(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】電磁弁および電磁弁を備えた水素タンクシステム
(51)【国際特許分類】
F17C 13/04 20060101AFI20240816BHJP
F16K 31/06 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
F17C13/04 301A
F16K31/06 385F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512960
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(85)【翻訳文提出日】2024-02-23
(86)【国際出願番号】 EP2022071345
(87)【国際公開番号】W WO2023030787
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】102021209468.6
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】シャイヒ,ウド
(72)【発明者】
【氏名】ラウ,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ソウバリ,ヨアヒム
【テーマコード(参考)】
3E172
3H106
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB01
3E172BA01
3E172BD03
3E172EA02
3E172EB02
3E172JA02
3H106DA07
3H106DA13
3H106DA23
3H106DA35
3H106DB32
3H106DC02
3H106DC17
3H106EE34
3H106KK12
(57)【要約】
本発明は、電磁弁(1)、特に水素タンクシステムのための遮断弁であって、リフト運動可能な弁部材(3)に結合されている、または結合可能であるリフト運動可能なマグネットアーマチュア(2)を備え、マグネットアーマチュア(2)がばね(4)によって弁部材(3)の方向に付勢され、電磁弁が、マグネットアーマチュア(2)に作用を及ぼすためのリング状のマグネットコイル(5)をさらに備え、マグネットコイル(5)がマグネットアーマチュア(2)を部分的に取り囲む、電磁弁に関する。本発明によれば、マグネットアーマチュア(2)が、プランジャアーマチュアとして形成された部分(2.1)とフラットアーマチュアとして形成された部分(2.2)とを有し、プランジャアーマチュアとして形成された部分(2.1)がマグネットコイル(5)内で圧力室(6)を画定し、圧力室は、殊にスロットル(7)を介して制御室(8)に空気圧的に接続され、制御室は、同様にマグネットコイル(5)を用いて作動可能な制御バルブ(9)を開くことによって圧力軽減可能である。さらに、本発明は本発明による電磁弁(1)を備えた水素タンクシステムに関する。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁弁(1)、特に水素タンクシステムのための遮断弁であって、リフト運動可能な弁部材(3)に結合されている、または結合可能であるリフト運動可能なマグネットアーマチュア(2)を備え、前記マグネットアーマチュア(2)がばね(4)によって前記弁部材(3)の方向に付勢され、前記電磁弁が、前記マグネットアーマチュア(2)に作用を及ぼすためのリング状のマグネットコイル(5)をさらに備え、前記マグネットコイル(5)が前記マグネットアーマチュア(2)を部分的に取り囲む、電磁弁において、
前記マグネットアーマチュア(2)が、プランジャアーマチュアとして形成された部分(2.1)とフラットアーマチュアとして形成された部分(2.2)とを有し、前記プランジャアーマチュアとして形成された部分(2.1)が前記マグネットコイル(5)内で圧力室(6)を画定し、前記圧力室は、殊にスロットル(7)を介して制御室(8)に空気圧的に接続され、前記制御室は、同様に前記マグネットコイル(5)を用いて作動可能な制御バルブ(9)を開くことによって圧力軽減可能であることを特徴とする、電磁弁。
【請求項2】
前記マグネットアーマチュア(2)のリフトがリフトストッパ(10)によって制限され、殊にフラットアーマチュアとして形成された前記マグネットアーマチュア(2)の前記部分(2.2)が前記リフトストッパ(10)と協働することを特徴とする、請求項1に記載の電磁弁(1)。
【請求項3】
前記マグネットアーマチュア(2)、特にプランジャアーマチュアとして形成された前記マグネットアーマチュア(2)の前記部分(2.1)がスリーブ(11)上を案内され、前記スリーブは、殊に前記マグネットコイル(5)を収容する極体(12)のスリーブ状の部分によって形成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の電磁弁(1)。
【請求項4】
前記マグネットアーマチュア(2)、特にプランジャアーマチュアとして形成された前記マグネットアーマチュア(2)の前記部分(2.1)と前記スリーブ(11)とが一緒に、前記圧力室(6)を前記弁部材(3)が収容された弁室(14)に接続する少なくとも1つの流路(13)を画定することを特徴とする、請求項3に記載の電磁弁(1)。
【請求項5】
前記マグネットアーマチュア(2)と前記スリーブ(11)との間にシール要素が設けられ、前記圧力室(6)は、前記弁部材(3)を収容する弁室(14)に流路を介して接続され、前記流路は、前記マグネットアーマチュア(2)または前記スリーブ(11)における孔、特にスロットル孔として形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の電磁弁(1)。
【請求項6】
