(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】加熱アセンブリ、電子霧化装置および加熱アセンブリの制御方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/57 20200101AFI20240816BHJP
【FI】
A24F40/57
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510721
(86)(22)【出願日】2022-08-11
(85)【翻訳文提出日】2024-02-21
(86)【国際出願番号】 CN2022111914
(87)【国際公開番号】W WO2023029941
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】202111012948.5
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519403945
【氏名又は名称】深▲せん▼麦時科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】趙 書民
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AC34
4B162AD08
4B162AD23
(57)【要約】
本出願は、加熱アセンブリ、電子霧化装置および加熱アセンブリの制御方法を提供する。前記加熱アセンブリは、加熱素子および制御ユニットを含む。制御ユニットは、加熱素子の加熱段階における目前時刻での第1抵抗値を検出するとともに、加熱素子の、加熱段階における予め設定された温度・時間曲線から、現在時刻での目標温度に対応する目標抵抗値を決定し、第1抵抗値が目標抵抗値よりも大きいことに応答し、1つの第1期間内に加熱アセンブリに接続されるバッテリーアセンブリと加熱素子との間の経路を遮断することで、第1期間内に加熱素子への加熱を停止させ、第1抵抗値が目標抵抗値以下であることに応答し、1つの第2期間内にバッテリーアセンブリと加熱素子との間の経路を導通することで、第2期間内に加熱素子が加熱されるよう駆動する。加熱時間を制御することで、加熱素子の温度を目標温度に維持し、霧化効果を確保する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱アセンブリであって、
加熱素子と、
前記加熱素子の加熱段階における目前時刻での第1抵抗値を検出するとともに、現在時刻での目標温度に対応する目標抵抗値を決定する制御ユニットと、を含み、
前記制御ユニットは、
前記第1抵抗値が前記目標抵抗値よりも大きいことに応答し、1つの第1期間内に前記加熱アセンブリに接続されるバッテリーアセンブリと前記加熱素子との間の経路を遮断することで、前記第1期間内に前記加熱素子への加熱を停止させ、
前記第1抵抗値が前記目標抵抗値以下であることに応答し、1つの第2期間内に前記バッテリーアセンブリと前記加熱素子との間の経路を導通することで、前記第2期間内に前記加熱素子が加熱されるよう駆動することを特徴とする加熱アセンブリ。
【請求項2】
前記第1期間の時間長さは、前記第2期間の時間長さと同じであるか、または異なることを特徴とする請求項1に記載の加熱アセンブリ。
【請求項3】
前記加熱段階は、複数の加熱期および複数の停止期を含み、
いずれかの前記加熱期は、少なくとも1つの前記第1期間を含み、
いずれかの前記停止期は、少なくとも1つの前記第2期間を含み、
各前記第1期間の時間長さは同じであり、
各前記第2期間の時間長さは同じであることを特徴とする請求項1に記載の加熱アセンブリ。
【請求項4】
任意の2つの前記加熱期における前記第1期間の数は同じであるか、または異なり、
任意の2つの前記停止期における前記第2期間の数は同じであるか、または異なることを特徴とする請求項3に記載の加熱アセンブリ。
【請求項5】
前記加熱アセンブリは、
前記加熱素子と前記バッテリーアセンブリとの間の経路に設置されるスイッチングユニットをさらに含み、
前記制御ユニットは、前記スイッチングユニットに接続され、前記第1期間に前記スイッチングユニットをオフにし、前記バッテリーアセンブリと前記加熱素子との間の経路を遮断したり、前記第2期間に前記スイッチングユニットをオンにし、前記バッテリーアセンブリと前記加熱素子との間の経路を導通したりすることを特徴とする請求項1に記載の加熱アセンブリ。
