(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】感光性樹脂組成物及びこれを含む表示装置
(51)【国際特許分類】
G03F 7/023 20060101AFI20240816BHJP
G03F 7/004 20060101ALI20240816BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20240816BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20240816BHJP
H10K 59/124 20230101ALI20240816BHJP
H10K 85/10 20230101ALI20240816BHJP
C08K 5/23 20060101ALI20240816BHJP
C08L 79/04 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
G03F7/023
G03F7/004 501
H10K59/10
H10K59/122
H10K59/124
H10K85/10
C08K5/23
C08L79/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510227
(86)(22)【出願日】2022-08-16
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 KR2022012194
(87)【国際公開番号】W WO2023022472
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】10-2021-0110272
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515068085
【氏名又は名称】ドンジン セミケム カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DONGJIN SEMICHEM CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【氏名又は名称】山口 健次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100194973
【氏名又は名称】尾崎 祐朗
(72)【発明者】
【氏名】ユン ヒョクミン
(72)【発明者】
【氏名】ヨ テフン
(72)【発明者】
【氏名】キム ドンミョン
(72)【発明者】
【氏名】イ ソンヒ
(72)【発明者】
【氏名】パク アルム
(72)【発明者】
【氏名】イ ソクヒョン
(72)【発明者】
【氏名】オ ヌリ
(72)【発明者】
【氏名】ソン インホ
(72)【発明者】
【氏名】チャン グンソク
【テーマコード(参考)】
2H225
3K107
4J002
【Fターム(参考)】
2H225AE05P
2H225AE13P
2H225AF04P
2H225AF05P
2H225AM77P
2H225AM85P
2H225AM99P
2H225AN54P
2H225CA24
2H225CB02
2H225CC03
2H225CC21
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC21
3K107CC45
3K107DD89
3K107DD90
3K107DD97
3K107FF14
3K107FF18
4J002CM041
4J002EQ016
4J002FD206
4J002GQ00
(57)【要約】
本発明は、感光性樹脂組成物及びこれを含む表示装置に関するものであって、より詳細には、特定構造を有した置換基を含むエステル化されたキノンジアジド化合物、ポリアミック酸、ポリアミックエステル、及びポリイミドを含む群より選ばれる1種以上の構造を含むアルカリ可溶性高分子樹脂と、溶媒とを含み、感度、耐化学性、日射耐性、及び駆動信頼性に優れた感光性樹脂組成物及びこれを含む表示装置に関するものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エステル化されたキノンジアジド化合物と、
ポリアミック酸、ポリアミックエステル、及びポリイミドを含む群より選ばれる1種以上の構造を含むアルカリ可溶性高分子樹脂と、
溶媒と、
を含み、
前記キノンジアジド化合物は、下記の化学式1で表される置換基を少なくとも2つ以上含む感光性樹脂組成物。
[化1]
前記化学式1において、R
1は、Hまたはジアゾナフトキノン(DNQ)であり、R
2は、炭素数1~10のアルキル基であり、R
3は、Hまたは炭素数1~10のアルキル基であり、X
1は、各々独立してHまたはOHである。
【請求項2】
前記キノンジアジド化合物構造のうち、R
1のジアゾナフトキノン個数と、芳香族環に置換されたアルキル基の個数とは、1:1~1:8である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項3】
前記キノンジアジド化合物は、R
1がジアゾナフトキノンであり、R
2及びR
3が炭素数1~10のアルキル基である前記化学式1の置換基を3~4個含む請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記キノンジアジド化合物は、下記の化学式2~化学式10で表されるフェノール化合物のうち、1種以上を母体(Ballast)とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
[化2]
[化3]
[化4]
[化5]
[化6]
[化7]
[化8]
[化9]
[化10]
前記化学式2~化学式10において、R
4、R
6、R
8~R
15は、各々独立してHまたは炭素数1~4のアルキル基または炭素数2~4のアルケニル基であり、R
4、R
6、及びR
8~R
15は、各々1つ以上の炭素数1~4のアルキル基または炭素数2~4のアルケニル基を含み、R
5及びR
7は、各々独立してHまたは炭素数1~4のアルキル基である。
【請求項5】
高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)を介して、全固形分に対して前記キノンジアジド化合物の未反応母体(Ballast)は、1面積%未満に測定される請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項6】
