(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】薬剤送達デバイスを組み立てる方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/20 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
A61M5/20 510
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513793
(86)(22)【出願日】2022-08-23
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 EP2022073528
(87)【国際公開番号】W WO2023030981
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520011887
【氏名又は名称】エスエイチエル・メディカル・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シンシュアン・チョウ
(72)【発明者】
【氏名】セバスティアン・カールソン
(72)【発明者】
【氏名】ミン-ティン・イン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD13
4C066EE06
4C066EE14
4C066FF05
4C066HH02
4C066HH12
4C066QQ32
(57)【要約】
薬剤送達デバイスを組み立てる方法であって、方法は、薬剤送達デバイスのハウジングを提供するステップであって、ハウジングは、近位端と遠位端との間で長手方向軸に沿って延びる、ステップと、薬剤送達デバイスのパワーユニットを提供するステップであって、パワーユニットは、プランジャロッド、およびプランジャロッドと係合するホルダを備える、ステップと、パワーユニットをハウジングの中に組み込むステップと、近位端と遠位端との間で長手方向軸に沿って延びるキャップ組立体を提供するステップと、キャップ組立体をプランジャロッドまたはホルダに接続するステップと、キャップ組立体が、ハウジングの近位端に取り付けられるまで、キャップ組立体を、ハウジングに対してハウジングの遠位方向に移動させるステップであって、キャップ組立体をハウジングに対して移動させるステップ中に、キャップ組立体は、プランジャロッドをホルダに対して移動させる、ステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達デバイスを組み立てる方法であって、
前記薬剤送達デバイスのハウジング(10)を提供するステップであって、前記ハウジング(10)は、近位端と遠位端との間で長手方向軸(L)に沿って延び、前記ハウジング(10)の前記遠位端は、前記薬剤送達デバイスの使用中に、薬剤送達部位から離れた方向を指しており、また前記ハウジング(10)の前記近位端は、前記薬剤送達デバイスの使用中に、前記薬剤送達部位の方向を指す、ステップと、
前記薬剤送達デバイスのパワーユニットを提供するステップであって、前記パワーユニットは、プランジャロッド(11)、および前記プランジャロッドと係合するホルダ(13)を備える、ステップと、
前記パワーユニットを前記ハウジング(10)の中に組み込むステップと、
近位端と遠位端との間で前記長手方向軸(L)に沿って延びるキャップ組立体(2)を提供するステップであって、前記キャップ組立体(2)は、前記薬剤送達デバイスの薬剤送達部材を覆うように構成されたカバー(20)を備える、ステップと、
前記キャップ組立体(2)を前記プランジャロッド(11)または前記ホルダ(13)に接続するステップと、
前記キャップ組立体(2)が、前記ハウジング(10)の前記近位端に取り付けられるまで、前記キャップ組立体(2)を、前記ハウジング(10)に対して前記ハウジング(10)の遠位方向に移動させるステップと、
を含み、
前記キャップ組立体(2)を、前記ハウジング(10)に対して移動させるステップ中に、前記キャップ組立体(2)は、
(i)前記キャップ組立体(2)が前記プランジャロッド(11)に接続されるとき、前記プランジャロッド(11)を前記ハウジング(10)に対して移動させる、または、
(ii)前記キャップ組立体が前記ホルダ(13)に接続されるとき、前記ホルダ(13)を前記ハウジング(10)に対して移動させる、
方法。
【請求項2】
前記キャップ組立体(2)を前記プランジャロッド(11)または前記ホルダ(13)に接続するステップの前に、前記方法は、
薬剤容器を提供するステップと、
前記薬剤容器を、前記ハウジングの前記近位端から前記ハウジングの中に挿入するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パワーユニットを前記ハウジング(10)の中に組み込むステップの前に、前記方法は、
送達部材ガード(14)を提供するステップと、
前記送達部材ガード(14)と前記パワーユニットとを共に前記ハウジング(10)の中に組み込むステップと、
をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
