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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】尿排出監視システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20240816BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512192
(86)(22)【出願日】2022-08-02
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 US2022039191
(87)【国際公開番号】W WO2023027871
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】63/236,062
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591018693
【氏名又は名称】シー・アール・バード・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】1 Becton Drive Franklin Lakes NEW JERSEY 07417 UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100107249
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 恭久
(72)【発明者】
【氏名】コンプトン、クレイトン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ター、マシュー アール.
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー、アンドリュー エル.
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA22
(57)【要約】
本明細書に開示されるのは、モニタと通信する流量計を有する尿収集装置を含む尿排出監視システムである。尿収集装置カテーテルは、尿収集バッグと、排出チューブと、尿カテーテルとを含む。流量計のコンソールは、モニタのコンソールと無線で通信する。モニタは、ディスプレイに尿流量情報を表示するとともに、尿流量情報をEMRシステムに無線で送信する。流量計は流量計識別子を含み、システムは尿流量情報を流量計識別子に関連付ける。モニタはさらに、流量計識別子をEMRシステムからの患者識別情報に関連付けるとともに、患者識別情報をディスプレイに表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿排出収集装置であって、前記尿排出収集装置は、
尿カテーテルであって、前記尿カテーテルと尿収集バッグとの間に延在する排出チューブを介して前記尿収集バッグに結合された、尿カテーテルと、
前記尿カテーテルから前記尿収集バッグに流れる尿の流量を測定するように構成され、前記排出チューブと直列に配置された流量計と、を備え、
前記流量計は、1つまたは複数のプロセッサと、流量計ロジックを記憶した非一時的なコンピュータ可読媒体と含む流量計コンソールを含み、
前記流量計ロジックは、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、
尿流量データを測定することと、
(i)前記尿流量データと、(ii)前記非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶された流量計識別子とをモニタに無線で送信することと、
を含む流量計動作を行う、尿排出収集装置。
【請求項2】
前記排出チューブに結合されたサンプルポートをさらに備え、前記サンプルポートは、医師が容積測定器具を介して前記排出チューブから前記尿のサンプルを抜き取ることが出来るように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記流量計識別子は、英数字、特殊文字、スペース、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される文字を含む、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記流量計コンソールはバッテリを含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
尿カテーテル、前記排出チューブ、および前記尿収集バッグは、事前に接続された閉鎖型流体システムを形成する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記流量計は使い捨てである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
尿排出監視システムであって、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の前記尿排出装置と、
前記流量計と無線通信する請求項1に記載の前記モニタと、を備え、
前記モニタは、1つまたは複数のプロセッサと、モニタロジックを記憶した非一時的なコンピュータ可読媒体と含むモニタコンソールを含み、
前記モニタロジックは、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、
前記尿流量データおよび前記流量計識別子を前記流量計から受信することと、
前記尿流量データを前記モニタのディスプレイに表示することと、