前記マグネットアーマチュア(2)、特にフラットアーマチュアとして形成された前記マグネットアーマチュア(2)の前記部分(2.2)と前記リフトストッパ(10)とが一緒に、前記圧力室(6)を前記弁室(14)に接続する少なくとも1つの流路(15)を画定することを特徴とする、請求項4または5に記載の電磁弁(1)。
【請求項7】
前記マグネットアーマチュア(2)、特にフラットアーマチュアとして形成された前記マグネットアーマチュア(2)の前記部分(2.2)を少なくとも1つの流通開口(16)が貫通することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の電磁弁(1)。
【請求項8】
前記マグネットアーマチュア(2)、特にプランジャアーマチュアとして形成された前記マグネットアーマチュア(2)の前記部分(2.1)は、周回する横断面縮小部(17)を有し、前記周回する横断面縮小部は、殊に、フラットアーマチュアとして形成された前記マグネットアーマチュア(2)の前記部分(2.2)に隣接して配置されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の電磁弁(1)。
【請求項9】
前記スリーブ(11)、殊に前記極体(12)の前記スリーブ状の部分は、非磁性材料からなる周回部分(18)を有し、殊に前記部分(18)は、前記マグネットアーマチュア(2)の完全なリフト時に前記マグネットアーマチュア(2)の横断面縮小部(17)の高さに配置されていることを特徴とする、請求項3から8までのいずれか1項に記載の電磁弁(1)。
【請求項10】
前記制御バルブ(9)は、少なくとも部分的にフラットアーマチュアとして形成されたマグネットアーマチュア(19)を有し、前記マグネットアーマチュアは、殊にシール座(20)と協働する閉弁要素も同時に形成することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の電磁弁(1)。
【請求項11】
前記制御バルブ(9)の前記マグネットアーマチュア(19)は、制御バルブばね(21)によって前記シール座(20)の方向に付勢されていることを特徴とする、請求項10に記載の電磁弁(1)。
【請求項12】
前記制御バルブ(9)の前記マグネットアーマチュア(19)は、前記圧力室(6)を前記制御室(8)に接続するための少なくとも1つの流通開口(22)を有することを特徴とする、請求項10または11に記載の電磁弁(1)。
【請求項13】
前記弁部材(3)は、弁部材ばね(23)によって前記マグネットアーマチュア(2)の方向に付勢され、前記弁部材ばね(23)の弾撥力は、前記マグネットアーマチュア(2)を前記弁部材(3)の方向に付勢する前記ばね(4)の弾撥力よりも小さいことを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項に記載の電磁弁(1)。
【請求項14】
水素タンクシステムであって、少なくとも1つの圧縮ガス容器と、前記圧縮ガス容器を遮断するための請求項1から13までのいずれか1項に記載の電磁弁(1)とを備える、水素タンクシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁弁、特に水素タンクシステムのための遮断弁に関する。さらに、本発明は、本発明による遮断弁としての電磁弁を備えた水素タンクシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば水素タンクシステムのための遮断弁がそうであるように、大きいリフトの電磁弁では、通常、プランジャアーマチュアと共に磁気アクチュエータが使用される。なぜなら磁気アクチュエータの場合、アーマチュアとその固定ストッパとの距離が増すにしたがって、フラットアーマチュア構造の場合ほど磁力が大きく低下しないからである。
【0003】
特許文献1から、例示的に、電磁操作可能なバルブ装置を備えた水素を貯蔵するためのタンク装置が読み取れ、このバルブ装置は、出口開口を開閉するために弁座と協働する可動の弁要素を有する。弁要素は、ばねの弾撥力によって弁座の方向に付勢されており、マグネットコイルの非通電時にバルブ装置が閉じられる。開位置において、弁要素は直径を有する出口開口と、これに隣接する流路とを開ける。弁要素は、プランジャアーマチュア原理で動作するマグネットアーマチュアを同時に形成する。マグネットコイルに通電されると、コイルを包囲する磁場が形成され、磁場の磁力線は、外側の極体と内側の極体とマグネットアーマチュアにわたって延びる。その場合、磁力線は、マグネットアーマチュアと外側の極体との間の半径方向および軸方向の空隙にわたって延びる。軸方向の空隙に生じる磁力を用いて、マグネットアーマチュアもしくは弁要素がばねの弾撥力に抗してシール座から持ち上げられることができ、それにより電磁弁が開く。
【0004】
例示的に特許文献1に記載されるプランジャアーマチュアを備えた電磁弁の場合、磁場結合が半径方向の空隙を介して軸方向の空隙の磁場を弱める。その結果、マグネットアーマチュアに開方向に作用する磁力が低下する。これは、より大きいマグネットコイルが必要であることを意味し、それによって所要スペースが大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102018221602号明細書
【発明の概要】
【0006】
本発明は、磁力線誘導が最適化された電磁弁が提供されることにより、このことの対策を講じることを試みる。電磁弁は請求項1の特徴を有する。本発明の有利な発展形態は、従属請求項から読み取ることができる。さらに、本発明による電磁弁を備えた水素タンクシステムが提供される。
【0007】