前記送達部材ガード(14)と前記パワーユニットとを共に前記ハウジング(10)の中に組み込むステップの前または後に、前記送達部材ガードを前記ホルダに係合させるステップ
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記プランジャロッドを前記ハウジングに対して移動させるステップは、前記ホルダが前記ハウジングに対して静止した状態にあるとき、前記プランジャロッドを前記ホルダに対して移動させるステップを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ホルダを前記ハウジングに対して移動させるステップ中は、前記プランジャロッドは、前記ハウジングに対して静止した状態にある、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記キャップ組立体(2)を前記プランジャロッド(11)に接続するステップは、
前記薬剤容器の近位端を、前記キャップ組立体の前記遠位端から、前記キャップ組立体に接触させるステップ
を含む、請求項2を引用する場合の請求項3から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記プランジャロッド(11)を前記ホルダ(13)に対して移動させるステップは、
前記キャップ組立体を用いて、前記薬剤容器を前記ハウジングに対して前記遠位方向に移動させるステップと、
前記プランジャロッドの近位端を前記薬剤容器の遠位端と接触させるステップと、
前記薬剤容器の前記遠位端を用いて、前記プランジャロッドを前記ハウジングに対して前記遠位方向に移動させるステップと、
前記プランジャロッドを前記ハウジングに対して前記遠位方向に移動させることにより、前記プランジャロッドを前記ホルダから分離させるステップと、
前記キャップ組立体(2)を前記ハウジング(10)の前記近位端に取り付けるステップと、
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記キャップ組立体(2)を前記ホルダに接続するステップは、前記キャップ組立体が、前記送達部材ガードの近位端と接触するように、前記キャップ組立体を、前記送達部材ガードに対して近位方向に移動させるステップを含む、請求項4を引用する場合の請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記プランジャロッド(11)を前記ホルダ(13)に対して移動させるステップは、前記キャップ組立体を用いて、前記送達部材ガードを前記ハウジングに対して前記遠位方向に移動させるステップと、前記送達部材ガードの遠位の動きを用いて、前記プランジャロッドに対して前記ホルダを移動させるステップと、前記キャップ組立体(2)を前記ハウジング(10)の前記近位端に取り付けるステップと、を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ホルダを前記プランジャロッドに対して移動させるステップは、前記送達部材ガードの前記遠位の動きを用いて、前記ホルダを前記プランジャロッドに対して回転させるステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ホルダを前記プランジャロッドに対して移動させるステップは、前記送達部材ガードの前記遠位の動きを用いて、前記ホルダを、前記長手方向軸を横断する方向に、前記プランジャロッドに対して直線的に移動させるステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記キャップ組立体が、前記ハウジングの前記近位端に取り付けられたとき、前記キャップ組立体は、前記キャップ組立体が前記ハウジングにスナップ嵌めされるまで、前記ハウジングに対して前記ハウジングの前記遠位端に向けて軸方向に移動する、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記キャップ組立体が、前記ハウジングの前記近位端に取り付けられた後、前記薬剤送達デバイスは、機能的に完了する、請求項2から13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、薬剤送達デバイスを組み立てる方法に関し、詳細には、キャップ組立体をハウジングに取り付けるステップを含む薬剤送達デバイスを組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
正式な医療訓練を受けていない患者が薬剤を自己投与するための自動注射器、吸入器、および装着(on-body)デバイスなどの薬剤送達デバイスが一般に知られている。したがって、これらの薬剤送達デバイスは、通常、複数の自動機能を備え、かつ事前に充填された薬剤容器を備えて最終使用者に渡される。薬剤容器は、通常、その後端にストッパ封止を備えたガラスもしくはプラスチックの円筒、およびその前端に配置された送達部材、またはその前端に配置された穿刺可能な薄膜を備える。薬剤容器の充填プロセス、および/または含まれる薬剤の特性に起因して、いくつかの事前に充填された薬剤容器はまた、ある量の空気も含む。したがって、薬剤送達動作を行う前に、プライミングショットを行う必要がある。さらに、いくつかの薬剤容器には、薬剤送達動作の前に混合される必要のある物質が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2009/150078号
