(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】体積撮像
(51)【国際特許分類】
G01N 21/64 20060101AFI20240816BHJP
G01B 11/00 20060101ALI20240816BHJP
G02B 21/00 20060101ALI20240816BHJP
G02B 21/06 20060101ALI20240816BHJP
G02B 21/36 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
G01N21/64 F
G01B11/00 H
G02B21/00
G02B21/06
G02B21/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510338
(86)(22)【出願日】2022-08-17
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 GB2022052135
(87)【国際公開番号】W WO2023021289
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2022-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517054888
【氏名又は名称】ウニベルシテテット イ トロムソ-ノルゲス アークティスク ウニベルシテット
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュトゥロール、フロリアン
【テーマコード(参考)】
2F065
2G043
2H052
【Fターム(参考)】
2F065AA59
2F065FF04
2F065FF10
2F065GG04
2F065JJ26
2F065LL04
2F065LL28
2F065LL46
2F065PP24
2G043AA03
2G043BA16
2G043EA01
2G043EA13
2G043FA02
2G043HA01
2G043KA09
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2G043NA01
2H052AA07
2H052AA09
2H052AC15
2H052AC16
2H052AC27
2H052AC33
2H052AC34
2H052AF14
2H052AF25
(57)【要約】
体積撮像のための装置(2)が提供される。装置(2)は、サンプル領域(4)の複数の平面(22)を逐次的に照射するように配置された照射アセンブリ(8)であって、各平面(22)は、サンプル領域(4)の複数の深度(22a、22b、22c、22d)にわたって延在し、画素(12)の複数のセクションを含み、画素(12)の各セクションを逐次的に検知するように配置されたイメージセンサ(6)と、サンプル領域(4)から光を受け取り、サンプル領域(4)の各平面(22)から受け取った光を、画素の前記セクションの異なるそれぞれのセクション(12)に導くように配置された受光アセンブリは、サンプル領域(4)における複数の深度(22a、22b、22c、22d)から光を受け取るように配置された多面光学アセンブリ(10)と、画素の各々のセクション(12)に対して、各平面(22)における複数の深度(22a、22b、22c、22d)からそれぞれ異なるサブセクション(12a、12b、12c、12d)へと、各画素の各々のセクション(12)から同時に光を直接送るように構成される。照射率は、検知率に等しく、その結果、画素(12)の各セクションは、その平面が照射アセンブリ(8)により照射されるときに、それぞれの平面(22)の複数の深度(22a、22b、22c、22d)からの光を検知するように配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体積撮像のための装置であって、
各々の平面がサンプル領域の複数の深度にわたって延在する前記サンプル領域の複数の平面を、照射率で逐次的に照射するように光を方向付けるように配置された照射アセンブリと、
画素の複数のセクションを含み、検知率で前記画素の各々の前記セクションを逐次的に検知するように配置された受光アセンブリと、
前記サンプル領域から受光されるように配置され、前記サンプル領域の各々の前記平面から受光された光を前記画素の異なる各々の前記セクションに導くように配置された受光アセンブリと、を備え、
前記受光アセンブリは、前記サンプル領域の前記複数の深度から受光するように配置され、前記画素の各々の前記セクションごとに、各々の前記平面の前記複数の深度の各々から、前記セクションの異なる各々のサブセクションに光を同時に導くように配置された多面光学アセンブリを含み、
前記照射率は、前記検知率に等しく、前記画素の各々の前記セクションは、前記平面が前記照射アセンブリにより照射されるときに、各々の前記平面の前記複数の深度からの光を検知するように配置される、装置。
【請求項2】
前記画素の各々の前記セクションが、前記平面以外の前記複数の平面のいずれの平面からの光も検知しないように配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記多面光学アセンブリは、少なくとも4つの深度の各々から、イメージセンサの異なる各々の前記サブセクションに光を同時に方向付けるように配置される、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記多面光学アセンブリは、少なくとも8つの深度の各々から前記イメージセンサの異なる各々の前記サブセクションに光を同時に方向付けるように配置される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記多面光学アセンブリは、多面プリズムまたは多面格子を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記電子イメージセンサは、連続的な電子シャッタ期間において、前記イメージセンサの各々の前記セクションの前記画素を選択的に検知するように配置された電子シャッタ回路を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記サンプル領域を体積的に反復して撮像して、前記サンプル領域の体積の時系列を示す画像データを生成するように配置される、請求項1~6のいずれかの1項に記載の装置。
【請求項8】
1秒あたり10以上の体積の率で、前記サンプル領域を体積的に撮像するように動作可能である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記受光アセンブリは、前記サンプル領域から発する光を前記多面光学アセンブリに通過させるように配置される対物レンズアセンブリを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記対物レンズアセンブリは、前記照射アセンブリの一部を形成し、前記照射アセンブリからの光を前記サンプル領域に通過させるように配置される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記複数の平面のうちの少なくとも1つは、前記対物レンズアセンブリの撮像軸に対して傾斜している、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記照射アセンブリが、光シートを生成し、前記複数の平面を照射するために前記サンプル領域を横切って前記光シートを掃引またはステップするように配置される、請求項1~11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記複数の平面は、平行な平面である、請求項1~12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
