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特表2024-530765ステープルカートリッジアセンブリおよび医療用ステープラー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】ステープルカートリッジアセンブリおよび医療用ステープラー
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513545
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(85)【翻訳文提出日】2024-02-28
(86)【国際出願番号】 CN2022116033
(87)【国際公開番号】W WO2023030356
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】202111015426.0
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515172670
【氏名又は名称】天臣国▲際▼医▲療▼科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Touchstone International Medical Science Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】278 Dongping Street,Suzhou Industrial Park,Suzhou,Jiangsu,215123 China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】単 ▲騰▼
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC07
4C160CC09
4C160CC23
4C160CC40
(57)【要約】
ステープルカートリッジアセンブリおよび医療用ステープラーであって、ステープルカートリッジアセンブリは、ステープルバンド2と、支持部材3と、ステープルカートリッジカバー1と、発射ブロック4とを含み、ステープルバンド2は、ステープルバンド本体21を備え、ステープルバンド本体21は、支持部材3の片側に取り付けられ、支持部材3から離れた第1の表面211を備え、ステープルカートリッジカバー1は、ステープルバンド本体21の第1の表面211を少なくとも部分的に覆い、ステープルカートリッジカバー1は、ステープルバンド本体21の第1の表面211と対向する第2の表面13を備え、ステープルバンド本体21の第1の表面211とステープルカートリッジカバー1の第2の表面13との間に第1の隙間6を有し、発射ブロック4は、ステープルカートリッジカバー1の底部に移動可能に配置され、軸方向に沿って移動可能であり、発射ブロックは4、ステープル切断部41を含み、ステープル切断部41の最高点の高さP1は、ステープルバンド本体21の第1の表面211の高さP2よりも高い。本発明は、ステープルバンド本体21の第1の表面211とステープルカートリッジカバー1の第2の表面13との間に第1の隙間6を設けることにより、発射ブロック4のステープル切断部41をステープルバンド本体21の第1の表面211よりも高くし、ステープル切断部41がステープラー用ステープル22をステープルバンド2から分離するように駆動することを容易にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用ステープラーに用いられるステープルカートリッジアセンブリであって、
前記ステープルカートリッジアセンブリは、ステープルバンドと支持部材と、ステープルカートリッジカバーと、発射ブロックとを含み、
前記ステープルバンドは、前記ステープラーの軸方向に延びるステープルバンド本体を備え、前記ステープルバンド本体は、前記支持部材の片側に取り付けられ、前記ステープルバンド本体は、前記支持部材から離れた第1の表面を備え、
前記ステープルカートリッジカバーは、前記ステープルバンド本体の第1の表面を少なくとも部分的に覆い、前記ステープルカートリッジカバーは、前記ステープルバンド本体の第1の表面と対向する第2の表面を備え、前記ステープルバンド本体の第1の表面と前記ステープルカートリッジカバーの第2の表面との間に第1の隙間を有し、
前記発射ブロックは、前記ステープルカートリッジカバーの底部に移動可能に配置され、前記軸方向に沿って移動可能であり、前記発射ブロックは、ステープル切断部を含み、前記ステープル切断部の最高点の高さは、前記ステープルバンド本体の第1の表面の高さよりも高い、ことを特徴とするステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項2】
前記発射ブロックのステープル切断部の最高点は、前記ステープルカートリッジカバーの第2の表面に突き当たる、ことを特徴とする請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項3】
前記発射ブロックのステープル切断部の最低点の高さは、前記ステープルバンド本体の第1の表面の高さより低い、ことを特徴とする請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項4】
前記ステープルバンドは、ステープラー用ステープルをさらに含み、
前記ステープラー用ステープルは、ステープル接続部によって前記ステープルバンドに回転可能に接続され、前記発射ブロックのステープル切断部の最高点の高さは、前記ステープル接続部の高さより高い、ことを特徴とする請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項5】
少なくとも1つの突起部がさらに設けられており、
前記突起部は、前記ステープルバンド本体の第1の表面と前記ステープルカートリッジカバーの第2の表面との間に配置された第1の部分を含み、前記突起部の第1の部分の高さは、前記第1の隙間の高さに等しい、ことを特徴とする請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項6】