【特許文献2】国際公開第2006/057604号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
薬剤送達動作の前にプライミングショットを行うための向上させた解決策が有用なはずであると理解されている。その薬剤送達デバイスを組み立てる新規の方法が有益になり得ることも理解されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、添付の特許請求の範囲により定義されるが、次にそれに対して参照を行うものとする。
【0006】
本開示において、「遠位方向」という用語が使用される場合、これは、薬剤送達デバイスの使用中に、用量送達部位から離れた方向を指す。「遠位部分/端」という用語が使用される場合、これは、薬剤送達デバイスの使用下で、用量送達部位から最も遠く離れて位置する送達デバイスの部分/端を指す、またはその部材の部分/端を指している。それに対応して、用語「近位方向」が使用される場合、これは、薬剤送達デバイスの使用中に、用量送達部位に向いた方向を指す。用語「近位部分/端」が使用される場合、これは、薬剤送達デバイスの使用下で、用量送達部位に最も近くに位置する、送達デバイスの部分/端を、またはその部材の部分/端を指す。
【0007】
さらに「長手方向の」、「長手方向に」、「軸方向に」、または「軸方向の」という用語は、近位端から遠位端へと延びる方向を指し、通常、デバイスおよび/または構成要素の最長の延長部の方向に、デバイスもしくはその構成要素に沿った方向を指す。
【0008】
同様に、「横方向」、「横方向の」、および「横方向に」という用語は、長手方向に対して概して直角をなす方向を指す。
【0009】
さらに「円周」、「円周方向の」、または「円周方向に」という用語は、通常、デバイスおよび/または構成要素の最長の延長部の方向に延びる中心軸である、軸に対する円周、または円周方向を指す。同様に、「半径の」または「半径方向に」は、その軸に対して半径方向に延びる方向を指し、「回転、「回転の」、および「回転方向に」は、その軸に対する回転を指す。
【0010】
したがって、薬剤送達デバイスを組み立てる方法が提供され、方法は、薬剤送達デバイスのハウジングを提供するステップであって、ハウジングは、近位端と遠位端との間で長手方向軸に沿って延び、ハウジングの遠位端は、薬剤送達デバイスの使用中に、薬剤送達部位から離れた方向を指し、またハウジングの近位端は、薬剤送達デバイスの使用中に薬剤送達部位の方向を指す、ステップと、薬剤送達デバイスのパワーユニットを提供するステップであって、パワーユニットは、プランジャロッド、およびプランジャロッドに係合されるホルダを備える、ステップと、パワーユニットをハウジングの中に組み込むステップと、近位端と遠位端との間で長手方向軸に沿って延びるキャップ組立体を提供するステップと、キャップ組立体を、プランジャロッドまたはホルダに接続するステップと、キャップ組立体が、ハウジングの近位端に取り付けられるまで、キャップ組立体を、ハウジングに対して、ハウジングの遠位方向に移動させるステップであって、ハウジングに対してキャップ組立体を移動させるステップ中に、キャップ組立体は、キャップ組立体がプランジャロッドに接続されたとき、ハウジングに対してプランジャロッドを移動させる、またはキャップ組立体がホルダに接続されたとき、ハウジングに対してホルダを移動させる、ステップと、を含む。
【0011】
本発明の別の態様は、薬剤送達デバイスを組み立てる方法を提供し、方法は、薬剤送達デバイスのハウジングを提供するステップであって、ハウジングは、近位端と遠位端との間で長手方向軸に沿って延びる、ステップと、薬剤送達デバイスのパワーユニットを提供するステップであって、パワーユニットは、プランジャロッド、およびプランジャロッドと係合するホルダを備える、ステップと、パワーニットをハウジングの中に組み込むステップと、近位端と遠位端との間で長手方向軸に沿って延びるキャップ組立体を提供するステップと、キャップ組立体をプランジャロッドまたはホルダに接続するステップと、キャップ組立体がハウジングの近位端に取り付けられるまで、キャップ組立体を、ハウジングに対してハウジングの遠位方向に移動させるステップであって、キャップ組立体をハウジングに対して移動させるステップ中に、キャップ組立体がプランジャロッドをホルダに対して移動させる、ステップと、を含む。
【0012】
好ましくは、別の実施形態によれば、キャップ組立体をプランジャロッドまたはホルダに接続する前に、方法は、
薬剤容器を提供するステップと、
薬剤容器を、ハウジングの近位端からハウジングの中に挿入するステップと、
をさらに含む。
【0013】
好ましくは、別の実施形態によれば、パワーユニットをハウジングの中に組み込む前に、方法はさらに、送達部材ガードを提供するステップと、送達部材ガードとパワーユニットとを共にハウジングの中に組み込むステップと、を含む。
【0014】
好ましくは別の実施形態によれば、方法はさらに、送達部材ガードとパワーユニットとを共にハウジングの中に組み込む前または後に、送達部材ガードをホルダに係合させるステップを含む。
【0015】