を含むモニタ動作を行う、尿排出監視システム。
【請求項8】
前記モニタ動作は、前記尿流量データを前記流量計識別子と相関させることをさらに含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記モニタ動作は、前記尿流量データを時刻と相関させることで、相関された尿流量データを形成することをさらに含む、請求項7または8に記載のシステム。
【請求項10】
前記モニタ動作は、
前記尿流量データを時間に関して積分することで、尿排出量を計算することと、
前記尿排出量を前記ディスプレイに表示することと、
をさらに含む、請求項7乃至9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記モニタ動作は、電子医療記録(EMR)システムと通信することをさらに含む、請求項7乃至10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記モニタ動作は、前記相関された尿流量データおよび前記尿排出量を前記EMRシステムに送信することをさらに含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記モニタ動作は、
前記流量計から流量計バッテリレベルを受信することと、
前記バッテリレベルを前記ディスプレイに表示すること及び前記バッテリレベルを前記EMRシステムに送信することのうちの少なくとも1つと、
をさらに含む、請求項11または12に記載のシステム。
【請求項14】
前記モニタ動作は、前記流量計識別子を前記EMRシステムからの患者識別情報と相関させることをさらに含む、請求項11乃至13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記モニタ動作は、前記患者識別情報を前記ディスプレイに表示することをさらに含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記モニタは、施設電源から電力を供給される、請求項7乃至15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記モニタは、バックアップバッテリを含む、請求項7乃至16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記モニタは、前記モニタを患者のベッドに取り外し可能に固定するように構成された結合部を含む、請求項7乃至17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記結合部は、1つまたは複数のヒンジクランプを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
患者の尿排出を監視する方法であって、
尿排出を、尿監視システムの流量計を通るように方向付ける工程と、
前記尿排出を前記尿監視システムの尿収集バッグ内に捕捉する工程と、
前記流量計から尿流量データを取得する工程と、を備える方法。
【請求項21】
前記尿流量データを前記流量計から前記尿監視システムのモニタに無線で送信する工程をさらに備える、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記尿流量データを前記モニタのディスプレイに表示する工程をさらに備える、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
前記尿流量データを時刻と相関させることで、相関された尿流量データを形成する工程をさらに備える、請求項20乃至22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記尿流量データを時間に関して積分することで、尿排出量を計算する工程と、
前記尿排出量を前記ディスプレイに表示する工程と、
をさらに備える、請求項20乃至23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記尿流量データを前記流量計の流量計識別子と相関させる工程をさらに備える、請求項20乃至24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
EMRシステムと無線で通信する工程をさらに備える、請求項20乃至25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記相関された尿流量データおよび前記尿排出量を前記EMRシステムに送信する工程をさらに備える、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
(i)流量計バッテリのバッテリレベルを前記ディスプレイに表示する工程および(ii)前記バッテリレベルを前記EMRシステムに送信する工程のうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
前記流量計識別子を前記EMRシステムからの患者識別情報と相関させる工程をさらに備える、請求項26乃至28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記患者識別情報を前記ディスプレイに表示する工程をさらに備える、請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、尿排出監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
