工程及び脱気工程後に測定されたその粘度がそのエポキシ組成物の初期粘度の2倍未満である場合、中度潜在性を有するとして認められる。エポキシ組成物の粘度は、Brookfield CAP2000+粘度計でISO 2884に従って測定される。好適な実施形態に従って、当該エポキシ樹脂組成物は、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、又はそれらの混合物を、(主に)含む。
【0011】
本発明の有利な実施形態に従って、成分(a)である多官能性イソシアネートのイソシアネート基対成分(b)であるエポキシ樹脂のエポキシド基の当量比は、10:1~1:1、好ましくは5:1~3:1である。これにより、本発明の2K樹脂系がもたらす(熱)機械的効果を上昇させることができる。
【0012】
そのうえさらに、多官能性イソシアネートは、好ましくは、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、及びそれらの混合物を含む群から選択される。多官能性イソシアネートの選択は、本発明の選択されたエポキシ樹脂組成物と合わせて、2K樹脂系の(熱)機械的特性を更に上昇させることができる。
【0013】
本発明の特に好適な実施形態において、多官能性イソシアネートは、ジフェニルメタン-2,4-若しくは-4,4’-ジイソシアネート;ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート;カルボジイミド基若しくはウレトンイミド基を有するジフェニルメタンジイソシアネート;アロファネート基、ウレタン基、ビウレット基、及び/又はウレチジオン基を有する修飾ポリイソシアネート;過剰の上記ポリイソシアネートとポリオールの反応により得られるイソシアネート系プレポリマー;並びにそれらの混合物を含む群から選択される。
【0014】
本発明の有利な実施形態において、硬化促進剤は、三塩化ホウ素-アミン錯体に基づくものであり、好ましくは、三塩化ホウ素-ジメチルオクチルアミン錯体、三塩化ホウ素-トリメチルアミン錯体、三塩化ホウ素-ベンジルジメチルアミン錯体、三塩化ホウ素-トリブチルアミン錯体、及びそれらの混合物を含む群から選択される。三塩化ホウ素-アミン錯体に基づく当該硬化促進剤により、組成物は、ホモジナイズ工程、脱気工程、及び塗工工程中、中温で潜在性を有することが可能になる。
【0015】
好適な実施形態に従って、硬化促進剤は、当該混合物の合計重量に基づいて、0.01~5wt%、好ましくは0.05~2.5wt%の量で存在する。
【0016】
本発明による反応樹脂混合物は、好ましくは、無水物不含である。
【0017】
本発明の反応樹脂混合物の他の実施形態は、付属の特許請求の範囲で言及される。
【0018】
本発明は、本発明による反応樹脂混合物を硬化させることにより得られる、及び上記のとおりの、熱硬化組成物にも関する。当該熱硬化組成物は、ISO 527に従って測定される引張破断伸びが少なくとも4%であり、ISO 527に従って測定される引張最大強度が少なくとも95MPaである。
【0019】
好適な実施形態において、熱硬化組成物は、本発明による混合物の成分を混合し、得られる組成物を硬化させて本発明の熱硬化組成物とすることにより得られる。この実施形態は、加熱下で架橋することにより得られる硬化2K樹脂系に相当する。「熱硬化組成物」及び「硬化2K樹脂系」という用語は、同じ意味を有し、同義で使用することが可能である。
【0020】
本発明の熱硬化組成物の他の実施形態は、付属の特許請求の範囲で言及される。
【0021】
本発明は、更に、複合体又はキャスト品を提供するプロセスに関し、本プロセスは、以下の工程を含む:
a)本発明による反応樹脂混合物の成分を混合する工程、
b)得られた混合物を、繊維又は電気部品に塗工する工程、
c)80℃~250℃からなる温度を適用することにより、塗工された混合物を硬化させる工程。
【0022】
好適な実施形態において、本発明によるプロセスは、更に、以下の工程を含む:
a1)本発明による反応樹脂混合物の成分を混合する工程、
a2)工程a1)で得られた混合物に、20~60℃、好ましくは30~50℃からなる温度で、5~100分間、好ましくは30~60分間、ホモジナイズ及び脱気を同時に行う工程
b)得られた混合物を、繊維又は電気部品に塗工する工程、
c)80℃~250℃からなる温度を適用することにより、塗工された混合物を硬化させ
る工程。
【0023】
本発明の特に有利な実施形態において、繊維は、ガラス繊維又は炭素繊維を含む群から選択される。
【0024】
