特表 2024-530719 円形脱毛症の治療のための組成物および方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-08-23

(54)【発明の名称】円形脱毛症の治療のための組成物および方法

(51)【国際特許分類】

   A61K 31/122 20060101AFI20240816BHJP

   A61P 17/14 20060101ALI20240816BHJP

   A61K 9/08 20060101ALI20240816BHJP

   A61K 8/35 20060101ALI20240816BHJP

   A61Q 7/00 20060101ALI20240816BHJP

【ＦＩ】

A61K31/122

A61P17/14

A61K9/08

A61K8/35

A61Q7/00

【審査請求】未請求

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2024510614

(86)(22)【出願日】2022-08-22

(85)【翻訳文提出日】2024-04-11

(86)【国際出願番号】 US2022041048

(87)【国際公開番号】W WO2023027993

(87)【国際公開日】2023-03-02

(31)【優先権主張番号】63/235,999

(32)【優先日】2021-08-23

(33)【優先権主張国・地域又は機関】US

(31)【優先権主張番号】63/284,231

(32)【優先日】2021-11-30

(33)【優先権主張国・地域又は機関】US

(31)【優先権主張番号】63/286,987

(32)【優先日】2021-12-07

(33)【優先権主張国・地域又は機関】US

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】522202300

【氏名又は名称】ベラデルミクス インコーポレイテッド

(74)【代理人】

【識別番号】100104411

【弁理士】

【氏名又は名称】矢口 太郎

(72)【発明者】

【氏名】ウォードマン、リード

(72)【発明者】

【氏名】ジョンソン、キース、アーサー

【テーマコード（参考）】

4C076

4C083

4C206

【Ｆターム（参考）】

4C076AA13

4C076BB31

4C076CC18

4C076DD45

4C076DD46

4C076DD47

4C076FF12

4C076FF63

4C083AC211

4C083AC212

4C083AC342

4C083AC352

4C083AC372

4C083AC422

4C083CC37

4C083DD23

4C083DD28

4C083DD47

4C083EE01

4C083EE13

4C083EE22

4C206CB21

4C206MA01

4C206MA04

4C206MA83

4C206NA14

4C206NA15

4C206ZA92

(57)【要約】

【要約】
【解決手段】 本出願は、保存安定性なスクアリン酸エステル組成物（ＳＡＥ）を提供する。本出願はさらに、円形脱毛症を治療するためにＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムおよび方法を提供する。このシステムは、ＳＡＥおよび賦形剤を含む貯蔵区画と、ＳＡＥ組成物を局所投与するためのアプリケータユニットと、を含む。
【選択図】 図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

組成物であって、
スクアリン酸エステル（ＳＡＥ）と、
賦形剤と、
を含み、
前記組成物は、水およびＤＭＳＯを本質的に含まず、
前記組成物は、１ミリリットルの体積を有する、組成物。

【請求項2】

請求項１記載の組成物において、前記組成物は約６０ヶ月まで保存安定性である、組成物。

【請求項3】

請求項２記載の組成物において、前記ＳＡＥは、スクアリン酸ジブチルエステル（ＳＡＤＢＥ）またはスクアリン酸ジエチルエステル（ＳＡＤＥＥ）である、組成物。

【請求項4】

請求項２記載の組成物において、前記ＳＡＥは、少なくとも約５％（質量／体積）のＳＡＥの量である、組成物。

【請求項5】

請求項２記載の組成物において、前記ＳＡＥは、少なくとも約１０％（質量／体積）のＳＡＥの量である、組成物。

【請求項6】

請求項２記載の組成物において、前記組成物は室温で保存される、組成物。

【請求項7】

スクアリン酸エステル（ＳＡＥ）組成物を対象に送達するためのシステムであって、
少なくとも約２．５％（質量／体積）のＳＡＥおよび賦形剤を有する前記組成物を含む貯蔵区画と、
アプリケータユニットであって、前記アプリケータユニットは、約１ミリリットルの体積の前記ＳＡＥ組成物を送達する、アプリケータユニットと、
を含む、システム。

【請求項8】

請求項７記載のシステムにおいて、前記アプリケータユニットは、貯蔵区画、気密シール、接続領域、およびアプリケータを含む、システム。

【請求項9】

請求項８記載のアプリケータユニットにおいて、前記貯蔵区画は、前記ＳＡＥ組成物を大気中の水から保護する、アプリケータユニット。

【請求項10】

請求項８記載のアプリケータユニットにおいて、吸収性膜は、貯蔵ユニットの遠位端に配置される、アプリケータユニット。

【請求項11】

請求項１０記載の吸収性膜において、前記気密シールが前記貯蔵区画上で破壊された後に、前記吸収性膜が前記ＳＡＥ組成物で浸される、吸収性膜。

【請求項12】

請求項７記載のシステムにおいて、前記システムは、前記対象への前記ＳＡＥ組成物の制御された送達を提供する、システム。

【請求項13】

請求項７記載のシステムにおいて、前記ＳＡＥ組成物は、それを必要とする対象に局所的に投与される、システム。

【請求項14】

スクアリン酸エステル（ＳＡＥ）組成物を、前記ＳＡＥ組成物による治療に感受性のある状態を治療するために対象に送達する方法であって、
貯蔵区画、気密シール、接続領域、およびアプリケータを含むアプリケータ装置を提供する工程と、
前記ＳＡＥ組成物を前記貯蔵区画から前記アプリケータを通して前記対象に送達する工程と、
を含む、方法。

【請求項15】

請求項１４記載の方法において、前記対象は皮膚疾患と診断される、方法。

【請求項16】

請求項１４記載の方法において、前記対象は円形脱毛症と診断される、方法。

【請求項17】

請求項１４記載の方法において、前記組成物は、脱毛の治療のために対象の頭皮に送達される、方法。

【請求項18】

請求項１４記載の方法において、前記対象に送達する工程が発毛をもたらす、方法。

【請求項19】

請求項１４記載の方法において、前記送達する工程は、約１ミリリットルの前記ＳＡＥ組成物を送達する工程を含む、方法。

【請求項20】

請求項１４記載の方法において、前記ＳＡＥ組成物は、少なくとも約５％（質量／体積）を含む、方法。

【請求項21】

請求項１４記載の方法において、前記ＳＡＥ組成物は、少なくとも約７％（質量／体積）を含む、方法。

【請求項22】

請求項１４記載の方法において、前記ＳＡＥ組成物は、少なくとも約１０％（質量／体積）を含む、方法。

【請求項23】

請求項１４記載の方法において、前記ＳＡＥ組成物を対象へ送達する工程は、制御された送達である、方法。

【請求項24】

請求項１４記載の方法において、前記ＳＡＥ組成物は、対象に月に１回送達される、方法。

【請求項25】

請求項１４記載の方法において、前記ＳＡＥ組成物は、対象に月に１回、４ヶ月間送達される、方法。

【請求項26】

請求項２５記載の方法において、前記４ヶ月の終了時に発毛について前記対象を評価し、発毛した対象を反応者とする、方法。

【請求項27】

請求項２５記載の方法において、前記４ヶ月の終了時に発毛について前記対象を評価し、発毛しなかった対象を非反応者とする、方法。

【請求項28】

請求項２７記載の方法において、前記非反応者に前記ＳＡＥ組成物を２週間ごとに送達する、方法。

【請求項29】

スクアリン酸エステル（ＳＡＥ）組成物を対象に投与するためのキットであって、
貯蔵区画、気密シール、接続領域、およびアプリケータを含むアプリケータ装置と、
少なくとも５％のＳＡＥを含む前記ＳＡＥ組成物と、
を含み、
前記キットは、前記ＳＡＥ組成物を用いた治療に感受性のある状態を治療するために、前記ＳＡＥ組成物を投与するための指示資料をさらに含む、キット。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本出願は、２０２１年８月２３日に出願された米国仮特許出願第６３／２３５，９９９号、２０２１年１１月３０日に出願された米国仮特許出願第６３／２８４，２３１号、および２０２１年１２月７日に出願された米国仮特許出願第６３／２８６，９８７号の優先権を主張するものであり、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

【発明の概要】

【0002】

本出願の実施形態は、スクアリン酸エステル（ＳＡＥ）組成物を対象に送達するためのシステムであって、少なくとも約２．５％（質量／体積）のＳＡＥおよび賦形剤を有する組成物を含む貯蔵区画と、アプリケータユニットとを含み、前記アプリケータユニットが、約１ミリリットルの体積の前記ＳＡＥ組成物を送達する、システムに向けられている。

【0003】

本出願の実施形態は、スクアリン酸エステル（ＳＡＥ）組成物による治療に感受性のある状態を治療するために、前記ＳＡＥ組成物を対象に送達する方法であって、貯蔵区画、気密シール、接続領域、およびアプリケータを含むアプリケータ装置を提供する工程と、前記ＳＡＥ組成物を前記貯蔵区画から前記アプリケータを通して前記対象に送達する工程と、を含む方法に向けられている。

【0004】

本出願のさらなる実施形態は、スクアリン酸エステル（ＳＡＥ）組成物を対象に投与するためのキットであって、貯蔵区画、気密シール、接続領域、およびアプリケータを含むアプリケータ装置を含み、前記キットは、前記ＳＡＥ組成物を用いた治療に感受性のある状態を治療するために、前記ＳＡＥ組成物を投与するための指示資料をさらに含む、キットに向けられている。

【0005】

本出願のさらなる実施形態は、スクアリン酸エステル（ＳＡＥ）および賦形剤を含む組成物であって、前記組成物は、水およびＤＭＳＯを本質的に含まず、前記組成物は、１ミリリットルの総体積を有する、組成物に向けられている。

【図面の簡単な説明】

【0006】

【図1】スクアリン酸エステル（ＳＡＥ）組成物を対象に送達するためのシステムの一実施形態の概略図である。

【発明の詳細な説明】

【0007】

本開示は、変動する可能性があるため、記載された特定のシステム、装置、および方法に限定されるものではない。本明細書で使用される用語は、特定の解釈または実施形態を説明するためだけのものであり、範囲を限定することを意図するものではない。本開示のこのような態様は、多くの異なる形態で具体化される。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、当業者にその範囲を十分に伝えるように提供される。

【0008】

本開示は、本出願に記載された特定の実施形態の点で限定されるものではなく、これらは様々な態様の例示として意図されている。当業者には明らかなように、その精神および範囲から逸脱することなく、多くの修正および変形を行うことができる。本明細書に列挙したものに加えて、本開示の範囲内にある機能的に等価な方法および装置は、前述の説明から当業者には明らかだろう。このような修正および変形は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図される。本開示は、添付の特許請求の範囲の条件によってのみ限定され、そのような特許請求の範囲が権利を有する等価物の全範囲と共に限定される。本開示は、特定の方法、試薬、化合物、組成物または生物学的システムに限定されないことを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のみのためのものであり、限定することを意図するものではないことを理解されたい。

【0009】

本明細書において、単数形「ａ」、「ａｎ」、および「ｔｈｅ」は、文脈上明らかにそうでない場合を除き、複数形の参照を含む。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本開示のいかなる内容も、本開示に記載された実施形態が、先行発明によりかかる開示に先行する権利を有していないことを認めるものとして解釈されるものではない。本明細書で使用される場合、用語「含む（ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ）」は、「含むが、これに限定されない（ｉｎｃｌｕｄｉｎｇ，ｂｕｔ ｎｏｔ ｌｉｍｉｔｅｄ ｔｏ）」を意味する。

【0010】

様々な組成物、方法、および装置は、様々な成分または工程を「含む（ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ）」（「含むが、これに限定されない」という意味として解釈される）という用語で記載されているが、組成物、方法、および装置はまた、様々な成分および工程を「から本質的に成る（ｃｏｎｓｉｓｔ ｅｓｓｅｎｔｉａｌｌｙ ｏｆ）」または「から成る（ｃｏｎｓｉｓｔ ｏｆ）」こともでき、このような用語は、本質的に閉じたメンバー群を定義するものとして解釈されるべきである。

【0011】

本明細書における実質的に任意の複数および／または単数の用語の使用に関して、当業者であれば、文脈および／または用途に応じて、複数形から単数形へ、および／または単数形から複数形へ解釈することができる。様々な単数／複数の順列は、明確化のために本明細書で明示的に規定される場合がある。