各々の前記セクションは、前記画素の各々の連続するセットから構成される、請求項1~13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
各々の前記サブセクションは、前記画素の各々の連続するセットから構成される、請求項1~14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記画素の各々の前記セクションは、各々の前記画素のラインを含み、前記イメージセンサは、隣接するラインを逐次的に検知するように配置される、請求項1~15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記イメージセンサから画像データを受信するように配置され、前記画像データを処理して3次元画像データのセットを生成するように構成される処理システムを備える、請求項1~16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
複数のセクションを含み、前記検知率において前記画素の各々の前記セクションを逐次的に検知するように配置される第2のイメージセンサを含み、前記多面光学アセンブリは、前記サンプル領域の第2の複数の深度の各々から、前記第2のイメージセンサの前記画素の各々の前記セクションの各々の前記サブセクションに光を同時に方向付けるように配置される、請求項1~17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記サンプル領域のサンプルの蛍光体積顕微鏡法を実施するように配置される、請求項1~18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
体積撮像の方法であって、
各々の平面がサンプル領域の複数の深度にわたって延在するサンプル領域の複数の平面を、照射率で逐次的に照射するように光を方向付け、
画素の複数のセクションを含むイメージセンサと、
前記サンプル領域から前記イメージセンサに発する光を方向付け、
前記イメージセンサは、画素の複数のセクションを含み、前記サンプル領域の前記平面の各々から受け取った光が、前記画素の前記セクションの異なる各々の前記セクションに方向付けられ、前記画素の前記セクションの各々の前記セクションに対して、光が、各々の前記平面の前記複数の深度の各々から、前記セクションの異なる各々のサブセクションに同時に方向付けられ、
前記イメージセンサは、検知率で逐次的に前記セクションの各々を検知し、送信率は、前記照射率に等しく、前記画素の各々の前記セクションは、前記平面が照射されるときに、各々の前記平面の前記複数の深度からの光を検知する、方法。
【請求項21】
前記サンプル領域の蛍光標識された生物サンプルを体積的に撮像することを含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体積撮像のための、例えば、生物サンプルの体積顕微鏡法のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の顕微鏡法は、サンプルの2次元撮像を伴う。透過型顕微鏡法では、サンプルは、典型的には、例えばミクロトームを用いて薄く切断される。しかし、生物医学研究のような多くの分野では、より厚いサンプルの体積測定(3次元)撮像を行うことができると有利である。これは、典型的には、サンプルの異なる薄い体積(例えば、サンプルの異なる深度における)の幾つかの2次元画像「スライス」の撮像により達成される。焦点外光を実質的に含まない厚いサンプル(例えば、サンプルの異なる焦点面)の2D画像を生成するプロセスは、一般に光学切断法と呼ばれる。
【0003】
光学切断法に対する従来のアプローチは、共焦点撮像を含む。これはラスタースキャンを使用する。この場合、サンプルの単一ポイントが一度に照射され、撮像される。この際、物理的なピンホールを使用して、各ポイントのフォーカス外光が除去される。ただし、遅くなることがある。他のアプローチは、光シート撮像であり、サンプル領域の仮想スライスは、検出対物レンズの撮像軸に直交して延びる光シートを使用して選択的に照射される。しかしながら、光シート画像形成もまた、遅くすることができ、多くの用途に適さない場合がある複雑な装置を必要とする。光場撮像システムを用いて幾つかの焦点面からの光を同時に記録することは可能であるが、これらは良好な光学的断片形成を可能にしない。
【0004】
Tsangらによる論文、「軸方向に分布したスリットを用いる高速、多重線スキャン共焦点顕微鏡法」、Biomedical Optics Express Vol.12、pp.1339-1350(2021)は、サンプルを通して光を掃引して蛍光を誘導し、3つの反射スリットを用いて、サンプル中の3つの異なる深度から蛍光光を空間的に分離することを含む、体積撮像の方法を提案する。分離された光は、イメージセンサの3つの異なる領域に向けられる。光がサンプルを掃引されると、これらの領域の各々は、特定のそれぞれの深度で、サンプルのそれぞれの2次元画像を漸進的に捕捉する。しかし、反射スリットを使用して光学的切断を行うと、収差が発生する可能性があり、かさばる補正光学系を使用する場合にはこれを補正する必要がある。これは設定が困難である可能性があり、スリット及び補正光学系により取り上げられる物理的空間は、実用的に同時に撮像することができる深度の数を制限する可能性がある。
【0005】
したがって、改良されたアプローチが望まれる。
【発明の概要】
【0006】
第1の態様によれば、
体積撮像のための装置であって、
各々の平面がサンプル領域の複数の深度にわたって延在する前記サンプル領域の複数の平面を、照射率で逐次的に照射するように光を方向付けるように配置された照射アセンブリと、
画素の複数のセクションを含み、検知率で前記画素の各々の前記セクションを逐次的に検知するように配置された受光アセンブリと、
前記サンプル領域から受光されるように配置され、前記サンプル領域の各々の前記平面から受光された光を前記画素の異なる各々の前記セクションに導くように配置された受光アセンブリと、を備え、
前記受光アセンブリは、前記サンプル領域の前記複数の深度から受光するように配置され、前記画素の各々の前記セクションごとに、各々の前記平面の前記複数の深度の各々から、前記セクションの異なる各々のサブセクションに光を同時に導くように配置された多面光学アセンブリを含み、
前記照射率は、前記検知率に等しく、前記画素の各々の前記セクションは、前記平面が前記照射アセンブリにより照射されるときに、各々の前記平面の前記複数の深度からの光を検知するように配置される、装置が提供される。
【0007】
第2の態様によれば、
体積撮像の方法であって、
各々の平面がサンプル領域の複数の深度にわたって延在するサンプル領域の複数の平面を、照射率で逐次的に照射するように光を方向付け、
画素の複数のセクションを含むイメージセンサと、
前記サンプル領域から前記イメージセンサに発する光を方向付け、
前記イメージセンサは、画素の複数のセクションを含み、前記サンプル領域の前記平面の各々から受け取った光が、前記画素の前記セクションの異なる各々の前記セクションに方向付けられ、前記画素の前記セクションの各々の前記セクションに対して、光が、各々の前記平面の前記複数の深度の各々から、前記セクションの異なる各々のサブセクションに同時に方向付けられ、
前記イメージセンサは、検知率で逐次的に前記セクションの各々を検知し、送信率は、前記照射率に等しく、前記画素の各々の前記セクションは、前記平面が照射されるときに、各々の前記平面の前記複数の深度からの光を検知する、方法が提供される。
【0008】