尿排出監視システムを使用して、患者の尿排出量および尿流量を監視することができる。大部分の尿排出監視システムは大型であり、床面積を多く必要とする。さらに、大部分の尿排出監視システムは、移動可能ではない。これは、患者が病院環境において搬送されている間、システムは尿排出を監視することができないことを意味する。移動可能であり、搬送中を含め患者の全ての尿排出を把握することができる尿排出監視システムを有することは、医師および患者にとって有益であり得る。本明細書に開示されるのは、前述の課題に対処する、自動尿排出監視システムおよび使用方法である。
【発明の概要】
【0003】
本明細書では、尿カテーテルと尿収集バッグとの間に延在する排出チューブを介して尿収集バッグに結合された、尿カテーテルと、排出チューブと直列に配置された流量計とを含む尿排出装置が開示される。流量計は、尿カテーテルから尿収集バッグに流れる尿の流量を測定するように構成される。流量計は、1つまたは複数のプロセッサと、流量計ロジックを記憶した非一時的なコンピュータ可読媒体とを含む流量計コンソールを含む。流量計ロジックは、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、流量計の動作を行う。動作は、尿の流量を測定することと、(i)尿流量データと、(ii)非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶された流量計識別子とをモニタに無線で送信することと、を含む。
【0004】
装置のいくつかの実施形態では、カテーテル、排出チューブ、および尿収集バッグは、事前に接続された閉鎖型流体システムを形成する。いくつかの実施形態では、尿排出装置は、排出チューブに結合されたサンプルポートをさらに含む。サンプルは、医師が容積測定器具を介して排出チューブから尿のサンプルを抜き取ることを出来るように構成される。
【0005】
装置のいくつかの実施形態では、流量計識別子は、英数字、特殊文字、スペース、またはそれらの組み合わせを含む。
装置のいくつかの実施形態では、流量計コンソールはバッテリを含む。
【0006】
装置のいくつかの実施形態では、尿カテーテル、排出チューブ、および尿収集バッグは、事前に接続された閉鎖型流体システムを形成する。
装置のいくつかの実施形態では、流量計は使い捨てである。
【0007】
本明細書ではまた、上記で要約された尿排出装置のいずれかと、流量計と無線通信するモニタとを含む尿排出監視システムが開示される。モニタは、1つまたは複数のプロセッサと、モニタロジックを記憶した非一時的なコンピュータ可読媒体とを含むモニタコンソールを含む。モニタロジックは、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、モニタのモニタ動作を行う。モニタ動作は、(i)尿流量データおよび流量計識別子を流量計から受信することと、(ii)尿の流量をモニタのディスプレイに表示することと、を含む。
【0008】
システムのいくつかの実施形態では、モニタ動作は、尿流量データを流量計識別子と相関させることをさらに含む。
システムのいくつかの実施形態では、モニタ動作は、尿流量データを時刻と相関させることで、相関された尿流量データを形成することをさらに含む。システムのいくつかの実施形態では、モニタ動作は、尿流量データを時間に関して積分することで、尿排出量を計算することと、尿排出量をディスプレイに表示することと、をさらに含む。
【0009】
システムのいくつかの実施形態では、モニタ動作は、電子医療記録(EMR)システムと通信することをさらに含む。システムのいくつかの実施形態では、モニタ動作は、相関された尿流量データおよび尿排出量をEMRシステムに送信することをさらに含む。
【0010】
システムのいくつかの実施形態では、モニタ動作は、(i)流量計から流量計バッテリレベルを受信することと、(ii)バッテリレベルをディスプレイに表示することおよび/またはバッテリレベルをEMRシステムに送信することと、をさらに含む。
【0011】
システムのいくつかの実施形態では、モニタ動作は、流量計識別子をEMRシステムからの患者識別情報と相関させることをさらに含む。
システムのいくつかの実施形態では、モニタ動作は、患者識別情報をディスプレイに表示することを含む。
【0012】
システムのいくつかの実施形態では、モニタは施設電源から電力を供給され、システムのいくつかの実施形態では、モニタはバックアップバッテリを含む。
システムのいくつかの実施形態では、モニタは、モニタを患者ベッドに取り外し可能に固定するように構成された結合部を含み、システムのいくつかの実施形態では、結合部は、1つまたは複数のヒンジクランプを含む。
【0013】
また、本明細書に開示されるのは、患者の尿排出を監視する方法であって、(i)尿排出を、尿監視システムの流量計を通るように方向付ける工程と、(ii)尿排出を尿監視システムの尿収集バッグ内に捕捉する工程と、(iii)流量計から尿流量データを取得する工程とを含む方法である。
【0014】
いくつかの実施形態では、方法は、尿流量データを流量計から尿監視システムのモニタに無線で送信する工程をさらに含む。
いくつかの実施形態では、方法は、尿流量データをモニタのディスプレイに表示する工程をさらに含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、方法は、尿流量データを時刻と相関させることで、相関された尿流量データを形成する工程をさらに含む。
いくつかの実施形態では、方法は、尿流量データを時間に関して積分することで、尿排出量を計算する工程と、尿排出量をディスプレイに表示する工程とをさらに含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、方法は、尿流量データを流量計の流量計識別子と相関させる工程をさらに含む。