【0012】

一般に、本明細書、特に添付の特許請求の範囲（例えば、添付の特許請求の範囲の本体）において使用される用語は、一般に「開かれた（ｏｐｅｎ）」用語として意図されることが当業者には理解されるだろう（例えば、「含む（ｉｎｃｌｕｄｉｎｇ）」という用語は「含むが、これに限定されない（ｉｎｃｌｕｄｉｎｇ ｂｕｔ ｎｏｔ ｌｉｍｉｔｅｄ ｔｏ）」と解釈されるべきであり、「有する（ｈａｖｉｎｇ）」という用語は「少なくとも有する（ｈａｖｉｎｇ ａｔ ｌｅａｓｔ）」と解釈されるべきであり、「含む（ｉｎｃｌｕｄｅｓ）」という用語は「含むが、これに限定されない（ｉｎｃｌｕｄｅｓ ｂｕｔ ｉｓ ｎｏｔ ｌｉｍｉｔｅｄ ｔｏ）」等と解釈されるべきである）。当業者にはさらに、導入された請求項の特定の数の記載が意図される場合、そのような意図は請求項に明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが理解されよう。例えば、理解の一助として、以下の添付の特許請求の範囲には、特許請求の範囲の記載を導入するために「少なくとも１つ（ａｔ ｌｅａｓｔ ｏｎｅ）」および「１つまたはそれ以上（ｏｎｅ ｏｒ ｍｏｒｅ）」という導入句が使用されている場合がある。しかしながら、このような語句の使用は、不定冠詞「ａ」または「ａｎ」による請求項の繰り返しの導入が、そのような導入された請求項の繰り返しを含む特定の請求項を、そのような繰り返しを１つだけ含む実施形態に限定することを意味すると解釈されるべきではなく、たとえ同じ請求項が導入語句「１つまたはそれ以上（ｏｎｅ ｏｒ ｍｏｒｅ）」または「少なくとも１つ（ａｔ ｌｅａｓｔ ｏｎｅ）」および「ａ」または「ａｎ」などの不定冠詞を含む場合であっても（例えば、「ａ」および／または「ａｎ」は、「少なくとも１つ（ａｔ ｌｅａｓｔ ｏｎｅ）」または「１つまたはそれ以上（ｏｎｅ ｏｒ ｍｏｒｅ）」を意味すると解釈されるべきである）。また、特許請求の範囲の冒頭に使用される定冠詞の使用についても同様である。さらに、導入された請求項の繰り返しの特定の数が明示的に列挙されている場合であっても、当業者は、そのような列挙は、少なくとも列挙された数を意味すると解釈されるべきであることを認識するだろう（例えば、他の修飾語なしの「２つの列挙」というただそれだけの列挙は、少なくとも２つの列挙、または２つもしくはそれ以上の列挙を意味する）。さらに、「Ａ、Ｂ、およびＣのうちの少なくとも１つ等」に類似する慣用句が使用される場合、一般的に、そのような構成は、当業者がその慣用句を理解する意味で意図される（例えば、「Ａ、Ｂ、およびＣのうちの少なくとも１つを有するシステム」は、これに限定されないが、Ａ単独、Ｂ単独、Ｃ単独、ＡおよびＢ、ＡおよびＣ、ＢおよびＣ、および／または、Ａ、Ｂ、およびＣ等を有するシステムを含む）。「Ａ、Ｂ、またはＣのうちの少なくとも１つ等」に類似する慣例が使用される場合、一般に、そのような構成は、当業者が慣例を理解する意味で意図される（例えば、「Ａ、Ｂ、またはＣのうちの少なくとも１つを有するシステム」は、これに限定されないが、Ａ単独、Ｂ単独、Ｃ単独、ＡおよびＢ、ＡおよびＣ、ＢおよびＣ、および／または、Ａ、Ｂ、およびＣ等を有するシステムを含む）。当業者にはさらに、明細書、特許請求の範囲、または図面のいずれにおいても、２つまたはそれ以上の代替的な用語を提示する実質的に任意の接続詞的な単語および／または語句は、用語の一方、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図するものと理解されるべきであることが理解されよう。例えば、「ＡまたはＢ」という語句は、「Ａ」もしくは「Ｂ」、または「ＡおよびＢ」の可能性を含むものと理解される。

【0013】

加えて、本開示の特徴または態様がマーカッシュ群の観点から記載されている場合、当業者は、本開示がそれによってマーカッシュ群の任意の個々のメンバーまたはメンバーの下位群の観点からも記載されていることを認識するだろう。

【0014】

百分率、割合、比率はすべて、組成物の総重量に基づいており、特に断りのない限り、測定はすべて約２５℃で行った。

【0015】

当業者には理解されるように、本明細書で開示されるすべての範囲は、書面による説明を提供するという観点など、あらゆる目的のために、あらゆる可能な部分範囲およびその部分範囲の組み合わせも包含する。どのような列挙された範囲も、同じ範囲が少なくとも等しい半分、３分の１、４分の１、５分の１、１０分の１などに分解されることを十分に説明し、可能にするものとして容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で議論される各範囲は、下位３分の１、中位３分の１、および上位３分の１などに容易に分解することができる。また、当業者には理解されるだろうが、「最大」、「少なくとも」などのすべての文言は、言及された数を含み、上述したように、その後部分範囲に分解することができる範囲を指す。最後に、当業者には理解されるだろうが、範囲は個々のメンバーを含む。従って、例えば、１～３個の細胞を有する群は、１、２、または３個の細胞を有する群を指す。同様に、１～５個の細胞を有する群は、１、２、３、４、５個の細胞を持つ群などを指す。

【0016】

本明細書で使用される「約（ａｂｏｕｔ）」という用語は、例えば、実世界における測定または取扱いの手順によって、これらの手順における意図しない誤りによって、組成物または試薬の製造、供給源、または純度の違いなどによって生じ得る数値量の変動を指す。一般的に、本明細書で使用される「約」という用語は、記載された値または値の範囲よりも、記載された値の１／１０、例えば±１０％だけ大きいまたは小さいことを意味する。また、「約」という用語は、先行技術によって実施されている既知の値を包含しない限り、当業者であれば同等であると認識できるような変動も意味する。「約」という用語が先行する各値または値の範囲は、記載された絶対値または値の範囲の実施形態を包含することも意図されている。用語「約」によって修飾されるか否かにかかわらず、本開示において言及される定量的値は、言及される値に対する等価物、例えば、発生し得るが、当業者によって等価物であると認識されるだろうそのような値の数値量の変動を含む。本開示の文脈がそうでないことを示す場合、またはそのような解釈と矛盾する場合、上記の解釈は、当業者にとって容易に明らかであるように修正することができる。例えば、「約４９、約５０、約５５」のような数値のリストにおいて、「約５０」は、先行する値と後続する値との間の間隔の半分未満、例えば、４９．５より大きく５２．５より小さいに及ぶ範囲を意味する。さらに、「約～より小さい」または「約～より大きい」という表現は、本明細書で提供される用語「約」の定義を考慮して理解されるべきである。

【0017】

本明細書で使用される「実質的に含まない（ｓｕｂｓｔａｎｔｉａｌｌｙ ｆｒｅｅ）」または「本質的に含まない（ｅｓｓｅｎｔｉａｌｌｙ ｆｒｅｅ）」という用語は、言及される特定の物質が、組成物全体の１０重量％または１０体積％以下の量で存在することを示す。本明細書で使用される「本質的に水を含まない」という用語は、組成物が、組成物が大気中の水を含むいかなる水源も本質的に含まないことを示す。

【0018】

値の範囲が記載されている場合、その範囲の上限値と下限値との間に介在する各値、およびその記載された範囲内の他の記載された値または介在する値は、本開示の範囲内に包含されることが意図されている。例えば、１μｍ～８μｍの範囲が記載されている場合、２μｍ、３μｍ、４μｍ、５μｍ、６μｍ、および７μｍも、１μｍ以上の値の範囲および８μｍ以下の値の範囲と同様に、明示的に開示されることが意図されている。

【0019】

用語「患者（ｐａｔｉｅｎｔ）」および「対象（ｓｕｂｊｅｃｔ）」は交換可能であり、本発明の化合物で治療することができる任意の生体を意味すると解釈される。このように、用語「患者」および「対象」は、これに限定されるものではないが、任意の非ヒト哺乳動物、霊長類またはヒトを含む。いくつかの実施形態において、「患者」または「対象」は、マウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、霊長類、またはヒトなどの哺乳動物である。いくつかの実施形態において、患者または対象は、成人、小児または幼児である。いくつかの実施形態において、患者または対象はヒトである。

【0020】

本明細書で使用する「動物（ａｎｉｍａｌ）」という用語には、これに限定されるものではないが、ヒトならびに野生動物、家畜動物、および農場動物などのヒト以外の脊椎動物が含まれる。

【0021】

本開示において、「障害（ｄｉｓｏｒｄｅｒ）」という用語は、特に断りのない限り、疾患、状態、または病気という用語を意味し、それと互換的に使用される。

【0022】

本明細書で使用される用語「投与する（ａｄｍｉｎｉｓｔｅｒ）」、「投与する（ａｄｍｉｎｉｓｔｅｒｉｎｇ）」または「投与（ａｄｍｉｎｉｓｔｒａｔｉｏｎ）」は、化合物（関心物質とも呼ばれる）または化合物（関心物質）の薬学的に許容される塩もしくは組成物を対象に直接投与することを指す。

【0023】

本明細書中で使用される用語「治療する（ｔｒｅａｔ）」、「治療される（ｔｒｅａｔｅｄ）」または「治療する（ｔｒｅａｔｉｎｇ）」は、治療的処置および予防的または予防的措置の両方を指し、その目的は、医学的状態の症状の頻度を減少させるか、または発症を遅延させること、化合物または組成物を投与されない被験体と比較して、被験体における組織表面の意図された組織治療領域の質感、外観、色、感覚、または水和を増強すること、またはそうでなければ有益なまたは所望の臨床結果を得ることである。本発明の目的のために、有益な臨床結果または所望の臨床結果には、状態の症状の逆転、軽減または緩和、状態、障害または疾患の程度の減少、状態の安定化（すなわち、悪化しない、状態、障害または疾患の状態の安定化（すなわち、悪化しないこと）、状態、障害または疾患の発症の遅延または進行の遅延、状態、障害または疾患の状態の改善、および検出可能であるか検出不可能であるかにかかわらず寛解（部分的であるか全体的であるかにかかわらず）、または状態、障害または疾患の増強もしくは改善である。治療には、過度の副作用を伴わずに臨床的に有意な反応を引き出すことが含まれる。治療には、治療を受けなかった場合に予想される生存期間と比較して生存期間を延長することも含まれる。

【0024】

いくつかの実施形態において、本明細書に開示される化合物および方法は、そのような治療を必要とする対象とともに、またはそのような治療を必要とする対象に利用することができ、これはまた、「その必要性がある（ｉｎ ｎｅｅｄ ｔｈｅｒｅｏｆ）」と称することもできる。本明細書で使用される場合、「その必要がある」という語句は、対象が特定の方法または治療の必要性を有すると同定され、その特定の目的のために対象に治療が施されたことを意味する。

【0025】

本明細書において、用語「治療薬（ｔｈｅｒａｐｅｕｔｉｃ）」または「治療剤（ｔｈｅｒａｐｅｕｔｉｃ ａｇｅｎｔ）」または「薬学的に活性な薬剤（ｐｈａｒｍａｃｅｕｔｉｃａｌｌｙ ａｃｔｉｖｅ ａｇｅｎｔ）」とは、患者の望ましくない状態または疾患を治療、闘病、改善、予防または改善するために利用される薬剤を意味する。

【0026】

本明細書で使用される「組成物（ｃｏｍｐｏｓｉｔｉｏｎ）」という用語は、２つまたはそれ以上の異なる成分、構成要素、もしくは物質の組み合わせまたは混合物を指す。

【0027】

本明細書で使用される「制御送達（ｃｏｎｔｒｏｌｌｅｄ ｄｅｌｉｖｅｒｙ）」という用語は、患者の皮膚への特定の場所への、または特定の時間にわたるＳＡＥ組成物の送達を指す。本明細書で使用される「正確な（ｐｒｅｃｉｓｅ）」という用語は、正確な場所または正確な量の組成物へのＳＡＥ組成物の送達を指す。「正確な」という用語は、所望の位置または量から１０％以内のずれを有する位置または時間を指す。

【0028】

「治療上有効な（ｔｈｅｒａｐｅｕｔｉｃａｌｌｙ ｅｆｆｅｃｔｉｖｅ）」という表現は、疾患や障害の治療または臨床評価項目の効果に使用される有効成分（すなわち、化合物またはその誘導体）の量を規定することを意図している。

