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特表2024-530781左右対称の器具および吸水ホースアダプタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】左右対称の器具および吸水ホースアダプタ
(51)【国際特許分類】
   A61G 15/16 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
A61G15/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513833
(86)(22)【出願日】2022-08-24
(85)【翻訳文提出日】2024-03-25
(86)【国際出願番号】 EP2022073587
(87)【国際公開番号】W WO2023030993
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】21193781.8
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515304558
【氏名又は名称】デンツプライ・シロナ・インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】519410367
【氏名又は名称】シロナ・デンタル・システムズ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】フッフ、ヨッヘン
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA06
4C052LL04
(57)【要約】
本発明は、水ユニット(2)を有する歯科処置ユニット(1)に関し、水及び洗浄化学物質のための入口(3a)と出口(3b)とを有する集水器(3)と、集水器(3)の第1のスロット(3c1)に挿入するための取り外し可能な器具ホースアダプタ(4)と、器具ホースアダプタ(4)は、器具ホース(5)を接続するための1つ以上の開口(4a)を有し、ここで、挿入された状態で、開口(4a)が出口(3b)と流体連通し、集水器(3)の第2のスロット(3c2)に挿入するための取り外し可能な吸引ホースアダプタ(6)とを備え、吸引ホースアダプタ(6)は、吸引ホース(7)を接続するための1つ以上の開口(6a)を有し、ここで、挿入された状態で、開口(6a)は、入口(3a)と流体連通し、器具ホースアダプタ(4)および吸引ホースアダプタ(6)は、互いに交換可能であるように構成され、それにより、それぞれが第1のスロット(3c1)または第2のスロット(3c2)に任意選択で挿入されることができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水ユニット(2)を有する歯科処置ユニット(1)であって、
水及び洗浄化学物質のための入口(3a)と出口(3b)とを有する集水器(3)と、
前記集水器(3)の第1のスロット(3c1)に挿入するための取り外し可能な器具ホースアダプタ(4)と、ここで、前記器具ホースアダプタ(4)は、器具ホース(5)を接続するための1つ以上の開口(4a)を有し、ここで、挿入された状態で、前記開口(4a)が前記出口(3b)と流体連通し、
前記集水器(3)の第2のスロット(3c2)に挿入するための取り外し可能な吸引ホースアダプタ(6)とを備え、ここで、前記吸引ホースアダプタ(6)は、吸引ホース(7)を接続するための1つ以上の開口(6a)を有し、ここで、挿入された状態で、前記開口(6a)は、前記入口(3a)と流体連通し、
前記器具ホースアダプタ(4)および前記吸引ホースアダプタ(6)は、互いに交換可能であるように構成され、それにより、それぞれが前記第1のスロット(3c1)または前記第2のスロット(3c2)に任意選択で挿入されることができる、歯科処置ユニット(1)。
【請求項2】
前記吸引ホースアダプタ(6)は、前記入口(3a)から水および洗浄化学物質を受け入れるように構成されたリザーバ(6b)を有することを特徴とする、請求項1に記載の歯科処置ユニット(1)。
