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特表2024-530700機械方向に延伸された多層フィルムを含む多層構造体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】機械方向に延伸された多層フィルムを含む多層構造体
(51)【国際特許分類】
   B32B 15/085 20060101AFI20240816BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20240816BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
B32B15/085 A
B32B27/32 C
B65D65/40 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509478
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 US2022041037
(87)【国際公開番号】W WO2023027987
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】63/235,883
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】ボッシュ、ペレ プイグ
(72)【発明者】
【氏名】ブスティーヨ、ルイス ヘラルド サラメア
【テーマコード(参考)】
3E086
4F100
【Fターム(参考)】
3E086AA23
3E086AB01
3E086AD01
3E086BA13
3E086BA15
3E086BA33
3E086BB01
3E086BB51
4F100AB10A
4F100AK04C
4F100AK04E
4F100AK07E
4F100AK69B
4F100AK70D
4F100BA05
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10E
4F100EH66
4F100EJ37C
4F100EJ37D
4F100GB16
4F100JA04E
4F100JA06E
4F100JA13A
4F100JL12E
4F100YY00D
4F100YY00E
(57)【要約】
一実施形態では、多層構造体は、機械方向延伸(MDO)多層フィルムと、第1の層と、シーラント層とを含み得る。MDO多層フィルムは、(i)金属層、及び(ii)内層、を含み得る。内層は、EVOH;PVOH;又はポリエチレンと、エチレン及びメチルアクリレート、エチルアクリレート、又はカルボン酸のインターポリマーとのブレンドを含み得る。第1の層は、金属層上に押し出され得る。第1の層は、エチレンとアクリル酸又はメタクリル酸とのインターポリマーを含み得る。インターポリマーは、5~20g/10分のメルトインデックス(I)、1~10重量%の酸含量、及び90℃~100℃の溶融温度を有し得る。シーラント層は、3~30g/10分のメルトインデックス(I)及び95℃以下のヒートシール開始温度を有するポリエチレンを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層構造体であって、
(a)(i)金属層、及び(ii)前記金属層と接着接触している内層、を含む機械方向延伸(machine direction oriented、MDO)多層フィルムであって、前記内層が、
エチレンビニルアルコール、ポリビニルアルコール、若しくはその両方、又は
ポリエチレンと、エチレン及びメチルアクリレート、エチルアクリレート、又はカルボン酸のインターポリマーとのブレンドを含む、MDO多層フィルムと、
(b)前記機械方向延伸多層フィルムの前記金属層上に押し出された第1の層であって、エチレンとアクリル酸又はメタクリル酸とのインターポリマーを含み、前記インターポリマーが、5~20g/10分のメルトインデックス(I)、1~10重量パーセントの酸含有量、及び90℃~100℃の溶融温度を有する、第1の層と、
(c)前記第1の層と接着接触しているシーラント層であって、3~30g/10分のメルトインデックス(I)及び95℃以下のヒートシール開始温度を有するポリエチレンを含む、シーラント層と、
を含む、多層構造体。
【請求項2】
前記金属層が、アルミニウム又はケイ素の酸化物を含む金属化層である、請求項1に記載の多層構造体。
【請求項3】
前記第1の層の前記インターポリマーが、エチレン、アクリル酸又はメタクリル酸、及びアルキルアクリレートのターポリマーである、請求項1又は2に記載の多層構造体。
【請求項4】
前記第1の層の前記インターポリマーが、50~98重量%のエチレンを含む、請求項1~3のいずれかに記載の多層構造体。
【請求項5】
前記シーラント層が、前記シーラント層の総重量に基づいて15~40重量パーセントの低密度ポリエチレンを含む、請求項1~4のいずれかに記載の多層構造体。
【請求項6】
前記シーラント層が、60~85重量パーセントの、0.890g/cc以下の密度及び少なくとも8g/10分のメルトフローレート(230℃及び2.16kgにおいて)を有するプロピレン系プラストマーを更に含む、請求項1~5のいずれかに記載の多層構造体。
【請求項7】
前記シーラント層が、60~85重量パーセントの、0.870g/cc~0.911g/ccの密度及び少なくとも3g/10分のメルトインデックス(I2)を有する少なくとも1つのポリエチレンを更に含む、請求項1~6のいずれかに記載の多層構造体。
【請求項8】
前記MOD多層フィルムが、1つ以上のポリエチレン層を有する、請求項1~7のいずれかに記載の多層構造体。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の多層構造体を含む、物品。
【請求項10】
前記物品が、パウチである、請求項9に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年8月23日に出願された米国特許仮出願第63/235,883号の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、多層構造体に関し、より具体的には、機械方向延伸フィルムを含む多層構造体に関する。
【背景技術】
【0003】
市場では機械方向延伸(machine direction oriented、MDO)ポリエチレンフィルムに関心が寄せられているが、MDOポリエチレンフィルムの使用における1つの制約は、他のフィルムと比較して延伸後にシーリング性能が著しく失われることである。シーリング温度の20℃~25℃の上昇は、他のフィルムと比較してMDOポリエチレンフィルムに典型的である。MDOポリエチレンフィルムはまた、積層フィルムと比較して温度耐性が低いと理解される。この要因の組み合わせによってシーリングウィンドウが非常に狭くなり、ヒートシーリング工程が必要とされる場合、そのようなMDOフィルムから物品を製造することが困難になり得る。
【0004】
したがって、コスト効率良く多層構造体におけるシーリングと収縮との間の範囲を広げることができる新規構造体が望まれている。
【発明の概要】
【0005】
シーラント層は、概して、シールされる多層構造体の他の部分の分解温度よりも低い温度でシーリング可能でなければならない。例えば、2枚のフィルムをシールバーによって一緒にシールするいくつかの生産ラインでは、両フィルムのシーラント層を互いに接触させ、シールバーをフィルムの外側層に接触させて加熱する。熱は、フィルムの外層を通して、互いをシールする内側シーラント層に伝達される。シーリング温度の低下は、多層構造体の他の層の分解(例えば、燃焼)を低減することができるので、望ましい。更に、シーリング手順は、フィルムの分解温度とシーラント層のシール開始温度との間のより広い範囲で行うことができるので、シーリング温度を低下させることにより、より一貫したシーリングが可能になる。本開示の実施形態は、本明細書に更に記載されるように、金属層と、金属層上に押し出された第1の層と、第1の層と接着接触しているシーラント層とを有するMDO多層フィルムを提供することによって、この必要性を満たす。
