IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クルーシャル マシンズ カンパニー リミテッドの特許一覧

特表2024-530717転写方式を用いた超小型LEDチップのリワーク装置およびリワーク方法
<>
  • 特表-転写方式を用いた超小型LEDチップのリワーク装置およびリワーク方法 図1
  • 特表-転写方式を用いた超小型LEDチップのリワーク装置およびリワーク方法 図2
  • 特表-転写方式を用いた超小型LEDチップのリワーク装置およびリワーク方法 図3a
  • 特表-転写方式を用いた超小型LEDチップのリワーク装置およびリワーク方法 図3b
  • 特表-転写方式を用いた超小型LEDチップのリワーク装置およびリワーク方法 図3c
  • 特表-転写方式を用いた超小型LEDチップのリワーク装置およびリワーク方法 図3d
  • 特表-転写方式を用いた超小型LEDチップのリワーク装置およびリワーク方法 図3e
  • 特表-転写方式を用いた超小型LEDチップのリワーク装置およびリワーク方法 図3f
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】転写方式を用いた超小型LEDチップのリワーク装置およびリワーク方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510501
(86)(22)【出願日】2022-08-10
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 KR2022011912
(87)【国際公開番号】W WO2023027387
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0112554
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517416215
【氏名又は名称】レーザーセル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ジェジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ビョンロク
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA04
5F131BA53
5F131CA32
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA07
5F131EC32
5F131EC42
5F131EC62
5F131EC72
5F131EC74
5F131EC77
5F131FA03
5F131FA17
5F131FA26
5F131FA32
5F131FA33
(57)【要約】
本発明に係る転写方式を用いた超小型LEDチップリワーク装置は、基板上の第1粘着層によって転写された複数の超小型LEDチップの内、ミスアラインが発生するか、性能に欠陥のある不良超小型LEDチップを除去する超小型LEDチップリワーク装置において、スティック(stick)状になって前記スティック状の底面に前記第1粘着層より粘着力の強い第2粘着層が設けられた状態で不良超小型LEDチップの上面の加圧により、第1粘着層上に貼り付けられた不良超小型LEDチップを第2粘着層に転写して除去するデタッチ加圧ヘッドと、前記デタッチ加圧ヘッドを基板上でX、Y、Z軸方向に移動させる駆動部とを含むことを特徴とする。
【選択図】図3a






【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の第1粘着層によって転写された複数の超小型LEDチップのうちミスアラインまたは性能に欠陥のある不良超小型LEDチップを除去する超小型LEDチップリワーク装置において、
スティック(stick)状となり、前記スティック状の底面に前記第1粘着層より粘着力の強い第2粘着層が設けられた状態で前記不良超小型LEDチップの上面に加圧することにより前記第1粘着層上に貼り付けられた前記不良超小型LEDチップを前記第2粘着層に転写して除去するデタッチ加圧ヘッドと、
前記デタッチ加圧ヘッドを前記基板上でX、Y、Z軸方向に移動させる駆動部とを含む、
転写方式を用いた超小型LEDチップのリワーク装置。
【請求項2】
前記駆動部により前記基板上でX、Y、Z軸方向に移動し、前記スティック(stick)状に構成され、前記スティック状の底面に前記第1粘着層より粘着力の弱い第3粘着層が設けられ、また、前記第3粘着層の底面には交換用の正常超小型LEDチップが貼り付けられた状態で設けられ、前記デタッチ加圧ヘッドにより除去された前記不良超小型LEDチップの前記第1粘着層上に加圧されることにより、前記第3粘着層に貼り付けられた正常超小型LEDチップを前記第1粘着層に転写して回復するアタッチ加圧ヘッドを含む、