前記突起部は、前記支持部材上または前記ステープルバンド本体上に配置され、前記ステープルバンド本体から離れた側の前記突起部の表面は、前記ステープルカートリッジカバーの第2の表面に突き当たる、ことを特徴とする請求項5に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項7】
前記ステープルバンド本体から離れた側の前記突起部の表面は、前記ステープルカートリッジカバーの第2の表面と平行して密着する、ことを特徴とする請求項6に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項8】
前記支持部材の表面には、少なくとも1つの第1の突起部が設けられており、前記支持部材から離れた側の前記第1の突起部の表面の高さは、前記ステープルバンド本体の第1の表面の高さよりも高く、前記支持部材から離れた側の前記第1の突起部の表面は、前記ステープルカートリッジカバーの第2の表面に突き当たる、ことを特徴とする請求項5に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項9】
前記第1の突起部の内側面と外側面との間の横方向上の距離は、前記ステープルバンド本体の内側面と外側面との間の横方向上の距離よりも小さく、前記ステープルバンド本体の表面には、少なくとも1つの取付孔が設けられ、前記第1の突起部は、前記取付孔を貫通して配置される、ことを特徴とする請求項8に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項10】
前記第一の突起部は、ボスであり、前記ステープルバンド本体の第一の表面における前記ボスの投影は、角が丸い矩形である、ことを特徴とする請求項9に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項11】
前記ステープルカートリッジアセンブリは、複数のステープルバンドを含み、前記複数のステープルバンドは、前記軸方向に沿って配列され、前記第1の突起部は、隣接する2つの前記ステープルバンドのステープルバンド本体の間に位置する、ことを特徴とする請求項8に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項12】
前記第1の突起部は、前記ステープルバンド本体に固定的に接続されている、ことを特徴とする請求項11に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項13】
前記支持部材の表面には、少なくとも1つの第2の突起部が設けられ、前記第2の突起部は、前記支持部材の近位端側および/または遠位端側に位置し、前記支持部材から離れた側の前記第2の突起部の表面の高さは、前記ステープルバンド本体の第1の表面の高さよりも高く、前記支持部材から離れた側の前記第2の突起部の表面は、前記ステープルカートリッジカバーの前記第2の表面に突き当たる、ことを特徴とする請求項5に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項14】
前記第2の突起部は、前記ステープルバンド本体に固定的に接続されている、ことを特徴とする請求項13に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項15】
前記支持部材の表面には、軸方向に配布された少なくとも1つの第1の突起部がさらに設けられており、前記支持部材から離れた側の前記第1の突起部の表面は、前記支持部材から離れた側の前記第2の突起部の表面と高さが同じである、ことを特徴とする請求項13に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項16】
前記ステープルバンド本体の第1の表面には、少なくとも1つの第3の突起部が設けられており、前記ステープルバンド本体から離れた側の前記第3の突起部の表面は、記ステープルカートリッジカバーの前記第2の表面に突き当たる、ことを特徴とする請求項5に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項17】
前記ステープルカートリッジカバーの第2の表面には、前記ステープルバンドに向かって突出する第4の突起部が設けられており、前記ステープルバンド本体に面する側の前記第4の突起部の表面は、前記ステープルバンド本体の第1の表面に突き当たる、ことを特徴とする請求項5に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項18】
前記ステープルバンド本体に面する側の前記第4の突起部の表面は、前記ステープルバンド本体の第1の表面と平行して密着する、ことを特徴とする請求項17に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項19】
前記ステープルカートリッジカバーは、前記第2の表面と対向して設けられた第3の表面をさらに備え、前記発射ブロックの下面は、前記ステープルカートリッジカバーの第3の表面に突き当たる、ことを特徴とする請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項20】
前記ステープラー用ステープルは、生体適合性を有する分解性のステープラー用ステープルであり、および/または、前記ステープラー用ステープルは、生体適合性を有する生体吸収性のステープラー用ステープルである、ことを特徴とする請求項4に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項21】
前記ステープラー用ステープルの表面には、生体適合性を有する分解性および生体吸収性のコーティングが設けられており、および/または、前記ステープラー用ステープルの表面には、磁性コーティングが設けられており、前記ステープラー用ステープルは、外部磁場の作用下で磁化される、ことを特徴とする請求項4に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか1項に記載のステープルカートリッジアセンブリを備える
