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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】外科用器具用の調節可能な補強材
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
A61F9/007 130F
A61F9/007 130A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510678
(86)(22)【出願日】2022-07-27
(85)【翻訳文提出日】2024-02-21
(86)【国際出願番号】 IB2022056943
(87)【国際公開番号】W WO2023026112
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】63/237,361
(32)【優先日】2021-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/807,778
(32)【優先日】2022-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ビル チェン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ワイ.チョン
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル フィンリー
(72)【発明者】
【氏名】ポール アール.ハレン
(57)【要約】
本開示は、概して、可変剛性を有する外科用器具に関し、より具体的には、眼科手術処置用の可変剛性を有する外科用器具に関する。ある実施形態では、外科用器具は、ベースユニットと、プローブと、補強材と、作動機構とを含む。補強材は、プローブの長さの少なくとも一部分を実質的に取り囲む中空管状部材で形成されている。作動機構は、補強材をプローブの長さに沿って作動させ、プローブの剛性を調整することで、使用者が外科用器具をより良好に制御できるように構成されている。作動機構は、補強材に対して遠位方向に第1の付勢力を加えるように構成された補強材付勢デバイスを含み、いくつかの実施形態では、制御部材が、補強材をプローブの長さに沿った所定位置にロックするように構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースユニットであって、使用者によって把持されるように構成されている、ベースユニットと、
前記ベースユニットの遠位端にあるベースユニット開口部を通して配置されたプローブであって、前記プローブは、前記プローブのプローブ長手方向軸線に平行な長さを有する、プローブと、
前記ベースユニットの前記ベースユニット開口部を通して配置された補強材であって、前記プローブの少なくとも一部分に摺動可能に結合され、前記プローブの少なくとも一部分を取り囲む中空管状部材で形成されている、補強材と、
前記補強材を前記プローブの長さに沿って遠位方向に伸長させるように構成された作動機構であって、前記作動機構は、
第1の付勢デバイスと、
分離器と、
前記補強材と一体の又は前記補強材に取り付けられた環状フランジと、
を含み、
前記第1の付勢デバイスは、前記分離器を介して、前記補強材の前記環状フランジに前記遠位方向に第1の付勢力を加えるように構成されている、
作動機構と、
を含む、外科用器具。
【請求項2】
前記補強材を所定位置にロックするように構成された制御部材を更に含み、
前記分離器は、前記制御部材と相互作用するように構成されている、
請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記分離器は、分離器開口部を含む、請求項2に記載の外科用器具。
【請求項4】
前記分離器開口部は、1つ以上の貫通穴又は分離器チャネルを含む、請求項3に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記制御部材は、前記分離器の前記分離器開口部に動作的に係合し、前記補強材を所定位置にロックするように構成された突起を含み、前記制御部材及び前記突起は、前記プローブの前記プローブ長手方向軸線に垂直な制御部材長手方向軸線を有する、請求項4に記載の外科用器具。
【請求項6】
前記制御部材は、前記ベースユニットに形成されたベースユニットチャネル内に部分的に配置されており、前記ベースユニットチャネルは、前記制御部材長手方向軸線に沿って形成されている、請求項5に記載の外科用器具。
【請求項7】
前記制御部材を前記ベースユニットチャネルに沿って押すと、前記分離器の前記1つ以上の貫通穴に動作的に係合する、請求項6に記載の外科用器具。
【請求項8】
前記制御部材は、制御部材付勢デバイスを更に含み、前記制御部材付勢デバイスは、
前記ベースユニットに形成された前記ベースユニットチャネル内に配置されており、
前記制御部材に対して前記分離器から半径方向外向き方向に制御部材付勢力を加えるように構成されている
請求項6に記載の外科用器具。
【請求項9】
前記制御部材は、フランジを更に含み、
前記制御部材付勢デバイスは、ばねであり、
前記制御部材付勢力は、前記制御部材の前記フランジに対して加えられる、
請求項8に記載の外科用器具。
【請求項10】
前記分離器の前記分離器開口部は、前記プローブの前記プローブ長手方向軸線に垂直な方向に延びる溝を更に含む、請求項6に記載の外科用器具。
【請求項11】
前記制御部材の前記突起は、前記分離器の前記分離器開口部に動作的に係合するように構成された切欠部を有するシャフトを含む、請求項10に記載の外科用器具。
【請求項12】
前記分離器は、前記プローブ長手方向軸線の周りで回転させたとき、前記プローブの前記プローブ長手方向軸線の周りで移動するように構成されており、
前記制御部材の前記切欠部は、前記補強材を第1の方向に回転させたとき、前記分離器の前記溝に動作的に係合するように構成されており、
前記制御部材の前記切欠部は、前記補強材を第2の方向に回転させたとき、前記分離器の前記溝から動作的に係合解除するように構成されている、
請求項11に記載の外科用器具。
【請求項13】
前記制御部材は、前記ベースユニットに形成されたガイドチャネル内に部分的に配置されており、前記ガイドチャネルは、前記プローブの前記プローブ長手方向軸線の周りに形成されており、
前記制御部材は、前記ガイドチャネルに沿って摺動させたとき、前記プローブ長手方向軸線の周りで移動するように構成されており、
前記制御部材の前記切欠部は、前記制御部材を第1の方向に摺動させたとき、前記分離器の前記溝に動作的に係合するように構成されており、
前記制御部材の前記切欠部は、前記制御部材を第2の方向に摺動させたとき、前記分離器の前記溝から動作的に係合解除するように構成されている、
請求項11に記載の外科用器具。
【請求項14】
前記ガイドチャネルは、直線チャネル又は曲線チャネルである、請求項13に記載の外科用器具。
【請求項15】
前記補強材は、キー特徴を更に含み、
前記ベースユニットの前記遠位端にある前記ベースユニット開口部は、前記キー特徴に動作的に係合して、前記補強材の回転を阻止するように構成されている、
請求項1に記載の外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、外科的処置用の小型ゲージ機器に関し、より具体的には、眼科手術処置用の小型ゲージ機器に関する。
【背景技術】
【0002】
