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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】皮膚消毒ワイプ
(51)【国際特許分類】
   A61M 35/00 20060101AFI20240816BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 31/045 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 33/18 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 31/055 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 31/155 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 31/14 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 31/085 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 31/4425 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 31/4166 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 31/425 20060101ALI20240816BHJP
   A61Q 17/00 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 8/20 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 8/43 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
A61M35/00 Z
A61P17/00 101
A61K31/045
A61K33/18
A61K31/055
A61K31/155
A61K31/14
A61K31/085
A61K31/4425
A61K31/4166
A61K31/425
A61Q17/00
A61K8/34
A61K8/20
A61K8/43
A61K8/41
A61K8/49
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510222
(86)(22)【出願日】2022-08-16
(85)【翻訳文提出日】2024-03-26
(86)【国際出願番号】 US2022040469
(87)【国際公開番号】W WO2023023061
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/234,110
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シシャ プラサド
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン エム.ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ラフル マルヴィヤ
(72)【発明者】
【氏名】シャシュワト ジェイン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィニート アチャリヤ
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィ カウシィク
【テーマコード(参考)】
4C083
4C086
4C206
4C267
【Fターム(参考)】
4C083AB101
4C083AB102
4C083AC091
4C083AC092
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC471
4C083AC472
4C083AC691
4C083AC692
4C083AC741
4C083AC742
4C083AC811
4C083AC812
4C083AC851
4C083AC852
4C083AC861
4C083AC862
4C083BB48
4C083CC02
4C083DD23
4C083EE12
4C083EE50
4C086AA01
4C086AA10
4C086BC17
4C086BC38
4C086BC79
4C086HA09
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA20
4C086ZA90
4C206AA01
4C206AA10
4C206CA03
4C206CA18
4C206CA28
4C206FA42
4C206HA31
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA04
4C206NA20
4C206ZA90
4C267AA62
4C267CC01
4C267GG02
4C267GG05
4C267GG08
4C267GG12
4C267GG46
(57)【要約】
消毒用組成物を患者の皮膚に塗布するための皮膚消毒器具であって、皮膚消毒器具は、消毒用組成物を吸収するように構成されたアプリケータであって、アプリケータは、上面および底面を備え、底面は、患者の皮膚に消毒用組成物を適用するように構成された、アプリケータと、皮膚消毒器具を使用するときに、使用者によって掴まれる、皮膚消毒器具の一部を提供するように構成された、グリップ部分とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消毒用組成物を患者の皮膚に塗布するための皮膚消毒器具であって、
前記消毒用組成物を吸収するように構成されたアプリケータであって、前記アプリケータは、上面および底面を含み、前記底面は、前記消毒用組成物を前記患者の皮膚に塗布するように構成された、前記アプリケータと、
前記アプリケータを受容し、前記皮膚消毒器具を使用するときに、使用者によって掴まれる、皮膚消毒器具の一部を提供する、保持部分と、
を含むことを特徴とする皮膚消毒器具。
【請求項2】
請求項1に記載の皮膚消毒器具であって、前記アプリケータと前記保持部分は、異なる材料で作製されることを特徴とする皮膚消毒器具。
【請求項3】
請求項1に記載の皮膚消毒器具であって、前記アプリケータは、スポンジ材料で作製され、前記保持部分は、プラスチック材料で作製されることを特徴とする皮膚消毒器具。
【請求項4】
請求項1に記載の皮膚消毒器具であって、前記保持部分は、前記アプリケータに対する支持を提供するための、少なくとも1つの補強部材を含むことを特徴とする皮膚消毒器具。
【請求項5】
請求項1に記載の皮膚消毒器具であって、前記保持部分は、前記アプリケータの少なくとも一部を受容する空洞を画定することを特徴とする皮膚消毒器具。
