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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】走査における複数の操舵機構の使用
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
G01S7/481 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513355
(86)(22)【出願日】2022-07-30
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 US2022038971
(87)【国際公開番号】W WO2023033964
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】17/465,835
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520437076
【氏名又は名称】シルク テクノロジーズ インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003007
【氏名又は名称】弁理士法人謝国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】アスガリ、メヘディ
(72)【発明者】
【氏名】ワーク、ニルマル、チンドゥ
(72)【発明者】
【氏名】クーナス、プラカシュ
(72)【発明者】
【氏名】ルフィ、ブラッドレー ジョナサン
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084AA07
5J084BA03
5J084BA36
5J084BA50
5J084BB01
5J084BB04
5J084BB11
5J084BB15
5J084BB28
5J084BB33
5J084BB35
5J084BB38
5J084BB40
5J084CA48
5J084CA49
5J084DA01
5J084DA09
5J084EA40
(57)【要約】
操舵における複数の操舵機構の利用。LIDARシステムは、それぞれ、視野においてLIDARシステムから出力されるシステム出力信号を操舵するように構成されるビーム操舵器、及び、信号導波器を有している。視野におけるシステム出力信号の経路は、ビーム操舵器、及び、信号導波器からの寄与を有している。前記経路への前記ビーム操舵器の寄与は、視野を横切って戻ってくる、及び、進んでいく2次元経路上でのシステム出力信号の移動である。前記経路への信号導波器の寄与は、ビーム操舵器によって提供される2次元経路寄与を横切るシステム出力信号の移動である。
【選択図】 図1


























【特許請求の範囲】
【請求項1】
LIDARシステムから出力されるシステム出力信号を、視野において、操舵するように構成される信号導波器、及び、視野の2次元経路上で、前記システム出力信号を操舵するように構成されるビーム操舵器を有するLIDARシステムであって、
前記信号導波器は、
それぞれがLIDAR出力信号を出力するように構成される複数のユーティリティ導波路、
前記LIDAR出力信号からの光を有するコンポーネント出力信号を出力するように構成される方向転換器
を有し、
どの1つの前記ユーティリティ導波路が、前記LIDAR出力信号を出力するのかの変化に応じて、前記コンポーネント出力信号が前記方向転換器から離れるように移動する方向が、変化する、
LIDARシステム。
【請求項2】
前記信号導波器は、前記LIDAR出力信号が前記ユーティリティ導波路から出力されるときに、前記LIDAR出力信号のパワーを増幅するように、1つの前記ユーティリティ導波路に沿って、それぞれ、配置される光増幅器を有する、
請求項1のシステム。
【請求項3】
各前記光増幅器は、
少なくとも1つの前記ユーティリティ導波路の一部として機能する増幅器導波路を有し、
各1つの前記増幅導波路は、
異なるユーティリティ信号を受信し、
電子装置は、
前記LIDAR出力信号を出力する前記ユーティリティ導波路に搬送される前記ユーティリティ信号を増幅する一方、前記LIDAR出力信号を出力しない1つ以上の前記ユーティリティ導波路に搬送される前記ユーティリティ信号を増幅しないように、前記光増幅器を作動する、
請求項2のシステム。
【請求項4】
各前記増幅導波路は、
前記電子装置が、前記増幅導波路に搬送される前記ユーティリティ信号を増幅しない場合、前記ユーティリティ信号を吸収するように構成され、
各前記増幅導波路は、
前記ユーティリティ信号を吸収し、前記ユーティリティ信号が前記増幅器によって受信されたときに、前記ユーティリティ信号のパワーレベルを、前記ユーティリティ信号のパワーレベルの1%より小さくなるまで低減するように構成される、
請求項3のシステム。
【請求項5】
利得媒質の単一の層が、各前記増幅導波路に共通である、
請求項3のシステム。
【請求項6】
サーキュレータは、
前記LIDAR出力信号からの光を有するサーキュレータ入力信号を受信するように構成され、
前記サーキュレータは、
サーキュレータ出力信号を出力するように構成され、
前記システム出力信号は、
前記サーキュレータ出力信号からの光を有する、
請求項1のシステム。
【請求項7】
前記サーキュレータ出力信号が前記サーキュレータから離れるように移動する方向は、前記LIDAR出力信号を出力する前記ユーティリティ導波路の変更に応じて、変化する、
請求項6のシステム。
【請求項8】
前記システム出力信号が前記LIDARシステムから離れるように移動する方向は、前記LIDAR出力信号を出力する1つの前記ユーティリティ導波路の変更に応じて、変化する、
請求項1のシステム。
【請求項9】
LIDARシステムから出力されるシステム出力信号を、視野において、操舵するように構成される信号導波器を有するLIDARシステムであって、
前記信号導波器は、
ユーティリティ光信号を案内し、及び、前記ユーティリティ光信号からの光を有しLIDAR出力信号を出力するように、それぞれが構成される複数のユーティリティ導波路を有し、
各前記ユーティリティ導波路は、
前記ユーティリティ導波路に案内される前記ユーティリティ光信号のパワーレベルを増幅するように構成される増幅器を有し、
方向転換器は、
前記LIDAR出力信号からの光を有するコンポーネント出力信号を出力するように構成され、
前記コンポーネント出力信号が前記方向転換器から離れるように移動する方向は、どの1つの前記増幅器が1つの前記ユーティリティ光信号を増幅するのかの変更に応じて、変化する、
LIDARシステム。
【請求項10】
ビーム操舵器は、
前記視野において、前記システム出力信号を操舵するように構成されている、
請求項9のシステム。
【請求項11】
前記システム出力信号が前記LIDARシステムから離れる方向は、前記増幅器のうちの1つが前記ユーティリティ光信号のうちの1つを増幅する変化に応答して変化する、
請求項9のシステム。
【請求項12】
各前記光増幅器は、
1つの前記ユーティリティ導波路の少なくとも一部として機能する増幅器導波路を有し、
各前記増幅導波路は、
異なるユーティリティ信号を受信し、
電子装置は、
前記LIDAR出力信号を出力する前記ユーティリティ導波路に搬送される前記ユーティリティ信号を増幅する一方、前記LIDAR出力信号を出力しない1つ以上の前記ユーティリティ導波路に搬送される前記ユーティリティ信号を増幅しないように、前記光増幅器を作動する、
請求項8のシステム。
【請求項13】
各前記増幅導波路は、
前記電子装置が、前記増幅導波路に搬送される前記ユーティリティ信号を増幅しない場合、前記ユーティリティ信号を吸収するように構成され、
各前記増幅導波路は、
前記ユーティリティ信号を吸収し、前記ユーティリティ信号が前記増幅器によって受信されたときに、前記ユーティリティ信号のパワーレベルを、前記ユーティリティ信号のパワーレベルの1%より小さくなるまで低減するように構成される、
請求項12のシステム。
【請求項14】
サーキュレータは、
前記LIDAR出力信号からの光を有するサーキュレータ入力信号を受信するように構成され、
前記サーキュレータは、
サーキュレータ出力信号を出力するように構成され、
前記システム出力信号は、
前記サーキュレータ出力信号からの光を有する、
請求項8のシステム。
【請求項15】
前記サーキュレータ出力信号が前記方向転換器から離れるように移動する方向は、どの1つの前記増幅器が1つの前記ユーティリティ光信号を増幅するのかの変化の変更に応じて、変化する、
請求項14のシステム。
【請求項16】
システム出力信号を視野において操舵するように構成されるビーム操舵器、及び、信号導波器を有し、前記システム出力信号は、前記LIDARシステムから出力される、LIDARシステムであって、
前記視野におけるシステム出力信号の経路は、
前記ビーム操舵器、及び、前記信号導波器からの寄与を有し、
前記経路への前記ビーム操舵器の寄与は、
前記視野を横切って戻ってくる、及び、進んでいく2次元経路上での前記システム出力信号の移動であり、
前記経路への前記信号導波器の寄与は、
前記ビーム操舵器によって提供される前記2次元経路寄与を横切る前記システム出力信号の移動である、
LIDARシステム。
【請求項17】
前記ビーム導波器は、操舵可能なミラーである、
請求項15のシステム。
【請求項18】
前記ビーム操舵器は、
前記システム出力信号を、スロー軸、及び、ファスト軸で、同時に、走査するように構成され、
前記ビーム操舵器は、
前記システム出力信号が前記LIDARシステムから離れるように移動する方向が遅い角速度で変化するように、前記スロー軸で前記システム出力信号を走査し、
前記ビーム操舵器は、
前記システム出力信号が前記LIDARシステムから離れるように移動する方向が速い角速度で変化するように、前記スロー軸で前記システム出力信号を走査し、
前記遅い角速度に対する前記速い角速度の比は、2:1より大きく、及び、200:1より小さい、
請求項15のシステム。
【請求項19】
前記ビーム操舵器の前記経路への寄与は、ジグザグパターンでの前記システム出力信号の移動である、
請求項15のシステム。
【請求項20】
それぞれが異なる方向にLIDARシステムから離れるように移動する複数の異なるシステム出力信号を出力し、及び、それぞれが異なる1つの前記システム出力信号からの光を搬送するシステム戻り信号を受信するように構成されるLIDARシステムであって、うなり周波数でうなる信号を生成するために、各前記システム戻り信号からの光を参照信号と合成するように構成されるLIDARシステム、
複数の異なる電気データ信号を受信する電気デマルチプレクサを有し、各前記電気データ信号は、1つの前記うなり周波数を示す電子装置であって、前記データ信号の一部を選択し、及び、前記電気デマルチプレクサが前記データ信号の選択された部分を出力するように前記電気デマルチプレクサを作動し、及び、前記データ信号の選択された部分によって示されるうなり周波数からLIDARデータを計算するように構成されるLIDARデータ生成器を有し、前記LIDARデータは、前記LIDARシステムと前記LIARシステムの外側に配置される物体との間の距離、及び/又は、半径方向速度を示す電子装置、
を有するシステム。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
この出願は、米国特許出願第17/465835号、出願日2021年9月2日、発明の名称「走査における複数の操舵機構の利用」の継続であり、その全体が組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、光学装置に関する。特に、本発明は、LIDARシステムに関する。
【背景】
【0003】
ADAS(Advanced Driver Assistance systems)やAR(Augmented Reality)のようなアプリケーションに配備できるLIDARシステムの商業的需要が増加している。しかしながら、LIDARシステムは、典型的には、可動ミラーを用いて、視野の1つの場所から別の場所へ、システム出力信号をスキャンする。システム出力信号は、一般に、視野を横切って、ジグザグパターンで、走査される。LIDARシステムは、システム出力信号が視野において移動する経路に沿って周期的に配置されるサンプル領域に関するLIDARデータ(LIDARシステムとLIDARシステムの外部の物体との間の半径速度、及び/又は、距離)を生成する。
【0004】
視野全体に関する信頼性のあるLIDARデータを有するために、視野の垂直方向のサンプル領域の密度が、視野のサンプル領域の水平方向の密度とほぼ同じであることが、望ましい。しかしながら、多くのLIDARシステムアプリケーションは、この結果を、ミラーの走査速度をミラーの実際の限界を超えて増加させることによってのみ達成できる視野を有している。結果として、スキャン能力が改善されたLIDARシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
LIDARシステムは、それぞれが、視野において、システム出力信号を操舵するように構成されるビーム操舵器、及び、信号導波器を有している。前記視野におけるシステム出力信号の経路は、前記ビーム操舵器、及び、前記信号導波器からの寄与を有している。前記経路への前記ビーム操舵器の寄与は、前記視野を横切って戻ってくる、及び、進んでいく2次元経路上での前記システム出力信号の移動である。前記経路への前記信号導波器の寄与は、前記ビーム操舵器によって提供される前記2次元経路寄与を横切る前記システム出力信号の移動である。
【0006】
LIDARシステムは、LIDARシステムから出力されるシステム出力信号を、視野において、操舵する信号導波器を有している。前記信号導波器は、それぞれがLIDAR出力信号を出力するように構成される複数のユーティリティ導波路を有している。前記信号導波器は、前記LIDAR出力信号からの光を有するコンポーネント出力信号を出力するように構成される方向転換器も有している。前記コンポーネント出力信号が前記方向転換器から離れるように移動する方向は、前記LIDAR出力信号を出力する前記ユーティリティ導波路の変更に応じて、変化する。LIDARシステムは、視野の2次元経路上で、前記システム出力信号を操舵するように構成されるビーム操舵器も有している。
【0007】
LIDARシステムは、LIDARシステムから出力されるシステム出力信号を、視野において、操舵するように構成される信号導波器を有している。前記信号導波器は、ユーティリティ光信号を案内し、及び、前記ユーティリティ光信号からの光を有するLIDAR出力信号を出力するように、それぞれが構成される複数のユーティリティ導波路を有している。各前記ユーティリティ導波路は、前記ユーティリティ導波路に案内される前記ユーティリティ光信号のパワーレベルを増幅するように構成される増幅器を有している。方向転換器は、前記LIDAR出力信号からの光を有するコンポーネント出力信号を出力するように構成される。前記コンポーネント出力信号が前記方向転換器から離れるように移動する方向は、どの1つの前記増幅器が1つの前記ユーティリティ光信号を増幅するのかの変更に応じて、変化する。
【0008】
LIDARシステムは、それぞれが異なる方向にLIDARシステムから離れるように移動する複数の異なるシステム出力信号を出力するように構成される。LIDARシステムは、それぞれが異なる1つの前記システム出力信号からの光を搬送するシステム戻り信号を受信するようにも構成される。LIDARシステムは、うなり周波数でうなる信号を生成するために、各前記システム戻り信号からの光を参照信号と合成するように構成される。
LIDARシステムは、複数の異なる電気データ信号を受信する電気デマルチプレクサを有する電子装置も有している。各前記電気データ信号は、1つの前記うなり周波数を示す。電子装置は、前記データ信号の一部を選択し、及び、前記電気デマルチプレクサが前記データ信号の選択された部分を出力するように前記電気デマルチプレクサを作動する。電子装置は、前記データ信号の選択された部分によって示されるうなり周波数からLIDARデータを計算するように構成されるLIDARデータ生成器を有している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、LIDARアダプタと共に用いるのに好適なLIDARチップの平面図である。
【0010】
図2は、LIDARアダプタと共に用いるのに好適なLIDARチップの平面図である。
【0011】
図3Aは、LIDARチップと光学的に連絡するLIDARアダプタを有するLIDARシステムの一部の平面図である。チャネルCを搬送する光信号がLIDARチップからLIDARアダプタを通って、そして、LIDARシステムの外に移動する経路が、示されている。
【0012】
図3Bは、図3AのLIDARシステムである。チャネルCを搬送する光信号がLIDARシステムの外からLIDARアダプタを通って、そして、LIDARチップの中に移動する経路が、示されている。
【0013】
図3Cは、図3AのLIDARシステムである。チャネルCを搬送する光信号がLIDARシステムを通って移動する経路が、示されている。
【0014】
図4は、共通支持体に、図2のLIDARチップ、及び、電子装置、並びに、図3のLIDARアダプタを有するLIDARシステムの平面図である。
【0015】
図5Aは、LIDARシステムと視野との間の関係の概略図である。
【0016】
図5Bは、図5Aに示される平面の側面図である。
【0017】
図5Cは、図5Aからの仮想面の他の側面図である。
【0018】
図6Aから図6Eは、LIDARシステムの使用に好適な信号処理部を示す。図6Aは、信号処理部で用いるのに好適な光対電気アセンブリの一例を示している。
【0019】
図6Bは、図6Aに従って構成される光対電気アセンブリと共に用いるのに好適な電子装置の概略を提供する。
【0020】
図6Cは、LIDAR出力信号に関する周波数対時間のグラフである。
【0021】
図6Dは、図6Aからの光対電気アッセンブリのセンサとLIDARシステムの電子装置との間の関係の概略である。
【0022】
図6Eは、図6Aからの光対電気アッセンブリのセンサとLIDARシステムの電子装置との間の他の関係の概略である。
【0023】
図7は、LIDARシステムと共に用いるのに好適な光信号導波器の平面図である。
【0024】
図8は、LIDARシステムと共に用いるのに好適な他の光信号導波器の平面図である。
【0025】
図9は、シリコン・オン・インシュレータウェハから構成されるチップの一部の断面である。
【0026】
図10Aは、LIDARチップを増幅器と光学的に結合するためのインターフェイスを有するLIDARチップの一部の斜視図である。
【0027】
