(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】貫通孔とレールを備えた作業機用アダプタ
(51)【国際特許分類】
E02F 9/28 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
E02F9/28 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513184
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(85)【翻訳文提出日】2024-02-27
(86)【国際出願番号】 US2022041034
(87)【国際公開番号】W WO2023034055
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セルリエ、ダグラス シー.
(72)【発明者】
【氏名】シン、エリック ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ジュラ、ジェイソン ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ウェルズ、コーリー エム.
【テーマコード(参考)】
2D015
【Fターム(参考)】
2D015JA04
(57)【要約】
貫通孔とレールを備えた作業具用アダプタを提供する。交換可能な先端を備えた作業具アセンブリ(100)は、先端と、アダプタアセンブリ(118)と、を含み、アダプタアセンブリは、アダプタの形態をとることができるベース(300)を含み、ベース(300)は、第1突起(306a)と、第1突起(306a)と正反対に面する第2突起(328a)とを含む凸部(302a)を含む。段付きボア(320)は、第1突起(306a)から、第1突起(306a)によって少なくとも部分的に形成された大径部(322)を有する第2突起(328a)まで延びる。保持機構(400)は、レール(306、328)を使用して、アダプタに取り付けることができる先端(200)または歯のタイプを確実に選択する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アダプタ(300)であって、
アパチャー(304)を画定する鼻部(302)と、
前記鼻部(302)から延びており、前記アパチャー(304)に隣接して配置された第1レール(306)と、
前記アパチャー(304)に隣接して配置され、前記第1レール(306)と比べて正反対に延びる第2レール(328)と、を含み
前記第1レール(306)と前記第2レール(328)とは異なる構成となっている、アダプタ(300)。
【請求項2】
前記第1レール(306)は、第1曲率半径(R330)を有する第1凹状円弧面(330)を画定し、前記第2レール(328)は、前記第1曲率半径(R330)とは異なる第2曲率半径(R332)を有する第2凹状円弧面(332)を有する、請求項1に記載のアダプタ(300)。
【請求項3】
ベース(300)であって、
第1突起(306a)と、前記第1突起(306a)と正反対に面する第2突起(328a)とを含む
凸部(302a)と、
前記第1突起(306a)から前記第2突起(328a)まで延びる段付きボア(320)と、を含み、
前記段付きボア(320)は、前記第1突起(306a)によって少なくとも部分的に形成された大径部(322)を含む、ベース(300)。
【請求項4】
前記第1突起(306a)は、第1曲率半径(R330)を有する第1凹状円弧面(330)を画定し、前記第2突起(328a)は、第1曲率半径(R330)よりも小さい第2曲率半径(R332)を有する第2凹状円弧面(332)を画定する、請求項3に記載のベース(300)。
【請求項5】
前記第1曲率半径(R330)と前記第2曲率半径(R332)との比が1.72~2.08の範囲内である、請求項4に記載のベース(300)。
【請求項6】
前記第1突起(306a)は、頂部平面(334)と、底部平面(336)と、前記第1凹状円弧面(330)と正反対にある後部平面(338)と、を含む、請求項4に記載のベース(300)。
【請求項7】
前記第2突起(328a)は、上部平面(340)と、下部平面(342)と、第2凹状円弧面(332)と正反対にある背部平面(344)と、を含む、請求項6に記載のベース(300)。
【請求項8】
凹部(346)をさらに含み、前記第1突起(306a)および前記第2突起(328a)は、前記段付きボア(320)と前記凹部(346)との間に位置する、請求項3に記載のベース(300)。
【請求項9】