【請求項3】
前記吸引ホースアダプタ(6)は、吸引ホース洗浄のための一体化されたスタートボタン(6c)を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の歯科処置ユニット(1)。
【請求項4】
前記吸引ホースアダプタ(6)および前記器具ホースアダプタ(4)は、それぞれ、挿入された前記スロット(31c1;3c2)内に前記吸引ホースアダプタ(6)および前記器具ホースアダプタ(4)をロックするためのロックデバイスを有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の歯科処置ユニット(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張出願EP21193781.8の全内容は、PCTの規定の下で、この国際出願を参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、歯科処置ユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
図1aから図1bは、それぞれ、従来技術の処置ユニット(1)を示す。図1bに示すように、水ユニット(2)は、回転可能に取り付けられ、患者用椅子(1a)の右(図1c参照)又は左(図1a参照)に位置決めすることができる。
【0004】
右利き用ユニット:図1aに示されるように、器具ホース洗浄プロセスの間、水ユニット(2)が患者用椅子(1a)の左に立った状態で、器具ホース(5)は、椅子に面する水ユニット(2)の側に位置する器具ホースアダプタに経路指定され、プラグ接続されなければならない。吸引ホース洗浄プロセスの間、図1aに示されるように、水ユニット(2)が患者用椅子(1a)の左に立った状態で、吸引ホース(7)は、椅子から離れて面する水ユニット(2)の側に位置する吸引ホースアダプタに経路指定され、プラグ接続されなければならない。
【0005】
左利き用ユニット:他方、図1cに示されるように、水ユニット(2)が患者用椅子(1a)の右側に位置決めされた状態での器具ホース洗浄プロセス中に、器具ホース(5)は、椅子から離れる方を向く水ユニット(2)の側に配置された器具ホースアダプタにガイドされ、プラグ接続されなければならない。これにより、ホース(5)が激しくねじれ、その結果、損傷する危険性がある。吸引ホース洗浄プロセス中、図1cに示すように、水ユニット(2)が患者用椅子(1a)の右側に位置決めされた状態で、吸引ホース(7)は、水ユニット(2)の椅子に面する側に位置する吸引ホースアダプタに経路指定され、プラグ接続されなければならない。吸引ホースアダプタに配置された吸引ホース洗浄プロセスのためのスタートボタンも、患者用椅子(1a)を横切って作動されなければならない。吸引ホース(7)のプラグ接続とスタートボタンの押圧の両方は、吸引ホース洗浄プロセス中に数回行うことができる。したがって、患者用椅子(1a)にわたって吸引ホース洗浄プロセスを操作することは、人間工学的に極めて好ましくない。吸引ホース洗浄プロセスは、各処置の後に行われるべきであるため、歯科処置ユニットは、左利き用ユニットとしては不十分である。
【0006】
歯科医および処置ユニットの補助要素の衛生は、歯科作業にとって極めて重要である。従来技術においては、水ユニットのそれぞれの左側及び右側の配置における器具及び吸水ホースアダプタが、制限されたアクセス可能性及び操作性を有することができるという問題がある。
【発明の概要】
【0007】
現在、本発明者らは、器具および吸水ホースアダプタが水ユニット内のそれらの位置において交換できる、任意の先行技術の処置ユニットを認識していない。
【0008】
本発明の目的は、水ユニットが右又は左に立った状態で、洗浄プロセスを等しく効率的に実行することができる処置ユニット又は回転可能な処置ユニットを提供することである。
【0009】
本目的は更に、請求項1に記載の歯科処置ユニットによって達成される。従属請求項の主題事項は、更なる展開に関する。
【0010】