図10Bは、図10Aに示されるLIDARチップの一部と共に用いるのに好適な増幅チップの斜視図である。
【0028】
図10C、及び、図10Dは、図10Bの増幅器とインターフェイス接続される図10AのLIDARチップを有するシステムを示す。図10Cは、システムの平面図である。
【0029】
図10Dは、LIDARチップの導波路、及び、増幅チップの増幅導波路を通って取られる図10Cに示されるシステムの断面である。
【0030】
図11は、2つの増幅導波路を有するように修正された図10Bから図10Dの増幅チップの斜視図である。
【発明の詳細な説明】
【0031】
LIDARシステムは、それぞれがLIDARシステムの視野の異なるサンプル領域にシステム出力信号を操舵する複数の異なる操舵機構を有している。LIDARシステムは、異なるサンプル領域に関するLIDARデータを生成する。サンプル領域に関するLIDARデータは、LIDARシステムとサンプル領域の物体との間の半径速度、及び/又は、距離を示すことができる。
【0032】
1つの操舵機構は、視野を横切ってシステム出力信号を前後に操舵するビーム操舵器であってもよい。他の1つの操舵機構は、ビーム操舵器によって提供される経路の外側でシステム出力信号を操舵する信号導波器であってもよい。例えば、信号導波器は、ビーム操舵器によって提供される経路を横断する方向に、システム出力信号を操舵できる。信号導波器によって、ビーム操舵器によって提供される経路から離れて、システム出力信号を移動させることができるので、信号導波器を用いて、ビーム操舵器によって提供される経路に対する横断方向のサンプル領域の密度を増加できる。その結果、ビーム操舵器によって提供される走査速度を実用的なレベルまで増加させることなく、視野にわたるサンプル領域の密度の均一性を、増加できる。
【0033】
図1は、光学部品、電気部品、及び、光電気部品のようなチップ構成要素9を有するLIDARチップ8の平面図である。LIDARチップは、光集積回路(PIC)を有することができ、また、光集積回路(PIC)チップにできる。チップ構成要素9は、光源出力信号を出力する光源10を有している。光源出力信号は、波長に関連付けられる予備チャネルを搬送できる。好適な光源10は、これに限定されないが、半導体レーザを含む。
【0034】
チップ構成要素9は、光源10から光源出力信号を受信するソース導波路11を有している。ソース導波路11は、光源出力信号を光信号導波器12に搬送する。光源出力信号からの光を複数の異なるユーティリティ導波路13の1つに方向付けるように、光信号導波器12を、電子装置によって作動できる。各ユーティリティ導波路13は、光信号導波器12からの光を、出射LIDAR信号として受信できる。いずれかのユーティリティ導波路13が、出射LIDAR信号を受信すると、ユーティリティ導波路13は、出射LIDAR信号を出口ポートに搬送し、そこを通って、出射LIDAR信号は、LIDARチップから出ていくことができ、また、LIDAR出力信号として機能する。好適な出口ポートの例は、これらに限定されないが、ユーティリティ導波路13のファセットのような導波路ファセットを含む。
【0035】
図1は、それぞれがユーティリティ導波路13から離れるように移動するLIDAR出力信号を表す複数の矢印を有している。各LIDAR出力信号は、チャネルインデックスi=1からNに関連付けられる。例示のために、LIDARシステムは、CからCでラベル付けられる3つのLIDAR出力信号(N=3)を生成するものとして示されている。異なるLIDAR出力信号のそれぞれは、異なるチャネルを表すことができる。しかしながら、異なるチャネルのそれぞれは、同じ波長の選択物、又は、実質的に同じ波長の選択物を搬送できる。LIDARチップから出力されるチャネルは、光信号導波器12から出射LIDAR信号を受信するユーティリティ導波路13と相関関係にある。結果として、各ユーティリティ導波路13は、ユーティリティ導波路13から出力されるLIDAR出力信号に関するチャネルインデックスに関連付けられる。
【0036】
したがって、電子装置は、LIDAR出力信号、及び、LIDARチップから出力されるチャネルを選択するように光信号導波器12を作動できる。
【0037】
各LIDAR出力信号からの光は、LIDARシステムから出力されるシステム出力信号に含まれる可能性がある。システム出力信号は、LIDARシステムから離れるように移動し、そして、それぞれは、システム出力信号の経路の物体によって反射される可能性がある。反射されたシステム出力信号からの光は、システム戻り信号として、LIDARシステムに戻る可能性がある。
【0038】
LIDARチップは、複数の第1の入力導波路16を有している。各第1の入力導波路16は、1つのシステム戻り信号からの光を有し、又は、それらからなる第1のLIDAR入力信号を受信できる。第1のLIDAR入力信号は、それぞれ、1つのチャネル(Ci)を搬送し、及び、iがチャネルインデックスであるFLISiで表すことができる。チャネルCからの光を搬送する第1のLIDAR入力信号は、FLISC1でラベル付けられ、及び、1つの第1の入力導波路16で受信される。チャネルCを搬送する第1のLIDAR入力信号は、FLISC3でラベル付けられ、及び、1つの第1の入力導波路16で受信される。
【0039】
各第1のLIDAR入力信号は、1つの第1の入力導波路16に入り、また、第1の比較信号として機能する。各第1の入力導波路16は、1つの第1の比較信号を第1の信号処理部34に搬送する。
【0040】
チップ構成要素9は、補助参照信号として、光源出力信号の一部を、ソース導波路11から中間導波路44に移動するスプリッタ42を有している。好適なスプリッタ42は、これらに限定されないが、エバネッセント光カプラ、Y接合、及び、MMIを含む。
【0041】
中間導波路44は、補助参照信号を参照スプリッタ52に搬送する。参照スプリッタ52は、補助参照信号を、それぞれ、複数の第1の参照導波路53の異なる1つで受信される第1の参照信号に分割するように、構成されている。第1の参照導波路53は、光カプラ、Y接合、MMI、カスケード式エバネッセント光カプラ、又は、カスケード式Y接合のような波長独立スプリッタにできる。結果として、LIDAR出力信号は、それぞれ、同じ、又は、ほぼ同じ波長分布を有することができる。例えば、各第1の参照信号が、同じ、又は、実質的に同じ波長の選択物を搬送するように、参照スプリッタ52を、構成できる。
【0042】
各第1の参照導波路53は、1つの第1の参照信号を1つの信号処理部34に案内する。第1の参照導波路53、及び、第1の入力導波路16は、各信号処理部34が第1の参照信号、及び、第1のLIDAR入力信号を受信するように、配置される。LIDARシステムは、信号処理部34で受信される第1の参照信号、及び、第1のLIDAR入力信号を用いて、LIDARデータを生成するように構成される。
【0043】
LIDARチップは、光源10の動作を制御するための制御分岐55を有することができる。制御分岐55は、ソース導波路11からの光源出力信号の一部を制御導波路58に移動する方向付けカプラ56を有している。光源出力信号の結合部分は、タップ信号として機能する。図1は、光源出力信号の一部を制御導波路58に移動する方向付けカプラ56を示しているが、他の信号タップを用いて、光源出力信号の一部を、ユーティリティ導波路12から制御導波路58に移動できる。好適な信号タップの例は、これらに限定されないが、Y接合、及び、MMIを含む。
【0044】
制御導波路58は、タップ信号を制御コンポーネント60に搬送する。制御コンポーネント60は、電子装置62と電気的に連絡できる。作動中、電子装置62は、制御コンポーネントからの出力に応じて、ソ光源出力信号の周波数を調整できる。制御コンポーネントの好適な構成の一例は、米国特許出願シリアル番号15/977,957、出願日2018年8月11日、発明の名称「光学センサチップ」に、及び、米国特許出願シリアル番号17/351,170、出願日2021年6月17日、発明の名称「複数のLIDARシステム出力信号の走査」に記載されており、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0045】
中間導波路44、及び、参照スプリッタ52は、任意にできる。例えば、複数のスプリッタ42を、ソース導波路11に沿って配置でき、また、各第1の参照導波路53は、異なる1つの参照スプリッタ42からソース導波路11に搬送される光源出力信号の一部を受信できる。各第1の参照導波路53で受信される光源出力信号の一部は、第1の参照導波路53が信号処理部34に案内する異なる1つの第1の参照信号として機能できる。
【0046】
LIDARチップを、単一の信号処理部34を有するように修正できる。例えば、図2は、各第1の入力導波路16が受信した第1のLIDAR入力信号を第2の光信号導波器64に搬送するLIDARチップの平面図である。第2の光信号導波器64は、異なる第1の入力導波路16に搬送された第1のLIDAR入力信号を共通導波路66に方向付ける信号合成器にできる。共通導波路66は、受信した第1のLIDAR入力信号を信号処理部34に搬送できる。加えて、中間導波路44に搬送される補助参照信号は、中間導波路44が信号処理部34へ搬送する第1の参照信号として機能できる。結果として、信号処理部34は、第1の参照信号、及び、第1のLIDAR入力信号を受信する。LIDARシステムは、信号処理部34で受信される第1の参照信号、及び、第1のLIDAR入力信号を用いて、LIDARデータを生成するように構成されている。
【0047】
LIDARチップを、LIDARアダプタと共に用いることができる。いくつかの例では、LIDARアダプタを、LIDARチップ、並びに、1つ以上の反射物体、並びに/若しくは、第1のLIDAR入力信号、及び/又は、LIDAR出力信号がLIDARチップから視野に移動する光路が、LIDARアダプタを通って進む視野との間に、光学的に、配置できる。さらに、LIDAR出力信号、第1のLIDAR入力信号、及び、第2のLIDAR入力信号が、LIDARアダプタと反射物体との間の異なる光経路で移動するように、LIDARアダプタを、構成できる。
【0048】
図1、及び、図2のLIDARチップと共に用いるのに好適なLIDARアダプタの例を、図3A、及び、図3Bに示す。チャネルCを搬送する光信号の経路を、図3A、及び、図3Bに示す。図3Aに示される経路は、LIDARチップからアダプタを通って移動するチャネルCを搬送するLIDAR出力信号からの光を、システム出力信号としてLIDARシステムから出ていくまで、追跡している。対照的に、図3Bは、アダプタを通って移動するチャネルCを搬送するシステム戻り信号を、第1のLIDAR入力信号、及び、第2のLIDAR入力信号においてLIDARチップに入るまで、追跡している。
【0049】
LIDARアダプタ98は、ベース100に配置される複数のアダプタ構成要素99を有する。アダプタ構成要素99は、LIDAR出力信号からの光を有し、又は、それからなるコンポーネント入力信号を受信するように配置される方向転換器102を有している。例えば、図3Aに示されるように、LIDARチップからチャネルCを搬送するLIDAR出力信号を受信するように、方向転換器102を、配置できる。方向転換器102は、サーキュレータ入力信号として機能できるコンポーネント出力信号を出力するように構成されている。以下においてより詳細に説明するように、アダプタ構成要素99は、サーキュレータ104を有することができ、また、方向転換器102を、異なる平行でない方向に進みながらサーキュレータに入ることができるサーキュレータ入力信号を出力するように構成できる。加えて、又は、若しくは、方向転換器102を、サーキュレータ入力信号が、所望の位置で、集束され、又は、コリメートされるように、構成できる。例えば、方向転換器102を、サーキュレータ104の所望の位置で、サーキュレータ入力信号を収束し、又は、コリメートするように、構成できる。図示の方向転換器102は、レンズである。
【0050】
サーキュレータ104は、サーキュレータ入力信号を受信する第1の偏光ビームスプリッタ106を有することができる。第1の偏光ビームスプリッタ106は、サーキュレータ入力信号を、第1の偏光状態の光信号、及び、第2の偏光状態の光信号に分割するように、構成される。第1の偏光状態、及び、第2の偏光状態は直線偏光状態にでき、及び、第2の偏光状態は、第1の偏光状態と異なっている。例えば、第1の偏光状態は、TEに、及び、第2の偏光状態は、TMにでき、若しくは、第1の偏光状態は、TMに、及び、第2の偏光状態は、TEにできる。
【0051】
光源10は、しばしば、光源出力信号の光源としてレーザを有するため、光源出力信号は、直線偏光にできる。光源出力信号は、サーキュレータ入力信号のソースであるため、第1の偏光ビームスプリッタ106で受信されるサーキュレータ入力信号も直線偏光にできる。図3A、及び、図3Bでは、第1の偏光状態の光信号は、垂直双方向矢印でラベル付けられ、また、偏光状態の光信号は、黒丸でラベル付けられる。以下の説明のために、サーキュレータ入力信号を、第1の偏光状態であると仮定するが、第2の偏光状態のサーキュレータ入力信号も可能である。サーキュレータ入力信号を、第1の偏波状態であると仮定するため、サーキュレータの入力信号は、垂直矢印でラベル付けられる。
【0052】
サーキュレータ入力信号を、第1の偏光状態であると仮定するため、第1の偏光ビームスプリッタ106は、第1の偏光状態の第1の偏光状態信号を出力するように示されている。しかしながら、サーキュレータ入力信号における第2の偏光状態の実質的な量の不足のため、第1の偏光ビームスプリッタ106が第2の偏光状態の光信号を出力することは、示されていない。
【0053】
サーキュレータ104は、第1の偏光状態信号を受信する第2の偏光ビームスプリッタ108を有することができる。第2の偏光ビームスプリッタ108は、第1の偏光状態信号を、第1の偏光信号、及び、第2の偏光信号に分割し、ここでは、第1の偏光信号は、第1の偏光状態を有するが、第2の偏光状態を有さず、又は、実質的に有さず、並びに、第2の偏光信号は、第2の偏光状態を有するが、第1の偏光状態を有さず、又は、実質的に有さない。第2の偏光ビームスプリッタ108によって受信される第1の偏光状態信号は、第1の偏光状態を有するが、第2の偏光状態を有さず、又は、実質的に有さないため、第2の偏光ビームスプリッタ108は、第1の偏光信号を出力するが、第2の偏光信号を実質的に出力しない。第1の偏光ビームスプリッタ106、及び、第2の偏光ビームスプリッタ108は、サーキュレータ入力信号から1つの偏光状態をフィルタリングする合成効果を有することができる。
【0054】
サーキュレータ104は、第1の偏光信号を受信し、そして、第1の回転信号を出力する非相反偏光回転子110を有することができる。場合によっては、非相反偏光回転子110は、第1の偏光信号の偏光状態を、nは、0、又は、偶数として、n×90°+45°だけ回転するように、構成される。結果として、第1の回転信号の偏光状態は、第1の偏光信号の偏光状態から45°だけ回転される。好適な非相反偏光回転子110は、これに限定されないが、ファラデー回転子のような非相反偏光回転子を含む。
【0055】
サーキュレータ104は、第1の回転信号を受信し、そして、第2の回転信号を出力する45°偏光回転子112を有することができる。場合によっては、45°偏光回転子112は、第1の回転信号の偏光状態を、mは、0、又は、偶数として、m×90°+45°だけ回転するように、構成される。結果として、第2の回転信号の偏光状態は、第1の回転信号の偏光状態から45°だけ回転される。非相反偏光回転体110、及び、45°偏光回転子112によって提供される偏光状態回転の合成効果は、第2の回転信号の偏光状態を、第1の偏光信号の偏光状態に対して、90°だけ回転することである。したがって、図示の例では、第2の回転信号は、第2の偏光状態を有する。好適な45°偏光回転子112は、これに限定されないが、半波長板のような逆偏光回転体を含む。
【0056】
サーキュレータ104は、45°偏光回転子112からの第2の回転信号を受信する第3の偏光ビームスプリッタ114を有することができる。第3の偏光ビームスプリッタ114は、第2の回転信号を、第1の偏光状態の光信号、及び、第2の偏光状態信号の光信号に分離するように構成されている。第2の回転信号は、第2の偏光状態にあるため、第3の偏光ビームスプリッタ108は、第2の回転信号を出力するが、第1の偏光状態の信号を、実質的に出力しない。
【0057】
図3Aから明らかなように、第1の偏光ビームスプリッタ106、第2の偏光ビームスプリッタ108、非相反偏光回転体110、及び、45°偏光回転子112を、コンポーネントアッセンブリ116に含めることができる。コンポーネントアセンブリ116を、モノリシックブロックとして構築でき、そこに、コンポーネントアセンブリ116の構成要素を、ブロックに一緒に結合できる。いくつかの例では、コンポーネントアセンブリ116は、立方体、直方体、正方形の直方体(square cuboid)、又は、長方形の直方体(rectangular cuboid)の幾何形状を有している。
【0058】
サーキュレータ104は、第2のコンポーネントアセンブリ118を有することができる。場合によっては、第2のコンポーネントアセンブリ118は、コンポーネントアセンブリ116と同じ構成を有している。結果として、コンポーネントアセンブリ116は、第2のコンポーネントアセンブリ118としても機能できる。第2のコンポーネントアセンブリ118は、第3の偏光ビームスプリッタ108から第2の回転信号を受信できる。特に、第2のコンポーネントアセンブリ118の45°偏光回転子112は、第3の偏光ビームスプリッタ108から第2の回転信号を受信し、そして、第3の回転信号を出力できる。場合によっては、45°偏光回転子112は、第2の回転信号の偏光状態を、mは、0、又は、偶数として、m×90°+45°だけ回転するように、構成される。結果として、第3の回転信号の偏光状態は、第2の回転信号の偏光状態から45°だけ回転される。好適な45°偏光回転子112は、これに限定されないが、半波長板のような逆偏光回転体を含む。
【0059】
第2のコンポーネントアセンブリ118は、第3の回転信号を受信し、そして、第4の回転信号を出力する非相反偏光回転子110を有することができる。場合によっては、非相反偏光回転子110は、第3の偏光信号の偏光状態を、nは、0、又は、偶数として、n×90°+45°だけ回転するように、構成される。結果として、第4の回転信号の偏光状態は、第3の偏光信号の偏光状態から45°だけ回転される。好適な非相反偏光回転子110は、これに限定されないが、ファラデー回転子のような非相反偏光回転子を含む。
【0060】