全固形分含量に対して、前記キノンジアジド化合物がエステル反応と中和反応で発生された不純物の含量が0.5重量%以下である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項7】
前記アルカリ可溶性高分子樹脂の重量平均分子量は、1,000~50,000g/molである請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項8】
前記アルカリ可溶性高分子樹脂は、下記の化学式12~化学式13で表される構造単位のうち、1種以上を含む請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
[化12]
[化13]
前記化学式12及び化学式13においてR
16は、各々独立して2個以上の炭素原子を有する2価~8価有機基であり、R
17は、各々独立して2個以上の炭素原子を有する2価~6価有機基であり、R
18及びR
19は、各々独立してHまたは炭素数1~20の有機基であり、a及びbは、各々独立して0~4であり、c及びdは、各々独立して0~2であり、a+bは、1以上であり、前記a、b、c、またはdが0である場合、当該置換基は、Hである。
【請求項9】
前記アルカリ可溶性高分子樹脂100重量部に対して、前記キノンジアジド化合物を5~50重量部含む請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項10】
フェノール性水酸基含有架橋性化合物をさらに含む請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項11】
前記アルカリ可溶性高分子樹脂100重量部に対して、前記フェノール性水酸基含有架橋性化合物を5~50重量部含む請求項10に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項12】
前記フェノール性水酸基含有架橋性化合物は、下記の化学式14~化学式28で表される化合物のうち、1種以上の化合物を含む請求項10に記載の感光性樹脂組成物。
前記化学式14~化学式28において、R
*は、各々独立してH、炭素数1~3のアルキル基、または下記の化学式29の置換基のうち1つであり、R
*のうち、少なくとも1つ以上は、下記の化学式29の置換基であり、
下記の化学式29において、nは、1~6の整数であり、R
20は、炭素数1~3のアルキル基である。
[化29]
【請求項13】
前記溶媒は、ガンマブチロラクトン(GBL)、N-メチルピロリドン(NMP)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチルラクテート(EL)、メチル-3-メトキシプロピオネート(MMP)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(MEDG)、ジエチレングリコールメチルブチルエーテル(MBDG)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)、及びジエチレングリコールジエチルエーテル(DEDG)のうち、1種以上を含む請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項14】
熱酸発生剤及び紫外線吸収剤のうち、1種以上の添加剤をさらに含む請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化体を含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学特性が向上した光学部材の形成を可能にする感光性樹脂組成物及びこれを含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、市場では、ディスプレイ機器の中で様々な理由により、OLED(Organic Light Emitting Diodes)、特に、AMOLED(Active matrix OLED)が脚光を浴びている。
【0003】
通常、OLED素子は、有機絶縁膜を含み、前記有機絶縁膜の形成には、一般的に、ポリイミド感光性樹脂組成物が使用されている。従来、ポリイミド感光性樹脂組成物に使用されるポリイミド前駆体の中で、ポリアミックエステルは、アルキルに置換する技術が適用されたが、アルキルに置換されたポリアミックエステルは、溶解度調節が難しく、感度が低く、これに対する改善策が切実に求められる実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の問題を解決するために、本発明の目的は、感度、耐化学性、日射耐性、及び駆動信頼性に優れた感光性樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、前記感光性樹脂組成物の硬化体を含む表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一側面による感光性樹脂組成物は、エステル化されたキノンジアジド化合物と、ポリアミック酸、ポリアミックエステル、及びポリイミドを含む群より選ばれる1種以上の構造を含むアルカリ可溶性高分子樹脂と、溶媒とを含み、前記キノンジアジド化合物は、下記の化学式1で表される置換基を少なくとも2つ以上含み、下記の化学式1-1の構造は、含まないことを特徴とする。
【0007】
【0008】
前記化学式1において、R1は、Hまたはジアゾナフトキノン(DNQ)であり、R2は、炭素数1~10のアルキル基であり、R3は、Hまたは炭素数1~10のアルキル基であり、X1は、各々独立してHまたはOHである。
【0009】
【0010】
前記化学式1-1においてQは、ジアゾナフトキノン(DNQ)である。
【0011】
本発明の他の側面による表示装置は、本発明の感光性樹脂組成物の硬化体を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る感光性樹脂組成物は、感度、残膜率、接着力、耐化学性、及び耐熱性に優れ、前記ポジティブ型感光性樹脂組成物を含むパターン膜は、湿潤環境での厚み変化率がわずかであり、前記感光性樹脂組成物を含む表示装置は、接着力、耐化学性、耐熱性、及び日射耐性(Solar Radiation)に優れて、駆動状態で輝度が3%下がる時間(T97)が1,000時間以上である効果があり、駆動信頼性に非常に優れた効果がある。また、前記感光性樹脂は、優れた感度により、生産性向上が可能であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係るパターンが形成されたITO(Indium Tin oxide)基板上にパターン(Pattern)膜を形成し、EL(Electroluminescent Lighting)及びアルミニウムが蒸着されたことを簡略に示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書及び請求の範囲に使用された用語や単語は、通常的であるか、辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は、その自分の発明を最も最善の方法にて説明するために、用語の概念を適宜定義することができるという原則を踏まえて、本発明の技術的思想に一致する意味と概念として解釈されなければならない。
