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特表2024-530789スイートコーン穀粉を含む水中油型エマルション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】スイートコーン穀粉を含む水中油型エマルション
(51)【国際特許分類】
   A23D 7/005 20060101AFI20240816BHJP
   A23J 3/14 20060101ALI20240816BHJP
   A23D 7/02 20060101ALI20240816BHJP
   A23L 27/60 20160101ALN20240816BHJP
【FI】
A23D7/005
A23J3/14
A23D7/02
A23L27/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514035
(86)(22)【出願日】2022-08-23
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 US2022041149
(87)【国際公開番号】W WO2023034069
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/240,391
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512035620
【氏名又は名称】コーンプロダクツ ディベロップメント インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100142387
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 都子
(74)【代理人】
【識別番号】100135895
【弁理士】
【氏名又は名称】三間 俊介
(72)【発明者】
【氏名】ケイトリン メイラー
(72)【発明者】
【氏名】クエン グエン
【テーマコード(参考)】
4B026
4B047
【Fターム(参考)】
4B026DC06
4B026DG05
4B026DL04
4B026DL06
4B026DX04
4B047LB09
4B047LE03
4B047LG03
4B047LG11
4B047LG18
4B047LG41
4B047LG62
4B047LP02
(57)【要約】
本明細書に開示される技術は、スイートコーン穀粉を含む水中油型エマルションに関する。様々な実施形態では、水中油型エマルションは、豆類タンパク質を更に含む。水中油型エマルションを得るために液体又は粉末形態で使用することができる、豆類タンパク質及びスイートコーン穀粉を含む乳化剤組成物も開示される。開示される水中油型エマルションの実施形態は、経時的な油滴サイズの変化によって測定されるように、油と水の分離に対して長期安定である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
油及び水のエマルションであって、
a.前記エマルションの約20%~約80%の量、又は
i.約20%~約65%、若しくは約20%~約50%、若しくは約20%~約40%、及び
ii.約65重量%~約80重量%、若しくは約70重量%~約80重量%、若しくは約70重量%~約75重量%からなる群から選択される範囲の量の油と、
b.前記エマルションの約0.15重量%~約1.0重量%、又は0.15重量%~約0.55重量%、又は約0.25重量%~約0.45重量%、又は約0.30重量%~約0.40重量%の量の豆類、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質と、
c.前記エマルションの約0.1重量%~約1.0重量%、又は約0.2%~約0.80%(w/w)、又は約0.4%~約0.8%(w/w)、又は約0.5%~約0.8%(w/w)の量のスイートコーン穀粉と、
d.水性成分と、を含み、
任意選択的に、前記エマルションが、卵を含まず、
任意選択的に、前記スイートコーン穀粉が、清澄化されていないスイートコーン穀粉である、エマルション。
【請求項2】
前記エマルションが、親水コロイド又は変性デンプンを含まない、請求項1に記載のエマルション。
【請求項3】
前記エマルションが、前記スイートコーン穀粉以外のデンプンを含まない、請求項1又は2に記載のエマルション。
【請求項4】
5未満又は約3~約5、又は約2.5~約7のpHを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のエマルション。
【請求項5】
約10,000~約50,000cP、又は約15,000~約30,000cP、又は約15,000~約25,000cPの粘度を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のエマルション。
【請求項6】
前記スイートコーン穀粉が、水中油型エマルションを最大6ヶ月間又は最大1年間安定化させるのに十分な量で含有される、請求項1~5のいずれか一項に記載のエマルション。
【請求項7】
約5ミクロン~約20ミクロン、又は約5ミクロン~約15ミクロン、又は約10~約15ミクロンの平均油滴サイズを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のエマルション。
【請求項8】
少なくとも1ヶ月間に約5ミクロン未満変化する前記エマルション内の平均油滴サイズを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のエマルション。
【請求項9】
5℃又は25℃のうちの1つ以上での1ヶ月の貯蔵にわたって約5ミクロン未満変化する平均油滴サイズ(体積平均)の変動を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のエマルション。
【請求項10】
5℃又は25℃のうちの1つ以上で貯蔵されたとき、6ヶ月にわたって約5ミクロン未満変化する平均油滴サイズの変動を有する、請求項1~9に記載のエマルション。
【請求項11】
前記スイートコーン穀粉が、前記エマルションの水性相中に、前記エマルションの少なくとも約0.10%(w/w)、若しくは少なくとも約0.15%(w/w)、若しくは少なくとも約0.20%(w/w)の量で、又は約0.15%~約0.55%、若しくは約0.25%~約0.45%、若しくは約0.30%~約0.40%、若しくは約0.15%~約1.0%の量で溶解されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のエマルション。
【請求項12】
エマルションに長期安定性を提供するためのスイートコーン穀粉の使用であって、前記スイートコーン穀粉が、前記エマルションの水性相に、前記エマルションの少なくとも約0.10%(w/w)、若しくは少なくとも約0.15%(w/w)、若しくは少なくとも約0.20%(w/w)の量で、又は約0.15%~約0.55%、若しくは約0.25%~約0.45%、若しくは約0.30%~約0.40%、若しくは約0.15%~約1.0%の量で溶解され、
任意選択的に、前記スイートコーン穀粉が、清澄化されていないスイートコーン穀粉である、使用。
【請求項13】
エマルションを作製する方法であって、
a)油であって、前記エマルションの約20%~約80%の量、又は
i.約20%~約65%、若しくは約20%~約50%、若しくは約20%~約40%、及び
ii.約65重量%~約80重量%、若しくは約70重量%~約80重量%、若しくは約70重量%~約75重量%からなる群から選択される範囲の量の油と、
b.水性成分と、
c.前記エマルションのその10%~30%、又は約10%~約25%、又は約15%~約25%、又は約15%~約20%の量の乳化剤混合物であって、
前記乳化剤混合物が、前記乳化剤混合物の約1%~約3%の量の豆類、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質と、前記乳化混合物の約2%~約5%又は約3%~約4%の量のスイートコーン穀粉と、を含む、水性混合物である、乳化剤混合物と、を混合することを含み、
任意選択的に、前記エマルションが、卵を含まず、
任意選択的に、前記スイートコーン穀粉が、清澄化されていないスイートコーン穀粉である、方法。
【請求項14】
前記乳化剤前記豆類タンパク質、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質が、水溶液で提供され、
任意選択的に、前記豆類タンパク質が、ヒヨコマメタンパク質である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記乳化剤混合物が、スイートコーン穀粉を、前記豆類タンパク質、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質水溶液中で加熱することによって得られる、13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記乳化剤混合物が、前記豆類タンパク質、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質水溶液、及びスイートコーン穀粉を、約90℃~約100℃の温度で最大約10分間加熱することによって得られる、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記乳化剤混合物が、約5%~約15%又は約5%~約10%の総溶解固形含量を有する、請求項13~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記方法が、親水コロイド又は変性デンプンを前記エマルションに添加することを含まない、請求項13~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記方法が、親水コロイド又は変性デンプンを添加することを含まない、請求項13~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記方法が、前記スイートコーン穀粉以外のデンプンを添加することを含まない、請求項13~19のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、スイートコーン穀粉を含む水中油型エマルションを開示する。好ましくは、記載された水中油型エマルションは、豆類タンパク質を更に含む。
【0002】
水中油型エマルションは、様々な食品組成物において一般的である。エマルションを安定化するために使用される一般的な乳化剤としては、卵、変性デンプン(オクテニルコハク酸変性デンプンなど)、モノグリセリド、又はジグリセリドが挙げられる。これらの成分は、例えば、完全菜食主義者用組成物を好むか、又は変性デンプンを使用しない組成物を好む一部の消費者によって好まれない場合がある。豆類タンパク質は、変性デンプン、卵、モノグリセリド、又はジグリセリドの代わりに乳化剤として使用されてきた。しかしながら、そのようなエマルションは、卵、変性デンプン、モノグリセリド、又はジグリセリドを使用するものよりも比較的安定性が低く、これは、比較的短期間で、豆類タンパク質乳化剤を使用したエマルションの油及び水は、エマルション中の油滴のサイズの変化によって証明されるように分離し始めることを意味する。本明細書は、水中油型エマルションにおけるスイートコーン穀粉の使用、特に豆類タンパク質乳化剤を使用するものを開示する。記載されているように使用される、豆類タンパク質及びスイートコーン穀粉を含むエマルションは、豆類タンパク質のみを使用するエマルションよりも油及び水分離に対して安定である。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】スイートコーン穀粉を使用しないヒヨコマメタンパク質を含む水中油型エマルションの油滴サイズ分布をグラフで示す。
図2】ヒヨコマメタンパク質を含みスイートコーン穀粉を使用した水中油型エマルションの油滴サイズ分布をグラフで示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
一態様では、本明細書に開示される技術は、甘味性穀粉、好ましくはスイートコーン穀粉を使用する水中油型エマルションに関する。好ましくは、実施形態では、開示される水中油型エマルションは、豆類タンパク質を含む。本明細書に記載のエマルションは、経時的なエマルション中の油滴のサイズの一貫性によって示されるように、油及び水の分離に対して長期安定性を有する。