前記段付きボア(320)の大径部(322)内に配置された保持機構(400)をさらに含み、前記段付きボア(320)は、前記大径部(322)から前記凸部(302a)を完全に通って延びる小径部(324)も画定する、請求項3に記載のベース(300)。
【請求項10】
前記保持機構(400)は、スリーブ(404)と、前記スリーブ(404)内に配置されたバネ(406)と、を含む、請求項9に記載のベース(300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業具アセンブリのアダプタに先端を取り付けるために、土木、鉱山、建設機械などによって使用されるバケットアセンブリなどの作業具アセンブリに採用される保持機構に関する。より具体的には、本開示は、先端をアダプタに取り付けるための保持ピンアセンブリと、アダプタに取り付けることができる先端のタイプを確実に取り付けるためのレールとを使用する保持機構に関する。
【背景技術】
【0002】
ホイールローダ、掘削機などの機械は、土、岩石、砂などの材料に対する作業を助けるために、歯や先端が取り付けられているバケットアセンブリ、熊手、ハサミなどを含む作業具アセンブリを採用する。例えば、歯や先端は、バケットアセンブリが地面を貫通するのを助け、バケットなどへの土の掬い上げを容易にするために、バケットアセンブリに取り付けられ得る。アダプタは、通常、バケットまたは他の作業具の作業端(例えば、底端、側端など)に取り付けられており、異なる形式の歯や先端が作業具に取り付けられるようになっている。また、先端や歯は、先端をアダプタ上に選択的に保持するため、または先端をアダプタから取り外せるようにするために使用される保持機構を設けることによって、磨耗したときに容易に交換することができる
【0003】
米国特許第740,876Aは、基部と交換可能なキャップとを含むバケット用の歯を開示している。ベースには、断面が十字状のラグが設けられている。ベースのラグの支持側縁の対向面は、ラグの全長に沿って歯の長手方向軸に対して平行であり、すなわち、縁は、その全長に沿って同じ厚さを有する。ベースのラグには、スライダブロックおよび弾性部材を収容する貫通開口部と孔が形成されている。交換可能なキャップには、開口部と同軸に貫通開口部が形成されている。同軸開口部には、ベースのラグ上の交換可能なキャップの位置を固定するピンが挿入されている。
【0004】
しかし、特許第876号の固定クリップは、アダプタに取り付けられる先端タイプを制限するための非耐荷重性のフールプルーフ機能能を提供していない。
【0005】
同様に、米国特許第5,956,874 A号は、アダプタの鼻にマウントされた歯先を開示している。歯先は、キーパーによって所定の位置に保持されたロックピンによってアダプタに取り外し可能に固定されている。歯先にはボスがあり、アダプタの鼻にある溝に滑り込む。
【0006】
しかし、特許第874号の歯先は、アダプタの鼻に溝がない現場のアダプタには適用されない可能性がある。
【発明の概要】
【0007】
本開示の一実施形態に係るアダプタアセンブリは、長手方向軸、長手方向に垂直な垂直軸、並びに、垂直軸および長手方向軸に垂直な横軸を画定する本体を含むアダプタを含んでもよい。本体は、アパチャーを含む鼻部と、長手方向軸に沿ってアパチャーに隣接して配置された第1レールとを含む。第1レールは、鼻部から横方向および縦方向に延びてもよい。
【0008】
本開示の一実施形態に係るアダプタは、アパチャーを画定する鼻部と、鼻部から延びており、アパチャーに隣接して配置された第1レールと、アパチャーに隣接して配置され、第1レールと比べて正反対に延びる第2レールと、を含んでもよい。第1レールと第2レールとは異なる構成となっている。
【0009】
本開示の一実施形態に係るベースは、第1突起と、第1突起と正反対に面する第2突起とを含む凸部を含んでもよい。段付きボアは、第1突起から、第1突起によって少なくとも部分的に形成された大径部を有する第2突起まで延びてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の様々な実施形態に従って構成された部品を備えた、先端、アダプタ、および保持機構を使用するバケットアセンブリのような作業具アセンブリの斜視図である。
【
図2】
図1の作業具アセンブリから分離して示されている、
図1の先端およびアダプタサブアセンブリの斜視図である。
【
図3】
図2の先端およびアダプタアセンブリの線3-3に沿った上部断面図であり、本開示の一実施形態によるロック構成の保持機構と、保持機構に隣接する一対のレールとを示している。
【
図4】
図2の先端およびアダプタアセンブリの線4-4に沿った背面断面図である。
【
図5】
図2の先端およびアダプタアセンブリの分解組立図である。
【