提案される電磁弁、特に水素タンクシステムのための遮断弁は、リフト運動可能な弁部材に結合されている、または結合可能であるリフト運動可能なマグネットアーマチュアを備える。その場合、マグネットアーマチュアは、ばねによって弁部材の方向に付勢されている。電磁弁は、マグネットアーマチュアに作用を及ぼすためのリング状のマグネットコイルをさらに備え、マグネットコイルは、マグネットアーマチュアを部分的に取り囲む。本発明によれば、マグネットアーマチュアは、プランジャアーマチュアとして形成された部分と、フラットアーマチュアとして形成された部分とを有し、プランジャアーマチュアとして形成された部分はマグネットコイル内で圧力室を画定し、圧力室は、同様にマグネットコイルを用いて操作可能な制御バルブを開くことによって圧力軽減可能(entlastbar)である制御室に、殊にスロットルを介して空気圧接続されている。
【0008】
圧力室を画定するマグネットアーマチュアの面は、圧力面として作用し、それにより圧力室内を支配する圧力は、マグネットアーマチュアに閉方向もしくはシール座の方向に作用する空気力を加える。圧力面は、反対側に位置する側で弁室に接続され、弁室内にマグネットアーマチュアが突出する。したがって弁室内を支配する圧力は、マグネットアーマチュアに開方向に作用する空気力をもたらす。圧力室と弁室の圧力が同じである場合、その結果として生じる一組の力の力は、反対側に位置する圧力面ではゼロに等しい。これは、力が互いに打ち消し合うことを意味する。本発明は、圧力室の圧力を弁室よりも下げることができるという着想にもとづいている。
【0009】
したがって、提案される電磁弁では、マグネットアーマチュアに、マグネットコイルによって生成される磁力のみでなく、マグネットコイル内の圧力室の下げた圧力と弁室の圧力との差圧にもとづいて生じる開放空気力がさらに作用する。圧力室に空気圧的に接続された隣接する制御室の圧力を低下させることにより圧力室の圧力が下げられ、接続は、有利にはスロットルの形態で実行される。制御室の圧力もまた、制御バルブを操作することによって下げられ、制御バルブは、このために、例えば燃料電池または内燃機関に燃料を供給するために用いられる圧力システム、特にラインシステムと接続されているのが好ましい。この場合、圧力室の圧力を下げるために必要な、弁室からの空気圧的分離はマグネットアーマチュアの相応に狭いガイド、ガイド領域におけるシール要素、および/またはメンブレンシールを介して行うことができる。制御が終了し、これに伴い制御バルブが閉じた後にメインバルブを確実に閉じることができるようにするために、圧力室もしくは制御室の再充填を可能にすることが必要である。これは、弁室と、いわゆる流入スロットル(Zulaufdrossel)もしくはIスロットル(Z-Drossel)であるスロットル孔の形態の圧力室との間の空気圧接続によって実現することができる。空気圧的分離のためにマグネットアーマチュアのガイドを使用する場合、本発明の有利な実施形態ではガイド自体をIスロットルとして設計することができる。
【0010】
したがって、電磁弁はサーボ制御式電磁弁として設計され、マグネットコイルは、制御バルブを操作するためだけに使用されるのではなく、メインバルブのマグネットアーマチュアにも作用する。その場合、マグネットアーマチュアをプランジャアーマチュアおよびフラットアーマチュアとして形成することが有利である。なぜなら磁気回路を相応に設計した場合、直径がより大きいことによりプランジャアーマチュア部分より大きい磁気境界面を有するフラットアーマチュア部分を介して磁力線をより強力に導くことができるからである。例えば、マグネットコイルを部分的に、特にプランジャアーマチュア部分の方に向いた領域において、これがより高い磁気抵抗を有するように、かつ極端な場合には飽和さえ生じるように設計することができる。
【0011】
したがって、プランジャアーマチュアおよびフラットアーマチュアとしてのマグネットアーマチュアの形態は、磁気回路の磁力線が主に軸方向作業空隙によって導かれる磁力線誘導の最適化を可能にする。その結果、メインバルブのマグネットアーマチュアに、および制御バルブの形態によっては、そのマグネットアーマチュアにも大きい力の作用が及ぼされる。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によれば、マグネットアーマチュアのリフトがリフトストッパによって制限される。したがって、マグネットアーマチュアは、2つの終点位置間で定められたリフト運動を実行する。その場合、特にフラットアーマチュアとして形成されたマグネットアーマチュアの部分がリフトストッパと協働することができ、それによりマグネットアーマチュアに力結合的、形状結合的および/または材料結合的に接続される追加部材の必要がない。リフトストッパ自体は、マグネットコイルまたは磁気回路の他のコンポーネント、例えばマグネットコイルを収容する極体によって形成され得る。
【0013】
さらに好ましくは、マグネットアーマチュア、特にプランジャアーマチュアとして形成されたマグネットアーマチュアの部分がスリーブ上を案内される。プランジャアーマチュア部分上の案内を特に簡単に実現できる。例えば、マグネットコイルを収容する極体のスリーブ状の部分によってガイドを形成することができる。したがって別個のスリーブを省略することができる。
【0014】
さらに、マグネットアーマチュア、特にプランジャアーマチュアとして形成されたマグネットアーマチュアの部分とスリーブとが一緒に、圧力室を弁部材が収容された弁室に接続する少なくとも1つの流路を画定することが提案される。この場合、少なくとも1つの流路は、流入スロットルもしくはIスロットルとして用いられる。特に、マグネットアーマチュアがリフトストッパに当接した場合に流路もしくはIスロットルを確実に結合するために、マグネットアーマチュアおよび/またはスリーブが軸方向に延びる、例えば研削部および/または溝などの少なくとも1つの空所を有することができる。代替的または補足的に、マグネットアーマチュアのガイドの領域においてガイド遊び(Fuehrungsspiel)を拡大することができる。これにはさらにマグネットコイルの通電中に半径方向の磁場結合が妨げられるという利点がある。