ことを特徴とする医療用ステープラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器の技術分野に関し、特に、ステープルカートリッジアセンブリおよび医療用ステープラーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、医療用ステープラーは、一般に、機器プラットフォームと、機器プラットフォームに移動可能に接続された発射ハンドルと、機器プラットフォームに取付られたステープルヘッドとを含む。ステープルヘッドは、手術部位に接近して手術を行うために、ピアッサーによって身体の小さな切口を通すことができる。前記ステープルヘッドは、対向して配置されたステープルカートリッジアセンブリとステープルアンビルとを含む。前記ステープルカートリッジアセンブリは、ステープルバンドと、前記ステープルバンドを支持する支持部材と、前記ステープルバンドおよび支持部材を収容するステープルカートリッジカバーとを含み、前記ステープルカートリッジカバーは、近位端側に発射ブロックを備える。ステープラーが発射されるとき、カッターはカッタープッシャバーによって遠位端側に移動するように駆動され、カッターは発射ブロックをステープラーの遠位端側の方向に移動するように駆動し、発射ブロックはステープルバンド本体に回転可能に接続されたステープラー用ステープルを外側に押し出し、発射ブロックのステープル切断部は、ステープラー用ステープルをステープルバンド本体から分離するように駆動し、カッターは、ステープルカートリッジアセンブリとステープルアンビルとの間に配置された組織を切断して、ステープラーの発射を実現する。
【0003】
従来のステープラーでは、ステープルカートリッジカバーの内面がステープルバンドの上面に密着している。発射ブロックの先端に配置されたステープル切断部の高さは、ステープルバンドの上面の高さよりも低いか、またはステープルバンドの上面の高さと同じである場合があり、発射ブロックが遠位端側へ移動中に、ステープル切断部がステープラー用ステープルをステープルバンド本体から分離させるように容易に駆動せず、その結果、ステープラー用ステープルがステープルバンド本体から離脱することができないという事態が生じ得る。
【0004】
本発明において、遠位端側と近位端側とは、作業者に対して相対するものであり、作業者に近い端を近位端側とし、作業者から遠い端、すなわち手術位置に近い端を遠位端側とする。ステープラーにおいて、内側と外側とは、ステープラーの軸心に対するものであり、軸心に近い側が内側であり、軸心から遠い側が外側である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の問題点に対処して、本発明の目的は、ステープルバンド本体の第1の表面とステープルカートリッジカバーの第2の表面との間に第1の隙間が設けられ、発射ブロックのステープル切断部がステープルバンドの第1の表面よりも高くなるようにし、ステープル切断部がステープラー用ステープルをステープルバンドから分離するように駆動し易い、ステープルカートリッジアセンブリおよび医療用ステープラーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例は、医療用ステープラーに用いられるステープルカートリッジアセンブリを提供し、
前記ステープルカートリッジアセンブリは、ステープルバンドと支持部材と、ステープルカートリッジカバーと、発射ブロックとを含み、
前記ステープルバンドは、前記ステープラーの軸方向に延びるステープルバンド本体を備え、前記ステープルバンド本体は、前記支持部材の片側に取り付けられ、前記ステープルバンド本体は、前記支持部材から離れた第1の表面を備え、
前記ステープルカートリッジカバーは、前記ステープルバンド本体の第1の表面を少なくとも部分的に覆い、前記ステープルカートリッジカバーは、前記ステープルバンド本体の第1の表面と対向する第2の表面を備え、前記ステープルバンド本体の第1の表面と前記ステープルカートリッジカバーの第2の表面との間に第1の隙間を有し、
前記発射ブロックは、前記ステープルカートリッジカバーの底部に移動可能に配置され、前記軸方向に沿って移動可能であり、前記発射ブロックは、ステープル切断部を含み、前記ステープル切断部の最高点の高さは、前記ステープルバンド本体の第1の表面の高さよりも高い。
【0007】
いくつかの実施例において、前記発射ブロックのステープル切断部の最高点は、前記ステープルカートリッジカバーの第2の表面に突き当たる。
【0008】
いくつかの実施例において、前記発射ブロックのステープル切断部の最低点の高さは、前記ステープルバンド本体の第1の表面の高さより低い。
【0009】
いくつかの実施例において、前記ステープルバンドは、ステープラー用ステープルをさらに含み、前記ステープラー用ステープルは、ステープル接続部によって前記ステープルバンドに回転可能に接続され、前記発射ブロックのステープル切断部の最高点の高さは、前記ステープル接続部の高さより高い。
【0010】
いくつかの実施例において、少なくとも1つの突起部がさらに設けられており、前記突起部は、前記ステープルバンド本体の第1の表面と前記ステープルカートリッジカバーの第2の表面との間に配置された第1の部分を含み、前記突起部の第1の部分の高さは、前記第1の隙間の高さに等しい。
【0011】
いくつかの実施例において、前記突起部は、前記支持部材上または前記ステープルバンド本体上に配置され、前記ステープルバンド本体から離れた側の前記突起部の表面は、前記ステープルカートリッジカバーの第2の表面に突き当たる。
【0012】
いくつかの実施例において、前記ステープルバンド本体から離れた側の前記突起部の表面は、前記ステープルカートリッジカバーの第2の表面と平行して密着する。
【0013】
いくつかの実施例において、前記支持部材の表面には、少なくとも1つの第1の突起部が設けられており、前記支持部材から離れた側の前記第1の突起部の表面の高さは、前記ステープルバンド本体の第1の表面の高さよりも高く、前記支持部材から離れた側の前記第1の突起部の表面は、前記ステープルカートリッジカバーの第2の表面に突き当たる。
【0014】
いくつかの実施例において、前記第1の突起部の内側面と外側面との間の横方向上の距離は、前記ステープルバンド本体の内側面と外側面との間の横方向上の距離よりも小さく、前記ステープルバンド本体の表面には、少なくとも1つの取付孔が設けられ、前記第1の突起部は前記取付孔を貫通して配置される。
【0015】
いくつかの実施例において、前記第一の突起部は、ボスであり、前記ステープルバンド本体の第一の表面における前記ボスの投影は、角が丸い矩形である。
【0016】
