IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティドの特許一覧

特表2024-530725メディカルデバイスのための適合性カバー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】メディカルデバイスのための適合性カバー
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/04 20130101AFI20240816BHJP
   A61F 2/07 20130101ALI20240816BHJP
【FI】
A61F2/04
A61F2/07
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512078
(86)(22)【出願日】2022-08-26
(85)【翻訳文提出日】2024-04-22
(86)【国際出願番号】 US2022041684
(87)【国際公開番号】W WO2023028314
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】63/237,192
(32)【優先日】2021-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【弁理士】
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ディー.シルバーマン
(72)【発明者】
【氏名】タイソン ジェイ.スケルトン
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA14
4C097AA15
4C097BB01
4C097BB09
4C097CC01
4C097CC02
4C097CC05
4C097DD01
4C097EE06
(57)【要約】
インプラント可能なメディカルデバイスは、第一の直径を有する第一の構造要素を含むフレーム、及び、前記第一の構造要素の第一の側に配置された、少なくとも第一のらせん状に巻かれたフィルムと、該第一のらせん状に巻かれたフィルムにある角度でオーバーラップする第二のらせん状に巻かれたフィルムとを含むバイアス巻きされた膜を含む。第一のらせん状に巻かれたフィルムは、前記第一の構造要素の第一の側に沿って延在する弓形形状を有する第一の複数の縁部を有し、該第一の複数のフィブリルの弓形形状は、第一の構造要素の側の大部分にわたって延在している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の側と、該第一の側の反対側の第二の側とを有する第一の構造要素を含むフレーム、及び、
少なくとも第一のらせん状に巻かれたフィルムと、該第一のらせん状に巻かれたフィルムにある角度で少なくとも部分的にオーバーラップする第二のらせん状に巻かれたフィルムとを含み、前記第一のらせん状に巻かれたフィルム及び前記第二のらせん状に巻かれたフィルムのそれぞれは、前記第一の構造要素の第一の側の上に配置されている、バイアス巻きされた膜、
を含む、インプラント可能なメディカルデバイスであって、
前記第一のらせん状に巻かれたフィルムは、前記第一の構造要素の第一の側に沿って延在している弓形形状を有する第一の複数のフィブリルを有し、前記第一の複数のフィブリルの弓形形状は前記第一の構造要素の側の大部分にわたって延在している、インプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項2】
前記フレームは、第一の側と、該第一の側の反対側の第二の側とを有する第二の構造要素を含み、前記第二の構造要素は、前記第一のフレーム要素の周長よりも小さい周長を有し、前記第一のらせん状に巻かれたフィルムの第一の複数のフィブリルは、前記第二の構造要素の第一の側に沿って延在している、請求項1に記載のインプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項3】
前記第二のらせん状に巻かれたフィルムは、前記第一の構造要素及び前記第二の構造要素の第二の側に沿って延在し、前記第二のらせん状に巻かれたフィルムは、前記第一の構造要素の第二の側に沿って弓形形状で第二の複数のフィブリルを含み、前記第二の複数のフィブリルは前記第二の構造要素の第二の側に沿って延在している、請求項2に記載のインプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項4】
前記フレームは、前記フレームの長手方向軸に対して約15度~約85度の角度で延在する第三の構造要素を含み、前記第一の複数のフィブリルは、前記第三の構造要素の側に沿って、約15度~約85度の角度でらせん状構成にて延在している、請求項3に記載のインプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項5】
前記バイアス巻きされた膜の前記第一のらせん状に巻かれたフィルムの少なくとも一部は、前記バイアス巻きされた膜の前記第二のらせん巻きされたフィルムの少なくとも一部に結合されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のインプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項6】
前記第一の構造要素は、前記第一の構造要素の第一の側及び第二の側のうちの少なくとも一方に沿って、前記バイアス巻きされた膜の少なくとも一部に結合され、前記第二の構造要素は、前記第二の構造要素の第一の側及び第二の側のうちの少なくとも一方に沿って、前記バイアス巻きされた膜の少なくとも一部に結合されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のインプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項7】
前記第一の複数のフィブリルは、隣接する弓状フィブリルに対して摺動するように構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載のインプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項8】
前記第一の構造要素はフランジであり、センサが前記フランジに結合されるか又は一体化され、その結果、前記フランジは前記センサと組織との間の動作可能な係合を得るように前記センサと組織とを係合するように動作可能である、請求項1~7のいずれか1項に記載のインプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項9】
前記第一の構造要素はフランジであり、前記インプラント可能なメディカルデバイスは、前記フランジに結合された又は一体化されたオクルーダを含み、その結果、前記フランジは前記オクルーダを組織に固定するように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載のインプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項10】
第一の周長を有する第一のフレーム要素と、第二の周長を有する第二のフレーム要素とを含み、前記第一のフレーム要素は第一の側と、該第一の側の反対側の第二の側とを有する、フレーム、
第一のらせん状に巻かれたフィルムと、該第一のらせん状に巻かれたフィルムにある角度で少なくとも部分的にオーバーラップする第二のらせん状に巻かれたフィルムとを少なくとも含む、バイアス巻きされた膜であって、前記バイアス巻きされた膜は前記第一のフレーム要素の第一の側の上に配置され、前記バイアス巻きされた膜は、前記第一のフレーム要素の第一の側に沿って弓形形状に配置された第一の複数のフィブリルと、前記第二のフレーム要素の第一の側に沿って弓形形状に配置された第二の複数のフィブリルとを有する、バイアス巻きされた膜、
を含む、インプラント可能なメディカルデバイスであって、
前記バイアス巻きされた膜は、前記第一の複数のフィブリルと前記第二の複数のフィブリルとの間に配置された第三の複数のフィブリルを有し、前記第三の複数のフィブリルはピッチ角を有する、インプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項11】
第二の側と反対側の第一の側を有しそして第一の直径を有する第一のフレーム要素と、第二の側と反対側の第一の側を有しそして第二の直径を有する第二のフレーム要素とを含むフレームを含み、前記第一の直径は第二の直径とは異なる、インプラント可能なメディカルデバイスを製造する方法であって、前記方法は、
第一のらせん状に巻かれたフィルムと、該第一のらせん状に巻かれたフィルムにある角度でオーバーラップする第二のらせん状に巻かれたフィルムとを含む第一のバイアス巻きされた膜を伸長させ、前記第一のバイアス巻きされた膜の第一の複数のフィブリルの第一の巻き角を変化させること、
前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素の第一の側の上に、伸長された第一のバイアス巻きされた膜を配置して、前記第一のフレーム要素に沿った第一のバイアス巻きされた膜の第一の縁部、及び、前記第一のフレーム要素に沿った弓形形状のバイアス巻きされた膜の縁部を画定すること、
第一のらせん状に巻かれたフィルムと、該第一のらせん状に巻かれたフィルムにある角度でオーバーラップする第二のらせん状に巻かれたフィルムとを含む第二のバイアス巻きされた膜を伸長させ、前記第二のバイアス巻きされた膜の第二の複数のフィブリルの第二の巻き角を変化させること、及び、
前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素の第二の側の上に、伸長された第二のバイアス巻きされた膜を配置して、前記第一のフレーム要素に沿った第二のバイアス巻きされた膜の第一の縁部を画定すること、ここで、前記第二のバイアス巻きされた膜の第一の縁部は弓形形状を有する、
を含む、方法。
【請求項12】