【0005】
本明細書中の「甘味性穀粉」という用語は、優性対立遺伝子としてのSu-1、及び劣性対立遺伝子としてのsu-1と略記することができる、劣性sugary-1遺伝子を含む穀物、穀類又は穀粒の胚乳から得られる穀粉を意味する。甘味性穀粉の供給源に関して限定することを意図しないが、甘味性穀粉の有用な供給源はスイートコーンである。スイートコーンから得られる穀粉は、本明細書では「スイートコーン穀粉」と呼ばれる。本明細書中でスイートコーンと呼ばれるsugary-1劣性コーンは、コーンの銀クイーン変種として入手可能である。sugary-1遺伝子は公知であり、デンプンの生合成におけるその役割は他者によって研究されている。(例えば、James,M.G.,et al,「Characterization of the maize gene sugary1,a determinant of starch composition in kernels,」Plant Cell vol.7,pp.417-429(1995)を参照されたい。)以下は、甘味性穀粉を更に説明するために提供されるが、デンプン生合成経路における劣性sugary-1遺伝子の効果の完全な理解を制限することを意図するものではない。劣性sugary-1遺伝子は、デンプンの正常な合成を妨害する。スイートコーンに関して、スイートコーン穀粒中のデンプンのかなりの部分(時には70%超)は、デンプンポリマーが、アミロペクチン又はアミロースにおいて一般的であるよりもグリコシド間に実質的により多くのアルファ-1-6連結を有する、化学構造を有する。sugary-1変異体の異常デンプンポリマーは、(アミロース及びアミロペクチンに共通するように)顆粒を形成しない。また、sugary-1突然変異体の異常デンプンポリマーは、デンプンを水に可溶化するために典型的に必要とされる更なる処理なしに水に可溶性である:換言すれば、それらはデンプン粒の事前のゼラチン化なしに可溶性である。
【0006】
甘味性穀粉及びスイートコーン穀粉は、穀粉を得るために、甘味性穀類又はスイートコーン穀粒を製粉することによって得ることができる。甘味性穀粉は、他の穀粉と同様に、多糖類、脂質、タンパク質、及び灰分を含有する。しかしながら、甘味性穀粉は、実質的な可溶性デンプンを天然に有することにより、ほとんどの穀粉とは異なる。本明細書中の甘味性穀粉及びスイートコーン穀粉は、デンプンの代わりに穀粉として分類されるのに十分なタンパク質を有する。最も広い意味では、スイートコーン穀粉は少なくとも0.5%(重量%)を有する。好ましい実施形態では、甘味性穀粉及びスイートコーン穀粉は、未加工の製粉製品(本明細書では清澄化されていない甘味性穀粉又は清澄化されていないスイートコーンと呼ばれる)中に約8%超のタンパク質を超えるタンパク質含量を有する。他の好ましい実施形態では、甘味性穀粉及びスイートコーン穀粉は、清澄された製品中に2%~8%のタンパク質を有し、本明細書において清澄化された甘味性穀粉又は清澄化されたスイートコーン穀粉と呼ばれる。
【0007】
本明細書内では、清澄化されていない及び清澄化された甘味性穀粉の両方を総称して甘味性穀粉と呼ぶ。また、本明細書では、清澄化されていないスイートコーン穀粉及び清澄化されたスイートコーン穀粉の両方を総称してスイートコーン穀粉と呼ぶ。
【0008】
本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味性穀粉、好ましくは、スイートコーン穀粉は、70重量%~80重量%の可溶性デンプンを含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味性穀粉は、約8%~約14%、又は約8%~約12%のタンパク質を含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味性穀粉は、穀粉の約10重量%~約30重量%の顆粒デンプン(アミロース及びスイートコーン穀粉)、又は約13%~約30%、又は約20%~約30%を含む。脂質、灰分、及び他の糖も存在し得るが、穀粉の1重量%以下の量である。顆粒デンプン及びタンパク質は、一般に、更なる処理なしでは不溶性である。
【0009】
本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味性穀粉は、少なくともいくらかのタンパク質及び顆粒デンプンを除去するために清澄化され得る。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味性穀粉は、濾過若しくは遠心分離、又は穀粉内のデンプン、可溶性物質、タンパク質などの構成成分を分離する他の既知の手順によって清澄化され得る。例えば、遠心分離を使用して、可溶性構成成分が上清に残り、不溶性構成成分から注ぐことができる。任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、より均一な組成物を得るために、(例えば、精密濾過、限外濾過、又は逆浸透濾過を使用して)高圧濾過されない。
【0010】
本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉又は清澄化されたスイートコーン穀粉は、0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散指数を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、本明細書に記載される清澄化された甘味性穀粉又は清澄化されたスイートコーン穀粉内の可溶性デンプンは、0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散指数を有する
【0011】
任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉又は清澄化されたスイートコーンは、100~200nm、又は100~150nm、又は120~140nmの平均粒径を有する。任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉又は清澄化されたスイートコーン内の可溶性デンプンは、100~200nm、又は100~150nm、又は120~140nmの平均粒径を有する。多分散指数及び平均粒径は、動的光散乱を使用して溶液中で測定することができる。
【0012】
本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、約85%~約95%の可溶性デンプンを含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、穀粉の約85重量%~約90重量%の可溶性デンプンを含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、好ましくは、清澄化されたスイートコーン穀粉である。
【0013】
本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、穀粉の約3重量%超の量のスイートコーンタンパク質含量を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、穀粉の約4重量%~約9重量%の量のスイートコーンタンパク質含量を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、穀粉の約4重量%~約6重量%のスイートコーンタンパク質含量を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、甘味性穀粉よりも少ない不溶性デンプン含量を有する。任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、穀粉の約5重量%未満の不溶性デンプン含量を有する。
【0014】
本明細書に記載の清澄された及び清澄化されていない甘味性穀粉を含む甘味性穀粉、並びに本明細書に記載の清澄化された及び清澄化されていない甘味性穀粉を含むスイートコーン穀粉は、エマルションを安定化するのに有用である。好ましい実施形態では、エマルションは食品組成物である。好ましい実施形態では、エマルションは、豆類タンパク質ベースの乳化剤を含む。好ましい実施形態では、本明細書に記載される水中油型エマルションは、豆類タンパク質及び清澄化されていないスイートコーン穀粉を含む。好ましい実施形態では、水中油型エマルションは、乳化剤として豆類タンパク質を使用し、安定剤として清澄化されていないスイートコーン穀粉を使用する。少なくともいくつかの実施形態では、豆類タンパク質及びスイートコーン穀粉を混合して、水中油型エマルション中の乳化剤組成物として使用される乳化剤を形成することができる。少なくともいくつかの実施形態では、豆類タンパク質及びスイートコーン穀粉を混合し、乾燥させて、粉末状豆類タンパク質乳化剤組成物を形成する。
【0015】
本明細書内で、エマルション中で使用するための豆類タンパク質は、任意の豆類に由来し得る。好ましい豆類は、エンドウマメ又はヒヨコマメ由来である。豆類タンパク質は、例えば豆類タンパク質の溶解度を増加させることによって、乳化機能を有するように官能化されてもよい。可溶性豆類タンパク質は、例えば、タンパク質を脱アミド化することによって(例えば、グルタミナーゼ酵素をタンパク質に適用することによって)、又はタンパク質を加水分解してより小さいペプチドを得ることによって、ベース豆類タンパク質を変性することによって得ることができる。代替的に、豆類タンパク質のいくつかの部分は、水に自然に可溶性であり、豆類又は豆類穀粉を水に浸漬するプロセスで得ることができる。例えば、乳化剤組成物又は水中油型エマルションにおいて有用な豆類タンパク質は、豆類又は豆類穀粉を水中で調理し、次いで調理水から固形物を濾すことによって得ることができる。保持された調理水は、約1%~5%の豆類タンパク質含量を有する有用な豆類タンパク質乳化剤をもたらす。ブリックススケールを使用して測定した場合、豆類タンパク質を含む調理水は、約5°~約10°、又は約5°~約9°、又は約5°~約8°、又は約5°~約7°、又は約6°~約8°、又は約6°~約9°、又は約6°~約8°のブリックスのブリックスで測定した固形分含量を有する。
【0016】
任意の実施形態では、本明細書は、油及び水のエマルションであって、油であって、約20%~約80%の量、又は、i.約20%~約65%、又は約20%~約50%、又は約20%~約40%、及び、ii.エマルションの約65重量%~約80重量%、又は約70重量%~約80重量%、又は約70重量%~約75重量%からなる群から選択される範囲の量の、油と、エマルションの約0.15重量%~約1.0重量%、又は0.15重量%~約0.55重量%、又は約0.25重量%~約0.45重量%、又は約0.30重量%~約0.40重量%の量の豆類、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質と、エマルションの約0.1重量%~約1.0重量%、又は約0.2%~約0.80%(w/w)、又は約0.4%~約0.8%(w/w)、又は約0.5%~約0.8%(w/w)の量のスイートコーン穀粉と、水性成分と、を含み、任意選択的に、エマルションは、卵を含まない、エマルションを記載している。好ましい実施形態では、そのようなエマルションのスイートコーン穀粉は、清澄化されていないスイートコーン穀粉である。
【0017】
本明細書に記載されるエマルションにおいて、スイートコーン穀粉は、エマルションの水性相中に、エマルションの少なくとも約0.10%(w/w)、若しくは少なくとも約0.15%(w/w)、若しくは少なくとも約0.20%(w/w)の量で、又は約0.15%~約0.55%、若しくは約0.25%~約0.45%、若しくは約0.30%~約0.40%、若しくは約0.15%~約1.0%の量で溶解されている。
【0018】
本明細書に開示されるエマルションの実施形態は、5未満、又は約3~約5、又は約2.5~約7のpHを有する。本明細書に開示されるエマルションの実施形態は、約10,000~約50000cP、又は約15000~約30000cP、又は約15000~約25000cPの粘度を有する。本明細書に開示されるエマルションの実施形態は、約5ミクロン~約20ミクロン、又は約5ミクロン~約15ミクロン、又は約10~約15ミクロンの平均油滴サイズを有する。
【0019】