いくつかの実施例において、前記ステープルカートリッジアセンブリは、複数のステープルバンドを含み、前記複数のステープルバンドは、前記軸方向に沿って配列され、前記第1の突起部は、隣接する2つの前記ステープルバンドのステープルバンド本体の間に位置する。
【0017】
いくつかの実施例において、前記第1の突起部は、前記ステープルバンド本体に固定的に接続されている。
【0018】
いくつかの実施例において、前記支持部材の表面には、少なくとも1つの第2の突起部が設けられ、前記第2の突起部は、前記支持部材の近位端側および/または遠位端側に位置し、前記支持部材から離れた側の前記第2の突起部の表面の高さは、前記ステープルバンド本体の第1の表面の高さよりも高く、前記支持部材から離れた側の前記第2の突起部の表面は、前記ステープルカートリッジカバーの前記第2の表面に突き当たる。
【0019】
いくつかの実施例において、前記第2の突起部は、前記ステープルバンド本体に固定的に接続されている。
【0020】
いくつかの実施例において、前記支持部材の表面は、軸方向に配布された少なくとも1つの第1の突起部がさらに設けられており、前記支持部材から離れた側の前記第1の突起部の表面は、前記支持部材から離れた側の前記第2の突起部の表面と高さが同じである。
【0021】
いくつかの実施例において、前記ステープルバンド本体の第1の表面は、少なくとも1つの第3の突起部が設けられており、前記ステープルバンド本体から離れた側の前記第3の突起部の表面は、記ステープルカートリッジカバーの前記第2の表面に突き当たる。
【0022】
いくつかの実施例において、前記ステープルカートリッジカバーの前記第2の表面は、前記ステープルバンドに向かって突出する第4の突起部が設けられており、前記ステープルバンド本体に面する側の前記第4の突起部の表面は、前記ステープルバンド本体の第1の表面に突き当たる。
【0023】
いくつかの実施例において、前記ステープルバンド本体に面する側の前記第4の突起部の表面は、前記ステープルバンド本体の第1の表面と平行して密着する。
【0024】
いくつかの実施例において、前記ステープルカートリッジカバーは、前記第2の表面と対向して設けられた第3の表面をさらに備え、前記発射ブロックの下面は、前記ステープルカートリッジカバーの第3の表面に突き当たる。
【0025】
いくつかの実施例において、前記ステープラー用ステープルは、生体適合性を有する分解性のステープラー用ステープルであり、および/または、前記ステープラー用ステープルは、生体適合性を有する生体吸収性のステープラー用ステープルである。
【0026】
いくつかの実施例において、前記ステープラー用ステープルの表面は、生体適合性を有する分解性および生体吸収性のコーティングが設けられており、および/または、前記ステープラー用ステープルの表面は、磁性コーティングが設けられており、前記ステープラー用ステープルは、外部磁場の作用下で磁化される。
【0027】
本発明の実施例は、前記ステープルカートリッジアセンブリを備える医療用ステープラーを提供している。
【0028】
本発明により提供されるステープルカートリッジアセンブリおよび医療用ステープラーは、以下の利点を有する:
本発明は、医療用ステープラーに用いられるステープルカートリッジアセンブリを提供し、ステープルバンド本体の第1の表面とステープルカートリッジカバーの第2の表面との間に第1の隙間を設けることにより、発射ブロックのステープル切断部の最高点の高さがステープルバンドの第1の表面よりも高くなるようにして、発射ブロックのステープル切断部によりステープラー用ステープルをステープルバンドから分離し易くし、従って、ステープラー用ステープルが発射されたときに、発射ブロックがステープラー用ステープルをステープルアンビルに向かって押し出して組織に閉鎖することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明の他の特徴、目的および利点は、以下の添付図面を参照して非限定的な実施例の詳細な説明を読むことにより、より明らかになるであろう。
図1】本発明の第1の実施例のステープルカートリッジアセンブリの構造を示す概略図である。
図2】本発明の第1の実施例のステープルカートリッジアセンブリの正面図である。
図3】本発明の第1の実施例のステープルカートリッジアセンブリの分解図である。
図4】本発明の第1の実施例のステープルカートリッジアセンブリの上面図である。
図5図4におけるA1-A1方向の断面図である。
図6図4におけるA2-A2方向の断面図である。
図7】本発明の第1の実施例のステープルカートリッジアセンブリの左側面図である。
図8】本発明の第1の実施例のステープルカートリッジアセンブリの、ステープルカートリッジカバーを省略した状態の部分概略図である。
図9】本発明の第2の実施例のステープルカートリッジアセンブリの、ステープルカートリッジカバーを省略した状態の部分概略図である。
図10】本発明の第2の実施例のステープルバンドとステープルカートリッジカバーが協力する概略図である。
図11】本発明の第3の実施例のステープルカートリッジカバーの構造の概略図である。
図12】本発明の第3の実施例のステープルカートリッジアセンブリの、ステープルカートリッジカバーを省略した部分概略図である。
図13】本発明の第4の実施例のステープルカートリッジアセンブリの、ステープルカートリッジカバーを省略した構造の概略図である。
図14】本発明の第4の実施例のステープルバンドの構造の概略図である。
図15】本発明の第4の実施例の支持部材の構造の概略図である。
図16】本発明の第4の実施例のステープルカートリッジアセンブリの、ステープルカートリッジカバーを省略した部分概略図である。
図17】本発明の第5の実施例のステープルバンドと支持部材が協力する構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、例示的な実施形態について、添付図面を参照してより詳細に説明する。しかしながら、例示的な実施形態は、様々な形態で実施可能であり、本明細書に記載された実施形態に限定されると解釈されるべきではない;むしろ、これらの実施形態は、本発明が包括的かつ完全なものとなり、例示的な実施形態の思想が当業者に十分に伝わるように提供される。図面中の同一の添付符号は、同一または類似の構造を示すので、それらの繰り返しの説明は省略する。