【0006】
本開示の一実施形態によれば、多層構造体は、機械方向延伸(MDO)多層フィルムと、第1の層と、シーラント層とを含み得る。MDO多層フィルムは、(i)金属層、及び(ii)当該金属層と接着接触している内層、を含み得る。内層は、エチレンビニルアルコール;ポリビニルアルコール;又はポリエチレンと、エチレン及びメチルアクリレート、エチルアクリレート、又はカルボン酸のインターポリマーとのブレンドを含み得る。第1の層は、MDO多層フィルムの金属層上に押し出され得る。第1の層は、エチレンとアクリル酸又はメタクリル酸とのインターポリマーを含み得る。インターポリマーは、5~20g/10分のメルトインデックス(I)、1~10重量%の酸含量、及び90℃~100℃の溶融温度を有し得る。シーラント層は、第1の層と接着接触し得る。シーラント層は、3~30g/10分のメルトインデックス(I)及び95℃以下のヒートシール開始温度を有するポリエチレンを含み得る。
【0007】
本開示の概念は、金属層を有する機械方向延伸フィルムを主に参照して本明細書に記載されるが、その概念は、任意の多層フィルムへの適用性を享受することが企図される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、特許請求される主題の例である様々な実施形態をより詳細に参照する。詳細な説明に記載される多層構造体の特徴は、そのように明示的に記載されない限り、特許請求される実施形態を限定するものとして理解されるべきではないことを理解されたい。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態によれば、多層構造体は、機械方向延伸(MDO)多層フィルムと、第1の層と、シーラント層とを含み得る。機械方向延伸(MDO)多層フィルムは、(i)金属層、及び(ii)金属層と接着接触している内層、を含み得る。いくつかの実施形態では、金属層は金属化層である。内層は、エチレンビニルアルコール;ポリビニルアルコール;又はポリエチレンと、エチレン及びメチルアクリレート、エチルアクリレート、又はカルボン酸のインターポリマーとのブレンドを含み得る。第1の層は、機械方向延伸多層フィルムの金属層上に押し出され得る。第1の層は、エチレンとアクリル酸又はメタクリル酸とのインターポリマーを含み得る。インターポリマーは、5~20g/10分のメルトインデックス(I)、1~10重量%の酸含量、及び90℃~100℃の溶融温度を有し得る。シーラント層は、第1の層と接着接触し得る。シーラント層は、3~30g/10分のメルトインデックス(I)及び95℃以下のヒートシール開始温度を有するポリエチレンを含み得る。
【0010】
1つ以上の実施形態によれば、多層構造体は、機械方向延伸フィルムを含み得る。本明細書に記載するとき、「機械方向延伸」フィルムは、フィルムを機械方向に一軸伸長して物理的特性及びバリア特性を改善することによって形成されるものである。例えば、フィルムを加熱し、一連のローラ上で縦方向に一軸延伸してもよい。本明細書で使用するとき、「機械方向」という用語は、フィルムが生産される方向におけるフィルムの長さを意味する。機械方向に配向されたフィルムは、機械方向の配向手順を受けていないものと比較して、改善された引張特性を呈し得る。
【0011】
本明細書に記載するとき、「フィルム」は、一般に大きな長さ対幅比及び幅対厚さ比を一般に有するポリオレフィン含有材料の任意の連続層を含む。1つ以上の実施形態では、フィルムは、1つ以上のオレフィン系ポリマーを含んでもよい。本明細書で使用するとき、「オレフィン系ポリマー」、「オレフィンポリマー」、及び「ポリオレフィン」という用語は、重合形態で、(ポリマーの重量に基づいて)過半量のオレフィンモノマー、例えば、エチレン又はプロピレンを含むポリマーであって、任意選択で1つ以上のコモノマーを含み得る、ポリマーを指す。「ポリマー」という用語は、同一又は異なる種類に限らず、モノマーを重合することによって調製されたポリマー化合物を指す。したがって、ポリマーという総称は、通常は1種類のみのモノマーから調製されたポリマーを指すために用いられる「ホモポリマー」という用語、並びに2つ以上の異なるモノマーから調製されたポリマーを指す「コポリマー」を包含する。本明細書に記載のフィルムは、1つを超える層を含む多層フィルムであり得る。
【0012】
本明細書で使用するとき、「インターポリマー」は、1種を超えるモノマーに由来するポリマーを指し得る。例えば、インターポリマーは、2種、3種、4種、又は4種を超えるモノマーを含み得る。本明細書で使用するとき、「ターポリマー」は、3種のモノマーに由来するポリマーを指し得る。ターポリマーは、ランダムインターポリマー、周期的インターポリマー、統計的インターポリマー、又はブロックインターポリマーとして特徴付けることができる。本明細書で使用するとき、「ランダムインターポリマー」は、ランダムな順序で分布した複数種のモノマー単位を含むインターポリマーを指し得る。本明細書で使用するとき、「周期的インターポリマー」は、繰り返しパターンで配置された3種以上のモノマー単位を含むインターポリマーを指し得る。本明細書で使用するとき、「統計的インターポリマー」は、統計的規則に従う分布を有する2つ以上のモノマー単位を含むインターポリマーを指し得る。本明細書で使用するとき、「ブロックインターポリマー」は、2つ以上のモノマー単位を含み、モノマー単位が類似のモノマー単位とクラスターを形成するインターポリマーを指し得る。例えば、ブロックインターポリマーは、AAAABBBCCCの形態の構造を有し得る。
【0013】
本明細書に記載するとき、「ポリエチレン」又は「エチレン系ポリマー」は、50モル%超のエチレンモノマー由来単位を含むポリマーを意味するものとする。これには、エチレン系ホモポリマー、エチレンコポリマー(エチレン及び追加のモノマーに由来する単位を意味する)、及びエチレンインターポリマー(エチレン及び少なくとも1つの追加のコモノマーに由来する単位を意味する)が含まれる。これらのコモノマーは、C-C12α-オレフィンコモノマーを含んでいてもよく、又は極性コモノマーを含んでいてもよい。これらの極性コモノマーとしては、カルボン酸、アクリレート、又はアセテート官能基を有するもの、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、酢酸ビニル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、及びマレイン酸のモノエチルエステルを挙げることができるが、これらに限定されない。ポリエチレンの形態としては、低密度ポリエチレン(Low Density Polyethylene、LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(Linear Low Density Polyethylene、LLDPE)、極低密度ポリエチレン(Ultra Low Density Polyethylene、ULDPE)、超低密度ポリエチレン(Very Low Density Polyethylene、VLDPE)、直鎖状低密度樹脂及び実質的に直鎖状の低密度樹脂の両方を含む、シングルサイト触媒による直鎖状低密度ポリエチレン(m-LLDPE)、中密度ポリエチレン(Medium Density Polyethylene、MDPE)、並びに高密度ポリエチレン(High Density Polyethylene、HDPE)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
