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特表2024-530775無針コネクタを有する一体型カテーテル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】無針コネクタを有する一体型カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
A61M25/06 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513784
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 US2022041948
(87)【国際公開番号】W WO2023034240
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/239,180
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノイマン,エリカ イー.
(72)【発明者】
【氏名】バークホルツ,ジョナサン カール
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンデンブリンク,エヴァン バーバー
(72)【発明者】
【氏名】ラッキー,ジョン エム.
(72)【発明者】
【氏名】ホップウッド,ベンジャミン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ソンデレッガー,ラルフ エル.
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA02
4C267AA14
4C267BB02
4C267BB04
4C267CC08
(57)【要約】
一体型静脈カテーテルは、カテーテル及び入口部を有するカテーテルアダプタであって、カテーテルが患者の血管系に挿入されるように構成されている、カテーテルアダプタと、第1のポート、第1のポートの反対側に配置された第2のポート、及び第1のポートと第2のポートとの間に配置されたサイドポートを備える無針コネクタであって、第2のポートが弁部材を含む、無針コネクタと、カテーテルアダプタの入口部と無針コネクタの第1のポートとの間で延びる中間チューブと、無針コネクタのサイドポートから延びる延長チューブとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体型静脈カテーテルであって、
カテーテル及び入口部を備えるカテーテルアダプタであって、前記カテーテルが患者の血管系に挿入されるように構成されている、カテーテルアダプタと、
第1のポート、前記第1のポートの反対側に配置された第2のポート、及び前記第1のポートと前記第2のポートとの間に配置されたサイドポートを備える無針コネクタであって、前記第2のポートが弁部材を備える、無針コネクタと、
前記カテーテルアダプタの前記入口部と前記無針コネクタの前記第1のポートとの間で延びる中間チューブと、
前記無針コネクタの前記サイドポートから延びる延長チューブと、
を備える、一体型静脈カテーテル。
【請求項2】
前記無針コネクタは、前記第1のポートと前記第2のポートとの間で延びる流路を画定する本体を備え、前記サイドポートは、前記流路の中心からオフセットされている、請求項1に記載の一体型静脈カテーテル。
【請求項3】
前記中間チューブの長さは前記延長チューブの長さよりも短い、請求項1又は2に記載の一体型静脈カテーテル。
【請求項4】
前記中間チューブは、採血装置のプローブが前記カテーテルの先端部を越えて所定の長さだけ延びることを可能にするように構成された長さを有する、請求項1又は2に記載の一体型静脈カテーテル。
【請求項5】
前記延長チューブの端部に配置された医療用コネクタをさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の一体型静脈カテーテル。
【請求項6】
前記中間チューブは、前記カテーテルアダプタの前記入口部及び前記無針コネクタの前記第1のポートに固定的に接続されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の一体型静脈カテーテル。
【請求項7】
前記無針コネクタの前記第1のポートは、ラインコネクタを介して前記中間チューブに接続されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の一体型静脈カテーテル。