眼科手術処置などの外科的処置の侵襲性を最小限にするための絶え間ない努力により、極小切開手技用の顕微手術器具と呼ばれる小型ゲージ外科用機器の開発に至った。低侵襲硝子体手術(MIVS:minimally invasive vitreous surgery)としても知られる小切開硝子体切除術は、小型ゲージの機器を用いる1つのそのようなタイプの外科的処置の典型的な例である。低侵襲硝子体手術によって治療され得る一般的な眼疾患の例としては、網膜剥離、黄斑円孔、黄斑前線維症、及び硝子体出血が挙げられる。より侵襲的な硝子体切除術と比較して、最新のMIVSに関連する利点としては、特に、より大きな病変部へのアクセス、より高い流体安定性、患者の快適性の向上、結膜瘢痕の減少、術後炎症の減少、及びより早期の視力回復が挙げられる。したがって、MIVS及び他の極小切開手技の適応は、近年拡大している。
【0003】
極小切開手技の上述の利点及びそれらの幅広い支持にも関わらず、特に眼科分野では、小型ゲージ外科用器具の利用に数々の課題が残されている。外科医の間でよく指摘される懸念の1つは、器具の剛性である。これらの極小切開器具、例えば硝子体切除プローブの直径が細くなるにつれてその剛性の低下が生じ、特定の眼科外科的処置中に外科医が器具を制御することが困難になる。小型ゲージ眼科外科用器具では、例えば、器具の先端が目の両際で意図しない方向に動くことがあり、網膜表面からの膜の剥離などの繊細な処置が極めて困難になる。
【0004】
したがって、当該分野では、低侵襲眼科手術処置の方法及びそのための装置の改良が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、概して、外科用器具に関し、より具体的には、眼科手術処置用の顕微手術器具に関する。
【0006】
ある実施形態では、ベースユニットとプローブとを含む外科用器具が提供される。ベースユニットは、使用者によって把持されるように構成されている。プローブは、ベースユニットの遠位端にあるベースユニット開口部を通して配置され、プローブのプローブ長手方向軸線に平行な長さを有する。外科用器具は、ベースユニットのベースユニット開口部を通って延びる補強材と、補強材をプローブの長さに沿って遠位方向に作動させるように構成された作動機構とを更に含む。補強材は、プローブの少なくとも一部分を取り囲み、プローブの少なくとも一部分に摺動可能に結合された中空管状部材で形成されている。作動機構は、補強材に対して遠位方向に第1の付勢力を加えるように構成された補強材付勢デバイスを含む。いくつかの実施形態では、作動機構は、補強材を所定位置にロックするように構成された制御部材を更に含む。
【0007】
本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上で簡潔に要約した本開示のより具体的な説明を、実施形態を参照することによって得ることができ、そのいくつかを添付の図面に示す。しかしながら、添付図面は、例示的な実施形態を図示するにすぎないため、その範囲の限定であるとみなすべきではなく、他の同等に有効な実施形態が認められ得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本開示のある実施形態による、動的に調節可能な補強スリーブを有する硝子体切除プローブの斜視図を示す。
図1B】本開示のある実施形態による、動的に調節可能な補強スリーブと制御部材とを有する硝子体切除プローブの斜視図を示す。
図2】本開示のある実施形態による、図1Aの硝子体切除プローブの概略側断面図を示す。
図3A】本開示のある実施形態による、動的に調節可能な補強スリーブを有するイルミネータプローブの斜視図を示す。
図3B】本開示のある実施形態による、図3Aのイルミネータプローブの概略側断面図を示す。
図4A-4B】本開示のある実施形態による、図1Bの硝子体切除プローブの概略側断面図を示す。
図4C】本開示のある実施形態による、図1Bの硝子体切除プローブの制御部材の斜視図を示す。
図4D】本開示のある実施形態による、図1Bの硝子体切除プローブの分離器の斜視図を示す。
図4E】本開示のある実施形態による、別の例示的な器具の概略側断面図を示す。
図4F】本開示のある実施形態による、図4Eの硝子体切除プローブの分離器の斜視図を示す。
図5A-5H】本開示のある実施形態による、様々な分離器の斜視図を示す。
図6A】本開示のある実施形態による、別の例示的な制御部材の斜視図を示す。
図6B-6C】本開示のある実施形態による、別の例示的な器具の概略正面断面図を示す。
図7A】本開示のある実施形態による、別の例示的な器具の斜視図を示す。
図7B-7C】本開示のある実施形態による、図7Aの器具の概略正面断面図を示す。
図8】本開示のある実施形態による、別の例示的な器具の概略正面断面図を示す。
図9A】本開示のある実施形態による、別の例示的な器具の断面図を示す。
図9B】本開示のある実施形態による、図9Aの器具の制御部材の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
理解しやすくするために、可能な場合、図面間で共通する同じ要素を指すために同じ参照番号が使用される。更なる説明を伴わずに、ある実施形態の要素及び特徴を他の実施形態に有益に組み込むことができるように企図される。
【0010】
以下の説明では、開示する対象の理解を容易にするために、詳細が例として記載される。しかしながら、開示する実装形態が例示であり、全ての可能な実装形態を網羅するものではないことは、当業者に明らかであるはずである。したがって、説明する例への言及は、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことが理解されるべきである。説明するデバイス、器具、方法に対する任意の変更形態及び更なる修正形態並びに本開示の原理の更なる任意の応用形態は、本開示が関連する技術分野の当業者が通常想到するであろうことが完全に想定される。特に、1つの実装形態に関して説明する特徴、構成要素及び/又はステップは、本開示の他の実装形態に関して説明する特徴、構成要素及び/又はステップと組み合わされ得ることが十分に想定される。
【0011】
本明細書に記載されるように、構成要素の遠位端、遠位セグメント、又は遠位部は、その構成要素の使用中に患者の身体により近い端部、セグメント、又は部分を指すことに留意されたい。一方、構成要素の近位端、近位セグメント、又は近位部は、患者の身体からより遠く離れた端部、セグメント、又は部分を指す。構成要素の中間セグメント又は中間部は、遠位セグメント又は遠位部と近位端又は近位部との間に配置されたセグメント又は部分を指す。
【0012】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、公称値からの±10%の変動を指し得る。このような変動は、本明細書で提供されるいずれの値にも含まれる可能性があることを理解されたい。
【0013】
本開示は、概して、可変剛性を有する顕微手術器具などの外科用器具に関し、より具体的には、眼科手術処置用の可変剛性を有する顕微手術器具(例えば、硝子体切除プローブ、イルミネータプローブなど)に関する。ある実施形態では、顕微手術器具は、プローブ及び補強材を含む。補強材は、プローブの長さの少なくとも一部分を実質的に取り囲む中空管状部材で形成されていてもよい。プローブの長さに沿って補強材を作動させることにより、プローブの剛性を調整することで、使用者が顕微手術器具をより良好に制御できるようにする。補強材は、分離器を含んでもよく、いくつかの実施形態では、分離器と制御部材との相互作用によって、プローブの長さに沿った異なる位置にロック又は維持され得る。いくつかの実施形態では、分離器は、制御部材なしで、付勢ばねから補強材を分離し得る。いくつかの実施形態では、補強材ロック機構を使用することで、使用者が顕微手術器具の剛性を所望のレベルに設定し、「ロックする」ことを可能にし得る。
【0014】