加えて、本明細書に記載されるように、「LDPE」という用語はまた、「高圧エチレンポリマー」、又は「高分岐ポリエチレン」とも称され得、ポリマーが、過酸化物などのフリーラジカル開始剤を使用して、14,500psi(100MPa)を上回る圧力で、オートクレーブ又は管状反応器内で、部分的又は完全にホモ重合又は共重合されることを意味するように定義される(例えば、参照により組み込まれる米国特許第4,599,392号を参照されたい)。LDPE樹脂は、典型的には、0.916~0.940g/cmの範囲の密度を有する。
【0015】
本明細書に記載されるように、「LLDPE」という用語には、チーグラー・ナッタ触媒系を使用して作製された樹脂、並びにビス-メタロセン触媒(「m-LLDPE」と称されることもある)、ホスフィンイミン、及び拘束幾何触媒が含まれるが、これらに限定されないシングルサイト触媒を使用して作製された樹脂;並びにビス(ビフェニルフェノキシ)触媒(多価アリールオキシエーテル触媒とも称される)が含まれるが、これらに限定されないポストメタロセン分子触媒を使用して作製された樹脂が含まれ得る。LLDPEは、直鎖状の、実質的に直鎖状の、又は不均一なエチレン系コポリマー又はホモポリマーを含む。LLDPEは、LDPEよりも少ない長鎖分岐を含有し、実質的に直鎖状のエチレンポリマーを含み、米国特許第5,272,236号、米国特許第5,278,272号、米国特許第5,582,923号及び米国特許第5,733,155号において更に定義されている実質的に直鎖状のエチレンポリマー、米国特許第3,645,992号におけるような均質に分岐したエチレンポリマー、米国特許第4,076,698号に開示されているプロセスに従って調製されたものなどの不均一に分岐したエチレンポリマー、及びそれらのブレンド(米国特許第3,914,342号又は米国特許第5,854,045号に開示されているものなど)を含む。LLDPE樹脂は、当該技術分野において既知の任意の種類の反応器又は反応器構成を使用して、気相、溶液相、若しくはスラリー重合、又はそれらの任意の組み合わせを介して作製され得る。LLDPE樹脂は、当該技術分野で公知の任意の種類の反応器又は反応器構成を使用して、気相、溶液相、若しくはスラリー重合、又はそれらの任意の組み合わせによって作製され得る。
【0016】
「ULDPE」という用語は、0.895~0.915g/ccの範囲の密度を有するポリエチレン系コポリマーとして定義される。
【0017】
「MDPE」という用語は、0.926~0.935g/ccの密度を有するポリエチレンを指す。「MDPE」は、典型的には、クロム若しくはチーグラー・ナッタ触媒を使用して、又ビス-メタロセン触媒及び拘束幾何触媒などであるがこれらに限定されないシングルサイト触媒を使用して作製される。
【0018】
更に、本明細書に記載されるように、「HDPE」という用語は、一般にチーグラー・ナッタ触媒、クロム触媒、又は更にはメタロセン触媒を用いて調製される、約0.940g/cm以上の密度を有するポリエチレンを指す。
【0019】
多層構造体は、MDO多層フィルム、第1の層、及びシーラント層を含み得る。本明細書に記載されるとき、「多層構造体」は、2つ以上の層を有する任意の構造体を意味する。例えば、多層構造体(例えば、フィルム)は、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の層を有し得る。多層構造体は、文字で指定された層を有するものとして記載され得る。例えば、コア層B、並びに2つの外側層A及びCを有する3層構造体は、A/B/Cとして示され得る。同様に、2つのコア層B及びC、並びに2つの外部層A及びDを有する構造は、A/B/C/Dとして示すことになる。
【0020】
MOD多層フィルムは、10μm~100μmの厚さを有し得る。例えば、MOD多層フィルムは、10μm~90μm、10μm~75μm、10μm~60μm、10μm~45μm、10μm~30μm、20μm~100μm、20μm~90μm、20μm~75μm、20μm~60μm、20μm~45μm、20μm~30μm、又はそれらの任意の部分集合の厚さを有し得る。
【0021】
1つ以上の実施形態によれば、機械方向延伸フィルムは、150℃以下、例えば145℃以下、又は更には140℃以下の融点を有し得る。これは、より高い融点を有し得る他のフィルムとは対照的である。例えば、ポリプロピレンフィルムは、150℃を超える融点を有し得、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、250℃を超える融点を有し得る。
【0022】
MDO多層フィルムは、(i)金属層、及び(ii)当該金属層と接着接触している内層、を含み得る。「接着接触」とい言う用語及び同様の用語は、両方の層の層間表面(すなわち、接触している対向面(facial surfaces)に損傷を与えることなく一方の層を他方の層から除去することができないように、1つの層の1つの対向面と別の層の1つの対向面とが互いに触れており、かつ結合接触していることを意味する。
【0023】
金属層は、真空金属化を使用してMOD多層フィルムの外層に適用される金属化層であり得る。真空金属化は、金属源を真空環境で蒸発させ、フィルムが真空チャンバを通過するにつれて金属蒸気がフィルムの表面上で凝縮して薄層を形成する、金属を蒸着させるための周知の技術である。
【0024】
金属化層を形成するために蒸着させることができる金属としては、Al、Zn、Au、Ag、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Ti、Sn、又はそれらの酸化物が挙げられる。いくつかの実施形態では、金属化層は、アルミニウム又は酸化アルミニウム(A1)から形成される。金属化層はまた、半金属ケイ素又はその酸化物を含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、金属化層は、アルミニウム、ケイ素、又はそれらの酸化物を含み得る。
【0025】
金属化層は、有利なことに、酸素及び水蒸気に対する良好なバリアを提供し得る。MOD多層フィルムと特定の外面上に蒸着した金属化層との組み合わせにより、機械的特性及びバリア特性の両方の相乗的な組み合わせを提供することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、金属化層は、可撓性パッケージに光沢を加えるために含まれる装飾層であってもよい。当業者であれば、複数の適用可能な金属化技術に精通しているであろう。これらは、物理蒸着又は真空金属化を含み得るが、これらに限定されない。様々な厚さが企図されるが、金属化層は、1つ以上の実施形態では、100ナノメートル未満、又は10~80ナノメートル、又は20~60ナノメートルの厚さを有し得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、金属層は、結合層を有するMDO多層フィルムの残りの部分に接着している箔層であってもよい。金属層が箔層である実施形態では、箔層は、6~15μm、6~12μm、10~15μm、8~12μm、又はそれらの任意の部分集合の厚さを有し得る。
【0028】
結合層が存在する実施形態では、結合層は、マレイン酸化ポリエチレン、エチレンとカルボン酸とのコポリマー、又はそれらの組み合わせを含み得る。本明細書で使用するとき、「マレイン酸化」物質は、マレイン酸の塩又はエステルを含むものである。
【0029】