【0015】
したがって、本明細書に記載された実施例及び製造例に図示された構成は、本発明の最も望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想を全て代弁するものではないので、本出願時点において、これらに代えることができる様々な均等物と変形例がありうることを理解すべきである。
【0016】
本明細書において「*」は、同じであるか、異なる原子または化学式と連結される部分を意味するか、置換基の識別表示である。
【0017】
本明細書において「アルキル基」は、扇状またはナス状のアルキル基であることができる。
【0018】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明は、種々の相違した形態に実現されることができ、ここで説明する製造例及び実施例に限定されない。
【0019】
本発明の一側面による感光性樹脂組成物は、エステル化されたキノンジアジド化合物と、ポリアミック酸、ポリアミックエステル、及びポリイミドを含む群より選ばれる1種以上の構造を含むアルカリ可溶性高分子樹脂と、溶媒とを含む。
【0020】
前記エステル化されたキノンジアジドは、放射線エネルギーが照射された部分で化学変化が起こる感光性を付与する役割をし、前記アルカリ可溶性高分子樹脂は、組成物の耐熱性、耐化学性、接着力などの影響を及ぼす要素であるが、前記2つの成分が溶媒内で互いに共存し、各特性を維持するためには、下記のような構造的特徴が必要である。
【0021】
エステル化されたキノンジアジド化合物は、下記の化学式1で表される置換基を少なくとも2つ以上含む。
【0022】
【0023】
前記化学式1においてR1は、Hまたはジアゾナフトキノン(DNQ)であり、R2は、炭素数1~10のアルキル基であることができ、好ましくは、感度改善の側面で炭素数1~3のアルキル基であることができる。具体的に、R2の炭素数が増加するほど、キノンジアジド化合物の溶解度が減少することがあり、R2がメチル基、エチル基、またはプロピル基である場合、効果の差はわずかであることがある。-OR1基周辺にバルキー(bulky)なアルキル基が位置すれば、ジアゾナフトキノンの分解を妨害して信頼性を改善させ、コントラスト(contrast)を高めて感度が向上しうる。したがって、R3は、H(水素)であることができるが、R2のように炭素数1~10のアルキル基である場合、前記相溶性向上により、感光性樹脂組成物の感度、耐化学性、及び信頼性にさらに優れることができる。好ましくは、感度改善の側面でR3は、炭素数1~3のアルキル基であることができる。X1は、各々独立してHまたはOH(ヒドロキシ基)であることができる。
【0024】
このとき、エステル化されたキノンジアジド化合物構造は、前記化学式1の構造のうち、R2、R3、及びX1が全て水素であり、R1がジアゾナフトキノン(DNQ)である構造であり、下記の化学式1-1の構造は含まないことを特徴とする。
【0025】
【0026】
前記化学式1-1においてQは、ジアゾナフトキノン(DNQ)である。
【0027】
エステル化されたキノンジアジド化合物の構造が化学式1-1である構造を含む場合、接着力、耐化学性、耐熱性、及び日射耐性(Solar Radiation)の効果が大きく落ちるという問題がありうる。
【0028】
エステル化されたキノンジアジド化合物の化学構造は、感光性樹脂組成物の感度、耐化学性、及び信頼性と連関しており、感度、耐化学性、及び信頼性のためには、化学式1で表される置換基内でアルキル基及びアルケニル置換基が1つ以上含まれることが性能改善に有利であり、前記アルキル基及びアルケニル置換基の個数が増加するほど、性能が改善され得るが、アルキル基及びアルケニル置換基個数の合計がOH基の個数の2倍を超える場合、コントラスト(contrast)が落ち、感度が遅いという問題が生じることがあり、化学式1で表される置換基内でアルキル基及びアルケニル置換基個数の合計とOH基の個数の比とを適宜調整することが重要である。
【0029】
エステル化されたキノンジアジド化合物構造のうち、含まれた化学式1の構造のR1桁に位置したジアゾナフトキノン個数と芳香族環に置換されたアルキル基の個数が、特定割合では感度、接着力、耐化学性、耐熱性、及び日射耐性(Solar Radiation)の効果にさらに優れるようになることができる。具体的に、エステル化されたキノンジアジド化合物構造のうち、ジアゾナフトキノン個数と芳香族環に置換されたアルキル基の個数との比が1:1~1:8である場合であることができ、前記割合に比べてジアゾナフトキノンの割合が高ければ、耐化学性、耐熱性、及び日射耐性が低下し、駆動信頼性に問題がありうるし、前記割合に比べて芳香族環に置換されたアルキル基の割合が高ければ、感度が脆弱であるという問題がありうる。
【0030】
エステル化されたキノンジアジド化合物が特定化学式1の構造を特定個数で含む場合、感光性樹脂の耐化学性及び信頼性に優れ、かつ、感度及び接着力の性能部分にさらに優れることができ、具体的に、R1がジアゾナフトキノンであり、R2及びR3が炭素数1~10のアルキル基である化学式1の構造の置換基を3~4個含むエステル化されたキノンジアジド化合物が含まれた感光性樹脂の場合、耐化学性及び信頼性にさらに優れることができる。
【0031】
エステル化されたキノンジアジド化合物は、フェノール化合物母体(Ballast)でOHギがエステル(ester)結合して形成されたものであることができ、母体(Ballast)のOH基のうち、1個ないしOH基の個数の分だけエステル(ester)結合をすることができる。例えば、前記フェノール化合物母体は、化学式2~化学式10で表されるフェノール化合物のうち、1種以上を含むことができる。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