したがって、本装置は、サンプル領域の体積測定情報の便利、高速及び高品質な捕捉を可能にすることが理解されるであろう。各平面の各深度からの光は、画素のセクションの別個のサブセクションにより検知され、サンプル領域からの3次元情報が、イメージセンサ全体の1つの露光のみを用いて捕捉されることを可能にする(例えば、1つの読み出しプロセスのみを必要とする)。これは、イメージセンサの多重露光(例えば、各露光が異なる光学部に対応する)を用いて3次元画像を構築する以前のアプローチよりも速い撮像時間を可能にし得る。より高速な撮像は、高撮像速度を必要とする短い時間スケールで重要な現象が起こり得る細胞臓器、細胞コロニーの個々の細胞、オルガノイド、または組織全体などの非静的サンプルを撮像する場合に特に有用である。
【0009】
さらに、照射率は検知率に等しいので、画素の限られたセット(例えば、画素の単一の行または列)のみが、各平面が照射されるときに光を能動的に検知し、複数の平面の間の良好な光学的切断を可能にするように配置することができる。画素の各セクションは、対応する平面が照射されると、光を検知する(例えば、電荷を蓄積する)。しかしながら、装置は、各セクションが、前記それぞれの平面以外の、複数の平面のうちの任意の他の平面からの光を検知しないように構成されることが好ましい。このように、各区間毎に、複数の平面のうち他の平面が照射されているときに受光された光によりイメージセンサの出力が影響を受けない。イメージセンサの選択的感度は、少なくとも実施形態では、「ピンホール」と同等に作用するものとして理解することができる。
【0010】
このようにして光学的分割を達成するためにイメージセンサの選択的感度を使用することは、照射アセンブリ及び/または多面光学アセンブリのような装置の他の光学的構成要素に対する制約を減少させることが可能である。例えば、多面光学アセンブリが、複数の平面間に光学的断片を提供することは必須ではなく(すなわち、サンプル領域全体を同時に照射する場合、サンプル領域全体からの光を同時にイメージセンサ全体にわたって受光することを可能にし得る)、従来の技術のアプローチと比較して、より小型および/またはより安価な種類の多面光学アセンブリを使用することを可能にし得る。そのような実施例は、対応する部に隣接するイメージセンサの画素にこぼれる照射された平面の近くからの光をもたらすことがあるが、これらの画素は異なる時間に検知されるので、これは許容可能である。本質的に光学分割のために提供する必要がない多面光学アセンブリは、他の選択肢より物理的に小さくてもよく、および/または収差を補正するための補正光学系を必要とせず、同時に撮像される深度の数を増やすことを可能にし、体積測定撮像の質を高めることができる。いくつかの実施形態では、多面光学アセンブリは、少なくとも4つの深度、少なくとも8つの深度、少なくとも12の深度、またはさらには20の深度、またはそれ以上の深度のそれぞれから、イメージセンサの異なるそれぞれのサブセクションに光を同時に方向付けるように配置される。
【0011】
サンプル領域はサンプルを含むことができる。サンプルは、サンプル領域を完全にまたは部分的に占有してもよく、サンプル領域を越えて延びてもよい。装置は、サンプルを保持するための表面(例えば、スライドまたは槽の)を含んでもよい。表面は、サンプル領域の境界を規定してもよい。いくつかの実施形態では、サンプル領域は生物学的サンプルを含んでいてもよい。サンプルは、蛍光マーカを含んでもよい。
【0012】
イメージセンサは、CMOSまたはCCDセンサのような電子イメージセンサであることが好ましい。それは2次元(例えば矩形)センサであることが好ましい。イメージセンサは、物理的シャッタ機構及び/または電子的シャッタ回路の使用を通じて画素の各セクションを選択的に検知するように配置されてもよい。物理的巻きシャッタまたは電子的巻きシャッタを含むことができる。例えば、イメージセンサは、サンプル領域からの入射光に一度にただ1つのセクションを露光するように配置された物理的シャッタを含むことができる。しかしながら、好ましくは、イメージセンサは、連続的な電子シャッタ期間において、イメージセンサの各セクションの画素を選択的に検知するように配置された電子シャッタを含む。これらの期間は、時間的に重複しないことが好ましい。例えば、CMOSまたはCCDセンサの場合には、イメージセンサは、画素のセクションがそれぞれの電子シャッタ期間にのみ電荷を蓄積することを可能にするように配置され得る(ただし、1つの読み出し動作で、1つまたはすべてのセクションを読み出すことも可能である)。
【0013】
多面光学アセンブリは、多面プリズムまたは多面格子を含んでもよい。多面プリズムを使用して、最大8深度までを同時に確実に撮像することができるが、より多くてもよい。多面格子を用いて同時に撮像することができる深度の数は、イメージセンサの画素の数によりのみ制限することができる。
【0014】
装置は、時間の経過とともに繰り返しサンプル領域を体積的に撮像するように、すなわち、サンプル領域の体積の時系列を表す画像データを生成するように配置することができる。これは、装置が、標的サンプルの運動、例えば、動的生物プロセスを捕捉することを可能にし得る。装置は、繰返し率がイメージセンサの読取り速度(フレームレート)により制限されるだけであるように、イメージセンサの単一露光にサンプル領域全体を捕捉するように配置することが可能である。いくつかの実施形態では、装置は、毎秒10回を超える体積、毎秒20回を超える体積、毎秒50回を超える体積、毎秒100回を超える体積、または毎秒1000回または1500回以上までさえも記録するように動作可能である。したがって、この装置は、3次元で、かつ比較的短い時間スケールで起こる生物学的プロセスを捕捉するのに特に有用である。
【0015】
受光アセンブリは、サンプル領域から発する光(例えば、反射光または蛍光光)を直接または間接的に多面光学アセンブリに通過させるように配置された対物レンズアセンブリを備えてもよい。対物レンズアセンブリは、好ましくは、少なくとも1つの対物レンズを含む。照射アセンブリは、別個の対物レンズを備えることができる。しかしながら、幾つかの実施の形態では、対物レンズアセンブリはまた、照射アセンブリの一部を形成し、また、照射アセンブリからの光をサンプル領域へ通過させる(例えば、焦点または方向付ける)ように配置される。照射及び撮像に同じ対物レンズアセンブリを使用することは、別々の照射及び撮像対物レンズを密接に配置する必要性を回避し、両者の物理的サイズを制限することができる。したがって、対物レンズアセンブリは、別個の対物レンズで可能であるよりも高い開口数(NA)を有してもよい。これは、撮像解像度(NAで線形にスケーリングする)およびフォトン収集能(NA2でスケーリングする)の両方を改善する可能性がある。また、照射および撮像のために同じ対物レンズを使用することは、装置がより広範なサンプルマウントと共に使用されることを可能にし(例えば、2つの対物レンズを使用する従来の光シート顕微鏡法と比較して)、装置が使用され得る顕微鏡適用の多様性を改善する。
【0016】
複数の平面は平行な面であってもよい。これらはそれぞれ対物レンズの撮像軸に平行であってもよい。それらは、サンプル領域で均等または不均等に間隔を空けることができる。平面の間隔は、所望の撮像解像度および/またはサンプル中の関心構造の期待されるスケールに基づいて選択することができる。
【0017】
実施形態のセットでは、複数の平面のうちの少なくとも1つは、対物レンズアセンブリの撮像軸に平行である。
【0018】