前記第一のバイアス巻きされた膜の少なくとも一部を前記第二のバイアス巻きされた膜の少なくとも一部に結合することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第一のバイアス巻きされた膜の少なくとも一部を前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素の少なくとも一部に結合すること、及び、前記第二のバイアス巻きされた膜の少なくとも一部を前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素の少なくとも一部に結合することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第一の複数のフィブリルは前記第二の複数のフィブリルに対して摺動するように構成され、前記第一のバイアス巻きされた膜と前記第二のバイアス巻きされた膜は前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素との接触を維持するように構成されている、請求項12~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記第一の複数のフィブリルのピッチ角は、前記第一のフレーム要素と整合された前記バイアス巻きされた膜で第一のピッチ角であり、前記第二のフレーム要素と整合された前記バイアス巻きされた膜で第二のピッチ角であり、前記第一のピッチ角は前記第二のピッチ角とは異なる、請求項12~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記第二の複数のフィブリルのピッチ角は、前記第一のフレーム要素と整合された前記バイアス巻きされた膜で第三のピッチ角を備え、前記第二のフレーム要素と整合された前記バイアス巻きされた膜で第四のピッチ角を備え、前記第三のピッチ角は前記第四のピッチ角とは異なる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第二のピッチ角及び前記第四のピッチ角のうちの少なくとも1つは、約15度~約85度である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
インプラント可能なメディカルデバイスを製造する方法であって、前記方法は、
第一のバイアス巻きされた膜をマンドレルに沿って第一の方向に延伸すること、ここで、前記マンドレルは第一のセクション及びフランジセクションを画定する、
第一のフレーム要素を前記マンドレルのフランジセクションの第一の側に適用すること、
前記第一のフレーム要素を覆うように、第二のバイアス巻きされた膜を前記マンドレルに沿って前記第一の方向とは反対である第二の方向に延伸すること、
前記第二のバイアス巻きされた膜を前記マンドレルに沿って前記第一の方向に反転させること、
第二のフレーム要素を前記マンドレルのフランジセクションの第一の側に適用すること、 及び、
前記第一のバイアス巻きされた膜と前記第二のバイアス巻きされた膜との間に前記第一のフレーム要素と前記第二のフレーム要素を挟むように、前記第二のバイアス巻きされた膜を前記マンドレルに沿って前記第二の方向に反転させること、
を含む、方法。
【請求項19】
第一のフレーム要素、第二のフレーム要素及び第三のフレーム要素を含むフレームを含むインプラント可能なメディカルデバイスを製造する方法であって、前記方法は、
第一のらせん状に巻かれたフィルムと、該第一のらせん状に巻かれたフィルムにある角度でオーバーラップする第二のらせん状に巻かれたフィルムとを含む第一のバイアス巻きされた膜を伸長させて、前記第一のバイアス巻きされた膜の第一の複数のフィブリルの第一の巻き角を変化させること、
前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素及び前記第三のフレーム要素の第一の側の上に、伸長された第一のバイアス巻きされた膜を配置して、前記第二のフレーム要素に沿って第一のピッチ角を画定し、前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素の第一の側の大部分に沿って延在する複数の弓形形状のフィブリルを画定すること、
第一のらせん状に巻かれたフィルムと、該第一のらせん状に巻かれたフィルムにある角度で少なくとも部分的にオーバーラップする第二のらせん状に巻かれたフィルムとを含む、第二のバイアス巻きされた膜を伸長させて、前記第二のバイアス巻きされた膜の第二の複数のフィブリルの第二の巻き角を変化させること、及び、
前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素及び前記第三のフレーム要素の第二の側の上に、伸長された第二のバイアス巻きされた膜を配置して、前記第二のフレーム要素に沿った第二のバイアス巻きされた膜の第一のフィブリル配向を画定し、前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素に沿った第二のバイアス巻きされた膜の第二のフィブリル配向を画定すること、ここで、前記第二のバイアス巻きされた膜は、前記第一のフレーム要素の第二の側及び前記第三のフレーム要素の第二の側の大部分に沿って弓形形状に配向された複数の第一のフィブリルを有する、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年8月26日に出願された仮出願第63/237,192号の利益を主張し、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示は、一般に、メディカルデバイスのための適合性カバーを含む装置、システム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、異なる直径、ピッチ又は角度のフレーム要素を有するメディカルデバイスとともに配置される適合性カバーを含む装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
インプラント可能なメディカルデバイスは、1つ以上のステント構成要素、及び、1つ以上のグラフト、カバー又は膜構成要素を含むことができる。1つ以上のステント構成要素は、複数の角度、直径又はピッチを含むことができる。1つ以上のグラフト構成要素は、フレーム構成要素に取り付けられるか又は結合されると、ステントの動きを阻害又は妨害する可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
要旨
本明細書の幾つかの例は、ステントの動きを阻害又は妨害することなく適合性を保ちながら互いに取り付けられる、ステント及びグラフト構成要素を含む、インプラント可能なメディカルデバイスを取り扱う。追加の特徴及び利点は、以下の説明及び関連する図面から明らかになるであろう。
【0005】
第一の例(「例1」)において、インプラント可能なメディカルデバイスは、第一の側と、該第一の側の反対側の第二の側とを有する第一の構造要素を含むフレームを含む。インプラント可能なデバイスは、さらに、少なくとも第一のらせん状に巻かれたフィルムと、該第一のらせん状に巻かれたフィルムに対してある角度でオーバーラップしている第二のらせん状に巻かれたフィルムとを含むバイアス巻きされた膜を含み、それぞれが第一の構造要素の第一の側に配置されている。第一のらせん状に巻かれたフィルムは、第一の構造要素の第一の側に沿って延在している弓形形状を有する第一の複数のフィブリルを有する。第一の複数のフィブリルの弓形形状は、第一の構造要素の側の大部分にわたって延在している。
【0006】
第二の例(「例2」)において、例1のインプラント可能なメディカルデバイスは、前記フレームが、第一の側と、該第一の側の反対側の第二の側とを有する第二の構造要素を含み、前記第二の構造要素が、前記第一のフレーム要素の周長よりも小さい周長を有することをさらに含み、前記第一のらせん状に巻かれたフィルムの第一の複数のフィブリルは、前記第二の構造要素の第一の側に沿って延在している。
【0007】
第三の例(「例3」)において、例2のインプラント可能なメディカルデバイスは、第二のらせん状に巻かれたフィルムが第一の構造要素及び第二の構造要素の第二の側に沿って延在することをさらに含み、前記第二のらせん状に巻かれたフィルムは、前記第一の構造要素の第二の側に沿って弓形形状の第二の複数のフィブリルを含み、前記第二の複数のフィブリルは、前記第二の構造要素の第二の側に沿って延在している。
【0008】
第四の例(「例4」)において、例3のインプラント可能なメディカルデバイスは、前記フレームが、前記フレームの長手方向軸に対して約15度~約85度の角度で延在している第三の構造要素を含むことをさらに含み、前記第一の複数のフィブリルは、らせん状の構成で約15度~約85度の角度で第三の構造要素の側に沿って延在している。
【0009】
第五の例(「例5」)において、例1~4のいずれか1つのインプラント可能なメディカルデバイスは、バイアス巻きされた膜の第一のらせん状に巻かれたフィルムの少なくとも一部が前記バイアス巻きされた膜の第二のらせん状に巻かれたフィルムの少なくとも一部に結合されることをさらに含む。
【0010】
第六の例(「例6」)において、例1~4のいずれか1つのインプラント可能なメディカルデバイスは、前記第一の構造要素が、前記第一の構造要素の第一の側及び第二の側のうちの少なくとも一方に沿って、前記バイアス巻きされた膜の少なくとも一部に結合され、そして前記第二の構造要素が、前記第二の構造要素の第一の側及び第二の側のうちの少なくとも一方の方向に沿って、前記バイアス巻きされた膜の少なくとも一部に結合されることをさらに含む。
【0011】
第七の例(「例7」)において、例1~6のいずれか1つのインプラント可能なメディカルデバイスは、前記第一の複数のフィブリルが隣接する弓状フィブリルに対して摺動するように構成されていることをさらに含む。
【0012】
第八の例(「例8」)において、例1~7のいずれか1つのインプラント可能なメディカルデバイスは、前記第一の構造要素がフランジであることをさらに含み、センサは前記フランジに結合されるか又は前記フランジと一体化され、前記フランジは、前記センサと組織との間で動作可能に係合するように、前記センサと組織とを係合するように動作可能である。
【0013】
第九の例(「例9」)において、請求項1~7のいずれか1項記載のインプラント可能なメディカルデバイスは、第一の構造要素がフランジであることをさらに含み、前記インプラント可能なメディカルデバイスは前記フランジに結合された又は一体化されたオクルーダを含み、前記フランジは前記オクルーダを組織に固定するように構成されている。
【0014】
第十の例(「例10」)において、インプラント可能なメディカルデバイスは、第一の周長を有する第一のフレーム要素と、第二の周長を有する第二のフレーム要素とを含むフレームを含み、前記第一のフレーム要素は、第一の側と、該第一の側の反対側にある第二の側とを有し、第一のらせん状に巻かれたフィルムと、前記第一のらせん状に巻かれたフィルムにある角度でオーバーラップされた第二のらせん状に巻かれたフィルムとを少なくとも含むバイアス巻きされた膜を含む。バイアス巻きされた膜は、前記第一のフレーム要素の第一の側に配置され、前記バイアス巻きされた膜は、前記第一のフレーム要素の第一の側に沿って弓形形状に配置された第一の複数のフィブリルと、前記第二のフレーム要素の第一の側に沿って弓形形状に配置された第二の複数のフィブリルとを有する。バイアス巻きされた膜は、前記第一の複数のフィブリルと前記第二の複数のフィブリルとの間に配置された第三の複数のフィブリルを有し、前記第三の複数のフィブリルはピッチ角を有する。
【0015】