第2のコンポーネントアセンブリ118の非相反偏光回転子110、及び、45°偏光回転子112によって提供される偏光状態回転の合成効果は、第4の回転信号の偏光状態を、第2の偏光信号の偏光状態に対して90°だけ回転することである。したがって、図示の例では、第4の回転信号は、第1の偏光状態を有している。
【0061】
第1のコンポーネントアセンブリ116の非相反偏光回転子110、及び、第1のコンポーネントアセンブリ118の非相反偏光回転子110が、それぞれ、ファラデー回転子である場合、アダプタ構成要素99は、ファラデー回転子に所望の機能性を提供する磁場を提供するように配置される磁石120を有することができる。
【0062】
第2のコンポーネントアセンブリ118は、第4の回転信号を受信し、そして、第5の回転信号を出力する90°偏光回転子122を有することができる。場合によっては、90°偏光回転子122は、第1の偏光信号の偏光状態を、nは、0、又は、偶数として、n×90°+90°だけ回転するように、構成される。結果として、第5の回転信号の偏光状態は、第4の偏光信号の偏光状態から90°だけ回転される。第2のコンポーネントアセンブリ118の非相反偏光回転子110、45°偏光回転子112、及び、90°偏光回転子122によって提供される偏光状態回転の合成効果は、第5の回転信号の偏光状態を、第2の回転信号の偏光状態に対して0°だけ回転することである。したがって、図示の例では、第5の回転信号は、第2の偏光状態を有している。好適な90°偏光回転子122は、これらに限定されないが、半波長板のような逆偏光回転体を含む。
【0063】
第2のコンポーネントアセンブリ118は、コンポーネントアセンブリ116と同じ構造を有する場合、90°偏光回転子122は、コンポーネントアセンブリ116に存在してもよい。
【0064】
コンポーネントアセンブリ116の第1の偏光ビームスプリッタ106は、第5の回転信号を受信する。第1の偏光ビームスプリッタ106は、受信した光信号を、第1の偏光状態の光信号、及び、第2の偏光状態の光信号に分割するように構成されている。第5の回転信号は、第2の偏光状態であり、また、第1の偏光状態の成分を有さず、又は、実質的に有さないため、第1の偏光ビームスプリッタ106は、第2の偏光状態の出射サーキュレータ信号を出力する。図3Aに示すように、出射サーキュレータ信号は、サーキュレータから出ていく。
【0065】
アダプタ構成要素99は、出射サーキュレータ信号を受信するように配置されるビーム整形器124を有する。場合によっては、ビーム整形器124は、出射サーキュレータ信号の幅を拡張するように構成されている。好適なビームシェイパー124は、これらに限定されないが、凹レンズ、凸レンズ、プラノ凹レンズ、及び、プラノ凸レンズを含む。
【0066】
アダプタ構成要素99は、整形された出射サーキュレータ信号を受信し、そして、コリメートされた出射サーキュレータ信号を出力するコリメータ126を有している。好適なコリメータ126は、これらに限定されないが、凸レンズ、及び、GRINレンズを含む。
【0067】
図3AのLIDARシステムは、コリメータ126からコリメートされた出射サーキュレータ信号を受信し、そして、チャネルCを搬送するシステム出力信号を出力する1つ以上のビーム操舵器128を有している。チャネルCを搬送するシステム出力信号がLIDARシステムから離れるように移動する方向は、図3Aにおいてdでラベル付けられている。電子装置は、システム出力信号を視野の異なるサンプル領域129に操舵するように、1つ以上のビーム操舵器128を作動できる。結果として、LIDARシステムの視野の範囲で、システム出力信号を操舵するように、1つ以上のビーム操舵器128を、電子装置によって作動できる。電子装置は、互いに独立して、又は、互いに連動して、信号導波器、及び、ビーム操舵器を作動できる。
【0068】
サンプル領域は、LIDARシステムが信頼できるLIDARデータを提供するように構成される最大距離まで、LIDARシステムから離れるように延伸できる。サンプル領域を、互いに縫合し、視野を規定できる。例えば、LIDARシステムの視野は、サンプル領域の組み合わせによって占有される空間を有し、又は、それから構成される。
【0069】
好適なビーム操舵器128は、これらに限定されないが、可動ミラー、MEMSミラー、光フェーズドアレイ(OPA)、光学格子、及び、作動光学格子を含む。
【0070】
図3Bは、チャネルCを搬送するシステム戻り信号が図3Aのアダプタを通って、第1のLIDAR入力信号においてLIDARチップに入るまで、移動する経路を示している。
【0071】
システム戻り信号は、1つ以上のビーム操舵器128によって受信される。1つ以上のビーム操舵器装置128は、ビーム整形器124に方向付けられる操舵戻り信号を出力する。ビーム整形器124が出射サーキュレータ信号の幅を拡張するように構成される場合、ビーム整形器124は、操舵戻り信号の幅を縮小する。
【0072】
ビーム整形器124は、発振器によって受信されるサーキュレータ戻り信号を出力する。特に、サーキュレータ戻り信号は、第2のコンポーネントアセンブリ118の第1の偏光ビームスプリッタ106によって受信される。前述のように、光源10である1つ以上のレーザを用いることに関する可能性のある結果は、システム出力信号が直線的に偏光されることである。例えば、システム出力信号によって搬送される光は、全て、又は、実質的に全て、第1の偏光状態、又は、第2の偏光状態である。物体によるシステム出力信号の反射は、システム出力信号の光の全部、又は、一部の偏光状態を変化させる可能性がある。したがって、システム戻り信号は、異なる線形偏光状態の光を有する可能性がある。例えば、システム戻り信号は、第1の偏光状態の光からの第1の寄与、及び、第2の偏光状態の光からの第2の寄与を有する可能性がある。第1の偏光ビームスプリッタ106を、第1の寄与と第2の寄与とを分離するように構成できる。例えば、第1の偏光ビームスプリッタ106を、第1の偏光状態の光を搬送する第1の分離信号128、及び、第2の偏光状態の光を搬送する第2の分離信号130を出力するように、構成できる。
【0073】
第2のコンポーネントアセンブリ118の第2の偏光ビームスプリッタ108は、第1の分離信号を受信し、そして、第1の分離信号を反射する。第2のコンポーネントアセンブリ118の非相反偏光回転子110は、第1の分離信号を受信し、そして、第1のFPSS信号を出力する。文字FPSSは、First Polarization State Sourceを表し、また、物体による反射の後に第1の偏光状態にあった光が、第1のFPSS信号のための光の源であったことを示している。
【0074】
第1の分離信号は、第3の回転信号とは逆方向に、非相反偏光回転子110を通って移動する。結果として、非相反偏光回転子110は、第1分離信号の偏光状態を、-n×90°-45°だけ回転するように構成されている。したがって、第1のFPSS信号の偏光状態は、第1の分離信号の偏光状態から-45°だけ回転する。
【0075】
第2の構成要素アセンブリ118の45°偏光回転子112は、第1のFPSS信号を受信し、そして、第2のFPSS信号を出力する。45°偏光回転子112は、相反偏光回転子であるため、45°偏光回転子112は、第1のFPSS信号の偏光状態を、mが、0、又は、偶数として、m×
90°+45°だけ回転するように構成されている。結果として、第2のFPSS信号の偏光状態は、第1のFPSS信号の偏光状態から45°だけ回転される。第2のコンポーネントアセンブリ118の非相反偏光回転子110、及び、45°偏光回転子112によって提供される偏光状態回転の合成効果は、第2のFPSS信号が、第1の分離信号の偏光状態から0°だけ回転されたことである。結果として、第2のFPSS信号は、第1の偏光状態を有している。
【0076】
第2のFPSS信号は、第3の偏光ビームスプリッタ114で受信される。第3の偏光ビームスプリッタ114は、第2のFPSS信号を反射し、そして、第2のFPSS信号は、サーキュレータ104から出ていく。サーキュレータ104を出ていった後、第2のFPSS信号は、第2のFPSS信号の進行方向を変更するように構成される第1のビーム操舵コンポーネント132で受信される。好適な第1のビーム操舵コンポーネント132は、これらに限定されないが、ミラー、及び、直角プリズムリフレクタを含む。
【0077】
第2のFPSS信号は、第1のビーム操舵コンポーネント132から第2のレンズ134まで移動する。第2のレンズ134は、FLISによって表される第1のLIDAR入力信号を出力するように構成される。加えて、第2のレンズ134は、所望の位置で、第1のLIDAR入力信号(FLIS)を収束させ、又は、コリメートするように構成されている。例えば、1つの第1の入力導波路16の出口ポートで、第1のLIDAR入力信号(FLIS)を収束させるように、第2のレンズ134を、構成できる。例えば、図3Aに示すように、1つの第1の入力導波路16のファセットに、第1のLIDAR入力信号(FLIS)を収束させるように、第2のレンズ134を、構成できる。
【0078】
図1A、及び、図1Bの内容で説明されるように、第1のLIDAR入力信号(FLIS)は、1つの第1の入力導波路16に入り、及び、1つの第1の信号処理部34に案内される第1の比較信号として機能する。
【0079】
第2のコンポーネントアセンブリ118の90°偏光回転子122は、第2の分離信号130を受信し、そして、第1のSPSS信号を出力する。文字SPSSは、第2の偏光状態源を表し、及び、物体による反射後の第2の偏光状態にあった光が、第1のSPSS信号の光源であったことを示している。90°偏光回転子122は、相反偏光回転子であるため、90°偏光回転子122は、第2の分離信号130の偏光状態を、nが、0、又は、偶数として、n×90°+90°だけ回転するように構成されている。結果として、第1のSPSS信号の偏光状態は、第2の分離信号130の偏光状態から90°だけ回転されている。したがて、図示の例では、第1のSPSS信号は、第1偏光状態を有している。
【0080】
第2のコンポーネントアセンブリ118の非相反偏光回転子110は、第1のSPSS信号を受信し、そして、第2のSPSS信号を出力する。第1のSPSS信号は、第3の回転信号とは逆方向に、非相反偏光回転子110を通過する。これにより、非相反偏光回転子110は、第1のSPSS信号の偏光状態を-n×90°-45°だけ回転するように構成されている。これにより、第2のSPSS信号の偏光状態は、第1のSPSS信号の偏光状態から-45°だけ回転されている。
【0081】
第2のコンポーネントアセンブリ118の45°偏光回転器112は、第2のSPSS信号を受信し、そして、第3のSPSS信号を出力する。45°偏光回転子112は、相反偏光回転子であるため、45°偏光回転子112は、第2のSPSS信号の偏光状態を、mが、0、又は、偶数として、m×90°+45°だけ回転するように構成されている。結果として、第3のSPSS信号の偏光状態は、第2のFPSS信号の偏光状態から45°だけ回転される。第2のコンポーネントアセンブリ118の非相反偏光回転子110、及び、45°偏光回転子112によって提供される偏光状態回転の合成効果は、第3のSPSS信号が、第1のSPSS信号の偏光状態から0°だけ回転されたことである。加えて、第2のコンポーネントアセンブリ118の非相反偏光回転子110、45°偏光回転子112、及び、90°偏光回転子122によって提供される偏光状態回転の合成効果は、第3のSPSS信号が、第2の分離信号130の偏光状態から90°だけ回転されたことである。したがって、図示の例では、第3のSPSS信号は、第1偏光状態で示されている。
【0082】
第3のSPSS信号は、第3の偏光ビームスプリッタ114で受信される。第3の偏光ビームスプリッタ114は、第3のSPSS信号がサーキュレータ104から出ていくように、第3のSPSS信号を反射する。サーキュレータ104を出ていった後、第3のSPSS信号は、図3Bに示されるように、アダプタを出ていくことができる。
【0083】
図3Cは、チャネルCを搬送するLIDAR出力信号からの光が、LIDARシステムを通って移動する経路を示している。方向転換器102を、異なるLIDAR出力信号からの光が、サーキュレータを通って、異なる経路を移動するように構成できる。例えば、方向転換器102を、異なるサーキュレータ入力信号からの光が、サーキュレータを通って、平行でない経路を移動するように構成できる。場合によっては、方向転換器102は、異なるサーキュレータ入力信号が、異なる方向に移動しながら、サーキュレータ104の第1のポートに入るように構成される。例えば、図示された方向転換器102は、LIDAR出力信号を受信するレンズである。異なるLIDAR出力信号のレンズへの入射角は、異なっていてもよい。例えば、図3Cでは、チャネルCを搬送するLIDAR出力信号は、チャネルCを搬送するLIDAR出力信号の入射角よりも、レンズ上で異なる入射角を有している。結果として、チャネルCを搬送するサーキュレータ入力信号、及び、チャネルCを搬送するサーキュレータ入力信号は、レンズから異なる方向に離れるように移動する。異なるサーキュレータ入力信号が、方向転換器102から、異なる方向に離れるように移動するため、LIDAR出力信号は、異なる方向に進みながら、サーキュレータ104の第1のポート140に入る。
【0084】
異なるサーキュレータ入力信号は、異なる方向に進みながら、サーキュレータ104に入るが、異なるサーキュレータ入力信号からの光は、同じシーケンスで同じサーキュレータ構成要素を選択することによって、処理される。例えば、異なるサーキュレータ入力信号からの光は、図3A、及び、図3Bの内容で開示されたシーケンスで構成要素を移動する。結果として、異なるサーキュレータ入力信号からの光は、第2のポート142でサーキュレータから出ていく。例えば、サーキュレータを通ってチャネルCを搬送するサーキュレータ入力信号からの光の経路は、第2のポート142でサーキュレータから出ていく出射サーキュレータ信号を示している。加えて、チャネルCを搬送するサーキュレータ戻り信号からの光は、第2のポート142でサーキュレータに入る。同様に、チャネルCを搬送するサーキュレータ入力信号からの光は、図3A、及び、図3Bの内容で説明されるように、第2のポート142で、サーキュレータを出入りする。
【0085】
図3A、及び、図3Bの比較は、出射サーキュレータ信号が、異なる方向から第2のポート142に接近し、そして、異なる方向にサーキュレータから離れるように移動することを示している。出射サーキュレータ信号の方向差は、異なる方向からサーキュレータに入るサーキュレータ入力信号からもたらされる。
【0086】
図3Cは、チャネルCを搬送するシステム出力信号としてLIDARシステムから出ていくチャネルCを搬送する出射サーキュレータ信号からの光を示している。チャネルCを搬送するシステム出力信号がLIDARシステムから離れるように移動する方向は、図3Cにおいてdでラベル付けられる。図3Cは、図3Aからのラベルdも有している。ラベルdは、チャネルCを搬送するシステム出力信号がLIDARシステムから離れるように移動する方向を示している。ラベルd、及び、dの比較から、チャネルC、及び、Cを搬送するシステム出力信号は、LIDARシステムから異なる方向に離れるように進むことが示されている。結果として、異なるシステム出力信号は、異なるサンプル領域を照らすことができる。LIDARシステムによって同時に照らされる各異なるサンプル領域に関して、LIDARデータを、生成できる。
【0087】
LIDARシステムから異なる方向に離れるように移動するシステム出力信号は、それぞれ、異なる1つのLIDAR出力信号のからの光を有し、又は、それから構成されている。各異なるLIDAR出力信号は、LIDARチップの異なる1つユーティリティ導波路13から出ていく。例えば、図3Cは、チャネルCを搬送するLIDAR出力信号とは異なるユーティリティ導波路13から出ていく、チャネルCを搬送するLIDAR出力信号を示している。LIDAR出力信号が出ていくユーティリティ導波路13が変わることに応じて、異なるLIDAR出力信号のレンズ102での入射角が、変わるように、ユーティリティ導波路13は、配置される。結果として、LIDAR出力信号が出ていくユーティリティ導波路13が変わることに応じて、システム出力信号がLIDARシステムから離れるように移動する方向が、変わる。例えば、システム出力信号がLIDARシステムから離れるように移動する方向は、サーキュレータがLIDAR出力信号を受信するユーティリティ導波路13と相関関係がある。したがって、電子装置は、LIDAR出力信号が出ていくユーティリティ導波路13を変えるように光信号導波器12を作動することによって、システム出力信号がLIDARシステムから離れるように移動する方向を変えることができる。異なるサーキュレータ入力信号が、光信号導波器12、及び、方向転換器102の機能性によって、異なる方向に移動しながらサーキュレータ104に入る結果として、システム出力信号は、異なる方向にLIDARシステムから離れるように移動する。結果として、光信号導波器12、及び、方向転換器102は、LIDARシステムの視野の範囲で、システム出力信号を操舵するように、電子装置によって作動される信号導波器として機能できる。
【0088】
チャネルCを搬送するシステム戻り信号は、dでラベル付けられる矢印の逆方向、又は、dでラベル付けられる矢印の実質的に逆方向でLIDARシステムに戻る。加えて、チャネルCを搬送するシステム戻り信号は、dでラベル付けられる矢印の逆方向、又は、dでラベル付けられる矢印の実質的に逆方向でLIDARシステムに戻る。結果として、異なるシステム戻り信号が、異なる方向からLIDARシステムに戻る。異なるシステム戻り信号からの光は、図3A、及び、図3Bの内容で説明される同じシーケンスで、LIDARシステムの構成要素のシーケンスを通って移動する。
【0089】
各サーキュレータ戻り信号は、異なる1つのシステム戻り信号からの光を搬送する。サーキュレータ戻り信号は、それぞれ、異なる方向に移動しながら第2のポート142に入る。したがって、サーキュレータ戻り信号からの光は、それぞれ、サーキュレータを通って異なる経路を移動できる。
【0090】
物体(第1の偏光状態源、FPSS)によって反射された後に、第1の偏光状態にあった異なるサーキュレータ戻り信号の光は、第3のポート144でサーキュレータ104から出ていく。例えば、図3Cは、第3のポート144からサーキュレータを出ていく第2のFPSS信号(チャネルCを搬送するシステム戻り信号からの光を有している)を示している。同様に、チャネルCを搬送するシステム戻り信号からの光を有する第2のFPSS信号も、図3A、及び、図3Bに内容で説明されるように、第3のポート144でサーキュレータを出ていく。
【0091】