【0015】
本発明の別の有利な実施形態では、マグネットアーマチュアとスリーブとの間にシール要素が設けられ、圧力室は、流路を介して弁部材を収容する弁室に接続され、流路は、マグネットアーマチュアまたはスリーブにおける孔、特にスロットル孔として形成されている。これは、Iスロットルがマグネットアーマチュアのガイドによってではなく、孔もしくはスロットル孔として形成された別個の流路によって形成されることを意味する。
【0016】
少なくとも1つの流路を介して作成される圧力室と弁室との間の空気圧接続は、弁室を制御バルブの制御室と接続することも同時に確保する。なぜならば、圧力室が、有利にはスロットルによって制御室に結合されているからである。したがって、制御バルブの閉位置において、3つのすべての室内を同じ圧力が支配する。これらの室の空気圧接続は、制御バルブが確実に閉じることを保証する。
【0017】
マグネットアーマチュアのリフトを制限するリフトストッパの場合、これは弁室と圧力室との間の空気圧接続を中断させないために、好ましくは非気密に(nichtdichtend)形成されている。したがって、本発明の発展形態において、マグネットアーマチュア、特にフラットアーマチュアとして形成されたマグネットアーマチュアの部分とリフトストッパとは一緒に少なくとも1つの流路を画定し、流路は、弁室を殊にIスロットルとして形成された流路を介して圧力室に接続することが提案される。少なくとも1つの別の流路が、マグネットアーマチュアおよび/またはリフトストッパにおける特に実質的に半径方向に延びる空所として、特に溝として形成されていてもよい。
【0018】
代替的または補足的に、マグネットアーマチュア、特にフラットアーマチュアとして形成されたマグネットアーマチュアの部分を少なくとも1つの流通開口が貫通することが提案される。少なくとも1つの流通開口を介して、同様に弁室と圧力室との間の空気圧接続を作成することができる。少なくとも1つの流通開口は、例えばフラットアーマチュアとして形成された部分を通る軸方向または斜めに延びる孔として形成されてもよい。
【0019】
本発明の発展形態において、マグネットアーマチュア、特にプランジャアーマチュアとして形成されたマグネットアーマチュアの部分が周回する横断面縮小部を有することが提案される。したがって、マグネットアーマチュアは、周回する横断面縮小部の領域において縮小された外径を有し、それによりこの領域において、マグネットアーマチュアとガイドとの間の半径方向の空隙が大きくなる。したがって、この領域における磁気抵抗が高くなる。このこともまた、半径方向の磁力線の減少と軸方向の磁力線の増加につながる。横断面の縮小は、例えばプランジャアーマチュア部分の旋削加工(Eindrehung)によって実現することができる。殊に、磁力線を軸方向の作業空隙にわたってより強力に誘導するために、横断面の縮小部は、フラットアーマチュアとして形成されたマグネットアーマチュアの部分に隣接して配置されている。
【0020】
代替的または補足的に、スリーブ、殊に極体のスリーブ状の部分が、非磁性材料からなる周回部分を有することが提案される。非磁性材料も同様に半径方向の空隙の拡大につながり、それによりこの措置は、先に提案されたプランジャアーマチュアとして形成された部分におけるマグネットアーマチュアの横断面縮小部と類似の作用を有する。
【0021】
殊に、非磁性材料からなる周回部分は、マグネットアーマチュアの完全なリフト時にマグネットアーマチュアの横断面縮小部の高さに配置されている。この場合、スリーブの非磁性部分とマグネットアーマチュアの横断面縮小部は、磁力線ポイント(Feldlinienweiche)として協働する。磁力線ポイントは、メインバルブがまだ閉じているときに磁力線を半径方向にマグネットアーマチュアに結合させ、それによって、磁気回路における磁気抵抗が非常に小さいことにより制御バルブを開くための大きい力が生じる。メインバルブが開いているか、もしくは開いた場合、横断面縮小部の領域がスリーブの非磁性部分と重ねられ、それにより磁力線の半径方向の自己結合が低減されるか、完全に防がれさえする。なぜなら磁力線は、半径方向に離れ、フラットアーマチュア部分のほうへ方向転換するからである。というのも磁気抵抗がここではより低いからである。したがって磁力線ポイントは、一方の空隙が他方の空隙の磁束を低減することなく、マグネットコイルでの2つの作業空隙の操作を可能にする。このようにして、非常に安価で省エネおよび省スペース的な電磁弁を製造することができる。
【0022】
提案される電磁弁の制御バルブは、殊に、少なくとも部分的にフラットアーマチュアとして形成されたマグネットアーマチュアを有する。したがって、制御バルブのリフトを小さく保つことができる。したがって、制御バルブのマグネットアーマチュアの空隙が最小化され、そのことが、マグネットコイルの寸法設定に有利に作用する。有利にも、制御バルブのマグネットアーマチュアは、シール座と協働する閉弁要素を同時に形成する。したがって、制御バルブを比較的簡単かつ省スペース的に実現できる。
【0023】
制御バルブのマグネットアーマチュアは、殊に制御バルブばねによってシール座の方向に付勢されている。これは、制御バルブが固有の閉鎖ばねを有することを意味する。したがって、制御バルブばねをメインバルブのばねとは独立して設計することができ、特に制御バルブばねの弾撥力は、メインバルブのばねの弾撥力よりも小さく選択することができ、それにより制御バルブを低減した力で開くことができる。これはマグネットコイルの寸法設定に有利に、それに伴い電磁弁の所要スペースに有利に作用する。マグネットコイルは、開方向に作用する力が制御バルブの空気圧的閉力と制御バルブ弾撥力との合計よりも大きくなるような大きさに寸法設定されさえすればよい。このようにしてコンパクトな形式が達成されるだけでなく、同時に電磁弁のエネルギー消費量が低減される。
【0024】