【0029】

化合物または組成物の「治療上有効な量（ｔｈｅｒａｐｅｕｔｉｃａｌｌｙ ｅｆｆｅｃｔｉｖｅ ａｍｏｕｎｔ）」または「有効量（ｅｆｆｅｃｔｉｖｅ ａｍｏｕｎｔ）」とは、所望の効果、すなわち、細胞の活性化、遊走、または増殖を阻害、遮断、または逆転させるために計算された所定量のことである。本方法によって意図される活性には、必要に応じて、医学的治療および／または予防的治療の両方が含まれる。治療的および／または予防的効果を得るために本発明に従って投与される化合物の特定の用量は、もちろん、例えば、投与される化合物、投与経路、および治療される状態を含む、症例を取り巻く特定の状況によって決定される。化合物は広い投与量範囲で有効である。しかしながら、投与される有効量は、治療される状態、投与される化合物の選択、および選択された投与経路を含む関連する状況に照らして医師により決定されるため、上記の投与量範囲は、本発明の範囲を何ら限定することを意図するものではないことが理解されるだろう。本発明の化合物の治療上有効な量とは、典型的には、生理学的に許容される賦形剤組成物中で投与された場合に、有効な全身濃度または組織内の局所濃度を達成するのに十分な量である。

【0030】

本明細書で使用する「反応者（ｒｅｓｐｏｎｄｅｒ）」という用語は、治療有効量のＳＡＥ組成物による治療後に症状の改善を示す対象または対象の集合を指す。本明細書で使用される「部分的反応者（ｐａｒｔｉａｌ ｒｅｓｐｏｎｄｅｒ）」という用語は、４ヶ月の処置の終了時にＳＡＬＴスコア約５０％未満の任意の量で測定可能な発毛を経験する対象または対象の集合を指す。

【0031】

本明細書中で使用される用語「非反応者（ｎｏｎ－ｒｅｓｐｏｎｄｅｒ）」は、治療有効量のＳＡＥ組成物による治療後に症状の改善を示さない対象または対象の集合を指す。

【0032】

「阻害する（ｉｎｈｉｂｉｔｉｎｇ）」という用語には、本発明の化合物を投与して、症状の発症を予防すること、症状を緩和すること、症状を軽減すること、疾患および／またはその症状の進行を遅延もしくは減少させること、または疾患、状態もしくは障害を除去することが含まれる。

【0033】

本明細書で使用される場合、「本質的に水がない（ｅｓｓｅｎｔｉａｌｌｙ ｎｏ ｗａｔｅｒ）」という語句は、臨床的に不活性な遊離酸形態へのＳＡＥ組成物の加水分解をもたらさないだろう水の量を指す。「本質的に大気中の水がない（Ｅｓｓｅｎｔｉａｌｌｙ ｎｏ ａｔｍｏｓｐｈｅｒｉｃｓ ｗａｔｅｒ）」とは、約１０％以下の水として定義される。

【0034】

本明細書で使用する「賦形剤（ｅｘｃｉｐｉｅｎｔｓ）」という用語は、担体および希釈剤を包含し、これは、角質層または有棘層のような組織層を横切って医薬、化粧品または他の薬剤を運搬または輸送するのに関与する、液体または固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル化材料のような材料、組成物、または溶媒を意味する。

【0035】

本明細書で使用する「局所的（ｔｏｐｉｃａｌｌｙ）」および「局所的（ｔｏｐｉｃａｌ）」という用語は、皮膚、粘膜細胞、ケラチン、および組織の表面への組成物の適用を指す。ケラチンの例は、爪および毛髪である。

【0036】

本明細書で使用する「皮膚（ｓｋｉｎ）」という用語は、人や動物の身体を自然に覆っている薄い組織の層を指す。皮膚は表皮と真皮からなる。本明細書において、角質層は表皮の最外層であり、真皮乳頭は真皮の最上層である。本明細書で使用する「頭皮（ｓｃａｌｐ）」という用語は、患者の頭部の皮膚を指す。

【0037】

本明細書で使用する「安定な（ｓｔａｂｌｅ）」という用語は、製剤の保存後も製造時と同じ特性や性質を保持する製剤を指す。特性は、化学的、物理的、微生物学的、治療的、および毒物学的である。安定な製剤は、保存後、目的の元の特性の９０％を保持する。

【0038】

本明細書で使用する「保存安定性（ｓｈｅｌｆ ｓｔａｂｌｅ）」という用語は、標準的な環境および大気条件下で最大約６０ヶ月間安定な製剤を指す。標準的な環境および大気条件は、４℃～約５０℃の範囲の温度を含む。

【0039】

本明細書で使用される「室温（ｒｏｏｍ ｔｅｍｐｅｒａｔｕｒｅ）」という用語は、華氏６８度～華氏７７度に相当する摂氏２０度～摂氏２５度の間の「制御された室温（ｃｏｎｔｒｏｌｌｅｄ ｒｏｏｍ ｔｅｍｐｅｒａｔｕｒｅ）」を指し、華氏５９度～華氏８６度に相当する摂氏１５度～摂氏３０度の間の逸脱は、華氏約６８度～華氏７７度の平均温度範囲に許容される。

【0040】

本明細書により、範囲または類似の方法に従って請求することができる、群内の任意の部分範囲または部分範囲の組み合わせを含む、そのような群の任意の個々のメンバーを但し書きで除外または排除する権利を留保することにより、本開示の完全な尺度未満を、いかなる理由によっても請求することができる。さらに、個々の置換基、構造、またはその群、または請求された群のメンバーを除外または排除する権利をここに留保することにより、本開示の完全な尺度未満を、いかなる理由によっても請求することができる。本開示全体を通して、様々な特許、特許出願、および刊行物が参照されている。これらの特許、特許出願および刊行物の開示は、本開示の日付の時点で当業者に知られている技術の状態をより完全に説明するために、参照によりその全体が本開示に組み込まれる。引用した特許、特許出願および刊行物と本開示との間に矛盾がある場合には、本開示が適用される。

【0041】

他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本開示のいかなる内容も、本開示に記載された実施形態が、先行発明によりかかる開示に先行する権利を有しないことを認めるものとして解釈されるものではない。

【0042】

ＳＡＥ組成物を供給するためのシステム
本出願の実施形態は、スクアリン酸エステル（ＳＡＥ）組成物を対象に送達するためのシステムであって、少なくとも約２．５％（質量／体積）のＳＡＥおよび賦形剤を有する前記組成物を含む貯蔵区画と、アプリケータユニットと、を含み、前記アプリケータユニットは、約１ミリリットルの体積の前記ＳＡＥ組成物を送達する、システムに向けられている。

【0043】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物は、スクアリン酸ジブチルエステル（ＳＡＤＢＥ）を含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物は、スクアリン酸ジエチルエステル（ＳＡＤＥＥ）を含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物は、単一のＳＡＥを含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物は、ＳＡＥの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、ＳＥＡ組成物は、ＳＡＤＢＥおよびＳＡＤＥＥを含む。

【0044】

いくつかの実施形態において、対象にＳＡＥ組成物を送達するためのシステムは、少なくとも約２．５％（質量／体積）のＳＡＥを含む。いくつかの実施形態において、対象にＳＡＥ組成物を送達するためのシステムは、少なくとも約５％（質量／体積）のＳＡＥを含む。いくつかの実施形態において、対象にＳＡＥ組成物を送達するためのシステムは、少なくとも約７％（質量／体積）のＳＡＥを含む。いくつかの実施形態において、対象にＳＡＥ組成物を送達するためのシステムは、少なくとも約１０％（質量／体積）のＳＡＥを含む。いくつかの実施形態において、対象にＳＡＥ組成物を送達するためのシステムは、約１％～約２０％、約１％～約１８％、約１％～約１６％、約１％～約１５％、約１％～約１４％、約１％～約１２％、約１％～約１０％、約１％～約９％、約１％～約８％、約１％～約７％、約１％～約６％、約１％～約５％、約１％～約４％、約１％～約３％、約１％～約２％、約２％～約２０％、約３％～約２０％、約４％～約２０％、約５％～約２０％、約６％～約２０％、約７％～約２０％、約８％～約２０％、約９％～約２０％、約１０％～約２０％、約１２％～約２０％、約１４％～約２０％、約１５％～約２０％、約１６％～約２０％、約１８％～約２０％、またはこれらの範囲内の値の範囲のＳＡＥを含む。具体例としては、約１％、約２％、約３％、約４％、約５％、約６％、約７％、約８％、約９％、約１０％、約１１％、約１２％、約１３％、約１４％、約１５％、約１６％、約１７％、約１８％、約１９％、約２０％、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲を含む。

【0045】

本明細書に開示されるいくつかの実施形態には、有効成分として、本明細書に開示される化合物の１つまたはそれ以上を、１つまたはそれ以上の薬学的に許容される担体（賦形剤）と組み合わせて含む医薬組成物も含まれる。いくつかの実施形態において、賦形剤は、ケトン、アルコール、他の有機溶媒のうちの少なくとも１つから選択される。

【0046】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムは、治療上有効な体積のＳＡＥ組成物を送達することを含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムは、有効体積のＳＡＥ組成物を送達することを含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムは、約１ミリリットルのＳＡＥ組成物を送達することを含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムは、約０．８ミリリットルのＳＡＥ組成物を送達することを含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムは、約１．２ミリリットルのＳＡＥ組成物を送達することを含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムは、約０．７ミリリットル～約１．３ミリリットルの範囲のＳＡＥ組成物を送達することを含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムは、約０．１ミリリットル～約２ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．９ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．８ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．７ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．６ミリリットル、約０．１～約１．５ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．４ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．３ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．２ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．１ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．０ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．９ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．８ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．７ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．６ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．５ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．４ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．３ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．２ミリリットル、約０．２ミリリットル～約２ミリリットル、約０．３ミリリットル～約２ミリリットル、約０．４ミリリットル～約２ミリリットル、約０．５ミリリットル～約２ミリリットル、約０．６ミリリットル～約２ミリリットル、約０．７ミリリットル～約２ミリリットル、約０．８ミリリットル～約２ミリリットル、約０．９ミリリットル～約２ミリリットル、約１．０ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．１ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．２ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．３ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．４ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．５ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．６ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．７～約２．０ミリリットル、約１．８ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．９ミリリットル～約２．０ミリリットル、またはこれらの範囲内の値の範囲を送達することを含む。具体例としては、約０．１ミリリットル、約０．２ミリリットル、約０．３ミリリットル、約０．４ミリリットル、約０．５ミリリットル、約０．６ミリリットル、約０．７ミリリットル、約０．８ミリリットル、約０．９ミリリットル、約１．０ミリリットル、約１．１ミリリットル、約１．２ミリリットル、約１．３ミリリットル、約１．４ミリリットル、約１．５ミリリットル、約１．６ミリリットル、約１．７ミリリットル、約１．８ミリリットル、約１．９ミリリットル、約２．０ミリリットル、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲を含む。

【0047】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥが保存安定性である、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物が室温で安定である、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物が約２３℃の温度で安定である、システムである。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のＳＡＥ組成物は、約２０℃～約２３℃の温度範囲で安定である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のＳＡＥ組成物は、約２０℃～約２５℃の温度範囲で安定である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるＳＡＥ組成物は、約２５℃～約５０℃の温度範囲で安定である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のＳＡＥ組成物は、約５℃～約５０℃、約５℃～約４０℃、約５℃～約３０℃、約５℃～約２８℃、約５℃～約２６℃、約５℃～約２５℃、約５℃～約２４℃、約５℃～約２２℃、約５℃～約２０℃、約５℃～約１８℃、約５℃～約１６℃、約５℃～約１４℃、約５℃～約１２℃、約５℃～約１０℃、約５℃～約８℃、約５℃～約６℃、またはこれらの範囲内の値の温度範囲で安定である。具体例としては、約５℃、約１０℃、約１５℃、約２０℃、約２１℃、約２２℃、約２３℃、約２４℃、約２５℃、約２６℃、約２８℃、約３０℃、約３５℃、約４０℃、約４５℃、約５０℃、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲を含む。