再びMDO多層フィルムを参照すると、MDO多層フィルムは、5つの層及び構造A/B/C/D/Eを有することができ、層Aは内層であり、金属化層が層Aの表面上にある。層Aは、MDO多層フィルムの全厚の10%~20%の厚さを有し得る。層Bは、MOD多層フィルムの全厚の10%~20%の厚さを有し得る。層Cは、MOD多層フィルムの全厚の20%~40%の厚さを有し得る。層Dは、MOD多層フィルムの全厚の10%~30%の厚さを有し得る。層Eは、MOD多層フィルムの全厚の10%~30%の厚さを有し得る。層は、1つの層の上に他の層が押し出されていてもよい。MOD多層フィルムは、1つ以上のポリエチレン層を有し得る。例えば、MDO多層フィルムは、2、3、4、又は5つのポリエチレン層を有し得る。
【0030】
前述したように、内層である層Aは、少なくとも1つの極性モノマーを有する少なくとも1つのポリマーを含む。例えば、内層(層A)は、エチレンビニルアルコール(ethylene vinyl-alcohol、EVOH)、ポリビニルアルコール(polyvinyl-alcohol、PVOH)、ポリエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂とエチレン及びアクリレートのインターポリマーとの混合物、又はポリエチレン樹脂とエチレン及びカルボン酸のインターポリマーとの混合物のうちの1つ以上を含み得る。
【0031】
EVOHを含む内層の実施形態では、EVOHは、0.90g/cm~1.40g/cm、又は0.95g/cm~1.20g/cm、又はそれらの任意の部分集合の密度を有し得る。層Aは、0.70g/10分~1.9g/10分のメルトインデックスを有し得る。EVOHは、1.00g/10分~3.00g/10分、又は1.00g/10分~2.50g/10分、又は1.50g/10分~2.00g/10分、又はそれらの任意の部分集合のメルトインデックスを有し得る。EVOHは、120℃~250℃、又は150℃~200、又はそれらの任意の部分集合の溶融温度を有し得る。EVOHの好適な市販の例としては、EVAL Europe NVから入手可能なEval E171B、F171B、及びJ171B市販グレードを挙げることができる。
【0032】
ポリエチレン樹脂を含む内層の実施形態では、ポリエチレンは、0.940g/cm~0.975g/cm、又は0.945g/cm~0.970g/cm、又は0.950g/cm~0.965g/cm、又はそれらの任意の部分集合の密度を有するエチレン-α-オレフィンコポリマーであり得る。エチレン-α-オレフィンコポリマーは、0.5g/10分~3.00g/10分、又は0.75g/10分~2.00g/10分、又はそれらの任意の部分集合のメルトインデックスを有し得る。エチレン-α-オレフィンコポリマーは、LLDPEであってもよい。好適な市販のLLDPE樹脂は、Dow Inc.,(Midland,MI)製のDOWLEX(商標)2750STを含み得る。加えて、好適な市販例としては、Dow Inc.(Midland,MI)製のELITE(商標)5960G1強化ポリエチレンを挙げることができる。
【0033】
エチレンとアクリレートとのインターポリマーを含む内層の実施形態では、アクリレートは、任意の好適なC-C12アクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、及びグリシジルメタクリレートを含み得る。一実施形態では、アクリレートは、n-ブチルアクリレートを含む。モノマー量に関して、エチレン-アクリレートコモノマーは、10~40重量%のアクリレート、又は15~35重量%、又は20~30重量%のアクリレートを含み得、残りはエチレンモノマーを含む。エチレン及びアクリレートのインターポリマーは、0.910g/cm~0.955g/cm、又は0.920g/cm~0.950g/cm、又は0.925g/cm~0.945g/cm、又はそれらの任意の部分集合の密度を有し得る。エチレン及びアクリレートのインターポリマーは、0.5g/10分~5.00g/10分、又は1.00g/10分~4.50g/10分、又は1.50g/10分~4.00g/10分、又はそれらの任意の部分集合のメルトインデックスを有し得る。好適な市販例としては、Dow Inc.(Midland,MI)製のELVALOY(商標)ACグレード1224、3117、及び3427を挙げることができる。
【0034】
層Bはまた、1つ以上のポリエチレンを含んでいてもよい。ポリエチレンは、0.910g/cm~0.950g/cm又は0.915~0.945g/cmの密度を有し得る。いくつかの実施形態では、より低密度のポリエチレン(0.910g/cm~0.920g/cm)とより高密度のポリエチレン(0.930g/cm~0.945g/cm)との混合物が存在していてもよい。ポリエチレンは、0.25g/10分~2.0g/10分、又は0.50g/10分~1.5g/10分、又は0.75g/10分~1.25g/10分、又はそれらの任意の部分集合のメルトインデックスを有し得る。層B中のポリエチレンは、100℃~140℃、又は110℃~130℃、又は115℃~130℃、又はそれらの任意の部分集合の溶融温度を有し得る。好適な市販例としては、Dow Inc.(Midland,MI)製のELITE(商標)5400 GS及び5940 ST強化ポリエチレンを挙げることができ、これらは個別に又はブレンドで使用することができる。
【0035】
他の実施形態では、層Bは、エチレン及び酸コポリマーを含む結合層を含み得る。1つ以上の実施形態では、結合層は、無水物グラフト化エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含み得る。本明細書で使用される「無水物グラフト化エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー」という用語は、共有結合によって連結された少なくとも1つの無水物基を含むエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを指す。無水物グラフト化エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、無水物グラフティングモノマーがグラフトされているエチレン系ポリマーであり得る。低溶融粘度の無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンにおいて好適なエチレン系ポリマーとしては、ポリエチレンホモポリマー及びα-オレフィンとのコポリマー、エチレンと酢酸ビニルとのコポリマー、並びにエチレンと1つ以上のアルキル(メタ)アクリレートとのコポリマーが挙げられるが、限定されない。特定の実施形態では、無水物グラフト化エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、マレイン酸無水物グラフト化線状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含み得る。
【0036】
1つ以上の実施形態では、無水物グラフト化エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、無水物グラフト化エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーの総重量に基づいて、最大10重量%、最大5重量%、又は0.1~4重量%のマレイン酸無水物グラフティングモノマーを含む。
【0037】
