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特表2024-530716眼科手術システムのためのレーザショット周波数の管理
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】眼科手術システムのためのレーザショット周波数の管理
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/01 20060101AFI20240816BHJP
   A61F 9/013 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
A61F9/01
A61F9/013
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510436
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(85)【翻訳文提出日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 IB2022058137
(87)【国際公開番号】W WO2023031805
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/240,104
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100227835
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 剛孝
(72)【発明者】
【氏名】マリオ アーブラハム
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ビットネーベル
(57)【要約】
眼を治療するための眼科手術システムは、レーザデバイス及びコンピュータを含む。レーザデバイスは、レーザショットのシーケンス及び対応する位置を含むショットリストに従って治療周波数のレーザパルスを眼に向ける。レーザショットのシーケンスは、サブストリングを含み、各サブストリングは、ある位置での局所ショット周波数を示す。サブストリングにおけるレーザショットの数は、治療周波数に依存する。コンピュータは、サブストリングについて、治療周波数に変化がある場合、サブストリングにおけるレーザショットの数を調整することと、局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たすことをサブストリングが示すかどうかを確認することと、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たさない場合、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすようにショットリストを調整することとを行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼を治療するための眼科手術システムであって、
ショットリストに従って複数のレーザパルスを前記眼に向けるように構成されたレーザデバイスであって、前記レーザパルスは、治療周波数で放出され、前記ショットリストは、レーザショットのシーケンス及びその対応する位置を含み、前記レーザショットのシーケンスは、複数のサブストリングを含み、各サブストリングは、複数の位置のうちの位置での局所ショット周波数を示し、各サブストリングは、前記治療周波数に依存するレーザショットの数を有する、レーザデバイスと、
コンピュータであって、前記複数のサブストリングについて、
前記治療周波数に変化がある場合、サブストリングにおける前記レーザショットの数を調整することと、
局所的なショット周波数が前記治療周波数における最大局所周波数を満たすことを前記サブストリングが示すかどうかを確認することであって、前記最大局所周波数は、ある位置におけるショットの周波数を制限する、確認することと、
前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たさない場合、前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たすように前記ショットリストを調整することと
を行うように構成されたコンピュータと
を含む眼科手術システム。
【請求項2】
前記コンピュータは、局所ショット周波数が前記治療周波数における最大局所周波数を満たすことを前記サブストリングが示すかどうかを、
前記サブストリングの複数の重なり合うレーザショットが許容可能であるかどうかを判定することと、
前記重なり合うレーザショットが許容可能である場合、前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たすと判定することと
によって確認するようにさらに構成される、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項3】
前記重なり合うレーザショットは、前記重なり合うレーザショットの合成エネルギーの最大エネルギーが、前記重なり合うレーザショットのうちのレーザショットのエネルギーの最大エネルギーよりも小さい場合に許容可能である、請求項2に記載の眼科手術システム。
【請求項4】
前記コンピュータは、前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たすように、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別することと、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、前記レーザショットを前記シーケンスの後のスロットにシフトさせることと
によって前記ショットリストを調整するように構成される、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項5】
前記コンピュータは、前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、
前記レーザショットを前記シーケンスの次のスロットにシフトさせることと、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすかどうかを確認することと
を繰り返すことにより、前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、前記レーザショットを前記シーケンスの後のスロットにシフトさせるように構成される、請求項4に記載の眼科手術システム。
【請求項6】
前記コンピュータは、前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たすように、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別することと、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで前記レーザショットを一時停止させることと
によって前記ショットリストを調整するように構成される、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項7】
前記コンピュータは、前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、
前記レーザショットを次の許容されるスロットまで一時停止させること
によって前記レーザショットを一時停止させるように構成される、請求項6に記載の眼科手術システム。
【請求項8】
前記コンピュータは、前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たすように、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別することと、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、前記レーザショットを前記シーケンスの後のスロットにシフトさせるか又はそれまで一時停止させることと
によって前記ショットリストを調整するように構成される、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項9】
前記コンピュータは、前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、
より低い治療周波数について前記レーザショットをシフトさせることと、
より高い治療周波数について前記レーザショットを一時停止させることと
により、前記レーザショットを前記シーケンスの後のスロットにシフトさせるか又はそれまで一時停止させるように構成される、請求項8に記載の眼科手術システム。
【請求項10】
前記コンピュータは、前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、
より高い治療周波数について前記レーザショットをシフトさせることと、
より低い治療周波数について前記レーザショットを一時停止させることと
により、前記レーザショットを前記シーケンスの後のスロットにシフトさせるか又はそれまで一時停止させるように構成される、請求項8に記載の眼科手術システム。