異なる第2のFPSS信号は、異なる方向にサーキュレータから離れるように移動する。結果として、LIDARチップの異なる第1の入力導波路16は、異なる第2のFPSS信号を受信するように配置される。例えば、チャネルCを搬送する第2のFPSS信号からの光は、FLISでラベル付けられる第1のLIDAR入力信号に含まれ、また、チャネルCを搬送する第2のFPSS信号からの光は、FLISでラベル付けられる第1のLIDAR入力信号に含まれる。FLISでラベル付けられる第1のLIDAR入力信号、及び、FLISでラベル付けられる第1のLIDAR入力信号は、異なる第1の入力導波路16で受信される。結果として、第1のLIDAR入力信号を受信する第1の入力導波路16は、関連付けられるシステム出力信号がLIDARシステムから離れるように移動する方向、及び/又は、関連付けられシステム戻り信号がLIDARシステムに戻る方向と相関関係にできる。異なる方向にサーキュレータから離れるように移動する異なる第2のFPSS信号は、異なる方向にサーキュレータに入るサーキュレータ入力信号の結果にできる。結果として、第1のLIDAR入力信号を受信する第1の入力導波路16は、関連付けられるサーキュレータ入力信号がサーキュレータに入る方向と、及び/又は、関連付けられるLIDAR出力信号が、LIDARチップから離れるように移動する方向と、相関関係にできる。したがって、サーキュレータ入力信号が、異なる平行でない方向にサーキュレータから離れるように移動する第2のFPSS信号をもたらす方向に移動しながらサーキュレータに入るように、LIDARシステムを、構成できる。
【0092】
物体(第1の偏光状態源、FPSS)で反射された後の第2の偏光状態のサーキュレータ戻り信号の光は、第4のポート146でサーキュレータ104から出ていく。例えば、図3Cは、第4のポート146からサーキュレータを出ていく第3のSPSS信号(チャネルCを搬送するシステム戻り信号からの光を有する)を示している。同様に、チャネルCを搬送するシステム戻り信号からの光を有する第3のSPSS信号も、図3A、及び、図3Bの内容で説明されるように、第4のポート146でサーキュレータを出ていく。サーキュレータ104を出た後、第3のSPSS信号は、図3Cに示されるように、アダプタから出ていくことができる。
【0093】
第2のFPSS信号は、サーキュレータ出力信号として機能できる。サーキュレータ出力信号は、第1のサーキュレータ出力信号を有することができる。各第2のFPSS信号は、1つの第1のサーキュレータ出力信号として機能できる。結果として、各第1のサーキュレータ出力信号は、LIDARシステムの外部の物体(FPSS)によって反射されたときに第1の偏光状態であった光を有することが、主として有することが、本質的に構成されることが、及び/又は、構成されることができる。
【0094】
図3A、及び、図3Cを比較することによって、各サーキュレータ入力信号からの光は、第1のポート140から第2のポート142まで進むときと同じサーキュレータ構成要素の選択によって作動されることが示されている。例えば、各サーキュレータ入力信号からの光は、コンポーネントアセンブリ116の第1の偏光ビームスプリッタ106、第2の偏光ビームスプリッタ108、非相反偏光回転子110、及び、45°偏光回転子112によって、並びに、第3の偏光ビームスプリッタ114によっても、並びに、第2のコンポーネントアセンブリ118の45°偏光回転子112、非相反偏光回転子110、第2の偏光ビームスプリッタ108、及び、第1の偏光ビームスプリッタ106によっても、作動される。しかしながら、図3A、及び、図3Cは、また、各サーキュレータ入力信号からの光が、サーキュレータを通って異なる経路を移動できることを示している。図3B、及び、図3Cを比較することによって、各サーキュレータ出力信号の光は、第2のポート142から第3のポート144まで進むときと同じサーキュレータ構成要素の選択(第2の選択)によって作動されることが示されている。しかしながら、図3B、及び、図3Cは、また、各第1のサーキュレータ出力信号からの光が、サーキュレータを通って異なる経路を移動できることを示している。図3B、及び、図3Cを比較することによって、各第2のサーキュレータ出力信号の光は、第2のポート142から第4のポート146まで進むときと同じサーキュレータ構成要素の選択(第3の選択)によって作動されることが示されている。しかしながら、図3B、及び、図3Cは、また、各第2のサーキュレータ出力信号からの光が、サーキュレータを通って異なる経路を移動できることを示している。図3Aから図3Cで明らかなように、構成要素の第1の選択、構成要素の第2の選択、及び、構成要素の第3の選択は、異なることができる。
【0095】
出射サーキュレータ信号は、それぞれ、1つのサーキュレータ入力信号からの光を有することが、主として有することが、それから構成され、又は、本質的に構成されることができる。加えて、サーキュレータ戻り信号は、1つのサーキュレータ入力信号、及び、1つの出射サーキュレータ信号からの光を有することが、主として有することが、それから構成され、又は、本質的に構成されることができる。さらに、サーキュレータ出力信号は、1つのサーキュレータ戻り信号、1つの出射サーキュレータ信号、及び、1つのサーキュレータ入力信号からの光を有することが、主として有することが、それから構成され、又は、本質的に構成されることができる。
【0096】
図3Aから図3Cに示される偏光ビームスプリッタは、キューブ型ビームスプリッタ、又は、ウォラストン・プリズムの構造を有することができる。結果として、ビームスプリッタとして説明される構成要素は、ガラス、クリスタル、複屈折クリスタル、プリズムのような光透過性材料150間のコーティング、プレート、フィルム、又は、界面のようなビーム分割構成要素を表すことができる。光透過性材料150は、所望に応じて配置される1つ以上のコーティングを有することができる。光透過性材料150の好適なコーティングの例は、これに限定されないが、反射防止コーティングを含む。いくつかの例では、第1のポート140、第2のポート142、第3のポート144、及び、第4のポート146からなるグループから選択される1つ、2つ、3つ、又は、4つのポートは、サーキュレータの表面の全部、又は、一部である。例えば、第1のポート140、第2のポート142、第3のポート144、及び、第4のポート146からなるグループから選択される1つ、2つ、3つ、又は、4つのポートは、それぞれ、図3A、及び、図3Bに示すように、光透過性材料150の表面の全部、又は、一部にできる。ポートとして機能するサーキュレータ、又は、光透過性材料150の表面は、1つ以上のコーティングを有することができる。
【0097】
場合によっては、コンポーネントアセンブリ116、第2の構コンポーネントアセンブリ118、及び/又は、サーキュレータ104の構成要素は、接着剤、エポキシ、又は、はんだのような1つ以上の結合媒体を用いて、互いに対して固定される。場合によっては、コンポーネントアセンブリ116、及び/又は、第2のコンポーネントアセンブリ118の構成要素は、サーキュレータ104に含められる前に、互いに対して固定される。サーキュレータ104を組み立てる前に、コンポーネントアセンブリ116、及び、第2のコンポーネントアセンブリ118の構成要素を固定することと組み合わせて、同じ構造を有するこれらのコンポーネントアセンブリを用いることによって、サーキュレータ104の組み立てを簡略化できる。
【0098】
LIDARシステムは、同じ構造のコンポーネントアセンブリ116、及び、第2のコンポーネントアセンブリ118を有するとして開示されているが、コンポーネントアセンブリ116、及び、第2のコンポーネントアセンブリ118は、異なる構造を有してもよい。例えば、コンポーネントアセンブリ116は、LIDARシステムの動作の間は用いられない90°偏光回転子122を有することができる。結果として、コンポーネントアセンブリ116は、90°偏光回転子122を排除できる。別の例として、コンポーネントアセンブリ116は、非相反偏光回転子110、及び、45°偏光回転子112を有し、又は、それらから構成できる。この例では、非相反偏光回転子110、又は、45°偏光回転子112は、サーキュレータ入力信号を、方向転換器102から直接的に受信できる。結果として、コンポーネントアセンブリ116は、第1の偏光ビームスプリッタ106、第2の偏光ビームスプリッタ108、関連付けられる光透過性材料150、及び、90°偏光回転子122を排除できる。
【0099】
加えて、アダプタ構成要素99は、再配置されてもよく、及び/又は、任意である。例えば、第1のビーム操舵コンポーネント132のようなビーム操舵コンポーネントは、任意であり、また、第2のレンズ134のようなビーム整形コンポーネントも、任意にできる。別の例として、方向転換器102は、任意である。例えば、LIDARシステムは、方向転換器102を除外でき、また、異なるサーキュレータ入力信号が、所望の方向に移動しながら、第1のポート140に入るように、ユーティリティ導波路13を、配置でき、及び/又は、構成できる。
【0100】
LIDARチップは、1つ以上の光信号の光路を閉じ込める1つ以上の導波路を有している。LIDARアダプタは、導波路を有することができるが、信号が、LIDARアダプタの構成要素の間、及び/又は、LIDARチップとLIDARアダプタの構成要素との間で信号が移動する光路は、自由空間にできる。例えば、LIDARアダプタの異なる構成要素の間、及び/又は、LIDARアダプタの構成要素とLIDARチップと間を移動するときに、信号は、LIDARチップ、LIDARアダプタ、及び/又は、ベース102が配置される大気を通って移動できる。結果として、アダプタの構成要素を、ベース102に取り付けられる分離光学部品にできる。
【0101】
LIDARチップ、電子装置、及び、LIDARアダプタを、共通マウントに配置できる。好適な共通マウントは、これらに限定されないが、ガラス板、金属板、シリコン板、及び、セラミック板を含む。一例として、図4は、図1のLIDARチップ、及び、電子装置62、並びに、図3CのLIDARアダプタを、共通支持体160に有するLIDARアセンブリの平面図である。電子装置62は、共通支持体に配置されるとして、図示されているが、全部、又は、一部の電子装置を、共通支持体から離れて配置できる。LIDARチップ、電子装置、及び/又は、LIDARアダプタを共通支持体に取り付ける好適なアプローチは、これらに限定されないが、エポキシ、はんだ、及び、機械的クランプを含む。共通支持体160に配置されるビーム整形器124、コリメータ126、及び、1つ以上の操舵コンポーネント128が、示されているが、ビーム整形器124、コリメータ126、及び、ビーム整形器124からなる群から選択される1つ以上の構成要素を、共通支持体160から離れて配置できる。
【0102】
図5Aは、LIDARシステムと視野との間の関係の概略図である。視野は、LIDARシステムから視野の範囲内の仮想面まで延びる点線によって表されている。視野の範囲を示すために、仮想面は、LIDARシステムからの最大作動距離(dMでラベル付けられる)に配置される。最大作動距離は、一般に、LIDARシステムが信頼できるLIDARデータを提供するように構成される最大の距離とみなすことができる。
【0103】
LIDARシステムは、視野の異なるサンプル領域129にシステム出力信号を操舵する1つ以上のビーム操舵器(図5Aから図5Cには図示されない)を有することができる。サンプル領域の部分は、図5Aの平面上の長方形によって示されている。電子装置は、LIDARシステムに関する視野の異なるサンプル領域を、連続的に、照らすことによる一連のサイクルで、LIDARデータを生成する。LIDARデータを、各サンプル領域について生成できる。サンプル領域は、サンプル領域に関するLIDARデータを生成するために用いられるサイクルの間に照らされる視野の一部である。結果として、各LIDARデータの結果は、1つのサイクル、及び、1つのサンプル領域に関連付けられる。
【0104】
図5Aでは、システム出力信号を、サンプル領域に関連付けられるデータ期間の間に走査し続けることができるので、図示されるサンプル領域の部分のみが、システム出力信号によって照らされるように、示されている。例えば、図5Aのシステム出力信号を、サイクルの持続時間に関するAでラベル付けられる矢印の方向に走査できる。このスキャンによって、システム出力信号は、サイクルの間に、ctでラベル付けされる平面の長さを照らすことができる。サンプル領域は、図5Aでは2次元で示されているが、サンプル領域は、3次元であり、また、図示される平面の矩形からLIDARシステムまで戻るように拡大できる。
【0105】
図5Bは、図5Aからの仮想面の側面図である。LIDARシステムは、視野の異なるサンプル領域にシステム出力信号を操舵する複数の操舵機構(図5Aから図5Cに図示せず)を有することができる。図5Bの点線は、図3Aから図3Cの内容で説明された1つ以上のビーム操舵器128のみによるシステム出力信号の操舵に応じて、チャネルCを搬送するシステム出力信号の重心が、視野の平面を横切って移動する経路を表している。1つ以上のビーム操舵器128は、システム出力信号の2次元操舵を提供する。サンプル領域129は、システム出力信号の経路に沿って配置される矩形によって表される。
【0106】
図5Bに示すシステム出力信号のスキャン経路は、図5Bにおいて「ファスト(fast)」でラベル付けられる矢印で示されるファスト軸を有している。図5Bに示すシステム出力信号のスキャン経路は、図5Bに「スロー(slow)」でラベル付けられる矢印で示されるスロー軸を有している。ファスト軸の方向のシステム出力信号のスキャン速度は、スロー軸の方向のシステム出力信号のスキャン速度よりも速い。
【0107】
視野全体を表すLIDARデータの結果を有するために、一般には、ファスト軸の方向におけるサンプル領域の数は、スロー軸の方向におけるサンプル領域の数と一致することが望ましい。ファスト方向のスキャン速度は、システム出力信号が視野を横切って移動するジグザグの数を増加させるように、増加できる。ジグザグの増加数は、ファスト軸方向のサンプル領域の増加数を提供する。しかしながら、LIDARシステムのアプリケーションが増加するにつれて、視野、及び、最大作動距離に望まれるサイズは、1つ以上のビーム操舵器128に要求されるスキャン速度は、不可能であり、又は、実用的ではなく、並びに/若しくは、望ましくない高い電力要件を有する次元まで増加してきた。
【0108】
図5Cは、図5Aからの仮想面の側面図である。図5Cの点線は、システム出力信号チャネルCが、図3Aから図3Cの内容で開示される1つ以上のビーム操舵器128のみによって操舵されるときのシステム出力信号の重心の経路を表している。図5Cのサンプル領域は、互いから、及び、点線で示されるようなビーム操舵器によって提供される経路から、垂直方向に分離されている。垂直方向の分離は、システム出力信号がLIDARシステムから離れるように移動する方向を変えるように、光信号導波器12を作動する電子装置に起因する。結果として、信号導波器の作動は、システム出力信号を、ビーム操舵器によって提供される経路を横断する方向に移動する。例えば、SRC1でラベル付けられるサンプル領域129は、システム出力信号がチャネルCを搬送するように光信号導波器12を作動するときのサンプル領域を表すことができ、SRC2でラベル付けられるサンプル領域129は、システム出力信号がチャネルCを搬送するときのサンプル領域を表すことができ、及び、SRC3でラベル付けられるサンプル領域129は、システム出力信号がチャネルCを搬送するときのサンプル領域を表すことができる。図3Cに示されるサンプル領域のシーケンスから明らかなように、シーケンスi=1からNにおいて、システム出力信号が、チャネルCを連続的に搬送し、及び、そのシーケンスが繰り返されるように、光信号導波器12を、作動する。図3Cは、同じ順序で繰り返されるチャネルシーケンスを示しているが、チャネルシーケンスを、逆の順序で繰り返すことができる。
【0109】
ファスト軸のスキャン速度を、同じフレームレート(視野の各サンプル領域がシステム出力信号によって照らされるレート)を維持する一方、図5Bのファスト軸のスキャン速度に対して、遅くできる。例えば、図5Cのファスト軸のスキャン速度は、Nがユーティリティ導波路13の数である場合、図5Bのファスト軸ファスト軸のスキャン速度の約1/N倍である。減少されたファスト軸のスキャン速度は、同じフレームスキャン時間(1/フレームレート)のジグザグの減少数から明らかである。減少されたファスト軸のスキャン速度の結果として、サンプル領域は、ファスト軸の方向に減少された長さを有し、したがって、減少されたサイズを有している。サンプル領域の減少されたサイズは、LIDARデータの信頼性を高めることにつながる。
【0110】
図5Bでは、システム出力信号が各サイクルの持続時間の間にファスト軸に沿って移動する距離は、ctでラベル付けられちる。図5B、及び、図5Cのctでラベル付けられる各距離の範囲には、スロー軸を横切って広がる12個のサンプル領域が存在する。結果として、システム出力信号を操舵するために光信号導波器12、及び、減少されたファスト軸のスキャン速度を用いる組み合わせは、ファスト軸のスキャン速度を増加させると同じスロー軸の分解能を提供できる。
【0111】
ファスト軸のスキャン速度(信号導波器がファスト軸の方向に提供する速度)を、システム出力信号がファスト軸の方向にLIDARシステムから離れるように移動する方向の角度変化レート(ファスト軸の角度変化レート)によって表すことができる。スロー軸のスキャン速度(信号導波器がスロー軸の方向に提供する速度)を、システム出力信号がスロー軸の方向にLIDARシステムから離れるように移動する方向の角度変化レート(スロー軸の角度変化レート)によって表すことができる。スロー軸、及び、ファスト軸は、互いに直交できる。場合によっては、ファスト軸の角度変化レート:スロー軸の角度変化レートの割合は、1:1、2:1、3:1、又は、4:1より大きく、並びに/若しくは、5:1、10:1、又は、100:1より小さい。加えて、または、若しくは、ファスト軸の角度変化レートは、100度/秒、200度/秒、又は、300度/秒より大きく、並びに/若しくは、500度/秒、1000度/秒、又は、2000度/秒より大きくでき、並びに/若しくは、スロー軸の角度変化レートは、20度/秒、50度/秒、又は、100度/秒より大きく、並びに/若しくは、200度/秒、500度/秒、又は、1000度/秒より小さくできる。
【0112】
図5B、及び、図5Cは、ビームステアリング装置は、視野を前後に横切るジグザグ経路でシステム出力信号を操舵するビーム操舵器ステアリング装置は示しているが、ビーム操舵器は、他のパターンを用いて、視野を前後に横切るシステム出力信号を操舵できる。例えば、経路は、鋭角で接続される直線セグメントを有する必要はないが、代わりに、曲線で接続される直線セグメントを有してもよい。若しくは、経路は、曲線、及び/又は、曲線セグメントを有することができ、及び、直線セグメントを除外できる。例えば、経路を、一連のS字セクションとして構成できる。