【0031】
本発明は、ステープルカートリッジアセンブリおよびそれを含む医療用ステープラーを提供する。前記医療用ステープラーは、機器プラットフォームと、前記機器プラットフォームに移動可能に接続された発射ハンドルと、前記機器プラットフォームに取り付けられたステープルヘッドとを備え、前記ステープルヘッドは、対向して配置されたステープルカートリッジアセンブリとステープルアンビルとを備える。前記ステープルカートリッジアセンブリは、ステープルバンドと支持部材と、ステープルカートリッジカバーと、発射ブロックとを含み、前記ステープルバンドは、前記ステープラーの軸方向に延びるステープルバンド本体を備え、前記ステープルバンド本体は、前記支持部材の片側に取り付けられ、前記ステープルバンド本体は、前記支持部材から離れた第1の表面を備え、前記ステープルカートリッジカバーは、前記ステープルバンド本体の第1の表面を少なくとも部分的に覆い、前記ステープルカートリッジカバーは、前記ステープルバンド本体の第1の表面と対向する第2の表面を備え、前記ステープルバンド本体の第1の表面と前記ステープルカートリッジカバーの第2の表面との間に第1の隙間を有し、前記発射ブロックは、前記ステープルカートリッジカバーの底部に移動可能に配置され、前記発射ブロックは、初期状態において、前記ステープルカートリッジカバーの近位端側に位置され、前記軸方向に沿って移動可能であり、前記発射ブロックは、ステープル切断部を含み、前記ステープル切断部の最高点の高さは、前記ステープルバンド本体の第1の表面の高さよりも高く、前記ステープル切断部は、ステープラーの発射時にステープラー用ステープルがステープルバンド本体から分離するように作動させるために使用される。
【0032】
したがって、本発明では、発射ブロックのステープル切断部の最高点の高さがステープルバンドの第1の表面の高さよりも高くなるように、ステープルバンド本体の第1の表面とステープルカートリッジカバーの第2の表面との間に第1の隙間を設けることにより、発射ブロックのステープル切断部がステープラー用ステープルをステープルバンドから分離するように駆動することが容易となり、ステープラーの発射時に、発射ブロックがステープラー用ステープルをステープルアンビルに向けて押し出して組織に閉鎖させることが保証にできる。
【0033】
以下、本発明の各具体的な実施例のステープルカートリッジアセンブリの構造を添付図面と共に詳細に説明するが、各具体的な実施例は本発明の保護範囲を限定するものとして捉えられるものではないことを理解されたい。
【0034】
図1図8は、本発明の第1の実施例のステープルカートリッジアセンブリの構造を示す。図1図3に示すように、前記ステープルカートリッジアセンブリは、ステープルバンド2と、前記ステープルバンド2を支持するための支持部材3と、前記支持部材3及び前記ステープルバンド2を収容するステープルカートリッジカバー1と、前記ステープルカートリッジカバー1に少なくとも部分的に進入する発射ブロック4とを含む。前記ステープルバンド2は、前記軸方向に延びるステープルバンド本体21と、前記ステープルバンド本体21に取り付けられたステープラー用ステープル22とを含み、前記ステープラー用ステープル22は、ステープル接続部221によって前記ステープルバンド本体21に回転可能に接続されている。前記ステープルカートリッジアセンブリは、固定部材5をさらに備え、前記支持部材3の遠位端側31および前記ステープルカートリッジカバー1の遠位端側11は、前記固定部材5に固定されている。この実施例において、2つの支持部材3、2つのステープルバンド2、および2つのステープルカートリッジカバー1が設けられ、2つのステープルバンド2は、対応する支持部材3にそれぞれ設けられ、各前記ステープルバンド2の両側には、ステープラー用ステープル22が設けられ、前記ステープルカートリッジカバー1は、前記支持部材3および前記ステープルバンド2の外部にスリーブされる。他の代替的な実施例では、前記支持部材3、ステープルバンド2及び前記ステープルカートリッジカバー1の数は、図面に示すものに限定されることなく、必要に応じて変えることができ、また、前記ステープルバンド2は、片側のみにステープラー用ステープル22を設けることができ、これらは全て本発明の保護範囲に属する。図3は、ステープラー用ステープル22の一部を例示的に示しているに過ぎず、実際の適用においては、ステープラー用ステープル22の数や配列は、必要に応じて選択することができる。
【0035】
前記ステープルバンド本体21は、図3および図5の視野において、前記支持部材3の片側に取り付けられ、すなわち、前記ステープルバンド本体21は、前記支持部材3の上側に設けられ、前記ステープルバンド本体21は、前記支持部材3から離れた第1の表面211を含み、すなわち、前記ステープルバンド本体21の上面は、この第1の表面211である。図3図5に示すように、前記ステープルカートリッジカバー1は、前記ステープルバンド本体21の前記第1の表面211を少なくとも部分的に覆い、前記ステープルカートリッジカバー1は、前記ステープルバンド本体21の前記第1の表面211に対向する第2の表面13を含む。前記ステープルカートリッジカバー1の第2の表面13は、前記ステープルカートリッジカバー1の前記ステープルバンド本体21と対向する表面であり、この実施例において、前記ステープルカートリッジカバー1の第2の表面13は、前記ステープルカートリッジカバーの上板の内面である。前記ステープルカートリッジカバー1は、前記第2の表面13の外側に位置する第4の表面15、すなわち前記ステープルカートリッジカバー1の上板の外面をさらに備える。前記ステープルカートリッジカバー1の上板には、それを貫通するステープルホール14が設けられている。
【0036】
本発明において、遠位端側と近位端側とは、作業者に対する相対的なものであり、作業者に近い端が近位端側であり、作業者から遠い端、すなわち手術位置に近い端が遠位端側であり、前記ステープラーの軸心に沿った方向は、軸方向、すなわちステープラーの遠位端側から近位端側に向かう方向、またはステープラーの近位端側から遠位端側に向かう方向である。例えば、図1の視野において、ステープルカートリッジカバー1にとっては、遠位端側11が右側であり、近位端側12が左側である。図15の視野において、支持部材3にとっては、遠位端側31が右側であり、近位端側32が左側である。本発明において、S1方向とは、ステープラーの近位端側から遠位端側に向かう方向であり、S1方向またはS1方向と反対方向をステープラーの軸方向と定義する。図5図7に示されるS2方向を縦方向、すなわち高さ方向と定義する。S1方向およびS2方向に垂直なS3方向を横方向、すなわち幅方向と定義する。本発明では、部材について、内側と外側とはステープラーの軸心に対するものであり、軸心に近い側を内側とし、軸心から離れた側を外側とする。