好適な実施形態において、当該電気部品は、コイル、モーター、固定子、回転子、発電機部品(generator parts)、プリント回路基板、カーイグニッションコイルを含む群から選択される。
【0025】
好ましくは、当該含浸繊維は、注入プロセス、湿式圧縮成形プロセス、フィラメントワインディングプロセス、及び/又は引抜き成形プロセスを用いることにより、複合品を形成する。
【0026】
更なる好適な実施形態において、当該電気部品は、ディッピング、トリクル含浸、真空圧含浸、及び/又はキャスティングにより、当該混合物で含浸される。
【0027】
本発明のプロセスの他の実施形態は、付属の特許請求の範囲で言及される。
【0028】
本発明は、以下の工程を施すことにより得られる物品にも関する:本発明による反応樹脂混合物の成分を混合する工程、当該混合物に少なくとも1種の無機充填剤又は金属粉を加える工程、及び物品を提供する目的で、得られた組成物を硬化させる工程、この場合、無機充填剤は、好ましくは、シリカ、溶融シリカ、ヒュームドシリカ、アルミナ、珪灰石、三水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、AlO(OH)、シリシウムカーバイド、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、アルミノケイ酸塩、ガラス粉末、及びそれらの混合物を含む群から選択される。
【0029】
好ましくは、当該充填剤は、シラン処理した充填剤、好ましくはシラン処理した非晶質シリカである。
【0030】
より好ましくは、本発明の物品は、ISO 527に従って測定される引張最大強度が少なくとも76MPaであり、及び平面歪破壊靱性(K1c)が少なくとも3.0MPa・m1/2であり、この場合、硬化前に、当該混合物に少なくとも1種の強靭化剤が添加され、当該強靭化剤は、コアシェルゴム、ポリアクリレート、カルボキシル末端ブタジエンアクリロニトリル(CTBN)ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フェノキシ強靭化剤、ケイ素ブロックコポリマー強靭化剤を含む一覧から選択される。
【0031】
この実施形態は、上記化合物(複数可)で充填した場合の、硬化2K樹脂系の靱性(K1c及びG1c)に関して特に有利である。これにより、クラック耐性の上昇がもたらされ、このことは、電気モーター用のクラック耐性回転子を製造するために、電気自動車市場において需要が高まっている。
【0032】
本発明の物品の他の実施形態は、付属の特許請求の範囲で言及される。
【0033】
本発明は、電気部品、例えば、コイル、固定子、及び回転子用のカプセル化材料も包含し、この材料は、本発明による組成物又は本発明で定義されるとおりの物品を含む。
【0034】
本発明は、類似の最新の樹脂系と比べて類を見ない熱機械的特性を呈する2K樹脂系を提供し、それらは、特に、無機充填剤を充填され、例えばコアシェルゴム強靭化剤で強靭化された場合に、類を見ない熱機械的特性を呈する。
【0035】
本発明は、多官能性イソシアネート(例えば、MDI系樹脂、この場合、多官能性イソシアネートは、Suprasec 2029又はSuprasec 2021が可能)及びエポキシ樹脂組成物に基づく二成分樹脂系に関し、エポキシ樹脂組成物は、好ましくは脂肪族反応性エポキシ希釈剤、例えば、ブタンジオールジグリシジルエーテル(Araldite DY-D)又はヘキサンジオールジグリシジルエーテル(Araldite DY-H)である。加えて、少なくとも1種の硬化促進剤、例えば、三ハロゲン化ホウ素-アミン錯体(三塩化ホウ素-ジメチルオクチルアミン錯体-Accelerator DY9577又は三塩化ホウ素-トリメチルアミン)が使用される。
【0036】
多官能性イソシアネートをエポキシ樹脂と混合する場合、18~60℃の範囲の温度を、優先して適用することができる。これは、充填剤入り系にも当てはまる。この工程では、多官能性イソシアネートとエポキシ樹脂の間のどのような前反応も回避することが望ましい。
【0037】
反応樹脂混合物の硬化に関して、当該多官能性イソシアネートと当該エポキシ樹脂の間の反応は、ここで起こらなければならないが、このプロセス工程は、有利なことに、40~100℃、好ましくは40~90℃のゲル化温度で起こることができ、後硬化は、100~180℃、好ましくは110~150℃の温度で起こることができる。
【0038】