第十一の例(「例11」)において、第二の側とは反対側の第一の側及び第一の直径を有する第一のフレーム要素と、第二の側とは反対側の第一の側及び第二の直径を有する第二のフレーム要素とを含むフレームを含み、前記第一の直径は前記第二の直径とは異なる、インプラント可能なメディカルデバイスを製造する方法は、第一のらせん状に巻かれたフィルムと、該第一のらせん状に巻かれたフィルムにある角度でオーバーラップする第二のらせん状に巻かれたフィルムとを含む第一のバイアス巻きされた膜を伸長して、前記第一のバイアス巻きされた膜の第一の複数のフィブリルの第一の巻き角を変化させることを含む。この方法は、伸長された第一のバイアス巻きされた膜を前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素の第一の側に配置して、前記第一のフレーム要素に沿った第一のバイアス巻きされた膜の第一の縁部と、前記第一のフレーム要素に沿った弓形形状のバイアス巻きされたフィルムの縁部とを画定することをさらに含む。この方法は、第一のらせん状に巻かれたフィルムと、該第一のらせん状に巻かれたフィルムにある角度でオーバーラップする第二のらせん状に巻かれたフィルムとを含む、第二のバイアス巻きされた膜を伸長して、前記第二のバイアス巻きされた膜の第二の複数のフィブリルの第二の巻き角を変化させることをさらに含む。この方法はさらに、前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素の第二の側に、伸長された第二のバイアス巻きされた膜を配置して、前記第一のフレーム要素に沿って第二のバイアス巻きされた膜の第一の縁部を画定することを含み、前記第二のバイアス巻きされた膜の第一の縁部は弓形形状を有する。
【0016】
第十二の例(「例12」)において、例11の方法は、前記第一のバイアス巻きされた膜の少なくとも一部を前記第二のバイアス巻きされた膜の少なくとも一部に結合することをさらに含む。
【0017】
第十三の例(「例13」)において、例11の方法は、前記第一のバイアス巻きされた膜の少なくとも一部を前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素の少なくとも一部に結合すること、及び、前記第二のバイアス巻きされた膜の少なくとも一部を前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素の少なくとも一部に結合することを含む。
【0018】
第十四の例(「例14」)において、例12~13のいずれかの方法は、前記第一の複数のフィブリルが前記第二の複数のフィブリルに対して摺動するように構成されており、前記第一のバイアス巻きされた膜及び前記第二のバイアス巻きされた膜が、前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素との接触を維持するように構成されていることをさらに含む。
【0019】
第十五の例(「例15」)において、例12~14のいずれか1つの方法は、前記第一の複数のフィブリルのピッチ角が、前記第一のフレーム要素と整合された前記バイアス巻きされた膜で第一のピッチ角であり、前記第二のフレーム要素と整合された前記バイアス巻きされた膜で第二のピッチ角であることをさらに含み、前記第一のピッチ角は前記第二のピッチ角とは異なる。
【0020】
第十六の例(「例16」)において、例15の方法は、前記第二の複数のフィブリルのピッチ角が、前記第一のフレーム要素と整合されたバイアス巻きされた膜で第三のピッチ角、及び、前記第二のフレーム要素と整合されたバイアス巻きされた膜で第四のピッチ角を備えることをさらに含み、前記第三のピッチ角は前記第四のピッチ角とは異なる。
【0021】
第十七の例(「例17」)において、例16の方法は、前記第二のピッチ角及び第四のピッチ角のうちの少なくとも1つは約15度~約85度であることをさらに含む。
【0022】
第十八の例(「例18」)において、インプラント可能なメディカルデバイスを製造する方法は、第一のバイアス巻きされた膜をマンドレルに沿って第一の方向に延伸すること、ここで、前記マンドレルは第一のセクション及びフランジセクションを画定する、第一のフレーム要素を前記マンドレルのフランジセクションの第一の側に適用すること、前記第一のフレーム要素を覆うように前記マンドレルに沿って前記第一の方向とは反対である第二の方向に第二のバイアス巻きされた膜を延伸すること、及び、前記第二のバイアス巻きされた膜を前記マンドレルに沿って前記第一の方向に反転させることを含む。この方法は、第二のフレーム要素を前記マンドレルのフランジセクションの第一の側に適用すること、前記第二のバイアス巻きされた膜を前記マンドレルに沿って前記第二の方向に反転させて、前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素を前記第一のバイアス巻きされた膜と前記第二のバイアス巻きされた膜との間に挟むことをさらに含む。
【0023】
第十九の例(「例19」)において、第一のフレーム要素、第二のフレーム要素及び第三のフレーム要素を含むフレームを含むインプラント可能なメディカルデバイスを製造する方法は、第一のらせん巻きされたフィルムと、該第一のらせん巻きされたフィルムにある角度でオーバーラップする第二のらせん巻きされたフィルムとを含む第一のバイアス巻きされた膜を延伸して、前記第一のバイアス巻きされた膜の第一の複数のフィブリルの第一の巻き角を変化させることを含む。この方法は、延伸された前記第一のバイアス巻きされた膜を、前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素及び前記第三のフレーム要素の第一の側に配置して、前記第二のフレーム要素に沿って第一のピッチ角、及び、前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素の第一の側の大部分に沿って延在している、複数の弓形形状フィブリルを画定させることをさらに含む。この方法は、第一のらせん状に巻かれたフィルムと、該第一のらせん状に巻かれたフィルムにある角度でオーバーラップする第二のらせん状に巻かれたフィルムとを含む、第二のバイアス巻きされた膜を延伸して、前記第二のバイアス巻きされた膜の第二の複数のフィブリルの第二の巻き角を変化させること、及び、延伸された前記第二のバイアス巻きされた膜を、前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素及び前記第三のフレーム要素の第二の側に配置して、前記第二のフレーム要素に沿った第二のバイアス巻きされた膜の第一のフィブリルの配向と、前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素に沿った第二のバイアス巻きされた膜の第二のフィブリルの配向を画定させることをさらに含み、前記第二のバイアス巻きされた膜は、前記第一のフレーム要素の第二の側及び前記第三のフレーム要素の第二の側の大部分に沿って弓形形状に配向された複数の第一のフィブリルを有する。
【0024】
前述の例は単なる実施例であり、本開示によって別途提供される本発明の概念の範囲を限定したり又は狭めたりするために解釈されるべきではない。複数の例が開示されているが、さらに他の実施形態は、例示的な例を示し説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に制限的なものではなく、本質的に例示的なものとして考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図面の簡単な説明
添付図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、実施形態を示し、記載とともに本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0026】
図1図1は、1つの実施形態による例示のインプラント可能なメディカルデバイスを示す図である。
【0027】
図2図2は、1つの実施形態による、1つ以上のバイアス巻きされた膜を含む例示のインプラント可能なメディカルデバイスの一部を示す図である。
【0028】
図3A図3Aは、1つの実施形態による、1つ以上のバイアス巻きされた膜を含む例示のインプラント可能なメディカルデバイスを示す図である。
【0029】
図3B図3Bは、1つの実施形態による、図3Aに示されるインプラント可能なメディカルデバイスの断面図である。
【0030】
図4A図4Aは、インプラント可能なメディカルデバイスの製造方法の例示の第一の工程における例示のインプラント可能なメディカルデバイスの写真である。
【0031】
図4B図4Bは、図4Aの例示のインプラント可能なメディカルデバイスの概略図である。
【0032】
図5A図5Aは、インプラント可能なメディカルデバイスの製造方法の例示の第二の工程における、図4Aに示されるインプラント可能なメディカルデバイスの写真である。
【0033】
図5B図5Bは、図5Aの例示のインプラント可能なメディカルデバイスの概略図である。
【0034】
図5C図5Cは、インプラント可能なメディカルデバイスの製造方法の例示の第二の工程における、図5Bに示されるとおりのインプラント可能なメディカルデバイスの断面図である。
【0035】
図6A図6Aは、インプラント可能なメディカルデバイスの製造方法の例示の第三の工程における図4A及び図5Aに示されるインプラント可能なメディカルデバイスの写真である。
【0036】
図6B図6Bは、図6Aのインプラント可能なメディカルデバイスの概略図である。
【0037】
図6C図6Cは、インプラント可能なメディカルデバイスの製造方法の例示の第三の工程における図6Bに示されるとおりのインプラント可能なメディカルデバイスの断面図である。
【0038】
図7A図7Aは、インプラント可能なメディカルデバイスの製造方法の例示の第四の工程における図4A、5A及び6Aに示されるインプラント可能なメディカルデバイスの写真である。そして
【0039】
図7B図7Bは、図7Aに示されるインプラント可能なメディカルデバイスの図である。
【0040】
図7C図7Cは、インプラント可能なメディカルデバイスの製造方法の例示の第四の工程における図7Bに示されるインプラント可能なメディカルデバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
詳細な説明
定義及び用語
本開示は、限定的に読まれることを意図したものではない。例えば、本出願で使用される用語は、その分野の専門家がそのような用語に帰する意味の文脈で広く読まれるべきである。
【0042】
不正確さの用語に関して、「約」及び「およそ」という用語は、記載された測定値を含む測定値、及び記載された測定値に合理的に近い任意の測定値も含む測定値を指すために互換的に使用されることがある。記載された測定値に合理的に近い測定値は、関連技術の当業者によって理解され容易に確認されるように、記載された測定値から合理的に小さな量だけ逸脱している。このような逸脱は、測定誤差、測定及び/又は製造装置の校正の違い、測定値の読み取り及び/又は設定における人的エラー、他の構成要素に関連する測定値の違いを考慮した性能及び/又は構造パラメータを最適化するために行われた微調整、特定の実装シナリオ、人又は機械による対象物の不正確な調整及び/又は操作などに起因する可能性がある。関連技術の当業者がそのような合理的に小さな差異の値を容易に確認できないと判断された場合には、「約」及び「およそ」という用語は、記載された値の+又は-10%を意味すると理解できる。