実施形態のセットでは、複数の平面のうちの少なくとも1つは、対物レンズアセンブリの撮像軸に対して傾斜する。換言すれば、平面のうちの1つ以上は、対物レンズの撮像軸に対して傾斜してもよい。例えば、少なくとも1つの平面は、少なくとも1°、少なくとも5°、少なくとも10°、または少なくとも20°以上の角度で傾斜してもよい。実施形態のセットでは、少なくとも1つの平面は、対物レンズの撮像軸に対して30°(または約30°)傾いている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの平面がより大きな角度、例えば45°以上傾いていてもよい。平面が傾斜する角度は、(照射平面に直交する方向における)光の最大許容厚さに基づいて選択することができる。角度は、サンプル領域の目標照射深度に基づいて選択することができる(例えば、角度は、光がサンプル領域の目標深度まで、またはサンプル領域全体を通して延びるように選択することができる)。角度は、所与の厚さを超えることなく、照射光がサンプル領域の標的深度まで延びる撮像軸に対して最も高い角度であるように選択されてもよい。
【0019】
前記複数の平面のそれぞれは、前記対物レンズの撮像軸に対して傾斜していてもよい。このような実施形態では、複数の平面は、平行(すなわち、各平面が撮像軸に対して同じ角度で傾斜している状態)であってもよい。
【0020】
1つ以上の傾斜面を使用することは、サンプルの光学的深度切断の改善および軸方向解像度性能の改善(すなわち、軸方向における分解可能な特徴の最小寸法の低減)を可能にし得る。傾斜平面を使用すると、サンプルの異なる深度からの光が、撮像軸に直交する方向に沿って広がる(すなわち、サンプルの異なる深度から発せられる光間の重複がより少ない)。画素の各セクションは、それぞれの(傾斜した)平面からの光を検知するため、サンプル領域の所与の軸平面における異なる深度からの光は、センサにより別個に検知される。これにより、軸方向の光学的断片形成が改善され、達成可能な軸方向解像度が改善される。複数の平面の各々を照射するとき、照射アセンブリは、実質的に立方形状であり得る平面の周りのある体積に光を向けることができる。1つ以上の平面が撮像軸に対して傾斜している実施形態では、各傾斜平面の周囲の体積は、略菱形形状であってもよい。しかし、かかる各体積は、平面に直交する方向に薄い(例えば、サンプルの全体的な厚さに比べて)ことが好ましい。
【0021】
軸方向平面と共に使用するための多面光学アセンブリは、光をイメージセンサの必要なサブセクションに向けるために多面光学アセンブリの個々の構成要素を調整することにより、傾斜平面と共に使用するように適合されてもよい。代替的に、軸方向照射平面と共に使用するように構成された多面光学アセンブリ全体を回転させて、傾斜平面を取り扱ってもよい。例えば、軸方向平面の複数の深度からイメージセンサの単一の行または列に光を方向付けるように構成されている多面光学アセンブリを回転させて、傾斜面の複数の深度からイメージセンサの同じ単一の行または列に光を方向付けることができる。
【0022】
各セクションにより検知される光(すなわち、各平面に対して)は、サンプル領域に平面を含むそれぞれの体積で生成される光の、それぞれの平面に直交する方向における2次元投影を含むか、または構成することができる。これらの体積は、オーバーラップしないことが好ましい。平面に直交する方向における体積の厚さ(これは、照射される平面の間隔に依存し得る)は、所望の撮像解像度および/またはサンプル中の関心構造の予測されるスケールに基づいて選択され得る。厚さは、少なくとも部分的に、イメージセンサの画素の幅、及び/または、光の波長及び/または開口数及び/または倍率のような照射または受光アセンブリの特性のような他の態様に依存することが可能である。照射アセンブリは、これらの体積のそれぞれをそれぞれの瞬間に光で満たすように、および/またはビームまたはシート(体積よりも狭いこともある)を体積にわたってまたは体積を通過させて掃引するように配置することができる。蛍光は、点の照射が停止した後でさえ、ある時間、体積の点から発せられる光をもたらし得る。
【0023】
イメージセンサの各サブセクションは、複数の深度のうちの単一の深度だけからではなく、複数の深度のそれぞれの周りの深度のそれぞれの範囲から光を受け取ることができる。
【0024】
(例えば、対物レンズアセンブリと協働して)照射アセンブリは、対物レンズアセンブリの撮像軸に対して平行(実質的に平行を含み得る)に延びる光シートを生成するように配置され得る(すなわち、軸方向に)。このような実施形態では、複数の平面は、実質的に軸方向の平面(すなわち、各平面に対する垂線が撮像軸に対して直交する平面)を含んでもよい。
【0025】
照射アセンブリは(例えば、対物レンズアセンブリと協働して)、対物レンズアセンブリの撮像軸に対して傾斜する(すなわち傾斜方向に)光シートを生成するように配置されてもよい。当該実施形態において、複数の平面は、実質的に傾斜した平面(すなわち、各平面に対する垂線が撮像軸に対して傾斜している場合)を含み得る。
【0026】
照射アセンブリは、サンプル領域を横切って光シートを掃引またはステップするように(例えば、複数の平行な軸方向平面または複数の傾斜平面を照射するように)配置されてもよい。いくつかの実施形態では、連続的な掃引が好ましい場合がある。これは、特に高速照射を可能にすることができ、これは高いフレームレートをサポートすることができるからである。
【0027】
照射アセンブリは、光源(例えば、LEDまたはレーザ)を備えてもよく、または別様に、別個の光源から光を受光してもよい。照射アセンブリは、サンプル領域の異なる平面を選択的に照射するための1以上の制御可能な光学構成要素を含むことができる。例えば、照射アセンブリは、操作可能なミラー等の物理的に制御可能な構成要素、及び/または空間光変調器等の電子的に制御可能な構成要素を備えることができる。
【0028】
照射アセンブリは、光源からの光を補正するように配置された1つ以上のレンズを備えることができる。例えば、照射アセンブリは、光ビーム(例えば、レーザからのガウスビーム)から光シートを作成するように配置された1つまたは複数のレンズ(例えば、1つまたは複数の円柱レンズ、スキャンレンズおよび/またはチューブレンズ)を備えることができる。照射アセンブリは、レンズの軸外部分(すなわち、レンズの撮像軸から離れて、例えば、レンズの片側にある)を通して光源からの光を向けることにより、傾斜光シートを生成するように配置されてもよい。
【0029】
画素のセクションは、イメージセンサの画素の任意の別個のセットを含むことができる。しかしながら、幾つかの実施例では、セクションが、イメージセンサを横切って連続的に(例えば、単一の線または長方形として)配置されたそれぞれの画素のセットから成ることが有利である場合がある。これは、装置のイメージセンサ及び/または光学コンポーネントの複雑さを減少させることを可能にするかもしれない。このようないくつかの実施形態では、連続的に検知されるセクションの1つまたは複数の対は、互いに隣接する(すなわち、介在する画素により分離されない)。これは、さらに、複雑性を低減し、高速撮像を促進し得る。好ましい実施形態のセットでは、画素の部のうちの1つ以上またはそれぞれは、画素の1つ以上のライン(例えば、行または列)を含み、例えば、隣接するラインまたはラインのセットが逐次的に検知される。そのような実施形態では、(例えば、対物レンズアセンブリと協働して)多面光学アセンブリは、1つ以上の対応する平面で生成される光を1つ以上の画素線に誘導する(すなわち、平面をベクトル化する)ように配置される。特に好ましい実施形態のセットでは、各セクションは、全てが平行であってもよく、全てがイメージセンサにまたがっていてもよい(例えばセンサの全高)、画素のそれぞれの単一ラインのみを含む(例えばそれぞれの列)。いくつかの実施形態では、イメージセンサは、ラインスキャンイメージセンサであり、検知率で一度に1ラインの画素を検知するように配置される。
【0030】