いくつかの実施形態では、方法は、EMRシステムと無線で通信する工程をさらに含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、方法は、相関された尿流量データおよび尿排出量をEMRシステムに送信する工程をさらに含む。
いくつかの実施形態では、方法は、(i)流量計バッテリのバッテリレベルをディスプレイに表示する工程および(ii)バッテリレベルをEMRシステムに送信する工程のうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、方法は、流量計識別子をEMRシステムからの患者識別情報と相関させる工程をさらに含む。
いくつかの実施形態では、方法は、患者識別情報をディスプレイに表示する工程をさらに含む。
【0019】
本明細書で提供される概念のこれらおよび他の特徴は、そのような概念の特定の実施形態をより詳細に説明する添付の図面および以下の説明を考慮することで、当業者により明らかになるであろう。
【0020】
添付の図面に示される特定の実施形態を参照することによって、本開示はより詳細に説明される。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではないことを理解されたい。本発明の例示的な実施形態は、添付の図面を使用してさらに具体的かつ詳細に、記載および説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】いくつかの実施形態による、尿排出監視システムの斜視図。
図2】いくつかの実施形態による、モニタおよびモニタコンソールを含む図1の尿排出監視システムのいくつかの構成要素のブロック図。
図3】いくつかの実施形態による、流量計コンソールを含む図1の尿排出監視システムの流量計のいくつかの構成要素のブロック図。
図4】いくつかの実施形態による、図1の尿排出監視システムのモニタの斜視図。
図5A】いくつかの実施形態による、患者の尿排出を監視する例示的な方法の様々な段階における図1の尿排出監視システムの図。
図5B】いくつかの実施形態による、患者の尿排出を監視する例示的な方法の様々な段階における図1の尿排出監視システムの図。
図5C】いくつかの実施形態による、患者の尿排出を監視する例示的な方法の様々な段階における図1の尿排出監視システムの図。
図5D】いくつかの実施形態による、患者の尿排出を監視する例示的な方法の様々な段階における図1の尿排出監視システムの図。
図6】いくつかの実施形態による、患者の尿排出を監視する例示的な方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
いくつかの特定の実施形態をより詳細に開示する前に、本明細書に開示される特定の実施形態は、本明細書において提示される概念の範囲を限定しないことを理解されたい。本明細書に開示される特定の実施形態は、その特定の実施形態から容易に切り離すことができ、本明細書に開示される複数の他の実施形態のうちの任意の実施形態の特徴と任意選択で組み合わせまたは置換してよい特徴を有する場合があることも理解されたい。
【0023】
本明細書で使用する用語に関しては、各用語はいくつかの特定の実施形態を説明するためのものであり、本明細書において提示される概念の範囲を限定しないということも理解されたい。序数(たとえば、第1、第2、第3等)は、一般的に、複数の特徴または工程の群の中で互いに異なる特徴または工程を区別または識別するために使用され、順番の限定または数的な限定を加えるものではない。たとえば、「第1」、「第2」、および「第3」の特徴または工程は、必ずしもこの順序で現れる必要はなく、またそのような特徴または工程を含む特定の実施形態は、必ずしも3つの特徴または工程に限定される必要はない。「左」、「右」、「上」、「下」、「前」、「後」等の表記は、便宜的に使用されており、たとえば、いかなる特定の固定的な位置、向き、または方向も意味するものではない。むしろ、こうした表記は、たとえば相対的な位置、向き、または方向を示すために使用される。文脈からそうでないことが明らかに示されていなければ、「a」、「an」、および「the」で表す単数形は、複数形を含む。
【0024】
別段の定義がない限り、本明細書に用いるあらゆる技術的用語および科学的用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
本明細書で開示される任意の方法は、記載された方法を実行するための1つまたは複数の工程または動作を含む。方法の工程および/または動作は、互いに入れ替えられてよい。言い換えれば、工程または動作の特定の順序が実施形態を適切に実施するために必要とされない限り、特定の工程および/または動作の順序および/または使用は変更されてよい。
【0025】
図1は、いくつかの実施形態による、尿排出監視システム100の斜視図を示す。いくつかの実施形態では、尿排出監視システム(「システム」)は、一般的に、モニタ129と通信可能に結合された尿排出収集装置(装置)105を含んでよい。尿排出収集装置105は、排出チューブ112と流体連通する尿カテーテル110を含む。いくつかの実施形態では、排出チューブ112は、流体(尿)収集バッグ114と流体連通してよい。モニタ129は、ディスプレイ133およびモニタコンソール132を含み、モニタ129は、固定面160に結合してよい。いくつかの実施形態では、固定面160は、病院ベッドの一部を含んでよい。システム100(またはより具体的には装置105)は、モニタコンソール132と無線通信する流量計コンソール122を有する流量計120をさらに含んでよい。例示的な無線通信モダリティは、WiFi、Bluetooth(登録商標)、NFC(近距離無線通信)、GSM(携帯電話用グローバルシステム)、EM(電磁気)、RF(無線周波数)、それらの組み合わせなどを含んでよい。