充填剤入り2K系の硬化に関して、このプロセス工程は、40~100℃、好ましくは40~90℃のゲル化温度で起こることができ、後硬化は、100~180℃、好ましくは110~150℃の温度で起こることができる。
【0039】
芳香族エポキシ樹脂を脂肪族エポキシ樹脂へと置き換えることにより、硬化樹脂の引張特性(強度及び伸び)並びに靱性(K1c及びG1c)は、顕著に上昇する。
【0040】
本発明の充填された2K樹脂系は、好ましくは、電気エンジンの回転子、固定子、コイルに使用される。
【0041】
2K樹脂系は、含浸/カプセル化プロセスが関与する任意の製品に使用可能である。
【0042】
本発明の特に好適な実施形態において、2K樹脂系を用いて製造された材料は、イソシアヌレートの格子構造を有することになり、構造中、オキサゾリジノン環対イソシアヌレート環のモル比は、0.5~1.5である。
【0043】
以下の実施例は、本発明の目的を制限することなく解説する。
【実施例】
【0044】
実施例セクション1
以下の工程を行うことにより、実施例1を得る:Suprasec 2029を200g、Araldite DY-Hを40g、及びAccelerator DY 9577を2gを、撹拌しながら、40℃で1時間、ホモジナイズ及び脱気する。その後、混合物を、80℃に予熱した熱アルミニウム型に注ぎ、引張試験、ノッチ曲げ(bend-notch)試験、及び動的機械分析(DMA)用の、厚さ2mm及び4mm検体を調製する。組成物を、オーブン中、120℃で2時間、及び180℃で更に2時間、硬化させる。
【0045】
実施例2は、実施例1に記載した工程に相当するが、ただし、Araldite DY-Hを、モル当量のAraldite DY-Dに置き換えている。
【0046】
実施例3は、実施例1に相当するが、ただし、Suprasec 2029を、モル当量のSuprasec 2021に置き換えている。
【0047】
実施例4は、実施例2に相当するが、ただし、Suprasec 2029を、モル当量のSuprasec 2021に置き換えている。
【0048】
実施例5は、実施例3に相当するが、ただし、Araldite DY-Hを20phrの代わりに16phr用いる。
【0049】
異なる脂肪族反応性エポキシ希釈剤をMDI系多官能性イソシアネート(Suprasec 2021、Suprasec 2029)及び硬化触媒三塩化ホウ素-ジメチルオクチルアミン錯体(Accelerator DY 9577)と組み合わせた場合の機械的特性に対する効果を、以下の表1に示す。
【0050】
芳香族エポキシ樹脂Araldite GY 250を脂肪族エポキシ樹脂Araldite DY-D又はAraldite DY-Hへと置き換えることにより、ガラス転移温度にどのような有害な影響も及ぼすことなく、引張伸び、引張強度、及び靱性(G1c、K1c)の顕著な上昇がもたらされることが、わかった。
【0051】
同じ効果は、Suprasec 2029の代わりにSuprasec 2021を用い、及びイソシアネート当量対エポキシ当量の化学量論比を4/1から5/1へと変更する場合に、観察することができる
【0052】
【0053】
比較例1~3
以下の工程を行うことにより、比較例1を得る:Suprasec 2029を200g、Araldite GY250を52g、及びAccelerator DY 9577を2gを、撹拌しながら、40℃で1時間、ホモジナイズ及び脱気する。その後、混合物を、80℃に予熱した熱アルミニウム型に注ぎ、引張試験、ノッチ曲げ試験、及び動的機械分析(DMA)用の、厚さ2mm及び4mm検体を調製する。組成物を、オーブン中、120℃で2時間、及び180℃で更に2時間、硬化させる。
【0054】
比較例2は、比較例1の記載を用いて行うが、ただし、Suprasec 2029を、モル当量のSuprasec 2021に置き換えている。
【0055】
比較例3は、比較例2に相当するが、ただし、Araldite DY250を25phrの代わりに20phr用いる。
【0056】
【0057】
実施例セクション2
以下の工程を行うことにより、実施例6を得る:Suprasec 2021を200g、Araldite DY-Hを42g、及びAccelerator DY 9577を2gを、撹拌しながら、40℃で1時間、ホモジナイズ及び脱気する。次いで、シリカ粉194g及び珪灰石258gを、撹拌しながら20分以内に、少しずつ加える。混合物を、50℃で0.5時間、慎重に脱気する。その後、120℃に予熱した熱真空プレスに注ぎ、引張試験、ダブルトーション試験、及びDSC用の、厚さ4mm検体を調製する。組成物を、真空プレス中、120℃で30分間、前硬化させる。離型後、複合プレートを、オーブン中、180℃で更に2時間、後硬化させる。