前記化学式2~化学式10において、各化学式内のR4、R6、R8~R15は、各々独立してHまたは炭素数1~4のアルキル基または炭素数2~4のアルケニル基であることができ、各化学式においてR4、R6、R8~R15が全てHである場合は、耐化学性及び信頼性に問題がありうるので、R4、R6、及びR8~R15は、化学式内で少なくとも1つ以上のアルキル基またはアルケニル基を含む。具体的に、前記化学式2~10は、各々1つ以上の炭素数1~4のアルキル基または炭素数2~4のアルケニル基を含むことができる。また、R5及びR7は、各々独立してHまたは炭素数1~4のアルキル基である。
【0042】
本発明のエステル化されたキノンジアジドは、前記化学式2~10のような母体がエステル反応して形成されたことを特徴とし、未反応母体が感光性樹脂組成物内に含まれることができるが、その含量は、少ないほど感度向上に有利であり、信頼性改善に有利である。未反応母体の含量は、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)を介して、前記感光性樹脂組成物に含まれた全固形分面積に対する未反応母体面積の割合を介して測定することができ、未反応母体含量は、例えば、HPLC(Alliance E695/X-TERRA RP18)を介して測定することができる。全固形分に対する未反応母体の面積割合が10面積%未満であるものが好まれ、具体的に、6面積%未満であるものがより好まれ、4面積%未満がさらに好まれ、1面積%未満であるものが最も好まれることができる。
【0043】
前記エステル化されたキノンジアジド化合物は、母体のOH基が酸と反応してエステル結合を形成し、再度中和する過程を介して、酸またはアミンのような不純物が発生することがある。エステル反応で発生した前記不純物は、感光性樹脂組成物の感度及び信頼性に悪影響を及ぼすことができ、最大限除去することが好ましい。前記不純物の含量は、全固形分含量に対して0.5重量%以下であるものが好まれ得るし、0.5重量%以下である場合、感度と信頼性とに特に優れることができる。また、溶媒を含む感光性樹脂組成物溶液の全体に対してエステル反応と中和反応で発生された不純物は、200ppm未満であるものが感度及び信頼性改善のために好まれ得る。
【0044】
本発明のアルカリ可溶性高分子樹脂は、ポリアミック酸、ポリアミックエステル、及びポリイミドを含み、具体的に、重量平均分子量が1,000~50,000g/molであるものが好まれる。前記アルカリ可溶性高分子樹脂の重量平均分子量が1,000g/mol未満である場合、残膜率及び接着力不良、耐熱性及び日射耐性(Solar Radiation)低下などの問題が生じることがあり、50.000g/mol超過である場合、感度改善にならず、パターン形成部に残渣が発生するという問題が生じることがある。
【0045】
前記アルカリ可溶性高分子樹脂は、具体的に、下記の化学式12~化学式13で表される構造単位のうち、1種以上を含むことができる。
【0046】
【0047】
【0048】
前記化学式12及び化学式13においてR16は、各々独立して2個以上の炭素原子を有する2価~8価有機基であり、R17は、各々独立して2個以上の炭素原子を有する2価~6価有機基であり、R18及びR19は、各々独立してHまたは炭素数1~20の有機基であり、a及びbは、各々独立して0~4であり、c及びdは、各々独立して0~2であり、a+bは、1以上であり、前記a、b、c、またはdが0である場合、当該置換基は、Hである。
【0049】
前記アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、前記キノンジアジド化合物が5~50重量部で含まれることが好まれ得る。前記キノンジアジド化合物が5重量部未満で含まれる場合、感光性樹脂組成物の感光性が落ち、基板上で感度が低下するという問題が生じることがあり、50重量部を超過して含まれる場合にも、感光性が高すぎるようになり、パターン部に残渣が発生するという問題が生じることがある。
【0050】
前記感光性樹脂組成物は、フェノール性水酸基含有架橋性化合物をさらに含む場合、耐化学性がさらに向上するという効果がある。
【0051】
前記フェノール性水酸基含有架橋性化合物は、アルカリ可溶性高分子樹脂100重量部に対して、5~50重量部で含まれることが好まれる。フェノール性水酸基含有架橋性化合物が前記高分子樹脂100重量部に対して5重量部未満で含まれる場合、架橋度が低下し、接着力が低下するという問題が生じることがあり、50重量部を超過した場合には、耐熱性及び接着力が低下するという問題が生じることがある。
【0052】
前記フェノール性水酸基含有架橋性化合物は、例えば、下記の化学式14~28で表される化合物からなる群より選ばれるいずれか1つ以上を含むことができる。
【0053】
【0054】
前記化学式14~化学式28において、R*は、各々独立してH(水素原子)、炭素数1~3のアルキル基、または下記の化学式29の置換基のうち1つであり、R*のうち、少なくとも1つ以上は、下記の化学式29の置換基であり、下記の化学式29において、nは、1~6の整数であり、R20は、炭素数1~3のアルキル基である。
【0055】
【0056】
前記溶媒は、一般に感光性樹脂組成物の溶媒として使用されるものを使用でき、例えば、ガンマブチロラクトン(GBL)、N-メチルピロリドン(NMP)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチルラクテート(EL)、メチル-3-メトキシプロピオネート(MMP)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(MEDG)、ジエチレングリコールメチルブチルエーテル(MBDG)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)、及びジエチレングリコールジエチルエーテル(DEDG)のうち、1種以上を含むことができるが、前記例示に限定されない。
【0057】
前記感光性樹脂組成物は、熱酸発生剤及び紫外線吸収剤のうち、1種以上の添加剤をさらに含むことができる。前記添加剤をさらに含む場合、前記樹脂組成物の耐熱性、日射耐性(Solar Radiation)、吸湿性などが向上し、さらに優れたパネル信頼性確保が可能であるという効果を有することができる。
【0058】