図6】単独で示されている
図2のアダプタの側面図であり、外側スリーブとコイルワッシャバネを含む保持機構を受容する座ぐり穴を示している。
【
図7】
図6の座ぐり穴に挿入される前に組み立てられた外側スリーブおよびコイルワッシャバネを示す。
【
図8】本開示の別の実施形態による、保持機構のスリーブおよびバネが先端の内部ポケット内に保持された、先端およびアダプタアセンブリの部分断面図である。
【
図9】アダプタを取り外した
図8の先端および保持機構の後方斜視図であり、スリーブおよびバネを保持しているポケットがより明確に見えるようになっている。
【
図10】
図9の先端および保持機構の背面図である。
【
図11】保持機構が取り外された
図9の先端の後方斜視図であり、ポケットをより明確に示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。可能な限り、図面において、同一の参照番号を使用して同一または類似の部品を示す。いくつかの場合において、参照番号は本明細書で示されており、図面は、参照番号を、その後に英文字が続くように、例えば100a、100bのような形で示し、または、その後に素数記号が続くように、例えば100'、100''のような形で示す。参照番号の直後に文字または素数を使用することは、例えば幾何学的形状が対称平面鏡像を囲む場合によく見られるように、これらの特徴が類似した形状および類似した機能を有することを示すことを理解されたい。本明細書において、説明を容易にするために、英文字またはプライムは通常含まれないが、本明細書で説明されるフィーチャの重複を示すために図面に示され得る。
【0012】
次に、本開示の様々な実施形態による先端を使用する作業具アセンブリについて説明する。
【0013】
図1から始めると、作業具アセンブリ100は、ホイールローダによって使用され、実質的に閉じられた内部と連通する開口部102を画定する筐体101を含むバケットアセンブリ100'の形態をとってもよい。
図1に示すように、バケットアセンブリ100の後部から始めて、バケットアセンブリ100は、シェル104の上端の後壁106に取り付けられた湾曲したシェル輪郭104を含む。シェルの他端は、アセンブリ100の底板108に取り付けられている。後壁106の上端には天板110が取り付けられている。天板110は、材料をバケツの内部に注ぎ込み、材料がバケツからこぼれ出るのを防ぐように設計された流出ガード112に移行する。天板110および流出ガード112に取り付けられて強度を補強する補強リブ119が設けられる。流出ガード112、天板110、後壁106、底板108、およびシェル104の側縁には、2つの実質的に平坦な端板114が取り付けられている。
【0014】
側縁アセンブリ115は各端板114に取り付けられ、前縁アセンブリ116はバケットアセンブリ100の底板108の前縁に取り付けられる。前縁アセンブリ116は、底板108に取り付けられたベース縁117と、ベース縁117に取り付けられた複数のアダプタアセンブリ118と、複数の先端200(工具、歯などとも呼ぶ。)とを含む。そして、複数の先端200の各々が複数のセンターアダプタ300の1つに取り付けられている。また、2つのコーナーアダプタ300aもバケットアセンブリ100’の底縁および側縁122に接続されている。先端200は、コーナーアダプタ300aに取り付けてもよい。
【0015】
さらに、複数のベース縁プロテクタ124も設けられており、ベース縁プロテクタ124の各々は、センターアダプタ300間、およびセンターアダプタ300とコーナーアダプタ300aとの間に位置する。コーナーアダプタ300aの側縁122に近接して取り付けられる側縁プロテクタ126も設けられる。
【0016】
作業具アセンブリは、レーキアセンブリ、シャーアセンブリなどを含むバケットアセンブリ以外の他の形態をとってもよいことが理解されるべきである。加えて、掘削機で使用することが意図されている異なる構成のバケットは、本明細書で議論される先端、保持機構、アダプタ、バネ、スリーブ、アダプタアセンブリ、先端およびアダプタアセンブリのような様々な実施形態を使用することもできる。
【0017】
図2および
図3に示すように、本開示の一実施形態による先端およびアダプタアセンブリ118は、長手方向軸202と、長手方向軸202に垂直な垂直軸204と、垂直軸204および長手方向軸202に垂直な横軸208とを画定する本体202を含んでもよい。先端は、閉鎖端210(必ずしも必要ではない)を含む長手方向軸202に沿って配置された前方作業部分208と、外面216と内面218を有する開放端214を含む長手方向軸202に沿って配置された後部取付部分212とを含んでもよい。
【0018】
