(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】ニロガセスタットの合成
(51)【国際特許分類】
C07D 233/88 20060101AFI20240816BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240816BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240816BHJP
A61K 31/417 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
C07D233/88 CSP
A61P35/00
A61P35/02
A61K31/417
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514095
(86)(22)【出願日】2022-09-01
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 US2022075839
(87)【国際公開番号】W WO2023034917
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521444387
【氏名又は名称】スプリングワークス、セラピューティクス、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SPRINGWORKS THERAPEUTICS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クリスティン・パターソン
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ハッチャー
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC38
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA20
4C086ZB26
4C086ZB27
(57)【要約】
本開示は、(S)-2-(((S)-6,8-ジフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)アミノ)-N-(1-(2-メチル-1-(ネオペンチルアミノ)プロパン-2-イル)-1H-イミダゾール-4-イル)ペンタンアミド(「ニロガセスタット」)を合成するためのプロセスを対象とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物9を、
【化1】
溶媒中で、化合物10、
【化2】
またはその薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で、1,1’-カルボニルジイミダゾールと反応させることを含む、プロセス。
【請求項2】
前記プロセスが、極性非プロトン性溶媒の存在下で生じる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記極性非プロトン性溶媒が、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、またはそれらの組み合わせである、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記プロセスが、1つ以上の添加剤の存在下で生じる、請求項1~3のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記1つ以上の添加剤が、ピリジン臭化水素酸塩を含む、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
前記1つ以上の添加剤が、トリエチルアミンを含む、請求項4または5に記載のプロセス。
【請求項7】
化合物10、またはその薬学的に許容される塩が、単離または精製することなく後続のプロセスで使用される、請求項1~6のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記プロセスが、化合物10を、
【化3】
化合物1
またはその薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で、化合物11
【化4】
と反応させることをさらに含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記プロセスが、極性非プロトン性溶媒の存在下で生じる、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記極性非プロトン性溶媒が、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、アセトニトリル、またはそれらの組み合わせである、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
化合物11を、単離または精製することなく調製し、化合物10と反応させる、請求項8~10のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項12】
化合物1が、遊離塩基である、請求項8~11のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項13】
化合物1が、精製も単離もされていない、請求項8~12のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項14】
化合物1が、薬学的に許容される塩である、請求項8~11のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項15】
化合物1が、ジヒドロブロミド塩である、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
化合物1の前記ジヒドロブロミド塩が、結晶性固体である、請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
化合物1の遊離塩基を、
【化5】
化合物1の薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で。無機酸水溶液と反応させることをさらに含む、請求項12または13に記載のプロセス。
【請求項18】
pHが、約1~約1.5に調整される、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記無機酸が、臭化水素酸である、請求項17または18に記載のプロセス。
【請求項20】
化合物1の前記薬学的に許容される塩を単離することをさらに含む、請求項17~19のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項21】
化合物1の前記薬学的に許容される塩が、ヒドロブロミド塩である、請求項20に記載のプロセス。
【請求項22】
化合物1の前記薬学的に許容される塩が、前記ジヒドロブロミド塩である、請求項21に記載のプロセス。
【請求項23】
式Vの化合物、
【化6】
またはその薬学的に許容される塩を調製するプロセスであって、式Vの化合物またはその薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で、化合物12を、
【化7】
式IVの化合物であって、
【化8】
式中、
LGが、脱離基であり、
PGが、保護基である、前記式IVの化合物と反応させることを含む、前記プロセス。
【請求項24】
LGが、-OR
2であり、
R
2が、-S(=O)
2R
3であり、
R
3が、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル、または任意選択で置換されたフェニルである、請求項23に記載のプロセス。
【請求項25】
R
2が、-S(=O)
2CF
3である、請求項24に記載のプロセス。
【請求項26】
前記プロセスが、極性非プロトン性溶媒の存在下で生じる、請求項23~25のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項27】
前記極性非プロトン性溶媒が、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、またはそれらの組み合わせである、請求項26に記載のプロセス。
【請求項28】
プロセスが、塩基の存在下で生じる、請求項23~27のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項29】
前記塩基が、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである、請求項28に記載のプロセス。
【請求項30】
前記溶媒が、真空中で除去される、請求項26~29のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項31】
前記式Vの化合物が、極性非プロトン性溶媒及び無機酸水溶液中に溶解される、請求項30に記載のプロセス。
【請求項32】
前記極性非プロトン性溶媒が、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、またはそれらの組み合わせである、請求項31に記載のプロセス。
【請求項33】
式Vの薬学的に許容される塩を単離することをさらに含む、請求項31または32に記載のプロセス。
【請求項34】
前記式Vの薬学的に許容される塩が、濾過によって単離される、請求項33に記載のプロセス。
【請求項35】
前記無機酸が、塩酸である、請求項31~34のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項36】
前記式Vの薬学的に許容される塩が、前記塩酸塩である、請求項33~35のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項37】
PGが、C
1-C
6アルキルである、請求項23~26のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項38】
PGが、t-ブチルである、請求項37に記載のプロセス。
【請求項39】
前記プロセスが、化合物9、
【化9】
またはその薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で、式Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩を、極性プロトン性溶媒中の無機酸水溶液と反応させることをさらに含む、請求項37または38に記載のプロセス。
【請求項40】
前記極性プロトン性溶媒が、アルコールである、請求項39に記載のプロセス。
【請求項41】
前記アルコールが、イソプロパノールである、請求項40に記載のプロセス。
【請求項42】
pHが、約2.6~約3.0に調整される、請求項39~41に記載のプロセス。
【請求項43】
化合物9、またはその薬学的に許容される塩を単離することをさらに含む、請求項42に記載のプロセス。
【請求項44】
化合物9、またはその薬学的に許容される塩が、濾過によって単離される、請求項43に記載のプロセス。
【請求項45】
前記無機酸が、塩酸である、請求項39~44のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項46】
化合物1、
【化10】
またはその薬学的に許容される塩を調整するプロセスであって、化合物10、またはその薬学的に許容される塩を、化合物1、またはその薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で、化合物11、またはその薬学的に許容される塩と反応させることを含む、前記プロセス。
【請求項47】
前記プロセスが、極性非プロトン性溶媒の存在下で生じる、請求項46に記載のプロセス。
【請求項48】