【請求項8】
前記無針コネクタは、前記第1のポートと前記第2のポートとの間で延びる長手方向軸線を画定する本体を備え、前記サイドポートは、前記本体の前記長手方向軸線に対して30~150度の角度で前記本体から延びている、請求項1~7のいずれか一項に記載の一体型静脈カテーテル。
【請求項9】
前記無針コネクタの前記本体は、第1の部分と、ルアーコネクタを介して前記第1の部分に接続された第2の部分とを備える、請求項8に記載の一体型静脈カテーテル。
【請求項10】
前記無針コネクタの少なくとも一部は透明である、請求項1~9のいずれか一項に記載の一体型静脈カテーテル。
【請求項11】
前記無針コネクタは逆流防止弁を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の一体型静脈カテーテル。
【請求項12】
前記無針コネクタは、流体が前記サイドポートを経て前記無針コネクタに入ると渦流を生成するように構成された内部構造を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の一体型静脈カテーテル。
【請求項13】
前記無針コネクタは、前記一体型静脈カテーテルの使用中に患者の皮膚表面に接するように構成された安定化部材を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の一体型静脈カテーテル。
【請求項14】
前記安定化部材は、前記無針コネクタと一体的に形成されている、請求項13に記載の一体型静脈カテーテル。
【請求項15】
前記安定化部材は、前記無針コネクタに別個に接続されている、請求項14に記載の一体型静脈カテーテル。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の一体型静脈カテーテルをフラッシングする方法であって、
前記無針コネクタの前記第2のポートから採血装置を切り離すことと、
フラッシング流体を含むリザーバを前記無針コネクタに接続することと、
前記無針コネクタの前記ポートのうちの1つのみを通して、前記無針コネクタの前記第1のポート、前記第2のポート及び前記サイドポートと、前記カテーテルアダプタの前記カテーテルとを前記フラッシング流体でフラッシングすることと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記リザーバが、フラッシュシリンジ又は静脈内輸液容器を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記リザーバが、前記無針コネクタの前記サイドポートに接続される、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年8月31日に出願された「Integrated Catheter with Needle-Free Connector(無針コネクタを有する一体型カテーテル)」と題する米国仮出願第63/239,180号の優先権を主張し、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、無針コネクタを有する一体型カテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
カテーテルは、一般的に、様々な注入療法に使用される。例えば、カテーテルは、通常の生理食塩水、様々な薬剤及び完全非経口栄養などの流体を患者に注入するために使用され得る。カテーテルはまた、患者から血液を採取するために使用されてもよい。
【0004】
一般的なタイプのカテーテルは、オーバザニードル(over-the-needle)末梢静脈(「IV」)カテーテル(「PIVC」)である。オーバザニードルカテーテルは、鋭い遠位先端部を有するイントロデューサニードル上に取り付けられ得る。カテーテルとイントロデューサニードルとは、イントロデューサニードルのベベルが患者の皮膚表面から離れる方に向く状態で、イントロデューサニードルの遠位先端部がカテーテルの遠位先端部を越えて延びるように、組み立てられ得る。カテーテル及びイントロデューサニードルは、一般に、皮膚を通して患者の血管系に浅い角度で挿入される。血管内のイントロデューサニードル及び/又はカテーテルの適切な配置を検証するために、臨床医は、一般に、カテーテルアセンブリのフラッシュバックチャンバ内に血液の「フラッシュバック」があることを確認する。ニードルの配置が確認されると、臨床医は血管系内の流れを一時的に遮断し、ニードルを取り除き、その後の採血又は流体注入のためにカテーテルを所定の位置に残してもよい。