先端およびアダプタは、互いに嵌合するように設計されており、したがって、同じ長手方向軸、横軸および垂直軸を共有することができることが理解されるべきである。
【0019】
図3および
図4に焦点を当てると、アセンブリ118は、アパチャー304を画定する鼻部302を有する本体と、長手方向軸202に沿ってアパチャー304に隣接して配置された第1レール306を含むアダプタ(例えば、センターアダプタ300が詳細に示されているが、
図1に示されているコーナーアダプタ300aも同様に構成されてもよい)を含んでもよい(図に示されているように、アパチャーの後方に配置されてもよいし、前方に配置されてもよい)。第1レール306は、鼻部302から横方向および縦方向に延びてもよい。一方、先端200の内面218は、第1レール306が配置されるレール受容溝220を画定する。図示のように、2つのレールを受容するために2つのそのような溝を設けることができるが、必ずしもそうである必要はない。先端200は、後でより詳細に説明するように、保持機構400を受容するためにアダプタ300のアパチャー304と位置合わせされた(例えば、同一直線上、同心円上など)孔222を画定してもよい。
【0020】
図2において、アダプタ300には、第1脚308、第2脚310、第1脚308を第2脚310に接続し、開放端316と閉鎖端318を有するスロット314を形成するスロート部312などのマウント構造が設けられてもよい。したがって、アダプタは、脚が縁上を跨ぐように、脚を縁上でスライドさせることによって、作業具の縁または他の縁に取り付けることができる(こうして長手方向軸などを画定する)。アダプタを縁に保持するために、保持機構または溶接などが使用されてもよい。本開示の他の実施形態では、他のタイプのマウント構造を採用することもできる。
【0021】
図3に示すように、先端の孔222およびアダプタのアパチャー304は、アセンブリ118を完全に通って延びる通路を形成し、それにより、保持ピン402がアセンブリを完全に通過できることを可能にする。これは、本開示の他の実施形態には当てはまらない可能性がある。
【0022】
より具体的には、アダプタ300のアパチャー304は、大径部322と先端200の孔222に連通する小径部324とを有する座ぐり穴320(
図6も参照)の形態をとることができる。保持機構400は、座ぐり穴320内に配置されたスリーブ404およびバネ406を含んでもよい。バネ406は、拡張するコイルワッシャタイプのバネ部材であり、ばねがピンの側面のノッチに落ちるまで(および/または摩擦によって)ピンが通過できるようにし、意図しない変位に対してピンを所定の位置に保持する。他の保持機構などが使用されてもよい。
【0023】
言い換えれば、ピン402は、座ぐり穴の大径部322、座ぐり穴の小径部324および先端200の孔222に同時に配置されたバネに係合してもよい。これで、先端をアダプタから長手方向に引き抜くことができなくなる。
【0024】
図3~
図5を参照すると、第1レール306は、アダプタ300のアパチャー304に長手方向に隣接して配置され、アパチャー304に長手方向に隣接する回転面326(例えば、円錐形または円筒形の面など)を形成することができる。また、第1レール306は、アパチャー304とアダプタ300のスロート部312との間に長手方向に介在してもよい。
【0025】
図3および
図4において、第1レール306は、垂直幅W306と、垂直幅よりも小さい横高さH306と、垂直幅よりも大きい長手方向長さL306とを画定し得ることが分かった。
【0026】
図3および
図6に示すように、座ぐり穴320を部分的に画定する第2レール328が設けられてもよく、第2レール328の長手方向長さL328は、第1レール306の長手方向長さL306に比べて減少している。幅と高さは同じであってもよい。
【0027】
次に、
図4および
図5を参照して、アセンブリ118と類似または同一のアセンブリを修理または改造するために使用できる摩耗部材について説明する。摩耗部材(例えば、先端200などの形態を取ってもよい。)はシェル本体201を含んでもよく、シェル本体201は、後方開口部(例えば、開放端214を参照)を画定して、内面218を形成し、第1耳部224(そのような耳は2つ設けられてもよいが、必ずしもそうである必要はない)を有する外面216を含み、後方開口部から延びる内面218上にレール受容溝220(そのような溝は2つ設けられてもよいが、必ずしもそうである必要はない)を相補的に形成する。単孔222は、第1耳部224を通ってレール受容溝220まで延びてもよい。図示のように、単孔222は、一定の直径226(すなわち、10%未満の変動)を維持することができる。これは、本開示の他の実施形態には当てはまらない可能性がある。