【請求項6】
前記加熱素子は、発熱ユニットおよび温度測定ユニットを含み、
前記発熱ユニットは、前記スイッチングユニットにより前記バッテリーアセンブリに接続され、
前記温度測定ユニットが前記発熱ユニットと平行になるとともに前記制御ユニットに接続されることで、前記制御ユニットは、前記温度測定ユニットによって前記加熱素子の前記第1抵抗値を検知し、
前記加熱アセンブリは、サンプリングユニットをさらに含み、
前記サンプリングユニットが前記温度測定ユニットに直列に接続されるとともに前記制御ユニットに接続されることで、前記制御ユニットは、前記サンプリングユニットによって前記サンプリングユニットおよび前記温度測定ユニットを流れた電流を検知し、前記温度測定ユニットの抵抗値を決定し、
前記温度測定ユニットの抵抗値は、前記加熱素子の前記第1抵抗値を表すことを特徴とする請求項5に記載の加熱アセンブリ。
【請求項7】
前記加熱素子の、前記加熱段階における予め設定された温度・時間曲線から、前記加熱素子の前記現在時刻での目標温度を決定し、
予め設定された温度・抵抗関係テーブルから、前記目標温度に対応する前記目標抵抗値を決定することを特徴とする請求項1に記載の加熱アセンブリ。
【請求項8】
電子霧化装置であって、
バッテリーアセンブリと、
前記バッテリーアセンブリによって給電される加熱アセンブリと、を含み、
前記加熱アセンブリは、請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の加熱アセンブリであることを特徴とする電子霧化装置。
【請求項9】
加熱アセンブリの制御方法であって、
加熱素子の加熱段階における現在時刻での第1抵抗値を検出するとともに、現在時刻での目標温度に対応する目標抵抗値と比較することと、
前記第1抵抗値が前記目標抵抗値よりも大きいことに応答し、第1期間内に前記加熱素子への加熱を停止させることと、
前記第1抵抗値が前記目標抵抗値以下であることに応答し、第2期間内に前記加熱素子を加熱することと、を含むことを特徴とする加熱アセンブリの制御方法。
【請求項10】
前記第1期間の時間長さは、前記第2期間の時間長さと同じであるか、または異なることを特徴とする請求項9に記載の制御方法。
【請求項11】
前記加熱段階は、複数の加熱期および複数の停止期を含み、
いずれかの前記加熱期は、少なくとも1つの前記第1期間を含み、
いずれかの前記停止期は、少なくとも1つの前記第2期間を含み、
各前記第1期間の時間長さは同じであり、
各前記第2期間の時間長さは同じであり、
任意の2つの前記加熱期における前記第1期間の数は同じであるか、または異なり、
任意の2つの前記停止期における前記第2期間の数は同じであるか、または異なることを特徴とする請求項9に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2021年8月31日に出願された、出願番号が202111012948.5の中国特許出願の優先権を主張し、その内容全体を参照により本出願に組み込む。
本出願は、電子霧化装置領域に関し、特に、加熱アセンブリ、電子霧化装置および加熱アセンブリの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子霧化装置は、被霧化基質を霧化し、異なる分野に適用可能である。例えば、葉類の固体基質を焙ってエアロゾルを形成するように、特定の香りを有する植物葉類の固体基質を非燃焼加熱の方式で焙る。さらに、植物葉類にエッセンスや香料などの成分を添加することができるとともに、焙りによってエアロゾルに混合し、エアロゾルが所望の香りを有するようにすることができる。
【0003】
従来の電子霧化装置は、通常、バッテリーアセンブリおよび加熱アセンブリを含む。なお、加熱アセンブリには、被霧化基質および加熱素子が収容され、バッテリーアセンブリで加熱素子の給電を制御し、これにより、加熱素子で被霧化基質を加熱して霧化する。
【0004】