【0048】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物が室温で約１２ヶ月間安定である、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物が約６ヶ月～約２４ヶ月間室温で安定である、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物が、約１ヶ月～約６０ヶ月、約１ヶ月～約５７ヶ月、約１ヶ月～約５４ヶ月、約１ヶ月～約５１ヶ月、約１ヶ月～約４８ヶ月、約１ヶ月～約４５ヶ月、約１ヶ月～約４２ヶ月、約１ヶ月～約３９ヶ月、約１ヶ月～約３６ヶ月、約１ヶ月～約３３ヶ月、約１ヶ月～約３０ヶ月、約１ヶ月～約２７ヶ月、約１ヶ月～約２４ヶ月、約１ヶ月～約２１ヶ月、約１ヶ月～約１８ヶ月、約１ヶ月～約１５ヶ月、約１ヶ月～約１２ヶ月、約１ヶ月～約１１ヶ月、約１ヶ月～約１０ヶ月、約１ヶ月～約９ヶ月、約１ヶ月～約８ヶ月、約１ヶ月～約７ヶ月、約１ヶ月～約６ヶ月、約１ヶ月～約５ヶ月、約１ヶ月～約４ヶ月、約１ヶ月～約３ヶ月、約１ヶ月～約２ヶ月、またはこれらの範囲内の値で、室温で安定である、システムである。具体例としては、約１ヶ月、約２ヶ月、約３ヶ月、約４ヶ月、約５ヶ月、約６ヶ月、約７ヶ月、約８ヶ月、約９ヶ月、約１０ヶ月、約１１ヶ月、約１２ヶ月、約１５ヶ月、約１８ヶ月、約２１ヶ月、約２４ヶ月、約２７ヶ月、約３０ヶ月、約３３ヶ月、約３６ヶ月、約３９ヶ月、約４２ヶ月、約４５ヶ月、約４８ヶ月、約５１ヶ月、約５４ヶ月、約５７ヶ月、約６０ヶ月、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲を含む。

【0049】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物は、約１２ヶ月間保存安定性である、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物は、約６ヶ月～約２４ヶ月間保存安定性である、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物は、約１ヶ月～約６０ヶ月、約１ヶ月～約５７ヶ月、約１ヶ月～約５４ヶ月、約１ヶ月～約５１ヶ月、約１ヶ月～約４８ヶ月、約１ヶ月～約４５ヶ月、約１ヶ月～約４２ヶ月、約１ヶ月～約３９ヶ月、約１ヶ月～約３６ヶ月、約１ヶ月～約３３ヶ月、約１ヶ月～約３０ヶ月、約１ヶ月～約２７ヶ月、約１ヶ月～約２４ヶ月、約１ヶ月～約２１ヶ月、約１ヶ月～約１８ヶ月、約１ヶ月～約１５ヶ月、約１ヶ月～約１２ヶ月、約１ヶ月～約１１ヶ月、約１ヶ月～約１０ヶ月、約１ヶ月～約９ヶ月、約１ヶ月～約８ヶ月、約１ヶ月～約７ヶ月、約１ヶ月～約６ヶ月、約１ヶ月～約５ヶ月、約１ヶ月～約４ヶ月、約１ヶ月～約３ヶ月、約１ヶ月～約２ヶ月、またはこれらの範囲内の値で、保存安定性である、システムである。具体例としては、約１ヶ月、約２ヶ月、約３ヶ月、約４ヶ月、約５ヶ月、約６ヶ月、約７ヶ月、約８ヶ月、約９ヶ月、約１０ヶ月、約１１ヶ月、約１２ヶ月、約１５ヶ月、約１８ヶ月、約２１ヶ月、約２４ヶ月、約２７ヶ月、約３０ヶ月、約３３ヶ月、約３６ヶ月、約３９ヶ月、約４２ヶ月、約４５ヶ月、約４８ヶ月、約５１ヶ月、約５４ヶ月、約５７ヶ月、約６０ヶ月、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲を含む。

【0050】

いくつかの実施形態において、対象にＳＡＥ組成物を送達するためのシステムは、アプリケータユニットを含む。いくつかの実施形態において、対象にＳＡＥ組成物を送達するためのシステムは、アプリケータユニットを含み、アプリケータユニットは、貯蔵区画、気密シール、接続領域、およびアプリケータを含む。いくつかの実施形態において、貯蔵区画は、ＳＡＥ組成物を保持する。いくつかの実施形態において、貯蔵ユニットは、接続領域を有する端部に気密シールを含む。いくつかの実施形態において、アプリケータユニットは、貯蔵ユニットの遠位端に位置する吸収性膜を含む。いくつかの実施形態において、アプリケータユニットは、吸収性膜を含み、吸収性膜は、気密シールが貯蔵区画上で破壊された後に、ＳＡＥ組成物で浸される。

【0051】

図１は、スクアリン酸エステル（ＳＡＥ）組成物を対象に送達するためのシステムの一実施形態の概略図である。このシステムは、ＳＡＥを貯蔵し、適用するためのアプリケータを含む。アプリケータ１００は、アプリケータの開いた近位端１１０、アプリケータ先端部１２０、組成物を含むガラスアンプル１３０、遠位フィルター１４０、アプリケータの閉じた遠位端１５０、およびアプリケータの閉じた遠位端１５０に位置する通気孔１６０を含む。それを必要とする対象に組成物を適用するために、ガラスアンプル１３０はアプリケータ１００に圧力を加えることによって壊され、組成物はアプリケータ先端部１２０を飽和させる。アプリケータ先端部１２０は、組成物を適用するために対象の皮膚に接触する。遠位フィルター１４０は、アンプル破壊後の、アプリケータの遠位端の通気孔１６０を通したガラスと組成物の逆流を防ぐ。

【0052】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物の送達のためのアプリケータは、アプリケータ先端部を含む。いくつかの実施形態において、アプリケータ先端部はフィルターである。いくつかの実施形態において、アプリケータ先端部は、ポリエステル；積層発泡プラスチック；綿；多孔性ポリエチレン；ウール；ガーゼまたは他の類似の吸収性材料；ポリオレフィン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリ（エーテルスルホン）、およびそれらの混合物；ならびにポリフッ化ビニリデン（ＰＶＤＦ）およびポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）のようなフルオロポリマーである。

【0053】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物の送達のためのアプリケータは、ＳＡＥ組成物の貯蔵のためのガラスアンプルを含む。いくつかの実施形態において、ガラスアンプルはホウケイ酸ガラスである。いくつかの実施形態において、ガラスアンプルは、温度の変化からＳＡＥ組成物を保護する。いくつかの実施形態において、ガラスアンプルは、ＳＡＥ組成物を光から保護する。いくつかの実施形態において、ガラスアンプルは、ＳＡＥ組成物を大気中の酸素から保護する。いくつかの実施形態において、ガラスアンプル中のＳＡＥ組成物は保存安定性である。

【0054】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物の送達のためのアプリケータは、遠位フィルターを含む。いくつかの実施形態において、遠位フィルターは、多孔性ポリエチレン；ウール；ガーゼまたは他の類似の吸収性材料；ポリオレフィン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリ（エーテルスルホン）、およびそれらの混合物；ならびにポリフッ化ビニリデン（ＰＶＤＦ）およびポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）のようなフルオロポリマーから選択される材料である。

【0055】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物の送達のためのアプリケータは、通気孔を含む。

【0056】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムは、貯蔵区画を含み、貯蔵区画は、大気中の水からＳＡＥ組成物を保護する。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物は本質的に水を含まないシステムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物は水を含まない、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物は、水およびＤＭＳＯを本質的に含まない、システムである。

【0057】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、前記システムは、対象へのＳＡＥ組成物の制御された送達を提供する、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムは、ＳＡＥ組成物を、治療される皮膚の領域にわたって均一に分配する。いくつかの実施形態において、治療される皮膚の領域は、サイズが可変である。いくつかの実施形態において、治療される皮膚の最大面積は約８００ｃｍ^２である。いくつかの実施形態において、対象へのＳＡＥ組成物の制御された送達であって、前記送達は正確な体積のＳＡＥ組成物を提供する、送達である。いくつかの実施形態において、対象へのＳＡＥ組成物の制御された送達であって、前記送達は所定の速度で行われる、送達である。いくつかの実施形態において、対象へのＳＡＥ組成物の制御された送達であって、前記送達は、対象への投与の前に、ＳＡＥ組成物を水から保護する、送達である。

【0058】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物が、それを必要とする対象に投与される、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物が、それを必要とする対象に局所的に投与される、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物が、それを必要とする対象の皮膚に投与される、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物が、それを必要とする対象の頭皮に投与される、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物が、皮膚状態を治療するために、それを必要とする患者の皮膚病変部に投与される、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物が、皮膚状態を治療するために、それを必要とする患者の皮膚病変部に隣接して投与される、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物は、医師によって最適であると決定された皮膚の領域に投与される、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物が、それを必要とする皮膚の領域に選択的に投与される、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物は、皮膚のいかなる意図されない領域にも接触しない、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物が、貯蔵ユニットおよびアプリケータユニット内に完全に収容される、システムである。

【0059】

いくつかの実施形態において、皮膚疾患を有する対象にＳＡＥ組成物を送達するためのシステムである。いくつかの実施形態において、脱毛を有する対象にＳＡＥ組成物を送達するためのシステムである。いくつかの実施形態において、円形脱毛症の対象にＳＡＥ組成物を送達するためのシステムである。いくつかの実施形態において、ウイルス性疣贅、単純ヘルペスウイルス、伝染性軟属腫、および皮膚Ｔ細胞リンパ腫から選択される状態を治療するために、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムである。

【0060】

いくつかの実施形態において、治療上有効な量のＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムである。いくつかの実施形態において、治療上有効な量は、本明細書中に開示される量である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムは、治療される状態の消失をもたらす。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムは、脱毛の回復をもたらす。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムは、ＳＡＥ組成物と直接接触する皮膚の領域における毛髪の成長をもたらす。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムは、ＳＡＥ組成物の投与場所に隣接する皮膚の領域における毛髪の成長をもたらす。

【0061】

いくつかの実施形態において、対象は円形脱毛症と診断され、この状態の治療が成功すると、Ｐｈｙｓｉｃｉａｎ Ｇｌｏｂａｌ ＡｓｓｅｓｓｍｅｎｔまたはＩｎｖｅｓｔｉｇａｔｏｒ Ｇｌｏｂａｌ Ａｓｓｅｓｓｍｅｎｔなどの任意の順序評価尺度または間隔評価尺度において１点の改善がもたらされる。いくつかの実施形態において、対象は円形脱毛症と診断され、この状態の治療が成功すると、パッチが投与された場所の毛髪の成長が約１００％回復する。いくつかの実施形態において、対象は円形脱毛症と診断され、この状態の治療が成功すると、パッチが投与された場所において、臨床的評価、毛髪検査的評価、または病理組織学的評価で見られるように、活発に成長する毛幹を有する毛包の数によって定義されるように、毛髪の成長が少なくとも約５０％増加する。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物による円形脱毛症の治療が成功すると、組成物が投与された場所における毛髪の成長が、約５０％～約１００％、約５０％～約９５％、約５０％～約９０％、約５０％～約８５％、約５０％～約８０％、約５０％～約７５％、約５０％～約７０％、約５０％～約６５％、約５０％～約６０％、約５０％～約５５％、約６０％～約１００％、約６０％～約９５％、約６０％～約９０％、約６０％～約８５％、約６０％～約８０％、約６０％～約７５％、約６０％～約７０％、約６０％～約６５％、約７０％～約１００％、約７０％～約９５％、約７０％～約９０％、約７０％～約８５％、約７０％～約８０％、約７０％～約７５％、約８０％～約１００％、約８０％～約９５％、約８０％～約９０％、約８０％～約８５％、約９０％～約１００％、約９０％～約９５％、またはこれらの範囲内の値の範囲で増加する。具体例としては、臨床的評価、毛髪検査的評価、または病理組織学的評価で見られるように、活発に成長する毛幹を有する毛包の数によって定義される毛髪成長を、約１００％、約９９％、約９５％、約９０％、約８５％、約８０％、約７５％、約７０％、約６５％、約６０％、約５５％、約５０％、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲で増加させることを含む。

【0062】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物による円形脱毛症の治療が成功すると、パッチが投与された場所のＳｅｖｅｒｉｔｙ Ａｌｏｐｅｃｉａ Ｔｏｏｌ（ＳＡＬＴ）スコアが、約５０％～約１００％、約５０％～約９５％、約５０％～約９０％、約５０％～約８５％、約５０％～約８０％、約５０％～約７５％、約５０％～約７０％、約５０％～約６５％、約５０％～約６０％、約５０％～約５５％、約６０％～約１００％、約６０％～約９５％、約６０％～約９０％、約６０％～約８５％、約６０％～約８０％、約６０％～約７５％、約６０％～約７０％、約６０％～約６５％、約７０％～約１００％、約７０％～約９５％、約７０％～約９０％、約７０％～約８５％、約７０％～約８０％、約７０％～約７５％、約８０％～約１００％、約８０％～約９５％、約８０％～約９０％、約８０％～約８５％、約９０％～約１００％、約９０％～約９５％、またはこれらの範囲内の値の範囲で改善する。具体例としては、Ｓｅｖｅｒｉｔｙ Ａｌｏｐｅｃｉａ Ｔｏｏｌ（ＳＡＬＴ）スコアを約１００％、約９９％、約９５％、約９０％、約８５％、約８０％、約７５％、約７０％、約６５％、約６０％、約５５％、約５０％、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲で改善することを含む。