請求項1に記載の転写方式を用いた超小型LEDチップのリワーク装置。
【請求項3】
前記駆動部は、X、Y軸方向に前記デタッチ加圧ヘッドを移動させるためのリニア搬送ユニットと、Z軸方向に前記デタッチ加圧ヘッドを昇降させるアップダウン駆動ユニットとを含む、
請求項1に記載の転写方式を用いた超小型LEDチップのリワーク装置。
【請求項4】
前記第2粘着層は、水平方向にリールツーリール(reel-to-reel)搬送される第1転写フィルムの一面に形成された状態で設けられ、前記デタッチ加圧ヘッドが前記第1転写フィルムの他面を垂直方向から選択的に加圧することを特徴とする、
請求項1に記載の転写方式を用いた超小型LEDチップのリワーク装置。
【請求項5】
前記第3粘着層は、水平方向にリールツーリール(reel-to-reel)搬送される第2転写フィルムの一面に形成された状態で設けられ、前記アタッチ加圧ヘッドが第2転写フィルムの他面を垂直方向から選択的に加圧することを特徴とする、
請求項2に記載の転写方式を用いた超小型LEDチップのリワーク装置。
【請求項6】
(a)基板上の第1粘着層に転写されたリワーク(rework)の対象である不良超小型LEDチップの上方にスティック(stick)状に設けられ、前記スティック状の底面に前記第1粘着層より粘着力の強い第2粘着層を設けたデタッチ加圧ヘッドが移動して位置決めする工程と、
(b)前記デタッチ加圧ヘッドが下降して前記第2粘着層が前記不良超小型LEDチップに接続された状態で前記第1粘着層を押して加圧する工程と、
(c)前記デタッチ加圧ヘッドが上昇することにつれて、前記第1粘着層より粘着力の強い第2粘着層に転写された不良超小型LEDチップが、前記第1粘着層から分離し、前記第2粘着層に貼り付けられた状態で前記デタッチ加圧ヘッドと一緒に上昇する工程とを含む、
転写方式を用いた超小型LEDチップのリワーク方法。
【請求項7】
前記工程(c)以後、
(d)前記スティック(stick)状で構成され、前記スティック状の底面に前記第1粘着層より粘着力の弱い第3粘着層が設けられ、前記第3粘着層の底面に交換用の正常超小型LEDチップが貼り付けられた状態で設けられるアタッチ加圧ヘッドが、前記不良超小型LEDチップが除去された前記第1粘着層の上方に位置決めする工程と、
(e)前記アタッチ加圧ヘッドが下降して前記不良超小型LEDチップが除去された前記第1粘着層を加圧することにより、前記第3粘着層に貼り付けられた前記交換用の正常超小型LEDチップを前記第1粘着層に転写して回復する工程と、
(f)前記交換用の正常超小型LEDチップが分離された前記アタッチ加圧ヘッドが再び上昇して元の位置に戻る工程とをさらに含む、
請求項6に記載の転写方式を用いた超小型LEDチップのリワーク方法。






【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超小型LEDチップのリワーク(rework)装置及びリワーク方法に関する。より詳細にはチップボンディング工程の間に軽微な振動や衝撃によりミスアライン(mis-align)の不良が発生した場合、転写(transfer)方式を用いて不良マイクロLEDチップを基板から迅速かつ正確に除去できるのはもちろん、前記不良マイクロLEDチップが除去された場所に再び転写方式を用いてリワーク用のマイクロLEDチップを基板に迅速かつ正確に取付けることによりタクトタイムの短縮はもちろん、工程の効率及び精度が大幅に向上した転写方式を用いた超小型LEDチップのリワーク装置及びリワーク方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、数十から数百μmサイズの超小型LED(light emitting diode)は、小型化、軽量化および低消費電力化など、多数のメリットにより多様なディスプレイ用光源として活用が増加している傾向にある。
【0003】
このような超小型LEDは、100~300μmのチップサイズを有するミニLEDと、5~100μmのチップサイズを有するマイクロLEDに分けることができる。
【0004】
前記ミニLEDの場合、前記マイクロLEDよりはチップサイズが相対的に大きく、LEDディスプレイの直接発光画素よりは、主に背面発光によりLCDディスプレイの画像を表示するバックライトユニット(Backlight unit)に活用されている。
【0005】