本発明による歯科処置ユニットは、水ユニットを有する。水ユニットは、水及び洗浄化学物質のための入口と出口とを有する集水器と、集水器の第1のスロットに挿入するための取り外し可能な器具ホースアダプタと、ここで、器具ホースアダプタは器具ホースを接続するための1つ以上の開口を有し、ここで、挿入されるとき、開口が出口と流体連通し、集水器の第2のスロットに挿入するための取り外し可能な吸引ホースアダプタとを備え、ここで、吸引ホースアダプタは、吸引ホースを接続するための1つ以上の開口を有し、ここで、挿入されるとき、開口が入口と流体連通する。これにより、器具ホースアダプタ及び吸引ホースアダプタは、互いに交換可能であるように設計され、それにより、それぞれが第1のスロット又は第2のスロットに任意に挿入されることができる。
【0011】
本発明の主な有利な効果は、本発明による歯科処置ユニットが、既知の処置ユニットと比較して、無制限に左右互換性があることである。器具ホースアダプタ及び吸水ホースアダプタは、ユーザ自身によって、数回の簡単なステップで、取り外し、交換し、水ユニットのそれぞれの「好ましい」側に挿入することができる。技術者の介入は必要なく、処置ユニット上で設定を行うか又は変更する必要はない。
【0012】
本発明による処置ユニットの別の主要な有利な効果は、器具ホースアダプタ及び吸引チューブアダプタが、それらの取り外し可能性に起因して改善された衛生を可能にすることである。器具ホースアダプタおよび吸引ホースアダプタは、それ自体、例えば熱消毒器内で容易かつ効率的に洗浄することができる。器具ホースアダプタ及び吸引ホースアダプタが取り外されたときに露出する集水器において、汚染及び堆積物は、例えば、それらを手で拭き取ることによって容易に除去されることができる。
【0013】
本発明による処置ユニットの別の主要な有利な効果は、ユーザが必要な衛生対策を効率的に実行することを可能にすることである。高度の自動化と、処置ユニットの水ユニットへの器具ホースアダプタ及び吸引ホースアダプタの一体化とは、使用の容易さを増大させる。
【0014】
有利な実施形態では、吸引ホースアダプタは、入口からの所定量の水または洗浄化学物質を保持するように設計されたリザーバを有する。リザーバのおかげで、吸引ホース洗浄中に所定量の液体を吸引ホース内に引き込むことができる。
【0015】
有利な実施形態では、吸引ホースアダプタは、吸引ホース洗浄のための一体化されたスタートボタンを有する。スタートボタンは、磁気スイッチ、光スイッチ、または電気機械スイッチであってもよい。統合されたスタートボタンのおかげで、吸引ホース洗浄は、常に吸引ホースアダプタの側で開始できる。
【0016】
有利な実施形態では、吸引ホースアダプタおよび器具ホースアダプタは、それぞれ、挿入されたスロット内にそれらをロックするためのロックデバイスを有する。ロックデバイスは、スナップロック、クランプロック、ねじロック、ラッチ要素の形態で提供されることができる。ロックデバイスのおかげで、アダプタは、確実に固定され、または容易に取り外されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
下記の説明において、例示的な実施形態を使用し、図面を参照することによって、本発明についてより詳細に説明する。
図1a図1aは、水ユニットが患者の椅子の左側に配置されている最新技術からの歯科処置ユニットを示す。
図1b図1bは、水ユニットが患者用椅子の左から右へ回転されている間の図1aの歯科処置ユニットを示す。
図1c図1cは、図1aの歯科処置ユニットを示し、水ユニットは患者用椅子の右側に配置されている。
図2a図2aは、一実施形態による歯科処置ユニットの部分図を示し、蓋が器具ホースアダプタの前に配置されている。
図2b図2bは、図2aの歯科処置ユニットの部分図であり、蓋が器具ホースアダプタの前部から取り外されている。
図3a図3aは、取り外し可能で交換可能な器具チューブアダプタ及び吸引チューブアダプタを有する本発明の一実施形態による処置ユニットの部分図を示し、ユーザは、スロットから器具ホースアダプタを取り外す。
図3b図3bは、取り外し可能で交換可能な器具ホースアダプタ及び吸引ホースアダプタを有する本発明の一実施形態による処置ユニットの部分図を示し、ユーザは、集水器のスロットを洗浄する。