複数の平面が傾いて平行である幾つかの実施形態のセットでは、センサの画素のそれぞれのセクションは、センサの固有の検知パターンと一致するように、軸方向照射のために使用されるセクションに対して変位させることができる。画素の各セクションは、1つまたは複数の画素のラインのセットを含むことができ、各セットの開始は、前のセットからオフセットされている。例えば、複数の傾斜面及び平行面を使用し、イメージセンサが画素のライン(例えば行)を逐次的に検知するように配置されるとき、画素の複数のセクションは、傾斜角に対応するオフセットを有するオフセットライン(またはラインのセット)を含み得る。そして、センサから出力された画像データは、サンプル領域の3次元画像へとより容易に処理され得る。
【0031】
装置は、イメージセンサから画像データを受信するための、コンピュータのような処理システムを備えていてもよい。それは、受信された画像データを記憶および/または処理することができ、例えば、画像データのサブ解像度顕微鏡処理を行うことができる。画像データを処理して3次元画像データセットを生成してもよい。ディスプレイ(例えば、モニタ)を備えてもよい。装置は、表示のためにレンダリングするように、および/またはサンプル領域の3次元画像を表示するように構成することができるが、これは、別々の装置により行うこともできる。装置は、イメージセンサの異なるセクションを有する平面の2次元画像を本質的に捕捉するように構成することができ、次いで、それを積み重ねて、サンプル領域の3次元画像データセットを構築することができる。しかしながら、幾つかの実施例では、例えば、各平面からの光が画素のラインにより検知される(すなわち、その平面がラインに「ベクトル化」される)実施例では、イメージセンサにより収集された生の画素データをサンプル領域の3次元画像データセットに変換する変換ステップを必要とすることがある。これは、画素からのデータを異なるレイアウトに再配置することを含むことができるが、また、あるいは、1つ以上の寸法で画素データを歪ませる(例えば、拡張する、圧縮する、回転する)ことを含み得る。
【0032】
画素の各サブセクションは、それぞれのセクションの画素の任意の別個のセットから構成されてもよい。しかしながら、サブセクションは、好ましくは、画素のそれぞれの連続するセットから構成される(すなわち、切り離されていないシーケンスで配置される)。幾つかの実施形態に於いて、サンプル領域の隣接する深度に対応するサブセクションは、イメージセンサの画素の各セクションで隣接している。例えば、画素のセクションがそれぞれの単一または複数の画素ラインである実施形態では、第1のセンサの寸法(例えば、X軸に沿って)において、サブセクションは、各ラインの隣接する部分を含むことができ、その結果、サブセクションは、第2の、直交するセンサの寸法(例えば、Y軸に沿って)において、それぞれのストライプに配置される。
【0033】
装置は、蛍光体積顕微鏡法を実施するように配置されてもよい。照射アセンブリは、平面が照射されるときに、サンプル領域のサンプルの蛍光を励起するように配置されてもよく、多面光学アセンブリおよびイメージセンサは、照射された平面からの蛍光光を誘導しかつ検知するように配置されてもよい。
【0034】
照射率は検知率に等しいので、複数の平面の各平面からの光は、画素の異なる対応する部により捕捉される(すなわち、イメージセンサは、照射アセンブリが複数の平面を照射するのと同じ率で画素の部を検知する)。したがって、イメージセンサの全てのセクションを検知するのに要する時間が、サンプル領域を横切る複数の平面の全てを照射するのと同じ時間周期を要する場合がある。
【0035】
いくつかの実施形態では、装置は、サンプル領域を撮像するとき(すなわち、「クロップセンサモード」で動作するとき)、イメージセンサの一部のみを利用するように構成することができる。これは、フレームレートを増加させること、および/または画素またはサンプル領域のセクションの形状またはサイズを最適化することであり得る。例えば、4000ラインの画素を有する物理的センサは、それらの全てを使用して、第1のモードにおいてサンプル領域を撮像するが、第2のモードにおいてサンプル領域の幅の75%をスパンする3000の照射面からの光を受けるために3000ラインのみを使用するように配置され得る。
【0036】
この装置は、サンプル領域全体を撮像するために単一のイメージセンサを使用することができる。しかしながら、実施形態では、装置は、同じく複数のセクションを含み、検知率で画素の各セクションを逐次的に検知するように配置された第2のイメージセンサを含むことができる。多面光学アセンブリは、サンプル領域の第2の複数の深度のそれぞれから、第2のイメージセンサの画素の各セクションのそれぞれのサブセクションに光を同時に送るように追加的に配置されてもよい。多面光学アセンブリは、異なる深度からの光を第1および第2のイメージセンサに向けるように配置されてもよい。いくつかの実施形態では、多面光学アセンブリは、1つ以上の深度の第1のセットからの光を第1のイメージセンサに(好ましくは、単に)導き、1つ以上の深度の第2のセットからの光を第2のイメージセンサに(好ましくは、単に)導くように構成される。第1および第2の深度のセットは、深度の隣接するセット(例えば、深度A、B、C、Dを含む第1のセット、および深度E、F、G、Hを含む第2のセット(ここで、Aは最も深く、Hは最も浅い、またはその逆)であってもよく、またはそれらがインターリーブされてもよく(例えば、深度A、C、E、Gおよび深度B、D、F、Hを含む第2のセット)であってもよく、サンプル領域からの光を2つのイメージセンサにわたって分割することにより、深度および/または撮像速度および/または撮像解像度の間の光学的切断が改善されてもよい。このアプローチは、実施形態では、3つ以上のイメージセンサを含む装置を有するように拡張することができる。
【0037】
本明細書に記載する任意の態様または実施形態の特徴は、適宜、本明細書に記載する任意の他の態様または実施形態に適用することができる。異なる実施例を参照する場合、これらは必ずしも明確ではなく、重複してもよいことを理解すべきである。
【0038】
ここでは、1つ以上の非限定的な実施例を、単なる例として、および添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による体積顕微鏡検査用の装置の概略図である。
【
図2】
図2は、体積顕微鏡検査のための装置の別の概略図である。
【
図3】
図3は、装置により光がどのようにイメージセンサに転写されるかを説明するための概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の別の実施形態による体積顕微鏡検査のための装置の概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態において使用するための多面プリズムを示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の別の実施形態による体積顕微鏡検査のための装置の概略図である。
【
図7】
図7は、軸方向および傾斜照射技術を比較する概略図である。
【
図8】
図8は、多面光学アセンブリの概略図である。
【
図9】
図9は、軸方向照射および傾斜照射のための光学伝達関数の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1及び
図2に示すように、サンプル3により占有されたサンプル領域4の体積顕微鏡用の装置2は、イメージセンサ6、照射及び受光アセンブリ8及び多面光学アセンブリ10(例えば多面プリズム)を含む。サンプル3(ここではスライドなどの水平面5に置いて示されている)は、蛍光標識された生物サンプルであってもよいが、装置2は、多種多様な異なる物体を撮像するために使用されてもよく、潜在的には顕微鏡的解像度よりも大きなスケールで撮像されてもよい。