【0005】
末梢IVカテーテルを用いる採血は、特にカテーテルの留置時間が1日を超える場合、いくつかの理由で困難となる場合がある。例えば、カテーテルを患者に長時間挿入したままにすると、カテーテル又は静脈は、狭窄、崩壊、ねじれ、破片(例えば、フィブリン又は血小板の塊)による閉塞、及びカテーテルの先端部の血管系への付着が生じやすくなる。このため、カテーテルは、カテーテルの挿入時に血液サンプルを採取するために使用されることが多いが、カテーテルの留置期間中に血液サンプルを採取するために使用されることは極めて少ない。
【0006】
したがって、既存のPIVCにより血液サンプルを採取するための採血装置が開発されている。採血装置は、PIVCに取り付けられ、可撓性の流管(flow tube)を含んでおり、この流管は、PIVCを通ってカテーテルの先端部を越えて血管内に進められることで、血液サンプルを採取する。採血後、採血装置はPIVCから取り外され、廃棄される。採血装置の一例は、米国特許第11,090,461号明細書に示され説明されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第11,090,461号明細書
【発明の概要】
【0008】
一態様又は一実施形態において、一体型静脈内カテーテルは、カテーテル及び入口部を有するカテーテルアダプタであって、カテーテルが患者の血管系に挿入されるように構成されている、カテーテルアダプタと、第1のポート、第1のポートの反対側に配置された第2のポート、及び第1のポートと第2のポートとの間に配置されたサイドポートを含む無針コネクタであって、第2のポートが弁部材を有する、無針コネクタと、カテーテルアダプタの入口部と無針コネクタの第1のポートとの間で延びる中間チューブ(intermediate tubing)と、無針コネクタのサイドポートから延びる延長チューブ(extension tubing)とを含む。
【0009】
無針コネクタは、第1のポートと第2のポートとの間で延びる流路を画定する本体を含んでもよく、サイドポートは流路の中心からオフセットされる。中間チューブは、延長チューブの長さよりも短くてもよい。中間チューブは、採血装置のプローブがカテーテルの先端部を越えて所定の長さだけ延びることを可能にするように構成された長さを有してもよい。中間チューブは、6~8mmの長さを有してもよい。中間チューブは、15mmの最大長さを有してもよい。一体型カテーテルは、延長チューブの端部に配置された医療用コネクタを含んでもよい。中間チューブは、カテーテルアダプタの入口部及び無針コネクタの第1のポートに固定的に接続されてもよい。無針コネクタの第1のポートは、ラインコネクタを介して中間チューブに接続されてもよい。
【0010】
無針コネクタは、第1のポートと第2のポートとの間で延びる長手方向軸線を画定する本体を含んでもよく、サイドポートは、本体の長手方向軸線に対して30~150度の角度で本体から延びる。無針コネクタの本体は、第1の部分と、ルアーコネクタを介して第1の部分に接続された第2の部分とを含んでもよい。
【0011】
無針コネクタの少なくとも一部は、透明であってもよい。無針コネクタは、逆流防止弁を含んでもよい。無針コネクタは、流体がサイドポートを経て無針コネクタに入ると渦流を生成するように構成された内部構造を含んでもよい。
【0012】
無針コネクタは、一体型静脈カテーテルの使用中に患者の皮膚表面に接するように構成された安定化部材を含んでもよい。安定化部材は、無針コネクタと一体に形成されてもよい。安定化部材は、無針コネクタに別個に接続されてもよい。
【0013】
一態様又は一実施形態において、上記の態様又は実施形態のいずれかの一体型カテーテルをフラッシング(flushing)する方法は、無針コネクタの第2のポートから採血装置を切り離すことと、フラッシング流体を含むリザーバを無針コネクタに接続することと、無針コネクタのポートのうちの1つのみを通して、無針コネクタの第1のポート、第2のポート及びサイドポートと、カテーテルアダプタのカテーテルとをフラッシング流体でフラッシングすることとを含む。
【0014】
リザーバは、フラッシングシリンジ又は静脈内輸液容器であってもよい。リザーバは、無針コネクタのサイドポートに接続されてもよい。
【0015】
本開示の上記とその他の特徴及び利点、並びにそれらを達成する態様は、添付の図面と併せて以下の本開示の実施形態の説明を参照することによってより明らかになり、本開示自体もよりよく理解されることとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本出願の一態様又は一実施形態による一体型カテーテルの斜視図である。