図1Aは、ある実施形態による、動的に調節可能な補強スリーブ132を有する硝子体切除プローブ100の斜視図を示す。図1Aに示すように、器具100は、プローブ110又は針(以下、「プローブ」と呼ぶ)と、ベースユニット120とを含む。プローブ110は、近位部112と、遠位端116で遠位に終端する遠位部114とを含む。いくつかの実施形態では、近位部112は、ベースユニット120の内部チャンバ(例えば、図2図4A及び図4Bの内部チャンバ124)の大部分を通って延びる。
【0015】
一例では、プローブ110は、硝子体切除プローブの細長い切断部材である。例えば、プローブ110(吸引式又は非吸引式であり得る)は、硝子体手術を実施するためにカニューレに挿入され得る。プローブ110は、例えば約20ゲージ未満の直径を有する中空管を含み得る。例えば、プローブ110は、約25ゲージ未満の直径など、約23ゲージ未満の直径を有する。ある実施形態では、プローブ110は、約27ゲージの直径を有する。更なる例では、プローブ110は、照明デバイス(例えば図3A図3Bに見られるような)、レーザガイド、吸引デバイス、鉗子、はさみ、牽引子、又はプローブ110内に配置された若しくはプローブ110に結合された他の適切なデバイスを含み得る。
【0016】
概して、プローブ110は、眼の硝子体の除去を伴う硝子体網膜手術などの低侵襲外科的処置、又は他の外科的処置に適した材料で形成されている。例えば、プローブ110は、外科用グレードのステンレス鋼、アルミニウム、又はチタンで形成されている。
【0017】
プローブ110は、プローブ110の近位部112に隣接するベースユニット120の遠位端121を通して部分的且つ長手方向に配置されており、ベースユニット120の内部チャンバ124内でベースユニット120に直接的又は間接的に取り付けられ得る。ある実施形態では、ベースユニット120は、外科医などの使用者によって把持されるように構成された外面122を有するハンドピースである。例えば、ベースユニット120は、使用者の手に実質的にフィットするような輪郭にされ得る。いくつかの実施形態では、外面122は、テクスチャ加工されていてもよい、又はそこに形成された1つ以上のグリップ特徴、例えば1つ以上の溝及び/若しくは隆起を有してもよい。
【0018】
ある実施形態では、ベースユニット120は、ベースユニット120内でベースユニット120に対してプローブ110を往復運動させるように機能する駆動機構の少なくとも一部分を収容してもよい。一例では、駆動機構は、ダイアフラムを含む空気圧式駆動機構であり得る。ベースユニット120には、更に、その近位端125に、1つ以上の供給ラインを内部チャンバ124に引き込むための1つ以上のポート123が設けられ得る。例えば、1つ以上のポート123は、ベースユニット120と吸引用の真空源との間の接続を提供し得る。別の例では、1つ以上のポート123は、駆動機構、照明デバイス、レーザ、又はベースユニット120内の若しくはベースユニット120に結合された他の適切なデバイスを動作させるための空気圧源、油圧源若しくは電源への接続を提供する。
【0019】
器具100は、補強材132を更に含み、補強材132は、プローブ110の少なくとも一部分に摺動可能に結合され、プローブ110の少なくとも一部分を実質的に取り囲む。補強材132は、プローブ110に対して調節可能であり、使用者が補強材132(例えば、補強材132の遠位端131)をベースユニット120の外部のプローブ110の長さLに沿った異なる地点に配置することを可能にする。
【0020】
いくつかの実施形態では、補強材132は、プローブ110を近位部112で又は近位部112の近傍で実質的に取り囲む略円筒状の中空管である。プローブ110と同様に、補強材132は、硝子体網膜手術などの低侵襲外科的処置及び他の外科的処置に適した材料で形成されている。いくつかの実施形態では、補強材132は、外科用グレードのステンレス鋼、アルミニウム、又はチタンなどの金属材料で形成されている。他の実施形態では、補強材132は、ポリマー複合材料又はセラミック複合材料などの複合材料で形成されている。
【0021】
図2及び図4A図4Bに見られるように、補強材132の内部空洞135は、プローブ110の外径に適応するような大きさである一方で、補強材132がプローブ110に沿って容易に移動することも可能にしている。したがって、補強材132の内径又は幅は、プローブ110の外径よりも大きく、滑合を可能にしている。一実施形態では、補強材132とプローブ110との間の半径方向の隙間は、約0.00020インチ~約0.00060インチ、例えば約0.00025インチ~約0.00050インチである。例えば、補強材132とプローブ110との間の半径方向の隙間は、約0.00030インチ~約0.00040インチ、例えば約0.00035インチである。更に、補強材132の内寸は、遠位端131から近位端133まで均一であり、補強材132の内部空洞の全体にわたってプローブ110の均一な安定化を可能にし得る。
【0022】
補強材132は、プローブ110と共に、ベースユニット120の遠位端121のベースユニット開口部117を通して配置されており、ベースユニット120の内部チャンバ124内に配置された近位端133を有する。図示のように、補強材132は、内部チャンバ124内に、その近位端133に配置された環状フランジ(例えばフランジ136)を含む。他の実施形態では、フランジ136は、補強材132の長さに沿ってより軸方向に配置されている。フランジ136は、補強材132がベースユニット開口部117を通ってベースユニット120から完全に滑り出るのを阻止するように構成されている。したがって、フランジ136は、ある役割においてはアンカーとして機能する。フランジ136は、補強材132と分離器134との間に結合面を提供する。分離器134は、補強材付勢デバイス139(例えば、圧縮ばねなどのばね)に更に結合されている。いくつかの実施形態では、補強材132は、縮径ノーズ143を含み得る。縮径ノーズ143は、患者の眼内のカニューレ内に更に延びることができ得る。
【0023】
補強材付勢デバイス139は、分離器134ひいては補強材132に対して遠位方向に(例えば、遠位端121に向けて)付勢力を加え、補強材132を伸展位置に向けて付勢する。したがって、反対の近位方向に(例えば、図1Bの近位端125に向けて)力を加えなければ、補強材132は、伸展位置に常時配置される。使用中、プローブ110は、ハブ(例えば弁を含む)を有する挿入用カニューレに所望の深さで挿入され得る。補強材132の遠位端131が挿入用カニューレのハブに到達すると、使用者は、器具100をハブに向けて更に押し、プローブ110を挿入用カニューレの内部のより深くに進めることができる。補強材付勢デバイス139によって与えられる力よりも大きい力をハブに加えることにより、補強材132をベースユニット120に引き込み(図4Bに示す)、プローブ110のより多くの部分が眼に入ることを可能にする。
【0024】
ある実施形態では、補強材132は、補強材132が伸展位置にあるときに、その一部分が内部チャンバ124内に依然として留まる一方で、プローブ110に所望の剛性及び安定性を与えるのに十分な軸方向長さを有するような大きさである。例えば、補強材132は、約0.25インチ~約1.75インチ、例えば約0.30インチ~約1.50インチの軸方向長さを有し得る。例えば、補強材132は、約0.50インチ~約1.25インチの軸方向長さを有し得る。
【0025】