【請求項11】
前記コンピュータは、前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、
前記レーザショットを前記サブストリングの後のスロットにシフトさせることと、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで前記レーザショットを一時停止させることと
により、前記レーザショットを前記シーケンスの後のスロットにシフトさせるか又はそれまで一時停止させるように構成される、請求項8に記載の眼科手術システム。
【請求項12】
前記コンピュータは、前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、
前記レーザショットを前記サブストリングの後のスロットまで一時停止させることと、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで前記レーザショットをシフトさせることと
により、前記レーザショットを前記シーケンスの後のスロットにシフトさせるか又はそれまで一時停止させるように構成される、請求項8に記載の眼科手術システム。
【請求項13】
前記眼の前記治療を監視するために前記眼の複数の画像を記録するように構成されたカメラをさらに含む、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項14】
眼を治療する方法であって、
レーザデバイスにより、ショットリストに従って複数のレーザパルスを前記眼に向けるように構成されたレーザデバイスであって、前記レーザパルスは、治療周波数で放出され、前記ショットリストは、レーザショットのシーケンス及びその対応する位置を含み、前記レーザショットのシーケンスは、複数のサブストリングを含み、各サブストリングは、複数の位置のうちの位置での局所ショット周波数を示し、各サブストリングは、前記治療周波数に依存するレーザショットの数を有する、レーザデバイスと、
コンピュータにより、前記複数のサブストリングについて、
前記治療周波数に変化がある場合、サブストリングにおける前記レーザショットの数を調整することと、
局所的なショット周波数が前記治療周波数における最大局所周波数を満たすことを前記サブストリングが示すかどうかを確認することであって、前記最大局所周波数は、ある位置におけるショットの周波数を制限する、確認することと、
前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たさない場合、前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たすように前記ショットリストを調整することと
を行うことと
を含む方法。
【請求項15】
局所ショット周波数が前記治療周波数における最大局所周波数を満たすことを前記サブストリングが示すかどうかを前記確認することは、
前記サブストリングの複数の重なり合うレーザショットが許容可能であるかどうかを判定することと、
前記重なり合うレーザショットが許容可能である場合、前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たすと判定することと
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記重なり合うレーザショットは、前記重なり合うレーザショットの合成エネルギーの最大エネルギーが、前記重なり合うレーザショットのうちのレーザショットのエネルギーの最大エネルギーよりも小さい場合に許容可能である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たすように前記ショットリストを前記調整することは、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別することと、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、前記レーザショットを前記シーケンスの後のスロットにシフトさせることと
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、前記レーザショットを前記シーケンスの後のスロットに前記シフトさせることは、前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、
前記レーザショットを前記シーケンスの次のスロットにシフトさせることと、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすかどうかを確認することと
を繰り返すことをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たすように前記ショットリストを前記調整することは、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別することと、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで前記レーザショットを一時停止させることと
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで前記レーザショットを前記一時停止させることは、
前記レーザショットを次の許容されるスロットまで一時停止させること
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
眼を治療するための眼科手術システムであって、
ショットリストに従って複数のレーザパルスを前記眼に向けるように構成されたレーザデバイスであって、前記レーザパルスは、治療周波数で放出され、前記ショットリストは、レーザショットのシーケンス及びその対応する位置を含み、前記レーザショットのシーケンスは、複数のサブストリングを含み、各サブストリングは、複数の位置のうちの位置での局所ショット周波数を示し、各サブストリングは、前記治療周波数に依存するレーザショットの数を有する、レーザデバイスと、
前記眼の治療を監視するために前記眼の複数の画像を記録するように構成されたカメラと、
コンピュータであって、前記複数のサブストリングについて、
前記治療周波数に変化がある場合、サブストリングにおける前記レーザショットの数を調整することと、
局所ショット周波数が前記治療周波数における最大局所周波数を満たすことを前記サブストリングが示すかどうかを確認することであって、前記最大局所周波数は、ある位置におけるショットの周波数を制限し、前記確認することは、前記サブストリングの複数の重なり合うレーザショットが許容可能であるかどうかを判定することと、前記重なり合うレーザショットが許容可能である場合、前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たすと判定することとを含み、前記重なり合うレーザショットは、前記重なり合うレーザショットの合成エネルギーの最大エネルギーが、前記重なり合うレーザショットのうちのレーザショットのエネルギーの最大エネルギーよりも小さい場合に許容可能である、確認することと、
前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たさない場合、前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たすように前記ショットリストを調整することと
を行うように構成されたコンピュータと
を含み、前記コンピュータは、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別し、且つ前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、前記レーザショットを前記シーケンスの後のスロットにシフトさせることであって、前記レーザショットは、前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、前記レーザショットを前記シーケンスの次のスロットにシフトさせることと、前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすかどうかを確認することとを繰り返すことによってシフトされる、識別し、且つシフトさせること、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別し、且つ前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、前記レーザショットを次の許容されるスロットまで一時停止させること、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別し、且つ前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、前記レーザショットを前記シーケンスの後のスロットにシフトさせるか又はそれまで一時停止させることであって、前記レーザショットは、より低い治療周波数について前記レーザショットをシフトさせ、且つより高い治療周波数について前記レーザショットを一時停止させること、より高い治療周波数について前記レーザショットをシフトさせ、且つより低い治療周波数について前記レーザショットを一時停止させること、前記レーザショットを前記サブストリングの後のスロットにシフトさせ、且つ前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで前記レーザショットを一時停止させること又は前記サブストリングの後のスロットまで前記レーザショットを一時停止させ、且つ前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで前記レーザショットをシフトさせることによってシフト又は一時停止される、識別し、且つシフト又は一時停止させること