しかしながら、従来の電子霧化装置によれば、加熱霧化中に、加熱素子の温度が高すぎると、霧化されたエアロゾルに焦げたニオイを持つことになり、一方、加熱素子の温度が低すぎると、被霧化基質を十分に加熱して霧化することができず、霧化効果が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願は、加熱アセンブリ、電子霧化装置および加熱アセンブリの制御方法を提供し、加熱素子の温度を効率的に制御し、霧化効果を確保することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術問題を解決するために、本出願が提供する第1の技術案に係る加熱アセンブリは、加熱素子と、制御ユニットと、を含む。制御ユニットは、加熱素子の加熱段階における目前時刻での第1抵抗値を検出するとともに、現在時刻での目標温度に対応する目標抵抗値を決定し、第1抵抗値が目標抵抗値よりも大きいことに応答し、1つの第1期間内に加熱アセンブリに接続されるバッテリーアセンブリと加熱素子との間の経路を遮断することで、第1期間内に前記加熱素子への加熱を停止させ、第1抵抗値が目標抵抗値以下であることに応答し、1つの第2期間内にバッテリーアセンブリと加熱素子との間の経路を導通することで、第2期間内に加熱素子が加熱されるよう駆動する。
【0007】
また、第1期間の時間長さは、第2期間の時間長さと同じであるか、または異なる。
【0008】
また、加熱段階は、複数の加熱期および複数の停止期を含む。いずれかの加熱期は、少なくとも1つの第1期間を含み、いずれかの停止期は、少なくとも1つの第2期間を含む。各第1期間の時間長さは同じであり、各第2期間の時間長さは同じである。
【0009】
また、任意の2つの加熱期における第1期間の数は同じであるか、または異なる。任意の2つの停止期における第2期間の数は同じであるか、または異なる。
【0010】
また、加熱アセンブリは、加熱素子とバッテリーアセンブリとの間の経路に設置されるスイッチングユニットをさらに含む。
【0011】
また、制御ユニットは、スイッチングユニットに接続され、第1期間にスイッチングユニットをオフにし、バッテリーアセンブリと加熱素子との間の経路を遮断したり、第2期間に前記スイッチングユニットをオンにし、バッテリーアセンブリと加熱素子との間の経路を導通したりする。
【0012】
また、加熱素子は、発熱ユニットおよび温度測定ユニットを含む。発熱ユニットは、スイッチングユニットによりバッテリーアセンブリに接続される。温度測定ユニットが発熱ユニットと平行になるとともに制御ユニットに接続されることで、制御ユニットは、温度測定ユニットによって加熱素子の第1抵抗値を検知する。加熱アセンブリは、サンプリングユニットをさらに含む。サンプリングユニットが温度測定ユニットに直列に接続されるとともに制御ユニットに接続されることで、制御ユニットは、サンプリングユニットによってサンプリングユニットおよび温度測定ユニットを流れた電流を検知し、温度測定ユニットの抵抗値を決定する。温度測定ユニットの抵抗値は、加熱素子の第1抵抗値を表す。
【0013】
また、加熱素子の、加熱段階における予め設定された温度・時間曲線から、加熱素子の現在時刻での目標温度を決定する。予め設定された温度・抵抗関係テーブルから、目標温度に対応する目標抵抗値を決定する。
【0014】
上記技術問題を解決するために、本出願が提供する第2の技術案に係る加熱アセンブリの制御方法は、加熱素子の加熱段階における現在時刻での第1抵抗値を検出するとともに、加熱素子の、加熱段階における予め設定された温度・時間曲線から現在時刻での目標温度に対応する目標抵抗値を決定することと、第1抵抗値が目標抵抗値よりも大きいことに応答し、第1期間内に加熱素子への加熱を停止させることと、第1抵抗値が目標抵抗値以下であることに応答し、第2期間内に加熱素子を加熱することと、を含む。
【0015】
また、第1期間の時間長さは、第2期間の時間長さと同じであるか、または異なる。
【0016】
また、加熱段階は、複数の加熱期および複数の停止期を含む。いずれかの前記加熱期は、少なくとも1つの第1期間を含む。いずれかの停止期は、少なくとも1つの第2期間を含む。各第1期間の時間長さは同じであり、各第2期間の時間長さは同じである。任意の2つの加熱期における第1期間の数は同じであるか、または異なる。任意の2つの停止期における第2期間の数は同じであるか、または異なる。
【0017】
上記技術問題を解決するために、本出願が提供する第3の技術案に係る電子霧化装置は、バッテリーアセンブリと、加熱アセンブリと、を含む。加熱アセンブリは、上記のいずれかの加熱アセンブリを含む。バッテリーアセンブリは、加熱アセンブリに給電する。
【0018】