【0063】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物は、対象に月に１回送達される、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物は、対象に月に１回、４ヶ月間送達される、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物は、月に１回、１～１２ヶ月間、１～１１ヶ月間、１～１０ヶ月間、１～９ヶ月間、１～８ヶ月間、１～７ヶ月間、１～６ヶ月間、１～５ヶ月間、１～４ヶ月間、１～３ヶ月間、１～２ヶ月間、これらの範囲内の値で対象に送達される、システムである。具体例としては、１ヶ月、２ヶ月、３ヶ月、４ヶ月、５ヶ月、６ヶ月、７ヶ月、８ヶ月、９ヶ月、１０ヶ月、１１ヶ月、１２ヶ月、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲を含む。

【0064】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、対象は、４ヶ月の治療の終了時に、発毛について評価される、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、対象は、４ヶ月の治療の終了時に発毛について評価される、システムである。治療の４ヶ月の終了時に発毛を経験する対象は、「反応者（ｒｅｓｐｏｎｄｅｒｓ）」と呼ばれる。４ヶ月の治療終了時に発毛を経験しない対象は、「非反応者（ｎｏｎ－ｒｅｓｐｏｎｄｅｒｓ）」と呼ばれる。４ヶ月の治療終了時に約５０％のＳＡＬＴスコア未満の任意の量で測定可能な発毛を経験する対象は、「部分的反応者（ｐａｒｔｉａｌ ｒｅｓｐｏｎｄｅｒｓ）」と呼ばれる。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、対象が反応者である、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、対象が非反応者である、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、対象が部分的反応者である、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を非反応者に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物が２週間ごとに送達される、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を部分的反応者に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物が２週間ごとに送達される、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を非反応者または部分的反応者に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物が１週間ごとに送達される、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を非反応者または部分的反応者に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物が週に２回送達される、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を非反応者または部分的反応者に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物が３週間ごとに送達される、システムである。

【0065】

ＳＡＢＤＥ組成物を送達する方法
本出願の実施形態は、スクアリン酸エステル（ＳＡＥ）組成物を、前記ＳＡＥ組成物による治療に感受性のある状態を治療するために対象に送達する方法であって、貯蔵区画、気密シール、接続領域、およびアプリケータを含むアプリケータ装置を提供する工程と、前記ＳＡＥ組成物を前記貯蔵区画から前記アプリケータを通して前記対象に送達する工程と、を含む、方法に向けられている。

【0066】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物は、スクアリン酸ジブチルエステル（ＳＡＤＢＥ）を含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物は、スクアリン酸ジエチルエステル（ＳＡＤＥＥ）を含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物は、単一のＳＡＥを含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物は、ＳＡＥの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、ＳＥＡ組成物は、ＳＡＤＢＥおよびＳＡＤＥＥを含む。

【0067】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が、少なくとも約２．５％（質量／体積）のＳＡＥを含む、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が少なくとも約５％（質量／体積）のＳＡＥを含む、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が少なくとも約７％（質量／体積）のＳＡＥを含む、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が少なくとも約１０％（質量／体積）のＳＡＥを含む、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が、約１％～約２０％、約１％～約１８％、約１％～約１６％、約１％～約１５％、約１％～約１４％、約１％～約１２％、約１％～約１０％、約１％～約９％、約１％～約８％、約１％～約７％、約１％～約６％、約１％～約５％、約１％～約４％、約１％～約３％、約１％～約２％、約２％～約２０％、約３％～約２０％、約４％～約２０％、約５％～約２０％、約６％～約２０％、約７％～約２０％、約８％～約２０％、約９％～約２０％、約１０％～約２０％、約１２％～約２０％、約１４％～約２０％、約１５％～約２０％、約１６％～約２０％、約１８％～約２０％、またはこれらの範囲内の値の範囲のＳＡＥを含む、方法である。具体例としては、約１％、約２％、約３％、約４％、約５％、約６％、約７％、約８％、約９％、約１０％、約１１％、約１２％、約１３％、約１４％、約１５％、約１６％、約１７％、約１８％、約１９％、約２０％、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲を含む。

【0068】

本明細書に開示されるいくつかの実施形態には、有効成分として、本明細書に開示される化合物の１つまたはそれ以上を、１つまたはそれ以上の薬学的に許容される担体（賦形剤）と組み合わせて含む医薬組成物も含まれる。いくつかの実施形態において、賦形剤は、ケトン、アルコール、他の有機溶媒のうちの少なくとも１つから選択される。

【0069】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法は、治療上有効な体積のＳＡＥ組成物を送達する工程を含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法は、有効な体積のＳＡＥ組成物を送達する工程を含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法は、約１ミリリットルのＳＡＥ組成物を送達する工程を含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法は、約０．８ミリリットルのＳＡＥ組成物を送達する工程を含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法は、約１．２ミリリットルのＳＡＥ組成物を送達する工程を含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法は、約０．７ミリリットル～約１．３ミリリットルの範囲のＳＡＥ組成物を送達する工程を含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法は、約０．１ミリリットル～約２ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．９ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．８ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．７ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．６ミリリットル、約０．１～約１．５ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．４ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．３ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．２ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．１ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．０ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．９ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．８ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．７ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．６ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．５ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．４ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．３ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．２ミリリットル、約０．２ミリリットル～約２ミリリットル、約０．３ミリリットル～約２ミリリットル、約０．４ミリリットル～約２ミリリットル、約０．５ミリリットル～約２ミリリットル、約０．６ミリリットル～約２ミリリットル、約０．７ミリリットル～約２ミリリットル、約０．８ミリリットル～約２ミリリットル、約０．９ミリリットル～約２ミリリットル、約１．０ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．１ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．２ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．３ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．４ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．５ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．６ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．７～約２．０ミリリットル、約１．８ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．９ミリリットル～約２．０ミリリットル、またはこれらの範囲内の値の範囲を送達する工程を含む。具体例としては、約０．１ミリリットル、約０．２ミリリットル、約０．３ミリリットル、約０．４ミリリットル、約０．５ミリリットル、約０．６ミリリットル、約０．７ミリリットル、約０．８ミリリットル、約０．９ミリリットル、約１．０ミリリットル、約１．１ミリリットル、約１．２ミリリットル、約１．３ミリリットル、約１．４ミリリットル、約１．５ミリリットル、約１．６ミリリットル、約１．７ミリリットル、約１．８ミリリットル、約１．９ミリリットル、約２．０ミリリットル、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲を含む。

【0070】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥが保存安定性である、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が室温で安定である、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が約２３℃の温度で安定である、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が、約２０℃～約２３℃の温度範囲で安定である、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が、約２０℃～約２５℃の温度範囲で安定である、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が、約２５℃～約５０℃の温度範囲で安定である、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が、約５℃～約５０℃、約５℃～約４０℃、約５℃～約３０℃、約５℃～約２８℃、約５℃～約２６℃、約５℃～約２５℃、約５℃～約２４℃、約５℃～約２２℃、約５℃～約２０℃、約５℃～約１８℃、約５℃～約１６℃、約５℃～約１４℃、約５℃～約１２℃、約５℃～約１０℃、約５℃～約８℃、約５℃～約６℃、またはこれらの範囲内の値の温度範囲で安定である、方法である。具体例としては、約５℃、約１０℃、約１５℃、約２０℃、約２１℃、約２２℃、約２３℃、約２４℃、約２５℃、約２６℃、約２８℃、約３０℃、約３５℃、約４０℃、約４５℃、約５０℃、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲を含む。

【0071】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が室温で約１２ヶ月間安定である、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が約６ヶ月～約２４ヶ月間室温で安定である、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が、約１ヶ月～約６０ヶ月、約１ヶ月～約５７ヶ月、約１ヶ月～約５４ヶ月、約１ヶ月～約５１ヶ月、約１ヶ月～約４８ヶ月、約１ヶ月～約４５ヶ月、約１ヶ月～約４２ヶ月、約１ヶ月～約３９ヶ月、約１ヶ月～約３６ヶ月、約１ヶ月～約３３ヶ月、約１ヶ月～約３０ヶ月、約１ヶ月～約２７ヶ月、約１ヶ月～約２４ヶ月、約１ヶ月～約２１ヶ月、約１ヶ月～約１８ヶ月、約１ヶ月～約１５ヶ月、約１ヶ月～約１２ヶ月、約１ヶ月～約１１ヶ月、約１ヶ月～約１０ヶ月、約１ヶ月～約９ヶ月、約１ヶ月～約８ヶ月、約１ヶ月～約７ヶ月、約１ヶ月～約６ヶ月、約１ヶ月～約５ヶ月、約１ヶ月～約４ヶ月、約１ヶ月～約３ヶ月、約１ヶ月～約２ヶ月、またはこれらの範囲内の値、室温で安定である、方法である。具体例としては、約１ヶ月、約２ヶ月、約３ヶ月、約４ヶ月、約５ヶ月、約６ヶ月、約７ヶ月、約８ヶ月、約９ヶ月、約１０ヶ月、約１１ヶ月、約１２ヶ月、約１５ヶ月、約１８ヶ月、約２１ヶ月、約２４ヶ月、約２７ヶ月、約３０ヶ月、約３３ヶ月、約３６ヶ月、約３９ヶ月、約４２ヶ月、約４５ヶ月、約４８ヶ月、約５１ヶ月、約５４ヶ月、約５７ヶ月、約６０ヶ月、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲を含む。

【0072】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が約１２ヶ月間保存安定性である、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が約６ヶ月～約２４ヶ月間保存安定性である、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が、約１ヶ月～約６０ヶ月、約１ヶ月～約５７ヶ月、約１ヶ月～約５４ヶ月、約１ヶ月～約５１ヶ月、約１ヶ月～約４８ヶ月、約１ヶ月～約４５ヶ月、約１ヶ月～約４２ヶ月、約１ヶ月～約３９ヶ月、約１ヶ月～約３６ヶ月、約１ヶ月～約３３ヶ月、約１ヶ月～約３０ヶ月、約１ヶ月～約２７ヶ月、約１ヶ月～約２４ヶ月、約１ヶ月～約２１ヶ月、約１ヶ月～約１８ヶ月、約１ヶ月～約１５ヶ月、約１ヶ月～約１２ヶ月、約１ヶ月～約１１ヶ月、約１ヶ月～約１０ヶ月、約１ヶ月～約９ヶ月、約１ヶ月～約８ヶ月、約１ヶ月～約７ヶ月、約１ヶ月～約６ヶ月、約１ヶ月～約５ヶ月、約１ヶ月～約４ヶ月、約１ヶ月～約３ヶ月、約１ヶ月～約２ヶ月、またはこれらの範囲内の値、室温で安定である、方法である。具体例としては、約１ヶ月、約２ヶ月、約３ヶ月、約４ヶ月、約５ヶ月、約６ヶ月、約７ヶ月、約８ヶ月、約９ヶ月、約１０ヶ月、約１１ヶ月、約１２ヶ月、約１５ヶ月、約１８ヶ月、約２１ヶ月、約２４ヶ月、約２７ヶ月、約３０ヶ月、約３３ヶ月、約３６ヶ月、約３９ヶ月、約４２ヶ月、約４５ヶ月、約４８ヶ月、約５１ヶ月、約５４ヶ月、約５７ヶ月、約６０ヶ月、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲を含む。

【0073】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法は、アプリケータユニットを含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法は、アプリケータユニットを含み、アプリケータユニットは、貯蔵区画、気密シール、接続領域、およびアプリケータを含む。いくつかの実施形態において、貯蔵区画は、ＳＡＥ組成物を保持する。いくつかの実施形態において、貯蔵ユニットは、接続領域を有する端部に気密シールを含む。いくつかの実施形態において、アプリケータユニットは、貯蔵ユニットの遠位端に位置する吸収性膜を含む。いくつかの実施形態において、アプリケータユニットは、吸収性膜を含み、吸収性膜は、気密シールが貯蔵区画上で破壊された後に、ＳＡＥ組成物で浸される。