無水物グラフティング部分の例としては、限定されるものではないが、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、2-メチルマレイン酸無水物、2-クロロマレイン酸無水物、2,3-ジメチルマレイン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]-5-ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物及び4-メチル-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、ビシクロ(2.2.2)オクト-5-エン-2,3-ジカルボン酸無水物、lo-オクタヒドロナフタレン-2,3-ジカルボン酸無水物、2-オキサ-1,3-ジケトスピロ(4.4)ノナ-7-エン、ビシクロ(2.2.1)ヘプタ-5-エン-2,3-ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ノルボル-5-エン-2,3-ジカルボン酸無水物、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、ヒミック酸無水物、メチルヒミック酸無水物、並びにx-メチル-ビ-シクロ(2.2.1)ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸無水物を挙げることができる。一実施形態では、無水物グラフト部分は、無水マレイン酸を含む。
【0038】
更なる実施形態では、無水物グラフト化エチレン/α-オレフィンインターポリマーは、ASTM法D792-91に従って測定したときに0.890g/cm~0.940g/cmの密度を有する。他の密度範囲は、0.900g/cm~0.930g/cm又は0.905g/cm~0.915g/cmであり得る。1つ以上の実施形態では、無水物グラフト化エチレン/α-オレフィンインターポリマーは、190℃及び2.16kgでASTM法D1238に従って求めたときに0.5g/10分~3g/10分、又は1g/10分~2g/10分、又は1.5g/10分~2.0g/10分のメルトインデックス(I)を有し得る。無水物グラフト化エチレン/α-オレフィンインターポリマーの好適な市販例としては、Dow Inc.(Midland,MI)製のBYNEL(商標)41E687Bを挙げることができる。
【0039】
層C及びDはまた、1つ以上のポリエチレンを含んでいてもよい。層Bと同様に、ポリエチレンは、0.910g/cm~0.950g/cm又は0.915~0.945g/cmの密度を有し得る。いくつかの実施形態では、より低密度のポリエチレン(0.910g/cm~0.920g/cm)とより高密度のポリエチレン(0.930g/cm~0.945g/cm)との混合物が存在していてもよい。ポリエチレンは、0.25g/10分~2.0g/10分、又は0.50g/10分~1.5g/10分、又は0.75g/10分~1.25g/10分、又はそれらの任意の部分集合のメルトインデックスを有し得る。層B中のポリエチレンは、100℃~140℃、又は110℃~130℃、又は115℃~130℃、又はそれらの任意の部分集合の溶融温度を有し得る。好適な市販例としては、Dow Inc.(Midland,MI)製のELITE(商標)5400 GS及び5940 ST強化ポリエチレンを挙げることができ、これらは個別に又はブレンドで使用することができる。
【0040】
層Eはまた、1つ以上のポリエチレン樹脂を含んでいてもよい。ポリエチレンは、0.940g/cm~0.975g/cm、又は0.945g/cm~0.970g/cm、又は0.950g/cm~0.965g/cm、又はそれらの任意の部分集合の密度を有するエチレン-α-オレフィンコポリマーであってもよい。エチレン-α-オレフィンコポリマーは、0.5g/10分~3.00g/10分、又は0.75g/10分~2.00g/10分、又はそれらの任意の部分集合のメルトインデックスを有し得る。エチレン-α-オレフィンコポリマーは、LLDPEであってもよい。好適な市販のLLDPE樹脂は、Dow Inc.,(Midland,MI)製のDOWLEX(商標)2750STを含み得る。加えて、好適な市販例としては、Dow Inc.(Midland,MI)製のELITE(商標)5960G1強化ポリエチレンを挙げることができる。
【0041】
上記の第1層を再び参照すると、第1の層は、機械方向延伸多層フィルムの金属化層上に押出コーティングされてもよい。本明細書に記載するとき、第1の層を押し出すことは、ダイを通して第1の層を形成して、所望の層厚及び他の物理的特徴を形成することを含み得る。本開示のポリマーブレンドは、フィルム製作用の押出コーター(又は他の機器)に供給する前に、規定量の成分を二軸押出機で溶融ブレンドすることによって調製され得る。かかるポリマーブレンドは、フィルム製作用の押出コーター(又は他の機器)に供給する前に、規定量の成分をタンブルブレンドすることによっても調製され得る。いくつかの実施形態では、ポリマーブレンドは、ペレットの形態であってよい。例えば、個々の成分を溶融ブレンドし、次いで、本明細書の教示に基づいて、二軸押出機又は当業者に既知の他の技術を使用してペレットに成形してよい。いくつかの実施形態では、ポリマーブレンドは、押出コーターに供給する前にタンブルブレンドされる、配合されたペレットと追加のポリマーとの組み合わせを含み得る。
【0042】
第1の層は、2グラム/平方メートル(gsm)~16gsmの負荷でMDO多層フィルム上に押し出されていてもよい。例えば、第1の層は、2gsm~12gsm、2gsm~8gsm、2gsm~6gsm、4gsm~16gsm、4gsm~12gsm、4gsm~8gsm、又はこれらの任意の部分集合の負荷を有し得る。
【0043】
第1の層のインターポリマーは、50重量%~98重量%のエチレンモノマーを含み得る。例えば、第1の層のインターポリマーは、60重量%~98重量%、70重量%~98重量%、80重量%~98重量%、90重量%~98重量%、50重量%~90重量%、50重量%~80重量%、50重量%~70重量%、50重量%~60重量%、60重量%~90重量%、70重量%~80重量%、又はこれらの任意の部分集合のエチレンを含み得る。
【0044】
第1の層は、エチレンとアクリル酸又はメタクリル酸とのインターポリマーを含み得る。
【0045】
第1の層のインターポリマーは、5~20g/10分のメルトインデックス(I)を有し得る。例えば、第1の層のインターポリマーは、5~18g/10分、8~20g/10分、8~18g/10分、5~15g/10分、12~20g/10分、12~15g/10分、又はそれらの任意の部分集合のIを有し得る。本明細書で使用するとき、「メルトインデックス」(I)は、190℃の温度及び2.16kgの負荷でASTM D1238によって測定される、ポリマーのメルトフローレートの尺度である。「メルトインデックス」は、本明細書では「I」及び「メルトフローレート」と称される場合もある。
【0046】
第1の層のインターポリマーは、1~10重量パーセント(重量%)の酸含有量を有し得る。本明細書で使用するとき、「酸含有量」は、インターポリマーの総重量に対するアクリル酸の量を指す。例えば、第1の層のインターポリマーは、1重量%~9重量%、1重量%~8重量%、1重量%~6重量%、2重量%~10重量%、3重量%~10重量%、4重量%~10重量%、2重量%~8重量%、3重量%~7重量%、4重量%~6重量%、又はこれらの任意の部分集合の酸含有量を有し得る。
【0047】
第1の層のインターポリマーは、90℃~100℃の溶融温度を有し得る。例えば、第1の層のインターポリマーは、90℃~98℃、90℃~96℃、90℃~94℃、90℃~92℃、92℃~98℃、92℃~96℃、92℃~94℃、94℃~98℃、94℃~96℃、96℃~98℃、又はそれらの任意の部分集合の溶融温度を有し得る。
【0048】