図3c図3cは、取り外し可能で交換可能な器具ホースアダプタ及び吸引ホースアダプタを有する本発明の一実施形態による処置ユニットの部分図を示し、ユーザは、吸引ホースアダプタをスロットから取り外す。
図3d図3dは、取り外し可能で交換可能な器具ホースアダプタ及び吸引ホースアダプタを有する本発明の一実施形態による処置ユニットの部分図を示し、ユーザは、集水器内のスロットを洗浄する。
図4a図4aは、本発明の一実施形態による、集水器、器具ホースアダプタ、および吸引ホースアダプタの拡大詳細図を示す。
図4b図4bは、本発明の一実施形態による集水器、器具ホースアダプタ、および吸引ホースアダプタの拡大詳細図を示し、器具ホースアダプタと吸引ホースアダプタとが互いに交換されている。
図5a図5aは、図4aの集水器、器具ホースアダプタ、および吸引ホースアダプタの分解図を示す。
図5b図5bは、図4bの集水器、器具ホースアダプタおよび吸引ホースアダプタの分解図を示す。
図6a図6aは、図4aの集水器、器具ホースアダプタ、および吸引ホースアダプタの断面図を示す。
図6b図6bは、図4bの集水器、器具ホースアダプタ、および吸引ホースアダプタの断面図を示す。
図7a図7aは、本発明の一実施形態による吸引ホース洗浄シーケンスを示す。
図7b図7bは、本発明の一実施形態による吸引ホース洗浄シーケンスを示す。
図8a図8aは、本発明の一実施形態による器具チューブ洗浄のシーケンスを示す。
図8b図8bは、本発明の一実施形態による器具チューブ洗浄のシーケンスを示す。
【0018】
図面に示される参照番号は、下記に列挙される要素を示し、例示的な実施形態の以下の説明において参照される:
1. 歯科処置ユニット
1a. 患者用椅子
1b. 回転機構
1c. 歯科医要素(トレイ)
1d. 補助要素(トレイ)
2. 水ユニット(タワー)
3. 集水器
3a. 入口
3b. 出口(ドレイン)
3c1.第1のスロット
3c2.第2のスロット
3d. カバー
4. 器具ホースアダプタ(スロット)
4a. 開口
5. 器具ホース
6. 吸引ホースアダプタ(スライドイン)
6a. 開口
6b. リザーバ
6c. スタートボタン
6c1.リードスイッチ
7. 吸引ホース
【0019】
図2aおよび図2bは、それぞれ、水ユニット(2)を有する本発明による歯科処置ユニット(1)を部分的に示す。水ユニット(2)は、患者用椅子(1a)の左側に配置される。しかしながら、それは、回転機構(1b)によって患者用椅子(1a)の右側に配置されることができる。図6a及び図6bに示すように、水ユニット(2)は、水及び洗浄化学物質のための入口(3a)と出口(3b)とを有する集水器(3)を含む。集水器(3)は、好ましくは、漏斗形状の底部を有する(図7a)。あるいは、底部は、平坦に作製され得るか、または他の幾何学的形状をとることができる。出口(3b)は、図示しない排水系に接続されている。図4a及び図5aに示すように、水ユニット(2)は、集水器(3)の第1のスロット(3c1)に挿入するための取り外し可能な器具ホースアダプタ(4)を含む。器具ホースアダプタ(4)は、器具ホース(5)を接続するための1つ以上の開口(4a)を有する。図6a及び図6bに示されるように、挿入状態において、開口(4a)は、出口(3b)と流体連通する。図4b及び図5bに示すように、水ユニット(2)は、集水器(3)の第2のスロット(3c2)に挿入するための取り外し可能な吸引ホースアダプタ(6)を含む。吸引ホースアダプタ(6)は、吸引ホース(7)を接続するための1つ以上の開口(6a)を有する。図6aおよび図6bに示されるように、挿入された状態では、開口(6a)は、入口(3a)と流体連通している。図6a及び図6bに示すように、吸引ホースアダプタ(6)は、好ましくは、入口(3a)から水及び洗浄化学物質を受け入れるように設計されたリザーバ(6b)を有する。吸引ホースアダプタ(6)のリザーバ(6b)は、挿入されたときに、集水器(2)の中心を横切って突出し、集水器(2)に挿入された側からであっても、供給された水および洗浄化学物質を受け入れることができるように設計されている。好ましくは、水及び洗浄化学物質の供給は、集水器(2)に集中される。