一方、マイクロLEDは超小型化(集積化)、低消費電力化、軽量化が必要な光応用分野に適用可能なため、次世代超小型LEDチップ素子として脚光を浴びるものと予想されているが、前記ミニLEDよりチップサイズがより小さく、LEDチップ一つ一つが個別の画素や光源として用いられることができるため、これらのマイクロLEDを横/縦に配列して直接発光により画像を表示するLEDディスプレイ用の画素(pixel)として用いるための研究が活発に行われている。
【0006】
図1]一般的な超小型LED(ミニLED)アレイの構成を示す平面図である。
【0007】
前記図1を参照すると、通常、このようなミニLEDをバックライトユニットに適用する際には、1又は2以上の直列接続されたミニLEDチップ群を横/縦に並べてミニLEDアレイを形成した。
【0008】
従来のミニLEDは、基板110上に100~200μmのチップサイズを有するミニLEDチップ(121、122、123、124)が複数に直列接続されたミニLEDチップ群120が横/縦に配置されたミニLEDアレイ100が提供される。
【0009】
前記ミニLEDの場合、一般にウェハに各チップの回路を形成した後、複数の個別チップに分離する過程で行われる。
【0010】
このように分離されたミニLEDチップは、パッケージおよびモジュール工程において複数の転写工程を経て基板に転写または実装される。
【0011】
従来のLEDチップの転写工程は、一般的に転写テープ(transfer tape)または基板に転写するか、回路基板(例えば、リジッドPCBまたはフレキシブルPCB)に直接実装する方法で行われる。前記従来のLEDチップの転写工程の代表的なタイプとして、ピックアンドプレース(pick & place)タイプの転写装置がある。
【0012】
このようなピックアンドプレース(pick & place)タイプの転写装置の一例として、大韓民国登録特許公報第1879029号(2018.07.10.登録)には各LEDチップを一つずつ取り上げて(pick up)、基板上に置くことによって(place)各発光ダイオードチップを基板に転写する形のチップ転写装置および転写方法が開示されている。
【0013】
一方、大韓民国登録特許公報第2130124号(2020.06.29.登録)には、ヘッド駆動部と前記ヘッド駆動部に取り付ける実装用ヘッドとを有し、シートに貼り付けられた部品を基板に実装する実装装置として、前記実装用ヘッドは、ヘッド本体と、前記ヘッド本体に配置されて上下に往復動するプランジャと、前記ヘッド本体に固定されて前記プランジャの往復方向で前記プランジャを貫通するエジェクタピン(ejector pin)と、前記ヘッド本体に固定されて前記プランジャを移動させるソレノイドを備え、前記プランジャは可動鉄心であり、軸部と前記軸部の先端側に設けられたフランジと、前記軸部から先端を細くした形状の先端部と、前記先端部の頂部に配置された前記軸部から先端を細くした形の先端部のうち、最も細く形成された直径形状の部分よりも細く縮小されたニップル部を有し、前記軸部と前記フランジが前記ヘッド本体の内部に配置されているとともに、前記先端部と前記ニップル部が前記ヘッド本体から突出しており、前記ソレノイドがオフのときに前記ヘッド本体から前記プランジャが最も突出している状態となり、前記ソレノイドがオンのとき、前記プランジャが前記ヘッド駆動部の方向に移動し、相対的に前記プランジャから前記エジェクタピンが突出するエジェクタピンを用いた個別転写方式の実装装置が開示されている。
【0014】
また、大韓民国登録特許公報第1937071号(2019.01.03.登録)には半導体デバイスの移送のための装置として、第1側面及び第2側面を有するウエハテープを保持するための第1のフレーム(複数の半導体デバイスダイは、前記ウエハテープの第1側面に配置されている)と、
第1クランプ部材および第2クランプ部材を含む第2フレーム(前記第2のフレームは回路トレースを有する出力基板を前記第1クランプ部材と第2クランプ部材との間にクランプし、前記第2フレームは前記回路トレースが前記ウエハテープ上において前記複数の半導体デバイスダイに向かって配置するように前記出力基板を保持する)と、
前記ウエハテープの第2の側面に隣接して配置された針(前記針の長さは、前記ウエハテープに向けた方向に延長される)と、
前記針に連結されたニードルアクチュエータ(前記ニードルアクチュエータは、前記複数の半導体デバイスダイのうちの1つの半導体デバイスダイを押して前記出力基板上の回路トレースに接触するように、前記針が前記ウエハテープの第2の側面を押すダイ搬送位置に前記針を移動させる)と、
そして、前記半導体デバイスダイを前記回路トレースに取り付けるために前記回路トレースにエネルギーを加えるように、前記半導体デバイスダイが前記回路トレースに接触する前記搬送位置に対応する前記出力基板の一部に向かって配置されたレーザを含み、前記レーザは、搬送動作中に前記レーザからのエネルギーが前記出力基板上に直接伝わるように前記装置内に配置されるまた別の例として、エジェクタピン(針)を用いた個々の転写方式の実装装置が開示されている。