好ましくは、制御バルブのマグネットアーマチュアは、圧力室を制御室に接続するための少なくとも1つの流通開口を有する。これは特にマグネットアーマチュアが少なくとも部分的にフラットアーマチュアとして形成された場合に当てはまる。少なくとも1つの流通開口は、特に圧力室の上流に配置された、スロットルを介して圧力室に接続されている空間に通じることができる。スロットルを介した場合、制御バルブのシール座を介した場合よりも流入して漏れるガスが少ないため、スロットルは制御バルブが開いた場合に制御室に圧力低下が生じることを確保する。同時に、スロットルを介して流入するガスは、制御バルブが閉じた場合に、制御バルブを閉状態に保持するために必要な閉力およびシール力を確保する。
【0025】
さらに、メインバルブの弁部材が弁部材ばねによってマグネットアーマチュアの方向に付勢されていることを企図することができる。弁部材ばねのタスクは、弁室の圧力に抗してメインバルブを開くことを保証することである。弁部材ばねは、メインバルブの開放時に弁室とラインシステムとの間の開放圧差を非常に正確に調整することを可能にし、それによってシステムにおける高い圧力衝撃を効果的に回避することができる。それによって、例えば減圧器および/または平均圧力システムなどの後続の部品を保護するための安全装置をより簡単に、それに伴いより安価に設計することができる。弁部材ばねの弾撥力は、マグネットアーマチュアを弁部材の方向に付勢するばねの弾撥力よりも小さい。それによって、マグネットアーマチュアと弁部材が閉鎖時にそれぞれの初期位置へ確実に戻されることが確保されている。
【0026】
本発明による電磁弁の好ましい適用分野は水素タンクシステムであり、それにより少なくとも1つの圧縮ガス容器と圧縮ガス容器を遮断するための本発明による電磁弁とを備える水素タンクシステムがさらに提案される。水素タンクシステムは、特に、燃料電池車または水素燃焼を用いる車両において使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1a】切替位置にある第1の本発明による電磁弁の模式的縦断面図である。
【
図1b】別の切替位置にある第1の本発明による電磁弁の模式的縦断面図である。
【
図1c】さらに別の切替位置にある第1の本発明による電磁弁の模式的縦断面図である。
【
図1d】さらに別の切替位置にある第1の本発明による電磁弁の模式的縦断面図である。
【
図1e】さらに別の切替位置にある第1の本発明による電磁弁の模式的縦断面図である。
【
図1f】さらに別の切替位置にある第1の本発明による電磁弁の模式的縦断面図である。
【
図2a】切替位置にある第2の本発明による電磁弁の模式的縦断面図である。
【
図2b】別の切替位置にある第2の本発明による電磁弁の模式的縦断面図である。
【
図2c】さらに別の切替位置にある第2の本発明による電磁弁の模式的縦断面図である。
【
図2d】さらに別の切替位置にある第2の本発明による電磁弁の模式的縦断面図である。
【
図2e】さらに別の切替位置にある第2の本発明による電磁弁の模式的縦断面図である。
【
図2f】さらに別の切替位置にある第2の本発明による電磁弁の模式的縦断面図である。
【
図3a】切替位置にある第3の本発明による電磁弁の模式的縦断面図である。
【
図3b】別の切替位置にある第3の本発明による電磁弁の模式的縦断面図である。
【
図3c】さらに別の切替位置にある第3の本発明による電磁弁の模式的縦断面図である。
【
図3d】さらに別の切替位置にある第3の本発明による電磁弁の模式的縦断面図である。
【
図3e】さらに別の切替位置にある第3の本発明による電磁弁の模式的縦断面図である。
【
図3f】さらに別の切替位置にある第3の本発明による電磁弁の模式的縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の好ましい実施形態およびそれらの利点を添付の図面をもとにして以下に詳しく説明する。
【0029】
図1a~
図1fに示された電磁弁1は、極体12に収容されたリング状のマグネットコイル5を有する。マグネットコイル5を用いて、一方では制御バルブ9のマグネットアーマチュア19と、他方ではメインバルブのマグネットアーマチュア2とに作用する磁力を生成することができる。両方のマグネットアーマチュア2、19は、ここでは同軸に配置され、逆方向に移動する。
【0030】
制御バルブ9のマグネットアーマチュア19は、少なくとも部分的にフラットアーマチュアとして形成され、制御バルブばね21によってシール座20の方向に付勢されている。その場合、マグネットアーマチュア19は、シール座20と協働する閉弁要素を同時に形成する。フラットアーマチュアとして形成されたマグネットアーマチュア19の部分には、斜めに延びる流通開口22が形成されている。
【0031】
メインバルブのマグネットアーマチュア2は、プランジャアーマチュアとして形成された第1の部分2.1と、フラットアーマチュアとして形成された第2の部分2.2とを有する。マグネットアーマチュア2は、シール座24と協働する弁部材3に結合可能である。マグネットアーマチュア2は、ばね4の弾撥力を介して弁部材3の方向に付勢されている。マグネットアーマチュア2のガイドは、ここではマグネットコイル5を収容する極体2のスリーブ状の部分によって形成されるスリーブ11を用いてもたらされる。
【0032】
図1aにおいて、電磁弁1は、マグネットコイル5の非通電時、その結果として閉状態で示される。制御室8、およびメインバルブの弁部材3が収容された弁室14ではそれぞれ高圧が支配する。なぜなら殊に圧縮ガス容器(図示せず)の貯蔵容積と接続されているガスライン25が弁室14に通じるからである。
【0033】
弁室14もまた、マグネットアーマチュア2のガイドを介して圧力室6に結合されており、圧力室は、スロットル7を介して制御室8と接続している。電磁弁1の外側、すなわちガスライン26には低圧が支配する。したがって、制御バルブばね21およびばね4の弾撥力の他に、マグネットアーマチュア19およびメインバルブの弁部材3には空気圧的閉力も作用する。