【0058】
比較例7は、実施例6に相当するが、ただし、Araldite DY-Hを、6phrのPARALOIDを20phrのAraldite DY-Hに前分散させたものに置き換える。
【0059】
比較例8は、実施例6に相当するが、ただし、Araldite DY-Hを、10phrのPARALOIDを16phrのAraldite DY-Dに前分散させたものに置き換える。シリカ粉と珪灰石の合計量を、等重量の溶融シリカ粉に置き換える。
【0060】
本発明の第二実施形態において、上記の樹脂系(例えば、実施例1)は、無機充填剤を充填された場合、類似の最新樹脂系と比べて類を見ない熱機械的特性を呈し、及び例えば、コアシェルゴム強靭化剤で更に強靭化した場合、更に進化した特性さえも示すことを、示すことができる(表3)。
【0061】
無機充填剤を充填したが強靭化されていない樹脂硬化物は、類を見ない高い靱性(K1c、G1c)を、非常に高いTg>200℃と合わせて呈する(実施例6)。K1cは、充填された最新の樹脂(比較例4~6)を超える又は少なくともそれと同じレベルであるが、大きな違いとして、後者は、相当量の強靭化剤を組み込んだ場合にしか、そのような高い値を達成できない。
【0062】
さらに、強靭化剤が本発明のニート樹脂マトリクスが組み込まれている場合、靱性は、傑出した高い値であるK1c3.3~3.7MPa・m1/2(実施例7~8)に上昇する。そのうえさらに、引張最大強度は、最高97MPaに上昇し、引張破断伸びは、最高1.7%上昇する。
【0063】
【0064】
比較例4~6
以下の表の比較例4は、WO 2016202608に開示される組成物A1に相当し、この比較例は、樹脂の種類が脂環式エポキシ/ホモ重合触媒に関連する。
【0065】
比較例5は、樹脂の種類が脂環式エポキシ/メチルナジ酸無水物に関連し、以下のとおりにして得た:
【0066】
比較例5の成分A(すなわち、樹脂部)を、以下のとおり調製した:
外部加熱及び撹拌用スピードディスクを備えた2lのESCOミキサー中、容器に室温で以下の成分を加えた:Celloxide 2021 Pを503.4g、RPS 1312-1を4g、Antischaum SHを2.2g、Silan A-187を20g。20分間、10mbarの真空下、700rpmで撹拌しながら、全ての成分を最高50℃に加熱した。次いで、混合容器に、撹拌しながら、Genioperl(登録商標)P52を100g、非晶質シリカ2を200g、非晶質シリカ3を460g、珪灰石1を670g、及びBentone SD-2を9g、少しずつ加えた(温度は35~40℃に低下)。混合物を、40分間、10mbarで50℃で撹拌(700rpm)した。次いで、混合物にBYK W-9010を4g加えた。混合物を再度、30分間、10mbarで700rpmで撹拌した。最後に、混合物(成分A)を、40℃に冷却し、容器に取り出した。
【0067】
比較例5の成分B(すなわち、硬化剤部)を、以下のとおり調製した:
外部加熱及び撹拌用スピードディスクを備えた2リットルESCOミキサー中、ARADUR(登録商標)HY 906を522.4加えた。次いで、容器を75~80℃に加熱した。次いで、Genioperl(登録商標)W 35を100g加えた。Genioperl(登録商標)W35がARADUR(登録商標)HY 906に完全に溶解する(ごくわずかに曇った液体)まで、混合物を、真空(10~15mbar)下75~80℃で撹拌した。その後、これを50~55℃に冷却し、Oracet blue 690を0.6g加えた。次いで、均一な青色液体が視認できるまで、混合物を撹拌した。次いで、容器に、50~55℃で、DY 070を2.4g、BYK W 980を10g、BYK W 9010を6.6g、及びPE G200を1g、加えた。次いで、混合物を、20分間、真空(10mbar)下55℃で300rpmで撹拌した。次いで、液体を真空(10mbar)下撹拌し撹拌速度を700rpmに上昇させながら、そこに、非晶質シリカ2を520g、珪灰石1を820g、及びBentone SD-2を10
g、少しずつ加えた。温度は、撹拌により20分以内に55~60℃へと上昇しなければならない。混合物は、20分間、加熱せず(容器の温度は55~60℃であった)に、700rpm及び真空(10mbar)で撹拌下に維持した。次いで、混合物に、Aerosil R-202を7g加え、10分間、55~60℃で700rpmで撹拌した。次いで、更に10分間、速度を800rpmに上昇させた。最後に、混合物を、40~45℃に冷却し、容器に取り出した。