によって前記ショットリストを調整するように構成される、眼科手術システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、眼科手術システムに関し、より詳細には、眼科手術システムのためのレーザショット周波数の管理に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザフォトアブレーション又はレーザ切除は、レーザビームを照射することによって表面から物質を除去するプロセスである。眼科手術では、切除処置は、典型的には、レーザパルスを用いて角膜を変形させて、その屈折特性を変化させる。レーザパルスは、レーザショットのパターンに従って角膜に向けられる。パルスによって分子が互いに分離され、物質が除去されて、所望の角膜形状が得られる。
【0003】
レーザパルスが眼の位置に当たると、それらは、その位置の温度を上昇させる。温度が損傷閾値を超える場合、眼は、一時的又は永続的な損傷を受ける可能性がある。したがって、最大局所周波数は、レーザパルスの局所周波数を制限する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
特定の実施形態では、眼を治療するための眼科手術システムは、レーザデバイス及びコンピュータを含む。レーザデバイスは、治療周波数で放出されたレーザパルスをショットリストに従って眼に向ける。ショットリストは、レーザショットのシーケンス及びその対応する位置を含む。レーザショットのシーケンスは、サブストリングを含み、各サブストリングは、複数の位置のうちの位置における局所ショット周波数を示す。サブストリングのレーザショットの数は、治療周波数に依存する。コンピュータは、サブストリングについて、治療周波数に変化がある場合、サブストリングのレーザショットの数を調整することと、局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たすことをサブストリングが示すかどうかを確認することであって、最大局所周波数は、ある位置でのショットの周波数を制限する、確認することと、局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たさない場合、局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たすようにショットリストを調整することとを行う。
【0005】
いくつかの実施形態は、以下の特徴の1つ、いくつか又は複数を含んでも又は含まなくてもよい。
【0006】
コンピュータは、局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たすことをサブストリングが示すかどうかを、サブストリングの重なり合うレーザショットが許容可能であるかどうかを判定することと、重なり合うレーザショットが許容可能である場合、局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たすと判定することとによって確認する。重なり合うレーザショットは、重なり合うレーザショットの合成エネルギーの最大エネルギーが、重なり合うレーザショットのうちのレーザショットのエネルギーの最大エネルギーよりも小さい場合に許容可能であり得る。
【0007】
コンピュータは、局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たすように、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別することと、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすまで、レーザショットをシーケンスの後のスロットにシフトさせることとによってショットリストを調整する。コンピュータは、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすまで、レーザショットをシーケンスの次のスロットにシフトさせることと、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすかどうかを確認することとを繰り返すことにより、レーザショットを後のスロットにシフトさせ得る。
【0008】
コンピュータは、局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たすように、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別することと、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすまでレーザショットを一時停止させることとによってショットリストを調整する。コンピュータは、次の許容されるスロットまでレーザショットを一時停止させることができる。
【0009】
コンピュータは、局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たすように、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別することと、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすまで、レーザショットをシーケンスの後のスロットにシフトさせるか又はそれまで一時停止させることによってショットリストを調整する。例えば、コンピュータは、より低い治療周波数についてレーザショットをシフトさせることと、より高い治療周波数についてレーザショットを一時停止させることとによってレーザショットをシフト又は一時停止させることができる。別の例として、コンピュータは、より高い治療周波数についてレーザショットをシフトさせることと、より低い治療周波数についてレーザショットを一時停止させることとによってレーザショットをシフト又は一時停止させることができる。さらに別の例として、コンピュータは、レーザショットをサブストリングの後のスロットにシフトさせることと、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすまでレーザショットを一時停止させることとによってレーザショットをシフト又は一時停止させることができる。さらに別の例として、コンピュータは、サブストリングの後のスロットまでレーザショットを一時停止させることと、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすまでレーザショットをシフトさせることとによってレーザショットをシフト又は一時停止させることができる。
【0010】
眼科手術システムは、眼の治療を監視するために眼の画像を記録するカメラを含む。
【0011】
特定の実施形態では、眼を治療する方法は、レーザデバイスにより、レーザショットのシーケンス及びその対応する位置を含むショットリストに従ってレーザパルスを治療周波数で眼に向けることを含む。レーザショットのシーケンスは、サブストリングを含み、各サブストリングは、ある位置での局所ショット周波数を示す。サブストリングのレーザショットの数は、治療周波数に依存する。コンピュータにより、サブストリングについて、治療周波数に変化がある場合、サブストリングのレーザショットの数を調整することと、局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たすことをサブストリングが示すかどうかを確認することであって、最大局所周波数は、ある位置でのショットの周波数を制限する、確認することと、局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たさない場合、局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たすようにショットリストを調整することとが行われる。
【0012】
いくつかの実施形態は、以下の特徴の1つ、いくつか又は複数を含んでも又は含まなくてもよい。
【0013】
局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たすことをサブストリングが示すかどうかを確認することは、サブストリングの複数の重なり合うレーザショットが許容可能であるかどうかを判定することと、重なり合うレーザショットが許容可能である場合、局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たすと判定することとをさらに含む。重なり合うレーザショットは、重なり合うレーザショットの合成エネルギーの最大エネルギーが、重なり合うレーザショットのうちのレーザショットのエネルギーの最大エネルギーよりも小さい場合に許容可能であり得る。
【0014】