【請求項6】
請求項1に記載の皮膚消毒器具であって、前記アプリケータは、天然スポンジおよび合成スポンジのうちの少なくとも1つであることを特徴とする皮膚消毒器具。
【請求項7】
請求項6に記載の皮膚消毒器具であって、前記合成スポンジは、ポリウレタン、ポリエステル、および/または、植物セルロースのうちの、少なくとも1つを含むことを特徴とする皮膚消毒器具。
【請求項8】
請求項1に記載の皮膚消毒器具であって、前記消毒用組成物は、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロパノール、および/または、その混合物を含む、1つまたは複数のアルコールを含むことを特徴とする皮膚消毒器具。
【請求項9】
請求項1に記載の皮膚消毒器具であって、前記消毒用組成物は、1つまたは複数の非アルコール系化合物を含むことを特徴とする皮膚消毒器具。
【請求項10】
請求項9に記載の皮膚消毒器具であって、前記1つまたは複数の非アルコール系化合物は、ヨウ素、パラクロロメタキシレノール、ビスビグアナイド、グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)、クロルヘキシジンジアセテート、クオタニウム類化合物、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、クロロキシレノール、トリクロサン、ヘキサクロロフェン、オクテニジン、ジアゾリジニル尿素、メチルクロロイソチアゾリン、メチルイソチアゾリン、トリクロサン、および/または、その混合物のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする皮膚消毒器具。
【請求項11】
請求項1に記載の皮膚消毒器具であって、前記消毒用組成物は、アルコール系化合物と非アルコール系化合物の混合物を含むことを特徴とする皮膚消毒器具。
【請求項12】
請求項1に記載の皮膚消毒器具であって、前記消毒用組成物は、CHGおよびアルコールを含むことを特徴とする皮膚消毒器具。
【請求項13】
請求項12に記載の皮膚消毒器具であって、前記アルコールは、イソプロピルアルコールであることを特徴とする皮膚消毒器具。
【請求項14】
請求項13に記載の皮膚消毒器具であって、前記消毒用組成物は、約2%(w/v)のCHG、および、約70%(v/v)のイソプロピルアルコールを含むことを特徴とする皮膚消毒器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年8月17日に出願された、「皮膚消毒ワイプ」と題する、米国仮出願第63/234,110号に対する優先権を主張し、その全開示は、その全体への参照により、本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本開示は、皮膚消毒ワイプに関し、より具体的には、患者の皮膚表面に消毒剤を塗布する際に、使用者の皮膚表面と患者の皮膚表面との間の接触を低減または排除する、皮膚消毒ワイプに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
患者の皮膚を適切に洗浄および消毒すること、例えば、限定されないが、患者の皮膚を通しての注射や吸引、または、手術部位のための消毒は、介入中および介入後の、感染を含む有害事象の可能性を軽減するために非常に重要である。しかし、これらの処置のために患者を迅速に消毒することのプレッシャーから、環境に固有の注意散漫までの、多くの理由により、多くの臨床医や他のスタッフは、例えば、30秒間の洗浄と、それに続く、乾燥皮膚領域のための30秒間の乾燥という、推奨されるガイドラインのような、適切な洗浄および消毒技術に従わない。
【0003】
さらに、患者の皮膚消毒のための現在の方法は、消毒ワイプの使用によって支配される。これらの消毒用ワイプは、消毒ワイプを適用する使用者による、患者の皮膚の偶発的接触と、不適切な無菌技術につながる傾向があり、その両方が、患者の皮膚表面の汚染と増大した感染率につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の開示を考慮すると、当技術分野では、消毒剤を患者の皮膚表面に塗布する際に、使用者の皮膚表面と患者の皮膚表面との間の接触を低減または排除する、消毒剤ワイプに対する、目下の必要性が存在する。当技術分野では、消毒剤を患者の皮膚表面に塗布する際に、使用者の皮膚表面と患者の皮膚表面との接触を低減または排除し、大量生産のために費用対効果を維持する、消毒剤ワイプに対して、さらなる必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のいくつかの非限定的な実施形態および態様では、患者の皮膚に消毒用組成物を塗布するための皮膚消毒器具は、消毒用組成物を吸収するように構成されたアプリケータであって、アプリケータは上面および底面を備え、底面は、患者の皮膚に消毒用組成物を塗布するように構成された、アプリケータと、皮膚消毒器具を使用するときに、使用者によって掴まれる、皮膚消毒器具の一部を提供するように構成される、グリップ部分と、を含み得る。
【0006】
本開示のいくつかの非限定的な実施形態または態様では、アプリケータおよびグリップ部分は、同じ材料で作製され得る。グリップ部分は、リング状構造であり得る。グリップ部分は、アプリケータから離れる方向に曲げられた、皮膚消毒器具の対向する端部から形成され得る。アプリケータおよびグリップ部分は、単一の材料から形成され得る。
【0007】
1つの非限定的な実施形態または態様では、患者の皮膚に消毒用組成物を塗布するための皮膚消毒器具は、消毒用組成物を吸収するように構成されたアプリケータであって、アプリケータは、上面および底面を備え、底面は、患者の皮膚に消毒用組成物を塗布するように構成された、アプリケータと、皮膚消毒器具を使用するときに、使用者によって掴まれる、皮膚消毒器具の一部を提供するための、アプリケータを受容する保持部分と、を含み得る。
【0008】
いくつかの非限定的な実施形態または態様では、アプリケータおよび保持部分は、異なる材料で作製され得る。アプリケータは、スポンジ材料で作製され得、保持部分は、プラスチック材料で作製され得る。保持部分は、アプリケータに支持を提供するための、少なくとも1つの補強部材を含み得る。保持部分は、アプリケータの少なくとも一部を受容する空洞を画定し得る。
【0009】
一構成では、消毒用組成物を患者の皮膚に塗布するための皮膚消毒器具は、消毒用組成物を吸収するように構成されたアプリケータであって、アプリケータは、上面および底面を含み、底面は、患者の皮膚に消毒用組成物を塗布するように構成された、アプリケータと、皮膚消毒器具を使用するときに、使用者によって掴まれる、皮膚消毒器具の一部を提供するための、アプリケータを受容する保持部分と、を含む。
【0010】