【0028】
次に、
図5および
図6を参照して、アセンブリ118と類似または同一のアセンブリを修理または改造するために使用できるベース部材について説明する。
【0029】
このようなベース(例えばアダプタ300の形態を取ってもよい)は、第1突起306aと、第1突起306aと正反対に面する第2突起328aとを含む凸部302aと、第1突起306aから第2突起328aまで延びる段付きボア(例えば座ぐり穴320の形態を取ってもよい)とを含んでもよい。本明細書で前述したように、段付きボアは、第1突起306aによって少なくとも部分的に形成された大径部322を含んでもよい。
【0030】
引き続き
図5および
図6を参照して、第1突起306aは、第1曲率半径R330を有する第1凹状円弧面330を画定し、第2突起328aは、第1曲率半径R330よりも小さい第2曲率半径R332を有する第2凹状円弧面332を画定してもよい(または、その逆、つまり、一方のレールが、異なる曲率半径を有する他方のレールとは異なる構成であることを意味する)。より具体的には、本開示のいくつかの実施形態では、第1曲率半径と第2曲率半径との比は、1.72~2.08の範囲内であってもよい。
【0031】
図6に最もよく示されるように、第1突起306aは、頂部平面334と、底部平面336と、第1凹状円弧面330と比べて正反対または反対側にある後部平面338とを含んでもよい。他の構成も可能である。
【0032】
同様に、
図4および
図5に示すように、第2突起328aは、上部平面340と、下部平面342と、第2凹状円弧面332と正反対または反対側にある後部平面344とを含んでもよい。本開示の他の実施形態では、他の構成が可能である。
【0033】
図3、
図5および
図6を再び参照して、ベースは、凹部346(例えば、脚によって形成される)をさらに含んでもよく、第1突起306aおよび第2突起328aは、段付きボア(例えば、座ぐり穴320)と凹部346との間に位置してもよい。これは、本開示の他の実施形態には当てはまらない場合がある(例えば、突起は段付きボアの前にあってもよいなど)。
【0034】
図3において、保持機構400は、段付きボアの大径部322内に配置されてもよい。より具体的には、スリーブ404およびバネ406は座ぐり穴320内に配置されている。また、段付きボアは、大径部322から凸部302aを完全に追って延びる小径部324を画定する。これは、本開示の他の実施形態には当てはまらない場合がある。
【0035】
この構造の結果として、ピン402は、バネと係合するまで(例えば、その円周面上のノッチを介して、その円周面上の摩擦などを介して)段付きボアに挿入され得る。ピンを取り外すには、ピンの端部に工具を置き、ピンが段付きボアから外れるまでハンマーで叩いてもよい。ここで、摩耗部材をベースから取り外すことができる。
【0036】
次に、
図1~
図7と同様の先端およびアダプタアセンブリ118aについて、
図8~
図12を参照して説明する。アセンブリ118、118aの主な相違点は、保持機構を保持するための座ぐり穴がアダプタではなく118aの先端に配置されていることである。
【0037】
例えば、
図8に示すアダプタ300bは、本明細書で説明したアダプタ300と同様に構成されており、互いに異なる構成を有し、ピン/保持機構と円弧面330a、332aとの間に追加の隙間350が設けられていることを除いて、本明細書で説明した形状および寸法と同様の形状および寸法を有するレール306b、328bまたは突起を有することを含む。したがって、これらの曲率半径の比は、本明細書で前述した範囲内に収まり得る。しかし、アダプタ300bには座ぐり穴が存在しない。
【0038】
ここで、
図11および
図12に示す先端200aに焦点を当てると、それは、長手方向軸202a、長手方向軸202aに垂直な垂直軸204a、並びに、長手方向軸および垂直軸に垂直な横軸206aを画定する本体を有し得る。本体は、閉鎖端210を含む長手方向軸202aに沿って配置された前方作業部分208aと、外面216と表面218aを有する開放端214を含む長手方向軸に沿って配置された後部取付部分212aとを含んでもよい。
【0039】
図11に最もよく示されるように、内面218aは、長径230および短径232を有する内側座ぐり穴228を画定してもよい。長径と短径の比は1.8~2.2の範囲内であってもよい。また、短径232は、先端を完全に通って横方向に延びてもよいが、必ずしもそうではない。
【0040】
図8および
図9に示すように、保持機構400は内側座ぐり穴228内に配置されてもよく、保持機構400は、スリーブ404と、本明細書の他の箇所で説明するよう内側座ぐり穴228内に配置されたバネ406と、を含む。加えて、ピン402は、内側座ぐり穴228の短径232内に配置され、本明細書の他で説明したようにバネ406と係合することができる。