好ましくは、別の実施形態によれば、プランジャロッドをハウジングに対して移動させるステップは、ホルダがハウジングに対して静止した状態にあるとき、プランジャロッドをホルダに対して移動させるステップを含む。
【0016】
代替的に、別の実施形態によれば、プランジャロッドをホルダに対して移動させるステップは、ホルダがハウジングに対して静止した状態にあるとき、プランジャロッドをホルダに対して移動させるステップを含む。
【0017】
好ましくは、別の実施形態によれば、ホルダをハウジングに対して移動させるステップ中は、プランジャロッドは、ハウジングに対して静止した状態にある。
【0018】
代替的に、別の実施形態によれば、プランジャロッドをホルダに対して移動させるステップは、プランジャロッドがハウジングに対して静止した状態にあるとき、ホルダをプランジャロッドに対して移動させるステップを含む。
【0019】
好ましくは、別の実施形態によれば、キャップ組立体をプランジャロッドに接続するステップは、薬剤容器の近位端を、キャップ組立体の遠位端からキャップ組立体に接触させるステップを含む。
【0020】
好ましくは、別の実施形態によれば、プランジャロッドをホルダに対して移動させるステップは、キャップ組立体を用いて、薬剤容器をハウジングに対して遠位方向に移動させるステップと、プランジャロッドの近位端を薬剤容器の遠位端と接触させるステップと、薬剤容器の遠位端を用いて、プランジャロッドをハウジングに対して遠位方向に移動させるステップと、プランジャロッドをハウジングに対して遠位方向に移動させることにより、プランジャロッドをホルダから分離させるステップと、キャップ組立体をハウジングの近位端に取り付けるステップと、を含む。
【0021】
好ましくは、別の実施形態によれば、キャップ組立体をホルダに接続するステップは、キャップ組立体が、送達部材ガードの近位端に接触するように、キャップ組立体を、送達部材ガードに対して近位方向に移動させるステップを含む。
【0022】
好ましくは、別の実施形態によれば、プランジャロッドをホルダに対して移動させるステップは、キャップ組立体を用いて、送達部材ガードをハウジングに対して遠位方向に移動させるステップと、送達部材ガードの遠位の動きを用いて、ホルダをプランジャロッドに対して移動させるステップと、キャップ組立体を、ハウジングの近位端に取り付けるステップと、を含む。
【0023】
好ましくは、別の実施形態によれば、ホルダをプランジャロッドに対して移動させるステップは、送達部材ガードの遠位の動きを用いて、ホルダをプランジャロッドに対して回転させるステップを含む。
【0024】
好ましくは、別の実施形態によれば、ホルダをプランジャロッドに対して移動させるステップは、送達部材ガードの遠位の動きを用いて、ホルダを、長手方向軸を横断する方向に、プランジャロッドに対して直線的に移動させるステップを含む。
【0025】
好ましくは、別の実施形態によれば、キャップ組立体がハウジングの近位端に取り付けられたとき、キャップ組立体は、キャップ組立体がハウジングにスナップ嵌めされるまで、ハウジングに対してハウジングの遠位端に向けて軸方向に移動する。
【0026】
好ましくは、別の実施形態によれば、キャップ組立体がハウジングの近位端に取り付けられた後、薬剤送達デバイスは、機能的に完了する。
【0027】
好ましくは、別の実施形態によれば、薬剤送達デバイスは、注射デバイス、吸入デバイス、または医療用噴霧器である。
【0028】
概して、特許請求の範囲で使用されるすべての用語は、本明細書でその他の形が明示的に定義されない限り、本技術分野でその通常の意味に従って解釈されるべきである。「1つの(a/an/the)要素、装置、構成要素、手段など」へのすべての参照は、特段の指定がない限り、要素、装置、構成要素、手段などの少なくとも1つのインスタンスを指すものであると広く解釈すべきである。
【0029】
本発明の概念の実施形態は、例としてに過ぎないが、添付図面を参照して次に述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1A】薬剤送達デバイスの概略的な斜視図である。
【
図1B】
図1Aの薬剤送達デバイスの後方部分組立体の概略的な横断面図である。
【
図2A】
図1Bの後方部分組立体の構成要素の概略的な斜視図である。
【
図2B】
図1Aの薬剤送達デバイスのキャップ組立体の構成要素の概略的な斜視図である。
【
図2C】カバーのない
図2Bのキャップ組立体の概略的な斜視図である。
【
図3A】
図1Bの後方部分組立体のプランジャロッド、
図1Bの後方部分組立体のプランジャロッドばね、および
図1Bの後方部分組立体のホルダの概略的な横断面図である。
【
図3C】
図3Aのホルダ、および
図1Bの後方部分組立体の送達部材ガードの概略的な斜視図である。
【
図4B】
図3Aのホルダ、および
図1Bの後方部分組立体の送達部材ガードの概略的な斜視図である。
【
図4C】
図3Aのホルダ、および
図1Bの後方部分組立体の送達部材ガードの概略的な斜視図である。
【
図5A】送達部材ガードおよび薬剤容器を含まない
図1Bの後方部分組立体の概略的な斜視図である。
【
図5B】
図5Aの後方部分組立体の遠位部分の概略的な横断面図である。
【
図6B】薬剤送達デバイスの概略的な斜視図である。
【
図6C】