特定の構成では、アプリケータと保持部分は、異なる材料で作製され得る。
【0011】
特定の構成では、アプリケータはスポンジ材料で作製され得、保持部分は、プラスチック材料で作製され得る。
【0012】
特定の構成では、保持部分は、アプリケータに支持を提供するための、少なくとも1つの補強部材を含む。
【0013】
特定の構成では、保持部分は、アプリケータの少なくとも一部を受容する、空洞を画定する。
【0014】
特定の構成では、アプリケータは、天然スポンジおよび合成スポンジのうちの少なくとも1つである。
【0015】
特定の構成では、合成スポンジは、ポリウレタン、ポリエステル、および/または、植物セルロースのうちの少なくとも1つを含む。
【0016】
特定の構成では、消毒用組成物は、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロパノール、および/または、それらの混合物を含む、1つまたは複数のアルコールを含む。
【0017】
特定の構成では、消毒用組成物は、1つまたは複数の非アルコール系化合物を含む。
【0018】
特定の構成では、1つまたは複数の非アルコール系化合物は、ヨウ素、パラクロロメタキシレノール、ビスビグアナイド、グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)、クロルヘキシジンジアセテート、クオタニウム類化合物、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、クロロキシレノール、トリクロサン、ヘキサクロロフェン、オクテニジン、ジアゾリジニル尿素、メチルクロロイソチアゾリン、メチルイソチアゾリン、トリクロサン、および/または、それらの混合物のうちの少なくとも1つを含む。
【0019】
特定の構成では、消毒用組成物は、アルコール系化合物と非アルコール系化合物の混合物を含む。
【0020】
特定の構成では、消毒用組成物は、CHGおよびアルコールを含む。
【0021】
特定の構成では、アルコールはイソプロピルアルコールである。
【0022】
特定の構成では、消毒用組成物は、約2%(w/v)のCHGおよび約70%(v/v)のイソプロピルアルコールを含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本開示の非限定的な実施形態または態様による、皮膚消毒器具の斜視図である。
図2図1の皮膚消毒器具の側面図である。
図3】圧縮された状態の、図1の皮膚消毒器具の斜視図である。
図4図3の圧縮された皮膚消毒器具の側面図である。
図5】本開示の1つの非限定的な実施形態または態様による、図1の皮膚消毒器具を保持するためのパッケージの斜視図である。
図6】本開示の非限定的な実施形態または態様による、皮膚消毒器具の斜視図である。
図7図6の皮膚消毒器具の側面図である。
図8】圧縮された状態の、図6の皮膚消毒器具の斜視図である。
図9図8の圧縮された皮膚消毒器具の側面図である。
図10】本開示の非限定的な実施形態または態様による、皮膚消毒器具の斜視図である。
図11図10の皮膚消毒器具の側面図である。
図12】圧縮された状態の、図10の皮膚消毒器具の斜視図である。
図13図12の圧縮された皮膚消毒器具の側面図である。
図14】本開示の非限定的な実施形態または態様による、皮膚消毒器具を保持するためのパッケージの斜視図である。
図15】保持部分の先端が折り曲げられた、図6の皮膚消毒器具の斜視図である。
図16図15の圧縮された皮膚消毒器具の側面図である。
図17】引き裂き部分が取り除かれた、図14のパッケージングの斜視図である。
図18】保持部分の先端が延ばされた、図6の皮膚消毒器具の斜視図である。
図19図18の延ばされた皮膚消毒器具の側面図である。
図20】本開示の非限定的な一実施形態または態様による、皮膚消毒器具の斜視図である。
図21図20の皮膚消毒器具の分解図である。
図22】パッケージングされた状態の、図20の皮膚消毒器具の斜視図である。
図23図20に示される複数の皮膚消毒器具を保持するパッケージのストリップの斜視図である。
図24図20の皮膚消毒器具を握る使用者の手の斜視図である。
図25】本開示の非限定的な実施形態または態様による、皮膚消毒器具の斜視図である。
図26】使用者によって保持された、図25の皮膚消毒器具の斜視図である。
図27】パッケージ内に保持された、図25の皮膚消毒器具の斜視図である。
図28】本開示の非限定的な一実施形態または態様による、皮膚消毒器具の斜視図である。
図29図28の皮膚消毒器具の分解図である。
図30図28の皮膚消毒器具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
開示の説明
以下の説明は、当業者が、本発明を実施するために考えられた説明される態様を、作成および使用することを可能にするために提供される。しかしながら、様々な修正、等価物、変形、および、代替物が、当業者にとって、容易に明らかとなるであろう。あらゆる全ての、そのような修正、変形、等価物、および、代替物は、本発明の精神および範囲内に入ることを意図される。
【0025】
本出願で特定される様々な範囲の数値の使用は、特に明確に指示されない断り、記載された範囲内の最小値および最大値の両方が、「約」という用語によって前置きされるかのように、近似値として述べられる。このようにして、述べられた範囲の上下のわずかな変動は、範囲内の値と実質的に同じ結果を達成するように使用され得る。また、特に指定されない限り、これらの範囲の開示は、最小値と最大値の間のあらゆる値を含む、連続的な範囲として意図される。本明細書で提供される定義について、それらの定義は、それらの語または句の語形、同語源語、および、文法的変形に言及する。
【0026】
本出願に添付する図は、本質的に代表的なものであり、特に指示されない限り、任意の特定のスケールや方向性を意味するものとして解釈されるべきではない。以下では、説明を目的として、用語「上」、「下」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「上部」、「底部」、「横」、「縦」、および、その派生語は、それが、図面において方向づけられるとおりに、本発明に関連するであろう。しかしながら、本発明は、明示的に異なると特定される場合を除き、さまざまな代替の変形および工程シーケンスを想定し得ることが理解されるべきである。したがって、本明細書に開示される実施形態に関連する、特定の寸法および他の物理的特性は、限定的なものとみなされるべきではない。
【0027】
本明細書において、消毒用組成物を患者の皮膚に塗布するための器具、例えば、皮膚からの注射もしくは吸引、あるいは、外科的介入のためなどの、患者の皮膚の領域を消毒するための器具が提供される。本明細書で使用される場合、「患者」という用語は、ヒトを含む任意の動物であり、「ヒト患者」は任意のヒトである。本明細書で使用される「消毒用組成物」という用語は、患者の皮膚表面上の1つまたは複数の微生物の増殖を防止または阻害する、任意の組成物である。