【0113】
図6Aから図6Bは、図2に従って構築されるLIDARシステムの第1の信号処理部34として用いられるのに好適な信号処理部の例を示している。図2のLIDARシステムでは、第2の光信号導波器64は、異なる第1の入力導波路16に搬送される第1のLIDAR入力信号を共通導波路66に方向付ける。しかしながら、異なるチャネルを搬送する第1のLIDAR入力信号は、異なる第1の入力導波路16で受信される。さらに、光信号導波器12が、異なるユーティリティ導波路13の1つに、光源出力信号を方向付ける結果として、異なるチャネルを搬送するLIDAR入力信号は、第1の入力導波路16で連続的に受信される。結果として、共通導波路66は、異なるチャネルを搬送する(すなわち、異なるユーティリティ導波路で搬送される出射LIDAR信号からの光を搬送する)第1のLIDAR入力信号を連続的に受信する。異なるチャネルは、異なるサンプル領域を照らすため、共通導波路66は、異なるサンプル領域からの光を搬送する第1のLIDAR入力信号を連続的に受信する。共通導波路66は、第1のLIDAR入力信号を、第1の信号処理部34に搬送し、そこで、第1のLIDAR入力信号は、比較信号として機能する。結果として、第1信号処理部34は、異なるサンプル領域からの光を搬送する比較信号を連続的に受信する。前述上たように、第1の信号処理部34は、また、中間導波路44から参照信号を受信する。
【0114】
第1の信号処理部34は、光信号を電気信号に変換するように構成される光対電気アセンブリを有している。図6Aは、共通導波路66から受信される比較信号を第1の比較導波路204、及び、第2の比較導波路206に分割する第1のスプリッタ200を有する好適な光対電気アセンブリの一例の概略図である。第1の比較導波路204は、比較信号の第1の部分を光信号合成器211に搬送する。第2の比較導波路206は、比較信号の第2の部分を第2の光信号合成器212に搬送する。
【0115】
図6Aの信号処理部は、また、中間導波路44から受信される参照信号を第1の参照導波路210、及び、第2の参照導波路208に分割する第2のスプリッタ202を有している。第1の参照導波路210は、参照信号の第1の部分を光信号合成器211に搬送する。第2の参照導波路208は、参照信号の第2の部分を第2の光信号合成器212に搬送する。
【0116】
第2の光信号合成器212は、比較信号の第2の部分、及び、参照信号の第2の部分を第2の合成信号に合成する。比較信号の第2の部分と参照信号の第2の部分との間の周波数差のために、第2の合成信号は、比較信号の第2の部分と基準信号の第2の部分との間でうなる。
【0117】
第2の光信号合成器212は、また、結果として生じる第2の合成信号を第1の補助検出器導波路214、及び、第2の補助検出器導波路216に分割する。第1の補助検出器導波路214は、第2の合成信号の第1の部分を第1の補助電気信号に変換する第1の補助光センサ218に、第2の合成信号の第1の部分を、搬送する。第2の補助検出器導波路216は、第2の合成信号の第2の部分を第2の補助電気信号に変換する第2の補助光センサ220に、第2の合成信号の第2の部分を、搬送する。好適な光センサの例は、ゲルマニウム・フォトダイオード(PD)、及び、アバランチ・フォトダイオード(APD)を含む。
【0118】
場合によっては、第2の光信号合成器212は、第2の合成信号の第1の部分に含まれる比較信号の部分(すなわち、比較信号の第2の部分の一部)が、第2の合成信号の第2の部分の比較信号の部分(すなわち、比較信号の第2の部分の一部)に対して、180°だけ位相シフトされるが、第2の合成信号の第2の部分の参照信号の部分(すなわち、参照信号の第2の部分の一部)が、第2の合成信号の第1の部分の参照信号の部分(すなわち、参照信号の第2の部分の一部)に対して、位相シフトされないように、第2の合成信号を分割する。あるいは、第2の光信号合成器212は、第2の合成信号の第1の部分に含まれる参照信号の部分(すなわち、参照信号の第2の部分の一部)が、第2の合成信号の第2の部分の参照信号の部分(すなわち、参照信号の第2の部分の一部)に対して、180°だけ位相シフトされるが、第2の合成信号の第1の部分の比較信号の部分(すなわち、比較信号の第2の部分の一部)が、第2の合成信号の第2の部分の比較信号の部分(すなわち、比較信号の第2の部分の一部)に対して、位相シフトされないように、第2の合成信号を分割する。好適な光センサの例は、ゲルマニウム・フォトダイオード(PD)、及び、アバランチ・フォトダイオード(APD)を含む。
【0119】
第1光信号合成器211は、比較信号の第1の部分、及び、参照信号の第1の部分を第1の合成信号に合成する。比較信号の第1の部分と参照信号の第1の部分との間の周波数差のために、第1の合成信号は、比較信号の第1の部分と基準信号の第1の部分との間でうなる。
【0120】
また、光信号合成器211は、第1の合成信号を、第1の検出器導波路221、及び、第2の検出器導波路222に分割する。第1の検出器導波路221は、第2の合成信号の第1の部分を第1の電気信号に変換する第1の光センサ223に、第1の合成信号の第1の部分を、搬送する。第2の検出器導波路222は、第2の合成信号の第2の部分を第2の電気信号に変換する第2の光センサ224に、第2の合成信号の第2の部分を、搬送する。好適な光センサの例は、ゲルマニウム・フォトダイオード(PD)、及び、アバランチ・フォトダイオード(APD)を含む。
【0121】
いくつかの例では、光信号合成器211は、第1の合成信号の第1の部分に含まれる比較信号の部分(すなわち、比較信号の第1の部分の一部)が、第1の合成信号の第2の部分の比較信号の部分(すなわち、比較信号の第1の部分の一部)に対して、180°だけ位相シフトされるが、第1の合成信号の第1の部分の参照信号の部分(すなわち、参照信号の第1の部分の一部)が、第1の合成信号の第2の部分の参照信号の部分(すなわち、参照信号の第1の部分の一部)に対して、位相シフトされないように、第1の合成信号を分割する。あるいは、光信号合成器211は、第1の合成信号の第1の部分の参照信号の部分(すなわち、参照信号の第1の部分の一部)が、第1の合成信号の第2の部分の参照信号の部分(すなわち、参照信号の第1の部分の一部)に対して、180°だけ位相シフトされるが、第1の合成信号の第1の部分の比較信号の部分(すなわち、比較信号の第1の部分の一部)が、第1の合成信号の第2の部分の比較信号の部分(すなわち、比較信号の第1の部分の一部)に対して、位相シフトされないように、第1の合成信号を分割する。
【0122】
第2の光信号合成器212が、第2の合成信号の第1の部分の比較信号の部分が、第2の合成信号の第2の部分の比較信号の部分に対して、180°だけ位相シフトされるように、第2の合成信号を分割する場合に、光信号合成器211も、第1の合成信号の第1の部分の比較信号の部分が、第1の合成信号の第2の部分の比較信号の部分に対して、180°だけ位相シフトされるように、第1の合成信号を分割する。第2の光信号合成器212が、第2の合成信号の第1の部分の参照信号の部分が、第2の合成信号の第2の部分の参照信号の部分に対して、180°だけ位相シフトされるように、第2の合成信号を分割する場合に、光信号合成器211も、第1の合成信号の第1の部分の参照信号の部分が、第1の合成信号の第2の部分の参照信号の部分に対して、180°だけ位相シフトされるように、第1の合成信号を分割する。
【0123】
第1の参照導波路210、及び、第2の参照導波路208は、参照信号の第1の部分と参照信号の第2の部分との間に位相シフトを提供するように構成されている。例えば、第1の参照導波路210、及び、第2の参照導波路208を、参照信号の第1の部分と参照信号の第2の部分との間に90度の位相シフトを提供するように、構成できる。一例として、1つの参照信号部分は、同相成分にでき、及び、他の1つは、直交成分にできる。したがって、1つの参照信号の部分は、正弦関数にでき、及び、他の1つの参照信号の部分は、余弦関数にできる。一例では、第1の参照導波路210、及び、第2の参照導波路208は、第1の参照信号の部分は、余弦関数であり、及び、第2の参照信号の部分は、正弦関数であるように、構築される。したがって、第2の合成信号の参照信号の部分は、第1の合成信号の参照信号の部分に対して、位相シフトされるが、第1の合成信号の比較信号の一部は、第2の合成信号の比較信号の部分に対して位相シフトされない。
【0124】
第1光センサ223、及び、第2光センサ224を、平衡検出器として接続でき、及び、第1補助光センサ218、及び、第2補助光センサ220も、平衡検出器として接続できる。例えば、図6Bは、電子装置、第1の光センサ223、第2の光センサ224、第1の補助光センサ218、及び、第2の補助光センサ220の関係の概略を提供する。フォトダイオード用のシンボルを用いて、第1の光センサ223、第2の光センサ224、第1の補助光センサ218、及び、第2の補助光センサ220を表すが、1つ以上のこれらのセンサは、他の構成を有してもよい。場合によっては、図6Bの概略図に示される全ての構成要素が、LIDARチップに含まれる。場合によっては、図6Bの概略図に示される構成要素は、LIDARチップとLIDARチップから離れて配置される電子装置との間に分配される。
【0125】
電子装置は、第1の光センサ223、及び、第2の光センサ224を第1の平衡検出器225として、並びに、第1の補助光センサ218、及び、第2の補助光センサ220第2の平衡検出器226として、接続する。特に、第1光センサ223、及び、第2光センサ224は、直列に接続される。また、第1補助光センサ218、及び、第2補助光センサ220は、直列に接続される。第1の平衡検出器の直列接続は、第1の平衡検出器からの出力を第1のデータ信号として搬送する第1のデータ線228と連絡している。第2の平衡検出器における直列接続は、第2の平衡検出器からの出力を第2のデータ信号として搬送する第2のデータ線232と連絡している。第1のデータ信号は、第1の合成信号の電気的表現であり、及び、第2のデータ信号は、第2の合成信号の電気的表現である。したがって、第1のデータ信号は、第1の波形、及び、第2の波形からの寄与を有し、並びに、第2のデータ信号は、第1の波形と第2の波形との合成である。第1のデータ信号の第1の波形の部分は、第1のデータ信号の第1の波形の部分に対して位相シフトされているが、第1のデータ信号における第2の波形の部分は、第1のデータ信号における第2の波形の部分に対して同相である。例えば、第2のデータ信号は、第1のデータ信号に含まれる参照信号の異なる部分に対して位相シフトされている参照信号の部分を有している。また、第2のデータ信号は、第1のデータ信号に含まれる比較信号の異なる部分と同相の比較信号の部分を有している。第1のデータ信号、及び、第2のデータ信号は、比較信号と基準信号との間のうなり、すなわち、第1の合成信号における、及び、第2の複合信号におけるうなりの結果として、うなっている。
【0126】
電子装置62は、第1のデータ信号、及び、第2のデータ信号に数学的変換を実行するように構成される数学的変換器238を有している。例えば、数学的変換は、入力として第1のデータ信号、及び、第2のデータ信号を用いる複素フーリエ変換にできる。第1のデータ信号は、同相成分であり、及び、第2のデータ信号は、直交成分であるため、第1のデータ信号、及び、第2のデータ信号は、共に、第1のデータ信号が、入力の実数成分であり、及び、第2のデータ信号が、入力の虚数成分である複素データ信号として作用する。
【0127】
数学的変換器238は、第1のデータ線228から第1のデータ信号を受信する第1のアナログ・デジタル変換器(ADC)264を有している。第1のアナログ・デジタル変換器(ADC)264は、第1のデータ信号をアナログ形式からデジタル形式に変換し、そして、第1のデジタルデータ信号を出力する。数学的返還器238は、第2のデータ線232から第2のデータ信号を受信する第2のアナログ・デジタル変換器(ADC)266を有している。第2のアナログ・デジタル変換器(ADC)266は、第2のデータ信号をアナログ形式からデジタル形式に変換し、そして、第2のデジタルデータ信号を出力する。第1のデジタルデータ信号は、第1のデータ信号のデジタル表現であり、及び、第2のデジタルデータ信号は、第2のデータ信号のデジタル表現である。したがって、第1のデジタルデータ信号、及び、第2のデジタルデータ信号は、共に、第1のデジタルデータ信号が複素信号の実数成分として作用し、及び、第2のデジタルデータ信号が複素データ信号の虚数成分として作用する複素信号として作用する。
【0128】
数学的変換器238は、複素データ信号を受信する変換コンポーネント268を有している。例えば、変換コンポーネント268は、入力として、第1のアナログ・デジタル変換器(ADC)264からの第1のデジタルデータ信号を受信し、及び、入力として、第1のアナログ・デジタル変換器(ADC)266から第2のデジタルデータ信号を受信する。変換コンポーネント268を、時間領域から周波数領域に変換するように、複素信号に数学的変換を実行するように構成できる。数学的変換は、複素高速フーリエ変換(FFT)などの複素変換にできる。複素高速フーリエ変換(FFT)などの複素変換は、システム出力信号に対する比較信号の周波数におけるシフトに関する明確な解決策を提供する。
【0129】
電子装置は、変換コンポーネント268からの出力を受信し、そして、LIDARデータ(反射物体とLIDARチップ、又は、LIDARシステムとの間の距離、及び/又は、半径速度)を生成するように、変換コンポーネント268からの出力を処理するLIDARデータ生成器270を有している。LIDARデータ生成器は、うなり周波数における1つ以上のピークを識別するための変換コンポーネント268の出力へのピーク検出を実行する。
【0130】
電子装置は、LIDARデータ(反射物体とLIDARチップ、又は、LIDARシステムとの間の距離、及び/又は、半径速度)を生成するためのさらなる処理のために、1つ以上の周波数ピークを用いる。変換コンポーネント268は、ファームウェア、ハードウェア、又は、ソフトウェア、若しくは、それらの組み合わせを用いて、帰属の機能を実行できる。
【0131】
図6Cは、システム出力信号の周波数、時間、サイクル、及び、データ期間の間の関係の一例を示している。システム出力信号の基本周波数(f0)は、サイクル開始時のシステム出力信号の周波数にできる。
【0132】
図6Cは、サイクル、及び、サイクルj+1でラベル付けられる2つのサイクルのシーケンスに関する周波数対時間を示している。場合によっては、周波数対時間パターンは、図6Cに示すように、各サイクルにおいて繰り返される。図示されたサイクルは、再配置期間を有さず、及び/又は、再配置期間は、サイクル間に配置されない。結果として、図6Cは、システム出力信号の操舵が連続している連続スキャンの結果を示している。
【0133】
各サイクルは、期間インデックスkで、それぞれ、関連付けられ、及び、DPでラベル付けられるk個のデータ期間を有している。図6Cの例では、各サイクルは、k=1、2、及び、3としてDPでラベル付けられる3つのデータ期間を有している。いくつかの例では、図6Cに示されるように、異なるサイクルの互いに対応するデータ期間に関して、周波数対時間パターンは、同じである。対応するデータ期間は、同じ周期インデックスを有するデータ期間である。結果として、各データ期間DPを、対応するデータ期間とみなすことができ、及び、関連する周波数対時間パターンは、図6Cにおいて同じである。サイクルの終わりに、電子装置は、周波数を、前のサイクルを開始したのと同じ周波数レベルに戻す。
【0134】
データ期間DP、及び、データ期間DPの間、電子機器は、システム出力信号の周波数が線形割合αで変化するように、光源を作動する。データ期間DPの間の周波数変化の方向は、データ期間DPの間の周波数変化の方向とは逆である。
【0135】
図6Cは、それぞれがサンプル領域インデックスkに関連付けられ、及び、Rnでラベル付けられるサンプル領域を表示している。図6Cは、サンプル領域Rn、及び、Rnk+1を表示している。各サンプル領域は、図6Cがサンプル領域に関連付けられているとして示すデータ期間の間、システム出力信号によって照らされる。例えば、サンプル領域Rnは、DPからDPでラベル付けされるデータ期間の間、システム出力信号によって照らされる。サンプル領域インデックスkを、時間に対して割り当てることができる。例えば、インデックスkによって示されるシーケンスにおいて、サンプル領域を、システム出力信号によって照らすことができる。結果として、サンプル領域Rn10を、サンプル領域Rnの後,及び、Rn11の前に、照らすことができる。
【0136】
LIDARシステムは、典型的には、物体がLIDARシステムからの作動距離範囲内にあるとき、信頼できるLIDARデータを提供するように構成される。作動距離範囲は、最小動作距離から最大動作距離まで延伸できる。最大ラウンドトリップ時間は、システム出力信号がLIDARシステムを出て行き、物体まで最大作動距離を移動し、そして、LIDARシステムに戻るのに必要な時間にでき、そして、図6Cにおいてτでラベル付けられている。
【0137】
送信されるシステム出力信号とLIDARシステムに戻ってくるシステム出力信号との間には遅延があるため、合成信号は、システム戻り信号がLIDARシステムに戻ってきた後まで、LIDAR信号からの寄与を有さない。合成信号は、LIDARうなり周波数が存在するシステム戻り信号からの寄与を必要とするため、電子装置は、データ期間のデータウィンドウの間にLIDARシステムに戻ってくるシステム戻り信号に起因するLIDARうなり周波数を測定する。データウィンドウは、図6Cにおいて「W」でラベル付けられている。LIDAR信号から合成信号への寄与は、最大作動時間遅延(τ)よりも大きい時間でもたらされる。結果として、データウィンドウは、最大作動時間遅延(τ)からデータ期間の終了まで延伸するように示されている。
【0138】