【0041】
本実施の形態におけるイメージセンサ6は、行及び列に配列された複数の画素からなる2次元CMOSイメージセンサである。以下により詳細に説明するように、イメージセンサ6は、画素の各列(それぞれの「セクション」を具現化する)を検知率で逐次的に検知するように配置される。ここでのセンシングとは、画素が電荷を蓄積するように構成される期間を、画素が読出される前に言及してもよい。
【0042】
図1は、露出され、検知される画素の第1の列12を示し、
図2は、第1の列12に隣接し、露出され、後に検知される画素の第2の列14を示す。第1および第2の列12、14(他のすべての列と同様に)は、それぞれ、4つのサブセクション12a、12b、12c、12d、14a、14b、14c、14dを備える(サブセクションへの分割は、センサ6自体の物理的属性ではなく、代わりに、センサ6からの画像データがどのように処理されるかに関連する)。
【0043】
照射及び受光アセンブリ8は、光源16(例えば、レーザ)、可動ミラー17、ビームスプリッタ18および対物レンズアセンブリ20を備える。それは、任意に、さらなるレンズ、ミラー、フィルタなどを含んでもよい。照射及び受光アセンブリ8は、対物レンズアセンブリ20の撮像軸に平行な軸方向に延在する狭い光シートでサンプル領域4を照射するように配置される。サンプル領域4における光シートの位置は、可動ミラー17を移動させることにより変化させられる。可動ミラー17は、ミラー17を回転させることにより、サンプル領域4を横切って光シートを横方向に(すなわちシートに垂直な方向に)平行移動させるように、光路のフーリエ面に配置される。言い換えると、可動ミラー17を移動させることにより、照射及び受光アセンブリ8は、サンプル領域4を横切る(すなわち、貫通する)軸方向光シートをスムーズに掃引し、サンプル領域を通る軸方向に延びる平面の連続体を照射するように構成される。この連続体で、サンプル領域の複数の別個の軸方向に延在する平面は、検知率に等しい照射率で逐次的に照射されると考えることができる。代替の実施形態では、光シートは、検知率に等しい照射速度で、一連の離散的なステップで移動させることができる。
【0044】
コンピュータシステム21は、可動ミラー17のアクチュエータを制御する。また、サンプル3の顕微鏡データを取得するために、イメージセンサ6からの画像データを受信し、処理する。それは、実施形態では、計算ナノスコピー処理を使用して、サンプル3の超解像撮像を提供することができる。
【0045】
図1は、サンプル領域4の第1の平面22を光シートで照射する照射及び受光アセンブリ8を示しており、
図2は、サンプル領域4の第2の平面24を光シートで照射する後の時点での照射及び受光アセンブリ8を示している。
【0046】
また、対物レンズアセンブリ20は、サンプル領域4で生成された光(例えば、サンプル3を通る照射面からの散乱光または蛍光光)を捕捉し、ビームスプリッタ18を介して多面光学アセンブリ10に向けるように配置される。したがって、ビームスプリッタ18、対物レンズアセンブリ20、および多面光学アセンブリ10は、共に、受光アセンブリ(任意に、さらにレンズ、ミラー、フィルタなどを含んでもよい)を提供する。多面光学アセンブリ10は、サンプル領域4の4つの異なる深度バンドから光を分離し、これらをイメージセンサ6の画素の異なるそれぞれのサブセクションに向ける。例えば、
図1は、第1の平面22の最も深い深度22aからの光(すなわち、対物レンズアセンブリ20から最も遠い)が、どのように第1のサブセクション12aに向けられるかを示し、一方、第1の平面22の最も浅い深度22dからの光は、第4のサブセクション12dに向けられる。下及び上の中間深度22b、22cは、それぞれ第2のサブセクション12b及び第3のサブセクション12cに向けられる。
【0047】
上述のように、使用時に、照射及び受光アセンブリ8は、サンプル領域4を横切って光シートを掃引し、これによりサンプルの複数の平面を逐次的に照射する。イメージセンサ6は、画素の列の各々を、等しい検知率で逐次的に検知し、これらの平面の各々からの光が、画素の異なるそれぞれの列により検知されるようになっている。積極的に検知されている1つの列の外側のセンサ6の部分に当たる(すなわち電荷を蓄積していない列に当たる)サンプル領域4からの任意の光は、撮像されない。この結果、サンプル領域4の正確な垂直方向の切断がもたらされる。各画素列は、光シートの幅および/または運動に起因して(および潜在的に、サンプル3中のいずれかの蛍光マーカのゼロ以外の減衰時間に起因して)、照射された平面の周りの狭い体積からいくらかの追加の光を受光し得る。収集光学系と画素の幅も、分割化に影響することがある。しかしながら、これらは、正確な垂直断片を与えるために、各列により検知される体積(すなわち、垂直スライス)の厚さを制限するように構成することができる。
【0048】
図1及び
図2は、サンプル領域4の2つの平面22、24の照射及び検知を示している。第1の時に、照射及び受光アセンブリ8は、
図1に示されるように第1の平面22を照射する。照射の結果として(例えば、散乱により、または蛍光により)第1の平面22で生成された光は、対物レンズアセンブリ20及び多面光学アセンブリ10を介してイメージセンサの画素の第1の列12に向けられる。多面光学アセンブリ10は、第1の平面22の異なる深度からの光を、第1の列12の異なるサブセクション12a、12b、12c、12dに向ける。したがって、画素の第1の列12は、サンプル領域4の第1の平面22の画像を記録する。
【0049】
第2の、その後の、
図2に示すように、照射及び受光アセンブリ8は第2の平面24を照射し、第2の平面24で生成された光(例えば、散乱により、または、蛍光により)は、対物レンズアセンブリ20および多面光学アセンブリ10を介して、イメージセンサの画素の第2の列14に向けられる。多面光学アセンブリ10は、第2の平面24の異なる深度からの光を、第2の列14の異なるサブセクション14a、14b、14c、14dに向ける。したがって、画素の第2の列14は、サンプル領域4の第2の平面24の画像を記録する。
【0050】
このプロセスは、サンプル領域4の更なる平面が照射され、それからの光がイメージセンサ6の更なる画素の列により検知されて、サンプル領域4の全体が撮像されるまで続く。このように、装置2は、イメージセンサ6の単一フレームのサンプル領域4の3次元(体積)画像(すなわち、3Dデータセット)を捕捉する。サンプル領域4を横切って光シートを掃引し、得られた光を検知するプロセスは、サンプル領域4の活動を3次元及び高速で記録するために、高いフレームレート(例えば、イメージセンサ6の最大電子シャッタレートに応じて、毎秒最大1500回またはそれより速い)で繰り返すことができる。イメージセンサ6が、その巻きシャッタの方向を逆転させることができる場合には、光シートは、画像データが両方向に集められる状態で前後に掃引されてもよく、そうでない場合には、光シートは、各フレームに対して同じ方向に掃引されてもよい。
【0051】
図3は、サンプル領域4から発する光がどのようにイメージセンサ6の画素に平行移動されるかを示す概略図である。
【0052】
サンプル領域4の4つの別個の深度22a~22dのそれぞれについて、装置2は、その深度での点から、およびその周りの点から発する光を、イメージセンサ6の幅の一部または全部にまたがる画素の4つの水平ストライプ(サブセクション)のそれぞれの1つに平行移動させる。しかしながら、いつでも、サンプル領域4を通る1つのスライスのみが照射され、そのため最小限の光が、光シートに対応する垂直ストライプの外側のセンサ6に到達する。特に、照射面と一致する、それぞれの水平線に沿って出る光は、画素の単一列のそれぞれのサブセクション12a~12dに沿ったそれぞれの画素で受け取られる。