ショットリストを調整することは、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別することと、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすまで、レーザショットをシーケンスの後のスロットにシフトさせることとをさらに含む。レーザショットは、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすまで、レーザショットをシーケンスの次のスロットにシフトさせることと、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすかどうかを確認することとを繰り返すことによってシフトされ得る。
【0015】
ショットリストを調整することは、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別することと、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすまでレーザショットを一時停止させることとをさらに含む。レーザショットは、次の許容されるスロットまで一時停止され得る。
【0016】
ショットリストを調整することは、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別することと、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすまで、レーザショットをシーケンスの後のスロットにシフトさせるか又はそれまで一時停止させることとをさらに含む。例えば、コンピュータは、より低い治療周波数についてレーザショットをシフトさせることと、より高い治療周波数についてレーザショットを一時停止させることとによってレーザショットをシフト又は一時停止させることができる。別の例として、コンピュータは、より高い治療周波数についてレーザショットをシフトさせることと、より低い治療周波数についてレーザショットを一時停止させることとによってレーザショットをシフト又は一時停止させることができる。さらに別の例として、コンピュータは、レーザショットをサブストリングの後のスロットにシフトさせることと、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすまでレーザショットを一時停止させることとによってレーザショットをシフト又は一時停止させることができる。さらに別の例として、コンピュータは、サブストリングの後のスロットまでレーザショットを一時停止させることと、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすまでレーザショットをシフトさせることとによってレーザショットをシフト又は一時停止させることができる。
【0017】
特定の実施形態では、眼を治療するための眼科手術システムは、レーザデバイス及びコンピュータを含む。レーザデバイスは、治療周波数で放出されたレーザパルスをショットリストに従って眼に向ける。ショットリストは、レーザショットのシーケンス及びその対応する位置を含む。レーザショットのシーケンスは、サブストリングを含み、各サブストリングは、複数の位置のうちの位置における局所ショット周波数を示す。サブストリングのレーザショットの数は、治療周波数に依存する。コンピュータは、サブストリングについて、治療周波数に変化がある場合、サブストリングのレーザショットの数を調整することと、局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たすことをサブストリングが示すかどうかを確認することであって、最大局所周波数は、ある位置でのショットの周波数を制限する、確認することと、局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たさない場合、局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たすようにショットリストを調整することとを行う。コンピュータは、局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たすことをサブストリングが示すかどうかを、サブストリングの重なり合うレーザショットが許容可能であるかどうかを判定することと、重なり合うレーザショットが許容可能である場合、局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たすと判定することとによって確認する。重なり合うレーザショットは、重なり合うレーザショットの合成エネルギーの最大エネルギーが、重なり合うレーザショットのうちのレーザショットのエネルギーの最大エネルギーよりも小さい場合に許容可能である。コンピュータは、(1)局所ショット周波数が最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別し、且つ局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすまで、レーザショットをシーケンスの次のスロットにシフトさせることと、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすかどうかを確認することとを繰り返すことにより、レーザショットをシーケンスの後のスロットにシフトさせること、(2)局所ショット周波数が最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別し、且つ局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすまで、レーザショットを次の許容されるスロットまで一時停止させること、又は(3)局所ショット周波数が最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別し、且つ局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすまで、レーザショットをシーケンスの後のスロットにシフトさせるか又はそれまで一時停止させることによってショットリストを調整する。コンピュータは、(1)より低い治療周波数についてレーザショットをシフトさせ、且つより高い治療周波数についてレーザショットを一時停止させることと、(2)より高い治療周波数についてレーザショットをシフトさせ、且つより低い治療周波数についてレーザショットを一時停止させることと、(3)レーザショットをサブストリングの後のスロットにシフトさせ、且つ局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすまでレーザショットを一時停止させることと、(4)サブストリングの後のスロットまでレーザショットを一時停止させ、且つ局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすまでレーザショットをシフトさせることとによってレーザショットをシフト又は一時停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、特定の実施形態による、眼の角膜組織を切除する眼科用レーザ切除システムの一例を示す。
図2図2は、図1のシステムによって使用され得る眼科手術処置のためのショットリストを調整する方法の一例の概要を示す。
図3図3は、許容可能な重なり合うショットの一例を示す。
図4図4は、ショットリストの重なり合うショットの一例を示す。
図5図5は、特定の実施形態による、図1のシステムによって使用され得る眼科手術処置のためのショットリストを調整する方法の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、説明及び図面を参照して、開示される装置、システム及び方法の例示的実施形態を詳細に示す。説明及び図面は、網羅的であること又は他に特許請求の範囲を、図面に示され、説明で開示される特定の実施形態に限定することを意図しない。図面は、可能な実施形態を表すが、図面は、必ずしも原寸に比例せず、実施形態をよりよく示すために特定の特徴部を簡略化、誇張、削除又は部分的に分割されている場合がある。
【0020】
眼科用レーザ手術システムは、レーザショットリストに従ってレーザショットを(パルスとして)眼に向ける。ショットリストは、レーザショット及びその対応する位置を記述するため、特定の位置におけるレーザショットの局所周波数を判定するために使用することができる。したがって、ショットリストは、組織の損傷を回避するために、レーザショットの局所周波数を最大局所周波数下に維持するために使用することができる。
【0021】
特定の実施形態では、眼科用レーザ手術システムは、レーザショットリストが特定の治療周波数における最大局所周波数を満たすかどうかを確認する。さらに、手術システムは、治療周波数の変化に応じて、レーザショットリストが最大局所周波数を満たすかどうかを確認する。したがって、手術システムは、様々な治療周波数で使用することができる。
【0022】