複素フーリエ変換からの出力における周波数ピークは、それぞれが参照信号に対してうなっている比較信号を有する合成信号のうなり周波数を表す。2つ以上の異なるデータ期間からのうなり周波数を、組み合わせて、LIDARデータを生成できる。例えば、図6CのDPから決定されるうなり周波数を、図6CのDPから決定されるうなり周波数と組み合わせ、LIDARデータを決定できる。一例として、図6Cのデータ期間DPにおいて発生するような、電子装置が出射LIDAR信号の周波数を増加するデータ期間の間、以下のような等式が、適用される。fub=-f+ατ、ここで、fubは、変換コンポーネントによって提供される周波(ここでは、DPから決定されるfLDP)であり、fは、ドップラーシフト(f=2νf/c)を表し、ここで、fは光周波数(f)を表し、cは光の速度を表し、νは反射物体とLIDARシステムとの間の半径速度を表し、vは反射物体とLIDARシステムとの間の半径速度であり、ここで、反射物体からLIDARシステムに向かう方向を、正の方向と仮定し、τは、システム出力信号からの光が物体に移動し、そして、LIDARシステムに戻ってくる時間(ラウンドトリップ時間)であり、及び、cは光の速度である。図6Cのデータ期間DPにおいて発生するような、電子装置が出射LIDAR信号の周波数を減少するデータ期間の間、以下のような等式が、適用される。fdb=-f-ατ、ここで、fdbは、変換コンポーネントによって提供される周波(ここでは、DPから決定されるfi,LDP)である。これらの2つの式において、f、及び、τは未知数である。電子装置は、2つの未知数f、及び、τに関するこれら2つの方程式を解決する。そして、サンプル領域に関する半径速度を、ドップラシフト(ν=c×f/(2f))から、決定でき、及び/又は、サンプル領域に関する分離距離を、c×τ/2から、決定できる。LIDARデータを、変換によって出力される対応する周波数ペアごとに生成できるため、サンプル領域の物体の各々に対して、別々のLIDARデータを、生成できる。したがって、電子装置は、視野の単一のサンプル領域の単一のサンプリングから、1つより多くの半径方向速度、及び/又は、1つより多くの半径方向分離距離を決定できる。
【0139】
図6CのDPでラベル付けられるデータ期間は、任意である。前述のように、1つより多い物体がサンプル領域に存在する状況がある。例えば、サイクル2のDPのフィードバック期間の間、及び、サイクル2のDPのフィードバック期間の間も、1つより多くの周波数ペアが、適合する可能性がある。これらの状況では、どのDPからの周波数ピークが、どのDPからの周波数ピークに対応するのかが、明らかでない場合がある。結果として、サンプル領域の物体に関するLIDARデータを生成するために、どの周波数を、一緒に用いる必要があるか、明確でない可能性がある。結果として、対応する周波数を特定する必要がある可能性がある。対応する周波数がサンプル領域内の同じ反射物体からの周波数であるように、対応する周波数の特定を、実行できる。DPでラベル付けられるデータ期間を、用い、対応する周波数を見つけることができる。LIDARデータを、対応する周波数のペアごとに生成でき、及び、サンプル領域の異なる反射物体に関するLIDARデータとみなし、及び/又は、処理する。
【0140】
対応する周波数の特定の例は、図6Cに示されるような、サイクルが3つのデータ期間(DP、DP、及び、DP)を有するLIDARシステムを用いる。LIDAR出力信号によって照らされるサンプル領域に2つの物体が存在する場合、変換コンポーネントは、DPの間に、fubに関する2つの異なる周波数、fu1、及び、fu2を出力し、及び、DPの間に、fdbに関する2つの異なる周波数、fd1、及び、fd2を出力する。この場合、可能な周波数ペアリングは、(fd1、fu1)、(fd1、fu1)、fd2、fu1)、及び、(fd2、fu2)である。f、及び、τの値を、可能な周波数ペア毎に算出できる。f、及び、τに関する各ペアの値を、f=-f+ατに代入し、可能な周波数ペアリングごとに理論fを生成できる。αの値は、DP、及び、DPで用いられる値とは異なる。図6Cでは、αの値は、ゼロである。この場合、変換コンポーネントは、サンプル領域の1つの物体にそれぞれ関連付けられるfに関する2つの値も出力する。各実f値に最も近い理論f値を有する周波数ペアを、対応するペアとみなす。LIDARデータを、前述のように、各対応するペアに対して生成でき、そして、サンプル領域の異なる1つの反射物体に関するLIDARデータとして、みなし、及び/又は、処理する。対応する周波数の各セットを、前述の等式に用い、LIDARデータを生成できる。生成されるLIDARデータは、サンプル領域の1つの物体に関するものであろう。結果として、異なるLIDARデータ値の各々が、サンプル領域の異なる1つの物体に対応するサンプル領域に関して、複数の異なるLIDARデータ値を、生成できる。
【0141】
図1に示す各第1の信号プロセッサ34を、図6Aから図6Cの内容で開示されるように、作動できる。例えば、各信号処理部34によって受信される第1の参照信号は、図6Aから図6Cの内容で説明される参照信号として機能でき、及び、各信号処理部34によって受信される第1の比較信号は、図6Aから図6Cの内容で説明される比較信号として機能できる。前述のように、異なるチャネルを搬送するLIDAR入力信号は、連続的に、第1の入力導波路16で受信され、そして、異なるチャネルを搬送する第1のLIDAR入力信号は、異なる第1の入力導波路16で受信される。結果として、チャネルiを搬送する第1の比較信号を受信するように構成される第1の信号処理部34は、チャネルiを搬送するLIDAR出力信号が、ユーティリティ導波路から出力されるように作動される信号導波器12に応じて、第1比較信号を受信する。加えて、チャネルiを搬送する第1の比較信号を受信するように構成されない第1の信号部34は、チャネルiを搬送するLIDAR出力信号が、ユーティリティ導波路から出力されるように作動される信号導波器12に応じて、第1比較信号を、実質的に受信しない。結果として、第1の信号処理部34の一部のみが、第1の比較信号を受信し、及び、第1の比較信号を受信する第1の信号処理部34は、光信号導波器12の作動に応じて変化する。電子装置は、光信号導波器の作動によってLIDARデータを生成するために用いられる第1の信号処理部34を調整できる。例えば、電子機器は、第1の比較信号を、現在、受信している第1の信号処理部34を選択し、LIDARデータを生成できる。一例として、電子装置が、チャネルiを搬送するLIDAR出力信号が、ユーティリティ導波路から出力されるように、光信号導波器12を作動させるサイクルに関して、チャネルiを搬送する第1の比較信号を受信するように構成される第1の信号処理部34が、LIDARデータの生成のために選択される一方、LIDARデータは、選択されない第1の信号処理部34からは生成されない。
【0142】
図1のLIDARシステムでは、異なる第1の信号プロセッサ34からの電子装置を、合成でき、その結果、うなり信号を、光学的よりはむしろ電気的に合成できる。例えば、各第1の信号処理部34は、図6Aの光対電気アセンブリを有することができる。図6Dは、図6Aからの各光対電気アセンブリ、及び、電子装置の第1光センサ223、第2光センサ224、第1の補助光センサ218、及び、第2の補助光センサ220の間の関係を模式的に示している。異なる信号処理部34のそれぞれは、異なるチャネルを搬送する第1のLIDAR入力信号を受信するため、図6Dは、光センサによって受信されるチャネルに関連付けられる第1の光センサ223、第2の光センサ224、第1の補助光センサ218、及び、第2の補助光センサ220を示している。
【0143】
異なる第1の平衡検出器225の各々からの第1のデータ線228は、第1の電気マルチプレクサ272に、第1のデータ信号を搬送する。第1の電気マルチプレクサ272は、共通データ線273に、異なる第1データ線228からの第1のデータ信号を出力する。異なるチャネルを搬送するシステム出力信号は、連続的に、LIDARシステムから出力されるので、異なるチャネルを搬送する第1のLIDAR入力信号は、第1の入力導波路16で、受信され、そして、異なるチャネルを搬送する第1のLIDAR入力信号は、異なる第1の入力導波路16で受信される。結果として、チャネルiを搬送する第1の比較信号受信するように構成される第1の信号処理部34は、チャネルiを搬送するシステム出力信号がLIDARシステムから出力されるように作動される光信号導波器12に応じて、第1の比較信号を受信する。加えて、チャネルiを搬送する第1の比較信号を受信するように構成されていない第1の信号処理部34は、チャネルiを搬送するシステム出力信号がLIDARシステムから出力されるように作動される光信号導波器12に応じて、実質上、第1の比較信号を受信しない。異なるチャネルを搬送するシステム出力信号は、連続的に、LIDARシステムから出力されるので、発生する異なるチャネルの重複があるかもしれないが、異なるチャネルを搬送する第1の比較信号は、連続的に、異なる第1の信号プロセッサ34で受信される。第1の信号処理部34は、連続的に、異なるチャネルを搬送する第1の比較信号を受信するので、第1の共通データ線273は、連続的に、異なるチャネルを搬送する第1のデータ信号を搬送する。一連の第1のデータ信号のチャネル間には、いくつかの短期間の重複があるかもしれないが、重複は、図6Cに示されるデータウィンドウには、発生しない。第1の共通データ線273は、第1のアナログ・デジタル変換器(ADC)264に、一連の第1のデータ信号を搬送する。
【0144】
異なる第2の平衡検出器226の各々からの第2のデータ線232は、第2の電気マルチプレクサ274に、第2のデータ信号を搬送する。第2の電気マルチプレクサ274は、第2の共通データ線275に、異なる第2のデータ線232からの第2のデータ信号を出力する。前述のように、第1の信号処理部34は、異なるチャネルを搬送する第1の比較信号を、連続的に、受信する。結果として、第2共通データ線275は、異なるチャネルを、連続的に、搬送する第2データ信号を搬送する。一連の第2のデータ信号のチャネル間には、いくつかの短期間の重複があるかもしれないが、重複は、図6Cに示されるデータウィンドウの間には、発生しない。第2の共通データ線275は、第2のアナログ・デジタル変換器(ADC)266に、一連の第2のデータ信号を搬送する。
【0145】
図6Dの数学的変換器238、及び、LIDARデータ生成器270を、図6Aから図6Cの内容に開示されているように、作動させることができる。例えば、第1のアナログ・デジタル変換器(ADC)264は、第1のデータ信号をアナログ形式からデジタル形式に変換し、そして、第1のデジタルデータ信号を出力する。第2のアナログ・デジタル変換器(ADC)266は、第2のデータ信号をアナログ形式からデジタル形式に変換し、そして、第2のデジタルデータ信号を出力する。
【0146】
同じチャネルを搬送する第1のデジタルデータ信号、及び、第2のデジタルデータ信号は、第1のデジタルデータ信号が、複素信号の実数成分として作用し、及び、第2のデジタルデータ信号が、複素信号の虚数成分として作用する複素信号として、共に、作用する。電子装置は、同じチャネルを搬送する第1のデジタルデータ信号、及び、第2のデジタルデータ信号が、同時に、LIDARデータ生成器270によって受信されるように構成される。結果として、LIDARデータ生成器270は、連続的に、異なるチャネルを搬送する複素信号を受信する。LIDARデータ生成器270は、異なるチャネルの各々に関するLIDARデータを生成できる。結果として、データ生成器270は、一連のチャネルを搬送するシステム出力信号によって照らされる各サンプル領域に関するLIDARデータを生成できる。
【0147】
図6Aからの光対電気アセンブリのセンサとLIDARシステムの電子装置との間の関係が、図6Dにしたがって構築されるLIDARシステムの他の実施形態では、電子装置は、電子装置によって作動できるスイッチとして、電気マルチプレクサを作動する。結果として、電子装置は、どの第1のデータ信号を共通データ線273に出力するかを選択するように、第1の電気マルチプレクサ272を作動でき、及び、どの第2データ信号を第2の共通データ線275に出力するかを選択するように、第2電気マルチプレクサ274を作動できる。結果として、異なるチャネルを搬送するシステム出力信号を、同時に、出力するように、LIDARシステムを、構成できる。例えば、異なるチャネルを搬送するLIDAR出力信号の各々を、同時に、出力するように、LIDARチップを、構成できる。
【0148】
LIDARシステムが、異なるチャネルを搬送するシステム出力信号を、同時に、出力する場合、異なる第1の信号処理部34の各々は、1つのチャネルを搬送する第1のLIDAR入力信号を、同時に、受信できる。したがって、異なる第1の信号処理部34の各々からの第1のデータ線228は、第1の電気マルチプレクサ272に第1のデータ信号を、同時に、搬送する。結果として、第1の電気マルチプレクサ272は、それぞれが異なるチャネルを搬送し、及び、異なる第1の信号処理部34由来である複数の第1のデータ信号を、同時に、受信する。電子装置は、第1の電気マルチプレクサ272のスイッチング機能を用い、第1の電気マルチプレクサ272が、異なるチャネルを搬送する第1のデータ信号を、連続的に、出力するように、第1の電気マルチプレクサ272を作動する。結果として、第1共通データ線273は、連続的に、異なるチャネルを搬送する第1データ信号を搬送する。好適なチャネル列の一例は、これ限定されないが、i=1からi=Nまでの数値列において、i=1からのチャネルインデックスi=1からNを有するチャネルのシーケンスを含む。
【0149】
異なる第1の信号処理部34の各々からの第2のデータ線232は、第2の電気マルチプレクサ274に第2のデータ信号を、同時に、搬送する。結果として、第2の電気マルチプレクサ274は、それぞれが異なるチャネルを搬送し、及び、異なる第1の信号処理部34由来である複数の第2のデータ信号を、同時に、受信する。電子装置は、第2の電気マルチプレクサ274のスイッチング機能を用い、第2の電気マルチプレクサ274が、異なるチャネルを搬送する第2のデータ信号を、連続的に、出力するように、第2の電気マルチプレクサ274を動作する。結果として、第2のデータ線275は、連続的に、異なるチャネルを搬送する第2データ信号を搬送する。
【0150】
図6Dの数学的変換器238、及び、LIDARデータ生成器270を、図6Aから図6Cの内容で開示されるように、作動できる。例えば、第1のアナログ・デジタル変換器(ADC)264は、第1のデータ信号をアナログ形式からデジタル形式に変換し、そして、第1のデジタルデータ信号を出力する。第2のアナログ・デジタル変換器(ADC)266は、第2のデータ信号をアナログ形式からデジタル形式に変換し、そして、第2のデジタルデータ信号を出力する。
【0151】
第1の電気マルチプレクサ272、及び、第2の電気マルチプレクサ274は、第1のデータ線273、及び、第2のデータ線275が、同時に、同じチャネルを搬送するように作動される。結果として、第1のアナログ・デジタル変換器(ADC)264、及び、第2のアナログ・デジタル変換器(ADC)266から出力される第1のデジタルデータ信号、及び、第2のデジタルデータ信号は、同時に、同じチャネルを搬送する。同じチャネルを搬送する第1のデジタルデータ信号、及び、第2のデジタルデータ信号は、第1のデジタルデータ信号が、複素信号の実数成分として作用し、及び、第2のデジタルデータ信号が、複素信号の虚数成分として作用する複素信号として、共に、作用する。同じチャネルを搬送する第1のデジタルデータ信号、及び、第2のデジタルデータ信号は、同時に、LIDARデータ生成器270によって受信される。結果として、LIDARデータ生成器270は、連続的に、異なるチャネルを搬送する複素信号を受信する。LIDARデータ生成器270は、一連のチャネルの各チャネルに関するLIDARデータを生成できる。結果として、データ生成器270は、一連のチャネルを搬送するシステム出力信号によって照らされる各サンプル領域に関するLIDARデータを生成できる。
【0152】
LIDARシステムが、前述のように、異なるチャネルを搬送するシステム出力信号を、同時に、出力する場合、システム出力信号は、異なる方向にLIDARシステムから離れるように移動する。結果として、視野は、異なるシステム出力信号の異なる1つによって同時に照らされる複数の異なるサンプル領域を有するだろう。一例として、図5Cは、点線で表示され、また、gSRc1、及び、gSRc2でラベル付けられるサンプル領域を有している。gSRc1、及び、gSRc2でラベル付けされるサンプル領域は、rSRc3でラベル付けされるサンプル領域と、同時に、照らされる。しかしながら、第1の電気マルチプレクサ272、及び、第2の電気マルチプレクサ274の作動は、LIDARデータ生成器270によってどのチャネルが受信されるかを選択する。LIDARデータ生成器270が、rSRc3でラベル付けられるサンプル領域の照明から生成される信号を受信する場合、LIDARデータ生成器270は、gSRc1、及び、gSRc2でラベル付けされるサンプル領域の照明から生成される信号を受信しない。結果として、LIDARデータ生成器270は、rSRc3でラベル付けられるサンプル領域に関するLIDARデータ結果を生成するが、gSRc1、及び、gSRc2でラベル付けられるサンプル領域についてのLIDARデータ結果を生成せず、及び、これらのサンプル領域は、事実上、ゴーストサンプル領域になる。結果として、LIDARシステムに含まれる1つまたは複数の電気マルチプレクサは、LIDARデータ結果が生成されるサンプル領域を選択する光信号導波器12からの出力ではなく、LIDARデータ結果が生成されるサンプル領域を選択する。
【0153】
第1の電気マルチプレクサ272、及び/又は、第2の電気マルチプレクサ274の代案は、異なる第1の平衡検出器225の各々からの第1のデータ線228が、互いに、電気的に連絡する電気ノード、及び、異なる第2の平衡検出器226の各々からの第2のデータ線232が、互いに、電気的に連絡する電気的ノードを提供することである。結果として、第1平衡検出器225の出力は、事実上、並列に接続され、及び、第2平衡検出器226の出力が、事実上、並列に接続される。一例として、図6Eは、異なる第1の平衡検出器225の各々からの第1のデータ線228が、第1の共通データ線273と電気的に連絡するように修正された図6Dの配置を示している。LIDARシステムは、連続的に、異なるチャネルを搬送するシステム出力信号を出力するので、第1の共通データ線273は、連続的に、異なるチャネルを搬送する第1のデータ信号を搬送する。連続的に、隣接するチャネルの間にいくらかの重複があるかもしれない一方、重複は、データウィンドウの間に発生しない。加えて、異なる第2の平衡検出器226の各々からの第2のデータ線232は、第2の共通データ線275と電気的に連絡している。LIDARシステムは、連続的に、異なるチャネルを搬送するシステム出力信号を出力するので、第2の共通データ線275は、連続的に、異なるチャネルを搬送する第2のデータ信号を搬送する。連続的に、隣接するチャネル間にいくらかの重複があるかもしれない一方、重複は、データウィンドウの間には発生しない。図6DのLIDARシステムにおいても発生するように、第1の共通データ線273は、連続的に、異なるチャネルを搬送する第1のデータ信号を搬送し、及び、第2の共通データ線275は、異なるチャネルを直列に運ぶ第2のデータ信号を搬送するので、数学的変換器238、及び、LIDARデータ生成器270を、図6Eの内容で開示されているように、作動し、一連のチャネルを搬送するシステム出力信号によって照らされる各サンプル領域に関するLIDARデータを生成できる。