【0015】
また、大韓民国公開特許公報第2020-0109493号(2020.09.23公開)には、半導体チップを転写する転写装置において、一面に前記半導体チップが搭載された第1基材が置かれるステージと、
前記半導体チップが転写される第2の基材が置かれるワークテーブルと、
そして、前記第1基材の一面と前記第2基材が対向に配置された状態で、前記第1基材の他面から前記半導体チップに対応する部分を押して前記半導体チップを前記第2基材に転写するプッシュピンモジュールとを含み、
前記プッシュピンモジュールは、前記第1の基材の他面を押すためのプッシュピンを含むプッシュピンユニットと、
前記半導体チップが前記第2基材の転写する際に、前記プッシュピンに加わる荷重を調整する荷重調整ユニットを含み、前記荷重調整ユニットは、VCM(voice coil motor)固定子とVCM可動子を含み、前記半導体チップが前記第2の基材に転写される際、前記プッシュピンに予め設定された荷重以上に力が加わると、前記VCM可動子が前記プッシュピンの進行方向と反対方向に移動する別の例として、エジェクタピン(針)を用いた個別転写方式の実装装置が開示されている。
【0016】
しかし、上述のように、個々のLEDチップを1つずつ転写または実装するピックアンドプレース(pick & place)、またはエジェクタピン(ejector pin)を用いた個別転写方式の従来技術は、数百μm以上のミニLEDチップの工程用には適用可能かもしれないが、チップサイズおよびチップの間隔が5~100μmで、日々微細化されていくマイクロLEDチップアレイの場合、チップサイズおよびチップ間隔の微細化により、ピックアンドプレース方式または個別転写方式では対応が難しい問題があった。
【0017】
一方、マイクロLEDディスプレイの画面サイズが日々大型化する中、これからの推移を考えると、多数の微細マイクロLEDチップを大面積のディスプレイに一個一個迅速かつ正確に転写しなければならないが、これも従来ピックアンドプレース(pick & place)、またはエジェクタピン(ejector pin)を用いた個別転写方式では基板上にミスアライン(mis-align)なしで基板に一個一個正確に転写または実装することは現実的な限界があった。
【0018】
また、従来のピックアンドプレース(pick & place)、またはエジェクタピン(ejector pin)を用いた個別転写方式の技術を活用してマイクロLEDチップを基板に一個一個転写または実装するとしても転写工程間に発生した軽微な振動や衝撃などによって、図2に示すように、一部の超小型LEDチップにミスアライン(mis-align)不良が発生する恐れがあった。
【0019】
しかし、従来はこれを現場で解決することができず、搬出前に前記基板を不良基板と判断し、回収するか、不良措置のために別途のリワーク工程を経なければならないなどタクトタイム(tact time)の増加はもちろん、工程効率および生産量の低下など、多くの問題が発生した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
したがって、本発明は前記のような問題を解決するために発明されたものであり、チップボンディング工程間の軽微な振動や衝撃によりミスアライン(mis-align)不良が発生した場合、転写方式を用いて不良マイクロLEDチップを基板から迅速かつ正確に除去できることはもちろん、前記不良マイクロLEDチップが除去された場所に再び転写方式を用いてリワーク用マイクロLEDチップを基板に迅速かつ正確に取り付けることにより、タクトタイムの短縮と共に工程効率及び精度が大幅に向上した転写方式を用いた超小型LEDチップリワーク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記のような目的を達成するために本発明の転写方式を用いた超小型LEDチップリワーク装置は、一実施形態によれば、基板上の第1粘着層によって転写された複数の超小型LEDチップの内、ミスアラインが発生するか、性能に欠陥のある不良超小型LEDチップを除去する超小型LEDチップリワーク装置において、スティック(stick)状になって前記スティック状の底面に前記第1粘着層より粘着力の強い第2粘着層が設けられた状態で前記不良超小型LEDチップの上面の加圧により、前記第1粘着層上に貼り付けられた前記不良超小型LEDチップを前記第2粘着層に転写して除去するデタッチ加圧ヘッドと、
そして、前記デタッチ加圧ヘッドを基板上でX、Y、Z軸方向に移動させる駆動部とを含む。
【0022】