【0041】
図11を再び参照すると、先端200aの外面216は、第1耳部224を画定してもよく、内側座ぐり穴228の短径232は、第1耳部224を通って延びてもよい。また、先端200aの外面216は、第2耳部234と、内側座ぐり穴228の短径232と同一の広がりを有する別の貫通孔236とを画定してもよい。言い換えれば、短径232は一定であってもよい(すなわち、10%未満の変動であってもよい)。これは、本開示の他の実施形態には当てはまらない可能性がある。
【0042】
先端200a(および先端200)の外側のみから見ると、外面216は、第1耳部を通って延びる単一のアパチャー(例えば、孔222、222a)と、第2耳部234を通って延びる別の単一のアパチャー(例えば、貫通孔236)とを画定することを特徴としてもよい。両方の単一のアパチャーが同一の広がりを持つ場合もある。
【0043】
次に、代替部品として、または現場での改造として提供され得る摩耗部材(例えば、先端200、200a)について
図3、
図8および
図11を参照して説明する。
【0044】
摩耗部材はシェル本体201、201aを含んでもよく、シェル本体201、201aは、後方開口部(例えば、開放端214)を画定し、内面218、218aを形成し、後方開口部から延びる内面上にレール受容溝220を相補的に形成する第1耳部224を有する外面216を含んでもよい。単孔222、222aは、外面216から第1耳部224を通ってレール受容溝220まで延び、一定の直径226を画定してもよい。
【0045】
図3、4および12を参照すると、外面216は第2耳234を画定し、内面218、218aには後方開放端から延びる別のレール受容溝220aが相補的に形成されている。
【0046】
図11では、内面218aは、第1耳部224の単孔222と連通する座ぐり穴(例えば、228を参照)を画定し、この単孔222は別の一定の直径を画定する(例えば、長径230の形態を取ってもよい)。単孔の一定の直径226に対する座ぐり穴の一定の直径230の比は、1.8~2.2の範囲内であってもよい。
【0047】
本開示の他の実施形態による摩耗部材については、
図8~
図12を参照して説明することができる。摩耗部材(例えば、先端200a)は、鼻部受容ポケット238を画成する鼻部受容部(例えば、後方取り付け部分212aの形態を取ってもよい)と、外面(例えば、外面216を参照)とを含んでもよい。内側座ぐり穴228は、鼻部受容ポケット238から鼻部受容部を通って外面216まで延びてもよい。内側座ぐり穴228は、鼻部受容ポケット238に隣接して配置された大きな保持機構受容キャビティ240(
図8を参照、小さなピン受容孔242よりも大きいという意味で大きい)と、大きな保持機構受容キャビティ240に外側から延びる小さなピン受容孔242(
図8を参照)とを画定する。
【0048】
また、外側から大きな保持機構受容キャビティ240に向かって延びるスロット(例えば、レール受容溝220の形態をとることができる)を設ける。
図8および11に示すように、スロットは、大きな保持機構受容キャビティ240まで完全に延びてもよいが、必ずしもそうである必要はない。したがって、スロット、座ぐり穴、および鼻部受容ポケットはすべて相互に連通している。
【0049】
図12に最もよく示されるように、スロットは、スロット深さ242(横方向に測定)を画定してもよいが、一方、大きな保持機構受容キャビティ240は、スロット深さ242よりも小さいキャビティ深さ244を画定する。これは、本開示の他の実施形態には当てはまらない場合がある。
【0050】
さらに、スロットは、スロット幅246(垂直方向に測定)を画定してもよいが、大きな保持機構受容キャビティ240は、スロット幅246よりも大きい直径(例えば、
図11の長径230)を画定する。同様に、これは、本開示の他の実施形態には当てはまらない可能性がある。保持機構400(例えば、スリーブ404およびバネ406)は、大きな保持機構受容キャビティ240内に配置されてもよい。
【0051】
また、なお、様々な手段の寸法、角度、表面積、および/または構成の範囲のいずれも、本明細書で具体的に言及されていないものも含め、所望または必要に応じて変更してもよい。特に説明されていないが、フィレットなどのブレンドがさまざまなサーフェスを接続することが示されている。これらは他の実施形態では省略されることがあり、特に明記しない限り、本明細書を読む際にはそれらの存在が無視される場合があることを理解されたい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