本明細書に開示されるエマルションの実施形態は、経時的な油滴サイズの変化に関して安定である。本明細書において、油滴サイズは、粒径分析器を使用して測定することができ、油滴サイズのミクロン単位の直径として報告される。また、平均油滴サイズは、体積平均直径として報告され、すなわち、平均液滴は、容器中の油滴の体積に関して測定された平均サイズを有する液滴の直径として報告される。
【0020】
本明細書に記載される任意の実施形態において、エマルションは、油滴サイズの変化に関して、最大6ヶ月間又は最大1年間、水中油型エマルションに対して十分なスイートコーン穀粉を含む。本明細書に記載される任意の実施形態において、エマルションは、少なくとも1ヶ月間に約5ミクロン未満変化するエマルション内の平均油滴サイズを有する。本明細書に記載される任意の実施形態において、エマルションは、5℃又は25℃のうちの1つ以上での1ヶ月の貯蔵にわたって約5ミクロン未満変化する平均油滴サイズ体積平均の変動を有する。本明細書に記載される任意の実施形態において、エマルションは、5℃又は25℃のうちの1つ以上で貯蔵されたとき、6ヶ月にわたって約5ミクロン未満変化する平均油滴サイズの変動を有する。
【0021】
様々な実施形態では、本明細書に記載される粘度及び安定性は、乳化剤及びスイートコーン穀粉以外の親水コロイド又はデンプンを使用せずに得られる。
【0022】
本明細書に記載のエマルションは、スイートコーン穀粉を水性豆類タンパク質乳化剤又はより一般的には水性相中に分散させて穀粉を液体中に分散させることによって作製される。本明細書に記載される任意の実施形態では、スイートコーン穀粉は、約90℃~約100℃の温度で最大約10分間、水性豆類タンパク質を有するか、又はより一般的には水性相である。水性相中にスイートコーン穀粉を分散させた後、油を水性相に添加し、その組み合わせを混合してエマルションを形成する。
【0023】
別の態様では、本明細書は、豆類タンパク質及びスイートコーン穀粉を含む、液体又は乾燥した乳化剤組成物を開示する。いくつかの実施形態では、本明細書は、乳化剤混合物の約1%~約3%の量の豆類タンパク質、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質と、乳化混合物の約2%~約5%又は約3%~約4%の量のスイートコーン穀粉と、を含む豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物を開示し、組成物は液体であり、好ましくは、スイートコーン穀粉は清澄化されていないスイートコーン穀粉である。豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物の任意の実施形態は、約5%~約15%又は約5%~約10%の総固形含量を有する。
【0024】
任意の実施形態では、本明細書は、粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物であって、約50%~約90%(重量%)の量のスイートコーン穀粉と、約10%~約50%(重量%)の量の豆類タンパク質と、を含む、粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物を開示する。
【0025】
任意の実施形態では、本明細書は、乳化剤混合物の約1%~約3%の量の豆類タンパク質、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質と、乳化混合物の約2%~約5%又は約3%~約4%の量のスイートコーン穀粉とを混合することと、混合物を乾燥させることと、を含むプロセスによって作製される粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物を開示し、好ましくは、豆類タンパク質乳化剤中の豆類タンパク質は、ヒヨコマメ又はエンドウマメ由来であり、好ましくは、スイートコーン穀粉は、清澄化されていないスイートコーン穀粉である。いくつかの実施形態では、記載される粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物は、噴霧乾燥によって乾燥される。他の実施形態では、記載される粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物は、ドラム乾燥によって乾燥される。
【0026】
様々な実施形態では、水中油型エマルションを作製する方法は、エマルションの約1重量%~約4重量%、又は約1重量%~約3重量%、又は約1重量%~約2重量%、又は約1.5重量%~2重量%の量の前述の請求項のいずれかに記載の粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤と、約20重量%~約80重量%、又はi)約65重量%~約80重量%、又は70重量%~約80重量%、又は約70重量%~約75重量%から選択される範囲の量の油と、水性成分と、を混合することを含む。前述の方法を使用して作製されたエマルションの様々な実施形態は、本明細書に記載される特性を有するエマルションを得る。
【0027】
本明細書における数字を修飾する「約」の使用は、列挙された数±10%を含むことを意味する。特許請求の範囲における値の法的に許容される記述は、概ねその値を意味する。特許請求の範囲、又は明細書における約の使用は、対象にする等価物の全範囲を制限することを意図するものではない。
【0028】
数を修飾する「本質的に」の使用、例えば、本質的に0は、具体的に列挙された量未満の最小量の汚染物質を含むことを意味する。汚染物質の量は、測定可能であってもよく、測定可能でなくてもよい。
【0029】
本明細書における不定冠詞「a」又は定冠詞「the」の記述は、文脈が別様に明確に規定しない限り、1つ以上を意味することを意味する。
【0030】
特定の実施形態を例示及び説明してきたが、当業者であれば、前述の明細書を読んだ後、方法、及び本技術の変更、均等物での置換、及びその他の種類の改変を実施することができる。上記の各態様及び実施形態はまた、他の態様及び実施形態のいずれか又は全てに関して開示されるような、かかる変形形態又は態様を含むか、又はそれらに組み込まれることができる。
【0031】
本技術はまた、本技術の個々の態様の単一の例示として意図される、本明細書に記載される態様に関して限定されるものではない。当業者には明らかであるように、本技術の多くの修正及び変更は、その趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができる。本技術の範囲内の機能的に等価な方法は、本明細書で列挙されるものに加えて、前述の記載から当業者に明らかとなろう。かかる修正及び変更は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。本技術は、当然のことながら、変化し得る、方法、複合体、試薬、化合物、組成物、標識化合物、又は生物学的系に限定されないことを理解されたい。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別途記載のない限り、又は別様に文脈と明確に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施することができる。本明細書で使用される用語は、態様の説明のみを目的とするものであり、限定することを意図するものではないことも理解されたい。それゆえ、本明細書は、添付の特許請求の範囲、その定義、及びそれらの任意の等価物のみによって示される本技術の広さ、範囲、及び趣旨のみの例示としてみなされることが意図される。本明細書中の言語は、いかなる特許請求されていない要素も必須であることを示すものとして解釈されるべきではない。
【0032】
本明細書に例示的に記載される実施形態は、本明細書で具体的に開示されていない任意の要素(複数可)、限定(複数可)のない状況で好適に実践され得る。したがって、例えば、「含む(comprising)」、「含む、挙げられる(including)」、「含有する(containing)」などの用語は、拡大的に読み取られ、限定するものではない。追加的に、本明細書で用いられる用語及び表現は、説明の用語として使用されており、限定するものではなく、かかる用語及び表現の使用において示され及び記載される特徴又はその部分の任意の等価物を排除する意図はないが、特許請求される技術の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。加えて、「から本質的になる」という語句は、具体的に列挙されたそれらの要素、並びに特許請求の範囲の技術の基本的及び新規の特徴に実質的に影響を及ぼさない追加の要素を含むと理解されよう。「からなる」という語句は、指定されていない任意の要素を除外する。
【0033】
加えて、本開示の特徴又は態様がマーカッシュ群に関して記載されている場合、当業者は、本開示がまた、マーカッシュ群のメンバーの任意の個々のメンバー又はサブグループに関して記載されることを認識するであろう。一般的な開示内に含まれるより狭い種及び下位集団の各々はまた、その技術の一部を形成する。これは、切除された材料が本明細書に具体的に記述されているかどうかにかかわらず、属から任意の主題を除去する条件又は否定的な制限を有する技術の概念の記載を含む。
【0034】
当業者に理解されるように、任意の及び全ての目的のため、特に記載された説明を提供するという観点から、本明細書に開示される全ての範囲はまた、任意の及び全ての可能な部分範囲及びそれらの部分範囲の組み合わせも包含する。いかなる列記された範囲も、少なくとも半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分割されている同じ範囲を十分に説明かつ可能にするものと容易に認識され得る。非限定的な例として、本明細書で考察される各範囲は、下3分の1、中3分の1、及び上3分の1などに容易に分割することができる。また、当業者によって理解されるように、「最大」、「少なくとも」、「超」、「未満」などの言語は全て、記述された数を含み、後に上で考察される部分範囲に分割され得る範囲を指す。最後に、当業者には理解されるように、範囲は、各々の個々の部材を含み、各別個の値は、本明細書において個々に記述されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0035】
本明細書において参照される全ての刊行物、特許出願、交付済み特許、及び他の文書(例えば、ジャーナル、記事、及び/又は教科書)は、それぞれの個々の刊行物、特許出願、発行特許、又は他の文書が、その全体を参照することで本明細書に組み込まれることが具体的、かつ個別に示されているかのように、参照することで本明細書に組み込まれる。参照することで組み込まれた本文に含まれる定義は、本開示における定義と矛盾する範囲内で除外される。
【0036】
本明細書に開示される技術は、以下の態様を参照してより良く理解することができ、これは、例示目的のために提供され、開示された技術の全範囲を制限するものではない。
1.油及び水のエマルションであって、エマルションの約20%~約80%の量、又はi.約20%~約65%、若しくは約20%~約50%、若しくは約20%~約40%、及びii.約65重量%~約80重量%、若しくは約70重量%~約80重量%、若しくは約70重量%~約75重量%からなる群から選択される範囲の量の油と、エマルションの約0.15重量%~約1.0重量%、又は0.15重量%~約0.55重量%、又は約0.25重量%~約0.45重量%、又は約0.30重量%~約0.40重量%の量の豆類、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質と、エマルションの約0.1重量%~約1.0重量%、又は約0.2%~約0.80%(w/w)、又は約0.4%~約0.8%(w/w)、又は約0.5%~約0.8%(w/w)の量のスイートコーン穀粉と、水性成分と、を含み、任意選択的に、エマルションは、卵を含まず、スイートコーン穀粉は、清澄化されていないスイートコーン穀粉である、エマルション。
2.エマルションが、親水コロイド又は変性デンプンを含まない、請求項1に記載のエマルション。
3.エマルションが、スイートコーン穀粉以外のデンプンを含まない、請求項1又は2に記載のエマルション。
4.5未満又は約3~約5、又は約2.5~約7のpHを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のエマルション。
5.約10,000~約50,000cP、又は約15,000~約30,000cP、又は約15,000~約25,000cPの粘度を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のエマルション。