【0053】
多面光学アセンブリ10は、4つの深度22a~22dからの光を端部同士で接合させ、センサ6を一列に並べて形成するようにする。
図3の簡略化した例では、単一画素幅の列12は、サブセクション12a~12dの各々に3つ-計12個の画素を含むものとして示されている。しかし、実際には、単一の列の4つのセクションのそれぞれに数百の画素が存在することがある。この例における12個の画素の各々は、照射面により能動的に照射されているサンプル領域4の12個の点のうちのそれぞれ1個の付近から発せられる光を受け取る。サンプル領域4の各点の周りのこの近傍の幅W及び深度Dは、少なくとも部分的に、装置2の収集光学系に依存し得る。また、幅Wは、少なくとも部分的に、イメージセンサ6の画素の幅、及び/または、光の波長及び/または合成照射及び受光アセンブリ8及び多面光学アセンブリ10の特性、例えば開口数及び/または倍率等の他の態様に依存してもよい。ここでは、深度22a~22dは連続している(すなわち、触れている)ように示されているが、実施形態によりは、それらの間にギャップが存在しており、それらのギャップからは、センサ6により光が検知されない(すなわち、記録されている)。各深度22a~22dにおいてサンプリングされる、サンプル領域4を通る水平線の長さLa、Lb、Lc、Ldは、収集光学系、及びイメージセンサ6の高さ及び解像度に依存することが可能である。長さLは、照射面により照射されるサンプル領域4の全ての点で同じであってもよいが(例えば、La=Lb=Lc=Ld)、これは必須ではない。同様に、幅Wは、すべての点で同じであってもよく、深度Dは、すべての点で同じであってもよいが、これは必須ではない。幅W、深度D、及び長さLは、領域4を横切って同じであってもよく、サンプル領域の点の周りのそれぞれの立方体近傍から光を各画素がサンプルするように、互いに等しく、すなわちW=D=Lである追加であってもよい。しかしながら、他の例では、幅W、深度D及び長さLは互いに等しくなく、画素は、サンプル領域の各点の周りの非立方近傍から光をサンプリングすることができる。例えば、深度Dは、幅Wおよび/または長さLより大きくてもよい。
【0054】
いくつかの動作モードでは、画像、例えば列の中央部分集合のみ、を捕捉するために、イメージセンサ6のサブ領域のみが使用される。これにより、一部のモードでより高いフレームレートを使用できる可能性がある。
【0055】
図4は、体積顕微鏡102のための別の装置を示す。
図4に示される装置102の構造は、
図1および2に示される装置2の構造と大部分同じであり、照射及び受光アセンブリ108と、サンプル(図示せず)を含むサンプル領域104を撮像するための多面光学アセンブリ110とを備える。しかし、装置102は、単一のイメージセンサ6ではなく、第1のイメージセンサ106及び第2のイメージセンサ107を備えている。
【0056】
装置102の動作は、
図1および
図2を参照して上述されたものとほぼ同じである。しかし、多面光学アセンブリ110(例えば、後述する多面プリズム400)は、光をサンプル領域104の照射平面124の第1及び第3の深度から第1のイメージセンサ106の列114の異なるサブセクション114a、114cに向け、光をサンプル領域104の第2及び第3の深度から第2のイメージセンサ107の列115の異なるサブセクション115b、115dに向ける。2つのイメージセンサ106、107の間で照射平面124からの光を分割することにより、各深度から光を検知するために使用される各センサ106、107の領域を拡大し、撮像の解像度を向上させることが可能である。
【0057】
図5は、本発明の実施形態における多面光学アセンブリとして使用される多面プリズム400を示す。プリズム400は、サンプル領域の複数の深度A、B、C、D、E、F、G、Hからの光を含む入力光402を受け取り、異なる深度(すなわち、異なる深度範囲)に対応する異なる成分に分離された入力光402を含む出力光404を生成する。プリズム400は、イメージセンサ6の単一の露出ラインに投影するために、ナイキスト光学スペーシングで軸方向平面をストリップにベクトル上昇させるように設計される。
図5に示すプリズム400は、出力光404を2つの異なる部分に分割し、その結果、深度A、C、E及びGからの光を第1のイメージセンサ106に送ることができ、深度B、D、F及びHからの光を第2のイメージセンサ107に送ることができる。他のプリズムは、単一のイメージセンサ6のみを含む装置2で使用するために、1つの部分に光を送ることができる。
【0058】
他の実施形態では、格子は、多面光学アセンブリとして使用されてもよい。
【0059】
図6は、サンプル領域4の体積顕微鏡観察のための別の装置202を示す。装置202は、イメージセンサ206、複合型の照射及び受光アセンブリ208、及び多面光学アセンブリ210(例えば多面プリズム)を備える。前述のように、サンプル3は、スライドなどの水平面5に静止して示され、蛍光標識された生物サンプルであってもよい。
【0060】
イメージセンサ206は、画素の列(それぞれの「セクション」を具現化する)を検知率で逐次的に検知するように配置される。
図6は、露光され検知される画素の列212を示す。列212は、4つのサブセクション212a、212b、212c、212dを備える。
【0061】
照射及び受光アセンブリ208は、光源216(例えば、レーザ)、可動ミラー217、ビームスプリッタ218および対物レンズアセンブリ220を備える。それは、任意に、さらなるレンズ、ミラー、フィルタなどを含んでもよい。照射及び受光アセンブリ208は、対物レンズアセンブリ220の撮像軸に対して傾斜した角度で延びる狭い光シート(傾斜光シート)でサンプル領域4を照射するように配置される。サンプル領域4の光シートの位置は、可動ミラー217を移動させることにより変化させられる。可動ミラー217は、可動ミラー217を回転させることにより、サンプル領域204を横切って光シートを横方向に(すなわち、撮像軸に垂直な方向に)平行移動させるように、光路のフーリエ面に配置される。言い換えると、可動ミラー217を移動させることにより、照射及び受光アセンブリ208は、サンプル領域4を横切る(すなわち、貫通する)傾斜方向光シートを滑らかに掃引するように配置され、サンプル領域を通る傾斜した平面の連続体を照射する。この連続体で、サンプル領域の複数の別個の傾斜面は、検知率に等しい照射率で逐次的に照射されると考えることができる。代替の実施形態では、光シートは、検知率に等しい照射速度で、一連の離散的なステップで移動させることができる。
【0062】
コンピュータシステム221は、可動ミラー217のアクチュエータを制御する。また、サンプル3の顕微鏡検査データを取得するために、イメージセンサ206から画像データを受信し、処理する。それは、実施形態では、計算ナノスコピー処理を使用して、サンプル3の超解像撮像を提供することができる。
【0063】
また、対物レンズアセンブリ220は、サンプル領域4で生成される光(例えば、サンプル3を通る照射面からの散乱光または蛍光光)を捕捉し、ビームスプリッタ218を介して多面光学アセンブリ210にそれを方向付けるように配置される。多面光学アセンブリ210は、サンプル領域4の4つの異なる深度帯から光を分離し、これらをイメージセンサ6の画素の異なるそれぞれのサブセクションに向ける。照射面が傾斜しているので、異なる深度からの光は、対物レンズアセンブリ220の撮像軸に直交する方向に広がる。これは、異なる深度(すなわち、有効軸方向の光学的切断)からの光の有効分離を容易にし、軸方向解像度性能を改善する。
図6は、第1の平面222の最も深い深度222aからの光(すなわち、対物レンズアセンブリ220から最も遠い)が、どのように第1のサブセクション212aに向けられるかを示しており、一方、第1の平面222の最も浅い深度222dからの光は、第4のサブセクション212dに向けられる。下部および上部中間深度222b、222cはそれぞれ第2の212bおよび第3の212cサブセクションに向けられる。