吸引ホースアダプタ(6)が挿入されていない場合、供給された水および洗浄化学物質は、それによって、集水器(2)の排水管(3b)に流れ込む。あるいは、開口(6a)は、1つ以上の安全弁(図示せず)を介して入口(3a)に直接接続可能であるように設計されることができる。したがって、リザーバ(6b)の使用を省略することができる。図4aから図5bに示すように、器具ホースアダプタ(4)および吸引ホースアダプタ(6)は、互いに交換可能であるように設計されており、それぞれを第1のスロット(3c1)または第2のスロット(3c2)に任意にプラグ接続することができる。
【0020】
集水器(2)及びアダプタ(4;6)の形状は、必ずしも、図示されるようにH字形状である必要はない。互換性を可能にする他の設計も使用することができる。集水器(2)およびアダプタ(4、6)は、代替的に、箱形状などであってもよい。本発明にとって重要なことは、集水器(2)の対称的な設計または互換性、すなわち、好ましくは集水器(2)の対向する右側および左側にある、器具および吸水ホースアダプタ(4;6)のための同一のインターフェースまたはスロット(3c1;3c2)である。
【0021】
吸引ホースアダプタ(6)および器具ホースアダプタ(4)は、好ましくは、それぞれ、挿入されたスロット(31c1;3c2)内にそれらをロックするためのロックデバイス(図示せず)を有する。ロックデバイスは、圧力嵌め接続および/または形状嵌め接続を有してもよい。例えば、スナップロック、クランプロック、ねじロック、ラッチ要素などは、個々にまたは組み合わせて使用されることができる。
【0022】
[洗浄プロセス]
洗浄プロセスは、以下の説明においてより詳細に説明される。統合された洗浄プロセスは、本発明による処置ユニットのユーザが器具カップリングおよびそれらのホース(5;7)を衛生的に保つことをより容易にすることを意図している。
【0023】
以下の洗浄プロセスが、歯科要素(1c)に対して提供される:
-(自動)パージ=水で器具ホース(5)および器具カップリングを洗い流す。
-消毒=器具ホース(5)および器具カップリングを消毒剤で洗い流す。
【0024】
補助要素(1d)のために、以下の洗浄プロセスが提供される:
-前記補助要素(1d)の任意のスプレイビット(sprayvit):
歯科要素(1c)の器具と共に消毒
-吸引ホース洗浄=吸引ホース(7)を水及び任意選択的に洗浄化学物質で洗い流す
【0025】
[パージ/消毒]
パージ/消毒は、水または消毒剤を流すことによる、歯科医要素(1c)の器具およびそれらのホース(5)のための処置ユニット(1)上の洗浄プロセスである。パージとは、処置具の水路を水で洗い流すことをいう。消毒とは、処置器具の水路を消毒剤で洗い流すことをいう。この手順は以下の通りであり、図8aおよび図8bに部分的に示されている:
1.歯科医要素(1c)のユーザインターフェース上でパージ/消毒プロセスが開始される。
ここに示されたダイアログは、パージプロセスを実行する。
2.開口(4a)に吸引器具を挿入する(器具は図8aおよび8bには示されていない)。
3.パージ/消毒される全ての器具が挿入された後、パージ/消毒プロセスは、ユーザインターフェースを通して入力を行うことによって継続される。
4.パージ/消毒される器具の水路は、水または消毒剤で洗い流される。
【0026】
水/殺菌剤は、器具から集水器(2)に流れ、そこから、集水器の出口(3b)を通って、歯科処置ユニット(1)の廃水システム(図示せず)に流れる。
【0027】
[吸水ホース洗浄]
吸水ホース洗浄は、補助要素(1d)の吸引器具およびそれらのホース(7)のための処置ユニット(1)上での、大量の(好ましくは約200ml)の水または特別な洗浄化学物質と混合された水を吸引することによる洗浄プロセスである(任意の設備)。
この手順は以下の通りであり、図7aおよび図7bに部分的に示されている:
1.開口(6a)に吸引器具をプラグ接続(吸引器具は図7aおよび図7bには示されていない);
2.スタートボタン(6c)を押す;
3.吸引ホースアダプタ(6)上のリザーバ(6b)は、入口(3a)を通して水(任意の設備が選択される場合、化学混合物を含む)で充填される;