前記感光性樹脂組成物が硬化膜を形成する場合、湿潤環境での厚み変化率がわずかであって、安定性に優れた特徴がある。具体的に、本発明の一実施形態である前記感光性樹脂組成物で3μm厚みの硬化膜を形成した後、硬化膜をメチルピロリドン(NMP)に60℃で120秒間浸漬したとき、浸漬前後の硬化膜厚みの変化率が20%以下であるという効果を有することができる。
【0059】
前記感光性樹脂組成物が硬化された硬化体は、絶縁膜であることができ、半導体用電子部品の表面保護膜または層間絶縁膜であることができるが、これに限定されるものではない。
【0060】
本発明のさらに他の一実施形態は、前記感光性樹脂組成物の硬化体を含む表示装置であり、具体的な例として、有機電界発光素子用表示装置であることができる。有機電界発光素子用表示装置は、基板上に形成された第1の電極と、前記第1の電極上に形成された絶縁層、及び前記絶縁層上に形成された第2の電極を含み、前記絶縁層は、本発明の一実施形態に係る感光性樹脂組成物を含むものである。
【0061】
前記絶縁層は、前記第1の電極の上面を部分的に露出させてパターン化されているものであることができる。また、前記絶縁層は、前記第1の電極のエッジ(edge)部分を覆うように形成されることができる。
【0062】
以下、実施例を介して本発明をより詳細に説明するが、本発明が下記の実施例によって限定されるものではない。
【0063】
[製造例1:アルカリ可溶性高分子樹脂の合成]
アルカリ可溶性高分子樹脂の一実施例としてポリアミック酸及びポリアミックエステルを含むポリイミドポリマー合成に対して、下記の合成例1~合成例16に表した。また、本発明の実施例との比較のために、シロキサンレジンとアクリルレジンとに関する合成例を、下記の合成例36及び合成例37に各々表した。
【0064】
(合成例1)
乾燥窒素気流下に、ジアミンとして2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)-hexafluoropropane 95mol、1,3-Bis(4-aminophenoxy)benzene 5molをガンマブチロラクトンに溶解させた後、攪拌しながら二無水物4,4’-Oxydiphthalic Anhydride(ODPA) 70molを入れて溶解させた後、70℃で4時間攪拌させた。
【0065】
その後、フタル酸無水物(PA)60molを入れて70℃で2時間攪拌させた。
【0066】
さらに、180℃で4時間攪拌後、反応終了して、ポリイミドポリマーを得た。
【0067】
(合成例2)
前記合成例1に対して、ジアミンとして2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)-hexafluoropropane 95mol、1,3-Bis(4-aminophenoxy)benzene 5molに代えて、2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)-hexafluoropropane 80mol、1,3-Bis(4-aminophenoxy)benzene 20mol使用したことを除いては、前記合成例1と同じ方法にてポリイミドポリマーを製造した。
【0068】
(合成例3)
前記合成例1に対して、ジアミンとして2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)-hexafluoropropane 95mol、1,3-Bis(4-aminophenoxy)benzene 5molに代えて、2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)-hexafluoropropane 65mol、1,3-Bis(4-aminophenoxy)benzene 35mol使用したことを除いては、前記合成例1と同じ方法にてポリイミドポリマーを製造した。
【0069】
(合成例4)
前記合成例1に対して、二無水物として4,4’-Oxydiphthalic Anhydride(ODPA) 70molに代えて、1,4-Bis(3,4-dicarboxyphenoxy)benzene dianhydride70molを使用したことを除いては、前記合成例1と同じ方法にてポリイミドポリマーを製造した。
【0070】
(合成例5)
前記合成例1に対して、ジアミンとして2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)-hexafluoropropane 95mol、1,3-Bis(4-aminophenoxy)benzene 5molに代えて、2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)-hexafluoropropane 95mol、4,4’-Oxibis[3-(trifluoromethyl)benzenamine] 5mol使用したことを除いては、前記合成例1と同じ方法にてポリイミドポリマーを製造した。
【0071】
(合成例6)
前記合成例1に対して、ジアミンとして2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)-hexafluoropropane 95mol、1,3-Bis(4-aminophenoxy)benzene 5molに代えて、2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)-hexafluoropropane 80mol、4,4’-Oxibis[3-(trifluoromethyl)benzenamine] 20mol使用したことを除いては、前記合成例1と同じ方法にてポリイミドポリマーを製造した。
【0072】
(合成例7)
前記合成例1に対して、ジアミンとして2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)-hexafluoropropane 95mol、1,3-Bis(4-aminophenoxy)benzene 5molに代えて、2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)-hexafluoropropane 65mol、4,4’-Oxibis[3-(trifluoromethyl)benzenamine] 35mol使用したことを除いては、前記合成例1と同じ方法にてポリイミドポリマーを製造した。
【0073】
(合成例8)
前記合成例5に対して、二無水物として4,4’-Oxydiphthalic Anhydride(ODPA) 70molに代えて、1,4-Bis(3,4-dicarboxyphenoxy)benzene dianhydride 70molを使用したことを除いては、前記合成例5と同じ方法にてポリイミドポリマーを製造した。