6.スイートコーン穀粉が、水中油型エマルションを最大6ヶ月間又は最大1年間安定化させるのに十分な量で含有される、請求項1~5のいずれか一項に記載のエマルション。
7.約5ミクロン~約20ミクロン、又は約5ミクロン~約15ミクロン、又は約10~約15ミクロンの平均油滴サイズを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のエマルション。
8.少なくとも1ヶ月間に約5ミクロン未満変化するエマルション内の平均油滴サイズを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のエマルション。
9.5℃又は25℃のうちの1つ以上での1ヶ月の貯蔵にわたって約5ミクロン未満変化する平均油滴サイズ(体積平均)の変動を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のエマルション。
10.5℃又は25℃のうちの1つ以上で貯蔵されたとき、6ヶ月にわたって約5ミクロン未満変化する平均油滴サイズの変動を有する、請求項1~9に記載のエマルション。
11.スイートコーン穀粉が、エマルションの水性相中に、エマルションの少なくとも約0.10%(w/w)、若しくは少なくとも約0.15%(w/w)、若しくは少なくとも約0.20%(w/w)の量で、又は約0.15%~約0.55%、若しくは約0.25%~約0.45%、若しくは約0.30%~約0.40%、若しくは約0.15%~約1.0%の量で溶解されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のエマルション。
12.エマルションに長期安定性を提供するためのスイートコーン穀粉の使用であって、スイートコーン穀粉が、エマルションの水性相に、エマルションの少なくとも約0.10%(w/w)、若しくは少なくとも約0.15%(w/w)、若しくは少なくとも約0.20%(w/w)の量で、又は約0.15%~約0.55%、若しくは約0.25%~約0.45%、若しくは約0.30%~約0.40%、若しくは約0.15%~約1.0%の量で溶解され、任意選択的に、スイートコーン穀粉が、清澄化されていないスイートコーン穀粉である、使用。
13.エマルションが卵を含まず、エマルション中の豆類、又はエンドウマメタンパク、又はヒヨコマメタンパクが、エマルションの約0.15重量%~約1.0重量%、又は約0.15重量%~約0.55重量%、又は約0.25重量%~約0.45重量%、又は約0.30重量%~約0.40重量%の量で使用される、請求項12に記述の使用。
14.エマルションが、エマルションの約20重量%~約80重量%の量、又は約20重量%~約65重量%、又は約20重量%~約50重量%、又は約20重量%~約40重量%、及び約65重量%~約80重量%、又は約70重量%~約80重量%、又は約70重量%~約75重量%からなる群から選択される範囲の量の油を更に含む、請求項12又は13に記述の使用。
15.エマルションが親水コロイド又は変性デンプンを含まない、請求項12~14のいずれか一項に記述の使用。
16.5未満又は約3~約5、又は約2.5~約7のpHを有する、請求項12~15のいずれか一項に記述の使用。
17.エマルションが、約10,000~約50000cP、又は約15000~約30000cP、又は約15000~約25000cPの粘度を有する、請求項12~16のいずれか一項に記述の使用。
18.エマルションが、約10ミクロン~約20ミクロン、又は約10ミクロン~約17ミクロン、又は約10ミクロン~約15ミクロンの平均油滴サイズを有する、請求項12~17のいずれか一項に記述の使用。
19.5℃又は25℃のうちの1つ以上での1ヶ月の貯蔵にわたって約5ミクロン未満変化するより小さい平均油滴サイズの変動を有する、請求項12~18のいずれか一項に記述の使用。
20.5℃又は25℃のうちの1つ以上での6ヶ月にわたって貯蔵したときに約5ミクロン未満近く未満変化する平均油滴サイズの変動を有する、請求項12~19のいずれか一項に記述の使用。
21.エマルションを作製する方法であって、油であって、約20%~約80%の量、又は約20%~約65%、又は約20%~約50%、又は約20%~約40%、及びエマルションの約65重量%~約80重量%、又は約70%~約80%、又は約70%~約75%からなる群から選択される範囲の量の、油と、水性成分と、エマルションの10%~30%、又は約10%~約25%、又は約15%~約25%、又は約15%~約20%の量の乳化剤混合物と、を混合することを含み、乳化剤混合物が、乳化剤混合物の約1%~約3%の量の豆類、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質と、乳化混合物の約2%~約5%、又は約3%~約4%の量のスイートコーン穀粉と、を含む水性混合物であり、任意選択的に、エマルションが、卵を含まず、任意選択的に、スイートコーン穀粉が、清澄化されていないスイートコーン穀粉である、方法。
22.乳化剤豆類タンパク質、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質が、水溶液で提供され、任意選択的に、豆類タンパク質が、ヒヨコマメタンパク質である、請求項21に記載の方法。
23.乳化剤混合物が、スイートコーン穀粉を、豆類タンパク質、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質水溶液中で加熱することによって得られる、21又は22に記載の方法。
24.乳化剤混合物が、豆類タンパク質、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質水溶液、及びスイートコーン穀粉を、約90℃~約100℃の温度で最大約10分間加熱することによって得られる、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
25.乳化剤混合物が、約5°~約10°、又は約5°~約9°、又は約5°~約8°、又は約5°~約7°、又は約6°~約8°、又は約6°~約9°、又は約6°~約8°ブリックスを有する、スイートコーン穀粉ヒヨコマメタンパク質水溶液を混合することによって得られる、請求項21又は24のいずれか一項に記載の方法。
26.乳化剤混合物が、約5%~約15%又は約5%~約10%の総溶解固形含量を有する、請求項21~25のいずれか一項に記載の方法。
27.方法が、親水コロイド又は変性デンプンをエマルションに添加することを含まない、請求項21~26のいずれか一項に記載の方法。
28.方法が、親水コロイド又は変性デンプンを添加することを含まない、請求項21~27のいずれか一項に記載の方法。
29.方法が、スイートコーン穀粉以外のデンプンを添加することを含まない、請求項21~28のいずれか一項に記載の方法。
30.豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物であって、乳化剤混合物の約1%~約3%の量の豆類タンパク質、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質と、乳化混合物の約2%~約5%又は約3%~約4%の量のスイートコーン穀粉と、を含み、組成物が液体であり、任意選択的に、スイートコーン穀粉が、清澄化されていないスイートコーン穀粉である、豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物。
31.豆類タンパク質、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質が、ヒヨコマメタンパク質水溶液によって提供される、請求項30に記載の豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物。
32.約5%~約15%又は約5%~約10%の全固形含量を有する、請求項30又は31に記載の豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物。
33.組成物が、親水コロイド又は変性デンプンの添加を含まない、請求項30~32のいずれか一項に記載の豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物。
34.組成物が、スイートコーン穀粉以外のデンプンを添加することを含まない、請求項30~33のいずれか一項に記載の豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物。
35.ヒヨコマメタンパク質水溶液及びスイートコーン穀粉から本質的になる、請求項30~34のいずれか一項に記載の豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物。
36.ヒヨコマメタンパク質水溶液及びスイートコーン穀粉からなる、請求項30~35のいずれか一項に記載の豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物。
37.粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物であって、約50%~約90%(重量%)の量のスイートコーン穀粉と、約10%~約50%(重量%)の量の豆類タンパク質と、を含む、粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物。
38.乳化剤混合物の約1%~約3%の量の豆類タンパク質、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質、及び乳化混合物の約2%~約5%又は約3%~約4%の量のスイートコーン穀粉を混合することであって、任意選択的に、豆類タンパク質乳化剤中の豆類タンパク質がヒヨコマメ又はエンドウマメ由来であり、任意選択的に、スイートコーン穀粉が清澄化されていないスイートコーン穀粉である、混合すること、を含むプロセスによって作製される、請求項37に記載の粉末状豆類タンパク質乳化剤組成物。
39.水性混合物が噴霧乾燥によって乾燥されるプロセスによって得られる、請求項37又は38に記載の豆類タンパク質ベースの乳化剤。
40.水性混合物が、ドラム乾燥によって乾燥されるプロセスによって得られる、請求項37~39のいずれか一項に記載の豆類タンパク質ベースの乳化剤。
41.水中油型エマルションを作製する方法であって、エマルションの約1重量%~約4重量%、又は約1重量%~約3重量%、又は約1重量%~約2重量%、又は約1.5重量%~2重量%の量の前述の請求項のいずれかに記載の粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤と、約20重量%~約80重量%、又はi)約65重量%~約80重量%、又は70重量%~約80重量%、又は約70重量%~約75重量%から選択される範囲の量の油と、水性成分と、を混合することを含み、任意選択的に、エマルションが卵を含まない、方法。
42.ガム又はが、エマルションに添加されない、請求項41に記載の方法。
43.水性成分が、7未満又は約6未満又は約3~約6のpHを有する、請求項41又は42に記載の方法。
44.得られたエマルションが、約10ミクロン~約20ミクロン、又は約10ミクロン~約17ミクロン、又は約10ミクロン~約15ミクロンの平均油滴サイズを有する、請求項41~43のいずれか一項に記載の方法。
45.得られたエマルションが、5℃又は25℃のうちの1つ以上で、1ヶ月又は6ヶ月又は1年の貯蔵にわたって約12.5%未満、又は約10%未満、又は約7%未満、又は約5%未満、又は約2%未満変化するより小さい、平均油滴サイズの変動を有するaを有する、請求項41~44のいずれか一項に記載の方法。
46.得られたエマルションが、5℃又は25℃のうちの1つ以上で貯蔵されたとき、6ヶ月又は1年にわたって約5ミクロン未満変化する平均油滴サイズの変動を有する、請求項41~45のいずれか一項に記載の方法。
47.豆類タンパク質ベースの乳化剤が、油と混合する前に水性成分と混合される、請求項41~46のいずれか一項に記載の方法。
48.豆類タンパク質ベースの乳化剤が、油と混合する前に水性成分と混合される、請求項41~47のいずれか一項に記載の方法。
49.食品組成物における、前述の請求項のいずれかに記載の豆類タンパク質ベースの乳化剤の使用。
50.食品組成物が水中油型エマルションであり、任意選択的に、エマルションが卵を含まない、請求項49に記載の粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤の使用。