図1は、特定の実施形態による、眼22の角膜組織を切除する眼科用レーザ切除システム10の一例を示す。図示の例では、システム10は、図示のように結合されたレーザデバイス15と、カメラ38と、制御コンピュータ30とを含む。レーザデバイス15は、図示のように結合されたレーザ源12、スキャナ16、1つ若しくは複数の光学要素17及び/又は集束対物レンズ18などの制御可能なコンポーネントを含む。コンピュータ30は、図示のように結合されたロジック36と、(コンピュータプログラム34を格納する)メモリ32と、ディスプレイ37とを含む。説明しやすくするために、以下のようなxyz座標系を用いる。z方向は、レーザビームの伝播方向によって規定され、xy平面は、伝播方向に垂直である。他の適切なxyz座標系を用い得る。
【0023】
概要として、レーザデバイス15は、ショットリストに従ってレーザパルスを眼に向ける。コンピュータ30は、ショットリストのサブストリングを確認して、局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たすかどうかを判定し、最大局所周波数は、ある位置でのショットの周波数を制限する。局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たさない場合、コンピュータ30は、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすようにショットリストを調整する。治療周波数に変化があり得る。この変化に応じて、コンピュータ30は、レーザショットの残りのシーケンスのサブストリングにおけるレーザショットの数を変更する。コンピュータ30は、残りのサブストリングを確認して、局所ショット周波数が新しい治療周波数における最大局所周波数を満たすかどうかを判定する。コンピュータ30は、最大局所周波数を満たさない場合、ショットリストを調整する。
【0024】
システム10の部分に移ると、レーザ源12は、レーザショットリストに従って眼22の組織を切除するレーザパルスを含むレーザビームを発生させる。レーザ源12は、エキシマ、固体又は他の適切なレーザであり得、紫外波長を有するレーザビームを放射し得る。レーザショットリストは、レーザショット(又はレーザパルス)が向けられる位置のx座標及びy座標並びにショット(又はパルス)が向けられる順序を定める。レーザショットリストは、切除プロファイルから判定することができ、切除プロファイルは、角膜の特定のx、yの位置で除去される組織の体積空間を示す。1パルスが切除する組織の体積空間を考慮し、x、yの位置に向けられるショットの数は、切除プロファイルにより定められる組織の体積空間から計算され得る。
【0025】
スキャナ16は、レーザビームの焦点を横方向に誘導する。横方向とは、ビームの伝播方向に垂直な方向、すなわちx、y方向を示す。スキャナ16は、レーザビームを任意の適切な手法で横方向に向け得る。例えば、スキャナ16は、相互に垂直な軸の周りでチルトすることができるガルバノメトリック作動式スキャナミラーの対を含み得る。別の実施例として、スキャナ16は、レーザビームを電気光学的に操縦できる電気光学結晶を含み得る。
【0026】
1つ(又は複数)の光学要素17は、レーザビームを集束対物レンズ18に向ける。光学要素17は、レーザビームに作用する(例えば、透過、反射、屈折、回折、コリメート、調整、成形、集束、変調及び/又は作用する)ことができる。光学要素の例は、レンズ、プリズム、ミラー、回折光学要素(DOE)、ホログラフィック光学要素(HOE)及び空間光変調器(SLM)を含む。この例では、光学要素17は、ミラーである。集束対物レンズ18は、眼22のポイントに向けてレーザビームの焦点を集束させる。この例では、集束対物レンズ18は、対物レンズである。
【0027】
カメラ38は、眼22の画像を記録する。カメラ38の例は、ビデオ、光干渉断層撮影又はアイトラッキングカメラを含む。カメラ38は、眼22の記録された画像を表す画像データをコンピュータ30に送達する。コンピュータ30は、眼22の切除を監視するために画像データに対して画像処理を実行し得る。特定の実施形態では、カメラ38によって記録された画像を使用して、現在のショット周波数及びパルスの現在の重なり合いを監視することができる。
【0028】
コンピュータ30は、コンピュータプログラム34に従ってシステム10のコンポーネントを制御する。例えば、コンピュータ30は、コンポーネント(例えば、レーザ源12、スキャナ16、光学要素17及び/又は集束対物レンズ18)を制御して、眼22においてレーザデバイス15のレーザビームを集束させ、切除プロファイルに従って眼22の少なくとも一部分を切除する。特定の実施形態では、コンピュータ30は、切除プロファイルに対応するレーザショットリストを生成する。コンピュータ30は、切除プロファイルに従って除去される組織に対応する焦点を判定することにより、レーザショットリストを生成し得る。
【0029】
パルスが眼の局所温度を上昇させる可能性があるため、最大局所周波数Mは、眼の位置でのレーザショットの局所周波数を制限する。最大局所周波数を超えると、組織の温度が損傷閾値を超える可能性があり、患者に一時的又は永続的な損傷を引き起こす可能性がある。最大局所周波数Mは、患者への損傷を回避する任意の適切な値を有することができる。特定の実施形態では、技術標準から閾値を設定することができる。例えば、損傷閾値は、IEC 60601-1によって設定された43℃であり得、これは、例えば、40Hzの最大局所周波数Mによって満たされ得る。
【0030】
完全に又は部分的に重なり合うショットは、ある位置で局所温度を上昇させる可能性があるため、ショットは、最大局所周波数を超えるために同じ(x、y)の位置を有する必要はない。ショット間の許容可能な(x、y)の距離は、レーザスポットサイズ及び単一ショットから生じる対応する切除面積並びにパルスのエネルギープロファイルに従って判定することができる。エネルギーは、任意の適切なプロファイル、例えばガウス、スーパーガウス、ローレンツ、ボイクト又はトップハット(フラットトップ)プロファイルを有し得る。
【0031】
ショットリストは、最大局所周波数Mとの整合性を確認するために使用することができる。ショットリストは、レーザショットのシーケンス及びその対応する位置を含む。レーザショットのシーケンスは、シーケンスの順序で特定の数nのレーザショットを含むサブストリングを含む。一般に、サブストリングは、シーケンスからの要素の連続ランからなる。コンピュータ30は、特定の位置Lにおける局所ショット周波数fが最大局所周波数Mを満たすかどうかを確認するためのサブストリングを構築する。
【0032】
サブストリングのレーザショットの数nは、治療周波数Fに依存する。治療周波数Fが高い場合、より多くのレーザショットが期間中に位置Lに当たる可能性が高い。したがって、局所ショット周波数fが最大局所周波数Mを満たすかどうかを確認するとき、より多くのレーザショットを考慮する必要があるため、サブストリングのレーザショットの数nは、大きくなる。例えば、200Hzの治療周波数の場合、サブストリングは、5ショットを有し、500Hzの治療周波数の場合、サブストリングは、13ショットを有する。一般に、サブストリングのレーザショットの数nで割った治療周波数Fは、一般に、最大局所周波数M未満、すなわちF/n<Mであるべきである。
【0033】
いくつかの状況では、治療周波数は、サブストリングの途中で例えばFからFに変化し得る。例えば、治療周波数F=200Hzのサブストリングは、5ショットを有する。しかしながら、治療周波数は、例えば、4回目のショットでF=500Hzに変化し得る。
【0034】
これを行うために、サブストリングの終点は、治療周波数がFのままであった場合にサブストリングが終了したであろう時間であると判定される。治療周波数Fのショットは、終点時間までのサブストリングの残りを埋める。例を続けると、サブストリングの最初の3つのショットは、治療周波数F=200Hzのショットを含む。治療周波数がFのままであった場合、サブストリングは、最初のショットの25ms後に終了する。したがって、治療周波数Fでのショットは、最初のショット後に最大25msまでサブストリングの残りを埋めてサブストリングを完成させる。
【0035】
他の実施形態では、コンピュータ30は、サブストリングを単一の治療周波数に制限することができる。サブストリングが満たされる前に治療周波数が変化する場合、サブストリングは、完了したと見なされる。次の治療周波数のために別のサブストリングが構築される。
【0036】
図2は、特定の実施形態による、図1のシステム10によって使用され得る眼科手術処置のためのショットリストを調整する方法の一例の概要50を示す。特定の実施形態では、システム10のコンピュータ30は、方法の特定のステップを実行することができる。
【0037】
この例では、コンピュータ30は、ステップ50で初期のレーザショットリストを受信し、ショットリストの一部を調整する。調整された部分では、局所ショット周波数は、治療周波数における最大局所周波数を満たす。治療周波数は、ステップ54において、例えばレーザデバイス15又は治療周波数を測定するデバイスから判定することができる。コンピュータ30は、調整された部分をレーザデバイス15に送信し、レーザデバイスは、ステップ56で調整された部分に従ってレーザショットを放射する。次に、本方法が終了する。
【0038】
コンピュータ30は、最大局所周波数を満たすために以下の技法の1つ、2つ又は3つを実行することなどにより、任意の適切な方法でショットリストを調整する。
【0039】