【0034】
電磁弁1を開くために、最初に制御バルブ9が開かれる。このために、マグネットコイル5に通電され、それにより磁場が発生し、磁場の磁力がマグネットアーマチュア19をシール座20から持ち上げる。その場合、マグネットアーマチュア19は極体12に当接する(
図1bを参照)。その場合、マグネットアーマチュア19に形成された流通開口22を介して、制御室8と圧力室6が接続された状態が引き続き確保されている。これは、制御室8の圧力だけでなく、圧力室6の圧力も低下するという結果をもたらす。マグネットコイル5を用いて生成された磁力によって補助されて、マグネットアーマチュア2に開方向に作用する力が勝り、それによりマグネットアーマチュアがリフトストッパ10に当接するまで(
図1cを参照)マグネットコイル5の方向に移動する。マグネットアーマチュアの開運動のために必要な容積変位は、メインバルブ側で圧縮ガス容器から弁室14への流入によって、制御バルブ側で圧力室6から殊にスロットル7を介した流出によって制御室8へ、そしてそこから開シール座20を介してガスライン26へ行われる。これに対してマグネットアーマチュア2の閉運動が所望される場合、シール座20は、磁力を遮断することによって閉じられ、その結果、制御バルブ側でシール座20を介して容積変位を行うことがもはやできなくなる。この場合、制御バルブ側の容積変位は、相応の空気圧流入によって弁室14と圧力室6との間のIスロットルとして形成された空気圧接続を介して行われる。接続を確保するために、マグネットアーマチュア2は、流路13、15と少なくとも1つの流通開口16とを有し、これらを介して、マグネットアーマチュア2がリフトストッパ10に当接する場合であっても空気圧接続が作成される。
【0035】
したがって、マグネットアーマチュア2のリフトは空気力と磁力を用いてもたらされ、プランジャアーマチュア部分2.1とフラットアーマチュア部分2.2とを有するマグネットアーマチュア2の特別の実施形態は、磁力の強化につながるだけでなく、同時に、磁力線誘導の最適化を可能にする。特に、磁力線が強化されてフラットアーマチュア部分2.2を介して延びるように磁気回路を設計することができる。このようにして、磁場を弱める半径方向の磁力線結合が最小化される。例えば、マグネットアーマチュア2の誘導の領域における遊びを拡大することができ、それにより半径方向の空隙において磁気抵抗が大きくなる。代替的または補足的に、材料変更によって磁気抵抗を増加させることができる。
【0036】
マグネットアーマチュア2のリフト中、マグネットアーマチュアは弁部材3から離れ、それによりばね4の弾撥力が弁部材3に影響を及ぼさなくなる。その代わりに、弁部材ばね23がその作用を発揮し、弁部材3を、ガスライン26と弁室14との間の開放圧差の達成と共にシール座24から持ち上げる(
図1dを参照)。電磁弁1が開かれる。
【0037】
電磁弁1の開位置において、弁室14を介してガスライン25および26において圧力補償が生じる。完全に圧力補償されると、メインバルブと制御バルブ9が純粋に磁気的にばね4、21の弾撥力に抗して開状態に保持される。最小の空隙により、これはマグネットコイル5のより小さい、いわゆる保持電流でも成功する。通常、開くために、いわゆる始動電流(Anzugstrom)である、一時的により高い電流が選択される。その場合、弁が開かれると、始動電流からより小さい保持電流に切り替えることができる。
【0038】
電磁弁1を閉じるために、マグネットコイル5の通電が終了され、それにより制御バルブばね21が制御バルブ9のマグネットアーマチュア19をシール座20へ戻す(
図1eを参照)。制御バルブ9が閉められた場合、制御室8が弁室14からのガスで満たされ、それにより制御室8の圧力が再び上昇する。弁室14と圧力室6との間のIスロットルを介して充填される圧力室6の圧力にも同じことがあてはまり、それにより圧力室6の圧力も上昇する。これはマグネットアーマチュア2に閉方向に作用する力が勝り、マグネットアーマチュア2をその初期位置へ戻すことにつながる。その場合、マグネットアーマチュア2は弁部材3に当接し、弁部材をシール座24に押し込む(
図1fを参照)。
【0039】
発展形態の措置によって、磁力線誘導のさらなる最適化を達成することができる。以下に、好ましい措置を
図2および
図3をもとにして説明する。
【0040】
図2a~
図2fの電磁弁2は、改変されたマグネットアーマチュア2を含むメインバルブを有する。マグネットアーマチュア2は、プランジャアーマチュアとして形成された部分2.1の領域に横断面縮小部17を有する。横断面縮小部17の領域では半径方向の空隙が拡大され、それに伴い磁気抵抗が増加されるため、横断面縮小部は、フラットアーマチュアとして形成された部分2.2によって磁場の磁力線が強化されて延びることに寄与する。横断面縮小部17は、マグネットアーマチュア2の旋削加工によって簡単に実現することができる。殊に、横断面縮小部17は、フラットアーマチュアとして形成された部分2.2に直接隣接して配置され、それによりフラットアーマチュア部分2.2に形成された流路15および/または流通開口16がこの領域に通じることができ、弁室14と圧力室6との必要な空気圧接続が作成される。
【0041】
図2の電磁弁1の動作原理は
図1の電磁弁1の動作原理に相当する。
図2aは、マグネットコイル5の非通電時、すなわち閉状態における電磁弁1を示す。開くために、マグネットコイル5に通電され、それにより磁場が発生し、その磁力が制御バルブ9のマグネットアーマチュア19をシール座20から持ち上げる(
図2bを参照)。制御バルブ9が開かれると、ガスが制御室8からガスライン26へ流れ、それにより制御室8の圧力が低下する。スロットル7を介して制御室8に結合された圧力室6の圧力にも同じことが当てはまる。圧力室6の圧力低下は、メインバルブのマグネットアーマチュア2の圧力軽減につながり、それにより開方向に作用する力が勝り、フラットアーマチュアとして形成された部分2.2がリフトストッパ10に当接するまで(