【0043】
本明細書で使用されるときに、「フィブリル」という用語は、材料層(例えば、膜)の一部を形成する小さい及び/又は細い繊維を指す。「フィブリル」を含む材料の典型的な例としては、ePTFE又は延伸ポリテトラフルオロエチレンが挙げられ、これは、フィブリル間にノードが点在するフィブリル構造、又は、ノードが存在しないもしくは実質的に存在しないフィブリル構造を含むことができる。他の材料、例えば膨張ポリマー材料も、フィブリル又はフィブリル化構造を画定することができる。図において、フィブリルは、バルク配向、すなわち層のフィブリルが延在する方向性を伝えるために、視覚化の目的で、より大きな目に見える線で表されている。しかしながら、様々な例において、フィブリルは実際には顕微鏡レベルで見ることができ、一般に肉眼だけでは見ることができない。さらに、図中のフィブリルの表現は、バルク配向、又は層のフィブリルが延在する全体的な方向性を伝えることを意図しているが、一般にこのバルク配向と整合しないある量のフィブリルも存在する可能性がある。
【0044】
様々な実施形態の説明
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現できることを容易に理解するであろう。また、本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を説明するために誇張されていることがあり、その点において、図面は限定的なものとして解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0045】
本開示の様々な態様は、ステント又はフレーム、及び1つ以上の膜構成要素を含むことができるインプラント可能なメディカルデバイスを対象とする。インプラント可能なメディカルデバイス、より具体的にはフレーム又はフレーム要素は、異なる直径、複数の角度、又はピッチを含むことができる。膜とも呼ばれる管状膜は、フレーム又はフレーム要素の1つ以上の部分に結合又は取り付けられて、インプラント可能なメディカルデバイスを形成することができる。参考までに、フレーム要素は、デバイスの全体的な支持フレームワークを画定するために、編組されたり、巻かれたり、切断(レーザ切断など)されたりすることがよくある。フレームは、しばしば、変形可能であり及び/又は可撓性がある。様々な例において、膜は、1つ以上のらせん状に巻かれたフィルム又はフィルムの層から形成される。膜(又は膜層)は、デバイスの長さに沿った異なるフレーム直径、複数のフレーム要素の角度、又はフレーム要素のピッチによって生じる可能性がある不連続性が軽減され又は排除されるように、適合性構造体でフレームに対して配置されうる。フレームの特徴に対するこの順応性又は適合性は、例えば、特定のフレームの特性に応じて、フレームの変形、可撓性及び/又は適合性を促進するのに役立つことができる。特定の例において、膜又は膜層はそれぞれ、フレーム又はフレーム要素の部分の間の異なる直径、複数の角度又はピッチによって生じうる不連続性を軽減又は排除するように構成された配向フィブリルを含む単一のチューブであることができる。より具体的には、膜又は各膜層を画定するフィルムは、らせん状に巻かれたフィルム又はフィルムの層を画定するために、長手方向又は長尺方向に配向されうる複数のフィブリルを含むことができるフィブリル化微細構造から構成されうる。膜又は膜層は、以下にさらに詳細に説明するように、フレーム又はフレーム要素の形状に適合しうる。
【0046】
図1は、1つの実施形態による例示的なインプラント可能なメディカルデバイス100の側面図である。インプラント可能なメディカルデバイス100は、フレーム102(例えば、ステント)を含むことができる。フレーム102(及びインプラント可能なメディカルデバイス100)は、複数の直径、ピッチ及び/又は形状の変化を含むことができる。図示のように、フレーム102は、例えば、少なくとも4つの異なる直径、ピッチ及び形状の変化を含む。特定の例において、フレーム102の領域のうちの1つは、フレーム102の別の部分(部分2)に対して外方にある角度で延在するフランジ(部分1)を含むことができる。フランジは、患者の体内の標的位置に結合するためのインプラント可能なメディカルデバイス100のアンカー及び/又は固定部分として使用されうる。フレーム102のフランジ(部分1)は、特定の場合に、フレーム102の他の部分(部分2)に対して垂直であることができる。図示のように、フレーム102は、部分1(例えば、第一の部分)、部分2(例えば、第二の部分)、部分3(例えば、第三の部分)及び部分4(例えば、第四の部分)を含み、これらの各々は、フレーム102の長手方向軸110に対して異なる直径、傾斜、ピッチ又は角度を含むことができる。特定の例において、インプラント可能なメディカルデバイス100は、オクルーダ、センサ、付属器アイソレータ、シャント、又はその他のインプラント可能なデバイスを含むか、又はさもなければオクルーダ、センサ、付属器アイソレータ、シャント、又はその他のインプラント可能なデバイスとして構成されうる。換言すれば、様々なデバイスは、インプラント可能なメディカルデバイス100に組み込まれ、それによって規定され、又はその他の方法で関連付けられてもよく、本開示は上記の例によって限定されることを意図するものではない。様々な実施形態において、フランジは、センサ、付属器アイソレータ、シャント、又は他の適切なデバイスを患者内の標的位置に結合して、デバイスの所望の動作を可能にするために使用されうる。例えば、フランジは、モニタリング、治療剤のデリバリー、又は他の様々な機能を完了できるように、標的位置の組織をセンサと動作可能に結合又は係合することができる。別の例として、フランジは、オクルーダを標的位置の組織に固定して、オクルーダの組織への適切な固定を確実にすることができる。
【0047】
特定の例において、以下でさらに詳細に説明するように、フレーム102は、フレーム102に結合又は取り付けられた1つ以上の膜104を含むことができる。1つ以上の膜104は、以下にさらに詳細に説明するように、様々な直径、ピッチ、又は形状の変化を有するフレーム102の個々のセクションに適合及び/又は整合するように構成されうる。インプラント可能なメディカルデバイス100は、心臓弁、シャント、オクルーダ、ステント又は上述のような直径、ピッチ又は形状の変化を含む他のインプラント可能なメディカルデバイスであることができる。
【0048】
図1に示されるように、フレーム102は膜104によって覆われている。膜104は、第一のらせん状に巻かれたフィルムの縁部212(図2)を有する第一のらせん状に巻かれたフィルム200(第一の複数のフィブリル204及びそれらのフィブリルが配向される方向を示す線によって一般に表される)、及び、第二のらせん状に巻かれたフィルムの縁部214(図2)を有する第二のらせん状に巻かれたフィルム202(第二の複数のフィブリル206及びそれらのフィブリルが配向される方向を示す線によって一般に表される)を含む、バイアス巻きされた膜104である。第一のらせん状に巻かれたフィルム200及び第二のらせん状に巻かれたフィルム202は、別個の膜(すなわち、複数の膜104)を形成してもよいし、又は、上述したように単一の膜104を形成するために一緒に付着又は結合されてもよい。さらに、第一の複数のフィブリル204及び第二の複数のフィブリル206は、第一のらせん状に巻かれたフィルム及び第二のらせん状に巻かれたフィルム200、202内の第一の複数のフィブリル及び第二の複数のフィブリル204、206の方向性を示すために、本明細書では概略的に示されている。さらに、本明細書に記載の「バイアス巻き」という用語は、第一のらせん状に巻かれたフィルム及び第二のらせん状に巻かれたフィルム200、202の配向、より具体的には、フィルム200、202の複数のフィブリル204、206の配向によって規定されうる。しかしながら、幾つかの実施形態において、複数のフィブリルのうちの少なくとも1つは、フレーム102と整合していないか、又は複数のフィブリルの大部分とほぼ同じ配向又はバルク方向性を有していなくてよい。フィブリルがノードからどのように延在するかにおけるフィブリルのランダムな性質により、様々なフィブリルは第一のらせん状に巻かれたフィルム及び第二のらせん状に巻かれたフィルム200、202の全体的な配向と一般に整合しない方向にノードから延在するであろう。したがって、本明細書の図に示すとおりの第一の複数のフィブリル204及び第二の複数のフィブリル206は、第一のらせん状に巻かれたフィルム及び第二のらせん状に巻かれたフィルム200、202を構成しうる個々のフィブリルの配向ではなく、フィブリルの大部分を表すことができる。換言すれば、本明細書の図に示すとおりの第一の複数のフィブリル204及び第二の複数のフィブリル206の方向性は、フィブリル204、206のそれぞれの平均方向性を表すことができる。他の場合において、図に示すとおりの第一の複数のフィブリル204及び第二の複数のフィブリル206n方向性は、フィブリル204、206の大部分の平均方向性を表すことができる。
【0049】
特定の例において、第二のらせん状に巻かれたフィルム202は、第一のらせん状に巻かれたフィルム200にある角度で少なくとも部分的にオーバーラップすることができる。上述したように、フレーム102は複数の直径を含むことができ、フレーム102は複数の構造要素を含み、フレーム102の各部分が異なる構造要素によって画定されるか、さもなければ異なる構造要素を含む。
【0050】
特定の例において、第一のらせん状に巻かれたフィルム200及び第二のらせん状に巻かれたフィルム202は、ある角度で少なくとも部分的にオーバーラップする。さらに、第一のらせん状に巻かれたフィルム200は、第一の構造要素(フレーム102の部分1)の第一の側に配置される。特定の例において、バイアス巻きされた膜104は、図2に示されるように、第一の複数のフィブリル204を含み、その結果、第一のらせん状に巻かれたフィルムの縁部212を含み、このようにして、バイアス巻きされた膜104の第一のバイアス巻きされた膜の縁部を画定する。このようにして、第一のらせん状に巻かれたフィルムの縁部212、したがって第一のバイアス巻きされた膜104の第一のバイアス巻きされた膜の縁部は、第一の構造要素(部分1)に沿って延在する弓形形状を有する。実施形態において、第一の構造要素(部分1)は、第一の側120と、該第一の側120の反対側である第二の側(図示せず)とを含むことができる。特定の例において、第一の側120及び第二の側は、反対側にある、又は、互いに対して対向する位置(例えば、第一の構造要素(部分1)の内面又は外面)にあることができる。幾つかの実施形態において、第一のらせん状に巻かれたフィルムの縁部212、したがって第一のバイアス巻きされた膜104の第一のバイアス巻きされた膜の縁部は、第一の構造要素(フレーム102の部分1(図2))の第一の側120に沿って延在する(例えば、図1の部分1及び3のように、及び、図2に示すように、構造要素が変化する周長を有する場合)。第一のバイアス巻きされた膜104の第一の複数のフィブリル204の弓形形状は、第一の構造要素(部分1)の第一の側120の大部分、又は幾つかの例では構造要素の大部分にわたって延在する。特定の例において、第一の複数のフィブリル204、したがって第一のらせん状に巻かれたフィルムの縁部212、及び、第二の複数のフィブリル206、したがって第二のらせん状に巻かれたフィルムの縁部214は、変化する周長を有する構造要素に沿った弓形形状を有する(図1の部分1及び3に示すとおり)。特定の例において、第一の複数のフィブリル204、したがって第一のらせん状に巻かれたフィルムの縁部212、及び第二の複数のフィブリル206、したがって第二のらせん状に巻かれたフィルムの縁部214は、らせん形状を有する(図1の部分2及び4に示されるとおり)。