【0037】
図3図5に示すように、前記ステープルバンド本体21の第1の表面211と前記ステープルカートリッジカバー1の第2の表面13との間には、第1の隙間6があり、この第1の隙間6の高さは、h1である。この第1の隙間6の高さh1は、ステープルカートリッジアセンブリの寸法によって変化し、異なる値を取り得る。前記発射ブロック4は、初期状態では前記ステープルカートリッジカバー1の近位端側12に位置し、前記軸方向に沿って移動可能である。図7及び図8に示すように、前記発射ブロック4は、ステープル切断部41とステープル押し部42とを含み、前記ステープル押し部42は、前記ステープル切断部41の遠位端側に位置する。前記ステープラーを発射するとき、まず、前記ステープル押し部42が前記ステープラー用ステープル22に接触し、該ステープラー用ステープル22を回転閉鎖するように押し、該ステープラー用ステープル22のステープル足をステープルカートリッジカバー1のステープルホール14から外向きに延出させ、次いで、前記ステープル切断部41が前記ステープル接続部221と接触し、該ステープルの切断を行い、該ステープル接続部221を切断させ、前記ステープラー用ステープル22を前記ステープルバンド本体21から分離させ、前記ステープラー用ステープル22は、前記ステープルカートリッジカバー1の前記ステープルホール14から全体として押し出され、組織に吻合することができる。図8に示すように、前記ステープル切断部41の最高点の高さP1は、前記ステープルバンド本体21の第1の表面211の高さP2よりも高く、発射ブロック4のステープル切断部41がステープラー用ステープル22をステープルバンド2から分離ように駆動することを容易にし、これにより、ステープラーが発射されたときに、発射ブロック4がステープラー用ステープル22をステープルアンビルに向かって押し出して組織上で閉鎖するように保証することができる。
【0038】
図7に示すように、この実施例において、前記発射ブロック4のステープル切断部41の最高点は、前記ステープルカートリッジカバー1の第2の表面13に突き当り、前記発射ブロック4のステープル切断部41は、ステープラー用ステープル22をステープルバンド2からより良く分離させために、第1の隙間6を最大限に利用することができる。前記ステープルカートリッジカバー1は、前記第2の表面13に対向して設けられた第3の表面16をさらに備え、前記発射ブロック4の下面は、前記ステープルカートリッジカバー1の第3の表面16に突き当たる。この実施例において、前記ステープルカートリッジカバー1の第3の表面16は、前記ステープルカートリッジカバー1の下板の上面である。ステープルカートリッジカバー1の第3の表面16と第2の表面13によって、前記発射ブロック4は高さ方向に安定した位置に保持される。発射ブロック4のステープル切断部41の最高点の高さも、発射ブロック4がステープルカートリッジカバー1内を前記軸方向に移動する際に、ステープルバンド本体21の第1の表面211の高さよりも連続的に高く保持され、全てのステープラー用ステープル22をステープルバンド本体21から正常に分離することができる。
【0039】
図8に示すように、この実施例において、前記発射ブロック4のステープル切断部41の最低点の高さP3は、前記ステープルバンド本体21の第1の表面211の高さP2よりも低くなっている。前記発射ブロック4のステープル切断部41の最高点の高さP1は、前記ステープル接続部221の高さよりも高い。従って、前記発射ブロック4のステープル切断部41は、前記軸方向において前記ステープル接続部221と少なくとも部分的に整列しており、これにより、ステープラー用ステープル22は、ステープラーが発射されたときに、ステープルバンド本体21から完全に分離され、組織に吻合されることを保証できる。
【0040】
図3から図8に示すように、この実施例において、前記支持部材3の表面には、少なくとも1つの第1の突起部33が設けられており、前記支持部材3から離れた側の前記第1の突起部33の表面(すなわち、前記第1の突起部33の上面)の高さは、前記ステープルバンド本体21の第1の表面211の高さよりも高く、前記第1の突起部33の上面は、前記ステープルカートリッジカバー1に突き当っており、前記第1の突起部33の突き当り作用によって、前記ステープルバンド本体21の第1の表面211と前記ステープルカートリッジカバー1の第2の表面13との間に前記第1の隙間6を有する。前記第1の突起部33は、前記ステープルカートリッジカバー1の第2の表面13と前記ステープルバンド本体21の第1の表面211との間に配置される第1の部分と、前記ステープルバンド本体21の第1の表面211と前記支持部材3の上面との間に配置される第2の部分とを含み、前記第1の突起部33の前記第1の部分の高さは、前記第1の突起部33が前記ステープルバンド本体21の第1の表面211から突出する部分の高さであり、該高さは、前記第1の隙間6の高さh1に等しい。
【0041】
図3及び図6に示すように、この実施例において、前記ステープルバンド本体21から離れた側の前記第1の突起部33の表面が、前記ステープルカートリッジカバー1の前記第2の表面13と平行かつ互いに密着しているので、前記第1の突起部33と前記ステープルバンド本体21との協力の安定性を高めることができる。図3及び図8に示すように、前記第一突起部33の内側面と外側面との間の横方向上の距離は、前記ステープルバンド本体21の内側面と外側面との間の横方向上の距離よりも小さく、すなわち、前記第一突起部33の横方向上の幅は、前記ステープルバンド本体21の横方向上の幅よりも小さく、前記ステープルバンド本体21の表面には、少なくとも一つの取付孔212が設けられ、前記第一突起部33は、前記取付孔212に貫通して設けられる。好ましくは、前記第一の突起部33は、溶接によって前記取付孔212に固定的に接続される。
【0042】