(1)重なり合うショット。図3を参照して説明したように、特定の部分的に重なり合うショットを許容することができる。図3は、許容可能な重なり合うショット(又はパルス)の一例の図表60(60a、60b)を示す。図表60aは、重なり合うショットのエネルギー62、64のガウシアンプロファイルを示し、図表60bは、ショットの合成エネルギー66のガウシアンプロファイルを示す。x軸は、相対パルス幅を表し、1単位は、単一パルスのパルス幅を表す。y軸は、相対パルスエネルギーを表し、1単位は、単一パルスのパルスエネルギーを表す。
【0040】
任意の適切な許容可能性の規定を使用することができる。特定の実施形態では、合成エネルギー66の最大エネルギーが所定の最大エネルギーより小さい場合、重なり合うショットを許容することができる。所定の最大エネルギーの例は、以下の最大値を含む:重なり合うパルスの1つのエネルギー、重なり合うパルスの平均エネルギー又はレーザデバイスのパルスの平均エネルギー。他の実施形態では、合成エネルギー66の最大エネルギーが指定されたエネルギーより小さい場合、重なり合うショットを許容することができる。
【0041】
図示の例では、合成エネルギー66の最大エネルギーが重なり合うショットの1つの最大エネルギーよりも小さい場合、重なり合うショットを許容することができる。図表60は、合成エネルギー66の最大エネルギーが、重なり合うショット(同じ最大エネルギーを有する)の1つの最大エネルギーよりも小さいため、ショットが許容可能であることを示す。
【0042】
図2に戻ると、コンピュータ30は、サブストリングの重なり合うレーザショットが、最大局所周波数を満たさない局所ショット周波数をもたらすことを検出し得る。重なり合うレーザショットが許容可能である場合、コンピュータ30は、サブストリングを許容することができる。重なり合うレーザショットが許容可能でない場合、コンピュータ30は、追加の技術を使用してショットリストを調整することができる。
【0043】
(2)ショットをシフトさせる。特定の実施形態では、コンピュータ30は、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすまで、レーザショットをシーケンスの後のスロットにシフトさせることができる。例えば、重なり合うショットは、シーケンス内の次のスロットにシフトされ、すなわち1つのスロットにシフトされ、治療周波数の最大局所周波数要件を満たすかどうかを判定するために再確認される。他の例では、重なり合うショットは、2つ以上のスロットにシフトされ、次いで再確認され得る。この処置は、最大局所周波数要件が満たされるまで複数回反復する必要があることがある。ショットのシフトの一例は、表1~表4及び図4を参照してより詳細に説明される。
【0044】
表1~表6は、例示的なショットリストを記述する。各表は、以下のための縦列を含む。
(1)スロット番号:シーケンスのショットのタイムスロット、
(2)周波数f:パルスが放出される治療周波数、
(3)次のショットまでの時間:所与の治療周波数での次のショットまでの時間、
(4)次の許容されるショットまでの遅延:次のショットがスロット1のショットと同じ位置に対して許容されるまでの時間、
(5)X及びY:ショットのx、y座標(x、y)、及び
(6)コメント:スロットのショットに関するコメント。
【0045】
図4は、表1のショットリストの重なり合うショットの一例を示す。重なり合いは、任意の適切な方法で判定され得る。例えば、ショットの(x、y)位置間の距離を計算することができる。距離が所定の値(例えば、ショットのスポットサイズの直径)より小さい場合、ショットは、重なり合っていると見なされ得る。例では、x及びyの単位は、例えば、100ミクロンであり、スポットサイズは、例えば、約1000ミクロン、すなわち10単位である。したがって、ショット間の距離が10単位未満である場合、ショットは、重なり合っていると見なされ得る。
【0046】
表1及び図4は、スロット1の(10、20)及びスロット2の(9、16)重なり合うショットを示す。
【0047】
【表1】
【0048】
表2では、ショット(9、16)は、スロット2からスロット3にシフトされている。しかし、ショット(9、16)は、依然としてスロット1のショット(10、20)と重なり合っている。
【0049】
【表2】
【0050】
表3では、ショット(9、16)は、スロット3からスロット4にシフトされている。しかし、ショット(9、16)は、依然としてスロット1のショット(10、20)と重なり合っている。
【0051】
【表3】
【0052】
表4では、ショット(9、16)は、スロット4からスロット5にシフトされている。ここで、ショット(9、16)は、スロット1のショット(10、20)から時間的に分離され、スロット3又は4のショットと重なり合わないため、サブストリングが許容される。
【0053】
【表4】
【0054】
(3)ショットを一時停止させる。特定の実施形態では、コンピュータ30は、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たすまでレーザショットを一時停止させることができる。例えば、重なり合うショットは、次の許容されるショットまでの遅延全体にわたって一時停止される。
【0055】
表5は、スロット1の(10、20)及びスロット2の(9、16)重なり合うショットを示す。
【0056】
【表5】
【0057】
表6では、ショット(9、16)であるスロット2は、次の許容されるスロットまで一時停止されている。ここで、ショット(9、16)は、スロット1のショット(10、20)から時間的に分離されているため、サブストリングが許容される。
【0058】
【表6】
【0059】
ショットのシフトと一時停止との関係では、ショットのシフトは、シフトされたショットがサブストリングの他のショットと重なり合っているかどうかを確認することを含むが、ショットが一時停止されている間、レーザショットがないため、ショットを一時停止させることは、確認を必要としない。したがって、ショットのシフトは、通常、より多くのコンピューティングリソースを必要とする。しかしながら、ショットの一時停止は、ショットリストの完了を遅らせ、手術の期間を延ばす可能性がある。
【0060】
図5は、特定の実施形態による、図1のシステム10によって使用され得る眼科手術処置のためのショットリストを調整する方法の一例を示す。特定の実施形態では、レーザデバイス15は、治療周波数でレーザパルスを眼に向け、システム10のコンピュータ30は、方法の特定のステップを実行する。
【0061】
方法は、ステップ110で開始し、コンピュータ30は、眼科手術処置を記述する初期の情報にアクセスする。初期の情報は、例えば、屈折切除処置のための切除プロファイルを含むことができる。コンピュータ30は、ステップ112において、角膜のx、yの位置で除去される組織の体積を示す切除プロファイルをレーザショットリストに変換する。ショットリストは、レーザショットのシーケンス及びその対応する位置を含む。
【0062】
コンピュータ30は、ステップ114において、治療周波数に従ってショットリストからサブストリングを構築する。ショットリストのレーザショットのシーケンスは、サブストリングを含み、各サブストリングは、ある位置での局所ショット周波数を示す。各サブストリングは、治療周波数に依存するレーザショットの数を有する。特定の実施形態では、コンピュータ30は、複数の治療周波数を有するサブストリングを構築することができる。他の実施形態では、コンピュータ30は、サブストリングを単一の治療周波数に制限することができる。サブストリングの構築中に治療周波数が変化する場合、次の治療周波数のために新しいサブストリングが構築される。
【0063】
サブストリングは、ステップ116において、重なり合うショットについて確認される。重なり合うショットは、重なり合うショットが許容可能でない場合、局所ショット周波数が最大局所周波数を満たさないことを引き起こす可能性がある。ステップ120では、コンピュータ30は、重なり合うショットが許容可能であるかどうかを確認する。重なり合うショットが許容可能である場合、コンピュータ30は、ショットリストのその部分を変更せず、方法は、ステップ130に進み、そこで、レーザデバイス15は、許容可能なショットのためにレーザショットを方向付ける。重なり合うショットが許容可能でない場合、方法は、ステップ122に移動し、コンピュータ30は、局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たすようにショットリストを調整する。
【0064】
コンピュータ30は、ステップ122において、局所周波数が最大局所周波数を満たさない原因となる局所ショット周波数に対してステップ124及び/又は126を実行することなどにより、任意の適切な方法でショットリストを調整することができる。コンピュータ30は、ステップ124で重なり合うショットをシーケンスの次のスロットにシフトさせ、コンピュータ30は、ステップ126で重なり合うショットを一時停止させる。
【0065】
特定の実施形態では、コンピュータ30は、本方法の期間中、ステップ124のシフトのみ又はステップ126の一時停止のみを実行することができる。実施形態では、コンピュータ30は、局所ショット周波数が治療周波数における最大局所周波数を満たすまで重なり合うショットをシフト又は一時停止させる。ショットの一時停止は、方法の持続時間を延長するため、コンピュータ30は、手術の延長を回避するためにショットシフトを実行することができる。ショットシフトは、より多くの計算能力を必要とするため、コンピュータ30は、ショットの一時停止を実行して計算のニーズを低減することができる。