前記極性非プロトン性溶媒が、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、アセトニトリル、またはそれらの組み合わせである、請求項47に記載のプロセス。
【請求項49】
化合物11を、単離または精製することなく調製し、化合物10と反応させる、請求項46~48のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項50】
化合物1が、遊離塩基である、請求項46~49のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項51】
化合物1が、精製も単離もされていない、請求項46~50のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項52】
化合物1が、薬学的に許容される塩である、請求項46~49のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項53】
化合物1が、前記ヒドロブロミド塩である、請求項52に記載のプロセス。
【請求項54】
化合物1の前記ヒドロブロミド塩が、結晶性固体として単離される、請求項53に記載のプロセス。
【請求項55】
前記プロセスが、化合物1の遊離塩基を、
【化11】
化合物1の薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で、無機酸水溶液と反応させることをさらに含む、請求項50または51に記載のプロセス。
【請求項56】
pHが、約1~約1.5である、請求項55に記載のプロセス。
【請求項57】
前記無機酸が、臭化水素酸である、請求項55または56に記載のプロセス。
【請求項58】
化合物1の前記薬学的に許容される塩を単離することをさらに含む、請求項55~57のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項59】
化合物1の前記薬学的に許容される塩が、ヒドロブロミド塩である、請求項58に記載のプロセス。
【請求項60】
化合物1の前記薬学的に許容される塩が、前記ジヒドロブロミド塩である、請求項59に記載のプロセス。
【請求項61】
化合物9を、
【化12】
溶媒中で、化合物10を形成するのに好適な条件下で、1,1’-カルボニルジイミダゾールと反応させることを含むプロセスであって、
【化13】
前記プロセスが、化合物10を、
【化14】
化合物1、
【化15】
またはその薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で、化合物11と反応させることを更に含む、前記プロセス。
【請求項62】
前記プロセスが、極性非プロトン性溶媒の存在下で生じる、請求項61に記載のプロセス。
【請求項63】
前記極性非プロトン性溶媒が、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、またはそれらの組み合わせである、請求項62に記載のプロセス。
【請求項64】
前記プロセスが、1つ以上の添加剤の存在下で生じる、請求項61~63のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項65】
前記1つ以上の添加剤が、ピリジン臭化水素酸塩を含む、請求項64に記載のプロセス。
【請求項66】
前記1つ以上の添加剤が、トリエチルアミンを含む、請求項64または65に記載のプロセス。
【請求項67】
化合物10が、単離または精製することなく後続のプロセスで使用される、請求項61~66のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項68】
化合物11を、単離または精製することなく調製し、化合物10と反応させる、請求項61~67のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項69】
化合物1が、遊離塩基である、請求項61~68のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項70】
化合物1が、精製も単離もされていない、請求項61~69のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項71】
化合物1が、薬学的に許容される塩である、請求項61~68のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項72】
化合物1が、ジヒドロブロミド塩である、請求項71に記載のプロセス。
【請求項73】
化合物1の前記ジヒドロブロミド塩が、結晶性固体として単離される、請求項72に記載のプロセス。
【請求項74】
前記プロセスが、化合物1の遊離塩基を、
【化16】
化合物1の薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で、無機酸水溶液と反応させることをさらに含む、請求項69または70に記載のプロセス。
【請求項75】
pHが、約1~約1.5に調整される、請求項74に記載のプロセス。
【請求項76】
前記無機酸水溶液が、臭化水素酸である、請求項74または75に記載のプロセス。
【請求項77】
化合物1の前記薬学的に許容される塩を単離することをさらに含む、請求項74~76のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項78】
化合物1の前記薬学的に許容される塩が、ヒドロブロミド塩である、請求項77に記載のプロセス。
【請求項79】
化合物1の前記薬学的に許容される塩が、前記ジヒドロブロミド塩である、請求項78に記載のプロセス。
【請求項80】
化合物1の薬学的に許容される塩を、
【化17】
アルコール中で無機酸水溶液と反応させることを含む、プロセス。
【請求項81】
前記アルコールが、イソプロパノールである、請求項80に記載のプロセス。
【請求項82】
pHが、約3~約3.5に調整される、請求項80~81のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項83】
化合物1の薬学的に許容される塩を単離することをさらに含む、請求項80~82のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項84】
化合物1の前記薬学的に許容される塩が、濾過によって単離される、請求項83に記載のプロセス。
【請求項85】
前記無機酸水溶液が、臭化水素酸である、請求項80~84のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項86】
化合物1の前記薬学的に許容される塩が、ヒドロブロミド塩である、請求項80~85のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項87】
化合物1の前記薬学的に許容される塩が、ジヒドロブロミド塩である、請求項86に記載のプロセス。
【請求項88】
組成物であって、98.0%~99.9%の化合物1、
【化18】
またはその薬学的に許容される塩、ならびに以下:
(1)0.7%~0.01%の式IIの化合物であって、
【化19】
式中、
R
1が、水素、フルオロ、またはクロロからなる群から選択され、
R
2が、水素またはクロロからなる群から選択され、
R
3が、フルオロまたはクロロからなる群から選択され、
R
4が、-OH及び-N(H)CH
2C(CH
3)
3からなる群から選択される、前記0.7%~0.01%の式IIの化合物、
もしくはその薬学的に許容される塩、
(2)0.05%~0.005%のイミダゾール、もしくはその薬学的に許容される塩、または
(3)0.7%~0.01%の式IIの化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、及び0.05%~0.005%のイミダゾール、もしくはその薬学的に許容される塩のうちの1つ以上を含み、
前記式IIの化合物が、化合物1ではなく、化合物1、前記式IIの化合物、及び/またはイミダゾールの割合が、高速液体クロマトグラフィーによって決定される、前記組成物。
【請求項89】
前記式IIの化合物が、ヒドロブロミド塩である、請求項88に記載の組成物。
【請求項90】
前記式IIの化合物が、前記式II-Aの化合物、
【化20】
またはその薬学的に許容される塩である、請求項88に記載の組成物。
【請求項91】
前記式II-Aの化合物が、ヒドロブロミド塩である、請求項90に記載の組成物。
【請求項92】
前記式IIの化合物が、式II-Bの化合物、
【化21】
またはその薬学的に許容される塩である、請求項88に記載の組成物。
【請求項93】
前記式II-Bの化合物が、ヒドロブロミド塩である、請求項92に記載の組成物。
【請求項94】
前記式IIの化合物が、式II-Cの化合物、
【化22】
またはその薬学的に許容される塩である、請求項88に記載の組成物。
【請求項95】
前記式II-Cの化合物が、ヒドロブロミド塩である、請求項94に記載の組成物。
【請求項96】
前記式IIの化合物が、式II-Dの化合物、
【化23】
またはその薬学的に許容される塩である、請求項88に記載の組成物。
【請求項97】
前記式II-Dの化合物が、ヒドロブロミド塩である、請求項96に記載の組成物。
【請求項98】
R
4が、-N(H)CH
2C(CH
3)
3である、請求項88~97のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項99】
R
4が、-OHである、請求項88~97のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項100】
R
1が、フルオロであり、R
2が、水素であり、R
3が、クロロである、請求項88~99のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項101】
R
1が、クロロであり、R
2が、水素であり、R
3が、フルオロである、請求項88~99のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項102】
R
1が、水素であり、R
2が、クロロであり、R
3が、フルオロである、請求項88~99のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項103】
R
1が、フルオロであり、R
2が、水素であり、R
3が、フルオロである、請求項88~99のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項104】
(1)98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩、及び
(2)0.6%~0.01%の化合物2、
【化24】
またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項88に記載の組成物。
【請求項105】
化合物2が、ジヒドロブロミド塩である、請求項104に記載の組成物。
【請求項106】
(1)98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩、及び
(2)0.3%~0.01%の化合物3、
【化25】
またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項88に記載の組成物。
【請求項107】
化合物3が、ジヒドロブロミド塩である、請求項106に記載の組成物。
【請求項108】
(1)98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩、及び
(2)0.5%~0.01%の化合物4、
【化26】
またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項88に記載の組成物。
【請求項109】
化合物4が、ジヒドロブロミド塩である、請求項108に記載の組成物。
【請求項110】
(1)98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩、及び
(2)0.5%~0.01%の化合物5、
【化27】
またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項88に記載の組成物。
【請求項111】
化合物5が、ジヒドロブロミド塩である、請求項110に記載の組成物。
【請求項112】
(1)98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩、及び
(2)0.5%~0.01%の化合物6、
【化28】
またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項88に記載の組成物。
【請求項113】
化合物6が、ジヒドロブロミド塩である、請求項112に記載の組成物。
【請求項114】
(1)98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩、及び
(2)0.5%~0.01%の化合物7、
【化29】
またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項88に記載の組成物。
【請求項115】
化合物7が、ジヒドロブロミド塩である、請求項114に記載の組成物。
【請求項116】
(1)98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩、及び
(2)0.5%~0.01%の化合物8、
【化30】
またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項88に記載の組成物。
【請求項117】
化合物8が、ジヒドロブロミド塩である、請求項116に記載の組成物。
【請求項118】
(1)98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩、及び
(2)0.05%~0.005%のイミダゾール、またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項88に記載の組成物。
【請求項119】
イミダゾールが、ヒドロブロミド塩である、請求項118に記載の組成物。
【請求項120】
化合物1が、ヒドロブロミド塩である、請求項88~119のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項121】
化合物1が、ジヒドロブロミド塩である、請求項120に記載の組成物。
【請求項122】
化合物13を実質的に含まない酸化を受けやすい活性剤を有する組成物を調製するためのプロセスであって、
【化31】
化合物11を溶媒中に溶解するステップと、
【化32】
化合物9と組み合わせて臭化水素酸で処理される混合物を形成するステップと、を含み、
【化33】
前記活性剤が、化合物1のジヒドロブロミド塩である、前記プロセス。
【化34】
【請求項123】
化合物13を本質的に含まない組成物を調製するためのプロセスであって、
【化35】
化合物10を、
【化36】
化合物11と組み合わせて、
【化37】
化合物1のジヒドロブロミド塩の活性剤を形成するために、溶媒中で臭化水素酸で処理される混合物を形成するステップと、を含む、前記プロセス。
【化38】
【請求項124】
前記溶媒が、式R-OHのアルコールであり、Rが、アルキルであり、但し、Rがエチルではないことを条件とする、請求項122に記載のプロセス。
【請求項125】
前記溶媒が、エタノール以外の一級アルコールである、請求項122に記載のプロセス。
【請求項126】
前記溶媒が、二級アルコールである、請求項122に記載のプロセス。
【請求項127】
前記溶媒が、三級アルコールである、請求項122に記載のプロセス。
【請求項128】
前記溶媒が、2-メチルプロパン-1-オールである、請求項122に記載のプロセス。
【請求項129】
前記溶媒が、プロパノールである、請求項122に記載のプロセス。
【請求項130】
前記溶媒が、イソプロパノールである、請求項122に記載のプロセス。
【請求項131】
前記混合物が、臭化水素酸処理中に0~5℃に温められる、請求項122に記載のプロセス。
【請求項132】
前記混合物が、6未満のpHで維持される、請求項122に記載のプロセス。
【請求項133】
前記混合物が、3未満のpHで維持される、請求項122に記載のプロセス。
【請求項134】
請求項1~22のいずれか1項に記載のプロセスによって調製された化合物1。
【請求項135】
請求項46~60のいずれか1項に記載のプロセスによって調製された化合物1。
【請求項136】
請求項61~79のいずれか1項に記載のプロセスによって調製された化合物1。
【請求項137】
請求項80~87のいずれか1項に記載のプロセスによって調製された化合物1。
【請求項138】
請求項122及び124~133のいずれか1項に記載のプロセスによって調製された化合物1。
【請求項139】
請求項123に記載のプロセスによって調製された化合物1。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、(S)-2-(((S)-6,8-ジフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)アミノ)-N-(1-(2-メチル-1-(ネオペンチルアミノ)プロパン-2-イル)-1H-イミダゾール-4-イル)ペンタンアミド(「ニロガセスタット」または「化合物1」)を合成するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
(S)-2-(((S)-6,8-ジフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)アミノ)-N-(1-(2-メチル-1-(ネオペンチルアミノ)プロパン-2-イル)-1H-イミダゾール-4-イル)ペンタンアミド(「ニロガセスタット」または「化合物1」)は、デスモイド腫瘍、多発性骨髄腫、ノッチ経路遺伝子に変異を有するがん、腺様嚢胞癌、及びT細胞急性リンパ芽球性白血病(米国特許第10,590,087号)などの腫瘍またはがんの治療に有望の活性を示す。ニロガセスタットを合成する既知の経路は、最終的な単離時以外の不純物の制御のためのポイントをほとんど提供しない(Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters 21:2637-2640(2011))。不純物の制御が後期中間体で最適でない場合、不純物は報告可能なレベルで生成物中に存在する可能性が高い。この経路はまた、ノルバリン部分及びテトラロン断片がカップリングされるときに低い収率を示す(Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters 21:2637-2640(2011))。したがって、不純物をパージし、立体化学的完全性のいかなる損失も最小限に抑えるために追加の制御点を導入する新しい経路を開発する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0003】
ノバリン部分を1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)と反応させて、活性化無水物を形成することを含むプロセスが本明細書に提供される。例えば、化合物9を、
【化1】
【0004】
化合物10、
【化2】
またはその薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で、1,1’-カルボニルジイミダゾールと反応させることを含むプロセスが本明細書に記載される。いくつかの態様では、化合物10、またはその薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、極性非プロトン性溶媒の存在下で生じる。いくつかの態様では、極性非プロトン性溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様では、化合物10、またはその薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、1つ以上の添加剤の存在下で生じる。いくつかの態様では、1つ以上の添加剤は、ピリジン臭化水素酸塩を含む。いくつかの態様では、1つ以上の添加剤は、トリエチルアミンを含む。いくつかの態様では、化合物10、またはその薬学的に許容される塩は、単離または精製することなく後続のプロセスで使用される。
【0005】
化合物10を、
化合物1
【化3】
またはその薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で、
【0006】
【化4】
化合物11と反応させることを含むプロセスもまた本明細書に記載される。いくつかの態様では、化合物10を化合物11と反応させるプロセスは、極性非プロトン性溶媒の存在下で生じる。いくつかの態様では、極性非プロトン性溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、アセトニトリル、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様では、化合物11を、単離または精製することなく調製し、化合物10と反応させる。いくつかの態様では、化合物1は、精製も単離もされていない。
【0007】
いくつかの態様では、化合物1は、遊離塩基である。いくつかの態様では、化合物1は、薬学的に許容される塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ジヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1のジヒドロブロミド塩は、結晶性固体である。
【0008】
いくつかの態様では、プロセスは、化合物1の薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で、化合物1の遊離塩基を無機酸水溶液と反応させることをさらに含む。いくつかの態様では、pHは、約1~約1.5に調整される。いくつかの態様では、無機酸は、臭化水素酸である。
【0009】
いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は単離される。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は、ジヒドロブロミド塩である。
【0010】
【0011】
【0012】
式Vの化合物、
【化7】
またはその薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で反応させることを含むプロセスもまた本明細書に記載されており、LGは、脱離基であり、PGは、保護基である。いくつかの態様では、LGは、-OR
2であり、R
2は、-S(=O)
2R
3であり、R
3は、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル、または任意選択で置換されたフェニルである。いくつかの態様では、R
2は、-S(=O)
2CF
3である。いくつかの態様では、PGは、C
1-C
6アルキルである。いくつかの態様では、PGは、t-ブチルである。いくつかの態様では、式Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、極性非プロトン性溶媒の存在下で生じる。いくつかの態様では、極性非プロトン性溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、またはそれらの組み合わせである。
【0013】
いくつかの態様では、式IVの化合物、またはその薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、塩基の存在下で生じる。いくつかの態様では、塩基は、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである。いくつかの態様では、溶媒は、真空中で除去される。
【0014】