4.プラグ接続された吸引器具は自動的に作動され、液体は、プラグ接続された吸引器具によって吸引ホースアダプタ(6)のリザーバ(6b)から吸い出される。(廃水システムの吸引ポンプシステムは、当業者には知られており、ここでは詳細に説明しない)。
【0028】
吸引ホースアダプタ(6)は、任意選択で、吸引ホース洗浄用の一体化されたスタートボタン(6c)を有する。吸引ホース洗浄用のスタートボタン(6c)は、吸引ホースアダプタ(6)に組み込まれる。その結果、吸引ホース洗浄用のスタートボタン(6c)は常に吸引ホースアダプタ(6)側に位置する。スタートボタン(6c)のための異なる実施形態が考えられる。一実施形態では、スタートボタン(6c)は、作動されるとリードスイッチ(6c1)またはホールセンサを作動させる、一体化されたマグネットを有する。リードスイッチ(6c1)は、図5aおよび図5bに示すように、集水器(2)上に対称的に配置することができる。別の実施形態では、集水器(2)は、スタートボタン(6c)によって遮断されることができる、対称的に配置され、一体化された光バリアセンサ(図示せず)を有する。さらなる実施形態において、集水器(2)は、対称的に配置されたマイクロスイッチを有し、これらのマイクロスイッチは、スタートボタン(6c)の機械的作動によって、吸引ホース洗浄を開始するための電気インパルスをトリガする。したがって、電気的、磁気的、または光学的機構を使用することができる。あるいは、集水器(2)または集水器(2)の周囲のハウジングは、中央に配置されたリードスイッチ(6c1)(またはホールセンサもしくは光バリアセンサもしくはマイクロスイッチ)のみを備えることもできる。
【0029】
比較のために、図1aから図1cは、器具ホースアダプタおよび吸引ホースアダプタが取り外し可能ではなく、かつ交換可能ではない、従来技術による「回転可能な」歯科処置ユニット(1)を示す。従来技術と比較して、本発明の主な有利な効果は、本発明による歯科処置ユニット(1)が、既知の処置ユニットと比較して、無制限に左右互換性があることである。器具ホースアダプタ(4)及び吸引ホースアダプタ(6)は、ユーザ自身によって、いくつかの簡単なステップで、手動で取り外され、交換され、水ユニット(2)のそれぞれの「好ましい」側に挿入されることができる。技術者の介入は必要なく、処置ユニット(2)に設定を行うか又は変更する必要はない。器具ホースアダプタ(4)および吸引ホースアダプタ(6)は、集水器(2)に対して同じ幾何学的インターフェースを有し、集水器(2)の右または左スロット(3c1;3c2)のいずれかにプラグ接続することができる。図3aから図3dに示すように、ユーザは、器具ホースアダプタ(4)または吸引ホースアダプタ(6)を集水器(2)から取り外し、スロット(3c1;3c2)を洗浄することができる。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
【手続補正書】
【提出日】2024-05-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水ユニット(2)を有する歯科処置ユニット(1)であって、
水及び洗浄化学物質のための入口(3a)と出口(3b)とを有する集水器(3)と、
前記集水器(3)の第1のスロット(3c1)に挿入するための取り外し可能な器具ホースアダプタ(4)と、ここで、前記器具ホースアダプタ(4)は、器具ホース(5)を接続するための1つ以上の開口(4a)を有し、ここで、挿入された状態で、前記開口(4a)が前記出口(3b)と流体連通し、
前記集水器(3)の第2のスロット(3c2)に挿入するための取り外し可能な吸引ホースアダプタ(6)とを備え、ここで、前記吸引ホースアダプタ(6)は、吸引ホース(7)を接続するための1つ以上の開口(6a)を有し、ここで、挿入された状態で、前記開口(6a)は、前記入口(3a)と流体連通し、
前記器具ホースアダプタ(4)及び前記吸引ホースアダプタ(6)は、互いに交換可能であるように構成され、それにより、それぞれが前記第1のスロット(3c1)又は前記第2のスロット(3c2)に任意選択で挿入されることができる、歯科処置ユニット(1)。