【0074】

いくつかの実施形態において、アプリケータユニットを用いてＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、アプリケータユニットが貯蔵区画を含む、方法である。いくつかの実施形態において、アプリケータユニットを用いてＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、アプリケータユニットは、ＳＡＥ組成物を大気中の水から保護するための貯蔵区画を含む、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が本質的に水を含まない、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が水を含まない、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が、水およびＤＭＳＯを本質的に含まない、方法である。

【0075】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、前記方法は、対象へのＳＡＥ組成物の制御された送達を提供する、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法は、ＳＡＥ組成物を、治療される皮膚の領域にわたって均一に分布させる。いくつかの実施形態において、治療される皮膚の領域は、サイズが可変である。いくつかの実施形態において、治療される皮膚の最大面積は約８００ｃｍ^２である。いくつかの実施形態において、対象へのＳＡＥ組成物の制御された送達であって、前記送達が正確な体積のＳＡＥ組成物を提供する、送達である。いくつかの実施形態において、対象へのＳＡＥ組成物の制御された送達であって、前記送達が所定の速度で行われる、送達である。いくつかの実施形態において、対象へのＳＡＥ組成物の制御された送達であって、前記送達が、対象への投与の前に、ＳＡＥ組成物を水から保護する、送達である。

【0076】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が、それを必要とする対象に投与される、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が、それを必要とする対象に局所的に投与される、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が、それを必要とする対象の皮膚に投与される、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物が、それを必要とする対象の頭皮に投与される、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が、皮膚状態を治療するために、それを必要とする患者の皮膚病変部に投与される、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が、皮膚状態を治療するために、それを必要とする患者の皮膚病変部に隣接して投与される、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物は、医師によって最適であると決定された皮膚の領域に投与される、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が、それを必要とする皮膚の領域に選択的に投与される、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が、皮膚の任意の意図されない領域に接触しない、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が、貯蔵ユニットおよびアプリケータユニット内に完全に収容される、方法である。

【0077】

いくつかの実施形態において、皮膚疾患を有する対象にＳＡＥ組成物を送達するためのシステムである。いくつかの実施形態において、脱毛を有する対象にＳＡＥ組成物を送達するための方法である。いくつかの実施形態において、円形脱毛症の対象にＳＡＥ組成物を送達するための方法である。いくつかの実施形態において、ウイルス性疣贅、単純ヘルペスウイルス、伝染性軟属腫、および皮膚Ｔ細胞リンパ腫から選択される状態を治療するために、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法である。

【0078】

いくつかの実施形態において、治療上有効な量のＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法である。いくつかの実施形態において、治療上有効な量は、本明細書中に開示される量である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法は、治療される状態の消失をもたらす。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法は、脱毛の回復をもたらす。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法は、ＳＡＥ組成物と直接接触する皮膚の領域における毛髪の成長をもたらす。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法は、ＳＡＥ組成物の投与場所に隣接する皮膚の領域における毛髪の成長をもたらす。

【0079】

いくつかの実施形態において、対象は円形脱毛症と診断され、この状態の治療が成功すると、Ｐｈｙｓｉｃｉａｎ Ｇｌｏｂａｌ ＡｓｓｅｓｓｍｅｎｔまたはＩｎｖｅｓｔｉｇａｔｏｒ Ｇｌｏｂａｌ Ａｓｓｅｓｓｍｅｎｔなどの任意の順序評価尺度または間隔評価尺度において１点の改善がもたらされる。いくつかの実施形態において、対象は円形脱毛症と診断され、この状態の治療が成功すると、パッチが投与された場所の毛髪の成長が約１００％回復する。いくつかの実施形態において、対象は円形脱毛症と診断され、この状態の治療が成功すると、パッチが投与された場所において、臨床的評価、毛髪検査的評価、または病理組織学的評価で見られるように、活発に成長する毛幹を有する毛包の数によって定義されるように、毛髪の成長が少なくとも約５０％増加する。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物による円形脱毛症の治療が成功すると、組成物が投与された場所における毛髪の成長が、約５０％～約１００％、約５０％～約９５％、約５０％～約９０％、約５０％～約８５％、約５０％～約８０％、約５０％～約７５％、約５０％～約７０％、約５０％～約６５％、約５０％～約６０％、約５０％～約５５％、約６０％～約１００％、約６０％～約９５％、約６０％～約９０％、約６０％～約８５％、約６０％～約８０％、約６０％～約７５％、約６０％～約７０％、約６０％～約６５％、約７０％～約１００％、約７０％～約９５％、約７０％～約９０％、約７０％～約８５％、約７０％～約８０％、約７０％～約７５％、約８０％～約１００％、約８０％～約９５％、約８０％～約９０％、約８０％～約８５％、約９０％～約１００％、約９０％～約９５％、またはこれらの範囲内の値の範囲で増加する。具体例としては、臨床的評価、毛髪検査的評価、または病理組織学的評価で見られるように、活発に成長する毛幹を有する毛包の数によって定義される毛髪成長を、約１００％、約９９％、約９５％、約９０％、約８５％、約８０％、約７５％、約７０％、約６５％、約６０％、約５５％、約５０％、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲で増加させることを含む。

【0080】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物による円形脱毛症の治療が成功すると、パッチが投与された場所のＳｅｖｅｒｉｔｙ Ａｌｏｐｅｃｉａ Ｔｏｏｌ（ＳＡＬＴ）スコアが、約５０％～約１００％、約５０％～約９５％、約５０％～約９０％、約５０％～約８５％、約５０％～約８０％、約５０％～約７５％、約５０％～約７０％、約５０％～約６５％、約５０％～約６０％、約５０％～約５５％、約６０％～約１００％、約６０％～約９５％、約６０％～約９０％、約６０％～約８５％、約６０％～約８０％、約６０％～約７５％、約６０％～約７０％、約６０％～約６５％、約７０％～約１００％、約７０％～約９５％、約７０％～約９０％、約７０％～約８５％、約７０％～約８０％、約７０％～約７５％、約８０％～約１００％、約８０％～約９５％、約８０％～約９０％、約８０％～約８５％、約９０％～約１００％、約９０％～約９５％、またはこれらの範囲内の値の範囲で改善する。具体例としては、Ｓｅｖｅｒｉｔｙ Ａｌｏｐｅｃｉａ Ｔｏｏｌ（ＳＡＬＴ）スコアを約１００％、約９９％、約９５％、約９０％、約８５％、約８０％、約７５％、約７０％、約６５％、約６０％、約５５％、約５０％、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲で改善することを含む。

【0081】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物は、対象に月に１回送達される、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物は、対象に月に１回、４ヶ月間送達される、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物は、月に１回、１～１２ヶ月間、１～１１ヶ月間、１～１０ヶ月間、１～９ヶ月間、１～８ヶ月間、１～７ヶ月間、１～６ヶ月間、１～５ヶ月間、１～４ヶ月間、１～３ヶ月間、１～２ヶ月間、これらの範囲内の値で対象に送達される、方法である。具体例としては、１ヶ月、２ヶ月、３ヶ月、４ヶ月、５ヶ月、６ヶ月、７ヶ月、８ヶ月、９ヶ月、１０ヶ月、１１ヶ月、１２ヶ月、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲を含む。

【0082】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、対象は、４ヶ月の治療の終了時に、発毛について評価される、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、対象は、４ヶ月の治療の終了時に発毛について評価される、方法である。治療の４ヶ月の終了時に発毛を経験する対象は、「反応者（ｒｅｓｐｏｎｄｅｒｓ）」と呼ばれる。４ヶ月の治療終了時に発毛を経験しない対象は、「非反応者（ｎｏｎ－ｒｅｓｐｏｎｄｅｒｓ）」と呼ばれる。４ヶ月の治療終了時に約５０％のＳＡＬＴスコア未満の任意の量で測定可能な発毛を経験する対象は、「部分的反応者（ｐａｒｔｉａｌ ｒｅｓｐｏｎｄｅｒｓ）」と呼ばれる。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、対象が反応者である、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、対象が非反応者である、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、対象が部分的反応者である、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を非反応者に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が２週間ごとに送達される、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を部分的反応者に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が２週間ごとに送達される、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を非反応者または部分的反応者に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が１週間ごとに送達される、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を非反応者または部分的反応者に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が週に２回送達される、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を非反応者または部分的反応者に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物が３週間ごとに送達される、方法である。

【0083】

ＳＡＥ組成物送達のためのキット
本出願の実施形態は、スクアリン酸エステル（ＳＡＥ）組成物を対象に投与するためのキットであって、貯蔵区画、気密シール、接続領域、およびアプリケータを含むアプリケータ装置と、少なくとも５％のＳＡＥを含むＳＡＥ組成物と、を含み、前記キットは、前記ＳＡＥ組成物を用いた治療に感受性のある状態を治療するために、前記ＳＡＥ組成物を投与するための指示資料をさらに含む、キットに向けられている。

【0084】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物は、スクアリン酸ジブチルエステル（ＳＡＤＢＥ）を含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物は、スクアリン酸ジエチルエステル（ＳＡＤＥＥ）を含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物は、単一のＳＡＥを含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物は、ＳＡＥの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、ＳＥＡ組成物は、ＳＡＤＢＥおよびＳＡＤＥＥを含む。

【0085】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物は少なくとも約２．５％（質量／体積）のＳＡＥを含む、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するための方法であって、ＳＡＥ組成物は少なくとも約５％（質量／体積）のＳＡＥを含む、方法である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物は少なくとも約７％（質量／体積）のＳＡＥを含む、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物は少なくとも約１０％（質量／体積）のＳＡＥを含む、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物は、約１％～約２０％、約１％～約１８％、約１％～約１６％、約１％～約１５％、約１％～約１４％、約１％～約１２％、約１％～約１０％、約１％～約９％、約１％～約８％、約１％～約７％、約１％～約６％、約１％～約５％、約１％～約４％、約１％～約３％、約１％～約２％、約２％～約２０％、約３％～約２０％、約４％～約２０％、約５％～約２０％、約６％～約２０％、約７％～約２０％、約８％～約２０％、約９％～約２０％、約１０％～約２０％、約１２％～約２０％、約１４％～約２０％、約１５％～約２０％、約１６％～約２０％、約１８％～約２０％、またはこれらの範囲内の値の範囲のＳＡＥを含む。具体例としては、約１％、約２％、約３％、約４％、約５％、約６％、約７％、約８％、約９％、約１０％、約１１％、約１２％、約１３％、約１４％、約１５％、約１６％、約１７％、約１８％、約１９％、約２０％、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲を含む。

【0086】

本明細書に開示されるいくつかの実施形態には、有効成分として、本明細書に開示される化合物の１つまたはそれ以上を、１つまたはそれ以上の薬学的に許容される担体（賦形剤）と組み合わせて含む医薬組成物も含まれる。いくつかの実施形態において、賦形剤は、ケトン、アルコール、他の有機溶媒のうちの少なくとも１つから選択される。

【0087】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットは、治療上有効な体積のＳＡＥ組成物を送達することを含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットは、有効体積のＳＡＥ組成物を送達することを含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットは、約１ミリリットルのＳＡＥ組成物を送達することを含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットは、約０．８ミリリットルのＳＡＥ組成物を送達することを含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットは、約１．２ミリリットルのＳＡＥ組成物を送達することを含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットは、約０．７ミリリットル～約１．３ミリリットルの範囲のＳＡＥ組成物を送達することを含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットは、約０．１ミリリットル～約２ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．９ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．８ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．７ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．６ミリリットル、約０．１～約１．５ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．４ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．３ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．２ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．１ミリリットル、約０．１ミリリットル～約１．０ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．９ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．８ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．７ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．６ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．５ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．４ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．３ミリリットル、約０．１ミリリットル～約０．２ミリリットル、約０．２ミリリットル～約２ミリリットル、約０．３ミリリットル～約２ミリリットル、約０．４ミリリットル～約２ミリリットル、約０．５ミリリットル～約２ミリリットル、約０．６ミリリットル～約２ミリリットル、約０．７ミリリットル～約２ミリリットル、約０．８ミリリットル～約２ミリリットル、約０．９ミリリットル～約２ミリリットル、約１．０ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．１ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．２ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．３ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．４ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．５ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．６ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．７～約２．０ミリリットル、約１．８ミリリットル～約２．０ミリリットル、約１．９ミリリットル～約２．０ミリリットル、またはこれらの範囲内の値の範囲を送達することを含む。具体例としては、約０．１ミリリットル、約０．２ミリリットル、約０．３ミリリットル、約０．４ミリリットル、約０．５ミリリットル、約０．６ミリリットル、約０．７ミリリットル、約０．８ミリリットル、約０．９ミリリットル、約１．０ミリリットル、約１．１ミリリットル、約１．２ミリリットル、約１．３ミリリットル、約１．４ミリリットル、約１．５ミリリットル、約１．６ミリリットル、約１．７ミリリットル、約１．８ミリリットル、約１．９ミリリットル、約２．０ミリリットル、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲を含む。