図8に示すように、該実施例において、前記第1の突起部33はボスであり、前記ステープルバンド本体21の第1の表面211における前記ボスの投影は、角が丸い矩形であり、すなわち、前記ボスの全ての角には、円弧を持つガイド面が設けられており、ステープルバンド2を支持部材3に組み付ける際に、円弧のガイド面が前記ボスを前記取付ホール212により良好にガイドすることができる。ここで、前記第1の突起部33の形状は、例示的なものに過ぎず、他の代替的な実施例において、前記第1の突起部33は、他の形状をとることもでき、例えば、前記ステープルバンド本体21の第一の表面211における前記第1の突起部33の投影は、矩形、または三角形、菱形、台形等であり、前記第1の突起部33の上面の面積と下面の面積は異なっていてもよく、例えば、前記第1の突起部33は、下面の面積が大きく、上面の面積が小さいコーン構造であってもよく、いずれも本発明の保護範囲に属する。前記第1の突起部33と前記取付孔212の数は、1対1に対応して設けられてもよいし、前記取付孔212が前記第1の突起部33よりも多く設けられてもよい。
【0043】
この実施例において、前記支持部材3の表面には、さらに、2つの第2の突起部34が設けられ、前記2つの第2の突起部34は、前記支持部材3の近位端側と遠位端側にそれぞれ位置され、前記支持部材3から離れた側の前記第2の突起部34の表面の高さ(前記第2の突起部34の上面)は、前記ステープルバンド本体21の第1の表面211の高さよりも高く、前記第2の突起部34の上面は、前記ステープルカートリッジカバー1の第2の表面13に突き当たる。前記第1の突起部33の上面は、前記第2の突起部34の上面と同じ高さを有する。この実施例において、前記第2の突起部34の内側面と外側面との間の横方向上の距離は、前記ステープルバンド本体21の内側面と外側面との間の横方向上の距離に等しい。好ましくは、前記第2の突起部34は、溶接によって前記ステープルバンド本体21に固定的に接続されてもよい。
【0044】
この実施例において、前記第1の突起部33の数と配列形態は、所望に応じて選択することができ、前記支持部材3の表面上に前記軸方向に沿って均一にまたは不均一に分布させることができる;別の代替的な実施例では、前記支持部材3の表面には、第1の突起部33のみを設け、第2の突起部34を設けないこともできる;さらなる代替的な実施例では、前記支持部材3の表面には、第2の突起部34のみを備え、第1の突起部33を備えないことができる。さらなる代替的な実施例において、前記第2の突起部34は、遠位端側のみに設けられてもよいし、近位端側のみに設けられてもよい;さらなる別の代替的な実施例では、前記第2の突起部34は、第1の突起部33と同じ形状およびサイズであってもよい。
【0045】
図9および図10は、本発明の第2の実施例のステープルカートリッジアセンブリの構造を示す。この実施例が第1の実施例と異なる点は、前記支持部材3の表面には、第1の突起部33及び第2の突起部34が設けられておらず、前記ステープルバンド体21の第1の表面211には、少なくとも1つの第3の突起部213が設けられ、前記ステープルバンド本体21から離れた側の前記第3の突起部213の表面(前記第3の突起部213の上面)が、前記ステープルカートリッジカバー1の第2の表面13に突き当たり、前記ステープルバンド本体21の前記第1の表面211と前記ステープルカートリッジカバー1の前記第2の表面13との間に第1の隙間6を形成することである。前記第3の突起部213の高さは、前記第1の隙間6の高さh1に等しい。前記第3の突起部213の上面は、前記ステープルカートリッジカバー1の第2の表面13と平行且つ互いに密着し、協力の安定性を向上させる。前記第3の突起部の形状、サイズ、数、配列形態は、図面に示すものに限定されることなく、所望に応じて選択して設定できる。この実施例の採用によっても同様に、発射ブロック4のステープル切断部41がステープラー用ステープル22を駆動してステープルバンド2から離脱し易くする目的を達成できる。
【0046】
図11及び図12は、本発明の第3の実施例のステープルカートリッジアセンブリの構造を示す図である。この実施例が第1の実施例と異なる点は、前記支持部材3が、その表面に第1の突起部33及び第2の突起部34を備えておらず、前記ステープルカートリッジカバー1の前記第2の表面13に、前記ステープルバンド2に向かって延びる第4の突起部17を備えており、前記第4の突起部17は、前記ステープルバンド本体21に向かう側の表面(前記第4の突起部17の下面)が、前記ステープルバンド本体21の前記第1の表面211に突き当っている点である。前記第4の突起部17の高さは、前記第1の隙間6の高さh1に等しい。前記第4の突起部17の下面は、前記ステープルバンド本体21の第1の表面211と平行且つお互いに密着し、協力の安定性を向上させる。前記第4の突起部17の形状、サイズ、数及び配列は、図面に示すものに限定されることなく、所望に応じて選択して設定できる。この実施例の採用によっても同様に、発射ブロック4のステープル切断部41はステープラー用ステープル22をステープルバンド2から離脱するように駆動し易くするという目的を達成できる。
【0047】
上述した第1の実施例、第2の実施例および第3の実施例における突起部は、支持部材3、ステープルバンド本体21およびステープルカートリッジカバー1にそれぞれ設けられ、ステープルバンド本体21の第1の表面211とステープルカートリッジカバー1の第2の表面13との間に第1の隙間6を実現する。他の代替的な実施例では、例えば、第1の突起部33、第2の突起部34、第3の突起部213および第4の突起部17のうちの2つまたは複数を同時に設けることによって、上記3つの実施例を組み合わせて使用することができ、これらはすべて本発明の保護範囲内である。
【0048】