第1の層のインターポリマーは、エチレン、アクリル酸又はメタクリル酸、及びアルキルアクリレートのターポリマーであってよい。例えば、第1の層のインターポリマーは、エチレン、アクリル酸、及びアルキルアクリレートのターポリマーであってもよく、又は第1の層のインターポリマーは、エチレン、メタクリル酸、及びアルキルアクリレートのターポリマーであってもよい。本開示の1つ以上の実施形態では、インターポリマーは、Dow Inc(Midland,MI)から入手可能なNUCREL(商標)ラインのメンバーであってもよい。
【0049】
多層構造体は、シーラント層を含み得る。シーラント層は、一般に、そのシーラント層によって2つの多層構造体を互いにシールするために加熱及び加圧され得る。シーラント層は、第1の層と接着接触し得る。
【0050】
1つ以上の実施形態では、シーラント層は、第1の層と接着接触し得る。1つ以上の実施形態では、シーラント層は、第1の層上に押し出され得る。本明細書に記載するとき、シーラント層を押し出すことは、ダイを通してシーラント層を形成して、所望の層厚及び他の物理的特徴を形成することを含み得る。
【0051】
シーラント層は、10グラムgsm~30gsmの負荷で第1の層上に押し出されていてもよい。例えば、シーラント層は、10gsm~26gsm、10gsm~24gsm、10gsm~21gsm、14gsm~30gsm、14gsm~26gsm、14gsm~24gsm、14gsm~21gsm、18gsm~30gsm、18gsm~24gsm、18gsm~21gsm、18gsm~20gsm、又はこれらの任意の部分集合の負荷を有し得る。
【0052】
シーラント層は、60重量%~85重量%の少なくとも1つのポリエチレンを含み得る。例えば、シーラント層は、60重量%~80重量%、60重量%~75重量%、60重量%~70重量%、65重量%~85重量%、70重量%~85重量%、75重量%~85重量%、65重量%~80重量%、70重量%~75重量%、又はこれらの任意の部分集合の少なくとも1つのポリエチレンを含み得る。
【0053】
シーラント層は、0.870グラム/立方センチメートル(g/cc)~0.911g/ccの密度を有するポリエチレンを含み得る。例えば、シーラント層は、0.870g/cc~0.901g/cc、0.870g/cc~0.891g/cc、0.870g/cc~0.881g/cc、0.880g/cc~0.911g/cc、0.890g/cc~0.911g/cc、0.901g/cc~0.911g/cc、0.880g/cc~0.901g/cc、又はそれらの任意の部分集合の密度を有するポリエチレンを含み得る。
【0054】
シーラント層は、少なくとも3g/10分のメルトインデックス(I)を有するポリエチレンを含み得る。例えば、シーラント層は、少なくとも4g/10分、少なくとも5g/10分、少なくとも7.5g/10分、少なくとも10g/10分、少なくとも15g/10分、少なくとも20g/10分、少なくとも25g/10分、又は更には少なくとも30g/10分のIを有するポリエチレンを含み得る。
【0055】
シーラント層は、3~30g/10分のメルトインデックス(I)を有するポリエチレンを含み得る。例えば、シーラント層は、3~25g/10分、3~15g/10分、3~10g/10分、8~30g/10分、8~20g/10分、16~30g/10分、16~25g/10分、又はそれらの任意の部分集合のメルトインデックス(I)を有するポリエチレンを含み得る。本明細書で使用するとき、メルトインデックス(I)は、190℃の温度及び2.16kgの負荷でASTM D1238によって測定される、ポリマーのメルトフローレートの尺度である。
【0056】
シーラント層は、95℃以下のヒートシール開始温度を有するポリエチレンを含み得る。例えば、シーラント層は、92.5℃以下、90℃以下、87.5℃以下、85℃以下、82.5℃以下、80℃以下、75℃以下、又は更には70℃以下のヒートシール開始温度を有するポリエチレンを含み得る。
【0057】
1つ以上の実施形態では、シーラント層は、低密度ポリエチレンを含んでもよい。
【0058】
1つ以上の実施形態によれば、シーラント層は、シーラント層の総重量に基づいて、15~40重量パーセント(重量%)の低密度ポリエチレンを含み得る。例えば、シーラント層は、シーラント層の総重量に基づいて、15重量%~20重量%、20重量%~25重量%、25重量%~30重量%、30重量%~35重量%、35重量%~40重量%、又はこれらの範囲の任意の組み合わせの低密度ポリエチレンを含み得る。更なる実施形態では、シーラント層は、シーラント層の総重量に基づいて、15重量%~30重量%の低密度ポリエチレンを含み得る。
【0059】
1つ以上の実施形態では、シーラント層の低密度ポリエチレンは、0.9g/10分~3.5g/10分のメルトインデックス(I)を有し得る。例えば、シーラント層の低密度ポリエチレンは、0.9g/10分~3.0g/10分、0.9g/10分~2.8g/10分、0.9g/10分~2.5g/10分、1.1g/10分~3.5g/10分、1.4g/10分~3.5g/10分、1.1g/10分~3.0g/10分、1.3g/10分~2.5g/10分、又はそれらの任意の部分集合のメルトインデックスを有し得る。
【0060】
1つ以上の実施形態では、シーラント層の低密度ポリエチレンは、0.918g/cmの密度、2.3g/10分のメルトインデックス、及び110℃の融点を有するDOW(商標)LDPE 770G(Dow Inc(Midland,MI)から市販されている)、又は0.918g/cmの密度及び1.5g/10分のメルトインデックスを有するAGILITY(商標)EC 7220 Performance LDPE(Dow Inc(Midland,MI)から市販されている)から選択され得る。しかしながら、他のLDPEがシーラント層における使用のために企図され、本明細書に記載される実施形態は、これらのポリマーを含むものに限定されない。
【0061】
シーラント層は、プロピレン系プラストマーを含んでいてもよい。本明細書に記載するとき、「プロピレン系プラストマー」は、50モル%を超えるプロピレンモノマー由来単位を含むプラストマーを指す。これには、プロピレン系ホモポリマー又はインターポリマー(2つ以上のモノマー由来の単位を意味する)が含まれる。プラストマーは、一般に、エラストマー及び熱可塑性プラスチックの品質を兼ね備えたポリマー材料として理解され得る。
【0062】
1つ以上の実施形態によれば、シーラント層は、シーラント層の総重量に基づいて、60重量%~85重量%のプロピレン系プラストマーを含み得る。例えば、シーラント層は、シーラント層の総重量に基づいて、60重量%~65重量%、65重量%~70重量%、70重量%~75重量%、75重量%~80重量%、80重量%~85重量%、又はこれらの範囲の任意の組み合わせのプロピレン系プラストマーを含み得る。
【0063】
1つ以上の実施形態によれば、プロピレン系プラストマーは、0.890g/cm以下の密度を有し得る。例えば、プロピレン系プラストマーは、0.860g/cm~0.890g/cm、例えば、0.860g/cm~0.865g/cm、0.865g/cm~0.870g/cm、0.870g/cm~0.875g/cm、0.875g/cm~0.880g/cm、0.880g/cm~0.885g/cm、0.885g/cm~0.890g/cm、又はこれらの範囲の任意の組み合わせの密度を有し得る。
【0064】
1つ以上の実施形態では、プロピレン系プラストマーは、少なくとも8g/10分のメルトインデックス(I)(230℃及び2.16kgにおける)を有し得る。例えば、プロピレン系プラストマーは、8g/10分~35g/10分、例えば8g/10分~15g/10分、15g/10分~20g/10分、20g/10分~25g/10分、25g/10分~30g/10分、30g/10分~35g/10分、又はこれらの範囲の任意の組み合わせのメルトフローレート(230℃及び2.16kgで)を有してもよい。特に明記しない限り、本明細書に記載するとき、メルトインデックス(I)は、ASTM D 1238-10、条件230℃/2.16kgに従って測定され、10分当たりに溶出されるグラムで報告される。