【0051】
特定の場合において、フレーム102は、第一の側122と、第一の側122の反対側の第二の側(図示せず)とを有する第二の構造要素(例えば、部分2(図1))を含む。特定の例において、第一の側122及び第二の側は反対であることができ、又は互いに対して対向するように位置することができる(例えば、内側又は外側)。フレーム102の第二の構造要素(部分2)は、第一のフレーム要素の周長よりも小さい周長を有する。さらに、第一のらせん状に巻かれたフィルム200、したがって第一のらせん状に巻かれたフィルムの縁部212の第一の複数のフィブリル204は、第二の構造要素(部分2)の第一の側122に沿って延在する。特定の例において、第二のらせん状に巻かれたフィルム202は、第一の構造要素(フレーム102の部分1(図1))及び第二の構造要素(フレーム102の部分2)の第二の側に沿って延在する。特定の例において、互いにオーバーラップする第一のらせん状に巻かれたフィルム及び第二のらせん状に巻かれたフィルム200、202を含むバイアス巻きされた膜104は、第一の構造要素(部分1)の第一の側120、幾つかの場合には、第一の側122及び第二の側に沿って延在し、そして幾つかの場合には、第一の構造要素(部分1)に加えて、第二の構造要素(部分2)などの第一の側に沿って、また、幾つかの場合には、追加の構造要素の第一の側及び第二の側に沿って延在する。上述したように、第二のらせん状に巻かれたフィルム202は、第二の複数のフィブリル206を含み、第二の複数のフィブリル206は、弓形形状で第一の構造要素の第二の側に沿って延在することができ、そして第二の複数のフィブリル206は、第二の構造要素(部分2)の第二の側(図示せず)に沿って、真直ぐならせん角を画定する約15度~約85度の角度で延在することができる。例えば、角度は、約15度~約80度、約20度~約75度、約25度~約65度、約30度~約50度、又は約35度~約45度であることができる。
【0052】
特定の例において、フレーム102は、フレーム102の長手方向軸110に対して約15度~約85度の角度で延在する第三の構造要素(フレーム102の部分3(図1))を含む。例えば、角度は、約15度~約80度、約20度~約75度、約25度~約65度、約30度~約50度、又は約35度~約45度であることができる。特定の例において、第一の複数のフィブリル204の弓形形状は、図1に示されるように、弓形形状の第三の構造要素の側に沿って延在する。
【0053】
上述したように、バイアス巻きされた膜104の第一のらせん状に巻かれたフィルム200の少なくとも一部は、バイアス巻きされた膜104の第二のらせん状に巻かれたフィルム202の少なくとも一部に結合される。さらに、第一の構造要素(部分1)は、第一の構造要素(部分1)の第一の側120及び第二の側のうちの少なくとも一方に沿ってバイアス巻きされた膜104の少なくとも一部に結合され、第二の構造要素(部分2)は、第二の構造要素(部分2)の第一の側122及び第二の側のうちの少なくとも一方に沿って、バイアス巻きされた膜104の少なくとも一部に結合される。さらに、第一の複数のフィブリル204は、隣接する弓状フィブリルに対して摺動するように構成されている。
【0054】
図2は、1つの実施形態による、らせん状に巻かれてバイアス巻きされた膜104を形成する1つ以上のオーバーラップしている第一の複数のフィルム及び第二の複数のフィルム200、202を備えた例示のインプラント可能なメディカルデバイス100の一部の端面図である。インプラント可能なメディカルデバイス100は、心臓弁、シャント、オクルーダ、ステント又は他のインプラント可能なメディカルデバイスであることができる。本明細書で前述したように、第一のらせん状に巻かれたフィルム200は、第一のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部212を有し、第二のらせん状に巻かれたフィルム202は、第二のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部214を有する。第一のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部212及び第二のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部214は、第一のらせん状に巻かれたフィルム及び第二のらせん状に巻かれたフィルム200、202のオーバーラップ構成により、オーバーラップ様式で交差する。第一のらせん状に巻かれたフィルム200は、第一のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部212と実質的に整合された第一の複数のフィブリル204(例えば、図1に示されるように)を有することができる。第二のらせん状に巻かれたフィルム202は、第二のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部214と実質的に整合された第二の複数のフィブリル206(例えば、図1に示されるように)を有することができる。特定の例において、インプラント可能なメディカルデバイス100はフレーム102を含む。図1に示されており、図3にさらに詳細に示されているように、フレーム102は、第一の直径を有する第一のフレーム要素102aと、第二の直径を有する第二のフレーム要素102bとを含むことができ、ここで、第一の直径は第二の直径とは異なる。仮想線で一例としてのみ図2に示されているように、比較のために非バイアス巻きされた膜(一軸)フィルムの縁部210が示されている。
【0055】
インプラント可能なメディカルデバイス100はまた、フレーム102上に配置された第一のバイアス巻きされた膜104(図4B)と、フレーム102上に配置された第二のバイアス巻きされた膜312と、第一の構造要素及び第二の構造要素102a及び102b(例えば、図5B及び図6B、6C)とを含むことができる。第一のバイアス巻きされた膜104と同様に、第二のバイアス巻きされた膜312は、第一の複数のフィブリル204によって形成された第一のらせん状に巻かれた膜200と、第二の複数のフィブリル206によって形成された第二のらせん状に巻かれた膜202とを含むことができる。
【0056】
特定の例において、第一のバイアス巻きされた膜104は、フレーム102(又は第一のフレーム要素102a)の第一の側に配置されることができ、第二のバイアス巻きされた膜312は、フレーム102(又は第一のフレーム要素120a)の第二の側に配置されることができる。特定の例において、本明細書でさらに説明するように、第一の側及び第二の側は反対であることができ、又は互いに対して対向するように位置することができる(例えば、図3Bに示すように内側又は外側)。特定の例において、第一のらせん状に巻かれたフィルム200は、例えば、第一のフレーム要素102aと第二のフレーム要素102bを接続するウエスト領域において(例えば、図3Aに示されるとおり)、及び、例えば、第一のフレーム要素102aと第二のフレーム要素102bのフェース部分に沿って延在しているワイヤ部分301に沿って、フレーム102の少なくとも一部と整合されたピッチ角を示すように構成された第一のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部212を含む。第二のらせん状に巻かれたフィルム202は、フレーム102と整合されたピッチ角を示すように構成されうる第二のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部214を含むことができる。特定の例において、第一のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部212及び第二のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部214は、例えば、2つのより大きな直径部分を接続するウエスト領域(例えば、図3Bに示されるとおり)において、フレーム102の異なる直径、ピッチ又は形状変化で、フレーム102と整合されたピッチ角を示すように構成されており、ここで、2つのより大きな直径部分のらせん状に巻かれたフィルム200、202は弓形形状を有し、ウエスト領域において、らせん状に巻かれたフィルムは隣接する構造要素(例えば、ワイヤ)と整合されたピッチ角を有する。さらに、第一のらせん状に巻かれたフィルム200及び第二のらせん状に巻かれたフィルム202は、フレーム102に適合し、互いに対して相対的に摺動するように構成されることもできる。
【0057】
上述したように、特定の例において、第一のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部212及び第二のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部214は、フレーム102の異なる直径、ピッチ又は形状変化で、フレーム102又はフレーム102の一部と整合されたピッチ角を示すように構成されている。幾つかの実施形態において、ピッチ角は、約0度~約90度までの範囲であることができる。例えば、ピッチ角は、約5度~約80度、又は約15度~約70度、又は約30度~約50度の範囲であることができる。
【0058】
第一のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部212及び第二のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部214は、フレーム102内の直径、ピッチ、角度又は形状の関数として変化する角度を示すように構成されうる。他の例において、第一のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部212及び第二のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部214は、フレーム102の異なる直径、ピッチ又は形状変化に適合するように、特定の例では弓形であることができる(例えば、図3Aに示すとおり)。