ある実施形態では、補強材132は、遠位端131から近位端133まで均一な外径を有する。均一な外径を有することで、補強材132のかなりの長さがベースユニット開口部117を通って往復運動することを可能にし、それらの間に空隙が形成されることはない。しかしながら、補強材132の他の形状及び形態も企図される。例えば、いくつかの実施形態では、補強材132は、正方形、矩形、又は多角形の管を含む。更なる実施形態では、補強材132は、不均一な外径を有してもよい。例えば、補強材132は、段階的な又は漸進的なデルタに従う1つ以上の寸法を有する外径を有してもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、作動機構は、付勢デバイス139と、分離器134と、補強材132と一体の又は補強材132に取り付けられた環状フランジ136とを含んでもよく、付勢デバイスは、分離器134を介して、補強材132の環状フランジ136に遠位方向に付勢力を加えるように構成されている。いくつかの実施形態では、分離器134と補強材132は、例えば付勢デバイス139(ばねなど)によって互いに向けて付勢される別個の構成要素である。分離器134は、付勢デバイス139が分離器134を環状フランジ136に向けて付勢することにより、及び/又は補強材132にかかる外力が環状フランジ136(補強材132と一体であり得る又はこれに取り付けられ得る)を分離器134に向けて押すことにより、環状フランジ136に接触し得る。いくつかの実施形態では、分離器134と環状フランジ136は、さもなければ、分離器134と環状フランジ136との間の相対運動を可能にするために、互いに取り付けられていなくてもよい。
【0027】
図1Bは、動的に調節可能な補強スリーブと制御部材138とを有する硝子体切除プローブの斜視図を示す。ある実施形態では、補強材132の位置は、図4A図4Cに関連して以下で説明するように制御部材138を使用して所定位置にロックされている。したがって、使用者は、補強材132を遠位端116に対して再位置決めすることによってプローブ110の剛性のレベルを選択的に調整することができ、それによりプローブ110に与えられる支持の量を操作し、器具100の使用中に器具100を安定させる。
【0028】
いくつかの実施形態では、補強材132はキー特徴140を含み、キー特徴140は、ベースユニット120の遠位端121にあるベースユニット開口部(例えば、図4Aのベースユニット開口部117)に動作的に係合し、図4Aで更に説明するように補強材132の回転を阻止するように構成されている。図示のように、キー特徴140は、矩形の断面を有する補強材132の突起であるが、他の実施形態では、半円形又は三角形などの他の形状であってもよい。図1Bは、キー特徴140を示すが、ある実施形態(例えば、図1Aに見られるような)では、キー特徴140は使用されないことに留意されたい。
【0029】
図3Aは、本開示のある実施形態による、動的に調節可能な補強スリーブ1032を有するイルミネータプローブ1000の斜視図を示す。図3Bは、図3Aのイルミネータプローブ1000の概略側断面図を示す。イルミネータプローブ1000は、例えば眼の内部に光を案内する光ファイバ1800を取り囲むカニューレ1010を含み得る。動的に調節可能な補強スリーブ1032は、制御部材付勢デバイス(例えばばね1849)と係合する環状フランジ1836を含み得る。補強スリーブ1032がハンドル部1850に向けて付勢されると(例えば、トロカールカニューレなど、反対にある構造に遭遇すると)、補強スリーブ1032は、ノーズ1810及びハンドル部1850の内部に入り得る。いくつかの実施形態では、補強スリーブ1032は、縮径ノーズ1843を含み得る。縮径ノーズは、患者の眼内のカニューレ内に更に延びることができ得る。いくつかの実施形態では、動的に調節可能な補強スリーブ1032は、付勢デバイス1849と、分離器1834と、補強材1032と一体の又は補強材1032に取り付けられた環状フランジ1836とを含んでもよく、付勢デバイスは、分離器1834を介して、補強材1032の環状フランジ1836に遠位方向に付勢力を加えるように構成されている。いくつかの実施形態では、分離器1834と補強材1032は、例えば付勢デバイス1849(ばねなど)によって互いに向けて付勢される別個の構成要素である。分離器1834は、付勢デバイス1849が分離器1834を環状フランジ1836に向けて付勢することにより、及び/又は補強材1032にかかる外力が環状フランジ1836(補強材1032と一体であり得る又はこれに取り付けられ得る)を分離器1834に向けて押すことにより、環状フランジ1836に接触し得る。いくつかの実施形態では、分離器1834と環状フランジ1836は、さもなければ、分離器1834と環状フランジ1836との間の相対運動を可能にするために、互いに取り付けられていなくてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、ばね1849は、イルミネータプローブ1000が引き抜かれる(且つ補強スリーブが反対にある構造をもはや付勢しなくなる)と、補強スリーブ1032をその伸長位置に戻すために分離器1834及び環状フランジ1836を付勢し得る。いくつかの実施形態では、ばねは、プラグ1830に対して固定され得る。いくつかの実施形態では、ばね1849は、分離器1834又はプラグ1830に取り付けられていなくてもよい。いくつかの実施形態では、ばね1849は、分離器1834及び/又はプラグ1830に取り付けられていてもよい。図3Bに更に見られるように、いくつかの実施形態では、結合器1833は、光ファイバ(ハンドル1850の外側に延びる1つの光ファイバ1800と先端まで延びる1つの光ファイバを結合し得る。いくつかの実施形態では、光ファイバは、ハンドルの外部から先端まで(結合器1833を使用することなく)連続していてもよい。
【0031】
図4A及び図4Bは、補強材132がプローブ110の長さLに沿った異なる地点に配置された器具100の概略断面図を示す。したがって、図4A及び図4Bは、本明細書では、わかりやすくするために図1Bと一緒に説明する。補強材132が長さLに沿った異なる地点に配置されると、キー特徴140は、ベースユニット開口部117に動作的に係合し、補強材132の回転を阻止する。これは、分離器134の開口部(分離器開口部と呼ばれる)が回転しないようにするのに有益である。図4A及び図4B及び補強材132を含む後の図では、キー特徴140が補強材132の残りの部分から突出することを強調するために、補強材の円筒状本体とキー特徴140との間に破線が示されている。
【0032】
いくつかの実施形態では、補強材付勢デバイス139は、分離器134ひいては補強材132に対して遠位方向に(例えば、遠位端121に向けて)付勢力を加え、補強材132をプローブ110の長さLに沿って図4Aに示すような伸展位置に向けて付勢する。使用中、プローブ110は、ハブ(例えば弁を含む)を有する挿入用カニューレに、使用者によって選択された長さLに沿った所望の深さで挿入され得る。補強材132の遠位端131が挿入用カニューレのハブに到達すると、使用者は、器具100をハブに向けて更に押し、プローブ110を挿入用カニューレの内部のより深くに進めることができる。補強材付勢デバイス139によって与えられる力よりも大きい力をハブに加えることにより、補強材132をベースユニット120に引き込み(図4Bに示す)、プローブ110のより多くの部分が眼に入ることを可能にする。補強材132は、引き込まれると、制御部材138によって引込位置にロックされ得る。
【0033】
図4Bに示すように、補強材132の位置は、制御部材138と分離器134の相互作用によってロック又は維持され得る。例えば、外科医は、制御部材138を分離器134に向けて半径方向内側に押し、それによって制御部材138と分離器134を係合させて補強材132を所定位置にロックし得る。より具体的には、制御部材138は、分離器134の開口部150を通って分離器134と動作的に係合する。制御部材138は、使用者が作動させることができるボタン、つまみ、スイッチ、トグル、又は任意の他の適切なデバイスであり得る。図示のように、分離器開口部150は貫通穴である。
【0034】