図6Bの後方部分組立体の遠位部分の概略的な横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1Aから
図6Cは、組立て方法を述べるために使用される薬剤送達デバイスを示す。薬剤送達デバイスは、後方部分組立体1と、キャップ組立体2と、薬剤容器3と、を備える。後方部分組立体1は、薬剤送達デバイスのパワーパックである。パワーパックは、薬剤送達デバイスが使用状態にあるとき、薬剤送達デバイスの薬剤容器3の中に含まれる薬剤を吐出するように構成される。好ましい一例では、薬剤送達デバイスは、単一の薬剤容器内に、複数のチャンバからの物質を用意する、かつ/または混合する自動機能を備える自動注射器である。代替的には、薬剤送達デバイスは、吸入デバイスまたは医療用噴霧器とすることができる。
【0032】
図1Bおよび
図2Aで示されるように、後方部分組立体1は、近位端と遠位端との間の長手方向軸Lに沿って延びるハウジング10と、プランジャロッド11と、プランジャロッド11と係合する応力を受けるプランジャロッドばね12と、ホルダ13と、ハウジング10の近位端に対して伸縮自在に配置される送達部材ガード14と、を備える。前述の定義のように、ハウジング10の遠位端は、薬剤送達デバイスの使用中に、薬剤送達部位から離れた方向を指し、ハウジング10の近位端は、薬剤送達デバイスの使用中に、薬剤送達部位の方向を指している。後方部分組立体1は、送達部材ガード14の遠位方向に向いた表面とハウジング10の近位方向を向いた表面との間に配置される送達部材ガード付勢部材15をさらに備え、任意選択で、ガイドロッド17が、プランジャロッドばね12内に位置する。ハウジング10は、任意選択で、ハウジング10に固定される薬剤容器ホルダ16を備える。薬剤容器ホルダ16は、薬剤容器3を少なくとも部分的に囲むように構成される。ハウジング10は、組立プロセス中に、キャップ組立体2と係合するように構成された締結具をさらに備える。締結具は、ハウジングの壁に配置され得る、またはハウジング10が薬剤容器ホルダ16を備える例では、締結具16aを薬剤容器ホルダ16の壁に配置することができる。
【0033】
プランジャロッド11、応力を受けるプランジャロッドばね12、およびホルダ13は、すべてハウジング10内に配置される。後方部分組立体が、送達部材ガード付勢部材15およびガイドロッド17を備える例では、送達部材ガード付勢部材15およびガイドロッド17は共に、ハウジング10の中に配置される。ハウジング10が薬剤容器ホルダ16を備える例では、薬剤容器ホルダ16もまた、ハウジング10内に配置される。応力を受けるプランジャロッドばね12は、一端でプランジャロッド11と係合し、他方の端部で、例えば、直接または間接的に、ハウジング10と係合し、したがって、応力を受けるプランジャロッドばね12は、後方部分組立体1、キャップ組立体2、および薬剤容器3が共に組み立てられた後、プランジャロッド11をハウジング10の近位方向に駆動して、薬剤容器3に含まれる薬剤を吐出するように構成される。プランジャロッド11が、ホルダに対して開始位置にあるとき、ホルダ13は、プランジャロッドばね12からの付勢力に対してプランジャロッド11を解放可能に保持するように構成される。
図3Bで示されるように、プランジャロッド11は、ホルダ13の遠位方向のカウンタ保持面13aと係合する近位方向の保持面11aを備え、遠位方向のカウンタ保持面13aは、長手方向軸Lに対して概して直角である。一例では、プランジャロッドばね12は、
図3Aで示されるように、プランジャロッド11内に少なくとも部分的に配置される。別の例では、プランジャロッドばねは、プランジャロッドの少なくとも一部を囲む。一例では、ホルダ13は、長手方向軸Lの周りでプランジャロッド11に対して回転可能な回転体である。回転体は、概して、管状本体と、遠位方向のカウンタ保持面13aを画定するために、管状本体の表面に配置された棚(または代替的に凹部もしくは切欠き)と、を備える。別の例では、ホルダは、ハウジングを横断する方向にプランジャロッドに対して直線的に移動可能なスライダである。ホルダは、概して管状本体と、遠位方向のカウンタ保持面を画定するために、壁の表面に配置された棚(または代替的に凹部または切欠き)と、を備える。ホルダ13は、薬剤送達デバイスのトリガに接続するように構成され、またプランジャロッドを元の位置から解放するために、トリガにより移動されるように構成され、したがって、プランジャロッドは、プランジャロッドばねからの付勢力下で、ハウジングの近位方向に移動し、したがって、薬剤送達デバイスに含まれた薬剤を吐出する。例えば、薬剤送達デバイスが、送達部材ガード14の動きにより活動化されるように構成されるとき(送達部材ガードはトリガとして働く)、ホルダは、次いで、送達部材ガードに接続され、別の例では、薬剤送達デバイスが、親指ボタンなどのボタンの動きにより活動化されるように構成される場合(親指ボタンがトリガとして働く)、ホルダはボタンに接続される。
【0034】