いくつかの態様では、式Vの化合物は、極性非プロトン性溶媒及び無機酸水溶液中に溶解される。いくつかの態様では、極性非プロトン性溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様では、式Vの薬学的に許容される塩は単離される。いくつかの態様では、式Vの薬学的に許容される塩は、濾過によって単離される。いくつかの態様では、無機酸は、塩酸である。いくつかの態様では、式Vの薬学的に許容される塩は、塩酸塩である。
【0015】
式Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩を、化合物9、
【化8】
またはその薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で、極性プロトン性溶媒中で無機酸水溶液と反応させることをさらに含むプロセスもまた本明細書に記載される。いくつかの態様では、式Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩を無機酸水溶液と反応させるプロセスでは、極性プロトン性溶媒は、アルコールである。いくつかの態様では、アルコールは、イソプロパノールである。
【0016】
いくつかの態様では、式Vの化合物、またはその薬学的に許容されるものを無機酸水溶液と反応させるプロセスでは、pHは、約2.6~約3.0に調整される。
【0017】
いくつかの態様では、式Vの化合物、またはその薬学的に許容されるものを無機酸水溶液と反応させるプロセスでは、化合物9、またはその薬学的に許容される塩は単離される。いくつかの態様では、化合物9、またはその薬学的に許容される塩は、濾過によって単離される。
【0018】
いくつかの態様では、式Vの化合物、またはその薬学的に許容されるものを無機酸水溶液と反応させるプロセスでは、無機酸は、塩酸である。
【0019】
本開示はさらに、化合物10またはその薬学的に許容される塩を、化合物11またはその薬学的に許容される塩と反応させることによって、化合物1またはその薬学的に許容される塩を調製する方法に関する。いくつかの態様では、化合物1、またはその薬学的に許容される塩を調製するプロセスは、極性非プロトン性溶媒の存在下で生じる。いくつかの態様では、極性非プロトン性溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、Nメチル-2-ピロリドン(NMP)、アセトニトリル、またはそれらの組み合わせである。
【0020】
上に記載のプロセスのうちのいずれかによって調製された化合物1の遊離塩基を、化合物1の薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で、無機酸水溶液と反応させることを含むプロセスが本明細書に提供される。いくつかの態様では、化合物1の遊離塩基と無機酸水溶液とのプロセスのpHは、約1~約1.5である。いくつかの態様では、無機酸は、臭化水素酸である。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は単離される。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は、ジヒドロブロミド塩である。
【0021】
本開示はさらに、化合物10を形成するのに好適な条件下で、化合物9を溶媒中で1,1’-カルボニルジイミダゾールと反応させることを含むプロセスに関し、プロセスは、化合物10を、化合物1、またはその薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で、化合物11と反応させることをさらに含む。いくつかの態様では、化合物1、またはその薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、極性非プロトン性溶媒の存在下で生じる。いくつかの態様では、極性非プロトン性溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様では、化合物1、またはその薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、1つ以上の添加剤の存在下で生じる。いくつかの態様では、1つ以上の添加剤は、ピリジン臭化水素酸塩を含む。いくつかの態様では、1つ以上の添加剤は、トリエチルアミンを含む。
【0022】
いくつかの態様では、プロセスは、化合物1の薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で、化合物1の遊離塩基を無機酸水溶液と反応させることをさらに含む。いくつかの態様では、pHは、約1~約1.5に調整される。いくつかの態様では、無機酸水溶液は、臭化水素酸である。
【0023】
本開示はさらに、化合物1の薬学的に許容される塩を、アルコール中で無機酸水溶液と反応させることを含むプロセスに関する。いくつかの態様では、アルコールは、イソプロパノールである。いくつかの態様では、pHは、約3~約3.5に調整される。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は単離される。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は、濾過によって単離される。いくつかの態様では、無機酸水溶液は、臭化水素酸である。
【0024】
いくつかの態様では、化合物1は、上に記載のプロセスのうちのいずれか1つによって合成される。いくつかの態様では、本明細書に記載のプロセスの化合物1の薬学的に許容される塩が単離される。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は、ジヒドロブロミド塩である。
【0025】
本開示はさらに、98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩と、以下:
(1)0.7%~0.01%の式IIの化合物であって、
【0026】
【化9】
式中、
R
1が、水素、フルオロ、またはクロロからなる群から選択され、
R
2が、水素またはクロロからなる群から選択され、
R
3が、フルオロまたはクロロからなる群から選択され、
R
4が、-OH及び-N(H)CH
2C(CH
3)
3からなる群から選択される、0.7%~0.01%の式IIの化合物、
もしくはその薬学的に許容される塩、
(2)0.05%~0.005%のイミダゾール、もしくはその薬学的に許容される塩、または
(3)0.7%~0.01%の式IIの化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、及び0.05%~0.005%のイミダゾール、もしくはその薬学的に許容される塩のうちの1つ以上とを含む組成物に関し、
式IIの化合物は、化合物1ではなく、化合物1、式IIの化合物、及び/またはイミダゾールの割合は、高速液体クロマトグラフィーによって決定される。いくつかの態様では、式IIの化合物は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ジヒドロブロミド塩である。
【0027】
いくつかの態様では、式IIの化合物は、式II-Aの化合物、
【化10】
またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの態様では、式II-Aの化合物は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、式II-Aの化合物は、ジヒドロブロミド塩である。
【0028】
いくつかの態様では、式IIの化合物は、式II-Bの化合物、
【化11】
またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの態様では、式II-Bの化合物は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、式II-Bの化合物は、ジヒドロブロミド塩である。
【0029】
いくつかの態様では、式IIの化合物は、式II-Cの化合物、
【化12】
またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの態様では、式II-Cの化合物は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、式II-Cの化合物は、ジヒドロブロミド塩である。
【0030】
いくつかの態様では、式IIの化合物は、式II-Dの化合物、
【化13】
またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの態様では、式II-Dの化合物は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、式II-Dの化合物は、ジヒドロブロミド塩である。
【0031】
いくつかの態様では、R4は、-N(H)CH2C(CH3)3である。いくつかの態様では、R4は、-OHである。いくつかの態様では、R1は、フルオロであり、R2は、水素であり、R3は、クロロである。いくつかの態様では、R1は、クロロであり、R2は、水素であり、R3は、フルオロである。いくつかの態様では、R1は、水素であり、R2は、クロロであり、R3は、フルオロである。いくつかの態様では、R1は、フルオロであり、R2は、水素であり、R3は、フルオロである。
【0032】
本開示はさらに、98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩と、0.6%~0.01%の化合物2、
【化14】
【0033】
またはその薬学的に許容される塩とを含む組成物に関する。いくつかの態様では、化合物2は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物2は、ジヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ジヒドロブロミド塩である。
【0034】
本開示はさらに、98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩と、0.3%~0.01%の化合物3、
【化15】
【0035】
またはその薬学的に許容される塩とを含む組成物に関する。いくつかの態様では、化合物3は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物3は、ジヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ジヒドロブロミド塩である。
【0036】
本開示はさらに、98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩と、0.5%~0.01%の化合物4、
【化16】
【0037】
またはその薬学的に許容される塩とを含む組成物に関する。いくつかの態様では、化合物4は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物4は、ジヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ジヒドロブロミド塩である。
【0038】
本開示はさらに、98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩と、0.5%~0.01%の化合物5、
【化17】
またはその薬学的に許容される塩とを含む組成物に関する。いくつかの態様では、化合物5は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物5は、ジヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ジヒドロブロミド塩である。
【0039】
本開示はさらに、98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩と、0.5%~0.01%の化合物6、
【化18】
またはその薬学的に許容される塩とを含む組成物に関する。いくつかの態様では、化合物6は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物6は、ジヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ジヒドロブロミド塩である。