51.食品組成物が、油含量(エマルションの重量で少なくとも約70%、又は少なくとも約75%、又は約70%~約80%)を有する水中油型エマルションである、請求項49又は50に記載の粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤の使用。
52.a)エマルションの約1重量%~約4重量%、又は約1重量%~約3重量%、又は約1重量%~約2重量%、又は約1.5重量%~約2重量%、及びb)エマルションの約3重量%~約4重量%からなる群から選択される量での、請求項49~51のいずれか一項に記載の粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤の使用。
53.エマルションが、約10ミクロン~約20ミクロン、又は約10ミクロン~約17ミクロン、又は約10ミクロン~約15ミクロンの平均油滴サイズを有する、請求項49~52のいずれか一項に記載の粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤の使用。
54.最大約1ヶ月又は6ヶ月又は1年の期間にわたってエマルションを分離に対して安定化させるための、請求項49~53のいずれか一項に記載の粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤の使用。
55.エマルション安定性が、6ヶ月又は1年の貯蔵にわたって約5ミクロンのものより小さい水中油型エマルション内の平均油滴サイズの変動によって決定される、請求項49~54のいずれか一項に記載の粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤の使用。
56.最大約6ヶ月又は1年の期間にわたってエマルションを分離に対して安定化させるための、請求項49~55のいずれか一項に記載の粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤の使用。
57.エマルションが、5℃又は25℃のうちの1つ以上で貯蔵されたとき、6ヶ月又は1年にわたって約5ミクロン未満変化する平均油滴サイズの変動を有する、請求項49~56のいずれか一項に記載の粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤の使用。
【0037】
本明細書に開示される技術は、以下の実施例を参照してより良く理解することができ、これは、例示目的のために提供され、開示された技術の全範囲を制限するものではない。
【0038】
実施例1-スイートコーン穀粉安定剤を使用した水中油型エマルション
高脂肪水中油型エマルション(71%ダイズ油(重量%))を作製して、スイートコーン穀粉のエマルションを安定化させる能力を、スイートコーン穀粉を含まない高脂肪エマルションと比較して評価した。両方のエマルションは、乳化剤としてIngredion Incorporatedから入手可能なヒヨコマメタンパク質を使用した。ヒヨコマメタンパク質は、水溶液中に約3%(重量%)ヒヨコマメタンパク質のタンパク質含量を有する液体組成物である。両方のエマルションの処方を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
エマルションを以下のように作製した。対照として、油を除く全ての成分をHobart型ミキサ中で低撹拌で混合した。油を添加し、2段階プロセスで乳化した。このプロセスでは、まず、ホバート(Hobart)型ミキサ中で低速で成分を混合して粗エマルションを形成し、次いで、高せん断ミキサ又はコロイドミル中で高せん断で粗エマルションを混合して、エマルションを均質化及び仕上げした。スイートコーン穀粉を使用した試料については、スイートコーン穀粉は清澄化せず、ヒヨコマメタンパク質水溶分散液と混合した。混合物を100℃の水浴中で軽く撹拌しながら10分間加熱した。エマルションは、室温25℃及び5℃で最大6ヶ月間容器中で貯蔵される。
【0041】
貯蔵エマルションと比較した初期エマルションの油滴サイズの変化を比較することによって、エマルションを安定性について評価した。油滴サイズは、Beckman Coulter製LS13320SWレーザーベースの粒子サイズ分析装置を使用して測定した。対照エマルションの油滴サイズ分布を図1に報告する。スイートコーン穀粉を含むエマルションの油滴サイズ分布を図2に報告する。両方の図において、油滴サイズは、油滴のミクロンで測定された直径であり、対数スケールで水平軸上に報告される。垂直軸は、水平軸上に報告された直径を有する液滴のパーセント(試料の体積による)を報告する。
【0042】
図1に見られるように、スイートコーン穀粉を含まない対照水中油型エマルションは、最初のエマルションと、25℃で3ヶ月間貯蔵した試料と、5℃で6ヶ月間貯蔵した試料との間で、油滴サイズに実質的な変動があった。比較のために、図2に見られるように、スイートコーン穀粉を含む水中油型エマルションは、最初の試料と、5℃又は25℃の貯蔵で6ヶ月間貯蔵した試料とを比較すると、同様の油滴サイズを有していた。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2024-05-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、スイートコーン穀粉を含む水中油型エマルションを開示する。好ましくは、記載された水中油型エマルションは、豆類タンパク質を更に含む。
【0002】
水中油型エマルションは、様々な食品組成物において一般的である。エマルションを安定化するために使用される一般的な乳化剤としては、卵、変性デンプン(オクテニルコハク酸変性デンプンなど)、モノグリセリド、又はジグリセリドが挙げられる。これらの成分は、例えば、完全菜食主義者用組成物を好むか、又は変性デンプンを使用しない組成物を好む一部の消費者によって好まれない場合がある。豆類タンパク質は、変性デンプン、卵、モノグリセリド、又はジグリセリドの代わりに乳化剤として使用されてきた。しかしながら、そのようなエマルションは、卵、変性デンプン、モノグリセリド、又はジグリセリドを使用するものよりも比較的安定性が低く、これは、比較的短期間で、豆類タンパク質乳化剤を使用したエマルションの油及び水は、エマルション中の油滴のサイズの変化によって証明されるように分離し始めることを意味する。本明細書は、水中油型エマルションにおけるスイートコーン穀粉の使用、特に豆類タンパク質乳化剤を使用するものを開示する。記載されているように使用される、豆類タンパク質及びスイートコーン穀粉を含むエマルションは、豆類タンパク質のみを使用するエマルションよりも油及び水分離に対して安定である。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】スイートコーン穀粉を使用しないヒヨコマメタンパク質を含む水中油型エマルションの油滴サイズ分布をグラフで示す。
図2】ヒヨコマメタンパク質を含みスイートコーン穀粉を使用した水中油型エマルションの油滴サイズ分布をグラフで示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
一態様では、本明細書に開示される技術は、甘味性穀粉、好ましくはスイートコーン穀粉を使用する水中油型エマルションに関する。好ましくは、実施形態では、開示される水中油型エマルションは、豆類タンパク質を含む。本明細書に記載のエマルションは、経時的なエマルション中の油滴のサイズの一貫性によって示されるように、油及び水の分離に対して長期安定性を有する。
【0005】
本明細書中の「甘味性穀粉」という用語は、優性対立遺伝子としてのSu-1、及び劣性対立遺伝子としてのsu-1と略記することができる、劣性sugary-1遺伝子を含む穀物、穀類又は穀粒の胚乳から得られる穀粉を意味する。甘味性穀粉の供給源に関して限定することを意図しないが、甘味性穀粉の有用な供給源はスイートコーンである。スイートコーンから得られる穀粉は、本明細書では「スイートコーン穀粉」と呼ばれる。本明細書中でスイートコーンと呼ばれるsugary-1劣性コーンは、コーンの銀クイーン変種として入手可能である。sugary-1遺伝子は公知であり、デンプンの生合成におけるその役割は他者によって研究されている。(例えば、James,M.G.,et al,「Characterization of the maize gene sugary1,a determinant of starch composition in kernels,」Plant Cell vol.7,pp.417-429(1995)を参照されたい。)以下は、甘味性穀粉を更に説明するために提供されるが、デンプン生合成経路における劣性sugary-1遺伝子の効果の完全な理解を制限することを意図するものではない。劣性sugary-1遺伝子は、デンプンの正常な合成を妨害する。スイートコーンに関して、スイートコーン穀粒中のデンプンのかなりの部分(時には70%超)は、デンプンポリマーが、アミロペクチン又はアミロースにおいて一般的であるよりもグリコシド間に実質的により多くのアルファ-1-6連結を有する、化学構造を有する。sugary-1変異体の異常デンプンポリマーは、(アミロース及びアミロペクチンに共通するように)顆粒を形成しない。また、sugary-1突然変異体の異常デンプンポリマーは、デンプンを水に可溶化するために典型的に必要とされる更なる処理なしに水に可溶性である:換言すれば、それらはデンプン粒の事前のゼラチン化なしに可溶性である。
【0006】
甘味性穀粉及びスイートコーン穀粉は、穀粉を得るために、甘味性穀類又はスイートコーン穀粒を製粉することによって得ることができる。甘味性穀粉は、他の穀粉と同様に、多糖類、脂質、タンパク質、及び灰分を含有する。しかしながら、甘味性穀粉は、実質的な可溶性デンプンを天然に有することにより、ほとんどの穀粉とは異なる。本明細書中の甘味性穀粉及びスイートコーン穀粉は、デンプンの代わりに穀粉として分類されるのに十分なタンパク質を有する。最も広い意味では、スイートコーン穀粉は少なくとも0.5%(重量%)を有する。好ましい実施形態では、甘味性穀粉及びスイートコーン穀粉は、未加工の製粉製品(本明細書では清澄化されていない甘味性穀粉又は清澄化されていないスイートコーンと呼ばれる)中に約8%超のタンパク質を超えるタンパク質含量を有する。他の好ましい実施形態では、甘味性穀粉及びスイートコーン穀粉は、清澄された製品中に2%~8%のタンパク質を有し、本明細書において清澄化された甘味性穀粉又は清澄化されたスイートコーン穀粉と呼ばれる。
【0007】
本明細書内では、清澄化されていない及び清澄化された甘味性穀粉の両方を総称して甘味性穀粉と呼ぶ。また、本明細書では、清澄化されていないスイートコーン穀粉及び清澄化されたスイートコーン穀粉の両方を総称してスイートコーン穀粉と呼ぶ。
【0008】
本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味性穀粉、好ましくは、スイートコーン穀粉は、70重量%~80重量%の可溶性デンプンを含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味性穀粉は、約8%~約14%、又は約8%~約12%のタンパク質を含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味性穀粉は、穀粉の約10重量%~約30重量%の顆粒デンプン(アミロース及びスイートコーン穀粉)、又は約13%~約30%、又は約20%~約30%を含む。脂質、灰分、及び他の糖も存在し得るが、穀粉の1重量%以下の量である。顆粒デンプン及びタンパク質は、一般に、更なる処理なしでは不溶性である。
【0009】
本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味性穀粉は、少なくともいくらかのタンパク質及び顆粒デンプンを除去するために清澄化され得る。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味性穀粉は、濾過若しくは遠心分離、又は穀粉内のデンプン、可溶性物質、タンパク質などの構成成分を分離する他の既知の手順によって清澄化され得る。例えば、遠心分離を使用して、可溶性構成成分が上清に残り、不溶性構成成分から注ぐことができる。任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、より均一な組成物を得るために、(例えば、精密濾過、限外濾過、又は逆浸透濾過を使用して)高圧濾過されない。