【0028】
本明細書で使用される場合、「外科的介入」という用語は、任意の経皮的治療(例えば、カテーテル治療、血管形成術、針生検、および、それに類するもの)、開腹手術、腹腔鏡手術、および/または、皮膚を穿刺すること、または、患者の皮膚にさまざまなサイズの一つまたな複数の切開を生成することを伴う、低侵襲手術を意味する。
【0029】
いくつかの非限定的な実施形態または態様では、図1-図4に示されるように、本開示による皮膚消毒器具2が、示され、詳細に説明される。皮膚消毒器具2は、消毒用組成物を保持し、使用者が、外科的介入部位、または、任意で、外科的介入部位に隣接した一つまたは複数の領域で、患者の皮膚に消毒用組成物を塗布することを可能にするように構成された、スポンジ、または、他の多孔質吸収性材料などのアプリケータ4を含み得る。アプリケータ4は、材料が、消毒用組成物を吸収および/または分配し得る限り、天然スポンジ、例えば、そして、限定されないが、ポリウレタン、ポリエステル、および/または、植物性セルロースを含む、合成スポンジ、または、他の適切な材料であり得る。アプリケータ4は、上面6および底面8を有し得る。どちらの面も消毒用組成物を患者の皮膚に塗布するために使用され得るが、簡単化のために、器具2は、本明細書では、患者の皮膚と接触するように構成される面として、底面8を参照して、説明されるであろう。一例では、アプリケータ4は消毒用ワイプであり得る。
【0030】
非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロパノール、および/または、それらの混合物などの、1つまたは複数のアルコールを含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、ヨウ素、パラクロロメタキシレノール、グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)、クロルヘキシジンジアセテートなどのビスビグアナイド、または、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムなどの、クオタニウム類化合物、クロロキシレノール、トリクロサン、ヘキサクロロフェン、オクテニジン、ジアゾリジニル尿素、メチルクロロイソチアゾリン、メチルイソチアゾリン、トリクロサン、および/または、それらの混合物などの、1つまたは複数の非アルコール系化合物を含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、アルコールおよび非アルコール系化合物の混合物を含む、前述のいずれかの混合物を含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、CHG、および、アルコール、例えば、イソプロピルアルコールを含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、約2%(w/v)のCHG、および、約70%(v/v)のイソプロピルアルコールを含む。
【0031】
非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、細菌、ウイルス、および/または、真菌などの1つまたは複数の微生物に対して有効である。非限定的な実施形態または態様では、微生物は、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌を含む)、腸球菌(フェシウム菌など、バンコマイシン耐性腸球菌を含む)、カンジダ属菌、大腸菌(拡張スペクトルセファロスポリン耐性大腸菌およびカルバンペネム耐性大腸菌を含む)、クロストリジウム・ディフィシル、緑膿菌(カルバペネム耐性緑膿菌を含む)、肺炎桿菌(拡張スペクトルセファロスポリン耐性肺炎桿菌およびカルバペネム耐性肺炎桿菌を含む)、エンテロバクター属菌、アシネトバクター属菌(アシネトバクター・バウマニを含む)、および、クレブシエラ・オキシトカのうちの1つまたは複数である。
【0032】
非限定的な実施形態または態様では、皮膚消毒器具2は、使用者が無菌技術を維持しながら(例えば、アプリケータまたは患者の皮膚表面に直接接触しないことによって)、消毒用組成物を患者の皮膚に塗布することを可能にする、保持部材10を含み得る。一例では、保持部材10は、使用者が、彼/彼女の指を挿通して皮膚消毒器具2を使用することを可能にする、または、使用者が保持部材10を掴んで皮膚消毒器具2を使用することを許容する、ループ状の部材であり得る。一例では、アプリケータ4と保持部材10は同じ材料で作製され得る。保持部材10は、材料が、消毒用組成物を吸収および/または分配し得る限り、天然スポンジ、例えば、そして、限定されないが、ポリウレタン、ポリエステル、および/または、植物性セルロースを含む、合成スポンジ、または、他の適切な材料であり得る。アプリケータ4と保持部材10の両方に同じ材料を使用することによって、皮膚消毒器具2は、使用者の皮膚表面と患者の皮膚表面の両方が消毒されることを確実にする。さらに、保持部材10は、使用者の指を材料で覆い、その結果、使用者の指が患者の皮膚表面に触れる場合に、代わりに、材料が、患者の皮膚表面に接触するであろう。一例では、保持部材10は、使用者の指を受容するための、それを通る通路を画定する、モノリシック材料片であり得る。別の例では、保持部材10は、使用者の指を受容する通路を形成するために、互いに接着された端部を含む材料片であり得る。本開示の一例では、保持部材10の材料は、アプリケータ4の材料よりも薄いものであり得る。
【0033】
図3-図5に示されるように、本開示の非限定的な実施形態または態様によれば、皮膚消毒器具2は、パッケージ12内に提供され得る。パッケージ12は、それらの間に皮膚消毒器具を受容する、少なくとも2つの材料片から作製され得る。パッケージ12は、2つの材料片が引き離されることをもたらす、タブ14を引くことによって開封され得る。図4に示されるように、皮膚消毒器具2がパッケージ12内に保持されるとき、保持部材10は、パッケージ12内にはめ込まれるように平らにされ得る。皮膚消毒器具2がパッケージ12から取り出された後、保持部材10は、使用位置に跳ね上がるか、または、使用者によって使用位置に引っ張られ得、使用者は、彼/彼女の指を保持部材10に挿入し得る。
【0034】
図6-図9を参照すると、いくつかの非限定的な実施形態および態様による、皮膚消毒器具20が示され、詳細に説明される。皮膚消毒器具20は、アプリケータ部分22およびハンドル部分24を含み得る。一例では、アプリケータ部分22およびハンドル部分24はモノリシック構造として形成され、単一の材料片から互いに一体的に形成される。他の例では、アプリケータ部分22およびハンドル部分24は、互いに作動的に接続された2つの材料片であり得る。アプリケータ部分22およびハンドル部分24は、その中に画定された通路を有する、リング状構造を形成し得る。