【0059】
図3Aは、管状膜に形成され、第一のフレーム要素102a及び第二のフレーム要素102bに結合された1つ以上の第一のらせん状に巻かれたフィルム及び第二のらせん状に巻かれたフィルムを有する例示的なインプラント可能なメディカルデバイス100の端面図である。図示されるように、第一のフレーム要素及び第二のフレーム要素102a及び102bは異なる周長を有する。しかしながら、他の実施形態において、第一のフレーム要素及び第二のフレーム要素102a、102bは、ほぼ等しい周長を有することができる。インプラント可能なメディカルデバイス100は、第一の直径を備える第一のフレーム要素102aと、第二の直径を備える第二のフレーム要素102bとを有するフレーム102を含むことができる。特定の例において、第一の直径は第二の直径とは異なる(例えば、より大きい又はより小さい)。しかしながら、他の実施形態において、第一の直径は第二の直径とほぼ等しくてもよい。
【0060】
インプラント可能なメディカルデバイス100はまた、第一のバイアス巻きされた膜104及び第二のバイアス巻きされた膜312を含むこともできる。あるいは、第一のバイアス巻きされた膜104は、第一のバイアス巻きされた膜104が第一の部分と第二の部分とを含むように、その長さに沿って延在し、第一のバイアス巻きされた膜の第二の部分を形成することができる。図3Bは、1つの実施形態による、図3Aに示されるインプラント可能なメディカルデバイスの簡略化された断面図である。図示されるように、第一のバイアス巻きされた膜104は、第一のフレーム要素102aの第一の側410及び第二のフレーム要素102bの第一の側416上に配置されることができ、第二のバイアス巻きされた膜312は、第一のフレーム要素102aの第二の側412及び第二のフレーム要素102bの第二の側414上に配置されることができる。第一のバイアス巻きされた膜104が第一の部分及び第二の部分を含む実施形態において、第一の部分は、第一のフレーム要素102aの第一の側410及び第二のフレーム要素102bの第一の側416上に配置されることができ、第二の部分は、第一のフレーム要素102aの第二の側412及び第二のフレーム要素102bの第二の側414上に配置されることができる。
【0061】
第一のバイアス巻きされた膜104及び第二のバイアス巻きされた膜312は、1つ以上の箇所で互いに接続、結合又は接着されうる。特定の例において、第一のバイアス巻きされた膜104の少なくとも一部は、第二のバイアス巻きされた膜312の少なくとも一部に接着される。さらに、特定の例において、第一のバイアス巻きされた膜104の少なくとも一部は、第一のフレーム要素102a及び第二のフレーム要素102bの少なくとも一部に接着され、第二のバイアス巻きされた膜312の少なくとも一部は、第一のフレーム要素102a及び第二のフレーム要素102bの少なくとも一部に接着される。
【0062】
特定の例において、第一のらせん状に巻かれたフィルム200は、第一のらせん状に巻かれたフィルム200にオーバーラップする第二のらせん状に巻かれたフィルム202に対して摺動するように構成されうる。他の例において、第一のらせん状に巻かれたフィルム200及びオーバーラップしている第二のらせん状に巻かれたフィルム202は、それぞれ、各フィルム内で相互に摺動するフィブリルを有し、これにより、らせん状に巻かれたフィルム200、202の弓形形状が生じることが可能になる。さらに、第一のバイアス巻きされた膜104及び第二のバイアス巻きされた膜312は、第一のフレーム要素102a及び第二のフレーム要素102bとの接触を維持するように構成される。第一のフレーム要素及び第二のフレーム要素102a、102bはそれぞれ、複数のストラット要素を含むことができる。複数のストラット要素は、第一のフレーム要素102aを含む第一のフランジ404と、第二のフレーム要素102bを含む筒形流体通路とを形成することができる。
【0063】
図4~7は、本開示の様々な態様と一致する、インプラント可能なメディカルデバイスを製造する例示的な方法の工程を示す。特定の例において、図4~7は、第一の直径を有する第一のフレーム要素102aと、第二の直径を有する第二のフレーム要素102bとを含むフレーム102を含み、第一の直径は第二の直径とは異なる、インプラント可能なメディカルデバイス100を製造する例示的な方法の工程を示す。
【0064】
図4Aは、インプラント可能なメディカルデバイスの製造方法の例示の第一の工程における例示のインプラント可能なメディカルデバイス100の写真である。図4Bは、図4Aのインプラント可能なメディカルデバイス100の概略図である。第一のバイアス巻きされた膜104は、フランジ404の有効直径405とほぼ同じか、それよりわずかに小さい直径を有する、マンドレル400上に管状の形態で配置される。特定の例において、第一のバイアス巻きされた膜104、又は第一のバイアス巻きされた膜104の一部は伸長又は延伸されて、延伸された部分がより小さい直径を有し、例えば、マンドレル400の直径とほぼ等しい直径を有するように、第一のバイアス巻きされた膜104の少なくとも第一のらせん状巻きされたフィルム202の巻き角を変化させる。特定の例において、フランジ404(図4に六角形で示されている)の有効直径405にほぼ等しいか、又はそれよりわずかに小さい第一の直径を有する第一のバイアス巻きされた膜104は、マンドレル400に沿って第一の方向に延伸され、フランジ404の面に沿った第一のセクション402と、第二の直径407を、例えばマンドレル400に沿って有する第二のセクション406とを形成し、第二の直径407は、フランジ404の有効直径D5よりも小さい値を有する。
【0065】
次に、延伸された第一のバイアス巻きされた膜104は、第一のフレーム要素102aの第一の側410に配置される。特定の例において、第一のフレーム要素102aは、マンドレル400のフランジ404の第一のセクション402の第一の側に配置される。より具体的には、第一のフレーム要素102aは、第一のフレーム要素102aがマンドレル400の周囲及びフランジ404の上に配置されるように、マンドレル400のフランジ404の第一のセクション402の上に配置された第一のバイアス巻きされた膜104上に配置される。特定の例において、マンドレル400のフランジ404の第一のセクション402は、第一のフレーム要素102aを所望の位置に保持するために、第一のフレーム要素102aの形状に対応する形状を含むことができる。以下でさらに詳細に説明するように、延伸された第一のバイアス巻きされた膜104はまた、第二のフレーム要素102b上に配置される。その結果、第一のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部212を含む、延伸された第一のバイアス巻きされた膜104は、第一のフレーム要素102aの面及び第二のフレーム要素102bの面に沿って弓形形状を示す。
【0066】
図5Aは、インプラント可能なメディカルデバイス100を製造する方法の例示の第二の工程における図4Aに示されるインプラント可能なメディカルデバイス100の写真である。図5B~5Cは、図5Aのインプラント可能なメディカルデバイス100の概略図である。より具体的には、図5Bは、インプラント可能なメディカルデバイスの側面斜視図であり、一方、図5Cは、インプラント可能なメディカルデバイスの簡略化された断面図を示す。第二のバイアス巻きされた膜312は、第一のフレーム要素102aとともに配置される。特定の例において、第二のバイアス巻きされた膜312は、第二の複数のフィブリル206の巻き角を変化させ、第二のバイアス巻きされた膜312の第一のらせん状に巻かれたフィルム及び第二のらせん状に巻かれたフィルム200、202のうちの少なくとも1つの縁部を変化させるように延伸される。特定の例において、延伸された第二のバイアス巻きされた膜312は、第一のフレーム要素102aの第二の側412及び第二のフレーム要素102bの第二の側414上に配置され、第一のフレーム要素102aの面及び第二のフレーム要素102bの面に沿った弓形形状を示す。特定の例において、バイアス巻きされた膜104の第一のらせん状に巻かれたフィルム200と、第一のらせん状に巻かれたフィルム200にオーバーラップする第二のらせん状に巻かれたフィルム202は、第一のフレーム要素102a及び第二のフレーム要素102bに適合するように構成されている。第一のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部212及び第二のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部214は、第一のフレーム要素102aに沿った弓形形状を有し、さらに、第一のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部212及び第二のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部214は、互いに対して摺動することができる。他の実施形態において、第一のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部212及び第二のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部214は互いに対して摺動しない。幾つかの実施形態において、第一のフレーム要素102a及び第二のフレーム要素102bに沿って配置されたフィブリルは、第一のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部212及び第二のらせん状に巻かれたフィルムの第一の縁部214がそれらの縁部に沿って弓形形状を形成するように、互いに対して摺動する。したがって、フランジ404は、平面及び/又は曲面に適合可能であり、インプラント可能なメディカルデバイス100を患者の様々な位置、例えば、限定するわけではないが、胃、肝臓、心臓、血管の表面に固定及び結合するためのアンカー又は固定要素として機能する。しかしながら、フランジ404がアンカーとして機能できるように、フランジ404の他の様々な表面構成を組み込んでもよい。
【0067】
特定の例において、図6Cに示されるように、第二のバイアス巻きされた膜312は、マンドレル400に沿って第一の方向とは反対の第二の方向に伸長されて、第一のフレーム要素102aを覆う。
【0068】