図4A及び図4Bに示すように、制御部材138は、頭部142と、突起(例えばシャフト144)と、フランジ146とを含み、頭部142とシャフト144は、制御部材138の反対端に配置されており、フランジ146がそれらの間にある。制御部材138は、ベースユニット120に形成された切取部128(例えば、チャネル又は開口部)内に部分的に配置されている。切取部128は、制御部材138の特徴に適応するように構成された複数サイズの通路141を含む。例えば、頭部142は、第1の通路141Aに配置され、フランジ146は、第2の通路141Bに配置され、シャフト144は、第3の通路141Cに少なくとも部分的に配置される。フランジ146は、第2の通路141Bに動作的に係合し、切取部128を通して制御部材138を案内し、制御部材138がベースユニット120に結合されたままであることを確実にする。切取部128は、プローブ110の長手方向軸線170(プローブ長手方向軸線と呼ばれる)に対して実質的に垂直に延び、制御部材138をその垂直軸線172に沿って二方向に押すことを可能にする。垂直軸線172は、プローブ110のプローブ長手方向軸線と異なる、制御部材の及び制御部材に対する長手方向軸線(例えば、制御部材長手方向軸線)と呼ばれることがある。
【0035】
図示のように、制御部材付勢デバイス149(例えばばね)は、第2の通路141B内に配置され、制御部材138を垂直軸線172に沿って半径方向外側方向に付勢する。制御部材付勢デバイス149は、制御部材138に対して、垂直軸線172に実質的に平行な方向に且つ分離器134から半径方向外向きに制御部材付勢力を加え、制御部材138を図4Aに示すような伸展位置に向けて付勢する。したがって、図4Bに示すように制御部材138を引き込むために反対方向に力を加えなければ、制御部材138は、伸展位置に常時配置される。更に、制御部材付勢デバイス149、通路141、及び制御部材138の頭部142は、制御部材138が引き込まれるときにシャフト144が補強材付勢デバイス139に決して触れないことを確実にするような大きさにされ、そのように構成されている。
【0036】
使用中、補強材132及び分離器134は、図4Bに示すようなプローブ110の長さLに沿った引込地点に配置される。制御部材138の頭部142は、例えば外科医によって押下され、シャフト144は、分離器134の分離器開口部150ひいては補強材132に動作的に係合する。したがって、制御部材138を分離器開口部150内に押下することで、補強材132を引込位置に保持し、制御部材138が押下される間、補強材付勢デバイス139からの力を有益に保留する。制御部材138を解放すると、制御部材138が伸展位置に向けて押され、したがって、分離器134が動作的に係合解除される。補強材付勢デバイス139からの力により、補強材132が図4Aに示すような伸展位置に戻る。
【0037】
概して、制御部材138は、金属材料又は複合材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、制御部材138は、ステンレス鋼、アルミニウム、又はチタンで形成されている。他の実施形態では、制御部材138は、ポリマー複合材料又はセラミック複合材料で形成されている。制御部材138について図4Cで更に説明する。
【0038】
補強材132、分離器134、制御部材138、及び付勢デバイス139及び付勢デバイス149の構成は、単なる例示であり、したがって、限定であるとみなされるべきではない。異なる作動機構の更なる実施形態及び構成を以下で更に説明する。
【0039】
図4Aに示すように、ナット180により補強材132を分離器134に結合している。他の実施形態では、分離器134は、補強材132の直接の延長部である。すなわち、分離器134と補強材132は、単一の一体構成要素である。(例えば図2に見られるような)他の実施形態では、分離器134と補強材132は、例えば付勢デバイス139によって互いに向けて付勢される別個の構成要素である。いくつかの実施形態では、分離器134と補強材132は、1つ以上の結合機構及び/又は接着剤によって互いに結合されている。他の実施形態では、分離器134と補強材132は、互いにスナップ嵌合され得る。
【0040】
図4Cは、制御部材138の斜視図を示す。図示のように、制御部材138の頭部142は楕円形であり、シャフト144及びフランジ146は円形であるが、それぞれは、楕円形、円形、三角形、又は矩形など異なる形状であってもよい。制御部材138の半径方向内側端部148(例えば、分離器134に近い方の端部)は、分離器134の分離器開口部150へのシャフト144の挿入を容易にするためにフィレット151又は面取り部を任意選択的に含む。
【0041】
図4Dは、分離器134の斜視図を示す。分離器134は、キャップ154と、管とキャップ154との間の移行部(例えばフィレット158)とを有する略円筒状の中空管である。図4Aに示すように、補強材132の遠位端131は、キャップ154の開口部156を通して挿入することができ、キャップ154は、補強材132のフランジ136に結合するように構成されている。したがって、分離器134と補強材132は、一体部品として移動する。分離器134の分離器開口部150は、制御部材138のシャフト144の挿入を容易にするためにフィレット151又は面取り部を任意選択的に含む。
【0042】
図4Eは、本明細書中に記載されるある実施形態による別の例示的な器具200の概略側断面図を示す。器具200は、複数開口部分離器234の構造を除いて、器具100に実質的に類似している。分離器234は、分離器234が複数の分離器開口部250を含むことを除いて、分離器134に概ね類似している。複数の分離器開口部250は、図4Fに示すように、分離器134の長さに沿って直線状に配置されている。制御部材138は、分離器開口部150に関して図4Bに関連して説明したように、分離器開口部250のいずれか1つに動作的に係合することができる。したがって、補強材132の位置は、プローブ110に対して調節可能であり、使用者が補強材132(例えば、補強材132の遠位端131)の位置をプローブ110の長さLに沿った異なる地点の所定位置に有利にロックすることを可能にする。
【0043】
いくつかの実施形態では、補強材132の位置は、プローブ110の長さLに沿った約15mm(ミリメートル)の距離まで、例えば、プローブ110の長さLに沿った約10mmの距離まで調節可能である。例えば、補強材132は、プローブ110の長さLに沿った約5mmの距離まで調節可能である。
【0044】
図4Fは、分離器234の斜視図を示す。図示のように、分離器開口部250は、各開口部(例えば、分離器開口部250A)が、図4Eに関連して説明したようにプローブ110の長さLに沿った異なる補強材位置に対応するように、分離器234の長さに沿って直線を形成している。分離器234の分離器開口部250は、他の点では、分離器134の分離器開口部150と同様である。図示のように、分離器234は、4つの分離器開口部250を有するが、他の実施形態は、より多い又は少ない分離器開口部250を有してもよい。
【0045】
前に述べたように、図1A図4Dの実施形態では、器具100の制御部材138を押下すると分離器134及び補強材132が所定位置にロックされ、制御部材138を解放すると補強材132及び分離器134が伸展位置に戻る。このような実施形態では、使用者、例えば外科医は、補強材132を所定位置にロックするために制御部材138を押さえることを要求され、さもなければ補強材132は解放される。しかしながら、使用者が制御部材138を継続的に押したり保持したりする必要なく使用者が補強材132を所定位置にロックすることが可能になると有利な場合がある。図5A図5Hは、制御部材を保持する必要なく使用者が補強材を所定位置にロックすることを可能にするために、図6A図8に示す様々な例示的な器具と共に使用することができる分離器の様々な例を示す。
【0046】