【0040】
本開示はさらに、98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩と、0.5%~0.01%の化合物7、
【化19】
またはその薬学的に許容される塩とを含む組成物に関する。いくつかの態様では、化合物7は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物7は、ジヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ジヒドロブロミド塩である。
【0041】
本開示はさらに、98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩と、0.5%~0.01%の化合物8、
【化20】
またはその薬学的に許容される塩とを含む組成物に関する。いくつかの態様では、化合物8は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物8は、ジヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ジヒドロブロミド塩である。
【0042】
本開示はさらに、98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩と、0.05%~0.005%のイミダゾール、またはその薬学的に許容される塩とを含む組成物に関する。いくつかの態様では、イミダゾールは、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ジヒドロブロミド塩である。
【0043】
本開示はさらに、化合物13を実質的に含まない酸化を受けやすい活性剤を有する組成物を調製するためのプロセスに関し、
【化21】
プロセスは、化合物11を溶媒中に溶解するステップと、化合物11の溶液を化合物9と組み合わせて、臭化水素酸で処理される混合物を形成するステップとを含む。いくつかの態様では、酸化を受けやすい活性剤は、化合物1のヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、酸化を受けやすい活性剤は、化合物1のジヒドロブロミド塩である。
【0044】
いくつかの態様では、化合物11を溶解するために使用される溶媒は、式R-OHのアルコールであり、式中、Rは、アルキルであり、但し、Rはエチルではないことを条件とする。いくつかの態様では、溶媒は、エタノール以外の一級アルコールである。いくつかの態様では、溶媒は、二級アルコールである。いくつかの態様では、溶媒は、三級アルコールである。いくつかの態様では、溶媒は、2-メチルプロパン-1-オールである。いくつかの態様では、溶媒は、プロパノールである。いくつかの態様では、溶媒は、イソプロパノールである。いくつかの態様では、混合物は、臭化水素酸処理中に0~5℃に温められる。
【0045】
いくつかの態様では、混合物は、6未満のpHで維持される。いくつかの態様では、混合物は、3未満のpHで維持される。
【0046】
本開示はさらに、本質的に化合物13を含まない化合物1の組成物を調製するためのプロセスに関し、プロセスは、化合物10を化合物11と組み合わせて、溶媒中で臭化水素酸で処理される混合物を形成するステップを含む。いくつかの態様では、化合物1の組成物は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1の組成物は、ジヒドロブロミド塩である。
【0047】
いくつかの態様では、化合物1は、上に記載のプロセスのうちのいずれか1つによって合成される。
【発明を実施するための形態】
【0048】
定義及び略語
上記及び説明を通して使用されるように、別段の指示がない限り、以下の用語は、以下の意味を有することが理解されるものとする。
【0049】
別様に説明されない限り、「a」及び「an」という用語ならびに(特に、請求項の文脈において)本出願の特定の態様を説明する文脈において使用される同様の参照は、単数形及び複数形の両方を網羅するように解釈され得る。本明細書における値の範囲の列挙は、単に、範囲内にある各個別の値を個別に参照する短縮プロセスとして機能することを意図している。本明細書に別段の指示がない限り、各個々の値は、本明細書に個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0050】
「アルキル」という用語は、任意の一価、飽和直鎖状、分岐、または環状の炭化水素基を意味する。「アルキル」基の例としては、メチル、エチル、イソプロピルなどが挙げられる。
【0051】
「ハロアルキル」という用語は、それ自体で、または別の基の一部として使用される場合、1つ以上のフッ素、塩素、臭素、及び/またはヨウ素原子によって置換されたアルキル基を指す。
【0052】
「置換された」という用語は、置換部分上の1つ以上の水素原子を、特定の基について指定された置換基の群から独立して選択された置換基で独立して置換することを指す。一般に、非水素置換基は、置換されるように指定される所与の部分の原子に結合することができる任意の置換基であり得る。
【0053】
本明細書で使用される場合、「脱離基」という用語は、ヘテロリティック結合開裂において電子の対で出発する基を指す。一般的な脱離基は、Cl-、Br-、及びI-のハロゲン化物、ならびにトシレート(TsO-)などのスルホン酸エステルである。
【0054】
本明細書で使用される場合、「保護基」という用語は、反応が分子の他の官能基または部分上で行われる一方で、アミン官能基をブロックする、すなわち、保護する基を指す。当業者は、保護基の選択、結合、及び切断に精通しており、異なる保護基が当該技術分野で既知であり、1つの保護基または別の保護基の適合性は、計画された特定の合成スキームに依存することを理解するであろう。Wuts,“Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis”,5th Ed.,J.Wiley&Sons,Inc.,NY,2014などの主題についての論文は、協議のために利用可能である。好適な保護基としては、カルボベンジルオキシ(Cbz)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)、及びベンジル(Bn)基が挙げられる。
【0055】
本明細書で使用される場合、「塩基」という用語は、有機プロトン受容体を指す。非限定的な塩基としては、非求核性三級アミン、例えば、NEt3、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、及びピリジンなどの窒素含有複素芳香族基、ならびにピリジンの誘導体、例えば、2,4,6-トリメチルピリジンが挙げられる。
【0056】
本明細書で使用される場合、「単離する」、「単離された」、「単離」、及び「単離すること」という用語は、物質が単独で、または溶液から離れたままであることを意味する。
【0057】
本明細書で使用される場合、「精製する」、「精製された」、「精製」、及び「精製すること」という用語は、目的の物質、例えば、化合物1からの汚染物質の除去を意味する。
【0058】
ニロガセスタット合成
ノバリン部分を1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)と反応させて、活性化無水物を形成することを含むプロセスが本明細書に記載される。次いで、プロセスは続いて、活性化無水物をイミダゾールアミンとカップリングして、ニロガセスタット、またはその薬学的に許容される塩(例えば、ジヒドロブロミド)を得ることができる。このカップリング反応は、CDIをピリジン臭化水素酸塩で緩衝することによって、ノルバリン部分の立体化学的完全性の任意の損失を最小限に抑える。すべてのステップは、容易な結晶化を可能にしながら、水溶液のワークアップ及び蒸留を回避する。ニロガセスタット、またはその薬学的に許容される塩(例えば、ジヒドロブロミド)の単離はよく設計されており、高い収率及び純度の結晶性材料を提供する。
【0059】
本開示はまた、化合物1、またはその薬学的に許容される塩(例えば、ジヒドロブロミド)を調製するプロセスに関し、プロセスは、エタノール以外のアルコールの存在下でノバリン部分をイミダゾールアミンと直接反応させて、ニロガセスタットを生成することを含む。このプロセスは、ニロガセスタットの最終生成物中の不純物を制限する。
【0060】
【0061】
化合物10、
【化23】
またはその薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で、1,1’-カルボニルジイミダゾールと反応させることを含むプロセスが本明細書に記載される。いくつかの態様では、1,1’-カルボニルジイミダゾールは、プロセスにおいて、化合物9の約1~約2当量の量で存在する。いくつかの態様では、1,1’-カルボニルジイミダゾールは、プロセスにおいて、化合物9の約1.1当量の量で存在する。
【0062】
いくつかの態様では、化合物10、またはその薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、極性非プロトン性溶媒の存在下で生じる。いくつかの態様では、極性非プロトン性溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様では、極性非プロトン性溶媒は、アセトニトリルである。
【0063】
いくつかの態様では、化合物10、またはその薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、1つ以上の添加剤の存在下で生じる。いくつかの態様では、1つ以上の添加剤は、ピリジン臭化水素酸塩を含む。いくつかの態様では、ピリジン臭化水素酸塩は、プロセスにおいて、化合物9の約2~約3当量の量で存在する。いくつかの態様では、ピリジン臭化水素酸塩は、プロセスにおいて、化合物9の約2.1当量の量で存在する。いくつかの態様では、1つ以上の添加剤は、トリエチルアミンを含む。いくつかの態様では、トリエチルアミンは、プロセスにおいて、化合物9の約0.1~1当量の量で存在する。いくつかの態様では、トリエチルアミンは、プロセスにおいて、化合物9の約0.7当量の量で存在する。
【0064】
いくつかの態様では、化合物10、またはその薬学的に許容される塩を調製するプロセスは、約20℃~約30℃の温度で生じる。いくつかの態様では、化合物10、またはその薬学的に許容される塩を調製するプロセスは、約4時間かかる。
【0065】
いくつかの態様では、化合物10、またはその薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、HPLC分析のためにサンプリングされる。いくつかの態様では、化合物10、またはその薬学的に許容される塩の形成プロセスは、化合物9のHPLC面積%が10.0面積%未満になるまで停止する。いくつかの態様では、化合物10、またはその薬学的に許容される塩の形成プロセスは、化合物9のHPLC面積%が2.0面積%未満になるまで停止する。いくつかの態様では、2つの連続した化合物9のHPLC分析の間の差は、0.5面積%未満である。いくつかの態様では、化合物10、またはその薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、約-15℃~約-5℃の温度に冷却される。いくつかの態様では、化合物10、またはその薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、約-7℃の温度に冷却される。いくつかの態様では、化合物10は、単離または精製することなく後続のプロセスで使用される。
【0066】
本開示は、化合物11の薬学的に許容される塩を、
【化24】