また、一実施形態によれば、前記駆動部によって前記基板上でX、Y、Z軸方向に移動され、前記スティック(stick)状となり、前記スティック形状の底面に前記第1粘着層より粘着力の弱い第3粘着層が設けられて、前記第3粘着層の底面には、リワークのための交換用の正常超小型LEDチップが貼り付けられた状態で設けられ、デタッチ加圧ヘッドにより除去された前記不良超小型LEDチップの前記第1の粘着層の上に加圧されることによって、第3の粘着層に貼り付けられた交換用の正常超小型LEDチップを前記第1の粘着層に転写して回復するアタッチ加圧ヘッドをさらに含む。
【0023】
一実施形態によれば、前記駆動部は、X、Y軸方向に前記デタッチ加圧ヘッドを移動させるリニア搬送ユニットと、
そして、Z軸方向にデタッチ加圧ヘッドを昇降させるアップダウン駆動ユニットとを含む。
【0024】
また、一実施形態によれば、前記第2粘着層は、水平方向にリールツーリール(reel-to-reel)搬送される第1転写フィルムの一面に形成された状態で設けられ、前記デタッチ加圧ヘッドは、前記第1転写フィルムの他面を垂直方向に選択的に押して加圧する。
【0025】
また、一実施形態によれば、前記第3粘着層は、水平方向にリールツーリール(reel-to-reel)搬送される第2転写フィルムの一面に形成された状態で設けられ、アタッチ加圧ヘッドは、前記第2転写フィルムの他面を垂直方向に選択的に押して加圧する。
【0026】
一方、本発明に係る転写方式を用いた超小型LEDチップリワーク方法は、(a)基板上の第1粘着層に転写されたリワーク(rework)対象の不良超小型LEDチップ上方にスティック(stick)状で設けられ、前記スティック(stick)状の底面に前記第1粘着層より粘着力の強い第2粘着層が設けられたデタッチ加圧ヘッドが移動して位置決めする工程と、
(b)前記デタッチ加圧ヘッドが下降して前記第2粘着層が前記不良超小型LEDチップに接触した状態で前記第1粘着層を押して加圧する工程と、
(c)前記デタッチ加圧ヘッドが上昇するにつれて、前記第1粘着層より粘着力の強い第2粘着層に転写された前記不良超小型LEDチップが前記第1粘着層から分離され、前記第2粘着層に貼り付けられた状態で前記デタッチ加圧ヘッドと共に上昇する工程とを含む。
【0027】
また、一実施形態によれば、前記工程(c)以後に、(d)前記スティック(stick)状となり、前記スティック状の底面に前記第1粘着層より粘着力の弱い前記第3粘着層を設け、前記第3粘着層の底面に交換用の正常超小型LEDチップが貼り付けられた状態で設けられるアタッチ加圧ヘッドが、前記不良超小型LEDチップが除去された前記第1粘着層の上方に位置決めする工程と、
(e)前記アタッチ加圧ヘッドが下降して前記不良超小型LEDチップが除去された前記第1粘着層を加圧することにより、前記第3粘着層に貼り付けられていた前記交換用の正常超小型LEDチップを前記第1粘着層に転写して回復する工程と、
(f)前記交換用の正常超小型LEDチップが分離された前記アタッチ加圧ヘッドが再び上昇して元の位置になる工程とをさらに含む。
【発明の効果】
【0028】
上述した本発明は、転写フィルムの底面と基板の上面に塗布された粘着層の粘着力の差を用いてマイクロLEDチップを基板に迅速かつ正確に転写できるため、超小型マイクロLED転写工程のタクトタイムの減少とともに、工程効率が大幅に向上する効果がある。
【0029】
また、転写工程間の軽微な振動や衝撃によってミスアライン(mis-align)不良が発生しても、前記ミスアラインが発生したマイクロLEDチップを現場で直ちにリペアすることにより、従来のピックアンドプレース(pick & place)、またはエジェクタピン(ejector pin)を用いた転写方式に比べて能率および生産性が大幅に向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】一般のバックライトユニット用の超小型LEDチップアレイの構成を示す平面図である。
【0031】
図2】従来基板上に転写された超小型LEDチップアレイの様子を拡大して示す平面図である。
【0032】
図3a】本発明に係る転写方式を用いた超小型LEDチップリワーク装置の動作状態図であり、リワーク作業の対象である不良超小型LEDチップの上方にデタッチ加圧ヘッドが位置決めされた状態である。
図3b】本発明に係る転写方式を用いた超小型LEDチップリワーク装置の動作状態図であり、デタッチ加圧ヘッドが下降して不良超小型LEDチップを加圧する状態である。
図3c】本発明に係る転写方式を用いた超小型LEDチップリワーク装置の動作状態図であり、不良超小型LEDチップを転写により除去したデタッチ加圧ヘッドが上昇する状態である。