【0068】
成分Aと成分Bの最終混合物の調製:
樹脂配合物(成分A)300g及び硬化剤配合物(成分B)405gを、1つにまとめ、真空下100rpmで撹拌しながら約60℃に加熱した。厚さ4mmの試験板を製造するため、金型をオーブン中約120℃に予熱した。次いで、脱気した樹脂/硬化剤混合物を、金型に注いだ。次いで、金型を120℃のオーブンに20分間入れておき、次いで190℃に加熱して、190℃で3時間維持した。次いで、金型をオーブンから取り出し、室温まで冷却した後、開放した。硬化した板を、各種試験に供した。それらの結果を表4に示す。
【0069】
比較例6は、脂環式エポキシ/メチルテトラヒドロ無水フタル酸に関連し、以下のとおりに得る:
【0070】
成分Aに関しては、比較例5に開示されるものと同じ工程。この比較例6の成分Bに関しては、以下のとおり調製した:
外部加熱及び撹拌用スピードディスクを備えた2リットルESCOミキサー中、ARADURE(登録商標)HY 918-1を518.4g加えた。次いで、これを75~80℃に加熱した。次いで、Genioperl(登録商標)W 35を60g加えた。Genioperl(登録商標)W 35がARADURE(登録商標)HY 918-1に完全に溶解するまで、混合物を、真空(10~15mbar)下75~80℃で撹拌した。その後、これを50~55℃に冷却し、容器に、50~55℃で、Oracet blue 690を0.6g、DY 070を3g、BYK W 980を10g、BYK
W 9010を7g加えた。次いで、混合物を、20分間、真空(10mbar)下55℃で300rpmで撹拌した。次いで、液体を真空(10mbar)下撹拌し撹拌速度を700rpmに上昇させながら、そこに、非晶質シリカ2を564g、珪灰石1を820g、及びBentone SD-2を10g、少しずつ加えた。温度は、撹拌により20分以内に55~60℃へと上昇しなければならない。混合物は、20分間、加熱せず(容器の温度は55~60℃であった)に、700rpm及び真空(10mbar)で撹拌下に維持した。次いで、混合物に、Aerosil R-202を7g加え、10分間、55~60℃で700rpmで撹拌した。次いで、更に10分間、速度を800rpmに上昇させた。最後に、混合物を、40~45℃に冷却し、容器に取り出した。
【0071】
AとBの最終混合物の調製:
樹脂配合物(成分A)300g及び硬化剤配合物(成分B)375gを、1つにまとめ、真空下100rpmで撹拌しながら約60℃に加熱した。
【0072】
厚さ4mmの試験板を製造するため、金型をオーブン中約120℃に予熱した。次いで、脱気した樹脂/硬化剤混合物を、金型に注いだ。次いで、金型を120℃のオーブンに20分間入れておき、次いで190℃に加熱して、190℃で3時間維持した。次いで、金型をオーブンから取り出し、室温まで冷却した後、開放した。硬化した板を、各種試験に供した。それらの結果を表4に示す。
【0073】
【0074】
実施例セクション3
実施例9は、実施例3に相当し、以下の工程を行なって得られる:Suprasec 2021を200g、Araldite DY-Hを40g、及びAccelerator DY 9577を2gを、撹拌しながら、40℃で1時間、ホモジナイズ及び脱気する。その後、混合物を、80℃に予熱した熱アルミニウム型に注ぎ、引張試験、ノッチ曲げ試験、及び動的機械分析(DMA)用の、厚さ2mm及び4mm検体を調製する。組成物を、オーブン中、120℃で2時間、及び180℃で更に2時間、硬化させる。
【0075】
比較例7は、実施例3に相当するが、ただし、Accelerator DY 9577の代わりに5wt%LiClの2-メチル-1,3-プロパンジオール溶液を使用する。比較例7は、以下の工程を行なって得られる:Suprasec 2021を200g、Araldite DY-Hを40g、及び5wt%LiClの2-メチル-1,3-プロパンジオール溶液0.87gを、撹拌しながら、40℃で1時間、ホモジナイズ及び脱気する。しかしながら、40℃で15分後、Suprasec 2021を200g、Araldite DY-Hを40g、及び5wt%LiClの2-メチル-1,3-プロパンジオール溶液0.87gを含む組成物は、ゲルを形成して、すでに硬化を開始する。
【0076】
実施例9及び比較例7の、初期粘度(V0)、40℃で15分後に測定された粘度(V1)、及び40℃で1時間後に測定された粘度(V2)を、表5に示す。
【0077】
【0078】
成分