いくつかの実施形態では、流量計120は、排出チューブ112内に配置されてもよく、排出チューブ112に一体化されてもよく、または尿カテーテル110と流体収集バッグ114との間に直列に配置されるように構成されてもよい。モニタ129は、本明細書でより詳細に説明されるように、測定された流量値を表示するように構成されてよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、装置105は、事前に接続された閉鎖型装置105を形成してよい(たとえば、尿カテーテル110は、インライン流量計120を有する排出チューブ112によって流体収集バッグ114に事前に接続されてよい)。尿カテーテル110は、患者に挿入されてもよく、一方、排出チューブ112は、尿を尿カテーテル110から流体収集バッグ114に方向付ける。患者は、受動的な重力流、負圧流などによって、排出チューブ112を通って流体収集バッグ114に移動する一定量の流体(例えば、尿)を排出してよい。一定量の流体が流体収集バッグ114に移動する際に、一定量の流体は、流量計120を通過し得る。流量計120は、一定量の流体が流体収集バッグ114に到達する前に、一定量の流体の1つまたは複数の流量値を測定する(すなわち、尿流量データを生成する)ように構成されてよい。流量計120は、1つまたは複数の流量値をモニタコンソール132に送信してよい。流量計120は、患者が一定量の流体を排出するたびに、1つまたは複数の流量値を測定し、1つまたは複数の流量値をモニタコンソール132に送信するように構成されてよい。
【0027】
加えて、流量計120は、モニタコンソール132に送信され得る流量計識別子を含んでよい。流量計識別子は、受信された流量値を患者識別子と同様に流量計識別子と相関させるために、モニタコンソール132によって使用されてよい。いくつかの実施形態では、流量計識別子は、流量計識別子内に英数字、特殊文字(例えば、句読点、ユニコード文字、絵文字など)、スペース、およびそれらの組み合わせを含んでよい。流量計識別子は、流量計120のシリアル番号を含んでよい。いくつかの実施形態では、モニタコンソール132は、正しい流量計識別子がモニタコンソール132によって受信されるまで、測定された流量値を流量計120から受信することができないという点で、流量計識別子は、モニタコンソール132のプロダクトキーであってもよい。有利には、流量計識別子は、尿流量データを流量計120にリンクさせるとともに、尿流量データが、本明細書でより詳細に説明される以前の尿流量データと集約されることを可能にする。
【0028】
いくつかの実施形態では、装置105は、排出チューブに結合されたサンプルポート116を含んでよい。サンプルポート116は、医師が、たとえばシリンジなどの容積測定器具を介して排出チューブから尿のサンプルを抜き取ることが出来るように構成される。
【0029】
図2は、いくつかの実施形態による、モニタコンソール132およびモニタ129を含むシステム100のいくつかの構成要素のブロック図を示す。いくつかの実施形態では、モニタコンソール132は、モニタ129に結合されるか、またはモニタ129に一体化されてもよい。いくつかの実施形態では、モニタコンソール132は、1つまたは複数のプロセッサ134と、第1エネルギー源136と、非一時的コンピュータ可読媒体(「メモリ」)138と、複数の論理モジュールとを含む。いくつかの実施形態では、第1エネルギー源136は、システム100に配線された外部エネルギー源(例えば、施設電力)(例えば、モニタ129から標準的な電源コンセントなどへの電源コード)であってよい。いくつかの実施形態では、第1エネルギー源136は、モニタ129が電源コンセントに接続されたときに再充電されるように構成され得る二次電池(例えば、バックアップバッテリ)を含んでよい。いくつかの実施形態では、複数の論理モジュールは、流量計受信ロジック140と、流量計識別子受信ロジック144と、流量計識別子相関ロジック146と、流量相関ロジック148と、第1データストア150と、表示ロジック152と、患者データ集約ロジック154と、コンソール送信ロジック156と、流量計エネルギー源ステータス受信ロジック158とを含んでよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、流量計受信ロジック140は、流量計120から流量計値(尿流量データ)を無線で受信するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、流量計受信ロジック140は、流量計120との通信を自動的に測定して開始してよい。いくつかの実施形態では、流量計受信ロジック140は、流量計120から流量値を受信するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、流量計識別子受信ロジック144は、流量計120から流量計識別子を受信するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、流量計識別子相関ロジック146は、流量計識別子を患者識別情報(例えば、医療記録番号など)、流量値、またはそれらの組み合わせと相関させるように構成されてよい。いくつかの実施形態では、流量相関ロジック148は、計算された流量値を時刻値と相関させるように構成されてよい。流量相関ロジック148はまた、尿流量データを時間に関して積分することで、尿の体積を計算してよい。