図5A図5Hは、異なる分離器334の斜視図を示す。分離器334は、異なるタイプ又は形状の分離器開口部350を含むことを除いて、それぞれ図4D及び図4Fの分離器134及び分離器234に概ね類似している。
【0047】
図5Aは、円形切取部360と溝362Aとを有する分離器開口部350Aを含む分離器334Aを示す。円形切取部360は、図4Dの分離器開口部150に実質的に類似している。溝362Aは、円形切取部360から図4Aのプローブ長手方向軸線170に垂直な方向に外向きに延びる。溝362Aは、図6A図6Cに関連して説明されるように、制御部材(例えば、図6Aの制御部材438)を動作的に係合し、分離器334Aを所定位置にロックするために使用される。これは、使用者が制御部材を継続的に押下することなく補強材(例えば、図6Bの補強材432)の位置を設定することを有益に可能にする。
【0048】
図5Bは、分離器334Bの長さに沿って直線状に配置された複数の分離器開口部350Bを含む分離器334Bを示す。分離器開口部350Bはそれぞれ、図5Aの分離器開口部350Aに実質的に類似している。
【0049】
図5Cは、分離器334Cの長さに沿って直線に沿って配置されたチャネル状の分離器開口部350Cを含む分離器334Cを示す。分離器開口部350Cは、分離器334Cの長さに沿って延びる分離器チャネル364といくつかの溝362Aとを含む。溝362Aは、分離器チャネル364から垂直方向に外向きに延び(図5Aのものに類似)、分離器334Cの長さに沿ったいくつかの位置に配置されている。
【0050】
分離器開口部350Cは、制御部材を押下させることができ、制御部材のシャフト(例えば、図6Aのシャフト444及び制御部材438)を分離器チャネル364に沿ってどこにでも挿入することができるようなものである。分離器開口部250Cは、使用者が分離器334Cを制御部材と動作的に係合させるときにあまり厳密でないことを有益に可能にする。溝362Aは、図5Aに関連して説明したように、制御部材を分離器チャネル364に沿った異なる位置に動作的に係合させ、分離器334Cを所定位置にロックするために使用される。
【0051】
図5Dは、分離器開口部350Dを含む分離器334Dを示す。分離器開口部350Dは、分離器チャネル364が近位端に(例えば、図1Bの近位端125に向けて)チャネル進入路365を含むことを除いて、図5Cの分離器開口部350Cに概ね類似している。チャネル進入路365は、分離器334Dの裂け目である。
【0052】
分離器開口部350C及び分離器開口部350Dは、付勢デバイスを使用することによって押下されるように構成された制御部材(例えば、制御部材138、438など)と共に使用することができるが、分離器開口部350C及び分離器開口部350Dは、シャフトの先端若しくはシャフトの切欠部(例えば、以下で説明する切欠部645)が、常時、分離器開口部350D若しくは分離器開口部350Cの内壁と(例えば、深さ方向に)整列するように及び/又は分離器開口部350D若しくは分離器開口部350Cの内壁によって取り囲まれるように、制御部材(例えば、図8の制御部材638)が常時押下された状態で配置される実施形態も可能であることに留意されたい。例えば、分離器開口部350Cの場合、シャフトの先端(又は切欠部)は、補強材が伸展位置にあるときはもとより補強材が引込位置にあるときを含め、常時、分離器開口部350C内に配置され得る。分離器開口部350Dの例では、補強材が伸展位置にあるときに制御部材が分離器334D上に配置されていなくても(例えば、分離器334Dの長さが十分でない場合があるため)、シャフトは、分離器334Dが引き込まれる際に、チャネル進入路365を通って摺動することができる。
【0053】
図5E図5Hは、それぞれ分離器334E~334Hを示す。図5E図5Hの分離器開口部350E~350Hは、溝を除いて、それぞれ図5A図5Dの分離器開口部350A~350Dに概ね類似している。分離器334E~334Hの溝362Bは、各溝362Bが脚366を含み、概ねドッグレッグ又はL字形パターンであるという点で、図5A図5Dの溝362Aと異なる。分離器334E~334Hが器具(例えば、図6B及び図6Cの器具400)内に配置されているとき、ドッグレッグ部の脚366は、プローブ長手方向軸線170に平行であり、ベースユニット120の近位端に向けて(例えば、図1Bの近位端125に向けて)延びる。脚366は、制御部材が溝362Bのうちの1つの中にあるときに制御部材(例えば、図6Aの制御部材438)と動作的に係合し、分離器334E~334Hを所定位置にロックするために使用される。脚366は、分離器334E~334Hが、図6B及び図6Cに関連して説明したように所定位置にロックされると回転しないようにする。
【0054】
図5A図5Hに関連して説明した分離器334A~334Hは、いくつかの異なる器具で使用することができる。図6A図6Cは、図5A図5Hに示される溝362A及び溝362Bを使用して制御部材438に係合させるために、補強材432をどのように回転させることができるかを示す。図7A図8は、溝362A及び溝362Bに係合させるために、制御部材438をどのように摺動させることができるかを示す。
【0055】
図6A図6Cは、図1図4Bの例示的な器具100に概ね類似する別の例示的な器具400の異なる特徴及び図を示す。器具400は、制御部材438と、補強材432と、図5Aの分離器334Aとを含む。制御部材438は、切欠部を有することを除いて、制御部材138に概ね類似し、図6Aに関連して説明される。補強材432は、補強材432がキー特徴140を含まないことを除いて、補強材132に実質的に類似している。したがって、補強材432と分離器334Aは、プローブ110のプローブ長手方向軸線(例えば、図4Aに示されるプローブ長手方向軸線170)の周りを集合的に自由に回転する。
【0056】
図6Aは、制御部材438の斜視図を示す。図示のように、制御部材438は、頭部142と、フランジ146と、シャフト444とを含む。シャフト444は、シャフト444が制御部材438の半径方向内側端部148の近傍に切欠部445を含むことを除いて、図4Cのシャフト144に実質的に類似している。切欠部445は、図6B及び図6Cに関連して説明したように、分離器334Aの溝362Aに動作的に係合する。
【0057】
図6B及び図6Cは、器具400の遠位端の視点からの例示的な器具400の概略断面図を示す。補強材付勢デバイス139は、制御部材438及び分離器334Aのロック機構をより良く示すために省略されている。前に述べたように、補強材432と分離器334Aは、プローブ長手方向軸線170の周りで一緒に自由に回転する。図6Bに示すように、制御部材438は押下され、制御部材438のシャフト444は、切欠部445が分離器334Aの溝362Aと整列するように、分離器開口部350Aの円形切取部360に挿入される。図6Cに示すように、補強材432ひいては分離器334Aは、時計回り方向476に回転し、切欠部445は溝362Aに動作的に係合する。補強材432は、外科医が手動でプローブ110又は器具100のベースユニット120に対して回転させることができる。例えば、補強材432及び分離器334Aが回転されると切欠部445は溝362A内に案内され、切欠部445は溝362A内に嵌合し、分離器334Aを超えて突出する。制御部材438は、その後、解放され、制御部材付勢デバイス149は、切欠部445が分離器334Aに押し付けられ、制御部材438が分離器334Aをロックし、それによって補強材432を所定位置にロックするように、制御部材438を分離器334Aから半径方向外側方向に押す。分離器334Aを解放するために、外科医は、補強材432を反時計回りに回転させて、それにより切欠部445を溝362Aから出すことができる。制御部材438は解放され、補強材付勢デバイス139は補強材を図4Aに示すような伸展位置に押す。