極性非プロトン性溶媒の存在下で塩基と反応させることを含むプロセスに関する。いくつかの態様では、化合物11の薬学的に許容される塩は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物11の薬学的に許容される塩は、ジヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物11は、遊離塩基である。いくつかの態様では、塩基は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、及びピリジンからなる群から選択される。いくつかの態様では、塩基は、トリエチルアミンである。いくつかの態様では、トリエチルアミンは、プロセスにおいて、化合物11の約2~約5当量の量で存在する。いくつかの態様では、トリエチルアミンは、プロセスにおいて、化合物11の約3.1当量の量で存在する。いくつかの態様では、極性非プロトン性溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様では、極性非プロトン性溶媒は、アセトニトリルである。いくつかの態様では、化合物11、またはその遊離塩基を調製するプロセスは、約-15℃~約-5℃の温度で生じる。いくつかの態様では、化合物11、またはその遊離塩基を調製するプロセスは、約-7℃の温度で生じる。いくつかの態様では、化合物11は、単離または精製することなく後続のプロセスで使用される。
【0067】
化合物10と化合物11を、化合物1、
【化25】
またはその薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で、反応させることを含むプロセスもまた本明細書に記載される。いくつかの態様では、化合物11は、遊離塩基である。いくつかの態様では、化合物11は、プロセスにおいて、化合物10の約1~約2当量の量で存在する。いくつかの態様では、化合物11は、プロセスにおいて、化合物10の約1.2当量の量で存在する。いくつかの態様では、化合物10を化合物11と反応させるプロセスは、極性非プロトン性溶媒の存在下で生じる。いくつかの態様では、極性非プロトン性溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様では、極性非プロトン性溶媒は、アセトニトリルである。いくつかの態様では、化合物10を化合物11と反応させるプロセスは、約-15℃~約0℃の温度で生じる。いくつかの態様では、化合物10を化合物11と反応させるプロセスは、約-7℃の温度で生じる。いくつかの態様では、化合物10を化合物11と反応させるプロセスは、約6時間かかる。いくつかの態様では、化合物10を化合物11と反応させるプロセスは、HPLC分析のためにサンプリングされる。いくつかの態様では、化合物10を化合物11と反応させるプロセスは、化合物10のHPLC面積%が5.0面積%未満になるまで停止する。いくつかの態様では、化合物10を化合物11と反応させるプロセスは、化合物10のHPLC面積%が1.0面積%未満になるまで停止する。いくつかの態様では、2つの連続した化合物10のHPLC分析の間の差は、0.5面積%未満である。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は、ジヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、遊離塩基である。いくつかの態様では、化合物1は、精製も単離もされていない。
【0068】
プロセスは、化合物1の薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で、化合物1の遊離塩基を無機酸水溶液と反応させることをさらに含む。いくつかの態様では、無機酸は、臭化水素酸である。いくつかの態様では、臭化水素酸は、プロセスにおいて、化合物10の約5~約10当量の量で存在する。いくつかの態様では、臭化水素酸は、プロセスにおいて、化合物10の約7.5当量の量で存在する。
【0069】
いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、約30℃~約50℃の温度で生じる。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、約40℃の温度で生じる。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、1つ以上の添加剤の存在下で生じる。いくつかの態様では、1つ以上の添加剤は、トリエチルアミンを含む。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩を形成するプロセスのpHは、約1.0~約1.5に調整される。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩の種子が添加される。いくつかの態様では、種子の量は、約0.1重量%である。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、約-15℃~約0℃の温度で冷却される。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、約-5℃の温度で冷却される。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は単離される。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は、結晶性固体として単離される。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は、ジヒドロブロミド塩である。
【0070】
【0071】
【0072】
式Vの化合物、
【化28】
またはその薬学的に許容される塩を形成する条件下で反応させることを含むプロセスもまた本明細書に記載されており、LGは、脱離基であり、PGは、保護基である。いくつかの態様では、LGは、-OR
2であり、R
2は、-S(=O)
2R
3であり、R
3は、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル、または任意選択で置換されたフェニルである。いくつかの態様では、R
2は、-S(=O)
2CF
3である。いくつかの態様では、PGは、C
1-C
6アルキルである。いくつかの態様では、PGは、t-ブチルである。いくつかの態様では、式Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、極性非プロトン性溶媒の存在下で生じる。いくつかの態様では、極性非プロトン性溶媒は、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様では、極性非プロトン性溶媒は、ジクロロメタンである。いくつかの態様では、式Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、約20℃~約30℃の温度で生じる。いくつかの態様では、式Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、約30℃の温度で生じる。いくつかの態様では、式Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、約10時間かかる。いくつかの態様では、化合物V、またはその薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、HPLC分析のためにサンプリングされる。いくつかの態様では、式Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、化合物12のHPLC面積%が2.0面積%未満になるまで停止する。いくつかの態様では、式Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、化合物12のHPLC面積%が1.0面積%未満になるまで停止する。いくつかの態様では、2つの連続した化合物12のHPLC分析の間の差は、0.5面積%未満である。
【0073】
いくつかの態様では、式IVの化合物、またはその薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、塩基の存在下で生じる。いくつかの態様では、塩基は、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである。いくつかの態様では、溶媒は、真空中で除去される。
【0074】
いくつかの態様では、式Vの化合物は、極性非プロトン性溶媒及び無機酸水溶液中に溶解される。いくつかの態様では、極性非プロトン性溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様では、極性非プロトン性溶媒は、1,4-ジオキサンである。いくつかの態様では、無機酸は、塩酸である。いくつかの態様では、式Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、約15℃~約25℃の温度で生じる。いくつかの態様では、式Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、約1~2時間かかる。いくつかの態様では、式Vの薬学的に許容される塩は単離される。いくつかの態様では、式Vの薬学的に許容される塩は、濾過によって単離される。いくつかの態様では、式Vの薬学的に許容される塩は、塩酸塩である。
【0075】
式Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩を、化合物9、
【化29】
またはその薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で、極性プロトン性溶媒中で無機酸水溶液と反応させることをさらに含むプロセスもまた本明細書に記載される。いくつかの態様では、式Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩を無機酸水溶液と反応させるプロセスでは、極性プロトン性溶媒は、アルコールである。いくつかの態様では、アルコールは、イソプロパノールである。いくつかの態様では、式Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩を無機酸水溶液と反応させるプロセスでは、無機酸は、塩酸である。いくつかの態様では、塩酸は、プロセスにおいて、式Vの約2~約6当量の量で存在する。いくつかの態様では、塩酸は、プロセスにおいて、式Vの約4.1当量の量で存在する。
【0076】
いくつかの態様では、化合物9を形成するプロセスは、約50℃~約70℃の温度で生じる。いくつかの態様では、化合物9を形成するプロセスは、約58℃~約62℃の温度で生じる。いくつかの態様では、化合物9を形成するプロセスは、約63℃~約67℃の温度で生じる。いくつかの態様では、式Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩を無機酸水溶液と反応させるプロセスでは、pHは、約0.2~約0.6に調整される。いくつかの態様では、式Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩を無機酸水溶液と反応させるプロセスでは、pHは、約1.2~約2.5に調整される。いくつかの態様では、式Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩を無機酸水溶液と反応させるプロセスでは、pHは、約2.6~約3.0に調整される。いくつかの態様では、化合物9を形成するプロセスは、1つ以上の添加剤の存在下で生じる。いくつかの態様では、1つ以上の添加剤は、水酸化ナトリウムを含む。いくつかの態様では、化合物9を形成するプロセスは、約15℃~約20℃の温度で冷却される。いくつかの態様では、化合物9、またはその薬学的に許容される塩は、単離される。いくつかの態様では、化合物9、またはその薬学的に許容される塩は、濾過によって単離される。
【0077】