本出願は以下の顕著な効果を奏する。本出願に係る加熱アセンブリは、従来技術と異なり、加熱素子および制御ユニットを含む。制御ユニットは、加熱素子の加熱段階における目前時刻での第1抵抗値を検出するとともに、加熱素子の、加熱段階における予め設定された温度・時間曲線から、現在時刻での目標温度に対応する目標抵抗値を決定し、第1抵抗値が目標抵抗値よりも大きいことに応答し、1つの第1期間内に加熱アセンブリに接続されるバッテリーアセンブリと加熱素子との間の経路を遮断することで、第1期間内に加熱素子への加熱を停止させ、第1抵抗値が目標抵抗値以下であることに応答し、1つの第2期間内にバッテリーアセンブリと加熱素子との間の経路を導通することで、第2期間内に加熱素子が加熱されるよう駆動する。加熱時間を制御することで、加熱素子の温度を効率的に制御して霧化効果を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本出願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の説明において必要な図面を簡単に説明するが、後述する図面は本出願の一部の実施例の過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面に想到し得ることが明らかである。
【
図1】本出願の一実施例に係る加熱アセンブリの機能モジュールを示す図である。
【
図2】本出願の一実施例に係るスイッチングユニットのタイムチャートである。
【
図3】本出願の一実施例に係る加熱アセンブリの回路を示す図である。
【
図4】本出願の一実施例に係る制御ユニットの制御方法のロジックを示す図である。
【
図5】本出願に係る加熱アセンブリの制御方法の一実施例のフローを示す図である。
【
図6】本出願の一実施例に係る電子霧化装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本願の実施例の図面を参照しながら、本願の実施例の技術案を明確且つ完全に説明する。説明される実施例は本願の実施例の一部であり、実施例の全部でないことは勿論である。本願の実施例に基づいて、進歩性のある労働を必要とせずに当業者が取得する他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0021】
図1を参照する。
図1は、本出願の一実施例に係る加熱アセンブリの機能モジュールを示す図である。具体的には、加熱アセンブリ10は、加熱素子11および制御ユニット12を含む。制御ユニット12は、被霧化基質を霧化するように加熱素子11の動作を制御する。
【0022】
具体的には、制御ユニット12は、加熱素子11の加熱段階における現在時刻での第1抵抗値Rxを検出するとともに、現在時刻での目標温度に対応する目標抵抗値Rtを決定する。第1抵抗値Rxと目標抵抗値Rtとの関係に基づいて、加熱素子11への加熱時間を制御する。なお、実用時に、抵抗が大きいほど、それに対応する温度が高くなることを理解されたい。このため、第1抵抗値Rxが目標抵抗値Rtよりも大きい場合、第1抵抗値Rxに対応する温度が目標抵抗値Rtに対応する温度よりも高いと決定されてもよい。
【0023】
一つの具体的な実施例では、
図2を合わせて、時間T0のPWM信号により、バッテリーアセンブリ20と加熱素子11との間の経路を導通または遮断して加熱素子11を加熱する。例えば、時間T1において時間T1に対応する第1抵抗値Rxを検出してもよく、第1抵抗値Rxが目標抵抗値Rt以下である場合、すなわち、現在温度が目標温度よりも低い場合、制御ユニット12は、第2期間T2内にバッテリーアセンブリ20と加熱素子11との間の経路を導通させる。これにより、加熱素子11が第2期間T2内に加熱されるように駆動することで、加熱素子11の温度を上げる。一つの具体的な実施例では、T2はT0よりも大きい。
【0024】
さらに、時間T3において時間T3に対応する第1抵抗値Rxを検出し、第1抵抗値Rxが目標抵抗値Rtよりも大きいと、その際の温度が高すぎて、制御ユニット12は、第1期間T4内に加熱アセンブリ10に接続されるバッテリーアセンブリ20と加熱素子11との間の経路を遮断する。これにより、第1期間T4内に加熱素子11への加熱を停止し、加熱素子11の温度を低下させる。一つの具体的な実施例では、T4はT1よりも大きい。
【0025】