【0065】
1つ以上の実施形態では、プロピレン系プラストマーは、70℃~100℃の融点を有し得る。例えば、プロピレン系プラストマーは、70℃~80℃、80℃~90℃、90℃~100℃、又はこれらの範囲の任意の組み合わせの融点を有し得る。
【0066】
1つ以上の実施形態では、プロピレン系プラストマーは、プロピレン及びエチレンの単位を含むインターポリマーであってもよい。1つ以上の実施形態によれば、プロピレン系プラストマーは、2モル%~12モル%のエチレン含有量を有し得る。例えば、プロピレン系プラストマーは、2モル%~4モル%、4モル%~6モル%、6モル%~8モル%、8モル%~10モル%、10モル%~12モル%、又はこれらの範囲の任意の組合せのエチレン含有量を有し得る。
【0067】
1つ以上の実施形態では、プロピレン系プラストマーは、0.876g/cmの密度、25g/10分のメルトインデックス、及び84℃の融点を有する、VERSIFY(商標)4200プラストマー(Dow Inc(Midland,MI)から市販されている)であってよい。しかしながら、他のプロピレン系プラストマーがシーラント層における使用のために企図され、本明細書に記載される実施形態は、これらのポリマーを含むものに限定されない。
【0068】
1つ以上の実施形態によれば、シーラント層は、低密度ポリエチレンとプロピレン系プラストマーとの組み合わせを含み得る。例えば、シーラント層は、シーラント層の総重量に基づいて、15重量%~40重量%の低密度ポリエチレン及び60重量%~85重量%のプロピレン系プラストマーを含み得る。
【0069】
本開示の実施形態はまた、本開示の多層構造体から形成されたパッケージなどの物品に関する。このようなパッケージは、本明細書に記載される本開示の多層構造体のいずれかから形成することができる。このような物品の例としては、可撓性パッケージ、パウチ、自立型パウチ、及び既製パッケージ又は既製パウチが挙げられ得る。本開示の特定の実施形態によれば、物品はパウチであってよい。
【0070】
パウチは、少なくとも25mmの長さを有し得る。例えば、パウチは、少なくとも50mm、少なくとも75mm、少なくとも100mm、少なくとも150mm、又は少なくとも200mmの長さを有し得る。パウチは、少なくとも25mmの幅を有し得る。例えば、パウチは、少なくとも50mm、少なくとも75mm、少なくとも100mm、少なくとも150mm、又は少なくとも200mmの幅を有し得る。
【0071】
パウチは、少なくとも25ミリリットル(mL)の体積を有し得る。例えば、パウチは、少なくとも50mL、少なくとも75mL、少なくとも100mL、少なくとも150mL、少なくとも200mL、少なくとも250mL、少なくとも300mL、少なくとも400mL、少なくとも500mL、少なくとも750mL、少なくとも1000mL、少なくとも1500mL、少なくとも2000mL、又は少なくとも2500mLの体積を有し得る。
【0072】
パウチは、シールされた層を有し得る。シールされた層は、パウチの2つの層を熱及び圧力下で一緒に融合させたスポットであってよい。シールされた層は、シールの幅15mm当たり少なくとも3ニュートン(N/15mm)の剥離強度を有し得る。例えば、シールされた層は、少なくとも4N/15mm、少なくとも5N/15mm、又は少なくとも6N/15mmの剥離強度を有し得る。シール強度は、ASTM D903に従って測定することができる。
【実施例
【0073】
MDO多層フィルム、MDO多層フィルム上に押し出された第1の層、及び第1の層と接着接触しているシーラント層からサンプルパウチを調製した。
【0074】
MDO多層フィルムは、25μmの全厚を有していた。フィルムをA/B/C/D/Eの順に配置した。それぞれの層の各々は、MDO多層フィルムの厚さの15%/15%/30%/20%/20%であった。
【0075】
【表1】
【0076】
層Aは、MDO多層フィルムの全厚の15%であり、EVOH Eval J171を含んでいた。層Bは、MDO多層フィルムの全厚の15%であり、Bynel 41E687を含んでいた。層Cは、多層フィルムの全厚の30%であり、80%のElite 5940 ST+20%のELITE(商標)5400 GSを含んでいた。層Dは、MDO多層フィルムの全厚の20%であり、ELITE(商標)5940 STを含んでいた。層Eは、MDO多層フィルムの全厚の20%であり、ELITE(商標)5960G1を含んでいた。
【0077】
それぞれ65/65/90/65/65mmのスクリュー設定及び直径400mmのダイヘッドを備えるHosokawa-Alpine 5層インフレーションフィルムライン上で、金属化基材として使用される上記のMDOフィルムを調製した。MDO前の一次フィルムの厚さは130μmであった。引取速度は16.1メートル/分(m/分)であった。出力は370kg/時であった。ブローアップ比(BUR)は、3.0であった。
【0078】
各押出機の温度プロファイルは以下の通りであった:A=全てのゾーンで225℃;B=全てのゾーンで200℃;C=全てのゾーンで200℃;D=全てのゾーンで220℃;E=全てのゾーンで225℃;及びダイヘッド=全てのゾーンで228℃。
【0079】
次いで、形成されたフィルムをMDO伸長に付して、MDOフィルムを形成した。伸長工程は、4つの予熱器並びに4つのアニーリング及び冷却ローラを備えるHosokawa-Alpine MDOユニットで行った。システムの関連部分における速度及び比は、16.1m/分の取り入れ速度;87.2の出口速度;及び5.43の全伸長比である。関連温度は、予熱1=105℃;予熱2=115℃;伸長1=115℃;伸長2=115℃;アニーリング=110℃;及び冷却=75℃である。
【0080】
BobstによるK5 Expert Systemを使用して真空蒸着によってMDO基材フィルムを更に金属化した。30nmの厚さを有する金属化層を、層Bに面する層Aの表面と反対側の層Aの表面上に蒸着させた。
【0081】
MDO基板フィルムを10-4Torrの圧力の真空チャンバ内に配置した。アルミニウムワイヤを真空チャンバ内に配置し、1400℃に加熱した。次いで、MDO基材フィルムを500m/分の速度で真空チャンバに通した。アルミニウム層の最終コーティング厚は約30nmであった。
【0082】
次いで、第1の層をMDO多層フィルム上に押し出し、これは6グラム/平方メートル(gsm)のNUCREL(商標)3990を含んでいた。285℃の溶融温度及び100m/分のライン速度及び250mmの空隙を使用し、ErWePa押出コーティングラインを使用してポリマーをコーティングした。他の全ての条件は、この周知の加工技術の典型であった。第1の層は、MDOフィルムの層Eと直接接触していた。
【0083】
シーラント層を第1の層上に押し出し、これは80重量%のAFFINITY(商標)PL1280(Dow Inc.)及び20重量%のAGILITY(商標)EC7220を含む19gsmのブレンドを含んでいた。加工条件及び機械設定は、上述の層と同じである。第1の層及びシーラント層の全厚は25μmであった。
【0084】
実施例1:パウチ
MDO多層フィルム、第1の層、及びシーラント層を含む多層構造体をパウチに成形した。110℃のクロスシール温度、120℃のロングシール温度、及び300ミリ秒(ms)の滞留時間でパウチをヒートシールした。多層フィルムの全厚は、50μmであった。パウチを60パウチ/分ppmの速度でシールし、それぞれの長さは240ミリメートル(mm)であった。パウチは、Bosch VFFシーリングラインで試験したときに気密封止されていることが示され、良好な視覚的外観を有するとみなされた。