【0035】
アプリケータ部分22は、材料が、消毒用組成物を吸収および/または分配し得る限り、天然スポンジ、例えば、そして、限定されないが、ポリウレタン、ポリエステル、および/または、植物性セルロースを含む、合成スポンジ、または、他の適切な材料であり得る。一例では、ハンドル部分24は、アプリケータ部分22と同じ材料で作製され得る。一例では、アプリケータ部分22は消毒用ワイプであり得る。
【0036】
非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロパノール、および/または、それらの混合物などの、1つ以上のアルコールを含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、ヨウ素、パラクロロメタキシレノール、グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)、クロルヘキシジンジアセテートなどのビスビグアナイド、または、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムなどの、クオタニウム類化合物、クロロキシレノール、トリクロサン、ヘキサクロロフェン、オクテニジン、ジアゾリジニル尿素、メチルクロロイソチアゾリン、メチルイソチアゾリン、トリクロサン、および/または、それらの混合物などの、1つまたは複数の非アルコール系化合物を含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、アルコールおよび非アルコール系化合物の混合物を含む、前述のいずれかの混合物を含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、CHG、および、アルコール、例えば、イソプロピルアルコールを含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、約2%(w/v)のCHG、および、約70%(v/v)のイソプロピルアルコールを含む。
【0037】
非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、細菌、ウイルス、および/または、真菌などの1つまたは複数の微生物に対して有効である。非限定的な実施形態または態様では、微生物は、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌を含む)、腸球菌(フェシウム菌など、バンコマイシン耐性腸球菌を含む)、カンジダ属菌、大腸菌(拡張スペクトルセファロスポリン耐性大腸菌およびカルバンペネム耐性大腸菌を含む)、クロストリジウム・ディフィシル、緑膿菌(カルバペネム耐性緑膿菌を含む)、肺炎桿菌(拡張スペクトルセファロスポリン耐性肺炎桿菌およびカルバペネム耐性肺炎桿菌を含む)、エンテロバクター属菌、アシネトバクター属菌(アシネトバクター・バウマニを含む)、および、クレブシエラ・オキシトカのうちの1つまたは複数である。
【0038】
いくつかの非限定的な実施形態および態様では、ハンドル部分24は、皮膚消毒器具20の2つの対向する端部を含み得る。ハンドル部分24は、皮膚消毒器具20を使用するときに、使用者が掴むためのグリップ部分を形成するために、アプリケータ部分22から上方に曲げられ得る。一例では、皮膚消毒器具20の対向する端部は、互いに接着されてハンドル部分24を形成し得る。いくつかの例では、皮膚消毒器具20の対向する端部は、接着接合されるか、または、熱溶着され得る。使用者に、ハンドル部分24の位置を示すために、ハンドル部分24は、アプリケータ部分22とは異なって着色され得る。別の例では、ハンドル部分24は、ハンドル部分24が掴まれるべきであることを使用者に示すための、書かれた指示または絵画を含み得る。図7および図9に示されるように、いくつかの非限定的な実施形態または態様では、ハンドル部分24は、パッケージ(図示せず)内に保持されるときに、アプリケータ部分22の上に折り畳まれ、パッケージ内に保持されるときの皮膚消毒器具20の全体のサイズを減少させ得る。使用時、使用者は、彼/彼女の親指と人差し指の間でハンドル部分24を握り、皮膚消毒器具20を把持し得る。
【0039】
図10-図13を参照すると、いくつかの非限定的な実施形態および態様によれば、皮膚消毒器具30が示され、詳細に説明される。皮膚消毒器具30は、アプリケータ部分32および握持部分34を含み得る。一例では、アプリケータ部分32および握持部分34は、モノリシック構造として形成され、単一の材料片から互いに一体的に形成される。他の例では、アプリケータ部分32および握持部分34は、互いに作動的に接続された2つの材料片であり得る。いくつかの例では、皮膚消毒器具30の対向する端部は、互いに接着接合されるか、または、熱溶着され得る。アプリケータ部分32と握持部分34は、それを通って画定された通路を有するリング状構造を形成し得、使用者は、その中に、彼/彼女の指をその中に挿入して、皮膚消毒器具30を使用し得る。
【0040】
アプリケータ部分32は、材料が、消毒用組成物を吸収および/または分配し得る限り、天然スポンジ、例えば、そして、限定されないが、ポリウレタン、ポリエステル、および/または、植物性セルロースを含む、合成スポンジ、または、他の適切な材料であり得る。一例では、握持部分34は、アプリケータ部分32と同じ材料で作製され得る。一例では、アプリケータ部分32は、消毒用ワイプであり得る。
【0041】
非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロパノール、および/または、それらの混合物などの、1つ以上のアルコールを含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、ヨウ素、パラクロロメタキシレノール、グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)、クロルヘキシジンジアセテートなどのビスビグアナイド、または、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムなどの、クオタニウム類化合物、クロロキシレノール、トリクロサン、ヘキサクロロフェン、オクテニジン、ジアゾリジニル尿素、メチルクロロイソチアゾリン、メチルイソチアゾリン、トリクロサン、および/または、それらの混合物などの、1つまたは複数の非アルコール系化合物を含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、アルコールおよび非アルコール系化合物の混合物を含む、前述のいずれかの混合物を含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、CHG、および、アルコール、例えば、イソプロピルアルコールを含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、約2%(w/v)のCHG、および、約70%(v/v)のイソプロピルアルコールを含む。