【0066】
他の実施形態では、コンピュータ30は、ショットリストを調整する異なる反復でステップ124のシフト及びステップ126の一時停止を実行することができる。例えば、コンピュータ30は、治療周波数に応じてショットシフト又はショットの一時停止を選択することができる。より高い治療周波数は、より多い数の要素を有するサブストリングを確認することを必要とし、これは、より多くのコンピューティングリソースを必要とし得る。したがって、コンピュータ30は、より高い治療周波数についてショットの一時停止を使用し、より低い治療周波数についてショットシフトを使用することができる。又は、他の場合、コンピュータ30は、より低い治療周波数についてショットの一時停止を使用し、より高い治療周波数についてショットシフトを使用することができる。
【0067】
さらに他の実施形態では、コンピュータ30は、ショットリストを調整する同じ反復中、ステップ124のシフト及びステップ126の一時停止を実行することができる。例えば、コンピュータ30は、サブストリングを調整しながらショットシフトを使用し、次いで調整中にショットの一時停止に切り替えることができる。場合により、ショットを1つ、2つ又はそれより多いスロットにシフトさせてもサブストリングが許容可能にならない場合、コンピュータ30は、次に、ショットを次の許容可能なスロットまで一時停止させることができる。他の場合、コンピュータは、サブストリングの一部のショットを一時停止させ、次にサブストリングの残りの部分のショットをシフトさせることができる。
【0068】
レーザデバイス15は、ステップ130において、レーザパルスを眼に向ける。ステップ132では、ショットリストの最後に到達することができる。ステップ132で終了に達していない場合、方法は、ステップ134に進み、治療周波数の変化であり得る。ステップ134で変化がある場合、方法は、ステップ140に進み、コンピュータ30は、新しい治療周波数に従ってショットリストの次のサブストリングを構築する。次いで、方法は、ステップ116に戻り、新しい治療周波数に従って構築されたサブストリングを確認する。ステップ134で変化がない場合、方法は、ステップ114に戻り、コンピュータ30は、現在の治療周波数に従って次のサブストリングを構築する。ステップ132でショットリストの最後に達した場合、方法は、終了する。
【0069】
本明細書に開示されるシステム及び装置の(コンピュータ30などの)コンポーネントは、インターフェース、ロジック及び/又はメモリを含み得、これらの任意のものがコンピュータハードウェア及び/又はソフトウェアを含み得る。インターフェースは、コンポーネントに対する入力を受信し得、且つ/又はコンポーネントからの出力を送信し得、通常、情報を例えばソフトウェア、ハードウェア、周辺デバイス、ユーザ及びこれらの組み合せ間で交換するために使用される。ユーザインターフェースは、ユーザがコンピュータと通信する(例えば、入力を送信し、且つ/又は出力を受信する)ために利用することができる一種のインターフェースである。ユーザインターフェースの例は、ディスプレイ、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)、タッチスクリーン、キーボード、マウス、ジェスチャセンサ、マイクロフォン及びスピーカを含む。
【0070】
論理は、コンポーネントの操作を行うことができる。論理は、データを処理する、例えば命令を実行して入力から出力を生成する1つ又は複数の電子デバイスを含み得る。かかる電子デバイスの例は、コンピュータ、プロセッサ、マイクロプロセッサ(例えば中央処理デバイス(CPU))及びコンピュータチップを含む。論理は、操作を行うために電子デバイスによって実行され得る命令を符号化するコンピュータソフトウェアを含み得る。コンピュータソフトウェアの例は、コンピュータプログラム、アプリケーション及びオペレーティングシステムを含む。
【0071】
メモリは、情報を記憶することができ、有形のコンピュータ読取可能及び/又はコンピュータ実行可能なストレージ媒体を含み得る。メモリの例は、コンピュータメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は読み出し専用メモリ(ROM))、マスストレージメディア(例えば、ハードディスク)、リムーバブルストレージメディア(例えば、コンパクトディスク(CD)又はデジタルビデオ若しくは多用途ディスク(DVD))、データベース、ネットワークストレージ(例えば、サーバ)及び/又は他のコンピュータ読取可能媒体を含む。特定の実施形態は、コンピュータソフトウェアを用いてエンコードされたメモリを対象とし得る。
【0072】
特定の実施形態に関して本開示を説明してきたが、実施形態の修正形態(例えば、変更形態、置換形態、追加形態、省略形態及び/又は他の修正形態)が当業者に明らかになるであろう。したがって、本発明の範囲から逸脱することなく、実施形態に対する修正形態がなされ得る。例えば、本明細書で開示されたシステム及び装置に対する修正形態がなされ得る。当業者に明らかであるように、システム及び装置のコンポーネントは、統合若しくは分離され得るか、又はシステム及び装置の動作は、より多い、より少ない若しくは他のコンポーネントによって実行され得る。別の例として、本明細書で開示された方法に対する修正形態がなされ得る。当業者に明らかであるように、方法は、より多い、より少ない又は他のステップを含み得、ステップは、任意の適当な順序で実行され得る。
【0073】
請求項を解釈する際に特許庁及び読者を補助するために、本出願人らは、用語「~のための手段」又は「~のためのステップ」が特定の請求項で明示的に使用されない限り、請求項又は請求項の要素のいかなるものも米国特許法第112条(f)を行使するように意図されないことを注記する。請求項内の任意の他の用語(例えば、「機構」、「モジュール」、「デバイス」、「ユニット」、「コンポーネント」、「素子」、「部材」、「装置」、「機械」、「システム」、「プロセッサ」又は「コントローラ」)の使用は、当業者に知られている構造を指すものと本出願人らによって理解され、したがって米国特許法第112条(f)を行使するように意図されない。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-02-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼を治療するための眼科手術システムであって、
ショットリストに従って複数のレーザパルスを前記眼に向けるように構成されたレーザデバイスであって、前記レーザパルスは、治療周波数で放出され、前記ショットリストは、レーザショットのシーケンス及びその対応する位置を含み、前記レーザショットのシーケンスは、複数のサブストリングを含み、各サブストリングは、複数の位置のうちの位置での局所ショット周波数を示し、各サブストリングは、前記治療周波数に依存するレーザショットの数を有する、レーザデバイスと、
コンピュータであって、前記複数のサブストリングについて、
前記治療周波数に変化がある場合、サブストリングにおける前記レーザショットの数を調整することと、
局所的なショット周波数が前記治療周波数における最大局所周波数を満たすことを前記サブストリングが示すかどうかを確認することであって、前記最大局所周波数は、ある位置におけるショットの周波数を制限する、確認することと、
前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たさない場合、前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たすように前記ショットリストを調整することと
を行うように構成されたコンピュータと
を含む眼科手術システム。
【請求項2】
前記コンピュータは、局所ショット周波数が前記治療周波数における最大局所周波数を満たすことを前記サブストリングが示すかどうかを、
前記サブストリングの複数の重なり合うレーザショットが許容可能であるかどうかを判定することと、
前記重なり合うレーザショットが許容可能である場合、前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たすと判定することと
によって確認するようにさらに構成される、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項3】
前記重なり合うレーザショットは、前記重なり合うレーザショットの合成エネルギーの最大エネルギーが、前記重なり合うレーザショットのうちのレーザショットのエネルギーの最大エネルギーよりも小さい場合に許容可能である、請求項2に記載の眼科手術システム。
【請求項4】
前記コンピュータは、前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たすように、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別することと、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、前記レーザショットを前記シーケンスの後のスロットにシフトさせることと