【0010】
本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉又は清澄化されたスイートコーン穀粉は、0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散指数を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、本明細書に記載される清澄化された甘味性穀粉又は清澄化されたスイートコーン穀粉内の可溶性デンプンは、0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散指数を有する
【0011】
任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉又は清澄化されたスイートコーンは、100~200nm、又は100~150nm、又は120~140nmの平均粒径を有する。任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉又は清澄化されたスイートコーン内の可溶性デンプンは、100~200nm、又は100~150nm、又は120~140nmの平均粒径を有する。多分散指数及び平均粒径は、動的光散乱を使用して溶液中で測定することができる。
【0012】
本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、約85%~約95%の可溶性デンプンを含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、穀粉の約85重量%~約90重量%の可溶性デンプンを含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、好ましくは、清澄化されたスイートコーン穀粉である。
【0013】
本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、穀粉の約3重量%超の量のスイートコーンタンパク質含量を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、穀粉の約4重量%~約9重量%の量のスイートコーンタンパク質含量を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、穀粉の約4重量%~約6重量%のスイートコーンタンパク質含量を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、甘味性穀粉よりも少ない不溶性デンプン含量を有する。任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、穀粉の約5重量%未満の不溶性デンプン含量を有する。
【0014】
本明細書に記載の清澄された及び清澄化されていない甘味性穀粉を含む甘味性穀粉、並びに本明細書に記載の清澄化された及び清澄化されていない甘味性穀粉を含むスイートコーン穀粉は、エマルションを安定化するのに有用である。好ましい実施形態では、エマルションは食品組成物である。好ましい実施形態では、エマルションは、豆類タンパク質ベースの乳化剤を含む。好ましい実施形態では、本明細書に記載される水中油型エマルションは、豆類タンパク質及び清澄化されていないスイートコーン穀粉を含む。好ましい実施形態では、水中油型エマルションは、乳化剤として豆類タンパク質を使用し、安定剤として清澄化されていないスイートコーン穀粉を使用する。少なくともいくつかの実施形態では、豆類タンパク質及びスイートコーン穀粉を混合して、水中油型エマルション中の乳化剤組成物として使用される乳化剤を形成することができる。少なくともいくつかの実施形態では、豆類タンパク質及びスイートコーン穀粉を混合し、乾燥させて、粉末状豆類タンパク質乳化剤組成物を形成する。
【0015】
本明細書内で、エマルション中で使用するための豆類タンパク質は、任意の豆類に由来し得る。好ましい豆類は、エンドウマメ又はヒヨコマメ由来である。豆類タンパク質は、例えば豆類タンパク質の溶解度を増加させることによって、乳化機能を有するように官能化されてもよい。可溶性豆類タンパク質は、例えば、タンパク質を脱アミド化することによって(例えば、グルタミナーゼ酵素をタンパク質に適用することによって)、又はタンパク質を加水分解してより小さいペプチドを得ることによって、ベース豆類タンパク質を変性することによって得ることができる。代替的に、豆類タンパク質のいくつかの部分は、水に自然に可溶性であり、豆類又は豆類穀粉を水に浸漬するプロセスで得ることができる。例えば、乳化剤組成物又は水中油型エマルションにおいて有用な豆類タンパク質は、豆類又は豆類穀粉を水中で調理し、次いで調理水から固形物を濾すことによって得ることができる。保持された調理水は、約1%~5%の豆類タンパク質含量を有する有用な豆類タンパク質乳化剤をもたらす。ブリックススケールを使用して測定した場合、豆類タンパク質を含む調理水は、約5°~約10°、又は約5°~約9°、又は約5°~約8°、又は約5°~約7°、又は約6°~約8°、又は約6°~約9°、又は約6°~約8°のブリックスのブリックスで測定した固形分含量を有する。
【0016】
任意の実施形態では、本明細書は、油及び水のエマルションであって、油であって、約20%~約80%の量、又は、i.約20%~約65%、又は約20%~約50%、又は約20%~約40%、及び、ii.エマルションの約65重量%~約80重量%、又は約70重量%~約80重量%、又は約70重量%~約75重量%からなる群から選択される範囲の量の、油と、エマルションの約0.15重量%~約1.0重量%、又は0.15重量%~約0.55重量%、又は約0.25重量%~約0.45重量%、又は約0.30重量%~約0.40重量%の量の豆類、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質と、エマルションの約0.1重量%~約1.0重量%、又は約0.2%~約0.80%(w/w)、又は約0.4%~約0.8%(w/w)、又は約0.5%~約0.8%(w/w)の量のスイートコーン穀粉と、水性成分と、を含み、任意選択的に、エマルションは、卵を含まない、エマルションを記載している。好ましい実施形態では、そのようなエマルションのスイートコーン穀粉は、清澄化されていないスイートコーン穀粉である。
【0017】
本明細書に記載されるエマルションにおいて、スイートコーン穀粉は、エマルションの水性相中に、エマルションの少なくとも約0.10%(w/w)、若しくは少なくとも約0.15%(w/w)、若しくは少なくとも約0.20%(w/w)の量で、又は約0.15%~約0.55%、若しくは約0.25%~約0.45%、若しくは約0.30%~約0.40%、若しくは約0.15%~約1.0%の量で溶解されている。
【0018】
本明細書に開示されるエマルションの実施形態は、5未満、又は約3~約5、又は約2.5~約7のpHを有する。本明細書に開示されるエマルションの実施形態は、約10,000~約50000cP、又は約15000~約30000cP、又は約15000~約25000cPの粘度を有する。本明細書に開示されるエマルションの実施形態は、約5ミクロン~約20ミクロン、又は約5ミクロン~約15ミクロン、又は約10~約15ミクロンの平均油滴サイズを有する。
【0019】
本明細書に開示されるエマルションの実施形態は、経時的な油滴サイズの変化に関して安定である。本明細書において、油滴サイズは、粒径分析器を使用して測定することができ、油滴サイズのミクロン単位の直径として報告される。また、平均油滴サイズは、体積平均直径として報告され、すなわち、平均液滴は、容器中の油滴の体積に関して測定された平均サイズを有する液滴の直径として報告される。
【0020】
本明細書に記載される任意の実施形態において、エマルションは、油滴サイズの変化に関して、最大6ヶ月間又は最大1年間、水中油型エマルションに対して十分なスイートコーン穀粉を含む。本明細書に記載される任意の実施形態において、エマルションは、少なくとも1ヶ月間に約5ミクロン未満変化するエマルション内の平均油滴サイズを有する。本明細書に記載される任意の実施形態において、エマルションは、5℃又は25℃のうちの1つ以上での1ヶ月の貯蔵にわたって約5ミクロン未満変化する平均油滴サイズ体積平均の変動を有する。本明細書に記載される任意の実施形態において、エマルションは、5℃又は25℃のうちの1つ以上で貯蔵されたとき、6ヶ月にわたって約5ミクロン未満変化する平均油滴サイズの変動を有する。
【0021】
様々な実施形態では、本明細書に記載される粘度及び安定性は、乳化剤及びスイートコーン穀粉以外の親水コロイド又はデンプンを使用せずに得られる。
【0022】
本明細書に記載のエマルションは、スイートコーン穀粉を水性豆類タンパク質乳化剤又はより一般的には水性相中に分散させて穀粉を液体中に分散させることによって作製される。本明細書に記載される任意の実施形態では、スイートコーン穀粉は、約90℃~約100℃の温度で最大約10分間、水性豆類タンパク質を有するか、又はより一般的には水性相である。水性相中にスイートコーン穀粉を分散させた後、油を水性相に添加し、その組み合わせを混合してエマルションを形成する。
【0023】
別の態様では、本明細書は、豆類タンパク質及びスイートコーン穀粉を含む、液体又は乾燥した乳化剤組成物を開示する。いくつかの実施形態では、本明細書は、乳化剤混合物の約1%~約3%の量の豆類タンパク質、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質と、乳化混合物の約2%~約5%又は約3%~約4%の量のスイートコーン穀粉と、を含む豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物を開示し、組成物は液体であり、好ましくは、スイートコーン穀粉は清澄化されていないスイートコーン穀粉である。豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物の任意の実施形態は、約5%~約15%又は約5%~約10%の総固形含量を有する。
【0024】
任意の実施形態では、本明細書は、粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物であって、約50%~約90%(重量%)の量のスイートコーン穀粉と、約10%~約50%(重量%)の量の豆類タンパク質と、を含む、粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物を開示する。
【0025】
任意の実施形態では、本明細書は、乳化剤混合物の約1%~約3%の量の豆類タンパク質、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質と、乳化混合物の約2%~約5%又は約3%~約4%の量のスイートコーン穀粉とを混合することと、混合物を乾燥させることと、を含むプロセスによって作製される粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物を開示し、好ましくは、豆類タンパク質乳化剤中の豆類タンパク質は、ヒヨコマメ又はエンドウマメ由来であり、好ましくは、スイートコーン穀粉は、清澄化されていないスイートコーン穀粉である。いくつかの実施形態では、記載される粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物は、噴霧乾燥によって乾燥される。他の実施形態では、記載される粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物は、ドラム乾燥によって乾燥される。
【0026】
様々な実施形態では、水中油型エマルションを作製する方法は、エマルションの約1重量%~約4重量%、又は約1重量%~約3重量%、又は約1重量%~約2重量%、又は約1.5重量%~2重量%の量の前述の請求項のいずれかに記載の粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤と、約20重量%~約80重量%、又はi)約65重量%~約80重量%、又は70重量%~約80重量%、又は約70重量%~約75重量%から選択される範囲の量の油と、水性成分と、を混合することを含む。前述の方法を使用して作製されたエマルションの様々な実施形態は、本明細書に記載される特性を有するエマルションを得る。
【0027】