図2cを参照)マグネットアーマチュア2をマグネットコイル5の方向に動かす。その場合、マグネットアーマチュア2が弁部材3から離れるため、弁部材ばね23は、制御バルブ9を介したガスライン26の充填が進み開放圧差が達成されると、弁部材3をシール座24から持ち上げることができる(
図2dを参照)。通電の開始前にガスライン26と弁室14が圧力補償されている場合、制御バルブ9の開放とこれに続くマグネットアーマチュア2の開放とにより弁部材3の直接の開放が行われる。その場合、メインバルブも開かれる。閉じるために、マグネットコイル5の通電が終了され、それにより制御バルブばね21がマグネットアーマチュア19をシール座20へ戻す(
図2eを参照)。制御バルブ9が閉じられると、制御室8が弁室14と空気圧接続されているため、制御室8の圧力が再び上昇する。同じように、Iスロットルを介して圧力室6の圧力も上昇し、それによりマグネットアーマチュア2に閉方向に作用する力が勝り、マグネットアーマチュアがシール座24の方向に移動する。その場合、マグネットアーマチュア2は、弁部材3に当接し、それによりマグネットアーマチュア2は、弁部材3をシール座24に押し込む。それにより電磁弁1が閉じられる(
図2fを参照)。
【0042】
図3の電磁弁1は、磁力線誘導の最適化のために、マグネットアーマチュア2の横断面縮小部17の他に、マグネットアーマチュア2の誘導のために用いられる非磁性材料からなる部分18を含むスリーブ11を有する。部分18は、磁力線ポイントを形成するように横断面縮小部17と協働する。磁力線ポイントは、マグネットコイル5のみを用いることで制御バルブ9およびメインバルブの操作を容易にする。特に、一方の空隙内の磁束がそれぞれ他方の空隙における磁束を低減させず、その結果このようにして特に安価でエネルギーおよび設置スペースが最適化された電磁弁1が提供される。
【0043】
図3においてスリーブ11は極体12のスリーブ状の部分によって形成されるため、これは非磁性材料からなる部分18を有する。非磁性材料を使用することにより、部分18は半径方向の空隙の拡大をもたらし、この拡大は、特にマグネットアーマチュア2が持ち上がることによって横断面縮小部17が部分18と重ねられる(
図3cを参照)場合に磁力線ポイントとして形成される。その前に、すなわちメインバルブが閉じられると(
図3aを参照)、磁力線ポイントが磁場の磁力線を半径方向の空隙を介してプランジャアーマチュアとして形成されたマグネットアーマチュア2の部分2.1に結合させる。この場合、磁気抵抗が制御バルブ9のマグネットアーマチュア19と極体12との間の軸方向の空隙の領域におけるよりも大きいため、制御バルブ9を開くために利用することができる高い磁力が生じる(
図3bを参照)。メインバルブのマグネットアーマチュア2が開いているか、もしくは開かれた場合に初めて、横断面縮小部17の領域がスリーブ11の部分18と重ねられ、それにより磁力線の半径方向の結合が防がれるか、もしくは大幅に低減される。それによって、磁力線は半径方向に離れ、マグネットアーマチュア2のフラットアーマチュア部分2.2へ方向転換し、これは磁力線により小さい磁気抵抗を示す。マグネットアーマチュア2がそのリフト中に弁部材3から離れるため、弁部材は、弁部材ばね23によってシール座24から持ち上げられる(
図3dを参照)。閉じるために、
図1および
図2と同様に、マグネットコイル5の通電が終了され、それにより最初に制御バルブ9(
図3eを参照)、続いてメインバルブが閉じる(
図3fを参照)。
【符号の説明】
【0044】
1 電磁弁
2 マグネットアーマチュア
2.1 マグネットアーマチュアの部分
2.2 マグネットアーマチュアの部分
3 弁部材
4 ばね
5 マグネットコイル
6 圧力室
7 スロットル
8 制御室
9 制御バルブ
10 リフトストッパ
11 スリーブ
12 極体
13 流路
14 弁室
15 流路
16 流通開口
17 断面縮小部
18 周回部分
19 マグネットアーマチュア
20 シール座
21 制御バルブばね
22 流通開口
23 弁部材ばね
【手続補正書】
【提出日】2024-02-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁弁(1)、特に水素タンクシステムのための遮断弁であって、リフト運動可能な弁部材(3)に結合されている、または結合可能であるリフト運動可能なマグネットアーマチュア(2)を備え、前記マグネットアーマチュア(2)がばね(4)によって前記弁部材(3)の方向に付勢され、前記電磁弁が、前記マグネットアーマチュア(2)に作用を及ぼすためのリング状のマグネットコイル(5)をさらに備え、前記マグネットコイル(5)が前記マグネットアーマチュア(2)を部分的に取り囲む、電磁弁において、
前記マグネットアーマチュア(2)が、プランジャアーマチュアとして形成された部分(2.1)とフラットアーマチュアとして形成された部分(2.2)とを有し、前記プランジャアーマチュアとして形成された部分(2.1)が前記マグネットコイル(5)内で圧力室(6)を画定し、前記圧力室は、殊にスロットル(7)を介して制御室(8)に空気圧的に接続され、前記制御室は、同様に前記マグネットコイル(5)を用いて作動可能な制御バルブ(9)を開くことによって圧力軽減可能であることを特徴とする、電磁弁。
【請求項2】
前記マグネットアーマチュア(2)のリフトがリフトストッパ(10)によって制限され、殊にフラットアーマチュアとして形成された前記マグネットアーマチュア(2)の前記部分(2.2)が前記リフトストッパ(10)と協働することを特徴とする、請求項1に記載の電磁弁(1)。
【請求項3】