【0017】
図2】本出願の一態様又は一実施形態による一体型カテーテルの斜視図である。
【0018】
図3】無針コネクタを示す、図2の一体型カテーテルの拡大斜視図である。
【0019】
図4】採血装置の流管が伸長された状態での、無針コネクタに接続された採血装置を示す、図2の一体型カテーテルの斜視図である。
【0020】
図5】本出願の一態様又は一実施形態による無針コネクタの斜視図である。
【0021】
図6図5の無針コネクタの分解図である。
【0022】
図7】本出願の一態様又は一実施形態による一体型カテーテルの斜視図である。
【0023】
図8】本出願の一態様又は一実施形態による無針コネクタの正面図である。
【0024】
図9図9の無針コネクタの断面図である。
【0025】
図10図9の無針コネクタの側面図である。
【0026】
図11】本出願の一態様又は一実施形態による無針コネクタの正面図である。
【0027】
図12図11の無針コネクタの断面図である。
【0028】
図13】本出願の一態様又は一実施形態による一体型カテーテルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
対応する参照符号は、いくつかの図を通して対応する部分を示す。本明細書に記載された例示は、本開示の例示的な実施形態を示しており、そのような例示は、いかなる態様でも本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0030】
「左」、「右」、「内」、「外」、「上方」、「下方」などの空間又は方向に関する用語は、本発明が様々な代替的な向きをとることができるため、限定的であると考えるべきではない。
【0031】
以下の説明の目的のために、「上側」、「下側」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「上部」、「下部」、「横」、「縦」という用語、及びそれらの派生語は、描かれている図において示されているように本発明に関連するものとする。しかしながら、本発明は、反対であると明示的に指定されている場合を除いて、様々な代替の変形を想定し得ることを理解されたい。添付の図面に示され、以下の明細書に記載される特定の装置は、本発明の単なる例示的な態様であることも理解されるべきである。
【0032】
別段の指示がない限り、本明細書に開示されるすべての範囲又は比は、開始値及び終了値並びにそれらに包含されるあらゆる部分的な範囲又は部分的な比を包含すると理解されるべきである。例えば、「1~10」と記載された範囲又は比は、最小値1と最大値10との間(及び1と10を含む)のあらゆる部分的な範囲又は部分的な比を含むと考えるべきである。すなわち、1以上の最小値で始まり、10以下の最大値で終わるすべての部分的な範囲又は部分的な比である。
【0033】
「第1の」、「第2の」などの用語は、特定の順序又は時系列を指すものではなく、様々な条件、特性、又は要素を指すものである。
【0034】
本明細書で使用される場合、「の少なくとも1つ」は、「の1つ又は複数」と同義である。例えば、「A、B、及びCの少なくとも1つ」という語句は、A、B若しくはCのいずれか1つ、又はA、B若しくはCのいずれか2つ以上の任意の組合せを意味する。例えば、「A、B、及びCの少なくとも1つ」は、A単独の1つ以上、B単独の1つ以上若しくはC単独の1つ以上、Aの1つ以上及びBの1つ以上、Aの1つ以上及びCの1つ以上若しくはBの1つ以上及びCの1つ以上、又はA、B、及びCのすべてのうちの1つ以上である。
【0035】
図1図13を参照すると、一体型静脈カテーテル10は、患者の血管系に挿入されるように構成されたカテーテル14を有するカテーテルアダプタ12と、無針コネクタ16と、中間チューブ18と、延長チューブ20とを含む。カテーテルアダプタ12は、入口部22を含む。無針コネクタ16は、第1のポート24と、第1のポート24の反対側に配置された第2のポート26と、第1のポート24と第2のポート26との間に配置されたサイドポート28とを含む。第2のポート26は、弁部材30を有する。中間チューブ18は、カテーテルアダプタ12の入口部22と無針コネクタ16の第1のポート24との間で延びている。延長チューブ20は、無針コネクタ16のサイドポート28から延びている。中間チューブ18は、カテーテル14を挿入して創傷被覆(dressing)するとき、並びに、カテーテル挿入部位を乱すことなくフラッシング(flushing)、採血及び/又は他の処置を行うために無針コネクタ16を操作するときにも、可撓性を与えるように構成されている。カテーテルアダプタ12に対する無針コネクタ16の近接は、採血装置32がカテーテル14の端部を越えて十分な距離だけ突出することができるように構成されている。延長チューブ20は、静脈内輸液、薬剤などを導入するために利用されるように構成されている。