によって前記ショットリストを調整するように構成される、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項5】
前記コンピュータは、前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、
前記レーザショットを前記シーケンスの次のスロットにシフトさせることと、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすかどうかを確認することと
を繰り返すことにより、前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、前記レーザショットを前記シーケンスの後のスロットにシフトさせるように構成される、請求項4に記載の眼科手術システム。
【請求項6】
前記コンピュータは、前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たすように、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別することと、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで前記レーザショットを一時停止させることと
によって前記ショットリストを調整するように構成される、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項7】
前記コンピュータは、前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、
前記レーザショットを次の許容されるスロットまで一時停止させること
によって前記レーザショットを一時停止させるように構成される、請求項6に記載の眼科手術システム。
【請求項8】
前記コンピュータは、前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たすように、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別することと、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、前記レーザショットを前記シーケンスの後のスロットにシフトさせるか又はそれまで一時停止させることと
によって前記ショットリストを調整するように構成される、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項9】
前記コンピュータは、前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、
より低い治療周波数について前記レーザショットをシフトさせることと、
より高い治療周波数について前記レーザショットを一時停止させることと
により、前記レーザショットを前記シーケンスの後のスロットにシフトさせるか又はそれまで一時停止させるように構成される、請求項8に記載の眼科手術システム。
【請求項10】
前記コンピュータは、前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、
より高い治療周波数について前記レーザショットをシフトさせることと、
より低い治療周波数について前記レーザショットを一時停止させることと
により、前記レーザショットを前記シーケンスの後のスロットにシフトさせるか又はそれまで一時停止させるように構成される、請求項8に記載の眼科手術システム。
【請求項11】
前記コンピュータは、前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、
前記レーザショットを前記サブストリングの後のスロットにシフトさせることと、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで前記レーザショットを一時停止させることと
により、前記レーザショットを前記シーケンスの後のスロットにシフトさせるか又はそれまで一時停止させるように構成される、請求項8に記載の眼科手術システム。
【請求項12】
前記コンピュータは、前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、
前記レーザショットを前記サブストリングの後のスロットまで一時停止させることと、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで前記レーザショットをシフトさせることと
により、前記レーザショットを前記シーケンスの後のスロットにシフトさせるか又はそれまで一時停止させるように構成される、請求項8に記載の眼科手術システム。
【請求項13】
前記眼の前記治療を監視するために前記眼の複数の画像を記録するように構成されたカメラをさらに含む、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項14】
眼を治療するための眼科手術システムであって、
ショットリストに従って複数のレーザパルスを前記眼に向けるように構成されたレーザデバイスであって、前記レーザパルスは、治療周波数で放出され、前記ショットリストは、レーザショットのシーケンス及びその対応する位置を含み、前記レーザショットのシーケンスは、複数のサブストリングを含み、各サブストリングは、複数の位置のうちの位置での局所ショット周波数を示し、各サブストリングは、前記治療周波数に依存するレーザショットの数を有する、レーザデバイスと、
前記眼の治療を監視するために前記眼の複数の画像を記録するように構成されたカメラと、
コンピュータであって、前記複数のサブストリングについて、
前記治療周波数に変化がある場合、サブストリングにおける前記レーザショットの数を調整することと、
局所ショット周波数が前記治療周波数における最大局所周波数を満たすことを前記サブストリングが示すかどうかを確認することであって、前記最大局所周波数は、ある位置におけるショットの周波数を制限し、前記確認することは、前記サブストリングの複数の重なり合うレーザショットが許容可能であるかどうかを判定することと、前記重なり合うレーザショットが許容可能である場合、前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たすと判定することとを含み、前記重なり合うレーザショットは、前記重なり合うレーザショットの合成エネルギーの最大エネルギーが、前記重なり合うレーザショットのうちのレーザショットのエネルギーの最大エネルギーよりも小さい場合に許容可能である、確認することと、
前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たさない場合、前記局所ショット周波数が前記治療周波数における前記最大局所周波数を満たすように前記ショットリストを調整することと
を行うように構成されたコンピュータと
を含み、前記コンピュータは、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別し、且つ前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、前記レーザショットを前記シーケンスの後のスロットにシフトさせることであって、前記レーザショットは、前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、前記レーザショットを前記シーケンスの次のスロットにシフトさせることと、前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすかどうかを確認することとを繰り返すことによってシフトされる、識別し、且つシフトさせること、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別し、且つ前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、前記レーザショットを次の許容されるスロットまで一時停止させること、
前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たさないようにするレーザショットを識別し、且つ前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで、前記レーザショットを前記シーケンスの後のスロットにシフトさせるか又はそれまで一時停止させることであって、前記レーザショットは、より低い治療周波数について前記レーザショットをシフトさせ、且つより高い治療周波数について前記レーザショットを一時停止させること、より高い治療周波数について前記レーザショットをシフトさせ、且つより低い治療周波数について前記レーザショットを一時停止させること、前記レーザショットを前記サブストリングの後のスロットにシフトさせ、且つ前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで前記レーザショットを一時停止させること又は前記サブストリングの後のスロットまで前記レーザショットを一時停止させ、且つ前記局所ショット周波数が前記最大局所周波数を満たすまで前記レーザショットをシフトさせることによってシフト又は一時停止される、識別し、且つシフト又は一時停止させること
によって前記ショットリストを調整するように構成される、眼科手術システム。
【国際調査報告】