本開示はさらに、化合物10またはその薬学的に許容される塩を、化合物11またはその薬学的に許容される塩と反応させることによって、化合物1またはその薬学的に許容される塩を調製するプロセスに関する。いくつかの態様では、化合物1、またはその薬学的に許容される塩を調製するプロセスは、極性非プロトン性溶媒の存在下で生じる。いくつかの態様では、極性非プロトン性溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、Nメチル-2-ピロリドン(NMP)、アセトニトリル、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様では、極性非プロトン性溶媒は、アセトニトリルである。
【0078】
上に記載のプロセスのうちのいずれかによって調製された化合物1の遊離塩基を、化合物1の薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で、無機酸水溶液と反応させることを含むプロセスが本明細書に提供される。いくつかの態様では、化合物1の遊離塩基と無機酸水溶液とのプロセスのpHは、約1~約1.5である。いくつかの態様では、無機酸は、臭化水素酸である。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は単離される。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は、ジヒドロブロミド塩である。
【0079】
本開示はさらに、化合物10を形成するのに好適な条件下で、化合物9を溶媒中で1,1’-カルボニルジイミダゾールと反応させることを含むプロセスに関し、プロセスは、化合物10を、化合物1、またはその薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で、化合物11と反応させることをさらに含む。いくつかの態様では、化合物1、またはその薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、極性非プロトン性溶媒の存在下で生じる。いくつかの態様では、極性非プロトン性溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様では、化合物1、またはその薬学的に許容される塩のプロセスは、1つ以上の添加剤の存在下で生じる。いくつかの態様では、1つ以上の添加剤は、ピリジン臭化水素酸塩を含む。いくつかの態様では、1つ以上の添加剤は、トリエチルアミンを含む。いくつかの態様では、プロセスは、化合物1の薬学的に許容される塩を形成するのに好適な条件下で、化合物1の遊離塩基を無機酸水溶液と反応させることをさらに含む。いくつかの態様では、pHは、約1~約1.5に調整される。いくつかの態様では、無機酸水溶液は、臭化水素酸である。
【0080】
本開示はさらに、化合物1の薬学的に許容される塩を、アルコール中で無機酸水溶液と反応させることを含むプロセスに関する。いくつかの態様では、アルコールは、イソプロパノールである。いくつかの態様では、無機酸水溶液は、臭化水素酸である。いくつかの態様では、臭化水素酸は、プロセスにおいて、化合物1の薬学的に許容される塩の約1~約3当量の量で存在する。いくつかの態様では、臭化水素酸は、プロセスにおいて、化合物1の薬学的に許容される塩の約2当量の量で存在する。
【0081】
いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、1つ以上の添加剤の存在下で生じる。いくつかの態様では、1つ以上の添加剤は、トリエチルアミンを含む。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩を形成するプロセスのpHは、約3~約3.5である。
【0082】
いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、約40℃~約50℃の温度で生じる。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩の種子が添加される。いくつかの態様では、種子の量は、約0.5重量%である。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩を形成するプロセスは、約5℃~約15℃に冷却される。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩が単離される。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は、結晶性固体として単離される。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は、濾過によって単離される。
【0083】
いくつかの態様では、化合物1は、上に記載のプロセスのうちのいずれか1つによって合成される。いくつかの態様では、本明細書に記載のプロセスの化合物1の薬学的に許容される塩が単離される。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1の薬学的に許容される塩は、ジヒドロブロミド塩である。
【0084】
本開示はさらに、98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩と、以下:
(1)0.7%~0.01%の式IIの化合物であって、
【化30】
【0085】
式中、
R1が、水素、フルオロ、またはクロロからなる群から選択され、
R2が、水素またはクロロからなる群から選択され、
R3が、フルオロまたはクロロからなる群から選択され、
R4が、-OH及び-N(H)CH2C(CH3)3からなる群から選択される、0.7%~0.01%の式IIの化合物、
もしくはその薬学的に許容される塩、
(2)0.05%~0.005%のイミダゾール、もしくはその薬学的に許容される塩、または
(3)0.7%~0.01%の式IIの化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、及び0.05%~0.005%のイミダゾール、もしくはその薬学的に許容される塩のうちの1つ以上とを含む組成物に関し、
式IIの化合物は、化合物1ではなく、化合物1、式IIの化合物、及び/またはイミダゾールの割合は、高速液体クロマトグラフィーによって決定される。いくつかの態様では、式IIの化合物は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ジヒドロブロミド塩である。
【0086】
いくつかの態様では、式IIの化合物は、式II-Aの化合物、
【化31】
またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの態様では、式II-Aの化合物は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、式II-Aの化合物は、ジヒドロブロミド塩である。
【0087】
いくつかの態様では、式IIの化合物は、式II-Bの化合物、
【化32】
またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの態様では、式II-Bの化合物は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、式II-Bの化合物は、ジヒドロブロミド塩である。
【0088】
いくつかの態様では、式IIの化合物は、式II-Cの化合物、
【化33】
またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの態様では、式II-Cの化合物は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、式II-Cの化合物は、ジヒドロブロミド塩である。
【0089】
いくつかの態様では、式IIの化合物は、式II-Dの化合物、
【化34】
またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの態様では、式II-Dの化合物は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、式II-Dの化合物は、ジヒドロブロミド塩である。
【0090】
いくつかの態様では、R4は、-N(H)CH2C(CH3)3である。いくつかの態様では、R4は、-OHである。いくつかの態様では、R1は、フルオロであり、R2は、水素であり、R3は、クロロである。いくつかの態様では、R1は、クロロであり、R2は、水素であり、R3は、フルオロである。いくつかの態様では、R1は、水素であり、R2は、クロロであり、R3は、フルオロである。いくつかの態様では、R1は、フルオロであり、R2は、水素であり、R3は、フルオロである。
【0091】
本開示はさらに、98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩と、0.6%~0.01%の化合物2、
【化35】
またはその薬学的に許容される塩とを含む組成物に関する。いくつかの態様では、化合物2は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物2は、ジヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ジヒドロブロミド塩である。
【0092】
本開示はさらに、98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩と、0.3%~0.01%の化合物3、
【化36】
またはその薬学的に許容される塩とを含む組成物に関する。いくつかの態様では、化合物3は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物3は、ジヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ジヒドロブロミド塩である。
【0093】
本開示はさらに、98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩と、0.5%~0.01%の化合物4、
【化37】
またはその薬学的に許容される塩とを含む組成物に関する。いくつかの態様では、化合物4は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物4は、ジヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ジヒドロブロミド塩である。
【0094】
本開示はさらに、98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩と、0.5%~0.01%の化合物5、
【化38】
またはその薬学的に許容される塩とを含む組成物に関する。いくつかの態様では、化合物5は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物5は、ジヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ジヒドロブロミド塩である。
【0095】
本開示はさらに、98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩と、0.5%~0.01%の化合物6、
【化39】
またはその薬学的に許容される塩とを含む組成物に関する。いくつかの態様では、化合物6は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物6は、ジヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ジヒドロブロミド塩である。
【0096】
本開示はさらに、98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩と、0.5%~0.01%の化合物7、
【化40】
またはその薬学的に許容される塩とを含む組成物に関する。いくつかの態様では、化合物7は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物7は、ジヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ジヒドロブロミド塩である。
【0097】