【0036】
一態様又は一実施形態では、中間チューブ18は、6~8mmの長さを有する。さらなる態様又は実施形態では、中間チューブ18は、15mmの最大長さを有する。より長い中間チューブ18は、挿入操作時における操作性(insertion ergonomics)を向上させ、アクセス及び固定の融通性を高め、創傷被覆をより容易とする。しかしながら、中間チューブ18の長さが増すと、採血装置32としてより長いチューブを採用しない限り、採血装置32がカテーテル14から突出することができる距離が減少する。一態様又は一実施形態では、中間チューブ18は、延長チューブ20の長さよりも短い。中間チューブ18は、採血装置32のプローブがカテーテル14の先端部を越えて所定の長さだけ延びることを可能にするように構成された長さを有してもよい。
【0037】
図1を参照すると、一態様又は一実施形態では、一体型カテーテル10は、針ハブアセンブリ34と、ベントプラグなどの医療構成要素36とを含む。針ハブアセンブリ34には、カテーテル14の内腔に針(図示せず)を挿入することにより、カテーテルアダプタ12が組み込まれている。一態様又は一実施形態では、針ハブアセンブリ34は針シールド38を含み、この針シールド38は、使用後に針の先端部を針シールド38内に固定するように構成される。針シールド38は受動的に作動されてもよい。針ハブアセンブリ34は、挿入中のカテーテルの前進を容易にするプッシュタブ40を含む。プッシュタブ40はまた、片手又は両手での前進を可能にする。一態様又は一実施形態では、カテーテルアダプタ12は、図示のように、患者の皮膚表面に係合するように構成された1つ以上のウィングを含む。別の態様又は実施形態では、カテーテルアダプタ12はウィングを有しない。
【0038】
図2図6を参照すると、一態様又は一実施形態では、中間チューブ18は、カテーテルアダプタ12の入口部22及び無針コネクタ16の第1のポート24に固定的に接続されている。中間チューブ18は、結合(bonding)、接着剤、ヒートシールなどにより入口部22に固定的に接続されるが、他の適切な構成を利用してもよい。図4に示すように、採血装置32が無針コネクタ16の第2のポート26に接続されると、採血装置32の流管42は、無針コネクタ16を通り、中間チューブ18、カテーテルアダプタ12の入口部22及びカテーテル14を通って延びることができる。採血装置32は、Velano Vascularから市販されているPIVO(登録商標)採血装置であってもよい。一態様又は一実施形態では、採血装置32は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第11,090,461号明細書に示されている採血装置と同じ又は同様である。一態様又は一実施形態では、採血装置32は、チューブ、プローブ、ガイドワイヤ、器具、及び/又はセンサを一体型カテーテル10の流体経路内に、又はカテーテル14の先端部を越えて前進させる任意の装置であってもよい。一態様又は一実施形態では、無針コネクタ16は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2019/0160275号明細書に示され説明されているコネクタと同様であり、同様に動作する。
【0039】
図7を参照すると、一態様又は一実施形態では、無針コネクタ16の第1のポート24は、ルアーコネクタなどのラインコネクタ60を介して中間チューブ18に接続されている。中間チューブ18の端部は、雄型又は雌型のルアーコネクタを含んでもよく、この雄型又は雌型ルアーコネクタは、無針コネクタ16の第1のポート24に設けられた対応する雌型又は雄型のルアーコネクタに接続され、カテーテル14を取り外すことなく無針コネクタ16を交換することを可能にする。図7に示すように、医療構成要素36は、2つの無針コネクタを有するデュアルポート構成である。
【0040】