【0085】
実施例2:ホットタック
更に、多層フィルムをホットタック強度について試験した。操作条件は、以下の通りであった:シール圧は0.5N/mmであり、シール時間は0.5秒であり、冷却時間は0.2秒であり、剥離速度は200mm/秒であり、サンプル幅は15mmであった。結果を以下の通り表2に示す。100℃等のより低温で存在するホットタックは、本多層フィルムがより低温でヒートシール開始を始めることを示す。
【0086】
【表2】
【0087】
試験方法
特に明記しない限り、以下の試験方法を利用して、以下に示すそれぞれの特性を測定する。
【0088】
密度
密度測定用のサンプルは、ASTM D4703に従って調製しなければならない。サンプル加圧の1時間以内に、ASTM D792、方法Bに従って測定を行わなければならない。
【0089】
融点
融点(Tm)は、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry、DSC)を使用して測定しなければならない。示差走査熱量測定(DSC)は、DSC、例えばRCS冷却付属品及びオートサンプラーを備えるTA Instruments Q1000 DSCで測定することができる。サンプルの融点(Tm)は、ASTM D3418に従って測定しなければならない。
【0090】
ヒートシール測定
フィルム上のヒートシール測定は、ASTM F-88(技法A)に従って市販の引張試験機で実施しなければならない。ヒートシール試験は、可撓性バリア材料のシールの強度(シール強度)のゲージである。これは、シールを含有する材料の試験ストリップを分離するのに必要な力を測定することによって行い、試験片の破損のモードを特定する。シール強度は、開封力とパッケージの完全性に関連する。切断する前に、フィルムを、ASTM D-618(手順A)に従って、23℃(±2℃)及び50%(±5%)R.H.(相対湿度)で最低40時間調整した。次に、シートを、3層の共押出積層フィルムから縦方向に約11インチの長さ及び約8.5インチの幅に切断する。シーリング圧力又は滞留力0.138N/mm(20psi)、並びに滞留時間0.3秒及び0.5秒の条件下で一定の温度範囲にわたって、シートをBrugger HSG-Cシーラー上で機械方向にヒートシールする。
【0091】
シールは、Brugger HSG-Cシーラー内で、0.5秒の滞留時間、210Nのシールバー圧力で実施し得る。シールされた試験片は、10インチ/分(4.2mm/秒又は250mm/分)においてInstron Tensiomer内で試験され得る。
【0092】
ホットタック
「ホットタック強度」などの用語は、シールが作成された直後、かつ周囲温度に冷却される前に、可撓性ウェブの熱可塑性表面の間に形成されたヒートシールの強度を意味する。フォームフィル操作では、パッケージのシールされた領域は、まだ熱いうちに破壊的な力を受けることがよくある。ホットシールのこれらの力に対する耐性が不十分な場合、パッケージングプロセス中に破損が発生し得る。ホットタック強度は、ホットシール強度としても知られ、この品質が重要である商用的応用での遂行能力において材料を特徴付け、ランク付けるための尺度である。ホットタック強度は、ASTM F1921に従って以下のように測定され得る。
【0093】
ホットタック開始温度は、ホットタック強度が少なくとも所定の閾値強度である温度を指す。例えば、ホットタック開始温度は、1.0N/15mmで求めることができる。
【0094】
いくつかの態様が本開示で説明される。第1の態様は、(a)機械方向延伸(MDO)多層フィルムであって、(i)金属層及び(ii)当該金属層と接着接触している内層、を含み、当該内層が、エチレンビニルアルコール、ポリビニルアルコール、若しくはその両方;又はポリエチレンと、エチレン及びメチルアクリレート、エチルアクリレート、若しくはカルボン酸のインターポリマーとのブレンドを含む、MDO多層フィルムと、(b)当該機械方向延伸多層フィルムの当該金属層上に押し出された第1の層であって、エチレンとアクリル酸又はメタクリル酸とのインターポリマーを含み、当該インターポリマーが、5~20g/10分のメルトインデックス(I)、1~10重量パーセントの酸含有量、及び90℃~100℃の溶融温度を有する、第1の層と、(c)当該第1の層と接着接触しているシーラント層であって、3~30g/10分のメルトインデックス(I)及び95℃以下のヒートシール開始温度を有するポリエチレンを含む、シーラント層と、を含む、多層構造体であり得る。
【0095】
別の態様は、金属層が、アルミニウム又はケイ素の酸化物を含む金属化層である、任意の他の既に開示された態様を含み得る。
【0096】
別の態様は、第1の層のインターポリマーが、エチレン、アクリル酸又はメタクリル酸、及びアルキルアクリレートのターポリマーである、任意の他の既に開示された態様を含み得る。
【0097】
別の態様は、第1の層のインターポリマーが、50~98重量%のエチレンを含む、任意の他の既に開示された態様を含み得る。
【0098】
別の態様は、シーラント層が、シーラント層の総重量に基づいて15~40重量パーセントの低密度ポリエチレンを含む、任意の他の既に開示された態様を含み得る。
【0099】
別の態様は、シーラント層が、60~85重量パーセントの、0.890g/cc以下の密度及び少なくとも8g/10分のメルトフローレート(230℃及び2.16kgにおいて)を有するプロピレン系プラストマーを更に含む、任意の他の既に開示された態様を含み得る。
【0100】
別の態様は、シーラント層が、60~85重量パーセントの、0.870g/cc~0.911g/ccの密度及び少なくとも3g/10分のメルトインデックス(I2)を有する少なくとも1つのポリエチレンを更に含む、任意の他の既に開示された態様を含み得る。
【0101】
別の態様は、MDO多層フィルムが、1つ以上のポリエチレン層を有する、任意の他の既に開示された態様を含み得る。
【0102】
別の態様は、任意の既に開示された態様の多層構造体を含む物品を含み得る。別の実施形態では、物品は、パウチである。
【0103】
「少なくとも1つの」構成要素、要素等の本明細書における記述は、冠詞「a」又は「an」の代替的使用が単一の構成要素、要素等に限定されるべきであるという推論を生み出すために使用されるべきではないことにも留意されたい。
【0104】
本開示の主題を、詳細に、かつ、その特定の実施形態を参照することによって、説明してきたが、本明細書に開示される様々な詳細は、特定の要素が本記載に付随する図面の各々に示されている場合でさえ、これらの詳細が本明細書に記載の様々な実施形態の必須構成要素である要素に関連することを意味すると解釈されるべきではないことに留意されたい。更に、添付の特許請求の範囲で定義される実施形態を含むがこれらに限定されず、本開示の範囲から逸脱することなく、修正及び変形が可能であることは明らかであろう。より具体的には、本開示のいくつかの態様は、本明細書において好ましいか又は特に有利なものとして特定されるが、本開示は、必ずしもこれらの態様に限定されるものではないことが企図される。
【0105】
以下の特許請求の範囲のうちの1つ以上は、「ここで(wherein)」という用語を移行句として利用していることに留意されたい。本発明を定義する目的で、この用語は、構造の一連の特徴の列挙を導入するために使用される制限のない移行句として特許請求の範囲に導入され、より一般的に使用される制限のない「を含む」というプリアンブル用語と同様に解釈されるべきであることに留意されたい。
【国際調査報告】