本明細書における数字を修飾する「約」の使用は、列挙された数±10%を含むことを意味する。特許請求の範囲における値の法的に許容される記述は、概ねその値を意味する。特許請求の範囲、又は明細書における約の使用は、対象にする等価物の全範囲を制限することを意図するものではない。
【0028】
数を修飾する「本質的に」の使用、例えば、本質的に0は、具体的に列挙された量未満の最小量の汚染物質を含むことを意味する。汚染物質の量は、測定可能であってもよく、測定可能でなくてもよい。
【0029】
本明細書における不定冠詞「a」又は定冠詞「the」の記述は、文脈が別様に明確に規定しない限り、1つ以上を意味することを意味する。
【0030】
特定の実施形態を例示及び説明してきたが、当業者であれば、前述の明細書を読んだ後、方法、及び本技術の変更、均等物での置換、及びその他の種類の改変を実施することができる。上記の各態様及び実施形態はまた、他の態様及び実施形態のいずれか又は全てに関して開示されるような、かかる変形形態又は態様を含むか、又はそれらに組み込まれることができる。
【0031】
本技術はまた、本技術の個々の態様の単一の例示として意図される、本明細書に記載される態様に関して限定されるものではない。当業者には明らかであるように、本技術の多くの修正及び変更は、その趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができる。本技術の範囲内の機能的に等価な方法は、本明細書で列挙されるものに加えて、前述の記載から当業者に明らかとなろう。かかる修正及び変更は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。本技術は、当然のことながら、変化し得る、方法、複合体、試薬、化合物、組成物、標識化合物、又は生物学的系に限定されないことを理解されたい。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別途記載のない限り、又は別様に文脈と明確に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施することができる。本明細書で使用される用語は、態様の説明のみを目的とするものであり、限定することを意図するものではないことも理解されたい。それゆえ、本明細書は、添付の特許請求の範囲、その定義、及びそれらの任意の等価物のみによって示される本技術の広さ、範囲、及び趣旨のみの例示としてみなされることが意図される。本明細書中の言語は、いかなる特許請求されていない要素も必須であることを示すものとして解釈されるべきではない。
【0032】
本明細書に例示的に記載される実施形態は、本明細書で具体的に開示されていない任意の要素(複数可)、限定(複数可)のない状況で好適に実践され得る。したがって、例えば、「含む(comprising)」、「含む、挙げられる(including)」、「含有する(containing)」などの用語は、拡大的に読み取られ、限定するものではない。追加的に、本明細書で用いられる用語及び表現は、説明の用語として使用されており、限定するものではなく、かかる用語及び表現の使用において示され及び記載される特徴又はその部分の任意の等価物を排除する意図はないが、特許請求される技術の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。加えて、「から本質的になる」という語句は、具体的に列挙されたそれらの要素、並びに特許請求の範囲の技術の基本的及び新規の特徴に実質的に影響を及ぼさない追加の要素を含むと理解されよう。「からなる」という語句は、指定されていない任意の要素を除外する。
【0033】
加えて、本開示の特徴又は態様がマーカッシュ群に関して記載されている場合、当業者は、本開示がまた、マーカッシュ群のメンバーの任意の個々のメンバー又はサブグループに関して記載されることを認識するであろう。一般的な開示内に含まれるより狭い種及び下位集団の各々はまた、その技術の一部を形成する。これは、切除された材料が本明細書に具体的に記述されているかどうかにかかわらず、属から任意の主題を除去する条件又は否定的な制限を有する技術の概念の記載を含む。
【0034】
当業者に理解されるように、任意の及び全ての目的のため、特に記載された説明を提供するという観点から、本明細書に開示される全ての範囲はまた、任意の及び全ての可能な部分範囲及びそれらの部分範囲の組み合わせも包含する。いかなる列記された範囲も、少なくとも半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分割されている同じ範囲を十分に説明かつ可能にするものと容易に認識され得る。非限定的な例として、本明細書で考察される各範囲は、下3分の1、中3分の1、及び上3分の1などに容易に分割することができる。また、当業者によって理解されるように、「最大」、「少なくとも」、「超」、「未満」などの言語は全て、記述された数を含み、後に上で考察される部分範囲に分割され得る範囲を指す。最後に、当業者には理解されるように、範囲は、各々の個々の部材を含み、各別個の値は、本明細書において個々に記述されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0035】
本明細書において参照される全ての刊行物、特許出願、交付済み特許、及び他の文書(例えば、ジャーナル、記事、及び/又は教科書)は、それぞれの個々の刊行物、特許出願、発行特許、又は他の文書が、その全体を参照することで本明細書に組み込まれることが具体的、かつ個別に示されているかのように、参照することで本明細書に組み込まれる。参照することで組み込まれた本文に含まれる定義は、本開示における定義と矛盾する範囲内で除外される。
【0036】
本明細書に開示される技術は、以下の態様を参照してより良く理解することができ、これは、例示目的のために提供され、開示された技術の全範囲を制限するものではない。
1.油及び水のエマルションであって、エマルションの約20%~約80%の量、又はi.約20%~約65%、若しくは約20%~約50%、若しくは約20%~約40%、及びii.約65重量%~約80重量%、若しくは約70重量%~約80重量%、若しくは約70重量%~約75重量%からなる群から選択される範囲の量の油と、エマルションの約0.15重量%~約1.0重量%、又は0.15重量%~約0.55重量%、又は約0.25重量%~約0.45重量%、又は約0.30重量%~約0.40重量%の量の豆類、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質と、エマルションの約0.1重量%~約1.0重量%、又は約0.2%~約0.80%(w/w)、又は約0.4%~約0.8%(w/w)、又は約0.5%~約0.8%(w/w)の量のスイートコーン穀粉と、水性成分と、を含み、任意選択的に、エマルションは、卵を含まず、スイートコーン穀粉は、清澄化されていないスイートコーン穀粉である、エマルション。
2.エマルションが、親水コロイド又は変性デンプンを含まない、請求項1に記載のエマルション。
3.エマルションが、スイートコーン穀粉以外のデンプンを含まない、請求項1又は2に記載のエマルション。
4.5未満又は約3~約5、又は約2.5~約7のpHを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のエマルション。
5.約10,000~約50,000cP、又は約15,000~約30,000cP、又は約15,000~約25,000cPの粘度を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のエマルション。
6.スイートコーン穀粉が、水中油型エマルションを最大6ヶ月間又は最大1年間安定化させるのに十分な量で含有される、請求項1~5のいずれか一項に記載のエマルション。
7.約5ミクロン~約20ミクロン、又は約5ミクロン~約15ミクロン、又は約10~約15ミクロンの平均油滴サイズを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のエマルション。
8.少なくとも1ヶ月間に約5ミクロン未満変化するエマルション内の平均油滴サイズを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のエマルション。
9.5℃又は25℃のうちの1つ以上での1ヶ月の貯蔵にわたって約5ミクロン未満変化する平均油滴サイズ(体積平均)の変動を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のエマルション。
10.5℃又は25℃のうちの1つ以上で貯蔵されたとき、6ヶ月にわたって約5ミクロン未満変化する平均油滴サイズの変動を有する、請求項1~9に記載のエマルション。
11.スイートコーン穀粉が、エマルションの水性相中に、エマルションの少なくとも約0.10%(w/w)、若しくは少なくとも約0.15%(w/w)、若しくは少なくとも約0.20%(w/w)の量で、又は約0.15%~約0.55%、若しくは約0.25%~約0.45%、若しくは約0.30%~約0.40%、若しくは約0.15%~約1.0%の量で溶解されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のエマルション。
12.エマルションに長期安定性を提供するためのスイートコーン穀粉の使用であって、スイートコーン穀粉が、エマルションの水性相に、エマルションの少なくとも約0.10%(w/w)、若しくは少なくとも約0.15%(w/w)、若しくは少なくとも約0.20%(w/w)の量で、又は約0.15%~約0.55%、若しくは約0.25%~約0.45%、若しくは約0.30%~約0.40%、若しくは約0.15%~約1.0%の量で溶解され、任意選択的に、スイートコーン穀粉が、清澄化されていないスイートコーン穀粉である、使用。
13.エマルションが卵を含まず、エマルション中の豆類、又はエンドウマメタンパク、又はヒヨコマメタンパクが、エマルションの約0.15重量%~約1.0重量%、又は約0.15重量%~約0.55重量%、又は約0.25重量%~約0.45重量%、又は約0.30重量%~約0.40重量%の量で使用される、請求項12に記述の使用。
14.エマルションが、エマルションの約20重量%~約80重量%の量、又は約20重量%~約65重量%、又は約20重量%~約50重量%、又は約20重量%~約40重量%、及び約65重量%~約80重量%、又は約70重量%~約80重量%、又は約70重量%~約75重量%からなる群から選択される範囲の量の油を更に含む、請求項12又は13に記述の使用。
15.エマルションが親水コロイド又は変性デンプンを含まない、請求項12~14のいずれか一項に記述の使用。
16.5未満又は約3~約5、又は約2.5~約7のpHを有する、請求項12~15のいずれか一項に記述の使用。
17.エマルションが、約10,000~約50000cP、又は約15000~約30000cP、又は約15000~約25000cPの粘度を有する、請求項12~16のいずれか一項に記述の使用。
18.エマルションが、約10ミクロン~約20ミクロン、又は約10ミクロン~約17ミクロン、又は約10ミクロン~約15ミクロンの平均油滴サイズを有する、請求項12~17のいずれか一項に記述の使用。
19.5℃又は25℃のうちの1つ以上での1ヶ月の貯蔵にわたって約5ミクロン未満変化するより小さい平均油滴サイズの変動を有する、請求項12~18のいずれか一項に記述の使用。
20.5℃又は25℃のうちの1つ以上での6ヶ月にわたって貯蔵したときに約5ミクロン未満近く未満変化する平均油滴サイズの変動を有する、請求項12~19のいずれか一項に記述の使用。
21.エマルションを作製する方法であって、油であって、約20%~約80%の量、又は約20%~約65%、又は約20%~約50%、又は約20%~約40%、及びエマルションの約65重量%~約80重量%、又は約70%~約80%、又は約70%~約75%からなる群から選択される範囲の量の、油と、水性成分と、エマルションの10%~30%、又は約10%~約25%、又は約15%~約25%、又は約15%~約20%の量の乳化剤混合物と、を混合することを含み、乳化剤混合物が、乳化剤混合物の約1%~約3%の量の豆類、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質と、乳化混合物の約2%~約5%、又は約3%~約4%の量のスイートコーン穀粉と、を含む水性混合物であり、任意選択的に、エマルションが、卵を含まず、任意選択的に、スイートコーン穀粉が、清澄化されていないスイートコーン穀粉である、方法。