【0074】
(合成例9)
乾燥窒素気流下に、ジアミンとして2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)-hexafluoropropane 95mol、1,3-Bis(4-aminophenoxy)benzene 5molをガンマブチロラクトンに溶解させた後、攪拌しながら二無水物ODPA 65molを入れて溶解させた後、70℃で4時間攪拌させた。
【0075】
その後、フタル酸無水物(PA)60molを入れて70℃で2時間攪拌させた。
【0076】
ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DFA)30molを追加して180℃で4時間攪拌後、反応終了して、ポリイミドポリマーを得た。
【0077】
(合成例10)
前記合成例9に対して、ジアミンとして2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)-hexafluoropropane 95mol、1,3-Bis(4-aminophenoxy)benzene 5molに代えて、2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)-hexafluoropropane 80mol、1,3-Bis(4-aminophenoxy)benzene 20mol使用したことを除いては、前記合成例9と同じ方法にてポリイミドポリマーを製造した。
【0078】
(合成例11)
前記合成例9に対して、ジアミンとして2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)-hexafluoropropane 95mol、1,3-Bis(4-aminophenoxy)benzene 5molに代えて、2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)-hexafluoropropane 65mol、1,3-Bis(4-aminophenoxy)benzene 35mol使用したことを除いては、前記合成例9と同じ方法にてポリイミドポリマーを製造した。
【0079】
(合成例12)
前記合成例9に対して、二無水物として4,4’-Oxydiphthalic Anhydride(ODPA) 70molに代えて、1,4-Bis(3,4-dicarboxyphenoxy)benzene dianhydride 70molを使用したことを除いては、前記合成例9と同じ方法にてポリイミドポリマーを製造した。
【0080】
(合成例13)
前記合成例9に対して、ジアミンとして2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)-hexafluoropropane 95mol、1,3-Bis(4-aminophenoxy)benzene 5molに代えて、2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)-hexafluoropropane 95mol、4,4’-Oxibis[3-(trifluoromethyl)benzenamine] 5mol使用したことを除いては、前記合成例9と同じ方法にてポリイミドポリマーを製造した。
【0081】
(合成例14)
前記合成例9に対して、ジアミンとして2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)-hexafluoropropane 95mol、1,3-Bis(4-aminophenoxy)benzene 5molに代えて、2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)-hexafluoropropane 80mol、4,4’-Oxibis[3-(trifluoromethyl)benzenamine] 20mol使用したことを除いては、前記合成例9と同じ方法にてポリイミドポリマーを製造した。
【0082】
(合成例15)
前記合成例9に対して、ジアミンとして2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)-hexafluoropropane 95mol、1,3-Bis(4-aminophenoxy)benzene 5molに代えて、2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)-hexafluoropropane 65mol、4,4’-Oxibis[3-(trifluoromethyl)benzenamine] 35mol使用したことを除いては、前記合成例9と同じ方法にてポリイミドポリマーを製造した。
【0083】
(合成例16)
前記合成例13に対して、二無水物として4,4’-Oxydiphthalic Anhydride(ODPA) 70molに代えて、1,4-Bis(3,4-dicarboxyphenoxy)benzene dianhydride 70molを使用したことを除いては、前記合成例13と同じ方法にてポリイミドポリマーを製造した。
【0084】
(合成例36)
冷却管と攪拌器とを備えたフラスコに反応性シランで各々ブチルトリクロロシラン60重量部、テトラクロロシラン40重量部を入れ、窒素置換した後、緩慢に攪拌した。前記反応溶液にさらに超純水50重量部と触媒としてシュウ酸を2重量部投入後、再度緩慢に攪拌した。1時間後、前記反応溶液を60℃まで昇温させて10時間の間、この温度を維持し、Bulk重合後、常温で冷却させて反応を終結した。さらに、0℃以下に急冷して反応物の沈殿が起こるようにし、未反応単量体及び触媒が含有された上昇液を除去する。未反応単量体及び触媒が完壁に除去されるまでにさらにメタノールを入れ、精製工程を繰り返す。精製工程後、Vacuum Dryingを介して反応中に生成された残留水分及び残留水分を除去した。最終的に、GPC分析結果、ポリスチレン換算重量平均分子量(MW)が9,000であるシロキサン系共重合体を製造した。
【0085】
(合成例37)