図3d】本発明に係る転写方式を用いた超小型LEDチップリワーク装置の動作状態図であり、除去された不良超小型LEDチップの上方にアタッチ加圧ヘッドが位置決めした状態である。
図3e】本発明に係る転写方式を用いた超小型LEDチップリワーク装置の動作状態図であり、アタッチ加圧ヘッドが下降して基板上にリワーク用の正常超小型LEDチップを転写により貼り付ける状態である。
図3f】本発明に係る転写方式を用いた超小型LEDチップリワーク装置の動作状態図であり、正常超小型LEDチップを基板に貼り付けた後、アタッチ加圧ヘッドが再び上昇した状態である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本明細書で用いた用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定することを意図していない。単数の表現は、文脈上明らかに別段の意味がない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「有する」または「用いる」などの用語は、本明細書に記載の特徴、数字、工程、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴、数字、工程、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものの存在または追加の可能性を予め排除しないことと理解すべきである。
【0034】
本明細書で別段の定義がない限り、技術的または科学的用語を含む本明細書で用いられるすべての用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般に理解されるのと同じ意味を示す。
【0035】
一般的に用いられる辞書で定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味があると解釈するべきであり、本明細書に明白に定義しない限り、理想的かつ過度に形式的な意味で解釈されるべきではない。
【0036】
以下、添付の図面を参考に、本発明の一実施形態に係る転写方式を用いた超小型LEDチップのリワーク装置について具体的に見てみると、次の通りである。
【0037】
図3a~図3fは、本発明の転写方式を用いた超小型LEDチップのリワーク装置の動作状態図であり、図3aは、リワーク作業の対象である不良超小型LEDチップの上方にデタッチ加圧ヘッドが位置決めした状態、図3bはデタッチ加圧ヘッドが下降して不良超小型LEDチップを加圧する状態、図3cは不良超小型LEDチップを転写により除去したデタッチ加圧ヘッドが上昇する状態、図3dは除去された不良超小型LEDチップの上方にアタッチ加圧ヘッドが位置決めした状態、図3eは、アタッチ加圧ヘッドが下降して基板上にリワーク用の正常超小型LEDチップを転写により貼り付ける状態、図3fは、正常の超小型LEDチップを基板に貼り付けた後、アタッチ加圧ヘッドが再び上昇した状態である。
【0038】
本発明の転写方式を用いた超小型LEDチップリワーク装置300は、基板S上の第1粘着層AL1によって転写された複数の超小型LEDチップNCのうち、ミスアラインまたは性能に欠陥のある不良超小型LEDチップFCを除去または交換する装置である。
【0039】
前記基板S上に転写された超小型LEDチップNCは、フレキシブル基板S上に20μmX40μmサイズを有する複数の超小型LEDチップNCが一定の間隔(例、2μm)をおいて繰り返し転写方式を用いて配置されたフレキシブルマイクロLEDアレイであってもよい。([図2]参照)
【0040】
前記複数の超小型LEDチップNCの中から不良超小型LEDチップFCを選択的にリワーク(rework、不良LEDチップFCの除去および交換用の正常LEDチップRCと交換)するために、本発明のリワーク装置300は、スティック(stick)状になっており、スティックの底面に第1粘着層AL1よりも粘着力の強い第2粘着層AL2が設けられた状態で不良超小型LEDチップFCの上面に加圧されることにより、第1粘着層AL1上に貼り付けられた前記不良超小型LEDチップFCを第2粘着層AL2に転写して除去するデタッチ加圧ヘッド310が設けられる。
【0041】
図3a~図3fを参照すると、一実施形態によれば、第2粘着層AL2は、水平方向にリールツーリール(reel-to-reel)搬送される第1転写フィルムTF1の一面に設けられる。すなわち、前記第2粘着層AL2を第1転写フィルムTF1の一面に塗布した転写用粘着テープ(Adhesive tape for transfer)の形で実現できる。
【0042】