【0064】
傾斜光がサンプルを通って掃引されると、センサ206は1回の露光で全体積の画像データを蓄積する。照射平面222は、撮像軸に対して傾斜しているが、依然としてセンサ206の垂直セクション(列)に対応しているため、サンプル中の異なる深度からのデータに対応するセンサの領域は、僅かにずれている(
図6に点線で示される)。
【0065】
照射平面の傾斜した特徴以外は、装置202の動作は、上述した装置2の動作と同様である。照射及び受光アセンブリ208は、サンプル領域4を横切って傾斜した光シートを掃引し、サンプルの複数の平行な傾斜面を逐次的に照射するようにする。イメージセンサ206は、等しい検知率で画素の列の各々を逐次的に検知し、これらの平面の各々からの光が画素の異なるそれぞれの列により検知されるようにする。このように、装置202は、イメージセンサ206の単一フレームにおいてサンプル領域4の3次元イメージを捕捉する。
【0066】
積極的に検知される1つの列の外側のセンサ206の部分に当たる(すなわち電荷を蓄積していない列に当たる)サンプル領域4からの任意の光は、撮像されない。この結果、サンプル領域4の正確な垂直方向の切断がもたらされる。任意の所与の瞬間において、センサ206は、現在の傾斜照射面により照射されたサンプル3の菱形領域からの光を検知するだけである。その結果、サンプル3の所与の軸方向平面の異なる深度からの光が異なる時間に検知され、深度セクション化及び軸方向解像度が改善される。
【0067】
各画素列は、光シートの幅および/または運動に起因して(および潜在的に、サンプル3中のいずれかの蛍光マーカのゼロ以外の減衰時間に起因して)、照射された平面の周りの狭い体積からいくらかの追加の光を受光し得る。収集光学系と画素の幅も、分割化に影響することがある。しかしながら、これらは、正確な断片を与えるために、各列により検知される菱形体積の厚さを制限するように構成され得る。
【0068】
図7は、軸上の平面照射(例えば、
図1~5を参照して上述された装置2)を使用する体積顕微鏡検査のための装置の操作と、傾斜平面照射(例えば、
図6を参照して上述された装置202)を使用する体積顕微鏡検査のための装置の操作とを比較する。理解のために、両方のオプションを
図7にまとめて示すが、実際には、1度に1つの照射アプローチしか使用しない。
【0069】
軸方向平面照射の場合、レーザ702は、円柱レンズ706を通過し、次いでスキャンレンズ708の中心(軸上)を通過する第1のビーム704を生成する。第1のビーム704は、可動ミラー710により反射され、さらに2つのレンズ712を通過し、対物レンズアセンブリ716に入る前にダイクロイックミラー714から反射される。レンズおよびミラーのこのアセンブリは、第1のビーム704を、サンプル領域720の軸平面を照射する軸方向光シート718に変換する。軸方向光シート718は、サンプルの複数の深度にわたって延在し、4つの実施例では、A、B、C、およびDでラベル付けされた深度である。
【0070】
傾斜面照射の場合、レーザ702は、円柱レンズ706を通過した後、スキャンレンズ708を通過する第2のビーム722を生成する。しかしながら、それは、軸外の(即ち、レンズの中心から離れた)スキャンレンズ708を通過する。第2のビーム722は、可動ミラー710により反射され、2つのさらなるレンズ712を通過し、対物レンズアセンブリ716に入る前にダイクロイックミラー714から反射される。レンズ及びミラーのこのアセンブリは、第2のビーム722を傾斜光シート724に変換し、該シートは、サンプル領域720の傾斜面を照射する。また、傾斜光シート724は、サンプルA、B、C、Dの複数の深度にわたって延在する。
【0071】
図7は、軸方向光シート718および傾斜光シート724により照射されるサンプル領域720の詳細な挿入図を含む。
【0072】
いずれの場合も、サンプルの照射面は、(例えば、蛍光により)光を生成し、この光は、対物レンズアセンブリ716により捕捉され、多面光学アセンブリ726に向けられる。これは、サンプル領域720の異なる深度A、B、C、Dからの光をイメージセンサ728の異なる部に向ける。
【0073】
可動ミラー710は、軸方向または傾斜方向の光シート718、724を、サンプルを通して掃引するために回転する。イメージセンサ728の各行は、同じレートで検知される。
図7は、イメージセンサ728の詳細な挿入図を含み、イメージセンサ728のセクションは、軸方向照射及び傾斜方向照射の両方についてハイライトされたサンプル領域の異なる深度に対応する。傾斜光シートが使用されるとき、サンプル領域の異なる深度に対応するイメージセンサ728のセクションはオフセットされる。このオフセットは、検知されたデータを処理して、サンプル領域720の3次元画像を生成する際に考慮される。
【0074】
図8は、本発明の実施形態における使用に好適な多面光学アセンブリのいくつかの例を示す。第1の多面光学アセンブリ802は、軸方向照射と併用するために配列される、多焦点(MF)格子を含む。また、第2の多面光学アセンブリ804は、MF格子を含む。しかしながら、第2の多面光学アセンブリ804は、第1の多面光学アセンブリ802に対し回転され、その結果、傾斜照射とともに使用するために配置される。
【0075】
第3の多面光学アセンブリ806は、軸方向照射と併用するために配列されるビームスプリッタ(BS)カスケードを備える。第4の多面光学アセンブリ808は、BSカスケードも含む。BSカスケード806、808は各々、いくつかのビームスプリッタキューブとプリズムミラーとを備えている。第4の多面光学アセンブリ808の構成要素のそれぞれは、第3の多面光学アセンブリ806の構成要素に対して回転され、その結果、傾斜照射とともに使用するために配置される。
【0076】
第5の多面光学アセンブリ810は、多重焦点(MF)プリズムを含む。MFプリズムは、軸方向照射および傾斜照射と共に使用するために適宜回転させることができる。
【0077】
図9は、軸方向および傾斜照射を使用する装置のための一例の光学伝達関数(OTF)を示す。第1のOTF902は、軸方向照射を使用する装置のためのものである。第2のOTF 904は、傾斜照射を使用する装置に対するものである。その他の点では、装置は同一である。
【0078】
図9は、第2のOTF904(傾斜照射)が、z方向にさらにどのように延びるかを示し、軸方向解像度の改善を示す。より一般的には、第2のOTF904(傾斜照射)は、第1のOTF902よりも広い領域にわたって延在し、軸方向に沿ったより多くの情報が、傾斜照射を使用して、サンプル領域から回復可能であり得ることを示す。
【0079】
特定の配向を有するサンプル領域、イメージセンサ等の特徴を備えた実施形態が示されているが、これらは他の実施形態において相違してもよく、本明細書では、「垂直」、「水平」、「幅」、「高さ」等を参照し、それに応じて適合されることが理解されよう。より一般的には、サンプル領域の「深度」は、いかなる特定の配向にも限定されない。
【0080】
本発明を限られた数の実施形態のみに関連して詳細に説明したが、本発明は、そのような開示された実施形態に限定されるものではないことを容易に理解すべきである。むしろ、本発明は、これまで説明しなかったが、本発明の範囲に見合った、任意の数の変形、変更、置換または同等の装置を組み込むように修正することができる。さらに、本発明の様々な実施形態を説明したが、本発明の態様は、説明した実施形態の一部のみを含むことができることを理解されたい。したがって、本発明は、上述の説明により限定されるものではなく、添付の請求の範囲によりのみ限定される。
【国際調査報告】