実際には、機械、作業具アセンブリ、先端、摩耗部材、アダプタ、ベース部材、アダプタアセンブリ、先端およびアダプタアセンブリ、保持機構、および/またはこれらのさまざまなアセンブリおよび部品の任意の組合せは、アフターマーケット環境で機械または作業具アセンブリを現場で改造するために製造、購入、または販売することができ、あるいは代替的に相手先商標製品製造業者(OEM)環境で製造、購入、販売またはその他の方法で入手してもよい。
【0053】
上記の部品のいずれも、鉄、ねずみ鋳鉄、ばね鋼、プラスチック、ゴム、発泡体などを含む任意の適切な材料から製造されてもよい。
【0054】
図1~4に示されるような前述の先端およびアダプタアセンブリなどは、
図5に示される方法500を使用して組み立てられ得る。まず、バネをスリーブに挿入(例えば、スナップ嵌めまたはねじ込み)することができる(ステップ502を参照)。次に、このサブアセンブリを(例えば
図7に示すように)座ぐり穴に挿入する(ステップ504を参照)。その後、先端をアダプタ上にスライドさせる(ステップ506)。その後、ピンをいずれかの側から座ぐり穴に配置し、本明細書で先に述べたように、ピンがバネと係合するまでハンマーで叩く(ステップ508)。これで、先端がアダプタに固定される。分解は、これらのステップのうちの1つまたは複数を逆にすることによって達成され得る。
【0055】
図8~
図12に示す先端およびアダプタアセンブリについては、スリーブ/バネアセンブリが先端の座ぐり穴に挿入されることを除いて、組み立てプロセスは実質的に同じである。その後、組み立ての1つまたは複数の手順を逆に行うことで、分解が行われる。
【0056】
本明細書で使用される場合、冠詞「1つ(a)」および「1つ(an)」は、1つまたは複数の項目を含むことが意図されており、「1つまたは複数」と交換して使用してもよい。1つの項目のみを使用する予定の場合は、「1つ」またはそれに類する言語を使用する。また、本明細書で使用される場合、「有する(has)」、「有する(have)」、「有する(having)」、「有する(with)」などの用語は、無制限の用語であることを意図している。さらに、「に基づいて」という語句は、明示的に別段の記載がない限り、「少なくとも部分的に基づいて」を意味することを意図している。
【0057】
前述の説明は、開示されたアセンブリおよび技術の例を提供することを理解されたい。しかしながら、本開示の他の実施態様は、細部で前述の例と異なり得ることが予想される。本開示またはその例へのすべての参照は、その点で説明されている特定の例を参照することを意図しており、本開示の範囲のより一般的ないかなる制限を示唆することを意図していない。ある特定のフィーチャに関する区別および非難のすべての言語は、これらのフィーチャに対する選好の欠如を示すことを意図しているが、別段の記載がない限り、本開示の範囲から完全に除外されるものではない。
【0058】
本明細書で別段の指示がない限り、本明細書における値の範囲の記述は、範囲内に入っている個々の値を個別に参照するための簡潔な方法としてのみ意図されており、個々の値は、本明細書で個別に記述されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0059】
当業者にとって明らかなように、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本明細書で説明された装置および組み立て方法の実施形態に様々な修正および変更を加えることができる。本明細書に開示された様々な実施形態の仕様および実践を考慮すると、本開示の他の実施形態は当業者にとって自明であろう。例えば、いくつかの装置は、本明細書に記載されたものとは異なる構成および機能を有していてもよく、任意の方法のいくつかのステップは省略されてもよく、具体的に言及されたものとは異なる順序で実行されてもよく、場合によっては同時にまたは段階的に実行されてもよい。さらに、様々な実施形態の特定の態様またはフィーチャは、さらなる実施形態を作成するために変更または修正されてもよく、様々な実施形態のフィーチャおよび態様は、さらにさらなる実施形態を提供するために、他の実施形態の他のフィーチャまたは態様に追加され、またはそれらの代わりになってもよい。
【0060】
したがって、本開示は、適用法によって許容される場合には、添付の特許請求の範囲に記載された主題のすべての修正および均など物を含む。さらに、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、そのすべての可能な変更における上記の要素の任意の組み合わせは、本開示に含まれる。
【国際調査報告】