前記マグネットアーマチュア(2)、特にプランジャアーマチュアとして形成された前記マグネットアーマチュア(2)の前記部分(2.1)がスリーブ(11)上を案内され、前記スリーブは、殊に前記マグネットコイル(5)を収容する極体(12)のスリーブ状の部分によって形成されることを特徴とする、請求項
1に記載の電磁弁(1)。
【請求項4】
前記マグネットアーマチュア(2)、特にプランジャアーマチュアとして形成された前記マグネットアーマチュア(2)の前記部分(2.1)がスリーブ(11)上を案内され、前記スリーブは、殊に前記マグネットコイル(5)を収容する極体(12)のスリーブ状の部分によって形成されることを特徴とする、請求項2に記載の電磁弁(1)。
【請求項5】
前記マグネットアーマチュア(2)、特にプランジャアーマチュアとして形成された前記マグネットアーマチュア(2)の前記部分(2.1)と前記スリーブ(11)とが一緒に、前記圧力室(6)を前記弁部材(3)が収容された弁室(14)に接続する少なくとも1つの流路(13)を画定することを特徴とする、請求項3に記載の電磁弁(1)。
【請求項6】
前記マグネットアーマチュア(2)、特にプランジャアーマチュアとして形成された前記マグネットアーマチュア(2)の前記部分(2.1)と前記スリーブ(11)とが一緒に、前記圧力室(6)を前記弁部材(3)が収容された弁室(14)に接続する少なくとも1つの流路(13)を画定することを特徴とする、請求項4に記載の電磁弁(1)。
【請求項7】
前記マグネットアーマチュア(2)と前記スリーブ(11)との間にシール要素が設けられ、前記圧力室(6)は、前記弁部材(3)を収容する弁室(14)に流路を介して接続され、前記流路は、前記マグネットアーマチュア(2)または前記スリーブ(11)における孔、特にスロットル孔として形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の電磁弁(1)。
【請求項8】
前記マグネットアーマチュア(2)と前記スリーブ(11)との間にシール要素が設けられ、前記圧力室(6)は、前記弁部材(3)を収容する弁室(14)に流路を介して接続され、前記流路は、前記マグネットアーマチュア(2)または前記スリーブ(11)における孔、特にスロットル孔として形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の電磁弁(1)。
【請求項9】
前記マグネットアーマチュア(2)、特にフラットアーマチュアとして形成された前記マグネットアーマチュア(2)の前記部分(2.2)と前記リフトストッパ(10)とが一緒に、前記圧力室(6)を前記弁室(14)に接続する少なくとも1つの流路(15)を画定することを特徴とする、請求項
6に記載の電磁弁(1)。
【請求項10】
前記マグネットアーマチュア(2)、特にフラットアーマチュアとして形成された前記マグネットアーマチュア(2)の前記部分(2.2)と前記リフトストッパ(10)とが一緒に、前記圧力室(6)を前記弁室(14)に接続する少なくとも1つの流路(15)を画定することを特徴とする、請求項8に記載の電磁弁(1)。
【請求項11】
前記マグネットアーマチュア(2)、特にフラットアーマチュアとして形成された前記マグネットアーマチュア(2)の前記部分(2.2)を少なくとも1つの流通開口(16)が貫通することを特徴とする、請求項1から
10までのいずれか1項に記載の電磁弁(1)。
【請求項12】
前記マグネットアーマチュア(2)、特にプランジャアーマチュアとして形成された前記マグネットアーマチュア(2)の前記部分(2.1)は、周回する横断面縮小部(17)を有し、前記周回する横断面縮小部は、殊に、フラットアーマチュアとして形成された前記マグネットアーマチュア(2)の前記部分(2.2)に隣接して配置されていることを特徴とする、請求項1から
10までのいずれか1項に記載の電磁弁(1)。
【請求項13】
前記スリーブ(11)、殊に前記極体(12)の前記スリーブ状の部分は、非磁性材料からなる周回部分(18)を有し、殊に前記部分(18)は、前記マグネットアーマチュア(2)の完全なリフト時に前記マグネットアーマチュア(2)の横断面縮小部(17)の高さに配置されていることを特徴とする、請求項3から
10までのいずれか1項に記載の電磁弁(1)。
【請求項14】
前記制御バルブ(9)は、少なくとも部分的にフラットアーマチュアとして形成されたマグネットアーマチュア(19)を有し、前記マグネットアーマチュアは、殊にシール座(20)と協働する閉弁要素も同時に形成することを特徴とする、請求項1から
10までのいずれか1項に記載の電磁弁(1)。
【請求項15】
前記制御バルブ(9)の前記マグネットアーマチュア(19)は、制御バルブばね(21)によって前記シール座(20)の方向に付勢されていることを特徴とする、請求項
14に記載の電磁弁(1)。
【請求項16】
前記制御バルブ(9)の前記マグネットアーマチュア(19)は、前記圧力室(6)を前記制御室(8)に接続するための少なくとも1つの流通開口(22)を有することを特徴とする、請求項
14に記載の電磁弁(1)。
【請求項17】
前記制御バルブ(9)の前記マグネットアーマチュア(19)は、前記圧力室(6)を前記制御室(8)に接続するための少なくとも1つの流通開口(22)を有することを特徴とする、請求項15に記載の電磁弁(1)。
【請求項18】
前記弁部材(3)は、弁部材ばね(23)によって前記マグネットアーマチュア(2)の方向に付勢され、前記弁部材ばね(23)の弾撥力は、前記マグネットアーマチュア(2)を前記弁部材(3)の方向に付勢する前記ばね(4)の弾撥力よりも小さいことを特徴とする、請求項1から
10までのいずれか1項に記載の電磁弁(1)。
【請求項19】
水素タンクシステムであって、少なくとも1つの圧縮ガス容器と、前記圧縮ガス容器を遮断するための請求項1から
10までのいずれか1項に記載の電磁弁(1)とを備える、水素タンクシステム。
【国際調査報告】