【0058】
図示しない他の実施形態では、分離器(例えば、図5Eの分離器334E)は、脚366を有する溝362Bを有する。切欠部445が溝362Bに動作的に係合し、分離器334Eが時計回り方向476に可能な限り回転すると、補強材付勢デバイス139は、分離器を遠位方向に(例えば、図1Bの遠位端121に向けて)押し、切欠部445は、溝362Bの脚366に動作的に係合し、回転を有益に阻止し、また、分離器334E及び補強材432を所定位置にロックする。分離器334Eを解放するために、補強材432は、補強材付勢デバイス139の力に抗して近位方向に(例えば、図1Bの近位端125に向けて)押され、反時計回りに回転する。これにより、切欠部445が脚366及び溝362Bから出る。制御部材438は解放され、補強材付勢デバイス139は補強材を図4Aに示すような伸展位置に押す。
【0059】
図7Aは、本明細書中に記載されるある実施形態による例示的な器具500の斜視図を示す。器具500は、ここで説明するようなものを除いて、それぞれ図1B及び図6B図6Cの器具100及び器具400に概ね類似している。特に、器具500は、制御部材438を使用し、分離器(例えば、図7Bの分離器334A)に向けて半径方向内側に押し、摺動させて、分離器及び補強材132を所定位置にロックする。器具500は、切取部528と外面522とを有するベースユニット520を含む。切取部は、ベースユニットチャネルと呼ばれることがあり、これは、分離器の分離器チャネルとは異なる。制御部材438は、切取部528内に部分的に配置されている。ベースユニット520及び外面522は、切取部528の違いを除いて、図1Bのベースユニット120及び外面522に実質的に類似している。ベースユニット520は、遠位端521及び近位端525を含む。
【0060】
図7B及び図7Cは、器具500の概略断面図を示す。器具500は、図1A図4Bに関連して説明した補強材132を使用する。前に図4A及び図4Bで説明したように、補強材132は、キー特徴140によってプローブ長手方向軸線170の周りの回転を制限される。したがって、分離器334Aは、回転を制限される。補強材付勢デバイス139は、制御部材438及び分離器334Aのロック機構をより良く示すために省略されている。
【0061】
切取部528は、制御部材438を垂直軸線172に沿って二方向に押すことを可能にするように構成されており、これは、図4A及び図4Bに関連して上で説明したものに類似する。切取部528は更に、制御部材438がプローブ長手方向軸線170の周りで摺動することを可能にするように構成されている。図7Bに示すように、制御部材438は、垂直軸線172に沿って押下され、制御部材438のシャフト444は、切欠部445が分離器334Aの溝362Aと整列するように、分離器334Aの円形切取部360に挿入される。図7Cに示すように、制御部材438及び切欠部445は、プローブ長手方向軸線170の周りで摺動し、切欠部445は溝362Aに動作的に係合する。制御部材438は、図6B及び図6Cに関連して説明したものと同様に、分離器334A及び補強材432を所定位置にロックする。分離器334Aを解放するために、制御部材438は反対方向に摺動し、切欠部445を溝362Aから出す。制御部材438は解放され、補強材付勢デバイス139は補強材132を図4Aに示すような伸展位置に押す。
【0062】
上述のように、前述の図1A図4F及び図6A図7Cでは、制御部材を押下してシャフトを分離器の開口部に挿入することについて説明したが、ある他の実施形態では(図8に示される)、制御部材を押下させる必要はなく、制御部材のシャフトは、図5C図5D図5G若しくは図5Hに示される分離器のチャネル状の分離器開口部を通って摺動し得る、又はこのような分離器のチャネル状の分離器開口部内に配置され得る。このような実施形態では、使用者は、補強材を所定位置にロックするために、図8に関連して更に説明するように、例えばプローブ長手方向軸線170の周りで制御部材を摺動させることができる。
【0063】
図8は、例示的な器具600の概略断面図を示す。この断面図は、図7B及び図7Cの断面図に実質的に類似している。器具600は、ここで説明されるものを除いて、図7B及び図7Cの器具500に概ね類似している。特に、器具600は、制御部材638を使用し、摺動させて、補強材132を所定位置にロックする。制御部材638は、頭部642と、フランジ646と、シャフト644とを含む。シャフト644は切欠部645を含む。補強材付勢デバイス139は、制御部材638及び分離器334D(又は分離器334H)のロック機構をより良く示すために省略されている。
【0064】
器具600は、切取部628を有するベースユニット620を含む。切取部628は、ベースユニットチャネルと呼ばれることがあり、これは、分離器の分離器チャネルとは異なる。切取部628は、第2の通路641Bが制御部材638のフランジ646に対応することを除いて、図4A及び図4Bで説明した通路141に類似する複数サイズの通路641を含む。フランジ646は、第2の通路641Bに動作的に係合し、制御部材638が使用者によって摺動可能に作動されると、フランジ646ひいては制御部材638をプローブ長手方向軸線170の周りで切取部628を通して案内する。したがって、第2の通路641Bは、制御部材638が使用者によって作動されるとこれを案内するためのガイドチャネルであるように構成されており、ガイドチャネルと呼ばれることがある。図示のように、第2の通路641Bは、プローブ長手方向軸線170の周りで湾曲している曲線チャネルである。
【0065】
図5Dで前述したように、分離器334Dは、分離器チャネル364及びチャネル進入路365を含む。補強材132は、プローブ110の長さLに沿って移動する。補強材132がベースユニット620の近位端525に向けて移動すると、チャネル進入路365及び分離器334Dの分離器チャネル364は、制御部材638の切欠部645に動作的に係合する。図示のように、シャフト644及び切欠部645が溝362Aの1つと整列すると、制御部材638は、プローブ長手方向軸線170の周りを摺動して溝362Aの1つに入り、切欠部645を溝に動作的に係合させることができる。したがって、制御部材638は、図7B及び図7Cに関連して説明したものと同様に、分離器334D及び補強材132を所定位置にロックする。分離器334Dを解放するために、制御部材638は反対方向に摺動し、切欠部645を溝362Aから出し、補強材付勢デバイス139は、補強材132を図4Aに示すような伸展位置に押す。
【0066】
ある実施形態では、器具600の摺動のみのロック機構は、それぞれ図5C及び図5Gの分離器334C及び分離器334Gに対応する。例えば、分離器334Cに関連して、制御部材438のシャフト444は、補強材132がプローブ110の長さLに沿って移動する間、分離器チャネル364内に常時配置されている。分離器334Cを所定位置にロックすると、制御部材438の切欠部445は、分離器334Dに関して前述したように、分離器334Cの溝362Aの1つに動作的に係合する。分離器334Gは、同様の手法で使用され得る。このような実施形態では、制御部材は分離器の開口部内に常に配置されているため、キー特徴のない補強材(例えば補強材432)が使用され得る。
【0067】
別の実施形態では、切取部628は、プローブ長手方向軸線170及び垂直軸線172に対して垂直な実質的に平坦な表面を有する軌道を含み、この軌道上を、制御部材は、使用者によって摺動可能且つ動的に作動され得る。軌道の平坦表面は、制御部材(例えば制御部材638)が横断するための平面を提供する。このような実施形態では、第2の通路641Bは、軌道に沿って直線の直線チャネルである。
【0068】