冷却器と攪拌器とが備えられたフラスコにテトラヒドロフラン400重量部、i)下記の化学式32で表される不飽和化合物30重量部、ii)メタクリル酸20重量部、iii)メタクリル酸グリシジル(グリシジルメタクリレート)30重量部、及びiv)スチレン20重量部の混合溶液を投入して液状混合物を製造した。製造された液状混合物を混合容器で600rpmで十分に混合した後、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)15重量部を添加して重合混合溶液を製造した。製造された重合混合溶液の温度を55℃までゆっくり上昇させ、この温度で24時間の間維持した後、常温で冷却し、重合禁止剤であるヒドロベンゾフェノンを500ppm添加して、固形分濃度が25重量%である重合体溶液を得た。重合体溶液の未反応単量体を除去するために、n-Hexane1000重量部に重合体溶液100重量部を沈殿させた。沈殿後、Meshを用いたFilteringを介して未反応物が溶解されたPoor solventを除去した。その後、30℃以下でVacuum Dryingを行い、Filtering後にも残っている未反応単量体を除去することによりアクリル系共重合体を製造した。
【0086】
[製造例2:エステル化されたキノンジアジド化合物の合成]
エステル化されたキノンジアジド合成に対して、下記の合成例17~合成例28及び合成例32~38に表した。以下の製造例を介して製造されたエステル化されたキノンジアジド化合物は、母体(Ballast)の水酸基(OH)には全てジアゾナフトキノンが結合した。
【0087】
(合成例17)
乾燥窒素気流下、下記の化学式2-1で表される母体(Ballast)1molと5-ナフトキノンジアジドスルホン酸クロライド2molを常温で1,4-ジオキサンに溶解させた。ここに、トリエチルアミンを35℃以上にならないように滴下した。滴下後、40℃で2時間攪拌した。トリエチルアミン塩をろ過し、ろ液を水に投入した。その後、析出した沈殿物をろ過し、1%塩酸水で洗浄した。その後、水で3回洗浄した。この沈殿物を真空乾燥器で乾燥してキノンジアジド化合物を製造した。
【0088】
最終キノンジアジド化合物のTEA及びCl不純物の合計は、0.5%である。
[化2-1]
【0089】
(合成例18)
前記合成例17に対して、化学式2-1で表される母体(Ballast)に代えて、下記の化学式2-2を使用したことを除いては、前記合成例17と同じ方法にてキノンジアジド化合物を製造した。
【0090】
最終キノンジアジド化合物のTEA及びCl不純物の合計は、0.34%である。
【0091】
【0092】
(合成例19)
前記合成例17に対して、化学式2-1で表される母体(Ballast)に代えて、下記の化学式2-3を使用したことを除いては、前記合成例17と同じ方法にてキノンジアジド化合物を製造した。
【0093】
最終キノンジアジド化合物のTEA及びCl不純物の合計は、0.14%である。
【0094】
【0095】
(合成例20)
前記合成例17に対して、化学式2-1で表される母体(Ballast)に代えて、下記の化学式Dを使用したことを除いては、前記合成例17と同じ方法にてキノンジアジド化合物を製造した。
【0096】
最終キノンジアジド化合物のTEA及びCl不純物の合計は、0.48%である。
【0097】
【0098】
(合成例21)
前記合成例17に対して、化学式2-1で表される母体(Ballast)に代えて、下記の化学式3-1を使用したことを除いては、前記合成例17と同じ方法にてキノンジアジド化合物を製造した。
【0099】
最終キノンジアジド化合物のTEA及びCl不純物の合計は、0.12%である。
【0100】
【0101】
(合成例22)
前記合成例17に対して、化学式2-1で表される母体(Ballast)に代えて、下記の化学式3-2を使用したことを除いては、前記合成例17と同じ方法にてキノンジアジド化合物を製造した。
【0102】
最終キノンジアジド化合物のTEA及びCl不純物の合計は、0.42%である。
【0103】
【0104】
(合成例23)
前記合成例17に対して、化学式2-1で表される母体(Ballast)に代えて、下記の化学式3-3を使用したことを除いては、前記合成例17と同じ方法にてキノンジアジド化合物を製造した。
【0105】
最終キノンジアジド化合物のTEA及びCl不純物の合計は、0.50%である。
【0106】
【0107】
(合成例24)
前記合成例17に対して、化学式2-1で表される母体(Ballast)に代えて、下記の化学式3-4を使用したことを除いては、前記合成例17と同じ方法にてキノンジアジド化合物を製造した。
【0108】
最終キノンジアジド化合物のTEA及びCl不純物の合計は、0.33%である。
【0109】
【0110】
(合成例25)
前記合成例17に対して、化学式2-1で表される母体(Ballast)に代えて、下記の化学式2-5を使用したことを除いては、前記合成例17と同じ方法にてキノンジアジド化合物を製造した。
【0111】
最終キノンジアジド化合物のTEA及びCl不純物の合計は、0.23%である。
【0112】
【0113】
(合成例26)
前記合成例17に対して、化学式2-1で表される母体(Ballast)に代えて、下記の化学式2-6を使用したことを除いては、前記合成例17と同じ方法にてキノンジアジド化合物を製造した。
【0114】
最終キノンジアジド化合物のTEA及びCl不純物の合計は、0.47%である。
【0115】
【0116】
(合成例27)
前記合成例17に対して、化学式2-1で表される母体(Ballast)に代えて、下記の化学式3-5を使用したことを除いては、前記合成例17と同じ方法にてキノンジアジド化合物を製造した。
【0117】
最終キノンジアジド化合物のTEA及びCl不純物の合計は、0.29%である。
【0118】
【0119】
(合成例28)
前記合成例17に対して、化学式2-1で表される母体(Ballast)に代えて、下記の化学式2-7を使用したことを除いては、前記合成例17と同じ方法にてキノンジアジド化合物を製造した。
【0120】
最終キノンジアジド化合物のTEA及びCl不純物の合計は、0.36%である。
【0121】
【0122】
(合成例32)
前記合成例17に対して、化学式2-1で表される母体(Ballast)に代えて、下記の化学式7-1を使用したことを除いては、前記合成例17と同じ方法にてキノンジアジド化合物を製造した。
【0123】
最終キノンジアジド化合物のTEA及びCl不純物の合計は、0.14%である。
【0124】
【0125】
(合成例33)
前記合成例17に対して、化学式2-1で表される母体(Ballast)に代えて、下記の化学式6-1を使用したことを除いては、前記合成例17と同じ方法にてキノンジアジド化合物を製造した。