具体的には、第1抵抗値Rxに対応する温度が現在温度であり、目標抵抗値Rtに対応する温度が現在目標温度であり、現在温度が現在目標温度よりも高い場合、加熱素子11の現在温度を低下させる必要がある。この場合、第1期間T4にバッテリーアセンブリ20と加熱素子11との電気接続を遮断し、加熱素子11の加熱を停止させ、加熱素子11の温度を目標温度まで徐々に低下させる。現在温度が現在目標温度以下の場合、第2期間T2に加熱素子11の現在温度を上げる必要がある。この場合、バッテリーアセンブリ20と加熱素子11との電気接続を導通させ、加熱素子11が加熱されるよう駆動し、加熱素子11の温度が目標温度まで徐々に上がる。制御ユニット12により加熱素子11とバッテリーアセンブリ20との電気接続を制御することで、加熱素子11の温度を効率的に制御して霧化効果を確保することができる。
【0026】
具体的には、温度・抵抗関係テーブルおよび温度・時間曲線を予め記憶する。現在時刻に対応する第1抵抗値Rxを検出すると、温度・抵抗関係テーブルから第1抵抗値Rxに対応する現在温度を決定する。さらに、現在時刻の時間に応じて、温度・時間曲線から現在時刻に対応する目標温度を得ることができる。さらに、目標温度に応じて、温度・抵抗関係テーブルから目標温度に対応する目標抵抗値Rtを決定することができる。
【0027】
具体的には、加熱素子11の現在時刻の第1抵抗値Rxが現在時刻の目標抵抗値Rtよりも大きいと制御ユニット12が検出すると、第1期間T4内に加熱素子11を降温させる必要がある。加熱素子11の現在時刻での第1抵抗値Rxが目標抵抗値Rt以下であると制御ユニット12が検出すると、第2期間T2内に加熱素子11を昇温させる必要がある。第1期間T4および第2期間T2の時間長さを制御することで、加熱素子11をほぼ目標温度の変動範囲内にして目標温度に限りなく近づくことを確保し、加熱素子11の霧化効果を確保する。なお、第1期間T4と第2期間T2は、時間長さが同じであってもよいし、異なってもよく、加熱素子11を常に目標温度付近に維持すればよいことを理解されたい。
【0028】
一実施形態では、
図2に示すように、加熱段階は、複数の加熱期および複数の停止期を含む。いずれかの加熱期は、少なくとも1つの第1期間T4を含み、いずれかの停止期は、少なくとも1つの第2期間T2を含む。本実施形態では、各第1期間T4の時間長さが同じであり、各第2期間T2の時間長さが同じであり、かつ、第1期間T4の時間長さが第2期間T2の時間長さと同じである。
【0029】
他の実施形態では、
図3を参照し、
図3は、本出願の他の実施例によるスイッチングユニットがオンになった場合のタイムチャートである。加熱段階は、複数の加熱期および複数の停止期を含む。いずれかの加熱期は、少なくとも1つの第1期間T4を含み、いずれかの停止期は、少なくとも1つの第2期間T2を含む。本実施形態では、各第1期間T4の時間長さが同じであり、各第2期間T2の時間長さが同じであり、かつ、第1期間T4の時間長さが第2期間T2の時間長さと異なる。
【0030】
一実施形態では、任意の2つの加熱期における第1期間の数は同じであるか、または異なり、任意の2つの停止期における第2期間の数は同じであるか、または異なる。具体的には、第1抵抗値Rxが目標抵抗値Rtよりも大きい場合、加熱素子11が加熱期にあり、加熱素子11の第1抵抗値Rxが目標抵抗値Rtよりも大きいと制御ユニット12が複数回連続して検出すると、当該加熱期が複数の第1期間T4を含む。第1抵抗値Rxが目標抵抗値Rt以下の場合、加熱素子11が停止期にあり、加熱素子11の第1抵抗値Rxが目標抵抗値Rt以下であると制御ユニット12が複数回連続して検出すると、当該停止期が複数の第2期間T1を含む。なお、いずれかの加熱期は、少なくとも1つの第1期間T4を含み、いずれかの停止期は、少なくとも1つの第2期間T2を含み、任意の加熱期および任意の停止期に含まれる第1期間T4および第2期間T2の数は、加熱素子11の現在時刻での第1抵抗値Rxと目標抵抗値Rtとの比によって決定され、すなわち、任意の2つの加熱期における第1期間の数は同じであってもよいし、異なってもよく、任意の2つの停止期における第2期間の数は同じであってもよいし、異なってもよい。
【0031】
一実施形態では、
図3は、本出願の一実施例に係る加熱アセンブリの回路を示す図である。加熱アセンブリ10は、加熱素子11とバッテリーアセンブリ20との間の経路に設置されるスイッチングユニット121をさらに含む。なお、制御ユニット12は、スイッチングユニット121に接続されてスイッチングユニット121のオンオフを制御することで、第1期間T4にバッテリーアセンブリ20と加熱素子11との間の経路を遮断したり、第2期間T2にバッテリーアセンブリ20と加熱素子11との間の経路を導通したりする。このため、制御ユニットによってスイッチングユニット121のオンオフを制御することで、加熱素子11が加熱段階において目標温度の付近にあることを確保し、霧化効果を確保することができる。