図9Aは、本明細書中に記載されるある実施形態による例示的な器具700の斜視図を示す。器具700は図4Aの器具100に概ね類似しているが、器具700の構成は、本明細書中に記載する器具のいずれにも適用され得る。
【0069】
図示のように、器具700は、プローブ710と、遠位端721を有するベースユニット720とを含む。ベースユニット720は、内部チャンバ724及びベースユニット開口部717を含む。補強材732は、プローブ710を取り囲む。補強材732及びプローブ710は、内部チャンバ724内に、ベースユニット720の遠位端721のベースユニット開口部717を通して配置されている。補強材732は、ベースユニット開口部717と動作的に係合して補強材732の回転を阻止するキー特徴740を含む。
【0070】
切取部728は、ベースユニット720に形成され、制御部材738は、切取部728内に部分的に配置されている。制御部材738は、制御部材付勢デバイス749を含む。制御部材付勢デバイス749は、図9Bに関連して説明するようないくつかの延長部を含む。切取部728は、制御部材738及び制御部材付勢デバイス749に適応するように構成された複数サイズの通路741を含む。例えば、通路741Bは、制御部材738が分離器734に向けて半径方向内側に押下されるときの制御部材付勢デバイス749のたわみに適応するように形成されている。通路741Aと通路741Cは、制御部材738の他の部品に適応するように同様に形成されている。
【0071】
分離器734は、補強材732に結合され、付勢デバイス739は、分離器134に対して付勢力を加える。付勢力は、分離器734及び補強材732を遠位方向に(例えば、遠位端721に向けて)図9Aに示すような伸展位置に押す。補強材732及び分離器734が遠位方向と反対の方向(例えば近位方向)に引き込まれると、制御部材738は、図4A及び図4Bで説明したのと同様に、押下され、分離器734に係合し、補強材732を所定位置にロックし得る。
【0072】
図9Bは、制御部材738の斜視図を示す。図示のように、制御部材738は、頭部742と、制御部材738の反対端に配置されたシャフト744とを含む。フランジ746は、頭部742とシャフト744との間に配置されている。フランジ746は、制御部材付勢デバイス749を含むいくつかの延長部747を含む。延長部747は、シャフト744に向かう方向に及びシャフト744から半径方向外向きに延びる。したがって、図示のように、制御部材付勢デバイス749と制御部材738は単一の一体構成要素であり、器具700の総構成要素を有益に減少させる。ある実施形態では、延長部747は、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン等などの可撓性であるが剛性のある材料から作られている。制御部材738が押下されると、延長部747は通路741Bに接触し、シャフト744が分離器734に向けて移動する際に、制御部材738を押下する力により、延長部747が変形する。力が取り除かれると、延長部747は、その非変形形状に戻る。したがって、延長部747は、ばねとして機能する。
【0073】
要約すると、本開示の実施形態は、顕微手術器具、例えば低侵襲眼科手術用の小型ゲージ器具の剛性を調整するための構造及び機構を含む。上述の器具は、外科医などの使用者が器具の使用中に器具の剛性を調整し得る実施形態を含む。したがって、説明した実施形態は、外科医が単一の器具を用いてより広範囲の組織にアクセスできるようにすることで、小型ゲージ器具の適用性をより広範囲の適応に広げる。
【0074】
本明細書中に記載されるある実施形態は、外科医が、1つの処置中に硝子体腔の全ての領域にアクセスするために、硝子体切除プローブの剛性及び長さを動的に調整できるようにする。プローブの調整は、眼にプローブを挿入する前に、又はプローブが既に眼に挿入された後に、実施され得る。それゆえ、説明した実施形態は、硝子体手術中の後眼部へのアクセスを容易にするために用いられ得るが、患者の快適性の向上、結膜瘢痕の減少、術後炎症の減少、及び治癒時間の短縮など、小型ゲージプローブの利点は保持する。硝子体手術は、説明した実施形態から利する可能性のある外科的処置の例として説明されているが、調整可能な剛性を持つ器具の利点は、他の外科的処置にも利益をもたらす可能性がある。
【0075】
上記は、本開示の実施形態に関するが、本開示の他の及び更なる実施形態も本願の基本的範囲から逸脱せずに考案され得、その範囲は、以下の特許請求項によって特定される。
【0076】
その他の考察
前述の説明は、当業者が本明細書に記載される様々な実施形態を実践することができるように提供されている。本明細書において説明される例は、特許請求の範囲に記載の範囲、適用性、又は実施形態を限定するものではない。これらの実施形態に対する様々な修正形態は、当業者に自明であり、本明細書で定義する一般的な原理は、他の実施形態に適用され得る。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、議論された要素の機能及び配置に変更を加えられ得る。様々な例では、必要に応じて、様々な手順又は構成要素を省略、置換、又は追加してもよい。例えば、記載された方法は、記載された順序とは異なる順序で実行されてもよく、様々なステップが追加、省略、又は組み合わされてもよい。また、いくつかの例に関して記載された特徴は、いくつかの他の例で組み合わされてもよい。例えば、本明細書に記載の任意の数の態様を使用して、装置が実装されてもよく、又は方法が実施されてもよい。更に、本開示の範囲は、本明細書に記載の本開示の様々な態様に加えて、又はそれ以外の他の構造、機能、又は構造及び機能を使用して実施されるそのような装置又は方法を網羅することを意図している。本明細書に開示される開示の任意の態様は、特許請求の範囲の1つ以上の要素によって具体化され得ることを理解されたい。
【0077】
本明細書で使用される限り、項目リスト「のうちの少なくとも1つ」という語句は、それらの項目の、単独の項を含めたあらゆる組合せを示す。例として、「a、b、又はcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、及びa-b-c、並びに複数の同じ要素の任意の組合せ(例えば、a-a、a-a-a、a-a-b、a-a-c、a-b-b、a-c-c、b-b、b-b-b、b-b-c、c-c、並びにc-c-c又はa、b、及びcの他の任意の順序)を網羅することが意図される。
【0078】
以下の特許請求項は、本明細書において示される実施形態に限定されることは意図されず、特許請求項の文言と矛盾しない全範囲が付与されるものとする。特許請求の範囲において、単数形での要素への言及は、具体的にそのような定めがない限り、「1つ及び1つのみ」を意味することを意図するものではなく、むしろ「1つ以上」を意味するものである。具体的に別段の定めがない限り、「いくつかの」という用語は、1つ以上を指す。特許請求の範囲のいかなる要素も、要素が「~するための手段」という語句を使用して明示的に列挙されない限り、又は方法請求項の場合に、要素が「~するためのステップ」という語句を使用して列挙されない限り、米国特許法第112条(f)の規定に基づいて解釈されるべきではない。当業者に知られている又は後に知られることになる、本開示全体を通して説明した様々な態様の要素に対するすべての構造的及び機能的均等物は、本明細書に参照により明示的に組み込まれ、特許請求の範囲に包含されることが意図される。その上、本明細書に開示したものはいずれも、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に列挙されているか否かにかかわらず公衆に献呈されることが意図されるものではない。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8
図9A
図9B
【国際調査報告】