特定の例において、第一のバイアス巻きされた膜104の第一の複数のフィブリル、及び第一のバイアス巻きされた膜の第一の縁部212のピッチ角は、第一のフレーム要素102aと整合された第一のバイアス巻きされた膜104の部分において第一のピッチ角、及び、第二のフレーム要素102bと整合された第一のバイアス巻きされた膜104の部分において第二のピッチ角を備える。第一のバイアス巻きされた膜104の第一のピッチ及び第二のピッチ角は、互いに異なっていてもよい(例えば、より大きい又はより小さい)。例えば、幾つかの実施形態において、第一のピッチ角は第二のピッチ角より大きくてよい。他の実施形態において、第一のピッチ角は第二のピッチ角より小さくてよい。第一のバイアス巻きされた膜204内の異なるピッチ角は、第一のフレーム要素及び第二のフレーム要素102a、102bの異なる直径とともに変化する。第一のフレーム要素及び第二のフレーム要素102、102bの異なる直径とともに変化する第一のバイアス巻きされた膜204内の異なるピッチ角は、第一のバイアス巻きされた膜204が第一のフレーム要素及び第二のフレーム要素102、102bのそれぞれに適合することを促進することができる。第一のバイアス巻きされた膜は、インプラント可能なメディカルデバイス100のテーパ型又は角度付き部分に沿った弓形形状のフィルム縁部及びフィブリルを有することができる。例えば、図1において、第一のフレーム要素102a及び第二のフレーム要素102bは、フレーム要素と整合していても又は整合していなくてもよいピッチ角を有することができ、テーパ型部分は、弓形形状のフィルムの縁部及びフィブリルを有することができる。他の例において、第一のバイアス巻きされた膜及び第二のバイアス巻きされた膜104、312のピッチ角は、第一のフレーム要素及び第二のフレーム要素と整合されることができ、ここで、第一のフレーム要素及び第二のフレーム要素のうちの少なくとも一方はウエスト領域602に沿って延在する(例えば、図6C及び7Cに示されているとおり)。
【0069】
特定の場合において(例えば、図1に示されるデバイスの場合)、第一のバイアス巻きされた膜及び第二のバイアス巻きされた膜104、312の第二の複数のフィブリル及び縁部のピッチ角は、第一のフレーム要素102aと整合された第二のバイアス巻きされた膜312の部分に第三のピッチ角、及び、第二のフレーム要素102bと整合された第一のバイアス巻きされた膜及び第二のバイアス巻きされた膜104、312の部分に第四のピッチ角を含む。さらに、第三のピッチ角は第四のピッチ角と異なることができる。例えば、第三のピッチ角は、第四のピッチ角の値よりも大きい値を有することができる。さらに、他の実施形態において、第三のピッチ角の値は、第四のピッチ角の値より小さくてよい。第一のフレーム要素及び第二のフレーム要素102a、102の異なる直径とともに変化する第一のバイアス巻きされた膜及び第二のバイアス巻きされた膜104、312内の異なるピッチ角は、第一のバイアス巻きされた膜及び第二のバイアス巻きされた膜104、312が第一のフレーム要素及び第二のフレーム要素102a、102bのそれぞれに適合することを促進することができる。第二のピッチ角及び第四のピッチ角の一方又は両方は、約15度~約85度であることができる。幾つかの実施形態において、ピッチ角は、約0度~90度までの範囲であることができる。例えば、ピッチ角は、約5度~約80度、又は約15度~約70度、又は約30度~約50度の範囲であることができる。特定の例において、単一のバイアス巻きされた膜は使用されうる。
【0070】
図6Aは、インプラント可能なメディカルデバイスの製造方法の例示の第三の工程における図4A及び5Aに示されるインプラント可能なメディカルデバイス100の写真である。図6Bは、図6Aに示されるインプラント可能なメディカルデバイスの概略側面斜視図であり、図6Bは、図6Bに示されるインプラント可能なメディカルデバイスの簡略化された断面図である。第二のフランジ408は、第二のバイアス巻きされた膜312に沿って配置されうる。図示されるように、第二のバイアス巻きされた膜312は、フランジ408上で反転され(例示の目的で、第二のバイアス巻きされた膜312の層間にエアギャップが示される)、そして、第二のフレーム要素102bは、第二のバイアス巻きされた膜312の反転部分に沿って適用される。図7Bに示されるように、第一のバイアス巻きされた膜は、第二のフレーム要素102b(及び第一のフレーム要素102a)の上で反転される。特定の例において、第二のバイアス巻きされた膜312は、マンドレル400に沿って第一の方向に反転されうる。特定の例において、第二のバイアス巻きされた膜312は、マンドレル400に沿って第二の方向に反転されて、第一のバイアス巻きされた膜204と第二のバイアス巻きされた膜312との間で第一のフレーム要素102a及び第二のフレーム要素102bを挟むことができる。第二のフレーム要素102bはマンドレル400のフランジの第一の側に適用されうる。
【0071】
図7Aは、インプラント可能なメディカルデバイス100の製造方法の例示の第四の工程における図4A、5A及び6Aに示されるインプラント可能なメディカルデバイス100の写真である。図7Bは、図7Aのインプラント可能なメディカルデバイス100の概略側面斜視図である。特定の例において、第一のバイアス巻きされた膜204は、第二のフレーム要素102b上で反転されて、第一のフレーム要素102a及び第二のフレーム要素102bを挟む。図7Bは、1つの実施形態による、図7Aに示されるインプラント可能なメディカルデバイスの簡略化された断面図である。図示されるように、第一のバイアス巻きされた膜104は、第一のフレーム要素102aの第一の側140及び第二のフレーム要素102bの第一の側416上に配置されることができ、第二のバイアス巻きされた膜312は、第一のフレーム要素102aの第二の側412及び第二のフレーム要素102bの第二の側414上に配置されうる。
【0072】
特定の例において、第一のバイアス巻きされた膜104の少なくとも一部は、第二のバイアス巻きされた膜312の少なくとも一部に結合されうる。さらに、第一のバイアス巻きされた膜104の少なくとも一部は、第一のフレーム要素102a及び第二のフレーム要素102bの少なくとも一部に結合されることができ、第二のバイアス巻きされた膜312の少なくとも一部は、第一のフレーム要素102a及び第二のフレーム要素102bの少なくとも一部に結合されることができる。
【0073】
第一のフランジ404及び第二のフランジ408の2つのフランジを有するものとして上述したが、インプラント可能なメディカルデバイス100は単一のフランジを備えても、又は複数のフランジを備えてもよい。このような実施形態において、インプラント可能なメディカルデバイス100は、1つ以上のフランジの使用を通じてアンカー又は固定デバイスとして機能することができる。前述のように、少なくとも1つ以上のフランジが平面及び/又は曲面に適合可能であるために、1つ以上のフランジは、例えば胃、心臓及び肝臓又は血管などの様々な器官の平面及び/又は曲面で使用する際に実装されることができ、インプラント可能なメディカルデバイス100を所望の器官及び/又は血管の表面組織に結合することができる。
【0074】
本明細書に記載の様々な実施形態のフィルムは、グラフト構成要素として説明することができ、生体適合性材料から形成することができる。特定の場合において、そのような材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ポリマー又は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)ポリマーなどのフルオロポリマーを含むことができる。幾つかの例において、グラフトは、限定するわけではないが、ポリエステル、シリコーン、ウレタン、ポリエチレンテレフタレートもしくは別の生体適合性ポリマー、又はそれらの組み合わせなどから形成されうる。幾つかの例において、生体再吸収性又は生体吸収性材料、例えば生体再吸収性又は生体吸収性ポリマーが使用されうる。幾つかの例において、グラフト構成要素又はフィルム材料には、ダクロン、ポリオレフィン、カルボキシメチルセルロース布帛、ポリウレタン、又は他の織布、不織布、又はフィルムエラストマーが含まれることができる。特定の例において、グラフト構成要素は、ePTFEについて論じたものと(例えば、構造及び/又は機能において)同様のフィブリル化又はフィブリル構造を示す膨張ポリエチレン(ePE)などのポリエチレンを含むことができる。
【0075】
さらに、ニチノール(NiTi)は、フレーム(本明細書で論じられるフレームのいずれかを含む)の材料として使用されうるが、他の材料、例えば、限定するわけではないが、ステンレス鋼、L605鋼、ポリマー、MP35N、ポリマー材料、Pyhnox、Elgiloy又は任意の他の適切な生体適合性材料、及びそれらの組み合わせをフレーム材料として使用することができる。NiTiの超弾性特性及び柔らかさにより、フレームの適合性が向上しうる。さらに、NiTiは所望の形状に形状設定することができる。すなわち、フレームがデリバリーシステム(図示せず)から展開されるときなど、フレームが拘束されていないときに、フレームが所望の形状に自己拡張する傾向があるように、NiTiを形状設定することができる。
【0076】
本出願の発明は、一般的に、及び特定の実施形態に関して上で説明された。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態に様々な改変及び変更を加えることができることが当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその均等の範囲内にある限り、本発明の改変及び変形を包含することが意図されている。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
【図
図6B
図7A
図7B
図7C
【手続補正書】
【提出日】2024-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の側と、該第一の側の反対側の第二の側とを有する第一の構造要素を含むフレーム、及び、
少なくとも第一のらせん状に巻かれたフィルムと、該第一のらせん状に巻かれたフィルムにある角度で少なくとも部分的にオーバーラップする第二のらせん状に巻かれたフィルムとを含み、前記第一のらせん状に巻かれたフィルム及び前記第二のらせん状に巻かれたフィルムのそれぞれは、前記第一の構造要素の第一の側の上に配置されている、バイアス巻きされた膜、
を含む、インプラント可能なメディカルデバイスであって、
前記第一のらせん状に巻かれたフィルムは、前記第一の構造要素の第一の側に沿って延在している弓形形状を有する第一の複数のフィブリルを有し、前記第一の複数のフィブリルの弓形形状は前記第一の構造要素の側の大部分にわたって延在している、インプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項2】
前記フレームは、第一の側と、該第一の側の反対側の第二の側とを有する第二の構造要素を含み、前記第二の構造要素は、前記第一のフレーム要素の周長よりも小さい周長を有し、前記第一のらせん状に巻かれたフィルムの第一の複数のフィブリルは、前記第二の構造要素の第一の側に沿って延在している、請求項1に記載のインプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項3】