【0032】
一実施形態では、加熱素子11は、発熱ユニットR1および温度測定ユニットR2を含む。なお、発熱ユニットR1は、スイッチングユニット121によってバッテリーアセンブリ20に接続される。スイッチングユニット121がオンの状態では、バッテリーアセンブリ20は発熱ユニットR1に給電し、発熱ユニットR1を発熱させて被霧化基質を霧化する。温度測定ユニットR2は、発熱ユニットR1と平行になるとともに制御ユニット12に接続される。これにより、制御ユニット12は、温度測定ユニットR2によって発熱ユニットR1の第1抵抗値Rxを検知する。
【0033】
本実施形態では、加熱アセンブリ10は、温度測定ユニットR2に直列に接続されるとともに制御ユニット12に接続されるサンプリングユニットR3をさらに含む。制御ユニット12は、サンプリングユニットR3によってサンプリングユニットR3および温度測定ユニットR2を流れた電流を検知し、さらに、温度測定ユニットR2の抵抗値を決定する。なお、温度測定ユニットR2の抵抗値は、加熱素子11の第1抵抗値Rxを表す。温度測定ユニットR2の現在の実際抵抗値は、加熱素子11の現在の実際抵抗値であることを理解されたい。具体的には、制御ユニット12は、サンプリングユニットR3を流れた電流I3を検出可能である。さらに、サンプリングユニットR3の抵抗が既知であり、サンプリングユニットR3の電圧V1を算出可能である。
直列接続回路の分圧原理によれば、温度測定ユニットR2電圧V2は、バッテリーアセンブリ20の電圧からサンプリングユニットR3の電圧V1を減算したものであり、その後、抵抗計算式により、温度測定ユニットR2の現在時刻での抵抗値は
である。
温度測定ユニットR2の抵抗値は、加熱素子11の第1抵抗値Rxを表す。このため、加熱素子11の現在時刻での第1抵抗値Rxを得る。その後、制御ユニット12は、温度測定素子の現在時刻での第1抵抗値Rxを、現在時刻での目標温度に対応する目標抵抗値Rtと比較し、第1期間T4に加熱素子11を加熱させたり、第2期間T2にバッテリーアセンブリ20による加熱素子11の加熱を停止したりするようにバッテリーアセンブリ20を駆動する。
【0034】
図4は、本出願の一実施例に係る制御ユニットの制御方法のロジックを示す図である。制御ユニット12は、加熱素子11の加熱段階における現在時刻での第1抵抗値Rxを検出するとともに、現在時刻での目標温度に対応する目標抵抗値Rtを決定し、第1抵抗値Rxが目標抵抗値Rtよりも大きいと検出すると、スイッチングユニット121をオフにし、バッテリーアセンブリ20による加熱素子11の加熱を停止し、第1抵抗値Rxが目標抵抗値Rt以下であると検出すると、スイッチングユニット121をオンにし、バッテリーアセンブリ20を駆動して加熱素子11を加熱する。本実施形態では、制御ユニット12は、第1抵抗値Rxが目標抵抗値Rtよりも大きいと検出すると、第1期間T4にスイッチングユニット121をオフにし、バッテリーアセンブリ20による加熱素子11の加熱を停止する。具体的には、第1期間T4の時間長さは0.1msである。制御ユニット12は、第1抵抗値Rxが目標抵抗値Rt以下であると検出すると、第2期間T2にスイッチングユニット121をオンにし、加熱素子11を加熱するようにバッテリーアセンブリ20を駆動する。具体的には、第2期間T2の時間長さは0.1msである。第1期間T4および第2期間T2の時間長さが0.1msであることを例として示すだけで、実際の値が必要に応じて選択されることを理解されたい。
【0035】
一実施形態では、制御ユニット12は、比例/積分/微分コントローラー(PIDコントローラー)を含み、現在時刻での第1抵抗値Rxと現在時刻での目標抵抗値Rtとを比較してスイッチングユニット121にPWM信号を出力する。これにより、スイッチングユニット121は、第1抵抗値Rxが目標抵抗値Rtよりも大きい場合、バッテリーアセンブリ20と加熱素子11との間の経路を遮断する。または、スイッチングユニット121は、第1抵抗値Rxが目標抵抗値Rt以下の場合、バッテリーアセンブリ20と加熱素子11との間の経路を導通する。
【0036】