【0042】
非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、細菌、ウイルス、および/または、真菌などの1つまたは複数の微生物に対して有効である。非限定的な実施形態または態様では、微生物は、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌を含む)、腸球菌(フェシウム菌など、バンコマイシン耐性腸球菌を含む)、カンジダ属菌、大腸菌(拡張スペクトルセファロスポリン耐性大腸菌およびカルバンペネム耐性大腸菌を含む)、クロストリジウム・ディフィシル、緑膿菌(カルバペネム耐性緑膿菌を含む)、肺炎桿菌(拡張スペクトルセファロスポリン耐性肺炎桿菌およびカルバペネム耐性肺炎桿菌を含む)、エンテロバクター属菌、アシネトバクター属菌(アシネトバクター・バウマニを含む)、および、クレブシエラ・オキシトカのうちの1つまたは複数である。
【0043】
一例では、皮膚消毒器具30の対向する端部は、互いに結合され、握持部分34を形成し得る。図11および図13に示されるように、いくつかの非限定的な実施形態または態様によれば、皮膚消毒器具30を包装するとき、皮膚消毒器具30は、折り畳まれて、リング状構造を収縮させ、皮膚消毒器具30の全体のサイズを減少し得る。
【0044】
図14-図19を参照すると、いくつかの非限定的な実施形態および態様に従って、皮膚消毒器具20用のパッケージ40が示され、説明される。パッケージ40は、皮膚消毒器具20を受容するための空洞を画定し得る。引き裂き部分42が、パッケージ40の一端に設けられ、使用者が、パッケージ40の一部を引き裂いて、そこから皮膚消毒器具20を取り出すことを許容し得る。引き裂き部分42は、パッケージ40からの引き裂き部分42の容易な除去を可能にするためにプレカットされ得る。
【0045】
図15および図16に示されるように、いくつかの非限定的な実施形態または態様によれば、皮膚消毒器具20のハンドル部分24は、アプリケータ部分22上に折り畳まれて、皮膚消毒器具20の全体のサイズを減少し得る。ハンドル部分24は、パッケージ40の引き裂き部分42に向かって折り畳まれ得、その結果、引き裂き部分42が取り外された後、使用者は、ハンドル部分24を掴んで、アプリケータ部分22を汚染することなく、皮膚消毒器具20をパッケージ40から引き出し得る。一例では、ハンドル部分24の先端26は、ハンドル部分24の残りの部分の上で曲げられ得る。引き裂き部分42が、パッケージ40から取り外された後、先端26は、使用者による容易な把持のために、ハンドル部分24から離れて、パッケージ40の外へと曲がり得る。
【0046】
図20-図24を参照すると、本開示の非限定的な実施形態または態様に従って、皮膚消毒器具50が示され、詳細に説明される。皮膚消毒器具50は、アプリケータ52および保持部分54を含み得る。一例では、保持部分54は、アプリケータ52を受容するように構成される。
【0047】
アプリケータ52は、材料が、消毒用組成物を吸収し、および/または、分配し得る限り、天然スポンジ、例えば、そして、これらに限定されないが、ポリウレタン、ポリエステル、および/または、植物セルロースを含む、合成スポンジ、または、他の適切な材料であり得る。
【0048】
非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロパノール、および/または、その混合物などの、1つまたは複数のアルコールを含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、ヨウ素、パラクロロメタキシレノール、グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)、クロルヘキシジンジアセテートなどのビスビグアナイド、または、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムなどの、クオタニウム類化合物、クロロキシレノール、トリクロサン、ヘキサクロロフェン、オクテニジン、ジアゾリジニル尿素、メチルクロロイソチアゾリン、メチルイソチアゾリン、トリクロサン、および/または、それらの混合物などの、1つまたは複数の非アルコール系化合物を含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、アルコールおよび非アルコール系化合物の混合物を含む、前述のいずれかの混合物を含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、CHG、および、アルコール、例えば、イソプロピルアルコールを含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、約2%(w/v)のCHG、および、約70%(v/v)のイソプロピルアルコールを含む。
【0049】
非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、細菌、ウイルス、および/または、真菌などの1つまたは複数の微生物に対して有効である。非限定的な実施形態または態様では、微生物は、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌を含む)、腸球菌(フェシウム菌など、バンコマイシン耐性腸球菌を含む)、カンジダ属菌、大腸菌(拡張スペクトルセファロスポリン耐性大腸菌およびカルバンペネム耐性大腸菌を含む)、クロストリジウム・ディフィシル、緑膿菌(カルバペネム耐性緑膿菌を含む)、肺炎桿菌(拡張スペクトルセファロスポリン耐性肺炎桿菌およびカルバペネム耐性肺炎桿菌を含む)、エンテロバクター属菌、アシネトバクター属菌(アシネトバクター・バウマニを含む)、および、クレブシエラ・オキシトカのうちの1つまたは複数である。
【0050】
1つの非限定的な実施形態または態様では、保持部分54は、アプリケータ52の少なくとも一部を受容する空洞58を画定するベース部材56と、ベース部材56から延びる少なくとも2つの補強部材60、62とを含み得る。一例では、空洞58は、アプリケータ52の一部の円形断面形状に対応する円形断面形状を有し得る。アプリケータ52は、摩擦嵌めを用いて、接着剤を用いて、溶着により、または、2つの構成要素を作動的に接続する他の任意の方法により、保持部分54内に保持され得る。1つの非限定的な実施形態または態様では、アプリケータ52は、保持部分54を作製するために使用される材料とは異なる材料で作製され得る。一例では、アプリケータ52は、ポリエステルポリウレタンフォームZ-100MEなどのスポンジ材料であり得、保持部分54はプラスチックであり得る。一例では、保持部分54は、アプリケータ52を支持する硬質プラスチックで作製され得る。一例では、保持部分54は、ポリエチレン-CPChem Marlex9018(登録商標)で作製される。一例では、保持部分54は、アプリケータ52の代わりに保持部分54が掴まれるべきであることを使用者に知らせるために、アプリケータ52とは異なる色であり得る。一例では、保持部分54は、アプリケータ52の代わりに保持部分54が掴まれるべきであることを使用者に示すために、書面による指示または絵画を含み得る。