キャップ組立体2は、近位端(閉じた端部)と遠位端(開放端)との間で、長手方向軸Lに沿って延びるカバー20を備える。カバー20は、薬剤送達動作を行う前、すなわち、薬剤送達デバイスを使用する前に、例えば、薬剤送達デバイスが注射器であるときの薬剤送達デバイスの針などの、薬剤送達部材を覆うように構成される。薬剤送達部材は、薬剤送達デバイスの近位端に配置されるので、カバー20は、薬剤送達デバイスに少なくとも部分的に取り付けられるように構成される。好ましい例では、カバーは、針を覆うように構成される。好ましい例では、カバー20は、近位端と遠位端との間で延びるスリーブ形状の本体を備える。代替的にカバーは、平坦なボタン形状の本体を備え、この例では、薬剤送達部材は、主として、薬剤送達デバイスのハウジング内に受け入れられ、したがって、カバーは、薬剤送達デバイスの近位端の先端を覆うように構成される。一例では、キャップ組立体は、カバー内に配置される送達部材シールドリムーバ(remover)を備える。薬剤送達デバイスが、剛性のある針シールド、および/または可撓性のある針シールドを備える薬剤容器を用いる自動注射器である例では、キャップ組立体の送達部材シールドリムーバは、薬剤容器の剛性のある針シールドおよび可撓性のある針シールドの少なくとも一方と固定的に係合するように構成される。この例では、薬剤容器はシリンジ(薬剤容器上に一体の針またはノズルを備える薬剤容器)である。別の例では、
図2Bから
図2Dで示されるように、キャップ組立体2は、カバーおよびベース23を、また任意選択で、送達部材21および送達部材ホルダ22を備える。送達部材21、送達部材ホルダ22、およびベース23はすべて、カバー20内に少なくとも部分的に配置され、カバー20に対してすべて移動可能である。送達部材21は、送達部材ホルダ22に固定される。送達部材21は、遠位の鋭い端部および近位の送達端部を備える。この例では、薬剤容器3は、カートリッジ(薬剤容器上に一体の針またはノズルを有しない薬剤容器)である。送達部材21の遠位の鋭い端部は、薬剤容器と送達部材21の近位の送達端部との間に流体連通を確立するように活動化されると、薬剤容器3の近位の封止を貫通するように構成される。送達部材21の近位の送達端部は、含まれた薬剤を最終使用者に送達するように構成される。例えば、送達部材21の近位の送達端部は、針または噴霧ノズルとすることができる。ベース23は、近位部分23aと、遠位部分23bと、カウンタ締結具23cと、を備える。送達部材ホルダ22および送達部材21は、ベース23の近位部分内に受け入れられる。カウンタ締結具23cは、薬剤送達デバイスの組立プロセス中に、ハウジング10の締結具16aと係合するように構成される。好ましい例では、締結具16aおよびカウンタ締結具23cは、スナップ嵌め係合を形成する。好ましい例では、キャップ組立体2が、送達部材21および送達部材ホルダ22を備える場合、薬剤容器と送達部材21の近位の送達端部との間の流体連通の確立は、カバー20を除去することによって活動化される。他方で、キャップ組立体2が、送達部材21および送達部材ホルダ22を備えていない例では、最終ユーザは、送達部材を取り付けることにより、例えば、ペンニードルを取り付けることにより、薬剤容器と送達部材との間の流体連通を確立することができる。
【0035】
本発明の記述は、カバーを除去することにより、薬剤容器と送達部材の近位の送達端部との間の流体連通をどのようにして活動化させるかを詳細に説明するものではないが、それは、薬剤容器と送達部材の近位の送達端部との間で流体連通を活動化する方法は多く存在するからであり(例えば、特許文献1の開示を参照のこと)、薬剤容器と送達部材の近位の送達端部との間でどのようにして流体連通を活動化するかは、本発明の一部ではないことに留意されたい。同様に、本発明の記述は、どのようにして薬剤送達動作をトリガするか(プランジャロッドをホルダから完全に開放する)を詳細に説明するものではなく、それは、薬剤送達動作をトリガするための様々な多くの方法が存在するからであり(例えば、特許文献2を参照のこと)、薬剤送達動作をどのようにしてトリガするかは、本発明の一部ではない。
【0036】
本発明の方法は、薬剤送達デバイスのハウジング10を提供するステップと、薬剤送達デバイスのパワーユニットを提供するステップと、パワーユニットをハウジング10の中に組み込むステップと、を含む。パワーユニットは、プランジャロッド11と、プランジャロッド11に係合されるホルダ13と、を備える。したがって、後方部分組立体1が組み立てられる。本発明の方法は、近位端と遠位端との間で、長手方向軸Lに沿って延びるキャップ組立体2を提供するステップと、キャップ組立体2をプランジャロッド11またはホルダ13のいずれかに接続するステップと、キャップ組立体2がハウジング10の近位端に取り付けられるまで、キャップ組立体2を、ハウジング10に対してハウジング10の遠位方向に移動させるステップと、を備える。キャップ組立体2をハウジング10に対して移動させるステップ中に、キャップ組立体2は、プランジャロッド11をホルダ13に対して移動させる。
【0037】
一例では、プランジャロッドをホルダに対して移動させるステップは、ホルダ13をプランジャロッド11に対して能動的に移動させるステップを含む。この例では、