22.乳化剤豆類タンパク質、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質が、水溶液で提供され、任意選択的に、豆類タンパク質が、ヒヨコマメタンパク質である、請求項21に記載の方法。
23.乳化剤混合物が、スイートコーン穀粉を、豆類タンパク質、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質水溶液中で加熱することによって得られる、21又は22に記載の方法。
24.乳化剤混合物が、豆類タンパク質、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質水溶液、及びスイートコーン穀粉を、約90℃~約100℃の温度で最大約10分間加熱することによって得られる、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
25.乳化剤混合物が、約5°~約10°、又は約5°~約9°、又は約5°~約8°、又は約5°~約7°、又は約6°~約8°、又は約6°~約9°、又は約6°~約8°ブリックスを有する、スイートコーン穀粉ヒヨコマメタンパク質水溶液を混合することによって得られる、請求項21又は24のいずれか一項に記載の方法。
26.乳化剤混合物が、約5%~約15%又は約5%~約10%の総溶解固形含量を有する、請求項21~25のいずれか一項に記載の方法。
27.方法が、親水コロイド又は変性デンプンをエマルションに添加することを含まない、請求項21~26のいずれか一項に記載の方法。
28.方法が、親水コロイド又は変性デンプンを添加することを含まない、請求項21~27のいずれか一項に記載の方法。
29.方法が、スイートコーン穀粉以外のデンプンを添加することを含まない、請求項21~28のいずれか一項に記載の方法。
30.豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物であって、乳化剤混合物の約1%~約3%の量の豆類タンパク質、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質と、乳化混合物の約2%~約5%又は約3%~約4%の量のスイートコーン穀粉と、を含み、組成物が液体であり、任意選択的に、スイートコーン穀粉が、清澄化されていないスイートコーン穀粉である、豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物。
31.豆類タンパク質、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質が、ヒヨコマメタンパク質水溶液によって提供される、請求項30に記載の豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物。
32.約5%~約15%又は約5%~約10%の全固形含量を有する、請求項30又は31に記載の豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物。
33.組成物が、親水コロイド又は変性デンプンの添加を含まない、請求項30~32のいずれか一項に記載の豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物。
34.組成物が、スイートコーン穀粉以外のデンプンを添加することを含まない、請求項30~33のいずれか一項に記載の豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物。
35.ヒヨコマメタンパク質水溶液及びスイートコーン穀粉から本質的になる、請求項30~34のいずれか一項に記載の豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物。
36.ヒヨコマメタンパク質水溶液及びスイートコーン穀粉からなる、請求項30~35のいずれか一項に記載の豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物。
37.粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物であって、約50%~約90%(重量%)の量のスイートコーン穀粉と、約10%~約50%(重量%)の量の豆類タンパク質と、を含む、粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤組成物。
38.乳化剤混合物の約1%~約3%の量の豆類タンパク質、又はエンドウマメタンパク質、又はヒヨコマメタンパク質、及び乳化混合物の約2%~約5%又は約3%~約4%の量のスイートコーン穀粉を混合することであって、任意選択的に、豆類タンパク質乳化剤中の豆類タンパク質がヒヨコマメ又はエンドウマメ由来であり、任意選択的に、スイートコーン穀粉が清澄化されていないスイートコーン穀粉である、混合すること、を含むプロセスによって作製される、請求項37に記載の粉末状豆類タンパク質乳化剤組成物。
39.水性混合物が噴霧乾燥によって乾燥されるプロセスによって得られる、請求項37又は38に記載の豆類タンパク質ベースの乳化剤。
40.水性混合物が、ドラム乾燥によって乾燥されるプロセスによって得られる、請求項37~39のいずれか一項に記載の豆類タンパク質ベースの乳化剤。
41.水中油型エマルションを作製する方法であって、エマルションの約1重量%~約4重量%、又は約1重量%~約3重量%、又は約1重量%~約2重量%、又は約1.5重量%~2重量%の量の前述の請求項のいずれかに記載の粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤と、約20重量%~約80重量%、又はi)約65重量%~約80重量%、又は70重量%~約80重量%、又は約70重量%~約75重量%から選択される範囲の量の油と、水性成分と、を混合することを含み、任意選択的に、エマルションが卵を含まない、方法。
42.ガム又はが、エマルションに添加されない、請求項41に記載の方法。
43.水性成分が、7未満又は約6未満又は約3~約6のpHを有する、請求項41又は42に記載の方法。
44.得られたエマルションが、約10ミクロン~約20ミクロン、又は約10ミクロン~約17ミクロン、又は約10ミクロン~約15ミクロンの平均油滴サイズを有する、請求項41~43のいずれか一項に記載の方法。
45.得られたエマルションが、5℃又は25℃のうちの1つ以上で、1ヶ月又は6ヶ月又は1年の貯蔵にわたって約12.5%未満、又は約10%未満、又は約7%未満、又は約5%未満、又は約2%未満変化するより小さい、平均油滴サイズの変動を有するaを有する、請求項41~44のいずれか一項に記載の方法。
46.得られたエマルションが、5℃又は25℃のうちの1つ以上で貯蔵されたとき、6ヶ月又は1年にわたって約5ミクロン未満変化する平均油滴サイズの変動を有する、請求項41~45のいずれか一項に記載の方法。
47.豆類タンパク質ベースの乳化剤が、油と混合する前に水性成分と混合される、請求項41~46のいずれか一項に記載の方法。
48.豆類タンパク質ベースの乳化剤が、油と混合する前に水性成分と混合される、請求項41~47のいずれか一項に記載の方法。
49.食品組成物における、前述の請求項のいずれかに記載の豆類タンパク質ベースの乳化剤の使用。
50.食品組成物が水中油型エマルションであり、任意選択的に、エマルションが卵を含まない、請求項49に記載の粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤の使用。
51.食品組成物が、油含量(エマルションの重量で少なくとも約70%、又は少なくとも約75%、又は約70%~約80%)を有する水中油型エマルションである、請求項49又は50に記載の粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤の使用。
52.a)エマルションの約1重量%~約4重量%、又は約1重量%~約3重量%、又は約1重量%~約2重量%、又は約1.5重量%~約2重量%、及びb)エマルションの約3重量%~約4重量%からなる群から選択される量での、請求項49~51のいずれか一項に記載の粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤の使用。
53.エマルションが、約10ミクロン~約20ミクロン、又は約10ミクロン~約17ミクロン、又は約10ミクロン~約15ミクロンの平均油滴サイズを有する、請求項49~52のいずれか一項に記載の粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤の使用。
54.最大約1ヶ月又は6ヶ月又は1年の期間にわたってエマルションを分離に対して安定化させるための、請求項49~53のいずれか一項に記載の粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤の使用。
55.エマルション安定性が、6ヶ月又は1年の貯蔵にわたって約5ミクロンのものより小さい水中油型エマルション内の平均油滴サイズの変動によって決定される、請求項49~54のいずれか一項に記載の粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤の使用。
56.最大約6ヶ月又は1年の期間にわたってエマルションを分離に対して安定化させるための、請求項49~55のいずれか一項に記載の粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤の使用。
57.エマルションが、5℃又は25℃のうちの1つ以上で貯蔵されたとき、6ヶ月又は1年にわたって約5ミクロン未満変化する平均油滴サイズの変動を有する、請求項49~56のいずれか一項に記載の粉末状豆類タンパク質ベースの乳化剤の使用。
【0037】
本明細書に開示される技術は、以下の実施例を参照してより良く理解することができ、これは、例示目的のために提供され、開示された技術の全範囲を制限するものではない。
【0038】
実施例1-スイートコーン穀粉安定剤を使用した水中油型エマルション
高脂肪水中油型エマルション(71%ダイズ油(重量%))を作製して、スイートコーン穀粉のエマルションを安定化させる能力を、スイートコーン穀粉を含まない高脂肪エマルションと比較して評価した。両方のエマルションは、乳化剤としてIngredion Incorporatedから入手可能なヒヨコマメタンパク質を使用した。ヒヨコマメタンパク質は、水溶液中に約3%(重量%)ヒヨコマメタンパク質のタンパク質含量を有する液体組成物である。両方のエマルションの処方を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
エマルションを以下のように作製した。対照として、油を除く全ての成分をHobart型ミキサ中で低撹拌で混合した。油を添加し、2段階プロセスで乳化した。このプロセスでは、まず、ホバート(Hobart)型ミキサ中で低速で成分を混合して粗エマルションを形成し、次いで、高せん断ミキサ又はコロイドミル中で高せん断で粗エマルションを混合して、エマルションを均質化及び仕上げした。スイートコーン穀粉を使用した試料については、スイートコーン穀粉は清澄化せず、ヒヨコマメタンパク質水溶分散液と混合した。混合物を100℃の水浴中で軽く撹拌しながら10分間加熱した。エマルションは、室温25℃及び5℃で最大6ヶ月間容器中で貯蔵される。
【0041】
貯蔵エマルションと比較した初期エマルションの油滴サイズの変化を比較することによって、エマルションを安定性について評価した。油滴サイズは、Beckman Coulter製LS13320SWレーザーベースの粒子サイズ分析装置を使用して測定した。対照エマルションの油滴サイズ分布を図1に報告する。スイートコーン穀粉を含むエマルションの油滴サイズ分布を図2に報告する。両方の図において、油滴サイズは、油滴のミクロンで測定された直径であり、対数スケールで水平軸上に報告される。垂直軸は、水平軸上に報告された直径を有する液滴のパーセント(試料の体積による)を報告する。
【0042】
図1に見られるように、スイートコーン穀粉を含まない対照水中油型エマルションは、最初のエマルションと、25℃で3ヶ月間貯蔵した試料と、5℃で6ヶ月間貯蔵した試料との間で、油滴サイズに実質的な変動があった。比較のために、図2に見られるように、スイートコーン穀粉を含む水中油型エマルションは、最初の試料と、5℃又は25℃の貯蔵で6ヶ月間貯蔵した試料とを比較すると、同様の油滴サイズを有していた。
【国際調査報告】