【0051】
皮膚消毒器具50の使用中、使用者は、保持部分54を掴んでアプリケータ52を患者の皮膚に押し付け、消毒用組成物を患者の皮膚の手術領域に塗布し得る。保持部分54を掴むことにより、使用者は、アプリケータ52や患者の皮膚表面に接触し得ない。補強部材60、62は、また、皮膚消毒器具50を掴むときに、使用者の指がアプリケータ52に接触するのを防ぐ、ガードとして機能し得、アプリケータ52の無菌性を維持する。
【0052】
図22および図23を参照すると、いくつかの非限定的な実施形態または態様によれば、皮膚消毒器具50は、パッケージ64内に保管され得る。一例では、パッケージ64はブリスターパックであり得る。パッケージ64は、皮膚消毒器具50を受容して保管するための本体66と、使用前に、皮膚消毒器具50を無菌状態に保つために、本体66を密封する取り外し可能な蓋68とを含み得る。蓋68は、パッケージ64を開封するために、本体66から剥がされ、そこから皮膚消毒器具50を取り出し得る。1つの非限定的な実施形態または態様では、複数のブリスターパックが、一緒に接続され、複数の皮膚消毒器具50を保持する、ブリスターパックのストリップ70を形成し得る。
【0053】
図25-図27を参照すると、本開示の非限定的な実施形態または態様に従って、皮膚消毒器具80が示され、詳細に説明される。皮膚消毒器具80は、アプリケータ82および保持部分84を含み得る。一例では、アプリケータ82および保持部分84は、モノリシック構造として形成される。一例では、アプリケータ82と保持部分84は、同じ材料で作製される。
【0054】
アプリケータ82は、材料が、消毒用組成物を吸収し、および/または、分配し得る限り、天然スポンジ、例えば、そして、限定されないが、ポリウレタン、ポリエステル、および/または、植物セルロースを含む、合成スポンジ、または、他の適切な材料であり得る。
【0055】
非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロパノール、および/または、それらの混合物などの、1つ以上のアルコールを含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、ヨウ素、パラクロロメタキシレノール、グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)、クロルヘキシジンジアセテートなどのビスビグアナイド、または、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムなどの、クオタニウム類化合物、クロロキシレノール、トリクロサン、ヘキサクロロフェン、オクテニジン、ジアゾリジニル尿素、メチルクロロイソチアゾリン、メチルイソチアゾリン、トリクロサン、および/または、それらの混合物などの、1つまたは複数の非アルコール系化合物を含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、アルコールおよび非アルコール系化合物の混合物を含む、前述のいずれかの混合物を含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、CHG、および、アルコール、例えば、イソプロピルアルコールを含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、約2%(w/v)のCHG、および、約70%(v/v)のイソプロピルアルコールを含む。
【0056】
非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、細菌、ウイルス、および/または、真菌などの1つまたは複数の微生物に対して有効である。非限定的な実施形態または態様では、微生物は、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌を含む)、腸球菌(フェシウム菌など、バンコマイシン耐性腸球菌を含む)、カンジダ属菌、大腸菌(拡張スペクトルセファロスポリン耐性大腸菌およびカルバンペネム耐性大腸菌を含む)、クロストリジウム・ディフィシル、緑膿菌(カルバペネム耐性緑膿菌を含む)、肺炎桿菌(拡張スペクトルセファロスポリン耐性肺炎桿菌およびカルバペネム耐性肺炎桿菌を含む)、エンテロバクター属菌、アシネトバクター属菌(アシネトバクター・バウマニを含む)、および、クレブシエラ・オキシトカのうちの1つまたは複数である。
【0057】
1つの非限定的な実施形態または態様では、保持部分84は、使用者が保持部分84を掴んで皮膚消毒器具80を患者の皮膚表面に押し付けることを可能にする、T字形部材であり得る。図27に示されるように、一例では、皮膚消毒器具80は、使用前に、パッケージ86を密封して皮膚消毒器具80の無菌状態を維持するための、取り外し可能な蓋88を含む、パッケージ86内に保管され得る。
【0058】
図28-図30を参照すると、1つの非限定的な実施形態または態様に従って、皮膚消毒器具90が示され、詳細に説明される。皮膚消毒器具90は、キャップ92、アプリケータ94、および、バレル96を含み得る。アプリケータ94は、キャップ92に作動的に接続され得る。一例では、アプリケータ94は、プライマーなどの固定剤を使用して、キャップ92に取り付けられ得る。キャップ92は、アプリケータ94の一部を受容する空洞を画定し得る。アプリケータ94の一部は、また、キャップ92から離れる方向に延びて、使用者が、アプリケータ94を患者の皮膚表面に押し付けることを可能にする。
【0059】
アプリケータ94は、材料が、消毒用組成物を吸収し、および/または、分配し得る限り、天然スポンジ、例えば、そして、限定されないが、ポリウレタン、ポリエステル、および/または、植物セルロースを含む、合成スポンジ、または、他の適切な材料であり得る。
【0060】