【0088】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥが保存安定性である、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物が室温で安定である、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物が約２３℃の温度で安定である、キットである。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のＳＡＥ組成物は、約２０℃～約２３℃の温度範囲で安定である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のＳＡＥ組成物は、約２０℃～約２５℃の温度範囲で安定である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるＳＡＥ組成物は、約２５℃～約５０℃の温度範囲で安定である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のＳＡＥ組成物は、約５℃～約５０℃、約５℃～約４０℃、約５℃～約３０℃、約５℃～約２８℃、約５℃～約２６℃、約５℃～約２５℃、約５℃～約２４℃、約５℃～約２２℃、約５℃～約２０℃、約５℃～約１８℃、約５℃～約１６℃、約５℃～約１４℃、約５℃～約１２℃、約５℃～約１０℃、約５℃～約８℃、約５℃～約６℃、またはこれらの範囲内の値の温度範囲で安定である。具体例としては、約５℃、約１０℃、約１５℃、約２０℃、約２１℃、約２２℃、約２３℃、約２４℃、約２５℃、約２６℃、約２８℃、約３０℃、約３５℃、約４０℃、約４５℃、約５０℃、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲を含む。

【0089】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物が室温で約１２ヶ月間安定である、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物が約６ヶ月～約２４ヶ月間室温で安定である、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物が、約１ヶ月～約６０ヶ月、約１ヶ月～約５７ヶ月、約１ヶ月～約５４ヶ月、約１ヶ月～約５１ヶ月、約１ヶ月～約４８ヶ月、約１ヶ月～約４５ヶ月、約１ヶ月～約４２ヶ月、約１ヶ月～約３９ヶ月、約１ヶ月～約３６ヶ月、約１ヶ月～約３３ヶ月、約１ヶ月～約３０ヶ月、約１ヶ月～約２７ヶ月、約１ヶ月～約２４ヶ月、約１ヶ月～約２１ヶ月、約１ヶ月～約１８ヶ月、約１ヶ月～約１５ヶ月、約１ヶ月～約１２ヶ月、約１ヶ月～約１１ヶ月、約１ヶ月～約１０ヶ月、約１ヶ月～約９ヶ月、約１ヶ月～約８ヶ月、約１ヶ月～約７ヶ月、約１ヶ月～約６ヶ月、約１ヶ月～約５ヶ月、約１ヶ月～約４ヶ月、約１ヶ月～約３ヶ月、約１ヶ月～約２ヶ月、またはこれらの範囲内の値で、室温で安定である、キットである。具体例としては、約１ヶ月、約２ヶ月、約３ヶ月、約４ヶ月、約５ヶ月、約６ヶ月、約７ヶ月、約８ヶ月、約９ヶ月、約１０ヶ月、約１１ヶ月、約１２ヶ月、約１５ヶ月、約１８ヶ月、約２１ヶ月、約２４ヶ月、約２７ヶ月、約３０ヶ月、約３３ヶ月、約３６ヶ月、約３９ヶ月、約４２ヶ月、約４５ヶ月、約４８ヶ月、約５１ヶ月、約５４ヶ月、約５７ヶ月、約６０ヶ月、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲を含む。

【0090】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物は、約１２ヶ月間保存安定性である、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物は、約６ヶ月～約２４ヶ月間保存安定性である、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物は、約１ヶ月～約６０ヶ月、約１ヶ月～約５７ヶ月、約１ヶ月～約５４ヶ月、約１ヶ月～約５１ヶ月、約１ヶ月～約４８ヶ月、約１ヶ月～約４５ヶ月、約１ヶ月～約４２ヶ月、約１ヶ月～約３９ヶ月、約１ヶ月～約３６ヶ月、約１ヶ月～約３３ヶ月、約１ヶ月～約３０ヶ月、約１ヶ月～約２７ヶ月、約１ヶ月～約２４ヶ月、約１ヶ月～約２１ヶ月、約１ヶ月～約１８ヶ月、約１ヶ月～約１５ヶ月、約１ヶ月～約１２ヶ月、約１ヶ月～約１１ヶ月、約１ヶ月～約１０ヶ月、約１ヶ月～約９ヶ月、約１ヶ月～約８ヶ月、約１ヶ月～約７ヶ月、約１ヶ月～約６ヶ月、約１ヶ月～約５ヶ月、約１ヶ月～約４ヶ月、約１ヶ月～約３ヶ月、約１ヶ月～約２ヶ月、またはこれらの範囲内の値で、保存安定性である、キットである。具体例としては、約１ヶ月、約２ヶ月、約３ヶ月、約４ヶ月、約５ヶ月、約６ヶ月、約７ヶ月、約８ヶ月、約９ヶ月、約１０ヶ月、約１１ヶ月、約１２ヶ月、約１５ヶ月、約１８ヶ月、約２１ヶ月、約２４ヶ月、約２７ヶ月、約３０ヶ月、約３３ヶ月、約３６ヶ月、約３９ヶ月、約４２ヶ月、約４５ヶ月、約４８ヶ月、約５１ヶ月、約５４ヶ月、約５７ヶ月、約６０ヶ月、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲を含む。

【0091】

いくつかの実施形態において、対象にＳＡＥ組成物を送達するためのキットは、アプリケータユニットを含む。いくつかの実施形態において、対象にＳＡＥ組成物を送達するためのキットは、アプリケータユニットを含み、アプリケータユニットは、貯蔵区画、気密シール、接続領域、およびアプリケータを含む。いくつかの実施形態において、貯蔵区画は、ＳＡＥ組成物を保持する。いくつかの実施形態において、貯蔵ユニットは、接続領域を有する端部に気密シールを含む。いくつかの実施形態において、アプリケータユニットは、貯蔵ユニットの遠位端に位置する吸収性膜を含む。いくつかの実施形態において、アプリケータユニットは、吸収性膜を含み、吸収性膜は、気密シールが貯蔵区画上で破壊された後に、ＳＡＥ組成物で浸される。

【0092】

いくつかの実施形態において、対象にＳＡＥ組成物を送達するためのキットはアプリケータユニットを有し、アプリケータユニットは貯蔵区画を含む。いくつかの実施形態において、対象にＳＡＥ組成物を送達するためのキットはアプリケータユニットを有し、アプリケータユニットは大気中の水からＳＡＥ組成物を保護するための貯蔵区画を含む。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物は本質的に水を含まない、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物は水を含まない、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物は水およびＤＭＳＯを本質的に含まない、キットである。

【0093】

いくつかの実施形態において、対象にＳＡＥ組成物を送達するためのキットであって、前記キットは、対象へのＳＡＥ組成物の制御された送達を提供する、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットは、ＳＡＥ組成物を、治療される皮膚の領域にわたって均一に分配する。いくつかの実施形態において、治療される皮膚の領域は、サイズが可変である。いくつかの実施形態において、治療される皮膚の最大面積は約８００ｃｍ^２である。いくつかの実施形態において、対象へのＳＡＥ組成物の制御された送達であって、前記送達が正確な体積のＳＡＥ組成物を提供する、送達である。いくつかの実施形態において、対象へのＳＡＥ組成物の制御された送達であって、前記送達は所定の速度で行われる、送達である。いくつかの実施形態において、対象へのＳＡＥ組成物の制御された送達であって、前記送達が、対象への投与の前に、ＳＡＥ組成物を水から保護する、送達である。

【0094】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物が、それを必要とする対象に投与される、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物が、それを必要とする対象に局所的に投与される、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物が、それを必要とする対象の皮膚に投与される、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムであって、ＳＡＥ組成物が、それを必要とする対象の頭皮に投与される、システムである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物が、皮膚状態を治療するために、それを必要とする患者の皮膚病変部に投与される、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物が、皮膚状態を治療するために、それを必要とする患者の皮膚病変部に隣接して投与される、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物は、医師によって最適であると決定された皮膚の領域に投与される、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物が、それを必要とする皮膚の領域に選択的に投与される、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物が皮膚の任意の意図されない領域に接触しない、キットである。いくつかの実施形態において、対象にＳＡＥ組成物を送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物が、貯蔵ユニットおよびアプリケータユニット内に完全に収容される、キットである。

【0095】

いくつかの実施形態において、皮膚疾患を有する対象にＳＡＥ組成物を送達するためのシステムである。いくつかの実施形態において、脱毛を有する対象にＳＡＥ組成物を送達するためのキットである。いくつかの実施形態において、円形脱毛症の対象にＳＡＥ組成物を送達するためのキットである。いくつかの実施形態において、ウイルス性疣贅、単純ヘルペスウイルス、伝染性軟属腫、および皮膚Ｔ細胞リンパ腫から選択される状態を治療するために、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのシステムである。

【0096】

いくつかの実施形態において、治療上有効な量のＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットである。いくつかの実施形態において、治療上有効な量は、本明細書中に開示される量である。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットは、治療される状態の消失をもたらす。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットは、脱毛の回復をもたらす。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットは、ＳＡＥ組成物と直接接触する皮膚の領域における毛髪の成長をもたらす。いくつかの実施形態において、対象にＳＡＥ組成物を送達するためのキットは、ＳＡＥ組成物の投与場所に隣接する皮膚の領域における毛髪の成長をもたらす。

【0097】

いくつかの実施形態において、対象は円形脱毛症と診断され、この状態の治療が成功すると、Ｐｈｙｓｉｃｉａｎ Ｇｌｏｂａｌ ＡｓｓｅｓｓｍｅｎｔまたはＩｎｖｅｓｔｉｇａｔｏｒ Ｇｌｏｂａｌ Ａｓｓｅｓｓｍｅｎｔなどの任意の順序評価尺度または間隔評価尺度において１点の改善がもたらされる。いくつかの実施形態において、対象は円形脱毛症と診断され、この状態の治療が成功すると、パッチが投与された場所の毛髪の成長が約１００％回復する。いくつかの実施形態において、対象は円形脱毛症と診断され、この状態の治療が成功すると、パッチが投与された場所において、臨床的評価、毛髪検査的評価、または病理組織学的評価で見られるように、活発に成長する毛幹を有する毛包の数によって定義されるように、毛髪の成長が少なくとも約５０％増加する。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物による円形脱毛症の治療が成功すると、組成物が投与された場所における毛髪の成長が、約５０％～約１００％、約５０％～約９５％、約５０％～約９０％、約５０％～約８５％、約５０％～約８０％、約５０％～約７５％、約５０％～約７０％、約５０％～約６５％、約５０％～約６０％、約５０％～約５５％、約６０％～約１００％、約６０％～約９５％、約６０％～約９０％、約６０％～約８５％、約６０％～約８０％、約６０％～約７５％、約６０％～約７０％、約６０％～約６５％、約７０％～約１００％、約７０％～約９５％、約７０％～約９０％、約７０％～約８５％、約７０％～約８０％、約７０％～約７５％、約８０％～約１００％、約８０％～約９５％、約８０％～約９０％、約８０％～約８５％、約９０％～約１００％、約９０％～約９５％、またはこれらの範囲内の値の範囲で増加する。具体例としては、臨床的評価、毛髪検査的評価、または病理組織学的評価で見られるように、活発に成長する毛幹を有する毛包の数によって定義される毛髪成長を、約１００％、約９９％、約９５％、約９０％、約８５％、約８０％、約７５％、約７０％、約６５％、約６０％、約５５％、約５０％、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲で増加させることを含む。