図13から図16は、本発明の第4の実施例のステープルカートリッジアセンブリの構造を示している。この実施例は、第1実施例と同様に、前記支持部材3の表面に、第1の突起部33と、2つの第2の突起部34とを備えている。前記2つの第2の突起部34は、前記支持部材3の遠位端側31及び近位端側32に配置され、前記第1の突起部33は、前記2つの第2の突起部34の間に配置され、前記第1の突起部33の上面及び前記第2の突起部34の上面は、それぞれ、前記ステープルカートリッジカバー1の第2の表面13に突き当たる。第4の実施例が第1の実施例と異なる点は、この実施例において、前記ステープルカートリッジアセンブリが複数のステープルバンド2を含み、前記複数のステープルバンド2が前記軸方向に配列され、前記第1の突起部33が、隣接する2つの前記ステープルバンド2のステープルバンド本体21の間に配置されている点である。前記2つの第2の突起部34は、それぞれ、最も遠いステープルバンド2の遠位端側と、最も近いステープルバンド2の近位端側に位置されている。この実施例において、前記第1の突起部33および/または前記第2の突起部34は、好ましくは、前記ステープルバンド本体21に固定的に接続される。例えば、前記第1の突起部33、前記第2の突起部34は、それぞれ前記ステープルバンド本体21に溶接等により固定的に接続される。
【0049】
図13図15に示すように、この実施例において、前記第1の突起部33の内側面と外側面との間の横方向上の距離は、前記ステープルバンド本体21の内側面と外側面との間の横方向上の距離に等しく、すなわち、前記第1の突起部33の横方向上の幅は、前記ステープルバンド本体21の横方向上の幅に等しく、これにより、複数のステープルバンド2の取り付けの位置決めがより良好となり、ステープルバンド2の安定性がより良好に保持される。他の代替的な実施例では、第1の突起部33の内側面と外側面との間の横方向上の距離も、前記ステープルバンド本体21の内側面と外側面との間の横方向上の距離よりも小さくすることができ、例えば、第1の実施例の第1の突起部33の形状及びサイズと同様のものを用いることができ、これも本発明の保護範囲に属する。
【0050】
この第4の実施例も同様に、多くの変形が可能であり、これらは全て本発明の保護範囲に属する。第4の実施例における第1の突起部33及び第2の突起部34の数、サイズ、形状及び配列形態は、図面に示すものに限定されない。ステープルバンド2の軸方向に沿った長さ及びステープルバンド2の数も、図面に示すものに限定されず、所望に応じて選択して調整できる。代替的な実施例では、第1の突起部33のみを備え、第2の突起部34を備えないこともできる。
【0051】
図17に示すように、本発明の第5の実施例のステープルカートリッジアセンブリの構造の概略図を示す。この実施例が第4の実施例と異なる点は、第1の突起部33が異なるように設けられていることである。第5の実施例は同様に、複数のステープルバンド2を備え、ステープルバンド2が支持部材3上に前記軸方向に分散されている。第5の実施例における第1の突起部33の形状と設置形態は、第1の実施例と同様し、すなわち、当該第1の突起部33の内側面と外側面との間の距離は、前記ステープルバンド本体21の内側面と外側面との間の距離よりも小さく、前記ステープルバンド本体21の表面には、少なくとも1つの取付孔212が設けられ、当該取付孔212に前記第1の突起部33が貫通して設けられている。前記取付孔212は、二種類で開設されることができる。一つは、前記取付孔212が一つのステープルバンド2のステープルバンド本体21に完全に開設されることである。もう一つは、隣り合う二つのステープルバンド2のステープルバンド本体21にそれぞれ半孔を有し、二つのステープルバンド本体21が前記軸方向に組み合わされた後、二つの半孔が組み合わされて取付孔212が得られることである。
【0052】
この第5の実施例も同様に多くの変形を有してもよく、その全てが本発明の保護範囲に属する。なお、第5の実施例における第1の突起部33及び第2の突起部34の数、サイズ、形状及び配列は、図面に示すものに限定されない。前記軸方向に沿ったステープルバンド2の長さ及びステープルバンド2の数も、図面に例示したものに限定されず、必要に応じて任意に調整することができる。別の代替的な実施形態では、第2の突起部34を設けずに、第1の突起部33のみを設けることも可能である。
【0053】
上記の各実施例において、前記ステープルバンド2は、生体適合性材料を満足するステープルバンド2である。好ましい実施例において、前記ステープルバンド本体21と前記ステープラー用ステープル22とは、異なる材料で作られてもよい。例えば、いくつかの実施例において、前記ステープルバンド本体21は、チタン、チタン合金およびステンレス鋼のような非吸収性、非分解性材料で作られており、前記ステープラー用ステープル22は、好ましくは、生体適合性を有する分解性材料のステープラー用ステープル、または生体適合性を有する生体分解性および生体吸収性のステープラー用ステープル22であってよく、前記ステープラー用ステープル22が組織に縫合された後、その後のステープル除去は必要としない。例えば、前記ステープラー用ステープル22は、マグネシウム、マグネシウム合金、分解性高分子材料等からなるが、本発明はこれに限定されるものではない。さらに、前記ステープラー用ステープル22の表面には、生体適合性を有する分解性および生体吸収性のコーティングが塗布されていてもよい。このようなコーティングにより、ステープラー用ステープル22の硬度をさらに高めることができ、ステープラー用ステープル22の分解速度を調節することができる。該コーティングは、例えば、吸収性材料のポリ‐L‐乳酸(PLLA)および/またはポリ-D,L-乳酸(PDLLA)コーティング等であってもよいが、本発明はこれに限定されない。ステープラー用ステープル22の全体的な分解速度は、コーティングの厚さを調節することによって調節することができる。あるいは、コーティングは、吻合時の出血を改善し得る凝固効果を有する薬剤等であってもよい。幾つかの他の実施例において、前記ステープラー用ステープル22の表面は、磁性コーティングを備えていてもよく、外部磁場が作用する時、前記コーティングは磁化され、吻合の強度を高める効果を有することができる。外部磁場は、電磁場であってもよく、磁場の強さは、吻合の必要性に応じて調整することができるが、永久磁場であってもよい。
【0054】
以上は、特定の好ましい実施例に関連して本発明をさらに詳細に説明したものであり、本発明の特定の実施例がこれらの説明のみに限定されると結論づけることはできない。本発明が属する技術分野における通常の技術者にとって、本発明の着想から逸脱しないことを前提に、多くの簡単な推論または置換を行うことができ、これらはすべて本発明の保護範囲に属するものとみなされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】