いくつかの実施形態では、流量相関ロジック148は、測定された流量値を、{測定された流量値、時刻値、または相関された尿流量データ}において時刻値と相関させるように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第1データストア150は、各{測定された流量値、時刻値}および流量計識別子を記憶するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、表示ロジック152は、測定された流量値および時刻値をモニタ129に送信するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、患者データ集約ロジック154は、尿流量データ(例えば、流量値および時刻値)を既存の患者データと集約するか、または尿流量データを新しい患者識別情報に追加するように構成されてよい。例えば、システム100が交換された場合、新しい流量計120は、新しい流量値をモニタコンソール132に送信してよい。患者データ集約ロジック154は、新しい流量値を既存の患者データに追加するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、コンソール送信ロジック156は、全ての計算された尿流量データ値および時刻値を電子医療記録システムに送信するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、流量計エネルギー源ステータス受信ロジック158は、流量計120から流量計エネルギー源ステータス(バッテリレベル)を受信するように構成されてよいとともに、流量計エネルギー源(バッテリレベル)が流量計120に電力を供給するための利用可能な電力に関して著しく減少している場合、流量計120を交換する必要があることを示す警告を生成してもよい。
【0031】
図3に示すように、いくつかの実施形態では、流量計120は、排出チューブ112と直列に組み立てられてよいスタンドアローン型流量計120を含んでもよく、または排出チューブ112に一体化されてもよい。いくつかの実施形態では、流量計120は使い捨てであってもよい。いくつかの実施形態では、流量計120は、モニタコンソール132と無線通信する流量計コンソール122を含んでよい。流量計コンソール122は、1つまたは複数のプロセッサ134と、第2エネルギー源124と、非一時的コンピュータ可読媒体(「メモリ」)138と、1つまたは複数の論理モジュールとを含んでよい。いくつかの実施形態では、第2エネルギー源124は、システム100の使用寿命に対応したバッテリを含んでよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の論理モジュールは、流量計送信ロジック125と、流量計識別子送信ロジック126と、第2データストア128と、任意選択的にエネルギー源ステータス通信ロジック127とを含んでよい。いくつかの実施形態では、流量計送信ロジック125は、流量計コンソール122からモニタコンソール132に流量値を無線で送信するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、流量計送信ロジック125は、流量値が測定されたときに流量値を無線送信してもよく、または自動もしくはユーザが定義するスケジュール(例えば、毎時1回以上)で流量値を送信してもよい。いくつかの実施形態では、流量計識別子送信ロジック126は、流量計識別子をモニタコンソール132に送信するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、エネルギー源ステータス通信ロジック127は、第2エネルギー源124のステータスをモニタコンソール132に送信するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、エネルギー源ステータス通信ロジック127は、第2エネルギー源124のステータスを、利用可能な残りのバッテリのパーセント、またはバッテリの残り時間として送信するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、第2データストア128は、流量計120がモニタコンソール132との無線通信を失った、または流量値を送信することができない状況において、流量値を記憶するように構成されてよい。
【0032】
図4は、いくつかの実施形態による、モニタ129の斜視図を示す。いくつかの実施形態では、モニタ129は、前側130と、後側131とを含んでもよく、後側131は、結合部170を含む。結合部170は、モニタ129を固定面160(例えば、病院ベッド、点滴スタンドなど)に取り外し可能に結合するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、結合部170は、1つまたは複数のヒンジクランプを含んでよい。モニタ129は、タッチスクリーンを含んでよいディスプレイ133を含む。いくつかの実施形態では、モニタ129は、モニタ129内にモニタコンソール132を含んでよい。いくつかの実施形態では、結合部170は、モニタ129に一体化されてよく、またはモニタ129に結合されてもよい。結合部170によって、モニタ129を固定面160から吊り下げることが可能になる。いくつかの実施形態では、結合部170は、固定面160からのモニタ129の垂下または移動を防止してよい。
【0033】
図5A乃至図5Dは、いくつかの実施形態による、尿排出監視システム100を使用して患者の尿排出を監視する例示的な方法200の様々な段階におけるシステム100を示す。いくつかの実施形態では、尿排出を監視する工程は、患者によって排泄される一定量の流体の流量を測定する工程を含む。この方法200では、患者には既に尿カテーテル110が挿入されており、モニタ129は固定面160に結合されていると仮定する。