本出願の実施形態に係る加熱アセンブリ10は、加熱素子11の加熱段階における現在時刻での実際抵抗値Rxを制御ユニット12によって検出し、予め記憶されている、現在時刻での目標温度に対応する目標抵抗値Rtと比較し、PWM信号によってスイッチングユニット121のオンオフを制御する。こうすることで、バッテリーアセンブリ20による加熱素子11への加熱時間を調節し、加熱素子11の実際温度を予め設定された目標温度付近に制御し、加熱アセンブリ10の霧化効果を確保する。
【0037】
図5は、本出願の加熱アセンブリの制御方法の一実施例のフローを示す図である。具体的には、当該制御方法は、以下通りのステップを含む。
ステップS11:加熱素子の加熱段階における現在時刻での第1抵抗値を検出するとともに、現在時刻での目標温度に対応する目標抵抗値を決定する。
【0038】
具体的には、制御ユニットは、加熱素子の加熱段階における現在時刻での第1抵抗値Rxを検出するとともに、現在時刻での目標温度に対応する目標抵抗値Rtを決定する。第1抵抗値Rxと目標抵抗値Rtとの関係に基づいて、加熱素子への加熱時間を制御する。実用時に、抵抗と温度は対応関係であり、抵抗が大きいほど、それに対応する温度が高くなり、第1抵抗値Rxが目標抵抗値Rtよりも大きい場合、第1抵抗値Rxに対応する温度が目標抵抗値Rtに対応する温度よりも高いと決定されてもよい。抵抗が小さいほど、それに対応する温度が低くなり、第1抵抗値Rxが目標抵抗値Rtよりも小さい場合、第1抵抗値Rxに対応する温度が目標抵抗値Rtに対応する温度よりも低いと決定されてもよい。
【0039】
ステップS12:前記第1抵抗値が前記目標抵抗値よりも大きいことに応答し、第1期間内に前記加熱素子への加熱を停止する。
【0040】
加熱素子の現在時刻での第1抵抗値Rxが現在時刻での目標抵抗値Rtよりも大きいと検出された場合、加熱素子の温度が高く、第1期間内に加熱素子への加熱を停止する必要があると判断する。
【0041】
具体的には、第1抵抗値Rxに対応する温度が加熱素子の現在温度であり、目標抵抗値Rtに対応する温度が加熱素子の目標温度である。すなわち、現在温度が目標温度よりも高い場合、加熱素子の温度を下げる必要がある。その際、第1期間内に加熱素子への加熱を停止し、加熱素子の温度を目標温度まで徐々に下げる。
【0042】
ステップS13:前記第1抵抗値が前記目標抵抗値以下であることに応答し、第2期間内に前記加熱素子を加熱する。
【0043】
加熱素子の現在時刻での第1抵抗値Rxが現在時刻での目標抵抗値Rt以下であると検出された場合、加熱素子の温度が低く、第2期間内に加熱素子を加熱する必要があると判断する。
【0044】
具体的には、第1抵抗値Rxに対応する温度が加熱素子11の現在温度であり、目標抵抗値Rtに対応する温度が加熱素子の目標温度である。すなわち、現在温度が目標温度以下であると、加熱素子11の温度を上げる必要がある。その際、第2期間内に加熱素子を加熱し、加熱素子の温度を目標温度まで徐々に上げる。
【0045】
本出願に係る加熱アセンブリの制御方法では、加熱素子の加熱段階における現在時刻での実際抵抗値Rxを制御ユニットによって検出し、予め記憶されている、現在時刻での目標温度に対応する目標抵抗値Rtと比較し、PWM信号によってスイッチングユニットのオンオフを制御する。こうすることで、バッテリーアセンブリによる加熱素子への加熱時間を調節し、加熱素子の実際温度を予め設定された目標温度付近に制御し、加熱アセンブリの霧化効果を確保するとともに、制御方法のロジックが簡単であり、低コストのプラットフォームに特に適合する。
【0046】
図6は、本出願に係る一実施例の電子霧化装置の構成を示すである。電子霧化装置は、加熱アセンブリ10およびバッテリーアセンブリ20を含む。なお、加熱アセンブリ10は、固体の被霧化基質内に挿入されたり、霧化基質外を囲んだりしてもよい。バッテリーアセンブリ20は、加熱アセンブリ10に電気的に接続されて加熱アセンブリ10に給電することで、加熱アセンブリ10で被霧化基質を加熱して霧化する。
【0047】
以上の説明は本出願の実施形態に過ぎず、本出願の保護範囲を制限するものではない。本出願の明細書及び添付図面によって作成したすべての同等構造又は同等フローの変更を、直接又は間接的に他の関連する技術分野に適用することは、いずれも同じ理由により本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
【国際調査報告】