Suprasec 2021:ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)系多官能性イソシアネート、NCO値は23,2%。供給元:Huntsman、USA。
Suprasec 2029:ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)系多官能性イソシアネート、NCO値は24,5%。供給元:Huntsman、USA。
Araldite GY250:ビスフェノールA系ジグリシジルエーテル、エポキシ値は5.3~5.5当量/kg。供給元:Huntsman、USA。
Araldite DY-D:ブタンジオールジグリシジルエーテル、エポキシ値は8.0~8.5当量/kg。供給元:Huntsman、USA。
Araldite DY-H:ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エポキシ値は6.5~7.0当量/kg。供給元:Huntsman、USA。
Accelerator DY 9577:三塩化ホウ素アミン錯体。供給元:Huntsman、USA。
PARALOID:メチルメタクリレートブタジエンスチレン(MBS)コアシェルゴム耐衝撃性改良剤。供給元:Dow、USA。
シリカ粉:エポキシ-シラン被覆充填剤、以下の粒径分布を持つ:D103μm、D5017μm、D9050μm。供給元:Quarzwerke Group、Germany。
溶融シリカ粉:エポキシ-シラン被覆充填剤、以下の粒径分布を持つ:D103μm、D5017μm、D9050μm。供給元:Quarzwerke Group、Germany。
珪灰石:メタケイ酸カルシウム(CaSiO3)、以下の粒径分布を持つ:D509~16μm(<45μmが79~89wt%、<4μmが26~36wt%、<2μmが<28wt%)。供給元:Nordkalk Corporation、Finland。
非晶質シリカ2:溶融シリカ、D102.5μm、D5020μm、D9050μm、供給元:Quarzwerke Group Frechen、Germany。
非晶質シリカ3:エポキシ-シラン表面処理溶融シリカ、D103μm、D5017μm、D9050μm、供給元:Quarzwerke Group Frechen、Germany。
Aerosil R-202:疎水性ヒュームドシリカ、供給元:Evonik Industries AG、Essen、Germany。
BYK W 9010:レオロジー関連添加剤(湿潤剤)、供給元:Byk Additives and Instruments、Wesel、Germany。
珪灰石1:メタケイ酸カルシウム(CaSiO3)、以下の仕様を持つ:粒径D50が9~16ミクロン(<45ミクロンが84±5wt%、<4ミクロンが26~36wt%、<2ミクロンが<28wt%);バルク密度0.88~0.97g/cm3;白色度、Ry>85%;L/D比:3:1;供給元:Nordkalk Oy Ab、Pargas、Finland。
Genioperl(登録商標)W35:シリコーン及び有機ブロック(カプロラクトン系)を持つブロックコポリマー、供給元:Wacker Chemie AG、Munich、Germany。
Genioperl(登録商標)P52:シリコーンコア及びPMMAシェルを持つコアシェル粒子、供給元:Wacker Chemie AG、Munich、Germany。
ARADUR(登録商標)HY 906無水硬化剤、1-メチル-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物と5-ノルボルネン-2,3-カルボン酸無水物の混合物、供給元Huntsman International LLC、The Woodlands、TX。
ARALDITE(登録商標)CY 179-1(別名Celloxide 2021 Pでも販売):3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシラート、供給元Huntsman Advanced Materials (Switzerland) GmbH、Basel、Switzerland。RPS 1312-1 Colorpaste(カーボンブラック含有3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシラート)、供給元Huntsman Advanced Materials (Switzerland) GmbH、Basel、Switzerland。