本開示はさらに、98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩と、0.5%~0.01%の化合物8、
【化41】
またはその薬学的に許容される塩とを含む組成物に関する。いくつかの態様では、化合物8は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物8は、ジヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ジヒドロブロミド塩である。
【0098】
本開示はさらに、98.0%~99.9%の化合物1、またはその薬学的に許容される塩と、0.05%~0.005%のイミダゾール、またはその薬学的に許容される塩とを含む組成物に関する。いくつかの態様では、イミダゾールは、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、化合物1は、ジヒドロブロミド塩である。
【0099】
本開示はさらに、化合物13を実質的に含まない酸化を受けやすい活性剤を有する組成物を調製するためのプロセスに関し、
【化42】
プロセスは、化合物11を溶媒中に溶解するステップと、化合物11の溶液を化合物9と組み合わせて、臭化水素酸で処理される混合物を形成するステップとを含む。いくつかの態様では、酸化を受けやすい活性剤は、化合物1のヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、酸化を受けやすい活性剤は、化合物1のジヒドロブロミド塩である。
【0100】
いくつかの態様では、化合物11を溶解するために使用される溶媒は、式R-OHのアルコールであり、式中、Rは、アルキルであり、但し、Rはエチルではないことを条件とする。いくつかの態様では、溶媒は、エタノール以外の一級アルコールである。いくつかの態様では、溶媒は、二級アルコールである。いくつかの態様では、溶媒は、三級アルコールである。いくつかの態様では、溶媒は、2-メチルプロパン-1-オールである。いくつかの態様では、溶媒は、プロパノールである。いくつかの態様では、溶媒は、イソプロパノールである。いくつかの態様では、混合物は、臭化水素酸処理中に0~5℃に温められる。
【0101】
いくつかの態様では、混合物は、6未満のpHで維持される。いくつかの態様では、混合物は、3未満のpHで維持される。
【0102】
本開示はさらに、本質的に化合物13を含まない化合物1の組成物を調製するためのプロセスに関し、プロセスは、化合物10を化合物11と組み合わせて、溶媒中で臭化水素酸で処理される混合物を形成するステップを含む。いくつかの態様では、酸化を受けやすい活性剤は、化合物1のヒドロブロミド塩である。いくつかの態様では、酸化を受けやすい活性剤は、化合物1のジヒドロブロミド塩である。
【0103】
いくつかの態様では、化合物1は、上に記載のプロセスのうちのいずれか1つによって合成される。
【実施例】
【0104】
以下の合成例は、本明細書に記載される方法の例示的なものであるが、限定するものではない。当分野で通常遭遇し、当業者に明らかである様々な条件及びパラメータの他の好適な修正及び適応は、本発明の趣旨及び範囲内である。
【0105】
合成例1
保護基tert-ブチル(1.0当量)を有する式Vをイソプロパノール及び水に添加し、約58~62℃で塩酸水溶液(約4.1当量)と反応させて、化合物9を得た。溶液のpHを水酸化ナトリウムで調整し(約0.2~0.6)、約65℃に加熱し、pHを再び約1.2~2.5に調整する。溶液を冷却し(約15~20℃)、約2.6~3.0の最終pHに調整して、生成物を結晶化する。化合物9を濾過し、水及びイソプロパノールで洗浄し、乾燥させる(<75℃)。
【0106】
合成例2
化合物9を、アセトニトリル及びピリジン臭化水素酸塩(約2.1当量)に添加する。1,1’-カルボニルジイミダゾール(約1.1当量)を添加し、混合物を加熱して(約20~30℃)、化合物10を得る。トリエチルアミン(約0.7当量)及びアセトニトリルを添加し、混合物を冷却し(約-7℃)、次のステップに進める。
【0107】
合成例3
化合物11のジヒドロブロミド塩(約1当量)をアセトニトリルに添加し、約-7℃でトリエチルアミン(約3.1当量)を添加して遊離塩基化合物11に変換する。この溶液を次のステップに進める。
【0108】
合成例4
化合物11の溶液(約1.20当量)を、約-7℃で化合物10の溶液(約1当量)と組み合わせて、化合物1の二臭化水素酸塩を得る。反応混合物を臭化水素酸水溶液(約7.5当量)で処理し、約40℃に加熱する。トリエチルアミンを添加して、約1~約1.5の最終混合物pHを得る。化合物1のジヒドロブロミド塩の種子(約0.1重量%)を添加し、混合物を冷却し(約5℃)、生成物を結晶化する。化合物1の二臭化水素酸塩の粗固形分を濾過し、水及びアセトニトリルで洗浄し、乾燥させる(約40~50℃)。
【0109】
合成例5
化合物1の二臭化水素酸塩の粗化合物(約1当量)を、臭化水素酸水溶液(約2当量)とともにイソプロパノール及び水中に溶解させる。この溶液を加熱し(約40~約50℃)、トリエチルアミン(約1当量)で中和し、化合物1の二臭化水素酸塩の種子(約0.5重量%)を添加する。イソプロパノール中で希釈したトリエチルアミンを、目標pH(約3~3.5)に到達するまで少しずつ添加する。溶液を冷却し(約5~15℃)、生成物を結晶化する。ニロガセスタット臭化水素酸塩(例えば、ニロガセスタット二臭化水素酸塩)の固形分を濾過し、予冷却(約8~12℃)したイソプロパノールで洗浄し、乾燥させる(≦65℃)。
【0110】
合成例6
乾燥したきれいな反応器を排気し、次いで、窒素を充填した。メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)及び精製水を、約15~約25℃で反応器に充填した。混合物を、表面下で窒素をバブリングして脱気した。15~25℃で、化合物12のリン酸水素塩(約1当量)を固体添加漏斗を介して混合物に添加し、約0.5~約1時間撹拌した。約15~約25℃で、水酸化ナトリウム溶液(約2当量)を混合物に添加した。混合物を、pHが≧11になるまで、pHについてサンプリングした。混合物を濾過した。濾過ケーキをMTBEですすいだ。濾液を約0.5~約2時間沈降させ、次いで、有機相及び水相に分離した。水相をMTBEで2回洗浄し、各回、約0.5~約1時間撹拌し、約0.5~約2時間沈降させ、次いで、有機相及び水相に分離した。有機層を収集し、約15~約25℃で、精製水で洗浄した。次いで、有機相を、約30~約45Lが残るまで、減圧下で≦40℃の温度で濃縮した。混合物を、カールフィッシャー(KF)分析のためにサンプリングした(KF≦0.1%)。化合物12の遊離塩基を合成した。
【0111】
ジクロロメタン(DCM)を、約15~約25℃で反応器に添加した。混合物を、約20~約30分間撹拌した。
【0112】
DCMを約15~約25℃で第2の反応器に添加し、混合物をKF分析のためにサンプリングした(KF≦0.1%)。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(約3.4当量)及びtert-ブチル(R)-2-ヒドロキシペンタノエート(約1.7当量)を、約15~約25℃で第2の反応器に添加し、次いで、混合物を約10~約20分間撹拌した。混合物を、約-20~約-30℃に冷却した。
【0113】
DCMを約15~約25℃で第3の反応器に添加し、混合物をKF分析のためにサンプリングした(KF≦0.1%)。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(約2当量)を、ポンプによって約15~約25℃で第3の反応器に添加し、次いで、混合物を約10~約20分間撹拌した。次いで、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(トリフルオロメタンスルホン酸無水物:DCM=1:6.4当量)で調製されたDCM溶液を、-20~-30℃で、撹拌しながら第2の反応器に添加した。混合物を約-20~約-30℃で反応させた。約0.5~約1時間後、tert-ブチル(R)-2-ヒドロキシペンタノエートの面積%が≦3.0面積%になるまで、HPLC分析のために約1~約2時間毎に混合物をサンプリングした。式IVの化合物を、トリフルオロメタンスルホネートとして脱離基、及びtert-ブチルとして保護基を用いて合成した。
【0114】
化合物12の遊離塩基の溶液を、約-20~約-30℃で、約100~約150Kg/hの速度で式IVの化合物の溶液に添加した。混合物を約20~約30℃に加熱した。約10時間後、化合物12の遊離塩基の面積%が≦2.0面積%になるか、または2つの連続した試料間の差が≦0.5%になるまで、HPLC分析のために約4~6時間毎に混合物をサンプリングした。約20~約30℃で混合物に重炭酸カリウム溶液(約5.0当量)を添加し、混合物を約0.5~約1時間撹拌した。混合物を、ステンレス鋼反応器に移した。混合物を約0.5~約1時間、約20~約30℃で撹拌し、約0.5~約1時間沈降させ、次いで、有機相及び水相に分離した。有機相を、約60~約90Lが残るまで、減圧下で、≦40℃の温度で濃縮した。1,4-ジオキサン(約10.0当量)を、≦40℃の温度で有機相に添加した。混合物を、約60~約90Lが残るまで、減圧下で、≦40℃の温度で濃縮した。DCM残留物が≦1%になるまで、混合物をDCM残留物分析のためにサンプリングした。追加の1,4-ジオキサン(約10.0当量)を、約15~約25℃で混合物に添加し、約0.5~約1時間撹拌した。次いで、混合物を濾過した。濾過ケーキを1,4-ジオキサンですすいだ。濾液を、約15~約25℃で反応器に移し、次いで、混合物を約10~約20分間撹拌した。精製水(約6.0当量)を、約15~約25℃で混合物に添加した。KFが約1~約2%になるまで混合物を調整し、次いで、約10~約20分間撹拌した。4MのHCl/ジオキサン溶液(約2当量のHCl)を、約15~約25℃で混合物に添加した。混合物を、結晶化のために、約15~約25℃で撹拌した。約1~約2時間後、tert-ブチル保護基を有する式Vの化合物の母液が≦0.8重量%になるまで、または2つの連続した試料間の差が≦0.3%になるまで、HPLC分析のために混合物をサンプリングした。混合物中のスラリーを濾過した。濾過ケーキを1,4-ジオキサンで3回すすぎ、次いで、濾過ケーキをn-ヘプタンで2回すすいだ。固体を約40~50℃の温度で乾燥させた。10時間後、1,4-ジオキサン残留物が≦0.5%及びn-ヘプタン残留物が≦0.5%になるまで、固体を3~6時間毎にサンプリングした。乾燥後、固体を15~25℃に冷却した。式Vの化合物の塩酸塩を、tert-ブチルとして保護基を用いて合成した。
【0115】
合成例7
化合物1を得るために、化合物9をアセトニトリル及びピリジン臭化水素酸塩(約2.1当量)に添加してもよい。次いで、1,1’-カルボニルジイミダゾール(約1.07当量)を添加し、混合物を加熱して(約20~30℃)、化合物10を得てもよい。次いで、トリエチルアミン(約0.66当量)及びアセトニトリルを添加し、混合物を冷却する(約-7℃)。次いで、混合物を、約-7℃で化合物11の溶液(1.20当量)と組み合わせて、化合物1を得る。次いで、反応混合物を臭化水素酸水溶液(約7.5当量)で処理し、約40℃に加熱する。トリエチルアミンを添加して、約1~1.5の最終混合物のpHを得てもよい。化合物1(約0.1重量%)の種子を添加することができ、混合物を冷却して(約5℃)、生成物を結晶化する。次いで、粗固体化合物1を濾過し、水及びアセトニトリルで洗浄し、乾燥させる(約40~50℃)。次いで、粗化合物1(1.0当量)を、臭化水素酸水溶液(2.0当量)とともにイソプロパノール及び水に溶解させてもよい。この溶液を加熱し(約40~50℃)、トリエチルアミン(1.0当量)で中和し、化合物1の種子(約0.5重量%)を再び添加することができる。次いで、イソプロパノール中で希釈したトリエチルアミンを、目標pH(約3~3.5)に到達するまで少しずつ添加する。溶液を冷却し(約5~15℃)、生成物を結晶化する。次いで、化合物1を濾過し、予冷却(約8~12℃)したイソプロパノールで洗浄し、乾燥させる(≦65℃)。
【国際調査報告】