図8図10を参照すると、一態様又は一実施形態では、無針コネクタ16は、第1のポート24と第2のポート26との間で延びる流路を画定する本体62を含む。サイドポート28は、流路の中心からオフセットしている。サイドポート28のオフセットは、サイドポート28を経て本体62に入る流体を本体62の内面に沿って導入し、本体62内に渦流を引き起こして無針コネクタ16のフラッシングを助長するように構成されている。一態様又は一実施形態では、無針コネクタ16の本体62は、流体がサイドポート28を経て無針コネクタ16に入ると渦流を生成するように構成された内部構造66をさらに含む。一態様又は一実施形態では、オフセット及び渦流生成機構は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2021/0220548号明細書に示され説明されているフラッシング機構と同じ又は同様である。
【0041】
再び図8図10を参照すると、一態様又は一実施形態では、無針コネクタ16の本体62は、第1のポート24と第2のポート26との間で延びる長手方向軸線Lを画定し、サイドポート28は、本体62の長手方向軸線Lに対して30~150度の角度Aで本体62から延びている。一態様又は一実施形態では、サイドポート28は、本体62の長手方向軸線Lに対して60度の角度で本体62から延びる。サイドポート28は、角度Aで第2のポート26に向かって延びているが、他の適切な構成が用いられてもよい。無針コネクタ16の本体62は、第1の部分70と、第1の部分70に接続された第2の部分72とを有する。一態様又は一実施形態では、本体62の第1の部分70は、本体62の第2の部分72に固定される。
【0042】
図11及び図12を参照すると、一態様又は一実施形態では、無針コネクタ16の本体62の第1の部分70は、ルアーコネクタを介して無針コネクタ16の本体62の第2の部分72に固定されている。一態様又は一実施形態では、中間チューブ18は、ルアー接続部(図示せず)を介して第1の部分70の第1のポート24に接続される。サイドポート28は、無針コネクタ16の本体62の第1又は第2の部分70、72に設けられてもよい。
【0043】
図13を参照すると、一態様又は一実施形態では、無針コネクタ16は、一体型静脈カテーテル10の使用中に患者の皮膚表面に接するように構成された安定化部材74を含む。安定化部材74は、無針コネクタ16と一体に形成されてもよく、又は別個に形成され、クリップ又は他の固定装置を介して無針コネクタ16に接続されてもよい。一態様又は一実施形態では、安定化部材74は、無針コネクタ16上にオーバモールドされ、及び/又は無針コネクタ16よりも柔らかい材料から作製される。一態様又は一実施形態では、安定化部材74は、米国特許出願公開第2019/0160275号明細書に示され記載されている安定化部材と同じ又は同様である。
【0044】
一態様又は一実施形態では、無針コネクタ16の少なくとも一部は透明である。一体型カテーテル10のコネクタ構成要素は、透明、不透明、及び/又は着色されたものであってもよい。一態様又は一実施形態では、無針コネクタ16は逆流防止弁を含む。
【0045】
一態様又は一実施形態では、延長チューブ20の端部の医療構成要素36は、シングルポートコネクタ又はデュアルポートコネクタであり、PRNなどの無針コネクタ又はニードルアクセスコネクタを含む様々なコネクタを含み得る。延長チューブ20は、左向き又は右向きであってもよい。一態様又は一実施形態では、ベントプラグに加えて、医療構成要素36は、延長チューブ20に設けられた雌型ルアー接続部に取り付けられた、PRNなどの取外し可能又は取外し不可能な無針コネクタ又はニードルアクセスコネクタであってもよい。一態様又は一実施形態では、デュアル雌型ルアーポートは、単一のルアーコネクタの代わりに延長チューブ20に結合又は他の方法で取り付けられてもよい。
【0046】
一態様又は一実施形態では、無針コネクタ16は、サイドポート28を通して単一のフラッシングプロセスによってフラッシングされるように構成される。
【0047】
本発明は、現在最も実用的で好ましい実施形態であると考えられるものに基づいて例示の目的で詳細に説明されているが、そのような詳細はその目的のためだけであり、本発明は開示された実施形態に限定されず、反対に、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内にある修正及び均等な構成を網羅することが意図されていることを理解されたい。例えば、本発明は、可能な限り、任意の実施形態の1つ又は複数の特徴を任意の他の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わせることができることを意図していることを理解されたい。
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【国際調査報告】