この状態で、デタッチ加圧ヘッド310が前記第1転写フィルムTF1の他面を垂直方向に選択的に加圧することにより、不良超小型LEDチップFCを第2粘着層AL2に転写して第1粘着層AL1上で除去し、その後、前記除去を終えた第1転写フィルムTF1は、次のデタッチ転写作業のために水平方向に一定の距離を置いて、リールツーリール搬送される。
【0043】
さらに、前記デタッチ加圧ヘッド310を基板S上でX、Y、Z軸方向に移動させる駆動部320が設けられる。
【0044】
一実施形態によれば、前記駆動部320は、X、Y軸方向に平面上でデタッチ加圧ヘッド310を移動させるリニア搬送ユニット(図示せず)およびZ軸方向にデタッチ加圧ヘッド310を昇降・下降させるアップダウン駆動ユニット(図示せず)が設けられる。
【0045】
また、前記デタッチ加圧ヘッド310の一側には、アタッチ加圧ヘッド330が設けられる。
【0046】
前記アタッチ加圧ヘッド330は、駆動部320によって基板S上でX、Y、Z軸方向に移動され、全体としてマイクロサイズのスティック(stick)状となり、前記スティック状の底面に第1粘着層AL1より粘着力の弱い第3粘着層AL3が設けられる。
【0047】
この際、前記第3粘着層AL3の底面には、リワークのための交換用の正常超小型LEDチップRCが貼り付けられた状態で設けられ、デタッチ加圧ヘッド310により除去された不良超小型LEDチップFCの第1粘着層AL1上に加圧されることにより前記第3粘着層AL3に貼り付けられた交換用の正常超小型LEDチップRCを第1粘着層AL1に転写して回復する。
【0048】
図3a~図3fを参照すると、一実施形態によれば、第3粘着層AL3は、水平方向にリールツーリール(reel-to-reel)搬送される第2転写フィルムTF2の一面に設けられる。すなわち、第3粘着層AL3を第2転写フィルムTF2の一面に塗布した転写用粘着テープ(Adhesive tape for transfer)の形で実現できる。
【0049】
この状態でアタッチ加圧ヘッド330が前記第2転写フィルムTF2の他面を垂直方向から選択的に加圧することにより、交換用の正常超小型LEDチップRCを第1粘着層AL1に転写して回復し、その後前記回復を終えた第2転写フィルムTF2は、次のアタッチ転写作業のために水平方向に一定の距離を置いて、リールツーリール搬送される。
【0050】
この際、一実施形態によれば、前記基板Sはフレキシブル基板であってもよい。
【0051】
さらに一実施形態によれば、基板Sと超小型LEDチップとの間に形成された第1粘着層AL1、デタッチ加圧ヘッド310に設けられた第2粘着層AL2、およびアタッチ加圧ヘッド330に設けられた第3粘着層AL3は、複数回貼り付けて剥がすことができる、すなわち繰り返し脱着が可能な粘着剤であってもよい。
【0052】
さらに一実施形態によれば、前記第1粘着層AL1、第2粘着層AL2、および第3粘着層AL3は、アトリレートやシリコンを原料として含む、エステルゴム、フェノール樹脂などが補助剤として用いられ、これにポリイソブチレンなど低分子物質が添加された粘着剤であってもよいが、これに限定はしない。
【0053】
他の実施形態によれば、前記第1粘着層AL1は、熱またはエネルギーを加えることによって選択的に粘着力または接着力を付与するホットメルト方式の粘着剤であってもよい。
【0054】
さらに一実施形態によれば、第1粘着層AL1、第2粘着層AL2、および第3粘着層AL3は、液状状態の粘着剤をディスペンサ(dispenser)装置により基板Sの上面またはデタッチ加圧ヘッド310やアタッチ加圧ヘッド330の底面にそれぞれ塗布する。
【0055】
一方、他の実施形態によれば、前記第1の粘着層AL1は導電性粘着剤であってもよい。
【0056】
より詳細には、前記第1粘着層AL1は、鉛Pbを含まない銀、金、銅、ニッケル、パラジウム、白金、鉄、タングステン、モリブデン、亜鉛またはアルミニウムなどの金属性フィラーまたはカーボンナノチューブ(carbon nanotubes)、グラフェン(graphene)、グラファイト(graphite)、カーボンブラック(carbon black)などの導電性炭素材料を1種以上含む導電性粘着剤であってもよい。
【0057】
前記金属フィラーの場合、融点が鉛より高いため、実装工程において機能部品が熱損傷を受ける恐れがあり、鉛を含まない接合体として、150℃程度の低温接合が可能な導電性接着剤(conductive adhesives)であってもよい。
【0058】
より詳細には、上述の高価な導電性フィラーが低い含有量で含まれているにもかかわらず、それに対応する導電率を有し、同時に熱的または物理的特性に優れた材料、例えば一次元構造を有する導電性ナノ材料、すなわち、メタルナノワイヤやカーボンナノチューブなどの材料を用いて高価な導電性フィラーの含有量を減らし、機械的物性を高めた導電性接着剤であってもよい。