【0154】
図6Eに従って構築されるLIDARシステムでは、LIDARシステムがチャネルiを搬送するシステム出力信号を出力しているサイクルの間、電流チャネルiを受信するように構成される信号処理部34(アクティブ信号処理部)は、少なくともデータウィンドウの間に、チャネルiを搬送する第1のLIDAR入力信号を受信する一方、電流チャネルiを受信するように構成されない信号処理部34(非アクティブ信号処理部)は、第1のLIDAR入力信号を受信しない。しかしながら、非アクティブ信号処理部は、少なくともデータウィンドウの間、第1の参照信号を受信し続ける。非アクティブ信号処理部によって受信される第1の参照信号からの光は、光電気アセンブリを通過でき、そして、第1のデータ信号、及び、第2のデータ信号のような電気信号において、ノイズとなる。
【0155】
場合によっては、非アクティブ信号処理部によって受信される第1の参照信号の全部、又は、一部を、完全に、又は、部分的に、減衰することが望ましい場合がある。例えば、第1の参照導波路53(図1)は、それぞれ、任意で、光減衰器280を有することができる。減衰器が配置される第1の参照導波路53によって案内される第1の基準信号を、完全に、又は、部分的に、減衰するように、減衰器280を、電子装置によって作動できる。
【0156】
アクティブ信号処理部として機能する信号処理部34、及び、非アクティブ信号処理部として機能する信号処理部34は、システム出力信号によって搬送されるチャネルの変化に応じて、変化する。結果として、電子装置は、システム出力信号において、現在、搬送されているチャネルの変化に応じて、減衰される第1の参照信号を変更できる。例えば、電子装置は、アクティブ信号処理部によって受信される第1の参照信号が減衰されないか、又は、実質的に減衰されないように、減衰器280を作動できる。加えて、電子装置は、非アクティブ信号処理部の全部、又は、一部によって受信される第1の参照信号が、完全に、又は、部分的に、減衰されるように、減衰器280を作動できる。非アクティブ信号処理部の全部、又は、一部によって受信される第1の参照信号は、完全に、又は、部分的に、減衰されるので、非アクティブ信号処理部によって実際に受信される第1の参照信号からの光の量は、低減される。結果として、減衰された光は、第1データ信号、及び、第2データ信号におけるノイズ源ではない。
【0157】
光減衰器280として用いるのに好適な装置は、これら限定されないが、可変光減衰器(VOA)、PINダイオード、及び、マッハ・ツェンダ変調器を含む。好適な光減衰器の一例を、米国特許出願シリアル番号17/396616、出願日2021年8月6日、発明の名称「適合性が増加したキャリア注入器」に見つけることができ、及び、全体的に本明細書に組み込む。
【0158】
さらに、光減衰器280の代わりとして、参照スプリッタ52(図1)、を光スイッチに置き換えることができる。光スイッチは、補助参照信号を1つの第1の参照導波路53に方向付けるように構成されている。第1の参照導波路53によって受信される補助参照信号の一部は、第1の参照信号として機能する。電子装置が、どの第1の参照導波路53が補助参照信号を受信するかを、選択できるように、光スイッチを、電子装置によって、作動できる。結果として、電子装置は、どの第1の参照導波路53に第1の参照信号を搬送するかを、選択できる。第1の参照信号を受信する第1の参照導波路53は、第1の参照信号を1つの信号処理部34に案内するので、電子装置は、どの1つの信号処理部が第1の参照信号を受信するのかを、選択する。
【0159】
電子装置は、現在、システム出力信号に搬送されているチャネルの変化に応じて、補助参照信号を受信する第1の基準導波路53を変更できる。例えば、電子装置は、少なくともデータウィンドウの間、第1の参照信号がアクティブ信号処理部によって受信されるように、光学を作動できる。1つの信号処理部のみが第1の参照信号を受信するので、非アクティブ信号処理部は、第1の参照信号を受信しない。
【0160】
アクティブ信号処理部として機能する信号処理部34、及び、非アクティブ信号処理部として機能する信号処理部34は、システム出力信号によるチャネルの変化に応じて、変化する。結果として、電子装置は、各サイクルの間、アクティブ信号処理部として、現在、機能している信号処理部が、そのサイクルの少なくとも全部、又は、一部のデータウィンドウの間、第1の参照信号を受信するように、第1の参照信号を受信する信号処理部34を変更するように、光スイッチを、作動できる。結果として、各サイクルにおいて、非アクティブ信号処理部は、第1の参照信号を受信しない。非アクティブ信号処理部は、第1の参照信号からの光を受信せず、又は、実質的に受信しないので、非アクティブ信号処理部によって受信される第1の参照信号からの光は、光対電気アセンブリを通過せず、及び、第1のデータ信号、及び、第2のデータ信号におけるノイズ源ではない。
【0161】
図7は、LIDARシステムと共に用いるのに好適な光信号導波器12の平面図である。光信号導波器12は、ソース導波路11からの光源出力信号を受信する光スイッチ300を有している。光スイッチ300で受信される光源出力信号の一部は、スイッチ信号として機能できる。光スイッチ300は、スイッチ信号を1つのユーティリティ導波路13に方向付ける。光スイッチ300は、電子装置62によって、作動できる。例えば、どのユーティリティ導波路13がスイッチ信号を受信するかを制御するように、電子装置は、光スイッチ300を作動できる。ユーティリティ導波路によって受信されるスイッチ信号の一部は、出射LIDAR信号として機能できる。好適な光スイッチは、これらに限定されないが、半導体光増幅器(SOA)、並びに、熱、又は、自由キャリア注入移相シフタを用いるカスケード接続された2×2マッハ・ツェンダ干渉計スイッチを含む。
【0162】
図8は、LIDARシステムと共に用いる好適な他の光信号導波器12の平面図である。光信号導波器12は、ソース導波路11からの光源出力信号を受信するスプリッタ302を有している。スプリッタ302は、光源出力信号を、それぞれが異なる1つのユーティリティ導波路13で受信されるユーティリティ信号に分割するように、構成される。各ユーティリティ導波路13が、1つのユーティリティ信号を、同時に、受信するように、スプリッタ302を、構成できる。1つのユーティリティ導波路13に搬送されるユーティリティ信号の一部は、そのユーティリティ導波路13から出力される出射LIDAR信号として機能できる。スプリッタ302は、光カプラ、yジャンクション、MMI、カスケード接続されるエバネッセント光カプラ、又は、カスケード接続されるyジャンクションのような波長独立スプリッタにできる。結果として、LIDAR出力信号は、それぞれ、同じ、又は、ほぼ同じ波長分布を有することができる。例えば、スプリッタ302を、各ユーティリティ信号が、同じ、又は、実質的に同じ波長の選択物を搬送するように、構成できる。
【0163】
増幅器304は、各ユーティリティ導波路13に沿って配置される。増幅器304を、1つのユーティリティ導波路13で出射LIDAR信号を増幅するように、作動できる。電子機器は、発信LIDAR信号が増幅されるユーティリティ導波路13を選択することができる。増幅されていないユーティリティ導波路13に搬送される各出射LIDAR信号が完全に、又は、部分的に、吸収されるように、増幅器を、構成できる。例えば、増幅器は、出射LIDAR信号の波長で光を吸収する利得媒体を通って出射LIDAR信号を案内できる。結果として、増幅されていないユーティリティ導波路13からの出力されるLIDAR出力信号は、増幅されていないユーティリティ導波路13によって受信された出射LIDAR信号の電力レベルよりも低い電力レベルにある。例えば、増幅されていないユーティリティ導波路13は、増幅されていないユーティリティ導波路13から出力される出射LIDAR出力信号の電力レベルの0.01%、0.1%、又は、1%より低いレベルを有する長さを有することができる。対照的に、増幅されたユーティリティ導波路13から出力されるLIDAR出力信号は、増幅されたユーティリティ導波路13によって受信された出射LIDAR信号の電力レベルよりも高い電力レベルにある。例えば、増幅されたユーティリティ導波路13から出力されるLIDAR出力信号は、増幅されたユーティリティ導波路13によって受信された出射LIDAR信号の電力レベルの200%、500%、又は、1000%よりも大きいレベルを有することができる。この電力差の結果、増幅されたユーティリティ導波路13から出力されるLIDAR出力信号は、LIDARチップから出力されるLIDAR出力信号として機能する。したがって、増幅器は、どの出射LIDAR信号がLIDARチップから出力されるLIDAR出力信号として出力されるのかを選択する光スイッチとして作用する。
【0164】
上記のように、電子装置は、どのユーティリティ導波路13がLIDAR出力信号を出力するかを選択するように、光信号導波器12を作動する。したがって、増幅器304がチャネルiを搬送するLIDAR出力信号を出力するサイクルでは、電子装置は、電流チャネルiに関連付けられるユーティリティ導波路を増幅するが、電流チャネルiに関連付けられないユーティリティ導波路を増幅せず、又は、実質的に増幅しない。増幅器304が異なるチャネルを搬送するLIDAR出力信号を出力する新たなサイクルが発生すると、電子装置は、新しいチャネルに関連付けられるユーティリティ導波路を増幅するが、電流チャネルiに関連付けられないユーティリティ導波路を増幅せず、又は、実質的に増幅しない。結果として、電子装置は、光信号導波器12を作動し、LIDAR出力信号が、所望のチャネルを搬送する。
【0165】
場合によっては、1つ以上の増幅器を有するLIDARチップが望ましい場合がある。例えば、1つ以上の増幅器を、1つ以上増幅器を、ソース導波路11に沿う位置に配置し、光源出力信号からの光を有し、又は、それから構成される他の信号と同様に、光源出力信号、したがって、システム出力信号を増幅できる。図1、及び、図2のLIDARシステムは、ソース導波路11に沿って配置される任意の増幅器310を示している。増幅器310は、図8に示すような光信号導波器12のスプリッタ302を用いる結果として生ずる電力損失を補償できる。光信号導波器12が光スイッチ300を有する場合、スプリッタ302に関連する損失は、低減され、及び、増幅器310の必要性を、低減、及び/又は、排除できる。
【0166】
LIDARチップのための好適なプラットフォームは、これらに限定されないが、シリカ、リン化インジウム、及び、シリコン・オン・インシュレータウェハを含む。いくつかの例では、ウェハは、ベースに光伝送媒体を有している。一例として、図9は、シリコン・オン・インシュレータウェハから構成されるLIDARチップの一部の断面である。シリコン・オン・インシュレータ(SOI)ウェハは、基板322の上に埋め込み層を有するベース321に含まれる埋め込み層320を有している。また、ウェハは、基板322と光伝送媒体324との間に埋め込み層320を有するベース321の上に配置される光伝送媒体324を有している。シリコン・オン・インシュレータウェハにおいて、埋め込み層は、シリカである一方、基板、及び、光伝送媒体は、シリコンである。SOIウェハのような光学プラットフォームの基板は、チップ全体のベースとして機能できる。例えば、図1に示す光学コンポーネントを、基板の上部に、及び/又は、側方に配置できる。
【0167】
図9に示すチップの一部は、シリコン・オン・インシュレータウェハから構成されるチップと共に用いるのに好適な導波路構造を有している。光伝送媒体のリッジ326は、光伝送媒体のスラブ領域328から離れるように延伸している。光信号は、リッジの頂部と埋め込み酸化物層との間に閉じ込められる。
【0168】
リッジ導波路の寸法が、図9にラベル付けられている。例えば、リッジは、wでラベル付けられる幅、及び、hでラベル付けられる高さを有している。スラブ領域の厚さは、Tでラベル付けられる。LIDAR用途のために、これらの寸法は、他の用途で用いられるよりも高いレベルの光パワーを用いる必要があるため、他の寸法よりもより重要である可能性がある。(wでラベル付けられる)リッジ幅は、1μmより大きく、及び、4μmより小さく、(hでラベル付けられる)リッジ高さは、1μmより大きく、及び、4μmより小さく、スラブ領域の厚さは、0.5μmより大きく、及び、3μmより小さい。これらの寸法は、導波路の直線部分、又は、実質的に直線部分、導波路の湾曲部分、並びに、導波路のテーパ部分に適用できる。したがって、これらの導波管の部分は、シングルモードとなるだろう。しかしながら、場合によっては、これらの寸法は、導波路の直線部分、又は、実質的に直線部分に適用する。さらに、又は、あるいは、導波路の湾曲部分における光損失を低減するために、導波路の湾曲部分は、低減されたスラブ厚さを有することができる。例えば、導波管の湾曲部分は、0.0μmより大きく、及び、0.5μmより小さい厚さを有するスラブ領域から離れるように延伸するリッジを有することができる。上記の寸法は、一般的に、シングルモード構造を有する導波路の直線部分、又は、実質的に直線部分を提供する一方、それらは、マルチモードであるテーパ部分、及び/又は、湾曲部分をもたらすことができる。シングルモード幾何学形状とマルチモード幾何学形状との間の結合は、より高次モードを実質的に励起しないテーパを用いて、なし得る。したがって、導波路に搬送される信号が、マルチモード寸法を有する導波路部分に搬送されても、シングルモードで搬送されるように、導波路を、構成できる。図9の導波路構造は、図1から図4に従って構成されるLIDARチップの全部、又は、一部の導波路に好適である。
【0169】
LIDARチップが1つ以上の増幅器を有する場合、1つ以上の増幅器を、LIDARチップのプラットフォームに統合できる。例えば、1つ以上の増幅器を、シリコン・オン・インシュレータウェハに構築されるLIDARチップに統合できる。シリコン・オン・インシュレータウェハに統合できる増幅器構造の例を、米国特許出願シリアル番号13/340,340、出願日2011年10月14日、発明の名称「光学装置にレーザ、及び、増幅器機能を提供する利得媒体」に見つけることができ、全体として本明細書に組み込まれる。
【0170】
図10Aは、LIDARチップを増幅チップに光学的に結合するためのインターフェイスを有するLIDARチップの一部の斜視図である。LIDARチップの図示された部分は、増幅器を受容するようにサイズ決めされた停止凹部330を有している。停止凹部330は、光伝送媒体324を通って、及び、ベース321の中に延伸している。図示されたバージョンでは、停止凹部330は、光伝送媒体324、埋め込み層320を通って、及び、基板322の中に延伸している。
【0171】
光伝送媒体324のファセット342は、停止凹部30の側面として機能する。ファセット342は、増幅器の適用に応じて、導波路344のファセットにできる。例えば、ファセット342は、図1の内容で開示されるように増幅器が用いられるときのソース導波路のファセットに、及び、図8の内容で開示されるように増幅器が用いられるときのユーティリティ導波路のファセットに、できる。図示しないが、ファセット342は、反射防止コーティングを有することができる。好適な反射防止コーティングは、これらに限定されないが、窒化ケイ素、又は、酸化アルミニウムのような単層コーティング、若しくは、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、及び/又は、シリカを有することができる多層コーティングを含む。
【0172】
1つ以上の停止部332は、停止凹部330の底部から上方に延伸している。例えば、図10Aは、停止凹部330の底部から上方に延伸する4つの停止部332を示している。停止部332は、基部336上に配置される被覆部334を有している。基板322は、停止部332の基部336として機能でき、及び、停止部332は、埋め込み層320を排除できる。停止部332に含まれる基板322の部分は、停止凹部330の底部から埋め込み層320のレベルまで延伸できる。例えば、埋め込み層320を貫通してエッチングし、及び、下にある基板322をエッチストップとして用いることによって、停止部332を、形成できる。結果として、埋め込み層320が第2の導波路の底部、及び、埋め込み層320の直下に配置される基部336の頂部を決定するため、導波路384における光信号の光学モードに対する基部336の頂部の位置は、よく知られている。導波路384と増幅チップ上の増幅導波路との間で所望の位置合わせを提供する高さを停止部332に提供するように、被覆部334を、停止部332の基部336上に形成できる。
【0173】
取り付けパッド338は、停止凹部330の底部に配置される。増幅チップがLIDARチップ上に配置されると、取り付けパッド338を、用いて、増幅チップをLIDARチップに対して固定する。いくつかの例では、取り付けパッド338は、LIDARチップと増幅チップの1つ以上の増幅器との間の電気的連絡も提供する。好適な取り付けパッド338は、これに限定されないが、はんだパッドを含む。
【0174】
図10Bは、増幅チップの一実施形態の斜視図である。図示される増幅チップは、平面光学装置として知られる装置のクラスにある。増幅チップは、利得媒体340に規定される増幅導波路346を有している。好適な利得媒体は、これらに限定されないが、InP、InGaAsP、及び、GaAsを含む。
【0175】
利得媒体340の中に延在するトレンチ374は、利得媒体340のリッジ376を規定する。リッジ376は、増幅導波路346を規定する。場合によっては、利得媒体340は、リッジに1つ以上の層341を有し、及び/又は、リッジ376を横切って延在する。1つ以上の層341を、利得媒体340の異なる領域の間に配置できる。1つ以上の層341の上の利得媒体340の領域は、1つ以上の層341の下の利得媒体340の領域と同じ、又は、異なっていてもよい。層を、選択し、増幅導波路346を通ってリッジ376に関する特定の位置に案内される光信号を閉じ込めることができる。各層341は、In、P、Ga、及び、Asからなる群から選択される2つ以上の成分を含むか、又は、それらから構成される材料の異なる組成を有することができる。一例では、利得媒体340は、InPであり、及び、1つ以上の層341は、それぞれ、異なる比率で、Ga、及び、Asを含む。
【0176】
増幅導波路346は、第1のファセット350と第2のファセット352との間に光路を提供する。図示しないが、第1のファセット350、及び/又は、第2のファセット352は、任意で、反射防止コーティング有することができる。好適な反射防止コーティングは、これら限定されないが、窒化ケイ素、又は、酸化アルミニウムのような単層コーティング、若しくは、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、及び/又は、シリカを有することができる多層コーティングを含む。