【0126】
最終キノンジアジド化合物のTEA及びCl不純物の合計は、0.11%である。
【0127】
【0128】
(合成例34)
前記合成例17に対して、化学式2-1で表される母体(Ballast)に代えて、下記の化学式6-2を使用したことを除いては、前記合成例17と同じ方法にてキノンジアジド化合物を製造した。
【0129】
最終キノンジアジド化合物のTEA及びCl不純物の合計は、0.15%である。
【0130】
【0131】
(合成例35)
前記合成例17に対して、化学式2-1で表される母体(Ballast)に代えて、下記の化学式2-8を使用したことを除いては、前記合成例17と同じ方法にてキノンジアジド化合物を製造した。
【0132】
最終キノンジアジド化合物のTEA及びCl不純物の合計は、0.12%である。
【0133】
【0134】
(合成例38)
前記合成例17に対して、化学式2-1で表される母体(Ballast)に代えて、下記の化学式2-9を使用したことを除いては、前記合成例17と同じ方法にてキノンジアジド化合物を製造した。
【0135】
最終キノンジアジド化合物のTEA及びCl不純物の合計は、0.09%である。
【0136】
【0137】
[製造例3:感光性樹脂組成物の製造]
前記製造例1で合成された高分子樹脂と前記製造例2で合成されたキノンジアジド化合物を含み、実施例1~34、参考例1~2、及び比較例1~51の組成で、下記の表1~表3の組成比によって混合して感光性樹脂組成物を製造した。
【0138】
【0139】
【0140】
【0141】
前記表1~表3において架橋性化合物で使用された物質の化学構造は、下記の化学式30~化学式32で表されることができる。
【0142】
【0143】
【0144】
【0145】
[実験例:感光性樹脂組成物の物性評価]
前記製造例3によって製造された実施例1~34、参考例1~2、及び比較例1~51に対して、感度、残膜率、接着力、耐化学性、耐熱性、日射耐性(Solar Radiation)、吸湿性、及び駆動信頼性を下記の基準により測定して下記の表4~表6に表した。Ti/Al/Ti基板上にスリットコータ(slitcoater)を使用して前記実施例1~48、参考例1~2、及び比較例1~26において感光性樹脂組成物を塗布した後、VCD(真空乾燥)工程を40Pa圧力まで進行し、120℃で2分間ホットプレート上でプリベークして厚みが3.0μmである膜を形成した。
【0146】
1)感度
上記のように形成された膜に所定パターンマスク(pattern mask)を使用してBroadbandでの強度が20mW/cm2である紫外線を感度が2.5μm Contact Hole CD基準Dose量を照射した後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%の水溶液で23℃で1分間現像した後、超純水で1分間洗浄した。その後、オーブン中で250℃で60分間硬化させて厚みが2.0μmであるパターン膜を得た。
【0147】
感度が80mJ以下である場合を◎、80mJ超過~120mJ以下である場合を○、120mJ超過である場合を×と表示した。
【0148】
2)残膜率
前記1)の感度測定の際に形成された膜厚み変化を測定した。
残膜率=硬化後厚み/プリベーク後厚みと表し、残膜率が65%以上である場合を◎、残膜率が60%以上である場合を○、50%以上~60%未満である場合を△、50%未満である場合を×と表示した。
【0149】
3)接着力
前記1)の感度測定時と同じ方法にてパターン(Pattern)膜を形成するものの、貼ってあるDot pattern最小CDを基準に接着力を比較評価した。
Dot pattern最小CDが3μm以上で接着力が確保される場合を◎、5μm以上で接着力が確保される場合を○、10μm以上で接着力が確保される場合を△、15μm以上で接着力が確保されるか、そうでない場合を×と表示した。
【0150】
4)耐化学性
前記製造された基板をメチルピロリドン(NMP)に60℃/120秒間浸漬し、浸漬前後の硬化膜厚み変化率を測定して、150Å未満は◎、150以上~300Å未満は○、300以上~600Å未満は△、600Å以上は×と表記した。
【0151】
5)耐熱性
耐熱性は、TGAを用いて測定した。前記1)の感度測定の際に形成されたパターン(Pattern)膜をサンプリングした後、TGAを用いて常温で900℃まで分当り10℃ずつ昇温した。
【0152】
5重量%Loss温度が320℃超過である場合を◎、300℃超過である場合を○、5重量%Loss温度が280~300℃である場合を△、5重量%Loss温度が280℃未満である場合を×と表した。
【0153】
6)日射耐性(Solar Radiation)
前記1)の感度測定時と同じ方法にてパターンされたITO基板上にパターン(Pattern)膜を形成し、ELを蒸着する。上部にカソード(Cathode)電極でAlを蒸着し、Encapsulation工程を進行する。Xenon Lamp Solar Simulator(キセノンランプ太陽光試験機)を利用して2100Jの露光量を10回照射した後、On状態で3%輝度Dropされる時間(T97)を評価した。1000時間以上確保される場合を◎、700~1000時間確保される場合を○、700時間未満である場合を×と表示した。
【0154】
7)吸湿性
前記1)の感度測定の際に形成されたパターン(Pattern)膜を85℃、85%RH基準恒温、恒湿オーブンに240時間精製後、オーブン投入前、後の膜厚み変化を基準に吸湿性を評価した。
【0155】
厚み変化率が200Å未満は◎、300Å未満は○、300以上~600Å未満は△、600Å以上は×と表記した。
【0156】
8)OLED信頼性(駆動信頼性)
表1を参照すれば、前記1)の感度測定時と同じ方法にてパターンされたITO基板上にパターン(Pattern)膜を形成し、ELを蒸着する。上部にCathode電極でAlを蒸着し、Encapsulation工程を進行する。
【0157】
85℃、85%RH基準、素子On状態で3%輝度Dropされる時間(T97)を評価した。1000時間以上確保される場合を◎、700~1000時間確保される場合を○、700時間未満である場合を×と表示した。
【0158】
【0159】
【0160】
【0161】
以上において本発明の望ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の種々の変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【国際調査報告】