【0098】

パッチが投与された場所のＳｅｖｅｒｉｔｙ Ａｌｏｐｅｃｉａ Ｔｏｏｌ（ＳＡＬＴ）スコアが、約５０％～約１００％、約５０％～約９５％、約５０％～約９０％、約５０％～約８５％、約５０％～約８０％、約５０％～約７５％、約５０％～約７０％、約５０％～約６５％、約５０％～約６０％、約５０％～約５５％、約６０％～約１００％、約６０％～約９５％、約６０％～約９０％、約６０％～約８５％、約６０％～約８０％、約６０％～約７５％、約６０％～約７０％、約６０％～約６５％、約７０％～約１００％、約７０％～約９５％、約７０％～約９０％、約７０％～約８５％、約７０％～約８０％、約７０％～約７５％、約８０％～約１００％、約８０％～約９５％、約８０％～約９０％、約８０％～約８５％、約９０％～約１００％、約９０％～約９５％、またはこれらの範囲内の値の範囲で改善する。具体例としては、Ｓｅｖｅｒｉｔｙ Ａｌｏｐｅｃｉａ Ｔｏｏｌ（ＳＡＬＴ）スコアを約１００％、約９９％、約９５％、約９０％、約８５％、約８０％、約７５％、約７０％、約６５％、約６０％、約５５％、約５０％、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲で改善することを含む。

【0099】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物は、対象に月に１回送達される、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物は、対象に月に１回、４ヶ月間送達される、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物は、月に１回、１～１２ヶ月間、１～１１ヶ月間、１～１０ヶ月間、１～９ヶ月間、１～８ヶ月間、１～７ヶ月間、１～６ヶ月間、１～５ヶ月間、１～４ヶ月間、１～３ヶ月間、１～２ヶ月間、これらの範囲内の値で対象に送達される、キットである。具体例としては、１ヶ月、２ヶ月、３ヶ月、４ヶ月、５ヶ月、６ヶ月、７ヶ月、８ヶ月、９ヶ月、１０ヶ月、１１ヶ月、１２ヶ月、またはこれらの値の任意の２つの間の範囲を含む。

【0100】

いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、対象は、４ヶ月の治療の終了時に、発毛について評価される、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、対象は、４ヶ月の治療の終了時に発毛について評価される、キットである。治療の４ヶ月の終了時に発毛を経験する対象は、「反応者（ｒｅｓｐｏｎｄｅｒｓ）」と呼ばれる。４ヶ月の治療終了時に発毛を経験しない対象は、「非反応者（ｎｏｎ－ｒｅｓｐｏｎｄｅｒｓ）」と呼ばれる。４ヶ月の治療終了時に約５０％のＳＡＬＴスコア未満の任意の量で測定可能な発毛を経験する対象は、「部分的反応者（ｐａｒｔｉａｌ ｒｅｓｐｏｎｄｅｒｓ）」と呼ばれる。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、対象が反応者である、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、対象が非反応者である、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を対象に送達するためのキットであって、対象が部分的反応者である、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を非反応者に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物が２週間ごとに送達される、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を部分的反応者に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物が２週間ごとに送達される、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を非反応者または部分的反応者に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物が１週間ごとに送達される、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を非反応者または部分的反応者に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物が週に２回送達される、キットである。いくつかの実施形態において、ＳＡＥ組成物を非反応者または部分的反応者に送達するためのキットであって、ＳＡＥ組成物が３週間ごとに送達される、キットである。

【0101】

上記の詳細な説明において、添付図面を参照し、これらの図面は本明細書の一部を構成する。図面において、文脈上別段の指示がない限り、同様の符号は、通常、同様の構成要素を識別する。本開示において説明される例示的な実施形態は、限定を意味するものではない。本明細書に提示された主題の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用することができ、他の変更を加えることができる。本明細書において一般的に記載され、図に例示されるような本開示の様々な特徴は、多種多様な異なる構成において配置、置換、組み合わせ、分離、および設計され得、その全てが本明細書において明示的に企図されることが容易に理解されるだろう。

【0102】

本開示は、本出願に記載された特定の実施形態の点で限定されるものではなく、これらは様々な特徴の例示として意図されている。その代わりに、本出願は、本教示の任意の変形、使用、または適応を補い、その一般原理を使用することを意図する。さらに、本出願は、これらの教示が関連する技術分野において公知または慣例の範囲内にあるような、本開示からの逸脱を対象とすることを意図している。当業者には明らかなように、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、記載された特定の実施形態に対して多くの修正および変形を行うことができる。本明細書に列挙したものに加えて、本開示の範囲内にある機能的に等価な方法および装置は、前述の説明から当業者には明らかだろう。本開示は、特定の方法、試薬、化合物、組成物、または生物学的系に限定されないことを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、限定することを意図するものではないことを理解されたい。

【0103】

上記に開示された様々な特徴および機能、またはそれらの代替物は、他の多くの異なるシステムまたは用途に組み合わされても良い。当業者によって、現在予見されていない、または予期されていない様々な代替、修正、変形、または改良がその後なされる可能性があり、それらの各々もまた、開示された実施形態によって包含されることが意図される。

【0104】

さらなる実施形態：
本明細書において提供されるのは、実施形態Ａ：組成物であって、スクアリン酸エステル（ＳＡＥ）と、賦形剤と、を含み、前記組成物は、水およびＤＭＳＯを本質的に含まず、前記組成物は、１ミリリットルの体積を有する、組成物である。

【0105】

実施形態Ｂ：実施形態Ａ記載の組成物において、前記組成物は約６０ヶ月まで保存安定である、組成物。

【0106】

実施形態Ｃ：実施形態Ｂ記載の組成物において、前記ＳＡＥは、スクアリン酸ジブチルエステル（ＳＡＤＢＥ）またはスクアリン酸ジエチルエステル（ＳＡＤＥＥ）である、組成物。

【0107】

実施形態Ｄ：実施形態Ｂ記載の組成物において、前記ＳＡＥは、少なくとも約５％（質量／体積）のＳＡＥの量である、組成物。

【0108】

実施形態Ｅ：実施形態Ｂ記載の組成物において、前記ＳＡＥは、少なくとも約１０％（質量／体積）のＳＡＥの量である、組成物。

【0109】

実施形態Ｆ：実施形態Ｂ記載の組成物において、前記組成物は室温で保存される、組成物。

【0110】

本明細書において提供されるのは、実施形態Ｇ：スクアリン酸エステル（ＳＡＥ）組成物を対象に送達するためのシステムであって、少なくとも約２．５％（質量／体積）のＳＡＥおよび賦形剤を有する前記組成物を含む貯蔵区画と、アプリケータユニットであって、前記アプリケータユニットは、約１ミリリットルの体積の前記ＳＡＥ組成物を送達する、アプリケータユニットと、を含む、システムである。

【0111】

実施形態Ｈ：実施形態Ｇ記載のシステムにおいて、前記アプリケータユニットは、貯蔵区画、気密シール、接続領域、およびアプリケータを含む、システム。

【0112】

実施形態Ｉ：実施形態Ｈ記載のシステムにおいて、前記貯蔵区画は、前記ＳＡＥ組成物を大気中の水から保護する、システム。

【0113】

実施形態Ｊ：実施形態Ｈ記載のシステムにおいて、吸収性膜は、貯蔵ユニットの遠位端に配置される、システム。

【0114】

実施形態Ｋ：実施形態Ｊ記載のシステムにおいて、前記気密シールが前記貯蔵区画上で破壊された後に、前記吸収性膜が前記ＳＡＥ組成物で浸される、システム。

【0115】

実施形態Ｌ：実施形態Ｇ記載のシステムにおいて、前記システムは、前記対象への前記ＳＡＥ組成物の制御された送達を提供する、システム。

【0116】

実施形態Ｍ：実施形態Ｇ記載のシステムにおいて、前記ＳＡＥ組成物は、それを必要とする対象に局所的に投与される、システム。

【0117】

本明細書において提供されるのは、実施形態Ｎ：スクアリン酸エステル（ＳＡＥ）組成物を、前記ＳＡＥ組成物による治療に感受性のある状態を治療するために対象に送達する方法であって、貯蔵区画、気密シール、接続領域、およびアプリケータを含むアプリケータ装置を提供する工程と、前記ＳＡＥ組成物を前記貯蔵区画から前記アプリケータを通して前記対象に送達する工程と、を含む、方法である。

【0118】

実施形態Ｏ：実施形態Ｎ記載の方法において、前記対象は皮膚疾患と診断される、方法。

【0119】

実施形態Ｐ：実施形態Ｎ記載の方法において、前記対象は円形脱毛症と診断される、方法。

【0120】

実施形態Ｑ：実施形態Ｎ記載の方法において、前記組成物は、脱毛の治療のために対象の頭皮に送達される、方法。

【0121】

実施形態Ｒ：実施形態Ｎ記載の方法において、前記対象に送達する工程が発毛をもたらす、方法。

【0122】

実施形態Ｓ：実施形態Ｎ記載の方法において、前記送達する工程は、約１ミリリットルの前記ＳＡＥ組成物を送達する工程を含む、方法。

【0123】

実施形態Ｔ：実施形態Ｎ記載の方法において、前記ＳＡＥ組成物は、少なくとも約５％（質量／体積）を含む、方法。

【0124】

実施形態Ｕ：実施形態Ｎ記載の方法において、前記ＳＡＥ組成物は、少なくとも約７％（質量／体積）を含む、方法。

【0125】

実施形態Ｖ：実施形態Ｎ記載の方法において、前記ＳＡＥ組成物は、少なくとも約１０％（質量／体積）を含む、方法。

【0126】

実施形態Ｗ：実施形態Ｎ記載の方法において、前記ＳＡＥ組成物を対象へ送達する工程は、制御された送達である、方法。

【0127】

実施形態Ｘ：実施形態Ｎ記載の方法において、前記ＳＡＥ組成物を対象へ送達する工程は、制御された送達である、方法。

【0128】

実施形態Ｙ：実施形態Ｎ記載の方法において、、前記ＳＡＥ組成物は、対象に月に１回送達される、方法。

【0129】

実施形態Ｚ：実施形態Ｎ記載の方法において、前記ＳＡＥ組成物は、対象に月に１回、４ヶ月間送達される、方法。

【0130】

実施形態ＡＡ：実施形態Ｚ記載の方法において、前記４ヶ月の終了時に発毛について前記対象を評価し、発毛した対象を反応者とする、方法。

【0131】

実施形態ＡＢ：実施形態Ｚ記載の方法において、前記４ヶ月の終了時に発毛について前記対象を評価し、発毛しなかった対象を非反応者とする、方法。

【0132】

実施形態ＡＣ：実施形態ＡＢ記載の方法において、前記非反応者に前記ＳＡＥ組成物を２週間ごとに送達する、方法。

【0133】

本明細書において提供されるのは、実施形態ＡＤ：スクアリン酸エステル（ＳＡＥ）組成物を対象に投与するためのキットであって、貯蔵区画、気密シール、接続領域、およびアプリケータを含むアプリケータ装置と、少なくとも５％のＳＡＥを含む前記ＳＡＥ組成物と、を含み、前記キットは、前記ＳＡＥ組成物を用いた治療に感受性のある状態を治療するために、前記ＳＡＥ組成物を投与するための指示資料をさらに含む、キットである。

【0134】

実施例
以下は例示のみを目的として提供されるものであり、上記の広義に記載された実施形態の範囲を限定することを意図するものではない。

【実施例】

【0135】

実施例１：ＳＡＤＢＥの安定性
ＳＡＤＢＥの安定性は、酢酸エチルを添加した溶媒中で３ヶ月間試験した。ＳＡＤＢＥ製剤の特徴は表１に示す。

【0136】

表１に示した製剤をタイプ１のガラスバイアルに充填し、ブチルゴム栓とアルミニウム圧着シールで閉栓した。初期および３ヶ月までの試験結果を表２にまとめた（ＮＴ＝試験せず、＊無色透明の溶液で、沈殿物やバイアル壁への沈着はなかった）。

【0137】

４０℃で３ヶ月間保存した後、３つの製剤すべてにおいて分析値が有意に増加した。この分析値の増加は、バイアルからの重量減少と一致していた。酢酸エチルは揮発性溶媒であり、容器／密閉はこの成分に対して最適化されていなかった。新たな不純物は検出されず、外観にも変化はなかった。これまでのすべてのデータが、ＳＡＤＢＥは溶媒９および溶媒１０中で、４０℃で最長３ヶ月間安定であることを示している。

【0138】

本発明の所与の側面、特徴、実施形態、またはパラメータに関する好ましさおよび選択肢は、文脈から別段の指示がない限り、本発明の他のすべての側面、特徴、実施形態、およびパラメータに関するあらゆる好ましさおよび選択肢と組み合わせて開示されたとみなされるべきである。

【0139】

本開示は、様々な実施形態を参照して開示されてきたが、本開示の真の精神および範囲から逸脱することなく、当業者によって他の実施形態およびこれらの変形例が考案されることは明らかである。添付の特許請求の範囲は、全てのそのような実施形態および等価な変形を含むように解釈されることが意図される。

【図1】

【国際調査報告】