【請求項2】
前記吸引ホースアダプタ(6)は、前記入口(3a)から水及び洗浄化学物質を受け入れるように構成されたリザーバ(6b)を有することを特徴とする、請求項1に記載の歯科処置ユニット(1)。
【請求項3】
前記吸引ホースアダプタ(6)は、吸引ホース洗浄のための一体化されたスタートボタン(6c)を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の歯科処置ユニット(1)。
【請求項4】
前記吸引ホースアダプタ(6)及び前記器具ホースアダプタ(4)は、それぞれ、挿入された前記スロット(31c1;3c2)内に前記吸引ホースアダプタ(6)及び前記器具ホースアダプタ(4)をロックするためのロックデバイスを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の歯科処置ユニット(1)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
比較のために、図1aから図1cは、器具ホースアダプタおよび吸引ホースアダプタが取り外し可能ではなく、かつ交換可能ではない、従来技術による「回転可能な」歯科処置ユニット(1)を示す。従来技術と比較して、本発明の主な有利な効果は、本発明による歯科処置ユニット(1)が、既知の処置ユニットと比較して、無制限に左右互換性があることである。器具ホースアダプタ(4)及び吸引ホースアダプタ(6)は、ユーザ自身によって、いくつかの簡単なステップで、手動で取り外され、交換され、水ユニット(2)のそれぞれの「好ましい」側に挿入されることができる。技術者の介入は必要なく、処置ユニット(2)に設定を行うか又は変更する必要はない。器具ホースアダプタ(4)および吸引ホースアダプタ(6)は、集水器(2)に対して同じ幾何学的インターフェースを有し、集水器(2)の右または左スロット(3c1;3c2)のいずれかにプラグ接続することができる。図3aから図3dに示すように、ユーザは、器具ホースアダプタ(4)または吸引ホースアダプタ(6)を集水器(2)から取り外し、スロット(3c1;3c2)を洗浄することができる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 水ユニット(2)を有する歯科処置ユニット(1)であって、
水及び洗浄化学物質のための入口(3a)と出口(3b)とを有する集水器(3)と、
前記集水器(3)の第1のスロット(3c1)に挿入するための取り外し可能な器具ホースアダプタ(4)と、ここで、前記器具ホースアダプタ(4)は、器具ホース(5)を接続するための1つ以上の開口(4a)を有し、ここで、挿入された状態で、前記開口(4a)が前記出口(3b)と流体連通し、
前記集水器(3)の第2のスロット(3c2)に挿入するための取り外し可能な吸引ホースアダプタ(6)とを備え、ここで、前記吸引ホースアダプタ(6)は、吸引ホース(7)を接続するための1つ以上の開口(6a)を有し、ここで、挿入された状態で、前記開口(6a)は、前記入口(3a)と流体連通し、
前記器具ホースアダプタ(4)および前記吸引ホースアダプタ(6)は、互いに交換可能であるように構成され、それにより、それぞれが前記第1のスロット(3c1)または前記第2のスロット(3c2)に任意選択で挿入されることができる、歯科処置ユニット(1)。
[2] 前記吸引ホースアダプタ(6)は、前記入口(3a)から水および洗浄化学物質を受け入れるように構成されたリザーバ(6b)を有することを特徴とする、[1]に記載の歯科処置ユニット(1)。
[3] 前記吸引ホースアダプタ(6)は、吸引ホース洗浄のための一体化されたスタートボタン(6c)を有することを特徴とする、[1]又は[2]に記載の歯科処置ユニット(1)。
[4] 前記吸引ホースアダプタ(6)および前記器具ホースアダプタ(4)は、それぞれ、挿入された前記スロット(31c1;3c2)内に前記吸引ホースアダプタ(6)および前記器具ホースアダプタ(4)をロックするためのロックデバイスを有することを特徴とする、[1]から[3]のいずれか一項に記載の歯科処置ユニット(1)。
【国際調査報告】