図3Cで示されるように、ホルダ13は、ホルダ13の壁に配置されたガイド構造132を備える。送達部材ガード14は、ホルダ13のガイド構造132に沿って移動するように構成されたガイド従動子141を備える。ガイド従動子141は、長手方向軸を横断する方向に、送達部材ガード14の表面から延びる、好ましくは、送達部材ガード14の遠位端面から延びる突起とすることができる。この例では、送達部材ガード14は、ハウジングに対して軸方向に移動可能であるに過ぎない。ガイド従動子141がホルダ13のガイド構造132に沿って移動するとき、ガイド従動子141の軸方向の動きは、プランジャロッド11に対してホルダ13を回転させる(ホルダ13が回転体である場合)、またはホルダ13を長手方向軸Lを横断する方向に、プランジャロッド11に対して直線的に移動させる(ホルダがスライダである場合)ように構成される。ガイド構造132は、ホルダ13の壁上の複数の棚(または代替的に、凹部または切欠き)により形成された迷路(labyrinth)とすることができる。ホルダ13が回転体である例では、迷路は、回転体の管状体で螺旋状に延びる2つの部分132b、132dを備え、したがって、送達部材ガード14のガイド従動子141が部分132b、132dに沿って移動するとき、回転体は、プランジャロッド11に対して回転することになる。他方で、ホルダがスライダである例では、迷路は対角線部分を備え、その結果、送達部材ガードのガイド従動子が、対角線部分に沿って移動するとき、スライダは、長手方向軸Lを横断する方向に、プランジャロッド11に対して直線的に移動することになる。対角線部分または螺旋状に延びる部分132b、132dはまた、スライダもしくは回転体の縁部にそれぞれ形成できることに留意されたい。
【0038】
一例では、
図4Bで示されるように、キャップ組立体2をハウジング10の近位端に取り付ける前に、ガイド従動子141は、ガイド構造132の事前組立部分132a上に位置する。好ましい例では、送達部材ガード付勢部材15は、ハウジング10と送達部材ガード14との間にすでに組み立てられている。この例では、送達部材ガード14は、ハウジング10の近位端から突き出ている。
【0039】
次のステップは、送達部材ガード14をキャップ組立体2と接触させることである。好ましい例では、キャップ組立体2のカバー20の遠位端は、ハウジング10の近位端と位置合わせされ、キャップ組立体2のカバー20の遠位端は、送達部材ガード14の近位端に接触する。その後に、送達部材ガード14は、キャップ組立体2により、ハウジング10に対して遠位方向に移動される。送達部材ガード14の遠位の移動は、ガイド従動子141を、ガイド構造132の対角線部分、または螺旋状に延びる部分132b、132dの1つに沿って移動させ、したがって、ハウジング10の締結具16aが、キャップ組立体2のカウンタ締結具23cと係合するまで、ホルダ13は、プランジャロッド11に対して回転する、または直線的に移動する。プランジャロッド11は、ここでホルダ13に対して初期位置にある。送達部材ガード14は、次いで、後退位置へと移動し、それにより、送達部材ガード付勢部材15を圧縮する。ガイド従動子141は、それにより、ホルダ13のガイド構造132の中間位置132cに位置する。したがって、最終ユーザが、薬剤送達デバイスを使用したい場合、最終ユーザは、まず、カバー20を薬剤送達デバイスから取り除くことになる。カバー20が外されると、送達部材ガード14は、送達部材ガード付勢部材15の付勢力の下で、ハウジング10に対して近位方向に移動することになる。ガイド従動子141は、それにより、ガイド構造132の対角線部分、または螺旋状に延びる部分132b、132dの他方に沿って移動し、したがって、プランジャロッド11は、初期位置から解放されて開始位置へと移動する。薬剤送達デバイスの最初の動作が、それにより実施される。プランジャロッド11が開始位置にあるとき、プランジャロッド11は、薬剤送達動作の前に、プランジャロッドばねの力に対してプランジャロッドを保持するために、ホルダ13と係合する、または任意の他の適切な構成要素と係合することができる。好ましい例では、ホルダ13は、
図4Dで示されるように、第2の遠位方向のカウンタ保持面13bを備える。第2の遠位方向のカウンタ保持面13bは、長手方向軸Lに対して周方向に、遠位方向のカウンタ保持面13aの一端から延び、遠位方向のカウンタ保持面13aに対して、例えば、10度と80度との間など、角度が付けられている。この例では、ガイド従動子141は、ガイド従動子141が、ガイド構造132の中間位置132cに位置するとき、(ホルダ13が回転体であるか、スライダであるかに応じて)ホルダ13の回転、または直線的な、横断する動きを阻止するように構成される。例えば、ガイド構造132は、長手方向軸Lを横断する方向に、ガイド従動子141に当接する1つまたは複数の棚を備えることができる。この例では、プランジャロッド11が元の位置にあるとき、近位方向の保持面11aは、遠位方向のカウンタ保持面13aと係合する。ホルダ13をプランジャロッド11に対して移動させる組立ステップ中は、プランジャロッド11は初期位置へと移動し、したがって、近位方向の保持面11aは、第2の遠位方向のカウンタ保持面13bと係合する。この例では、第2の遠位方向のカウンタ保持面13bは傾斜面であるので、ガイド従動子141が、ガイド構造132の中間位置132cから離れて移動すると、ホルダ13は、プランジャロッドばね12の力の下でプランジャロッド11により移動されることになる。したがって、送達部材ガード付勢部材15は強力である必要がなく、ホルダは、第2の遠位方向のカウンタ保持面の角度の選択に応じて、1つの対角線部分または螺旋状の延びる部分を備え得るだけであり、それは、この場合、ホルダが第2の遠位方向のカウンタ保持面とプランジャロッドとの間の係合により移動され得るからである。