Antischaum SH:シリコーン系消泡剤、供給元:Wacker Chemie AG、Munich、Germany。
p.19p.20
SILAN A-187:γ-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、供給元Momentive Performance Materials, Inc.、Waterford、NY。
Bentone SD(登録商標)-2溶媒利用コーティング用有機クレイ、提供元the firm Elementis。
Oracet blue 690アントラキノン(Antrachinone)型着色剤、供給元:BASF Colors & Effects GmbH Ander Rheinschanze 1 67059 Ludwigshafen、GERMANY。Accelerator DY 070:1-メチルイミダゾール、供給元Huntsman International LLC、The Woodlands、TX。
BYK W 980:湿潤及び分散添加剤、供給元BYK firm。
PEG 200:CAS番号、25322-68-3.
ARADUR(登録商標)HY 918-1:熱硬化無水物液、供給元Huntsman
International LLC、TheWoodlands、TX。
【0079】
本明細書中使用される場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈から明白に否定されない限り、単数及び複数の両方についての言及を含む。例として、「イソシアネート基(an isocyanate group)」は、「1つのイソシアネート基又は1つより多いイソシアネート基」を意味する。
【0080】
「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、及び「~からなる(comprised of)」という用語は、本明細書中使用される場合、「含む(including)」、「含む(includes)」、又は「含有する(containing)」、「含有する(contains)」の同義語であり、包括的すなわち非限定的であって、追加の、列挙されていない部材、要素、又は方法工程を排除しない。当然のことながら、「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、及び「~からなる(comprised of)」という用語は、本明細書中使用される場合、「~からなる(consisting of)」、「ある(consists)」、及び「~からなる(consists of)」という用語を含む。このことは、好ましくは、上記の用語、例えば、「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、「~からなる(comprised of)」、「含有する(containing)」、「含有する(contains)」「~に含まれる(contained of)」などは、「ある(consisting)」、「~からなる(consisting of)」、及び「ある(consists)」で置き換えることが可能であることを意味する。
【0081】
本出願全体を通じて、「約」という用語は、ある値が、その値を特定するのに使用される装置又は方法の誤差の標準偏差を含むことを示すのに使用される。
【0082】
本明細書中使用される場合、「重量%」、「wt%」、「重量パーセンテージ」、又は「重量によるパーセンテージ」という用語は、同義で使用される。
【0083】
端点による数値範囲の記述は、全ての整数、及び適切な場合は、その範囲内に属する分数を含む(例えば、1~5は、例えば、要素の個数に言及する場合には、1、2、3、4を含むことができ、例えば測定に言及する場合には、1.5、2、2.75、及び30、3.80を含むこともできる)。端点の記述は、端点の値それ自身も含む(例えば、1.0~5.0は、1.0及び5.0の両方を含む)。本明細書中記述される数値範囲はどれであっても、その中に含まれる全てのサブ範囲を含むことを意図する。
【0084】
本明細書中に引用される全ての参照は、そのまま全体が本明細書により参照として援用される。詳細には、具体的に言及される本明細書中の全ての参照の教示は、参照として援用される。
【0085】
特に定義されない限り、本発明を開示するのに使用される全ての用語は、技術用語及び科学用語を含めて、本発明が属する技術分野の当業者が一般的に理解するとおりの意味を有する。更なる案内として、用語の定義が、本発明の教示をより良く理解するために含まれている。
【国際調査報告】