非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロパノール、および/または、それらの混合物などの、1つ以上のアルコールを含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、ヨウ素、パラクロロメタキシレノール、グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)、クロルヘキシジンジアセテートなどのビスビグアナイド、または、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムなどの、クオタニウム類化合物、クロロキシレノール、トリクロサン、ヘキサクロロフェン、オクテニジン、ジアゾリジニル尿素、メチルクロロイソチアゾリン、メチルイソチアゾリン、トリクロサン、および/または、それらの混合物などの、1つまたは複数の非アルコール系化合物を含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、アルコールおよび非アルコール系化合物の混合物を含む、前述のいずれかの混合物を含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、CHG、および、アルコール、例えば、イソプロピルアルコールを含む。非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、約2%(w/v)のCHG、および、約70%(v/v)のイソプロピルアルコールを含む。
【0061】
非限定的な実施形態または態様では、消毒用組成物は、細菌、ウイルス、および/または、真菌などの1つまたは複数の微生物に対して有効である。非限定的な実施形態または態様では、微生物は、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌を含む)、腸球菌(フェシウム菌など、バンコマイシン耐性腸球菌を含む)、カンジダ属菌、大腸菌(拡張スペクトルセファロスポリン耐性大腸菌およびカルバンペネム耐性大腸菌を含む)、クロストリジウム・ディフィシル、緑膿菌(カルバペネム耐性緑膿菌を含む)、肺炎桿菌(拡張スペクトルセファロスポリン耐性肺炎桿菌およびカルバペネム耐性肺炎桿菌を含む)、エンテロバクター属菌、アシネトバクター属菌(アシネトバクター・バウマニを含む)、および、クレブシエラ・オキシトカのうちの1つまたは複数である。
【0062】
消毒用組成物は、バレル96への挿入前に、アプリケータ94に直接加えられ得、または、消毒用組成物がバレル96内に保持され、アプリケータ94が、消毒用組成物に浸漬するために、バレル96に浸漬されるか、または、バレル96に挿入され得る。消毒用組成物が、アプリケータ94に加えられた後、キャップ92は、バレル96にロックされ得る。一例では、キャップ92は、その内面に螺旋状のロックねじを備え得、バレル96は、その外面に対応する螺旋状のロックねじを有し得て、キャップ92は、バレル96上のロック位置に回転させられ得る。一例では、キャップ92は、バレル96を密閉して、アプリケータ94、および、バレル96内に保持された消毒用組成物の無菌性を維持する。一例では、アプリケータ94の形状は、バレル96によって画定される空洞の形状に対応し、アプリケータ94は、バレル96内に挿入され得る。
【0063】
皮膚消毒器具90を使用するとき、使用者は、キャップ92の外面を掴み、キャップ92をひねって、キャップ92をバレル96から取り外し得る。キャップ92がバレル96から取り外されると、使用者は、アプリケータ94を患者の皮膚表面の手術部位に押し付けて、そこに消毒用組成物を塗布し得る。皮膚消毒器具90を使用するとき、使用者は、キャップ92の外面を掴み、それにより、潜在的に消毒用組成物を汚染し得る、アプリケータ94との接触の危険性を低減する。また、キャップ92をバレル96から取り外すとき、使用者は、キャップ92およびバレル96を掴むだけでよい。
【0064】
1つの非限定的な実施形態または態様では、キャップ92は、PPA材料(無菌性を維持するのに適したポリフタルアミド)で作製され、その外面にセレーションを有し得る。セレーションは、使用者が、キャップ92を容易に保持し得、その後、アプリケータ94とキャップ92が、ユニットとして、部位の消毒が必要とされる患者の皮膚表面上で移動し得るように設けられる。1つの非限定的な実施形態または態様では、バレル96は、PPAまたはポリフッ化ビニリデン(PVDF)で作製され得る。
【0065】
本開示の皮膚消毒器具2、20、30、50、80、90は、静脈(IV)ライン挿入、特に末梢静脈カテーテル(PIVC)のための、無菌非接触皮膚消毒を可能にする。さらに、皮膚消毒器具2、20、30、50、80、90、および、パッケージ40、64、86は、低コストの器具をもたらし、価格重視の市場において患者を適切に治療する。皮膚消毒器具2、20、30、50、80、90は、皮膚の消毒を目的としたワイプの活性表面への偶発的な接触を避けるために、消毒用ワイプの改良された把持構成を提供する。さらに、パッケージ40、64、86は、また、無菌非接触技術を支援するように最適化される。本開示は、ワイプの無菌的な非接触保持のためのハンドルを提供し、ハンドルの容易な掴持のためにワイプの剛性を調整するという点で、現在の低コストのワイプに最小限のコストを追加する。
【0066】
本開示は、器具設計(皮膚消毒物の無菌使用のために、ワイプと同じ材料で、創造的にグリップ部分を作製する)、材料科学(容易なアクセスのためのグリップ部分に対するワイプの最適化された剛性、および、必要な量の消毒液を保持し、同時に、パッケージから取り出されるときに液だれのない、ワイプの最適化された多孔性)、および、パッケージの特徴(使用者に向けられたグリップ部分を備えてパッケージを開封するためのパッケージ方向と、パッケージが引き裂かれたとき、グリップ部分が外側に跳ね上がって、グリップ部分の容易なアクセスを可能にし得るための、グリップ部分に垂直な引き裂きパターン)を利用する。
【0067】
デバイスの材料特性は、本開示における重要な要素の1つである。ワイプ材料の最適化された剛性は、グリップ部分が、パッケージが開封されたときに跳ね出し、同時に、保存期間を通して、それを損傷することなくパッケージ内に留まることを可能にする。パッケージ材料の最適化された多孔性は、必要な量の消毒液が器具に組み込まれ、同時に、製品の保存期間を通して、器具が、パッケージから取り出されたときに、液だれしないことをもたらす。
【0068】
本開示は、皮膚の消毒におけるワイプの欠点に対処するための、すなわち、皮膚消毒器具の無菌非接触適用を可能にする、器具設計、材料特性、および、パッケージ特徴の、改良された組み合わせを提供する。ワイプと同じ材料で作製されたグリップ部分は、価格に敏感な市場向けに向けて、この特徴を組み込むための費用対効果の高い手段を提供する。
【0069】
本発明は、上記の詳細な説明に関して説明されたが、当業者は、本発明の精神の範囲内で、変更がなされ得ることを理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図18
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図20
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図23
図24
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図26
図27
図28
図29
図30
【国際調査報告】