この例では、薬剤容器3は、カートリッジまたはシリンジとすることができ、薬剤容器3は、ハウジング10の近位端から、またはハウジングの遠位端から、後方部分組立体のハウジングの中に組み込まれ得る。好ましい例では、キャップ組立体2をハウジング10の近位端に取り付ける前に、方法はさらに、薬剤容器3を提供するステップと、薬剤容器3を、ハウジング10の近位端からハウジングの中に挿入するステップと、を含む。したがって、キャップ組立体2を取り付けるステップは、薬剤送達デバイスを組み立てる最終ステップであり、機能的な観点から、薬剤送達デバイスが、最終ユーザにより使用される用意ができたことを意味する(法的/営業的な側面からは、薬剤送達デバイスにはラベルが貼付される、かつ/またはパッケージへと包装されることがさらに必要になり得る)。
【0040】
別の例では、ホルダ13に対してプランジャロッド11を移動させるステップは、ホルダ13に対してプランジャロッド11を能動的に移動させるステップを含む。この例は、カートリッジを含む薬剤送達デバイスを組み立てるために適しており、その組立ステップを用いると、キャップ組立体2をハウジング10の近位端に取り付ける前に、方法は、薬剤容器3を提供するステップと、
図5Aで示されるように、薬剤容器3を、ハウジング10の近位端からハウジングの中に挿入するステップと、をさらに含む。この例では、後方部分組立体1が提供されたとき、プランジャロッド11は、その元の位置にあり、
図5Bで示されるように、近位方向の保持面11aが、ホルダ13の遠位方向のカウンタ保持面13aと係合することを意味する。組立中、キャップ組立体2のカバー20の遠位端は、ハウジング10の近位端と位置合わせされる。プランジャロッド11をホルダ13に対して移動させるステップは、
図6Aで示されるように、薬剤容器3の近位端をベース23の遠位部分23bと接触させるステップを含み、好ましい例では、それにより、近位の肩部分をベース23の遠位部分23bと接触させる。したがって、キャップ組立体2を、ハウジングの近位端に取り付けるステップはまた、プランジャロッド11を、プランジャロッドばね12の力に抗して、ホルダ13に対して遠位方向に押すことができる。そのステップは、薬剤容器3を、キャップ組立体2を用いて、ハウジング10に対して遠位方向に移動させるステップと、
図6Bで示されるように、プランジャロッド11の近位端を薬剤容器3の遠位端と接触させるステップと、薬剤容器3の遠位端を用いて、プランジャロッド11を、ハウジング10に対して遠位方向に移動させるステップと、
図6Cで示すように、プランジャロッド11の近位方向の保持面11aを、ホルダ13の遠位方向のカウンタ保持面13aから離れて、長手方向軸Lの方向に移動させるステップと、をさらに含む。カートリッジは、封止された薬剤容器であり、したがって、薬剤容器と送達部材との間で流体連通が確立される前に、含まれた薬剤を、薬剤容器から吐出することはできない。したがって、キャップ組立体2が、ハウジング10の近位端に取り付けられたとき、ベース23の遠位部分23bは、薬剤容器を押して、ホルダ13に対して遠位方向にあるプランジャロッド11をその初期位置へと移動させ、プランジャロッド11は、その後に薬剤容器により、元の/開始位置へと移動して戻ることを妨げられる。最終ユーザが、カバー20を外すことにより、または例えば、ペンニードルなどの送達部材を取り付けることにより、薬剤容器と送達部材21との間で流体連通を確立したとき、薬剤容器はもはや封止されていないので、プランジャロッドばね12の力に抗してプランジャロッド11を妨げることはできず、したがって、プランジャロッド11は、プランジャロッド11の近位方向の面11aがホルダ13の遠位方向のカウンタ保持面13aと係合するまで、ホルダ13に対して近位方向に移動し、したがって、薬剤送達デバイスの初期動作が行われる。この例では、送達部材ガード14は、キャップ組立体2により後退した位置へと移動される、または単にキャップ組立体2のカバーによって囲まれる。
【0041】
本発明の概念は、主として、いくつかの例を参照して上記で述べられてきた。しかし、当業者であれば容易に理解されるように、前述したもの以外の他の実施形態も、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の概念の範囲内で同様に可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 後方部分組立体
2 キャップ組立体
3 薬剤容器
10 ハウジング
11 プランジャロッド
11a 近位方向の保持面
12 応力を受けるプランジャロッドばね
13 ホルダ
13a 遠位方向のカウンタ保持面
13b 第2の遠位方向のカウンタ保持面
14 送達部材ガード
15 送達部材ガード付勢部材
16 薬剤容器ホルダ
16a 締結具
17 ガイドロッド
20 カバー
21 送達部材
22 送達部材ホルダ
23 ベース
23a 近位部分
23b 遠位部分
23c カウンタ締結具
132 ガイド構造
132a 事前組立部分
132b 部分
132c 中間位置
132d 部分
141 ガイド従動子
L 長手方向軸
【国際調査報告】