前記第二のらせん状に巻かれたフィルムは、前記第一の構造要素及び前記第二の構造要素の第二の側に沿って延在し、前記第二のらせん状に巻かれたフィルムは、前記第一の構造要素の第二の側に沿って弓形形状で第二の複数のフィブリルを含み、前記第二の複数のフィブリルは前記第二の構造要素の第二の側に沿って延在している、請求項2に記載のインプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項4】
前記フレームは、前記フレームの長手方向軸に対して約15度~約85度の角度で延在する第三の構造要素を含み、前記第一の複数のフィブリルは、前記第三の構造要素の側に沿って、約15度~約85度の角度でらせん状構成にて延在している、請求項3に記載のインプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項5】
前記バイアス巻きされた膜の前記第一のらせん状に巻かれたフィルムの少なくとも一部は、前記バイアス巻きされた膜の前記第二のらせん巻きされたフィルムの少なくとも一部に結合されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のインプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項6】
前記第一の構造要素は、前記第一の構造要素の第一の側及び第二の側のうちの少なくとも一方に沿って、前記バイアス巻きされた膜の少なくとも一部に結合され、前記第二の構造要素は、前記第二の構造要素の第一の側及び第二の側のうちの少なくとも一方に沿って、前記バイアス巻きされた膜の少なくとも一部に結合されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のインプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項7】
前記第一の複数のフィブリルは、隣接する弓状フィブリルに対して摺動するように構成されている、請求項1~のいずれか1項に記載のインプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項8】
前記第一の構造要素はフランジであり、センサが前記フランジに結合されるか又は一体化され、その結果、前記フランジは前記センサと組織との間の動作可能な係合を得るように前記センサと組織とを係合するように動作可能である、請求項1~のいずれか1項に記載のインプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項9】
前記第一の構造要素はフランジであり、前記インプラント可能なメディカルデバイスは、前記フランジに結合された又は一体化されたオクルーダを含み、その結果、前記フランジは前記オクルーダを組織に固定するように構成されている、請求項1~のいずれか1項に記載のインプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項10】
第一の周長を有する第一のフレーム要素と、第二の周長を有する第二のフレーム要素とを含み、前記第一のフレーム要素は第一の側と、該第一の側の反対側の第二の側とを有する、フレーム、
第一のらせん状に巻かれたフィルムと、該第一のらせん状に巻かれたフィルムにある角度で少なくとも部分的にオーバーラップする第二のらせん状に巻かれたフィルムとを少なくとも含む、バイアス巻きされた膜であって、前記バイアス巻きされた膜は前記第一のフレーム要素の第一の側の上に配置され、前記バイアス巻きされた膜は、前記第一のフレーム要素の第一の側に沿って弓形形状に配置された第一の複数のフィブリルと、前記第二のフレーム要素の第一の側に沿って弓形形状に配置された第二の複数のフィブリルとを有する、バイアス巻きされた膜、
を含む、インプラント可能なメディカルデバイスであって、
前記バイアス巻きされた膜は、前記第一の複数のフィブリルと前記第二の複数のフィブリルとの間に配置された第三の複数のフィブリルを有し、前記第三の複数のフィブリルはピッチ角を有する、インプラント可能なメディカルデバイス。
【請求項11】
第二の側と反対側の第一の側を有しそして第一の直径を有する第一のフレーム要素と、第二の側と反対側の第一の側を有しそして第二の直径を有する第二のフレーム要素とを含むフレームを含み、前記第一の直径は第二の直径とは異なる、インプラント可能なメディカルデバイスを製造する方法であって、前記方法は、
第一のらせん状に巻かれたフィルムと、該第一のらせん状に巻かれたフィルムにある角度でオーバーラップする第二のらせん状に巻かれたフィルムとを含む第一のバイアス巻きされた膜を伸長させ、前記第一のバイアス巻きされた膜の第一の複数のフィブリルの第一の巻き角を変化させること、
前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素の第一の側の上に、伸長された第一のバイアス巻きされた膜を配置して、前記第一のフレーム要素に沿った第一のバイアス巻きされた膜の第一の縁部、及び、前記第一のフレーム要素に沿った弓形形状のバイアス巻きされた膜の縁部を画定すること、
第一のらせん状に巻かれたフィルムと、該第一のらせん状に巻かれたフィルムにある角度でオーバーラップする第二のらせん状に巻かれたフィルムとを含む第二のバイアス巻きされた膜を伸長させ、前記第二のバイアス巻きされた膜の第二の複数のフィブリルの第二の巻き角を変化させること、及び、
前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素の第二の側の上に、伸長された第二のバイアス巻きされた膜を配置して、前記第一のフレーム要素に沿った第二のバイアス巻きされた膜の第一の縁部を画定すること、ここで、前記第二のバイアス巻きされた膜の第一の縁部は弓形形状を有する、
を含む、方法。
【請求項12】
前記第一のバイアス巻きされた膜の少なくとも一部を前記第二のバイアス巻きされた膜の少なくとも一部に結合することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第一のバイアス巻きされた膜の少なくとも一部を前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素の少なくとも一部に結合すること、及び、前記第二のバイアス巻きされた膜の少なくとも一部を前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素の少なくとも一部に結合することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第一の複数のフィブリルは前記第二の複数のフィブリルに対して摺動するように構成され、前記第一のバイアス巻きされた膜と前記第二のバイアス巻きされた膜は前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素との接触を維持するように構成されている、請求項12~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記第一の複数のフィブリルのピッチ角は、前記第一のフレーム要素と整合された前記バイアス巻きされた膜で第一のピッチ角であり、前記第二のフレーム要素と整合された前記バイアス巻きされた膜で第二のピッチ角であり、前記第一のピッチ角は前記第二のピッチ角とは異なる、請求項12~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記第二の複数のフィブリルのピッチ角は、前記第一のフレーム要素と整合された前記バイアス巻きされた膜で第三のピッチ角を備え、前記第二のフレーム要素と整合された前記バイアス巻きされた膜で第四のピッチ角を備え、前記第三のピッチ角は前記第四のピッチ角とは異なる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第二のピッチ角及び前記第四のピッチ角のうちの少なくとも1つは、約15度~約85度である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
インプラント可能なメディカルデバイスを製造する方法であって、前記方法は、
第一のバイアス巻きされた膜をマンドレルに沿って第一の方向に延伸すること、ここで、前記マンドレルは第一のセクション及びフランジセクションを画定する、
第一のフレーム要素を前記マンドレルのフランジセクションの第一の側に適用すること、
前記第一のフレーム要素を覆うように、第二のバイアス巻きされた膜を前記マンドレルに沿って前記第一の方向とは反対である第二の方向に延伸すること、
前記第二のバイアス巻きされた膜を前記マンドレルに沿って前記第一の方向に反転させること、
第二のフレーム要素を前記マンドレルのフランジセクションの第一の側に適用すること、 及び、
前記第一のバイアス巻きされた膜と前記第二のバイアス巻きされた膜との間に前記第一のフレーム要素と前記第二のフレーム要素を挟むように、前記第二のバイアス巻きされた膜を前記マンドレルに沿って前記第二の方向に反転させること、
を含む、方法。
【請求項19】
第一のフレーム要素、第二のフレーム要素及び第三のフレーム要素を含むフレームを含むインプラント可能なメディカルデバイスを製造する方法であって、前記方法は、
第一のらせん状に巻かれたフィルムと、該第一のらせん状に巻かれたフィルムにある角度でオーバーラップする第二のらせん状に巻かれたフィルムとを含む第一のバイアス巻きされた膜を伸長させて、前記第一のバイアス巻きされた膜の第一の複数のフィブリルの第一の巻き角を変化させること、
前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素及び前記第三のフレーム要素の第一の側の上に、伸長された第一のバイアス巻きされた膜を配置して、前記第二のフレーム要素に沿って第一のピッチ角を画定し、前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素の第一の側の大部分に沿って延在する複数の弓形形状のフィブリルを画定すること、
第一のらせん状に巻かれたフィルムと、該第一のらせん状に巻かれたフィルムにある角度で少なくとも部分的にオーバーラップする第二のらせん状に巻かれたフィルムとを含む、第二のバイアス巻きされた膜を伸長させて、前記第二のバイアス巻きされた膜の第二の複数のフィブリルの第二の巻き角を変化させること、及び、
前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素及び前記第三のフレーム要素の第二の側の上に、伸長された第二のバイアス巻きされた膜を配置して、前記第二のフレーム要素に沿った第二のバイアス巻きされた膜の第一のフィブリル配向を画定し、前記第一のフレーム要素及び前記第二のフレーム要素に沿った第二のバイアス巻きされた膜の第二のフィブリル配向を画定すること、ここで、前記第二のバイアス巻きされた膜は、前記第一のフレーム要素の第二の側及び前記第三のフレーム要素の第二の側の大部分に沿って弓形形状に配向された複数の第一のフィブリルを有する、
を含む、方法。
【国際調査報告】