【0177】
増幅チップは、LIDARチップに対して増幅チップを固定するために用いることができる1つ以上の取り付けパッド354を有している。適切な取り付けパッド354は、これに限定されないが、はんだパッドを含む。
【0178】
増幅チップは、リッジ上の第1の導体360、並びに、利得媒質の下、及び、リッジ376の下の両方にある第2の導体362を有している。第1の導体360は、取り付けパッド354と電気的に連絡している。第1の導体360と取り付けパッド354との間の電気的な連絡を提供するのに好適な方法は、これに限定されないが、導電性金属トレースを含む。
【0179】
増幅チップは、1つ以上の位置決め凹部356も有している。図10Bの点線は、1つの位置決め凹部356の深さ、及び、形状を示している。
【0180】
図10C、及び、図10Dは、図10Bの増幅チップとインターフェイス接続される図10AのLIDARチップを示している。図10Cは、LIDARシステムの平面図である。図10Dは、LIDARチップの導波路384、及び、増幅チップの増幅導波路346を通って取られるシステムの断面の側面図である。例えば、図10Dの断面を、図10CにおいてBでラベル付けされるブラケットを通って延在する線に沿ってとることができる。図10C、及び、図10Dは、それぞれ、システムの他の特徴の背後に位置する特徴を示す点線を有している。例えば、図10Cは、増幅導波路346のリッジ376を示す破線示しているが、リッジ376は、利得媒体340の下に配置されている。さらに、図10Dは、停止部332、及び、増幅導波路346のリッジ376の後方に位置する位置決め凹部356の一部の位置を示す点線を有している。図10Dは、導波路384のリッジ326が、導波路3インターフェイスラブ領域328とインターフェイス接続する場所を示す点線も、増幅導波路346のリッジ376が、増幅チップのスラブ領域374とインターフェイス接続する場所を示す点線も、有している。
【0181】
増幅チップは、LIDARチップの停止凹部330に配置される。増幅チップは、増幅導波路346のリッジ376が、増幅チップの底部とLIDARチップのベース21との間に位置するように配置される。したがって、増幅チップは、停止凹部330内で反転される。はんだ、又は、他の接着剤358は、停止凹部330の底部の取り付けパッド338、及び、増幅チップの取り付けパッド354に接触する。例えば、はんだ、又は、他の接着剤358は、停止凹部330の底部の取り付けパッド338から補助装置の取り付けパッド354まで延在する。したがって、はんだ、又は、他の接着剤358は、LIDARチップに対して補助装置を固定する。
【0182】
導波路384、及び、増幅導波路346が光信号を交換できるように、導波路384のファセット342は、増幅導波路346の第1のファセット350と位置合わせされる。Aでラベル付けられる線によって示されるように、システムは、LIDARチップと増幅チップとの間で光信号が移動する方向が、ベース21の上部、及び/又は、下部の面に対して平行、又は、実質的に平行である水平移動経路を提供する。増幅導波路346の第1のファセット350の頂部は、ユーティリティ導波路のファセット342の頂部の下方にあるレベルにある。
【0183】
LIDARチップの1つ以上の停止部332は、それぞれ、補助装置の位置決め凹部356に受容される。各停止部332の頂部は、位置決め凹部356の底部に接触している。結果として、停止部332と位置決め凹部356の底部との間の相互作用は、LIDARチップへの増幅チップの追加の移動を防止する。場合によっては、補助装置は、停止部332の頂部上に載置される。
【0184】
図10Dから明らかなように、増幅導波路346の第1のファセット350は、LIDARチップの導波路384のファセット342と垂直に整列される。図10Cから明らかなように、増幅導波路346の第1のファセット350は、LIDARチップの導波路384のファセット342と水平に整列される。水平方向の整列を、増幅チップ、及び、LIDARチップのマーク、及び/又は、特徴を位置合わせすることによって、達成できる。
【0185】
垂直方向の整列を、LIDARチップ上の停止部332の高さを制御することによって、達成できる。例えば、LIDARチップの導波路384のファセット342に対して特定の高さに、増幅器の第1のファセット350を配置する高さまで、停止部332の基部336の上の被覆部334を、成長させることができる。蒸着、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)、及び/又は、スパッタリングのような堆積技術を用い、1つ以上の被覆層を体積することによって、所望の被覆部334の厚さを、正確に達成できる。結果として、所望の垂直方向の整列を提供する高さまで、停止部332を形成するように、1つ以上の被覆層を、停止部332の基部336上に堆積できる。被覆部334の層の好適な材料は、これらに限定されないが、シリカ、窒化ケイ素、及び、ポリマーを含む。
【0186】
図10Dでは、第1のファセット350は、dでラベル付けられる距離だけファセット342から離れて、配置される。増幅導波路は、1つの導波路のみで、光学的に整列されるため、第1のファセット350は、以前の構成で可能であったよりも、ファセット342に近づくことができる。例えば、第1のファセット350とファセット342との間の距離は、5μm、3μm、又は、1μmより小さく、並びに/若しくは、0.0μmより大きくできる。図1Dでは、LIDARチップが配置されている大気を、第1のファセット350とファセット342との間のギャップに配置する。しかしながら、他のギャップ材料を、ギャップに配置できる。例えば、ギャップに固体ギャップ材料を、配置できる。適切なギャップ材料の例は、これらに限定されないが、エポキシ、及び、ポリマーを含む。
【0187】
LIDARチップは、光伝送媒体324に電気経路380を有している。電気経路380は、コンタクトパッドを光学的に有することができ、及び、電子装置と電気的に連絡できる。図示されていないが、1つの電気経路380は、コンタクトパッド354と電気的に連絡できる。コンタクトパッド354は、第1の導体360と電気的に連絡するため、コンタクトパッド354は、第1の導体360と電子装置との間に電気的な連絡を提供する。他の1つの電気経路380は、第2の導体362と電気的に連絡できる。第2の導体362と電気経路380との間に電気的な連絡を提供するのに好適な方法は、これに限定されないが、ワイヤーボンディングを含む。好適な電気経路380は、これに限定されないが、金属トレースを含む。
【0188】
電子装置は、電気経路380を使用して、第1の導体360と第2の導体362との間の増幅器の部分に電気エネルギーを印加できる。電子装置は、増幅導波路346を通って電流を流すように電気エネルギーを印加することができる。利得媒体を通る電流は、増幅導波路346に案内される光信号の増幅を提供する。
【0189】
図10Bから図10Dの増幅チップを改良し、図8の光信号導波器12に増幅器304として用いるのに好適な増幅チップを提供するために複数の増幅器を有するようにできる。例えば、図11は、2つの増幅導波路346を有するように修正された図10Bから図10Dの増幅チップの斜視図である。LIDARチップは、各増幅導波路346のリッジ376の上に第1の導体360、並びに、利得媒体の下、及び、増幅導波路346のリッジ376の下の両方にある第2の導体362、を有している。電子装置は、選択された増幅導波路346のリッジの上の第1の導体360と第2の導体362との間に電気エネルギーを印加する一方、いくつかの選択されなかった増幅導波路346のリッジの上の第1の導体360と第2の導体362との間に電気エネルギーを印加しないことによって、1つの増幅導波路を増幅できる。例えば、電子装置は、選択された1つの増幅導波路346を通って電流を流すが、いくつかの選択されなかった増幅導波路を通って電流を流さないことによって、選択された1つの増幅導波路346に搬送される光信号を増幅できる。
【0190】
図11の増幅チップは、2つの増幅導波路を有しているが、図8に示すように、スケールアップし、追加の増幅導波路を有することができる。
【0191】
図8、及び、図11は、単一の増幅チップの複数の増幅導波路を示しているが、図8の光信号ディレクタ12を、各増幅導波路が異なる増幅チップにあるように構成できる。例えば、図8の光信号導波路12を、図11Aから図11Dに従って構成される異なる増幅チップに含まれる各増幅導波路で、構成できる。
【0192】
図10Aから図10Dでは、増幅チップは、LIDARチップの縁部に配置され、したがってLIDARチップの縁部に開放されるように図示される停止凹部330に配置されている。結果として、増幅器は、図8の内容で開示される増幅器304として機能できる。しかしながら、停止凹部330を、停止凹部の内部を取り囲む側面を有する停止凹部330を有するLIDARチップにおいて、中央に配置できる。凹部が中央に配置される場合、増幅導波路346を、図1、及び、図2に示されるように、2つの異なる導波路で、又は、同じ導波路の2つの異なる部分で、整列できる。例えば、増幅導波路346の第2のファセット352を、導波路384のファセット342を、増幅導波路346の第1のファセット350で整列するのと同じ方法で、ソース導波路の第2のファセット(図示せず)で整列できる。結果として、増幅器は、図1、又は、図2の増幅器310として機能できる。
【0193】
図1図2、及び、図8で明らかなように、増幅導波路346は、増幅器の適用に応じて、前述のLIDARシステムに開示される1つ以上の導波路の一部として機能できる。例えば、図1、又は、図2のLIDARシステムに示されるように、増幅器を、用いる場合、増幅導波路346は、ソース導波路11の一部として機能する。図8に内容で開示される増幅器304として、増幅器を、用いる場合、増幅導波路346は、図8に示すように、ユーティリティ導波路13の一部として機能できる。増幅導波路346は、ユーティリティ導波路13全体として機能できる。例えば、図8の内容で開示されるように構成される光信号導波器12は、ユーティリティ導波路13全体として、増幅導波路346を有することができる。結果として、増幅導波路346は、前述のLIDARシステムに開示される1つ以上の導波路の少なくとも一部として機能できる。
【0194】
図8の光信号導波器12の増幅器304の内容で開示されるように、利得媒体340は、増幅されていないユーティリティ導波路からの出力を低減するために、出射LIDAR信号の波長で光を吸収できる。出射LIDAR信号に関する好適な波長は、これに限定されないが、1270nmから1650nmの範囲の波長を含む。出射LIDAR信号の波長が1270nmから1650nmの範囲にある場合、出射LIDAR信号を吸収する利得媒体の例は、これに限定されないが、III-V半導体を含む。
【0195】
図6Dの内容で記載されているように、LIDARシステムは、それぞれが異なる1つのチャネルを搬送するシステム出力信号を、同時に、出力するLIDARシステムの実施形態がある。LIDARシステムは、LIDARチップが異なるLIDAR出力信号のそれぞれを、同時に、出力するとき、異なるチャネルを搬送するシステム出力信号を、同時に、出力する。LIDARチップは、信号スプリッタが図1の光信号ディレクタ12として、又は、図7の光スイッチ300として機能するとき、異なるLIDAR出力信号を、同時に、出力できる。信号スプリッタは、指向性カプラ、光カプラ、y-結合器、テーパー・カプラ、マルチモード干渉(MMI)装置、及び、これらの信号スプリッタのカスケード接続バージョンのような波長独立スプリッタにできる。結果として、異なるユーティリティ導波路13によって、同時に、受信される出射LIDAR信号は、同じ、又は、実質的に同じ範囲の波長を搬送する。異なるユーティリティ導波路13に搬送される異なる出射LIDAR信号が、それぞれ、同時に増幅されるように、図8の増幅器304を作動することによって、異なるチャネルを搬送するLIDAR出力信号を、同時に、出力するように、LIDARチップを、構成することもできる。
【0196】
LIDARチップの導波路とインターフェイス接続される光センサは、チップから分離され、そして、チップに取り付けられるコンポーネントにできる。例えば、光センサは、フォトダイオード、又は、アバランチ・フォトダイオードにできる。好適な光センサコンポーネントの例は、これらに限定されないが、日本の浜松市に所在のハママツにより製造されるInGaAs PINフォトダイオード、又は、日本の浜松市に所在のハママツにより製造されるInGaAs APD(アバランチ・フォトダイオード)を含む。これらの光センサは、LIDARチップにおいて中央に配置できる。あるいは、光センサで終端する導波路の全部、又は、一部は、チップの端部に配置されるファセットで終端でき、及び、光センサを、光センサがファセットを通って移動する光を受信するように、ファセット上でチップの端部に取り付けることができる。チップから独立するコンポーネントである光センサの使用は、第1の光センサ、及び、第2の光センサからなる群から選択される光センサの全部、又は、一部に好適である。
【0197】
分離する構成要素である光センサの代わりに、光センサの全部、又は、一部を、チップと統合できる。例えば、シリコン・オン・インシュレータ・ウェハから構成されるチップのリッジ導波路とインターフェイス接続される光センサの例を、光学エクスプレスVol.15、No.21、13965-13971(2007)、米国特許番号第8,093,080号、発行日2012年1月10日、米国特許第8,242,432号、発行日2012年8月14日、及び、米国特許番号第6,108,8472号、発行日2000年8月22日に見つけることができ、そのそれぞれは、全体として本明細書に組み込まれる。チップと統合される光センサの使用は、第1の光センサ、及び、第2の光センサからなる群から選択される光センサの全部、又は、一部に好適である。
【0198】
前述に開示される1つの光スイッチとして用いる好適な様々な光スイッチを、シリコン・オン・インシュレータ・プラットフォームのような平面デバイス光学プラットフォームに構築できる。シリコン・オン・インシュレータ・プラットフォームに統合するための適切な光スイッチの例は、これに限定されないが、マッハ・ツェンダ干渉計、及び、カスケード接続されるマッハ・ツェンダ干渉計を含む。
【0199】
LIDARシステムで用いるための好適な電子装置は、これらに限定されないが、アナログ電気回路、デジタル電気回路、プロセッサ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ACIS)、コンピュータ、マイクロコンピュータ、又は、操作、監視、及び、制御の実行に好適な前述の組み合わせを有し、又は、それから構成されるコントローラを有することができる。いくつかの例では、コントローラは、操作、制御、及び、監視機能を実行する間、制御によって実行される指示を有するメモリへのアクセスを有している。電子装置は、単一の位置に単一の構成要素として図示されているが、電子装置は、互いに独立し、及び/又は、異なる位置に配置される複数の異なる構成要素を有することができる。加えて、前述のように、開示された電子装置の全部、又は、一部を、チップと統合される電子装置を有するチップに含めることができる。
【0200】
LIDARチップの構成要素を、LIDARチップと完全に、又は、部分的に統合できる。例えば、集積光学構成要素は、LIDARチップが製造されるウェハの一部を有し、又は、それから構成できる。LIDARチップのためのプラットフォームとして機能できるウェハは、複数の材料の層を有することができる。異なる層の少なくとも一部は、異なる材料にできる。一例として、図9に示すような、基板322と光伝送媒体324との間に埋め込み層320を有するシリコン・オン・インシュレータウェハがある。一体化されたオンチップ構成要素を、光伝送媒体324の構成要素の特徴を規定するために、エッチング、及び、マスキング技術を用いることによって形成できる。例えば、導波路、及び、停止凹部を規定するスラブ領域318を、ウェハの異なるエッチングを用いながら、ウェハの所望の領域に形成できる。結果として、LIDARチップは、ウェハの部分を有し、及び、集積されたオンチップ構成要素は、それぞれ、ウェハの部分を有し、又は、それから構成できる。さらに、集積されたオンチップ構成要素を、構成要素を通って移動する光信号が、ウェハに元々含まれていた1つ以上の層を通って移動するように構成できる。例えば、図9の導波路は、ウェハから光伝送媒体324を通って光信号を案内する。統合された構成要素は、任意で、ウェハに存在した材料に加える材料を有することができる。例えば、統合された構成要素は、反射性材料、及び/又は、被覆部を有することができる。
【0201】
LIDARアダプタの構成要素は、統合されなくてもよい。例えば、LIDARアダプタの構成要素は、ベース100からの、及び/又は、共通マウントからの材料を有する必要はない。いくつかの例では、LIDARアダプタ、及び/又は、アイソレータアダプタの全ての構成要素は、ベース100から、及び/又は、共通マウントから、独立している。例えば、LIDARアダプタ、及び/又は、アイソレータアダプタによって処理される光信号が、ベース100、及び/又は、共通マウントのいずれかの部分を通って移動しないように、LIDARアダプタの構成要素を、構成できる。
【0202】
第1、第2、第3などのような数字ラベルは、異なる特徴、及び、構成要素を区別するために用いられ、及び、より下位で数字付けられる特徴のシーケンス、又は、存在を示すものではない。例えば、第2の構成要素は、第1の構成要素の存在なく、存在でき、及び/又は、第3のステップを、第1のステップの前に、実行できる。
【0203】
LIDARシステムは、LIDARチップに光源10を有するとして開示されているが、好適な光源の全部、又は、一部を、LIDARチップから離して配置できる。例えば、ソース導波路11は、光源出力信号のためのファセット及び光で終端することができ、並びに、光源出力信号の光が、LIDARチップから離れる光源によって生成されるようにでき、及び、ファセットを通ってソース導波路11に入るようにできる。
【0204】
本発明の他の実施形態、組み合わせ、及び、修正は、これらの観点で、当業者にとって容易に行われる。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲のみによって限定されるものであり、前述の明細書、及び、添付図面と併せて見たときのそのような実施形態、及び、修正の全てを含む。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11
【国際調査報告】