【0034】
図5Aに示すように、排出チューブ112によって、尿カテーテル110と流体収集バッグ114との間は流体連通する。流量計120は、流体収集バッグ114と直列に配置されるとともに、モニタコンソール132と無線通信してよい。モニタコンソール132は、モニタ129と無線通信する。患者に尿カテーテル110が挿入され、尿カテーテル110と流体収集バッグ114との間に流体連通が確立されると、患者は、排出チューブ112を通って流体収集バッグ114に移動する一定量の流体を排出または排泄してよい。流量計120は、モニタコンソール132に通信され得る流量計識別子を含む。モニタコンソール132は、受信した尿流量データ(例えば、流量値)を流量計識別子と関連付けるように構成されてもよい。
【0035】
図5Bに示すように、流体収集バッグ114と直列に配置された流量計120を一定量の流体が通過する際に、流量計120は、一定量の流体を検出するとともに、一定量の流体が流量計120を通過する際の一定量の流体の流量に対応する1つまたは複数の流量値を生成してよい。いくつかの実施形態では、流量計120は、一定量の流体の存在を確認するため連続的に検出するように構成されてよい。または、流量計120は、患者が一定量の流体を排出する前に、一定量の流体の存在を判定するように起動されるように構成されてもよい。図5Cに示すように、流量計120は、1つまたは複数の流量値をモニタコンソール132に無線で通信してよい。いくつかの実施形態では、モニタコンソール132は、モニタ129に結合または一体化されてよい。モニタコンソール132は、1つまたは複数の流量値を受信するとともに、1つまたは複数の流量値を時刻値と相関させるように構成されてよい。図5Dに図示されるように、モニタコンソール132は、流量値および時刻値をモニタ129に送信して、モニタ129上に投影するように構成されてよい。有利には、流量計識別子を有する流量計120を含む事前に接続された閉鎖型自動尿排出監視システム100を有することによって、測定された尿流量データが1人の患者のみに関連付けられることが確実になる。さらに、システム100の1つの構成要素を交換する必要がある場合、新しい尿流量データを既存の患者データと集約して、患者の尿排出を監視し続けることができるように、事前に接続された閉鎖型システム100全体を交換するとともに、新しい流量計120がモニタコンソール132と通信するように配置される。また、測定された尿流量データをモニタコンソール132に送信する流量計120を含む自動尿排出監視システム100を有することによって、システム100は、病院環境において患者とともに移動することが可能になり、患者の全尿排出を把握する。
【0036】
図6は、いくつかの実施形態による、システム100によって実行される、患者の尿排出を監視する例示的な方法200のフローチャートを示す。方法200は、以下の工程、処理、または動作の全てまたは一部を含んでよい。方法200を実行する前に、医師は、システム100を設置するとともに、患者にカテーテルを挿入してよい。方法200は、患者からの尿の流れを、流量計を通るように方向付ける工程(ブロック210)を含む。すなわち、排出チューブは、尿の流れを、流量計を通るように方向付ける。方法200は、患者から排出された尿を尿収集バッグ内に収集する工程(ブロック220)をさらに含む。
【0037】
本方法は、患者からの尿の流量を監視する工程(ブロック230)をさらに含み、これは、以下でさらに説明するように、いくつかのサブ工程を含んでよい。尿流を監視する工程は、一般的に、流量計から尿流量データを取得する工程を含む。追加的なサブ工程は、尿流量データを流量計からシステムのモニタに無線で送信する工程を含んでよい。別の追加的なサブ工程は、尿流量データを時刻と相関させることで、相関された尿流量データを形成する工程を含んでよい。別の追加的なサブ工程は、尿流量データを時間に関して積分することで、尿排出量を計算する工程を含んでよい。別の追加的なサブ工程は、尿流量データを流量計の流量計識別子と相関させる工程を含んでよい。
【0038】
方法200は、尿流量データおよび/または他の情報をモニタのディスプレイに表示する工程(ブロック240)をさらに含んでよい。尿流量データを表示する工程は、尿排出量をディスプレイに表示する工程を含んでよい。他の情報を表示する工程は、流量計バッテリのバッテリレベルをディスプレイに表示する工程を含んでよい。他の情報を表示する工程は、患者識別情報をディスプレイに表示する工程を含んでよい。
【0039】
方法200は、EMRシステムと無線で通信する工程(ブロック250)をさらに含んでよい。EMRと通信する工程は、相関された尿流量データおよび尿排出量をEMRシステムに送信する工程を含んでよい。EMRシステムと通信する工程はまた、流量計バッテリのバッテリレベルをEMRシステムに送信する工程を含んでもよい。EMRと通信する工程は、流量計識別子をEMRシステムからの患者識別情報と相関させる工程をさらに含んでよい。
【0040】
いくつかの特定の実施形態が本明細書に開示されており、特定の実施形態がある程度詳細に開示されているが、本明細書で提供される概念の範囲を特定の実施形態が制限することを意図しない。追加的な適応および/または変更は、当業者に理解され得る。より広い態様では、これらの適応および/または変更もまた包含される。したがって、本明細書で提供される概念の範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される特定の実施形態から逸脱してよい。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
【国際調査報告】