【0059】
【0060】
以下、図3a~図3fを参照して本発明の転写方式を用いた超小型LEDチップのリワーク方法を工程別に見てみると次の通りである。
【0061】
工程(a)([図3a]参照):基板S上の第1粘着層AL1に転写されたリワーク(rework)対象である不良超小型LEDチップFC上方にスティック(stick)状となり、前記スティック状の底面に、第1粘着層AL1より粘着力の強い第2粘着層AL2が設けられたデタッチ加圧ヘッド310が移動して位置決めする。
【0062】
この際、前記不良超小型LEDチップFCの選別検査は別途のビジョンユニット(図示せず)によって実行することができる。
【0063】
工程(b)([図3b]参照):次に、デタッチ加圧ヘッド310が不良超小型LEDチップFCに下降し、これにより、前記デタッチ加圧ヘッド310の底面に設けられた第2粘着層AL2が前記不良超小型LEDチップFCの上面に接触した状態で加圧される。
【0064】
工程(c)([図3c]参照):前記デタッチ加圧ヘッド310が再び上昇するにつれて、第1粘着層AL1より粘着力の強い第2粘着層AL2に転写された不良超小型LEDチップFCが第1粘着層AL1から分離され、第2粘着層AL2に貼り付けられた状態でデタッチ加圧ヘッド310と共に上昇する。
【0065】
すなわち、不良超小型LEDチップFCが第2粘着層AL2に貼り付けられた状態で上昇するにつれて第1粘着層AL1から分離し除去され、この際、基板Sの上面には第1粘着層AL1のみが残る。
【0066】
工程(d)([図3d]参照):次に、前記工程(c)で不良超小型LEDチップFCが除去された第1粘着層AL1の上方にはアタッチ加圧ヘッド330が配置される。
【0067】
前記アタッチ加圧ヘッド330は、前述のようにスティック(stick)状になっており、前記スティック状の底面に第1粘着層AL1より粘着力の弱い第3粘着層AL3が設けられ、前記第3粘着層AL3の底面に交換用の正常超小型LEDチップRCが貼り付けられた状態で設けられる。
【0068】
すなわち、除去された不良超小型LEDチップFCを交換用の正常超小型LEDチップRCと交換するために、今回はアタッチ加圧ヘッド330が不良超小型LEDチップFCが除去された第1粘着層AL1の上方に位置決めする。
【0069】
工程(e)([図3e]参照):次に、前記アタッチ加圧ヘッド330が下降して不良超小型LEDチップFCが除去された第1粘着層AL1を押して加圧することによって、アタッチ加圧ヘッド330下端の第3粘着層AL3に貼り付けられていた交換用の正常超小型LEDチップRCが、前記不良超小型LEDチップFCが除去された第1粘着層AL1に転写される。
【0070】
工程(f)([図3f]参照):最終的に、前記アタッチ加圧ヘッド330が上昇するにつれて不良超小型LEDチップFCが除去された第1粘着層AL1に貼り付けられた交換用の正常超小型LEDチップRCのみを残したまま、アタッチ加圧ヘッド330は上方に移動および元の位置になる。
【0071】
要約すると、ミスアライン(misaligned)が発生した特定の不良超小型LEDチップ(FC)の上方にデタッチ加圧ヘッド310が位置決めした後に下降して、前記不良超小型LEDチップ(FC)の上面にデタッチ加圧ヘッド310の第2粘着層(AL2)が接触しながら加圧される。
【0072】
この状態では、第2粘着層(AL2)の粘着力が第1粘着層(AL1)の粘着力より強いため、前記ミスアラインが発生した不良超小型LEDチップ(FC)は、デタッチ加圧ヘッド310の第2粘着層(AL2)に転写(貼り付け)された状態で前記デタッチ加圧ヘッド310と共に上昇しながら基板S上から除去(分離)される。
【0073】
次に、前記ミスアラインが発生した不良超小型LEDチップ(FC)が除去された場所(第1粘着層の上面)にアタッチ加圧ヘッド330が位置決めした後、アタッチ加圧ヘッドが下降して第3粘着層(AL3)に貼り付けられて準備状態の交換用の正常超小型LEDチップ(RC)を前記ミスアラインが発生した不良超小型LEDチップ(FC)が除去された位置(第1粘着層の上面)に転写することによりLEDチップの交換が完了する。
【0074】
【0075】
なお、本発明は、前述の一実施形態によってのみ限定されるものではなく、装置の細部構成や個数および配置構造を変更する際にも同様の効果を生み出すことができるので、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば本発明の技術的思想の範疇内で様々な構成の追加および削除、変形が可能であることを明示する。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図3f
【国際調査報告】